説明

表示装置および電子機器

【課題】第1フレームと第2フレームとの間に挟持された表示パネルの位置ずれを防止するとともに、組み立て工程において表示パネルの位置調整を容易に行うことのできる表示装置、および当該表示装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】本形態の表示装置100においては、第1フレーム30と、第2フレーム50との間に表示パネル10が挟持されているとともに、第1フレーム30の表示パネル10側の面には、第1フレーム30の辺に沿って延在するようにゴム製シートからなる滑り止め部材9が設けられている。滑り止め部材9の表示パネル10側に位置するパネル支持面には、滑り止め部材9の延在方向に沿ってその延在方向Sに直交する幅方向に延在する溝96が複数設けられているため、滑り止め部材9のパネル支持面90には、幅方向において滑り性が高められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルがフレームの間に挟持された表示装置、および該表示装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示パネルが第1フレームと第2フレームとの間に挟持された構造の表示装置では、第1フレームの表示パネル側の面に、ゴムクッション等の緩衝体を設けた構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。かかる構成によれば、表示パネルのずれを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−299181号公報
【特許文献2】特開2010−73506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2のように、第1フレームと表示パネルとの間にゴムクッション等を設けると、ゴムクッションの表面は滑り性が極めて低いため、表示装置の組み立て工程において、ゴムクッションに重なるように表示パネルを配置した後、表示パネルの位置をずらして表示パネルの位置を調整しようとした際に表示パネルがずれないという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、第1フレームと第2フレームとの間に挟持された表示パネルの位置ずれを防止するとともに、組み立て工程において表示パネルの位置調整を容易に行うことのできる表示装置、および当該表示装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、矩形枠状の第1フレームと、該第1フレームに重ねて配置された矩形枠状の第2フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に挟持された表示パネルと、前記第1フレームの前記表示パネル側の面に設けられ、当該第1フレームの辺に沿って延在するように設けられた滑り止め部材と、を有する表示装置であって、前記滑り止め部材の前記表示パネル側に位置するパネル支持面には、前記滑り止め部材の延在方向に沿って当該延在方向に直交する幅方向に延在する溝が複数設けられていることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明において、「表示パネル側」における「表示パネル」とは、表示パネルが直接、第1フレームと第2フレームとの間に挟持された場合には「表示パネル単体」を意味し、表示パネルが偏光板等の部材を介して第1フレームと第2フレームとの間に挟持された場合には、「表示パネル+偏光板等の部材」を意味する。
【0008】
本発明では、第1フレームと第2フレームとの間に表示パネルが挟持されているとともに、第1フレームの表示パネル側の面には、第1フレームの辺に沿って延在するように滑り止め部材が設けられているため、第1フレームと第2フレームとの間に表示パネルが挟持された状態において、表示パネルの位置ずれが滑り止め部材によって防止される。また、滑り止め部材の表示パネル側に位置するパネル支持面には、滑り止め部材の延在方向に沿ってその延在方向に直交する幅方向に延在する溝が複数設けられているため、滑り止め部材のパネル支持面では、幅方向への滑り性が高められている。このため、表示装置の組み立て工程において、滑り止め部材に重なるように表示パネルを配置した状態では、表示パネルを溝の延在方向にずらすことができるので、表示パネルの位置を容易に調整することができる。
【0009】
本発明において、前記滑り止め部材の延在方向において前記溝の形成密度が等しい構成を採用することができる。
【0010】
本発明において、前記滑り止め部材の延在方向における中央部では、当該滑り止め部材の延在方向における端部より前記溝の形成密度が低い構成を採用することができる。このように構成すると、滑り止め部材の両端部ではある程度の滑り性を実現することができる一方、中央部では滑り性が低い。このため、表示装置の組み立て工程において、表示パネルを溝の延在方向にずらして位置調整を行う際、滑り止め部材の両端部に荷重が大きく加わっても、表示パネルを溝の延在方向に容易にずらすことができる。また、第1フレームと第2フレームとの間に表示パネルが挟持された状態では、表示パネルの位置ずれを防止することができる。
【0011】
本発明において、前記滑り止め部材は、前記表示パネル側の4つの辺の各々に沿って延在する第1部分、第2部分、第3部分および第4部分を備え、前記溝は、前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分および前記第4部分のいずれの部分にも設けられている構成を採用することができる。
【0012】
本発明において、前記滑り止め部材は、前記表示パネル側の4つの辺の各々に沿って延在する第1部分、第2部分、第3部分および第4部分を備え、前記溝は、前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分および前記第4部分のうち、一部の部分のみに設けられている構成を採用することができる。
【0013】
本発明において、前記第1フレームの前記表示パネル側の面には、前記表示パネルに向けて突出して前記表示パネル側に当接するパネル支持用凸部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、第1フレームと第2フレームとの間に表示パネルが挟持された状態では、表示パネル側とパネル支持用凸部とが当接するので、表示パネルが傾くことを防止することができる。
【0014】
本発明において、前記滑り止め部材は、例えば、ゴム製シートである。この場合、前記溝は、前記滑り止め部材自身に形成されている構成を採用することができる。
【0015】
本発明において、前記溝は、前記第1フレームにおいて前記滑り止め部材と重なる領域に形成された凹部が前記パネル支持面に反映されてなる構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記表示パネルは、例えば、液晶パネルである。
【0017】
本発明に係る表示装置は、薄型テレビ等の電子機器に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る表示装置を備えた液晶テレビ(電子機器)の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る表示装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る表示装置をさらに細かく分解したときの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る表示装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る表示装置の照明装置に用いた光源用基板周辺の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る表示装置において第1フレームの突板部に滑り止め部材が設けられている様子を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る表示装置に用いた滑り止め部材の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る表示装置において第1フレームの突板部の上面の様子を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る表示装置において第1フレームの突板部の下面の様子を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る表示装置において第1フレームの突板部に滑り止め部材が設けられている様子を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る表示装置に用いた滑り止め部材の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る表示装置に用いた滑り止め部材の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る表示装置に用いた滑り止め部材の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態5に係る表示装置に用いた滑り止め部材の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態6に係る表示装置に用いた滑り止め部材の溝の形状を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態7に係る表示装置において第1フレームの突板部の上面の様子を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態8に係る表示装置において第1フレームの突板部の上面の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照して、薄型の液晶テレビ用の表示装置に本発明を適用した形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明では、導光板や液晶パネルの面内方向で互いに交差する方向の一方(図に示す導光板や液晶パネル(表示パネル)の長辺が延在する方向)をX軸方向とし、他方(図に示す導光板や液晶パネルの短辺が延在する方向)をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向(図に示す導光板と液晶パネルとが積層される方向)をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側(液晶パネルの張り出し部分が配置される方向)をY1側とし、これと対向する他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側(導光板の背面に向けられた方向)をZ1側(下側)とし、これと対向する他方側(照明光や表示光が出射される側)をZ2側(上側)として表してある。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置を備えた液晶テレビ(電子機器)の説明図であり、図1(a)、(b)は、液晶テレビの外観を模式的に示す説明図、および表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】
図1(a)に示す電子機器2000は液晶テレビであり、表示装置100やテレビ用のフレーム2010等を有している。表示装置100は、後述する表示パネル10と、表示パネル10に画像信号を供給する画像信号供給部270と、表示パネル10に照明光を供給する照明装置8とを有している。また、表示装置100は、表示パネル10においてX軸方向に延在する走査線を駆動する走査線駆動回路104と、表示パネル10においてY軸方向に延在するデータ線を駆動するデータ線駆動回路101とを有している。走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101については、双方が表示パネル10に内蔵された構成を採用することができる。また、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101のうちの一方が表示パネル10に内蔵され、他方が表示パネル10にCOG実装された駆動用ICに内蔵された構成を採用することができる。また、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101のうちの一方が表示パネル10に内蔵され、他方が表示パネル10に電気的に接続された回路基板に実装された駆動用ICに内蔵された構成を採用することができる。さらには、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101の双方が表示パネル10とは別体の駆動用ICに内蔵された構成を採用することができる。
【0022】
本形態において、照明装置8は、表示パネル10に重ねて配置された導光板80と、導光板80の側端面のうち、光入射部80aとされた側端面に沿って配置された複数の発光素子89と、複数の発光素子89が実装された光源用基板88と、発光素子89を駆動する光源駆動部280とを有している。本形態において、表示パネル10は横長の四角形であり、4つの辺10a、10b、10c、10dを有している。これらの辺10a、10b、10c、10dのうち、辺10aはY軸方向の一方側Y1に位置する長辺であり、辺10bはY軸方向の他方側Y2に位置する長辺であり、辺10cはX軸方向の一方側X1に位置する短辺であり、辺10dはX軸方向の他方側X2に位置する短辺である。かかる形状に対応して、導光板80は、4つの側端面801、802、803、804を有している。これらの側端面801、802、803、804のうち、側端面801はY軸方向の一方側Y1の長辺に位置し、側端面802はY軸方向の他方側Y2の長辺に位置し、側端面803はX軸方向の一方側X1の短辺に位置し、側端面804はX軸方向の他方側X2の短辺に位置する。本形態では、導光板80の4つの側端面801、802、803、804のうち、短辺方向(Y軸方向)で対向する2つの側端面801、802が光入射部80aになっている。このため、発光素子89は、導光板80の2つの側端面801、802(光入射部80a)に沿って配列され、光源用基板88は、導光板80の2つの側端面801、802(光入射部80a)に沿って延在している。
【0023】
(表示装置100の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の全体構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は、表示装置100の斜視図および分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100をさらに細かく分解したときの分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の断面図であり、図4(a)、(b)は、表示装置100を図1(a)のA−A′線に沿って切断したときの断面図、および表示装置100を図1(a)のB−B′線に沿って切断したときの断面図である。
【0024】
図2、図3および図4において、本形態の表示装置100は、概ね、いわゆるバックライト装置と称せられる照明装置8と、この照明装置8の上面に重ねて配置された透過型の表示パネル10とを備えている。表示装置100において、照明装置8は、下側(Z軸方向の一方側Z1)で導光板80の背面を覆って配置された金属製のフレーム40(下金枠)と、フレーム40の上方で表示パネル10の端部を保持するとともに照明装置8を囲って保持する樹脂製の第1フレーム30(樹脂フレーム)と、第1フレーム30の上側(Z軸方向の他方側Z2)に配置された金属製の第2フレーム50(上金枠)とを備えている。
【0025】
第1フレーム30は、表示パネル10の端部を保持するとともに表示パネル10の周りを囲む矩形枠状を有しており、本形態において、第1フレーム30は、表示パネル10の4つの辺に対応して辺毎に分割された4本のフレーム板31、32、33、34からなる。本形態において、第1フレーム30は黒色であり、光吸収部材として機能することによって、照明装置8内での迷光の発生を防止する。フレーム板31、32、33、34は各々、フレーム板31、32、33、34の外面側で下方に延在する側板部311、321、331、341と、側板部311、321、331、341の上端縁から内側に向かって屈曲した上板部315、325、335、345(端板部)と、上板部315、325、335、345の高さ方向の途中位置から内側に張り出した突板部312、322、332、342とを備えている。このため、フレーム板31、32、33、34の内側には、突板部312、322、332、342によって段部313、323、333、343が形成されており、かかる段部313、323、333、343と突板部312、322、332、342とによって表示パネル10が保持されている。また、突板部312、322、332、342の下側には、照明装置8の導光板80や発光素子89等が配置されている。
【0026】
最も下側のフレーム40は、SUS板等の薄い金属板に対するプレス加工等により形成されてなる。フレーム40は、底板部45と、底板部45の外周縁のうち、Y軸方向の一方側Y1を除く3つの辺から起立する3つの側板部42、43、44とを備えており、上面が開口する矩形の箱状になっている。かかるフレーム40の側板部42、43、44の外側に第1フレーム30の側板部321、331、341が重なっている。また、第1フレーム30の側板部311は、フレーム40のY軸方向の一方側Y1を覆っている。
【0027】
第2フレーム50も、フレーム40と同様、SUS板等の薄い金属板に対するプレス加工等により矩形枠状に形成されてなる。第2フレーム50は、矩形の上板部55(端板部)と、上板部55の外周縁から下方に折れ曲がった4つの側板部51、52、53、54とを備えており、下面が開口する矩形の箱状になっている。側板部51、52、53、54は、第1フレーム30の側板部311、321、331、341の外側を覆って重ねられている。上板部55には、表示パネル10から出射された光を出射する矩形の窓550が形成されており、上板部55は、表示パネル10の表示光出射側のうち、外周端部を全周にわたって覆っている。また、第2フレーム50の上板部55は、同時に、第1フレーム30の上板部315、325、335、345(端板部)の上方を完全に覆って設置されている。
【0028】
このように構成した第2フレーム50、第1フレーム30、およびフレーム40はネジ(図示せず)等により結合されて、内側に表示パネル10や照明装置8を保持する。ここで、第1フレーム30の突板部312、322、332、342の下面および上面には、図4に示すように、滑り止め部材7、9が貼られている。このため、表示装置100を組み立てた際、表示パネル10は滑り止め部材9を介して突板部312、322、332、342に支持される。また、表示装置100を組み立てた際、照明装置8の光学シート(拡散シート182、プリズムシート183、184等)は滑り止め部材7を介して浮きや位置ズレが生じないように抑えられている。かかる滑り止め部材7、9のうち、滑り止め部材9の詳細な構成は、図6、図7および図8等を参照して後述する。
【0029】
(表示パネル10の構成)
図2、図3および図4に示すように、表示パネル10は、四角形の平面形状を有する液晶パネルであり、画素電極(図示せず)等が形成された素子基板11と、素子基板11に対して所定の隙間を介して対向配置された対向基板12と、この対向基板12と素子基板11とを貼り合せる矩形枠状のシール材14とを備えている。かかる表示パネル10では、シール材14で囲まれた領域内に液晶層13が保持されている。素子基板11および対向基板12はガラス基板等の透光性基板からなる。素子基板11では、X軸方向に複数本の走査線(図示せず)が延在している一方、Y軸方向には複数本のデータ線(図示せず)が延在しており、走査線とデータ線との交差に対応して、スイッチング素子(図示せず)および画素電極(図示せず)が設けられている。
【0030】
本形態では、対向基板12が表示光の出射側に配置され、素子基板11は照明装置8の側に配置されている。また、対向基板12において、素子基板11と対向する面には、シール材14の4つの辺の内縁に沿って、矩形枠状の遮光層からなる額縁層120が形成されており、額縁層120の内縁により規定された領域が画像表示領域100aである。なお、第2フレーム50の上板部55の内縁は、額縁層120の幅方向の途中位置にあり、第2フレーム50の窓550は、画像表示領域100aおよび額縁層120の内縁部分と重なっている。
【0031】
表示パネル10は、TN(Twisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、あるいはVAN(Vertical Aligned Nematic)方式の液晶パネルとして構成されており、素子基板11に画素電極が形成され、対向基板12に共通電極(図示せず)が形成されている。なお、表示パネル10がIPS(In Plane Switching)方式や、FFS(Fringe Field Switching)方式の液晶パネルである場合、共通電極は、素子基板11の側に設けられる。また、素子基板11が対向基板12に対して表示光の出射側に配置されることもある。表示パネル10の上面には上偏光板18が重ねて配置され、表示パネル10の下面と照明装置8との間には下偏光板17が配置されている。
【0032】
本形態において、上偏光板18および下偏光板17は、表示パネル10に接着固定されて表示パネル10と一体になっている。このため、以下の説明において、「表示パネル10側」における「表示パネル」とは、表示パネル10、上偏光板18および下偏光板17が一体になっているパネルを意味する。
【0033】
本形態において、素子基板11は対向基板12より大きい。このため、素子基板11は、Y軸方向の一方側Y1において対向基板12の端部から張り出した張り出し部分110を有しており、かかる張り出し部分110の上面にはフレキシブル配線基板200が接続されている。フレキシブル配線基板200は、複数枚のフレキシブル配線基板を接続した構造を有しており、かかるフレキシブル配線基板200に、図1を参照して説明した画像信号供給部270を構成する制御用IC(図示せず)や、光源駆動部280を構成する光源駆動用IC(図示せず)が実装されている。
【0034】
(照明装置8の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の照明装置8に用いた光源用基板88周辺の説明図であり、図5(a)、(b)は、光源用基板88の一方面881側の様子を模式的に示す説明図、および光源用基板88の他方面882側の様子を模式的に示す説明図である。なお、導光板80のY軸方向で相対向する2つの側端面801、802(光入射部80a)に配置された発光素子89や光源用基板88の構成は同一である。従って、図5(a)には、導光板80の側端面802に配置された発光素子89や光源用基板88を示し、図5(b)には、導光板80の側端面801に配置された光源用基板88等を示してある。
【0035】
図3および図4に示すように、照明装置8は、表示パネル10の下面側に重ねて配置された導光板80と、導光板80の光入射部80aに発光面89aを向けて光入射部80aの一方端側(X軸方向の一方側X1)から他方端側(X軸方向の他方側X2)に向かって配列された複数の発光素子89とを備えている。本形態において、複数の発光素子89は、光入射部80aに沿ってX軸方向に延在する光源用基板88の一方面881に実装されている。発光素子89は、白色光を出射するLED(Light Emitting Diode)であり、光源光を発散光として出射する。
【0036】
本形態の照明装置8において、導光板80の側端面801、802、803、804のうち、Y軸方向で相対向する2つの側端面801、802が光入射部80aとして利用されている。このため、複数の発光素子89は、導光板80の2つの光入射部80a(側端面801、802)に発光面89aを向け、2つの光入射部80a(側端面801、802)の各々の一方端側から他方端側に向かって配列されている。また、光源用基板88は、2つの光入射部80a(側端面801、802)に沿って2枚が延在しており、かかる2枚の光源用基板88の各々の一方面881に複数の発光素子89が実装されている。
【0037】
本形態において、導光板80は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等からなる透光性の樹脂板であり、導光板80の下面80cとフレーム40の底板部45との間には反射シート187が重ねて配置されている。
【0038】
また、導光板80の上面(光出射面80b)と表示パネル10との間には拡散シート182、プリズムシート183、184等の光学シートが重ねて配置されている。拡散シート182は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透光性樹脂にシリカ粒子等を分散したコーティング層を備えたシートからなる。本形態において、2枚のプリズムシート183、184は、互いの稜線が直交するように配置されている。このため、導光板80の光出射面80bから出射された照明光は、拡散シート182によって全方向に拡散した後、2枚のプリズムシート183、184によって、表示パネル10の正面方向にピークを持つような指向性が付与されている。導光板80において、反射シート187が位置する側の面である下面80cには、凹状の微細な窪みや、拡散部材の印刷層からなる拡散パターンが形成されており、本形態において、拡散パターンの密度は、発光素子89から離れるに従って高くなっている。このため、導光板80から出射される照明光の強度分布は、発光素子89からの距離にかかわらず、均一化されている。かかる拡散パターンとして、本形態では、導光板80の下面80cに微細な凹部80eが多数設けられている。
【0039】
フレーム40の底板部45は、導光板80において光入射部80aとなる側端面801、802が位置する側と重なる領域において、導光板80の下面80cとフレーム40との間に隙間が確保できるように段差が部分的に形成されており、導光板80に向けて折れ曲がっている。それにより、導光板80の下面80cと底板部45との間に反射シート187と光源支持部材60の下板部61とを隙間の間で挟持可能になっている。また、フレーム40の底板部45を導光板80に向けて部分的に折り曲げたことによってフレーム40の背面側には凹部が形成されるので、フレーム40の底板部45の下面(背面)までフレキシブル配線基板200を折り曲げて延在させるとともに、かかる凹部内に回路基板250が凹部の深さ内に収納されるように配置されている。このため、照明装置8の薄型化を図ることができる。
【0040】
本形態において、光源用基板88は、発光素子89が実装されている一方面881が導光板80の光入射部80aに対向するように配置されている。また、光源用基板88は、光入射部80aに沿って延在する板状の金属板887の一方面881側に、配線パターンやランドが絶縁層とともに設けられた構造を有している。かかる構成は、例えば、金属板887の一方面881側に、樹脂基材層、配線パターンおよび絶縁保護層等がこの順に積層されたフレキシブル配線基板888を貼り合わせることにより実現することができる。従って、金属板887と配線パターン及び発光素子89のチップが実装されるランドは電気的に絶縁性が確保されている。本形態において、金属板887はアルミニウム板からなり、金属板887は、光源用基板88の機械的強度を確保するとともに、発光素子89から発熱される熱の放熱板としても機能する。
【0041】
図3、図4および図5に示すように、2枚の光源用基板88の各々の他方面882側には、光源用基板88を保持する光源支持部材60が各々配置されており、光源支持部材60は、フレーム40および第1フレーム30の間に配置されて保持されている。本形態において、光源支持部材60は、光源用基板88の他方面882に沿って延在する棒状の金属部品であり、光源用基板88の他方面882の全面と支持板部62の基板保持面620において面接触状態で密着して固定されている。また、光源支持部材60は、フレーム40の底板部45に重なる下板部61と、下板部61の幅方向の途中位置から上方に突出した壁面を構成する支持板部62とを有している。また、光源支持部材60は、支持板部62から導光板80が位置する側とは反対側に折れ曲がった上板部63を支持板部62の上端側(下板部61と反対の側)に備えており、上板部63は、ネジ等によって第2フレーム50の上板部55及び第1フレーム30の上板部315、325の少なくともいずれか一方に固定されている。
【0042】
かかる構成の光源支持部材60において、支持板部62の導光板80が位置する側の面は、光源用基板88を保持する基板保持面620になっており、ネジ等によって、基板保持面620には光源用基板88が固定されている。この状態で、光源用基板88は、他方面882(金属板887)が光源支持部材60の基板保持面620に重なっている。また、光源支持部材60は、アルミニウムや鉄系金属等の金属製である。このため、発光素子89で発生した熱は、光源用基板88の金属板887から光源支持部材60に伝達され、光源支持部材60の熱はフレーム40に伝達される。従って、発光素子89の温度上昇を低く抑えることができる。
【0043】
(滑り止め部材9の詳細構成)
図6は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100において第1フレーム30の突板部312、322、332、342に滑り止め部材9が設けられている様子を示す平面図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100に用いた滑り止め部材9の説明図であり、図7(a)、(b)は、滑り止め部材9のパネル支持面を拡大して示す平面図、および滑り止め部材9をその延在方向で切断したときのF−F′断面図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100において第1フレーム30の突板部312、322、332、342の上面の様子を示す説明図であり、図8(a)、(b)、(c)は、突板部312、322、332、342の上面に滑り止め部材9が設けられている様子を示す斜視図、その分解図、および表示パネル10が第1フレーム30と第2フレーム50との間に挟持されている様子を示す断面図である。
【0044】
図2および図4等を参照して説明したように、本形態の表示装置100において、表示パネル10の端部は、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に挟持されている。また、突板部312、322、332、342の上面には滑り止め部材9が貼られており、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と表示パネル10との間には滑り止め部材9が介在している。なお、本形態では、表示パネル10には上偏光板18および下偏光板17が接着固定されているため、滑り止め部材9は、表示パネル10の側のうち、下偏光板17に接している。
【0045】
図6および図7に示すように、滑り止め部材9は、表示パネル10の4つの辺10a、10b、10c、10dの各々に対応するように、辺10a、10b、10c、10dの各々に沿って延在する第1部分91、第2部分92、第3部分93、および第4部分94を備えている。本形態において、滑り止め部材9はゴム製シートからなり、第1部分91、第2部分92、第3部分93、および第4部分94は各々、互いに分割された帯状のゴム製シートからなる。
【0046】
滑り止め部材9において、表示パネル10側に向くパネル支持面90には、滑り止め部材9の延在方向Sに沿って、その延在方向Sに直交する幅方向Tに延在する溝96が複数設けられている。このため、滑り止め部材9において、溝96によって挟まれた領域には凸部97が形成され、かかる凸部97の表面970が実質的なパネル支持面90として機能し、表示パネル10側に接することになる。本形態において、溝96は、滑り止め部材9の幅方向Tの全体にわたって形成されている。また、本形態において、溝96は、滑り止め部材9の延在方向Sの全体にわたって、等角度間隔に形成されている。このため、滑り止め部材9の延在方向Sにおいて溝96の形成密度が等しい。本形態において、溝96の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)は、凸部97の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)よりかなり小さく設定されている。
【0047】
かかる滑り止め部材9を第1フレーム30の突板部312、322、332、342の上面に設けるにあたって、本形態では、図8(a)、(b)に示すように、突板部312、322、332、342に対する滑り止め部材9の接着領域を全周で囲むように延在するパネル支持用凸部37が形成されており、かかるパネル支持用凸部37によって囲まれた凹部36の内部に滑り止め部材9が接着固定されている。ここで、パネル支持用凸部37は、表示パネル10が第1フレーム30と第2フレーム50との間に挟持される前の時点では、表示パネル10に向けてパネル支持面90より低い位置まで突出している。かかる構成であっても、図8(c)に示すように、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に表示パネル10を挟持すると、滑り止め部材9が圧縮されるため、パネル支持用凸部37は、滑り止め部材9の凸部97の表面970とともに、表示パネル10側に接することになる。
【0048】
(滑り止め部材7の詳細構成)
図9は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100において第1フレーム30の突板部312、322、332、342の下面の様子を示す説明図であり、図9(a)、(b)は、突板部312、322、332、342に滑り止め部材7が設けられている様子を示す斜視図、およびその分解図である。なお、図9では、突板部312、322、332、342において滑り止め部材7が設けられている下面を上向きに示してある。
【0049】
図4に示す滑り止め部材7を第1フレーム30の突板部312、322、332、342の下面に設けるにあたって、本形態では、図9(a)、(b)に示すように、突板部312、322、332、342に対する滑り止め部材7の接着領域を全周で囲むように延在するシート支持用凸部39が形成されており、かかるシート支持用凸部39によって囲まれた凹部38の内部に滑り止め部材7が接着固定されている。ここで、シート支持用凸部39は、照明装置8が組み立てられる前の時点では、滑り止め部材7においてプリズムシート184等の光学シート(図4等を参照)に向けて滑り止め部材7の下面(シート支持面70)より低い位置まで突出している。かかる構成であっても、図4に示すように、滑り止め部材7にプリズムシート184の端部が当接すると、滑り止め部材7が圧縮されるため、シート支持用凸部39は、滑り止め部材7の下面(シート支持面70)とともに、プリズムシート184の端部に接することになる。
【0050】
(本形態の作用および主な効果)
以上説明したように、本形態の表示装置100においては、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に表示パネル10が挟持されているとともに、第1フレーム30の突板部312、322、332、342の表示パネル10側の面には、第1フレーム30の辺に沿って延在するようにゴム製シートからなる滑り止め部材9が設けられている。このため、第1フレーム30と第2フレーム50との間に表示パネル10が挟持された状態において、表示パネル10の位置ずれが滑り止め部材9によって防止される。
【0051】
また、滑り止め部材9の表示パネル10側に位置するパネル支持面90には、滑り止め部材9の延在方向Sに沿ってその延在方向Sに直交する幅方向Tに延在する溝96が複数設けられているため、滑り止め部材9のパネル支持面90では、滑り止め部材9の幅方向Tにおいて滑り性が高められている。このため、表示装置100の組み立て工程において、滑り止め部材9に重なるように表示パネル10を配置した状態で、表示パネル10を溝96の延在方向(滑り止め部材9の幅方向T)に容易にずらすことができるので、表示パネル10の位置を調整することができる。
【0052】
例えば、表示装置100の組み立て工程においては、第1フレーム30の突板部312、322、332、342に表示パネル10を載置した後、第2フレーム50を被せ、第1フレーム30と第2フレーム50とをネジ等によって連結し、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に表示パネル10が挟持された状態とする。かかる組み立て工程において、第1フレーム30の突板部312、322、332、342に表示パネル10を載置した後、表示パネル10の位置を確認し、その結果に基づいて、表示パネル10の位置を、例えば、Y軸方向の他方側Y2にずらす場合がある。この場合、表示パネル10のY軸方向の一方側Y1の端部を持ち上げて表示パネル10をY軸方向の他方側Y2にずらすことになる。このような場合でも、滑り止め部材9の第2部分92のパネル支持面90にはY軸方向に延在する溝96が形成されているため、表示パネル10の辺10bの側を滑り止め部材9の第2部分92上で摺動させることができ、表示パネル10の位置を容易に調整することができる。
【0053】
また、表示パネル10の位置を、例えば、X軸方向の他方側X2にずらす場合、表示パネル10のX軸方向の一方側X1の端部を持ち上げて表示パネル10をX軸方向の他方側X2にずらすことになる。このような場合でも、滑り止め部材9の第4部分94のパネル支持面90にはX軸方向に延在する溝96が形成されているため、表示パネル10の辺10dの側を滑り止め部材9の第4部分94上で摺動させることができ、表示パネル10の位置を容易に調整することができる。
【0054】
また、滑り止め部材9としてゴム製シートを用い、かかるゴム製シートに溝96が形成されている。このため、滑り止め部材9が圧縮された際、溝96が逃げとして機能するので、ゴム製シートが比較的、薄い部材を用いた場合でも、表示パネル10に加わる負荷を緩和することができる。従って、表示パネル10に過大な応力が加わらないので、表示パネル10に歪が発生することを防止することができる。それ故、表示パネル10に表示のムラや損傷等が発生することを防止することができる。
【0055】
また、本形態では、第1フレーム30には表示パネル10に向けて突出して表示パネル10側に当接するパネル支持用凸部37が設けられているため、第1フレーム30と第2フレーム50との間に表示パネル10が挟持された状態では、表示パネル10側とパネル支持用凸部37とが当接するので、滑り止め部材9としてゴム製シートを用いた場合でも、表示パネル10が傾くことを防止することができる。
【0056】
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2に係る表示装置100において第1フレーム30の突板部312、322、332、342に滑り止め部材9が設けられている様子を示す平面図である。図11は、本発明の実施の形態2に係る表示装置100に用いた滑り止め部材9の説明図であり、図11(a)、(b)、(c)は、滑り止め部材9のパネル支持面90を拡大して示す平面図、滑り止め部材9の中央部をその延在方向Sで切断したときのF1−F1′断面図、および滑り止め部材9の端部をその延在方向Sで切断したときのF2−F2′断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0057】
図2および図4に示すように、本形態でも、実施の形態1と同様、表示パネル10は、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に挟持されている。また、突板部312、322、332、342の上面には滑り止め部材9が貼られており、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と表示パネル10との間には滑り止め部材9が介在している。なお、本形態では、表示パネル10には上偏光板18および下偏光板17が接着固定されているため、滑り止め部材9は、表示パネル10の側のうち、下偏光板17に接している。
【0058】
また、図10および図11に示すように、本形態においても、実施の形態1と同様、滑り止め部材9のパネル支持面90には、滑り止め部材9の延在方向Sに沿って、その延在方向Sに直交する幅方向Tに延在する溝96が複数設けられている。このため、滑り止め部材9において、溝96によって挟まれた領域には凸部97が形成され、かかる凸部97の表面970が実質的なパネル支持面90として機能する。
【0059】
ここで、第1部分91、第2部分92、第3部分93、および第4部分94のいずれにおいても、滑り止め部材9の延在方向Sにおける中央部901では、滑り止め部材9の延在方向Sにおける端部902より溝96の形成密度が低い。言い換えれば、滑り止め部材9の延在方向Sにおける端部902では、滑り止め部材9の延在方向Sにおける中央部901より溝96の形成密度が高い。例えば、本形態では、滑り止め部材9の延在方向Sにおいて溝96のピッチは一定である。但し、端部902に形成された溝96の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)は、中央部901に形成された溝96の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)より大である。例えば、中央部901では、溝96の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)が、凸部97の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)よりかなり小さく設定されているのに対して、端部902では、溝96の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)が、凸部97の幅寸法(滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法)と同等である。
【0060】
このため、本形態の滑り止め部材9では、両方の端部902では、滑り性が高い一方、中央部901では滑り性が低い。従って、表示装置100の組み立て工程において、表示パネル10を溝96の延在方向(滑り止め部材9の幅方向T)にずらして位置調整を行う際、滑り止め部材9の両側の端部902に荷重が大きく加わっても、表示パネル10を溝96の延在方向に容易にずらすことができる。また、第1フレーム30と第2フレーム50との間に表示パネル10が挟持された状態では、中央部901の溝96の形成密度が低いので、表示パネル10の位置ずれを確実に防止することができる。
【0061】
[実施の形態2の変形例]
上記の実施の形態2では、滑り止め部材9の延在方向Sにおける中央部901と端部902とにおいて溝96の形成密度を変えるにあたって、溝96のピッチについては一定で、溝96の幅を変えた。但し、溝96の幅寸法については一定で、溝96によって挟まれた部分(凸部97)の滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法を中央部901と端部902とにおいて変えることにより、中央部901と端部902とにおいて溝96の形成密度を変えてもよい。また、溝96によって挟まれた部分(凸部97)の滑り止め部材9の延在方向Sにおける寸法については一定で、溝96の幅寸法を中央部901と端部902とにおいて変えることにより、中央部901と端部902とにおいて溝96の形成密度を変えてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態2では、滑り止め部材9を延在方向Sで連続する一体の部材から構成したが、中央部901および端部902を各々、別の滑り止め部材9によって構成してもよい。
【0063】
[実施の形態3]
図12は、本発明の実施の形態3に係る表示装置100に用いた滑り止め部材9の説明図であり、図12(a)、(b)、(c)は、滑り止め部材9のパネル支持面90を拡大して示す平面図、滑り止め部材9を延在方向Sで切断したときのF3−F3′断面図、および表示パネル10が第1フレーム30と第2フレーム50との間に挟持されている様子を示す断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0064】
実施の形態2では、滑り止め部材9の延在方向Sにおける中央部901においては滑り止め部材9の延在方向Sにおける端部902より溝96の形成密度が低くなっている構成を実現するにあたって、中央部901では溝96の幅寸法を狭くし、端部902では溝96の幅寸法を広くした。これに対して、本形態では、図12(a)に示すように、滑り止め部材9の延在方向Sにおける端部902には溝96を形成したが、滑り止め部材9の延在方向Sにおける中央部901には溝96が形成されていない。かかる構成でも、滑り止め部材9の延在方向Sにおける中央部901では、滑り止め部材9の延在方向Sにおける端部902より溝96の形成密度が低いため、実施の形態2と同様な効果を奏する。
【0065】
ここで、端部902では、図12(b)に示すように、溝96により挟まれた凸部97の表面970の高さ位置(パネル支持面90の高さ位置)は、中央部901におけるパネル支持面90の高さ位置より高い。また、端部902では、溝96の底部の高さ位置は、中央部901におけるパネル支持面90の高さ位置より低い。このため、図12(c)に示すように、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に表示パネル10を挟持すると、端部902は、中央部901よりも大きく圧縮される結果、表示パネル10は、端部902と中央部901とにおいて同一の高さ位置で保持される。このため、表示パネル10が傾くのを防止することができる。
【0066】
[実施の形態3の変形例]
上記実施の形態3では、滑り止め部材9を延在方向Sで連続する一体の部材から構成したが、中央部901および端部902を各々、別の滑り止め部材9によって構成してもよい。かかる構成によれば、中央部901および端部902において溝96の形成密度や、凸部97の高さ等を相違させるのが容易である。
【0067】
また、上記実施の形態3では、端部902に設けた凸部97の表面970(パネル支持面90)の高さ位置を中央部901の表面(パネル支持面90)の高さ位置より高くしたが、端部902に設けた凸部97の表面970(パネル支持面90)の高さ位置を中央部901の表面(パネル支持面90)の高さ位置と同等にしてもよい。かかる構成を採用すれば、滑り止め部材9を延在方向Sで連続する一体の部材から構成して部品点数の削減を図った場合でも、滑り止め部材9のうち、溝96が形成されている部分を端部902に配置することにより、中央部901と端部902とにおいて溝96の形成密度を変えることができる。
【0068】
なお、端部902のパネル支持面90の高さ位置を中央部901のパネル支持面90の高さ位置より高くした構成については、実施の形態2のように、中央部901および端部902の双方に溝96を設けた場合に適用してもよい。
【0069】
[実施の形態4]
図13は、本発明の実施の形態4に係る表示装置100に用いた滑り止め部材9の説明図であり、図13(a)、(b)、(c)は、滑り止め部材9等の平面図、F5−F5′断面図、および表示パネル10が第1フレーム30と第2フレーム50との間に挟持されている様子を示す断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2、3と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0070】
実施の形態1、2、3では、滑り止め部材9の第1部分91、第2部分92、第3部分93、第4部分94のいずれにも溝96を形成した。これに対して、本形態では、図13(a)、(b)に示すように、表示パネル10の長辺(辺10a、10b)に沿って延在する第1部分91および第2部分92に溝96が形成されているが、表示パネル10の短辺(辺10c、10d)に沿って延在する第3部分93および第4部分94には溝96が形成されていない。すなわち、表示パネル10をY軸方向に移動させる際には、表示パネル10の長辺(辺10a、10b)のうちの一方の端部を持ち上げて、他方の端部を滑り止め部材9のパネル支持面90上で摺動させる。この場合には、表示パネル10の長辺側が滑り止め部材9と接触するため、接触面積が広い。このため、摩擦力が大きいが、本形態によれば、溝96が形成されている分、接触面積が狭いので、表示パネル10の位置を容易にずらすことができる。
【0071】
これに対して、表示パネル10をX軸方向に移動させる際には、表示パネル10の短辺(辺10c、10d)のうちの一方の端部を持ち上げて、他方の端部を滑り止め部材9のパネル支持面90上で摺動させる。この場合には、表示パネル10の短辺側が滑り止め部材9と接触するため、接触面積が狭い。このため、摩擦力が小さいので、溝96が形成されていなくても、表示パネル10の位置を容易にずらすことができる。
【0072】
かかる構成の場合、図13(b)に示すように、滑り止め部材9の第1部分91および第2部分92において、溝96により挟まれた凸部97の表面970の高さ位置(パネル支持面90の高さ位置)は、溝96が形成されていない第3部分93および第4部分94のパネル支持面90の高さ位置より高い。また、溝96の底部の高さ位置は、第3部分93および第4部分94のパネル支持面90の高さ位置より低い。このため、図13(c)に示すように、第1フレーム30の突板部312、322、332、342と、第2フレーム50の上板部55との間に表示パネル10を挟持すると、第1部分91および第2部分92は、第3部分93および第4部分94より大きく圧縮される結果、表示パネル10は、第1部分91、第2部分92、第3部分93および第4部分94において同一の高さ位置で保持される。このため、表示パネル10が傾くのを防止することができる。
【0073】
[実施の形態4の変形例]
上記実施の形態4では、滑り止め部材9の第1部分91および第2部分92において、溝96により挟まれた凸部97の表面970の高さ位置(パネル支持面90の高さ位置)を、溝96が形成されていない第3部分93および第4部分94のパネル支持面90の高さ位置より高くした。但し、滑り止め部材9の第1部分91および第2部分92において、溝96により挟まれた凸部97の表面970の高さ位置(パネル支持面90の高さ位置)と、溝96が形成されていない第3部分93および第4部分94のパネル支持面90の高さ位置とを同等としてもよい。
【0074】
[実施の形態5]
図14は、本発明の実施の形態5に係る表示装置100に用いた滑り止め部材9の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1〜4と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0075】
実施の形態1〜4では、滑り止め部材9としてゴム製シートを用い、かかるゴム製シート自身に溝96が形成されている構成であったが、本形態では、第1フレーム30の突板部312、322、332、342の上面に凹部35が形成されている。また、突板部312、322、332、342には、滑り止め部材9としての薄いゴム層や弾性樹脂層が形成されており、かかるゴム層や弾性樹脂層の表面には、突板部312、322、332、342の凹部35が反映されて溝96が形成されている。かかる構成によっても、表示装置100の組み立て工程において、滑り止め部材9の上に表示パネル10を載置した後、表示パネル10の位置をずらして位置を調整することができる。
【0076】
[実施の形態6]
図15は、本発明の実施の形態6に係る表示装置100に用いた滑り止め部材9の溝96の形状を示す説明図である。実施の形態1〜4では、溝96として断面矩形の溝を形成したが、図15(a)に示すように、V字形状の溝96を形成してもよい。また、図15(b)に示すように、溝96の幅寸法が凸部97の幅寸法より大に設定されている滑り止め部材9を用いてもよい。また、図15(c)に示すように、凸部97が断面V字形状となるように断面台形の溝96を形成した滑り止め部材9を用いてもよい。
【0077】
[実施の形態7]
図16は、本発明の実施の形態7に係る表示装置100において第1フレームの突板部の上面の様子を示す説明図であり、図16(a)、(b)、(c)は、突板部312、322、332、342の上面に滑り止め部材9が設けられている様子を示す斜視図、その分解図、および表示パネル10が第1フレーム30と第2フレーム50との間に挟持されている様子を示す断面図である。
【0078】
上記実施の形態1等においては、滑り止め部材9の接着領域を全周で囲むように延在するパネル支持用凸部37を設け、かかるパネル支持用凸部37によって囲まれた凹部36の内部に滑り止め部材9を接着固定した。但し、図16に示すように、第1フレーム30の突板部312、322、332、342にパネル支持用凸部37や凹部36を設けずに平坦面とし、かかる平坦面上に滑り止め部材9を接着固定してもよい。
【0079】
かかる構成でも、滑り止め部材9の厚みを適正化すれば、パネル支持用凸部37がなくても表示パネル10を十分に保持することができる。また、図16に示す構成の場合、表示装置100の薄型化に伴って滑り止め部材9を薄くした場合でも、パネル支持用凸部37のみが表示パネル10に直接当接することがない。従って、組み立て時に表示パネル10がパネル支持用凸部37から大きな応力を受けてムラが発生するという事態を回避することができるとともに、表示パネル10を安定した状態で保持することができる。
【0080】
また、図16に示す構成は、図9等を参照して説明した滑り止め部材7を設けた側にも適用でき、滑り止め部材7の厚みを適正化すれば、シート支持用凸部39がなくても光学シート(拡散シート182、プリズムシート183、184)を十分に保持することができる。また、表示装置100の薄型化に伴って滑り止め部材7を薄くした場合でも、シート支持用凸部39のみが光学シートに直接当接することがないので、組み立て時に光学シートがシート支持用凸部39から大きな応力を受けてムラが発生するという事態を回避することができるとともに、光学シートを安定した状態で保持することができる。
【0081】
[実施の形態8]
図17は、本発明の実施の形態8に係る表示装置100において第1フレームの突板部の上面の様子を示す説明図であり、図17(a)、(b)、(c)は、突板部312、322、332、342の上面に滑り止め部材9が設けられている様子を示す斜視図、その分解図、および表示パネル10が第1フレーム30と第2フレーム50との間に挟持されている様子を示す断面図である。
【0082】
上記実施の形態1等においては、滑り止め部材9の接着領域を全周で囲むように延在するパネル支持用凸部37を設け、かかるパネル支持用凸部37によって囲まれた凹部36の内部に滑り止め部材9を接着固定した。但し、図17に示すように、第1フレーム30の突板部312、322、332、342にパネル支持用凸部37を設けずに凹部36のみを設け、かかる凹部36の内部に滑り止め部材9を接着固定してもよい。この場合、表示装置100を組み立てる前の状態で、滑り止め部材9の一部が凹部36から突出した状態にある。
【0083】
かかる構成でも、滑り止め部材9の厚みや凹部36の深さを適正化すれば、パネル支持用凸部37がなくても表示パネル10を十分に保持することができる。また、表示装置100を組み立てた状態で突板部312、322、332、342の表面のうち、凹部36以外の部分が表示パネル10の側に接するように構成する場合でも、パネル支持用凸部37を省略した分、実施の形態1等に比して突板部312、322、332、342の厚さを厚くすることができ、強度を高めることができる。
【0084】
また、図17に示す構成の場合、表示装置100の薄型化に伴って滑り止めシ部材9を薄くした場合でも、パネル支持用凸部37のみが表示パネル10に直接当接することがない。従って、組み立て時に表示パネル10がパネル支持用凸部37から大きな応力を受けてムラが発生するという事態を回避することができるとともに、表示パネル10を安定した状態で保持することができる。
【0085】
また、図17に示す構成は、図9等を参照して説明した滑り止め部材7を設けた側にも適用でき、滑り止め部材7の厚みや凹部38の深さを適正化すれば、シート支持用凸部39がなくても光学シート(拡散シート182、プリズムシート183、184)を十分に保持することができる。また、表示装置100の薄型化に伴って滑り止め部材7を薄くした場合でも、シート支持用凸部39のみが光学シートに直接当接することがないので、組み立て時に光学シートがパネル支持用凸部39から大きな応力を受けてムラが発生するという事態を回避することができるとともに、光学シートを安定した状態で保持することができる。
【0086】
[表示パネル10の他の構成例]
上述実施形態では、表示パネル10として液晶パネルを例示したが、表示パネル10として、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル等を用いた場合に本発明を適用してもよい。
【0087】
[電子機器への搭載例]
上述実施形態では、表示装置100を搭載した電子機器2000として、液晶テレビを例示したが、液晶テレビ以外にも、パーソナルコンピューターのディスプレイ、デジタルサイネージ、カーナビゲーション装置、携帯用情報端末等の電子機器の表示部に本発明を適用した表示装置100を用いてもよい。
【符号の説明】
【0088】
8・・照明装置、9・・滑り止め部材、10・・表示パネル、30・・第1フレーム、50・・第2フレーム、80・・導光板、89・・発光素子(光源)、90・・パネル支持面、96・・溝、100・・表示装置、100a・・画像表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形枠状の第1フレームと、
該第1フレームに重ねて配置された矩形枠状の第2フレームと、
前記第1フレームと前記第2フレームとの間に挟持された表示パネルと、
前記第1フレームの前記表示パネル側の面に設けられ、当該第1フレームの辺に沿って延在するように設けられた滑り止め部材と、
を有する表示装置であって、
前記滑り止め部材の前記表示パネル側に位置するパネル支持面には、前記滑り止め部材の延在方向に沿って当該延在方向に直交する幅方向に延在する溝が複数設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記滑り止め部材の延在方向において前記溝の形成密度が等しいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記滑り止め部材の延在方向における中央部では、当該滑り止め部材の延在方向における端部より前記溝の形成密度が低いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記滑り止め部材は、前記表示パネル側の4つの辺の各々に沿って延在する第1部分、第2部分、第3部分および第4部分を備え、
前記溝は、前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分および前記第4部分のいずれの部分にも設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記滑り止め部材は、前記表示パネル側の4つの辺の各々に沿って延在する第1部分、第2部分、第3部分および第4部分を備え、
前記溝は、前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分および前記第4部分のうち、一部の部分のみに設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1フレームの前記表示パネル側の面には、前記表示パネルに向けて突出して前記表示パネル側に当接するパネル支持用凸部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記滑り止め部材は、ゴム製シートであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記溝は、前記滑り止め部材自身に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記溝は、前記第1フレームにおいて前記滑り止め部材と重なる領域に形成された凹部が前記パネル支持面に反映されてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは、液晶パネルであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の表示装置を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−44849(P2013−44849A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181288(P2011−181288)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】