説明

衛生紙ロール製品

【課題】
衛生紙ロール製品の巻き終わり部分(テール部分)にグルーを間欠状のシールに接着する際にその接着位置と接着量の調整が容易なテールシール方法および装置ならびにこれにより得られる衛生紙ロール製品を提供することにある。
【解決手段】
巻き終わりのテール部分に糊付けが行われているトイレットペーパーやペーパータオル等の衛生紙ロール製品において、上記の糊付けによる接着部はロール巻き取り方向の幅0.5〜2.0mm、ロール幅方向の長さ5〜15mmであり、各接着部同士はロール幅方向に10〜25mm夫々離間され、かつ前記の糊塗布は上記の所定接着幅および長さとなるようグルー塗布ブレードを用いてブレード上の糊を転写させてテール部を接着することを特徴とする衛生紙ロール製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレットペーパーロール等の衛生紙ロール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーやペーパータオル等においては、巻き終わり部分(テール部分)に糊(グルー)付けが行われている。操業面からは接着力が高いことが望ましいが、使用時においては接着部が硬くなったり、シート切れを起こすことがあった。また糊付け装置の制御が不十分であると糊量が多くなり、下巻きまで糊が浸透してしまう等の問題もあった。
これらを改善するためにテール部分を点付接着とすることも行われてはいるが、スプレーや線条物を用いた塗布のために接着位置と接着量の調整が困難であった。
【0003】
【特許文献1】特開2003−246511
【特許文献2】特開昭60−102353
【0004】
また出願人もテールシールを施したロール状に巻かれたペーパー類において、該テールシールのシール糊に剥離調整剤として該シール糊の全重量に対し0.1%〜10%のグリセリンあるいは平均分子量2000以下のポリアルキレングリコール又はその誘導体/C7〜C20の脂肪酸エステルおよび/または脂肪酸アミドの少なくとも1種を加えたことを特徴とするロール状ペーパー類を出願(特願2004−080512および特願2004−086689)している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
衛生紙ロール製品の巻き終わり部分(テール部分)にグルーを間欠状のシールに接着する際にその接着位置と接着量の調整が容易なテールシール方法および装置ならびにこれにより得られる衛生紙ロール製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1PLYあるいは2PLYトイレットロール等においての剥離強度を70gf以上150gf未満とする。糊塗布については所定接着幅となるようグルー塗布ブレードを用いてブレード上の糊を転写させてテール部を接着する。
接着部はロール巻き取り方向の幅0.5〜2.0mm、ロール幅方向の長さ5〜15mmであり、接着部同士は10〜25mm離間させる。剥がしやすいよう接着部を傾斜させたり屈曲させて巻き戻し時の接着領域を変化させても良い。
ロールの幅方向あるいは巻き取り方向に対して糊の塗布量に勾配を持たせることで、テール部の抑えと剥がしやすさの両立を得ることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果を要約して列記すると次の通りである。
(1)使用時の巻き戻しがしやすく、風合いを損なうことがない。
(2)接着剤の削減が可能である。
(3)所定形状のブレード状の糊を転写するため接着位置のズレが生じにくく、パターン塗工も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を図面に示す実施例によって説明するが、これは例示の目的で掲げたもので、これによって本発明を制約するものではない。
【実施例1】
【0009】
図1は従来のトイレットロールを示し、そのテールシール(1−1)は3〜5mm幅の直線状にシールされている。
図2は本発明の間欠状のテールシール(1−2)を示し、ロール幅方向の幅0.5〜2mmの細線からなっている。
図3は本発明の別例を示し、間欠状のシール(1−3)はロール幅方向に接着量の勾配をもつパターンによるシールである。
図4は本発明の更に他の別例を示し、間欠状のシール(1−4)は折れ線によるシールである。
【実施例2】
【0010】
図5〜図8はテールシール用の糊塗布用ブレードの説明図である。
図5は従来のトイレットロールのテールシールの糊塗布に用いられるブレード(2−1)の斜視図でテールシールを直線状にベタ塗りする。
図6は本発明のブレード(2−2)の斜視図でくし歯状ないしのこぎり歯状の歯突面(3)でテールシールを間欠直線状に塗布する。
図7は本発明ブレード(2−2)の正面図および上面図で(3)は歯突面を示す。
図8は本発明ブレード(2−3)の正面図および上面図で歯突面(3)がロール幅方向に接着量の勾配を持つパターンを形成している。
【実施例3】
【0011】
〈測定法〉剥離強度
テールシール後、室温で放置し、テールシール部の糊を乾燥させた後に、テンシロン万能試験機で180度剥離試験を行った。

〈評価〉
テールシール部の接着部大きさと接着部個数を変えたトイレットペーパーを作製し、工程中のシール部の剥がれを観察した。またモニターテストにより使い勝手を評価した。
【0012】
試験結果
【表1】


巻き戻し評価は、モニター5人の使用テスト結果を○△×の3段階で示した。
工程評価の×は巻き取り工程以降でテールの剥がれが発生したことを示す。

この結果テールシールを間欠状にシールする場合、トイレットペーパーのロール幅方向に接着部の数が5〜9、接着強度(gf)は70〜150において良好な成績をあげることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のトイレットロールの3〜5mm幅の直線状にシールを示す
【図2】本発明の間欠状のシールの幅は0.5〜2mmの細線を示す。
【図3】同上のロール幅方向に接着量の勾配を持つパターンによるシールを示す。
【図4】同上の折れ線によるシールを示す。
【図5】従来のブレード斜視図を示す。
【図6】本発明のブレード斜視図を示す。
【図7】本発明のブレード正面図及び上面図を示す。
【図8】本発明のブレードロール幅方向に接着量の勾配を持つパターンの正面図及び上面図を示す。
【符号の説明】
【0014】
1−1…従来のトイレットロールの直線状シール
1−2…本発明の間欠状シールの細線
1−3…同上のロール幅方向の接着量の勾配を持つパターン
1−4…同上の折れ線によるシール
2−1…従来のブレード
2−2…本発明のブレード
2−3…同上の更に別例を示すブレード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き終わりのテール部分に糊付けが行われているトイレットペーパーやペーパータオル等の衛生紙ロール製品において、上記の糊付けによる接着部はロール巻き取り方向の幅0.5〜2.0mm、ロール幅方向の長さ5〜15mmであり、各接着部同士はロール幅方向に10〜25mm夫々離間され、かつ前記の糊塗布は上記の所定接着幅および長さとなるようグルー塗布ブレードを用いてブレード上の糊を転写させてテール部を接着することを特徴とする衛生紙ロール製品。
【請求項2】
1プライあるいは2プライトイレットロール等においてテール接着部の剥離強度を70gf以上150gf未満とした請求項1記載の衛生紙ロール製品。
【請求項3】
テール部を剥がし易いように接着部を傾斜および/または屈曲させて巻き戻し時の接着領域を変化させた請求項1または2記載の衛生紙ロール製品。
【請求項4】
ロールの幅方向あるいは巻き取り方向に対して糊の塗布量に勾配を持たせてテール部の抑えと剥がし易さを両立させた請求項1から3までのいずれか1項記載の衛生紙ロール製品。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項記載の衛生紙ロール製品のテール部の接着方法。
【請求項6】
請求項5の接着方法に使用されるグルー塗布ブレードであって、ロールテール部へのグルー塗布面がくし歯状ないしはのこぎり歯状の突面で形成されているグルー塗布ブレード。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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