説明

衛星運用システム、これに用いる運用計画サーバ装置

【課題】 この発明は、衛星および地上局の運用状態に支障が生じる可能性がある場合のシステム再構築を、運用員個人の力量に依存することなく、自動化或いは半自動化して行うことができる衛星運用システム、これに用いる運用計画サーバ装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 監視サーバ装置5は、各#1〜#N地上局2の機器の状態をシステム状態データとして収集し、機器の状態に異常があればアラーム信号を生成する。運用計画サーバ装置6は#1〜#Nの各地上局2の運用計画を立案する。運用計画サーバ装置6は、アラーム信号を受信すると、局情報、代替順位決定のための重み情報、及びシステム状態データに基づいて、地上局2の代替順位の解析を行い、代替順位の変更が必要かどうかを判定し、運用計画リストを更新する。最新の運用計画リストは運用端末4へに送出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衛星及び地上局の運用状態に支障が生じないように、複数の地上局のうちから衛星管制に用いる地上局を選択する衛星運用システム、これに用いる運用計画サーバ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、衛星管制に用いる地上局設備の動作を監視して故障を検知するとともに、地上局設備の動作を制御する故障監視・制御手段と、故障監視・制御手段が検知する検知情報に基づいて設備の故障状態を診断し、衛星運用システムの再構築の要否を判断するとともに、システム再構築が必要な場合に故障状態に応じて予め設定されている再構築手順を選択・決定する故障診断手段と、再構築手順開始に際して、故障診断手段が決定した再構築手順情報を運用卓画面に報知して表示する故障報知手段と、決定された再構築手順に基づいて故障している地上局設備に対応する冗長系の地上局設備に切り替え制御するとともに、再構築実施結果を運用卓画面に報知する再構築制御手段とを備えた従来の衛星運用システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−262884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来の衛星運用システムは、故障が発生した場合に、故障状態の診断、システム再構築要否の判定、再構築手順の設定などがシステムによって自動的に行われ、システム再開までの時間が短縮されるというものである。しかし、システム再構築において、代替される地上局の運用にも支障が生じている場合には、更なる代替地上局の選定が必要となってくる。地上局に支障が生じる可能性があって、運用システムの再構築によって複数の地上局から代替されるべきものを選択する際には、運用員に提供される複数の地上局の情報を総合して代替する地上局を選択するといったように、運用員個人の力量に依存し、その力量によっては再構築に時間を要したり、また再構築したとしてもシステム性能が十分に引き出せなかったりするという問題点があった。また、衛星運用システムの再構築を人為的な思考錯誤・選定の困難性を排除して、自動化或いは半自動化して行うことが課題となっていた。
【0005】
この発明は、上記のような問題点や課題を解決するためになされたもので、衛星および地上局の運用状態に支障が生じる可能性がある場合のシステム再構築を、運用員個人の力量に依存することなく、自動化或いは半自動化して行うことができる衛星運用システム、これに用いる運用計画サーバ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る衛星運用システムは、複数の地上局のうちの1の地上局により衛星を管制せしめ、当該1の地上局に支障が生じた場合に他の地上局のいずれかに管制を代替する管制運用サーバ装置と、上記複数の地上局を監視して各地上局のシステム状態データを収集し、上記1の地上局に支障が生じた場合にアラーム信号を生成する監視サーバ装置と、この監視サーバ装置が収集したシステム状態データとアラーム信号とに基づき、上記他の地上局による代替順位を算出する運用計画サーバ装置と、この運用計画サーバ装置により算出された代替順位を表示し、代替する地上局の選択入力信号に基づいて上記管制運用サーバ装置へ地上局の代替を要求する制御要求信号を生成する運用端末とを備えたものである。
【0007】
請求項2の発明に係る運用計画サーバ装置は、複数の地上局のうち衛星を管制する1の地上局に支障が生じた場合に、上記1の地上局以外の他の地上局のシステム状態データに基づいて、当該他の地上局による代替順位を生成するものである。
【0008】
請求項3の発明に係る運用計画サーバ装置は、複数の地上局の局情報、この局情報中の各項目に対する重み情報、及び衛星を管制する1の地上局とこの地上局に支障が生じた場合に代替する他の地上局の代替順位とを記述した運用計画を記憶する記憶部と、上記1の地上局に支障が生じた場合に、上記他の地上局のシステム状態データにより上記局情報中の各項目を採点し、項目毎に採点した点数と上記重み情報とを乗算したものを積算して得られる評価点により代替順位を算出する運用計画解析部と、この運用計画解析部により算出した代替順位を運用端末へ出力する運用計画更新処理部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、衛星を管制する1の地上局に支障が生じアラーム信号が生成された場合に、代替する他の地上局のシステム状態データに基づいて代替順位を算出し、これを運用端末に表示し、選択入力信号に基づいて管制運用サーバ装置へ地上局の代替要求がされるので、管制切替され再構築された運用システムの性能をより高く成立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る衛星運用システムの全体構成図である。
【図2】運用計画サーバ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】局情報テーブルの一例を示す模式図である。
【図4】順位決定条件テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】運用計画リストの一例を示す模式図である。
【図6】地上局の代替順位の再設定処理を示す処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
【0012】
この発明の実施の形態1に係る衛星運用システム、これに用いる運用計画サーバ装置について図1乃至図6を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る衛星運用システムの全体構成図である。図1において、1は観測や通信・放送等のミッションを有する衛星であり、2は衛星1との間で制御信号や通信信号の送受信を行い、衛星1を管制する地上局である。地上局2は#1〜#Nまで地上の各地に点在しているものとし、それぞれの地上局2は衛星1との間で電波の送受信を行うアンテナや送受信機、アンテナ駆動機構などの種々の機器を有している。衛星1と地上局2との間の制御信号は一般にテレメトリ・コマンド信号と呼ばれ、衛星1のバス機器やミッション機器の制御と状態監視が制御信号に基づき行われており、また通信信号によって、衛星1による観測データが地上へ伝送されたり、衛星1を介した多地点間の通信が行われるなどするものである。3は衛星1への制御信号や地上局2への制御信号を送出する管制運用サーバ装置であり、管制運用サーバ装置3は#1〜#Nの各地上局2とリンクしている。4は運用端末であり、運用端末4に対する運用員の操作により生じる操作入力信号に基づいて、デフォルトの点検モードや運用モード、あるいはオプションが指定された多様な運用モードを実行する制御要求が運用端末4から管制運用サーバ装置3へ送出される。制御要求は、各モードの設定情報や実行指令が含まれる。5は各#1〜#N地上局2の機器の状態をシステム状態データとして収集し、機器の状態に異常があればアラーム信号を生成する監視サーバ装置である。6は#1〜#Nの各地上局2の運用計画(各地球局2が担当する対象衛星情報を含む)を立案する運用計画サーバ装置である。
【0013】
運用計画サーバ装置6の構成について図2を用いて詳細に説明する。図2は運用計画サーバ装置6の構成を示す機能ブロック図である。図2において、7は衛星1及び地上局2の運用計画及び運用計画を決定するための情報を記憶する記憶部である。記憶部7は、運用計画を決定するための情報として、各地球局2の局情報を局情報テーブル8に、局情報の各項目に与えられる重み情報を順位決定条件テーブル9に、それぞれ格納し記憶する。また、衛星1及び地上局2の運用計画と地上局2の代替順位は運用計画リスト10に格納され、記憶部7に記憶される。12は局情報テーブル8の局情報、順位決定条件テーブル9の重み情報、入力端11に入力される監視サーバ装置5からのシステム状態データ及びアラームに基づいて、地上局2の代替順位の解析を行い、代替順位の変更が必要かどうかを判定する運用計画解析部である。13は運用計画解析部12の判定により代替順位が変更される場合に運用計画リスト10を更新し、最新の運用計画リスト10を出力端14から運用端末4へに送出する運用計画更新処理部である。
【0014】
次に運用計画サーバ装置6の記憶部7に記憶する局情報テーブル8、順位決定条件テーブル9、及び運用計画リスト10について図3乃至図5を用いて説明する。図3は局情報テーブル8の一例を示す模式図である。局情報テーブル8には、各地上局2における処理能力や信頼性等に関する項目を設けており、より具体的には、地上局2とシステムとの回線容量、回線の応答遅延、運用開始前の起動・立ち上げに要する前処理時間、局の故障率などの項目が列挙されている。局情報テーブル8は、各地球局2ごとに点数換算表の部分と項目毎の点数を記述した部分とを有している。例えば、監視サーバ装置5で収集された#1地上局2のシステム状態データ回線容量1000Mbps、応答遅延10ms等である場合、これらのデータはそれぞれ物理量を表しているが、その物理量を点数換算表を参照して、回線容量は5点、応答遅延は4点というように点数換算して「項目毎の点数」の部分に記載する。各地上局2に対する局情報テーブル8の点数換算表の部分に記述される各項目の数値は、同一であってもよいし、各地上局2における設定条件を反映して各地上局毎に異なる数値による点数換算表であってもよい。図4は順位決定条件テーブル9の一例を示す模式図であり、順位決定条件テーブル9には、局情報テーブル8の各項目に対する重みが記述されている。局情報テーブル8の項目毎の点数に、順位決定条件テーブル9の重み情報を項目毎に乗算して積算することにより、各地上局2の評価点を計算することができる。
【0015】
図5は運用計画リスト10の一例を示す模式図であり、この例では、A〜Eの5つの衛星1と、これらを管制する7つの地上局2による運用を考慮している。図5に示すように、運用計画リスト10は、各地上局2が各衛星1を管制する時刻帯が記述されたスケジュールリストである。運用計画リスト10には、例えば1週間或いは1ヶ月分など期間内の運用予定が記述されている。運用計画リスト10には、各地上局2が各衛星1を管制するスケジュールの他、衛星管制をしていない待機中の複数の地上局2の代替順位も記述されている。具体的にみれば、T1時点において、#1地上局2がA衛星1を、#6地上局2がB衛星を管制する計画となっており、#1地上局2に異常が生じた場合に#1地上局に代わってA衛星1を管制する地上局2として、#3、#5、#7の3つの地上局2が候補に挙がっており(#4地上局2はA衛星1を管制することができないものと仮定している。)、代替順位として、#3地上局2が1位、#5地上局2が2位、#7地上局2が3位となっている。この順位は、上記の評価点に基づいて決定されている。なお、図5は説明の簡略化・明確化のために、時刻T1を含む#1地上局2によるA衛星1の管制時間帯における#1地上局2の代替順位のみを示しているが、例えば時刻T1を含む#6地上局2によるB衛星1の管制時間帯における#6地上局2の代替順位についても、同様に運用計画リスト10上に記述することができる。
【0016】
図2に示す運用計画更新処理部13は、運用計画リスト10に記述された運用計画期間の経過前には、運用端末4へ後続する期間の運用計画リスト10を送出する。後続する期間の運用計画リスト10は、図2に図示しない、運用計画サーバ装置6のユーザ端末から入力して作成してもよいし、運用端末4からの入力により作成してもよい。運用端末4から後続する期間の運用計画リスト10を入力する場合には、例えば、運用計画サーバ装置6の記憶部7に個々の運用計画を入力していき、運用計画リスト10中の全ての記述項目への入力が完了した時点で、記憶部7に記憶された後続する期間の運用計画リスト10を、運用計画更新処理部13が運用端末4へ送出するなど、種々の手順をとり得る。
【0017】
次に衛星1を管制している地上局2の機器に異常が発生し、別の地上局2へ当該衛星1の管制を代替する場合の処理について説明する。図6は地上局2の代替順位の再設定処理を示す処理フローチャートである。いま、図5に示す運用計画リスト10中の時刻T1において考えると、上述のとおり、時刻T1においてA衛星1は#1地上局2によって管制されている状態であり、A衛星1の管制の代替地上局が、待機中の#3地上局2、#5地上局2、#7地上局2の順位で設定されている。つぎに時刻T2において、#1地上局2内の装置に支障が発生し、監視サーバ装置5が収集する#1地上局2のシステム状態データが変化し、その変化が管制に供し得ない程度に劣化していると認められる場合には、監視サーバ装置5は#1地上局2の運用が異常であることを示すアラーム信号を生成する。例えば、#1地上局2における回線容量が著しく劣化し、最低限必要な回線容量(回線容量しきい値)を下回るような場合などシステム状態データが劣化したときに、監視サーバ装置5はアラーム信号を生成する。なお、アラーム信号は#1地上局2を特定する識別番号とアラームであることを示すコードを含むものであればよい。
【0018】
監視サーバ装置5は、T2時点の各地上局2のシステム状態データと生成したアラーム信号とを、運用端末4と運用計画サーバ装置6とへ送出する。運用端末4は、受信したアラーム信号に基づいて、端末画面上に地上局2を特定したアラームメッセージを表示し、さらには音声ガイダンスをすることによって、運用者の注意を喚起する。
【0019】
一方、運用計画サーバ装置6は、受信したアラーム信号を起点に#1地上局2の代替順位の再設定処理を行う。即ち、図2に示す運用計画サーバ装置6内の運用計画解析部12は、図6に示すステップS1において、アラーム信号を受信検知すると次のステップS2に移行し、記憶部7の運用計画リスト10からA衛星の代替局(#3、#5、#7地上局2)とその代替順位(前記括弧内の地上局順に順位1、2、3)とを読み出し、読み出された代替局の局情報テーブル8を読み出す。つぎにステップS3に移行し、運用計画解析部12は、アラーム信号とともに受信したシステム状態データと読み出した代替局の局情報テーブル8とに基づいて、代替局の項目毎の点数換算表により採点し、ステップS4に移行する。運用計画解析部12は、項目毎の点数に変化がある場合にはステップS5に移行し、代替局の評価点を導出し、代替順位を再計算する。評価点の導出は順位決定条件テーブル9の重み情報を読み出して、項目毎の点数に乗算し積算して求める。
【0020】
具体的な数値例で説明する。まず、T1時刻において#3、#5、#7地上局2の評価点がそれぞれ190点、185点、180点であると仮定し、#3、#5、#7地上局2の順に代替順位が1位、2位、3位と決められていたものとする。また、T1時刻とT2時刻のシステム状態データが、#3、#5、#7地上局2に関する限り、#3地上局2の応答遅延のみ10ms(T1時刻)から30ms(T2時刻)へと変化し、そのほかのシステム状態データは変化していなかったとする。#3地上局2の局情報テーブル8の点数換算表が#1地上局2のものと同様であるとすると、上記の変化によって、応答遅延項目の点数は4点から1点に変化したことになる。これにより、図6のステップS4による判定において点数変化があることになるので、ステップS5に移行し、評価点の導出と代替順位の再計算が行われる。いま、#3、#5、#7地上局2に関する限り、#3地上局2の応答遅延のみ10ms(T1時刻)から30ms(T2時刻)へ変化したとしているので、T2時点の#5、#7地上局2の評価点はそれぞれ185点、180点のままである。一方、#3地上局2では、応答遅延項目の点数が4点から1点へ3点減点となり、順位決定条件テーブル9中の応答遅延の重みが5であるので、評価点は5X4=15(点)減点され175点となる。そうすると、評価点に基づく代替順位は、#5、#7、#3地上局2の順に1位、2位、3位となり、T1時刻の代替順位から変化する。なお実際には、ステップS2により読み出された局情報テーブル8の項目毎の点数に順位決定条件テーブル9の重み情報を乗算し積算してT1時刻の評価点が求められ、T2時刻のシステム状態データから局情報テーブル8の点数換算表により項目毎の点数を採点し、これに順位決定条件テーブル9の重み情報を乗算し積算してT2時刻の評価点が求められる。
【0021】
ステップS6において代替順位に変化があると、運用計画解析部12は、代替順位が変化した旨を示すコード、変化した後の代替順位、および代替局の局情報テーブル8中の項目毎の最新点数を運用計画更新処理部13へ出力する。ステップS7において、運用計画更新処理部13は、代替順位が変化した旨を示すコードを検知し、変化した後の代替順位により運用計画リスト10を更新変更し、ステップS8へ移行する。ステップS8において、運用計画更新処理部13は、代替局の局情報テーブル8中の項目毎の最新点数により局情報テーブル8を更新変更する。なお、ステップS6において、代替順位に変化がないと判定された場合でも、局情報テーブル8中の項目毎の点数は変化しているので、運用計画解析部12は、代替順位が変化していない旨のコード、および代替局の局情報テーブル8中の項目毎の最新点数を運用計画更新処理部13へ出力しており、ステップS8において、運用計画更新処理部13は、代替局の局情報テーブル8中の項目毎の最新点数により局情報テーブル8を更新変更する。
【0022】
ステップS8の後、ステップS9へ移行し、運用計画更新処理部13は最新の運用計画リスト10を読み込み運用端末4へ送出する。ステップS4において、代替局の局情報テーブル8の項目毎の点数に変化がない場合でも、ステップS9に移行し、最新の運用計画リスト10(この場合、運用計画リスト10はT1およびT2時刻間で変化していない)を読み込み、運用端末4へ送出する。
【0023】
運用端末4は、監視サーバ装置5からアラーム信号を受信した後、運用計画サーバ装置6から最新の運用計画リスト10を受信することとなる。運用端末4は、受信した運用計画リスト10のとくにアラーム信号に関わる代替地上局2の候補を順位とともに端末画面上に表示し、運用者の選択入力を待つ。運用者が運用端末4に代替地上局2を選択入力すると(通常は代替順位1の地上局2が選択されるであろう)、運用端末4は、管制切替を行う旨の制御コード、代替される地上局2及び代替する地上局2の識別番号、代替に関わる衛星の識別番号、運用モード及びそのモードの設定情報などを含む制御要求を生成し、管制運用サーバ装置3へ送出する。管制運用サーバ装置3は、運用端末4からの制御要求を受信した後、該当する地上局2へ制御信号を送出し、一連の地上局2の切替処理を実行する。この切替処理は、代替される地上局2による衛星1の管制の停止シーケンス、代替する地上局2による衛星1の管制の開始シーケンス、衛星1及び地上局2の各種機能のチェックアウトシーケンス、運用モードへの移行等の流れで行われる。
【0024】
以上のように、監視サーバ装置5からのアラーム信号に基づき、運用計画サーバ装置6が、複数の代替地上局2の評価点を再計算処理し、候補順位を再設定するので、管制切替され再構築された運用システムの性能をより高く成立させることができるとともに、これらの切替処理を、運用端末4での運用員による選択入力を経て半自動的に行うことができるので、運用システムの状態データに対する人為的な錯誤や選定の困難性を緩和することができる。また、運用端末4での運用員による選択入力を経ることなく、再設定された候補順位によって自動的に運用端末4が切替処理を行うことも可能であり、この場合には、全自動化によって支障のある地上局2から代替地上局2への運用切替処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0025】
1 衛星
2 地上局
3 管制運用サーバ装置
4 運用端末
5 監視サーバ装置
6 運用計画サーバ装置
7 記憶部
8 局情報テーブル
9 順位決定条件テーブル
10 運用計画リスト
11 運用計画解析部
12 運用計画更新処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地上局のうちの1の地上局により衛星を管制せしめ、当該1の地上局に支障が生じた場合に他の地上局のいずれかに管制を代替する管制運用サーバ装置と、上記複数の地上局を監視して各地上局のシステム状態データを収集し、上記1の地上局に支障が生じた場合にアラーム信号を生成する監視サーバ装置と、この監視サーバ装置が収集したシステム状態データとアラーム信号とに基づき、上記他の地上局による代替順位を算出する運用計画サーバ装置と、この運用計画サーバ装置により算出された代替順位を表示し、代替する地上局の選択入力信号に基づいて上記管制運用サーバ装置へ地上局の代替を要求する制御要求信号を生成する運用端末とを備えた衛星運用システム。
【請求項2】
複数の地上局のうち衛星を管制する1の地上局に支障が生じた場合に、上記1の地上局以外の他の地上局のシステム状態データに基づいて、当該他の地上局による代替順位を生成することを特徴とする運用計画サーバ装置。
【請求項3】
複数の地上局の局情報、この局情報中の各項目に対する重み情報、及び衛星を管制する1の地上局とこの地上局に支障が生じた場合に代替する他の地上局の代替順位とを記述した運用計画を記憶する記憶部と、上記1の地上局に支障が生じた場合に、上記他の地上局のシステム状態データにより上記局情報中の各項目を採点し、項目毎に採点した点数と上記重み情報とを乗算したものを積算して得られる評価点により代替順位を算出する運用計画解析部と、この運用計画解析部により算出した代替順位を運用端末へ出力する運用計画更新処理部とを備えたことを特徴とする運用計画サーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−194928(P2011−194928A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61009(P2010−61009)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)