説明

表示媒体

【課題】 高画質なカラー画像を表示することができる表示媒体を提供すること。
【解決手段】 Y電極3は、赤、緑、青に着色されたライン電極3R,3G,3Bによって構成されているので、画像をカラー表示させるべく、従来のように、カラーフィルタと電極とを位置合わせしたり、着色されたマイクロカプセルと電極とを位置合わせする必要がないばかりでなく、Y電極3を介して光を確実に変色させることができるので、カラー画像を高画質に表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定パターンの電極が形成された2枚の基板間に流動性物質を封入し、電極によって発生される電界によって流動性物質を流動させることで一方の基板面に画像を表示する表示媒体が知られており、この種の表示媒体として、例えば、電気泳動方式を採用した表示媒体が知られている。
【0003】
図7(a)は、電気泳動方式を採用した従来の表示媒体100を示す断面図である。表示媒体100は、単純マトリックス方式で駆動され、一方の基板101には、第1の方向に第1電極102が縞状に形成され、他方の基板103には、第1の方向と直交する第2の方向に第2電極104が縞状に形成されている。
【0004】
また、一対の基板101,103の間には、流動性物質として電気泳動媒体107が封入されている。そして、電気泳動媒体107は、白色に着色された白色帯電粒子105と黒色に着色された黒色帯電粒子106とを含む。更に、カラー画像を表示させるべく、第2電極104が形成されている面とは反対側の基板面上には、第2電極104に対応させて赤色のカラーフィルタ108aと、緑色のカラーフィルタ108bと、青色のカラーフィルタ108cとが固着されている。
【0005】
この表示媒体100によれば、第1電極102と第2電極104とが交差する部分において1の画素が形成され、この画素単位で白色帯電粒子105と黒色帯電粒子106との動きを画素単位で制御することで、3色(赤、緑、青)のカラーフィルタ108a,108b,108cを介してカラー画像を表示させることができる。
【0006】
また、上述したように、カラー画像を表示可能な他の表示媒体例として、次の特許文献1には、白色粒子と黒色粒子とを含有する分散媒が封入されたマイクロカプセルを、所定パターンの電極が形成されている一対の基板間に敷き詰め、マイクロカプセル自体を着色することで、カラー画像を表示させるマイクロカプセル型電気泳動方式反射型カラーディスプレイが開示されている。
【特許文献1】特開2003−108035号公報(第23,24,25段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の表示媒体100(図7(a)参照)では、3色(赤、緑、青)のカラーフィルタ108a,108b,108cと第2電極104とが別体に構成さているので、図7(a)に示すように、カラーフィルタ108a,108b,108cと第2電極104とを完全に重複させるのは困難であり、実際には、図7(b)に示すように、第2電極104に対してカラーフィルタ108a,108b,108cがズレて配置される。そのため、カラーフィルタ108a,108b,108cを介することなく表示面から放射される光が発生し、カラー画像の画像品質が低下するという問題点があった。
【0008】
また、上述した特許文献1に開示されているマイクロカプセル型電気泳動方式反射型カラーディスプレイでも、着色されているマイクロカプセルと電極とが別体に構成されているので、マイクロカプセルと電極とを完全に重複させるのは困難であり、上述した従来の表示媒体100と同様に、カラー画像の画像品質が低下するという問題点があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、高画質なカラー画像を表示することができる表示媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、請求項1記載の表示媒体は、第1基板と、前記1基板に対して実質的に平行に離間配置され画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する第2基板と、少なくとも各画素に対応する部分を有し前記第1基板に形成される第1電極と、少なくとも各画素に対応する部分を有し前記第2基板に形成される第2電極と、前記第1基板と前記第2基板との間に形成される液室と、その液室内に封入される流動性物質とを備え、前記第1電極と前記第2電極とによって発生される電界によって前記流動性物質を流動させることで前記表示面に画像を表示するものであって、前記第2電極は、導電性高分子を含有する無色透明又は無色半透明の導電性材料を色素によって着色して構成されている。
【0011】
請求項2記載の表示媒体は、請求項1記載の表示媒体において、前記第2電極は、前記導電性材料を染料によって着色して構成されている。
【0012】
請求項3記載の表示媒体は、請求項2記載の表示媒体において、前記染料の前記流動性物質に対する溶解性は、前記染料の前記導電性材料に対する溶解性よりも低い。
【0013】
請求項4記載の表示媒体は、請求項1から3のいずれかに記載の表示媒体において、前記第2電極は前記第2基板の前記流動性物質側の面に形成されており、前記第2基板と前記流動性物質との間で前記第2電極を覆う保護膜を備えている。
【0014】
請求項5記載の表示媒体は、請求項1から4のいずれかに記載の表示媒体において、前記第2電極は、少なくとも2色以上に着色されている。
【0015】
請求項6記載の表示媒体は、請求項5に記載の表示媒体において、前記第2電極は、前記各画素に対応する部分の各々が縦または横または斜めに直線状に並ぶ直線状部分において同一色に着色され、且つ、隣合う前記直線状部分が異なる色で着色されている。
【0016】
請求項7記載の表示媒体は、請求項6記載の表示媒体において、一の色で着色されている前記直線状部分は、他の色で着色されている前記直線状部分よりも幅広に形成されている。
【0017】
請求項8記載の表示媒体は、請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体において、前記第1電極は、第1方向に並ぶ前記各画素に対応する部分の各々を連続して形成されており、前記第2電極は、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ前記各画素に対応する部分の各々を連続して形成されている。
【0018】
請求項9記載の表示媒体は、請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体において、前記第1電極または前記第2電極は、前記各画素に対応する部分の各々を分離した状態で形成されており、前記第1電極が形成される前記第1基板または前記第2電極が形成される前記第1基板に配置され、前記各画素に対応する部分の各々を囲むマトリックス状に組まれた導電性を有する区画部材と、その区画部材によって囲まれている前記各画素に対応する部分の各々と、前記区画部材とを断続可能なスイッチ手段とを備えている。
【0019】
請求項10記載の表示媒体は、請求項1から9のいずれかに記載の表示媒体において、前記流動性物質は、正又は負に帯電された帯電粒子が分散された電気泳動媒体である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の表示媒体によれば、第2電極は、導電性高分子を含有する無色透明又は無色半透明の導電性材料を色素によって着色して構成されているので、画像をカラー表示させるべく、従来のように、カラーフィルタと電極とを位置合わせしたり、着色されたマイクロカプセルと電極とを位置合わせする必要がないばかりでなく、第2電極を介して外部に放射される光を確実に変色させることができるので、カラー画像を高画質に表示させることができるという効果がある。
【0021】
請求項2記載の表示媒体によれば、請求項1記載の表示媒体の奏する効果に加えて、第2電極は導電性材料を染料によって着色して構成されているので、簡単、且つ、安価に導電性材料を着色することができるという効果がある。
【0022】
請求項3記載の表示媒体によれば、請求項2記載の表示媒体の奏する効果に加えて、染料の流動性物質に対する溶解性は、染料の導電性材料に対する溶解性よりも低いので、たとえ、着色された第2電極が流動性物質と接触する状態にあっても、導電性材料に溶解されている染料によって流動性物質が着色されるのを防止することができるという効果がある。
【0023】
請求項4記載の表示媒体によれば、請求項1から3のいずれかに記載の表示媒体の奏する効果に加えて、第2電極は保護膜によって覆われているので、第2電極と流動性物質とが直接に接触するのが防止され、第2電極が流動性物質と接触することに伴う第2電極の劣化を防止することができるという効果がある。また、第2電極を着色する色素によって流動性部材が着色されるのを防止することができるという効果がある。
【0024】
請求項5記載の表示媒体によれば、請求項1から4のいずれかに記載の表示媒体の奏する効果に加えて、第2電極は、少なくとも2色以上に着色されているので、1色で着色する場合に比べて多彩なカラー画像を表示させることができるという効果がある。
【0025】
請求項6記載の表示媒体によれば、請求項5に記載の表示媒体の奏する効果に加えて、隣合う同一色に着色されている直線状部分は、互いに異なる色で着色されているので、少なくとも2色以上の色で第2電極をランダムに着色する場合に比べ、より高画質なカラー画像を表示させることができるという効果がある。
【0026】
請求項7記載の表示媒体によれば、請求項6記載の表示媒体の奏する効果に加えて、一の色に着色されている直線状部分は、他の色に着色されている直線状部分よりも幅広に形成されているので、表示する画像をどのように表現した以下によって直線部分の幅を設定すればよく、望まれる色合いの画像を表示することができる。
【0027】
請求項8記載の表示媒体によれば、請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体の奏する効果に加えて、第1電極は第1方向に並ぶ各画素に対応する部分の各々を連続して形成されており、第2電極は第1方向と交差する第2方向に並ぶ各画素に対応する部分の各々を連続して形成されている。即ち、単純マトリックス駆動方式により駆動させることができるので、構造が簡単であり、製造コストを抑制することができるという効果がある。
【0028】
請求項9記載の表示媒体によれば、請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体の奏する効果に加えて、区画部材を介して各画素に対応する部分の各々に供給される電圧はスイッチ手段によって断続される。即ち、アクティブマトリックス駆動方式により駆動させることができるので、単純マトリックス駆動方式によって駆動させる場合に比べて、カラー画像を高コントラスト、高画質で表示させることができると共に、画像の表示速度を高速にすることができるという効果がある。
【0029】
請求項10記載の表示媒体によれば、請求項1から9記載の表示媒体の奏する効果に加えて、流動性物質は、正又は負に帯電された帯電粒子が分散された電気泳動媒体であるので、例えば、流動性物質を液晶で構成する場合に比べて、省消費電力で画像を表示させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい態様について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の表示媒体10が搭載された表示装置1の外観斜視図であり、図1(b)は、表示媒体10の分解斜視図である。尚、図1(b)では、第2基板13の下面(第1基板12と対向する面)に形成されているY電極3を明確に図示すべく、第2基板13を2点鎖線で示している。
【0031】
表示装置1は、本体20と、本体20に対して着脱自在に装着される表示媒体10と、を備え、表示媒体10を本体20に装着した上で所定の操作を行うことにより表示媒体10にデジタル画像を表示させることができる装置である。
【0032】
本体20は、表示媒体10の大きさより一回り大きい矩形状に形成されたベースプレート25と、そのベースプレート25の周縁に取着される枠体26と、枠体26の内部に内包されている駆動制御ユニット(図示せず)とを備えている。
【0033】
枠体26は、略コの字状に形成されており、その表面には電源スイッチ26aと、コネクタ26bとが配置されている。駆動制御ユニットは、表示媒体10に形成されているX電極2及びY電極3(いずれも図1(b)参照)に印加する電気信号を制御するものである。
【0034】
本体20に表示媒体10が装着されると、表示媒体10のX電極2及びY電極3が駆動制御ユニットに接続される。そして、駆動制御ユニットの制御により、コネクタ26bを介して外部装置(例えばパーソナルコンピュータ)から入力される画像データに従った画像が表示媒体10にカラー表示される。
【0035】
表示媒体10は、特に、高画質なフルカラー画像を表示することができるものであり、第1基板12と、第2基板13と、その第2基板13と第1基板12との間に挟持されるギャップスペーサ17とを備え、これらを積層して構成されている。
【0036】
尚、詳しくは図2を参照しつつ後述するが、第1基板12と第2基板13との間には、帯電粒子31を含む電気泳動媒体30(図2参照)が封入されており、また、第1基板12と第2基板13とにはX電極2及びY電極3を覆う耐液性の保護膜18(図2参照)が塗布されている。
【0037】
第1基板12及び第2基板13は、いずれも、厚さが約20μm程度の可撓性を有する無色透明なフィルムである。尚、本実施例では、第2基板13のうちY電極3が形成されている面(第1基板12と対向する面)とは反対側の面を利用者が目視するため、その目視する面を画像が表示される表示面とする。
【0038】
第1基板12及び第2基板13の材質としては、ガラス、合成樹脂、天然樹脂、紙などが挙げられ、本実施例では、好ましくは、合成樹脂であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリフェニレンサルファイド(PPS)などのポリエステル系樹脂、アラミド、ポリイミド、ナイロン、ポリプロピレン、硬質ポリエチレン(高密度ポリエチレン)などが挙げられる。
【0039】
第1基板12のうち第2基板13と対向する側の面にはX電極2が形成され、第2基板13のうち第1基板12と対向する側の面にはY電極3が形成されている。X電極2及びY電極3は、後述する電気泳動媒体30(図2参照)に電界を与えるための極性を担うものである。
【0040】
X電極2は、矢印X方向に向かって直線状に延びて形成される無色透明な複数のライン電極2Mを矢印Y方向に所定間隔を空けて並べて形成されている。Y電極3は、矢印Y方向に向かって直線状に延びて形成される複数のライン電極3R,3G,3Bを順番に矢印X方向に所定間隔を空けて並べて形成されている。ライン電極3Rは赤(Red)、ライン電極3Gは緑(Green)、ライン電極3Bは青(Blue)に着色されている。
【0041】
また、X方向とY方向とは直交するので、X電極2を構成する各ライン電極2MとY電極3を構成する各ライン電極3R,3G,3Bとは、直交する関係にあり、第1基板12と第2基板13との間には、各ライン電極2Mと各ライン電極3R,3G,3Bとが交差する交差部分が、マトリックス状に形成される。即ち、表示媒体10は、この交差部分を1画素とし、各ライン電極2Mと、各ライン電極3R,3G,3Bとを制御する単純マトリックス駆動方式によって表示面に画像を表示するものである。
【0042】
次に、X電極2及びY電極3の構成材料について詳細に説明する。X電極2及びY電極3は、いずれも導電性高分子を含有する導電性材料によって構成されており、特に、Y電極3を構成するライン電極3R,3G,3Bの各々は、無色透明な導電性材料を染料によって赤、緑、青に着色して構成されている点でX電極2と異なる。
【0043】
導電性材料に含有されている導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン系導電性高分子などの脂肪族共役系導電性高分子、ポリパラフェニレン系導電性高分子などの芳香族共役系導電性高分子、ポリピロール系導電性高分子やポリチオフェン系導電性高分子などの複素環式共役系導電性高分子、又は、脂肪族共役系又は芳香族共役系をヘテロ原子で結合したポリアニリン系導電性高分子などの含ヘテロ原子共役系導電性高分子、あるいは、これらの各共役系導電性高分子の構成単位が少なくとも2種以上混合されて構成される導電性高分子であるポリビニレンフェニレン系導電性高分子などの混合型共役系導電性高分子などが挙げられる。
【0044】
これらの導電性高分子のうち、電気的特性(表面抵抗率で表されるような導電性)や液体中での化学的安定性の観点から、導電性高分子としては、ポリピロール系導電性高分子やポリチオフェン系導電性高分子などの複素環式共役系導電性高分子であることが好ましく、最も好ましい導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。
【0045】
また、導電性材料は、導電性高分子を分散又は溶解させて構成されており、導電性高分子を分散又は溶解させる媒体としては、安全性や環境対応性の点から、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒であることが好ましい。
【0046】
このような導電性材料で構成されるX電極2およびY電極3は、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法などの方法によって第1基板12上および第2基板13上に形成される。インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法などを用いることにより、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件でX電極2およびY電極3を基板上に形成することができる。そのため、第1基板12又は第2基板13が可撓性を有する薄い樹脂フィルムから構成される場合であっても、基板を損傷することなく電極を形成することができる。
【0047】
尚、導電性高分子を媒体中に安定して分散又は溶解させるために、媒体中にポリスチレンスルホン酸塩などを添加してもよい。このポリスチレンスルホン酸塩は、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)など、導電性高分子が媒体中に分散されることを阻害しないイオンを対イオンとする塩などが挙げられる。ポリスチレンスルホン酸塩における対イオンは、1種類であっても、2種類以上が混合されていてもよい。
【0048】
ギャップスペーサ17は、合成樹脂などから構成される約20μm程度の厚さのフィルムであり、その中央部に開口部17aが開口されている。ギャップスペーサの材質としては、第1基板12及び第2基板13の材質として上記で列挙した樹脂などが挙げられる。
【0049】
次に、図2を参照して、表示媒体10についてより具体的に説明する。図2は、表示媒体10の断面図である。なお、図2の断面図は、第1基板12上に形成されたX電極2のうちの1本を通り、且つ、第2基板13上に形成されたY電極3のそれぞれに対して略直交する切断線で切断した場合の断面を図示したものである。
【0050】
図2に示すように、表示媒体10における第1基板12と第2基板13との間には、正又は負に帯電された帯電粒子31を含む電気泳動媒体30が封入されている。また、第1基板12および第2基板13には、X電極2およびY電極3を覆う保護膜18が塗布されている。
【0051】
電気泳動媒体30は、電気抵抗が高い(絶縁性が高い)溶媒が好ましく、好ましい溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサンなどの直鎖又は環状パラフィン系炭化水素溶媒、イソパラフィン系炭化水素溶媒、ケロシンなど)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなど)、シリコーンオイルのようなオイル状のポリシロキサン、高純度石油などが挙げられる。なお、電気泳動媒体30は、上記のような各溶媒を単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0052】
帯電粒子31は、正に帯電されている白色の白色帯電粒子31aと、負に帯電されている黒色の黒色帯電粒子31bとから構成されている。白色帯電粒子31aや黒色帯電粒子31bとしては、白色の酸化チタンや黒色のカーボンブラックなど、あるいは、フタロシアニン系顔料などの有機顔料をポリマ樹脂で被覆したものや、アゾ染料又はキノリン系染料などの公知の染料で着色された微細なポリマビーズなどが使用できる。
【0053】
これらの白色帯電粒子31a及び黒色帯電粒子31bは、各画素毎にX電極2とY電極3との間に発生する電界に応じて、第1基板12側又は第2基板13側に泳動する。具体的には、任意のY電極3が、対応するX電極2に対して正となるように電界が形成された場合には、負に帯電されている黒色帯電粒子31bは、第2基板13側(Y電極3側)に泳動し、正に帯電されている白色帯電粒子31aは、第1基板12側(X電極2側)に泳動する。
【0054】
逆に、任意のY電極3が、対応するX電極2に対して負となるように電界が形成された場合には、正に帯電されている白色帯電粒子31aが、第2基板13側(Y電極3側)に泳動し、負に帯電されている黒色帯電粒子31bは、第1基板12側(X電極2側)に泳動する。
【0055】
このように、黒色帯電粒子31bと白色帯電粒子31aとを第1基板12側又は第2基板13側に泳動させ、Y電極3を介して表示面から放射される光によって、表示面にカラー画像を表示させることができる。
【0056】
保護膜18は、フッ素化合物を含有するコーティング剤を基板上にコーティングして形成されている。コーティング剤に含有されているフッ素化合物としては、所定の温度以上で液体状になるフッ素化合物が好ましく、例えば、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(低分子量PTFE)、低分子量ポリクロロトリフルオロエチレン(低分子量PCTFE)、低分子量テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(低分子量PFA)、低分子量テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(低分子量FEP)などが挙げられる。このように保護膜18を構成することで、X電極2およびY電極3と電気泳動媒体30とが直接に接触するのが防止される。よって、X電極2およびY電極3が電気泳動媒体30と接触することに伴う電極の劣化を防止することができる。また、Y電極3を着色している染料が電気泳動媒体30に溶けて電気泳動媒体が着色されるのを防止することができる。
【0057】
尚、保護膜18を形成しない場合には、染料の電気泳動媒体30に対する溶解性は、染料のY電極3を構成する材料に対する溶解性よりも低いものであることが好ましい。このような染料を使用することで、Y電極3を着色する染料が電気泳動媒体30に溶け、電気泳動媒体30が着色されるのを防止することができる。
【0058】
図3は、基板13上にY電極3および保護膜18を形成するY電極および保護膜形成工程を説明する図である。図3に示すように、Y電極および保護膜形成工程は、時系列に沿って、準備工程(S1)と、Y電極塗布工程(S2)と、第1乾燥工程(S3)と、コーティング剤塗布工程(S4)と、第2乾燥工程(S5)とを備えている。
【0059】
まず、準備工程(S1)では、赤に着色された導電性材料Rと、緑に着色された導電性材料Gと、青に着色された導電性材料Bとを製造する。具体的には、無色透明な導線性材料Dと、赤用の染料と、青用の染料と、黄用の染料とを用意する。
【0060】
そして、無色透明な導線性材料Dを赤用の染料によって着色することで赤に着色された導電性材料Rを製造する。また、無色透明な導線性材料Dを青用の染料と黄用の染料とによって着色することで緑に着色された導電性材料Gを製造する。更に、無色透明な導線性材料Dを青用の染料によって着色することで青に着色された導電性材料Bを製造する。尚、緑に着色された導電性材料Gは、無色透明な導線性材料Dを緑用の染料によって着色することで製造しても良い。
【0061】
次に、Y電極塗布工程(S2)では、準備工程(S1)により製造された赤、緑、青に着色された各導電性材料R,G,Bが第2基板13上に所定のパターン(図1(b)参照)で形成されるようにインクジェット法によって塗布する。尚、インクジェット法に代えて、スピンコート法、スプレー法、コーティング法などの方法を用いることも可能であるが、インクジェット法によれば、インクジェット記録装置によってY電極3を所定のパターン(図1(b)参照)に容易に塗布することができる。
【0062】
次に、第1乾燥工程(S3)では、Y電極塗布工程(S2)により第2基板13上に塗布されたY電極3を乾燥させる。具体的には、Y電極3が塗布された第2基板13を、自然乾燥又はオーブンなどの乾燥装置を用いる加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥をする場合には、可撓性を有する第2基板13が損傷されない程度の温度(例えば、150℃以下)で乾燥が行われ、より好ましい乾燥温度は120℃以下である。この第1乾燥工程(S3)により、Y電極3が第2基板13上に定着され、電極として使用し得る状態となる。
【0063】
次に、コーティング剤塗布工程(S4)では、第1乾燥工程(S3)により第2基板13上に定着されたY電極3の上に、液体状のコーティング剤Cを塗布して保護膜18を形成する。コーティング剤Cを塗布する方法としては、スプレー式、ディッピング法、ゾルゲル法が簡便である。
【0064】
次に、第2乾燥工程(S5)は、コーティング剤塗布工程(S4)により第2基板13上に塗布されたコーティング剤Cを乾燥させる。具体的には、第2基板13に塗布されたコーティング剤Cを、自然乾燥又はオーブンなどの乾燥器を用いる加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥をする場合には、可撓性を有する第2基板13が損傷されない程度の温度(例えば、150℃以下)で乾燥が行われる。この第2乾燥工程(S5)により、コーティング剤が乾燥して第2基板13上に保護膜18が形成される。
【0065】
このような製造工程を経ることで、第2基板13上にY電極3および保護膜18を形成することができる。尚、第1基板12上にX電極2および保護膜18を形成するための形成工程は、上述した準備工程(S1)で用意される無色透明な導線性材料Dを着色することなく使用する点でのみ、上述したY電極および保護膜形成工程と異なり、他の工程はY電極および保護膜形成工程と同様なので、その説明は省略する。
【0066】
以上説明したように、本発明の表示媒体10によれば、Y電極3は、赤、緑、青に着色されたライン電極3R,3G,3Bによって構成されているので、画像をカラー表示させるべく、従来のように、カラーフィルタと電極とを位置合わせしたり、着色されたマイクロカプセルと電極とを位置合わせする必要がないばかりでなく、Y電極3を介して光を確実に変色させることができるので、カラー画像を高画質に表示させることができる。
【0067】
次に、図4(a)を参照して、上述した表示媒体10に関する第1変形例について説明する。この第1変形例は、第2基板13に形成されるY電極3の着色パターンを変形したものである。図4(a)は、図1(b)に示す第2基板13に相当する図であり、第1変形例における第2基板13の斜視図である。
【0068】
第1変形例において第2基板13に形成されるY電極3は、矢印Y方向に向かって直線状に延びて形成される複数のライン電極3Dを矢印X方向に所定間隔を空けて並べて形成されている。また、各ライン電極3Dは、Y方向において、赤に着色された赤ブロック3Rと、緑に着色された緑ブロック3Gと、青に着色された青ブロック3Bとが順番に並ぶように着色されている。更に、隣合う各ライン電極3Dにおいて、赤ブロック3Rと、緑ブロック3Gと、青ブロック3Bとが反矢印Y方向に1ブロックずつズレるように(矢印Y方向に2ブロックずつズレるように)着色されている。
【0069】
換言すれば、ほぼ直交する方向にあるX方向とY方向とに対し、ほぼ45度方向の斜め方向において、赤ブロック3Rがほぼ直線状に並び、その隣に緑ブロック3Gが直線状に並び、その隣に青ブロック3Bが直線状に並ぶように着色されている。
【0070】
このようにY電極3の着色パターンを構成したとしても、上述した場合と同様に、Y電極3を介して光を確実に変色させることができ、カラー画像を高画質に表示させることができる。
【0071】
次に、図4(b)を参照して、上述した表示媒体10に関する第2変形例について説明する。第2変形例は、第2基板13に形成されるY電極3の形態パターンを変形したものである。図4(b)は、図1(b)に示す第2基板13に相当する図であり、第2変形例における第2基板13の斜視図である。
【0072】
第2変形例において第2基板13に形成されるY電極3は、矢印Y方向に向かって直線状に延びて形成される複数のライン電極3R,3G,3Bの各々を順番に矢印X方向に所定間隔を空けて並べて形成されている。
【0073】
また、ライン電極3Rは赤、ライン電極3Gは緑、ライン電極3Bは青に着色されており、ライン電極3RのX方向に於ける幅は、ライン電極3GのX方向に於ける幅またはライン電極3BのX方向に於ける幅よりも長く(太く)形成されている。
【0074】
このように、緑、青に比べて視覚に対する感度が強い赤に着色されているライン電極3Rを、緑、青に着色されているライン電極3G,3BよりもX方向に幅広に形成することで、カラー表示される画像を高コントラスト、高画質で表示させることができる。
【0075】
尚、上述した第2変形例では、視覚に対する感度が強い赤に着色されたライン電極3Rを他の色に着色されたライン電極3G,3Bよりも幅広に形成する場合について説明したが、着色される色味に着目し、色味の薄い色に着色されるライン電極を、他の色に着色されるライン電極よりも幅広に形成しても良い。かかる場合であっても上述したのと同様な効果を奏することができる。
また、どの色の幅を広くするかは、どのように画像を表現した以下によって定めればよい。
【0076】
また、各ライン電極3R,3G,3Bの幅は同一とし、例えば、視覚に対する感度が強い赤に着色されたライン電極3Rが、矢印X方向に2本連続に並ぶように形成しても良い。かかる場合であっても上述したのと同様な効果を奏することができる。
【0077】
次に、図5を参照して、上述した表示媒体10に関する第3変形例について説明する。上述した表示媒体10はいずれも、単純マトリックス駆動方式により駆動させるものであったのに対し、第3変形例の表示媒体10は、アクティブマトリックス駆動方式により駆動させるものである。図5は、図1(b)に対応する図であり、第3変形例の表示媒体10の分解斜視図である。
【0078】
第3変形例の表示媒体10は、上述した表示媒体10と同様に、第1基板12と、第2基板13と、その第2基板13と第1基板12との間に挟持されるギャップスペーサ17とを備え、第1基板12と第2基板13との間には、帯電粒子31を含む電気泳動媒体30が封入されている。
【0079】
また、第1基板12の上面(第2基板13と対向する面)には、その全面を覆うように無色透明な共通電極14が形成されている。一方、第2基板13の下面(第1基板12と対向する面)には、矢印X方向に延びて矢印Y方向に所定間隔を空けて並べて配置される導電性を有する複数のゲート配線15と、ゲート配線16を跨ぎつつ矢印Y方向に延びて矢印X方向に所定間隔を空けて並べて配置される導電性を有する複数のソース配線16と、ゲート配線15とソース配線16とによって囲まれる領域の各々に形成される画素電極19と、画素電極19の各々に対応してゲート配線15とソース配線16とが交差する付近に配置されるアクティブ素子20とを備えている。
【0080】
画素電極19は、各画素に対応する電極であって、赤に着色された画素電極19Rと、緑に着色された画素電極19Gと、青に着色された画素電極19Bとを備え、同じ色で着色されている画素電極19が矢印X方向に直線状に並べられ、且つ、矢印Y方向に赤、緑、青の順番で並らぶように形成されている。
【0081】
アクティブ素子20は、ゲート配線15と、ソース配線16と、画素電極19とに繋がる3端子素子であって、スイッチとして機能し、アモルファスシリコン等で構築されているTFT(Thin Film Transistor)によって構成されている。
【0082】
TFTの最下層には、ゲート配線15に繋がるゲート電極が形成されており、任意のゲート配線15を介して電圧が供給されると、TFTはON状態(導通状態)となる。このON状態において任意のソース配線16を介して電圧が供給されると、目的画素に対応する画素電極19と共通電極14と間に電界が発生し、上述したのと同様に帯電粒子31が泳動して、カラー画像が表示面に表示される。
【0083】
この第3変形例の表示媒体10によれば、アクティブマトリックス駆動方式により駆動されるので、単純マトリックス駆動方式によって駆動させる場合に比べて、カラー表示される画像を高コントラスト、高画質で表示させることができると共に、画像の表示速度を高速にすることができる。
【0084】
次に、図6を参照して、上述した表示媒体10に関する第4変形例について説明する。図6は、図1(b)、図6に対応する図であり、第4変形例の表示媒体10の分解斜視図である。
【0085】
第4変形例の表示媒体10は、第3変形例の表示媒体10と同様に、アクティブマトリックス駆動方式により駆動させるものである。また、第3変形例の表示媒体10では、画素電極19の各々が赤、緑、青に着色され、共通電極14が無色透明で構成されているのに対し、第4変形例の表示媒体10は、共通電極25が赤、緑、青に着色され、画素電極23が無色透明で構成されている。
【0086】
第4変形例の表示媒体10は、上述した第3変形例の表示媒体10と同様に、第1基板12と、第2基板13と、その第2基板13と第1基板12との間に挟持されるギャップスペーサ17とを備え、第1基板12と第2基板13との間には、帯電粒子31を含む電気泳動媒体30が封入されている。
【0087】
また、第1基板13の上面(第2基板13と対向する面)には、矢印X方向に延びて矢印Y方向に所定間隔を空けて並べて配置される導電性を有する複数のゲート配線21と、ゲート配線21を跨ぎつつ矢印Y方向に延びて矢印X方向に所定間隔を空けて並べて配置される導電性を有するソース配線22と、ゲート配線21とソース配線22とによって囲まれる領域の各々に形成される無色透明な画素電極23と、画素電極23の各々に対応してゲート配線21とソース配線22とが交差する付近に配置されるアクティブ素子24とを備えている。
【0088】
一方、第2基板の下面(第1基板12と対向する面)には、その全面を覆うように共通電極25が形成されており、共通電極25は、矢印X方向に直線状に延びる赤に着色された赤ライン25Rと、緑に着色された緑ライン25Gと、青色に着色された青ライン25Bとが順番に矢印Y方向に並ぶように着色されている。尚、赤ライン25Rと、緑ライン25Gと、青ライン25Bとの各々は、第1基板12上においてX方向に直線状に並ぶ各画素電極23と対応している。
【0089】
この第4変形例の表示媒体10によれば、上述した第3変形例の表示媒体10と同じ効果を奏することができる上、赤ライン25Rと、緑ライン25Gと、青ライン25Bとの各々を、確実に第1基板12上においてX方向に直線状に並ぶ各画素電極23に対応させることができるので、より高画質なカラー画像を表示することができる。
【0090】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0091】
例えば、上述した表示媒体10では、いずれもY電極3、画素電極19、共通電極25を赤、緑、青の所謂RGBに着色する場合について説明したが、着色する色種としては、RGBに限定されるものではなく、黄色、マゼンタ、シアンの所謂YMCによってY電極3等を着色するようにしても良い。かかる場合であっても上述したのと同様に多彩なカラー表示をさせることができる。
【0092】
また、上述した表示媒体10では、いずれもY電極3等を赤、緑、青の3色で着色する場合について説明したが、着色する色数としては、かかる3色に限定されるものではなく、1種類以上であれば良い。例えば、Y電極3を1色で着色することで、セピア色や黄色がかった画像を表示することができ、2色以上で着色することで、1色で着色する場合よりも多彩なカラー表示をすることができる。
【0093】
また、上述した第3,第4変形例では、アクティブ素子を3端子素子であるTFTで構成する場合について説明したが、かかるアクティブ素子をゲート配線、ソース配線とに繋がる2端子素子であるMIN(Metal Insulator Metal)によって構成しても良い。かかる場合には、TFTを使用する場合に比べて画像品質は低下するものの単純マトリックス駆動方式の場合に比べて画像品質を向上させることができる。
【0094】
また、上述した表示媒体10では、第1基板12と第2基板13との間に封入される流動性物質として、帯電粒子31を含む電気泳動媒体30を封入する場合について説明したが、流動性物質として液晶であっても良い。更には、流動性物質として帯電粒子を封入したマイクロカプセルであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】(a)は、本発明の表示媒体を搭載した表示装置の外観斜視図であり、(b)は、表示媒体の分解斜視図である。
【図2】表示媒体の断面図である。
【図3】Y電極および保護膜形成工程を説明するための図である。
【図4】(a)は第1変形例における第2基板13の斜視図である。(b)は第2変形例における第2基板13の斜視図である。
【図5】第3変形例の表示媒体の分解斜視図である。
【図6】第4変形例の表示媒体10の分解斜視図である。
【図7】従来の表示媒体100を示す断面図である。
【符号の説明】
【0096】
2 X電極(第1電極)
3 Y電極(第2電極)
10 表示媒体
12 第1基板
13 第2基板
18 保護膜
30 電気泳動媒体
31 帯電粒子
31a 白色帯電粒子(帯電粒子)
31b 黒色帯電粒子(帯電粒子)
15,21 ゲート配線(区画部材の一部)
16,22 ソース配線(区画部材の一部)
19 画素電極
20,24 アクティブ素子(スイッチ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、前記1基板に対して実質的に平行に離間配置され画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する第2基板と、少なくとも各画素に対応する部分を有し前記第1基板に形成される第1電極と、少なくとも各画素に対応する部分を有し前記第2基板に形成される第2電極と、前記第1基板と前記第2基板との間に形成される液室と、その液室内に封入される流動性物質とを備え、前記第1電極と前記第2電極とによって発生される電界によって前記流動性物質を流動させることで前記表示面に画像を表示する表示媒体において、
前記第2電極は、導電性高分子を含有する無色透明又は無色半透明の導電性材料を色素によって着色して構成されていることを特徴とする表示媒体。
【請求項2】
前記第2電極は、前記導電性材料を染料によって着色して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
【請求項3】
前記染料の前記流動性物質に対する溶解性は、前記染料の前記導電性材料に対する溶解性よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の表示媒体。
【請求項4】
前記第2基板と前記流動性物質との間で前記第2電極を覆う保護膜を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずかに記載の表示媒体。
【請求項5】
前記第2電極は、少なくとも2色以上に着色されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示媒体。
【請求項6】
前記第2電極は、前記各画素に対応する部分の各々が縦または横または斜めに直線状に並ぶ直線状部分において同一色に着色され、且つ、隣合う前記直線状部分が異なる色で着色されていることを特徴とする請求項5に記載の表示媒体。
【請求項7】
一の色で着色されている前記直線状部分は、他の色で着色されている前記直線状部分よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の表示媒体。
【請求項8】
前記第1電極は、第1方向に並ぶ前記各画素に対応する部分の各々を連続して形成されており、
前記第2電極は、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ前記各画素に対応する部分の各々を連続して形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体。
【請求項9】
前記第1電極または前記第2電極は、前記各画素に対応する部分の各々を分離した状態で形成されており、
前記第1電極が形成される前記第1基板または前記第2電極が形成される前記第1基板に配置され、前記各画素に対応する部分の各々を囲むマトリックス状に組まれた導電性を有する区画部材と、
その区画部材によって囲まれている前記各画素に対応する部分の各々と、前記区画部材とを断続可能なスイッチ手段とを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体。
【請求項10】
前記流動性物質は、正又は負に帯電された帯電粒子が分散された電気泳動媒体であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−72293(P2007−72293A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260899(P2005−260899)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)