説明

表面の印象採得用のフォームを形成する硬化性組成物並びにそれに適した印象トレイ

【課題】使用に際して手動の及び/又は電気駆動型の混合装置を省くことができ、そして潜在的に付加的にフォーム構造を形成する組成物を提供する。
【解決手段】生物学的表面の印象採得用のフォームを形成する硬化性組成物、特に、例えば一官能性の及び多官能性のアミン及び/又はヒドロキシル基を有する化合物と反応してウレタンもしくは尿素を形成するイソシアネート又はA−シリコーンもしくはC−シリコーンもしくはポリエーテル又は1種以上のα−シラン又はそれらの混合物を基礎とする、有利には発泡剤を含有する歯科用組成物によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の印象採得用のフォームを形成する硬化性組成物並びにそれに適した印象トレイに関する。
【0002】
不可逆的に可塑性な印象材、例えばアルギン酸塩、ポリスルフィド、C−シリコーンもしくはA−シリコーン又はポリエーテルは、2種の成分を基礎としており、それらの成分は、印象採得の前に、手動でか、又は静的もしくは動的な手動型もしくは電気駆動型の、例えば歯科技巧の分野で目下使用されている混合装置を用いるかいずれかで手間をかけて均質化した上で、反応させねばならない。
【背景技術】
【0003】
DE19505896号A1においては、高い描写精度(Zeichnungsschaerfe)を有する容易に混合できる印象材が問題にされている。それによるとホイップクリームの粘稠度が望ましい。すなわち、前記印象材は、容易に成形でき、それでもなお安定していることが望ましい。DE19505896号A1は、ペースト中で極微小の結晶網目(Kristallgeflecht)を形成させることを提案している。これらは、気泡を含まない。
【0004】
発泡される又は発泡剤(Treibmittel)を含有するシリコーン材料は自体公知である。
【0005】
DE3210094号は、発泡剤によってシリコーン印象材中に微小中空球をその場で形成させることに関する。
【0006】
DE4029888号A1からは、潜在的に印象材として適した、場合により発泡して存在してよいポリウレタンの製造のための反応性の系が知られている。しかしながら、印象採得とフォームとの間の関係はそこでは打ち立てられていない。その発泡される別形が印象材として推奨されるか又は適しているかは、未解決のままである。
【0007】
DE10100736号C2は、発泡ガス(Treibgas)によってフォーム気泡が作製される有機シリコーンを基礎とする離型剤に関する。その離型剤は、その際、印象材を問題視していない。
【0008】
US4677139号は、例えば絆創膏又は粘着パッドとしての又は歯茎と歯との一時的な隔離のための、例えば型どりを容易にするための又は歯茎手術に際しての歯科分野用のフォーム組成物に関する。
【0009】
加えて、Coltene/Whaledent Inc.社の製品Magic Foamcord、つまり歯肉溝拡張に用いられるが、印象採得には使用されず、発泡剤を含有しない材料も存在する(EP1603480号A1)。
【0010】
前記の製品では、接触している(歯肉溝の)表面は、膨張する材料によって拡張される。この特性は、表面の印象採得用のフォームと一線を画すものである。それというのも、当該フォームは表面構造を変えてはならず、さもなくば印象精度を損なうことになるためである。加えて、前記の製品Magie Foamcordは、本発明とは異なり、水もしくは空気湿分との反応によってはじめて膨張し、そしてフォーム状にその内腔を拡張する。
【0011】
DE10108038号C1及びDE10108039号C1においては、発泡剤を有するイソシアネート不含の発泡可能な混合物が記載されている。その用途は、建造物での工業用の吹き付けフォームの製造と、装置絶縁のために限定されている。特に私用者での危険性を低下させるためには、無毒の材料が推奨される。
【特許文献1】DE19505896号A1
【特許文献2】DE3210094号
【特許文献3】DE4029888号A1
【特許文献4】DE10100736号C2
【特許文献5】US4677139号
【特許文献6】EP1603480号A1
【特許文献7】DE10108038号C1
【特許文献8】DE10108039号C1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、使用に際して手動の及び/又は電気駆動型の混合装置を省くことができ、そして潜在的に付加的にフォーム構造を形成する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、請求項1に記載の生物学的表面の印象採得用のフォームを形成する硬化性組成物、特に、例えば一官能性の及び多官能性のアミン及び/又はヒドロキシル基を有する化合物と反応してウレタンもしくは尿素を形成するイソシアネート又はA−シリコーンもしくはC−シリコーンもしくはポリエーテル又は1種以上のα−シラン又はそれらの混合物を基礎とする、有利には発泡剤を含有する歯科用組成物に関する。
【0014】
好ましい実施態様は、従属形式請求項に規定されている。すなわち、
前記組成物であって、A−シリコーン印象材の基礎ペーストと、A−シリコーン印象材の触媒ペーストとを含有する組成物、
前記組成物であって、少なくとも1種のトリアルコキシ−α−シラン、ジアルコキシ−α−シラン又はモノアルコキシ−α−シランを基礎とする印象材を含有する組成物、
前記組成物であって、ポリエーテル印象材の基礎ペーストと、ポリエーテル印象材の触媒ペーストとを含有する組成物、
前記組成物であって、α−アミノトリメトキシシランを基礎とする印象材を含有する組成物、
前記組成物を、表面の印象採得用の剤を製造するために用いる使用、
前記組成物を、生物学的表面の印象採得用の剤を製造するために用いる使用、
前記組成物を、ヒト、動物又は植物で歯、身体部位、皮膚又は植物部位の表面の印象採得をするための印象材の製造のために用いる使用、
前記組成物を、歯科的表面の印象採得用の剤を製造するために用いる使用、
前記組成物を、残根上のダミーの形成のための剤を製造するために用いる使用、
前記組成物を、歯の輝きのための剤を製造するために用いる使用、
前記組成物を、スポーツ分野での個人の口腔保護("マウスガード")を製造するために用いる使用、
前記組成物を、個別の印象トレイを製造するために用いる使用、
前記組成物を、修正造形のための剤を製造するために用いる使用において、フォームのガス容積が50%未満である使用、
前記組成物を、発泡剤含有のフォームを使用した膨張する圧排糸による歯茎の拡張のための剤を製造するために用いる使用、
前記組成物を、靴インサート(Schuheinlage)、整形外科的補助手段(Orthopaediehilfsmittel)、座席適合具(Sitzanpassung)及び補聴器の群からの個人に適合される補助手段の作製のための身体部位の印象採得用の印象材を製造するために用いる使用、
前記組成物用の印象トレイであって、形成されたフォーム用の少なくとも1つの供給口と、側面をせき止めるための手段(2)と、過剰のフォームを咽頭腔中に至らしめないように、過剰のフォーム用の少なくとも1つの排出口(1)とを有する印象トレイ、並びに
前記印象トレイであって、更に、咽頭に対して、より有効な堰(3)が設けられている印象トレイ
に関する。
【0015】
また、本発明は、係る印象材からなる生物学的表面の印象物、特に例えば歯科用印象物のようなヒトの印象物であって独立気泡型のフォームを有する印象物に関する。すなわち、本発明は、
以下のiからvi:
i 一官能性の及び多官能性のアミン及び/又はヒドロキシル基を有する化合物と反応して、ウレタン又は尿素を形成するイソシアネート、又は
ii A−シリコーン、又は
iii C−シリコーン、又は
iv ポリエーテル、又は
v α−シラン、又は
vi 2種以上の材料i〜vの混合物
を基礎とする印象材からなる生物学的表面の印象物であって、独立気泡型のフォームを有することを特徴とする印象物、
前記印象物であって、歯科用印象物であることを特徴とする印象物、
前記印象物であって、自己支持性であることを特徴とする印象物、並びに
前記印象物であって、弾性でありかつ形状安定性である印象物
に関する。
【0016】
特に適しているのは、トリアルコキシ−、ジアルコキシ−もしくはモノアルコキシ−α−シラン(例えばα−アミノ−トリメトキシ−シラン)を基礎とする材料である。
【0017】
使用されるのが好ましいα−シランは、例えばWacker社から入手される。前記材料は、目下のところ建築用フォームで使用され、そこでは該材料は、例えばドア部材の固定と断熱のために用いられている。前記フォームは、古典的なイソシアネートを基礎とするフォームに比べて、大きく低減された毒性を示す。
【0018】
本発明による硬化性のフォームの利点は、以下の通りである:
・ 該材料は、低い密度を有するため、トレイ上に塗布する際に載置抵抗感がほとんどない。
【0019】
・ α−シランが使用される場合に、フォームで古典的に使用されるイソシアネートと比べて、潜在的毒性(それでも高い反応性で)が低い。
【0020】
・ フォーム中に高い発泡ガス分を有する一実施態様では、印象採得の間に印象材中で発泡する発泡剤によって生ずる発泡圧が改善された表面整合に導きうる。該フォームは間隙及び内腔を自主的に埋めるため、無圧での印象採得技術を可能にする。その印象物は、それによって歪みがなく、印象採得されるべき表面は完全に滑らかに沿うこととなる。
【0021】
・ フォーム中に高い発泡ガス分を有する一実施態様においては、該材料を、例えば噴霧容器から流出するフォーム用の1つの供給口を有し、側面でせき止められ、かつ過剰のフォームを咽頭腔中に至らしめないように、過剰のフォーム用の少なくとも1つの排出口を有する特定の印象トレイと一緒に準備する場合に特に好ましいことがある。従ってまた、本発明は、このように構成された印象トレイに関する。
【0022】
・ もう一つの実施態様においては、本発明によるフォームから直接的に個別の印象トレイを製造することも可能である。該硬化性フォームの最終硬度が十分に高く、かつ弾性率が高い場合に、このフォームは、印象採得されるべき表面からの分離後に硬質体をもたらし、それは修正法による第二の造形のための基礎を成す。第一の印象採得は、その際、個別の印象トレイと同じ目的を満たす。
【0023】
・ また、本発明による高い見掛け密度(硬化したフォーム中で50%未満のガス容積)を有するフォームを修正造形のために予定することが合理的なことがある。その高い見掛け密度は、例えば低い含有率の発泡剤によって達成することができる。
【0024】
・ 当然のように、本発明によるフォームは、好適な実施態様においては、概形印象物の製造のためにも使用することができる。
【0025】
・ 同様に、好適な粘度と、含まれる発泡ガスの相応の含有率とをもって、本発明によるフォームは、歯茎の拡張のために、あるいは発泡する圧排糸(Extraktionsfaden)のようなものとして予定することも可能である。
【0026】
・ また、残根上のダミー(Platzhalter)として、歯の輝き(Scheinung)のために、並びにスポーツ分野での個人の口腔保護("マウスガード")の製造のために使用することも可能である。
【0027】
・ 適度に調節可能な混合物の膨張特性に基づき、例えば歯科用の体表面及び内表面とは別のものの印象採得のための使用、ここで例えば耳の印象採得のための印象材としての使用も非常に好ましい。
【0028】
・ フォーム形成は、適宜、圧力容器からの適用によって引き起こされる。
【0029】
・ フォーム形成剤としては、発泡ガス、例えば窒素又は炭酸、低分子の炭化水素、例えばペンタン、ブタン、プロパンもしくはそれらの混合物又はガス形成性の化学物質、例えば重炭酸ナトリウムとクエン酸とを用いることができる。
【0030】
本発明による印象トレイは、フォームの流入及び流出のための流路1を有している。更に、トレイと歯茎の移行部を充填するための円形の堰2が認識できる。
【0031】
更なる一実施態様においては、該印象トレイには、咽頭に対して、より有効な堰3が設けられていてよい。
【0032】
本発明によるフォームのための材料としては、例えばイソシアネートを基礎とし、例えば一官能性の及び多官能性のアミン及び/又はヒドロキシル基を有する化合物と反応してウレタンもしくは尿素をもたらす系、更にA−シリコーンもしくはC−シリコーン及びポリエーテル又はそれらの混合物が適している。
【0033】
特に適しているのは、トリアルコキシ−、ジアルコキシ−もしくはモノアルコキシ−α−シラン(例えばα−アミノ−トリメトキシ−シラン)を基礎とする材料である。
【0034】
使用されるのが好ましいα−シランは、例えばWacker社から入手される。前記材料は、目下のところ建築用フォームで使用され、そこでは該材料は、例えばドア部材の固定と断熱のために用いられている。前記フォームは、古典的なイソシアネートを基礎とするフォームに比べて、大きく低減された毒性を示す。
【0035】
フォームの形成は、好適な一次装填手段(Primaerpackmittel)の選択によって実施でき、それは、例えば混合装置中でガスを印象材中に導入し、そのガスが、該混合装置を出た後にその材料にフォーム状の構造を与える。
【0036】
有利には、フォーム形成剤、例えば窒素もしくは炭酸、低分子の炭化水素、例えばペンタン、ブタン、プロパンもしくはそれらの混合物又はガス形成性の化学物質、例えば重炭酸ナトリウムとクエン酸とが使用され、それらは、基礎成分もしくは触媒成分に、又は両方の成分に直接添加される。
【0037】
加えて、多室容器中で発泡剤とフォーム形成剤とを分離することも可能であり、それによって材料特性を、細かく適度に使用目的に調整することができる。
【0038】
本発明の特に好ましい実施態様は、以下の実施例から明らかである:
【実施例】
【0039】
実施例1
以下のa)及びb):
a)A−シリコーン印象材の市場で使用される典型的な組成の基礎ペースト、この場合にはHeraeus Kulzer GmbH社の市販品Flexitime Correct Flow 1)(チャージ 250327)、及び
b)市販品Flexitime Correct Flow(チャージ 250334)の触媒ペースト
からなる印象材を、2室−圧力ガスカートリッジ中に詰める。発泡剤として、この場合には、ペンタンを用いる(図2aを参照)。その際に、適用は、例えば商慣習のアプリケータ(図2b)によって商慣習の静的混合機を使用して行う。
【0040】
該印象材の供給時間は、50mlの硬質カートリッジを装荷する手動型の印象ガンからの時間に対してかなり短縮されている。該印象材の適用は、混合ノズルが手のポンプ運動によって揺り動かされないことに基づいて、非常に適度に位置決めされて行うことができる。
【0041】
形成するシリコーンは、古典的に硬質カートリッジから吐出される材料に対して、静的混合機によって混合される商品によって、驚くべきことに、フォーム構造を示す。それにより、ショアA硬度は、約10単位だけ下がって、36単位となっている(混合開始10分後に測定)。このA−シリコーンの加工時間と固化時間は、該商品の時間と同等である。固まった印象材中の孔は、その際、硬化した材料内部にほぼ完全に存在するが、一方で印象採得された表面上にはほぼ気泡がなく、非常に均質な表面が生じている。
【0042】
1) 印象材であるFlexitimeは、二相の付加架橋性のポリビニルシロキサン(3.3.を参照)である。それは、高粘度相(Heavy−Tray)と低粘度相(Correct Flow)からなる。Heavy−Tray相の場合は、基礎ペーストと反応体ペーストとを、いわゆるPentamix装置において混ぜ合わせる。Correct−Flow相は、混合カニューレ(Mischkanuele)と調合器によって混合され、手動で適用される。それらの相の固化時間は、3.5〜5分である。付加架橋性のシリコーン(A−シリコーン)の場合には、基礎成分は、末端ビニル基を有する直鎖を有する。反応体成分は、オルガノハイドロジェンシロキサンからなる。有機白金化合物が触媒として機能する。両方の成分を完全混和した場合に、エチル架橋が形成され、その際、低分子の揮発性の物質は生じない(重付加)。
【0043】
実施例2
以下のa)及びb):
a)A−シリコーン印象材の市場で使用される典型的な組成の基礎ペースト、この場合にはHeraeus Kulzer GmbH社の市販品Flexitime Correct Flow(チャージ 250327)、及び
b)市販品Flexitime Correct Flow(チャージ 250334)の触媒ペースト
からなる印象材を、2室−圧力ガスカートリッジ中に詰める。発泡剤は、この場合には、ペンタンであり、付加的に、フォーム形成剤及び内部発泡剤として5%のペンタンを基礎ペースト中で使用する(図3aを参照)。その際に、適用は、例えば商慣習のアプリケータ(図3b)によって商慣習の静的混合機を使用して行う。
【0044】
該印象材の供給時間は、50mlの硬質カートリッジを装荷する手動型の印象ガンからの時間に対してかなり短縮されており、かつ該印象材の適用は、混合ノズルが手のポンプ運動によって揺り動かされないことに基づいて、非常に適度に位置決めされて行うことができる。
【0045】
形成するシリコーンは、古典的に硬質カートリッジから吐出される材料に対して、静的混合機によって混合される商品によって、予想されるように、フォーム構造を示す。それにより、ショアA硬度は、約19単位だけ下がって、27単位となっている(混合開始10分後に測定)。該印象材がゲル化(Vergelung)する時点までにその容積をどのようにして約10〜15%だけ拡大するかを、従って課題が生ずる範囲で望まれるフォーム圧力をどのように示すかを視覚的に観察することができる。このA−シリコーンの加工時間と硬化時間は、該商品の時間と同等である。固まった印象材中の孔は、その際、この場合にも、硬化した材料内部にほぼ完全に存在するが、一方で印象採得された表面上にはほぼ気泡がなく、非常に均質な表面が生じている。
【0046】
本形態と類似したシリコーンは、高い弾性と緩衝特性とに基づき、例えばスポーツ用途のための口腔保護(マウスガード)としても非常に適していると思われる。
【0047】
実施例3
以下のa)及びb):
a)A−シリコーン印象材の市場で使用される典型的な組成の基礎ペースト、この場合にはHeraeus Kulzer GmbH社の市販品Flexitime Correct Flow(チャージ 250327)、及び
b)市販品Flexitime Correct Flow(チャージ 250334)の触媒ペースト
からなる印象材を、2室−圧力ガスカートリッジ中に詰める。
【0048】
発泡剤は、この場合には、ペンタンである。2%のペンタンを、付加的に、フォーム形成剤及び内部発泡剤として触媒ペーストとして用いる(図4bを参照)。その際に、適用は、例えば商慣習のアプリケータ(図3b)によって商慣習の静的混合機を使用して行う。
【0049】
該印象材の供給時間は、50mlの硬質カートリッジを装荷する手動型の印象ガンからの時間に対してかなり短縮されており、かつ該印象材の適用は、混合ノズルが手のポンプ運動によって揺り動かされないことに基づいて、非常に適度に位置決めされて行うことができる。
【0050】
形成するシリコーンは、古典的に硬質カートリッジから吐出される材料に対して、静的混合機によって混合される商品によって、予想されるように、フォーム構造を示す。それは、約17単位だけ下がって29となったショアA硬度をもたらす。該印象材がゲル化する時点までにその容積をどのようにして約10〜15%だけ拡大するかを、従って課題が生ずる範囲で望まれるフォーム圧力をどのように示すかを視覚的に観察することができる。このA−シリコーンの加工時間と硬化時間は、該商品の時間と同等である。固まった印象材中の孔は、その際、この場合にも、硬化した材料内部にほぼ完全に存在するが、一方で印象採得された表面上にはほぼ気泡がなく、非常に均質な表面が生じている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明により改変された印象トレイを示している。
【図2】図2は、本発明により改変された印象トレイであって、咽頭に対するより有効な堰が場合により設けられている印象トレイを示している。
【図3】図3の3a及び3bは、2室−圧力カートリッジと相応の印象トレイとでの使用形態を示している。
【図4】図4の4a及び4bは、異なる発泡剤含分を有する2室−圧力カートリッジでの使用形態を示している。
【符号の説明】
【0052】
1 排出口、 2 側面をせき止めるための手段、 3 堰

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的表面の印象採得用のフォームを形成する自己支持的に硬化する組成物、特に歯科用組成物であって、
A 以下のiからviのいずれかを基礎とする少なくとも1種の印象材と、
i 一官能性の及び多官能性のアミン及び/又はヒドロキシル基を有する化合物と反応して、ウレタン又は尿素を形成するイソシアネート、又は
ii A−シリコーン、又は
iii C−シリコーン、又は
iv ポリエーテル、又は
v α−シラン、又は
vi 2種以上の材料i〜vの混合物
場合により、
B 少なくとも1種の発泡剤と
を含有する組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、成分Aとして、A−シリコーン印象材の基礎ペーストと、A−シリコーン印象材の触媒ペーストとを含有する組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物であって、成分Aとして、少なくとも1種のトリアルコキシ−α−シラン、ジアルコキシ−α−シラン又はモノアルコキシ−α−シランを基礎とする印象材を含有する組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物であって、成分Aとして、ポリエーテル印象材の基礎ペーストと、ポリエーテル印象材の触媒ペーストとを含有する組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物であって、成分Aとして、α−アミノトリメトキシシランを基礎とする印象材を含有する組成物。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、表面の印象採得用の剤を製造するために用いる使用。
【請求項7】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、生物学的表面の印象採得用の剤を製造するために用いる使用。
【請求項8】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、ヒト、動物又は植物で歯、身体部位、皮膚又は植物部位の表面の印象採得をするための印象材の製造のために用いる使用。
【請求項9】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、歯科的表面の印象採得用の剤を製造するために用いる使用。
【請求項10】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、残根上のダミーの形成のための剤を製造するために用いる使用。
【請求項11】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、歯の輝きのための剤を製造するために用いる使用。
【請求項12】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、スポーツ分野での個人の口腔保護("マウスガード")を製造するために用いる使用。
【請求項13】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、個別の印象トレイを製造するために用いる使用。
【請求項14】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、修正造形のための剤を製造するために用いる使用において、フォームのガス容積が50%未満である使用。
【請求項15】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、発泡剤含有のフォームを使用した膨張する圧排糸による歯茎の拡張のための剤を製造するために用いる使用。
【請求項16】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物を、靴インサート、整形外科的補助手段、座席適合具及び補聴器の群からの個人に適合される補助手段の作製のための身体部位の印象採得用の印象材を製造するために用いる使用。
【請求項17】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物用の印象トレイであって、形成されたフォーム用の少なくとも1つの供給口と、側面をせき止めるための手段(2)と、過剰のフォームを咽頭腔中に至らしめないように、過剰のフォーム用の少なくとも1つの排出口(1)とを有する印象トレイ。
【請求項18】
請求項16に記載の印象トレイであって、更に、咽頭に対して、より有効な堰(3)が設けられている印象トレイ。
【請求項19】
以下のiからvi:
i 一官能性の及び多官能性のアミン及び/又はヒドロキシル基を有する化合物と反応して、ウレタン又は尿素を形成するイソシアネート、又は
ii A−シリコーン、又は
iii C−シリコーン、又は
iv ポリエーテル、又は
v α−シラン、又は
vi 2種以上の材料i〜vの混合物
を基礎とする印象材からなる生物学的表面の印象物であって、独立気泡型のフォームを有することを特徴とする印象物。
【請求項20】
請求項19に記載の印象物であって、歯科用印象物であることを特徴とする印象物。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の印象物であって、自己支持性であることを特徴とする印象物。
【請求項22】
請求項19から21までのいずれか1項に記載の印象物であって、弾性でありかつ形状安定性である印象物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−253779(P2008−253779A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96798(P2008−96798)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(399011900)ヘレーウス クルツァー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (56)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Kulzer GmbH 
【住所又は居所原語表記】Gruener Weg 11, D−63450 Hanau, Germany
【Fターム(参考)】