説明

衣服

【課題】乳癌手術を受けた女性のための安心とリラックスのパジャマ又は衣服術後の乳房の形状を気にして気後れすることなく、パートナーとスキンシップを楽しむための身近なアイテムの一つとして提案をする。
【解決手段】患部側の前身頃を被りにすることで容易にはだけず、Vネック様になるギャザーとパッドでソフトな膨らみを作ることで左右大きさの違ってしまった乳房の違和感をカバーする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳癌手術を受けた被施術者がブラジャーを着けなくても、左右の胸のアンバランスを気にせず、着用できる衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の前身頃が開閉する衣服としては、患者のことを考え、アンバランスを目立たなくするための機能を持つものは無かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのために、次のような問題点があった。
(イ)就寝前にくつろぐ際、風呂上がりであってもブラジャーを外せない。
(ロ)パートナーであっても術後の乳房は覆いたいものだが、就寝時の衣服としては前身頃全体が開閉してしまうもの、もしくは被りタイプのもので、衣服そのものでは両乳房のアンバランスを隠せなかった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上衣後身頃と左右どちらか一方に設けられ、一方のバスト部を覆うと共に、他方のバスト部を露出させるような形状よりなり、前記、後身頃に縫合された胸部覆い部材と、少なくとも上体前身露出部を開閉可能に覆うように、前記後身頃に縫合された開閉前身頃と、開閉前身頃を閉じた状態で固定する固定手段により構成される。
【発明の効果】
【0005】
一方のバスト部を覆うと共に、他方のバスト部を露出させるような形状よりなり、未婚・既婚に関わらず、手術により膨らみを失った女性はブラジャーを着けないとそのバランスの悪さが気にかかるものであるが、この衣服を着ることで、お風呂上がりから就寝までリラックスできる。パートナーとの生活においても、失った乳房を露出するのは、夫婦であっても未婚の女性であっても個人差はあれ、なるべくなら見られたくないと言う複雑な思いがある。本発明の衣服は、違和感を自然にカバーしたいという女性の心理を満足させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について、図1から図5を用いて説明する。本事例においてはノースリーブのパジャマを挙げて説明する。
本発明は、後身頃、固定前身頃、開閉前身頃から構成されている。本図においては右胸部除去または温存後の患者用のものとして説明する。
後身頃は、図3に示すように上下生地をウエスト部でギャザーを形成するように縫合されたものである。上部は両肩に位置する肩縫合辺から腕を露出するように背中を覆う形状よりなり、下部は裾に向い広がった形状となっている。
固定前身頃は、図1aに示すように逆三角形状で、右肩縫合辺を有し、右側面で脇下全体が縫合される脇縫合辺となっており、左側辺下部が腰脇縫合辺となっており、各縫合辺で後身頃と縫合されている。右肩縫合辺首側端部から腰脇縫合辺上部にかけては斜め形状となっており、右胸を覆い左胸を露出するようになっており、辺部がゴムを利用してギャザーとなっており伸縮可能となったものである。固定前身頃前面の右腰部付近にはボタンが設けられている。
また、固定前身頃の内側には図1bにしめすように除去胸部に当る位置を広く覆うように、綿ニットが周辺を縫合することで取り付けられている。この綿ニットは切込みが設けられており、固定前身頃と綿ニットにより切込みを入口とするポケットを形成している。
当該ポケットにはパッドが着脱可能に収納できるようになっている。この際、ポケットはパッドが胸部位置に収まるようになっている。
開閉前身頃は、図2に示す様に、左肩縫合辺を有し、前記固定前身頃とあわせて患者の前を覆い全体で任意の衣服となるようになっている。開閉前身頃は肩縫合部と左脇縫合辺で縫合され、それ以外は開放状態となっている。また、固定するために、閉じた状態で前記ボタンで留める位置にボタンホールが設けられている。
本事例においては、ボタンとボタンホールで着脱したものであるが、これに限定されるものではなく、着脱機能を有するものであれば、従来用いられる各種手法で対応することも可能である。
本発明は以上の構造よりなっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の固定前身頃説明図
【図2】本発明の開閉前身頃正面図
【図3】本発明の後身頃正面図
【図4】本発明の使用状態図
【図5】本発明の使用状態図
【符号の説明】
【0008】
1 固定前身頃
2 右脇縫合部
3 開閉前身頃
4 後身頃
5 Vネック(ゴム)
6 薄手綿ニット素材
7 パッド
8 左脇縫合部
9 ウエスト縫合部
10 スリット
11 ボタン
12 ボタンホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上衣後身頃と、左右どちらか一方に設けられ、一方のバスト部を覆うと共に、他方のバスト部を露出させるような形状よりなり、前記、後身頃に縫合された胸部覆い部材と、少なくとも上体前身露出部を開閉可能に覆うように前記後身頃に縫合された開閉前身頃と、前身頃を閉じた状態で固定する固定手段により成り、上衣後身頃と胸部覆い部材と開閉前身頃により任意形状の上衣となることを特徴とする衣服。
【請求項2】
胸部覆い部材の胸部の隆起形状部にあたる位置の開放辺に、立体形状変化に対応する伸縮機構部を設けたことを特徴とする請求項1記載の衣服
【請求項3】
胸部覆い部材のバスト位置に疑似バスト形状とするためのパッドを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の衣服

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−176945(P2006−176945A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382796(P2004−382796)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(505032399)