説明

血液成分処理用材料、および血液成分処理装置

【課題】
本発明では、簡便に製造可能であり、また、高い白血球吸着率を有し、かつ、選択的に顆粒球・単球を除去できる材料の開発を課題とする。
【解決手段】
疎水性高分子からなる繊維表面に繰り返し単位が40以上のアルキレングリコールもしくはアルキレングリコール残基を含む化合物及び/又は繰り返し単位1700以上のポリビニルアルコールが導入された繊維を含むことを特徴とする血液成分処理用材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液中の白血球を選択的に捕捉する血液成分処理用材料、血液成分処理装置に関する。詳しくは、全血、赤血球、血小板濃厚液又は体外循環において、白血球を効率よく選択的に捕捉する血液成分処理材料、血液成分処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、全身性エリトマトーデス、悪性関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病等の自己免疫性疾患、白血病、癌などの治療、又は移植前の免疫抑制の目的で白血球を選択的に除去する技術が進歩してきている。
【0003】
白血球除去療法においては、現在フィルターによる濾過が一般的であるが、この方法では白血球の種類(顆粒球・単球・リンパ球)に無関係に除去される。顆粒球・単球はリンパ球と比較すると異物への吸着率が高く、この性質を利用して顆粒球・単球を除去する酢酸セルロースビーズを用いた白血球除去装置が開発されている(特許文献1参照)。しかしビーズを使用しているために容器が大きく体外に出る血液量が多いことによる患者への負担が考えられる。そこで、ビーズよりも表面積を確保できる繊維を用いた白血球除去法として、白血球が径の小さい繊維をより認識し吸着することを利用する白血球除去療法も研究されているが、現在対象とされている繊維は主に疎水性基材であるため、より生体適合性に優れると考えられる親水性表面を有するように改質することが好ましい。疎水性高分子としてポリプロピレンを基材として用い、空気中で電子線を照射した後、熱水中で処理することで表面に親水性を与える方法がある(特許文献2参照)が、これでは表面に修飾される親水基は水酸基とケト基だけであり、種々の親水性を与える目的のためには好ましくない。またプラズマ処理によって表面が親水化された疎水性基材繊維についても検討されている(特許文献3参照)。しかしながら、プラズマ処理では材料に一時的には親水性を付与できるが、付与された親水性は経時的に減少してしまい、親水性を長期間維持することは困難である。親水性化合物としてポリエチレングリコールが用いられているものもある(特許文献4参照)が、両末端又は片末端を固定する必要があり制御が困難である。さらに放射線を照射して繰り返し単位2〜15のポリエチレングリコールを修飾する方法もあるが、血小板の透過性を向上させることを目的としている(特許文献5参照)。しかしながら、これらの技術によっても、白血球の吸着率には限界があり、より高い吸着率を有する材料の開発が求められている。また、上記いずれの例においても炎症に関係の薄いリンパ球まで顆粒球・単球同様に除去対象としているという問題点がある。
【特許文献1】特開平5−168706号公報
【特許文献2】国際公開第99/10025号パンフレット
【特許文献3】特開平1−256971号公報
【特許文献4】特開平10−33668号公報
【特許文献5】特許第3386195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では基材表面の修飾に手間がかかることが多く、白血球の吸着率には限界がある。また、製造された血液処理材も炎症に関係の薄く、むしろ人体に有用なリンパ球まで顆粒球・単球同様に除去される。本発明では簡便に製造可能であり、また、高い白血球吸着率を有し、かつ、選択的に顆粒球・単球を除去できる材料の開発を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.疎水性高分子からなる繊維表面に繰り返し単位が40以上のアルキレングリコールもしくはアルキレングリコール残基を含む化合物及び/又は繰り返し単位1700以上のポリビニルアルコールが導入された繊維を含むことを特徴とする血液成分処理用材料。
2.顆粒球および単球の除去率が60%以上、リンパ球の除去率が50%以下であることを特徴とする前記1に記載の血液成分処理用材料。
3.該繊維を含む形態が不織布であることを特徴とする前記1又は2に記載の血液成分処理用材料。
4.該疎水性高分子がポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルのいずれかである前記1から3のいずれかに記載の血液成分処理用材料。
5.該疎水性高分子がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートである前記4に記載の血液成分処理用材料。
6.血液の入口及び出口を有する容器内に、前記1から5のいずれかに記載の血液成分処理用材料が充填されてなる血液成分処理装置。
7.疎水性高分子表面からなる繊維に放射線を用いて繰り返し単位が40以上のアルキレングリコールもしくはアルキレングリコール残基を含む化合物及び/又は繰り返し単位1700以上のポリビニルアルコールをグラフトさせることを特徴とする血液成分処理用材料の製造方法。
8.該血液成分処理用材料の形態が不織布であることを特徴とする前記7に記載の血液成分処理用材料の製造方法。
9.該疎水性高分子がポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルのいずれかである前記7又は8に記載の血液成分処理用材料の製造方法。
10.該疎水性高分子がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートである前記9に記載の液成分処理用材料の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の血液成分処理用材料は、従来の疎水性材料と比べ、簡便に製造可能であり、また、高い白血球吸着率を有し、さらに、高効率かつ選択的に顆粒球・単球を除去し、リンパ球の除去は低く抑えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に用いる繊維は、織布、不織布、綿布、中空糸など血液を変性させないで白血球を捕捉できる疎水性高分子からなる表面を有するものであればよい。ここでいう疎水性とは水との親和性が低いという意味であり、また基材は高分子からなるものであればよく、具体的にはポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステルなどが挙げられる。ここでいうポリオレフィンとは、アルケン又はアルキンを単独重合又は共重合させて得られたポリマーを言う。ポリオレフィンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等の単独重合により得られたポリオレフィン、又はポリプロピレン−ポリエチレン共重合体、ポリブチレン−ポリプロピレン共重合体等の共重合により得られたポリオレフィンが挙げられる。ポリエステルの例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフタレートが挙げられる。中でも、不織布への成型性や目的とする繊維径を有する繊維となるような加工のしやすさという観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。本発明に用いる繊維は上記高分子化合物の単量体からの単独重合体、共重合体、ブロック重合体及び上記高分子化合物のブレンド及びアロイ化したものを含むものや、セルロースもしくはその誘導体又はこれら両方の化合物等の再生繊維及び上記に示した合成高分子化合物とのブレンド、アロイ化したものを含むものなどが挙げられるが、オートクレーブにおける耐熱性および不織布作製における形状の制御性という点からポリプロピレン又はポリプロピレン−ポリエチレン共重合体等が好ましい。
【0008】
本発明における疎水性高分子に導入する親水性化合物は、繰り返し単位が40以上のアルキレングリコールもしくはアルキレングリコール残基(以下、アルキレングリコール等という。)を含む化合物、繰り返し単位1700以上のポリビニルアルコール又はこれら両方の化合物を少なくとも1つ含むものである。ある一定以上の繰り返し単位が必要となる理由は不明であるが、白血球が対象に充分に吸着するためには対象の親水性化合物にある程度の嵩高さが必要であり、繰り返し単位が少ない親水性化合物では充分な嵩高さを持つとはいえず、アルキレングリコール等では40以上、ポリビニルアルコールでは1700以上の繰り返し単位が必要となると考えられる。また親水性を持たせることで生体適合性にも優れるようになる。逆に繰り返し単位が多すぎると分子鎖どうしの絡み合いや、放射線照射時における分子間の架橋反応が進行してしまい分子鎖の可動領域が小さくなるので、親水性高分子の繰り返し単位は3万以下が好ましく、2万以下がより好ましい。
【0009】
ここで、アルキレングリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンテングリコールが好ましい。またアルキレングリコール残基を含む化合物としては、シリコン化アルキレングリコールや、メトキシジアルキレングリコールメタクリレート、メトキシトリアルキレングリコールメタクリレート、メトキシテトラアルキレングリコールメタクリレート、メトキシペンタアルキレングリコールメタクリレート、メトキシヘキサアルキレングリコールメタクリレート、メトキシヘプタアルキレングリコールメタクリレート、メトキシオクタアルキレングリコールメタクリレート、メトキシノナアルキレングリコールメタクリレート、メトキシデカアルキレングリコールメタクリレート、メトキシウンデカアルキレングリコールメタクリレート、メトキシドデカアルキレングリコールメタクリレート、メトキシトリデカアルキレングリコールメタクリレート、メトキシテトラデカアルキレングリコールメタクリレート、メトキシペンタデカアルキレングリコールメタクリレート等の末端メトキシメタクリレート、メトキシジアルキレングリコールアクリレート、メトキシトリアルキレングリコールアクリレート、メトキシテトラアルキレングリコールアクリレート、メトキシペンタアルキレングリコールアクリレート、メトキシヘキサアルキレングリコールアクリレート、メトキシヘプタアルキレングリコールアクリレート、メトキシオクタアルキレングリコールアクリレート、メトキシノナアルキレングリコールアクリレート、メトキシデカアルキレングリコールアクリレート、メトキシウンデカアルキレングリコールアクリレート、メトキシドデカアルキレングリコールアクリレート、メトキシトリデカアルキレングリコールアクリレート、メトキシテトラデカアルキレングリコールアクリレート、メトキシペンタデカアルキレングリコールアクリレート等の末端メトキシアクリレート、及びメチル基の代わりに水素が結合した末端水酸基を有するメタクリレート及びアクリレート、又末端に一つ以上の重合性の官能基を有しポリアルキレングリコール残基を有する化合物が挙げられる。
【0010】
また、ポリビニルアルコールとしてはけん化度が78〜81mol%であるものが好ましい。けん化度が高すぎると粘性が増加し、水に対する溶解性も低下する。また、低すぎると皮膜強度が落ちる。ここで言うけん化度とは、次式で求められる数値である。
(k)=(m)/((n)+(m))×100
(式中、kはケン化度、mは次の繰り返し単位
【0011】
【化1】

【0012】
で示されるポリビニルアルコール中のモノマー繰り返し単位数、nは次の繰り返し単位
【0013】
【化2】

【0014】
で示されるポリビニルアルコール中のモノマー繰り返し単位数、をそれぞれ表す。)
かかる親水性化合物を疎水性基材の表面に結合させる方法としては、共有結合、イオン結合、放射線、X線やプラズマによる表面修飾法、物理的吸着など、あらゆる公知の方法を用いることが出来るが、最も簡便でかつ安定な方法として、かかる親水性化合物を含んだ水溶液中で放射線を照射する方法が好ましい。
【0015】
具体的には、親水性化合物を0.1重量%以上2.0重量%以下含んだ充分量の水溶液中に疎水性基材を浸漬して行うことが望ましく、親水性化合物を0.1重量%以上1.0重量%以下含んだ水溶液中に浸漬して行うことがより好ましい。これは、水溶液中の親水性化合物の濃度が低すぎると溶媒の水による水酸基が導入されてしまい、濃度が高すぎると、放射線照射により溶液がゲル化するためである。
【0016】
また、照射線量を5kGy以上40kGy未満として照射して得られる血液成分処理用材が好ましい。これは、放射線の滅菌線量が小さすぎると、溶存酸素の影響を大きく受け表面修飾が行われにくくなり、大きすぎると材料が劣化するためである。放射線としては一般にグラフト化などで用いられるγ線が簡便であり好ましい。
【0017】
本発明の材料においては、その形態を不織布とすることが特に好ましい。その場合、不織布の嵩密度は、大きすぎると目づまりしやすく、逆に小さすぎると形態保持性が悪くなるので、0.02〜0.15g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15g/cmであるものが使用される。なおここで不織布とは、編織によらずに繊維或いは繊維の集合体が結合された布状のものをいう。
【0018】
また、繊維の径としては、白血球の貪食能が大きく発揮されるのは0.5μmから5μmの径に対してであるため、繊維径として0.5μmから20μmが考えられるが、これに限るものではなく、好ましくは顆粒球・単球の吸着効果が発揮させる4〜8μmがよい。一方、上記繊維(繊維Aとする。)に対し、主に血球の除去以外の目的、すなわち、材料の強度を一定以上に保つ目的から、より太径の繊維を混合することがある(繊維Bとする。)。かかる繊維Bの繊維の径としては、10μm〜50μmが好ましい。10μm未満の場合は、繊維Bの混合の主目的である強度維持の効果を期待できないことがある。50μmを超える場合は、繊維Aとの混合が困難になることがある。なお、ここでいう繊維径は、ランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡等で1000〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の直径を測定し、それらの平均値の小数点以下第一位を四捨五入し算出することで求められるものをいう。
【0019】
血液成分処理を実施するに関して上記血液成分処理材料を充填する血液成分処理装置の容器形状としては、血液の入口と出口を有する容器であれば特に限定はない。より好ましくは除去のための材料を積層状に充填できる容器や、円柱状、三角柱状、四角柱状、六角柱状、八角柱状、等の角柱状容器、更に、材料を円筒状に巻きこれを充填できる容器、又は、血液の流れが円筒の外周より入り内側へと流れ、最も内側に集まり血液流出口より出ることを特徴とする容器とが良好な形状となる。
【0020】
目標とすべき吸着率は、炎症に関係が深いとされる顆粒球・単球は60%以上、活性化されたリンパ球もある程度は除けることが好ましいため50%以下である。また白血球数の計測は血球計測用に販売されている装置であれば特に指定はなく、例を挙げるならば多項目自動血球分析装置XT−1800i(シスメックス株式会社)等を用いることができる。白血球吸着率は以下の式により算出した。
白血球吸着率(%)=
{(吸着前液中の白血球数)−(回収液中の白血球数)}/(吸着前液中の白血球数)
【実施例】
【0021】
(白血球吸着率)
目標とすべき吸着率は、炎症に関係が深いとされる顆粒球・単球は60%以上、活性化されたリンパ球もある程度は除くことが好ましいため50%以下と設定した。また白血球数の計測は多項目自動血球分析装置XT−1800i(シスメックス株式会社)を用い、白血球吸着率は以下の式により算出した。
白血球吸着率(%)=
{(吸着前液中の白血球数)−(回収液中の白血球数)}/(吸着前液中の白血球数)
実施例1
0.1重量%のポリエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製、ポリエチレングリコール2000、165−09105、繰り返し単位45)水溶液中に、ポリプロピレン製の不織布(繊維直径5μm、厚み2 mm)を浸漬した。これにγ線を室温で30kGy照射して放射線グラフトを行った。その後、2リットルのエタノールおよび蒸留水で洗浄し、繊維に共有結合していない余分なオリゴマーを取り除き真空乾燥させた。この不織布から直径10mmの布を8枚打ち抜き、直径10mm×35mmの円柱状で上下に血液の出入り口のある容器に積層状に充填し、ペリスタポンプを用いて生理食塩水を流速1.0mL/分として流して1 分洗浄し、白血球吸着容器とした。
【0022】
50mLの全血に1.54mLの1000U/mLヘパリンを加えて30U/mLのヘパリン含有全血を調製し、上記白血球吸着容器に下から上の向きに1.0mL/分で流して室温で通過させた。初めの3分は捨て、この時点を0分とし、以後2ずつ血液を10分までそれぞれ採取し、血球計算器でそれぞれの血液に残存する白血球数を測定した。
【0023】
結果、8分から10分後の回収液では吸着率が、顆粒球(好中球)=99.1%、リンパ球=33.9%、単球=90.9%であった。結果を表1に示す。
実施例2
親水性高分子を0.1重量%のシロキサン化ポリエチレングリコール(信越化学工業製、F−3031、繰り返し単位45)水溶液に変えた以外は実施例1と同一の条件で実験を行った。結果、8分から10分後の回収液では吸着率が、顆粒球(好中球)=90.1%、リンパ球=41.9%、単球=91.9%であった。結果を表1に示す。
実施例3
親水性高分子を0.1重量%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA417、繰り返し単位1700)水溶液に変えた以外は実施例1と同一の条件で実験を行った。結果、8分から10分後の回収液では吸着率が、顆粒球(好中球)=87.7%、リンパ球=45.2%、単球=81.9%であった。結果を表1に示す。
比較例1
ポリプロピレン製の不織布を放射線グラフトを行わずそのまま用いたこと以外は実施例1と同一の条件で実験を行った。結果、8分から10分後の回収液では吸着率が、顆粒球(好中球)=48.8%、リンパ球=3.8%、単球=41.5%であった。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性高分子からなる繊維表面に繰り返し単位が40以上のアルキレングリコールもしくはアルキレングリコール残基を含む化合物及び/又は繰り返し単位1700以上のポリビニルアルコールが導入された繊維を含むことを特徴とする血液成分処理用材料。
【請求項2】
顆粒球および単球の除去率が60%以上、リンパ球の除去率が50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の血液成分処理用材料。
【請求項3】
該繊維を含む形態が不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載の血液成分処理用材料。
【請求項4】
該疎水性高分子がポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルのいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の血液成分処理用材料。
【請求項5】
該疎水性高分子がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートである請求項4に記載の血液成分処理用材料。
【請求項6】
血液の入口及び出口を有する容器内に、請求項1から5のいずれかに記載の血液成分処理用材料が充填されてなる血液成分処理装置。
【請求項7】
疎水性高分子表面からなる繊維に放射線を用いて繰り返し単位が40以上のアルキレングリコールもしくはアルキレングリコール残基を含む化合物及び/又は繰り返し単位1700以上のポリビニルアルコールをグラフトさせることを特徴とする血液成分処理用材料の製造方法。
【請求項8】
該血液成分処理用材料の形態が不織布であることを特徴とする請求項7に記載の血液成分処理用材料の製造方法。
【請求項9】
該疎水性高分子がポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルのいずれかである請求項7又は8に記載の血液成分処理用材料の製造方法。
【請求項10】
該疎水性高分子がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートである請求項9に記載の液成分処理用材料の製造方法。