説明

表示装置用照明装置、表示装置、及びテレビ受信装置

【課題】ランプの取付作業性を向上させる。
【解決手段】シャーシ13には、管状をなす冷陰極管15が複数本並列した状態で収容される。シャーシ13には、冷陰極管15の周面を取り囲む有端環状をなすランプ把持部27を有するランプクリップ20が取り付けられている。ランプ把持部27における開口端部27aには、その開口方向に沿って延出するランプガイド部31が設けられている。このランプガイド部31により、冷陰極管15の取付経路が規定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用照明装置、表示装置、及びテレビ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、画像を表示する液晶パネルと、液晶パネルに対して光を照射するバックライトとから構成される。このバックライトには、液晶パネルの背面に設置されるシャーシ内に複数本の冷陰極管を並列配置した構成の、直下型バックライトと呼ばれるものがあり、その一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
このものでは、冷陰極管を所定位置に保持するためのランプクリップが備えられており、そのランプクリップは、液晶パネル側に開口するランプ把持部を有している。冷陰極管を取り付ける際には、ランプ把持部の開口部に冷陰極管を通しつつランプ把持部を一旦弾性的に拡開変形させる。そして、冷陰極管を正規深さまで押し込むと、ランプ把持部が弾性復帰し、もって冷陰極管がランプ把持部によって取付状態に把持される。
【特許文献1】特開2001−210126公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、液晶表示装置に使用される冷陰極管は、管径が数mm程度と非常に細くなっているため、冷陰極管を取り付ける際にランプ把持部の開口部に冷陰極管を通す作業がし辛く、作業性が芳しくなかった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ランプの取付作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、管状をなすランプと、このランプが複数本並列した状態で収容されるシャーシと、前記ランプの周面を取り囲む有端環状をなし前記ランプを把持可能なランプ把持部と、前記ランプ把持部に対して前記ランプを取り付ける際の取付経路を規定するランプガイド部とが備えられている。
【0007】
このようにすれば、ランプ把持部に対してランプを取り付ける際には、その取付経路を規定するランプガイド部に沿ってランプを移動させることで、取付作業をスムーズに行うことができる。
【0008】
本発明の実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記シャーシには、前記ランプ把持部を有するランプ保持部品が取り付けられるようになっており、このランプ保持部品に前記ランプガイド部が一体形成される構成とする。仮にランプ保持部品とは別の部品にランプガイド部を設置した場合には、その部品とランプ保持部品との間に組み付け誤差が生じ得るが、ランプ保持部品にランプガイド部を一体形成すればそのような組み付け誤差の発生を回避でき、円滑な取付作業を期することができる。
【0009】
(2)前記ランプガイド部は、前記ランプ把持部の開口端部に形成され、その開口方向に沿って延出する形態とされる構成とする。このようにすれば、ランプをランプガイド部に沿って真っ直ぐに押し込むことで、ランプをランプ把持部に取り付けることができ、取付作業をよりスムーズなものとすることができる。
【0010】
(3)前記ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向に開口している構成とする。このようにすれば、ランプをランプ把持部に取り付ける際に、その取付深さが不足した場合、その不足した分だけランプが正規の取付位置から取付作業時における鉛直方向と交差する方向に突出することになるから、目視によりランプの取付深さが不足したのを容易に検出することができる。これにより、取付作業性を向上させることができる。
【0011】
(4)前記ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と直交する方向に開口している構成とする。このようにすれば、ランプの取付深さが不足したのを一層容易に検出することができる。
【0012】
(5)前記ランプガイド部が、前記ランプ把持部の開口端部からその開口方向に沿って延出する形態とされているものにおいて、前記ランプ保持部品には、前記ランプガイド部に載った状態の前記ランプに対して取付方向手前側から係合する脱落規制部が設けられる構成とする。このようにすれば、万が一、ランプ把持部に対して正規に取り付けられたランプが振動などの影響によって外れ、ランプガイド部に載った状態となっても、そのランプに対して取付方向手前側から脱落規制部が係合することで、そのランプの脱落を防ぐことができる。
【0013】
(6)前記ランプ保持部品は、前記シャーシに取り付けられる取付板と、この取付板から立ち上がる立ち上げ部とを備え、この立ち上げ部に前記ランプ把持部が連結される構成とする。このようにすれば、ランプをシャーシから浮いた位置にて保持することができるから、ランプ点灯時にシャーシに流れる漏れ電流を軽減することができる。
【0014】
(7)前記立ち上げ部には、前記ランプ把持部が一対連結される構成とする。このように、立ち上げ部を共用化することで、ランプ保持部品の構造を簡素化することができる。
【0015】
(8)前記両ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向であって前記立ち上げ部側とは反対側に開口しており、前記ランプガイド部は、前記両ランプ把持部の開口端部から前記立ち上げ部側とは反対側へ突出する片持ち状にそれぞれ形成される構成とする。このようにすれば、取り付けに際してランプをランプガイド部に宛ったとき、ランプガイド部が片持ち状で撓み易くなっているから、鉛直方向についてランプを押し込む力を吸収することができ、取付作業性の向上に寄与することができる。
【0016】
(9)前記ランプに対して前記取付板側とは反対側に離間した位置には、透光性を有する光学部材が配されるものにおいて、前記立ち上げ部は、前記ランプ把持部よりも前記鉛直方向上向きに突出して前記光学部材を支持可能とされる構成とする。このようにすれば、立ち上げ部に光学部材を支持する機能を併せ持たせることができ、ランプ保持部品の構造の簡素化を図ることができる。
【0017】
(10)前記両ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向であって前記立ち上げ部側に開口しており、前記ランプガイド部は、前記両ランプ把持部の開口端部と前記立ち上げ部とを連結してそれぞれ形成される構成とする。このようにすれば、両ランプ把持部を立ち上げ部に連結する部位をランプガイド部によって兼用しているから、ランプガイド部とは別途に連結部位を設けた場合と比較してランプ保持部品の小型化を図ることができる。
【0018】
(11)前記立ち上げ部には、前記両ランプ把持部間に位置し、互いの前記取付経路を仕切る仕切り部が設けられる構成とする。このようにすれば、仕切り部により両ランプの取付経路を仕切ることができるから、一方のランプを取り付ける際に、そのランプが既に取り付けられた他方のランプと干渉するのを回避することができる。
【0019】
(12)前記ランプに対して前記取付板側とは反対側に離間した位置には、透光性を有する光学部材が配されるものにおいて、前記仕切り部は、前記ランプ把持部よりも前記鉛直方向上向きに突出して前記光学部材を支持可能とされる構成とする。このようにすれば、仕切り部に光学部材を支持する機能を併せ持たせることができ、ランプ保持部品の構造の簡素化を図ることができる。
【0020】
(13)前記ランプ把持部は、当該表示装置用照明装置を使用する際の設置状態における鉛直方向上向きに開口している構成とする。このようにすれば、表示装置用照明装置を使用する際の設置状態においてランプをランプ把持部によりしっかりと取付状態に保持することができる。なお、ここでいう「表示装置用照明装置を使用する際の設置状態」とは、ランプが点灯可能になるよう表示装置用照明装置が組み付けられた状態のことをいう。
【0021】
(14)前記ランプ保持部品が前記シャーシに取り付けられる取付板を備えるものにおいて、前記ランプ把持部の開口端部が前記取付板に連結されるとともに、この取付板が前記ランプガイド部をなしている構成とする。このようにすれば、取付板がランプガイド部を兼用しているから、取付板とは別途にランプガイド部を設置した場合と比較すると、ランプ保持部品の構造の簡素化を図ることができる。
【0022】
(15)前記ランプ把持部は、前記シャーシに一体形成されるとともに前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向に開口し、そのシャーシの壁面が前記ランプガイド部をなしている構成とする。このようにすれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0023】
次に、上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、上記記載の表示装置用照明装置と、前記表示装置用照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルと、を備えることを特徴とする。このような表示装置によると、表示装置用照明装置の組み付け作業性に優れるので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0024】
前記表示パネルとしては液晶パネルを例示することができる。このような表示装置は液晶表示装置として、種々の用途、例えばテレビやパソコンのデスクトップ画面等に適用でき、特に大型画面用として好適である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ランプの取付作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。この実施形態1では、表示装置として液晶表示装置Dについて例示する。なお、以下では、冷陰極管15の取付作業時における鉛直方向及び水平方向については図3〜図5を基準とする。
【0027】
液晶表示装置Dは、全体として横長の方形(矩形)をなし、図3に示すように、画像を表示可能な表示パネルである液晶パネル11の裏側(図3〜図5に示す下側、背面側)に、液晶パネル11に向けて光を照射可能な外部光源(照明装置)であるバックライト10を配置してなり、両者10,11が液晶パネルの表側から被せたベゼル12によって組み付け状態に保持される。この液晶表示装置Dは、テレビ受信装置TVに適用することができる。テレビ受信装置TVは、図1に示すように、液晶表示装置Dと、液晶表示装置Dを挟むようにして収容する表裏両キャビネットCa,Cbと、電源Pと、チューナーTと、スタンドSとを備えて構成される。
【0028】
液晶パネル11は、図3に示すように、透明なTFT基板と透明なCF基板との隙間に、電圧印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶を封入した周知構造のものであり、TFT基板には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)が設けられ、CF基板には、赤(R),緑(G),青(B)の3色のカラーフィルタがマトリックス状に配置されている。また、両基板の液晶側とは反対側の面には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。
【0029】
バックライト10は、光の出射側である表側(図3〜図5に示す上側、液晶パネル11側、正面側)の面が開口したシャーシ13と、シャーシ13内に敷設される反射シート14と、シャーシ13内に収容される複数本の冷陰極管15(管状をなすランプ)と、冷陰極管15群と液晶パネル11との間に配される光学部材16と、光学部材16を位置決め可能な位置決め部材(後述するランプホルダ17、ホルダ18、及びフレーム19)と、冷陰極管15を保持可能な複数のランプクリップ20(ランプ保持部品)とを備える。このバックライト10は、液晶パネル11の背面側に複数本の冷陰極管15が並列した状態で対向する、いわゆる直下型となっている。
【0030】
シャーシ13は、金属製とされ、図2に示すように、表側の面が開口した平面視矩形の浅い略箱型に形成されている。このシャーシ13に対して冷陰極管15などの各部品を取り付ける作業や取り外す作業(着脱作業)は、シャーシ13の底板13aをほぼ水平な姿勢として行われ、各部品は、シャーシ13の表側の面に形成された開口部分を通して概ね鉛直方向に沿って出し入れされる。
【0031】
反射シート14は、合成樹脂製とされ、表面が反射性に優れた白色などの白色系の色とされており、図3に示すように、シャーシ13の内面に沿ってそのほぼ全域を覆いつつ敷かれて一体化され、シャーシ13の壁面を構成している。この反射シート14により、各冷陰極管15から発せられる光をシャーシ13の開口部分側へと導くことができる。
【0032】
冷陰極管15は、図2〜図4に示すように、シャーシ13の底板13aや光学部材16の面方向に沿って一方向に延びる細長い線状光源の一種であり、その軸方向をシャーシ13の長辺方向と一致させた姿勢でシャーシ13内に取り付けられている。冷陰極管15は、複数本が互いの軸を略平行にし、且つ互いの間に所定の間隔を空けた状態で並べられている。隣り合う冷陰極管15間の間隔(ピッチ、距離)は、ほぼ等しくなっている。
【0033】
冷陰極管15は、断面円形状で細長いガラス管内に水銀などが封入されるとともにその内壁面に蛍光体が塗布され、且つ両端部に電極が封入された構成とされる。冷陰極管15は、その管径が数mm程度であるのに対し、管長が数十cm〜1.5m程度で、全体として非常に細長くなっており、そのガラス管は弾性変形可能とされる。冷陰極管15の両端の非発光部には、シャーシ13に取り付けられるゴムホルダ21がそれぞれ嵌着されている。このゴムホルダ21は、シャーシ13の底板13aや反射シート14に形成された孔部に嵌入可能とされ、そこから引き出されたリード線の一端がシャーシ13の裏側のインバータ基板(図示せず)へと接続可能とされる。なお、リード線の他端側は、冷陰極管15の電極の端子に対して半田付けされている。
【0034】
光学部材16は、図3及び図4に示すように、シャーシ13や液晶パネル11と同様に平面視矩形状をなし、透光性を有する合成樹脂製とされるとともに、シャーシ13の開口部分に取り付けられることで、裏側の冷陰極管15群と表側の液晶パネル11との間に介在する。光学部材16は、裏側から順に積層された拡散板16A、拡散シート16B、レンズシート16C、及び輝度上昇シート16Dにより構成されており、線状光源である各冷陰極管15から発せられる光を均一な面状の光に変換するなどの機能を有する。このうち、最も裏側に配される拡散板16Aは、他の各シート16B〜16Dよりも厚さ寸法が十分に大きく、比較的高い剛性が得られている。
【0035】
位置決め部材は、光学部材16の外周端部を裏側で受ける枠形の受け部材を構成するランプホルダ17及びホルダ18と、光学部材16の外周端部を表側から押さえる枠形の押さえ部材を構成するフレーム19とからなる。
【0036】
ランプホルダ17は、表面が白色などの白色系の色の合成樹脂製とされ、図2及び図3に示すように、シャーシ13の長辺方向の両端位置に一対取り付けられるとともに、シャーシ13の短辺方向に沿って延びる形態とされている。ランプホルダ17は、裏面側が開口した略箱型をなしており、各冷陰極管15に装着された各ゴムホルダ21を表側から一括して覆うことができるようになっている。ランプホルダ17の表側の面における内周端部には、光学部材16を受けることが可能な受け部22が段付き状に凹んで形成されている。
【0037】
ホルダ18は、表面が白色などの白色系の色の合成樹脂製とされ、図2及び図4に示すように、シャーシ13の短辺方向の両端位置に一対取り付けられるとともに、シャーシ13の長辺方向に沿って延びる形態とされている。ホルダ18の表側の面における内周端部には、ランプホルダ17と同様に光学部材16用の受け部23が段付き状に凹んで形成されている。
【0038】
フレーム19は、金属製で枠形に形成されるとともに、図3及び図4に示すように、光学部材16の外周端部を表側からほぼ全周にわたって押さえることができるようになっている。フレーム19は、その内周端部に光学部材16の板面に対向する押さえ面を有している。押さえ面は、組み付け状態において、最も表側の輝度上昇シート16Dの表側の板面に対して僅かにクリアランスを空けた位置に配されるようになっており、これにより光学部材16が熱膨張したり熱収縮するのが許容される。
【0039】
ランプクリップ20は、図2に示すように、シャーシ13の底板13aにおいて複数分散して設置され、その配置はジグザグ状(互い違い、千鳥状)とされている。ランプクリップ20は、図5に示すように、シャーシ13に取り付けられる取付板24と、取付板24から裏側へ突出する一対の係止部25と、取付板24から表側(光学部材16側)へ立ち上がる立ち上げ部26と、立ち上げ部26に連結されて冷陰極管15を把持可能な一対のランプ把持部27とから構成される。このランプクリップ20は、合成樹脂製で、全体の表面が光の反射性に優れた白色などの白色系の色とされている。
【0040】
取付板24は、シャーシ13の底板13aの短辺方向(冷陰極管15の軸線方向と直交する方向)に沿って延びる細長い板状をなしている。取付板24は、シャーシ13の壁面をなす反射シート14に宛われた状態で取り付けられる。
【0041】
係止部25は、取付板24の裏側の面に一対並んで設置されている。係止部25は、取付板24が取り付けられるのに伴い、シャーシ13及び反射シート14に設けられた取付孔Hに通され、その裏側の孔縁に対して弾性的に係止可能とされる。これにより、支持部品20がシャーシ13に対して取付状態に保持されるようになっている。
【0042】
立ち上げ部26は、取付板24における長さ方向略中央から表側へ突出するピン状をなしている。立ち上げ部26は、水平方向に沿った断面形状が円形で、先端側に行くに連れて径寸法が減少する先細り状に形成されており、全体として略円錐体状に形成されている。この立ち上げ部26は、次述するランプ把持部27よりも表側へ突出する高さ寸法を有しており、その先端部によって光学部材16の拡散板16Aを裏側から支持できるようになっている(図3及び図4参照)。この立ち上げ部26の先端部は、丸められている。
【0043】
ランプ把持部27は、立ち上げ部26に対して一対連結されている。詳しくは、ランプ把持部27は、立ち上げ部26における長さ方向の途中位置(根元と先端との間の位置)に対してそれぞれ連結部28を介して連結されている。これにより、ランプ把持部27は、取付板24から所定高さ持ち上げられた位置に支持される。両連結部28は、立ち上げ部26の外周面のうち互いに反対側を向いた位置、つまり略180度の角度間隔を空けた位置にそれぞれ連結されている。これにより、両連結部28及び両ランプ把持部27が立ち上げ部26から互いに反対側へ向けて突出し、一直線上に配される(図2参照)。連結部28は、取付板24とほぼ平行をなすとともに、ランプ把持部27を立ち上げ部26から取付板24の長さ方向について所定距離離間した位置に支持している。従って、このランプクリップ20は、立ち上げ部26を挟んだ2位置でそれぞれ冷陰極管15を保持できるようになっている。
【0044】
ランプ把持部27は、冷陰極管15の周囲を取り囲む有端環状をなしている。詳しくは、ランプ把持部27は、冷陰極管15の外周面に沿った円環体の一部に、冷陰極管15の着脱を許容するための開口部29を形成してなり、その開口部29の開口幅は、冷陰極管15の外径寸法よりも小さく設定されている。ランプ把持部27は、開口部29を通して冷陰極管15が着脱されるのに伴って両開口端部27aを接離(開閉)させつつ弾性変形可能とされる。ランプ把持部27の両開口端部27aには、内向き(開口部29の開口幅を狭める方向)に張り出すとともに正規深さに取り付けられた冷陰極管15に対して係合することで、冷陰極管15を抜け止め可能な抜け止め部30が設けられている。
【0045】
そして、このランプ把持部27は、正面から見て水平方向に沿って横向きに開口する略C字型をなしており、その開口方向は、冷陰極管15をシャーシ13に対して着脱する作業を行う際の鉛直方向と直交(交差)する方向と一致している。従って、ランプ把持部27に対して冷陰極管15を取り付ける際には、シャーシ13の開口部分を通してランプ把持部27の開口部29に冷陰極管15を位置合わせするまでは、概ね鉛直方向に沿って冷陰極管15を移動させ、ランプ把持部27に対して開口部29を通して冷陰極管15を取り付けるまでは水平方向に沿って冷陰極管15を移動させることになる。つまり、冷陰極管15の取付経路は、鉛直方向に沿った経路と水平方向に沿った経路とを組み合わせた略L字型の経路(途中で屈曲した経路)となる。
【0046】
各ランプ把持部27は、立ち上げ部26側とは反対側に向けて開口しており、立ち上げ部26に連結された2つのランプ把持部27は、互いに逆向きに開口している。従って、1つのランプクリップ20に取り付けられる2本の冷陰極管15は、取り付け時には水平方向に沿って互いに接近する向きに移動させられ、取り外し時には互いに離間する向きに移動させられることになる。
【0047】
ランプ把持部27の両開口端部27aのうち、図5に示す下側(取付作業時における鉛直方向下側)の開口端部27aには、冷陰極管15の取付経路を規定するランプガイド部31が一体形成されている。詳しくは、ランプガイド部31は、ランプ把持部27の開口端部27aから水平方向に沿って外向き(立ち上げ部26側とは反対側)に延出しており、その延出方向がランプ把持部27の開口方向と一致している。従って、冷陰極管15をランプ把持部27に取り付ける際には、冷陰極管15をランプガイド部31に宛いつつランプガイド部31に沿って真っ直ぐに押し込むようにすればよい。ランプガイド部31は、ランプ把持部27の開口端部27aとの連結箇所を基端とした片持ち状に形成されている。これにより、ランプガイド部31は、その延出方向である水平方向と交差する方向に弾性変形可能とされる。なお、このランプガイド部31には、既述した抜け止め部30がランプ把持部27の開口端部27a側から跨って形成されている。
【0048】
ランプガイド部31の自由端部(延出端部)には、冷陰極管15の脱落を規制可能な脱落規制部32が設けられている。詳しくは、脱落規制部32は、ランプガイド部31の先端側から鉛直方向斜め上向きに立ち上がる、傾斜状の壁により構成される。この脱落規制部32は、図5の一点鎖線に示すように、ランプガイド部31に載った状態の冷陰極管15に対してランプ把持部27側とは反対側、つまり取付方向手前側から係合可能とされる。これにより、冷陰極管15がランプガイド部31から脱落するのを規制できるようになっている。
【0049】
上記した構成の液晶表示装置Dは、次のようにして製造される。液晶パネル11及びバックライト10をそれぞれ別途に製造し、それらをベゼル12などを用いて互いに組み付けることで、液晶表示装置Dが製造される。続いて、バックライト10の組み付け方法について説明する。
【0050】
まず、シャーシ13を図示しない作業台などに載せて、その底板13aをほぼ水平な姿勢とする。その状態で、シャーシ13内に反射シート14を敷設して一体化させた後、シャーシ13の底板13aに対してランプクリップ20を取り付ける。その後、両端部にゴムホルダ21を装着した状態の冷陰極管15を取り付ける作業を行う。なお、これらの取付作業は、作業者はシャーシ13を鉛直方向上側から見下ろしながら行っている。
【0051】
図5の二点鎖線に示す位置から冷陰極管15を、概ね鉛直方向下向きに移動させる。そして、図5の一点鎖線に示すように、冷陰極管15をランプガイド部31に当接させることで、ランプ把持部27の開口部29に対して冷陰極管15が鉛直方向について位置合わせされる。このとき、冷陰極管15の鉛直方向下側への押し込みが過剰だったときでも、片持ち状のランプガイド部31が撓み変形することで、冷陰極管15に損傷を与えることなく押し込み力を吸収できる。この場合でも、冷陰極管15は常に開口部29に対して位置決め状態に保たれる。冷陰極管15が開口部29と位置合わせされた状態から、取付経路を規定しているランプガイド部31に沿って冷陰極管15を真っ直ぐにランプ把持部27へ向けて押し込むと、冷陰極管15がランプ把持部27を弾性的に拡開変形させつつスムーズに開口部29を通過する。
【0052】
そして、図5の実線に示すように、冷陰極管15が正規深さまで押し込まれると、ランプ把持部27はその内周面のほぼ全域が冷陰極管15の外周面に当接する形状にまで復元するとともに、抜け止め部30が冷陰極管15に対して取付方向手前側から係合してその抜け止めが図られる。この取付状態では、ランプ把持部27によって把持された冷陰極管15は、ランプ把持部27が立ち上げ部26によって持ち上げられた分だけ取付板24から浮いた高さ位置に支持される。1本の冷陰極管15は、その軸線方向について離間した3箇所または4箇所においてそれぞれランプ把持部27によって把持される(図2参照)。なお、冷陰極管15の両端部のゴムホルダ21は、細長い冷陰極管15を撓ませながら、シャーシ13に取り付けられる。
【0053】
ところで、この取付作業を行う際には、ランプ把持部27に対する冷陰極管15の取付深さが不足したり、或いは冷陰極管15をランプガイド部31に載せた状態で押し込み操作を失念する事態が発生する可能性がある。その場合でも、ランプ把持部27は、取付作業時の鉛直方向と直交する水平方向に開口しているから、取付深さが不足した冷陰極管15は、図6の二点鎖線に示すように、正規の取付位置(図6の実線で示す位置)から、取付深さが不足した分だけ水平方向に沿って外側、つまり取付方向手前側に突出して(ずれて)配される。従って、シャーシ13を鉛直方向上側から見下ろして作業を行っている作業者にとって、取り付けが不十分な冷陰極管15を目視により検出し易く、もって取り付けが不十分な冷陰極管15が看過されるのが防がれる。このような冷陰極管15を発見した場合、作業者は冷陰極管15を正規の取付深さまで押し込むようにする。なお、この冷陰極管15の検査作業は、取付作業と同時に行ってもよく、また取付作業後に別途行うようにしてもよい。
【0054】
上記のようにして冷陰極管15を取り付ける作業を行った後、ランプホルダ17及びホルダ18をシャーシ13内に取り付ける。そして、ランプホルダ17及びホルダ18の受け部22,23に光学部材16を、拡散板16A、拡散シート16B、レンズシート16C、輝度上昇シート16Dの順で載せる。それから、フレーム19を取り付けることで光学部材16の位置決めがなされる。以上のようにして、バックライト10の組み付けが完了する。
【0055】
ところで、既述した取付作業において各冷陰極管15がそれぞれ各ランプ把持部27に対して正規に取り付けられたとしても、液晶表示装置D(バックライト10)が搬送される途中や使用時において作用する振動や衝撃の影響により、冷陰極管15が正規の取付状態から取付方向手前側、すなわち脱落方向へ変位する事態が生じる可能性がある。万が一、そのような事態が発生したとしても、変位した冷陰極管15は、ランプガイド部31に載った状態(図5の一点鎖線に示す状態)とされ、その外側からは脱落規制部32が係合する。これにより、ランプガイド部31に載った状態から冷陰極管15が脱落するような事態が防止される。しかも、この状態では、冷陰極管15の高さ位置は、正規の取付状態とほぼ同一であり、冷陰極管15と光学部材16や液晶パネル11との間の距離が変化しないので(ほぼ同一なので)、液晶表示装置Dに表示不良が生じる事態を回避することができる。
【0056】
以上説明したように本実施形態によれば、ランプ把持部27に対して冷陰極管15を取り付ける際の取付経路を規定するランプガイド部31が備えられているから、ランプガイド部31に沿って冷陰極管15を移動させることで、取付作業をスムーズに行うことができ、もって冷陰極管15の取付作業性を向上させることができる。
【0057】
また、ランプガイド部31は、シャーシ13に取り付けられる、ランプ把持部27を有するランプクリップ20に一体形成されているから、仮にランプクリップ20とは別の部品にランプガイド部を設置した場合、その部品とランプクリップ20との間に組み付け誤差が生じ得るのに比べ、そのような組み付け誤差の発生を回避できて、円滑な取付作業を期することができる。
【0058】
また、ランプガイド部31は、ランプ把持部27の開口端部27aに形成され、その開口方向に沿って延出する形態とされているから、冷陰極管15をランプガイド部31に沿って真っ直ぐに押し込むことで、冷陰極管15をランプ把持部27に取り付けることができ、取付作業をよりスムーズなものとすることができる。
【0059】
また、ランプ把持部27は、冷陰極管15の取付作業時における鉛直方向と交差する方向に開口しているから、冷陰極管15をランプ把持部27に取り付ける際に、その取付深さが不足した場合、その不足した分だけ冷陰極管15が正規の取付位置から取付作業時における鉛直方向と交差する方向に突出することになる。これにより、目視により冷陰極管15の取付深さが不足したのを容易に検出することができ、取付作業性を向上させることができる。しかも、ランプ把持部27を上記鉛直方向と直交する方向に開口させるようにしているから、冷陰極管15の取付深さが不足したのを一層容易に検出することができる。
【0060】
また、ランプクリップ20には、ランプガイド部31に載った状態の冷陰極管15に対して取付方向手前側から係合する脱落規制部32が設けられているから、万が一、ランプ把持部27に対して正規に取り付けられた冷陰極管15が振動などの影響によって外れ、ランプガイド部31に載った状態となっても、その冷陰極管15に対して取付方向手前側から脱落規制部32が係合することで、その冷陰極管15の脱落を防ぐことができる。
【0061】
また、ランプクリップ20は、シャーシ13に取り付けられる取付板24と、この取付板24から立ち上がる立ち上げ部26とを備え、この立ち上げ部26にランプ把持部27が連結されているから、冷陰極管15をシャーシ13から浮いた位置にて保持することができ、冷陰極管15の点灯時にシャーシ13に流れる漏れ電流を軽減することができる。
【0062】
また、立ち上げ部26には、ランプ把持部27が一対連結されているから、立ち上げ部26を共用化することができ、ランプクリップ20の構造を簡素化することができる。
【0063】
また、1つの立ち上げ部26に対して一対のランプ把持部27が背中合わせに連結されるものにおいて、両ランプ把持部27が立ち上げ部26側とは反対側に開口しており、ランプガイド部31が両ランプ把持部27の開口端部27aから立ち上げ部26側とは反対側へ突出する片持ち状にそれぞれ形成されているから、取り付けに際して冷陰極管15をランプガイド部31に宛ったとき、ランプガイド部31が片持ち状で撓み易くなっており、鉛直方向について冷陰極管15を押し込む力を吸収することができ、取付作業性の向上に寄与できる。
【0064】
また、立ち上げ部26は、ランプ把持部27よりも鉛直方向上向きに突出して光学部材16を支持可能とされ、光学部材16を支持する機能を併せ持っているから、ランプクリップ20の構造の簡素化を図ることができる。
【0065】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図7によって説明する。この実施形態2では、ランプクリップの形状を変更したものを示す。なお、この実施形態2では、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0066】
このランプクリップ33では、図7に示すように、取付板34の表側の面から立ち上がる立ち上げ部35に対して一対のランプ把持部36が、それぞれランプガイド部37を介して連結されている。詳しくは、ランプ把持部36は、水平方向(取付作業時における鉛直方向と直交する方向)に沿って内向き、つまり立ち上げ部35側に開口しており、その開口方向が上記した実施形態1とは逆向きとなっている。従って、両ランプ把持部36は、もう片方のランプ把持部36側に向けて開口していることになる。
【0067】
ランプガイド部37は、ランプ把持部36における鉛直方向下側の開口端部36aから開口方向である水平方向に沿って内向きに延出しており、その延出端部が立ち上げ部35に連結されている。従って、このランプクリップ33に取り付けられる2本の冷陰極管15は、取り付け時には水平方向に沿って互いに離間する向きに移動させられ、取り外し時には互いに接近する向きに移動させられることになる。つまり、ランプガイド部37における冷陰極管15の水平方向についての移動方向は、上記した実施形態1とは逆向きになっている。なお、両ランプ把持部36及び両ランプガイド部37は、立ち上げ部35に対して略180度の角度間隔を空けた位置に連結され、ほぼ一直線上に並ぶ配置とされる。
【0068】
立ち上げ部35は、両ランプガイド部37よりもさらに鉛直方向上向きに突出しており、この突出部分が両ランプ把持部36に対する両冷陰極管15の取付経路同士を仕切る仕切り部38となっている。仕切り部38は、両ランプ把持部36の間に位置していて、一方のランプ把持部36における冷陰極管15の取付経路から、他方のランプ把持部36における冷陰極管15の取付経路を独立させており、これにより、それぞれに取り付けられる両冷陰極管15が互いに干渉するのが避けられるようになっている。この仕切り部38は、ランプ把持部36よりもさらに鉛直方向上向きに突出するとともに、その先端部によって光学部材16(図示せず)を裏側から支持できるようになっている。
【0069】
仕切り部38の外周面には、各ランプガイド部37に載った状態の冷陰極管15に対して、取付方向手前側から係合する脱落規制部39が一対設けられている。脱落規制部39は、仕切り部38の外周面から冷陰極管15の取付経路を狭めつつランプ把持部36側へ突出する突起状に形成されている。脱落規制部39は、仕切り部38において、ランプ把持部36における鉛直方向上側の開口端部36aに設けられた抜け止め部40とほぼ同じ高さ位置に設置されている。脱落規制部39は、ランプガイド部37に載った状態の冷陰極管15に対して鉛直方向上側から係合できるようになっており、これにより冷陰極管15が同方向へ変位して脱落するのを防止することができる。
【0070】
ランプクリップ33に冷陰極管15を取り付ける際には、図7の二点鎖線に示す位置から冷陰極管15を鉛直方向下向きに移動させ、ランプ把持部36のうち鉛直方向上側の開口端部36aと仕切り部38との間に冷陰極管15を通し、図7の一点鎖線に示すように、冷陰極管15をランプガイド部37に当接させる。この状態から、冷陰極管15をランプガイド部37に沿って水平方向外向き(立ち上げ部35側とは反対側)に移動させ、ランプ把持部36を弾性的に拡開変形させつつその開口部41に通す。そして、冷陰極管15が正規の取付深さに達したところで、ランプ把持部36はその内周面のほぼ全域が冷陰極管15の外周面に当接するまで復元する。もって、冷陰極管15がランプ把持部36によって取付状態に保持される。この取付作業時に、取付深さが不足した冷陰極管15があった場合には、その冷陰極管15は正規の取付位置から取付深さが不足した分だけ水平方向に突出するので(図7の一点鎖線で示す冷陰極管15を参照)、鉛直方向上側から見下ろして作業を行っている作業者にとっては、目視により容易に検出することができる。
【0071】
以上説明したように本実施形態によれば、1つの立ち上げ部35に対して一対のランプ把持部36が背中合わせに連結されるものにおいて、両ランプ把持部36が立ち上げ部35側に開口しており、ランプガイド部37が両ランプ把持部36の開口端部36aと立ち上げ部35とを連結してそれぞれ形成されているから、立ち上げ部35に対して両ランプ把持部36を連結する部位をランプガイド部37によって兼用しており、実施形態1のように別途に連結部を設けた場合と比較すると、ランプクリップ33の小型化を図ることが可能となる。
【0072】
また、立ち上げ部35には、両ランプ把持部36間に位置し、互いの取付経路を仕切る仕切り部38が設けられているから、一方の冷陰極管15を取り付ける際に、その冷陰極管15が既に取り付けられた他方の冷陰極管15と干渉するのを回避することができる。
【0073】
また、仕切り部35は、ランプ把持部36よりも鉛直方向上向きに突出して光学部材16を支持可能とされ、光学部材16を支持する機能を併せ持っているから、ランプクリップ33の構造の簡素化を図ることができる。
【0074】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図8によって説明する。この実施形態3では、ランプクリップの形状をさらに変更したものを示す。なお、この実施形態3では、上記した実施形態1,2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。また、図8に示す右側が、液晶表示装置(バックライト)を使用する際の設置状態における鉛直方向上側とされる。
【0075】
このランプクリップ42では、図8に示すように、取付板43から一対の立ち上げ部44が表側へ立ち上がるとともに、各立ち上げ部44に対してそれぞれランプ把持部45が連結されている。詳しくは、立ち上げ部44は、取付板43においてその長さ方向について所定の間隔を空けた位置にそれぞれ設置されている。この立ち上げ部44の先端面に対してランプ把持部45における鉛直方向下側の開口端部45aが連結されている。
【0076】
両ランプ把持部45は、水平方向(取付作業時における鉛直方向と直交する方向)に沿って共に同じ方向(図8に示す右向き)に開口している。このランプ把持部45の開口方向は、液晶表示装置D(バックライト10)を使用する際の設置状態における鉛直方向上側と一致している。各ランプ把持部45のうち鉛直方向下側の開口端部45aからは、その開口方向である水平方向に沿ってランプガイド部46が延出して形成されている。ランプガイド部46は、ランプ把持部45の開口端部45aを基端とした片持ち状に形成されている。
【0077】
ランプクリップ42に冷陰極管15を取り付ける際には、図8の二点鎖線に示す位置から冷陰極管15を鉛直方向下向きに移動させ、図8の一点鎖線に示すように、冷陰極管15をランプガイド部46に当接させる。この状態から、冷陰極管15をランプガイド部46に沿って図8に示す左向きに移動させ、ランプ把持部45を弾性的に拡開変形させつつその開口部47に通す。そして、冷陰極管15が正規の取付深さに達したところで、ランプ把持部45はその内周面のほぼ全域が冷陰極管15の外周面に当接するまで復元する。もって、冷陰極管15がランプ把持部45によって取付状態に保持される。各冷陰極管15の取付経路は、全て同じになるので、取付作業性が良好なものとなる。このランプクリップ42においても、上記実施形態1,2と同様に、取付深さが不足した冷陰極管15を容易に目視により検出することができる。
【0078】
以上説明したように本実施形態によれば、各ランプ把持部45が、液晶表示装置D(バックライト10)を使用する際の設置状態における鉛直方向上向きに開口しているから、その設置状態において振動や衝撃が作用しても、冷陰極管15がランプ把持部45から脱落し難く、冷陰極管15をしっかりと取付状態に保持することができる。
【0079】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図9によって説明する。この実施形態4では、ランプクリップから立ち上げ部を省略したものを示す。なおこの実施形態4では、上記した実施形態1〜3と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0080】
このランプクリップ48では、図9に示すように、取付板49に対して一対のランプ把持部50が直接連結されている。詳しくは、ランプ把持部50は、冷陰極管15の外周面に沿った円弧状をなすとともに、その内周面が取付板49の表側の面と対向するよう、取付板49から立ち上げられている。ランプ把持部50の先端部と取付板49との間に開口部51が形成されており、ここを通して取り付けられる冷陰極管15は、ランプ把持部50と取付板49との間に挟まれた状態で保持されるようになっている。つまり、取付板49がランプ把持部50の一部を構成していることになる。ランプ把持部50の先端部(開口端部)には、取り付けられた冷陰極管15に対して外側から係合する抜け止め部52が設けられている。取付板49のうち、上記抜け止め部52と対向する位置にも同様の抜け止め部52が張り出して設けられている。
【0081】
そして、取付板49のうち、抜け止め部52よりも取付方向手前側(図9の右側)の部分が、冷陰極管15の取付経路を規定するランプガイド部53を構成している。ランプガイド部53は、ランプ把持部50の開口部51の開口方向である水平方向に沿って延出する形態とされる。このランプガイド部53に沿って真っ直ぐに冷陰極管15を押し込むことで、ランプ把持部50への取付作業を容易に行うことができる。
【0082】
以上説明したように本実施形態によれば、ランプ把持部50の開口端部が取付板49に連結されるとともに、この取付板49がランプガイド部53を兼用しているから、仮に取付板とは別途にランプガイド部を設置した場合と比較すると、ランプクリップ48の構造の簡素化を図ることができる。
【0083】
<実施形態5>
本発明の実施形態5を図10によって説明する。この実施形態5では、反射シート及びランプクリップを省略したものを示す。なおこの実施形態5では、上記した実施形態1〜4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0084】
このバックライト10においては、図10に示すように、ランプクリップを省略するとともに、ランプ把持部54をシャーシ55の底板55aに一体形成している。ランプ把持部54は、冷陰極管15の外周面に沿った円弧状をなすとともに、シャーシ55の底板55aから立ち上げられ、その内周面がシャーシ55(底板55a)の壁面と対向している。ランプ把持部54の先端部とシャーシ55との間に開口部56が形成されており、ここを通して取り付けられる冷陰極管15は、ランプ把持部54とシャーシ55との間に挟まれた状態で保持されるようになっている。つまり、シャーシ55がランプ把持部54の一部を構成していることになる。
【0085】
そして、シャーシ55のうち、ランプ把持部54よりも取付方向手前側(図10の右側)の部分が、冷陰極管15の取付経路を規定するランプガイド部57を構成している。ランプガイド部57は、ランプ把持部54の開口部56の開口方向である水平方向に沿って延出する形態とされる。このランプガイド部57に沿って真っ直ぐに冷陰極管15を押し込むことで、ランプ把持部54への取付作業を容易に行うことができる。なお、シャーシ55の壁面及びランプ把持部54の外周面は、光の反射性に優れた白色などの白色系の色に着色されている。また、シャーシ55の材料は、金属材料の他に合成樹脂材料であっても構わない。
【0086】
以上説明したように本実施形態によれば、ランプ把持部54がシャーシ55に一体形成され、そのシャーシ55の壁面がランプガイド部57を兼用しているから、実施形態1〜4と比較すると、構造の簡素化を図ることができる。
【0087】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0088】
(1)上記した各実施形態では、ランプガイド部がランプ把持部の開口部の開口方向に沿って延出する場合を示したが、ランプガイド部が開口部の開口方向に対して斜め方向または直交する方向に延出する形態であっても構わない。
【0089】
(2)上記した各実施形態では、ランプ把持部が鉛直方向と直交する水平方向に開口する場合を示したが、鉛直方向斜め上向きや鉛直方向斜め下向きなど、鉛直方向に対して傾斜した向きに開口する形態のランプ把持部としたものも本発明に含まれる。その場合、そのランプ把持部の開口方向(鉛直方向に対して傾斜した方向)に沿ってランプガイド部を延出させるようにしてもよい。
【0090】
(3)上記(2)以外にも、ランプ把持部を鉛直方向上向きに開口させたものも本発明に含まれる。
【0091】
(4)上記した各実施形態では、ランプ把持部の開口端部にランプガイド部を設けた場合を示したが、ランプクリップにおけるそれ以外の箇所に設置するようにしてもよい。
【0092】
(5)上記した実施形態1〜4では、ランプクリップにランプガイド部を一体形成した場合を示したが、シャーシに対して取り付けられる、ランプクリップとは別の部品にランプガイド部を設けるようにしてもよい。
【0093】
(6)上記した実施形態1,2では、立ち上げ部(仕切り部)に光学部材を支持する機能を併せ持たせた場合を示したが、立ち上げ部(仕切り部)の高さ位置をランプ把持部と同じ程度とし、光学部材支持機能を省略してもよい。
【0094】
(7)上記した実施形態2では、立ち上げ部が両冷陰極管の取付経路を仕切る仕切り部として機能する場合を示したが、立ち上げ部の高さ位置をランプガイド部と同じ程度とし、取付経路の仕切り機能を省略してもよい。
【0095】
(8)上記した実施形態3,4のように、各ランプ把持部毎に立ち上げ部を独立させるものにおいては、ランプクリップにおける立ち上げ部及びランプ把持部の設置数を任意(1つまたは3つ以上)に変更することができる。
【0096】
(9)上記した実施形態3において、ランプガイド部の延出端部に、実施形態1に記載したような脱落規制部を設置してもよい。
【0097】
(10)上記した実施形態4において、取付板に脱落規制部を設置することも可能である。
【0098】
(11)上記した実施形態1〜4では、ランプクリップが取付板を備える場合を示したが、立ち上げ部またはランプ把持部に直接係止部を設置することで、取付板を省略してもよい。
【0099】
(12)上記した実施形態1〜4において、反射シートを省略し、シャーシの壁面を反射性に優れた白色など白色系の色に着色してもよい。
【0100】
(13)上記した各実施形態では、冷陰極管の端部に設置した電極の端子に対してリード線を半田付けするものを示したが、冷陰極管の端部に電極に接続された口金を設置し、その口金をシャーシ側に設置したコネクタに嵌合接続するようにし、コネクタからインバータ基板に接続を取るようにしてもよい。
【0101】
(14)上記した各実施形態では、ランプクリップや反射シート(シャーシ)の表面の色が白色とされた場合を例示したが、必ずしも白色に限らず、例えば乳白色などの他の白色系の色に変更することも可能である。また、白色系以外の色としても構わない。
【0102】
(15)上記した各実施形態では、ランプとして冷陰極管を例示した場合を例示したが、熱陰極管や蛍光管など他の種類の管状をなすランプについても本発明は適用可能である。
【0103】
(16)上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを用いた液晶表示装置を例示したが、他の種類の表示パネルを用いた表示装置にも本発明は適用可能である。
【0104】
(17)上記した各実施形態では、チューナを備えたテレビ受信装置を例示したが、チューナを備えない表示装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施形態1に係るテレビ受信装置の概略を表す分解図
【図2】バックライトの平面図
【図3】図2のA−A線断面図
【図4】図2のB−B線断面図
【図5】冷陰極管の取付動作を表す拡大正面図
【図6】取付状況に応じた冷陰極管の位置を表す拡大平面図
【図7】本発明の実施形態2に係るランプクリップの拡大正面図
【図8】本発明の実施形態3に係るランプクリップの拡大正面図
【図9】本発明の実施形態4に係るランプクリップの拡大正面図
【図10】本発明の実施形態5に係るシャーシの拡大断面図
【符号の説明】
【0106】
10…バックライト(表示装置用照明装置)
11…液晶パネル(表示パネル)
13,55…シャーシ
15…冷陰極管(ランプ)
16…光学部材
20,33,42,48…ランプクリップ(ランプ保持部品)
24,34,43,49…取付板
26,35,44…立ち上げ部
27,36,45,50,54…ランプ把持部
27a,36a,48a…開口端部
31,37,46,53,57…ランプガイド部
32,39…脱落規制部
38…仕切り部
D…液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状をなすランプと、このランプが複数本並列した状態で収容されるシャーシと、前記ランプの周面を取り囲む有端環状をなし前記ランプを把持可能なランプ把持部と、前記ランプ把持部に対して前記ランプを取り付ける際の取付経路を規定するランプガイド部とが備えられている表示装置用照明装置。
【請求項2】
前記シャーシには、前記ランプ把持部を有するランプ保持部品が取り付けられるようになっており、このランプ保持部品に前記ランプガイド部が一体形成されている請求項1記載の表示装置用照明装置。
【請求項3】
前記ランプガイド部は、前記ランプ把持部の開口端部に形成され、その開口方向に沿って延出する形態とされている請求項2記載の表示装置用照明装置。
【請求項4】
前記ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向に開口している請求項2または請求項3記載の表示装置用照明装置。
【請求項5】
前記ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と直交する方向に開口している請求項4記載の表示装置用照明装置。
【請求項6】
前記ランプガイド部が、前記ランプ把持部の開口端部からその開口方向に沿って延出する形態とされているものにおいて、
前記ランプ保持部品には、前記ランプガイド部に載った状態の前記ランプに対して取付方向手前側から係合する脱落規制部が設けられている請求項4または請求項5記載の表示装置用照明装置。
【請求項7】
前記ランプ保持部品は、前記シャーシに取り付けられる取付板と、この取付板から立ち上がる立ち上げ部とを備え、この立ち上げ部に前記ランプ把持部が連結されている請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置用照明装置。
【請求項8】
前記立ち上げ部には、前記ランプ把持部が一対連結されている請求項7記載の表示装置用照明装置。
【請求項9】
前記両ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向であって前記立ち上げ部側とは反対側に開口しており、前記ランプガイド部は、前記両ランプ把持部の開口端部から前記立ち上げ部側とは反対側へ突出する片持ち状にそれぞれ形成されている請求項8記載の表示装置用照明装置。
【請求項10】
前記ランプに対して前記取付板側とは反対側に離間した位置には、透光性を有する光学部材が配されるものにおいて、
前記立ち上げ部は、前記ランプ把持部よりも前記鉛直方向上向きに突出して前記光学部材を支持可能とされている請求項9記載の表示装置用照明装置。
【請求項11】
前記両ランプ把持部は、前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向であって前記立ち上げ部側に開口しており、前記ランプガイド部は、前記両ランプ把持部の開口端部と前記立ち上げ部とを連結してそれぞれ形成されている請求項8記載の表示装置用照明装置。
【請求項12】
前記立ち上げ部には、前記両ランプ把持部間に位置し、互いの前記取付経路を仕切る仕切り部が設けられている請求項11記載の表示装置用照明装置。
【請求項13】
前記ランプに対して前記取付板側とは反対側に離間した位置には、透光性を有する光学部材が配されるものにおいて、
前記仕切り部は、前記ランプ把持部よりも前記鉛直方向上向きに突出して前記光学部材を支持可能とされている請求項12記載の表示装置用照明装置。
【請求項14】
前記ランプ把持部は、当該表示装置用照明装置を使用する際の設置状態における鉛直方向上向きに開口している請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置用照明装置。
【請求項15】
前記ランプ保持部品が前記シャーシに取り付けられる取付板を備えるものにおいて、
前記ランプ把持部の開口端部が前記取付板に連結されるとともに、この取付板が前記ランプガイド部をなしている請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置用照明装置。
【請求項16】
前記ランプ把持部は、前記シャーシに一体形成されるとともに前記ランプの取付作業時における鉛直方向と交差する方向に開口し、そのシャーシの壁面が前記ランプガイド部をなしている請求項1記載の表示装置用照明装置。
【請求項17】
請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の表示装置用照明装置と、この表示装置用照明装置の表側に配される表示パネルとからなる表示装置。
【請求項18】
前記表示パネルは、一対の基板間に液晶を封入してなる液晶パネルとされる請求項17記載の表示装置。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載された表示装置を備えるテレビ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−293710(P2008−293710A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135872(P2007−135872)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】