説明

表皮にメラノサイトを有するマウスとその作製方法

【課題】表皮にヒトと同程度のメラノサイトを有し、皮膚疾患治療のための医薬品や美容のための化粧品などの開発に用いられる実験動物として利用できるマウスと、その作製方法を提供する。
【解決手段】表皮にメラノサイトを有し、且つその受精卵が受託番号:NITE P−653として寄託されているマウス。および、寄託受精卵を偽妊娠マウスの卵管に移植する工程を含む、または記載のマウスと任意のラボラトリーマウスを用いて戻し交配する工程を含む、表皮にメラノサイトを有するマウスの作製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮にメラノサイトを有するマウス、および当該マウスを作製するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メラノサイトは皮膚組織に存在する色素細胞であり、紫外線や老化、ストレスなどに応じて黒色色素であるメラニンを産生する。かかるメラニンには黒褐色のユーメラニンと赤褐色のフェオメラニンがあり、詳細は不明であるものの、ユーメラニンは紫外線から皮膚を守るという役割を有する一方で、フェオメラニンはシミやソバカス、ホクロなどの原因であると考えられている。
【0003】
また、特に強い紫外線の照射を受けることによって、メラノサイトは悪性の腫瘍と化することがある。この腫瘍は悪性黒色腫といわれ、非常に転移し易いという問題を有する。近年、オゾン層の破壊により地表に到達する紫外線の量が増えているといわれており、オーストラリアなどでは紫外線量の増加が原因とみられる皮膚がんが問題となっている。
【0004】
以上のとおり、メラノサイトとメラニンは皮膚疾患や美容に密接な関係を有することから、その基礎研究が求められている。
【0005】
通常、医薬品や化粧品の研究では、被験者として直接ヒトが用いられることは少なく、特に初期段階では実験動物が用いられる。その上、最近ではイヌやサルなどの高等動物の使用も避けられる傾向にある。そこで、マウスが実験動物として用いられる機会が多くなってきている。
【0006】
ところが、ヒトのメラノサイトは表皮に存在するのに対して、マウスのメラノサイトは真皮に存在する。その結果、例えばマウスに紫外線を照射してもメラノサイトまで到達し難いので、皮膚が赤くなったり斑状になるのみで、日焼けなどヒトと同様の応答は起こらない。よって、メラノサイトに関係する皮膚疾患等の実験動物としてマウスを利用することは難しい。そこで、表皮にメラノサイトを有するマウスが求められている。
【0007】
非特許文献1には、幹細胞因子(SCF)を発現するcDNAを導入したマウスの表皮にメラノサイトが発現し、色素の沈着が見られたことが記載されている。また、かかるマウスは、表皮におけるメラノサイトの研究に有用であることも記載されている。
【0008】
しかし、非特許文献1に記載されているマウスは、ヒトでいえば黒人種の30倍程度という異常な量のユーメラニンを発現している。そのため、非特許文献2〜3によれば、当該マウスに合計で72J/cm2という自然状態ではあり得ないほど強力な紫外線を照射しても皮膚がんは誘導されず、合計で150J/cm2の紫外線を照射してようやく30%のマウスに腫瘍が生じるに過ぎない。このとおり、当該マウスはヒトの皮膚に関する研究の実験動物としては到底用い得るものではなかった。
【非特許文献1】Takahiro Kunisadaら,J.Exp.Med.(ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン),vol.18,No.10,pp.1565-1573(1998)
【非特許文献2】Fumikazu Yamazakiら,J.Invest.Dermatol.(ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・デルマトロジー),vol.123,pp.220-228(2004)
【非特許文献3】Fumikazu Yamazakiら,J.Invest.Dermatol.(ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・デルマトロジー),vol.125,pp.521-525(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した様に、ヒトでは表皮にメラノサイトが存在するが、マウスのメラノサイトは真皮に存在するので、ヒトの皮膚組織の研究においてマウスを実験動物として用いることには制限がある。
【0010】
それに対して、ヒトのようにメラノサイトを表皮に有するマウスは既に存在している。しかし、かかるマウスにおけるメラノサイト発現量は過剰なものであり、異常な色素沈着が見られるので、やはり実験動物としては不適切なものであった。
【0011】
そこで本発明は、表皮にヒトと同程度のメラノサイトを有し、皮膚疾患治療のための医薬品や美容のための化粧品などの開発に用いられる実験動物として利用できるマウスと、その作製方法を提供することを目的とする。また、本発明は、紫外線の影響を抑制するための薬剤を探索する方法を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るマウスは、表皮にメラノサイトを有し、且つその受精卵が受託番号:NITE P−653として寄託されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る表皮にメラノサイトを有するマウスの作製方法は、受託番号:NITE P−653の寄託受精卵を偽妊娠マウスの卵管に移植する工程を含むことを特徴とする。
【0014】
さらに本発明に係る表皮にメラノサイトを有するマウスは、上記本発明マウスと任意のラボラトリーマウスを用いて戻し交配する工程を含む方法で作製することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るマウスは、従来のラボラトリーマウスとは異なりヒトと同程度のメラノサイトを表皮に有し、その皮膚組織において、紫外線の照射に対してメラニン量が増加するなどヒトと同様の応答を示す。よって本発明マウスは、紫外線に対するヒトの皮膚組織に関する基礎研究や、紫外線の影響を抑制するための薬剤であって、医薬品や化粧品の有効成分として利用できるものの探索などに利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係るマウスは、表皮にメラノサイトを有し、且つその受精卵が受託番号:NITE P−653として寄託されていることを特徴とする。
【0017】
本発明マウスは、本発明者らが悪性黒色腫の研究のために、岐阜大学の国貞教授より頂いたSCFトランスジェニックマウスを生育するうちに、偶然得られたものである。本発明者らは、得られたマウスを同腹のマウスと交配することにより本発明マウスを継代交配して、分離することに成功した。
【0018】
本発明マウスの受精卵は、下記の通り寄託機関に寄託されている。
(i) 寄託機関の名称およびあて名
名称: 独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物生物寄託センター
あて名: 日本国 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8
(ii) 寄託日: 2008年(平成20年)9月30日
(iii) 受託番号: NITE P−653
【0019】
本発明マウスは無毛である。また、通常のマウスは表皮にメラノサイトを有さないことからその肌の色は薄桃色であるのに対して、本発明マウスは表皮にヒトと同程度のメラノサイトを有することから、その肌の色は薄褐色である。
【0020】
また、本発明マウスは表皮にヒトと同程度のメラノサイトを有することから、紫外線の照射などに対してヒトと同様の応答を示し、ヒトと同程度のメラニンを発現する。
【0021】
本発明マウスの寿命は一般的なマウスと同程度であり、表皮にヒトと同程度のメラノサイトを有するのみで、例えば悪性黒色腫が自然発生するということもない。
【0022】
本発明マウスは、上記寄託受精卵(受託番号:NITE P−653)を常法に従って偽妊娠マウスに移植し、出産させることにより得ることができる。
【0023】
具体的には、特許微生物寄託センターより入手できる寄託受精卵は液体窒素により凍結保存されているので、まずは液体窒素を廃棄する。次いで、例えば30〜38℃程度に加温した液体培地を加え、完全に融解する。融解された受精卵から、顕微鏡観察などにより正常な形態のものを選別して使用する。別途、パイプカットした雄性マウスと雌性マウスを交配させ、膣プラグが確認された偽妊娠マウスを用意しておく。偽妊娠マウスとして用いる雌性マウスの種類は特に制限されず、B6マウスなど通常のラボラトリーマウスを用いることができる。当該偽妊娠マウスの卵管に融解した上記受精卵を移植し、出産させればよい。
【0024】
その他、本発明マウスは、本発明マウスと任意のラボラトリーマウスを用いて戻し交配することにより作製することもできる。
【0025】
本発明マウス同士を交配させることにより、本発明マウスを得ることも可能である。しかし、本発明マウスの生殖能力は比較的低いので、本発明マウスと一般的なラボラトリーマウスとを交配させた方が、より効率的に本発明マウスを作製することができる。
【0026】
現段階では、表皮にメラノサイトを発現させる遺伝子は不明であるが、かかる特性は劣性遺伝形質であることが分かっている。よって、先ず、本発明マウス、即ち表皮にメラノサイトを発現させる遺伝子のホモ接合体と、任意のラボラトリーマウスを交配させ、表皮にメラノサイトを発現させる遺伝子のヘテロ接合体であるF1個体を得る。次いで、このF1個体(ヘテロ接合体)と本発明マウス(ホモ接合体)とを交配させれば、50%の確率で本発明マウス(ホモ接合体)が得られる。或いは、F1個体(ヘテロ接合体)同士を交配させれば、25%の確率で本発明マウス(ホモ接合体)が得られる。
【0027】
本発明マウスの飼育条件は特に制限されず、公知条件をとればよい。例えば、餌は一般的な飼料でよく、水も自由に与えればよい。温度は室温程度とすればよく、20〜30℃程度が好ましい。また、本発明マウスは実験動物として用いるものであることから、SPF環境で飼育することが好ましい。
【実施例】
【0028】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0029】
製造例1 表皮にメラノサイトを有するマウスの作製
(1) 凍結受精卵の融解
特許微生物寄託センターより入手した、受託番号:NITE P−653の受精卵が入っているチューブを液体窒素より取り出し、蓋を開け、チューブ内の液体窒素を廃棄して室温で90秒間放置した。別途、0.25Mのスクロースを含むPB1培地(0.9mL)を37℃に加温した。当該加温培地をチューブに加え、受精卵が完全に溶解するまでピペッティングにより攪拌した。融解した受精卵をチューブ内の培地と共にディッシュに移し、顕微鏡で確認しつつ受精卵を回収してPB1培地に移して数分間静置した。さらにPB1培地に2回移しかえながら、形態的に正常な受精卵を選抜した。
【0030】
(2) 受精卵の移植
予めパイプカットしておいた雄性ICRマウス(日本チャールスリバー社より購入)と、発情期にある雌性ICRマウス(日本チャールスリバー社より購入)とを交配させた。翌日、膣プラグが確認できた偽妊娠マウスの卵管に、上記(1)で融解した受精卵を移植した。水と餌を自由に摂取させつつ飼育したところ、妊娠からおよそ18.5日目に胎児の誕生を確認することができた。
【0031】
比較のために、得られた本発明マウスの写真を、背部を剃毛した一般的なアルビノマウスと岐阜大学の国貞教授から頂いたSCFトランスジェニックマウスの写真と共に図1に示す。図1(1)のとおり、表皮にメラノサイトを有していない一般的なアルビノマウスの肌は薄桃色を呈している。一方、図1(3)のとおり、表皮にメラノサイトが過剰に発現しているSCFトランスジェニックマウスの肌は、黒色の毛と区別ができないほど黒色を呈している。それに対して、図1(2)のとおり、本発明マウスは体毛を有しておらず、且つ肌の色は薄い褐色であった。
【0032】
試験例1 表皮内メラノサイトの確認試験
上記製造例1で得られた本発明マウスの背部を剃毛し、1cm×1cmの皮膚を切除した。得られた皮膚片を20%ホルマリン溶液にて固定した後、パラフィン包埋した。クリオスタットを使って当該試料を4μmに薄切し、プレパラートを作成した。当該プレパラートをキシレンとエタノールで洗浄することによりパラフィンを除去し、さらに、0.25%過マンガン酸カリウム水溶液に1時間浸漬してから2%シュウ酸水溶液に1分間浸漬することによりメラニンを除去した。次いで、プレパラートを10%通常羊血清にて10分間処理し、Target retriever solution(Dako社製)にて処理後、VECTASTAIN社製のABC kit Mouse IgGを用いて酵素抗体法によりメラノサイトを染色した。その際、モノクロナールの抗S100抗体(abcam社)を1次抗体として用い、4℃にて1:500の濃度で一晩反応させた。反応後、PBSと0.5%Tween PBSにて洗浄後、DAB(3,3'-Diaminobenzidine tetrahydrochloride)を3分間反応させることにより、メラノサイトを発色させた。一般的なアルビノマウスの結果を図2(1)に、本発明マウスの結果を図2(2)に、SCFトランスジェニックマウスの結果を図2(3)に示す。
【0033】
図2(1)のとおり、一般的なアルビノマウスの表皮にはメラノサイトは認められず、毛包内に極わずかのメラノサイトが認められたに過ぎなかった。一方、S100タンパク質はメラノサイトのみでなくランゲルハンス細胞にも存在するので、図2の染色結果はメラノサイトの量を反映するものではないが、少なくとも本発明マウスとSCFトランスジェニックマウスの表皮にはメラノサイトが認められると判断することができる。
【0034】
試験例2 表皮内メラニンの確認試験
上記製造例1で得られた本発明マウスを、蛍光灯下、室温で56日間生育した。その後、当該マウスの背部を剃毛し、無刺激状態で1cm×1cmの皮膚を切除した。ディスパーゼ(合同酒精社製)を用いて皮膚を表皮と真皮に分離し、表皮をホモジェナイズした後、梗塞液体クロマトグラフィを用いた吸光度分析を行い、表皮におけるメラニンの量を測定した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
上記結果のとおり、アルビノマウスの表皮にはメラニンはほとんど存在しない。一方、SCFトランスジェニックマウスの表皮には、赤褐色のフェオメラニンに比して黒褐色のユーメラニンが大過剰に存在しており、当該マウスの表皮は著しい黒色を呈していることが分かる。それに対して、本発明マウスの表皮にはユーメラニンとフェオメラニンがヒトと同程度存在している。よって、上記に示すメラニンの量から、本発明マウスの肌組織はヒトの肌組織のモデルにできることが証明された。
【0037】
試験例3 一過的紫外線照射による炎症反応の試験
各5匹ずつの一般的なアルビノマウス、本発明マウスおよびSCFトランスジェニックマウスに対して、500mJ/cm2の中波長紫外線(東芝医療用品社製,FL20SE.30)を1回照射した。紫外線照射後、1日ごとに6日目まで耳介の厚さをダイアルシックネスゲージ(Peacock社製)で測定した。各マウスにおける耳介の厚さの結果を図3に示す。
【0038】
図3の結果のとおり、アルビノマウスの耳介は、特に紫外線照射から2〜3日後にかけて顕著に腫張した。これは、アルビノマウスの皮膚組織にはメラニンが存在しないため、紫外線の影響をそのまま受けてしまうことによると考えられる。一方、SCFトランスジェニックマウスの耳介にはほとんど腫張が認められなかった。これは、表皮に存在するメラニンによりほぼ全ての照射紫外線が吸収されてしまうため、皮膚組織が炎症反応を示さないことによると考えられる。
【0039】
これらマウスに対して、本発明マウスは、アルビノマウスとSCFトランスジェニックマウスの中間程度の炎症反応を示し、一過的な紫外線照射によりわずかな耳介の腫脹が見られた後、回復が認められた。よって本発明マウスは、紫外線照射により適度な炎症反応を示すことから、ヒト皮膚が紫外線の照射を受けた場合のモデルとして有用であることが証明された。
【0040】
試験例4 継続的紫外線照射による炎症反応の試験
継続的に紫外線の照射を受ける場合を想定し、各マウスに対して500mJ/cm2の中波長紫外線(東芝医療用品社製,FL20SE.30)を1週間当たり3回照射した。アルビノマウスに対しては3回照射し、本発明マウスとSCFトランスジェニックマウスに対しては10回照射した。次いで、各マウスの背部を剃毛し、1cm×1cmの皮膚を切除した。採取した皮膚をコンパウンドに包埋し、凍結した後にクリオスタットを使って4μmに薄切し、プレパラートを作成した。次にヘマトキシリンとエオジンで染色し、皮膚の状態を観察した。結果を図4に示す。
【0041】
図4(1)のとおり、アルビノマウスの皮膚は見た目に強度の火傷状態であり、病理学的には表皮全体が壊死に陥っている。図4(3)のとおり、SCFトランスジェニックマウスの皮膚は全く変化が無かった。一方、図4(2)のとおり、本発明マウスの皮膚は茶色から黒色に日焼けしていた。また、表皮細胞の一部に細胞障害が見られ、細胞死が起きている。
【0042】
また、In Situ Cell Detection Kit(Roshe社製)を用いて、各マウスの皮膚組織における細胞死の有無をTUNEL法により確認した。具体的には、4%パラホルムアルデヒドにより別のプレパラートを20分間固定した後、PBSで30分洗浄した。0.1%クエン酸ナトリウム液/0.1%Triton−X−100溶液により4℃で2分間処理した後、キットに付属のA液5μlとB液45μlを混合した液にて37℃で60分間反応させた。反応後、PBSにて洗浄した。蛍光顕微鏡を用いて、細胞死の有無を観察した。結果を図5に示す。なお、FITC領域(488nm)で発光している細胞が、アポトーシスを起こしている細胞である。
【0043】
図5(1)のとおり、アルビノマウスの皮膚組織では継続的な紫外線の照射により表皮内の全層にわたって細胞死が見られた。一方、図5(3)のとおり、SCFトランスジェニックマウスの皮膚組織では、細胞死はほとんど認められない。これらマウスに対して、図5(2)のとおり、本発明マウスでは表皮組織の一部、特に表面部分に細胞死が見られ、この状態はヒトの日焼けと類似するものであった。従って、本発明マウスの肌組織はヒトの肌組織のモデルにできることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(1)は背部を剃毛した一般的なアルビノマウスの写真、(2)は本発明マウスの写真、(3)は背部を剃毛したSCFトランスジェニックマウスの写真である。
【図2】(1)は一般的なアルビノマウスの表皮の染色結果を示す写真、(2)は本発明マウスの表皮の染色結果を示す写真、(3)はSCFトランスジェニックマウスの表皮の染色結果を示す写真である。
【図3】一般的なアルビノマウス、本発明マウスおよびSCFトランスジェニックマウスに対して中波長紫外線を一過的に照射した場合における、各マウスの炎症反応を示す図である。
【図4】継続的に紫外線を照射した場合における、(1)は一般的なアルビノマウスの皮膚の断面染色写真、(2)は本発明マウスの皮膚の断面染色写真、(3)はSCFトランスジェニックマウスの皮膚の断面染色写真である。
【図5】各マウスの皮膚における紫外線照射による細胞死の有無をTUNEL法により確認した結果である。(1)は一般的なアルビノマウスの皮膚の写真、(2)は本発明マウスの皮膚の写真、(3)はSCFトランスジェニックマウスの皮膚の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮にメラノサイトを有し、且つその受精卵が受託番号:NITE P−653として寄託されていることを特徴とするマウス。
【請求項2】
表皮にメラノサイトを有するマウスの作製方法であって、
受託番号:NITE P−653の寄託受精卵を偽妊娠マウスの卵管に移植する工程を含むことを特徴とする作製方法。
【請求項3】
請求項1に記載のマウスと任意のラボラトリーマウスを用いて戻し交配する工程を含む、表皮にメラノサイトを有するマウスの作製方法。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−130948(P2010−130948A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309930(P2008−309930)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【特許番号】特許第4406696号(P4406696)
【特許公報発行日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(500409219)学校法人関西医科大学 (36)