表面処理用電気器具
【課題】真空掃除機中の閉塞部の除去を行うことができるようにする解除可能な部分の偶発的な解除が阻止されるよう構成された真空掃除機を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの流体入口と少なくとも1つの流体出口との間に延びる流体流路を備えた表面処理用電気器具(1)、例えば真空掃除機であって、流体流路の少なくとも一部が表面処理用電気器具の解除可能な部分(16)内に収容されている表面処理用電気器具に関する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの流体入口と少なくとも1つの流体出口との間に延びる流体流路を備えた表面処理用電気器具(1)、例えば真空掃除機であって、流体流路の少なくとも一部が表面処理用電気器具の解除可能な部分(16)内に収容されている表面処理用電気器具に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理用電気器具、例えば真空掃除機に関する。本発明は、特に、表面処理用電気器具であって、少なくとも1つの流体入口と少なくとも1つの流体出口との間に延びる流体流路を有し、流体流路の少なくとも一部が、表面処理用電気器具の解除可能な部分内に収容されているような表面処理用電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
表面処理用電気器具、例えば真空掃除機が周知である。真空掃除機の大部分は、「直立」型のものか「筒」型のものかのいずれかである。典型的な真空掃除機は、真空掃除機の主要なコンポーネント、例えば汚れ空気を掃除機内に吸い込むファン付きモータ及び汚れ、ほこり及び他の屑をファンにより吸い込まれた汚れ空気流から分離する或る形態の分離装置を収容した本体を有する。
【0003】
空気入口と空気出口との間に少なくとも1つ、多くの場合、複数の択一的空気流路を備えた真空掃除機が知られている。かかる真空掃除機は、これら空気流路のうちの1つを選択して空気流を空気入口から空気出口に運ぶための弁を有する場合が多い。
【0004】
真空掃除機の空気流路は、使用中、閉塞状態になる場合がある。先行技術の真空掃除機では、閉塞が生じる場合のある空気流路部分への接近を得るのが幾分厄介であることが判明した。したがって、これら真空掃除機の構成は、保守及び補修を容易にするために改良された。
【0005】
これは、万一閉塞が空気流路中に生じた場合、真空掃除機のユーザが解除することができる解除可能な部分を空気流路中に設けることによって達成された。解除可能な部分の解除により、真空掃除機のユーザに空気流路への容易な接近を提供し、それにより閉塞部を迅速且つ容易に除くことができる。
【0006】
公知の先行技術では、解除可能な部分は、真空掃除機について未熟なユーザが基本的な保守及び閉塞部の除去を行うことができるようにする解除手段、例えば弾性押しボタンによって真空掃除機の残部に対して作動位置に保持される。これにより、真空掃除機を保守するのに必要な専門的知識を要する時間の長さが減少すると共に真空掃除機が長期間にわたって作動状態に保たれ、かくしてユーザの満足度が増すと共に保守及び補修に必要な時間の長さが減少するので有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行技術の構成のうちの幾つか、特に解除手段が真空掃除機の下半分に設けられている構成では欠点が生じることが判明した。解除手段は、一般に、非常に良く見え且つ接近可能などこかの場所に配置されている。しかしながら、かかる配置場所及び視認性により、解除手段は、偶発的出来事により叩かれ又は蹴飛ばされがちであり、それにより解除可能部分が脱落する場合がある。
【0008】
「表面処理用電気器具」という用語は、広い意味を有することが意図されており、表面を何らかの仕方で掃除し又は処理するよう表面上を走行するヘッドを備えた多種多様な機械を含む。表面処理用電気器具は、とりわけ、吸引力を表面に及ぼして物体を表面から吸い取る機械、例えば真空掃除機(乾式、湿式及び湿式/乾式)並びに物体を表面に施す機械、例えば研磨/ワックス掛け機械、圧力洗浄機械、地面マーキングマシン及び絨毯等の洗浄機械を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、表面処理用電気器具であって、
流体入口と流体出口との間に延びる流体流路を有し、流体流路の一部分が、表面処理用電気器具の解除可能な部分内に収容され、
解除可能な部分を解除する解除手段を有し、
解除手段の偶発的な解除を防止する偶発的解除防止手段を有することを特徴とする表面処理用電気器具を提供する。
【0010】
これは、偶発的解除防止手段が、ユーザが表面処理用電気掃除機の通常の使用中、解除手段を偶発的に叩き又は蹴飛ばすのを阻止するのに役立つ場合があるので有利である。
【0011】
好ましい実施形態では、表面処理用電気器具は、真空掃除機である。
【0012】
好ましくは、流体流路は、空気流路である。
【0013】
一実施形態では、解除手段は、キャッチ、例えば迅速解除キャッチ又は他の適当なロック手段、取り付け手段又はスナップ嵌め手段から成るのが良い。解除手段は、ユーザにより作動されるインタフェース、例えばボタンから成っていても良い。
【0014】
特定の実施形態では、解除手段は、解除可能な部分と一体であり、解除可能部分と関連し、又は解除可能部分に設けられた第1の部分と、表面処理用電気器具の残部と一体であり、かかる残部と関連しており、又はかかる残部に設けられた第2の協働する部分とから成るのが良い。
【0015】
好ましい実施形態では、2つの部分は、解除可能部分を通常の使用中、表面処理用電気器具の残部上の定位置に保つよう相互に係合する。2つの部分は、解除可能部分を表面処理用電気器具の残部から解除するよう互いに離脱可能である。特定の実施形態では、これは、ユーザがユーザ作動式インタフェースを作動させ、例えばこれを押すことによって達成できる。
【0016】
一実施形態では、偶発的解除防止手段は、解除手段に隣接して又はその一部に隣接して設けられた1つ又は2つ以上の突出部から成るのが良い。好ましい実施形態では、偶発的解除防止手段は、ユーザ作動式インタフェースに隣接して設けられるのが良い。1つ又は2つ以上の突出部は、1つ又は2つ以上の隆起リブ、隆起壁、隆起箇所、隆起フード又は任意他の適当な隆起領域から成るのが良い。
【0017】
好ましくは、突出部は、ユーザ作動式インタフェースから0.25cm、0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm〜4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、6.5cm又は7cmのところに設けられている。
【0018】
突出部は、ユーザ作動式インタフェースを包囲し又はその周りにエンクロージャを形成するのが良く、例えば、突出部は、周りに円、正方形、長方形又は他の形状を形成するユーザ作動式インタフェースの全ての側に設けられるのが良い。特定の実施形態では、単一の突出部が、ユーザ作動式インタフェースを包囲しても良い。
【0019】
変形実施形態では、幾つかの突出部をユーザ作動式インタフェースに隣接して設けても良い。例えば、ユーザ作動式インタフェースに隣接して1つ、2つ、3つ、4つ又は5つ以上の突出部を設けても良い。
【0020】
特定の実施形態では、突出部は、ユーザ作動式インタフェースが突出部と境を接するようユーザ作動式インタフェースの少なくとも2つの側部に設けられても良い。突出部は、好ましくは互いに平行に配置された一対の細長いリブから成るのが良い。これらリブは、垂直か水平かのいずれかに配置可能である。リブは、外方に向いた水平面を有するのが良く、或いは、リブは、これらの長さの少なくとも一部に沿ってテーパしていても良い。好ましい実施形態では、一方又は両方のリブの外面は、水平部分及び表面掃除用電気器具の残部に向かって傾斜しているのが良い1つ又は2つ以上の傾斜部分を有するのが良い。特定の実施形態では、一方のリブは、両端部に向かって傾斜し、かかるリブは、2つの傾斜部分相互間に水平部分を有し、他方のリブは、一端部に水平面を有し、他端部のところが表面処理用電気器具の残部に向かって傾斜している。
【0021】
好ましい実施形態では、突出部は、ユーザの指によるユーザ作動式インタフェースへの接近を可能にするのに足るほど広く間隔を置いて位置するが、ユーザの足がユーザ作動式インタフェースを偶発的に作動させることができないようにするほど互いに密接して配置されている。好ましくは、突出部は、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm〜4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、6.5cm又は7cmの間隔を置いて位置している。
【0022】
特定の実施形態では、少なくとも1つの突出部又は突出部の外面は、表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又はユーザ作動式インタフェースよりも遠いところまで突き出ているのが良い。変形例として、少なくとも1つの突出部又は突出部の外面は、表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又は例えばユーザ作動式インタフェースがユーザによって押されたときユーザ作動式インタフェースがその作動位置で表面処理用電気器具の残部から突き出る距離よりも遠いところまで突き出ても良い。
【0023】
解除可能部分は、単純で真っ直ぐな流体流路であっても良く、或いは、流体の流れの方向を変える曲がり部を有しても良く、曲がり部は、解除可能部分内に収容される。追加的に又は代替的に、解除可能部分は、他のコンポーネントを有しても良く、例えば、表面処理用電気器具が複数の択一的な流体流路を有する場合、解除可能部分は、弁を更に有するのが良い。
【0024】
好ましい実施形態では、解除可能部分は、表面処理用電気器具の残部から遠ざかる後方の方向に表面処理用電気器具の残部から解除可能であるよう構成されているのが良い。しかしながら、解除可能部分は、任意適当な方向において表面処理用電気器具の残部から解除可能に構成されていても良い。解除可能部分は、ユーザ作動式インタフェースを作動させると、解除可能部分が解除されるが、表面処理用電気器具の残部と関連したままであるような仕方で表面処理用電気器具の残部に取り付けられるのが良い。例えば、解除可能部分は、表面処理用電気器具の残部にヒンジ式に取り付けられたままであるのが良い。変形実施形態では、解除可能部分は、ユーザ作動式インタフェースを作動させると、表面処理用電気器具の残部から完全に解除可能であっても良い。
【0025】
特定の実施形態では、キャッチの第1の部分は、少なくとも1つの突出部から成るのが良い。変形実施形態では、キャッチの第2の部分は、少なくとも1つの突出部から成っていても良い。代替的に又は追加的に、少なくとも1つの突出部は、解除可能部分又は表面処理用電気器具の残部に設けられても良い。
【0026】
次に、添付の図面を参照して本発明の表面処理用電気器具の好ましい実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1a】解除可能な部分を有する先行技術の真空掃除機の背面側斜視図である。
【図1b】図1aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図2a】先行技術の真空掃除機の背面側斜視図であり、真空掃除機の残部から取り外された解除可能な部分を示す図である。
【図2b】図2aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図3a】解除可能な部分を有する本発明の実施形態の背面側斜視図である。
【図3b】図3aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図4a】本発明の実施形態の背面側斜視図であり、真空掃除機の残部から取り外された解除可能部分を示す図である。
【図4b】図4aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図5a】本発明の実施形態の背面側斜視図であり、解除可能部分と解除手段との間に設けられたコネクタを示す図である。
【図5b】図5aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図6a】解除可能部分を有する本発明の変形実施形態の背面側斜視図である。
【図6b】図6aに示された解除可能部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1a〜図2bを参照すると、先行技術の真空掃除機の構造が理解できる。全体が参照符号1で示された真空掃除機は、本体2と、ユーザにより作動可能な取っ手3と、掃除機ヘッド4とを有している。掃除機ヘッド4は、本体2の下端部に回動可能に取り付けられており、この掃除機ヘッドは、使用にあたり、床面を処理するのに役立つ。掃除機ヘッド4の床に向いた下方側部は、空気入口スロット11を有している。
【0029】
真空掃除機1は、吸引空気流を発生させるファン付きモータ(これらの図では見えない)を収容している。本体2は、汚れ、ほこり及び他の屑をファン付きモータにより掃除機1内に吸い込まれた汚れ空気流から分離する分離装置6を収容している。
【0030】
この先行技術の掃除機では、分離装置6は、汚れ及びほこりを空気流から高速回転により除去するサイクロン式である。サイクロン式分離装置6は、互いに直列に配置された2つのサイクロン分離段を有している。第1の段は、円筒形の壁を備えたチャンバ7であり、第2段は、互いに並列に配置された1組のテーパした実質的に切頭円錐形のチャンバ8である。空気流は、ダクト9によりチャンバ7の上方部分に接線方向に差し向けられる。大きな屑及び粒子は、除去されてこのサイクロンチャンバ7内に収集される。次に、空気流は、シュラウド(図示せず)を通って1組のサイクロンチャンバ8に至る。細かいほこりは、これらチャンバ8により分離され、共通の収集領域内に収集される。第2の組をなす分離器8は、直立型であるのが良く、即ち、これらの流体入口及び出口は、頂部のところに位置し、これらの汚れ出口は、底部のところに位置し、或いは上下逆さまであっても良く、即ち、これらの流体入口及び出口が底部のところに位置し、これらの汚れ出口が頂部のところに位置しても良い。分離装置6の性状は、本発明にとっては重要ではない。
【0031】
本体2は、清浄になった空気流中の細かい粒子を捕捉するフィルタ(これらの図では見えない)を更に収容している。これらフィルタは、分離装置6によっては空気流から既に除去されなかった細かいほこり粒子を除去する。第1のフィルタ(モータ前置フィルタと呼ばれる)が、ファン付きモータの前に設けられている。第2のフィルタ(モータ後置フィルタと呼ばれる)が、ファン付きモータの後に設けられている。吸引ファンを駆動するモータが炭素ブラシを有する場合、モータ後置フィルタは、ブラシによって放出された炭素粒子を捕捉するのにも役立つ。次に、清浄な空気が大気中に放出される。
【0032】
掃除機は、2つの互いに異なる空気流路12,13を有し、これら空気流路は、空気を、床掃除のための使用中空気入口スロット11か床より上方の場所の掃除中、ワンド14の端部かのいずれかから差し向ける。図1aに示されているような直立位置と傾斜位置との間における真空掃除機1の動きに応答して、2つの空気流路12,13を互いに自動的に変えるために切換弁15が設けられている。
【0033】
図1で理解できるように、空気流路12,13は、曲がり部を有している。真空掃除機が空気流路12,13中に曲がり部を有している場合にはいつでも、閉塞が生じる恐れが増す。
【0034】
最終使用者が空気流路12,13中の閉塞部を除くのを助けるため、先行技術の真空掃除機1は、解除可能な部分16,160を備えている。図2a及び図2bでは、解除可能部分16はその解除形態で見える。これら解除可能部分16,160を解除し又は取り外すことにより、真空掃除機1のユーザに空気流路12,13への容易な接近が与えられ、それにより閉塞部を迅速且つ容易に除くことができる。
【0035】
解除可能部分16は、迅速解除機構体17によって真空掃除機1の残部に対して作動位置に保持できることが理解できる。迅速解除機構体17は、ユーザ作動式インタフェース、例えばボタン18を有している。迅速解除機構体17は、解除可能部分16に設けられた第1の部分19及び真空掃除機1の残部に設けられた第2の協働する部分20を更に有している。2つの部分19,20は、解除可能部分16を通常の使用中、真空掃除機1上の定位置に保つよう相互に係合するが、ユーザがボタン18を押し、2つの部分19、20を滑らせて相互の係合状態を解くことにより迅速に離脱可能である。
【0036】
図1a〜図1bで理解できるように、ボタン18は、これに隣接して設けられた特徴部から突き出ており、したがって、偶発的出来事により叩かれ又は蹴飛ばされがちである。これは、特に掃除機1のベースの近くにボタン18が設けられているので真空掃除機1の通常の使用中に当てはまる。ボタン18を蹴飛ばすと、解除可能部分16は、偶発的出来事により真空掃除機1の残部から解除される場合がある。
【0037】
したがって、本発明は、この問題の解決に役立つことを目的としている。図3a〜図5bで理解できるように、本発明の真空掃除機1は、図1a〜図2bを参照して説明した真空掃除機と多くの特徴を共有しており、類似した特徴を示すために同一の符号が用いられる。
【0038】
図3a〜図5bでは、本発明の真空掃除機1が、ユーザにより作動可能なボタン18の各側に一つずつ設けられた一対の突出リブの形態をした偶発的解除防止手段24を更に有していることが理解できる。これらリブ24は、ユーザ作動式ボタン18の偶発的作動を阻止するのに役立つ。
【0039】
リブ24は、細長く、しかも好ましくは互いに平行である。リブは、これらの図では垂直に配置されているが、水平に又は任意他の適当な角度をなして配置可能である。リブ24は、これらの取り付け面と反対側に水平面26を有している。一方又は両方のリブ24の外面は、真空掃除機1の残部に向かって傾斜した1つ又は2つ以上の傾斜部分30を更に有するのが良い。図3a〜図5bに示された実施形態では、リブ24のうちの一方は、中間部が水平面26から両端部に向かって傾斜し、他方のリブ24は、水平面26から一端部に向かって傾斜している。
【0040】
好ましい実施形態では、リブ24は、ユーザの指によるボタン18への接近を可能にするのに足るほど広く間隔を置いて位置するが、ユーザの足又は体の他の意図しない部分がボタン18を偶発的に作動させることができないようにするほど互いに密接して配置されている。好ましくは、リブ24は、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm〜4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、6.5cm又は7cmの間隔を置いて位置している。
【0041】
リブ24の少なくとも一部分の外面は、好ましくは、真空掃除機1の残部から同一の距離にわたり又はボタン18よりも遠いところまで突き出る。変形例として、リブ24の少なくとも一部分は、真空掃除機1の残部から同一の距離にわたり又は真空掃除機1の残部からの距離よりも遠いところまで突き出ても良く、したがって、迅速解除機構体17を作動させ、解除可能部分16を真空掃除機1の残部から解除できる前にボタン18を押さなければならないようになっている。真空掃除機1の使用中、ユーザが偶発的にボタン18の配置されている領域を偶発的に蹴飛ばした場合、ユーザの足は、リブ24に当たり、ボタン18には当たらないであろう。
【0042】
図3a〜図5bでは、解除可能部分16は、迅速解除機構体17によって真空掃除機1の残部に対して作動位置に保持できることが理解できる。迅速解除機構体17は、ボタン18と、第1の部分19と、これと協働する第2の部分20とを有している。2つの部分19,20は、通常の使用中、解除可能部分16を真空掃除機1上の定位置に保つよう相互に係合するが、ユーザがボタン18を押すことにより迅速に係合解除できる。
【0043】
図5a及び図5bでは、第1の部分19は、製造を容易にするために解除可能又は取り外し可能な部分16に設けられたコネクタ32に取り外し可能に取り付けできることが理解できる。第1の部分19は、任意の手段により第2の協働する部分20に解除可能に取り付け可能である。好ましい実施形態では、解除可能部分を真空掃除機の残部上に配置するため、ユーザは、第1の部分19を第2の部分20のランナ34(1つが図4bに見える)上に滑らせ、ついには、この部分がスナップ嵌めによりロック係合状態になる。
【0044】
解除可能部分16を解除するため、ユーザは、ボタン18を押すのが良く、このボタンは、第1の部分19を第2の部分20内に固定する機構体を解除するよう構成されている。次に、第1の部分19を滑らせて第2の部分20との係合状態を解除するのが良く、すると、解除可能部分は、自由であり、閉塞部があるかどうかについて点検できる。
【0045】
図6a及び図6bは、解除可能部分160を偶発的な解除から保護するためにリブ24′がユーザ作動式ボタン18′の各側に一つずつ設けられた変形実施形態を示している。
【0046】
当業者には適当な改造例及び変形構成例が明らかであろう。
【符号の説明】
【0047】
1 真空掃除機
2 本体
3 取っ手
4 掃除機ヘッド
6 分離装置
7 収集チャンバ
8 サイクロンチャンバ
14 ワンド
16,160 解除可能な部分
17 迅速解除機構体
18 ボタン
12,13 空気流路
24 偶発的解除防止手段
26 水平面
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理用電気器具、例えば真空掃除機に関する。本発明は、特に、表面処理用電気器具であって、少なくとも1つの流体入口と少なくとも1つの流体出口との間に延びる流体流路を有し、流体流路の少なくとも一部が、表面処理用電気器具の解除可能な部分内に収容されているような表面処理用電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
表面処理用電気器具、例えば真空掃除機が周知である。真空掃除機の大部分は、「直立」型のものか「筒」型のものかのいずれかである。典型的な真空掃除機は、真空掃除機の主要なコンポーネント、例えば汚れ空気を掃除機内に吸い込むファン付きモータ及び汚れ、ほこり及び他の屑をファンにより吸い込まれた汚れ空気流から分離する或る形態の分離装置を収容した本体を有する。
【0003】
空気入口と空気出口との間に少なくとも1つ、多くの場合、複数の択一的空気流路を備えた真空掃除機が知られている。かかる真空掃除機は、これら空気流路のうちの1つを選択して空気流を空気入口から空気出口に運ぶための弁を有する場合が多い。
【0004】
真空掃除機の空気流路は、使用中、閉塞状態になる場合がある。先行技術の真空掃除機では、閉塞が生じる場合のある空気流路部分への接近を得るのが幾分厄介であることが判明した。したがって、これら真空掃除機の構成は、保守及び補修を容易にするために改良された。
【0005】
これは、万一閉塞が空気流路中に生じた場合、真空掃除機のユーザが解除することができる解除可能な部分を空気流路中に設けることによって達成された。解除可能な部分の解除により、真空掃除機のユーザに空気流路への容易な接近を提供し、それにより閉塞部を迅速且つ容易に除くことができる。
【0006】
公知の先行技術では、解除可能な部分は、真空掃除機について未熟なユーザが基本的な保守及び閉塞部の除去を行うことができるようにする解除手段、例えば弾性押しボタンによって真空掃除機の残部に対して作動位置に保持される。これにより、真空掃除機を保守するのに必要な専門的知識を要する時間の長さが減少すると共に真空掃除機が長期間にわたって作動状態に保たれ、かくしてユーザの満足度が増すと共に保守及び補修に必要な時間の長さが減少するので有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行技術の構成のうちの幾つか、特に解除手段が真空掃除機の下半分に設けられている構成では欠点が生じることが判明した。解除手段は、一般に、非常に良く見え且つ接近可能などこかの場所に配置されている。しかしながら、かかる配置場所及び視認性により、解除手段は、偶発的出来事により叩かれ又は蹴飛ばされがちであり、それにより解除可能部分が脱落する場合がある。
【0008】
「表面処理用電気器具」という用語は、広い意味を有することが意図されており、表面を何らかの仕方で掃除し又は処理するよう表面上を走行するヘッドを備えた多種多様な機械を含む。表面処理用電気器具は、とりわけ、吸引力を表面に及ぼして物体を表面から吸い取る機械、例えば真空掃除機(乾式、湿式及び湿式/乾式)並びに物体を表面に施す機械、例えば研磨/ワックス掛け機械、圧力洗浄機械、地面マーキングマシン及び絨毯等の洗浄機械を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、表面処理用電気器具であって、
流体入口と流体出口との間に延びる流体流路を有し、流体流路の一部分が、表面処理用電気器具の解除可能な部分内に収容され、
解除可能な部分を解除する解除手段を有し、
解除手段の偶発的な解除を防止する偶発的解除防止手段を有することを特徴とする表面処理用電気器具を提供する。
【0010】
これは、偶発的解除防止手段が、ユーザが表面処理用電気掃除機の通常の使用中、解除手段を偶発的に叩き又は蹴飛ばすのを阻止するのに役立つ場合があるので有利である。
【0011】
好ましい実施形態では、表面処理用電気器具は、真空掃除機である。
【0012】
好ましくは、流体流路は、空気流路である。
【0013】
一実施形態では、解除手段は、キャッチ、例えば迅速解除キャッチ又は他の適当なロック手段、取り付け手段又はスナップ嵌め手段から成るのが良い。解除手段は、ユーザにより作動されるインタフェース、例えばボタンから成っていても良い。
【0014】
特定の実施形態では、解除手段は、解除可能な部分と一体であり、解除可能部分と関連し、又は解除可能部分に設けられた第1の部分と、表面処理用電気器具の残部と一体であり、かかる残部と関連しており、又はかかる残部に設けられた第2の協働する部分とから成るのが良い。
【0015】
好ましい実施形態では、2つの部分は、解除可能部分を通常の使用中、表面処理用電気器具の残部上の定位置に保つよう相互に係合する。2つの部分は、解除可能部分を表面処理用電気器具の残部から解除するよう互いに離脱可能である。特定の実施形態では、これは、ユーザがユーザ作動式インタフェースを作動させ、例えばこれを押すことによって達成できる。
【0016】
一実施形態では、偶発的解除防止手段は、解除手段に隣接して又はその一部に隣接して設けられた1つ又は2つ以上の突出部から成るのが良い。好ましい実施形態では、偶発的解除防止手段は、ユーザ作動式インタフェースに隣接して設けられるのが良い。1つ又は2つ以上の突出部は、1つ又は2つ以上の隆起リブ、隆起壁、隆起箇所、隆起フード又は任意他の適当な隆起領域から成るのが良い。
【0017】
好ましくは、突出部は、ユーザ作動式インタフェースから0.25cm、0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm〜4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、6.5cm又は7cmのところに設けられている。
【0018】
突出部は、ユーザ作動式インタフェースを包囲し又はその周りにエンクロージャを形成するのが良く、例えば、突出部は、周りに円、正方形、長方形又は他の形状を形成するユーザ作動式インタフェースの全ての側に設けられるのが良い。特定の実施形態では、単一の突出部が、ユーザ作動式インタフェースを包囲しても良い。
【0019】
変形実施形態では、幾つかの突出部をユーザ作動式インタフェースに隣接して設けても良い。例えば、ユーザ作動式インタフェースに隣接して1つ、2つ、3つ、4つ又は5つ以上の突出部を設けても良い。
【0020】
特定の実施形態では、突出部は、ユーザ作動式インタフェースが突出部と境を接するようユーザ作動式インタフェースの少なくとも2つの側部に設けられても良い。突出部は、好ましくは互いに平行に配置された一対の細長いリブから成るのが良い。これらリブは、垂直か水平かのいずれかに配置可能である。リブは、外方に向いた水平面を有するのが良く、或いは、リブは、これらの長さの少なくとも一部に沿ってテーパしていても良い。好ましい実施形態では、一方又は両方のリブの外面は、水平部分及び表面掃除用電気器具の残部に向かって傾斜しているのが良い1つ又は2つ以上の傾斜部分を有するのが良い。特定の実施形態では、一方のリブは、両端部に向かって傾斜し、かかるリブは、2つの傾斜部分相互間に水平部分を有し、他方のリブは、一端部に水平面を有し、他端部のところが表面処理用電気器具の残部に向かって傾斜している。
【0021】
好ましい実施形態では、突出部は、ユーザの指によるユーザ作動式インタフェースへの接近を可能にするのに足るほど広く間隔を置いて位置するが、ユーザの足がユーザ作動式インタフェースを偶発的に作動させることができないようにするほど互いに密接して配置されている。好ましくは、突出部は、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm〜4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、6.5cm又は7cmの間隔を置いて位置している。
【0022】
特定の実施形態では、少なくとも1つの突出部又は突出部の外面は、表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又はユーザ作動式インタフェースよりも遠いところまで突き出ているのが良い。変形例として、少なくとも1つの突出部又は突出部の外面は、表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又は例えばユーザ作動式インタフェースがユーザによって押されたときユーザ作動式インタフェースがその作動位置で表面処理用電気器具の残部から突き出る距離よりも遠いところまで突き出ても良い。
【0023】
解除可能部分は、単純で真っ直ぐな流体流路であっても良く、或いは、流体の流れの方向を変える曲がり部を有しても良く、曲がり部は、解除可能部分内に収容される。追加的に又は代替的に、解除可能部分は、他のコンポーネントを有しても良く、例えば、表面処理用電気器具が複数の択一的な流体流路を有する場合、解除可能部分は、弁を更に有するのが良い。
【0024】
好ましい実施形態では、解除可能部分は、表面処理用電気器具の残部から遠ざかる後方の方向に表面処理用電気器具の残部から解除可能であるよう構成されているのが良い。しかしながら、解除可能部分は、任意適当な方向において表面処理用電気器具の残部から解除可能に構成されていても良い。解除可能部分は、ユーザ作動式インタフェースを作動させると、解除可能部分が解除されるが、表面処理用電気器具の残部と関連したままであるような仕方で表面処理用電気器具の残部に取り付けられるのが良い。例えば、解除可能部分は、表面処理用電気器具の残部にヒンジ式に取り付けられたままであるのが良い。変形実施形態では、解除可能部分は、ユーザ作動式インタフェースを作動させると、表面処理用電気器具の残部から完全に解除可能であっても良い。
【0025】
特定の実施形態では、キャッチの第1の部分は、少なくとも1つの突出部から成るのが良い。変形実施形態では、キャッチの第2の部分は、少なくとも1つの突出部から成っていても良い。代替的に又は追加的に、少なくとも1つの突出部は、解除可能部分又は表面処理用電気器具の残部に設けられても良い。
【0026】
次に、添付の図面を参照して本発明の表面処理用電気器具の好ましい実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1a】解除可能な部分を有する先行技術の真空掃除機の背面側斜視図である。
【図1b】図1aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図2a】先行技術の真空掃除機の背面側斜視図であり、真空掃除機の残部から取り外された解除可能な部分を示す図である。
【図2b】図2aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図3a】解除可能な部分を有する本発明の実施形態の背面側斜視図である。
【図3b】図3aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図4a】本発明の実施形態の背面側斜視図であり、真空掃除機の残部から取り外された解除可能部分を示す図である。
【図4b】図4aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図5a】本発明の実施形態の背面側斜視図であり、解除可能部分と解除手段との間に設けられたコネクタを示す図である。
【図5b】図5aに示された解除可能部分の拡大図である。
【図6a】解除可能部分を有する本発明の変形実施形態の背面側斜視図である。
【図6b】図6aに示された解除可能部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1a〜図2bを参照すると、先行技術の真空掃除機の構造が理解できる。全体が参照符号1で示された真空掃除機は、本体2と、ユーザにより作動可能な取っ手3と、掃除機ヘッド4とを有している。掃除機ヘッド4は、本体2の下端部に回動可能に取り付けられており、この掃除機ヘッドは、使用にあたり、床面を処理するのに役立つ。掃除機ヘッド4の床に向いた下方側部は、空気入口スロット11を有している。
【0029】
真空掃除機1は、吸引空気流を発生させるファン付きモータ(これらの図では見えない)を収容している。本体2は、汚れ、ほこり及び他の屑をファン付きモータにより掃除機1内に吸い込まれた汚れ空気流から分離する分離装置6を収容している。
【0030】
この先行技術の掃除機では、分離装置6は、汚れ及びほこりを空気流から高速回転により除去するサイクロン式である。サイクロン式分離装置6は、互いに直列に配置された2つのサイクロン分離段を有している。第1の段は、円筒形の壁を備えたチャンバ7であり、第2段は、互いに並列に配置された1組のテーパした実質的に切頭円錐形のチャンバ8である。空気流は、ダクト9によりチャンバ7の上方部分に接線方向に差し向けられる。大きな屑及び粒子は、除去されてこのサイクロンチャンバ7内に収集される。次に、空気流は、シュラウド(図示せず)を通って1組のサイクロンチャンバ8に至る。細かいほこりは、これらチャンバ8により分離され、共通の収集領域内に収集される。第2の組をなす分離器8は、直立型であるのが良く、即ち、これらの流体入口及び出口は、頂部のところに位置し、これらの汚れ出口は、底部のところに位置し、或いは上下逆さまであっても良く、即ち、これらの流体入口及び出口が底部のところに位置し、これらの汚れ出口が頂部のところに位置しても良い。分離装置6の性状は、本発明にとっては重要ではない。
【0031】
本体2は、清浄になった空気流中の細かい粒子を捕捉するフィルタ(これらの図では見えない)を更に収容している。これらフィルタは、分離装置6によっては空気流から既に除去されなかった細かいほこり粒子を除去する。第1のフィルタ(モータ前置フィルタと呼ばれる)が、ファン付きモータの前に設けられている。第2のフィルタ(モータ後置フィルタと呼ばれる)が、ファン付きモータの後に設けられている。吸引ファンを駆動するモータが炭素ブラシを有する場合、モータ後置フィルタは、ブラシによって放出された炭素粒子を捕捉するのにも役立つ。次に、清浄な空気が大気中に放出される。
【0032】
掃除機は、2つの互いに異なる空気流路12,13を有し、これら空気流路は、空気を、床掃除のための使用中空気入口スロット11か床より上方の場所の掃除中、ワンド14の端部かのいずれかから差し向ける。図1aに示されているような直立位置と傾斜位置との間における真空掃除機1の動きに応答して、2つの空気流路12,13を互いに自動的に変えるために切換弁15が設けられている。
【0033】
図1で理解できるように、空気流路12,13は、曲がり部を有している。真空掃除機が空気流路12,13中に曲がり部を有している場合にはいつでも、閉塞が生じる恐れが増す。
【0034】
最終使用者が空気流路12,13中の閉塞部を除くのを助けるため、先行技術の真空掃除機1は、解除可能な部分16,160を備えている。図2a及び図2bでは、解除可能部分16はその解除形態で見える。これら解除可能部分16,160を解除し又は取り外すことにより、真空掃除機1のユーザに空気流路12,13への容易な接近が与えられ、それにより閉塞部を迅速且つ容易に除くことができる。
【0035】
解除可能部分16は、迅速解除機構体17によって真空掃除機1の残部に対して作動位置に保持できることが理解できる。迅速解除機構体17は、ユーザ作動式インタフェース、例えばボタン18を有している。迅速解除機構体17は、解除可能部分16に設けられた第1の部分19及び真空掃除機1の残部に設けられた第2の協働する部分20を更に有している。2つの部分19,20は、解除可能部分16を通常の使用中、真空掃除機1上の定位置に保つよう相互に係合するが、ユーザがボタン18を押し、2つの部分19、20を滑らせて相互の係合状態を解くことにより迅速に離脱可能である。
【0036】
図1a〜図1bで理解できるように、ボタン18は、これに隣接して設けられた特徴部から突き出ており、したがって、偶発的出来事により叩かれ又は蹴飛ばされがちである。これは、特に掃除機1のベースの近くにボタン18が設けられているので真空掃除機1の通常の使用中に当てはまる。ボタン18を蹴飛ばすと、解除可能部分16は、偶発的出来事により真空掃除機1の残部から解除される場合がある。
【0037】
したがって、本発明は、この問題の解決に役立つことを目的としている。図3a〜図5bで理解できるように、本発明の真空掃除機1は、図1a〜図2bを参照して説明した真空掃除機と多くの特徴を共有しており、類似した特徴を示すために同一の符号が用いられる。
【0038】
図3a〜図5bでは、本発明の真空掃除機1が、ユーザにより作動可能なボタン18の各側に一つずつ設けられた一対の突出リブの形態をした偶発的解除防止手段24を更に有していることが理解できる。これらリブ24は、ユーザ作動式ボタン18の偶発的作動を阻止するのに役立つ。
【0039】
リブ24は、細長く、しかも好ましくは互いに平行である。リブは、これらの図では垂直に配置されているが、水平に又は任意他の適当な角度をなして配置可能である。リブ24は、これらの取り付け面と反対側に水平面26を有している。一方又は両方のリブ24の外面は、真空掃除機1の残部に向かって傾斜した1つ又は2つ以上の傾斜部分30を更に有するのが良い。図3a〜図5bに示された実施形態では、リブ24のうちの一方は、中間部が水平面26から両端部に向かって傾斜し、他方のリブ24は、水平面26から一端部に向かって傾斜している。
【0040】
好ましい実施形態では、リブ24は、ユーザの指によるボタン18への接近を可能にするのに足るほど広く間隔を置いて位置するが、ユーザの足又は体の他の意図しない部分がボタン18を偶発的に作動させることができないようにするほど互いに密接して配置されている。好ましくは、リブ24は、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm〜4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、6.5cm又は7cmの間隔を置いて位置している。
【0041】
リブ24の少なくとも一部分の外面は、好ましくは、真空掃除機1の残部から同一の距離にわたり又はボタン18よりも遠いところまで突き出る。変形例として、リブ24の少なくとも一部分は、真空掃除機1の残部から同一の距離にわたり又は真空掃除機1の残部からの距離よりも遠いところまで突き出ても良く、したがって、迅速解除機構体17を作動させ、解除可能部分16を真空掃除機1の残部から解除できる前にボタン18を押さなければならないようになっている。真空掃除機1の使用中、ユーザが偶発的にボタン18の配置されている領域を偶発的に蹴飛ばした場合、ユーザの足は、リブ24に当たり、ボタン18には当たらないであろう。
【0042】
図3a〜図5bでは、解除可能部分16は、迅速解除機構体17によって真空掃除機1の残部に対して作動位置に保持できることが理解できる。迅速解除機構体17は、ボタン18と、第1の部分19と、これと協働する第2の部分20とを有している。2つの部分19,20は、通常の使用中、解除可能部分16を真空掃除機1上の定位置に保つよう相互に係合するが、ユーザがボタン18を押すことにより迅速に係合解除できる。
【0043】
図5a及び図5bでは、第1の部分19は、製造を容易にするために解除可能又は取り外し可能な部分16に設けられたコネクタ32に取り外し可能に取り付けできることが理解できる。第1の部分19は、任意の手段により第2の協働する部分20に解除可能に取り付け可能である。好ましい実施形態では、解除可能部分を真空掃除機の残部上に配置するため、ユーザは、第1の部分19を第2の部分20のランナ34(1つが図4bに見える)上に滑らせ、ついには、この部分がスナップ嵌めによりロック係合状態になる。
【0044】
解除可能部分16を解除するため、ユーザは、ボタン18を押すのが良く、このボタンは、第1の部分19を第2の部分20内に固定する機構体を解除するよう構成されている。次に、第1の部分19を滑らせて第2の部分20との係合状態を解除するのが良く、すると、解除可能部分は、自由であり、閉塞部があるかどうかについて点検できる。
【0045】
図6a及び図6bは、解除可能部分160を偶発的な解除から保護するためにリブ24′がユーザ作動式ボタン18′の各側に一つずつ設けられた変形実施形態を示している。
【0046】
当業者には適当な改造例及び変形構成例が明らかであろう。
【符号の説明】
【0047】
1 真空掃除機
2 本体
3 取っ手
4 掃除機ヘッド
6 分離装置
7 収集チャンバ
8 サイクロンチャンバ
14 ワンド
16,160 解除可能な部分
17 迅速解除機構体
18 ボタン
12,13 空気流路
24 偶発的解除防止手段
26 水平面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理用電気器具であって、流体入口と流体出口との間に延びる流体流路を有し、前記流体流路の一部分は、前記表面処理用電気器具の解除可能な部分内に収容されている、表面処理用電気器具において、前記表面処理用電気器具は、前記解除可能な部分を解除する解除手段と、前記解除手段の偶発的な解除を防止する偶発的解除防止手段とを更に有する、表面処理用電気器具。
【請求項2】
前記流体流路は、空気流路である、請求項1記載の表面処理用電気器具。
【請求項3】
前記解除手段は、キャッチを含む、請求項1又は2記載の表面処理用電気器具。
【請求項4】
前記解除手段は、ユーザ作動式インタフェースを含む、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項5】
前記偶発的解除防止手段は、前記解除手段に隣接して配置された突出部である、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項6】
前記偶発的解除防止手段は、前記ユーザ作動式インタフェースに隣接して設けられた突出部である、請求項4記載の表面処理用電気器具。
【請求項7】
少なくとも1つの前記突出部は、前記表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又は前記ユーザ作動式インタフェースよりも遠いところまで突き出ている、請求項6記載の表面処理用電気器具。
【請求項8】
少なくとも1つの前記突出部は、前記表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又は作動位置にある前記ユーザ作動式インタフェースよりも遠いところまで突き出ている、請求項6記載の表面処理用電気器具。
【請求項9】
2つの突出部が、前記ユーザ作動式インタフェースが前記突出部相互間に位置するよう配置されている、請求項6〜8のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項10】
前記突出部は、ユーザの指による前記ユーザ作動式インタフェースの接近を可能にするのに足るほど広く間隔を置いて位置するが、ユーザの足が前記ユーザ作動式インタフェースを偶発的に作動させることができないようにするほど互いに密接して配置されている、請求項9記載の表面処理用電気器具。
【請求項11】
前記流体流路は、曲がり部を有し、前記曲がり部は、前記解除可能な部分内に収容されている、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項12】
前記流体流路は、複数の択一的な流体流路から成る、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項1】
表面処理用電気器具であって、流体入口と流体出口との間に延びる流体流路を有し、前記流体流路の一部分は、前記表面処理用電気器具の解除可能な部分内に収容されている、表面処理用電気器具において、前記表面処理用電気器具は、前記解除可能な部分を解除する解除手段と、前記解除手段の偶発的な解除を防止する偶発的解除防止手段とを更に有する、表面処理用電気器具。
【請求項2】
前記流体流路は、空気流路である、請求項1記載の表面処理用電気器具。
【請求項3】
前記解除手段は、キャッチを含む、請求項1又は2記載の表面処理用電気器具。
【請求項4】
前記解除手段は、ユーザ作動式インタフェースを含む、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項5】
前記偶発的解除防止手段は、前記解除手段に隣接して配置された突出部である、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項6】
前記偶発的解除防止手段は、前記ユーザ作動式インタフェースに隣接して設けられた突出部である、請求項4記載の表面処理用電気器具。
【請求項7】
少なくとも1つの前記突出部は、前記表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又は前記ユーザ作動式インタフェースよりも遠いところまで突き出ている、請求項6記載の表面処理用電気器具。
【請求項8】
少なくとも1つの前記突出部は、前記表面処理用電気器具の残部から同一の距離にわたり又は作動位置にある前記ユーザ作動式インタフェースよりも遠いところまで突き出ている、請求項6記載の表面処理用電気器具。
【請求項9】
2つの突出部が、前記ユーザ作動式インタフェースが前記突出部相互間に位置するよう配置されている、請求項6〜8のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項10】
前記突出部は、ユーザの指による前記ユーザ作動式インタフェースの接近を可能にするのに足るほど広く間隔を置いて位置するが、ユーザの足が前記ユーザ作動式インタフェースを偶発的に作動させることができないようにするほど互いに密接して配置されている、請求項9記載の表面処理用電気器具。
【請求項11】
前記流体流路は、曲がり部を有し、前記曲がり部は、前記解除可能な部分内に収容されている、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【請求項12】
前記流体流路は、複数の択一的な流体流路から成る、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の表面処理用電気器具。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【公開番号】特開2010−131392(P2010−131392A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275446(P2009−275446)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
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