説明

衣服をリフレッシュするための装置

衣服2をリフレッシュするための装置1であって、衣服2を支持するための支持手段5と、衣服2が支持手段5の適所に置かれたときに衣服2が存在する位置において空気の流れを生成するための空気流生成手段3と、を有する装置。支持手段5は、共に衣服2を支持するために利用されるのに適しており、且つ互いに対して移動可能に配置された、2つの部分6、7を有する。このようにして、単一の部分しか有さない支持手段を持つ装置と比べて、装置1の向上させられた機能が実現され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服をリフレッシュするための装置であって、衣服を支持するための支持手段と、衣服が前記支持手段の適所に置かれたときに衣服が存在する位置において空気の流れを生成するための空気流生成手段と、を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人がバーやレストランを訪れたとき、ジャケット及びコートを含むその人の衣服が、煙草の煙及び/又は食品の匂いにより引き起こされる臭いのような不快な臭いを吸収してしまうことは、良く知られている。斯かる場合における現在の対処方法は、衣類を一晩、戸外に吊るしておくことによって該衣類をリフレッシュすることである。更に、以上に概説した問題に鑑みて幾つかのマスキング化学製品が開発されるにつれ、化学製品によって衣服を取り扱うことも可能であり、斯かる化学製品は汚れた衣服に噴霧されて匂いを軽減する。
【0003】
特開平08-228851は、衣服のための脱臭装置において、衣服の脱臭工程を実行するためにオゾンが利用されるものを開示している。該装置は、中空のハンガーであって、オゾン発生器により生成されたオゾンをハンガーに送るための通風器が備えられたハンガーを有する。該ハンガーがオゾンを外部と連通させることを可能とする目的のため、該ハンガーは小さな穴を具備する。該ハンガーは、同様に小さな穴を具備するパイプと組み合わせて使用されることを意図されており、該パイプは該ハンガーを支持し、オゾンを該ハンガーの内部に供給するように機能する。該パイプは、1つ以上のハンガー及び該ハンガーに吊るされる衣服を収納するためのロッカーに配置される。該既知の脱臭装置の動作の間、該パイプの小さな穴及び該ハンガーの小さな穴からオゾンが排気される。従って、オゾンが該ハンガーにより支持された衣服の内部に付着した匂いと反応し、それにより該匂いを取り去ることを可能としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、衣服をリフレッシュするための装置であって、少なくとも、衣服を支持するための支持手段と、衣服が前記支持手段の適所に置かれたときに衣服が存在する位置において空気の流れを生成するための空気流生成手段と、を有する装置であって、一方では使用が容易であり、他方では効果的且つ迅速な態様で衣服をリフレッシュすることが可能な装置を提供することにある。該目的は、衣服をリフレッシュするための装置であって、上述したような支持手段及び空気流生成手段を有する装置において、前記支持手段が、共に衣服を支持するために利用されるのに適しており、且つ互いに対して移動可能に配置された、2つの部分を有する装置により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による装置の特定の態様は、前記支持手段が、互いに対して移動可能な2つの部分を有することである。当該事実は、該装置の使用において種々の選択肢を実現する。例えば、該支持手段の部分(以下、支持部分と呼ばれる)は、摺動によって互いに対して移動可能なように配置されても良く、ここで摺動工程は、該装置が通常動作時であるときには、垂直方向又は垂直に近い方向に実行される。この場合、該空気流生成手段は、上部の支持部分に配置されても良く、空気流生成手段の機能面、即ち他方の支持部分即ち底部支持部分に向けて、該空気流生成手段の動作の間に空気の送風又は吸入工程が行われる面を持つ。本発明による装置は、改善された機能を提供する。例えば、衣服に対する空気の流れを生成するための手段の影響は、どの部分によって衣服が支持されているか及び/又は衣服を支持するための両方の部分の相対位置に依存して変わり得る。
【0006】
衣服が上部の支持部分に配置されており、空気流生成手段が空気を送風するために利用されている場合には、空気の流れは衣服の中から外に流れる。しかしながら、衣服を底部の支持部分から吊るすことが可能である程度にまで支持部分が互いに移動させられ、衣服が実際には該底部の支持部分に配置され、生成手段が空気を送風するために利用される場合には、空気の流れの一部が衣服を通って直接には流れないという事実に基づいて、他の機能が得られる。それ故、空気の流れは2つの部分に分割され、第1の部分は衣服を外部を該衣服の上を通って流れ、第2の部分は衣服の中から外へと衣服の内部を通って流れる。
【0007】
本発明による装置は、2つの支持部分と空気流生成手段とを有し、携帯用ハンガーとして非常に好適に設計され得る。この場合、該装置が該装置を吊るすためのフック型の要素を有すると有利である。これら支持部分は、当接する態様で配置される第1の相互位置と、互いに対して距離をおいて配置される第2の相互位置とをとるように構成されても良く、このとき該装置は、これら支持部分が第1の相互位置にあるときに、収容されるのに適している。代替として該装置は、壁に装着されるために設計されても良いし、又は、該装置が地面に起立することを可能とするための台座又はスタンドのような適切な手段を有しても良い。
【0008】
本発明の範囲内で、該装置においてこれら支持部分の互いに対する動きを可能とするための多くの可能性が存在し、該動きは、手によって実行され得る動きであっても良いが、このことは、所望の相互運動を引き起こすために作動させられ得る駆動手段(例えば電気モータ又はソレノイドベースの駆動手段)を有する該装置の実施例も想到可能であるという事実を変更するものではない。一般的に、該支持部分は、互いに対して摺動可能であり、且つ互いに対する該部分の直線運動を可能とし斯かる運動をガイドするように構成された、係合部を有しても良い。例えば、該係合部は、軸と該軸を包囲しガイドするための軸受筒とからなる少なくとも1つのアセンブリを有しても良く、該アセンブリの該軸及び該軸受筒の各々は、該支持手段の部分の他方に配置される。軸と軸受筒とからなる少なくとも1つのアセンブリの適用の利点は、堅固な構造が得られ、互いに対する支持部分の移動をガイドするための他の手段が必要とならない点である。
【0009】
これら支持部分の互いに対する動きを実現するための実現可能な代替機構は、はさみ機構のような機能に適合され得るヒンジレバーのセットと、柔軟な蛇腹とを有する。
【0010】
本発明による装置が衣服をリフレッシュするために利用されるとき、空気流生成手段によって、衣服中に空気が拡散される。空気の流れの温度を上昇させ、それによりリフレッシュ機能を向上させるため、空気の流れの経路中に熱を供給するための手段が具備されても良い。この場合において最も好適な選択肢は、電気モータ等を有し得る、空気流生成手段及び駆動手段のような関連する手段の加熱を防止するために、空気流生成手段に対して空気の流れの経路の下流に、加熱手段を備えることである。更に、本発明による装置が、蒸気を供給するための手段、空気をイオン化するための手段、衣服を取り扱うのに適した化学製品を供給するための手段、超音波を発生するための手段、及び匂いを引き起こす分子を吸収するための手段を含む、衣服に対するリフレッシュ処理を実行するために適したいずれかの手段を備えることも可能である。最後の手段の例は、活性炭素又はゼオライトを含む手段である。
【0011】
本発明による装置は、該装置の動作を制御するための手段を有しても良い。例えば斯かる手段は、少なくとも1つの期間の間は空気流生成手段に送風動作を実行させ、少なくとも1つの他の期間の間は空気流生成手段に空気吸入動作を実行させるための制御方式に基づいて、空気流生成手段を制御するように構成されても良い。しかしながら、該制御手段は、該装置の1つの動作サイクルにおいて、空気流生成手段が送風動作と吸入動作の一方のみを実行するように作動させられることを確実にするようにプログラムされることも可能である。
【0012】
最も効果的なリフレッシュ動作を得るため、最初に衣服に内部的な空気の流れを得て、後に衣服の周りに外部的な空気の流れを得ることが有利となり得る。このことは、空気流生成手段の動作を制御するための手段と適用することにより実現されることができる。即ち、第1の手段は、少なくとも1つの期間の間、第1の所定の領域において空気流生成手段が空気の流れを引き起こし、少なくとも1つの他の期間の間、第1の所定の領域とは別の領域である第2の所定の領域において空気流生成手段が空気の流れを引き起こすようにするための制御方式に基づいて、空気流生成手段を制御するように構成される場合である。
【0013】
ここで言及されていない種々の他の付加的な特徴の他に、本発明による装置は、衣服リフレッシュ工程の選択された継続時間を実現するためのタイマ、及び/又は該装置の携帯使用を可能とするためのバッテリを具備しても良い。より一般的に言えば、本発明による装置の制御手段は、所定の期間の間、空気流生成手段を動作させ、該所定の期間の終了が到達されるとすぐに空気流生成手段の動作を終了させるように構成されても良いし、及び/又は、該装置は、少なくとも空気流生成手段に電力供給することにより該装置を動作させるために必須なエネルギーを供給するように構成されたバッテリを有しても良い。
【0014】
以上において、本発明による装置の主な態様は、支持手段が互いに対して移動可能な2つの部分を有するという事実であることが、明確に指摘されている。この事実の結果、支持手段の全体のサイズを調節することが可能となり、それにより種々のサイズの衣服に対処するために該装置を利用することが可能である。また、該装置は非常に小型に製造されることができ、容易な収納を可能とする。リフレッシュされるべき衣服は、実行されるべきリフレッシュ処理の特定の要件に依存して、2つの支持部分のうちの一方に配置され得る。それ故、本発明によれば、種々の処理を実行するために利用されるのに単一の装置が適している。更なる可能性があり得、特に、空気流生成手段及びとり得る他の手段が該装置の動作の間に制御される種々の態様に関する可能性があり得る。
【0015】
本発明により実行されるべきリフレッシュ処理の効果に関する限り、望ましい場合に衣服の内部と衣服上との両方に空気の流れを得るための単純な選択肢があるという事実に基づいて、優れた効果が得られる得るとことに留意されたい。以上において説明されたように、支持部分の一方が空気流生成手段を保持することが可能であり、このとき機能面が支持部分の他方に向けられても良く、そのため、支持部分が互いに対して或る距離をおいて位置するように移動させられた場合、衣服が内部の空気の流れと外部の空気の流れとの両方によって対処され得る。2つのタイプの空気の流れを持つことにより、完全な通気性のある衣服に対応するのみならず、半通気性を持つ衣服にも対応することが可能である。2つの空気の流れの場合には、外側の空気の流れは大きな速度の流れであり、内側の空気の流れも大きな速度の流れであっても良いし、又は、特に匂い除去工程において有用な加熱手段及び/又は他の手段が適用されるときには、小さな速度の流れであっても良い。この点において、有用な空気の流れの速度は、毎分約2乃至6立方メートルの範囲内であっても良いことに留意されたい。
【0016】
本発明の以上に説明された態様及びその他の態様は、以下の本発明による装置の実施例の詳細な説明を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【0017】
本発明は以下に図面を参照しながらより詳細に説明されるが、図面において、等しい又は類似する部分は同じ参照記号により示されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】装置の支持体の部分が当接する態様で配置された位置における、本発明のよる装置及び該装置上に配置された衣服を模式的に示す。
【図2】別の位置における、即ち装置の支持体の部分が互いに対して距離をおいて配置された位置における、図1に示された本発明のよる装置及び該装置上に配置された衣服を模式的に示す。
【図3】装置の支持体の部分が当接する態様で配置された位置における、本発明による装置の実用的な実施例を示す。
【図4】装置の支持体の内部を示しているという事実を除いて、図3と類似する図である。
【図5】装置の支持体の部分が互いに対して距離をおいて配置された位置における、本発明による装置の実用的な実施例を示す。
【図6】装置の支持体の内部を示しているという事実を除いて、図5と類似する図である。
【図7】装置を壁に取り付けるための要素を有する、本発明による装置の実施例を示す。
【図8】装置を地面に起立させるための台座を有する、本発明による装置の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1及び2は、本発明の注目すべき原理を示している。図において、本発明による衣服をリフレッシュするための装置1が模式的に示され、該装置における衣服2の位置は、斯かる衣服2の全体的な外形を示すことにより示されている。本発明による衣服リフレッシュ装置1は、ジャケット、シャツ及びブラウスを含む種々のタイプの衣服2を処理するために適したものであり得る。
【0020】
衣服リフレッシュ装置1は、個々の場合における要件に依存して、ファン3から衣服2への又は衣服2からファン3への空気の流れをつくり出すために空気を送風及び/又は吸入するためのファン3を有する。装置1の制御手段(図示されていない)は、衣服リフレッシュ工程の間、少なくとも1回の空気送風動作及び少なくとも1回の空気吸入動作をファン3に実行させるように構成されても良い。交番する順方向/逆方向方式により空気の流れを生成することが、衣服リフレッシュ工程の効果を増大させることが起こり得る。更に、ファン3に加えて、衣服リフレッシュ装置1は加熱器4を有しても良い。加熱器4が利用される場合、衣服リフレッシュ工程の効果は向上させられ得、又はより小さな空気の流れの速度で一定の効果が得られ得る。
【0021】
衣服2を支持する目的のため、衣服リフレッシュ装置1は、本発明によれば2つの部分6、7を有する支持体5を有する。各部分は、衣服を支持することができるように構成される。図1及び2に示される装置1の通常の動作においては、これら部分のうちの一方(以下、上部の支持部分6と呼ばれる)が、これら部分6、7のうちの他方(以下、底部の支持部分7と呼ばれる)の上に配置される。
【0022】
図示される例においては、ファン3が上部の支持部分6に配置され、加熱器4が底部の支持部分7に配置される。更に、いずれかの適切な構造から装置1を吊るすためのフック型要素8が、上部の支持部分6の上側に取り付けられる。装置1が吊るされているとき、支持部分6、7が当接する態様で配置され支持体5が全体として閉じている図1に示された状態から始めて、底部の支持部分7を上部の支持部分6に対して下向きに引っ張ることによって、支持体5の外見が変化させられ得る。新たに得られた支持体5の外見においては、支持部分6、7が互いに対して距離をおいて位置している。例えば更なる衣服2を処理する目的又は装置1を収納する目的のために、支持体5の当初の外見を再び得たい場合には、底部の支持部分7を上向きに押すことにより、該支持部分7が簡単に移動させられて戻され得る。
【0023】
以上のことから、本発明による装置1は、折り畳み式の支持体5を有することとなる。この事実に基づいて、装置1は、利用される必要がないときには、該装置を収納するための狭い場所に置かれることができる。更に該装置1は、処理されるべき衣服2のサイズに容易に適合させられることができ、種々のサイズの衣服2が完全にサポートされ、効果的な態様でリフレッシュされることができる。2つの部分から成る支持体5を用いることの更なる有利な結果は、以下に説明されるように、衣服2の内部にだけ空気の流れを生成するためと、衣服2の内部及び外部の両方に空気の流れを生成するためとに、同一のファン3が利用され得るという点である。
【0024】
図1に示される支持部分6、7の位置において、即ち支持部分6、7が当接する態様で配置された位置において(当該位置は以下、支持体5の閉じた位置と呼ばれる)、衣服2は、該衣服を上部の支持部分6に掛けることにより、支持体5上に配置される。代替としては、これら両方の部分が協働して、より大きな(各部分の個別の支持面に比べて)サイズの支持面を提供するように構成されても良い。この場合においては、ファン3は衣服2の内側の位置にあり、ファン3により生成される空気の流れも衣服2の内側にあることとなる。しかしながら、図2に示された支持部分6、7の位置においては、即ち支持部分6、7が互いに対して距離をおいて配置された位置において(当該位置は以下、支持体5の開いた位置と呼ばれる)は、衣服2を底部の支持部分7に掛けることにより、該衣服を支持体5上に配置することが可能である。この場合には、ファン3は衣服2の上の位置にあり、ファン3により生成される空気の流れは2つの部分、即ち衣服2の内部にある中心部分と、衣服2の外である、該中心部分の周囲の外側部分と、を持つ。衣服2の内側と衣服2の外側との両方に空気の流れが実現される衣服リフレッシュ工程では、該外側の空気の流れは衣服2の上を流れ、衣服2がそれほど通気性がない状況において特に有利となり得るが、このことは、他の状況において斯かる処理を実現することも望ましいという事実を変更するものではない。
【0025】
ファン3を両方の支持部分6、7の外に配置し、斯かる部分のうちのいずれか一方に接続された何らかの種類の導管を利用することも可能である。このことは、該装置の構成(図1又は図2)及び衣服の位置にかかわらず、衣服から空気を吸入することを可能とする。
【0026】
完全さのため、送風モードで利用される場合にファン3により生成される空気の流れの全体範囲は、図1及び2において幾つかの矢印により示されていることに留意されたい。図2は、該空気の流れが2つの部分、即ち底部の支持部分7により支持される衣服2に流れ込む部分と、衣服2の外側において衣服2の上を流れる部分とを持つことを示している。
【0027】
図3乃至6は、本発明による衣服リフレッシュ装置1の実際的な実施例を示す。図3及び4において、装置1の支持体5は閉じた位置に示され、図5及び6においては、装置1の支持体5は開いた位置に示される。更に、図4及び6は、支持体5の内側を示す。図3乃至6に示される本発明による装置1の実施例は、本発明の範囲内に存する多くのとり得る時の1つに過ぎず、以下により詳細に説明される。
【0028】
最初に、支持体5は、支持体5の内部から支持体5の外部へ又はその逆に(特定の場合において適切な方向に)空気を通すための多くの穴10を備えた、外殻部9を持つことに留意されたい。
【0029】
第二に、支持部分6、7の上面の延長部11が備えられ、該延長部は着脱可能な態様で支持体5に配置されても良く、延長部11は支持部分6、7のいずれにも配置され得るため、一対の延長部11が必要とされるのみであることに留意されたい。更に、着脱可能な構成は、衣服リフレッシュ装置1を収納したいときに、支持体5からの延長部11の取り外しを可能とする。支持部分6、7の中には、延長部11のための支持部12が配置され、これら支持部12の各々は、図示された例において上部にガイド輪13を有する。
【0030】
第三に、支持部分6、7は互いに対して摺動可能に接続され、軸15と該軸15を包囲しガイドするための軸受筒16とからなる2つのアセンブリ14が利用されることに留意されたい。支持部分6、7の互いに対する移動を可能とするため、軸15は軸受筒16よりも長い。図示される例においては、軸15の端部は、底部の支持部分7において固定された位置を持つ搬送フレーム17に配置され、軸受筒16は、上部の支持部分6において固定された位置を持つ搬送フレーム18に配置される。支持体5の閉じた位置においては、搬送フレーム17、18は互いに対して軸受筒16に類似した距離にあり、一方で軸15の長い部分は上部の支持部分6の中に延在する。支持体5の開いた位置においては、搬送フレーム17、18は互いに対して軸15の長さにより許容される限りの距離にある。底部の支持部分7が上部の支持部分6から外れてしまうことを防ぐため、軸15の上端にストッパ19が配置される。
【0031】
以上において、衣服リフレッシュ装置1が、いずれかの適切な構造から装置1を吊るすためのフック型の要素8を備えても良いことが説明された。しかしながら、衣服リフレッシュ装置1が、壁のような何らかの適切な支持面に装置1を取り付けるための手段、又は装置1が略水平な面に起立することを可能とするための、即ち装置1が地面に起立することを可能とするための手段を有することも可能である。上述した可能性は、図7及び8に示される。図7は、衣服リフレッシュ装置1が該装置1を壁に取り付けるために利用されるのに適した棒20等を有する態様を示し、ここで固定板21のような何らかの適切な手段が、該取り付け工程を容易化するために棒20の自由端に配置されても良い。図8は、衣服リフレッシュ装置1が、該装置1が地面に起立することを可能とするための台座22を有する態様を示す。
【0032】
本発明の範囲は以上に議論された例に限定されるものではなく、添付される請求項において定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の幾つかの変形及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は単に説明するもの又は例示的なものであって、限定するものではないとみなされるべきである。本発明は、開示された実施例に限定されるものではない。図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する変形が理解され実行され得る。請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0033】
以上において、衣服2をリフレッシュするための装置1であって、衣服2を支持するための支持手段5と、衣服2が前記支持手段5の適所に置かれたときに衣服2が存在する位置において空気の流れを生成するための空気流生成手段3と、を有する装置が開示された。前記支持手段5は、共に衣服2を支持するために利用されるのに適しており、且つ互いに対して移動可能に配置された、2つの部分6、7を有する。このようにして、単一の部分しか有さない支持手段を持つ装置と比べて、装置1の向上させられた機能が実現され得る。
【0034】
とりわけ、望ましい場合にはリフレッシュ用の空気の流れの全てを衣服2の中に送ることも可能である。即ち、支持部分6、7が互いに対して比較的近い支持部分6、7の位置においてである。他方、リフレッシュ用の空気の流れを2つの部分、即ち衣服2の中を通って流れる部分と、衣服2の外で衣服2上を流れる部分とで送ることも可能である。即ち、支持部分6、7が互いに対して離れて位置した支持部分6、7の位置においてであり、空気流生成手段3が配置された支持部分6とは別の支持部分7において衣服2が支持される場合である。
【0035】
更に、2つの部分から成る支持体5を持つ衣服リフレッシュ装置1は、収納するのが容易な携帯型装置として非常に好適に利用され得る。なぜなら、支持体5が当該目的のために可能な限り小型にされ得るからである。一方、支持体5の支持部分6、7が互いに対して移動させられ得るという事実のため、装置1は種々のサイズの衣服2をリフレッシュするために利用されるのに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服をリフレッシュするための装置であって、衣服を支持するための支持手段と、衣服が前記支持手段の適所に置かれたときに衣服が存在する位置において空気の流れを生成するための空気流生成手段と、を有する装置において、前記支持手段が、共に衣服を支持するために利用されるのに適しており、且つ互いに対して移動可能に配置された、2つの部分を有する装置。
【請求項2】
前記支持手段の前記部分は、前記部分が当接する態様で配置された第1の相互位置と、前記部分が互いに対して距離をおいて配置された第2の相互位置とをとるように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持手段の前記部分は、互いに対して摺動可能であり、且つ互いに対する前記部分の直線運動を可能とし斯かる運動をガイドするように構成された係合部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記係合部は、軸と該軸を包囲しガイドするための軸受筒とからなる少なくとも1つのアセンブリを有し、前記アセンブリの前記軸及び前記軸受筒の各々は、前記支持手段の前記部分のうちの他方に配置された、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記空気流生成手段は、前記支持手段の前記部分のうちの一方に配置され、前記空気流生成手段の機能面、即ち動作の間に空気が送風又は吸入される面は、前記部分の他方に向けられた、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置を吊るすためのフック型の要素を更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置を壁のような支持面に取り付けるための手段を更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が略水平な面上に起立することを可能とするスタンド又は台座のような手段を更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
熱を供給するための手段、蒸気を供給するための手段、空気をイオン化するための手段、衣服を取り扱うのに適した化学製品を供給するための手段、超音波を発生するための手段、及び匂いを引き起こす分子を吸収するための手段のうちの少なくとも1つを更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記空気流生成手段の動作を制御するための制御手段を更に有し、前記制御手段は、少なくとも1つの期間の間、前記空気流生成手段に空気を送風する動作を実行させ、少なくとも1つの他の期間の間、前記空気流生成手段に空気を吸入する動作を実行させる制御方式に基づいて、前記空気流生成手段を制御するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記空気流生成手段の動作を制御するための制御手段を更に有し、前記制御手段は、少なくとも1つの期間の間、前記空気流生成手段に第1の所定の領域において空気の流れを引き起こさせ、少なくとも1つの他の期間の間、前記空気流生成手段に、前記第1の所定の領域とは別の領域である第2の所定の領域において空気の流れを引き起こさせる制御方式に基づいて、前記空気流生成手段を制御するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記空気流生成手段の動作を制御するための制御手段を更に有し、前記制御手段は、所定の期間の間、前記空気流生成手段を動作させ、前記所定の期間が終了するとすぐに前記空気流生成手段の動作を停止するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記空気流生成手段に電力供給することにより前記装置を動作させるために必要なエネルギーを供給するように構成されたバッテリを更に有する、請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−506280(P2012−506280A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532741(P2011−532741)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054358
【国際公開番号】WO2010/046793
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)