説明

表示装置及び電子棚札

【課題】液晶表示装置自体を小型化し、製造コストを低減できるようにする。
【解決手段】ドライバIC3が、1ライン分の画像データを格納する画像メモリ35から当該画像データを読み出して、液晶表示部2に1ラインずつ画像が表示されるようにこの液晶表示部2を駆動する。これにより、従来のような1画面分の記憶容量を有する高価な画像メモリを液晶表示装置に搭載しなくても、1ライン分の記憶容量35aを有する安価な画像メモリ35を搭載することにより、液晶表示部2に1ラインずつ画像を表示させて、最終的に1画面分の静止画像を表示させることができるようになる。この結果、1画面分の記憶容量を有する画像メモリを必要としないので、画像メモリの記憶容量のみならず当該画像メモリ自体の大きさを小さくすることができる。従って、液晶表示装置を小型化することができ、当該液晶表示装置の製造コストを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像メモリに記憶された1行分又は1列分の画像データから1画面分の画像を表示する表示装置及び電子棚札に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶や電子ペーパーで形成された小型の表示パネルが大量生産できるようになってきた(例えば、特許文献1及び2)。このため、会社等の施設に訪れる来訪者に着用させる名札や、遊園地等の行楽施設のチケット等が、従来の紙製のカードタイプのものから表示パネルを使用したものに置き換わってきている(例えば、特許文献3)。
【0003】
このような表示パネルは、何度も繰り返し使用することができるというリサイクル性の向上に利点があるだけではなく、サーバと無線で接続される通信ネットワークによって各種の情報を管理することが容易になるという利点がある。
【0004】
例えば、来訪者用名札に通信ネットワークを適用すると、当該名札からの情報をサーバに送信することにより、当該名札の着用者の移動を把握したり、入退出の時刻を記録して統計を取ったりすることができ、セキュリティ管理に有用である。また、行楽施設のチケットに通信ネットワークを適用すると、サーバからの情報をチケットに送信することにより、当該チケットの表示パネルに行楽施設の案内図を表示したり、催し物が始まる時刻を表示したりすることが可能である。
【0005】
また、スーパーマーケットや小売店等の店舗の商品棚に貼られる値札も、以前は、商品名や産地、値段等を紙に印字又は手書きしたものが使用されていたが、電子棚札と称される小型の表示パネルを搭載したものに置き換わってきている。
【0006】
このような電子棚札も上述のような通信ネットワークを利用して、電子棚札システムを構築することができる。例えば、電子棚札システムは、電子棚札と、この電子棚札に無線で接続されたサーバ等で構成されている。サーバが所望の画像情報を電子棚札に配信することにより、電子棚札の表示パネルに表示された価格を、値下げやタイムサービスにより変更した価格に瞬時に切り替えることができる。また、「新商品」、「お買い得」等の付加表示も瞬時に電子棚札の表示パネルに表示/非表示させることができる。更に、このような電子棚札システムとPOS(Point of sale)システムとを連動させることにより、商品管理を効率化することもできる。
【0007】
また、上述の小型の表示パネルよりも大きな中型の表示パネルを、会社の受付に設置される案内表示や、商品説明ボード等に使用することもできる。
【0008】
図7は従来の液晶表示装置400の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、液晶表示装置400は、例えば、電子棚札に見られ、液晶表示パネル1A、中央演算処理装置( Central Processing Unit;以下CPU4という)、電源7及び外部インタフェース(以下、「I/O8」という)で構成される。CPU4はワークメモリ用の随時情報の書き込み読出し可能なメモリ(Random Access Memory:RAM5という)及び制御プログラム格納用の読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM6という)を有しており、液晶表示パネル1A、電源7及びI/O8にそれぞれ接続される。
【0009】
CPU4は、ROM6から制御プログラムを直接読み出して、液晶表示装置400を制御する。また、CPU4は、例えば、外部から送信されてきた行列で構成される画像に関する画像データをI/O8を介して受信して、RAM5に1画面分の画像データを保存する。そして、CPU4は、当該CPU4が有するタイミングコントローラ41及び表示コントローラ42を用いて、RAM5に保存した画像データを液晶表示パネル1AのドライバIC3Aに出力する。また、電源7は、太陽電池や2次電池等で構成されて、CPU4に電力を供給する。
【0010】
液晶表示パネル1Aは、液晶表示部2及びドライバIC3Aを備える。液晶表示部2は、液晶の画素で構成される画像を表示するものであり、本例では、横に16ドット、縦に8ドットの画素を有する。ドライバIC3Aは、Xドライバ31、Yドライバ32、処理回路33、電圧調整回路34及び画像メモリ36を有する。
【0011】
Xドライバ31は、画像データに基づいて、液晶表示部2のX方向の画素(つまり、横の16ドット)に接続する電極(データ線)にバイアス電圧を印加する。Yドライバ32は、画像データに基づいて、液晶表示部2のY方向の画素(つまり、縦の8ドット)に接続する電極(アドレス線)にバイアス電圧を印加する。
【0012】
処理回路33は、CPU4から出力された画像データの転送や、Xドライバ31及びYドライバ32の駆動処理を行う。電圧調整回路34は、当該ドライバIC3Aの駆動のために適宜電源電圧を調整する。
【0013】
画像メモリ36は、CPU4から出力された画像データを格納する。画像メモリ36は、所謂フレームメモリであり、1画面分の画像データを格納することができる記憶容量36aを有しており、本例では、1画面分である16×8ドットの画像データを格納することができる。
【0014】
このように構成された液晶表示装置400は、画像メモリ36に格納された1画面分の画像データに基づいて、Xドライバ31及びYドライバ32によって液晶表示部2を駆動することにより、画像データを液晶表示部2に表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2005−275263号公報
【特許文献2】特開2007−109602号公報
【特許文献3】特開平8−258469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、従来の液晶表示装置400によれば、画像メモリ36に1画面分の画像データを格納するので、画像メモリ36自体の大きさが大きくなってしまう。また、画像メモリ36は高価であるので、液晶表示装置400の製造コストが増大してしまう。
【0017】
そこで、本発明は、上述の課題を解決したものであって、装置自体を小型化し、製造コストを低減することができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、行列の画素で構成される画像を表示して、該表示した画像を保持する表示部と、画像に関する画像データを1行分又は1列分だけ格納する画像メモリと、画像メモリに格納された画像データを読み出して、表示部に1行ずつ又は1列ずつ画像が表示されるように表示部を駆動する駆動部とを備えることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る表示装置では、駆動部が、1行分又は1列分の画像データを格納する画像メモリから画像データを読み出して、表示部に1行ずつ又は1列ずつ画像が表示されるようにこの表示部を駆動する。
【0020】
これにより、従来のような1画面分の記憶容量を有する高価な画像メモリを表示装置に搭載しなくても、1行分又は1列分の記憶容量を有する安価な画像メモリを搭載することにより、表示部に1行ずつ又は1列ずつ画像を表示させて、最終的に1画面分の静止画像を表示させることができるようになる。1画面分の静止画像が表示された後は、駆動部が表示部を駆動させなくてもその表示が保持される。
【0021】
本発明に係る電子棚札は、行列の画素で構成される画像を表示して、該表示した画像を保持する表示部と、画像に関する画像データを1行分又は1列分だけ格納する画像メモリと、画像メモリに格納された画像データを読み出して、表示部に1行ずつ又は1列ずつ画像が表示されるように表示部を駆動する駆動部と、画像メモリに格納される画像データを受信する受信部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る表示装置及び電子棚札によれば、1画面分の記憶容量を有する画像メモリを必要としないので、画像メモリの記憶容量のみならず当該画像メモリ自体の大きさを小さくすることができる。この結果、当該表示装置又は電子棚札を小型化することができ、当該表示装置又は電子棚札の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係る液晶表示装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】(A)〜(C)は、液晶表示部2の表示例を示す説明図である。
【図3】液晶表示装置100の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態に係る液晶表示装置200の構成例を示す説明図である。
【図5】第3の実施の形態に係る電子棚札システム300の構成例を示すブロック図である。
【図6】電子棚札100a〜100fの構成例を示す説明図である。
【図7】従来の液晶表示装置400の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に係る表示装置の実施の形態の一例として液晶表示装置100,200及び電子棚札システム300について説明する。
【0025】
<第1の実施の形態>
[液晶表示装置100の構成例]
まずは、液晶表示装置100の構成例について説明する。図1に示すように、液晶表示装置100は電子棚札に適用可能なもので、液晶表示パネル1、CPU4、電源7及び外部インタフェース(以下、「I/O8」という)で構成される。CPU4は、RAM5及びROM6を有しており、液晶表示パネル1、電源7及びI/O8にそれぞれ接続される。
【0026】
ROM6は、液晶表示装置100全体を制御する制御プログラムや、各種データを記憶する。RAM5は、書き換え可能な各種データを記憶し、例えば、外部から送信されてくる画像データや、この画像データに変換可能な文字データを記憶する。画像データは、例えば、ビットマップデータであり、行列の画像で構成される画像に関するものである。
【0027】
電源7は、例えば太陽電池や2次電池等のコンパクトな電源で構成されており、CPU4等に所望の電力を供給する。I/O8は、図示しない外部装置等の外部に接続するインタフェースであり、外部から画像データやこの画像データに変換可能な文字データを受信してCPU4に出力する。
【0028】
CPU4は、ROM6から制御プログラムを直接読み出して、液晶表示装置100全体を制御する。また、CPU4は、例えば、外部から送信されてきた画像データやこの画像データに変換される文字データをI/O8を介して受信して、RAM5に当該データを保存する。
【0029】
CPU4は、例えば、RAM5に保存した文字データを1画面分の画像データに変換する。そして、当該CPU4が有するタイミングコントローラ41及び表示コントローラ42を用いて、RAM5に保存される1画面分の画像データのうち1行分又は1列分(以下、「1ライン分」という)の画像データを液晶表示パネル1のドライバIC3に出力する。
【0030】
タイミングコントローラ41は、液晶表示パネル1に画像データを表示するために同期信号を発生してタイミング制御を行う。表示コントローラ42は、画像データをコントロールするものである。
【0031】
液晶表示パネル1は、液晶表示部2及びドライバIC3を備える。液晶表示部2は、液晶の画素で構成される静止画像を表示して、該表示した静止画像を保持するものであり、本例では、横に16ドット、縦に8ドットの画素を有する。液晶表示部2は、電源をOFFにしても画像が表示されたままになる、所謂、メモリ性液晶である。
【0032】
液晶表示部2は、液晶の両面を配向膜で挟持された液晶層に、偏光板とガラス板と透明導電膜とから成る2枚の電極基板を挟持することにより形成され、これが、16×8ドットの画素分だけ配列されている。液晶層は、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶又は強誘電性液晶のいずれであっても構わない。
【0033】
ドライバIC3は、Xドライバ31、Yドライバ32、処理回路33、電圧調整回路34及び画像メモリ35を有する。Xドライバ31は、画像データに基づいて、液晶表示部2のX方向の画素(つまり、横の16ドット)に接続する電極(データ線)にバイアス電圧を印加する。Yドライバ32は、画像データに基づいて、液晶表示部2のY方向の画素(つまり、縦の8ドット)に接続する電極(アドレス線)にバイアス電極を印加する。
【0034】
処理回路33は、CPU4から出力された画像データの転送や、Xドライバ31及びYドライバ32の駆動処理を行う。電圧調整回路34は、当該ドライバIC3の駆動のために適宜電源電圧を調整する。
【0035】
画像メモリ35は、CPU4から出力された画像データを格納する。画像メモリ35は、所謂ラインメモリであり、1ライン分の画像データを格納することができる記憶容量35aを有しており、本例では、1ライン分である128ドット(図中は16ドットのみ記す)の画像データを格納することができる。この画像メモリ35は、1画面分の画像データを格納する従来の画像メモリ36(64列×128行)に比べて、例えば、その記憶容量(1列×128行)が1/64になり、その大きさが1.5%程度に低減される。
【0036】
このように構成された液晶表示装置100は、画像メモリ35に格納された1ライン分の画像データに基づいて、Xドライバ31及びYドライバ32によって液晶表示部2を駆動する。これにより、液晶表示部2に1ラインずつ画像を表示させて、最終的に1画面分の静止画像を表示させることができるようになる。1画面分の静止画像が表示された後は、Xドライバ31及びYドライバ32が液晶表示部2を駆動させなくてもその表示が保持される。
【0037】
[液晶表示部2の表示例]
次に、液晶表示部2の表示例について説明する。例えば、「AB」の文字が液晶表示部2に表示される場合、X1のラインに対応した1ライン分の画像データが画像メモリ35に格納されていることを前提として、図2(A)に示すように、最初は、(X1,Y5)、(X1,Y11)、(X1,Y12)、(X1,Y13)の4個の画素がON状態(図2では黒色で示す)になり、X1のラインに所望の画像が表示される。
【0038】
このとき、X1〜X8には横方向に延びる電極(データ線)がそれぞれ設けられており、これらの8本のデータ線がXドライバ31に接続されている。Xドライバ31は、X1〜X8に設けられたデータ線それぞれにバイアス電圧を印加することができる。また、Y1〜Y16には縦方向に延びる電極(アドレス線)がそれぞれ設けられており、これらの16本のアドレス線がYドライバ32に接続されている。Yドライバ32は、Y1〜Y16に設けられたアドレス線それぞれにバイアス電圧を印加することができる。つまり、Xドライバ31がX1に設けられたデータ線のみにバイアス電圧を印加し、Yドライバ32がY1〜Y16に設けられたアドレス線のうち、Y5、Y11、Y12及びY13に設けられたアドレス線にバイアス電圧を印加することにより、図2(A)に示したように、X1のラインに画像が表示される。
【0039】
X1のラインに画像が表示された後、図2(B)に示すように、X2のラインに画像が表示される。この場合、RAM5からX2のラインに対応した1ライン分の画像データが画像メモリ35に格納されており、(X2,Y4)、(X2,Y6)、(X2,Y11)、(X2,Y14)の4個の画素が更にON状態になり、X2のラインに画像が表示される。因みに、前述の液晶表示部2のX1のラインは、液晶のメモリ作用により画像が保持された状態になっている。
【0040】
つまり、Xドライバ31は、X2に設けられたデータ線のみにバイアス電圧を印加し、Yドライバ32は、Y1〜Y16に設けられたアドレス線のうち、Y4、Y6、Y11及びY14に設けられたアドレス線にバイアス電圧を印加することにより、図2(B)に示したように、X1のラインと共に、X2のラインに画像が表示される。
【0041】
このように、X1〜X8のラインに1ラインずつ画像を表示していくことにより、最終的に、図2(C)に示すように、(X1,Y1)、…、(X8,Y16)の16×8個の画素のうち、所望の箇所全てがON状態になり、液晶表示部2に1画面分の静止画像(例えば、「AB」)が表示される。この表示された画像は、Xドライバ31及びYドライバ32からのバイアス電圧の印加が解除されても、液晶のメモリ作用により保持したままとなる。
【0042】
[液晶表示装置100の動作例]
次に、液晶表示装置100の動作例についてフローチャートを用いて説明する。図3に示すように、ステップST1では、CPU4は、I/O8を介して外部からデータを受信する。このデータは、テキストデータ等の文字データであって、液晶表示部2の1画面に表示される容量を有する文字データである。I/O8と外部との接続は、有線でも良いし、無線でも良い。
【0043】
ステップST2に移行して、CPU4は、外部から受信した、液晶表示部2に表示される1画面分相当の文字データをRAM5に保存する。
【0044】
ステップST3に移行して、CPU4は、RAM5に保存したデータを画像データの一例であるビットマップデータに変換する。例えば、この変換は、1画面分に相当する文字データを全てビットマップデータに変換する。
【0045】
ステップST4に移行して、CPU4は、変換した1画面分のビットマップデータのうちを1ライン分だけドライバIC3に出力し、ドライバIC3の画像メモリ35に格納する。この画像メモリ35は、1ライン分の画像データのみを格納できる記憶容量35aを有している。
【0046】
ステップST5に移行して、ドライバIC3のXドライバ31は、図2で説明したX1に対応する1本のデータ線にバイアス電圧を印加する。更に、ドライバIC3のYドライバ32は、Y1〜Y16に対応する16本のアドレス線のうち、所望の画像が表示されるように(例えば、図2(A)であれば、Y5、Y11、Y12及びY13に対応するアドレス線に)バイアス電圧を印加する。すると、図2(A)に示したように、液晶表示部2のX1のラインに画像が表示される。
【0047】
ステップST6に移行して、CPU4は、最後のライン、つまり、X8のラインにバイアス電圧を印加したかを判断する。この判断は、CPU4がX1〜X8の8ライン分の画像データをドライバIC3に出力したか否かを検出し、あるいは、CPU4からドライバIC3にX1〜X8の8ライン分の画像データを出力する旨の信号が予め出力されているか否かを検出することで可能である。
【0048】
X8のラインにバイアス電圧を印加した場合には、図2(C)に示したように、液晶表示部2に1画面分の静止画像が表示されており、液晶表示装置100は、その動作を終了する。また、X8のラインにバイアス電圧を印加していない場合には、まだ、液晶表示部2に1画面分の静止画像が表示されていないとみなして、ステップST4に戻って、液晶表示部2の次のラインの表示動作を実行する。
【0049】
このように、第1の実施の形態に係る液晶表示装置100によれば、ドライバIC3が、1ライン分の画像データを格納する画像メモリ35から当該画像データを読み出して、液晶表示部2に1ラインずつ画像が表示されるようにこの液晶表示部2を駆動する。
【0050】
これにより、従来のような1画面分の記憶容量36aを有する高価な画像メモリ36を液晶表示装置に搭載しなくても、1ライン分の記憶容量35aを有する安価な画像メモリ35を搭載することにより、液晶表示部2に1ラインずつ画像を表示させて、最終的に1画面分の静止画像を表示させることができるようになる。また、従来の液晶駆動方法のようなフレーム周波数に依存することなく、1画面分の静止画像を表示させることができる。1画面分の静止画像が表示された後は、Xドライバ31及びYドライバ32が液晶表示部2を駆動させなくてもその表示が保持される。
【0051】
この結果、1画面分の記憶容量を有する画像メモリを必要としないので、画像メモリの記憶容量のみならず当該画像メモリ自体の大きさを小さくすることができる。従って、液晶表示装置を小型化することができ、当該液晶表示装置の製造コストを低減することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、液晶表示部2のX1からX8の順番で1ラインずつ画像を表示する動作を説明したが、これに限定されず、液晶表示部2のY1からY16の順番で1行ずつ画像を表示する動作であっても構わない。
【0053】
また、本実施の形態では、表示部に液晶パネルを使用したものについて説明したが、これに限定されず、電源をOFFにしても表示された画像を保持する表示パネル(例えば、電子ペーパー等)に適応可能である。
【0054】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、液晶表示部を複数設けた液晶表示装置200について説明する。第1の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0055】
図4に示すように、液晶表示装置200は、4つの液晶表示部2a,2b,2c,2d、2つのXドライバ31a,31b及び2つのYドライバ32a,32b等で構成されている。図1に示したドライバIC3やCPU4等も液晶表示装置200に設けられているが、図4では図を見易くするために省略している。
【0056】
Xドライバ31aには液晶表示部2a,2bが接続されている。Xドライバ31bには液晶表示部2c,2dが接続されている。Yドライバ32aには液晶表示部2a,2cが接続されている。そして、Yドライバ32bには液晶表示部2b,2dが接続されている。
【0057】
液晶表示装置200の動作は、前述の液晶表示装置100の動作と同様に、1ラインずつ画像を表示させていく。詳しい説明は省略する。
【0058】
図4に示したような構成を採ることにより、Xドライバ31a,31b又はYドライバ32a,32bのどちらか一方の負担を低減することができる。これにより、Xドライバ31a,31b又はYドライバ32a,32bのサイズを小さくすることができる。本例では、1ライン分である256ドット(図中は32ドットのみ記す)の画像データをYドライバ32a,32bが1/2ドット(128ドット:図中では16ドット)を格納することができる。この画像メモリ35は、従来方式で4つの液晶表示部から液晶表示装置を構成した場合であって、その1画面分の画像データを格納する従来の画像メモリ36(128列×256行)に比べて、例えば、その記憶容量(1列×256行)が1/128になり、その大きさが0.8%程度に低減される。
【0059】
このように、第2の実施の形態に係る液晶表示装置200によれば、Xドライバ31a,31b又はYドライバ32a,32bのサイズを小さくすることができるので、液晶表示装置を小型化することができ、当該液晶表示装置の製造コストを低減することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、4つ液晶表示部を組み合わせたものを説明したが、これに限定されない。
【0061】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、第1の液晶表示装置100を電子棚札に搭載した、商品管理システム350が備える電子棚札システム300について説明する。第1の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0062】
[商品管理システム350の構成例]
図5に示すように、店舗等に適用される商品管理システム350は、POSシステム310、ストアコントローラ320及び電子棚札システム300で構成される。
【0063】
POSシステム310は、POSサーバ311及び複数のレジスタ312a,312bで構成される。ESLサーバ302及びPOSサーバ311は、LAN330を介してストアコントローラ320に接続される。これにより、ESLサーバ302、POSサーバ311及びストアコントローラ320は、それぞれの間でデータ通信が可能となる。
【0064】
POSシステム310は、商品の販売に関する情報をその販売時点において収集して分析するシステムである。POSサーバ311は、POSシステム310を統括的に管理するサーバである。例えば、POSサーバ311は、商品の在庫数や売価等の当該商品に関する情報が記憶されている。また、レジスタ312a,312bは、POSサーバ311に記憶されている商品の売価に基づいて当該商品の精算するものである。POSサーバ311とレジスタ312a,312bとは、専用の通信ケーブルで接続される。
【0065】
このような構成により、POSシステム310は、店舗内の全商品に関する情報を一元的に管理することができる。例えば、商品の情報には、商品を識別するための識別コード、商品名、売価、販売数及び在庫数等が含まれている。
【0066】
ストアコントローラ320は、一般的なコンピュータで構成され、商品管理システム350を統括的に管理する。また、ストアコントローラ320は、インターネット等の外部ネットワークに接続され、この外部ネットワークを介して店舗を統括管理する本部センターの管理コンピュータと通信する。
【0067】
電子棚札システム300は、電子棚札100a〜100f、通信装置301a〜301c及びESLサーバ302で構成される。ESLサーバ302は、電子棚札システム300を統括的に管理するサーバである。ESLサーバ302と通信装置301a〜301cとは通信ケーブルで接続されており、相互にデータ通信可能である。
【0068】
通信装置301a〜301cと電子棚札100a〜100fとは、無線で通信可能である。例えば、無線通信は、赤外線や産業科学医療(ISM:Industrial Scientific Medical)バンド(2.4GHz帯)のような電波によるものである。通信装置301a〜301cは、販売スペース303内に配置された全ての電子棚札100a〜100fと無線通信可能なように、販売スペース303の天井等に一定距離毎に配置される。
【0069】
電子棚札100a〜100fは、前述の第1の実施の形態で説明した液晶表示装置100を搭載しており、例えば、図6に示すように、液晶表示部2、通信装置301a〜301cと無線通信するための内蔵アンテナ9等で構成される。液晶表示部2は、「国産 ステーキ用牛肉 1480円」等の商品に関する情報が表示される。この表示は、第1の実施の形態で説明した液晶表示部2の動作と同じように、1ライン分の画像を繰り返し表示させることにより、1画面分の静止画像を表示することができる。
【0070】
内蔵アンテナ9は、受信部の一例であり、電子棚札100a〜100fの内部に設けられ、画像メモリに格納される画像データを受信するものである。なお、内蔵アンテナ9は、各種商品情報を通信装置に送信する機能を有していても構わない。
【0071】
[電子棚札システム300の動作例]
次に、電子棚札システム300の動作例について説明する。電子棚札システム300では、ESLサーバ302から電子棚札100a〜100fへの売価の配信は、システム起動時や、売価更新時等に行われる。この売価更新時とは、例えば、タイムセール等の特売により通常の売価が変更するとき等である。
【0072】
システム起動時には、販売スペース303内の全ての商品に売価の情報が配信される。また、売価更新時には、対象となる商品のみに対して売価の情報が配信される。これにより、電子棚札100a〜100fに表示される売価と、レジスタ312a,312bに表示される売価とが一致する。
【0073】
売価の情報が配信されたときに、電子棚札100a〜100fの液晶表示部2は、該配信された売価の情報を表示する。この際、第1の実施の形態で説明したように、画像メモリから1ライン分の画像データを読み出して、1ライン毎に液晶表示部2に画像を表示させていく。例えば、商品の売価のみ変更するのであれば、図6で示した液晶表示部2の「1480円」の部分のみ変更するような画像データを生成することにより、表示の更新速度を向上させることができる。
【0074】
例えば、顧客が電子棚札100a〜100fに対応した商品をレジスタ312a,312bに持っていき、店員がその商品に付されたバーコードをレジスタ312a,312bによって読み取り、精算が完了すると、当該商品が購入されたことを示す情報がPOSサーバ311、ストアコントローラ320及び外部ネットワークを介して本部センターの管理コンピュータに出力される。これにより、管理コンピュータによって商品の状況を容易に把握することができる。また、管理コンピュータの管理者は、この販売状況に応じて、電子棚札100a〜100fの液晶表示部2に表示すべき画像データを生成することにより、早急で的確な商品価格を設定することができる。
【0075】
このように、第3の実施の形態に係る電子棚札システム300によれば、液晶表示装置100を備える電子棚札100a〜100fは、1画面分の記憶容量を有する画像メモリを必要としないので、画像メモリの記憶容量のみならず当該画像メモリ自体の大きさを小さくすることができる。この結果、当該電子棚札100a〜100fを小型化することができ、当該電子棚札100a〜100fの製造コストを低減することができる。
【0076】
なお、本実施の形態では、液晶表示装置100を電子棚札システム300に応用した例について説明したが、これに限定されず、会社等の施設に訪れる来訪者に着用させる名札や、遊園地等の行楽施設のチケット等にも適用可能である。また、上述した例では、液晶表示装置100を電子棚札等の小型表示装置に使用される場合を挙げたことにより、RAM5及びROM6をCPU4に内蔵するタイプについて説明したが、これに限られることはなく、本発明は、RAM5及びROM6をCPU4に外付けする、電子棚札よりも大きな表示装置のタイプにも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
1・・・液晶表示パネル、2・・・液晶表示部(表示部)、3・・・ドライバIC(駆動部)、4・・・CPU、5・・・RAM、6・・・ROM、7・・・電源、8・・・I/O、9・・・内蔵アンテナ(受信部)、31,31a,31b・・・Xドライバ、32,32a,32b・・・Yドライバ、33・・・処理回路、34・・・電圧調整回路、35・・・画像メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列の画素で構成される画像を表示して、該表示した画像を保持する表示部と、
前記画像に関する画像データを1行分又は1列分だけ格納する画像メモリと、
前記画像メモリに格納された画像データを読み出して、前記表示部に1行ずつ又は1列ずつ画像が表示されるように前記表示部を駆動する駆動部とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記表示部に1画面分の画像が表示されるまで前記表示部を駆動することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、
液晶パネル又は電子ペーパーで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
行列の画素で構成される画像を表示して、該表示した画像を保持する表示部と、
前記画像に関する画像データを1行分又は1列分だけ格納する画像メモリと、
前記画像メモリに格納された画像データを読み出して、前記表示部に1行ずつ又は1列ずつ画像が表示されるように前記表示部を駆動する駆動部と、
前記画像メモリに格納される前記画像データを受信する受信部とを備えることを特徴とする電子棚札。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−85873(P2012−85873A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235826(P2010−235826)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【Fターム(参考)】