説明

血管内造影剤

本発明は、C2〜4アルキレンおよびC3〜5アルキニレンから好適に選択されるリンカー基を介して当該キレートに結合されたアミノ酸単位を含むように修飾されたGd−キレート、ならびにMRI用血管内造影剤としてのそのようなキレートの使用を提供する。実施態様は、増強された緩和能および良好なシグナル増強レベルを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤、特に、ガドリニウムキレートを含む造影剤としての使用に好適な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
MRIは、診断臨床医学において、最も重要かつ優れた技術の1つとなっている。今日、最も一般的に使用されている造影剤(CAs)は、熱力学的および動態学的に安定な低分子量のガドリニウム複合体である。しかしながら、現在の臨床的に利用可能なGd系造影剤は、非特異的であり不十分である可能性がある。実際、現在の臨床的に利用可能なGd系造影剤は、迅速な排泄および一過性の組織保持(transient tissue retention)を包含する欠点に悩まされる可能性がある。
【0003】
一方、高分子Gd複合体は、それらが低用量で血液プール内において増強され、かつ延長されたコントラスト改善(contrast enhancement)を与える可能性があることから、血液プールおよび腫瘍血管新生用の血管内CAsとして開発されており、大きなポリマーGd複合体は、特徴付けが不十分な構造、予測不可能な薬物動態、および延長された組織保持に起因するGd複合体からのGd漏出の可能性の増大等の制限と関連する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、公知の造影剤に対して、代替のおよび/または改良された造影剤を提供しようとするものである。本発明の実施態様は、患者の身体の特定の部位または特定の組織のそれらのターゲッティングの観点において特異的である造影剤を、好適に提供する。本発明の実施態様は、好ましくは、効率的な造影剤(例えば、1以上の優れた緩和能、シグナル増強、低毒性、適切な排泄速度および適切な組織保持を有する造影剤)を提供する。
【0005】
本発明者らは、それによって、アミノ酸官能性が金属キレート(好適にはGdキレート)にリンカー基を介して分子中に組み込まれる、新たなアミノ酸含有造影剤群の開発に着手した。
【0006】
実施態様において、後述するように、これらのアミノ酸含有造影剤は、ラットMRI研究において試験された場合、優れた特徴を呈する。
【0007】
また、本発明者らは、ガドリニウム複合体(特に、複数のガドリニウム複合体)を長さおよび構造が制御されたペプチドへ組み込むことによって、新たなオリゴマー系造影剤群の開発に着手した。
【0008】
本発明者らは、これが異なる配列、ペプチド長およびGdキレート数を有するGdペプチドの大きなライブラリーの合成を可能にすることを見出した。さらに、そのような造影剤(特に、そのような化合物のライブラリー)のスクリーニングは、所望の特性を有するオリゴマーの選択を好適に可能とするであろう。実施態様において、そのようなスクリーニングは、新規で効率的かつ選択的なMRI造影剤を同定するであろう。
【0009】
最も広い範囲において、本発明は、(1)リンカー基を介してアミノ酸単位を伴う常磁性金属キレートであって、そのような化合物はMRI用血管内造影剤として使用されること;ならびに(2)1つ、好ましくは少なくとも2つの常磁性金属キレートを伴うペプチド、好適には、比較的短いペプチド(例えば、2〜20アミノ酸単位(本明細書においてオリゴペプチドと呼ぶ))が提供され得ることを提案する。
本発明は、(1)1以上の金属キレート、リンカーおよびアミノ酸単位を制御することにより、例えば、患者体内の特定の位置に対してより特異的になり、および/またはより良好な緩和能を呈し、および/またはシグナル増強を呈するように、造影剤を仕立てることができ、ならびに、(2)(オリゴ)ペプチドの組成物および常磁性金属キレート数の一方または両方を制御することによって、当該造影剤を、患者体内の特定の位置に対してより特異的になり、および/またはより良好な緩和能を呈し、かつ/またはシグナル増強を呈するように仕立てることができる。
【0010】
本発明の造影剤がリンカー基を含む場合、当該リンカー基は、当業者が本発明の教示に照らして彼らの通常の一般的な知識から同定することが可能であろうあらゆる好適なリンカー基であってもよいことを意味する。特に、リンカー基は、金属キレートの金属のキレート化を干渉することなく金属キレートにアミノ酸単位またはペプチドの結合を好適に提供する。従って、特許請求の範囲に記載の特定のタイプのリンカー基は、単なる好ましい例である。
【0011】
第一の側面において、本発明は、下記式の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物を提供する。
【化1】

式中、
【化2】

は、常磁性金属キレートであり、
【化3】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、かつ
はアミノ酸またはアミノ酸誘導体である。
【0012】
さらなる側面において、本発明は、下記式の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物を提供する。
【化4】

式中、
【化5】

は、常磁性金属キレートであり、
【化6】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、かつ
各AおよびAは、アミノ酸およびアミノ酸誘導体から独立して選択される。
【0013】
さらなる側面において、本発明は、下記式の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物を提供する。
【化7】

式中、
【化8】

は、常磁性金属キレートであり、
【化9】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、かつ
各A〜Aは、アミノ酸およびアミノ酸誘導体から独立して選択され、かつ
nは2〜20の範囲内にある。
【0014】
好ましい
【化10】

は、Gdキレートである。
【0015】
好適には、金属キレートは窒素原子含有リガンドを含み、好適には、リガンドは、少なくとも2つの窒素原子、好ましくは少なくとも3つの窒素原子、そして最も好ましくは少なくとも4つの窒素原子を含む。
【0016】
好適には、金属キレートは、好ましくは、少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、そして最も好ましくは4つの窒素原子を有する窒素原子含有大環状分子を含む(すなわち、窒素原子は、金属キレートが金属を含む場合、その金属に配位するようにリガンド/大環状分子の部分を形成する)。
【0017】
実施態様において、金属キレートは、窒素含有リガンドを含み、金属キレートは、リガンドの窒素原子を介してアミノ酸部分に連結される。
【0018】
好適には、金属キレートはDOTAを含む。より好ましくは、金属キレートはGd−DOTAである。
【0019】
好ましくは、リンカー基は、C2〜4アルキレンおよびC3〜5アルキニレンから選択され、任意に置換される。最も好ましくは、リンカー基は、C2〜3アルキレンおよびCアルキニレンから選択され、任意に置換される。
【0020】
好ましい置換基は、以下に記載される。とりわけリンカーがアルキレンの場合、オキソ置換基(=O)が特に好ましい。
【0021】
実施態様において、とりわけリンカー基がアルキニレンの場合、リンカー基は非置換である。
【0022】
特に好ましい実施態様において、リンカー基は以下から選択される。
【化11】

【0023】
好ましくは、各AおよびAは、存在する場合、グルタミン酸、グルタミン酸誘導体、リシンおよびリシン誘導体から独立して選択される。より好ましくは、各AおよびAは、存在する場合、グルタミン酸誘導体およびリシン誘導体から独立して選択される。
【0024】
好ましいAは以下から独立して選択される:
【化12】

式中、Rは、本明細書に記載されるAおよび−OMeから独立して選択され、かつ
は、本明細書に記載されるAおよび−C(O)−Phから独立して選択される。
【0025】
好ましくは、Aは、以下から独立して選択される。
【化13】

【0026】
好ましくは、各A〜Aは、存在する場合、以下から独立して選択される。
【化14】

【0027】
好ましくは、nは、存在する場合、独立して2〜10である。
【0028】
好ましい実施態様およびさらなる側面において、本発明は、以下の化合物、ならびその薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物から選択される化合物を提供する:
【化15】

【化16】

式中、Mは本明細書に記載される常磁性金属であり、好ましくはGdである。
【0029】
従って、特に好ましい化合物は以下の通りである:
【化17】

【0030】
当該化合物は、任意に、金属に配位する1以上の水または他の分子(例えば、溶媒分子)を包含してもよい。
【0031】
特に好ましい実施態様において、当該化合物は、化合物1および2、その薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物から選択される:
【化18】

【0032】
上記化合物は、便宜上、配位する水分子と共に説明される一方、本発明は、そのような水分子が存在しない、または1以上の水分子を伴う各化合物をも包含する。実際、本発明は、Gdに配位する他の分子(例えば、溶媒分子)を有するそのような化合物を包含する。
【0033】
さらに、さらなる側面において、本発明は、金属の存在しない、本明細書に定義される化合物を提供する。すなわち、当該化合物は、好適な金属(例えば、Gd)がキレート化され得るリガンドである。リガンドの構造は、金属含有(例えば、Gd含有)化合物について本明細書に開示されるものと同一であってもよい。
【0034】
好ましい化合物(リガンド)は、以下の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、および溶媒和物から選択される:
【化19】

【0035】
さらなる側面において、本発明は、前記側面の化合物を提供し、この化合物は磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤、好適には血管内造影剤である。
【0036】
さらなる側面において、本発明は、ペプチドおよびペプチドに連結された少なくとも1種の常磁性金属キレートを含む、磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤を提供する。
【0037】
好ましくは、少なくとも2つの常磁性金属キレートがペプチドに連結される。
【0038】
好適には、常磁性金属キレートはGdキレートである。好ましくは常磁性金属キレートはGd−DOTAである。
【0039】
好ましくは、ペプチドは、2〜20のアミノ酸単位を含む。好ましくは、ペプチドは、グルタミン酸、グルタミン酸誘導体、リシンおよびリシン誘導体から選択されるアミノ酸単位を含む。
【0040】
好ましくは、造影剤は、ペプチドの少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、そして最も好ましくは少なくとも90%のアミノ酸単位と結合する常磁性金属キレートを含む。
【0041】
さらなる側面において、本発明は、アミノ酸部分に連結された常磁性金属キレート部分を含み、ここで、アミノ酸部分が少なくとも2つのアミノ酸単位を含む、磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤を提供する。
【0042】
好適には、アミノ酸部分は、オリゴペプチドを含む。好ましくは、オリゴペプチドは、2〜20アミノ酸単位を含む。好ましくは、オリゴペプチドは、2〜10アミノ酸単位を含む。
【0043】
好適には、常磁性金属キレート部分は、Gdキレート部分である。
【0044】
好ましくは、造影剤は、前記アミノ酸部分に連結された少なくとも2つの常磁性金属キレート部分を含む。
【0045】
好適には、アミノ酸部分における少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは実質的に全てが、それに連結された常磁性金属キレート部分を有し、そして最も好ましくは常磁性金属キレート部分がアミノ酸部分における各アミノ酸単位に連結される。
【0046】
好適には、造影剤は、前記アミノ酸部分に連結された2〜20の常磁性金属部分を含む。好ましくは、造影剤は、前記アミノ酸部分に連結された2〜10の常磁性金属部分を含む。
【0047】
好適には、アミノ酸部分における、そのまたは各アミノ酸単位はグルタミン酸、グルタミン酸誘導体、リシンおよびリシン誘導体から選択され、より好ましくはアミノ酸部分における、そのまたは各アミノ酸単位は、グルタミン酸誘導体およびリシン誘導体から選択される。
【0048】
好ましくは、アミノ酸部分における、そのまたは各アミノ酸単位は、以下から独立して選択される
【化20】

式中、Rはアミノ酸単位および−OMeから独立して選択され、かつ
はアミノ酸単位および−C(O)−Phから独立して選択される。
【0049】
より好ましくは、アミノ酸部分における、そのまたは各アミノ酸単位は以下から選択される:
【化21】

【0050】
好ましくは、キレート部分は、窒素原子含有リガンドを含み、好適にはリガンドは、少なくとも2つの窒素原子、好ましくは少なくとも3つの窒素原子、そして最も好ましくは少なくとも4つの窒素原子を含む。
【0051】
好適には、キレート部分は、窒素原子含有大環状分子を含む。好ましくは、キレート部分は、DOTAを含む。
【0052】
好ましくは、金属キレート部分は、リンカー基を介してアミノ酸部分に連結され、該リンカー基はC1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから選択され、任意に置換される。好適には、リンカー基は、C2〜4アルキレンおよびC3〜5アルキニレンから選択され、任意に置換される。最も好ましくは、リンカー基は、C2〜3アルキレンおよびCアルキニレンから選択され、任意に置換される。
【0053】
特に好ましい実施態様において、リンカー基は以下から選択される。
【化22】

【0054】
実施態様において、金属キレート部分は、窒素原子含有リガンドを含み、金属キレート部分は、リガンドの窒素原子を介してアミノ酸部分に連結される。
【0055】
さらなる側面において、本発明は、下記式ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、および溶媒和物の磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤を提供する。
【化23】

式中、
【化24】

は、常磁性金属キレートであり、
【化25】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、
【化26】

は、ペプチドであって、ここで、ペプチドにおけるアミノ酸単位の数は2〜20の範囲にあり、かつ
nは独立して2〜20である。
【0056】
さらなる側面において、本発明は、下記式ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、および溶媒和物の磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤を提供する。
【化27】

式中、
【化28】

は、常磁性金属キレートであり、
【化29】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、
各RおよびRは、H、−OMe、−C(O)−Ph、
【化30】

およびAから独立して選択され、
各Aはアミノ酸およびアミノ酸誘導体から独立して選択され、かつ
nは独立して2〜20である。
【0057】
さらなる側面において、本発明は、下記式ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、および溶媒和物の磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤を提供する。
【化31】

式中、
各Aは、
【化32】

から独立して選択され、
各RおよびRは、H、−OMe、−C(O)−Ph、
【化33】

およびAから独立して選択され、
式中、
【化34】

は、常磁性金属キレートであり、
【化35】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、
各Aはアミノ酸およびアミノ酸誘導体から独立して選択され、かつ
式中、nは独立して2〜20である。
【0058】
好適には、ペプチドは、本明細書に定義されるアミノ酸単位を独立して含む。
好ましくは、
【化36】

はGdキレートであり、より好ましくはGd−DOTAである。
好ましくは、
【化37】

は、C2〜4アルキレンおよびC3〜5アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換される。実施態様において、
【化38】

は、
【化39】

から独立して選択されるリンカー基である。
【0059】
好ましくは、ペプチドは、直鎖ペプチドおよび分岐鎖ペプチドから独立して選択される。
【0060】
好適には、造影剤は血管内造影剤である。
【0061】
また、本発明は、Gdの存在しない化合物(すなわち、リガンド)を包含する。さらなる側面において、本発明は、造影剤に対するリガンド(ここでリガンドは常磁性金属を伴わない本明細書に定義される造影剤を含む)を提供する。
【0062】
さらなる側面において、本発明は、前述の特許請求の範囲のいずれかの複数の造影剤を含むライブラリーを提供する。
【0063】
好ましくは、前記複数の造影剤の各々は、異なっている。好ましくは、前記複数の造影剤の各々は、異なるアミノ酸部分またはオリゴペプチドを含む。
【0064】
さらなる側面において、本発明は、本明細書に定義されるライブラリーのスクリーニング方法を提供する。
【0065】
好適には、当該方法は、高い緩和能および/または高いシグナル増強を呈する造影剤を同定するためのスクリーニング方法である。
【0066】
本発明のさらなる側面は、磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤の合成方法を提供し、当該方法は、(1)アミノ酸単位を常磁性金属キレートに付着させることによってモノマーアミノ酸金属キレートを形成する工程、および(2)少なくとも2つのモノマーアミノ酸金属キレートをそれらの各自のアミノ酸基を介して混合することによって、オリゴペプチド金属キレートを形成する工程を包含する。
【0067】
本発明のさらなる側面は、窒素原子含有リガンドを含む常磁性金属キレートの修飾方法を提供し、当該方法は、アクリレートエステルに窒素原子含有リガンドの窒素の共役付加を生じさせる工程を含む。
【0068】
好適には、アクリレートエステルは、共役付加後、金属キレートにプロピオネート基を与えるように選択される。
【0069】
好ましくは、当該方法は、修飾された金属キレートにアミノ酸またはペプチドを付着する工程を包含する。
【0070】
プロピオネート基を含む金属キレートの場合、好適には、アミノ酸またはペプチドはプロピオネート基を介して付着される。
【0071】
本発明のさらなる側面は、本明細書に開示される造影剤の合成方法を提供し、当該方法は、ペプチドを合成し、その後、少なくとも1つの常磁性金属キレートをそのペプチドに連結する工程を包含する。
【0072】
好適には、当該方法は、少なくとも2つの常磁性金属キレートをペプチドに連結することを包含する。
【0073】
本発明のさらなる側面は、磁気共鳴画像法(MRI)の実施方法を提供し、ここで、造影剤は本明細書に開示される化合物/造影剤である。好ましくは、当該方法は、画像を得ることを包含する。
【0074】
本発明のさらなる側面は、患者に造影剤を投与する方法を提供し、ここで、当該造影剤は、本明細書に開示される化合物/造影剤である。
【0075】
好適には、造影剤を投与する工程は、患者に注射することを包含する。
【0076】
本発明のさらなる側面は、ヒト又は動物身体に対して実施される診断方法用造影剤を提供し、ここで、当該造影剤は、本明細書に開示される化合物/造影剤である。
【0077】
本発明のさらなる側面は、ヒト又は動物身体に対して実施される磁気共鳴画像法用造影剤を提供し、ここで、当該造影剤は、本明細書に開示される化合物/造影剤である。
【0078】
本発明のさらなる側面は、本明細書に開示される化合物/造影剤の造影剤(好適には、MRI用血管内造影剤)としての使用を提供する。
【0079】
本発明のさらなる側面は、本明細書に定義される造影剤の構造を有する化合物を提供する。
【0080】
本発明のさらなる側面は、前記態様の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む造影剤組成物を提供する。
【0081】
2以上のアミノ酸単位(例えば、2〜20のような単位、すなわちペプチド)を含む本発明の造影剤は、好ましくは、それらの終末または末端基として、アミノ酸単位を有し、そのアミノ酸単位は任意に常磁性金属キレートに連結されてもよい。従って、末端アミノ酸単位は、金属キレートを伴ってもよく、伴わなくてもよい。
【0082】
いずれかの側面を、1以上の他の側面と組み合せてもよい。さらに、いずれかの側面のいずれか1以上の任意のおよび好ましい特徴を、いずれかの他の側面に適用してもよい。特に、方法または使用に関する特徴を、化合物、造影剤または組成物に適用してもよく、逆もまた同様である。
【0083】
定義
本明細書において使用される用語『常磁性金属』は、当業者によく知られているが、疑義を避けるため、それは、MRI造影剤としての使用に好適であるように、常磁性を呈する金属を意味することが意図される。ガドリニウムは、最も好ましい常磁性金属であり、常磁性金属に関する本明細書におけるあらゆる参照はガドリニウムも参照する。
【0084】
本明細書において使用される用語『アミノ酸単位』は、当業者によく知られているが、疑義を避けるため、アミノ酸、特にαアミノ酸を包含する天然および非天然アミノ酸、またはアミノ酸誘導体を意味することが意図され、ここで、アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、一価、二価または三価の基(radical)である。この点について、本明細書において使用される用語『αアミノ酸』は、下記式の化合物に関係する:
【化40】

および対応する基、例えば、
【化41】

式中、基Rはアミノ酸置換基であり、例えば、さらなるアミノ酸であってもよい。
【0085】
αアミノ酸の例は、天然アミノ酸および非天然アミノ酸の両方を包含する。天然アミノ酸は、非極性(疎水性)R基を有するもの:アラニン、Ala、A;イソロイシン、Ile、I;ロイシン、Leu、L;メチオニン、Met、M;フェニルアラニン、Phe、F;プロリン、Pro,P;トリプトファン、Trp、W;およびバリン、Val、V;極性であるが非電荷のR基を有するもの:アスパラギン、Asn、N;システイン、Cys、C;グルタミン、Gln、Q;グリシン、Gly、G;セリン、Ser、S;トレオニン、Thr、T;およびチロシン、Tyr、Y;(本質的に)陽電荷R基を有するもの:アルギニン、Arg、R;ヒスチジン、His、H;およびリシン、Lys、K;ならびに(本質的に)負電荷R基を有するもの:アスパラギン酸、Asp、D;グルタミン酸、Glu、Eを包含する。
【0086】
修飾天然アミノ酸の例は、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、およびO−フォスフォセリンを包含するが、これらに限定されない。
【0087】
非天然αアミノ酸の例は:β−(ナフ−2−イル)アラニン、β−(2−カルボフェニル)アラニン、β−(エチニル)アラニン、β−(フラン−2−イル)アラニン、β−(チエン−2−イル)アラニン、およびβ−(4−ピリジニル)アラニンを包含する。
【0088】
本明細書において記載されるように、好ましいアミノ酸単位は、グルタミン酸およびリシンと、同様にそれらの誘導体である。実際、アミノ酸単位に関する本明細書におけるあらゆる参照は、1以上のグルタミン酸、リシン、およびそれらの誘導体をも参照する。
【0089】
本明細書において使用される用語『アミノ酸誘導体』は、修飾された(例えば、1以上の原子または官能基が除去または置換された)アミノ酸単位に関する。他の一価の原子または、さらなる基もしくは化合物への水素の置換が例となるであろう。例えば、アミノ酸を、本明細書に記載されるような生物学的リガンドもしくは脂溶性基、または(例えば、ペプチド結合を介して接合される)1以上の他のアミノ酸単位を含むように修飾してもよい。
【0090】
本明細書において使用される用語『ペプチド』は、当業者によく知られているが、疑義を避けるため、アミノ酸単位から形成されるオリゴマーまたはポリマー種に関し、この単位はアミド結合(ペプチド結合としても知られる)によって共に連結される。本明細書に記載されるように、ペプチド中の好ましいアミノ酸単位の数は2〜20の間であるが、より多い数のアミノ酸単位でも可能であり、例えば、25まで、30まで、35まで、さらに40までである。この種の比較的短い鎖のペプチドは、本明細書においてオリゴペプチドとも呼ばれる。
【0091】
特定の好ましい置換基
好ましい実施態様において、置換基(本明細書においてしばしばRと呼ばれる)は、以下から独立して選択される:オキソ;ハロ;ヒドロキシ;エーテル(例えば、C1〜7アルコキシ);ホルミル;アシル(例えば、C1〜7アルキルアシル、C5〜20アリールアシル);アシルハライド;カルボキシ;エステル;アシルオキシ;アミド;アシルアミド;チオアミド;テトラゾリル;アミノ;ニトロ;ニトロソ;アジド;シアノ;イソシアノ;シアナート;イソシアナート;チオシアノ;イソチオシアノ;スルフヒドリル;チオエーテル(例えば、C1〜7アルキルチオ);スルフォン酸;スルフォナート;スルフォン;スルフォニルオキシ;スルフィニルオキシ;スルフミノ;スルフォンアミノ;スルフィンアミノ;スルファミル;スルフォアミド;C1〜7アルキル(例えば、非置換C1〜7アルキル、C1〜7ハロアルキル、C1〜7ヒドロキシアルキル、C1〜7カルボキシアルキル、C1〜7アミノアルキル、C1〜7アリール−C1〜7アルキルを含む);C3〜20ヘテロシクリル;またはC5〜20アリール(例えば、C5〜20カルボアリール、C5〜20ヘテロアリール、C1〜7アルキル−C5〜20アリールおよびC5〜20ハロアリールを含む)。
【0092】
1つの好ましい実施態様において、置換基(本明細書においてしばしばRと呼ばれる)は、以下から独立して選択される:
−F、−Cl、−Brおよび−I;
−OH;
=O;
−OMe、−OEt、−O(tBu)および−OCHPh;
−SH;
−SMe、−SEt、−S(tBu)および−SCHPh;
−C(=O)H;
−C(=O)Me、−C(=O)Et、−C(=O)(tBu)および−C(=O)Ph;
−C(=O)OH;
−C(=O)OMe、−C(=O)OEtおよび−C(=O)O(tBu);
−C(=O)NH、−C(=O)NHMe、−C(=O)NMeおよび−C(=O)NHEt;
−NHC(=O)Me、−NHC(=O)Et、−NHC(=O)Ph、サクシンイミジル、およびマレイミジル;
−NH、−NHMe、−NHEt、−NH(iPr)、−NH(nPr)、−NMe、−NEt、−N(iPr)、−N(nPr)、−N(nBu)、および−N(tBu)
−CN;
−NO
−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−tBu;
−CF、−CHF、−CHF、−CCl、−CBr、−CHCHF、−CHCHFおよび−CHCF
−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCCl、−OCBr、−OCHCHF、−OCHCHFおよび−OCHCF
−CHOH、−CHCHOHおよび−CH(OH)CHOH;
−CHNH、−CHCHNHおよび−CHCHNMe;ならびに、任意に置換されたフェニル。
【0093】
1つの好ましい実施態様において、置換基(本明細書においてしばしばRと呼ばれる)は、以下から独立して選択される:=O、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−OMe、−OEt、−SH、−SMe、−SEt、−C(=O)Me、−C(=O)OH、−C(=O)OMe、−CONH、−CONHMe、−NH、−NMe、−NEt、−N(nPr)、−N(iPr)、−CN、−NO、−Me、−Et、−CF、−OCF、−CHOH、−CHCHOH、−CHNH、−CHCHNHおよび−Ph。
【0094】
1つの好ましい実施態様において、置換基(本明細書においてしばしばRと呼ばれる)は、以下から独立して選択される:=O;ヒドロキシ;エーテル(例えば、C1−7アルコキシ);エステル;アミド;アミノ;およびC1−7アルキル(例えば、非置換C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、C1−7ヒドロキシアルキル、C1−7カルボキシアルキル、C1−7アミノアルキル、C5−20アリール−C1−7アルキルを含む)。
【0095】
1つの好ましい実施態様において、置換基(本明細書においてしばしばRと呼ばれる)は、以下から独立して選択される:
−OH;
=O;
−OMe、−OEt、−O(tBu)および−OCHPh;
−C(=O)OMe、−C(=O)OEtおよび−C(=O)O(tBu);
−C(=O)NH、−C(=O)NHMe、−C(=O)NMeおよび−C(=O)NHEt;
−NH、−NHMe、−NHEt、−NH(iPr)、−NH(nPr)、−NMe、−NEt、−N(iPr)、−N(nPr)、−N(nBu)および−N(tBu)
−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−tBu;
−CF、−CHF、−CHF、−CCl、−CBr、−CHCHF、−CHCHFおよび−CHCF
−CHOH、−CHCHOHおよび−CH(OH)CHOH;および
−CHNH、−CHCHNHおよび−CHCHNMe
【実施例】
【0096】
実施例および実施態様
本発明の実施態様は添付の図に関して、例としてのみ、以下に記載され、ここで、
図1および2は、シグナル強度の時間経過の結果を示す(Wistar雄ラットにおけるMRI実験の間、化合物1、2およびDotarem(容量0.04mmol Gd/kg体重)を脳動脈に注射後48分まで)。
【0097】
モノマーの合成
グルタミン酸から得られたアミノ酸モノマー、1と、リシンから得られたアミノ酸モノマー、2との2つのアミノ酸モノマーを合成した。
【化42】

【0098】
以下の実験手法は、モノマーアミノ酸含有リガンドの合成およびその後のGdClとの複合体形成のために使用された。
【0099】
1.化合物1の調製(スキーム1)
中間体a
乾燥CHCN中のアルキン溶液を、乾燥CHCN中の出発材料およびKCOの攪拌混合物に添加した。反応混合物を、60℃で1日間攪拌し、その後濾過して、蒸発乾固して、シリカゲル(10%MeOH:DCM)を通してカラムクロマトグラフィーによって精製された粗生成物を与えた。
【0100】
中間体b
THF中の中間体a懸濁物に、TBAFを添加し、18時間攪拌した。反応物をDCMで希釈し、水(3回)、塩水で洗浄し、その後MgSO上で乾燥させ、蒸発乾固させて生成物を得た。
【0101】
中間体c
−5℃においてDCM中のDCC、DMAPの攪拌溶液に、DCM中の中間体bの溶液を添加し、その後、DCM中のグルタミン酸誘導体溶液を滴下して、反応混合物を−5℃で18時間攪拌した。その後、反応物を濾過し、蒸発乾固した。粗生成物を、シリカゲル(10%メタノール/DCM)を通してカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0102】
リガンド1
DCM中の中間体cの攪拌溶液に、TFAを添加した。反応混合物を、20時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、DCM(2×10mL)、MeOH(2×10mL)およびジエチルエーテル(2×10mL)の連続的な部分(successive portion)の添加および蒸発によって酸を追い出し、その後凍結乾燥(lyphilized)して生成物を与えた。
【0103】
化合物1
GdClを、0.5M酢酸アンモニウム緩衝溶液(pH6)中の1当量(equiv)のリガンド1の溶液に添加した。反応を完了するため2時間の加熱を必要とした。HPLC精製の後、精製化合物1を得た。
【化43】

【0104】
2.化合物1の調製(スキーム2)
中間体d
CHCN中の出発材料およびメチルアクリレートの攪拌溶液に、室温でDBUを添加した。20時間後、反応混合物を濃縮し、DCMで希釈した後、水性NHCl、水および塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、そして蒸発乾固し、その後、シリカゲル(10%MeOH:DCM)を通してカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0105】
中間体e
MeOH/HO(3:1)中の中間体dの攪拌溶液にLiOHを添加し、16時間攪拌した。溶液を蒸発させて生成物を得た。
【0106】
中間体f
DCM中のDCC,HOBtの攪拌溶液に、0℃で、DCM中の中間体eおよびDIPEAの溶液を添加し、その後、DCM中のリシン誘導体溶液を滴下して、反応混合物を室温で2日間攪拌した。その後、混合物を濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を、シリカゲル(10%MeOH:DCM)を通してカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0107】
リガンド2
DCM中の中間体fの攪拌溶液に、TFAを添加した。反応混合物を、20時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、DCM(2×10mL)、MeOH(2×10mL)およびジエチルエーテル(2×10mL)の連続的な部分(successive portion)の添加および蒸発によって酸を追い出し、その後凍結乾燥(lyphilized)して生成物を与えた。
【0108】
化合物2
GdClを、0.5M酢酸アンモニウム緩衝溶液(pH6)中の1当量(equiv)のリガンド2の溶液に添加した。反応を完了するため2時間の加熱を必要とした。HPLC精製の後、化合物2を得た。
【化44】

【0109】
オリゴマーの合成
上述のモノマービルディングブロック(monomeric building blocks)を用い、以下に概略的に表わされるオリゴマー構造が合成され得る。
【化45】

【0110】
概略図に説明されるように、モノマー単位数の制御を、造影剤の特性を調整するために使用してもよい。特に、好ましくは、モノマー単位の数および特徴を、造影剤の柔軟性を調整するように、および/または患者体内における特定の部位に対する親和性を調整するように選択してもよい。例えば、好適に、造影剤(特にペプチド部分)の長さを、造影剤の特性を修飾するために調整できる。
【0111】
好適には、アミノ酸単位を、生物学的リガンド(好適には、患者体内の結合部位に選択的に結合するリガンド)の付着を可能とするように、修飾または誘導体化してもよい。実際、実施態様において、造影剤はそのような生物学的リガンドを包含する。
【0112】
好適には、アミノ酸単位を、造影剤の脂溶性を向上するように脂溶性基の組み込みを提供するために修飾してもよい。従って、本発明は、少なくとも1種の脂溶性基を含む本明細書に記載の造影剤を包含する。
【0113】
典型的には、造影剤は、上記に説明されるように2〜10アミノ酸単位を含む。好適には、各アミノ酸単位は、Gdキレートと結合するが、実施態様において、単に、いくつかの(好ましくは少なくとも50%)のアミノ酸単位がGdキレートに連結される。
【0114】
本明細書に記載されるように、特に好ましいGdキレートは、Gd−DOTAであり、好適には複合体化リガンド中の窒素を介してアミノ酸単位がGdキレートに連結される。
【0115】
実施態様において、所定数のリシンおよびグルタメート残基を含有する特定の長さのペプチドオリゴマーは、Gd(III)複合体に付着される。それゆえに、Gdの総量が制御される。
【0116】
ペプチドオリゴマーにGdキレートを付着する特に好ましい方法は、Gd配位基の窒素原子のアクリレートエステルへの共役付加に続く、ペプチドへの付着によって組み込まれたプロピオネート単位を介する。
【0117】
MRI実験
緩和能計測およびMRIは、Varian9.4T MRIシステム(Palo Alto,CA,USA)上で行われた。T1を、0.4、0.2、0.1、0.0.5、0.025、0.0125および0.00625mMの濃度のGdを用いて水性ファントム(phantom)中の反転回復スピンエコー(inversion recovery spin echo)により計測した。In vivo研究を、Wisterラット(雄、体重320〜640g)対して、2%イソフルラン麻酔のもとで行った。CAsを、尾静脈から注射した(用量:0.04mmol Gd/kg体重)。T1強調画像を、48分間に亘って6.4秒ごとに、T1強調グラジエントエコーシケンス(gradient echo sequence)により取得した(TR/TE=50/3ms、フリップ角=20度、解像度=230mm、厚=2mm)。
【0118】
それらの緩和能の研究は、2つのモノマー複合体のr(9.4T、25℃、水中で、1および2についてそれぞれ、6.81および4.84mM−1−1)は、両方とも、臨床的に使用されたもの(9.4T、25℃、水中で、Gd−DOTAおよびGd−DTPAについてそれぞれ、3.9および4.1mM−1−1)よりも高いことを示した。これら2つの複合体の画像研究は、i.v.尾静脈注射後すぐ60秒での脳動脈におけるコントラスト増強を証明した(図1)。Wister雄ラットにおけるMRI実験中の脳動脈におけるシグナル強度の時間経過(注射後15分まで)は、かなりのシグナル増強が認められ、造影剤は血管内に1時間残留したことを示した。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】i.v.尾静脈注射後すぐ60秒での脳動脈におけるコントラスト増強を証明した。
【図2】シグナル強度の時間経過の結果を示す(Wistar雄ラットにおけるMRI実験の間、化合物1、2およびDotarem(容量0.04mmol Gd/kg体重)を脳動脈に注射後48分まで)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の化合物、ならびに薬学的に許容される塩、水和物、およびその溶媒和物。
【化1】

式中、
【化2】

は、常磁性金属キレート、
【化3】

は、C1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、かつ、
はアミノ酸またはアミノ酸誘導体である。
【請求項2】
【化4】

がGdキレートである、請求項1の化合物。
【請求項3】
【化5】

がGd−DOTAである、請求項1または2の化合物。
【請求項4】
【化6】

が、C2〜4アルキレンおよびC3〜5アルキニレンから独立して選択され、任意に置換される、請求項1〜3のいずれかの化合物。
【請求項5】
【化7】

が、
【化8】

から独立して選択されるリンカー基である、請求項1〜4のいずれかの化合物。
【請求項6】
が、グルタミン酸、グルタミン酸誘導体、リシンおよびリシン誘導体から独立して選択される、請求項1〜5のいずれかの化合物。
【請求項7】
が、グルタミン酸誘導体およびリシン誘導体から独立して選択される、請求項1〜6のいずれかの化合物。
【請求項8】
が、下記から独立して選択される、請求項1〜7のいずれかの化合物:
【化9】

式中、
はAおよび−OMeから独立して選択され、かつ
は、存在する場合、グルタミン酸、グルタミン酸誘導体、リシンおよびリシン誘導体から独立して選択され、かつ
は上記のAおよび−C(O)−Phから独立して選択される。
【請求項9】
が下記から独立して選択される、請求項1〜8のいずれかの化合物。
【化10】

【請求項10】
各Aが、存在する場合、下記から独立して選択される、請求項1〜7のいずれかの化合物。
【化11】

【請求項11】
化合物1および2、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物から選択される、請求項1〜10のいずれかの化合物。
【化12】

【請求項12】
造影剤に対するリガンドであって、請求項1〜11のいずれかの化合物を含むが、常磁性金属を伴わない、リガンド。
【請求項13】
下記化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、および溶媒和物から選択される、請求項12のリガンド。
【化13】

【化14】

【請求項14】
造影剤を用いた磁気共鳴画像法(MRI)の実施方法であって、造影剤が請求項1〜11のいずれかの化合物である、方法
【請求項15】
患者に造影剤を投与する方法であって、造影剤が請求項1〜11のいずれかの化合物である、方法。
【請求項16】
造影剤が請求項1〜11のいずれかの化合物である、ヒトまたは動物身体に対して行われる磁気共鳴画像法用造影剤。
【請求項17】
下記式、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物の磁気共鳴画像法(MRI)用造影剤:
【化15】

式中、
【化16】

は常磁性Gdキレートであり、
【化17】

はC1〜6アルキレンおよびC2〜6アルキニレンから独立して選択されるリンカー基であって、任意に置換され、
【化18】

はペプチドであってペプチド中のアミノ酸単位数が2〜20の範囲であり、かつnが独立して2〜20である。

【図2】
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【図1】
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【公表番号】特表2012−508231(P2012−508231A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535543(P2011−535543)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/SG2009/000418
【国際公開番号】WO2010/056205
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(506076891)ナンヤン テクノロジカル ユニヴァーシティー (14)
【出願人】(503231882)エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ (179)
【Fターム(参考)】