表示装置
【課題】映像信号を投射しない場合でもスクリーンの存在を目立たせるがことなく、この場合でも、観察者が容易に眼の焦点位置を表示像に合わせることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置は、映像を表示する表示手段と、表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、第1スクリーンが、可視光を透過させるとともに投射映像の結像に影響を与えない程度の光反射性および光拡散性のうち少なくともいずれかを有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の表示装置は、映像を表示する表示手段と、表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、第1スクリーンが、可視光を透過させるとともに投射映像の結像に影響を与えない程度の光反射性および光拡散性のうち少なくともいずれかを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人物の形に切り取ったリアプロジェクションフィルムをアクリル製の板材に貼り付け、背面側からプロジェクターで人物の画像を投射するバーチャルマネキンが提案されている。このような人型をなす等身大のディスプレイは、展示会場や店頭などでインパクトのある演出を行うことが可能である。
【0003】
このような表示手段を実現するために用いられているリアプロジェクションフィルムは、透明フィルムに光吸収性を有する黒色の塩ビ層を介してガラスビーズを接着したもので、周辺光が存在する環境においても高コントラストの画像を表示することができる。
【0004】
しかしながら、画像が投射されないときには、黒っぽい板に見えるために、設置環境によっては違和感を与えることがあった。また、投射する画像は、人物の型のスクリーン以外の部分に投射されないように、予め黒を背景として作成したものであることが望ましいが、その場合でもスクリーン以外の場所にもプロジェクターから光が出力されるために、スクリーンの正面からそれた位置からは投射レンズからの光が見えて観察者にまぶしさを与えてしまっていた。近年、プロジェクターのコントラストが向上してはいるが、スクリーン上で黒に見えても投射レンズの出口側では非常に狭い面積から出射するために、漏れ光を完全になくすことは困難であった。
【0005】
また、スクリーンとしては、電圧印加のON/OFFで白濁と透明とで表示を切り替えることで、投射する場合の拡散性と使用しない場合の透明さを両立させる、高分子分散型液晶を使用したリアスクリーンも提案されているが高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−318801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような課題に対して、何もない空間に実像を表示する技術が提案されている。これによりスクリーンの存在を観察者が気にすることがなくなる。
しかしながら、何もない空間に実像が表示されるということ(実像が存在すること)や実像が表示される場所を、予め知っている場合は、その像を見て眼の焦点を合わせることは簡単であるが、これらを何も知らずして、何もない空間に表示される画像に対して観察者自身が眼の焦点を合わせるのには少し時間が必要であった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、映像信号を投射しない場合でもスクリーンの存在を目立たせるがことなく、この場合でも、観察者が容易に眼の焦点位置を表示像に合わせることが可能な表示装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、映像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、前記第1結像手段により投射された投射像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、第1スクリーンが、可視光を透過させるとともに前記投射像の結像に影響を与えない程度の光反射性あるいは光拡散性を有することを特徴とする。
【0010】
これによれば、第1スクリーンが可視光を透過させる特性を有しているため、プロジェクターから画像が投射されていない場合でもスクリーン自体が目立つことがなく、周辺の造形環境などに与える影響が少なくて済む。また、結像位置に配置された第1スクリーンは光反射性あるいは光拡散性を有することから、投射光や環境光によりその存在を確認することができる。これにより、例え透明で目立たない第1スクリーンであってもここに表示される像に対して容易に眼の焦点位置を合わせることが可能である。
【0011】
また、映像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、前記第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、前記第1スクリーンは、透過スクリーンであるとともに一部に認識部が設けられていることを特徴とする。
これによれば、第1スクリーンの位置が認識部により観察者から分かりやすくなり、表示される像に眼の焦点位置を合わせやすくなるとともに、他の部分が可視光を透過する構成であるためスクリーン自体が目立つことがない。
【0012】
また、前記第1スクリーンが、透明シートと、前記透明シートに密着して配置可能な拡散シートと、前記拡散シートを収納する収納部と、を少なくとも備えて構成されていてもよい。
【0013】
これによれば、拡散シートを用いて第1スクリーンの位置合わせを行い、その後は拡散シートを収納部に収納することによって、透明シート上に投射光を結像させることができる。このように、第1スクリーンの位置合わせ時のみ拡散シートを収納部から引き出して利用することによって、第2結像手段による結像位置を確認しやすく、透明シートのみで位置合わせするよりも第1スクリーンの位置合わせを容易に行うことができる。また、第1スクリーンに投写される投射像に観察者が眼の焦点を合わせやすくなる。
【0014】
また、前記第1結像手段を備える筐体の前面に前記第1スクリーンが備えられ、前記筐体の内部には前記第2結像手段の下端よりも低くならない位置に展示物を載置可能な載置台が配置されている構成としてもよい。
【0015】
これによれば、筐体の前方から見れば第1スクリーンに映し出された表示を確認することができ、第1スクリーンの斜め方向から筐体内部を覗き込めば展示物を確認することができる。これにより、店舗などでの効果的な物品展示やショーウィンドウを実現できる。
【0016】
また、前記筐体には前記展示物を出し入れするための開閉部が設けられており、前記開閉部が透明材料により構成されていてもよい。
これによれば、開閉部を介して筐体内部の展示物を確認することができる。
【0017】
また、前記第1スクリーンの認識部が不透明あるいは半透明である構成としてもよい。
これによれば、第1スクリーンの位置が観察者から分かりやすくなり、表示される像に眼の焦点位置を合わせやすくなる。
【0018】
また、前記表示手段が、映像を拡大投写する第2結像手段を備えたプロジェクターと、前記プロジェクターから投射された投射像を結像する第2スクリーンと、を備えている構成とされていてもよい。
これによれば、プロジェクターにより様々な映像を表示することができる。
【0019】
また、前記第1結像手段のサイズが、前記第2スクリーンに表示される前記投射像のサイズと前記第1結像手段の拡大倍率との積の値よりも大きい構成としてもよい。
これによれば、観察者が第1スクリーンの前方において当該第1スクリーン上に映し出された像全体を観察することができる範囲を広くすることができる。
【0020】
また、前記プロジェクター、前記第2スクリーンおよび前記第1結像手段が前記筐体に収容されている構成としてもよい。
これによれば、プロジェクター、第2スクリーンおよび第1結像手段を保護することができるとともに取り扱いが容易になる。
【0021】
また、前記プロジェクターと前記第2スクリーンとの間に配置される反射部材と、前記第2スクリーンと前記第1結像手段との間に配置されるハーフミラーと、を備え、前記第1結像手段が反射式光学素子で構成されていてもよい。
【0022】
これによれば、プロジェクターから投射された投射光は、反射部材によって光線が折り曲げられて第2スクリーンへ入射し、第2スクリーンを透過した後、ハーフミラーによってその光線が再び折り曲げられる。そして、反射式光学素子で構成された第1結像手段において反射された投射光はハーフミラーを透過して第1スクリーン上で結像する。このような構成により、筐体の上方にプロジェクターを配置することが可能になるので、表示装置の奥行き寸法を短くすることができ、装置の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態の表示装置の構成を示す斜視図。
【図2】リアスクリーンを示す図であって、(A)正面図、(B)A−A’線に沿う断面図。
【図3】空間像の表示原理を説明するための図。
【図4】第2実施形態の表示装置における透明スクリーンユニットの構成を示す斜視図。
【図5】第3実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図
【図6】第4実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図
【図7】プロジェクターから投射された投射光の光路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の表示装置の構成を示す斜視図である。図2は、リアスクリーンを示す図であって、(A)正面図、(B)A−A’線に沿う断面図である。図3は、空間像の表示原理を説明するための図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の表示装置100は、表示ユニット10とその前方に設置された透明スクリーン4とを備える。
表示ユニット10は、光学部品を収容する筐体31の内部に、プロジェクター(表示手段)1、透過型のリアスクリーン(第2スクリーン)2、ミラー(反射部材)7が収納されており、ミラー7の前方であって筐体31の前面31aにはフレネルレンズ(第1結像手段)3が嵌め込まれている。プロジェクター1から射出される光の光路上に、リアスクリーン2、ミラー7、フレネルレンズ3、透明スクリーン(第1スクリーン)4が、プロジェクター1側からこの順に配置されている。本実施形態では、プロジェクター1とリアスクリーン2とにより表示手段が構成される。
【0027】
プロジェクター1には、ライトバルブ5や投射レンズ(第2結像手段)6などが搭載されているとともに(図3)、図示しないパーソナルコンピューターなどの映像信号生成手段が接続されている。映像信号生成手段から入力された映像信号に基づいてリアスクリーン2に映像を投射する。プロジェクター1は、上方に向けて映像が投射されるように投射レンズ6を上方に向けた姿勢で筐体31の底面31c上に設置される。
【0028】
そして、プロジェクター1内のライトバルブ5は図示しない光源によって照明され、投射レンズ6で拡大投射されてリアスクリーン2上で結像する。リアスクリーン2上で結像した像は、ミラー7により光軸が折り曲げられてフレネルレンズ3により投射され、筐体31の外部に設置された透明スクリーン4の位置で結像する。
このようにして透明スクリーン4の位置で結像した像は、透明スクリーン4の前方であって透明スクリーン4のほぼ正面の離れた位置から観察することができる。
【0029】
リアスクリーン2は光拡散機能を備える。このリアスクリーン2は、図2(A),(B)に示すようにフレネルレンズ2Aと拡散シート2Bとが貼り合わされて構成されるもので、フレネルレンズ2A側をプロジェクター1側に向けて設置されている。このため、プロジェクター1から射出された光はフレネルレンズ2Aに入射する。
【0030】
フレネルレンズ3は、微小な間隔で同心円状に設けられた複数のプリズム13を有している。フレネルレンズ3の基本構成はリアスクリーン2の一部を構成するフレネルレンズ2Aと同様であるが、全体の寸法、各プリズム13の寸法や焦点位置が異なっている。リアスクリーン2の光軸とフレネルレンズ3の光軸は一致している。尚、リアスクリーン2の光軸とは、リアスクリーン2の投射面の中心を通り、リアスクリーン2の投射面に垂直な軸のことである。
【0031】
透明スクリーン4は、例えば無色透明のアクリル板で構成されており、可視光を透過させるとともに僅かな光反射性を有する。
ここで、僅かな光反射性とはおおむね1%以上の反射率をすることを意味し、この反射率1%というのは、多くの反射防止材料の上限程度の値である。透明スクリーン4の存在感は、観察側から見た場合の反射によるところが多い。このように、透明スクリーン4は僅かに表面反射するために、投射光や環境光によりその存在を認識することができる。そのため、投射光が投射されないときであっても違和感がない。また、透明スクリーン4に僅かな光散乱性を持たせる構成であることが好ましい。この場合の光拡散性は、投射光を拡散させて映像に影響を与えるほどに光を拡散するものではない。
【0032】
ここで、フレネルレンズ3から透明スクリーン4までの距離bは、フレネルレンズ3の焦点距離をf、リアスクリーン2からフレネルレンズ3までの距離aとすると、
1/b=1/(1/f−1/a)で求めることができる。
この式によって得られた値の位置に透明スクリーン4を配置することで、透明スクリーン4上に投射像を表示することができる。
また、このとき透明スクリーン4に表示される像の大きさは、リアスクリーン2に表示される像の大きさのb/a倍になる。
【0033】
ここで、透明スクリーン4の替わりに一般的な拡散スクリーンを配置した場合、この拡散スクリーン上で観察される像の任意の一部分は、筐体31内部のリアスクリーン2の対応する領域から出射した光線がフレネルレンズ3の多くの領域を通過して拡散スクリーンに結像されることになる。しかし、透明スクリーン4が拡散性をほとんど有しない場合には、透明スクリーン4上に見える像の任意の一部分は、フレネルレンズ3の対応する領域を透過した光線となる。従って、透明スクリーン4を観察した場合にその後方にフレネルレンズ3が存在していない部分については、像として観察することができない。そこで、フレネルレンズ3の大きさは透明スクリーン4よりも大きくしておくことが望ましい。具体的には、フレネルレンズ3のサイズをリアスクリーン2に表示される像の最大の大きさのb/a倍よりも大きくしておけばよい。
【0034】
また、フレネルレンズ3から出射される光線のうち、透明スクリーン4に表示される像以外の部分は筐体31の内部で乱反射した迷光が支配的になるため、観察者が透明スクリーン4を通さずにフレネルレンズ3を見た場合でもまぶしさを感じることはない。
【0035】
また、本実施形態で用いる透明スクリーン4の光拡散性はほんの僅かであるため、裏面側から周囲の環境光が入射しても、表示される像のコントラストに与える影響は非常に低い。このため、周囲の環境光を暗くするなどの配慮はほとんど必要ない。
【0036】
本実施形態では、透明スクリーン4を採用することにより映像が表示されてない場合でもスクリーン自体が目立つことがなく、周辺の造形環境などに与える影響が少なくて済む。また、透明スクリーン4は僅かに光反射性あるいは光散乱性を有するため、投射光や環境光により透明スクリーン4の存在を観察者が確認することができ、透明スクリーン4上において結像された投射像に容易に眼の焦点を合わせることが可能となる。また、この透明スクリーン4を安価なアクリル板(透明シート)により構成することでコストを抑えることができる。
【0037】
また、プロジェクター1から投射された投射光は、リアスクリーン2を介してフレネルレンズ3へと入射する。リアスクリーン2の拡散特性をフレネルレンズ3に対して適当な広がりになるように調整することで、プロジェクター1からの投射光を効率よく利用することが可能となる。よって、プロジェクター1の明るさは比較的暗くてもよいため、低消費電力を実現できる。
【0038】
また、フレネルレンズ3のサイズを、透明スクリーン4上に映し出される像(観察者において観察される像)のサイズよりも大きいサイズに設定したので、観察者が透明スクリーン4の前方において像全体を視認することができる範囲を広くすることができる。
【0039】
さらに、本実施形態において、透明スクリーン4の全体に僅かな光反射性あるいは光散乱性を持たせたが、透明スクリーン4の上下左右の端部等の一部に不透明、半透明としてもよい。この場合には、透明スクリーンの前記一部以外には光散乱性あるいは光反射性を持たせる必要がなくなる。
【0040】
本実施形態において、表示ユニット10は、光学部品を収容する筐体31の内部に、プロジェクター1、透過型のリアスクリーン2、ミラー7が収納されており、ミラー7の前方であって筐体31の前面31aにはフレネルレンズ(第2結像手段)3が嵌め込まれた構成として説明したが、プロジェクター1、透過側のリアスクリーン2に変えて、液晶パネル等の直視型のフラットパネルディスプレイを用いる構成としても良い。この場合には、透過型のリアスクリーン2の位置にフラットパネルディスプレイを配置される。
【0041】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態の表示装置における透明スクリーンユニットの構成を示す斜視図である。
本実施形態の基本構成は先の第1実施形態と略同様であるが、透明スクリーンの構成において異なる。よって、以下では、本実施形態で採用している透明スクリーンユニットの構成を中心に述べる。第1実施形態の透明スクリーンは拡散性を有していないものであったが、本実施形態の透明スクリーンユニットは、適宜拡散性を付与することのできる構成となっている。
【0042】
図4に示すように、スクリーンユニット40は、透明シート41、拡散シート42、巻取り部(収納部)43、一対の脚部44A,44B、一対の補強部材49,49等を主にして構成されている。一対の脚部44A,44Bによって両側が支持された透明シート41の前方には拡散シート42を必要に応じて配置することができる構成となっている。透明シート41を支持する一方の脚部44Aには、拡散シート42を巻取り収容する巻取り部43が備えられている。なお、この巻取り部43は脚部44Aから着脱可能な構造とされていてもよい。また、他方の脚部44Bには、巻取り部43から引き出した拡散シート42を固定するための固定金具45が設けられている。
【0043】
拡散シート42の巻取り部43側とは反対側の端部には引掛け金具46が取り付けられているので、拡散シート42を巻取り部43から引き出して、他方の脚部44Bに設けられた固定金具45に引掛け金具46を引掛けて固定することができる。
これにより、透明シート41の前面側を覆うようにして拡散シート42が配置されることになる。
なお、一対の脚部44A,44Bどうしは、透明シート41を上下方向から挟み込むようにして配置された一対の補強部材49,49によって接続されている。補強部材49,49は、透明シート41の上端および下端にそれぞれ配置されており、不透明な樹脂材料により構成されている。これにより、透明シート41の位置が分かりやすくなり、透明シート41上に表示される像に眼の焦点を合わせやすい。また、透明シート41はその各辺が一対の脚部44A,44Bと一対の補強部材49,49とによって囲まれているので強度が確保されたものとなる。
さらに、補強部材49,49の内側に拡散シート42の移動を案内するガイド部(不図示)が形成されていてもよい。これにより、拡散シート42をガイド部(補強部材49)に沿ってスムーズに移動させることができる。
【0044】
スクリーンユニット40の設置位置を決めるにあたっては、まず、透明シート41に拡散シート42を引き出して透明シート41の一面側を覆うように重ねた状態で固定する。そして、表示ユニット10側においてプロジェクター1からの投射像をフレネルレンズ3により透明シート41上へ投射しておき、透明シート41を透過して拡散シート42に表示された像を見ながらスクリーンユニット40を移動させる。このようにして、フォーカスと表示位置が最適になる場所を求めればよい。位置を設定した後は、拡散シート42を巻取り部43に収納することで透明シート41上に投射された像を前方から観察することができる。
【0045】
このようなスクリーンユニット40によれば、透明シート41に密着して拡散シート42を配置できる構造であるため、拡散シート42を利用してユニット自体の位置決めを行うことができる。つまり、スクリーンユニット40の位置決め時のみ拡散シート42を巻取り部43から引き出しておくことによって、投射光が拡散シート42において拡散されるためその位置を確認しやすく、透明シート41のみで位置合わせするよりもスクリーンユニット40の位置決めを容易に行うことができる。これにより、投射像が結像される位置に透明シート41を確実に配置することができる。さらに、樹脂材料等の不透明な部材が透明シートの周囲に配置されているため、透明シートに光拡散性を付与しなくても結像位置を認識することが容易である。
【0046】
なお、拡散シート42は透明シート41に対してフレネルレンズ3側に配置するようにしてもよい。
【0047】
また、このスクリーンユニット40は、拡散シート42に対して巻取り部43側へ常に付勢されるように構成されているため、固定金具45から引掛け金具46を外すだけで拡散シート42を巻取り部43内に素早く収納させることができる。
【0048】
さらに、スクリーンユニット40を移動可能な移動機構48を設けるようにしてもよい。スクリーンユニット40の脚部44A,44Bを、表示ユニット10から投射される光の光軸に平行して配置されたガイド部47,47に沿って移動させることによって、表示ユニット10に対するスクリーンユニット40の位置を適宜調整することが可能となる。これにより、スクリーンユニット40の位置決めが容易に行えるようになる。
【0049】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図5に示すように、本実施形態の表示装置300は、表示ユニットと透明スクリーンとが一体とされた構成であり、これらが1つの筐体31内に収容されている。
この筐体31は、プロジェクター1等の表示手段が収容される第1収容部31Aと、透明スクリーン4を保持する直方体形状の第2収容部31Bとを有する。なお、これら第1収容部31Aおよび第2収容部31Bの形状はこれに限られない。
【0050】
フレネルレンズ3は筐体31の内部に納められ、筐体31の前面31aに透明スクリーン4が備えられている。具体的に、フレネルレンズ3は、筐体31の第1収容部31Aと第2収容部31Bの境界付近に存在する遮蔽板22にはめ込まれるようにして備えられ、フレネルレンズ3の周囲に投射された光はこの遮蔽板22において遮蔽されることになる。
透明スクリーン4は、フレネルレンズ3よりも大きい形状とされ、筐体31の前面31aよりも一回り小さいサイズとされている。
【0051】
また、第2収容部31B内には、展示物Jを載置するための載置台23が設置されており、フレネルレンズ3の下端よりも低くなりすぎない高さに設定された載置面23A上に展示物Jが載置されている。展示物Jは、筐体31の側面31b、31dのそれぞれに設けられた開閉扉(開閉部)24を介して出し入れすることができ、展示物Jとしては店舗で販売する商品であったり、立体的な模型であったり、その種類は問わない。
【0052】
このような載置台23上に展示物Jを載置することによって、観察者が正面から透明スクリーン4を見た際に、透明スクリーン4に投射された像を確認することができるとともに、透明スクリーン4の斜め方向から筐体31の内部を覗き込むことで、載置台23上に載置された展示物Jを確認することができる。また、投射像の隙間から展示物Jを垣間見ることもできる。これにより、投射像として店舗の広告や展示物Jの商品説明等を表示することで店舗アピールや展示物Jの販促を行うことが可能となる。
【0053】
また、展示物Jを照明するための照明装置を筐体31の内部に配置しても良い。本実施形態の表示装置300では、映像が投射されていない場合でも透明スクリーン4を介して内部の展示物Jを見ることができることから、例えば、照明装置などにより展示物Jを照明しておけば店舗閉店後も通行人がウィンドウショッピングを楽しむことができる。
【0054】
なお、透明スクリーン4と同様に開閉扉24を透明な材料で構成することで、筐体31の前方側からだけでなく、側面31b,31d側からも展示物Jを見ることができるようになる。
【0055】
また、透明スクリーン4の一部に認識テープ(認識部)51が貼り付けられていても良い。この認識テープ51は、不透明あるいは半透明なシール部材によって構成されたもので、展示物Jに関する商品名やメーカー名が示してある。これにより透明スクリーン4の位置が観察者から分かりやすくなり、表示される像に眼の焦点位置を合わせやすくなる。また、透明スクリーン4に像が表示されていない場合でも、展示物Jの属性情報を提示することができる。
この認識テープ51は、半透明部材により構成されたものであってもよい。「半透明」とは、透明部材に対して光透過性が低いことをさす。あるいは、透明スクリーン4の一部を半透明部材や、環境光を拡散させる光拡散部材により構成してもよい。
【0056】
本実施形態の構成によれば、筐体31の内部に展示物Jを収容できる構造としたため、観察者が筐体31の正面側から透明スクリーン4を見れば、透明スクリーン4に映し出された像を見ることができる。さらに、透明スクリーン4の斜め方向から筐体31の内部を覗き込むことで、透明スクリーン4の後方に位置する展示物Jを見ることが可能である。これにより、店舗などでの効果的な物品展示やショーウィンドウを実現できる。
【0057】
[第4実施形態]
図6は、第4実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図である。図7は、プロジェクターから投射された投射光の光路を示す図である。
先の実施形態では、筐体の後部であって展示物よりも後方側にプロジェクターが設置されていたが、本実施形態では筐体の上部であって展示物の上方側にプロジェクターが設置されている。
【0058】
本実施形態の表示装置400は、図6に示すように、筐体31の第2収容部31Bの上方に位置する第1収容部31Aの内部にプロジェクター1が収容されている。第2収容部31B内にはさらにミラー7やリアスクリーン2が収容されており、プロジェクター1からの投射光がミラー7において光軸が折り曲げられてリアスクリーン2へ入射するようになっている(図7)。
【0059】
リアスクリーン2の下方であって第2収容部31B内の載置台23よりも上方となる位置には、ハーフミラー8が備えられている。リアスクリーン2上で結像した投射像はこのハーフミラー8において反射されて、第2収容部31Bの背面31e側に設置された反射式フレネルレンズ(反射式光学素子)14に入射する(図7)。
【0060】
反射式フレネルレンズ14は、フレネルレンズ3Aの裏面側にミラー3Bを密着させて構成されたものであり、入射光はフレネルレンズ3Aを透過してミラー3Bにおいて反射され、再びフレネルレンズ3Aを透過してハーフミラー8側へ入射する(図7)。このように、反射式フレネルレンズ14において反射された投射光はハーフミラー8を透過して、筐体31の前面31aに備えられた透明スクリーン4上で結像する。
【0061】
筐体31の内部に載置される展示物Jは、上記実施形態と同様の構成をなす載置台23上に載置されており、反射式フレネルレンズ14の下端よりも低くならない高さに設定された載置面23A上に置かれている。これにより、正面から透明スクリーン4を見れば、透明スクリーン4に投射された像を確認することができ、斜め方向から覗き込むことで筐体31内の展示物Jを確認することができる。
【0062】
本実施形態の構成によれば、筐体31の上部にプロジェクター1とリアスクリーン2とを配置させ、さらに光軸を曲げるハーフミラー8を備えた構成としたことから、筐体31の奥行き方向における寸法を短くすることができる。これにより表示装置400全体の小型化を図れる。
【0063】
なお、本実施形態においても、筐体31の側面31b、31dにそれぞれ設けられた開閉扉24,24を透明スクリーン4と同様に透明な材料で構成し、展示物Jを側面31b,31dから見えるようにしても良い。
また、展示物Jを照明するための照明装置を筐体31の内部に配置しても良い。
また、反射式フレネルレンズ14の代わりに、凹面鏡を配置することでも同様の作用を実現することが可能である。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0065】
1…プロジェクター(表示手段)、2…リアスクリーン(表示手段、第2スクリーン、透過スクリーン)、2A,3,3A…フレネルレンズ、2B,42…拡散シート、3…フレネルレンズ(第2結像手段)、3B,7…ミラー、4…透明スクリーン(第1スクリーン)、6…投射レンズ、6…投射レンズ(第1結像手段)、7…ミラー(反射部材)、8…ハーフミラー、J…展示物、23…載置台、24…開閉扉(開閉部)、31…筐体、31a…前面、41…透明シート、43…巻取り部(収納部)、51…認識テープ(認識部)、100,300,400…表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人物の形に切り取ったリアプロジェクションフィルムをアクリル製の板材に貼り付け、背面側からプロジェクターで人物の画像を投射するバーチャルマネキンが提案されている。このような人型をなす等身大のディスプレイは、展示会場や店頭などでインパクトのある演出を行うことが可能である。
【0003】
このような表示手段を実現するために用いられているリアプロジェクションフィルムは、透明フィルムに光吸収性を有する黒色の塩ビ層を介してガラスビーズを接着したもので、周辺光が存在する環境においても高コントラストの画像を表示することができる。
【0004】
しかしながら、画像が投射されないときには、黒っぽい板に見えるために、設置環境によっては違和感を与えることがあった。また、投射する画像は、人物の型のスクリーン以外の部分に投射されないように、予め黒を背景として作成したものであることが望ましいが、その場合でもスクリーン以外の場所にもプロジェクターから光が出力されるために、スクリーンの正面からそれた位置からは投射レンズからの光が見えて観察者にまぶしさを与えてしまっていた。近年、プロジェクターのコントラストが向上してはいるが、スクリーン上で黒に見えても投射レンズの出口側では非常に狭い面積から出射するために、漏れ光を完全になくすことは困難であった。
【0005】
また、スクリーンとしては、電圧印加のON/OFFで白濁と透明とで表示を切り替えることで、投射する場合の拡散性と使用しない場合の透明さを両立させる、高分子分散型液晶を使用したリアスクリーンも提案されているが高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−318801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような課題に対して、何もない空間に実像を表示する技術が提案されている。これによりスクリーンの存在を観察者が気にすることがなくなる。
しかしながら、何もない空間に実像が表示されるということ(実像が存在すること)や実像が表示される場所を、予め知っている場合は、その像を見て眼の焦点を合わせることは簡単であるが、これらを何も知らずして、何もない空間に表示される画像に対して観察者自身が眼の焦点を合わせるのには少し時間が必要であった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、映像信号を投射しない場合でもスクリーンの存在を目立たせるがことなく、この場合でも、観察者が容易に眼の焦点位置を表示像に合わせることが可能な表示装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、映像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、前記第1結像手段により投射された投射像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、第1スクリーンが、可視光を透過させるとともに前記投射像の結像に影響を与えない程度の光反射性あるいは光拡散性を有することを特徴とする。
【0010】
これによれば、第1スクリーンが可視光を透過させる特性を有しているため、プロジェクターから画像が投射されていない場合でもスクリーン自体が目立つことがなく、周辺の造形環境などに与える影響が少なくて済む。また、結像位置に配置された第1スクリーンは光反射性あるいは光拡散性を有することから、投射光や環境光によりその存在を確認することができる。これにより、例え透明で目立たない第1スクリーンであってもここに表示される像に対して容易に眼の焦点位置を合わせることが可能である。
【0011】
また、映像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、前記第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、前記第1スクリーンは、透過スクリーンであるとともに一部に認識部が設けられていることを特徴とする。
これによれば、第1スクリーンの位置が認識部により観察者から分かりやすくなり、表示される像に眼の焦点位置を合わせやすくなるとともに、他の部分が可視光を透過する構成であるためスクリーン自体が目立つことがない。
【0012】
また、前記第1スクリーンが、透明シートと、前記透明シートに密着して配置可能な拡散シートと、前記拡散シートを収納する収納部と、を少なくとも備えて構成されていてもよい。
【0013】
これによれば、拡散シートを用いて第1スクリーンの位置合わせを行い、その後は拡散シートを収納部に収納することによって、透明シート上に投射光を結像させることができる。このように、第1スクリーンの位置合わせ時のみ拡散シートを収納部から引き出して利用することによって、第2結像手段による結像位置を確認しやすく、透明シートのみで位置合わせするよりも第1スクリーンの位置合わせを容易に行うことができる。また、第1スクリーンに投写される投射像に観察者が眼の焦点を合わせやすくなる。
【0014】
また、前記第1結像手段を備える筐体の前面に前記第1スクリーンが備えられ、前記筐体の内部には前記第2結像手段の下端よりも低くならない位置に展示物を載置可能な載置台が配置されている構成としてもよい。
【0015】
これによれば、筐体の前方から見れば第1スクリーンに映し出された表示を確認することができ、第1スクリーンの斜め方向から筐体内部を覗き込めば展示物を確認することができる。これにより、店舗などでの効果的な物品展示やショーウィンドウを実現できる。
【0016】
また、前記筐体には前記展示物を出し入れするための開閉部が設けられており、前記開閉部が透明材料により構成されていてもよい。
これによれば、開閉部を介して筐体内部の展示物を確認することができる。
【0017】
また、前記第1スクリーンの認識部が不透明あるいは半透明である構成としてもよい。
これによれば、第1スクリーンの位置が観察者から分かりやすくなり、表示される像に眼の焦点位置を合わせやすくなる。
【0018】
また、前記表示手段が、映像を拡大投写する第2結像手段を備えたプロジェクターと、前記プロジェクターから投射された投射像を結像する第2スクリーンと、を備えている構成とされていてもよい。
これによれば、プロジェクターにより様々な映像を表示することができる。
【0019】
また、前記第1結像手段のサイズが、前記第2スクリーンに表示される前記投射像のサイズと前記第1結像手段の拡大倍率との積の値よりも大きい構成としてもよい。
これによれば、観察者が第1スクリーンの前方において当該第1スクリーン上に映し出された像全体を観察することができる範囲を広くすることができる。
【0020】
また、前記プロジェクター、前記第2スクリーンおよび前記第1結像手段が前記筐体に収容されている構成としてもよい。
これによれば、プロジェクター、第2スクリーンおよび第1結像手段を保護することができるとともに取り扱いが容易になる。
【0021】
また、前記プロジェクターと前記第2スクリーンとの間に配置される反射部材と、前記第2スクリーンと前記第1結像手段との間に配置されるハーフミラーと、を備え、前記第1結像手段が反射式光学素子で構成されていてもよい。
【0022】
これによれば、プロジェクターから投射された投射光は、反射部材によって光線が折り曲げられて第2スクリーンへ入射し、第2スクリーンを透過した後、ハーフミラーによってその光線が再び折り曲げられる。そして、反射式光学素子で構成された第1結像手段において反射された投射光はハーフミラーを透過して第1スクリーン上で結像する。このような構成により、筐体の上方にプロジェクターを配置することが可能になるので、表示装置の奥行き寸法を短くすることができ、装置の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態の表示装置の構成を示す斜視図。
【図2】リアスクリーンを示す図であって、(A)正面図、(B)A−A’線に沿う断面図。
【図3】空間像の表示原理を説明するための図。
【図4】第2実施形態の表示装置における透明スクリーンユニットの構成を示す斜視図。
【図5】第3実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図
【図6】第4実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図
【図7】プロジェクターから投射された投射光の光路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の表示装置の構成を示す斜視図である。図2は、リアスクリーンを示す図であって、(A)正面図、(B)A−A’線に沿う断面図である。図3は、空間像の表示原理を説明するための図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の表示装置100は、表示ユニット10とその前方に設置された透明スクリーン4とを備える。
表示ユニット10は、光学部品を収容する筐体31の内部に、プロジェクター(表示手段)1、透過型のリアスクリーン(第2スクリーン)2、ミラー(反射部材)7が収納されており、ミラー7の前方であって筐体31の前面31aにはフレネルレンズ(第1結像手段)3が嵌め込まれている。プロジェクター1から射出される光の光路上に、リアスクリーン2、ミラー7、フレネルレンズ3、透明スクリーン(第1スクリーン)4が、プロジェクター1側からこの順に配置されている。本実施形態では、プロジェクター1とリアスクリーン2とにより表示手段が構成される。
【0027】
プロジェクター1には、ライトバルブ5や投射レンズ(第2結像手段)6などが搭載されているとともに(図3)、図示しないパーソナルコンピューターなどの映像信号生成手段が接続されている。映像信号生成手段から入力された映像信号に基づいてリアスクリーン2に映像を投射する。プロジェクター1は、上方に向けて映像が投射されるように投射レンズ6を上方に向けた姿勢で筐体31の底面31c上に設置される。
【0028】
そして、プロジェクター1内のライトバルブ5は図示しない光源によって照明され、投射レンズ6で拡大投射されてリアスクリーン2上で結像する。リアスクリーン2上で結像した像は、ミラー7により光軸が折り曲げられてフレネルレンズ3により投射され、筐体31の外部に設置された透明スクリーン4の位置で結像する。
このようにして透明スクリーン4の位置で結像した像は、透明スクリーン4の前方であって透明スクリーン4のほぼ正面の離れた位置から観察することができる。
【0029】
リアスクリーン2は光拡散機能を備える。このリアスクリーン2は、図2(A),(B)に示すようにフレネルレンズ2Aと拡散シート2Bとが貼り合わされて構成されるもので、フレネルレンズ2A側をプロジェクター1側に向けて設置されている。このため、プロジェクター1から射出された光はフレネルレンズ2Aに入射する。
【0030】
フレネルレンズ3は、微小な間隔で同心円状に設けられた複数のプリズム13を有している。フレネルレンズ3の基本構成はリアスクリーン2の一部を構成するフレネルレンズ2Aと同様であるが、全体の寸法、各プリズム13の寸法や焦点位置が異なっている。リアスクリーン2の光軸とフレネルレンズ3の光軸は一致している。尚、リアスクリーン2の光軸とは、リアスクリーン2の投射面の中心を通り、リアスクリーン2の投射面に垂直な軸のことである。
【0031】
透明スクリーン4は、例えば無色透明のアクリル板で構成されており、可視光を透過させるとともに僅かな光反射性を有する。
ここで、僅かな光反射性とはおおむね1%以上の反射率をすることを意味し、この反射率1%というのは、多くの反射防止材料の上限程度の値である。透明スクリーン4の存在感は、観察側から見た場合の反射によるところが多い。このように、透明スクリーン4は僅かに表面反射するために、投射光や環境光によりその存在を認識することができる。そのため、投射光が投射されないときであっても違和感がない。また、透明スクリーン4に僅かな光散乱性を持たせる構成であることが好ましい。この場合の光拡散性は、投射光を拡散させて映像に影響を与えるほどに光を拡散するものではない。
【0032】
ここで、フレネルレンズ3から透明スクリーン4までの距離bは、フレネルレンズ3の焦点距離をf、リアスクリーン2からフレネルレンズ3までの距離aとすると、
1/b=1/(1/f−1/a)で求めることができる。
この式によって得られた値の位置に透明スクリーン4を配置することで、透明スクリーン4上に投射像を表示することができる。
また、このとき透明スクリーン4に表示される像の大きさは、リアスクリーン2に表示される像の大きさのb/a倍になる。
【0033】
ここで、透明スクリーン4の替わりに一般的な拡散スクリーンを配置した場合、この拡散スクリーン上で観察される像の任意の一部分は、筐体31内部のリアスクリーン2の対応する領域から出射した光線がフレネルレンズ3の多くの領域を通過して拡散スクリーンに結像されることになる。しかし、透明スクリーン4が拡散性をほとんど有しない場合には、透明スクリーン4上に見える像の任意の一部分は、フレネルレンズ3の対応する領域を透過した光線となる。従って、透明スクリーン4を観察した場合にその後方にフレネルレンズ3が存在していない部分については、像として観察することができない。そこで、フレネルレンズ3の大きさは透明スクリーン4よりも大きくしておくことが望ましい。具体的には、フレネルレンズ3のサイズをリアスクリーン2に表示される像の最大の大きさのb/a倍よりも大きくしておけばよい。
【0034】
また、フレネルレンズ3から出射される光線のうち、透明スクリーン4に表示される像以外の部分は筐体31の内部で乱反射した迷光が支配的になるため、観察者が透明スクリーン4を通さずにフレネルレンズ3を見た場合でもまぶしさを感じることはない。
【0035】
また、本実施形態で用いる透明スクリーン4の光拡散性はほんの僅かであるため、裏面側から周囲の環境光が入射しても、表示される像のコントラストに与える影響は非常に低い。このため、周囲の環境光を暗くするなどの配慮はほとんど必要ない。
【0036】
本実施形態では、透明スクリーン4を採用することにより映像が表示されてない場合でもスクリーン自体が目立つことがなく、周辺の造形環境などに与える影響が少なくて済む。また、透明スクリーン4は僅かに光反射性あるいは光散乱性を有するため、投射光や環境光により透明スクリーン4の存在を観察者が確認することができ、透明スクリーン4上において結像された投射像に容易に眼の焦点を合わせることが可能となる。また、この透明スクリーン4を安価なアクリル板(透明シート)により構成することでコストを抑えることができる。
【0037】
また、プロジェクター1から投射された投射光は、リアスクリーン2を介してフレネルレンズ3へと入射する。リアスクリーン2の拡散特性をフレネルレンズ3に対して適当な広がりになるように調整することで、プロジェクター1からの投射光を効率よく利用することが可能となる。よって、プロジェクター1の明るさは比較的暗くてもよいため、低消費電力を実現できる。
【0038】
また、フレネルレンズ3のサイズを、透明スクリーン4上に映し出される像(観察者において観察される像)のサイズよりも大きいサイズに設定したので、観察者が透明スクリーン4の前方において像全体を視認することができる範囲を広くすることができる。
【0039】
さらに、本実施形態において、透明スクリーン4の全体に僅かな光反射性あるいは光散乱性を持たせたが、透明スクリーン4の上下左右の端部等の一部に不透明、半透明としてもよい。この場合には、透明スクリーンの前記一部以外には光散乱性あるいは光反射性を持たせる必要がなくなる。
【0040】
本実施形態において、表示ユニット10は、光学部品を収容する筐体31の内部に、プロジェクター1、透過型のリアスクリーン2、ミラー7が収納されており、ミラー7の前方であって筐体31の前面31aにはフレネルレンズ(第2結像手段)3が嵌め込まれた構成として説明したが、プロジェクター1、透過側のリアスクリーン2に変えて、液晶パネル等の直視型のフラットパネルディスプレイを用いる構成としても良い。この場合には、透過型のリアスクリーン2の位置にフラットパネルディスプレイを配置される。
【0041】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態の表示装置における透明スクリーンユニットの構成を示す斜視図である。
本実施形態の基本構成は先の第1実施形態と略同様であるが、透明スクリーンの構成において異なる。よって、以下では、本実施形態で採用している透明スクリーンユニットの構成を中心に述べる。第1実施形態の透明スクリーンは拡散性を有していないものであったが、本実施形態の透明スクリーンユニットは、適宜拡散性を付与することのできる構成となっている。
【0042】
図4に示すように、スクリーンユニット40は、透明シート41、拡散シート42、巻取り部(収納部)43、一対の脚部44A,44B、一対の補強部材49,49等を主にして構成されている。一対の脚部44A,44Bによって両側が支持された透明シート41の前方には拡散シート42を必要に応じて配置することができる構成となっている。透明シート41を支持する一方の脚部44Aには、拡散シート42を巻取り収容する巻取り部43が備えられている。なお、この巻取り部43は脚部44Aから着脱可能な構造とされていてもよい。また、他方の脚部44Bには、巻取り部43から引き出した拡散シート42を固定するための固定金具45が設けられている。
【0043】
拡散シート42の巻取り部43側とは反対側の端部には引掛け金具46が取り付けられているので、拡散シート42を巻取り部43から引き出して、他方の脚部44Bに設けられた固定金具45に引掛け金具46を引掛けて固定することができる。
これにより、透明シート41の前面側を覆うようにして拡散シート42が配置されることになる。
なお、一対の脚部44A,44Bどうしは、透明シート41を上下方向から挟み込むようにして配置された一対の補強部材49,49によって接続されている。補強部材49,49は、透明シート41の上端および下端にそれぞれ配置されており、不透明な樹脂材料により構成されている。これにより、透明シート41の位置が分かりやすくなり、透明シート41上に表示される像に眼の焦点を合わせやすい。また、透明シート41はその各辺が一対の脚部44A,44Bと一対の補強部材49,49とによって囲まれているので強度が確保されたものとなる。
さらに、補強部材49,49の内側に拡散シート42の移動を案内するガイド部(不図示)が形成されていてもよい。これにより、拡散シート42をガイド部(補強部材49)に沿ってスムーズに移動させることができる。
【0044】
スクリーンユニット40の設置位置を決めるにあたっては、まず、透明シート41に拡散シート42を引き出して透明シート41の一面側を覆うように重ねた状態で固定する。そして、表示ユニット10側においてプロジェクター1からの投射像をフレネルレンズ3により透明シート41上へ投射しておき、透明シート41を透過して拡散シート42に表示された像を見ながらスクリーンユニット40を移動させる。このようにして、フォーカスと表示位置が最適になる場所を求めればよい。位置を設定した後は、拡散シート42を巻取り部43に収納することで透明シート41上に投射された像を前方から観察することができる。
【0045】
このようなスクリーンユニット40によれば、透明シート41に密着して拡散シート42を配置できる構造であるため、拡散シート42を利用してユニット自体の位置決めを行うことができる。つまり、スクリーンユニット40の位置決め時のみ拡散シート42を巻取り部43から引き出しておくことによって、投射光が拡散シート42において拡散されるためその位置を確認しやすく、透明シート41のみで位置合わせするよりもスクリーンユニット40の位置決めを容易に行うことができる。これにより、投射像が結像される位置に透明シート41を確実に配置することができる。さらに、樹脂材料等の不透明な部材が透明シートの周囲に配置されているため、透明シートに光拡散性を付与しなくても結像位置を認識することが容易である。
【0046】
なお、拡散シート42は透明シート41に対してフレネルレンズ3側に配置するようにしてもよい。
【0047】
また、このスクリーンユニット40は、拡散シート42に対して巻取り部43側へ常に付勢されるように構成されているため、固定金具45から引掛け金具46を外すだけで拡散シート42を巻取り部43内に素早く収納させることができる。
【0048】
さらに、スクリーンユニット40を移動可能な移動機構48を設けるようにしてもよい。スクリーンユニット40の脚部44A,44Bを、表示ユニット10から投射される光の光軸に平行して配置されたガイド部47,47に沿って移動させることによって、表示ユニット10に対するスクリーンユニット40の位置を適宜調整することが可能となる。これにより、スクリーンユニット40の位置決めが容易に行えるようになる。
【0049】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図5に示すように、本実施形態の表示装置300は、表示ユニットと透明スクリーンとが一体とされた構成であり、これらが1つの筐体31内に収容されている。
この筐体31は、プロジェクター1等の表示手段が収容される第1収容部31Aと、透明スクリーン4を保持する直方体形状の第2収容部31Bとを有する。なお、これら第1収容部31Aおよび第2収容部31Bの形状はこれに限られない。
【0050】
フレネルレンズ3は筐体31の内部に納められ、筐体31の前面31aに透明スクリーン4が備えられている。具体的に、フレネルレンズ3は、筐体31の第1収容部31Aと第2収容部31Bの境界付近に存在する遮蔽板22にはめ込まれるようにして備えられ、フレネルレンズ3の周囲に投射された光はこの遮蔽板22において遮蔽されることになる。
透明スクリーン4は、フレネルレンズ3よりも大きい形状とされ、筐体31の前面31aよりも一回り小さいサイズとされている。
【0051】
また、第2収容部31B内には、展示物Jを載置するための載置台23が設置されており、フレネルレンズ3の下端よりも低くなりすぎない高さに設定された載置面23A上に展示物Jが載置されている。展示物Jは、筐体31の側面31b、31dのそれぞれに設けられた開閉扉(開閉部)24を介して出し入れすることができ、展示物Jとしては店舗で販売する商品であったり、立体的な模型であったり、その種類は問わない。
【0052】
このような載置台23上に展示物Jを載置することによって、観察者が正面から透明スクリーン4を見た際に、透明スクリーン4に投射された像を確認することができるとともに、透明スクリーン4の斜め方向から筐体31の内部を覗き込むことで、載置台23上に載置された展示物Jを確認することができる。また、投射像の隙間から展示物Jを垣間見ることもできる。これにより、投射像として店舗の広告や展示物Jの商品説明等を表示することで店舗アピールや展示物Jの販促を行うことが可能となる。
【0053】
また、展示物Jを照明するための照明装置を筐体31の内部に配置しても良い。本実施形態の表示装置300では、映像が投射されていない場合でも透明スクリーン4を介して内部の展示物Jを見ることができることから、例えば、照明装置などにより展示物Jを照明しておけば店舗閉店後も通行人がウィンドウショッピングを楽しむことができる。
【0054】
なお、透明スクリーン4と同様に開閉扉24を透明な材料で構成することで、筐体31の前方側からだけでなく、側面31b,31d側からも展示物Jを見ることができるようになる。
【0055】
また、透明スクリーン4の一部に認識テープ(認識部)51が貼り付けられていても良い。この認識テープ51は、不透明あるいは半透明なシール部材によって構成されたもので、展示物Jに関する商品名やメーカー名が示してある。これにより透明スクリーン4の位置が観察者から分かりやすくなり、表示される像に眼の焦点位置を合わせやすくなる。また、透明スクリーン4に像が表示されていない場合でも、展示物Jの属性情報を提示することができる。
この認識テープ51は、半透明部材により構成されたものであってもよい。「半透明」とは、透明部材に対して光透過性が低いことをさす。あるいは、透明スクリーン4の一部を半透明部材や、環境光を拡散させる光拡散部材により構成してもよい。
【0056】
本実施形態の構成によれば、筐体31の内部に展示物Jを収容できる構造としたため、観察者が筐体31の正面側から透明スクリーン4を見れば、透明スクリーン4に映し出された像を見ることができる。さらに、透明スクリーン4の斜め方向から筐体31の内部を覗き込むことで、透明スクリーン4の後方に位置する展示物Jを見ることが可能である。これにより、店舗などでの効果的な物品展示やショーウィンドウを実現できる。
【0057】
[第4実施形態]
図6は、第4実施形態における表示装置の概略構成を示す斜視図である。図7は、プロジェクターから投射された投射光の光路を示す図である。
先の実施形態では、筐体の後部であって展示物よりも後方側にプロジェクターが設置されていたが、本実施形態では筐体の上部であって展示物の上方側にプロジェクターが設置されている。
【0058】
本実施形態の表示装置400は、図6に示すように、筐体31の第2収容部31Bの上方に位置する第1収容部31Aの内部にプロジェクター1が収容されている。第2収容部31B内にはさらにミラー7やリアスクリーン2が収容されており、プロジェクター1からの投射光がミラー7において光軸が折り曲げられてリアスクリーン2へ入射するようになっている(図7)。
【0059】
リアスクリーン2の下方であって第2収容部31B内の載置台23よりも上方となる位置には、ハーフミラー8が備えられている。リアスクリーン2上で結像した投射像はこのハーフミラー8において反射されて、第2収容部31Bの背面31e側に設置された反射式フレネルレンズ(反射式光学素子)14に入射する(図7)。
【0060】
反射式フレネルレンズ14は、フレネルレンズ3Aの裏面側にミラー3Bを密着させて構成されたものであり、入射光はフレネルレンズ3Aを透過してミラー3Bにおいて反射され、再びフレネルレンズ3Aを透過してハーフミラー8側へ入射する(図7)。このように、反射式フレネルレンズ14において反射された投射光はハーフミラー8を透過して、筐体31の前面31aに備えられた透明スクリーン4上で結像する。
【0061】
筐体31の内部に載置される展示物Jは、上記実施形態と同様の構成をなす載置台23上に載置されており、反射式フレネルレンズ14の下端よりも低くならない高さに設定された載置面23A上に置かれている。これにより、正面から透明スクリーン4を見れば、透明スクリーン4に投射された像を確認することができ、斜め方向から覗き込むことで筐体31内の展示物Jを確認することができる。
【0062】
本実施形態の構成によれば、筐体31の上部にプロジェクター1とリアスクリーン2とを配置させ、さらに光軸を曲げるハーフミラー8を備えた構成としたことから、筐体31の奥行き方向における寸法を短くすることができる。これにより表示装置400全体の小型化を図れる。
【0063】
なお、本実施形態においても、筐体31の側面31b、31dにそれぞれ設けられた開閉扉24,24を透明スクリーン4と同様に透明な材料で構成し、展示物Jを側面31b,31dから見えるようにしても良い。
また、展示物Jを照明するための照明装置を筐体31の内部に配置しても良い。
また、反射式フレネルレンズ14の代わりに、凹面鏡を配置することでも同様の作用を実現することが可能である。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0065】
1…プロジェクター(表示手段)、2…リアスクリーン(表示手段、第2スクリーン、透過スクリーン)、2A,3,3A…フレネルレンズ、2B,42…拡散シート、3…フレネルレンズ(第2結像手段)、3B,7…ミラー、4…透明スクリーン(第1スクリーン)、6…投射レンズ、6…投射レンズ(第1結像手段)、7…ミラー(反射部材)、8…ハーフミラー、J…展示物、23…載置台、24…開閉扉(開閉部)、31…筐体、31a…前面、41…透明シート、43…巻取り部(収納部)、51…認識テープ(認識部)、100,300,400…表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、
前記第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、
前記第1スクリーンが、可視光を透過させるとともに前記投射映像の結像に影響を与えない程度の光反射性および光拡散性のうち少なくともいずれかを有する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
映像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、
前記第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、
を備え、
前記第1スクリーンは、透過スクリーンであるとともに一部に認識部が設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1スクリーンが、
透明シートと、
前記透明シートに密着して配置可能な拡散シートと、
前記拡散シートを収納する収納部と、を少なくとも備えて構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1結像手段を備える筐体の前面に前記第1スクリーンが備えられ、
前記筐体の内部には前記第1結像手段の下端よりも低くならない位置に展示物を載置可能な載置台が配置されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記筐体には前記展示物を出し入れするための開閉部が設けられており、
前記開閉部が透明材料により構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1スクリーンの認識部が不透明または半透明である
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示手段が、
映像を拡大投写する第2結像手段を備えたプロジェクターと、
前記プロジェクターから投射された投射像を結像する第2スクリーンと、を備えている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1結像手段のサイズが、前記表示手段に表示される前記映像のサイズと前記第1結像手段の拡大倍率との積の値よりも大きい
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記プロジェクター、前記第2スクリーンおよび前記第1結像手段が前記筐体に収容されている
ことを特徴とする請求項7または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記プロジェクターと前記第2スクリーンとの間に配置される反射部材と、
前記第2スクリーンと前記第1結像手段との間に配置されるハーフミラーと、を備え、
前記第1結像手段が反射式光学素子で構成されている
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項1】
映像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、
前記第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、を備え、
前記第1スクリーンが、可視光を透過させるとともに前記投射映像の結像に影響を与えない程度の光反射性および光拡散性のうち少なくともいずれかを有する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
映像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された映像を投射結像する第1結像手段と、
前記第1結像手段により投射された投射映像の結像位置に配置した第1スクリーンと、
を備え、
前記第1スクリーンは、透過スクリーンであるとともに一部に認識部が設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1スクリーンが、
透明シートと、
前記透明シートに密着して配置可能な拡散シートと、
前記拡散シートを収納する収納部と、を少なくとも備えて構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1結像手段を備える筐体の前面に前記第1スクリーンが備えられ、
前記筐体の内部には前記第1結像手段の下端よりも低くならない位置に展示物を載置可能な載置台が配置されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記筐体には前記展示物を出し入れするための開閉部が設けられており、
前記開閉部が透明材料により構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1スクリーンの認識部が不透明または半透明である
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示手段が、
映像を拡大投写する第2結像手段を備えたプロジェクターと、
前記プロジェクターから投射された投射像を結像する第2スクリーンと、を備えている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1結像手段のサイズが、前記表示手段に表示される前記映像のサイズと前記第1結像手段の拡大倍率との積の値よりも大きい
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記プロジェクター、前記第2スクリーンおよび前記第1結像手段が前記筐体に収容されている
ことを特徴とする請求項7または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記プロジェクターと前記第2スクリーンとの間に配置される反射部材と、
前記第2スクリーンと前記第1結像手段との間に配置されるハーフミラーと、を備え、
前記第1結像手段が反射式光学素子で構成されている
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−80042(P2013−80042A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218981(P2011−218981)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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