説明

表示シート、表示装置および電子機器

【課題】カラー表示が可能で、かつ鮮明で明るい白色を表示可能とすることにより高いコントラストを発揮することのできる表示シート、この表示シートを用いた表示装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】表示装置20は、白色をなし正または負に帯電する第1の粒子5と第1の粒子5と異なる色をなし第1の粒子5と反対の極に帯電する第2の粒子6とを、第2の粒子6の色と補色の関係にある色の分散媒7に分散してなる分散液100が充填された複数のセル410を有する表示層400を有し、セル410へ作用させる電界パターンを選択することにより、第1の粒子5および第2の粒子6を移動し、第1の粒子5および第2の粒子6のセル410内での位置を制御することにより、表示層400の一方側に設けられた表示面121から視認されるセル410内の色を変更するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示シート、表示装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有しており、電子ペーパーの画像表示部として特に適している。
特許文献1には、対向配置された一対の電極(共通電極および複数の画素電極)と、これらの間に設けられた複数の分割セルとを有し、フルカラー表示が可能な電気泳動表示装置が記載されている。この電気泳動表示装置では、互いに隣り合う3つの分割セルで1画素が構成されている。具体的には、1つの分割セルには、赤色の電気泳動粒子をシアン色の分散媒に分散してなる分散液が充填されており、他の1つの分割セルには、緑色の電気泳動粒子をマゼンタ色の分散媒に分散してなる分散液が充填されており、残る1つの分割セルには、青色の電気泳動粒子をイエロー色の分散媒に分散してなる分散液が充填されている。そして、1画素中の各分割セルにおいて、電気泳動粒子の状態(偏在位置等)を制御することにより、当該1画素において所望の色を表するように構成されている。
【0003】
特許文献1に記載の電気泳動表示装置では、次のようにして、所定画素にて白色を表示する。すなわち、前記所定画素を構成する3つの分割セルのうちの1つの分割セルでは、赤色の電気泳動粒子を共通電極側に移動して赤色を表示し、他の1つの分割セルでは、緑色の電気泳動粒子を共通電極側に移動して緑色を表示し、残る1つの分割セルでは、青色の電気泳動粒子を共通電極側に移動して青色を表示し、これら赤色、緑色および青色を合成することにより白色を表示する。
【0004】
このように、特許文献1に記載の電気泳動表示装置では、赤色の電気泳動粒子、緑色の電気泳動粒子および青色の電気泳動粒子によって光を反射することにより、所定画素において白色を表示しているが、これら3つの電気泳動粒子は、その反射率が白色の電気泳動粒子よりも低い。そのため、赤色の電気泳動粒子、緑色の電気泳動粒子および青色の電気泳動粒子によって光を反射することにより表示される白色の明るさは、白色の電気泳動粒子によって光を反射することにより表示される白色の明るさに比べて低い。
したがって、特許文献1に記載の電気泳動表示装置では、カラー表示は可能であるが、鮮明で明るい白色を表示することができず、高いコントラストを発揮することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−104215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、カラー表示が可能で、かつ鮮明で明るい白色を表示可能とすることにより高いコントラストを発揮することのできる表示シート、この表示シートを用いた表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示シートは、白色をなし正または負に帯電する第1の粒子と前記第1の粒子と異なる色をなし前記第1の粒子と反対の極に帯電する第2の粒子とを、前記第2の粒子の色と補色の関係にある色の分散媒に分散してなる分散液が充填された複数の充填部を有する表示層を有し、
前記複数の充填部のそれぞれへ作用させる電界パターンを選択することにより、前記第1の粒子および前記第2の粒子を移動し、前記第1の粒子および前記第2の粒子の前記充填部内での位置を制御することにより、前記表示層の一方側に設けられた表示面から視認される前記複数の充填部内の色を変更するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、カラー表示が可能で、かつ鮮明で明るい白色を表示可能とすることにより高いコントラストを発揮することのできる表示シートを提供することができる。
【0008】
本発明の表示シートでは、前記電界パターンを選択することにより、前記第1の粒子を前記充填部の前記表示面側に偏在させて前記表示面に前記第1の粒子の色を表示する第1の色表示状態、前記第2の粒子を前記充填部の前記表示面側に偏在させて前記表示面に前記第2の粒子の色を表示する第2の色表示状態、および前記分散媒中に前記第2の粒子を分散させて前記表示面に前記第2の粒子と前記分散媒の混合色を表示する第3の色表示状態のうちのいずれか1つの状態を選択することができることが好ましい。
これにより、カラー表示を行うことができる。
【0009】
本発明の表示シートでは、前記第3の色表示状態では、前記第1の粒子が前記充填部の前記表示面と反対側に偏在することが好ましい。
これにより、より鮮明な第3の色表示状態(すなわち、より反射率の低い黒色が表示された状態)とすることができる。
本発明の表示シートでは、前記第1の粒子の前記分散媒中の移動度は、前記第2の粒子の前記分散媒中の移動度よりも低いことが好ましい。
これにより、より簡単に、第3の色表示状態にて、第1の粒子を充填部の表示面と反対側に偏在させることができる。
【0010】
本発明の表示シートでは、前記第3の色表示状態では、前記第2の粒子は、前記分散媒中の前記表示面側にて分散しており、前記第1の粒子は、前記分散媒中の前記表示面と反対側にて分散していることが好ましい。
これにより、鮮明な第3の色表示状態(すなわち、より反射率の低い黒色が表示された状態)とすることができる。
【0011】
本発明の表示シートでは、前記電界パターンを選択することにより、さらに、前記第1の粒子および前記第2の粒子を前記充填部の中央部または前記表示面と反対側に偏在させて前記表示面に前記分散媒の色を表示する第4の色表示状態を選択することができることが好ましい。
これにより、より多くの色を表示することができる。
【0012】
本発明の表示シートでは、前記複数の充填部のうち、少なくとも3つの前記充填部によって1画素が構成されており、
前記少なくとも3つの充填部に含まれる第1の充填部には、前記第1の粒子と赤色の前記第2の粒子とをシアン色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第2の充填部には、前記第1の粒子と緑色の前記第2の粒子とをマゼンタ色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第3の充填部には、前記第1の粒子と青色の前記第2の粒子とをイエロー色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されていることが好ましい。
これにより、フルカラー表示を行うことができ、優れた表示特性を発揮することができる。
【0013】
本発明の表示シートでは、前記複数の充填部のうち、少なくとも3つの前記充填部によって1画素が構成されており、
前記少なくとも3つの充填部に含まれる第1の充填部には、前記第1の粒子とシアン色の前記第2の粒子とを赤色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第2の充填部には、前記第1の粒子とマゼンタ色の前記第2の粒子とを緑色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第3の充填部には、前記第1の粒子とイエロー色の前記第2の粒子とを青色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されていることが好ましい。
これにより、フルカラー表示を行うことができ、優れた表示特性を発揮することができる。
【0014】
本発明の表示シートでは、前記画素において、前記第1の充填部、前記第2の充填部および前記第3の充填部のうちのいずれか1つの充填部内に存在する前記第2の粒子の色を表示する場合には、前記表示する色の前記第2の粒子を収容する前記充填部では、前記第2の粒子の色を表示し、他の充填部では、前記第1の粒子の色または前記第2の粒子の色と前記分散媒の色との混合色を表示することが好ましい。
これにより、鮮明に第2の粒子の色を表示することができる。また、他の2つのセルを共に白色(第1の粒子の色)を表示させるか、一方に白色を表示させ他方に黒色(第2の粒子の色と分散媒の色の混合色)を表示させるか、共に黒色を表示させるかを選択することにより、明るさの異なる赤色を表示することができる。
【0015】
本発明の表示シートでは、前記他の充填部において、前記第1の粒子の色を表示するか、前記第2の粒子の色と前記分散媒の色との混合色を表示するかは、前記表示面を介して前記表示層に入射する光の量に基づいて選択することが好ましい。
これにより、使用環境に適した画像、すなわち使用者が視認しやすい画像を表示することができる。
【0016】
本発明の表示シートでは、前記画素において、前記第1の充填部、前記第2の充填部および前記第3の充填部のうちのいずれか1つの充填部内に存在する前記第2の粒子の色を表示する場合には、前記表示する色の前記第2の粒子を収容する前記充填部では、前記第2の粒子の色を表示し、他の充填部では、前記分散媒の色を表示することが好ましい。
これにより、優れた色合いの第2の粒子の色を表示することができる。
【0017】
本発明の表示装置は、本発明の表示シートを備えることを特徴とする。
これにより、カラー表示が可能で、かつ鮮明で明るい白色を表示可能とすることにより高いコントラストを発揮することのできる表示装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、カラー表示が可能で、かつ鮮明で明るい白色を表示可能とすることにより高いコントラストを発揮することのできる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す表示装置の平面図である。
【図3】図1に示す表示装置の1つの画素を示した拡大断面図である。
【図4】図1に示す表示装置の作動を示す断面図である。
【図5】図1に示す表示装置の作動を示す断面図である。
【図6】図1に示す表示装置の作動を示す断面図である。
【図7】図5の状態から図6の状態へ変化させる際に印加する電圧の波形を示す図である。
【図8】図1に示す表示装置の作動を示す断面図である。
【図9】図1に示す表示装置の作動を示す断面図である。
【図10】本発明の表示装置の第2実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明の表示装置の第3実施形態を示す平面図である。
【図12】本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図13】本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の表示シート、表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.表示装置
まず、本発明の表示シートを組み込んだ表示装置について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す表示装置の平面図、図3は、図1に示す表示装置の1つの画素を示した拡大断面図、図4、図5および図6は、それぞれ、図1に示す表示装置の作動を示す断面図、図7は、図5の状態から図6の状態へ変化させる際に印加する電圧の波形を示す図、図8および図9は、それぞれ、図1に示す表示装置の作動を示す断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図2、図4、図5、図6、図8および図9中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
【0020】
図1に示す表示装置(電気泳動表示装置)20は、表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22とを有している。
図1に示すように、表示シート21は、平板状の基部2と基部2の下面に設けられた第2の電極4とを備える基板12と、基板12上に設けられ、分散液100が充填された複数のセル(充填部)410を有する表示層400とを有している。
一方、回路基板22は、平板状の基部1と基部1の上面に設けられた複数の第1の電極3とを備える対向基板11と、この対向基板11(基部1)に設けられた、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)とを有している。
【0021】
以下、各部の構成について順次説明する。
基部1および基部2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配置される各部材を支持および保護する機能を有する。各基部1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、2を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
【0022】
各基部(基材層)1、2を可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、それぞれ、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
このような基部1、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上、500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上、250μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置20の小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
【0024】
これらの基部1、2の表示層400側の面、すなわち、基部1の上面および基部2の下面に、それぞれ、層状(膜状)をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。本実施形態では、第2の電極4が共通電極とされ、第1の電極3がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(前記スイッチング素子に接続された画素電極)とされている。また、第1の電極3は、表示層400が有する各セル410に対応して(1つのセル410に1つの第1の電極3が位置するように)設けられている。なお、第2の電極4も、第1の電極3と同様に複数に分割するようにしてもよい。
【0025】
各電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
このような電極3、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.01μm以上、10μm以下程度であるのが好ましく、0.02μm以上、5μm以下程度であるのがより好ましい。
ここで、各基部1、2および各電極3、4のうち、表示面側に配置される基部および電極は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。本実施形態では、基板12の表面(上面)が表示面121を構成するため、少なくとも基部2および第2の電極4は、実質的に透明とされる。これにより、分散液100中における粒子5、6の状態、すなわち表示装置20に表示された情報(画像)を表示面121側から目視により容易に認識することができる。
【0027】
表示シート21では、第2の電極4の下面に接触して、表示層400が設けられている。表示層400は、分散液(電気泳動分散液)100が充填(封入)された複数のセル(充填部)410がマトリクス状に配列することにより構成されている。なお、分散液100は、互いに反対の極に帯電した第1の粒子5および第2の粒子6を分散媒(液相分散媒)7に分散してなる。
【0028】
図1に示すように、表示層400は、複数の凹部401aがマトリクス状(行列状)に形成された基体401と、凹部401aの開口を覆う(塞ぐ)ように基体401に接合された蓋体402とを有しており、これにより複数のセル410が形成されている。
基体401は、比較的高い絶縁性と、分散液100の不透過性とを有している。このような基体401の構成材料としては、特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
一方の蓋体402も、比較的高い絶縁性と、分散液100の不透過性とを有している。また、蓋体402は、実質的に無色透明であり、セル410の外部からセル410内を視認することができるようになっている。このような蓋体402の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン66)、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0030】
図2に示すように、表示装置20では、隣り合う3つのセル410で1つの画素Pixを構成しており、さらに、このような構成の画素Pixがマトリクス状に複数配列している。
各画素Pixは、それぞれ同様の構成をなしているため、以下では、説明の便宜上、1つの画素Pixについて代表して説明し、その他の画素Pixについては、その説明を省略する。また、以下では、画素Pixを構成する3つのセル410を、第1のセル410A、第2のセル410Bおよび第3のセル410Cとし、第1のセル410Aに充填された分散液100を分散液100A、第2のセル410Bに充填された分散液100を分散液100B、第3のセル410Cに充填された分散液100を分散液100Cとして説明する。
【0031】
図3に示すように、第1のセル410Aに充填された分散液100Aは、白色をなす白色粒子(第1の粒子)5Aと、赤色をなす赤色粒子(第2の粒子)6Aをシアン色をなす分散媒7Aに分散(懸濁)してなる。白色粒子5Aおよび赤色粒子6Aは、互いに反対の極に帯電した電気泳動粒子である。すなわち、白色粒子5Aおよび赤色粒子6Aのうちの一方の粒子が正に帯電し、他方の粒子が負に帯電している。また、これら白色粒子5Aおよび赤色粒子6Aを分散する分散媒7Aの色(シアン色)は、赤色粒子6Aの色(赤色)と補色の関係にある。
【0032】
また、第2のセル410Bに充填された分散液100Bは、白色をなす白色粒子(第1の粒子)5Bと、緑色をなす緑色粒子(第2の粒子)6Bをマゼンタ色をなす分散媒7Bに分散(懸濁)してなる。白色粒子5Bおよび緑色粒子6Bは、互いに反対の極に帯電した電気泳動粒子である。すなわち、白色粒子5Bおよび緑色粒子6Bのうちの一方の粒子が正に帯電し、他方の粒子が負に帯電している。また、これら白色粒子5Bおよび緑色粒子6Bを分散する分散媒7Bの色(マゼンタ色)は、緑色粒子6Bの色(緑色)と補色の関係にある。
【0033】
また、第3のセル410Cに充填された分散液100Cは、白色をなす白色粒子(第1の粒子)5Cと、青色をなす青色粒子(第2の粒子)6Cをイエロー色をなす分散媒7Cに分散(懸濁)してなる。白色粒子5Cおよび青色粒子6Cは、互いに反対の極に帯電した電気泳動粒子である。すなわち、白色粒子5Cおよび青色粒子6Cのうちの一方の粒子が正に帯電し、他方の粒子が負に帯電している。また、これら白色粒子5Cおよび青色粒子6Cを分散する分散媒7Cの色(イエロー色)は、青色粒子6Cの色(青色)と補色の関係にある。
これら電気泳動粒子(白色粒子5A、5B、5C、赤色粒子6A、緑色粒子6Bおよび青色粒子6C。以下同様)の分散媒7(7A、7Bおよび7C)への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
【0034】
分散媒7(7A、7Bおよび7C)としては、基体401および蓋体402に対する溶解性が低く、かつ比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒7としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、メタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族復素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
【0035】
中でも、分散媒7としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィン、またはシリコーンオイルを主成分とする分散媒7は、電気泳動粒子の凝集抑制効果が高く、かつセル410の構成材料との親和性が低い(溶解性が低い)ことから好ましい。これにより、表示装置20の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィン、またはシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
【0036】
また、本実施形態では、分散媒7A、7Bおよび7Cを、それぞれ、シアン色、マゼンタ色およびイエロー色に着色するために、分散媒7A、7Bおよび7Cに、例えば、アントラキノン系染料、アゾ系染料、インジゴイド系染料等の各種染料を適宜溶解する。
また、分散媒7中には、必要に応じて、例えば、電解質、アルケニルコハク酸エステルのような界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
【0037】
電気泳動粒子は、荷電を有し、電界が作用することにより、分散媒7中を電気泳動し得る粒子である。かかる電気泳動粒子には、荷電を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
【0038】
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック、亜クロム酸銅等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン等の白色顔料、モノアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛等の黄色顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができ、かかる粒子は、白色粒子5A、5B、5Cとして好適に用いられる。
【0040】
また、電気泳動粒子の形状は、特に限定されないが、球形状であるのが好ましい。
電気泳動粒子は、分散媒7中での分散性を考慮した場合、より小さいものが好適に用いられ、具体的には、その平均粒径が、10nm以上、500nm以下程度であるのが好ましく、20nm以上、300nm以下程度であるのがより好ましい。電気泳動粒子の平均粒径を前記範囲とすることにより、電気泳動粒子同士の凝集や、分散媒7中における沈降を確実に防止して、分散媒7中に分散させることができ、その結果、表示装置20の表示品質の劣化を好適に防止することができる。
【0041】
なお、本実施形態のように、2種の異なる粒子を用いる場合、2種の粒子の平均粒径を異ならせること、特に、白色粒子5A、5B、5Cの平均粒径を赤色粒子6A、緑色粒子6B、青色粒子6Cの平均粒径より大きく設定するのが好ましい。これにより、表示装置20の表示コントラストをより向上させることや、保持特性を向上させることができる。具体的には、赤色粒子6A、緑色粒子6B、青色粒子6Cの平均粒径を20nm以上、100nm以下程度、白色粒子5A、5B、5Cの平均粒径を150nm以上、300nm以下程度とするのが好ましい。
【0042】
また、電気泳動粒子の比重は、分散媒7の比重とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、電気泳動粒子は、電極3、4間への電圧の印加を停止した後においても、分散媒7中において一定の位置に長時間滞留することができる。すなわち、表示装置20にメモリー性を付与することができ、表示された情報が長時間保持されることとなる。
【0043】
2.表示装置の作動方法
このような表示装置20は、次のようにして作動する。
表示装置20の第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じる。この電界に従って、電気泳動粒子(白色粒子5A、5B、5C、赤色粒子6A、緑色粒子6B、青色粒子6C)は、電極3、4のいずれかに向かって移動(電気泳動)する。以下、白色粒子5A、5B、5Cとして正荷電を有するものを用い、赤色粒子6A、緑色粒子6B、青色粒子6Cとして負荷電のものを用いた場合について代表して説明する。
【0044】
まず、第1のセル410Aを用いて電気泳動粒子(白色粒子5A、赤色粒子6A)の泳動を説明する。なお、下記「赤色粒子6A」および「分散媒7A」をそれぞれ「緑色粒子6B」および「分散媒7B」に置き換えることで第2のセル410B内の電気泳動粒子(白色粒子5B、緑色粒子6B)の泳動を説明することができ、「青色粒子6C」および「分散媒7C」に置き換えることで第3のセル410C内の電気泳動粒子(白色粒子5C、青色粒子6C)の泳動を説明することができる。
【0045】
・白色表示状態(第1の色表示状態)
図4に示すように、第1の電極3を正電位とすると、白色粒子5Aは、第2の電極4側に移動して第2の電極4に集まり(偏在し)、赤色粒子6Aは、第1の電極3側に移動して第1の電極3に集まる(偏在する)。このため、表示装置20の表示面121側から第1のセル410Aを見ると、白色粒子5Aの色である白色が見えることとなる(この状態を「白色表示状態」とも言う)。
なお、本願明細書において、「偏在」とは、複数の白色粒子5A(赤色粒子6A)が、セル410の内壁や他の粒子と接触することによって、実質的に直前の移動方向への移動ができない状態で集まっていることを言う(以下同様である)。
【0046】
・赤色表示状態(第2の色表示状態)
図5に示すように、第1の電極3を負電位とすると、赤色粒子6Aは、第2の電極4側に移動して第2の電極4に集まり(偏在し)、白粒子5Aは、第1の電極3側に移動して第1の電極3に集まる(偏在する)。このため、表示装置20の表示面121側から第1のセル410Aを見ると、赤色粒子6Aの色である赤色が見えることとなる(この状態を「赤色表示状態」とも言う)。
【0047】
・黒色表示状態(第3の色表示状態)
例えば、赤色表示状態のときに、第1の電極3を正電位とし、白色粒子5Aを第2の電極4側に移動させるとともに、赤色粒子6Aを第1の電極3側に移動させる。そして、このような粒子の移動によって、図6に示すような、第1のセル410内の上側(第2の電極4側)で赤色粒子6Aが分散し、下側(第1の電極3側)で白色粒子5Aが分散した状態となったときに、第1の電極3への電圧の印加を停止する。この状態で、表示装置20の表示面121側から第1のセル410Aを見ると、赤色粒子6Aの色である赤色と、分散媒7Aの色であるシアン色との混合色である黒色が見えることとなる(この状態を「黒色表示状態」とも言う)。
なお、本願明細書において、「分散」とは、複数の白色粒子5A(赤色粒子6A)が、セル410内でそれぞれ離間しながら、すなわち直前の移動方向への移動が可能な状態で、実質的に均一に散らばっていること言う。
【0048】
なお、赤色表示状態から黒色表示状態とするために第1の電極3に印加する電圧(電位)としては、白色表示状態とするために印加する電圧(電位)よりも、その強さを弱くするか、印加時間を短くするか、またはその両方とするのが好ましい。例えば、図7に示すように、白色表示状態とするために第1の電極3に印加する電圧がV1である場合、赤色表示状態から黒色表示状態とするために第1の電極3に印加する電圧は、V2、V3またはV4であることが好ましい。
このような電圧を印加することにより、赤色粒子6Aが移動しすぎる(すなわち、第1の電極3まで移動してしまう)のを防止しつつ、白色粒子5Aが移動しすぎるのを防止することができ、第1のセル410Aの状態を赤色表示状態から黒色表示状態へ、より簡単に、変化させることができる。
【0049】
ここで、黒色表示状態では、図8に示すように、白色粒子5Aを第1の電極3に集めておくことが好ましい。これにより、白色粒子5Aの分散媒7中への分散が防止され、赤色粒子6Aの色と分散媒7Aの色との混合色である黒色に、白色粒子5Aの色がさらに混合されるのを防止できる。そのため、黒色表示状態にて、より鮮明な黒色(すなわち、より反射率の低い黒色)を表示することができる。
【0050】
黒色表示状態において、白色粒子5Aを第1の電極3に集めておく方法として、例えば、白色粒子5Aの移動度(所定電界が作用したときの単位時間当たりの移動距離)を赤色粒子6Aの移動度よりも低くする方法が好ましい。この方法によれば、簡単かつ確実に、前述したような電位(赤色表示状態から黒色表示状態とするための電位)を第1の電極3に加え、赤色粒子6Aを、第2の電極4に集まった状態から分散媒7中に分散した状態へ変化させても、この赤色粒子6Aよりも移動度の低い白色粒子5Aを第1の電極3に集まったままの状態(または僅かに第2の電極4側に移動した状態)に維持することができる。
なお、白色粒子5Aおよび赤色粒子6Aの移動度は、それぞれ、粒子が有する電荷の量や粒子の重さに依存する。そのため、白色粒子5Aおよび赤色粒子6Aについて、それぞれ、電荷の量や粒子の重さを適宜設定することにより、簡単に、白色粒子5Aの移動度を赤色粒子6Aの移動度よりも低くすることができる。
【0051】
特に、黒色表示状態において白色粒子5Aを第1の電極3に集め、より鮮明な黒色を表示するという観点からすれば、赤色粒子6Aの比重を分散媒7Aの比重と等しくし、白色粒子5Aの比重を分散媒7Aの比重よりも重くするのが好ましい。これにより、第1に、簡単に、白色粒子5Aの移動度を赤色粒子6Aの移動度よりも低くすることができる。第2に、赤色表示状態から黒色表示状態とするための電位が第1の電極3に加えられ、それにより白色粒子5Aが第2の電極4側に移動しても、電位を加え終えた後に、白色粒子5Aが自重により下側(第1の電極3側)に移動(沈降)するため、より確実に、黒色表示状態において、白色粒子5Aを第1の電極3に集めておくことができる。第3に、電位を加え終えた後でも、赤色粒子6Aが分散媒7中において分散した状態を長時間滞留することができる。
【0052】
以上、赤色表示状態から黒色表示状態とする場合について説明したが、白色表示状態から黒色表示状態としてもよい。この場合には、白色表示状態のときに、第1の電極3を負電位とし、白色粒子5Aを第1の電極3側に移動させるとともに、赤色粒子6Aを第2の電極4側に移動させる。そして、このような粒子の移動によって、図6に示すように、第1のセル410内の上側(第2の電極4側)で赤色粒子6Aが分散し、下側(第1の電極3側)で白色粒子5Aが分散した状態となったときに、第1の電極3への電圧の印加を停止すればよい。
【0053】
・シアン色表示状態(第4の色表示状態)
例えば、赤色表示状態のときに、第1の電極3を正電位とし、白色粒子5Aを第2の電極4側に移動させるとともに、赤色粒子6Aを第1の電極3側に移動させる。そして、このような粒子の移動によって、図9に示すような、第1のセル410内の中央部で赤色粒子6Aおよび白色粒子5Aが分散する状態となったときに、第1の電極3への電圧の印加を停止する。この状態で、表示装置20の表示面121側から第1のセル410Aを見ると、赤色粒子6Aや白色粒子5Aはほとんど視認されず、分散媒7Aの色であるシアン色が見えることとなる(この状態を「シアン色表示状態」とも言う)。
なお、シアン色表示状態では、前述したように白色粒子5Aの比重を分散媒7Aの比重よりも重くすることにより、赤色粒子6Aをセル410の中央部に分散させ、白色粒子5Aを第1の電極3に集めてもよい。
【0054】
以上、第1のセル410Aを用いて電気泳動粒子(白色粒子5A、赤色粒子6A)の泳動を説明した。上記説明と同様に、第2のセル410Bでも、白色表示状態(第1の色表示状態)と、緑色表示状態(第2の色表示状態)と、黒色表示状態(第3の色表示状態)と、マゼンタ色表示状態(第4の色表示状態)とを選択することができる。また、第3のセル410Cでも、白色表示状態(第1の色表示状態)と、青色表示状態(第2の色表示状態)と、黒色表示状態(第3の色表示状態)と、イエロー色表示状態(第4の色表示状態)とを選択することができる。
【0055】
次いで、上記のような表示が可能な第1のセル410A、第2のセル410Bおよび第3のセル410Cで構成された1つの画素Pixの色表示について下記の表1に基づいて説明する。なお、表1に示す「W」は、白色表示状態を言い、「BK」は、黒色表示状態を言い、「R」は、赤色表示状態を言い、「G」は、緑色表示状態を言い、「B」は、青色表示状態を言い、「C」は、シアン色表示状態を言い、「M」は、マゼンタ色表示状態を言い、「Y」は、イエロー色表示状態を言う。
【0056】
【表1】

【0057】
・白色表示
表1に示すように、画素Pixに白色を表示させるパターンは、少なくとも3通りある。具体的には、各セル410A、410B、410Cを白色表示状態とするパターン(W1)と、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第3のセル410Cを青色表示状態とするパターン(W2)と、第1のセル410Aをシアン色表示状態とし、第2のセル410Bをマゼンタ色表示状態とし、第3のセル410Cをイエロー色表示状態とするパターン(W3)とを有している。
これら3つのパターン(W1)〜(W3)のうちのパターン(W1)が、最も鮮明で明るい白色(すなわち反射率が最も高い白色)を表示することができる点で好ましい。すなわち、パターン(W1)で白色を表示することにより、高いコントラストの画像を表示することができる。
【0058】
・赤色表示
表1に示すように、画素Pixに赤色を表示させるパターンは、少なくとも6通りある。具体的には、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bおよび第3のセル410Cをそれぞれ白色表示状態とするパターン(R1)と、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bおよび第3のセル410Cのいずれか一方を白色表示状態、他方を黒色表示状態とするパターン(R2)、(R3)と、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bおよび第3のセル410Cをそれぞれ黒色表示状態とするパターン(R4)と、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bをマゼンタ色表示状態とし、第3のセル410Cをイエロー色表示状態とするパターン(R5)と、第1のセル410Aを白色表示状態とし、第2のセル410Bをマゼンタ色表示状態とし、第3のセル410Cをイエロー色表示状態とするパターン(R6)とを有している。
【0059】
パターン(R1)〜(R4)のうち、パターン(R1)が最も明るい赤色を表示することができ、パターン(R4)が最も暗い赤色を表示することができる。パターン(R2)およびパターン(R3)は、パターン(R1)とパターン(R4)の中間の明るさを有する赤色を表示することができる。
また、パターン(R5)は、6つのパターンのうち、最も色合いに優れた(すなわち、最も濃い)赤色を表示することができる。具体的には、第2のセル410Bで表示されているマゼンタ色と第3のセル410Cで表示されているイエロー色の混合色は、赤色である。そのため、第1のセル410Aで表示される赤色と、第2、第3のセル410B、410Cで表示される赤色とが合わさることにより、より色合いに優れた赤色が表示されることとなる。
【0060】
・緑色表示
表1に示すように、画素Pixに緑色を表示させるパターンは、前述した赤色表示パターンと同様に、少なくとも6通りある。具体的には、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第1のセル410Aおよび第3のセル410Cをそれぞれ白色表示状態とするパターン(G1)と、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第1のセル410Aおよび第3のセル410Cのいずれか一方を白色表示状態、他方を黒色表示状態とするパターン(G2)、(G3)と、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第1のセル410Aおよび第3のセル410Cをそれぞれ黒色表示状態とするパターン(G4)と、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第1のセル410Aをシアン色表示状態とし、第3のセル410Cをイエロー色表示状態とするパターン(G5)と、第2のセル410Bを白色表示状態とし、第1のセル410Aをシアン色表示状態とし、第3のセル410Cをイエロー色表示状態とするパターン(G6)とを有している。
【0061】
パターン(G1)〜(G4)のうち、パターン(G1)が最も明るい緑色を表示することができ、パターン(G4)が最も暗い緑色を表示することができる。パターン(G2)およびパターン(G3)は、パターン(G1)とパターン(G4)の中間の明るさを有する緑色を表示することができる。
また、パターン(G6)は、6つのパターンのうち、最も色合いに優れた(すなわち最も濃い)緑色を表示することができる。具体的には、第1のセル410Aで表示されているシアン色と第3のセル410Cで表示されているイエロー色の混合色は、緑色である。そのため、第2のセル410Bで表示される緑色と、第1、第3のセル410A、410Cで表示される緑色とが合わさることにより、より色合いに優れた緑色が表示されることとなる。
【0062】
・青色表示
表1に示すように、画素Pixに青色を表示させるパターンは、前述した赤色表示パターンと同様に、少なくとも6通りある。具体的には、第3のセル410Cを青色表示状態とし、第1のセル410Aおよび第2のセル410Bをそれぞれ白色表示状態とするパターン(B1)と、第3のセル410Cを青色表示状態とし、第1のセル410Aおよび第2のセル410Bのいずれか一方を白色表示状態、他方を黒色表示状態とするパターン(B2)、(B3)と、第3のセル410Cを青色表示状態とし、第1のセル410Aおよび第2のセル410Bをそれぞれ黒色表示状態とするパターン(B4)と、第3のセル410Cを青色表示状態とし、第1のセル410Aをシアン色表示状態とし、第2のセル410Bをマゼンタ色表示状態とするパターン(B5)と、第3のセル410Cを白色表示状態とし、第1のセル410Aをシアン色表示状態とし、第2のセル410Bをマゼンタ色表示状態とするパターン(B6)とを有している。
【0063】
パターン(B1)〜(B4)のうち、パターン(B1)が最も明るい青色を表示することができ、パターン(B4)が最も暗い青色を表示することができる。パターン(B2)およびパターン(B3)は、パターン(B1)とパターン(B4)の中間の明るさを有する青色を表示することができる。
また、パターン(B6)は、6つのパターンのうち、最も色合いに優れた(すなわち最も濃い)青色を表示することができる。具体的には、第1のセル410Aで表示されているシアン色と第2のセル410Bで表示されているマゼンタ色の混合色は、青色である。そのため、第3のセル410Cで表示される青色と、第1、第2のセル410A、410Bで表示される青色とが合わさることにより、より色合いに優れた青色が表示されることとなる。
【0064】
・黒色表示
表1に示すように、画素Pixに黒色を表示させるパターンは、少なくとも1通りある。具体的には、各セル410A、410B、410Cを黒色表示状態とするパターン(BK1)を有している。
【0065】
・灰色表示
表1に示すように、画素Pixに灰色を表示させるパターンは、少なくとも6通りある。具体的には、第1のセル410A、第2の410Bおよび第3の410Cのいずれか1つのセルを黒色表示状態とし、他の2つのセルを白色表示状態とするパターン(GR1)、(GR2)、(GR3)と、第1のセル410A、第2の410Bおよび第3の410Cのいずれか1つのセルを白色表示状態とし、他の2つのセルを黒色表示状態とするパターン(GR4)、(GR5)、(GR6)とを有している。
パターン(GR1)〜(GR6)のうち、パターン(GR1)、(GR2)、(GR3)が白色に近い灰色であり、パターン(GR4)、(GR5)、(GR6)が黒色に近い灰色である。
【0066】
・その他の色の表示状態
表1には、示していないが、画素Pixには、上述した色以外の色を表示させることができる。例えば、赤色と緑色の混色を表示させるには、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第3のセル410Cを白色表示状態または黒色表示状態とすればよいし、緑色と青色の混色を表示させるには、第2のセル410Bを緑色表示状態とし、第3のセル410Cを青色表示状態とし、第1のセル410Aを白色表示状態または黒色表示状態とすればよいし、青色と赤色の混色を表示させるには、第3のセル410Cを青色表示状態とし、第1のセル410Aを赤色表示状態とし、第2のセル410Bを白色表示状態または黒色表示状態とすればよい。
【0067】
以上、画素Pixの色表示について詳細に説明した。
このように、表示装置20では、各色について、その色を表示するためのパターンを複数有している。特に、赤色表示、緑色表示および青色表示については、それぞれ、少なくとも6通りのパターンを有しており、これら6通りのパターンは、それぞれ、その明るさや色合いが異なっている。そのため、表示装置20の使用環境(使用空間の明るさ)や使用目的(表示する画像の内容(例えば写真のような鮮明な画像))によって、どのパターンで各色を表示するかを選択することにより、最も適した画像(色)、すなわち使用者が視認しやすい画像(色)を表示することができる。例えば、赤色表示について言えば、表示装置20を使用する空間が明るければ(表示面121に入射する光の量が比較的多ければ)、パターン(R4)によって暗い赤色を表示し、暗ければ、パターン(R1)によって明るい赤色を表示するのが好ましく、写真のような画像を表示する場合には、パターン(R5)によって色合いに優れた(濃い)赤色を表示するのが好ましい。緑色表示、青色表示についても同様である。
【0068】
ここで、表示装置20は、図示しない受光センサを有しており、この受光センサによって受光された光量に基づいて、赤色、緑色、青色等を表示するためのパターンを選択するよう構成されていてもよい。具体的には、例えば、光量の異なる2つの閾値(光量が多い方を「第1の閾値」とし、少ない方を「第2の閾値」とする)を設定し、受光センサによって受光された光量が第1の閾値以上である場合には、パターン(R4)、(G4)、(B4)で赤色、緑色、青色を表示し、第2の閾値以上、第1の閾値未満の場合には、パターン(R2、R3)、(G2、G3)、(B2、B3)で赤色、緑色、青色を表示し、第1の閾値未満の場合には、パターン(R1)、(G1)、(B1)で赤色、緑色、青色を表示するように構成されていてもよい。なお、表示装置20に、受光センサの代わりに、上述のパターンを切り替えられるスイッチを設け、使用者が自らの感覚でスイッチを切り替え、赤色、緑色、青色等を表示するためのパターンを選択できるように構成されていてもよい。
【0069】
また、表示装置20は、画像の種類を判別する判別手段を有しており、この判別手段の判別結果に基づいて、赤色、緑色、青色等を表示するためのパターンを選択するよう構成されていてもよい。具体的には、判別手段が、表示される画像が写真のような鮮明な表示が求められる画像であると判断した場合には、パターン(R5)、(G5)、(B5)で赤色、緑色、青色を表示するように構成されていてもよい。
【0070】
以上のような構成の表示装置20によれば、フルカラー表示が可能で、かつ、鮮明な白色(反射率の高い)白色を表示することができ高いコントラストを発揮することができる。さらには、表示装置20は、特に、赤色、緑色、青色等の有彩色をその明るさや色合いを異なられて複数種類表示することができるため、優れた表示特性を発揮することができる。
【0071】
<第2実施形態>
次に、本発明の表示装置の第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の表示装置の第2実施形態を示す断面図である。
以下、第2実施形態の表示装置について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる表示装置は、セルに充填された分散液の構成が異なる以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0072】
図10に示すように、第1のセル410Aには分散液100A’が充填されており、第2のセル410Bには、分散液100B’が充填されており、第3のセル410Cには、分散液100C’が充填されている。
第1のセル410Aに充填された分散液100A’は、白色をなす白色粒子(第1の粒子)5Aと、シアン色をなすシアン色粒子(第2の粒子)6A’を赤色をなす分散媒7A’に分散(懸濁)してなる。白色粒子5Aおよびシアン色粒子6A’は、互いに反対の極に帯電した電気泳動粒子である。すなわち、白色粒子5Aおよびシアン色粒子6A’のうちの一方の粒子が正に帯電し、他方の粒子が負に帯電している。また、分散媒7Aの色は、シアン色粒子6A’の色と補色の関係にある。
【0073】
第2のセル410Bに充填された分散液100B’は、白色をなす白色粒子(第1の粒子)5Bと、マゼンタ色をなすマゼンタ色粒子(第2の粒子)6B’を緑色をなす分散媒7B’に分散(懸濁)してなる。白色粒子5Bおよびマゼンタ色粒子6B’は、互いに反対の極に帯電した電気泳動粒子である。すなわち、白色粒子5Bおよびマゼンタ色粒子6B’のうちの一方の粒子が正に帯電し、他方の粒子が負に帯電している。また、分散媒7B’の色は、マゼンタ色粒子6Bの色と補色の関係にある。
【0074】
第3のセル410Cに充填された分散液100C’は、白色をなす白色粒子(第1の粒子)5Cと、イエロー色をなすイエロー色粒子(第2の粒子)6C’を青色をなす分散媒7C’に分散してなる。白色粒子5Cおよびイエロー色粒子6C’は、互いに反対の極に帯電した電気泳動粒子である。すなわち、白色粒子5Cおよびイエロー色粒子6C’のうちの一方の粒子が正に帯電し、他方の粒子が負に帯電している。また、分散媒7C’の色は、イエロー色粒子6C’の色と補色の関係にある。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0075】
<第3実施形態>
次に、本発明の表示装置の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の表示装置の第3実施形態を示す平面図である。
以下、第3実施形態の表示装置について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる表示装置は、セルの配列が異なる以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0076】
図11に示すように、本実施形態では、横断面形状が略正六角形である複数のセル410がハニカム状に配列している。また、複数の第1のセル410A、複数の第2のセル410Bおよび複数の第3のセル410Cが、それぞれ、図11中縦方向に並んで設けられている。そして、隣り合う3つのセル410A、410B、410Bで1つの画素Pixが構成されている。このような構成によれば、セル410を密に配置することができるため、より鮮明な画像を表示することができる。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0077】
以上説明したような表示装置20は、それぞれ、各種電子機器に組み込むことができる。電気泳動表示装置を備える本発明の電子機器としては、例えば、電子ペーパー、電子ブック、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
【0078】
これらの電子機器のうちから、電子ペーパーを例に挙げ、具体的に説明する。
図12は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図12に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
【0079】
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図13は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図13中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図13に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図12に示す構成と同様である。
【0080】
本体部801は、その側部(図13中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
【0081】
また、本体部801の表示面側(図13(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
【0082】
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図13中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。これにより、利便性が向上する。
【0083】
以上、本発明の表示シート、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、各画素が、3つのセルで構成されている形態について説明したが、これに限定されず、例えば、各画素が、4つ以上のセルで構成されていてもよい。なお、各画素が4つ以上のセルで構成されている場合には、1つの画素に、第1のセル、第2のセルおよび第3のセルの少なくとも1つのセルが複数個存在することとなる。
【符号の説明】
【0084】
1‥‥基部 2‥‥基部 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 5‥‥第1の粒子 5A、5B、5C‥‥白色粒子 6‥‥第2の粒子 6A‥‥赤色粒子 6A’‥‥シアン色粒子 6B‥‥緑色粒子 6B’‥‥マゼンタ色粒子 6C‥‥青色粒子 6C’‥‥イエロー色粒子 7、7A、7A’、7B、7B’、7C、7C’‥‥分散媒 100、100A、100A’、100B、100B’、100C、100C’‥‥分散液 11‥‥対向基板 12‥‥基板 121‥‥表示面 20‥‥表示装置 21‥‥表示シート 22‥‥回路基板 400‥‥表示層 401‥‥基体 401a‥‥凹部 402‥‥蓋体 410‥‥セル 410A‥‥第1のセル 410B‥‥第2のセル 410C‥‥第3のセル 600……電子ペーパー 601……本体 602……表示ユニット 800……ディスプレイ 801……本体部 802a、802b……搬送ローラ対 803……孔部 804……透明ガラス板 805……挿入口 806……端子部 807……ソケット 808……コントローラー 809……操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色をなし正または負に帯電する第1の粒子と前記第1の粒子と異なる色をなし前記第1の粒子と反対の極に帯電する第2の粒子とを、前記第2の粒子の色と補色の関係にある色の分散媒に分散してなる分散液が充填された複数の充填部を有する表示層を有し、
前記複数の充填部のそれぞれへ作用させる電界パターンを選択することにより、前記第1の粒子および前記第2の粒子を移動し、前記第1の粒子および前記第2の粒子の前記充填部内での位置を制御することにより、前記表示層の一方側に設けられた表示面から視認される前記複数の充填部内の色を変更するよう構成されていることを特徴とする表示シート。
【請求項2】
前記電界パターンを選択することにより、前記第1の粒子を前記充填部の前記表示面側に偏在させて前記表示面に前記第1の粒子の色を表示する第1の色表示状態、前記第2の粒子を前記充填部の前記表示面側に偏在させて前記表示面に前記第2の粒子の色を表示する第2の色表示状態、および前記分散媒中に前記第2の粒子を分散させて前記表示面に前記第2の粒子と前記分散媒の混合色を表示する第3の色表示状態のうちのいずれか1つの状態を選択することができる請求項1に記載の表示シート。
【請求項3】
前記第3の色表示状態では、前記第1の粒子が前記充填部の前記表示面と反対側に偏在する請求項2に記載の表示シート。
【請求項4】
前記第1の粒子の前記分散媒中の移動度は、前記第2の粒子の前記分散媒中の移動度よりも低い請求項3に記載の表示シート。
【請求項5】
前記第3の色表示状態では、前記第2の粒子は、前記分散媒中の前記表示面側にて分散しており、前記第1の粒子は、前記分散媒中の前記表示面と反対側にて分散している請求項2に記載の表示シート。
【請求項6】
前記電界パターンを選択することにより、さらに、前記第1の粒子および前記第2の粒子を前記充填部の中央部または前記表示面と反対側に偏在させて前記表示面に前記分散媒の色を表示する第4の色表示状態を選択することができる請求項2ないし5のいずれかに記載の表示シート。
【請求項7】
前記複数の充填部のうち、少なくとも3つの前記充填部によって1画素が構成されており、
前記少なくとも3つの充填部に含まれる第1の充填部には、前記第1の粒子と赤色の前記第2の粒子とをシアン色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第2の充填部には、前記第1の粒子と緑色の前記第2の粒子とをマゼンタ色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第3の充填部には、前記第1の粒子と青色の前記第2の粒子とをイエロー色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されている請求項1ないし6のいずれかに記載の表示シート。
【請求項8】
前記複数の充填部のうち、少なくとも3つの前記充填部によって1画素が構成されており、
前記少なくとも3つの充填部に含まれる第1の充填部には、前記第1の粒子とシアン色の前記第2の粒子とを赤色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第2の充填部には、前記第1の粒子とマゼンタ色の前記第2の粒子とを緑色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されており、第3の充填部には、前記第1の粒子とイエロー色の前記第2の粒子とを青色の前記分散媒に分散してなる前記分散液が充填されている請求項1ないし6のいずれかに記載の表示シート。
【請求項9】
前記画素において、前記第1の充填部、前記第2の充填部および前記第3の充填部のうちのいずれか1つの充填部内に存在する前記第2の粒子の色を表示する場合には、前記表示する色の前記第2の粒子を収容する前記充填部では、前記第2の粒子の色を表示し、他の充填部では、前記第1の粒子の色または前記第2の粒子の色と前記分散媒の色との混合色を表示する請求項7または8に記載の表示シート。
【請求項10】
前記他の充填部において、前記第1の粒子の色を表示するか、前記第2の粒子の色と前記分散媒の色との混合色を表示するかは、前記表示面を介して前記表示層に入射する光の量に基づいて選択する請求項9に記載の表示シート。
【請求項11】
前記画素において、前記第1の充填部、前記第2の充填部および前記第3の充填部のうちのいずれか1つの充填部内に存在する前記第2の粒子の色を表示する場合には、前記表示する色の前記第2の粒子を収容する前記充填部では、前記第2の粒子の色を表示し、他の充填部では、前記分散媒の色を表示する請求項7または8に記載の表示シート。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の表示シートを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−180536(P2011−180536A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47143(P2010−47143)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】