表札
【課題】
玄関や門柱等における壁面等の取付面へ正確な姿勢で簡単に取付けることができ、しかも取外しも容易であるとともに、意匠性に優れ、また耐久性にも優れた表札を提供する。
【解決手段】
表面に姓あるいは姓名等の表示部10が形成された表札本体部2の背後に、それぞれ第1スペーサ7を介して少なくとも二つの座金3を設けるとともに、座金の中心部から背後へ延びた支持杆4を設け、支持杆を壁面W等の取付面11に形成した支持穴12に挿入するとともに、座金を取付面に接合した状態で接着する。第1スペーサ7を座金3及び支持杆4から分離可能としている。
玄関や門柱等における壁面等の取付面へ正確な姿勢で簡単に取付けることができ、しかも取外しも容易であるとともに、意匠性に優れ、また耐久性にも優れた表札を提供する。
【解決手段】
表面に姓あるいは姓名等の表示部10が形成された表札本体部2の背後に、それぞれ第1スペーサ7を介して少なくとも二つの座金3を設けるとともに、座金の中心部から背後へ延びた支持杆4を設け、支持杆を壁面W等の取付面11に形成した支持穴12に挿入するとともに、座金を取付面に接合した状態で接着する。第1スペーサ7を座金3及び支持杆4から分離可能としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関や門柱等に設置する表札に係わり、更に詳しくは壁面等の取付面への取付け、取外しが可能な表札に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表札を玄関、門柱、塀等の壁面に取付けるには、壁面が平面であれば、直接表札の背面を壁面に接着している。ここで、表札が重い場合には、壁面に釘を打ち込み、あるいはネジを埋設し、壁面から突出させた釘やネジの頭部に、表札の背面上部に形成した係止孔を係止するとともに、表札の背面下部を壁面に接着する方法が通常採用されている。また、タイルやブロック、あるいはコンクリートや吹き付けモルタルで構成され、表面に凹凸がある壁面に表札を取付けるには、壁面にドリルで支持穴を開けて接着剤を注入し、この支持穴に表札の背面に突設したボルトを挿入するとともに、表札の背面と壁面に厚く接着剤を塗布した状態で該表札の背面を壁面に押し付けて接着する方法も採用されている。
【0003】
また、特許文献1には、壁面にブロック状の表札受け台をネジや釘で固定し、表札の裏面に形成した溝を前記表札受け台に嵌め込み、表札を表札受け台に接着剤や接着テープあるいはネジによって固定する構造が開示されている。この場合、壁面が木製の場合には表札受け台を簡単にネジや釘で固定することができるが、コンクリートやタイル等の場合には下穴を穿孔して、従来と同様な接着等の固定手段によって固定する必要がある。
【0004】
また、特許文献2には、周囲にフランジ部を有するボックスを壁面に形成した凹部に埋設して固定し、壁面に密着して沿わせた前記フランジ部に複数のスペーサを突設して、該スペーサの先端部に磁器板からなる表札を保持する構造が開示されている。尚、前記ボックスの内部には光源を内蔵するとともに、開口部を半透明板で覆った構造となっている。
【0005】
表札は、玄関、門柱、塀等の壁面に強固に取付けることができるとともに、壁面を塗装するなどの補修をする場合には、簡単に取外せることが望ましい。しかし、従来の表札の取付構造では、壁面に直接接着する場合には、表札を傷付けずに簡単に壁面から取外すことは不可能であり、また特許文献1に記載の構造は、壁面がコンクリートやタイル等の場合には、表札を取外すことができても表札受け台を取外すことは、破壊しない限り困難である。また、特許文献2に記載の構造では、そもそも壁面にボックスを埋設し得るだけの凹部を形成しなければならず、簡単に表札を取付けることができるものではない。
【0006】
一方、四角形のベース板に対して該ベース板と略同形で姓又は姓名等を表示した表示板を、スペーサを介して間隔を設けて保持した構造の表札は公知であり、特許文献2に記載の表札の構造もこれに類似する。しかし、このような立体構造の表札を壁面に取付けるには、ベース板を前述と同様に壁面に接着等で固定しているのが現状であり、簡単に取外せる構造ではない。
【特許文献1】特開平9−34369号公報
【特許文献2】特開2002−221921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、玄関や門柱等における壁面等の取付面へ正確な姿勢で簡単に取付けることができ、しかも取外しも容易であるとともに、意匠性に優れ、また耐久性にも優れた表札を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、表面に姓あるいは姓名等の表示部が形成された表札本体部の背後に、それぞれ第1スペーサを介して少なくとも二つの座金を設けるとともに、該座金の中心部から背後へ延びた支持杆を設け、該支持杆を壁面等の取付面に形成した支持穴に挿入するとともに、前記座金を取付面に接合した状態で接着することを特徴とする表札を構成した(請求項1)。
【0009】
ここで、前記第1スペーサを、前記座金及び支持杆から分離可能としてなることが好ましい(請求項2)。
【0010】
また、前記表札本体部が、前記表示部が形成された表示板と、該表示板の背後に第2スペーサを介して設けた装飾板とからなり、該装飾板の背面に前記第1スペーサを介して座金及び支持杆が設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0011】
また、前記支持杆の少なくとも先端部に螺軸を設けるとともに、前記座金の中心部に螺孔を形成し、前記座金の螺孔に支持杆の螺軸を螺合してその先端を該座金から一部突出させ、前記表札本体部の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサの後端部に形成した螺孔に、前記支持杆の螺軸の突出部を螺合してなるとより好ましい(請求項4)。
【0012】
そして、前記第1スペーサの前端部を前記表札本体部の背面に着脱可能に螺合してなることも好ましい(請求項5)。
【0013】
具体的には、前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成し、前記第1スペーサは両端部に螺孔を有し、前記第2スペーサは一端部に螺軸、他端部に螺孔を有し、前記装飾板の通孔に前側から第2スペーサの螺軸を挿通するとともに、該螺軸に前記第1スペーサの螺孔を螺合し、そして前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記第2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなることがより好ましい(請求項6)。
【0014】
また、前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成するとともに、前記装飾板に少なくとも二つの取付孔を形成し、前記第1スペーサ及び第2スペーサは両端部に螺孔を有し、前記装飾板の取付孔に前側からネジを挿通して前記第1スペーサの螺孔に螺合し、そして前記表示板と装飾板の間に第2スペーサを配して前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合するとともに、前記装飾板の通孔に後側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなることも好ましい(請求項7)。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる請求項1に係る発明の表札は、表面に姓あるいは姓名等の表示部が形成された表札本体部の背後に、それぞれ第1スペーサを介して少なくとも二つの座金を設けるとともに、該座金の中心部から背後へ延びた支持杆を設け、該支持杆を壁面等の取付面に形成した支持穴に挿入するとともに、前記座金を取付面に接合した状態で接着するので、玄関や門柱等における壁面等の取付面へ正確な姿勢で簡単に取付けることができ、壁面に多少の凹凸があっても座金が壁面に当接し、第1スペーサによって壁面から浮いた状態で表札本体部を保持することができる。表札本体部が重くても、広い面積の座金が壁面の取付面に接着するので、接着面積が広くなり、表札本体部が傾斜して下がることもない。
【0016】
請求項2によれば、前記第1スペーサを、前記座金及び支持杆から分離可能としてなるので、玄関や門柱等の壁面を補修する際に、座金及び支持杆を壁面に残して表札本体部を取外すことができ、また取外した表札本体部の表示部を追加修正することも簡単にできる。
【0017】
請求項3によれば、前記表札本体部が、前記表示部が形成された表示板と、該表示板の背後に第2スペーサを介して設けた装飾板とからなり、該装飾板の背面に前記第1スペーサを介して座金及び支持杆が設けられているので、表札本体部が立体的になり、表示板と装飾板とで表札としての意匠性を高め、これまでにない表現の表札を実現できる。
【0018】
請求項4によれば、前記支持杆の少なくとも先端部に螺軸を設けるとともに、前記座金の中心部に螺孔を形成し、前記座金の螺孔に支持杆の螺軸を螺合してその先端を該座金から一部突出させ、前記表札本体部の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサの後端部に形成した螺孔に、前記支持杆の螺軸の突出部を螺合してなるので、表札本体部を座金及び支持杆から容易に分離することができ、また壁面に残る部材を最小限に止め、壁面の補修の際に邪魔にならないようにすることができる。
【0019】
請求項5によれば、前記第1スペーサの前端部を前記表札本体部の背面に着脱可能に螺合してなるので、更に容易に表札本体部を座金及び支持杆から分離することができる。
【0020】
請求項6によれば、各部品を全て分解することができ、表札本体部を座金及び支持杆から分離する作業が簡単になるとともに、商品の保管や梱包がコンパクトになる。
【0021】
請求項7によれば、支持杆と座金とで全部品を一括して締結できるので、組立が簡単であり、強度も高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る表札の第1実施形態を示し、図1は表札の斜視図、図2はその分解斜視図、図3は表札の正面図、図4はその断面図を示し、図中符号1は表札、2は表札本体部、3は座金、4は支持杆、5は表示板、6は装飾板、7は第1スペーサ、8は第2スペーサ、9はネジをそれぞれ示している。
【0023】
本発明に係る表札1は、図1〜図4(a)に示すように、表面に姓あるいは姓名等の表示部10が形成された表札本体部2の背後に、それぞれ第1スペーサ7,7を介して少なくとも二つの座金3,3を設けるとともに、該座金3,3の中心部から背後へ延びた支持杆4,4を設け、該支持杆4,4を壁面W等の取付面11に形成した支持穴12,12に挿入するとともに、前記座金3,3を取付面11に接合した状態で接着する。
【0024】
具体的には、前記壁面Wにドリルで所定位置に支持穴12,12を穿設し、該支持穴12,12の内部に接着剤又はシール剤を注入するとともに、前記支持穴12の周囲或いは前記座金3の背面に接着剤又はシール剤を付着させた状態で、前記支持杆4,4を壁面Wの支持穴12,12に挿入するとともに、前記座金3,3を取付面11に接合して接着するのである。ここで、前記壁面Wの取付面11が平らでなくても、前記表札本体部2の背後に、第1スペーサ7,7を介して座金3,3を設けたので、比較的広い面積の該座金3,3のみが取付面11に当接し、前記表札本体部2が該取付面11に対して平行に浮いた状態で確実に取付けることができる。
【0025】
また、前記第1スペーサ7を、前記座金3及び支持杆4から分離可能としたので、図4(b)に示すように、玄関、門柱、塀等の壁面Wに強固に接着した前記座金3及び支持杆4を残して、前記表札本体部2を取外すことができる。それにより、壁面Wを塗装するなどの補修する際に、表札本体部2が汚れることがなく、また補修の作業も容易になるのである。壁面Wの補修が終了した後に、該壁面Wに残った前記座金3及び支持杆4に前記第1スペーサ7を連結して、再度表札本体部2を取付けることが可能となる。
【0026】
更に詳しくは、前記表札本体部2は、前記表示部10が形成された表示板5と、該表示板5の背後に第2スペーサ8,8を介して設けた装飾板6とからなり、該装飾板6の背面に前記第1スペーサ7,7を介して座金3,3及び支持杆7,7が設けられている。前記表示板5と装飾板6は、2mm厚のステンレス板を加工して形成したものであり、表示板5は比較的単純な形状を有し、装飾板6は表示板5よりも大きく両者で立体的な表札本体部2を構成している。前記表示板5は表面をHL腐食仕上げし、表示部10は文字等を凹ませて塗装して仕上げている。一方、前記装飾板6は鏡面仕上げとしている。
【0027】
ここで、前記支持杆4の少なくとも先端部に螺軸13を設けるとともに、前記座金3の中心部に螺孔14を形成し、前記座金3の螺孔14に支持杆4の螺軸13を螺合してその先端を該座金3から一部突出させ、前記表札本体部2の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサ7の後端部に形成した螺孔15に、前記支持杆4の螺軸13の突出部を螺合し、該第1スペーサ7と前記座金3及び支持杆4とを分離可能にしている。更に、前記第1スペーサ7の前端部を前記表札本体部2の背面に着脱可能に螺合している。こうすることにより、表札本体部2から第1スペーサ7を分離し、該第1スペーサ7を回転させて前記支持杆4の螺軸13から分離することができるようにしている。前記座金3は直径20mm、厚さ3mmのステンレス製であり、比較的大きな直径を有しており、前記壁面Wの取付面11に凹凸があっても該壁面Wに平行に表札1を取付けることができる。
【0028】
具体的には、図2及び図3に示すように、前記表示板5と装飾板6の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔16,16と通孔17,17を対応させて形成し、前記第1スペーサ7は両端部に螺孔15を有し、前記第2スペーサ8は一端部に螺軸18、他端部に螺孔19を有し、前記装飾板6の通孔17に前側から第2スペーサ8の螺軸18を挿通するとともに、該螺軸18に前記第1スペーサ7の螺孔15を螺合し、そして前記表示板5の通孔16に前側から挿通したネジ9を前記第2スペーサ8の螺孔19に螺合し、更に前記第1スペーサ7の後端部の螺孔15に前記支持杆4の螺軸13を着脱可能に螺合して構成した。
【0029】
前記第1スペーサ7と第2スペーサ8は外形が六角柱状のものであり、いわゆる第1スペーサ7はメスメス型、第2スペーサ8はオスメス型と呼ばれるものであり、スパナで回転させることができる。実際には、前記表札本体部2から第1スペーサ7を分離するには、前記ネジ9を緩めて表示板5を取り去り、それから前記第2スペーサ8を緩めて前記装飾板6を取り去るのである。そして、前記第1スペーサ7を緩めて前記支持杆4の螺軸13から取り去ると、図4(b)の状態になる。この場合、前記表札本体部2は全ての部品に分解された状態となっている。
【0030】
第1実施形態の表札1は、図1〜図3に示すように、全体が楕円形状のイメージのものである。つまり、前記表示板5は、横長の長楕円形状であり、前記装飾板6は、二つの楕円状リング部20,20を中央部で交差させ、更に中心に帯状補強部21を横方向に交差させた形状である。また、前記装飾板6の通孔17,17は、前記帯状補強部21の両端部に形成している。そして、前記装飾板6の帯状補強部21は、前記表示板5の背後に隠れて見え難くなったおり、外観的には二つの楕円状リング部20,20と表示板5とで楕円形状の柔らかいイメージとなっている。
【0031】
ここで、前記表札本体部2を壁面Wから取外せるので、前記表示板5の表示部10の修正や追加加工も可能である。例えば、一世帯から二世帯に増えた場合、あるいはその逆の場合が想定され、そのような場合にも表札本体部2を変更することなく前記表示板5の表示部10のみを簡単に変更することができる。
【0032】
次に、図5〜図10に基づいて本発明の第2〜4実施形態を説明する。これらの実施形態も基本的には前述の第1実施形態と同様であるので、同一構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
第2実施形態は、図5及び図6に示すように、前述の第1実施形態と異なる点は、装飾板6の形状のみであり、本実施形態では前記装飾板6は表示板5と略相似形で該表示板5よりも寸法が大きな長楕円形状である。そして、前記装飾板6の左右一側に寄せて表示板5を取付けることができるように、前記通孔17,17の位置が設定されている。つまり、一方の通孔17は一側端部に形成し、他方の通孔17は他側端より中央寄り位置に形成している。そして、前記表示板5より外側に位置する装飾板6の他側部には三日月形状の開口22を形成している。
【0034】
第3実施形態は、図7及び図8に示すように、前述の第1実施形態と異なる点は、表示板5と装飾板6の形状のみであり、本実施形態では表示板5と装飾板6は長方形状を有している。つまり、前記表示板5は横長の長方形であり、前記装飾板6の横寸法は表示板5よりも若干小さく、縦寸法は表示板5の2.5〜3倍の大きさである。そして、前記装飾板6には、円孔23を左右に4個等間隔で形成し、それを上下2列設けている。
【0035】
第4実施形態は、図9及び図10に示すように、前述の第1実施形態と異なる点は、表示板5と装飾板6の形状のみであり、本実施形態では表示板5と装飾板6は長方形状を有し、第3実施形態と外形は略同じである。第3実施形態と異なる点は、前記装飾板6の中央部で左右一側寄りに横長の長方形のスリット孔24,…を上下に複数形成するとともに、該スリット孔24に対応する上下縁に切欠部25,25を形成している。
【0036】
次に、図11〜図13に基づいて本発明の第5実施形態を説明する。本実施形態は前述の第1実施形態の変形例であり、基本的には第1実施形態と同様であるので、同一構成には同一符号を付して、その説明は省略する。本実施形態は、第1スペーサ7と第2スペーサ8を異なる位置に独立して取付けた構造となっている。そのため、前記装飾板6の通孔17,17の内側位置の帯状補強部21に新たに通孔26,26を形成し、該通孔26,26に前側からネジ27,27を通して前記第1スペーサ7の螺孔15にそれぞれ螺合している。また、前記表示板5と装飾板6とは、第2スペーサ8Aとして両端部に螺孔28を形成したメスメス型のものを用い、前記表示板5の通孔16,16に前側から通したネジ9,9を第2スペーサ8Aの前端部の螺孔28にそれぞれ螺合するとともに、前記装飾板6の通孔17,17に後側から通したネジ29,29を第2スペーサ8Aの後端部の螺孔28にそれぞれ螺合するのである。
【0037】
最後に、図14〜図16に基づいて本発明の第6実施形態を説明する。本実施形態はデザイン的には前述の第1実施形態と同じであるが、構造は大きく異なる。本実施形態の表示板5と装飾板6及び座金3は、第1実施形態と同一であり、第1実施形態と同一構成には同一符号を付して、その説明は省略する。本実施形態では、前記支持杆4とネジ9が一体となった長いネジからなる支持杆4Aを用いるとともに、共にパイプからなる第1スペーサ30と第2スペーサ31を用いる。そして、前記支持杆4Aの螺軸13を前記表示板5の通孔16に前側から通し、該螺軸13に第2スペーサ31の中心孔32を遊挿した後、前記装飾板6の通孔17に通し、更に該螺軸13に第1スペーサ30の中心孔33を遊挿した後、前記座金3の螺孔14を螺合して全部品を一括して締結するのである。本実施形態では、前記座金3と支持杆4Aに対して表札本体部2は分離することができないが、壁面Wに対する取付状態は前述の各実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表札の斜視図である。
【図2】第1実施形態の表札の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図4】壁面への表札の取付構造を示し、(a)は支持杆を壁面等に設けた支持穴に挿入する様子を示す断面図、(b)は支持杆と座金を残して表札を取り去った状態の断面図である。
【図5】第2実施形態の表札の斜視図である。
【図6】第2実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図7】第3実施形態の表札の斜視図である。
【図8】第3実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図9】第4実施形態の表札の斜視図である。
【図10】第4実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図11】第5実施形態の表札の斜視図である。
【図12】第5実施形態の表札の分解斜視図である。
【図13】第5実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図14】第6実施形態の表札の斜視図である。
【図15】第6実施形態の表札の分解斜視図である。
【図16】第6実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 表札 2 表札本体部
3 座金 4、4A 支持杆
5 表示板 6 装飾板
7 第1スペーサ、 8、8A 第2スペーサ、
9 ネジ、 10 表示部、
11 取付面、 13 螺軸、
14 螺孔、 15 螺孔、
16 通孔、 17 通孔、
18 螺軸、 19 螺孔、
20 楕円状リング部、 21 帯状補強部、
22 開口、 23 円孔、
24 スリット孔、 25 切欠部、
26 通孔、 27 ネジ、
28 螺孔、 29 ネジ、
30 第2スペーサ、 31 第1スペーサ、
32 中心孔、 33 中心孔、
W 壁面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関や門柱等に設置する表札に係わり、更に詳しくは壁面等の取付面への取付け、取外しが可能な表札に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表札を玄関、門柱、塀等の壁面に取付けるには、壁面が平面であれば、直接表札の背面を壁面に接着している。ここで、表札が重い場合には、壁面に釘を打ち込み、あるいはネジを埋設し、壁面から突出させた釘やネジの頭部に、表札の背面上部に形成した係止孔を係止するとともに、表札の背面下部を壁面に接着する方法が通常採用されている。また、タイルやブロック、あるいはコンクリートや吹き付けモルタルで構成され、表面に凹凸がある壁面に表札を取付けるには、壁面にドリルで支持穴を開けて接着剤を注入し、この支持穴に表札の背面に突設したボルトを挿入するとともに、表札の背面と壁面に厚く接着剤を塗布した状態で該表札の背面を壁面に押し付けて接着する方法も採用されている。
【0003】
また、特許文献1には、壁面にブロック状の表札受け台をネジや釘で固定し、表札の裏面に形成した溝を前記表札受け台に嵌め込み、表札を表札受け台に接着剤や接着テープあるいはネジによって固定する構造が開示されている。この場合、壁面が木製の場合には表札受け台を簡単にネジや釘で固定することができるが、コンクリートやタイル等の場合には下穴を穿孔して、従来と同様な接着等の固定手段によって固定する必要がある。
【0004】
また、特許文献2には、周囲にフランジ部を有するボックスを壁面に形成した凹部に埋設して固定し、壁面に密着して沿わせた前記フランジ部に複数のスペーサを突設して、該スペーサの先端部に磁器板からなる表札を保持する構造が開示されている。尚、前記ボックスの内部には光源を内蔵するとともに、開口部を半透明板で覆った構造となっている。
【0005】
表札は、玄関、門柱、塀等の壁面に強固に取付けることができるとともに、壁面を塗装するなどの補修をする場合には、簡単に取外せることが望ましい。しかし、従来の表札の取付構造では、壁面に直接接着する場合には、表札を傷付けずに簡単に壁面から取外すことは不可能であり、また特許文献1に記載の構造は、壁面がコンクリートやタイル等の場合には、表札を取外すことができても表札受け台を取外すことは、破壊しない限り困難である。また、特許文献2に記載の構造では、そもそも壁面にボックスを埋設し得るだけの凹部を形成しなければならず、簡単に表札を取付けることができるものではない。
【0006】
一方、四角形のベース板に対して該ベース板と略同形で姓又は姓名等を表示した表示板を、スペーサを介して間隔を設けて保持した構造の表札は公知であり、特許文献2に記載の表札の構造もこれに類似する。しかし、このような立体構造の表札を壁面に取付けるには、ベース板を前述と同様に壁面に接着等で固定しているのが現状であり、簡単に取外せる構造ではない。
【特許文献1】特開平9−34369号公報
【特許文献2】特開2002−221921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、玄関や門柱等における壁面等の取付面へ正確な姿勢で簡単に取付けることができ、しかも取外しも容易であるとともに、意匠性に優れ、また耐久性にも優れた表札を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、表面に姓あるいは姓名等の表示部が形成された表札本体部の背後に、それぞれ第1スペーサを介して少なくとも二つの座金を設けるとともに、該座金の中心部から背後へ延びた支持杆を設け、該支持杆を壁面等の取付面に形成した支持穴に挿入するとともに、前記座金を取付面に接合した状態で接着することを特徴とする表札を構成した(請求項1)。
【0009】
ここで、前記第1スペーサを、前記座金及び支持杆から分離可能としてなることが好ましい(請求項2)。
【0010】
また、前記表札本体部が、前記表示部が形成された表示板と、該表示板の背後に第2スペーサを介して設けた装飾板とからなり、該装飾板の背面に前記第1スペーサを介して座金及び支持杆が設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0011】
また、前記支持杆の少なくとも先端部に螺軸を設けるとともに、前記座金の中心部に螺孔を形成し、前記座金の螺孔に支持杆の螺軸を螺合してその先端を該座金から一部突出させ、前記表札本体部の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサの後端部に形成した螺孔に、前記支持杆の螺軸の突出部を螺合してなるとより好ましい(請求項4)。
【0012】
そして、前記第1スペーサの前端部を前記表札本体部の背面に着脱可能に螺合してなることも好ましい(請求項5)。
【0013】
具体的には、前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成し、前記第1スペーサは両端部に螺孔を有し、前記第2スペーサは一端部に螺軸、他端部に螺孔を有し、前記装飾板の通孔に前側から第2スペーサの螺軸を挿通するとともに、該螺軸に前記第1スペーサの螺孔を螺合し、そして前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記第2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなることがより好ましい(請求項6)。
【0014】
また、前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成するとともに、前記装飾板に少なくとも二つの取付孔を形成し、前記第1スペーサ及び第2スペーサは両端部に螺孔を有し、前記装飾板の取付孔に前側からネジを挿通して前記第1スペーサの螺孔に螺合し、そして前記表示板と装飾板の間に第2スペーサを配して前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合するとともに、前記装飾板の通孔に後側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなることも好ましい(請求項7)。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる請求項1に係る発明の表札は、表面に姓あるいは姓名等の表示部が形成された表札本体部の背後に、それぞれ第1スペーサを介して少なくとも二つの座金を設けるとともに、該座金の中心部から背後へ延びた支持杆を設け、該支持杆を壁面等の取付面に形成した支持穴に挿入するとともに、前記座金を取付面に接合した状態で接着するので、玄関や門柱等における壁面等の取付面へ正確な姿勢で簡単に取付けることができ、壁面に多少の凹凸があっても座金が壁面に当接し、第1スペーサによって壁面から浮いた状態で表札本体部を保持することができる。表札本体部が重くても、広い面積の座金が壁面の取付面に接着するので、接着面積が広くなり、表札本体部が傾斜して下がることもない。
【0016】
請求項2によれば、前記第1スペーサを、前記座金及び支持杆から分離可能としてなるので、玄関や門柱等の壁面を補修する際に、座金及び支持杆を壁面に残して表札本体部を取外すことができ、また取外した表札本体部の表示部を追加修正することも簡単にできる。
【0017】
請求項3によれば、前記表札本体部が、前記表示部が形成された表示板と、該表示板の背後に第2スペーサを介して設けた装飾板とからなり、該装飾板の背面に前記第1スペーサを介して座金及び支持杆が設けられているので、表札本体部が立体的になり、表示板と装飾板とで表札としての意匠性を高め、これまでにない表現の表札を実現できる。
【0018】
請求項4によれば、前記支持杆の少なくとも先端部に螺軸を設けるとともに、前記座金の中心部に螺孔を形成し、前記座金の螺孔に支持杆の螺軸を螺合してその先端を該座金から一部突出させ、前記表札本体部の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサの後端部に形成した螺孔に、前記支持杆の螺軸の突出部を螺合してなるので、表札本体部を座金及び支持杆から容易に分離することができ、また壁面に残る部材を最小限に止め、壁面の補修の際に邪魔にならないようにすることができる。
【0019】
請求項5によれば、前記第1スペーサの前端部を前記表札本体部の背面に着脱可能に螺合してなるので、更に容易に表札本体部を座金及び支持杆から分離することができる。
【0020】
請求項6によれば、各部品を全て分解することができ、表札本体部を座金及び支持杆から分離する作業が簡単になるとともに、商品の保管や梱包がコンパクトになる。
【0021】
請求項7によれば、支持杆と座金とで全部品を一括して締結できるので、組立が簡単であり、強度も高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る表札の第1実施形態を示し、図1は表札の斜視図、図2はその分解斜視図、図3は表札の正面図、図4はその断面図を示し、図中符号1は表札、2は表札本体部、3は座金、4は支持杆、5は表示板、6は装飾板、7は第1スペーサ、8は第2スペーサ、9はネジをそれぞれ示している。
【0023】
本発明に係る表札1は、図1〜図4(a)に示すように、表面に姓あるいは姓名等の表示部10が形成された表札本体部2の背後に、それぞれ第1スペーサ7,7を介して少なくとも二つの座金3,3を設けるとともに、該座金3,3の中心部から背後へ延びた支持杆4,4を設け、該支持杆4,4を壁面W等の取付面11に形成した支持穴12,12に挿入するとともに、前記座金3,3を取付面11に接合した状態で接着する。
【0024】
具体的には、前記壁面Wにドリルで所定位置に支持穴12,12を穿設し、該支持穴12,12の内部に接着剤又はシール剤を注入するとともに、前記支持穴12の周囲或いは前記座金3の背面に接着剤又はシール剤を付着させた状態で、前記支持杆4,4を壁面Wの支持穴12,12に挿入するとともに、前記座金3,3を取付面11に接合して接着するのである。ここで、前記壁面Wの取付面11が平らでなくても、前記表札本体部2の背後に、第1スペーサ7,7を介して座金3,3を設けたので、比較的広い面積の該座金3,3のみが取付面11に当接し、前記表札本体部2が該取付面11に対して平行に浮いた状態で確実に取付けることができる。
【0025】
また、前記第1スペーサ7を、前記座金3及び支持杆4から分離可能としたので、図4(b)に示すように、玄関、門柱、塀等の壁面Wに強固に接着した前記座金3及び支持杆4を残して、前記表札本体部2を取外すことができる。それにより、壁面Wを塗装するなどの補修する際に、表札本体部2が汚れることがなく、また補修の作業も容易になるのである。壁面Wの補修が終了した後に、該壁面Wに残った前記座金3及び支持杆4に前記第1スペーサ7を連結して、再度表札本体部2を取付けることが可能となる。
【0026】
更に詳しくは、前記表札本体部2は、前記表示部10が形成された表示板5と、該表示板5の背後に第2スペーサ8,8を介して設けた装飾板6とからなり、該装飾板6の背面に前記第1スペーサ7,7を介して座金3,3及び支持杆7,7が設けられている。前記表示板5と装飾板6は、2mm厚のステンレス板を加工して形成したものであり、表示板5は比較的単純な形状を有し、装飾板6は表示板5よりも大きく両者で立体的な表札本体部2を構成している。前記表示板5は表面をHL腐食仕上げし、表示部10は文字等を凹ませて塗装して仕上げている。一方、前記装飾板6は鏡面仕上げとしている。
【0027】
ここで、前記支持杆4の少なくとも先端部に螺軸13を設けるとともに、前記座金3の中心部に螺孔14を形成し、前記座金3の螺孔14に支持杆4の螺軸13を螺合してその先端を該座金3から一部突出させ、前記表札本体部2の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサ7の後端部に形成した螺孔15に、前記支持杆4の螺軸13の突出部を螺合し、該第1スペーサ7と前記座金3及び支持杆4とを分離可能にしている。更に、前記第1スペーサ7の前端部を前記表札本体部2の背面に着脱可能に螺合している。こうすることにより、表札本体部2から第1スペーサ7を分離し、該第1スペーサ7を回転させて前記支持杆4の螺軸13から分離することができるようにしている。前記座金3は直径20mm、厚さ3mmのステンレス製であり、比較的大きな直径を有しており、前記壁面Wの取付面11に凹凸があっても該壁面Wに平行に表札1を取付けることができる。
【0028】
具体的には、図2及び図3に示すように、前記表示板5と装飾板6の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔16,16と通孔17,17を対応させて形成し、前記第1スペーサ7は両端部に螺孔15を有し、前記第2スペーサ8は一端部に螺軸18、他端部に螺孔19を有し、前記装飾板6の通孔17に前側から第2スペーサ8の螺軸18を挿通するとともに、該螺軸18に前記第1スペーサ7の螺孔15を螺合し、そして前記表示板5の通孔16に前側から挿通したネジ9を前記第2スペーサ8の螺孔19に螺合し、更に前記第1スペーサ7の後端部の螺孔15に前記支持杆4の螺軸13を着脱可能に螺合して構成した。
【0029】
前記第1スペーサ7と第2スペーサ8は外形が六角柱状のものであり、いわゆる第1スペーサ7はメスメス型、第2スペーサ8はオスメス型と呼ばれるものであり、スパナで回転させることができる。実際には、前記表札本体部2から第1スペーサ7を分離するには、前記ネジ9を緩めて表示板5を取り去り、それから前記第2スペーサ8を緩めて前記装飾板6を取り去るのである。そして、前記第1スペーサ7を緩めて前記支持杆4の螺軸13から取り去ると、図4(b)の状態になる。この場合、前記表札本体部2は全ての部品に分解された状態となっている。
【0030】
第1実施形態の表札1は、図1〜図3に示すように、全体が楕円形状のイメージのものである。つまり、前記表示板5は、横長の長楕円形状であり、前記装飾板6は、二つの楕円状リング部20,20を中央部で交差させ、更に中心に帯状補強部21を横方向に交差させた形状である。また、前記装飾板6の通孔17,17は、前記帯状補強部21の両端部に形成している。そして、前記装飾板6の帯状補強部21は、前記表示板5の背後に隠れて見え難くなったおり、外観的には二つの楕円状リング部20,20と表示板5とで楕円形状の柔らかいイメージとなっている。
【0031】
ここで、前記表札本体部2を壁面Wから取外せるので、前記表示板5の表示部10の修正や追加加工も可能である。例えば、一世帯から二世帯に増えた場合、あるいはその逆の場合が想定され、そのような場合にも表札本体部2を変更することなく前記表示板5の表示部10のみを簡単に変更することができる。
【0032】
次に、図5〜図10に基づいて本発明の第2〜4実施形態を説明する。これらの実施形態も基本的には前述の第1実施形態と同様であるので、同一構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
第2実施形態は、図5及び図6に示すように、前述の第1実施形態と異なる点は、装飾板6の形状のみであり、本実施形態では前記装飾板6は表示板5と略相似形で該表示板5よりも寸法が大きな長楕円形状である。そして、前記装飾板6の左右一側に寄せて表示板5を取付けることができるように、前記通孔17,17の位置が設定されている。つまり、一方の通孔17は一側端部に形成し、他方の通孔17は他側端より中央寄り位置に形成している。そして、前記表示板5より外側に位置する装飾板6の他側部には三日月形状の開口22を形成している。
【0034】
第3実施形態は、図7及び図8に示すように、前述の第1実施形態と異なる点は、表示板5と装飾板6の形状のみであり、本実施形態では表示板5と装飾板6は長方形状を有している。つまり、前記表示板5は横長の長方形であり、前記装飾板6の横寸法は表示板5よりも若干小さく、縦寸法は表示板5の2.5〜3倍の大きさである。そして、前記装飾板6には、円孔23を左右に4個等間隔で形成し、それを上下2列設けている。
【0035】
第4実施形態は、図9及び図10に示すように、前述の第1実施形態と異なる点は、表示板5と装飾板6の形状のみであり、本実施形態では表示板5と装飾板6は長方形状を有し、第3実施形態と外形は略同じである。第3実施形態と異なる点は、前記装飾板6の中央部で左右一側寄りに横長の長方形のスリット孔24,…を上下に複数形成するとともに、該スリット孔24に対応する上下縁に切欠部25,25を形成している。
【0036】
次に、図11〜図13に基づいて本発明の第5実施形態を説明する。本実施形態は前述の第1実施形態の変形例であり、基本的には第1実施形態と同様であるので、同一構成には同一符号を付して、その説明は省略する。本実施形態は、第1スペーサ7と第2スペーサ8を異なる位置に独立して取付けた構造となっている。そのため、前記装飾板6の通孔17,17の内側位置の帯状補強部21に新たに通孔26,26を形成し、該通孔26,26に前側からネジ27,27を通して前記第1スペーサ7の螺孔15にそれぞれ螺合している。また、前記表示板5と装飾板6とは、第2スペーサ8Aとして両端部に螺孔28を形成したメスメス型のものを用い、前記表示板5の通孔16,16に前側から通したネジ9,9を第2スペーサ8Aの前端部の螺孔28にそれぞれ螺合するとともに、前記装飾板6の通孔17,17に後側から通したネジ29,29を第2スペーサ8Aの後端部の螺孔28にそれぞれ螺合するのである。
【0037】
最後に、図14〜図16に基づいて本発明の第6実施形態を説明する。本実施形態はデザイン的には前述の第1実施形態と同じであるが、構造は大きく異なる。本実施形態の表示板5と装飾板6及び座金3は、第1実施形態と同一であり、第1実施形態と同一構成には同一符号を付して、その説明は省略する。本実施形態では、前記支持杆4とネジ9が一体となった長いネジからなる支持杆4Aを用いるとともに、共にパイプからなる第1スペーサ30と第2スペーサ31を用いる。そして、前記支持杆4Aの螺軸13を前記表示板5の通孔16に前側から通し、該螺軸13に第2スペーサ31の中心孔32を遊挿した後、前記装飾板6の通孔17に通し、更に該螺軸13に第1スペーサ30の中心孔33を遊挿した後、前記座金3の螺孔14を螺合して全部品を一括して締結するのである。本実施形態では、前記座金3と支持杆4Aに対して表札本体部2は分離することができないが、壁面Wに対する取付状態は前述の各実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表札の斜視図である。
【図2】第1実施形態の表札の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図4】壁面への表札の取付構造を示し、(a)は支持杆を壁面等に設けた支持穴に挿入する様子を示す断面図、(b)は支持杆と座金を残して表札を取り去った状態の断面図である。
【図5】第2実施形態の表札の斜視図である。
【図6】第2実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図7】第3実施形態の表札の斜視図である。
【図8】第3実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図9】第4実施形態の表札の斜視図である。
【図10】第4実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図11】第5実施形態の表札の斜視図である。
【図12】第5実施形態の表札の分解斜視図である。
【図13】第5実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【図14】第6実施形態の表札の斜視図である。
【図15】第6実施形態の表札の分解斜視図である。
【図16】第6実施形態の表札を示し、(a)は正面図、(b)は横断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 表札 2 表札本体部
3 座金 4、4A 支持杆
5 表示板 6 装飾板
7 第1スペーサ、 8、8A 第2スペーサ、
9 ネジ、 10 表示部、
11 取付面、 13 螺軸、
14 螺孔、 15 螺孔、
16 通孔、 17 通孔、
18 螺軸、 19 螺孔、
20 楕円状リング部、 21 帯状補強部、
22 開口、 23 円孔、
24 スリット孔、 25 切欠部、
26 通孔、 27 ネジ、
28 螺孔、 29 ネジ、
30 第2スペーサ、 31 第1スペーサ、
32 中心孔、 33 中心孔、
W 壁面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に姓あるいは姓名等の表示部が形成された表札本体部の背後に、それぞれ第1スペーサを介して少なくとも二つの座金を設けるとともに、該座金の中心部から背後へ延びた支持杆を設け、該支持杆を壁面等の取付面に形成した支持穴に挿入するとともに、前記座金を取付面に接合した状態で接着することを特徴とする表札。
【請求項2】
前記第1スペーサを、前記座金及び支持杆から分離可能としてなる請求項1記載の表札。
【請求項3】
前記表札本体部が、前記表示部が形成された表示板と、該表示板の背後に第2スペーサを介して設けた装飾板とからなり、該装飾板の背面に前記第1スペーサを介して座金及び支持杆が設けられている請求項1又は2記載の表札。
【請求項4】
前記支持杆の少なくとも先端部に螺軸を設けるとともに、前記座金の中心部に螺孔を形成し、前記座金の螺孔に支持杆の螺軸を螺合してその先端を該座金から一部突出させ、前記表札本体部の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサの後端部に形成した螺孔に、前記支持杆の螺軸の突出部を螺合してなる請求項1〜3何れかに記載の表札。
【請求項5】
前記第1スペーサの前端部を前記表札本体部の背面に着脱可能に螺合してなる請求項4記載の表札。
【請求項6】
前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成し、前記第1スペーサは両端部に螺孔を有し、前記第2スペーサは一端部に螺軸、他端部に螺孔を有し、前記装飾板の通孔に前側から第2スペーサの螺軸を挿通するとともに、該螺軸に前記第1スペーサの螺孔を螺合し、そして前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記第2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなる請求項4又は5記載の表札。
【請求項7】
前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成するとともに、前記装飾板に少なくとも二つの取付孔を形成し、前記第1スペーサ及び第2スペーサは両端部に螺孔を有し、前記装飾板の取付孔に前側からネジを挿通して前記第1スペーサの螺孔に螺合し、そして前記表示板と装飾板の間に第2スペーサを配して前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合するとともに、前記装飾板の通孔に後側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなる請求項4又は5記載の表札。
【請求項1】
表面に姓あるいは姓名等の表示部が形成された表札本体部の背後に、それぞれ第1スペーサを介して少なくとも二つの座金を設けるとともに、該座金の中心部から背後へ延びた支持杆を設け、該支持杆を壁面等の取付面に形成した支持穴に挿入するとともに、前記座金を取付面に接合した状態で接着することを特徴とする表札。
【請求項2】
前記第1スペーサを、前記座金及び支持杆から分離可能としてなる請求項1記載の表札。
【請求項3】
前記表札本体部が、前記表示部が形成された表示板と、該表示板の背後に第2スペーサを介して設けた装飾板とからなり、該装飾板の背面に前記第1スペーサを介して座金及び支持杆が設けられている請求項1又は2記載の表札。
【請求項4】
前記支持杆の少なくとも先端部に螺軸を設けるとともに、前記座金の中心部に螺孔を形成し、前記座金の螺孔に支持杆の螺軸を螺合してその先端を該座金から一部突出させ、前記表札本体部の背面に着脱可能に突設した前記第1スペーサの後端部に形成した螺孔に、前記支持杆の螺軸の突出部を螺合してなる請求項1〜3何れかに記載の表札。
【請求項5】
前記第1スペーサの前端部を前記表札本体部の背面に着脱可能に螺合してなる請求項4記載の表札。
【請求項6】
前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成し、前記第1スペーサは両端部に螺孔を有し、前記第2スペーサは一端部に螺軸、他端部に螺孔を有し、前記装飾板の通孔に前側から第2スペーサの螺軸を挿通するとともに、該螺軸に前記第1スペーサの螺孔を螺合し、そして前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記第2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなる請求項4又は5記載の表札。
【請求項7】
前記表示板と装飾板の両側部を含む少なくとも二箇所にそれぞれ通孔を対応させて形成するとともに、前記装飾板に少なくとも二つの取付孔を形成し、前記第1スペーサ及び第2スペーサは両端部に螺孔を有し、前記装飾板の取付孔に前側からネジを挿通して前記第1スペーサの螺孔に螺合し、そして前記表示板と装飾板の間に第2スペーサを配して前記表示板の通孔に前側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合するとともに、前記装飾板の通孔に後側から挿通したネジを前記2スペーサの螺孔に螺合し、更に前記第1スペーサの後端部の螺孔に前記支持杆の螺軸を着脱可能に螺合してなる請求項4又は5記載の表札。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−198926(P2009−198926A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42240(P2008−42240)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(301006024)株式会社ホームサイン (4)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(301006024)株式会社ホームサイン (4)
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