説明

表示装置

【課題】画像を頻繁に書き換えても焼き付きをおこすことなく高画質な画像を表示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】電気化学表示素子に書き換え電圧を印加した累積回数を記憶する書き換え回数記憶手段と、電気化学表示素子に書き換え電圧を印加した回数を計数して書き換え回数記憶手段に記憶されている累積回数を更新する書き換え回数計数手段と、累積回数に基づいて、電気化学表示素子が次に表示する表示濃度の値を生成する画像データ生成手段と、画像データに基づいて書き換え電圧を電気化学表示素子に印加するように制御する電圧印加制御手段と、を有することを特徴とする表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
【0003】
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられている。しかしながら、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難い。一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
【0004】
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが用いられるが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
【0005】
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は駆動電圧が高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。
【0006】
これらの欠点を解消する表示方式として、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション方式(以下、ED方式と略す)が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
ED方式の表示素子(以下電気化学表示素子と略す)は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、また、優れた表示品位(明るいペーパーライクな白と引き締まった黒)といった特長を持っている。
【0008】
また、このような電気化学表示素子をマトリックス状に複数配設し、マトリックス駆動を行って画像の書き込みと画像の消去を行う表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
ところで、従来の表示装置では同一の画像を長時間表示すると、別の画像を切り替えて表示しても長時間表示していた画像が薄く残るいわゆる‘焼き付き現象’が発生し問題になっている。そのため、表示素子の特性に応じてさまざまな対策が取られている。
【0010】
例えば、プラズマディスプレイパネルを用いた表示装置では、画面の表示位置をわずかずつずらし、同一個所を長時間点灯しないようにして焼き付きを防止する方法が提案されている(特許文献3参照)。
【0011】
また、有機EL素子を用いた表示装置では、特定の画素のみ累積点灯時間が長くならないように表示パターンの階調を変化させ、画素毎の表示素子の劣化の差が大きくならないようにして焼き付きを防止する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3428603号公報
【特許文献2】特開2002−258327号公報
【特許文献3】特許第3454292号公報
【特許文献4】特開2007−72455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
電気化学表示素子を用いた表示装置でも、いわゆる‘焼き付き’現象が発生する。以下、電気化学表示素子を用いた表示装置で発生する‘焼き付き’現象の発生原理について図7、図8を用いて説明する。
【0014】
図7はED方式の電気化学表示素子1の基本的な構成を示す概略断面図である。
【0015】
図7に示すED方式の電気化学表示素子1は、透明なITO電極32と銀電極30との間に電解質31を保持している。ITO電極32と銀電極30には電源34が接続されている。
【0016】
図7(a)はITO電極32側に黒を表示している状態である。
【0017】
図7(a)のように電源34からITO電極32に、銀電極30の電圧より低い電圧を印加すると図中の矢印方向に電流が流れ、ITO電極32側の電解質31中に含まれる銀の析出反応が生じる。
【0018】
35は析出した銀であり、析出した銀35は光を吸収するので、ITO電極32から見た電気化学表示素子1の濃度が高くなる。36は溶解した銀である。
【0019】
図7(b)はITO電極32に白を表示している状態である。
【0020】
図7(b)のように電源34からITO電極32に、銀電極30の電圧より高い電圧を印加すると、図中の矢印方向に電流が流れ、ITO電極32側の電解質31中に含まれる銀の溶解反応が生じる。析出した銀は溶解し、一定時間電圧を図7(a)と逆方向に印加するとITO電極32から見た電気化学表示素子1の濃度は初期状態の白色になる。
【0021】
電気化学表示素子1に含まれる電解質31は、例えば銀塩水溶液より非水系銀塩溶液に銀を転相させることにより調製できる。このような銀塩水溶液は、公知の銀塩を水に溶解して調製することができる。
【0022】
電気化学表示素子の書き換え応答特性は、画像の書き込み、または画像の消去を行う書き換え電圧を電気化学表示素子に印加した回数が増すと劣化する。図8は、電気化学表示素子に書き込み電圧を印加したときの書き換え応答特性の一例を示すグラフである。
【0023】
図8(a)は、電気化学表示素子の表示濃度Dの時間tに対する変化を示すグラフ、図8(b)は、電気化学表示素子のITO電極32に印加する書き込み電圧Vの時間tに対する変化を示すグラフである。図8(a)の実線d1は、書き換え電圧を印加した累積回数が例えば0回の電気化学表示素子の表示濃度Dであり、点線d2は、書き換え電圧を印加した累積回数が例えば1000回の電気化学表示素子の表示濃度Dである。なお、銀電極30に印加されている電圧は0Vとする。
【0024】
図8(b)のように、時間t=0からITO電極32に書き込み電圧Vを印加すると、実線d1で示す電気化学表示素子の表示濃度Dは短時間で濃度を増し、500ms後には最大表示濃度である100%に達する。一方、点線d2で示す電気化学表示素子の表示濃度Dは実線d1より緩やかに増加し、500ms後の表示濃度は95%である。
【0025】
また、t1ms後の実線d1で示す電気化学表示素子の表示濃度Dはα、点線d2で示す電気化学表示素子の表示濃度Dはβであり、中間の階調を表示する場合はさらにその差が大きい。
【0026】
ところで、電気化学表示素子を画素として用いた表示装置に文書などを表示する場合は、文字を表示している画素の画像は頻繁に消去したり他の画像に書き換えられる一方、文字を表示しない背景部分は消去したり書き換える必要がない。
【0027】
同じ書式の文書の文字は、表示画面のほぼ同じ位置に表示される。そのため、文字等を表示することが多い位置にある画素は、頻繁に書き換えられる。一方、文字等を表示しない位置にある画素は、ほとんど書き換えられないこともある。
【0028】
そのため、電気化学表示素子を用いた表示装置では、頻繁に書き換えられる画素は書き換え電圧を印加した累積回数が多くなるので、点線d2のように応答が遅れてしまう。一方、ほとんど書き換えられない画素は、実線d1で示す初期特性と同等の書き換え応答の特性を示す。すると、表示画面を構成する電気化学表示素子の書き換え応答特性にばらつきが生じ、別の画像を切り替えて表示しても長時間表示していた画像が薄く残る、いわゆる‘焼き付き’現象が発生する。
【0029】
しかしながら、電気化学表示素子を用いた表示装置で発生する‘焼き付き’現象は、電気化学表示素子の書き換え回数の差によって発生するものであり、特許文献1に開示されているように画像の表示位置をずらしても問題を解決することはできない。
【0030】
また、特許文献2に開示されている方法では、特定の画素のみ累積点灯時間が長くならないように表示パターンの階調を変化させているものであり、電気化学表示素子を用いた表示装置に適用しても電気化学表示素子の書き換え回数の差を減少させることはできない。
【0031】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、画像を頻繁に書き換えても焼き付きをおこすことなく高画質な画像を表示することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0033】
1.マトリクス状に配列した複数の電気化学表示素子からなる表示画面を有し、前記電気化学表示素子が表示する画像の濃度を増す書き込み電圧または該濃度を減少させる消去電圧の何れかの書き換え電圧を前記電気化学表示素子に印加して画像を表示させる表示装置であって、
前記電気化学表示素子に前記書き換え電圧を印加した累積回数をそれぞれの前記電気化学表示素子について記憶する書き換え回数記憶手段と、
前記電気化学表示素子に前記書き換え電圧を印加した回数をそれぞれ計数して書き換え回数記憶手段に記憶されている前記累積回数を更新する書き換え回数計数手段と、
前記累積回数に基づいて、前記累積回数の差を縮小する画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段が生成した前記画像データに基づいて前記書き換え電圧を所定のタイミングで前記電気化学表示素子に印加するように制御する電圧印加制御手段と、
を有することを特徴とする表示装置。
【0034】
2.前記画像データ生成手段は、
前記累積回数が同じ値になるように前記画像データを生成することを特徴とする前記1に記載の表示装置。
【0035】
3.前記画像データ生成手段は、
前記累積回数が少ない前記電気化学表示素子には前記書き換え電圧を印加する確率が高く、前記累積回数が多い前記電気化学表示素子には前記書き換え電圧を印加する確率が低く、なるように前記画像データを生成することを特徴とする前記1または2に記載の表示装置。
【0036】
4.ユーザの操作を検知する操作検知手段と、
前記操作検知手段が前記操作を検知してから次に操作を検知するまでの未操作時間を計時する未操作時間計時手段と、
を有し、
前記未操作時間計時手段が計時した前記未操作時間が所定の時間を越えると、前記画像データ生成手段は前記画像データを生成し、前記電圧印加制御手段は前記画像データに基づいて前記書き換え電圧を前記電気化学表示素子に印加するように制御することを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【0037】
5.電源投入時または電源オフ時に、
前記画像データ生成手段は前記画像データを生成し、前記電圧印加制御手段は前記画像データに基づいて前記書き換え電圧を前記電気化学表示素子に印加するように制御することを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の表示装置。
【発明の効果】
【0038】
本発明では、電気化学表示素子に書き換え電圧を印加し表示する画像を書き換えた累積回数を計数し、累積回数に基づいて、電気化学表示素子に書き換え電圧を印加する画像データを生成して書き換え電圧を印加する。
【0039】
したがって、画像を頻繁に書き換えても焼き付きをおこすことなく高画質な画像を表示することができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図3】表示装置100の操作を行っていない間に、電気化学表示素子1の表示を書き換えた累積回数を同じ値にする手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の表示装置で生成する画像データの具体例を説明する。
【図5】表示装置100の電源投入時または電源オフ時に、電気化学表示素子1の表示を書き換えた累積回数を同じ値にする手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の表示装置で生成する画像データの具体例を説明する。
【図7】ED方式の電気化学表示素子1の基本的な構成を示す概略断面図である。
【図8】電気化学表示素子に書き込み電圧を印加したときの書き換え応答特性の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置の一例を示す外観図である。
【0043】
表示装置100は、例えばタブレットPCや電子ブック、PDAであり、図1には図示せぬ記憶部10に記憶されている画像や文字などのデータを表示画面50に表示する。表示画面50には白、黒の階調表示が可能なメモリー性表示素子である図1には図示せぬ電気化学表示素子1が用いられている。
【0044】
図1の例では表示画面50の上層はタッチパネル40になっている。ユーザは、タッチパネル40への入力操作により、手書きモードへの切換を行った後、画面上の位置または領域を指定し、手書き入力を行う。タッチパネル40への入力操作は図1には図示せぬスタイラスペンを用いても良いし、直接指などでタッチパネル40を操作しても良い。
【0045】
操作部42にはメカニカルスイッチからなる順送りボタン43と逆送りボタン44と電源スイッチ45とが設けられている。例えば、ユーザが順送りボタン43を押すと表示画面50に表示されているデータの次のページのデータを記憶部10から読み出して表示する。同様に、ユーザが逆送りボタン44を押すと表示画面50に表示されているデータの前のページのデータを記憶部10から読み出して表示する。電源スイッチ45は、表示装置100の各部への電源供給をオン、オフするスイッチである。
【0046】
図2は本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。図2では説明を簡単にするため3行×3列の画素を有する表示装置の構成を示したが、本発明はこの画素数に限定されるものではなくn行×m列の画素を有する表示装置に適用できる。
【0047】
図2に示す各画素は、電気化学表示素子1、駆動トランジスタ2、スイッチングトランジスタ4から構成される。図4ではn行×m列の画素の電気化学表示素子1をそれぞれPnmと表記している。例えば1行、1列目の画素の電気化学表示素子1はP11、1行、2列目の画素の電気化学表示素子1はP12、というように順に表記している。
【0048】
符号5a、5b、5cは走査線で、行方向に並んだ画素それぞれのスイッチングトランジスタ4のゲートを互いに接続し、ゲートドライバ12に接続されている。符号8a、8b、8cは信号線で列方向に並んだ画素それぞれのスイッチングトランジスタ4のソースを互いに接続し、ソースドライバ14に接続されている。ゲートドライバ12が走査線5a、5b、5cに出力電圧G1、G2、G3を出力することにより、スイッチングトランジスタ4のオン/オフの制御を行い、駆動トランジスタ2に制御電圧を印加する行を選択する。駆動トランジスタ2のドレイン側は各画素の電気化学表示素子1の銀電極30に接続され、ソース側はバスライン6に接続され、基準となるバス電圧Vが印加されている。
【0049】
ソースドライバ14は、信号線8a、8b、8c毎にドライバ回路を有し、電圧印加制御部74と表示コントローラ11の制御に基づいて出力側に接続された信号線8a、8b、8cに出力電圧S1、S2、S3を出力する。ソースドライバ14のドライバ回路はオン、オフの2値ドライバであり、電圧印加制御部74と表示コントローラ11の制御に基づいてソースドライバ14に入力された制御電圧Vまたはオフ電圧である0Vを出力する。
【0050】
制御電圧電源15は、電圧印加制御部74と表示コントローラ11の制御に基づいて制御電圧Vを出力しソースドライバ14に供給する。
【0051】
バスライン7は各画素の電気化学表示素子1のITO電極32と接続され、またその一端はコモン電源13に接続されている。コモン電源13は、表示コントローラ11の出力に応じて複数の電圧に切り替えて出力する。電圧印加制御部74が表示コントローラ11の動作モードを設定すると、表示コントローラ11は、動作モードに応じた所定のタイミングでコモン電源13を制御し、コモン電圧Vの電圧を切り替える。
【0052】
本実施形態では、コモン電源13は書き込み電圧としてコモン電圧Vをバス電圧Vより低い正の電圧Vcbに切り替えて電気化学表示素子1に供給する。また、コモン電源13は消去電圧としてコモン電圧Vをバス電圧Vより高い正の電圧Vcaに切り替えて電気化学表示素子1に供給する。以下、書き込み電圧と消去電圧とを総称し、書き換え電圧と呼ぶ。
【0053】
駆動トランジスタ2がオンになると、電気化学表示素子1の銀電極30にはVが印加され、ITO電極32にはVcaまたはVcbが印加される。したがって、電気化学表示素子1には電極間の差電圧V−Vcaが消去電圧として、またはV−Vcbが書き込み電圧として印加される。なお、VcaはVより低い電圧である。
【0054】
制御電圧Vの出力電圧S1、S2、S3がオン電圧であるVのとき、スイッチングトランジスタ4がオンになると、駆動トランジスタ2のゲートにVが印加され、駆動トランジスタ2はオンになり電気化学表示素子1にはコモン電圧Vが印加される。その後、スイッチングトランジスタ4がオフになってもゲートの図示せぬ浮遊容量により、駆動トランジスタ2はオン状態を保持する。
【0055】
ソースドライバ14の出力電圧がオフ電圧である0Vのとき、スイッチングトランジスタ4がオンになると、駆動トランジスタ2のゲートに0Vが印加され、駆動トランジスタ2はオフになる。
【0056】
記憶部10は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリやRAM(Random Access Memory)などの記録媒体から構成されている。
【0057】
書き換え回数記憶部79は、表示画面50の画素を構成する個々の電気化学表示素子1に書き換え電圧を印加した回数を表示装置100の生産時から累積して記憶する。書き換え回数記憶部79は、書き換え可能な不揮発性のメモリに設けられており、電源が供給されなくても記憶内容を保持している。書き換え回数記憶部79は、本発明の書き換え回数記憶手段である。
【0058】
第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61は、それぞれ表示画面50の画素数に対応する記憶領域を有する1画面分のフレームメモリである。第1フレームメモリ60は、電気化学表示素子1が次に表示画面50に表示する表示濃度の値Xを記憶する。第2フレームメモリ61は、電気化学表示素子1が表示画面50に表示中の表示濃度の値Yを記憶する。図面上では第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61をそれぞれFM1、FM2と表記する。
【0059】
第3フレームメモリ62は、複数ページ分の画像データ(表示濃度の値X)を記憶する容量を有し、操作部42の操作により指定されたページの表示濃度の値Xを第1フレームメモリ60に書き込めるように構成されている。
【0060】
タッチパネル40は表示画面50の上層に設けられている。タッチパネルコントローラ41は、CPU71の指令によりタッチパネル40を駆動し、読みとった入力位置情報を制御部に送信する。
【0061】
タッチパネルコントローラ41は、タッチパネル40の入力域を順次走査し、タッチパネル40に入力があると割り込み信号INT1をCPU71に送信し、入力があった場所の位置情報をCPU71に送信する。
【0062】
操作部42は、メカニカルスイッチから構成される順送りボタン43、逆送りボタン44、電源スイッチ45がONになると割り込み信号INT2をCPU71に送信し、操作されたボタンの情報をCPU71に送信する。
【0063】
B1はアドレスバス、データバスを含むバスラインである。B1には表示コントローラ11、CPU71、記憶部10、第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61、第3フレームメモリ62、タッチパネルコントローラ41などが接続され、接続された各要素はB1を介してデータの交換を行う。
【0064】
CPU71は記憶部10に記憶されているプログラムに基づいて表示装置100全体を制御する。
【0065】
書き換え回数計数部72は、それぞれの電気化学表示素子1に書き換え電圧を印加した回数を計数し、計数した回数を書き換え回数記憶部79に記憶されている累積回数に加算して累積回数を更新する。書き換え回数計数部72は、本発明の書き換え回数計数手段である。
【0066】
画像データ生成部73は、書き換え回数記憶部79に記憶されている累積回数に基づいて、電気化学表示素子1がこれから表示する画像の画像データを生成する。画像データ生成部73は、本発明の画像データ生成手段である。
【0067】
電圧印加制御部74は、表示コントローラ11を制御し、コモン電源13が所定のタイミングでコモン電圧Vを切り替え、それぞれの電気化学表示素子1に書き込み電圧または消去電圧を印加させる。電圧印加制御部74は本発明の電圧印加制御手段である。
【0068】
操作検知部75は、操作部42やタッチパネルコントローラ41の割り込みにより表示装置100を操作したことを検知する。操作検知部75は、本発明の操作検知手段である。
【0069】
未操作時間計時部76は、操作検知部75が操作したことを検知した時点から、次に操作検知部75が操作したことを検知するまでの未操作時間を計時する。未操作時間計時部76は、本発明の未操作時間計時手段である。
【0070】
次に、本発明の第1の実施形態における表示装置100の制御の手順について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0071】
図3は、表示装置100の操作を行っていない間に、電気化学表示素子1の表示を書き換えた累積回数を同じ値にする手順を説明するためのフローチャートである。
【0072】
以下、図3のフローチャートを用いて手順を説明する。なお、図3のフローチャートは、電源スイッチ45がオンになった後、起動されるものとする。
【0073】
S101:t=0にするステップである。
【0074】
未操作時間計時部76は、未操作時間の変数tを0にし、内部クロックにより計時を開始する。
【0075】
S102:操作検知部75が操作を検知するステップである。
【0076】
操作検知部75が表示装置100を操作したことを検知しない場合、(ステップS102;No)、ステップS103に進む。
【0077】
S103:t>tmaxか、否かを判定するステップである。
【0078】
未操作時間計時部76は、計時中のtの値が所定の値tmaxを越えるか、否か、判定する。
【0079】
の値が所定の値tmaxを越えない場合、(ステップS103;No)、ステップS102に戻る。
【0080】
の値が所定の値tmaxを越える場合、(ステップS103;Yes)、ステップS104に進む。
【0081】
S104:Wijを読み出すステップである。
【0082】
画像データ生成部73は、i行j列の電気化学表示素子1に書き換え電圧を印加した累積回数Wijを書き換え回数記憶部79から全て読み出す。
【0083】
S105:画像データを生成するステップである。
【0084】
画像データ生成部73は、累積回数Wijに基づき、それぞれの電気化学表示素子1が次に表示する表示濃度の値Xijを生成する。
【0085】
本実施形態では、説明を簡単にするため各電気化学表示素子1が白または黒の何れかを表示する例を説明する。表示濃度の値Xij、Yijは、電気化学表示素子1が白を表示する場合は0、黒を表示する場合は1とする。
【0086】
画像データ生成部73は、各画素毎に下記(1)式が真か、偽か、を判定する。
【0087】
Rand()≧(Wij−Wmin)/(Wmax−Wmin)・・・・(1)
Rand()は乱数の関数であり、0以上1未満の乱数値を発生する。Wminは各画素の累積回数Wijのなかで最小の値、Wmaxは各画素の累積回数Wijのなかで最大の値である。
【0088】
画像データ生成部73は、表示中の表示濃度の値Yijを第2フレームメモリ61から読み出す。
【0089】
(1)式が真のとき、画像データ生成部73は、Yijの値が1の場合は次に表示する表示濃度の値Xijを0に、Yijの値が0の場合はXijを1にして第1フレームメモリ60に記憶させる。
【0090】
(1)式が偽のとき、画像データ生成部73は、Xij=Yijとして第1フレームメモリ60に記憶させる。
【0091】
S106:画像を表示するステップである。
【0092】
電圧印加制御部74は、第1フレームメモリ60の画像データの描画を表示コントローラ11に指令する。表示コントローラ11は、書き込み電圧を印加するためコモン電源13の出力をVcbに切り替える。電圧印加制御部74は、Xij、Yijを第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61から順次読み出し、Xij>Yijの画素に順次書き込み電圧を印加するよう表示コントローラ11を制御する。
【0093】
次に、表示コントローラ11は、消去電圧を印加するためコモン電源13の出力をVcaに切り替える。電圧印加制御部74は、Xij、Yijを第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61から順次読み出し、Xij<Yijの画素に順次消去電圧を印加するよう表示コントローラ11を制御する。
【0094】
書き換え電圧の印加終了後、電圧印加制御部74は、第2フレームメモリ61の表示濃度の値Yを第1フレームメモリ60の表示濃度の値Xと同じ値にする。
【0095】
S107:Wijを更新するステップである。
【0096】
書き換え回数計数部72は、ステップS106で書き換え電圧を印加した電気化学表示素子1の累積回数Wijをそれぞれ更新して書き換え回数記録部79に記憶させた後、ステップS102に戻る。
【0097】
操作が行われてから所定時間以上経過した後、次にユーザによる操作が行われるまでステップS104〜S107は繰り返し実行され、表示画像はランダムに変化しながら全ての画素の書き換え電圧を印加した累積回数Wが同じ値になるまで書き換えが行われる。
【0098】
操作検知部75が操作を検知した場合、(ステップS102;Yes)、ステップS110に進む。
【0099】
以降のステップでは、順送りボタン43または逆送りボタン44が操作された場合について説明する。
【0100】
S110:全画面を消去するステップである。
【0101】
電圧印加制御部74は、全画面の消去を表示コントローラ11に指令する。表示コントローラ11は、消去電圧を印加するためコモン電源13の出力をVcaに切り替え、順次電気化学表示素子1に消去電圧を印加する。
【0102】
S111:画像データを読み出すステップである。
【0103】
CPU71は、第3フレームメモリ62から画像データを読み出すページを指定し、当該ページの表示濃度の値Xを第1フレームメモリ60に書き込む。
【0104】
例えば、操作者が操作部42の順送りボタン43を押すと、CPU71は第3フレームメモリ62から読み出すページ指定を第1ページから第2ページに更新し、第2ページに記憶されている画像データ(表示濃度の値X)を第1フレームメモリ60に書き込む。
【0105】
S112:画像を表示するステップである。
【0106】
電圧印加制御部74は、第1フレームメモリ60の画像データの描画を表示コントローラ11に指令する。表示コントローラ11は、表示コントローラ11は、書き込み電圧を印加するためコモン電源13の出力をVcbに切り替える。電圧印加制御部74は、Xijを第1フレームメモリ60から順次読み出し、Xij=1の画素に順次書き込み電圧を印加するよう表示コントローラ11を制御する。
【0107】
S113:Wijを更新するステップである。
【0108】
書き換え回数計数部72は、ステップS110、S112で書き換え電圧を印加した電気化学表示素子1の累積回数Wijをそれぞれ更新して書き換え回数記録部79に記憶させた後、ステップS101に戻る。
【0109】
フローチャートの説明は以上である。
【0110】
次に、図4を用いてステップS105で生成する画像データの具体例を説明する。紙面上部に時間軸tを示す。
【0111】
図4(1−a)、(2−a)、(3−a)は3行3列の表示画面50に現在表示している表示濃度の値Yijの一例である。図4(1−b)、(2−b)、(3−b)は3行3列の電気化学表示素子1に印加した書き換え回数の累積回数Wijである。図4(1−c)、(2−c)、(3−c)は各画素がステップS106で書き換えが行われる確率Qijである。
【0112】
操作検知部75が操作を検知した後、tmax以上経過した時点で、各画素が表示している表示濃度の値Yijは図4(1−a)に示す値であり、累積回数Wijは図4(1−b)に示す値であるものとする。前述のように、累積回数Wijに基づきステップS105で各画素毎に式1による判定が行われる。
【0113】
図4(1−b)の例ではWminは1、Wmaxは9である。例えば、1行、1列目の画素の累積回数W11は1であり、(1)式に代入すると下記のようになる。
【0114】
Rand()≧(1−1)/(9−1)=0
右辺は0であり、1>Rand()≧0であるからこの場合は必ず真である。したがって、確率Q11は図4(1−c)に示すように8/8である。
【0115】
1行、2列目の画素は累積回数W12は9であり、(1)式に代入すると下記のようになる。
【0116】
Rand()≧(9−1)/(9−1)=1
右辺は1であり、1>Rand()≧0であるからこの場合は必ず偽である。したがって、確率Q12は図4(1−c)に示すように0/8である。
【0117】
1行、3列目の画素は累積回数W13は2であり、(1)式に代入すると下記のようになる。
【0118】
Rand()≧(2−1)/(9−1)=1/8
右辺は1/8であり、1>Rand()≧0であるからこの場合は7/8の確率で真になる。したがって、確率Q13は図4(1−c)に示すように7/8である。
【0119】
2行目、3行目の画素についても同様にステップS106で書き換えが行われる確率Qijを求めることができる。
【0120】
図4(2−a)は、図4(1−c)に示す確率で書き換えが行われた後、表示している表示濃度の値Yijの一例である。図4(2−a)の例では、Y11、13、23、32が書き換えられている。
【0121】
図4(2−b)のように、書き換えが行われた画素の書き換え回数の累積回数Wijには1が加算されている。
【0122】
図4(2−b)に示す累積回数Wijに基づき、同様に図4(2−c)のようにQijを算出することができる。
【0123】
図4(3−a)は、図4(2−c)に示す確率で書き換えが行われた後、表示している表示濃度の値Yijの一例である。図4(3−a)の例では、Y11、13、21、31、33が書き換えられている。
【0124】
図4(3−b)のように、書き換えが行われた画素の書き換え回数の累積回数Wijには1が加算されている。
【0125】
このように、累積回数が少ない画素には高い確率で書き換え電圧を印加され、累積回数が多い画素に書き換え電圧を印加する確率は低くなっている。Wminの画素には必ず書き換えが行われ、Wmaxの画素には書き換えが行われないのでWminとWmaxとの差は書き換えを行う毎に縮まり、最終的には同一の値になる。したがって、各電気化学表示素子1の書き換え回数の累積回数Wijは同じになり、応答特性も同じになるので焼き付きの発生を防止することができる。
【0126】
また、所定時間以上表示装置100の操作が行われないと、ランダムな画像を生成して表示画像を書き換えるので、表示装置100に表示されていた機密文書などを盗み見られるリスクを軽減することができる。したがって、セキュリティ面でも効果がある。
【0127】
なお、本実施形態では白、黒2階調を表示する場合を例に説明したが、多階調を表示する場合にも適用できる。
【0128】
また、累積回数が少ない画素に高い確率で書き換え電圧を印加し、累積回数が多い画素に書き換え電圧を印加する確率が低い画像の生成は、(1)式を用いた方法に限定されるものではなく、例えば、統計的パラメータなどを用いて生成しても良い。
【0129】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0130】
図5は、表示装置100の電源投入時または電源オフ時に、電気化学表示素子1の表示を書き換えた累積回数を同じ値にする手順を説明するためのフローチャートである。
【0131】
第2の実施形態のプログラムは、電源投入時または電源オフ時に起動されるものとする。
【0132】
S201:Wijを読み出すステップである。
【0133】
画像データ生成部73は、i行j列の電気化学表示素子1に書き換え電圧を印加した累積回数Wijを書き換え回数記憶部79から全て読み出す。
【0134】
S202:画像データを生成するステップである。
【0135】
画像データ生成部73は、累積回数Wijに基づき、それぞれの電気化学表示素子1が次に表示する表示濃度の値Xijを生成する。
【0136】
第1の実施形態と同様に、説明を簡単にするため各電気化学表示素子1が白または黒の何れかを表示する例を説明する。表示濃度の値Xij、Yijは、電気化学表示素子1が白を表示する場合は0、黒を表示する場合は1とする。
【0137】
本実施形態では乱数を用いず各画素の累積回数Wijが同じ値になるまで書き換える例を説明する。
【0138】
画像データ生成部73は、各画素の累積回数Wijのなかで最小の値Wminと、各画素の累積回数Wijのなかで最大の値Wmaxを求める。
【0139】
画像データ生成部73は、表示中の表示濃度の値Yijを第2フレームメモリ61から読み出し、Wij≠Wmaxの画素のYijの値が1の場合は次に表示する表示濃度の値Xijを0に、Yijの値が0の場合はXijを1にして第1フレームメモリ60に記憶させる。
【0140】
ij=Wmaxのとき、画像データ生成部73は、Xij=Yijとして第1フレームメモリ60に記憶させる。
【0141】
S203:画像を表示するステップである。
【0142】
電圧印加制御部74は、第1フレームメモリ60の画像データの描画を表示コントローラ11に指令する。表示コントローラ11は、書き込み電圧を印加するためコモン電源13の出力をVcbに切り替える。電圧印加制御部74は、Xij、Yijを第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61から順次読み出し、Xij>Yijの画素に順次書き込み電圧を印加するよう表示コントローラ11を制御する。
【0143】
次に、表示コントローラ11は、消去電圧を印加するためコモン電源13の出力をVcaに切り替える。電圧印加制御部74は、Xij、Yijを第1フレームメモリ60、第2フレームメモリ61から順次読み出し、Xij<Yijの画素に順次消去電圧を印加するよう表示コントローラ11を制御する。
【0144】
書き換え電圧の印加終了後、電圧印加制御部74は、第2フレームメモリ61の表示濃度の値Yを第1フレームメモリ60の表示濃度の値Xと同じ値にする。
【0145】
S204:Wijを更新するステップである。
【0146】
書き換え回数計数部72は、ステップS106で書き換え電圧を印加した電気化学表示素子1の累積回数Wijをそれぞれ更新して書き換え回数記録部79に記憶させる。
【0147】
S205:全ての画素の書き換え回数は同じか、否か、判定するステップである。
【0148】
書き換え回数計数部72は、ステップS204で更新した累積回数Wijが各画素ともに同じ値か、否か、を判定する。
【0149】
ijが同じ値ではない場合、(ステップS205;No)、ステップS201に戻る。
【0150】
ijが全て同じ場合、(ステップS205;Yes)、処理を終了する。
【0151】
フローチャートの説明は以上である。
【0152】
次に、図6を用いてステップS202で生成する画像データの具体例を説明する。紙面上部に時間軸tを示す。
【0153】
図6(1−a)、(2−a)、(3−a)は3行3列の表示画面50に現在表示している表示濃度の値Yijの一例である。図6(1−b)、(2−b)、(3−b)は3行3列の電気化学表示素子1に印加した書き換え回数の累積回数Wijである。
【0154】
電源投入時または電源オフ時に、各画素が表示している表示濃度の値Yijは図6(1−a)に示す値であり、累積回数Wijは図6(1−b)に示す値であるものとする。前述のように、累積回数Wmax以外の画素は書き換えが行われる。
【0155】
図6(1−b)の例ではWminは1、Wmaxは9である。例えば、1行、1列目の画素は累積回数W11は1である。
【0156】
先に説明したステップS202で画像データ生成部73は、表示中の表示濃度の値Yijを第2フレームメモリ61から読み出し、Wij≠Wmaxの画素のYijの値が1の場合は次に表示する表示濃度の値Xijを0に、Yijの値が0の場合はXijを1にする。図6(1−b)の例では、Wmaxの1行2列目の画素以外を書き換える。
【0157】
すると、次のステップS203で各画素が表示する表示濃度の値Yijは図6(2−a)のようになる。ステップS204で更新されたWijは、図6(2−b)のようにWminは2、Wmaxは9になる。
【0158】
図6(2−b)に示すWijは各画素が同じ値になっていないので、再度ステップS202でWmaxの1行2列目の画素および2行2列目の画素以外を書き換える。次のステップS203で各画素が表示する表示濃度の値Yijは図6(3−a)のようになる。ステップS204で更新されたWijは、図6(3−b)のようにWminは3、Wmaxは9になる。
【0159】
以降、同様の手順でWijが各画素とも書き換え回数の累積回数Wijが同じ値(この例では9)になるまで、書き換えを行う。
【0160】
このように第2の実施形態では、表示装置100の電源投入時または電源オフ時に各電気化学表示素子1の書き換え回数の累積回数Wijを必ず同じ値にするので表示装置100を起動直後に焼き付きが発生することを確実に防止できる。
【0161】
以上このように、本発明によれば、画像を頻繁に書き換えても焼き付きをおこすことなく高画質な画像を表示することができる表示装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0162】
1 電気化学表示素子
2 駆動トランジスタ
4 スイッチングトランジスタ
5a、5b、5c 走査線
7 バスライン
8a、8b、8c 信号線
10 記憶部
11 表示コントローラ
12 ゲートドライバ
13 コモン電源
14 ソースドライバ
30 銀電極
31 電解質
32 ITO電極
40 タッチパネル
41 タッチパネルコントローラ
42 操作部
60 第1フレームメモリ
61 第2フレームメモリ
62 第3フレームメモリ
71 CPU
72 書き換え回数計数部
73 画像データ生成部
74 電圧印加制御部
75 操作検知部
76 未操作時間計時部
79 書き換え回数記憶部
100 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配列した複数の電気化学表示素子からなる表示画面を有し、前記電気化学表示素子が表示する画像の濃度を増す書き込み電圧または該濃度を減少させる消去電圧の何れかの書き換え電圧を前記電気化学表示素子に印加して画像を表示させる表示装置であって、
前記電気化学表示素子に前記書き換え電圧を印加した累積回数をそれぞれの前記電気化学表示素子について記憶する書き換え回数記憶手段と、
前記電気化学表示素子に前記書き換え電圧を印加した回数をそれぞれ計数して書き換え回数記憶手段に記憶されている前記累積回数を更新する書き換え回数計数手段と、
前記累積回数に基づいて、前記累積回数の差を縮小する画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段が生成した前記画像データに基づいて前記書き換え電圧を所定のタイミングで前記電気化学表示素子に印加するように制御する電圧印加制御手段と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記画像データ生成手段は、
前記累積回数が同じ値になるように前記画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記画像データ生成手段は、
前記累積回数が少ない前記電気化学表示素子には前記書き換え電圧を印加する確率が高く、前記累積回数が多い前記電気化学表示素子には前記書き換え電圧を印加する確率が低く、なるように前記画像データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
ユーザの操作を検知する操作検知手段と、
前記操作検知手段が前記操作を検知してから次に操作を検知するまでの未操作時間を計時する未操作時間計時手段と、
を有し、
前記未操作時間計時手段が計時した前記未操作時間が所定の時間を越えると、前記画像データ生成手段は前記画像データを生成し、前記電圧印加制御手段は前記画像データに基づいて前記書き換え電圧を前記電気化学表示素子に印加するように制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
電源投入時または電源オフ時に、
前記画像データ生成手段は前記画像データを生成し、前記電圧印加制御手段は前記画像データに基づいて前記書き換え電圧を前記電気化学表示素子に印加するように制御することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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