説明

行動喚起システム

【課題】執務者が現在居る空間の環境を制御するのではなく、執務者がより好適な他の空間に移動することを喚起することによって、省エネルギー性や知的生産性等を向上させることが可能になる、行動喚起システムを提供すること。
【解決手段】対象者の環境を変えるための行動を、当該対象者に対して喚起する行動喚起システム2であって、行動喚起装置10とリモコン端末20を備える。リモコン端末20は、対象者の環境を変えるための操作内容の入力を受け付ける入力手段と、行動喚起情報を対象者に対して出力する出力手段とを備える。行動喚起装置10は、入力手段を介して受け付けられた操作内容に基づいて、当該操作内容に関連する情報であり、対象者の環境を変えるために当該対象者に対して行動を喚起するための行動喚起情報を取得する行動喚起部12bを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の環境を変えるための行動を、当該対象者に対して喚起する行動喚起システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内環境を制御する様々な試みが行われている。例えば、居室空間の環境を制御する室内環境制御機器と、室内環境制御機器の消費電力を計測する電力計測手段と、対象者が操作する入出力端末と、システム全体の管理等を行うシステムコントローラと、居室空間を管理する管理者が管理指標を入力する管理端末とを備え、対象者が入出力端末に入力した情報と、電力計測手段で計測された消費電力と、管理者が管理端末に入力した管理指標とに基づいて、システムコントローラが室内環境制御機器を制御する室内環境制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−075248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムは、対象者の入力情報に基づいて室内環境制御機器を制御するものであるため、この制御に際しては、対象者が顕在的に意図している情報のみが考慮され、対象者が潜在的に意図している情報については一切考慮されなかった。従って、対象者が入力した環境以外に、対象者の潜在的な意図に合致した環境が存在する場合であっても、当該環境を対象者に提供することができなかった。
【0005】
また、上記従来のシステムは、対象者が現在居る環境の制御を行うものであるため、この環境制御に伴って空調負荷や照明負荷が増えることが多かった。例えば、夏季において、対象者が現在居るオフィスの温度が、対象者の所望の温度に比べて高い場合、隣接する他のオフィスに移動することで対象者の体感温度を下げることができたとしても、対象者が現在居るオフィスの空調機器を制御して温度を下げることのみを行っており、空調負荷が増えることになっていた。従って、上記従来のシステムは、近年の省エネルギー化の要請に反するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、対象者の潜在的な意図を考慮することが可能になる、行動喚起システムを提供することを目的とする。また本発明は、対象者が現在居る空間の環境を、環境機器の制御ではなく対象者の行動で変えることによって、省エネルギー性や知的生産性等を向上させることが可能になる、行動喚起システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の行動喚起システムは、対象者の環境を変えるための行動を、当該対象者に対して喚起する行動喚起システムであって、前記対象者の環境を変えるための操作内容の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段を介して受け付けられた操作内容に基づいて、当該操作内容に関連する情報であり、前記対象者の環境を変えるために当該対象者に対して行動を喚起するための行動喚起情報を取得する行動喚起手段と、前記行動喚起手段にて取得された行動喚起情報を、前記対象者に対して出力する出力手段とを備える。
【0008】
請求項2に記載の行動喚起システムは、請求項1に記載の行動喚起システムにおいて、関連語辞書を記憶する関連語辞書記憶手段を備え、前記行動喚起手段は、前記入力手段を介して受け付けられた操作内容に含まれる語に対応する関連語を、前記関連語辞書記憶手段にて記憶された前記関連語辞書を参照して抽出する関連語抽出手段を備え、前記関連語抽出手段にて抽出された関連語に基づいて、前記行動喚起情報を取得する。
【0009】
請求項3に記載の行動喚起システムは、請求項2に記載の行動喚起システムにおいて、対象者が移動可能な空間の環境情報を取得する環境情報取得手段を備え、前記関連語抽出手段は、前記関連語抽出手段にて抽出された関連語に対応する環境に対して所定範囲内の環境を有する空間を、前記環境情報取得手段にて取得された環境情報に基づいて特定することにより、前記行動喚起情報を取得する。
【0010】
請求項4に記載の行動喚起システムは、請求項3に記載の行動喚起システムにおいて、前記対象者の現在位置を取得する現在位置取得手段を備え、前記行動喚起手段は、前記特定された空間の中から、前記現在位置取得手段にて取得された前記対象者の現在位置を基準とする所定範囲に位置する空間を特定する位置基準特定手段を備える。
【0011】
請求項5に記載の行動喚起システムは、請求項3又は4に記載の行動喚起システムにおいて、前記行動喚起手段は、前記特定された空間の環境を維持するために必要になるエネルギー負荷を特定し、前記特定された空間の中から当該特定したエネルギー負荷の低い順に所定数の空間を特定する負荷基準特定手段を備える。
【0012】
請求項6に記載の行動喚起システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の行動喚起システムにおいて、前記入力手段を介して受け付けられた操作内容に基づいて、各空間の環境を制御する環境制御手段を備え、少なくとも前記入力手段及び前記出力手段を、前記環境制御手段を遠隔操作するためのリモコン端末に設けた。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の行動喚起システムによれば、操作内容に関連する情報であって、対象者の環境を変えるために当該対象者に対して行動を喚起するための行動喚起情報を、対象者に対して出力することができるので、操作内容に関連する行動を対象者に喚起することで当該対象者の環境を変えることが可能になり、対象者の環境を変える上において、対象者の潜在的な意図を考慮することが可能になる。また、環境制御機器による環境制御を新たに行う必要がなくなる可能性が生じ、操作内容に基づいて直接的に環境制御機器による環境制御等を行う場合に比べて、省エネルギー性を向上させることが可能になる。さらに、対象者の環境を変えるだけではなく、対象者に行動を起こさせることで、対象者の知的生産性等を向上させることが可能になる。
【0014】
請求項2に記載の行動喚起システムによれば、操作内容に含まれる語に対応する関連語に基づいて行動喚起情報を取得するので、関連語を介して対象者の潜在的な意図を考慮することが可能になる。
【0015】
請求項3に記載の行動喚起システムによれば、関連語に対応する環境に対して所定範囲内の環境を有する空間を環境情報に基づいて特定するので、関連語を介して考慮した対象者の潜在的な意図に所定範囲で対応した空間を、移動先の空間として対象者に提示等することが可能になる。
【0016】
請求項4に記載の行動喚起システムによれば、関連語に基づいて特定された空間の中から、対象者の現在位置を基準とする所定範囲に位置する空間を特定するので、対象者が移動することに物理的に適した空間を、移動先の空間として対象者に提示等することが可能になる。
【0017】
請求項5に記載の行動喚起システムによれば、関連語に基づいて特定された空間の中から、エネルギー負荷の低い順に所定数の空間を特定するので、省エネルギー性を向上させるのに適した空間を、移動先の空間として対象者に提示等することが可能になる。
【0018】
請求項6に記載の行動喚起システムによれば、入力手段及び出力手段をリモコン端末に設けたので、対象者はリモコン端末を操作することで行動喚起の出力を受けることができ、専用装置を使用する場合のように特別な意図を対象者に持たせることを回避でき、対象者の自然な潜在的な意図を考慮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】行動喚起システムを適用したオフィスビルを模式的に示す側面図である。
【図2】行動喚起システムの電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図3】執務者基本情報の構成例を示す図である。
【図4】空間基本情報の構成例を示す図である。
【図5】機器位置情報の構成例を示す図である。
【図6】関連語辞書情報の構成例を示す図である。
【図7】関連語機器対応情報の構成例を示す図である。
【図8】操作処理のフローチャートである。
【図9】操作画面の表示例を示す図である。
【図10】行動喚起処理のフローチャートである。
【図11】関連語抽出処理のフローチャートである。
【図12】位置基準特定処理のフローチャートである。
【図13】負荷基準特定処理のフローチャートである。
【図14】行動喚起出力処理のフローチャートである。
【図15】行動喚起画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る行動喚起システムの実施の形態を詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
この行動喚起システムは、対象者の環境を変えるための行動を、当該対象者に対して喚起するためのシステムである。
【0022】
ここで、対象者の「環境」とは、対象者が居る空間の物理状態であって、対象者の行動に影響を与え得る物理状態を意味しており、例えば、温度、湿度、照度、空気清浄度、風速、風量、騒音、振動、匂いを挙げることができ、さらにこの他にも任意の環境を含めることができる。以下では、環境が、温度、湿度、あるいは照度である場合について説明する。なお、これら温度、湿度、照度を相互に区別する必要がない場合には、単に「環境」と総称する。また、環境は、対象者の心理的又は肉体的な状態であって、対象者が居る空間の物理状態に影響を受け得る状態を含み、例えば、「疲れた」や「眠い」等が含まれる。
【0023】
また、対象者が居る空間を「移動元空間」と称し、当該対象者に移動を喚起する先の空間を「移動先空間」と称する。「移動元空間」と「移動先空間」は、同一建屋内の空間であってもよく、あるいは、異なる建屋内の空間であってもよく、室内空間であるか室外空間であるかを問わない。以下では、これら移動元空間と移動先空間を相互に区別する必要がない場合には、単に「空間」と総称する。以下では代表例な例として、空間が、オフィスビルの空間である場合について説明する。より具体的には、オフィスビルの内部の「執務室」、「会議室」、「共有スペース」、及び「食堂」と、オフィスビルの外部の「テラス」が、「空間」である場合について説明する。
【0024】
また、「対象者」とは、行動喚起を促す対象となる者であり、その具体的な属性は任意であるが、以下では代表例な例として、対象者がオフィスビルで執務する「執務者」である場合について説明する。
【0025】
このような前提において、行動喚起システムは、執務者からの操作内容の入力を入力手段を介して受け付けた場合に、当該操作内容に基づいて、当該操作内容に関連する情報であって、当該対象者の環境を変えるために当該対象者に対して行動を喚起するための情報(以下、行動喚起情報)を、当該対象者に対して出力する。この入力手段としては、行動喚起システムに専用の入力端末を使用してもよいが、以下では、空間の環境を制御するための機器(以下、環境制御機器)を無線信号を介して遠隔操作するための入力手段(以下、リモコン端末)を使用する例について説明する。
【0026】
ここで、「操作内容に関連する情報」とは、操作内容以外の情報であって、操作内容に対して所定のロジックで関連性が認められた情報を意味する。以下では、操作内容の情報を「操作内容情報」と称し、操作内容に対して所定のロジックで関連性が認められた情報を「関連情報」と称する。所定のロジックとしては、例えば、Web検索に用いられている関連語検索ロジックのように、操作内容情報に対する同義語や類義語を辞書に基づいて取得するロジックや(例えば、特開2010−218209参照)、操作内容情報からTF−IDF(Term Frequency−Inverse Document Frequency)等の公知の方法により特徴キーワードを抽出し、当該抽出した特徴キーワードに似通っている特徴キーワードを有する情報を取得するロジック(例えば、特開2009−211385参照)を適用することができる。以下では、操作内容情報に対する関連語を関連語辞書に基づいて取得するロジックを適用した場合について説明する。
【0027】
(構成−オフィスビル)
次に、本実施の形態に係る行動喚起システムを適用したオフィスビルの構成について説明する。図1は、行動喚起システムを適用したオフィスビルを模式的に示す側面図である。この図1に示すように、オフィスビル1は、2階建の建屋であって、1階と2階の各々には、2つの執務室、1つの会議室、1つのテラスが設けられており、1階には1つの共有スペース、2階には1つの食堂が設けられている。これら各空間のいずれにおいても、執務者が1人又は複数人で執務を行うことが可能であるものとする。また、共有スペースとは、例えば、フリーアドレススペースのように、複数の執務者が共有して執務を行うことが可能なスペースである。以下では、これら各部屋を相互に区別するため、「1階第1執務室」、「1階第2執務室」、「2階第1執務室」、「2階第2執務室」、「1階会議室」、「2階会議室」、「1階テラス」、「2階テラス」、「1階共有スペース」、「食堂」と称する。
【0028】
(構成−行動喚起システム)
このように構成されたオフィスビル1には、行動喚起システム2が設けられている。図2は、行動喚起システム2の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。この図2に示すように、行動喚起システム2は、行動喚起装置10、複数のリモコン端末20、複数の環境センサ30、及び、複数の環境制御機器40を備えて構成されている。行動喚起装置10に対しては、複数のリモコン端末20の各々、複数の環境センサ30の各々、及び、複数の環境制御機器40の各々が、ネットワーク50にて通信可能に接続されている。なお、これら各装置等については、図1における図示を省略する。
【0029】
(構成−行動喚起装置)
行動喚起装置10は、対象者の環境を変えるための行動を、当該対象者に対して喚起する行動喚起するための行動喚起手段であって、入出力インターフェース(以下、入出力IF)11、制御部12、及び記憶部13を備えて構成されている。具体的には、この行動喚起装置10は、例えば、公知のパーソナルコンピュータやコンピュータサーバとして構成されている。
【0030】
入出力IF11は、行動喚起装置10が実行する各種処理に必要な情報の入力を受け付ける入力手段であると共に、行動喚起装置10が実行する各種処理に必要な情報を出力する出力手段であり、具体的には、ネットワークボードとして構成されている。
【0031】
制御部12は、行動喚起装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されている。特に、本実施の形態に係る行動喚起プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納され、当該記録媒体から行動喚起装置10にインストールされることで、制御部12の各部を実質的に構成する。
【0032】
この制御部12は、機能概念的に、操作部12aと行動喚起部12bを備える。操作部12aは、リモコン端末20に対する操作内容に応じて環境制御機器40を制御したり、行動喚起処理を起動する操作処理手段である。行動喚起部12bは、リモコン端末20を介して受け付けられた操作内容に基づいて、当該操作内容に関連する情報であり、執務者の環境を変えるために当該執務者に対して行動を喚起するための行動喚起情報を取得する行動喚起手段である。この行動喚起部12bは、さらに関連語抽出部12c、位置基準特定部12d、負荷基準特定部12e、及び行動喚起出力部12fを備える。関連語抽出部12cは、リモコン端末20を介して受け付けられた操作内容に含まれる語に対応する関連語を、後述する関連語辞書記憶DB13eにて記憶された関連語辞書を参照して抽出する関連語抽出手段である。位置基準特定部12dは、関連語抽出部12cによって特定された空間の中から、執務者の現在位置を基準とする所定範囲に位置する空間を特定する位置基準特定手段である。負荷基準特定部12eは、関連語抽出部12cによって特定された空間の環境を関連語抽出部12cにて抽出された関連語に対応する環境に制御するために必要になるエネルギー負荷を算定し、関連語抽出部12cによって特定された空間の中から当該算定したエネルギー負荷の低い順に所定数の空間を特定するエネルギー負荷基準特定手段である。行動喚起出力部12fは、執務者の行動を喚起するための出力をリモコン端末20を介して行わせる行動喚起出力手段である。これら各部の具体的な機能については、後述する。
【0033】
記憶部13は、行動喚起装置10の処理に必要な各種の情報を記憶する記憶手段であり、例えばハードディスクやその他の公知の記録媒体によって構成されるもので、執務者基本情報データベース(以下、データベースをDBと記載する)13a、空間基本情報DB13b、機器位置情報DB13c、関連語辞書情報DB13d、及び関連語機器対応情報DB13eを記憶する。以下では、記憶部13の各DBの詳細について説明するが、各DBに格納される情報として以下で説明する情報は、あくまで例示であり、実際には、一部を省略することができ、他の情報を含めることができ、あるいは他の情報で置換することができる。
【0034】
執務者基本情報DB13aは、執務者に関する基本的な情報(以下、執務者基本情報)を格納する執務者基本情報格納手段である。この執務者基本情報は、図3の構成例に示すように、項目「執務者ID」、項目「氏名」、項目「年齢」、項目「性別」、及び項目「職種」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「執務者ID」に対応する情報は、執務者を一意に識別するための執務者識別情報である。項目「氏名」、項目「年齢」、項目「性別」、項目「職種」に対応する情報は、それぞれ、執務者の氏名、執務者の年齢、執務者の性別、執務者の職種である。
【0035】
空間基本情報DB13bは、空間に関する基本的な情報(以下、空間基本情報)を格納する空間基本情報格納手段である。この空間基本情報は、図4の構成例に示すように、項目「空間ID」、項目「空間名」、及び項目「室内/室外」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「空間ID」に対応する情報は、空間を一意に識別するための空間識別情報である。項目「空間名」に対応する情報は、空間の空間名である。項目「室内/室外」に対応する情報は、空間が室内空間であるのか室外空間であるのかを区別するための情報である。
【0036】
機器位置情報DB13cは、各機器の配置位置に関する情報(以下、機器位置情報)を格納する機器位置情報格納手段である。この機器位置情報は、図5の構成例に示すように、項目「空間ID」、項目「環境センサID」、及び項目「環境制御機器ID」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「空間ID」に対応する情報は、これまでに説明した同一項目名に対応する情報と同じである。項目「環境センサID」に対応する情報は、環境センサ30を一意に識別するための環境センサ識別情報である。項目「環境制御機器ID」に対応する情報は、環境制御機器40を一意に識別するための環境制御機器識別情報である。
【0037】
関連語辞書情報DB13dは、関連語辞書を記憶する関連語辞書記憶手段である。この関連語辞書は、図6の構成例に示すように、項目「キーワード」、項目「基準語」、項目「具体的入力内容」、及び項目「関連語」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「キーワード」に対応する情報は、執務者のリモコンに対する操作内容に含まれ得る言葉であって、執務者の自己の現在の環境に対する言葉(以下、キーワード)である。項目「基準語」に対応する情報は、キーワードに基づいて関連語を抽出する際に基準とする言葉であり、ここでは、キーワードの反対の意味を持つ言葉が登録されている。項目「具体的入力内容」に対応する情報は、執筆者がリモコン端末20に対して後述する具体的入力領域での入力操作を行った場合の当該入力操作の内容である。項目「関連語」に対応する情報は、基準語に対する関連語である。この関連語辞書によれば、例えば、執務者のリモコン端末20に対する操作内容に「暑い」という言葉が含まれる場合には、この「暑い」と反対の意味を持つ基準語として「涼しい」が特定され、この基準語に対する関連語として「気温低下」及び「風速増加」が抽出される。このように基準語を介在させるのは、執務者が自己の現在の環境に対する言葉を使用する場合には、当該環境(上記の例では「暑い」環境)をそのまま表現することが予想され、この環境を改善するための関連語(上記の例では「気温低下」及び「風速増加」)を抽出するためには、この環境に直接的に対応する関連語ではなく、この環境と反対の意味の言葉(上記の例では「涼しい」)を基準にする必要があると考えられるからである。
【0038】
関連語機器対応情報DB13eは、環境制御機器40と関連語との対応関係に関する情報(以下、関連語機器対応情報)を格納する関連語機器対応情報格納手段である。この関連語機器対応情報は、図7の構成例に示すように、項目「環境制御機器ID」、項目「種別」、及び項目「関連語」に対応する情報を、相互に関連付けて格納されている。項目「環境制御機器ID」に対応する情報は、機器位置情報における同一項目に対応する情報と同じである。項目「種別」に対応する情報は、環境制御機器40の種別を示す情報である。項目「関連語」に対応する情報は、関連語辞書における同一項目に対応する情報と同じである。
【0039】
例えば、これら執務者基本情報、空間基本情報、機器位置情報、関連語辞書情報、及び関連語機器対応情報は、行動喚起装置10の管理者等によって、任意の端末装置からネットワーク50を介して各DBに格納される。
【0040】
(構成−リモコン端末)
図2において、複数のリモコン端末20の各々は、上述したように、環境制御機器40を無線信号を介して遠隔操作するためのリモコン端末20である。このリモコン端末20は、特記する場合を除いて、環境制御機器40のための公知のリモコン端末と同様に構成することができるが、特に、本実施の形態に係るリモコン端末20は、対象者の環境を変えるための操作内容の入力を受け付ける入力手段と、行動喚起装置10の行動喚起部12bにて取得された行動喚起情報を対象者に対して出力する出力手段とを備える。例えば、これら入力手段と出力手段は、リモコン端末20の正面に設けられたタッチパネルとして構成される。
【0041】
本実施の形態では、各執務者がリモコン端末20を1台ずつ保持していることを想定しており、リモコン端末20が各空間の環境制御機器40と赤外線通信等により直接的に通信し、これら環境制御機器40に対する遠隔操作を公知の方法で行うことができる。このようなリモコン端末20としては、環境制御機器40の公知の操作端末として専用に製造されたものを使用してもよいが、スマートフォンを含む既存の情報端末機器に対して環境制御機器40を制御するためのアプリケーションをインストールすることで、リモコン端末20を構成してもよい。以下では、このようにスマートフォンを利用した場合について説明する。このようにスマートフォンを利用した場合には、公知の移動体電話通信網を介してネットワーク50にアクセスし、環境制御機器40を遠隔操作することが可能になる。
【0042】
(構成−環境センサ)
複数の環境センサ30の各々は、各空間の環境データを検知する環境情報取得手段であり、各空間に配置されている。これら複数の環境センサ30は、公知の温度センサ、公知の湿度センサ、あるいは、公知の照度センサによって構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0043】
(構成−環境制御機器)
複数の環境制御機器40の各々は、リモコン端末20の入力手段を介して受け付けられた操作内容に基づいて、各空間の環境を制御する環境制御手段である。これら複数の環境制御機器40は、公知の空調機器、あるいは、公知の照明機器によって構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0044】
(構成−ネットワーク)
ネットワーク50は、行動喚起装置10に対して、複数のリモコン端末20の各々、複数の環境センサ30の各々、及び、複数の環境制御機器40の各々を、通信可能に接続する接続手段である。このネットワーク50は、図2では図示の便宜上、一つのネットワークとして示しているが、実際には異なる複数のネットワークとして構成することができる。例えば、ネットワーク50は、公知のインターネット、LAN、あるいは、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)の如き各種の通信規格に基づいて通信を行う通信線路として構成されている。
【0045】
(処理)
次に、このように構成された行動喚起システム2の行動喚起装置10によって実行される各処理について説明する。以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0046】
(処理−操作処理)
最初に、操作処理について説明する。図8は、操作処理のフローチャートである。この操作処理は、行動喚起装置10に対する電源投入後の任意のタイミングで開始される。操作処理が開始されると、制御部12の操作部12aは、執務者からのリモコン端末20に対する操作入力の有無を監視する(SA1)。例えば、執務者がリモコン端末20に対して所定操作を行うことで、リモコン端末20のタッチパネルに図9の如き操作画面21が表示される。この操作画面21は、自己の現在の環境を改善するための要求を具体的に入力するための具体的入力領域22と、自己の現在の環境を示す抽象的な言葉を入力するための抽象的入力領域23を備えている。
【0047】
具体的入力領域22には、例えば、執務者の移動元空間の環境(図9では気温を示す「26℃」)を示す数値22aと、この数値の変更を要求するための操作ボタン(図9では、気温を上昇させることを指示するための上向き三角形の操作ボタン22bと、気温を低下させることを指示するための下向き三角形の操作ボタン22c)が表示されている。そして執務者は、この操作ボタン22b、22cを操作することで、自己の現在の環境を改善するための要求を行うことができる。この操作ボタン22b、22cを使用した操作には、単純操作と行動喚起操作がある。単純操作とは、執務者が自己の顕在的な意思によって環境制御機器40を直接的に制御する操作である。例えば、操作ボタン22b、22cを1度だけ操作した場合(シングルクリックした場合)には単純操作になる。図9の例では、操作ボタン22bが操作された場合には気温が1度だけ上昇させる単純操作となり、操作ボタン22cが操作された場合には気温が1度だけ低下させる単純操作となる。単純操作があった場合には、リモコン端末20から無線送信された信号によってその周囲の環境制御機器40が直接的に制御されるので、執務者は、煩わしさを感じることなく、従来と同様にリモコン操作を行うことができる。行動喚起操作とは、執務者の潜在的な意思によって環境を制御するための操作である。例えば、操作ボタン22b、22cを2度操作した場合(ダブルクリックした場合)には行動喚起操作になる。図9の例では、操作ボタン22bが操作された場合には「気温上昇」の行動喚起操作となり、操作ボタン22cが操作された場合には「気温低下」させる行動喚起操作となる。このように、行動喚起操作の内容は、表示している数値22aの種類(気温、風量、又は照度)と操作ボタン22b、22cの操作との組み合わせにより、予め記憶部13に記憶させておいた図示しない対応テーブルを参照等することによって、決定される。
【0048】
なお、執務者の移動元空間の環境を示す数値22aは、例えば、リモコン端末20の現在位置を公知の方法(例えば、リモコン端末20からの電波を受信した複数の受信機の位置と、各受信機による受信電波強度に基づく、端末位置特定方法や、リモコン端末20に組み込んだ公知のGPS測定機能を用いた測定方法)を用いて特定することにより、執務者の移動元空間を特定し、当該特定した移動元空間に対応する空間IDを空間基本情報DB13bから取得し、当該取得した空間IDに対応する環境センサIDを機器位置情報DB13cから取得し、当該取得した環境センサIDに対応する環境センサ30を用いて数値を測定する。この他、リモコン端末20に環境センサ30を一体化することで、当該一体化した環境センサ30を用いて数値を測定してもよい。なお、図9には、気温のみを表示しているが、風量や照度等の他の環境に関する数値と操作ボタンを表示してもよく、これらを所定方法で切り替え表示できるようにしてもよい。
【0049】
抽象的入力領域23には、例えば、執務者の移動元空間の環境を示す抽象的な言葉(図9では、「暑い」「寒い」「眠い」「疲れた」の4つ)を表示した複数の操作ボタン23a〜23dが表示されている。そして執務者は、この操作ボタン23a〜23dを操作することで、自己の現在の環境を入力することができる。ただし、このような抽象的な言葉は、他の方法で入力するようにしてもよく、例えば、執務者が入力した自然文から言語解析することで、当該抽象的な言葉のいずれかに合致する言葉を抽出してもよい。この操作ボタン23a〜23dによる操作は、行動喚起操作となる。
【0050】
執務者からのリモコン端末20に対する操作入力が行われると、この操作入力の内容がリモコン端末20からネットワーク50を介して行動喚起装置10に送信され、制御部12の操作部12aは、操作入力があったものと判定する(SA1、Yes)。この場合、操作部12aは、操作が単純操作であるか否かを判定する(SA2)。単純操作である場合には(SA2、Yes)、リモコン端末20から無線送信された信号によってその周囲の環境制御機器40が直接的に制御されており、環境制御が完了しているため、行動喚起装置10はそれ以上の処理を行うことなく、操作処理を終了する。一方、単純操作でない場合には(SA2、No)、執務者の潜在的な意思によって環境を制御するため、行動喚起処理を起動する(SA3)。
【0051】
(処理−行動喚起処理)
次に、行動喚起処理について説明する。図10は、行動喚起処理のフローチャートである。
【0052】
(処理−行動喚起処理−関連語抽出処理)
この行動喚起処理では、最初に、関連語抽出処理が起動される(SB1)。図11は、関連語抽出処理のフローチャートである。この関連語抽出処理において、関連語抽出部12cは、執務者からのリモコン端末20に対する操作入力が、具体的入力領域22に対する操作入力であるか否かを判定する(SC1)。そして、具体的入力領域22に対する操作入力である場合(SC1、Yes)、関連語抽出部12cは、関連語辞書情報DB13dに格納された関連語辞書情報を参照し、当該操作入力の内容に対応する具体的入力内容を抽出し(SC2)、当該抽出した具体的入力内容に対応する関連語を抽出する(SC3)。例えば、図6、9を参照すると、操作入力の内容が、「気温低下」を指示するための操作ボタン22cの操作であった場合、当該操作入力の内容に対応する具体的入力内容として「気温低下操作」を抽出し、当該抽出した具体的入力内容に対応する関連語として「気温低下」及び「風速増加」を抽出する。これにて関連語抽出処理が終了する。
【0053】
一方、リモコン端末20に対する操作入力が、抽象的入力領域23に対する操作入力である場合(SC1、No)、関連語抽出部12cは、関連語辞書情報DB13dに格納された関連語辞書情報を参照し、当該操作入力の内容に対応するキーワードを抽出し(SC4)、当該抽出したキーワードに対応する基準語を抽出し(SC5)、当該抽出した基準語に対応する関連語を抽出する(SC6)。例えば、図6、9を参照すると、操作入力の内容が、「暑い」である場合、当該操作入力の内容に対応するキーワードとして「暑い」を抽出し、当該抽出したキーワードに対応する基準語として「涼しい」を抽出し、当該抽出した基準語に対応する関連語として「気温低下」及び「風速増加」を抽出する。これにて関連語抽出処理が終了する。
【0054】
(処理−位置基準特定処理)
次に、図10の位置基準特定処理(SB2)について説明する。図12は、位置基準特定処理のフローチャートである。この位置基準特定処理において、位置基準特定部12dは、図11のSC3又はSC6で抽出した関連語に対応する所定範囲内の環境を有する場所を、候補移動先空間として特定する(SD1)。関連語に対応する環境とは、関連語に含まれる環境であり、例えば、関連語が「気温上昇」や「気温低下」である場合には、関連語に対応する環境は「気温」となり、関連語が「風速増加」や「風速低減」である場合には、関連語に対応する環境は「風速」となり、関連語が「照度上昇」や「照度低下」である場合には、関連語に対応する環境は「照度」となる。また、所定範囲は、任意に設定することができるが、例えば、気温に対しては2℃、風速に対しては0.2m/秒、照度に対しては200ルクスのように、記憶部13に予め設定される。例えば、抽出した関連語が「気温低下」である場合、執務者の移動元空間における環境である「気温」を、上述したのと同様の方法によって環境センサ30を用いて測定する。また、移動元空間以外の全ての空間の「気温」を、環境センサ30を用いて測定する。次いで、当該測定した移動元空間の気温に対応する所定範囲内が2℃以内(関連語が「気温低下」である場合には−2℃以内、関連語が「気温上昇」である場合には+2℃以内)であることから、移動元空間以外の全ての空間の中から、このような条件に合致する全ての空間を特定し、当該特定した全ての空間を候補移動先空間とする。
【0055】
次いで、SD1で特定した候補移動先空間の中から、執務者の移動元空間に近い順に、所定数の空間を、新たな候補移動先空間として特定する(SD2)。所定数は、任意に記憶部13に予め設定される。例えば、移動元空間が「1階第1会議室」、候補移動先空間が他の全ての空間、所定数=4であった場合、「1階第1執務室」、「1階第2執務室」、「1階共有スペース」、及び「食堂」を、新たな候補移動先空間として特定する。これにて位置基準特定処理が終了する。
【0056】
(処理−負荷基準特定処理)
次に、図10の負荷基準特定処理(SB3)について説明する。図13は、負荷基準特定処理のフローチャートである。この負荷基準特定処理において、負荷基準特定部12eは、候補移動先空間の現在の環境を維持するためのエネルギー負荷を特定する(SE1)。具体的には、候補移動先空間の空間IDを空間基本情報DB13bから取得し、当該取得した空間IDに対応する環境制御機器IDを機器位置情報DB13cから取得し、当該取得した環境制御機器IDによって特定される環境制御機器40の現在の消費電力を公知の方法により取得し、当該取得した消費電力を、候補移動先空間の現在の環境を維持するためのエネルギー負荷とする。
【0057】
そして、負荷基準特定部12eは、候補移動先空間の中から、SE1で特定したエネルギー負荷の低い順に、所定数の空間を、最終の候補移動先空間として特定する(SE2)。所定数は、任意に記憶部13に予め設定される。例えば、候補移動先空間が「1階第1執務室」、「1階第2執務室」、「1階共有スペース」、及び「食堂」であり、それぞれのエネルギー負荷が「550Kw」、「600kW」、「380kW」、「800kW」であり、所定数=2であった場合、「1階第1執務室」及び「1階共有スペース」を、最終の候補移動先空間として特定する。これにて負荷基準特定処理が終了する。
【0058】
(処理−行動喚起出力処理)
次に、図10の行動喚起出力処理(SB4)について説明する。図14は、行動喚起出力処理のフローチャートである。この行動喚起出力処理において、行動喚起出力部12fは、図13のSE2で最終的に特定した候補移動先空間の空間名を、空間基本情報DB13bを参照して取得する(SF1)。
【0059】
次いで、行動喚起出力部12fは、最終的に特定した候補移動先空間に関して、SF1で取得した空間名と図12のSD1で測定した環境とを含んだ行動喚起画面の画面データを生成し、当該画面データをリモコン端末20に送信することにより、当該リモコン端末20に当該行動喚起画面を出力させる(SF2)。この行動喚起画面24は、例えば、図15に示すように、移動先空間への移動を喚起するための所定のメッセージ24aと(図15では「以下の空間に移動することをお勧めします」)、最終的に特定した候補移動先空間毎に空間名と環境を表示する行動喚起情報表示領域24b、24cとを含んで構成されている。このような行動喚起画面24を見ることで、執務者は、自己の潜在的な意思に合致した環境を有する空間を把握することができ、当該空間に移動することで、自己の潜在的な意思に合致した環境で執務を継続すること等が可能になる。これにて行動喚起出力処理を終了し、図10の行動喚起処理を終了する。
【0060】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0061】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0062】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、行動喚起装置10の機能の一部をリモコン端末20に持たせたり、行動喚起装置10を複数のサーバにより分散して構成したりしてもよい。
【0063】
(行動喚起情報の取得方法について)
行動喚起情報の取得方法としては、関連語辞書を使用する方法以外にも、例えば、基準語に対する同義語や類義語を公知の方法で抽出して使用する等してもよい。
【0064】
(位置基準特定処理について)
位置基準特定処理は、負荷基準特定処理の前に行ったり、省略したりしてもよい。また、位置基準特定処理を実行する場合であっても、移動元位置を基準とする所定範囲の位置を特定するのではなく、例えば、執務者毎に移動可能な範囲の条件を予め記憶部に設定しておき、この条件に合致する位置を特定してもよい。
【0065】
(負荷基準特定処理について)
負荷基準特定処理は、省略してもよい。また、負荷基準特定処理を実行する場合であっても、特定された空間の環境を維持するために必要になるエネルギー負荷を基準とするのではなく、特定された空間の環境を執務者の要求によって環境制御するために必要になるエネルギー負荷を基準としてもよい。
【0066】
(環境制御機器について)
環境制御機器40としては、上述した機器以外にも、様々な機器を用いることができ、例えば、ブラインド、換気扇、匂い放出器等を使用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 オフィスビル
2 行動喚起システム
10 行動喚起装置
11 入出力IF
12 制御部
12a 操作部
12b 行動喚起部
12c 関連語抽出部
12d 位置基準特定部
12e 負荷基準特定部
12f 行動喚起出力部
13 記憶部
13a 執務者基本情報DB
13b 空間基本情報DB
13c 機器位置情報DB
13d 関連語辞書情報DB
13e 関連語機器対応情報DB
20 リモコン端末
21 操作画面
22 具体的入力領域
22a 数値
22b、22c 操作ボタン
23 抽象的入力領域
23a〜23d 操作ボタン
24 行動喚起画面
24a メッセージ
24b、24c 行動喚起情報表示領域
30 環境センサ
40 環境制御機器
50 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の環境を変えるための行動を、当該対象者に対して喚起する行動喚起システムであって、
前記対象者の環境を変えるための操作内容の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段を介して受け付けられた操作内容に基づいて、当該操作内容に関連する情報であり、前記対象者の環境を変えるために当該対象者に対して行動を喚起するための行動喚起情報を取得する行動喚起手段と、
前記行動喚起手段にて取得された行動喚起情報を、前記対象者に対して出力する出力手段と、
を備える行動喚起システム。
【請求項2】
関連語辞書を記憶する関連語辞書記憶手段を備え、
前記行動喚起手段は、
前記入力手段を介して受け付けられた操作内容に含まれる語に対応する関連語を、前記関連語辞書記憶手段にて記憶された前記関連語辞書を参照して抽出する関連語抽出手段を備え、
前記関連語抽出手段にて抽出された関連語に基づいて、前記行動喚起情報を取得する、
請求項1に記載の行動喚起システム。
【請求項3】
対象者が移動可能な空間の環境情報を取得する環境情報取得手段を備え、
前記関連語抽出手段は、前記関連語抽出手段にて抽出された関連語に対応する環境に対して所定範囲内の環境を有する空間を、前記環境情報取得手段にて取得された環境情報に基づいて特定することにより、前記行動喚起情報を取得する、
請求項2に記載の行動喚起システム。
【請求項4】
前記対象者の現在位置を取得する現在位置取得手段を備え、
前記行動喚起手段は、前記特定された空間の中から、前記現在位置取得手段にて取得された前記対象者の現在位置を基準とする所定範囲に位置する空間を特定する位置基準特定手段を備える、
請求項3に記載の行動喚起システム。
【請求項5】
前記行動喚起手段は、前記特定された空間の環境を維持するために必要になるエネルギー負荷を特定し、前記特定された空間の中から当該特定したエネルギー負荷の低い順に所定数の空間を特定する負荷基準特定手段を備える、
請求項3又は4に記載の行動喚起システム。
【請求項6】
前記入力手段を介して受け付けられた操作内容に基づいて、各空間の環境を制御する環境制御手段を備え、
少なくとも前記入力手段及び前記出力手段を、前記環境制御手段を遠隔操作するためのリモコン端末に設けた、
請求項1から5のいずれか一項に記載の行動喚起システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−58013(P2013−58013A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194981(P2011−194981)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)