説明

表紙体保持具

【課題】書面などを透明収納ポケットにいれ背表紙に固定するクリアファイルと称される事務用品や書籍等の表紙体の複数を容易に一体化させることを可能にした表紙体保持具を提供する。
【解決手段】内側もしくは内部に滑り難い素材を溶着加工した表紙をポケット状に加工し表紙体の表紙が挿入できる様にした表紙体保持具を提供することにより複数の表紙体を一体化させ、且つ外れ難くさせることが可能になり複数の表紙体を一体化させ使用できることを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書面などに綴じ孔を開けずに綴じることが可能かつ外部から書面を識別可能な収納袋である透明ポケットを背表紙に固定し固定式のクリアブックもしくはクリアファイルとも称される事務用品(以下「クリアファイル」という)や書籍のその表紙を利用しクリアファイルや書籍等を2冊、3冊と簡単に一体化させるものであり滑りにくい素材を設けたことを特徴とした表紙体保持具である。本発明で「表紙体」とは、前記クリアファイルや書籍の他、ノートを含む総称である。
【背景技術】
【0002】
例えば現在販売されているクリアファイルは収納袋が20組、30組、40組、60組と用途により多様化している。
【0003】
さらに表紙がポロプロピレン(以下、「PP」という)などからなるものは、表紙自体に腰がなく、1冊の独立したクリアファイルを自立で保管すると時間の経過とともに内部のファイルともども曲がりを生じ自立しにくくなる。
【0004】
現在使用されている実体として使い勝手の面から20組から40組のクリアファイルを使用し、いきなり60組、80組を使用する事は少ない。
【0005】
クリアファイルの収納袋の中の書類がいっぱいになった時に整理するのに時間がかかる問題もあった。


【0006】
現在使用されているものには単体としてのファイルバインダーやブックカバー自体はありそれをリサイクルできるようにして自立可能にしているもの(特許文献1,2参照)や手触り、見た目をよくしているもの(特許文献3参照)はあるが、複数体を一体化する保持具はなく、また複数体を保持する時に滑りにくい素材を設けて滑り止めをするような工夫されたものもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-12268号公報
【特許文献2】特開平7-61162号公報
【特許文献3】特開2009-196100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする課題は、日常の中でサイズの大きなクリアファイルをいきなり使用するのは使いにくく小さめのクリアファイルを使用されるケースが多く、また複数の同じ項目のクリアファイルが存在しているケースがある。そのような時に同じ項目の複数のクリアファイルを一つのクリアファイルに纏める事ができる事を容易に可能とするものがなかった。
【0009】
解決しようとする課題の2は、シリーズに分かれている書籍を一体化させることにより読みやすくする為のものがなかった。
【0010】
解決しようとする課題の3は、書籍、ファイル等を複数まとめて自立させて使用できるバインダーとして利用できる表紙体保持具がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の表紙体を一体化させ使用する為に、複数の表紙体の隣接する一対の表紙を挿入する為の保持袋Aであって、その保持袋の内面の前記表紙に対向する面に滑り止め素材を設けしっかり保持することを目的としたことを特徴とする表紙体保持具。
【0012】
前記隣接する一対の表紙を挿入する為の保持袋Aの他に他方の外側に位置する一対の表紙をそれぞれ挿入する一対の前記記載内容の保持袋B,Cを備えた外側カバーを設けることによりさらに強固に一体化させることができることを特徴とする。
【0013】
前記外側カバーの保持袋B,Cの内部に固い芯部を組み入れることにより自立可能にすることができることを特徴とする。
【0014】
前記外側カバーの背表紙の部分に固い芯部を組み入れ、さらに背表紙の内側に固い芯部を組み入れた枝部を設けることにより前記隣接する一対の表紙部分を自立可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、例えば日常使いやすいサイズの複数のクリアファイルを簡単な構造で一体化できることを実現させることができる。
【0016】
本発明はシリーズに分かれている複数の書籍を一体化させることができる。
【0017】
本発明は外側カバーを設けることによりさらに強固に複数の表紙体を一体化させることができる。
【0018】
本発明は、外側カバーの内部に固い芯部を組み込むことにより自立可能にし、表紙体表紙の挿入を簡易化することができる。
【0019】
本発明は、外側カバーの内面部に固い芯部を組み込んだ枝部を設けることによりさらに強固に一体化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明の実施例1。図1(a)は側面図、図1(b)は斜視図、及び図1(c)は表紙体表紙の差し込み開口部の開口部方向からの断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の製作手順を示した図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施例1の使用状態を表している斜視図、図3(b)は上面図、図3(c)は使用方法の上面からの簡略図である。
【図4】図4(a)は実施例2の保持袋を外側に位置する一対の表紙をそれぞれ挿入する様配置した平面図、図4(b)は使用状態を表している上面図、図4(c)は使用方法の上面からの簡略図である。
【図5】図5(a)は本発明の内部に固い芯部を内蔵させたタイプの説明図、図5(b)はその模式図である。図5(c)は本発明の内部に固い芯部を内蔵させたタイプの使用方法の簡略図、及び使用状態を表している斜視図及び上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1から図3が実施例1である。
図1(a)は本発明の側面図、図1(b)は斜視図、図1(c)は差し込み箇所からの断面図である。
【0022】
図2は、本発明の製作手順を示した図である。
【0023】
本発明の表紙部分にあたる表紙1をポロプロピレン(以下、「PP」という)とし、その片面に滑りにくい素材2としてエチレンプロプレンゴム(以下、「EPDM」という)を溶着加工を施した表紙1を図2(a)と(b)の如く2枚用意する。図2(c)に示すようにEPDM面が接するように重ね合わせ図1の4,5,6の辺を綴じポケット状に加工したものである。
【0024】
ポケット状の差し込み箇所である開口部3に図3(b)に示すように一体化させようとする二つの表紙体F1,F2の表紙を挿入し使用できるように加工したものである。
【0025】
実施例1の表紙1のサイズは、従来のクリアファイルの高さをH,幅をWとした場合、
高さ=H+4mm
幅 =W−4mm とする。
【0026】
図4で実施例2を説明する。
図4は、本発明で隣接する一対の表紙を挿入する為の保持袋Aの他に他方の外側に位置する一対の表紙をそれぞれ挿入する為の保持袋B,Cを備えたものの(a)説明図、(b)模式図、(c)使用方法の簡略図である。
【0027】
図4に示す様に、従来のクリアファイルF1の背表紙の幅をT1,クリアファイルF2の背表紙の幅をT2とし、該クリアファイルF1、F2の幅をWとする。クリアファイルカバーを平面に開いた状態の幅を(W+4mm)*2+T1+T2+4mmとするカバーのそれぞれの端から該クリアファイルの幅W-60mmのサイズの保持袋B,Cを設ける。該保持袋B,Cの内面にEPDMを施す。該保持袋Bの開口箇所SにクリアファイルF1の表表紙a、保持袋Cの挿入箇所SにクリアファイルF2の裏表紙dを差し込みクリアファイルF1の裏表紙b、クリアファイルF2の表表紙Cを保持袋Aに挿入させ一体化させる。
【0028】
更に図5で更に改良した実施例3を説明する。
図5は、従来のクリアファイルF1の背表紙の幅をT1,クリアファイルF2の背面のサイズをT2とする。厚さ1.6mm〜1.8mmのダンボール紙DをPPフィルムで包んでいるくるみ表紙HA,HB、背表紙Tで形成されているクリアファイルカバーの背表紙Tの内面に厚さ1.6mm〜1.8mmのダンボール紙をPPフィルムで包んでいる内枝部HCを設けまた背表紙内部に鉄プレートZを設置する。クリアファイルカバーの表紙HAの内面、裏表紙HBの内面、内枝部HCの両面にEPDMを加工しポケット状にしてそのポケット部挿入開口箇所S(背表紙Tの内面から60mmの場所)にクリアファイルF1及びクリアファイルF2の表紙a,b,c,dを差し込みしクリアファイルF1とクリアファイルF2を一体化させるクリアファイルバインダータイプの表紙体保持具である。
【0029】
上記実施例3のクリアファイルカバーのサイズは
HA=H+4mm,
WA=W+4mm、
T=T1+T2+6mmとする。
【0030】
前記くるみ表紙HA,HB,内枝部HCを合皮Gで包むことで高級感を出すことも可能にすることができる。
【0031】
前記くるみ表紙HA,HB,内枝部HCの内部に固い芯部を設けることにより書籍のような軟らかい表紙体の表紙も挿入する為の保持袋に挿入が容易にすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1保持具表紙
2 EPDM
3 差し込み挿入開口部
4 保持具表紙の一辺
5 保持具表紙の一辺
6 保持具表紙の一辺
A 保持袋
B 保持袋
C 保持袋
D ダンボール紙
H クリアファイルカバーの高さ
W クリアファイルカバーの長さ
T クリアファイルカバーの背表紙の幅
F1 クリアファイル1
F2 クリアファイル2
a クリアファイル1の表表紙
b クリアファイル1の裏表紙
c クリアファイル2の表表紙
d クリアファイル2の裏表紙
T1 クリアファイル1の背表紙の幅
T2 クリアファイル2の背表紙の幅
HA クリアファイルカバーの表紙
HB クリアファイルカバーの裏表紙
HC クリアファイルカバーの内枝部
P ポケット部
S ポケット部差し込み開口部
Z 鉄プレート
G 合皮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表紙体を一体化させ使用する為に、複数の表紙体の隣接する一対の表紙を挿入する為の保持袋であって、その保持袋の内面の前記表紙に対向する面に滑り止め素材を設けたことを特徴とする表紙体保持具。
【請求項2】
前記隣接する一対の表紙を挿入する為の保持袋Aの他に他方の外側に位置する一対の表紙をそれぞれ挿入する一対の保持袋B,Cを備えた外側カバーを設けることで一体化させることを特徴とする表紙体保持具。
【請求項3】
前記外側カバーの保持袋B,Cの内部に固い芯部を組み入れることにより自立可能にしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の表紙体保持具。
【請求項4】
前記外側カバーの背表紙の部分に固い芯部を組み入れ、さらに該背表紙の内側に固い芯部を組み入れた枝部を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の表紙体保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−16917(P2012−16917A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156506(P2010−156506)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(708004049)
【Fターム(参考)】