説明

表示具

【課題】提供できる商品情報量を飛躍的に向上させるとともに、他の陳列・展示に比べて強い印象を与えることができ、顧客に対する広告効果も高い陳列棚用表示具を提供する。
【解決手段】商品陳列棚の棚板の手前側前端部に設けられた被係合部に着脱自在に係合される支持板部1と、この支持板部1の上端から手前側に向かって下向きに傾斜するトレイ部2とを備え、このトレイ部2の手前側の面に、上記商品に関連する情報を顧客に提供する情報提供手段を配設してなる表示具10であって、上記情報提供手段として、上記トレイ部2内に納まる輪郭形状を有する画像表示装置4が少なくとも一個取り付けられ、この画像表示装置4の表示画面4aに、該画像表示装置4の奥側の陳列棚に陳列された商品に関連する情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品や化粧品テスター,薬品,食品等を陳列するための陳列棚,陳列台等、多種の商品を陳列・展示する陳列用什器の前面に設置され、顧客により近い場所で商品の情報を提供する表示具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、セルフタイプの化粧品販売店やドラッグストア等では、店員に相談することなく、顧客自身が店頭等で化粧品を自由に選択・試用することができるように、大型の化粧品陳列用什器を設置して、口紅やファンデーション,マスカラ等の化粧品(商品)を、試供用のテスターとともに一度に大量に展示することが行われている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
また、上記展示を行う場合、化粧品やテスターを、直接什器の棚板上に並べるのではなく、棚板上面をいくつかのブロックに分割し、各分割スペースに、商品やテスターを規則的に収容保持する陳列トレイや小型の陳列台を並べ、これらを組み合わせて展示する方法が多く用いられている。
【0004】
このような化粧品陳列用什器を用いた商品の展示方法と商品情報の提供方法に関し、本出願人らは既に、特願2008−21582において、上記陳列棚や陳列台の前端部(手前側、すなわち顧客側)に取り付けることのできる表示具を提案している。
【0005】
図4および図5は、上記提案にかかる化粧品陳列用什器(陳列棚)と、その陳列棚の前面に取り付けられる表示具の一例を示す図である。
この化粧品陳列棚は、台部11と、この台部11の背面から立設されたパネル12とからなり、このパネル12の前面(手前)側には、平行する複数の棚板13が上下多段に設けられている。また、この棚板13の上には、商品の包装箱サイズに応じた複数のトレイ状陳列台14が載置され、これら陳列台14上に、基礎化粧料,メイクアップ化粧料等の各種の化粧品(商品)が陳列されている。
【0006】
そして、この陳列台14の前端部には、図5のような取付部14aが設けられ、この取付部14aに、上記商品に関する品名,価格,商品番号,バーコード等の情報を表示する表示具15が取り付けられている。
【0007】
この表示具15は、全体が透明もしくは半透明の合成樹脂からなり、上記陳列台14の取付部14a(被係合部)に係合する立板状の支受板部15a(係合部)と、この支受板部15aの上端部から手前(顧客)側に向かって下り傾斜状に一体的に延設された表示板部15bと、この表示板部15bの下端に設けられたヒンジ部15cにより開閉自在に配設された表示カバー15dとから構成されている。なお、この表示具15は、上記商品の供試用テスターを収容するテスターホルダを兼用する場合がある(例えば、特許文献2の図4,図8〜11を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平2−103351号公報
【特許文献2】特開2001299523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のような従来の陳列棚用表示具では、情報提供手段が印刷媒体等を用いた方法に限られ、提供できる情報量が少ないという問題があった。また、類似の展示方法が多いことから、他の陳列構成と差別化することが難しく、印象深い展示にならないおそれがあるため、その改善が望まれている。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、提供できる商品情報量を飛躍的に向上させるとともに、他の陳列・展示に比べて強い印象を与えることができ、顧客に対する広告効果も高い陳列棚用表示具の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、商品陳列棚の棚板の手前側前端部に設けられた被係合部に着脱自在に係合される支持板部と、この支持板部の上端から手前側に向かって下向きに傾斜するトレイ部とを備え、このトレイ部の手前側の面に、上記商品に関連する情報を顧客に提供する情報提供手段を配設してなる表示具であって、上記情報提供手段として、上記トレイ部内に納まる輪郭形状を有する画像表示装置が少なくとも一個取り付けられ、この画像表示装置の表示画面に、該画像表示装置の奥側の陳列棚に陳列された商品に関連する情報が表示されるようになっている表示具を第1の要旨とする。
【0012】
そして、本発明は、そのなかでも、上記トレイ部の傾斜方向下端部にヒンジが設けられ、このヒンジを介して、閉蓋時には上記画像表示装置を覆い、開蓋時には上記画像表示装置を露出させる、透明な蓋部材が開閉自在に配設されている表示具を第2の要旨とする。
【0013】
さらに、本発明は、そのなかでも、特に、上記蓋部材の上縁部と下縁部の近傍における、少なくとも上記画像表示装置のトレイ部傾斜方向の上側と下側に相当する位置に、該画像表示装置から発生する熱を逃がすための換気穴がそれぞれ形成されている表示具を第3の要旨とする。
【0014】
さらに、本発明は、これらのなかでも、特に、上記画像表示装置が、上記蓋部材の開閉状態を識別するセンサを備えており、閉蓋時と開蓋時とで、この画像表示装置の表示画面に異なる情報が表示されるようになっている表示具を第4の要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、多種の商品を陳列するための陳列棚,陳列台等の陳列用什器の前面に飛び出すように設置され、顧客により近い場所で商品の情報を提供する表示具において、商品名,販売価格,宣伝文句,キャッチフレーズや写真等の限られた情報しか掲示できない従来のPOP等の印刷媒体に代えて、データを入れ替えることにより、多くの商品情報を顧客の注目度に応じてインタラクティブにリアルタイムで提供することのできる画像表示装置を用いることによって、所期の目的を達成しようとするものである。
【0016】
すなわち、本発明の陳列棚用表示具は、情報の表示部位として、顧客側に向かって傾斜するトレイ部を備える表示具であって、このトレイ部の中に、情報提供手段としての画像表示装置を少なくとも一個収容することにより、従来の印刷媒体を用いた表示具に比べ、顧客に提供できる商品情報の量を飛躍的に向上させることができる。さらに、この表示具は、顧客のすぐ近くで、顧客に向かって傾斜した状態で、その画像表示装置の表示画面に、該画像表示装置の奥側(後方)に陳列された商品に関連する情報が表示されるようになっているため、この情報に関連する商品もしくはテスターが即座に特定され、これら商品およびテスターに関し、強い印象を与えることが可能になる。また、この情報に関連する商品が、上記画像表示装置のすぐ奥側に存在することから、顧客がこの商品を手にとって確認する行動を誘引することができる。したがって、本発明の陳列棚用の表示具は、顧客に対する訴求効果,広告効果の高い表示具とすることができる。
【0017】
また、本発明において、そのなかでも、上記トレイ部の傾斜方向下端部にヒンジが設けられ、このヒンジを介して、閉蓋時には上記画像表示装置を覆い、開蓋時には上記画像表示装置を露出させる、透明な蓋部材が開閉自在に配設されているものは、この画像表示装置を埃や照明の熱から保護することができる。なお、上記透明な蓋部材を取り付けるためのヒンジは、上記傾斜状トレイ部の傾斜方向上端部やこのトレイ部の側面等に設置することも可能であるが、上記画像表示装置とともに配置される商品・テスター等への顧客のアクセスの容易さや、この蓋部材を開放した状態で固定する機構が必要ない点等を考慮すると、上記ヒンジをトレイ部の傾斜方向下端部に配置する構成が好ましい。
【0018】
さらに、本発明において、そのなかでも、特に、上記蓋部材の上縁部と下縁部の近傍における、少なくとも上記画像表示装置のトレイ部傾斜方向の上側と下側に相当する位置に、該画像表示装置から発生する熱を逃がすための換気穴がそれぞれ形成されているものは、この表示具の内側に生じる気流により、その蓋部材内部の熱を効率的に逃がすことができるという利点を有する。したがって、本発明の陳列棚用の表示具は、上記蓋部材の内側に配設された画像表示装置の加熱が防止され、その画像表示装置の寿命を延ばすことができる。また、上記トレイ部内に画像表示装置と商品・テスター等を同時に並べて配置する場合も、上記隙間あるいは換気穴の換気作用により、該トレイ部内に熱が溜まってその内部温度が上昇するのが抑制されることから、これら商品やテスターに悪影響が及ぶことを防止することができる。
【0019】
そして、本発明において、これらのなかでも、特に、上記画像表示装置が、上記蓋部材の開閉状態を識別するセンサを備えており、閉蓋時と開蓋時とで、この画像表示装置の表示画面に異なる情報が表示されるようになっているものは、顧客の注目度に応じた商品情報を、インタラクティブにリアルタイムで提供することができ、好適である。したがって、本発明の陳列棚用の表示具は、商品およびテスターに関し、強い印象を与えることができるとともに、顧客に対する高い訴求効果,広告効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態の陳列棚用表示具における蓋を開けた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の陳列棚用表示具における蓋を閉じた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の陳列棚用表示具を商品陳列棚への取り付けた状態を示す側面図である。
【図4】従来の化粧品陳列棚の構成例を示す図である。
【図5】従来の化粧品陳列棚に表示具を取り付ける方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
図1〜図3は、本実施形態における陳列棚用表示具の構成を説明する図である。
本実施形態における表示具10は、従来の化粧品陳列棚用表示具と同様、化粧品・テスター等を展示する陳列棚,陳列台等の陳列用什器の手前側(すなわち顧客側)に前面に飛び出すように取り付けられ、顧客により近い場所で商品の情報を提供するためのものである。
【0023】
上記表示具10は、陳列棚の棚板13や陳列台等の前端部に設けられた取付部13a(被係合部)に係合する支持板部1(係合部)と、この支持板部1の上端部から手前(顧客)側に向かって下り傾斜状に一体的に延設されたトレイ部2と、このトレイ部2の下端に設けられたヒンジ部2aと、このヒンジ部2aにより回動支持に支持されたカバー3と、上記トレイ部2の内部に収容される画像表示装置4等から構成されている。
【0024】
表示具10を位置決めして固定する支持板部1は、上記棚板取付部13aに係合する係合部1aが下端に形成された立板(プレート)状であり、その係合部1aの近傍には、この表示具10の着脱を容易にするための突条1bが設けられている。
【0025】
上記支持板部1と一体に形成されたトレイ部2は、顧客側に向かって傾斜する浅皿状であり、その手前側の面には、画像表示装置4等を保持するための収容凹部が形成されている。また、このトレイ部2の下端部両側には、後述するカバー3を取り付けるためのヒンジ部2a,2aが設けられている。なお、上記トレイ部2の中には、上記画像表示装置4の他に、図1のような固形化粧料のテスター5や、商品としての化粧料容器等が並べて収納されており、顧客に近い場所で化粧品を試用することができるようになっている。
【0026】
上記トレイ部2を覆うカバー3は、このトレイ部2の中に収容された画像表示装置4やテスター5等を埃や熱等から保護するカバー本体3aと、上記トレイ部2の各ヒンジ部2aと連結される連結部3b,3bとからなり、これら連結部3b,3bによって、図3のように、上記トレイ部2に対して開閉自在(回動自在)に配設されている。なお、このカバー3は、少なくともそのカバー本体3aが、透明あるいは半透明の樹脂を用いて形成されており、収容された画像表示装置4の画面に表示される画像や映像を視認できるように構成されている。
【0027】
また、このカバー本体3aにおける図示左方(本実施形態において上記画像表示装置4が配置される位置に相当する場所)のトレイ部2傾斜方向の上縁部と下縁部には、上記トレイ部2との間に換気用の穴を形成する複数の切り欠き3c,3c,・・・が設けられており、このカバー3を閉じた状態でも、上記画像表示装置4から発生する熱を外部に逃がすことができるように設計されている。
【0028】
そして、上記トレイ部2内に収容される画像表示装置4は、上記トレイ部2の収容凹部に納まる輪郭形状を有し、その表面(手前側の面)には、略方形のタッチパネル式液晶表示画面4aが配置されている。また、この画像表示装置4は、その上面の一部に光学式センサ4bを備えており、上記カバー3の開閉状態を識別できるように構成されている。さらに、上記画像表示装置4は、メモリやCPU,ドライバ等からなる表示・制御手段や電源等を備えていることは勿論、外部のコンピュータ等とデータをやり取りするための通信手段を備えている。そのため、上記画像表示装置4は、装置内部のデータを入れ替えることにより、商品や店舗の業態,季節,時間帯,キャンペーンの有無等に応じた情報を提供することが可能である。
【0029】
上記の構成により、本実施形態における表示具10は、上記カバー3によって、トレイ部2内に収容された画像表示装置4やテスター5等が、埃や照明の熱から保護される。また、上記カバー本体3aの上縁部と下縁部に、複数の換気用切り欠き3cが形成されていることから、上記画像表示装置4から発生した熱が効率的に外部に放出される。したがって、本実施形態の陳列棚用表示具10は、上記トレイ部2内に配設された画像表示装置4の寿命を延ばすことができるとともに、このトレイ部2内に配置された商品やテスター5に悪影響を及ぼす熱を素早く発散することができる。
【0030】
また、本実施形態における表示具10は、コンパクトな画像表示装置4の採用により、従来の印刷媒体を用いた表示具に比べ、顧客に提供できる商品情報の量を飛躍的に向上させることが可能になる。さらに、この表示具10は、顧客のすぐ近くで、顧客側に向かって傾斜した状態で、その画像表示装置4の表示画面4aに、表示具10の奥側(後方)に陳列された商品に関連する情報が表示されるため、この情報に関連する商品もしくはテスター5が即座に特定され、これら商品およびテスター5に関し、強い印象を与えることができる。したがって、本実施形態の陳列棚用表示具10は、顧客に対する訴求効果や広告効果が高い。
【0031】
そして、上記表示具10は、上記カバー3の開閉状態を識別するセンサ4bを備えていることから、顧客の注目度に応じて、閉蓋時と開蓋時とで、この液晶表示画面4aに異なる情報を表示させることができる。したがって、本実施形態の陳列棚用表示具10は、カバー3を開けるという行動により、当該商品に少なからず興味を持ったと思われる顧客をターゲットとして、ダイレクトで効果的なPRやマーケティングをピンポイントで行なうことができる。
【0032】
なお、上記実施形態においては、化粧品用陳列棚に設置される表示具10の形状の一例を示したが、これら支持板部1,トレイ部2やカバー3の形状は、設置される陳列棚や陳列台の種類に合わせて適宜変更することができる。例えば、上記実施形態では、表示具10の陳列用什器に対する固定を、支持板部1の先端を棚板13の前端部に設けられた取付部13aに挟み込むようにして行なったが、この表示具10の取付け方法は、特に限定されるものではない。また、陳列用什器側の取付部は、陳列台(陳列トレイ)等の前端部に設けてもよく、支持板部1の先端形状も、この陳列台側の取付部の形状に合わせて変更すればよい。
【0033】
さらに、浅皿状のトレイ部2の形状や深さも、その内部に収容される商品やテスター等の形状に応じて変形すればよい。例えば、棒状化粧料や口紅等の商品やテスターを収納する場合は、これら商品やテスターの形状に合わせ、上記トレイ部の一部に穴を設けたり、あるいは、トレイ部の裏側に口紅テスター等を収容できる有底筒状部を延設してもよい。
【0034】
なお、上記トレイ部には、必ずしも商品やテスター等を収納する必要はなく、少なくとも一個の画像表示装置を収容してさえいれば、その周囲のトレイ部の領域の使用方法は自由である。例えば、従来と同様のPOP等を配置してもよいし、プライスシートや商品注文カード等を配置することもできる。また、これらのような薄い商材を配置する場合は、トレイ部に厚みを持たせる必要はなく、極力薄く形成して板状としてもよい。
【0035】
そして、このトレイ部2の陳列棚に対する取付角度(傾斜角度)は、通常45°程度に設定されるが、陳列棚の位置(床からの高さ)に応じて変更することもできる。ただし、内部に画像表示装置4やテスター5等を収納することを考慮すると、好ましくは20°〜70°の範囲であり、さらに好ましくは30°〜60°の範囲に設定される。
【0036】
また、上記実施形態においては、緩やかに湾曲するカバー3(蓋部材)を例示したが、このカバー3も、内部に収容する化粧品(物品)の形状に合わせて、半円筒状,三角柱状,台形状等のその他の形状とすることができる。さらに、本実施形態においては、画像表示装置4から発生する熱を外部に逃がす機構として、カバー本体3aの上縁部と下縁部に複数の切り欠き3cを形成したが、これらの形状も、穴(換気穴)状,スリット状等、その他の形状としてもよい。さらには、画像表示装置4のトレイ部2傾斜方向の上側と下側に相当する位置に、上記トレイ部2と上記カバー3の間に開口する隙間を設けてもよい。
【0037】
そして、画像表示装置4の表示画面は、上記実施形態で例示した液晶表示パネル(LCD)の他、PDPやOLED,SED等、薄型の画像表示パネル(フラットパネル)を使用することができる。なお、上記画像表示装置4は、消費電力低減のために、閉蓋時に表示画面を消す(OFFにする)構成としてもよく、商品のマーケティングのために、この画像表示装置4に、上記カバー3の開閉回数をカウントする機能を付加してもよい。
【0038】
また、画像表示装置4は、表示具10ごと場所を移動することを考慮すると、そのケース内部に表示・制御手段や電源(バッテリ)等を内蔵するタイプが好ましい。さらに、上記通信手段としても、無線LANやブルートゥース等の無線通信手段を採用することが好ましい。ただし、表示具10の移動の容易さ,配置の自由度,スペース効率,メンテナンス性や陳列棚の外観(見栄え)等を考慮しない場合は、その制御手段や電源を接続ケーブルを経由して別の場所に設置・収納する方法や、LANケーブル等を用いた有線通信によるデータ交換方法を採用しても差し支えない。
【0039】
また、本発明の表示具は、上記化粧品以外にも、薬品や食品等、多種の商品を並べて陳列・展示する用途に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の表示具は、化粧品や化粧品テスターを陳列するための陳列棚や陳列台等、多種の商品を陳列・展示する什器の顧客側前面に飛び出すように設置され、顧客により近い場所でこれら商品の情報を提供する表示具に適する。
【符号の説明】
【0041】
1 支持板部
2 トレイ部
3 カバー
4 画像表示装置
4a 表示画面
5 テスター
10 表示具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列棚の棚板の手前側前端部に設けられた被係合部に着脱自在に係合される支持板部と、この支持板部の上端から手前側に向かって下向きに傾斜するトレイ部とを備え、このトレイ部の手前側の面に、上記商品に関連する情報を顧客に提供する情報提供手段を配設してなる表示具であって、上記情報提供手段として、上記トレイ部内に納まる輪郭形状を有する画像表示装置が少なくとも一個取り付けられ、この画像表示装置の表示画面に、該画像表示装置の奥側の陳列棚に陳列された商品に関連する情報が表示されるようになっていることを特徴とする表示具。
【請求項2】
上記トレイ部の傾斜方向下端部にヒンジが設けられ、このヒンジを介して、閉蓋時には上記画像表示装置を覆い、開蓋時には上記画像表示装置を露出させる、透明な蓋部材が開閉自在に配設されている請求項1記載の表示具。
【請求項3】
上記蓋部材の上縁部と下縁部の近傍には、少なくとも上記画像表示装置におけるトレイ部傾斜方向の上側と下側に相当する位置に、該画像表示装置から発生する熱を逃がすための換気穴がそれぞれ形成されている請求項2記載の表示具。
【請求項4】
上記画像表示装置が、上記蓋部材の開閉状態を識別するセンサを備えており、閉蓋時と開蓋時とで、この画像表示装置の表示画面に異なる情報が表示されるようになっている請求項2または請求項3記載の表示具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−233824(P2010−233824A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85219(P2009−85219)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】