説明

表示装置バックライト補償のためのシステムおよび方法

表示装置の照明を制御するシステムおよび方法が開示されており、それらは、表示装置の複数の画素位置に対応する、表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出可能である。複数の輝度値のうちの第1の複数の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングでき、第1の複数の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定できる。補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応可能であり、また、表示装置のディスプレイコントローラが、第1の画素位置の輝度値を、他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、ディスプレイコントローラに提供され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2009年2月19日に出願された「楔型導光器のためのバックライト補償」(Backlight Compensation for Wedge Light Guide)と題された米国仮出願連続番号第61/153,902号、および2009年2月27日に出願された「導光板のためのバックライト補償」(Backlight Compensation for Light Guide Plate)と題された米国仮出願連続番号第61/155,996号に対する米国特許法第119(e)条による優先権を主張する。当該仮出願は双方とも、その全体がここに引用により援用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
この発明の少なくとも1つの実施例は、一般に表示装置の照明および制御に関し、より特定的には液晶ディスプレイのための間接バックライト補償に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
コンピュータ、テレビ、および他の電子装置用のモニタといった電子ディスプレイは、人が見るための画像を形成可能な光を発出する。画像の表示は、電子ディスプレイから発出する光の性質または量に基づいて異なる。電子ディスプレイがより大きく、より複雑になるにつれて、これらの電子ディスプレイから発出する光を提供するために使用される光源もより大きく、より複雑になる。電子ディスプレイ用の光源は、部品、コスト、および重量を、テレビからコンピュータモニタおよび他の電子装置用のディスプレイに至るあらゆるものに追加して、使用電力および消費者のコストを増大させ、効率を低下させる。さらに、さまざまな用途のいくつかの電子ディスプレイのサイズの増加は、光源の部品サイズ、コスト、および効率にも影響を与える場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
この発明の局面および実施例は、表示装置の照明のためのシステムおよび方法に向けられている。表示装置の部品、たとえば液晶ディスプレイモニタの液晶ディスプレイ光バルブに、補償マスクを適用することができる。この補償マスクは、表示装置を通る光伝搬における不均一性を補償でき、動作または使用中に表示装置から発する光の特性を制御できる。
【0005】
この発明の少なくとも1つの局面は、表示装置の照明を制御する方法に向けられている。この方法は、表示装置の複数の画素位置に対応する、表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出可能である。複数の輝度値のうちの第1の複数の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングでき、第1の複数の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定できる。補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応可能である。表示装置のディスプレイコントローラが、補償マスク値に基づいて、第1の画素位置の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供することができる。
【0006】
この発明の別の局面は、ディスプレイ製造システムに向けられている。このディスプレイ製造システムは、表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出するよう構成されたセンサを含むことができ、デジタル画像における複数の輝度値は、表示装置の複数の画素位置に対応している。デジタル画像における複数の輝度値を受信するために、システムコントローラがセンサに結合可能である。システムコントローラは、複数の輝度値のうちの第1の複数の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングし、第1の複数の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定するよう、さらに構成可能であり、補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応している。システムコントローラはまた、表示装置のディスプレイコントローラが、補償マスク値に基づいて、第1の画素位置の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供するよう構成可能である。
【0007】
この発明の別の局面は、液晶表示装置に向けられている。この液晶表示装置は、光源と、光源に光学的に結合されたエッジライト式導光器と、エッジライト式導光器に光学的に結合された液晶ディスプレイ光バルブとを含み得る。液晶表示装置は、液晶ディスプレイ光バルブに電気的に結合された表示装置コントローラも含み得る。表示装置コントローラは、複数の画素データ信号を、液晶ディスプレイ光バルブの対応する複数の画素位置の各々に提供できる。表示装置コントローラはまた、液晶ディスプレイ光バルブの複数の画素位置のうちの第1の画素位置に対応する補償マスク値を受信し、第1の画素位置の輝度値が、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置の輝度値により密接に対応するように、補償マスク値に基づいて、第1の画素位置に対応する第1の画素データ信号の値を調整することができる。
【0008】
この発明の別の局面は、一連の命令を記憶したコンピュータ読取可能媒体に向けられている。命令は、プロセッサに、表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出させ、デジタル画像における複数の輝度値は、表示装置の複数の画素位置に対応している。命令はまた、プロセッサに、複数の輝度値のうちの第1の複数の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングさせ、第1の複数の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定させ、補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応している。命令はさらに、表示装置のディスプレイコントローラが、第1の画素位置の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、プロセッサに、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供させる。
【0009】
この発明の別の局面は、一連の命令を記憶したコンピュータ読取可能媒体に向けられている。命令は、プロセッサに、液晶表示装置の光バルブの複数の画素位置の各々のために、複数の画素データ信号を生成させ、複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つの補償マスク値を受信させる。命令はまた、第1の画素位置の輝度値が、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置の輝度値により密接に対応するように、プロセッサに、表示装置の少なくとも1つの画素位置に対応する画素データ信号の値を修正させる。
【0010】
さまざまな実施例では、輝度値を検出する行為は、ディスプレイの液晶ディスプレイ光バルブを、予め定められた位置に構成する行為と、表示装置を最大照明値まで照明する行為と、構成する行為および照明する行為の後で、表示装置のデジタル画像を取得する行為とを含み得る。一実施例では、補償マスク値を決定する行為は、第1の画素位置の輝度値の逆数を決定する行為と、逆数値を第1の画素用の補償マスク値として使用する行為とを含む。
【0011】
補償マスク値を決定する行為は、複数の画素位置のうちの第1の画素位置を識別する行為と、複数の画素位置のうちの第2の画素位置を識別する行為と、第1の画素位置の輝度値と第2の画素位置の輝度値との比較に基づいて、補償マスク値を決定する行為とを含んでいてもよい。
【0012】
いくつかの実施例では、表示装置は、光源と、液晶ディスプレイ光バルブと、エッジライト式導光器とを含み、エッジライト式導光器を用いて、光源からの光を液晶ディスプレイ光バルブに向けることができる。複数の輝度値はまた、表示装置の製造中、液晶ディスプレイ光バルブと光源とエッジライト式導光器とを表示装置に組立てた後で、現場で検出されてもよく、補償マスク値は、表示装置の製造中、現場でディスプレイコントローラに提供されてもよい。
【0013】
一実施例では、複数の補償マスク値が決定されてもよく、各補償マスク値は複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応している。複数の補償マスク値に少なくとも部分的に基づいて、補償マスクが生成され、ディスプレイコントローラに提供されてもよい。補償マスクはまた、表示装置の製造中、現場でディスプレイコントローラに提供されてもよく、表示装置は、液晶ディスプレイ光バルブと、光源と、導光器とを含む。
【0014】
一実施例では、補償マスクのある部分が、他の補償マスク値とは、許容範囲からのある期待量以上異なっていると判断されると、補償マスクの少なくとも一部が調整されてもよい。補償マスクはまた、補償マスク値が許容範囲外であると判断されると調整されてもよく、補償マスクは、表示装置の動作中、表示装置の少なくとも1つの画素の輝度値を減少させるために、表示装置に適用されてもよい。
【0015】
この発明の少なくとも1つの局面は、表示装置の照明を制御する方法に向けられている。この方法は、複数の輝度値を検出する行為を含むことができ、複数の輝度値は、表示装置の複数の画素位置に関連付けられている。この方法はまた、複数の輝度値のうちの少なくとも1つに基づいて、補償マスク値を決定する行為を含むことができ、補償マスク値は、複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応している。さらに、この方法は、複数の画素位置のうちの1つでの輝度値を調整するために、補償マスク値を表示装置のディスプレイコントローラに提供できる。
【0016】
この発明の別の局面は、ディスプレイ照明システムに向けられている。このディスプレイ照明システムは、表示装置の複数の画素位置に関連付けられた複数の輝度値を検出するためのセンサを含み得る。システムコントローラは、複数の輝度値のうちの少なくとも1つに基づいて、補償マスク値を決定でき、補償マスク値は、複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応している。システムコントローラはまた、補償マスク値を表示装置のメモリユニットに提供でき、メモリユニットは表示装置コントローラに関連付けられている。
【0017】
さまざまな実施例では、表示装置コントローラは、表示装置の光バルブをオンの位置に位置付けることができ、表示装置の導光器を照明することができる。デジタル撮像装置は表示装置のディスプレイのデジタル画像を生成可能であり、複数の輝度値はそのデジタル画像の複数の画素の輝度値を含んでいる。システムコントローラは、複数の輝度値のうちの少なくとも1つを、表示装置の複数の画素位置のうちの少なくとも1つにマッピングすることができ、表示装置における画素に対する、デジタル画像における複数の画素の比率は、少なくとも4対1である。
【0018】
他の局面、実施例、ならびにこれらの例示的な局面および実施例の利点は、この発明の原理をほんの一例として例示する添付図面とともに、以下の詳細な説明を理解することから明らかとなるであろう。前述の情報および以下の詳細な説明は、さまざまな局面および実施例の例示例を含んでおり、請求される局面および実施例の性質および特性を理解するための概要または枠組みを提供するよう意図されている。図面は、明細書の残りの部分とともに、請求される局面および実施例を記載し、説明する役割を果たす。
【0019】
添付図面は、縮尺通りに描かれるよう意図されてはいない。図面では、さまざまな図で例示されている同一のまたはほぼ同一の構成要素は各々、同じ番号で表わされている。明確性のため、すべての図ですべての構成要素が標記されてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施例に従った電子ディスプレイを示す分解図である。
【図2】一実施例に従ったディスプレイ製造システムを示すブロック図である。
【図3】一実施例に従ったディスプレイの照明制御方法を示すフローチャートである。
【図4】一実施例に従ったディスプレイの照明制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
ここに説明するシステムおよび方法は、それらの用途が、明細書に述べられたまたは図面に例示された構造の詳細および部品の配置に限定されない。この発明は他の実施例が可能であり、さまざまな方法で実践または実行可能である。また、ここで使用する語句および用語は説明のためのものであり、限定的であると考えられるべきではない。「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」、「伴う」、およびここでのそれらの変形の使用は、その前に列挙された項目、およびそれらの均等物、ならびに追加項目を包含するよう意図されている。
【0022】
さまざまな局面および実施例は、電子ディスプレイの照明制御、較正、および補償に向けられている。以下にさらに説明するように、光源からの光は、表示装置の導光器および部品、たとえば偏光子、明度制御フィルム、明度強化フィルム、光バルブ、およびガラスパネルを通過できる。これらの部品を通過したこの光は、表示装置から発出可能であり、見る人によって見られ得る。個々の部品における差異は、見る人が最終的に見る光分布の均一性を阻害する場合があり、画質を劣化させる。たとえば、導光器における個々の差異が、電子装置の部品を通る光の、最終的には個々の各電子ディスプレイから発出する光における不均一な明度分布をもたらす場合がある。これらの差異は、たとえば表示装置またはその部品の製造もしくは組立中に取込まれたムラ、ばらつき、または偏差に起因して、特定の表示装置に特有のものとなり得る。
【0023】
センサは、たとえば照明された表示装置のデジタル画像を分析することによって、電子装置の部品の1つ以上の点での光特性を識別でき、システムコントローラは、感知された情報を処理して、表示装置のさまざまな部分間の輝度値の不均一性を補償する補償マスク値を生成できる。補償マスク値は、たとえば表示装置の製造中に、表示装置の表示装置コントローラまたはメモリユニットに提供可能である。補償マスク値は、たとえば液晶ディスプレイ光バルブの画素位置に適用される場合、動作中に表示装置から光が実質的に均一に発出するように、光バルブの少なくとも1つの画素位置での輝度を調整することによって、光分布における不均一性を補償することができる。
【0024】
図1は、この発明の一実施例に従った、視覚情報を表わすための表示装置100を示す分解図である。表示装置100の例は、コンピュータ、テレビ、携帯情報端末、携帯電話、ゲーム機器といったさまざまな装置用のモニタおよびスクリーン、ならびに他の電子ディスプレイを含む。一実施例では、表示装置100は、テレビ、コンピュータ、または他の表示装置の一部を形成する、液晶ディスプレイモニタ、または他の電子的に調節される光学装置を含む。
【0025】
一実施例では、表示装置100は、対角面寸法が少なくとも30インチの液晶ディスプレイモニタを含む。30インチよりも大きい、および小さい他の面寸法が可能なことを理解されたい。一実施例では、表示装置100は、スリムな設計の液晶ディスプレイテレビを含む。たとえば、表示装置100を含む液晶ディスプレイテレビモニタは、0.39インチ以下の深さを有し得る。一実施例では、導光器110は0.06インチ未満の深さを有し、表示装置100は約52インチの対角面寸法を有する。一実施例では、エッジライト構成などの間接バックライト構成では、表示装置100の1つのエッジに光源105を位置付けることができる。これは、光源105の重量、全体の厚さ、および表示装置100を照明するのに使用される光源105に関連付けられたランプの数を共に減少させる。
【0026】
表示装置100は、少なくとも1つの光源105を含む。光源105は、1つ以上の蛍光灯、リン系の白色発光ダイオードや赤緑青(RGB)の発光ダイオードといった1つ以上の発光ダイオード、有機光源、量子ドット光源、または他の電子光源を含んでいてもよい。(図1に例示していない)一実施例では、光源105は、表示装置100から発出する光を見る人に対して背後から表示装置100を照明する、直接バックライト構成のものであり得る。
【0027】
図1に例示するように、光源105は、光を光源105から少なくとも1つの導光器110を介して表示装置100に分布させる間接(たとえばサイドまたはエッジ)バックライト構成の一連の発光ダイオードを含む。たとえば、導光器110はエッジライト式導光器であり得る。導光器110は、導光器110の全内部反射特性、および光源105に対するその位置により、一連の表示装置の部品に光を分布させることができる。導光器110は、さまざまな形状および形態を有し得る。たとえば、導光器110は、図1に例示するような楔型を有し得る。さまざまな実施例では、導光器110は、管状構成、矩形構成、v溝構成、三角形構成、細片構成、またはリブ構成を有し得る。一実施例では、導光器110は、マイクロレンズ表面構造を有する平面状の導光器である。導光器110は光源105に結合可能であり、導光器110の表面は通常、表示装置100の表面全体にわたって出力される光を最大化および線形化する。
【0028】
一実施例では、導光器110は所与の許容範囲内で製造される。たとえば、楔型導光器といったある導光器110は、光が表示装置100を伝搬中に光を反射するその内面の形状、輪郭、または角度が、別の楔型導光器とは異なる場合がある。さらに、導光器110はプラスチックまたは他の可撓性材料から作ることができ、表示装置100への設置中に変形可能である。たとえば、表示装置100の組立中、導光器110を表示装置100のフレームに永続的に取付けることができる。この組立中、個々の導光器110は変形可能であり、それは導光器110の反射特性を変化させて、導光器110から発出する光分布の均一性を劣化させる場合がある。
【0029】
光分布の均一性の劣化は、導光器110および光源105の表示装置100への組立といった製造または組立プロセスのさまざまな段階の最中に生じるおそれがある。たとえば、これらのおよび他の表示装置100の部品の組立が、表示装置100の輝度特性を変化させ、変形またはずれの量とともに変わる不均一な光分布をもたらす場合がある。たとえば、組立ライン、生産、または非検査、非実験環境といった大量製造環境では、これらの変化が個々の表示装置100にとって特有のものとなり、同じ設計(たとえばモデル)の表示装置100がすべて同一とはならなくなる場合がある。たとえば製造許容範囲内の、組立てられた各表示装置100間の差異に起因して、ある表示装置100から、別のものに対して特定の光分布特性が生じる。
【0030】
光源105から導光器110を介して表示装置100に向かって伝搬された光は、一連のディスプレイ部品を少なくとも部分的に通過する。たとえば、表示装置100は、複数の部品を有する液晶ディスプレイ(LCD)を含み得る。図1について、一実施例では、光は光源105から導光器110を介して表示装置100を通って伝搬し、表示装置100は、少なくとも1つの明度制御フィルム115と、少なくとも1つの第1の偏光子120と、少なくとも1つの光バルブ125と、少なくとも1つの第2の偏光子130と、少なくとも1つの明度強化制御フィルム135と、少なくとも1つのガラスパネル140とを含んでいてもよく、動作中、この光は最終的には画像145として見られる。一実施例では、これらの部品は集団で、液晶ディスプレイモニタの少なくとも一部を形成する。これらの部品は、さまざまな量の光を遮断し、部分的に遮断し、偏光し、回転させ、または通過させることができる。他の構成も可能である。たとえば、表示装置100は、より多いまたはより少ない偏光子、追加のフィルタ、ならびにより多いまたはより少ないフィルムおよび明度制御を含み得る。
【0031】
明度制御フィルム115がいくつかの不均一性強度または輝度特性を低下させ得ることを理解されたい。しかしながら、明度制御フィルム115は通常、ある特定の電子ディスプレイモデルまたはタイプ用に設計されてはいるものの、個々の電子ディスプレイの特性に合わせてさらに特化されてはいない、受動要素である。このため、明度制御フィルム115は、表示装置の製造または組立中、たとえば導光器110を表示装置100に設置する最中に個々の表示装置100に取込まれた不均一性特性を勘案しない場合がある。
【0032】
一実施例では、表示装置100の部品は光バルブ125を照明する。光バルブ125は、透明電極間に、および第1の偏光子120と第2の偏光子130との間に整列された、液晶材料を用いた個々にアドレス可能な複数の画素を有する液晶ディスプレイ光バルブであり得る。光バルブ125はまた、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイスであってもよい。一実施例では、導光器110は、光源105からの光を光バルブ125に向けるエッジライト式導光器を含む。この発明の一局面によれば、光バルブ125を構成する画素の明度(たとえば輝度または強度)特性は、たとえば製造または設置不備に起因する光源105からのバックライト強度の変動を補償するよう調節可能である。たとえば、(たとえばある均一性範囲内で)均一なまたは実質的に均一な特性を作り出す光バルブ125の画素の強度は、画像に起因する強度と補正値または補償値との合計であってもよい。この補償値を、たとえば駆動信号の一部としてまたは駆動信号とともに光バルブ125の画素に適用すると、均一なまたは実質的に均一な明度特性を有する画像を生成することができ、また、輝度に影響を及ぼし、表示装置100の製造または組立中に取込まれたかもしれない導光器110または他の部品に対する不備を補償することができる。
【0033】
図2は、この発明の一実施例に従ったディスプレイ製造システム200を示すブロック図である。一実施例では、図1および図2について、システム200は、制御装置100の輝度を制御するために、生産または組立ライン環境で動作する。たとえば、システム200は、表示装置100への設置中の導光器110の変形による輝度の不均一性を補償するよう、表示装置100を構成することができる。これは、生産または大量組立環境で、現場で起こり得る。システム200はまた、非生産環境での個別検査または手動構成中に表示装置100の輝度を制御することができる。
【0034】
一実施例では、システム200は、少なくとも1つのセンサ205を含む。センサ205は、少なくとも1つのデジタルカメラ210の一部であってもよく、少なくとも1つのシステムコントローラ215の一部であってもよく、または独立した装置であってもよい。一実施例では、デジタルカメラ210は、表示装置の出力のデジタル画像を取込む。たとえば、表示装置100は画像145を作り出すよう照明可能であり、デジタルカメラ210は画像145のデジタル写真を撮影する。一実施例では、光バルブ125が全オン(full-on)の位置といった予め定められた不透明性レベルにある状態で、表示装置100が光源105を用いて最大レベルで照明されると、デジタルカメラ210は画像145のデジタル画像を生成する。この例では、画像145は、光源105から生じる最大量の輝度を表示する照明された白いスクリーンであり、デジタルカメラ210は、画像145であるこの白いスクリーンのデジタル画像を生成する。たとえば白いスクリーンとして照明されると、画像145の異なる部分は異なる不均一な光度レベルを有する場合があり、これらの不均一性の一部は、光源105、導光器110、または他の部品を表示装置100に設置することに起因する場合がある。また、これに代えて、光バルブ125が全オン未満の位置にある状態で、表示装置100が最大不透明性レベル未満で照明されてもよい。ここで、画像145は、その表示装置100用の最大レベル未満の照明された白いスクリーンである。
【0035】
デジタルカメラ210は、表示装置100の生産中、表示装置100を生産の流れから取除くことなく(たとえば現場で)、画像145のデジタル画像を取込むことができる。センサ205はまた、このデジタル画像の輝度値を現場で検出することも可能であり、そのため、手動または個別検査のために表示装置100を大量製造環境から取除く必要はない。他の実施例では、表示装置100が組立ラインまたは大量生産環境から取除かれ、個別にまたは手動で検査される非大量組立環境において、センサ205がデジタル画像を介して表示装置100の画像明度(たとえば輝度値)を検出できる、ということを理解されたい。
【0036】
デジタルカメラ210は、JPEGまたはRAWフォーマットといった任意のフォーマットでデジタル画像を生成する任意の装置を含み得る。デジタルカメラ210は、消費者向けの販売および使用に好適な、携帯型の完成した別個のユニットのデジタルカメラである必要はなく、生産ラインまたは組立プロセスの一部であって、その組立、製造、または生産のさまざまな段階で表示装置100のデジタル画像を生成するのに好適である、デジタル撮像装置であってもよい。
【0037】
一実施例では、光源105および導光器110の構成は、表示装置100を照明し、デジタルカメラ210によって撮像される光を提供する。たとえば、システムコントローラ215は、少なくとも1つの表示装置コントローラ220に、光源105を作動させて表示装置100を照明するよう命令することができる。システムコントローラ215は、表示装置100の輝度を最大化するよう、光バルブ125が全オン位置で構成された状態で、光源105に、その最大レベルまでオンになるよう命令することができる。光源105はまた、最大レベル未満までオンになってもよく、光バルブ125は部分的にオンの位置で構成され得る。別の実施例では、表示装置100の動作を通常制御する、表示装置100の少なくとも1つの表示装置コントローラ220は、その生産中に表示装置の光源105を作動させるよう、システムコントローラ215によって命令され得る。この例示的な実施例では、表示装置コントローラ220は、デジタルカメラ210によって撮影された表示を生成するために、製造中に表示装置100を作動させることができる。
【0038】
画像145は、表示装置100を見たときに見える画像であること、たとえばこれは、表示装置100のガラスパネル140を見たときに見える照明されたスクリーンまたはモニタであることを理解されたい。デジタルカメラ210は、照明された表示装置のデジタル画像を取込む。
【0039】
一実施例では、センサ205は、デジタルカメラ210によって生成されたデジタル画像における複数の輝度値を検出する。たとえば、表示装置100の製造中、光バルブ125と光源105と導光器110とを表示装置100に設置した後で、センサ205はデジタル画像の輝度値を現場で検出可能である。デジタルカメラ210によって生成されたデジタル画像における輝度値は、表示装置100の画素位置に対応可能である。この対応は1対1対応であってもよいが、そうでなくてもよく、しかしながら、以下により十分に説明される理由により、1:1よりも大きいことが好ましい。たとえば、表示装置100は2メガピクセルのディスプレイを含んでいてもよく、デジタルカメラ210は12メガピクセルのデジタルカメラであってもよい。この例では、デジタルカメラ210によって生成されたデジタル画像は、表示装置100の2メガピクセルのディスプレイの12メガピクセルの画像である。引続き、この例では、表示装置100の各画素位置(たとえば、光バルブ125の画素)に対し、デジタルカメラ210によって生成されたデジタル画像の画素は6つある。言い換えれば、デジタル画像の画素と対応する表示装置100の画素との比率は6:1である。このため、この例では、センサ205は、表示装置100の各画素に対応する、デジタル画像における6つの輝度値を検出する。たとえば2:1、4:1、6:1以上、その他といった他の比率も、非整数の比率を含め、可能である。
【0040】
センサ205は、表示装置100の画素位置のすべてまたはその部分集合に対応する、デジタル画像の輝度値を検出してもよい。たとえば、センサ205は、表示装置100の画素位置のうちの半分または3分の1、もしくは表示装置100のエッジ、中央、またはそれらの近傍、もしくは他の領域(たとえば上死点(top dead center)、左下など)での画素位置に対応する輝度値を検出してもよい。一実施例では、センサ205は、表示装置100の少なくとも1つの画素位置に対応する、デジタル画像における少なくとも1つの輝度値を検出する。一実施例では、光源105と導光器110とが表示装置100の所定の位置に組立てられた後で、センサ205はデジタル画像における輝度値を検出する。他の実施例では、クロミナンス、色相、彩度、または明度指標といった他の値が検出されてもよい。
【0041】
センサ205によって検出されたデジタル画像の異なる部分の輝度値は、互いに異なっていてもよい。たとえば、表示装置100への設置中の導光器110(または他の表示装置100の部品)の損傷が、表示装置100を通る光分布の不均一性をもたらす場合がある。この例では、デジタル画像の異なる画素または領域での輝度値は、互いに異なる場合がある。言い換えれば、表示装置100のある部分の光度または強度は、表示装置100の別の部分での光度または強度よりも大きい(もしくは少ない)場合がある。一実施例では、この不均一性が表示装置100のデジタル画像に現われ、センサ205とシステムコントローラ215との組合せによって不均一な輝度値の形で検出される場合がある。
【0042】
一実施例では、システムコントローラ215は、センサ205によって感知された輝度値を処理し、少なくとも1つの輝度値を少なくとも1つの画素位置にマッピングする。たとえば、センサ205は、デジタル画像の複数の輝度値を検出し、システムコントローラ215は、表示装置100のどの画素位置が感知された輝度値に対応しているかを判断する。これは、たとえば、表示装置100の照明された画像の少なくとも1つのコーナーまたはエッジを識別し、デジタル画像の対応するコーナーまたはエッジ同士を整列させ、続けて表示装置100とデジタル画像との間の一部のまたはすべての残りの対応する位置を、たとえばアフィン変換を用いて識別することを含んでいてもよい。前述したように、センサ205の解像度(たとえば12メガピクセル)は表示装置100の解像度(たとえば2メガピクセル)よりも大きい場合があり、そのため、デジタル画像における複数の画素がディスプレイの単一の画素位置に対応する。(たとえば、少なくとも2:1の比率の)このオーバサンプリングにより、ディスプレイ上の各画素位置は、デジタル画像に基づいて一意的に識別されるようになる。センサ205の解像度が表示装置100の解像度よりも小さい場合には、ディスプレイ上のおおよその画素位置が依然として、デジタル画像に基づいて十分なデジタル処理で識別され得る、ということを理解されたい。
【0043】
一実施例では、システムコントローラは、各画素位置に対応する輝度値を平均化し、平均化した輝度値を対応する画素位置にマッピングすることによって、デジタル画像の輝度値をある画素位置にマッピングする。たとえば、上述の6:1の例については、たとえば二次元デジタルフィルタを用いて6つの画素の輝度値を平均化し、平均化した輝度値を表示装置100の対応する画素位置にマッピングする(たとえば関連付ける)ことが可能である。システムコントローラ215は、画素位置へのマッピングのために輝度値を平均化する必要はない。たとえば、デジタル画像の画素と表示装置100の画素との比率が1:1である場合、平均化は必要ないかもしれない。なぜなら、この例では、表示装置の各画素に対応するデジタル画像の検出された輝度値は1つであるためである。一実施例では、加重平均が使用されてもよく、もしくは、1つの画素位置に対応する輝度値が、他の隣接する、近傍の、または遠方の画素位置に対応する輝度値に基づいて調整されてもよい。
【0044】
一実施例では、システムコントローラ215は、少なくとも1つの輝度値を、表示装置100の少なくとも1つの画素位置と関連付ける。輝度値はカンデラ毎平方メートルの単位であってもよく、ある範囲内の無次元数(unit-less number)が割当てられていてもよい。たとえば、センサ205によって検出された少なくとも1つの輝度値に基づいて、0〜1の輝度値がシステムコントローラ215によって少なくとも1つの画素位置にマッピングされ得る(たとえば割当てられ得る)。たとえば0〜255といった他の範囲も使用可能である。表示装置100は一般に、6〜10ビット以上のシステムを含んでいてもよい。たとえば、8ビットシステムでは、赤、緑、および青のサブ画素用の駆動信号の範囲は、0〜255または(1〜256)であってもよい。この例では、赤、緑、および青のサブ画素成分の各々用の駆動信号はこの範囲におけるある数であり、たとえば赤については232、緑については220、青については211である。引続き、この例では、これらのサブ画素成分の各々用の補償マスク値は、駆動信号のこれらの値を調整してもよい。これらの調整は、赤、緑、および青の各成分について均一であってもよい。たとえば、これら3つの成分の各々用の補償マスク値は、これらの値から2を減算してもよく、それは動作中にそれらの輝度を減少させる。このため、−2という補償マスク値は、表示装置の動作中に駆動信号の一部として対応する画素位置に適用されると、赤については230、緑については218、青については209という値をもたらす。これらの数は例であり、他の数およびスケール範囲が使用されてもよい。補償マスク値は、ある画素のすべてのサブ画素成分について、またはある画素位置のすべての画素について同じである(たとえば−2)必要はない、ということを理解されたい。たとえば、補償マスク値は、赤については0、緑については−1、青については−1であってもよく、もしくは、0〜255または他のスケールでの任意の他の数であってもよい。サブ画素成分の値に対するこれらの調整が、光バルブ125の列ドライバ上の電圧を変更することによって光のレベルを調整し、それが光バルブ125の容量性プレートへの電荷をもたらす、ということを理解されたい。この容量性プレートはLCD分子の捩れを制御し、それは、光源105から表示装置100を通って透過される光の量を支配する。
【0045】
表示装置100のある画素位置は、表示装置100の2つ以上の画素を含み得る、ということを理解されたい。たとえば、表示装置100のある画素位置は、1ブロックの画素、複数のサブ画素成分、表示装置100のエッジでの複数の画素、もしくは、コーナー、中央、中央からずれた場所、または他の識別可能な場所といった表示装置100の識別される領域における複数の画素を含み得る。ある特定の輝度値をある個々の画素に識別またはマッピングしてもよいが、しなくてもよい。たとえば、デジタル画像の2つ以上の画素に対応するデジタル画像の複数の輝度値を、2つ以上の画素を含む単一の画素位置(たとえば、表示装置100のある領域)に、デジタル画像の輝度値と表示装置100のその単一の画素位置を構成する画素との個々の対応を識別することなくマッピングすることができる。いくつかの実施例では、複数の輝度値を、表示装置100の1つ、2つ以上、1つ未満、すべてよりは少ない数、またはすべての画素に対応するある画素位置にマッピングすることができる。
【0046】
一実施例では、システムコントローラ215は、表示装置100の少なくとも1つの画素位置用の補償マスク値を決定する。補償マスク値は、光バルブ125または他の表示装置100の部品の少なくとも1つの画素の特性を調整することによって、表示装置100の不均一な輝度特性を補償できる。たとえば、システムコントローラ215は、0〜1の範囲の輝度値を複数の画素位置にマッピングできる。マッピングされたこれらの値における差は、画素位置の光度が均一性を欠く程度を示し得る。一実施例では、補償マスク値は、表示装置100の画素の輝度特性を調整することによってこの均一性の欠如を勘案する補正係数を含む。たとえば、補償マスク値は、少なくとも1つの画素位置の輝度の調整に対応可能である。一実施例では、表示装置100が2メガピクセルのディスプレイを含む場合、複数の補償マスク値が集団でたとえば1920×1080画素の補償マスクを形成してもよい。
【0047】
一実施例では、ある画素位置の補償マスク値は、その画素位置にマッピングされた輝度値の逆数である。たとえば、システムコントローラ215はある輝度値をある画素位置にマッピングし、この輝度値は、センサ205によって検出されたデジタル画像の複数の輝度値に基づいている。ある画素位置にマッピングされた輝度値は、0〜1の数、たとえば0.8であってもよい。引続き、この例では、この画素位置用の補償マスク値は、0〜1のスケールにおける0.8の逆数値、すなわち0.2であってもよい。一実施例では、補償マスク値の下限は、上限が所望の白のレベル、たとえば1に設定された状態で、所望の黒のレベル、たとえば0に設定され得る。一実施例では、表示装置100の異なる画素位置について、それらの画素位置の輝度値に基づいて、異なる補償マスク値が決定され得る。補償マスク値は、補償マスク値が適用される表示装置の各画素位置について個々に決定され得る。これは、表示装置100の画素位置のすべてまたはその部分集合であってもよい。補償マスク値を生成できる方法は他にもある。たとえば、補償マスク値は、複数の画素位置に対応する輝度値の平均、加重平均、または単純平均(straight average)に基づいていてもよい。
【0048】
一実施例では、個々の補償マスク値を表示装置100の複数の画素位置の各々に、たとえば駆動信号の一部として適用することは、各画素位置が実質的に均一な光度を有する光を提供するように、各画素位置の画素の画素特性を調整する。たとえば、補償マスク値は、強度がより高い(より光る、またはより明るい)画素の光度を、強度がより低い(あまり光らない、またはより暗い)画素よりも多く減少させて、ある補償マスク値を有する各画素位置が、より暗い画素位置の光度値と実質的に同じ光度値を有する光を提供するようにしてもよい。他の変形も可能である。たとえば、補償マスク値は光度を増加できる。一実施例では、補償マスク値を有する画素位置は、輝度値が互いの10%以内である場合、実質的に均一な光度を有する光を伝搬する。1%、1%未満、5%未満、および5%以上といった他の範囲も可能である。
【0049】
一実施例では、補償マスク値が大きいほど、対応する画素位置の輝度特性がより調整されるであろう。たとえば、表示装置100の動作中、より大きい補償マスク値は、より小さい補償マスク値よりも、その対応する画素位置の光度を減少させてもよい。引続き、この例では、最も低い光度を有する光バルブ125の画素位置に、0または0に近い補償マスク値を適用してもよく、もしくは補償マスク値を全く適用しなくてもよい。また、上述の0から1の範囲の例でのようなより大きい補償マスク値を、より明るい、またはより光る画素位置に対応する画素位置に適用することができる。この例では、これらのより高い補償マスク値は、最も明るい画素位置の輝度値を暗くすることができ、より暗い、または最も暗い画素位置に対応する輝度値により近い、より均一な輝度をもたらす。動作時、これらのより暗い画素位置は依然として、見る人にとって好適な表示を提供するのに十分光っている、ということを理解されたい。この例では、補償マスク値は通常、光度を減少させる。他の例では、補償マスク値は、たとえば光源105から出力される輝度の増加とともに、対応する画素位置の光度を増加させてもよい。
【0050】
一実施例では、同じまたは実質的に同じ補償マスク値を、すべての画素位置に均一に適用することができる。たとえば、表示装置100の画素位置に対応する輝度値が、たとえば光源105によって生成された光に起因して、しきい値を+3%上回るレベルの青を含むと判断された場合、補償マスク値は−3%の青バイアスを含み得る。この例では、表示装置100の異なる画素位置間の輝度の不均一性を勘案するよう、さらに別の補償マスク値を適用してもよく、またはこの均一な補償マスク値を個々に調整してもよい。
【0051】
一実施例では、デジタルカメラ210は赤、緑、および青(RGB)のサブ画素成分を撮像可能であり、センサ205は各サブ画素成分について輝度成分を検出可能であり、各画素用の赤、緑、および青の各サブ画素成分について1つずつ、3つの補償マスクをもたらす。たとえば、光源105がRGB発光ダイオードを含む場合、補償マスクは、発光ダイオードのサブ画素成分のいずれかの色における不均一性を勘案でき、表示装置100の組立前に明度または均一性のために発光ダイオードのビニング(binning)を行なうステップを回避する。
【0052】
一実施例では、システムコントローラ215は、補償マスク値を表示装置100の少なくとも1つのディスプレイコントローラ220に提供できる。たとえば、表示装置100の生産中、一実施例では表示装置の一部ではないシステムコントローラが、表示装置100の画素位置用の補償マスク値を決定し、この情報を表示装置コントローラ100に提供することができ、そこでそれは少なくとも1つのメモリユニット225に格納されてもよい。この例では、表示装置100の最終用途動作中、表示装置コントローラ220は、補償マスク値を光バルブ125に適用して光バルブ125の画素の輝度特性を調整することができる。これらの輝度特性に対する調整は、たとえば、その特定の表示装置100の生産中に起こったかもしれない導光器110または他の部品における歪みに起因する不均一な輝度の差異を補償することができる。異なる画素位置に適用される異なる補償マスク値は、補償マスク値が適用される各画素位置に、特化された調整を提供する。このため、補償マスク値が適用された画素位置の輝度値は、互いにより密接に対応している。
【0053】
一実施例では、システムコントローラ215は、少なくとも1つの補償マスク値を調整し、少なくとも1つの調整された補償マスク値を生成し、その少なくとも1つの調整された補償マスク値を表示装置コントローラ220に提供する。たとえば、システムコントローラ215は、補償マスク値の一部が、他の補償マスク値とは、許容範囲からの予め定められたまたは期待された量以上異なっていると判断することができる。これは、たとえば、デジタル画像の感知された輝度値に誤差を取込む、デジタルカメラ210のレンズ上の埃に起因する場合がある。この例では、システムコントローラ215は、補償マスク値が許容範囲内に収まるよう、それらを調整することができる。
【0054】
一実施例では、システムコントローラ215は、複数の画素位置を識別し、これらの画素位置用の補償マスク値を、複数の画素位置に関連付けられた輝度値の比較に少なくとも部分的に基づいて決定する。第1の画素位置の補償マスク値は、近傍のまたは遠方の第2の画素位置の補償マスク値に基づいて決定または調整され得る。たとえば、近傍の画素位置同士の補償マスク値が互いに全く(たとえば、あるしきい値以上)異なる場合、システムコントローラ215は、この相違が、デジタル画像のレンダリングにおける干渉といった、組立により取込まれた光度不備以外の何かによって生じたかもしれないと判断できる。この例では、システムコントローラ215は、たとえば、補償マスク値のうちの1つがその対応する画素位置上に有する補正係数を減少させることによって、この相違を円滑にするよう、補償マスク値のうちの少なくとも1つを調整することができる。
【0055】
一実施例では、表示装置の生産中、たとえば表示装置の製造中、光バルブ125と光源105と導光器110とを表示装置100に組立てた後で、現場で、少なくとも1つの補償マスク値を表示装置100(たとえば、表示装置コントローラ220またはメモリユニット225)に提供する。
【0056】
一実施例における表示装置コントローラ220は光バルブ125に電気的に結合されており、画素データ信号を光バルブ125の画素位置に提供し、対応する補償マスク値をたとえばシステムコントローラ215から受信するよう構成されている。表示装置コントローラ220はまた、画素位置に対応する画素データ信号の値を、それらの画素位置の輝度値がたとえばある許容範囲内で互いにより密接に対応するように調整することができる。一実施例では、表示装置コントローラ220は、表示装置100のインライン製造中、補償マスク値を補償マスクの形で受信する。補償マスク値により、表示装置コントローラ220は、表示装置100の動作中に画素位置の輝度値を調整できるようになる。
【0057】
一実施例では、補償マスク値は、ある特定の表示装置100におけるある特定の光源105/導光器110のアセンブリのために、特化された補償マスクを形成する。たとえば、別の表示装置100の別の光源105/導光器110のアセンブリは、異なる輝度特性を有するかもしれず、異なる補償マスクをもたらす。特化された補償マスクは不均一な光分布をユニットベースで勘案することができ、少なくともいくつかの大量生産された部品を使用する個々の表示装置100の輝度均一性特性を向上させる。
【0058】
図3は、ディスプレイの照明制御方法300を示すフローチャートである。一実施例では、方法300は、輝度値を検出する行為(行為305)を含む。たとえば、輝度値を検出する行為(行為305)は、表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出する行為を含んでいてもよく、デジタル画像における複数の輝度値は、表示装置の少なくとも1つの画素位置に対応している。一実施例では、液晶ディスプレイモニタなどの電子装置の複数の点の各々で、輝度値が検出可能である(行為305)。輝度値を検出する行為(行為305)に付け加えて、方法300は、クロミナンス、色相、彩度、または他の明度値も検出してもよい。一実施例では、輝度値を検出する行為(行為305)は、ディスプレイが少なくとも部分的に照明されると、デジタルカメラなどの装置を介して出力されたディスプレイの取得されたデジタル画像の輝度値を検出する行為を含む。
【0059】
テレビまたはコンピュータなどの表示装置の組立中、液晶ディスプレイモニタまたは他の表示装置の輝度値が検出可能である(行為305)。一実施例では、輝度値を検出する行為(行為305)は、たとえばテレビまたはコンピュータに組立てられつつあるモニタもしくは液晶ディスプレイといった装置またはその部品の組立中に、現場で輝度値を検出する行為を含む。たとえば、製造または組立中、組立ラインもしくは組立プロセスから電子装置を取除くことなく、輝度値をインラインで検出することが可能である(行為305)。表示装置の現場製造中、液晶ディスプレイ光バルブと光源と導光器とを表示装置内の位置に組立てた後で、たとえば表示装置のさまざまな点に対応する輝度値を検出することも可能である(行為305)。
【0060】
一実施例では、第1の複数の輝度値の検出(行為305)の後で、第1の複数の輝度値が検出された(行為305)のと同じ画素位置で、第2の複数の輝度値が検出可能である(行為305)。第2の複数の輝度値はまた、異なる画素位置で、または第1の複数の輝度値が検出された(行為305)画素位置を部分的に含む1組の画素位置で検出可能である(行為305)。一実施例では、第2の複数の輝度値を検出する行為(行為305)は、第1の輝度値が検出された同じ画素位置で、および追加の画素位置で、第2の輝度値を検出する行為を含む。
【0061】
方法300はまた、少なくとも1つの輝度値を表示装置の少なくとも1つの画素位置にマッピングする行為(行為310)も含んでいてもよい。たとえば、表示装置の画素位置に対応するデジタル画像の検出された輝度値(行為305)を、その対応する位置にマッピングしてもよい(行為310)。一実施例では、輝度値を画素位置にマッピングする行為(行為310)は、第1の複数の輝度値を第1の画素位置にマッピングし、第2の複数の輝度値を第2の画素位置にマッピングする行為を含む。
【0062】
たとえば、照明された表示装置のデジタル画像は表示装置よりも高い解像度を有する場合があり、そのため、デジタル画像の複数(たとえば4つ、6つ、またはそれ以上)の画素が表示装置の各画素位置に対応する。この例では、表示装置の各画素位置について複数の輝度値が検出されてもよい(行為305)。輝度値を画素位置にマッピングする行為(行為310)は、検出された複数の輝度値を、1つ以上の画素またはサブ画素要素を含み得る単一の画素位置にマッピングする行為を含んでいてもよい。たとえば、これらの複数の輝度値から代表的な輝度値(たとえば平均、加重平均、またはその他)を決定して、表示装置の対応する画素位置にマッピングしてもよい(行為310)。一実施例では、ある輝度値が表示装置のある画素位置にマッピングされる(行為310)と、その輝度値は、最大照明または部分(たとえば90%)照明条件といったある照明条件下でその画素位置に対応している輝度値として識別される。
【0063】
方法300はまた、補償マスク値を決定する行為(行為315)を含んでいてもよい。一実施例では、補償マスク値を決定する行為(行為315)は、複数の検出された(行為305)輝度値に基づいて、表示装置のある画素位置用の補償マスク値を決定する行為を含む。たとえば、決定された(行為315)補償マスク値は、その画素位置に対応する輝度値の調整に対応可能である。この例では、輝度値を0〜1のスケールで与えることができ、ここで0は最も低い輝度値、1は最も高い輝度値である。引続き、この例では、ある画素位置での輝度値が0〜1のスケールで0.8である場合、その画素位置用の補償マスク値は、0.2、すなわち1−0.8であると決定可能である(行為315)。この例では、ある画素位置の補償マスク値は、その画素位置の輝度値の逆数と呼ばれてもよい。
【0064】
一実施例では、ある画素位置の補償マスク値は、表示装置の他の画素位置の補償マスク値に少なくとも部分的に基づいて決定可能である(行為315)。たとえば、ある画素位置の補償マスク値は、それが、隣接する画素位置、または補償マスク値が決定される(行為315)画素位置のある画素位置距離内にある画素位置、といった他の画素位置の他の補償マスク値の許容範囲内にあるよう、調整可能である。これらの調整は、平均、加重平均、または、異常値と判断されて廃棄された結果という形をとっていてもよい。このため、ある画素位置の補償マスク値は、他の画素位置の補償マスク値を勘案して決定されてもよい(行為315)。これが、たとえば各画素位置に対応する複数の輝度値を検出する(行為305)画素センサに対する妨害に起因する、補償マスク値間の差異を円滑にできる、ということを理解されたい。
【0065】
一実施例では、各補償マスク値が複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応する状態で、複数の補償マスク値が決定可能である(行為315)。複数の補償マスク値は集団で補償マスクを形成してもよい。この補償マスクは、少なくとも1つの画素位置に対応する補償マスク値を含んでいてもよい。一実施例では、補償マスクは、表示装置の画素位置のすべてよりは少ない、表示装置の画素位置の部分集合に対応する。別の実施例では、補償マスクは、表示装置のすべての画素位置に対応する補償マスク値を含んでいてもよく、1つのマスク値は1つまたは2つ以上の画素位置に対応していてもよい。たとえば、液晶ディスプレイ光バルブと導光器と光源とを含む表示装置の現場製造中、少なくとも導光器を表示装置に設置した後で、補償マスクまたはその補償マスク値を表示装置用のコントローラに提供してもよい。
【0066】
補償マスクまたはその一部は、その補償マスク値に少なくとも部分的に基づいて調整されてもよい。たとえば、補償マスクのある部分が、補償マスクの別の部分とはあるしきい値以上異なっていると判断された場合、または許容範囲を越えている場合、補償マスクのその部分は調整可能である。この例では、補償マスクまたは個々の補償マスク値は、補償マスク値間の均一性の差に基づいて調整されてもよい。たとえば、補償マスク値は、受入可能な範囲外の補償マスク値均一性の差に基づいて調整されてもよい。この例では、補償マスクは、複数の画素位置の輝度均一性を高めるよう調整されてもよい。補償マスク値はまた、ある範囲内の、またはある受入可能レベルにある複数の画素位置の輝度値を維持するよう調整されてもよい。
【0067】
方法300はまた、補償マスク値を表示装置のディスプレイコントローラに提供できる(行為320)。実施例では、補償マスクを表示装置コントローラに提供する行為(行為320)により、表示装置コントローラは、表示装置のある画素位置での少なくとも1つの輝度値を調整できるようになる。たとえば、補償マスクは、動作中に適用されると、表示装置のある画素位置での輝度を、表示装置の他の画素位置の輝度値により密接に対応するよう調整することができる。一実施例では、複数の異なる補償マスク値をディスプレイコントローラに提供することができ(行為320)、補償マスク値は各々、異なる画素位置に関連付けられている。これらの異なる補償マスク値は、光が装置を通って伝搬する際に輝度値を変化させることによって表示装置の照明の差を補償し、一部の補償マスク値は他のものよりも輝度を変化させて、補償マスク値がたとえば表示装置の液晶ディスプレイ光バルブに適用される場合に照明される表示装置の輝度均一性の増加をもたらす。一実施例では、補償マスク値は、適用されると、より明るい画素位置を、より暗い画素位置の光度により均一に整合するよう暗くする正味の効果を有する。
【0068】
一実施例では、表示装置の製造中、補償マスク値は現場でディスプレイコントローラに提供される(行為320)。たとえば、液晶ディスプレイ光バルブと、光源と、導光器(たとえばエッジライト式導光器、楔型導光器、またはマイクロレンズ表面構造を有する平面状の導光器)とを含む表示装置の製造中、補償マスク値がディスプレイコントローラに提供されてもよい(行為320)。この例では、補償マスク値は、表示装置の組立中、少なくとも導光器を表示装置に組立てた後で、ディスプレイコントローラに提供可能である(行為320)。補償マスク値は、補償マスクの形で表示装置コントローラに提供可能であり(行為320)、関連付けられた補償マスク値を含む補償マスクは、コントローラに関連付けられた表示装置のメモリユニットに格納可能である。一実施例では、補償マスクは、顧客または消費者による液晶ディスプレイモニタの使用中、光バルブに適用され得る。
【0069】
図4は、表示装置のデジタル画像における輝度値を検出する照明制御方法400を示すフローチャートである。一実施例では、方法400は、行為305に関して上述したような輝度値を検出する行為を含む。方法400の検出行為は、ディスプレイの液晶ディスプレイ光バルブを予め定められた位置に構成する行為(行為405)を含んでいてもよい。たとえば、光バルブは、表示装置の光バルブを通って伝搬する光の量を最大化する全オンの位置に構成されてもよい(行為405)。光バルブは、光の一部が光バルブを通過することを妨げる、全オンの位置以外のさまざまな位置に構成可能である(行為405)。たとえば、光バルブは、少なくとも95%、50%、33%、または0〜100%のうちの他の値だけ開いているように構成可能である(行為405)。図3および図4を参照して、光バルブが全オンの位置で構成された(行為405)場合の検出された輝度値(行為305)は、光バルブが全オン未満の位置で構成された(行為405)場合の検出された輝度値(行為305)よりも大きい場合がある。なぜなら、この後者の構成は、光の一部が液晶ディスプレイ光バルブを通って伝搬することを妨げることが可能なためである。
【0070】
一実施例では、方法400は、表示装置を少なくとも部分的に照明する行為(行為410)を含む。たとえば、表示装置を照明する行為(行為410)は、光が光源から導光器を介して表示装置の構成された(行為405)光バルブを通って伝搬するように、表示装置の導光器に結合された光源を作動させる行為を含んでいてもよい。一実施例では、たとえば光源をその最大容量までオンにすることによって、表示装置を最大値まで照明する(行為410)ことができる。また、たとえば光源から発出する光を暗くするかまたは減少させることによって、表示装置をその最大値未満まで照明する(行為410)ことができる。これは、表示装置のデジタル画像において検出された(行為305)、結果として生じる輝度値を減少させ得る。
【0071】
一実施例では、表示装置の製造中、液晶ディスプレイ光バルブを構成し(行為405)、表示装置を照明する(行為410)ことが可能である。これらの行為はまた、組立プロセス中、ただし少なくとも導光器を表示装置に設置した後で、起こってもよい。
【0072】
一実施例では、方法300および400の行為は、表示装置の製造中、現場で起こる。たとえば、これらの行為は、大量組立ラインまたは大量生産環境で行なわれてもよく、表示装置の部品が組立ライン環境に残っている間に実現されてもよい。この例示例では、これらの行為は、表示装置のインライン組立中に、電子装置またはそのいずれかの部品を組立ラインまたは製造プロセスから取除くことなく、組立プロセスの一部として行なわれてもよい。表示装置は、たとえば、液晶ディスプレイ光バルブと、液晶ディスプレイモニタと、光源と、導光器と、1つ以上の明度制御フィルムまたは偏光子とを含む光学表示装置であり得る。ある現場環境では、表示装置またはその部品の製造中、光源と導光器とを表示装置に組立てた後で、輝度値が検出される(行為305)。たとえば、モニタの光源と導光器と光バルブとを、テレビまたはコンピュータモニタ用のフレームに組立てることができる。検出された(行為305)輝度値は、光源から導光器を介して表示装置を通って伝搬された光の輝度値を含み得る。ここで、光源および導光器は、間接バックライト(たとえばエッジ)構成で、表示装置内の定位置に組立てられたものである。この例では、光源および導光器の組立中に表示装置に取込まれた不均一性輝度特性が検出され(行為305)、補償マスク値によって補償される、ということを理解されたい。
【0073】
一実施例では、電子装置を製造する方法は、方法300および400のすべての行為を含む。この例示的な実施例では、光源は導光器と結合可能であり、デジタル画像の複数の輝度値は、検出された(行為305)少なくとも1つの画素位置に対応している。検出された輝度値を少なくとも1つの画素位置にマッピングして(行為310)、輝度値をその画素位置に対応付けることができる。補償マスク値は、画素位置にマッピングされたその輝度値に基づいて決定され(行為315)、表示装置のディスプレイコントローラに提供され得る(行為320)。
【0074】
なお、図1〜4では、列挙された項目が個々の要素として示されている。しかしながら、ここに説明されたシステムおよび方法の実際の実現化例では、それらは、デジタルコンピュータといった他の電子装置の分離できない部品であってもよい。このため、上述の行為は、少なくとも部分的に、プログラム記憶媒体を含む製品において具現化され得るソフトウェアによって実現されてもよい。プログラム記憶媒体は、搬送波、コンピュータディスク(磁気または光学(たとえば、CDまたはDVD、もしくはその双方))、不揮発性メモリ、テープ、システムメモリ、およびコンピュータハードドライブのうちの1つ以上において具現化されたデータ信号を含む。
【0075】
前述の事項から、ここに説明されたシステムおよび方法によって提供される輝度制御が、大量製造または組立環境において、均一な輝度特性を有する個々の電子ディスプレイを特化する、簡単で有効な方法を提供する、ということが理解されるであろう。さまざまな実施例に従ったシステムおよび方法は、電子表示装置の組立中に、たとえば導光器といった電子表示装置の部品の変形および材料応力によってそれらに取込まれた輝度均一性の乱れを勘案することができる。これは、電子表示装置の効率および性能を高め、コスト、重量、および物理的サイズ(たとえば深さ)を減少させる。
【0076】
前後、左右、頂部/底部、または上下などへの言及は、説明を便利にするために意図されており、この発明のシステムおよび方法またはそれらの構成要素を任意の1つの位置配向または空間配向に限定するよう意図されてはいない。
【0077】
ここに言及されたシステムおよび方法の実施例もしくは要素または行為への単数形での言及は、これらの要素を複数含む実施例も包含してもよく、ここにおける任意の実施例もしくは要素または行為への複数形での言及は、単一の要素のみを含む実施例も包含してもよい。単数形または複数形での言及は、ここに開示されているシステムまたは方法、それらの部品、行為、もしくは要素を単一または複数の構成に限定するよう意図されてはいない。
【0078】
ここに開示されたどの実施例も、他の実施例と組合されてもよく、「実施例」、「いくつかの実施例」、「代替的な実施例」、「さまざまな実施例」、「一実施例」などへの言及は、必ずしも相互排他的なものではなく、実施例に関連して説明されたある特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを示すよう意図されている。ここで使用するような用語は、必ずしもすべてが、同じ実施例に言及しているわけではない。どの実施例も、他の実施例と、ここに開示された局面および実施例と一貫する態様で組合されてもよい。
【0079】
「または」への言及は包括的であるよう解釈されてもよく、そのため、「または」を用いて説明されたどの用語も、説明された用語のうちの1つ、2つ以上、およびすべてのいずれを示していてもよい。
【0080】
図面、詳細な説明、または請求項における技術的特徴には参照番号が続いており、参照番号は、図面、詳細な説明、および請求項の理解度を高めるという目的のためだけに含まれたものである。したがって、参照番号およびそれらの欠如が、請求項の要素の範囲に対して限定的な影響を与えることはまったくない。
【0081】
当業者であれば、ここに説明されたシステムおよび方法が、それらの精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよいことを認識するであろう。たとえば、色相、彩度、クロミナンス、明度、または輝度以外の特性を検出し、補償マスクを生成するよう評価し、調整することが可能である。したがって、前述の実施例は、あらゆる点で、説明されたシステムおよび方法を限定するというよりはむしろ例示的であると考えられるべきである。このため、ここに説明されたシステムおよび方法の範囲は、前述の説明よりもむしろ添付された請求項によって示されており、したがって、請求項の均等物の意味および範囲内での変更はすべて、その中に包含されるよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の照明を制御する方法であって、
表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出する行為を備え、デジタル画像における複数の輝度値は、表示装置の複数の画素位置に対応しており、前記方法はさらに、
複数の輝度値に基づいた第1の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングする行為と、
第1の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定する行為とを備え、補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応しており、前記方法はさらに、
表示装置のディスプレイコントローラが、補償マスク値に基づいて、第1の画素位置の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供する行為を備える、方法。
【請求項2】
検出する行為は、
ディスプレイの液晶ディスプレイ光バルブを、予め定められた不透明性レベルに構成する行為と、
表示装置を少なくとも部分的に照明する行為とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検出する行為は、
ディスプレイの液晶ディスプレイ光バルブを、全オンの不透明性レベルに構成する行為と、
表示装置を最大照明値まで照明する行為と、
構成する行為および照明する行為の後で、表示装置のデジタル画像を取得する行為とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
マッピングする行為は、複数の輝度値に基づいた第2の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第2の画素位置にマッピングする行為を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
決定する行為は、
第1の画素位置の輝度値の逆数値を決定する行為と、
逆数値を第1の画素用の補償マスク値として使用する行為とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
決定する行為は、
複数の画素位置のうちの第1の画素位置を識別する行為と、
複数の画素位置のうちの第2の画素位置を識別する行為と、
第1の画素位置の輝度値と第2の画素位置の輝度値との比較に基づいて、補償マスク値を決定する行為とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
補償マスク値を決定する行為は、
第1の画素位置の輝度値と第2の画素位置の輝度値との加重平均に基づいて、補償マスク値を決定する行為を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
表示装置は、光源と、液晶ディスプレイ光バルブと、エッジライト式導光器とを含み、
前記方法はさらに、エッジライト式導光器を用いて、光源からの光を液晶ディスプレイ光バルブに向ける行為をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
検出する行為は、
表示装置の製造中、液晶ディスプレイ光バルブと光源とエッジライト式導光器とを表示装置に組立てた後で、現場で複数の輝度値を検出する行為を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
提供する行為は、
表示装置の製造中、現場で補償マスク値をディスプレイコントローラに提供する行為を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数の補償マスク値を決定する行為をさらに備え、各補償マスク値は複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応しており、前記方法はさらに、
複数の補償マスク値に少なくとも部分的に基づいて、補償マスクを生成する行為と、
補償マスクをディスプレイコントローラに提供する行為とを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
補償マスクをディスプレイコントローラに提供する行為は、表示装置の製造中、現場で補償マスクをディスプレイコントローラに提供する行為を含み、表示装置は、液晶ディスプレイ光バルブと、光源と、導光器とを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
補償マスクのある部分が、他の補償マスク値とは、許容範囲からのある期待量以上異なっているかどうかを判断する行為と、
補償マスクのその部分を調整する行為とをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
補償マスク値が許容範囲外であると判断する行為と、
補償マスク値を調整する行為とをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
表示装置の動作中、表示装置の少なくとも1つの画素の輝度値を減少させるために、補償マスクを表示装置に適用する行為をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第1の複数の輝度値は少なくとも4つの輝度値を含み、マッピングする行為は、少なくとも4つの輝度値を第1の画素位置にマッピングする行為を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ディスプレイ製造システムであって、
表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出するよう構成されたセンサを備え、デジタル画像における複数の輝度値は、表示装置の複数の画素位置に対応しており、前記ディスプレイ製造システムはさらに、
デジタル画像における複数の輝度値を受信するためにセンサに結合されたシステムコントローラを備え、前記システムコントローラは、
複数の輝度値に基づいた第1の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングし、
第1の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定するよう構成されており、補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応しており、前記システムコントローラはさらに、
表示装置のディスプレイコントローラが、補償マスク値に基づいて、第1の画素位置の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供するよう構成されている、ディスプレイ製造システム。
【請求項18】
センサは、表示装置の製造中、光バルブと光源と導光器とを表示装置に組立てた後で、現場で複数の輝度値を検出するよう構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
システムコントローラは、表示装置の製造中、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供するよう構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
システムコントローラは、補償マスク値を調整して、調整された補償マスク値を生成するよう、および調整された補償マスク値を補償マスクの一部として表示装置コントローラに提供するよう構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の逆数に対応している、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
システムコントローラは、
複数の画素位置のうちの第1の画素位置を識別し、
複数の画素位置のうちの第2の画素位置を識別し、
第1の画素位置の輝度値と第2の画素位置の輝度値との比較に少なくとも部分的に基づいて、補償マスク値を決定するよう構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
液晶表示装置であって、
光源と、
光源に光学的に結合されたエッジライト式導光器と、
エッジライト式導光器に光学的に結合された液晶ディスプレイ光バルブと、
液晶ディスプレイ光バルブに電気的に結合された表示装置コントローラとを備え、
表示装置コントローラは、
複数の画素データ信号を、液晶ディスプレイ光バルブの対応する複数の画素位置の各々に提供し、
液晶ディスプレイ光バルブの複数の画素位置のうちの第1の画素位置に対応する補償マスク値を受信し、
第1の画素位置の輝度値が、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置の輝度値により密接に対応するように、補償マスク値に基づいて、第1の画素位置に対応する第1の画素データ信号の値を調整するよう構成されている、液晶表示装置。
【請求項24】
表示装置コントローラは、
表示装置の光バルブを、全オンの不透明性レベル位置に位置付け、
表示装置を最大照明値まで照明するよう構成されている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
表示装置コントローラは、表示装置のインライン製造中、補償マスク値を補償マスクの一部として受信するよう構成されている、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
表示装置は液晶ディスプレイモニタを含み、エッジライト式導光器および光源は、液晶ディスプレイモニタを照明するよう構成されており、液晶ディスプレイモニタの対角面は少なくとも30インチである、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
一連の命令を記憶したコンピュータ読取可能媒体であって、前記命令は、
プロセッサに、表示装置のデジタル画像における複数の輝度値を検出させる命令を含み、デジタル画像における複数の輝度値は、表示装置の複数の画素位置に対応しており、前記命令はさらに、
プロセッサに、複数の輝度値に基づいた第1の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの第1の画素位置にマッピングさせる命令と、
プロセッサに、第1の輝度値に基づいて、第1の画素位置用の補償マスク値を決定させる命令とを含み、補償マスク値は、第1の画素位置の輝度値の調整に対応しており、前記命令はさらに、
表示装置のディスプレイコントローラが、第1の画素位置の輝度値を、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置に関連付けられた輝度値により密接に対応するよう調整できるようにするために、プロセッサに、補償マスク値をディスプレイコントローラに提供させる命令を含む、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項28】
プロセッサに、複数の補償マスク値を決定させる命令をさらに備え、各補償マスク値は複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応しており、さらに、
プロセッサに、複数の補償マスク値に少なくとも部分的に基づいて、補償マスクを生成させる命令と、
プロセッサに、補償マスクをディスプレイコントローラに提供させる命令とを備える、請求項27に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項29】
プロセッサに、ディスプレイの液晶ディスプレイ光バルブを、全オンの位置に構成させる命令と、
プロセッサに、表示装置を最大照明値まで照明させる命令と、
構成する行為および照明する行為の後で、プロセッサに、表示装置のデジタル画像を取得させる命令とをさらに備える、請求項27に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項30】
一連の命令を記憶したコンピュータ読取可能媒体であって、前記命令は、
プロセッサに、液晶表示装置の光バルブの複数の画素位置の各々のために、複数の画素データ信号を生成させる命令と、
プロセッサに、複数の画素位置のうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つの補償マスク値を受信させる命令と、
第1の画素位置の輝度値が、表示装置の複数の画素位置のうちの他の画素位置の輝度値により密接に対応するように、プロセッサに、表示装置の少なくとも1つの画素位置に対応する画素データ信号の値を修正させる命令とを含む、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項31】
表示装置のインライン製造中、光源と導光器とを表示装置に組立てた後で、プロセッサに、補償マスク値を補償マスクの一部として受信させる命令をさらに備える、請求項30に記載のコンピュータ読取可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−518206(P2012−518206A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551102(P2011−551102)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/023066
【国際公開番号】WO2010/096269
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(503468042)ゾラン コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】