説明

袋体の皴除去及び漏れ検知システム、及び液体収容のための電磁攪拌システム

混合システムに用いられる折り畳み可能な袋体及び剛性コンテナに含まれる流体などの流体、及び化学的、生化学的及び/又は生物学的反応を引き起こすリアクタなどの流体を収容及び操作するシステム及び方法が提供される。袋体の皴除去システム、漏れ検知システム及び電磁攪拌システムを含むコンテナなどの流体収容システムの連続的な改善及び特徴が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に流体を収容及び操作するシステムに関し、特定の実施形態において、本発明は、袋体の皴除去システム、漏れ検知システム及び電磁攪拌システムを含むコンテナの改善のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を操作する様々な容器、及び/又は化学反応、生化学反応及び/又は生物学的反応を実行する様々な容器が利用可能である。例えば、哺乳動物、植物もしくは昆虫細胞を含む生体物質(例えば、動物及び植物細胞)及び微生物培養がバイオリアクタを用いて処理される。固定された容器として一般的に設計されたもしくは使い捨て可能な従来のバイオリアクタが用いられていて、該バイオリアクタの多くは殺菌されたプラスチックコンテナが利用されている。反応システム及び他の流体操作システム(例:混合システム)は周知だが、これらのシステムに対する改善は有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、一般的に流体を収容及び操作するシステムに関し、特定の実施例において、本発明は、化学反応、生化学反応及び/又は生物学的反応を実行するバイオリアクタとして用いられる、支持された折り畳み可能な袋体を含むシステム及び方法に関する。本発明の対象は、場合によっては相互に関連する物品、特定の問題への代替解決策、及び/又は1もしくはそれより多いシステム及び/又は物品を複数回様々な形で用いることも含まれる。特定の従来技術のシステム、例えば、支持構造体における使い捨て可能なプラスチックのライナーもしくは袋体の使用に関する特定のシステムは、袋体/ライナーを液体で満たすとすぐに、ライナーもしくは袋体に形成される折り目もしくは他の凸凹により生じる問題に悩まされることが認識されている。このような折り目は、望ましくなく、「デッドゾーン(dead zone)」を生成し、これにより、バイオリアクタの底部に、例えば、不完全な反応、汚染あるいは、壊死を導く。このような特定のシステムは、袋体/ライナーの欠陥もしくは損傷部分から漏れ出る可能性に悩まされる。磁気的に結合された羽根車を介して混合を提供するこれらもしくは他のシステムにおいて、混合の能力もしくは制御性における改善が望ましく、本発明の特定の実施形態により提供される。
【0004】
ある実施形態において、本発明の容器は、折り畳み可能な袋体と、折り畳み可能な袋体を支持するとともに収容する再利用可能な支持構造体を備える。容器はまた、折り畳み可能な袋体の外壁及び支持構造体の内壁の間に位置するブラダーもしくは圧縮性材質を備え、該ブラダーもしくは圧縮性材質は膨張又は収縮に適応することにより、折り畳み可能な袋体は、ブラダーもしくは圧縮性材質の膨張もしくは収縮前に第1構成を、ブラダーもしくは圧縮性材質の膨張もしくは収縮後に第2構成を有するようになる。
【0005】
もう1つ別の実施形態において、本発明の容器は、折り畳み可能な袋体と再利用可能な支持構造体を備え、該支持構造体は、膨張もしくは収縮される少なくとも1つの壁部を有し、該膨張もしくは収縮により、折り畳み可能な袋体は壁部の膨張もしくは収縮前に第1構成を、壁部の膨張もしくは収縮後に第2構成を有するようになる。
【0006】
1つの実施形態において、本発明の方法は、再利用可能な支持構造体が折り畳み可能な袋体を収容するとともに支持するように、再利用可能な支持構造体において折り畳み可能な袋体を配置する段階と、液体を折り畳み可能な袋体へ取り込む段階と、折り畳み可能な袋体の外壁と支持構造体の内壁との間の領域において流体の圧力を変化させる段階を備える。
【0007】
もう1つ別の実施形態において、本発明の容器は、折り畳み可能な袋体と、折り畳み可能な袋体を支持するとともに収容する再利用可能な支持構造体と、折り畳み可能な袋体から流体の漏れがあるかを決定するのに適用される検出器を備える。
【0008】
もう1つ別の実施形態において、本発明のバイオリアクタシステムは、支持構造体及び剛性コンテナもしくは支持構造体内部に位置する折り畳み可能な袋体を備える。剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体は、剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体の下方部に装着された羽根車の板と、羽根車の板に取り付けられた羽根車のハブを含み、羽根車のハブは少なくとも1つの翼板を有し、少なくとも1つの磁石を有する。剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体はさらにシャフトを有するモータを備え、該シャフトを有するモータは、支持構造体に隣接もしくは内部に提供され、前記袋体はさらに、モータシャフトに取り付けられたモータハブを備え、該モータハブは少なくとも1つの電磁石を備え、支持構造体内部に剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体を取り付けるとすぐに、モータハブは、羽根車の板と整列することで、モータシャフトが回転する際に、モータハブの電磁石は羽根車のハブを駆動させる。羽根車の板は、任意で柱部を備える。バイオリアクタシステムは、1もしくはそれより多いセンサを備え、該センサは、剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体におけるあらゆる材質の1もしくはそれより多いパラメータを検知する。
【0009】
本発明の他の利点及び新しい特徴は、添付の図と関連して考察する際に本発明の様々な制約のない実施例についての以下の詳細な記載から明らかになる。本明細書及び参照することにより組み込まれた文書が相反する及び/又は一貫性のない開示を含んでいる場合、本明細書を優先するものとする。参照することにより組み込まれた2以上の文書が相反する及び/又は一貫性のない開示を互いに関連して含んでいる場合、より近い発行日を有する方の文書を優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、容器を示し、該容器は、本発明の1つの実施形態による支持構造体内部に含まれるコンテナを備える。
【図2】図2は、本発明のもう1つ別の実施形態による、生物学的、化学的及び生化学的工程を含む流体操作を実行する容器を示す。
【図3】図3は、本発明のもう1つ別の実施形態による、容器に配されるブラダーを示す。
【図4】図4は、本発明のもう1つ別の実施形態による、さまざまな漏れ検知システムを示す。
【図5】図5は、本発明のもう1つ別の実施形態による、さまざまな漏れ検知システムを示す。
【図6】図6は、本発明のもう1つ別の実施形態による、磁気的に結合された羽根車を示す。
【図7】図7は、本発明のもう1つ別の実施形態による、電磁駆動を有する羽根車を示す。
【図8】図8は、本発明のもう1つ別の実施形態による、機械的に駆動する羽根車を示す。
【図9】図9は、本発明のもう1つ別の実施形態による、外部モータに磁気的に結合される羽根車を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の制約のない実施形態が添付の図と関連し一例として記載される。図は概略図であり、縮尺を意図して描かれたものではない。図において、図示されている理想的な又はほぼ理想的な構成要素の各々は一般的には一つの数字で表されている。明確化するために、全ての構成要素が全ての図で表示されているわけではなく、図示された本発明の各実施形態の全ての構成要素も全ての図で表示されているわけでもない。実際に、当業者が本発明を理解するために図解は必ずしも必要なわけではない。
【0012】
本発明は、一般的に流体を収容するとともに操作するシステムに関する。そして、本発明は、特定の実施形態において、折り畳み可能な袋体もしくはライナー、及び剛性コンテナに関するシステム及び方法に関し、該システム及び方法は、混合システム、貯蔵用器、輸送容器もしくは、化学的、生化学的あるいは生物学的反応を実行するためのリアクタとして用いられる。本発明の特定の実施例は、例えば、皴除去システム、漏れ検知システム及び/又は電磁攪拌システムを含む容器を提供することで、流体収容システムの連続的な改良及び特徴に関する。例えば、皴除去システムは、袋体もしくはライナーが水で満たされる際に形成される、折り畳み可能な袋体もしくはライナーにおける皴を減少もしくは取り除くように構成される。皴除去は、多くの場合において重要である。なぜなら、皴は溶解されていない溶質、細胞もしくは化学物質を含む「デッドゾーン」を生成するため、混合操作において均質にさせるスピードを減少させ、折り畳み可能な袋体もしくはライナーを収容及び支持する支持構造体の壁部に接触しないことによる熱伝達効率を減少させ、及び/又は細胞を閉じ込めて細胞に壊死などを引き起こす低酸素あるいは低栄養状態をもたらす領域が生成されるからである。
【0013】
本明細書記載の漏れ検知システムは、コンテナからの漏れを検知し、任意により、コンテナの流体操作工程を実行する前もしくは実行中に形成されるあらゆる漏れをユーザに知らせるよう構成される。漏れ検知は、折り畳み可能な袋体、ライナーもしくは流体を収容する構成要素を含む容器を使用するのに特に有益である。なぜなら、容器の壁部の間の漏れは、他の方法では検知が難しく、突発的な故障もしくは有害な薬剤が放出される可能性があるからである。
【0014】
混合システムを含む本発明のいくつかの容器において、システムは電磁攪拌システムを備え、該システムにより、ユーザは永久磁石を用いるシステムと比較して、容易に構成要素を操作することが可能である。例えば、羽根車及び固定磁石を含む羽根車のハブは、特に、構成要素の組み立て及び分解の間、互いに強い引力のために操作するのが難しい。この問題は、ユーザにより、作動及び停止の可能な電磁石を用いることで軽減される。これにより、ユーザは、構成要素間の引力の大きさ及び期間を制御することが可能である。
【0015】
追加的な利点及び上述のシステムの記載については、下記に提示される。
【0016】
下記の文献は参照することにより、本明細書に組み込まれるものとする。即ち、P.A. Michell等による「Weight Measurements of Liquids in Flexible Containers」というタイトルが付された2007年2月28日出願の米国仮特許出願第60/903,977号、G.Hodge等による「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルが付された2005年6月6日出願の米国特許出願第11/147,124号で、2005年12月8日公開の米国出願公開第2005/0272146号、G. Hodge等による「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルが付された国際出願第PCT/US2005/020083号で、2005年12月15日公開のWO2005/118771号、G. Hodge等による「System and Method for Manufacturing」というタイトルが付された2005年2月3日出願の国際出願第PCT/US2005/002985号で、2005年8月18日公開のWO2005/076093号、2007年6月15日出願の「Gas Delivery Configurations, Foam Control Systems, and Bag Molding Methods and Articles for Collapsible Bag Vessels and Bioreactors」というタイトルが付された米国特許出願第11/818,901号、2007年7月13日出願の「Environmental Containment Systems」というタイトルが付された米国特許出願第11/879,033号、2007年7月30日出願の「Continuous Perfusion Bioreactor system」というタイトルが付された米国特許出願第60/962,671号、2007年2月28日出願の「Weight Measurements of Liquids in Flexible Containers」というタイトルが付された米国特許出願第60/903,977号、及び同日付出願の「Information Acquisition and Management Systems and Methods in Bioreactor Systems and Manufacturing Facilities」というタイトルが付された米国特許出願である。
【0017】
本明細書記載の多くはバイオリアクタ(及び/又は生化学的かつ化学的な反応システム)に関連する本発明の典型的な応用例を備えるが、本発明及びその使用は制限されることなく、さらに、コンテナ内の流体の収容及び/又は処理のためのシステム(例えば、混合システム)だけでなく、一般的な収容システムを含む異なる設定においても本発明の形態は同様に利用可能であることを理解されたい。さらに、ここで提供される多くの実施形態が折り畳み可能な袋体、ライナー又は可撓性を有するコンテナの使用に関する一方で、本発明の形態は非折り畳み式の袋体、剛性コンテナ、及び液体収容に関する他の構造を伴うシステムと統合可能である。
【0018】
ある態様において、所定容量の液体を収容するよう構成された容器がもたらされる。特定の実施形態において、容器はバイオリアクタシステムの一部である。例えば、可撓性を有するコンテナを含むバイオリアクタシステムの制約のない実施形態が図1の概略図に示される。図1の実施形態で示されているように、容器(10)は、コンテナ(18)の周囲を囲むとともに収容する再利用可能な支持構造体(14)(例えばステンレス製のスチールタンク)を備える。別の実施形態では、コンテナは折り畳み可能な袋体もしくはライナー(ポリマ製の袋体)として構成され、任意でチューブ、磁気駆動ポンプ及び/又は泡崩壊装置を含む。加えて、又は変更形態として、折り畳み可能な袋体、ライナー又は他のコンテナの全て又は一部が、剛性ポリマ、金属、及び/又はガラスなどのほぼ剛性の材料を備えることもある。他の実施例においては、剛性コンテナがこの構造で用いられる。容器は使い捨て可能で、支持構造体から容易に取り外しできるように構成されている。ある実施形態では、コンテナは支持構造体と不完全に接続される。
【0019】
折り畳み可能な袋体を用いる際、折り畳み可能な袋体は液体(22)を収容するために構築されるとともに配置され、該折り畳み可能な袋体は化学的、生化学的又は生物学的な反応等の所望の工程を実行するために必要な反応物、培地、及び/又は他の構成要素を収容する。さらに、使用中に液体(22)が折り畳み可能な袋体とのみほぼ接触し、支持構造体(14)とは接触しないように折り畳み可能な袋体が構成されることもある。このような実施例において、袋体は使い捨て可能で、一度の反応又は単一の一連の反応に用いられ、反応後に処分される。折り畳み可能な袋体の液体が支持構造体と接触しないため、支持構造体は洗浄することなく再利用可能である。すなわち、コンテナ(18)で反応が起きた後に、コンテナは支持構造体から切り離され、第2(例えば、使い捨て可能な)コンテナと交換可能である。第1コンテナ又は再利用可能な支持構造体を洗浄する必要なく、第2反応は第2コンテナ内で実行可能である。どのような液体であっても、袋体からの漏れにより、再利用可能な支持構造体と接触する場合、特定の実施形態において、容器(10)に接続する1もしくはそれより多い漏れ検知システムは、漏れを検知し、ユーザに知らせることで、適切な方策がとられる。
【0020】
いくつかの実施形態において、容器(10)は、1もしくはそれより多い皴除去システムを備え、該システムは、袋体が流体で満たされることにより、支持構造体に対して押圧されると、折り畳み可能な袋体に形成される皴を減少もしくは取り除く。例えば、図1に示される実施形態において、皴除去システムは、1もしくはそれより多いブラダー(26)を備え、該ブラダーは、折り畳み可能な袋体の外壁(28)及び支持構造体の内壁(30)との間に配される。液体(22)を折り畳み可能な袋体に導入される間もしくは後に、ブラダーは、収縮(例えば、しぼむ)し、効果的に折り畳み可能な袋体が伸張することで、袋体におけるあらゆる皴を除去もしくは取り除く。皴除去システムのさらなる記載、及び追加的な実施例が以下に示される。
【0021】
図1で示されるごとく、任意の流入ポート(42)及び任意の排出ポート(46)はコンテナ又は再利用可能な支持構造体の中で形成可能で、コンテナからの液体又はガスの出し入れをより効率的に行うことができる。コンテナは適切な数の流入ポートと適切な数の排出ポートを有する。例えば、複数の流入ポートは様々なガス組成物を提供する(複数のスパージャ(47)を介して)又はコンテナ内に取り込まれる前にガスを分離させるために用いられる。上記ポートはコンテナ(18)に対して適切な位置に配される。例えば、スパージャを含む特定の容器では、コンテナは底部に配された1より多いガス流入ポートを有する。チューブは流入ポート及び/又は排出ポートに接続され、例えば、送り出し管と取り込み管を形成して、各々がコンテナから液体を出し入れする。コンテナ及び/又は支持構造体は任意でユーティリティタワー(50)を備え、ユーティリティタワー(50)は、コンテナ又は支持構造体内部の1より多い装置を1より多いポンプ、制御装置、又は電子機器(例えば、センサ電子機器、電子インターフェイス、加圧ガス制御装置)又は他の装置を相互接続させるために役立つ。上記のような装置は制御システム(34)を用いて制御される。制御システムは、信号を漏れ検知システム及び皴除去システムから送信及び受信するのに用いられる。
【0022】
複数のスパージャを含むシステムにとって、制御システム(34)はスパージャの各々と動作可能なように接続し、互いに独立してスパージャを操作するように構成されている。上記によって、例えば、複数のガスをコンテナ内に導入しながら制御することが可能となる。
【0023】
本明細書中に用いられるように、一般に、1もしくはそれより多い他の構成要素と「動作可能に接続」する進歩的なシステムの構成要素は、以下のことを示す。すなわち、このような構成要素は、直接物理的に接触した状態で互いに直接接続される。この構成要素は互いに接続又は取り付けられておらず、或いは互いに間接的に接続されている。或いは、構成要素は機械的、電気的(空間を通して伝達された電磁信号を介することを含む)、又は流体的に相互接続されることにより、構成要素に十分な接続を可能にし、これにより所望の機能を発揮することができる。
【0024】
容器は羽根車(51)などの混合システムを任意で備え、該羽根車(51)はコンテナの外部に配されるモータ(52)を用いて回転可能(例えば、単一軸周り)である。別の実施形態では、以下に詳細に記載するように、羽根車とモータは磁気的に結合する。混合システムは制御システム(34)によって制御可能である。混合システムはさらに詳細に以下に記載されている。
【0025】
加えて、及び/又は、変更形態として、容器は機械的な消泡装置等の消泡システムを備えてもよい。図1の実施形態に示されているごとく、消泡装置は例えばコンテナの外部に配されるモータ(62)を用いて回転可能な(例えば、磁気的に)羽根車(61)を備えてもかまわない。羽根車はコンテナの上部空間(63)に収容される泡を分散させるために用いられることもある。いくつかの実施形態において、消泡システムは制御システム(34)を介してセンサ(43、例えば、泡センサ)と電気的に接続している。このセンサは例えば上部空間内の泡の液位又は容量、又はコンテナ内の圧力を決定することもあり、これによって消泡システムの調整又は制御を誘引することが可能である。他の実施形態において、消泡システムは任意のセンサから独立して操作される。
【0026】
別の実施形態では、支持構造体及び/又は容器は標本、分析(例えば、液体中の溶解ガスのpH及び/又は量を決定する)、又はその他の目的のために用いられる1より多いポート(54)を備える。支持構造体はコンテナ内の液体の液位を調べるための1より多いサイトウィンドウ(60)を備える。1より多い接続部(64)がコンテナの上部又は他の適切な位置に配される。接続部(64)はコンテナから液体、ガス等を出し入れするための開口部、チューブ、及び/又はバルブを備え、該接続部(64)の各々は流量センサ及び/又はフィルタ(図示されず)を任意で備える。支持構造体は複数の脚部(66)をさらに備え、容器の運搬を容易にするために任意でキャスター(68)を有する。
【0027】
図1で示された全ての特性が本発明の全ての実施形態で必要とされるわけではないこと、及び図示された構成要素は異なるように曝されたり、構成されたりしてもかまわないことを留意されたい。同様に、ここで記載された構成要素等を他の実施例で追加してもかまわない。例えば、いくつかの実施形態において、容器もしくは1あるいはそれより多い容器の構成要素は、「識別子」に関連付けられる。識別子が用いられることで、システム構成要素の適切な組み立てを誘導し、システムの構成要素が正確に組み立てられ、偽物、不適切なあるいは権限のない構成要素などの使用から保護する。識別子は、識別子を含む構成要素についての「エンコードされた」情報(すなわち、無線自動識別(RFID)タグもしくはバーコードなどの輸送、保存、生成もしくは搬送装置の情報の使用することなどにより、情報を輸送もしくは収容する。)である、あるいは、構成要素についてのエンコードされないあらゆる情報である。むしろ、識別子は、例えば、コンピュータ上のデータベースあるいはコンピュータで読み取り可能な媒体上のデータベースに収容される情報にのみ関連付けられる。後半の例において、識別子などを検知することで、データベースから関連付けられた情報を検索及び使用する。追加的な識別子の例及び使用は、本出願と同日付に出願され、「Information Acquisition and Management Systems and Methods in Bioreactor Systems and Manufacturing Facilities」というタイトルが付された、米国特許出願に詳細が記載されていて、該出願は、参照として本明細書全体に組み込まれるものとする。
【0028】
いくつかの実施形態において、再利用可能な支持構造体における折り畳み可能な袋体を正確に位置づける困難性(例えば、折り畳み可能な袋体の形状が再利用可能な支持構造体の形状、及び/又は折り畳み可能な袋体(例えば継ぎ目の存在)の構造に正確に適合しないため、支持構造体における折り畳み可能な袋体を適切に配列するのが難しい)は、本明細書記載の新規な皴除去システムを使用することを通して和らぐ。例えば、いくつかの例において、折り畳み可能な袋体がチャンバを形成するために溶接された平坦なシートパネルから構成され、その上再利用可能な支持構造体が曲線状の底部を有するために、新規な皴除去システムがない場合、折り目及び/又は皴が折り畳み可能な袋体の底部で形成されることを妨げるのは難しい。新規な皴除去システムがない場合、折り目もしくは皴が一度形成されると、支持構造体の表面に対して押し上げる傾向にあるため、折り目もしくは皴を除去するのは難しいもしくは不可能である。
【0029】
上述したように、特定の実施形態における本明細書記載の容器(例えば、バイオリアクタシステム)は、折り畳み可能な袋体もしくはライナーにおける折り目及び/皴を減少もしくは取り除くことが可能な1もしくはそれより多いシステムを含む。いくつかの実施形態において、皴除去システムは、折り畳み可能な袋体もしくはライナーの外壁と支持構造体の内壁との間に位置するブラダーを含む。ブラダーは、膨張もしくは収縮し、例えば、空気圧で効果的に支持構造体の内部容量及び/又は形状を修正し、これにより、折り畳み可能な袋体もしくはライナーの構成を修正する。
【0030】
図2に示す実施形態で提示するように、容器(70)は、折り畳み可能な袋体(18)の底部及び側部に位置する1もしくはそれより多いブラダー(26)を備え、該ブラダーは、再利用可能な支持構造体(14)に収容及び支持されている。ブラダーは、液体もしくはガスで満たされ、これにより、折り畳み可能な袋体を支持する所望の容量及び/又は形状を有するようになる。その後、折り畳み可能な袋体は、部分的にもしくは完全に満たされることで、折り畳み可能な袋体の壁部の少なくとも一部が、ブラダーの表面に対して接触もしくは押し上げる。場合によっては、折り畳み可能な袋体が満たされると、折り畳み可能な袋体の壁部の一部は、膨張したブラダーに対して平らに広げられない。このことが、折り畳み可能な袋体の壁部で形成される折り目もしくは皴を引き起こし、コンテナ内部で実行される材質もしくは工程に否定的な影響をもたらす。しかしながら、ブラダー(26)が収縮されると、折り畳み可能な袋体は、さらに、折り畳み可能な袋体の1もしくはそれより多い壁部において、より少ない皴あるいは折り目を有する構成にまで広がる。収縮は、例えば、ブラダーにおける内容物の全てもしくは一部を除去することで生じる(例えば、ブラダーから内容物を縮小もしくは流し出すことによる)。この工程は、効果的に、折り畳み可能な袋体を伸張させ、袋体の皴もしくは折り目のいくつかもしくは全てを除去する。
【0031】
折り畳み可能な袋体がブラダーの膨張もしくは収縮前に第1構成を有し、ブラダーの膨張もしくは収縮後に第2構成を有するように、ブラダーは膨張及び/又は収縮可能なあらゆる適切な容量及び形状を有する。ブラダーは、再利用可能な構造及び/又は折り畳み可能な袋体の構成と適合する形状を有し、いくつかの実施形態において、ブラダーは、再利用可能な支持構造体の形状及び/又は折り畳み可能な袋体の形状に適合する。例えば、図2に示すように、ブラダー(26)は、折り畳み可能な袋体の外側壁(28)から折り畳み可能な袋体及び支持構造体の排水溝(35)まで延伸するように設計される。
【0032】
ブラダー(26)は、折り畳み可能な袋体(18)及び再利用可能な支持構造体(14)に対してあらゆる適切な位置に配される。例えば、いくつかの実施形態において、1もしくはそれより多いブラダーは、折り畳み可能な袋体の外壁(28)を完全に包囲する。あるいは、1もしくはそれより多いブラダーは、再利用可能な支持構造体の内壁(30)により完全に包囲される。他の実施形態において、1もしくはそれより多いブラダーは、折り畳み可能な袋体の周囲部分もしくは再利用可能な支持構造体とのみ隣接する。例えば、ブラダーは、折り畳み可能な袋体もしくは再利用可能な支持構造体の底部、上部、もしくは側部の全てもしくは一部と接触するように隣接する。いくつかの例において、ブラダーの配列は、折り畳み可能な袋体の周囲及び、再利用可能な支持構造体の内部に位置する。
【0033】
ブラダーは、あらゆる適切な配置もしくは取付技術を用いて、再利用可能な支持構造体の内部に位置される。いくつかの実施例において、ブラダーは折り畳み可能な袋体に取り外し可能にもしくは不完全に取り付けられる。ブラダーは、例えば、接着剤、磁気相互作用、圧力(例えば、ブラダーが膨張すると、支持構造体の内側表面に対して押し上げる)などを用いて、再利用可能な支持構造体の内側表面(30)に取り外し可能に取り付けられる。折り畳み可能な袋体が支持構造体へと導入する後もしくは前に、再利用可能な支持構造体は、ブラダーに裏打ちされている。もう1つ別の実施例において、ブラダーは、折り畳み可能な袋体(例えば、射出成型もしくはブロー成型により)とともに製造され、これにより、例えば、ブラダーの内部が折り畳み可能な袋体の内部と流体流通しない。いくつかの実施形態において、位置及び整列させるための部品がより少ないために、この不完全なブラダーと折り畳み可能な袋体との取り付けは、支持構造体へのブラダー及び袋体の導入及び支持構造体からのブラダー及び袋体の除去を促進する。もう1つ別の実施形態において、折り畳み可能な袋体及びブラダーは、例えば接着剤、圧力、磁気相互作用などで、ユニットを再利用可能な支持構造体へと導入する前に、互いに接続される2つの別々の構成要素である。さらにもう1つ別の実施形態において、折り畳み可能な袋体は、再利用可能な支持構造体へとまず挿入され、その後ブラダーは折り畳み可能な袋体と支持構造体との間に位置される。
【0034】
任意の適切な数のブラダーは、折り畳み可能な袋体及び/又は支持構造体に接続される。1より多いブラダーが用いられる場合、ブラダーは互いに独立して操作される。例えば、ブラダーは、独立して制御されることにより、各ブラダーは、折り畳み可能な袋体及び/又は支持構造体に対する位置、折り畳み可能な袋体における流体及び/又は圧力の量に応じて、膨張もしくは収縮するように、独立して制御される。ブラダーはいくつかの例において、例えば、空気をつかってブラダーを膨らませるもしくはしぼませることにより、自己膨張/収縮する。いくつかの例において、ブラダーはセンサ、例えば圧力センサに接続され、該センサは、ブラダーの内部圧力を測定するのに用いられる。ブラダーは一定圧力を維持する、もしくは一定の圧力の範囲内で動作するようプログラムされる。たとえば、折り畳み可能な袋体が流体で満たされる前に、ブラダーは、第1の内部圧力を有する。折り畳み可能な袋体が流体で満たされると、圧力はブラダーに対して及び、これにより、ブラダーの内部圧力を増加させる。圧力の増加はセンサにより検知され、それに応じて、ブラダーは、ブラダーの内部圧力が第1内部圧力に至るまで、自己収縮する(例えば、自己的にしぼむ)。その一方で、ブラダー内部の容量の減少により、折り畳み可能な袋体の構成を変更させる。折り畳み可能な袋体の容量は、例えば、ブラダーの崩壊により効果的に増加する、及び/又は折り畳み可能な袋体における皴もしくは折り目の数及び/又は大きさが減少する。
【0035】
いくつかの例において、センサ、加熱器などの折り畳み可能な袋体及び/又は支持構造体の1もしくはそれより多い他の構成要素の動作時に、及び、ポートの開閉時、などに、ブラダーは特に膨張もしくは収縮に適応する。
【0036】
ブラダー(26)は1もしくはそれより多いポート(例えば、ポート(36))を含み、該ポートはガス、液体、ジェルもしくは固形物などの物質をブラダーから導入もしくは除去する。ポートは、いくつかの実施形態において、支持構造体の外部からアクセス可能である。ポートは任意の適切な大きさ及び構成を有し、任意の材質からできている。いくつかの例おいて、ブラダーを形成するのに用いられるポート及び/又は材質は、シリコンなどの自己密閉材質を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、折り畳み可能な袋体は、支持構造体の形状及び容量とほぼ同じ形状及び容量を有するように設計される。従って、ブラダーが十分に収縮もしくはしぼむと、折り畳み可能な袋体はブラダーを形成する薄い層により支持構造体から分離されているだけである。このような実施形態は、熱が折り畳み可能な袋体から支持構造体へとブラダーを介して消散されるので、折り畳み可能な袋体と支持構造体の内側の内容物と、支持構造体の外側の環境の間の熱交換を促進するのに用いられる。ブラダーの全てもしくは一部は、より詳細を下記に示すように、熱の輸送を促進するために、熱伝導の材質から形成される。他の実施形態において、折り畳み可能な袋体は、ブラダーを有さない(例えば、折り畳み可能な袋体が十分に膨張される際)支持構造体の容量未満の容量を有するように設計され、膨張された構成の場合、ブラダーを有する支持構造体の内側容量よりも大きい容量を有するように設計される。従って、折り畳み可能な袋体が十分に膨張されると、ブラダーは部分的に膨張されたままである。ブラダーの構成は袋体を支持構造体の内側表面から延伸するのを妨げる。このような実施形態は、支持構造体から折り畳み可能な袋体を隔離する際に有益である。
【0038】
本発明の特定の実施形態は、支持構造体を備え、該支持構造体は膨張及び/又は収縮することが可能な少なくとも1つの壁部を有し、これにより、折り畳み可能な袋体は、壁部の膨張もしくは収縮の前に第1構成を有し、壁部の膨張もしくは収縮の後に第2構成を有するようになる。例えば、1つの実施形態において、支持構造体は、1もしくはそれより多くの適応部を含み、該適応部は、少なくとも支持構造体の一部が膨張(もしくは収縮)可能である(例えば、折り畳み可能な袋体を満たすもしくは空にする際)。これにより、折り畳み可能な袋体は、適応部を有さない例よりも大きな(小さな)容量を有することが可能である、及び/又は、効果的に折り畳み可能な袋体を引き伸ばし、袋体におけるあらゆる折り目及び/又は皺を除去あるいは減少させる。図2に示す実施例で示すように、壁部の適応部は、膨張可能な継ぎ目(38)を備え、該継ぎ目は、支持構造体の角、端、表面(例えば、面)に位置する、もしくは、他の任意の位置に配される。壁部の適応部は、いくつかの実施形態において、ヒンジ、テレスコーピングジョイントもしくは表面(telescoping joint or surface)、可撓性材質(例えば、可撓性を有するポリマー)などを備える。適応部は例えば流体の容量及び/又は折り畳み可能な袋体の内側の圧力に基づいて、自動的に膨張もしくは収縮する、あるいは、適応部は、ユーザもしくは自動制御システムにより、手動で制御される。
【0039】
本発明の特定の実施形態において、支持構造体は圧縮性材質を備え、該圧縮性材質を使用することにより、折り畳み可能な袋体における皺を減少もしくは除去させることが可能である。図2に示す実施形態で提示するように、圧縮性材質(40)は例えばエラストマ材質、スプリングプレートもしくは他のばね付勢構成要素、もしくは複合材料を備え、該複合材料により、折り畳み可能な袋体は、圧縮性構成要素の膨張もしくは収縮の前に第1構成を有し、圧縮性構成要素の膨張もしくは収縮の後に第2構成を有することが可能である。いくつかの実施形態において、圧縮性材質(40)は泡もしくは他の多孔質構造であり、これは、収縮もしくは圧縮された状態よりも膨張された状態において、より多い量のガス(例えば空気)を収容することが可能である。
【0040】
ある実施形態において、圧縮性材質は、折り畳み可能な袋体に流体を導入する前に第1構成を有し、折り畳み可能な袋体に流体を導入した後には第2構成を有する。例えば、折り畳み可能な袋体が満たされると、折り畳み可能な袋体における流体の外側の圧力が、圧縮性材質の全てもしくは一部が圧縮される。これは、折り畳み可能な袋体が効果的に引き伸ばすことが可能であり、これにより、折り畳み可能な袋体の壁部における折り目もしくは皺を減少あるいは削除する。
【0041】
従って、ある特定の実施形態において、本発明の容器は、折り畳み可能な袋体と、折り畳み可能な袋体を支持するとともに収容する再利用可能な支持構造体を備える。容器は、さらに、ブラダーもしくは圧縮性材質を備え、折り畳み可能な袋体の外壁と支持構造体の内壁との間に位置する。ブラダーもしくは圧縮性材質が適用され、膨張及び/又は収縮することにより、折り畳み可能な袋体が、ブラダーもしくは圧縮性材質の膨張もしくは収縮前に第1構成を有し、ブラダーもしくは圧縮性材質の膨張もしくは収縮後に第2構成を有するようになる。もう1つ別の実施形態において、本発明の容器は、折り畳み可能な袋体と、膨張もしくは圧縮可能な少なくとも1つの壁部を有する再利用可能な支持構造体を備え、これにより、折り畳み可能な袋体は、壁部の膨張もしくは圧縮前に第1構成を有し、壁部の伸張もしくは圧縮後に第2構成を有する。
【0042】
いくつかの実施形態において、折り畳み可能な袋体の壁部における皺及び/又は折り目は、折り畳み可能な袋体の外壁及び再利用可能な支持構造体の内壁の間に真空を生成することで除去される。真空により、空気ポケットを生成し、該空気ポケットが形成されることで、その結果、皴及び/又は折り目は除去される。これにより、折り畳み可能な袋体の壁部は、再利用可能な支持構造体の大部分の、もしくはほぼ全体の内壁に対して、平らにすることを可能にする。排気部は、チューブもしくは他の最適な手段を介して、支持構造体に沿った適切な任意の位置で、折り畳み可能な袋体の外壁と再利用可能な支持構造体の内壁との間の空間と係合及び流体流通する。いくつかの例において、支持構造体は、排気部との接続に適用されるポート(図示せず)を有する。ポートは支持構造体の周囲の様々な位置に配される。真空の適用、折り畳み可能な袋体に液体もしくは他の加工材を導入する前、後もしくはその最中に行なわれる。
【0043】
本発明の1つの特定の方法は、再利用可能な指示構造体が折り畳み可能な袋体を収容するとともに支持するように、折り畳み可能な袋体を再利用可能な支持構造体内に位置させる段階と、折り畳み可能な袋体に液体を導入する段階と、折り畳み可能な袋体の外壁と支持構造体の内壁との間の領域において、流体の圧力を変更する段階を備える。ある実施例において、圧力の変更は、折り畳み可能な袋体の外壁と支持構造体の内壁との間に真空を生成することを含む。もう1つ別の実施例において、圧力の変更は、折り畳み可能な袋体の外壁及び支持構造体の内壁の間の陽圧(例えばブラダーを膨らませるもしくはしぼませる)を増加もしくは減少させることを含む。
【0044】
本発明の特定の実施形態は、折り畳み可能な袋体から漏れるあらゆる液体の存在を決定するために適用される検知器を有する容器を備える。漏れの検知は、しばしば従来の容器では難しく、特に、再利用可能な支持構造体により支持される折り畳み可能な袋体を有する容器では難しい。好適には、漏れが増加する前に適切な測定が行なわれるように漏れが小さい間に漏れを検知することが望ましい。
【0045】
ある実施形態において、本発明の容器は、コンテナ内側の流体と再利用可能な支持構造体との間の電気伝導もしくはインピーダンスの変化を検知するように構成及び配置された検知器を有する。折り畳み可能な袋体が損傷されておらず、いかなる漏れもない場合、電気信号の変化は検知されない。このようなシステムの例は、図3に示す実施形態で提示されるシステムである。容器(72)は伝導性プローブ(74)を有し、該プローブは、折り畳み可能な袋体の内側で流体(22)と接触する。例えば、プローブが折り畳み可能な袋体の壁部に挿入もしくは組み込まれている。1つの実施形態において、プローブはアース(ground)としての機能を果たし、支持構造体(14)の壁部から電気的に隔離される。測定は、プローブを介して、小さな電位を折り畳み可能な袋体に収容される流体に適用することで行なわれる。折り畳み可能な袋体が漏れると、プローブ及び支持構造体の壁部に接続されたインピーダンスもしくは伝導検知器は、袋体の伝導性の流体の内容物、もしくは流体と支持構造体との間の抵抗の変更により、電気回路を閉じることを検知する。例えば、図3に示す例において、プローブ(74)は検知器(76)(例えば、インピーダンスもしくは伝導検知器)と電気的に接続し、該検知器(76)は、折り畳み可能な袋体からのいかなる流体の漏れの存在のため、電気特性(例えば、電圧、電流、抵抗もしくはインピーダンス)の変更を検知するように構成される。ある実施例において、電気信号(75)は折り畳み可能な袋体の外壁(28)及び支持構造体の内壁(30)との間に位置する漏れた流体(78)(例えば、導電性の材質)の存在により、完成する。これらの流体の全てもしくは一部は伝導性もしくは半導性を有する。もう1つ別の実施形態において、流体(78)は、電流の流れを増加させ、流体(22)と支持構造体の壁部との間のインピーダンスを減少させる。
【0046】
もう1つ別の漏れ検知システムは図4に示す実施形態に提示される。漏れ検知システム(73)は、折り畳み可能な袋体(18)と再利用可能な支持構造体(14)の内壁(30)との間に位置する、1もしくはそれより多い湿度検知器(80)を有する。図4に示すように、湿度検知器(80)は折り畳み可能な袋体及び/又は支持構造体の開口部(35)で、もしくはその近辺に位置される。この位置に検知器を位置することで、折り畳み可能な袋体もしくは再利用可能な支持構造体の開口部近辺のあらゆる流体が、システムから流体が漏れる前に検知される。
【0047】
本発明の容器は、システムのさまざまな位置に配される1もしくはそれより多くの検知器(76)及び/又は(80)を有する。検知器(76)及び(80)は、継続的に、定期的に、及び/又はいくつかの例においては、特定の出来事、例えば液体がコンテナへ導入される際に、測定が行われる。検知器(76)及び/又は(80)は、アラームを鳴らし、制御ユニット(34)に送信し、漏れの有無をユーザに知らせる、及び/又は漏れを制御もしくは取り除く(例えば、自己密閉構成要素など)測定を駆動させる。いくつかの事例において、信号により、システムの全てもしくは一部は停止する。
【0048】
漏れ及び/もしくは湿度を決定する検知器は知られており、本明細書に提供される記載に関する技術を有する当業者に知られる方法により、本明細書記載のシステムに組み込まれる。漏れ検知器の例を限定することではないが、米国特許第6,229,229号、第6,873,263号及び第7,292,155号に記載される例を含み、参照することにより、本明細書に組み込まれるものとする。さらに、物理的、電気的、光学的特性などのあらゆる適切な変化が測定され、本明細書記載の容器における漏れ及び/又は湿度の存在を示すのに用いられる。限定することではないが、漏れ及び/又は湿度を示すために監視されるパラメータの例は、色、吸光度、濁度、不透明度、伝導性、インピーダンス、抵抗、圧力、容量、及び温度を含む。
【0049】
本発明の様々な態様は折り畳み可能な袋体等のコンテナを備える容器を対象にしている。ここで用いられる「可撓性を有するコンテナ」、「可撓性を有する袋体」、「折り畳み可能な袋体」とは、コンテナ又は袋体が内部の圧力に晒された際に(操作中に予想される収容された液体及び/又はガスの重量及び/又は静水圧によって)、個々の支持構造体の恩恵を受けることなくしてはその形状及び/又は構造的な統合性を維持することができないということを指し示している。折り畳み可能な袋体は本来、多くのプラスチック等の可撓性材質からできているか、又は通常、剛性材質とみなされるもの(例えば、ガラス又は特定の金属)からできているが、操作中に予想される内部圧力に曝された際には、その厚み及び/又は物理的特性ゆえに、容器は個々の支持構造体の恩恵を受けることなくしては全体としての形状及び/又は構造的な統合性を維持することができない。別の実施形態では、折り畳み可能な袋体は可撓性材質と剛性材質の組み合わせを備え、例えば、その袋体は接続部、ポート、混合システム及び/又は消泡装置等の支持部のような剛性の構成要素を備える。
【0050】
コンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)は液体を収容するための適切な大きさを有する。例えば、コンテナには、0.1−5リットル、1−40リットル、40−100リットル、100−200リットル、200−300リットル、300−500リットル、500−750リットル、750−1000リットル、1000−2000リットル、2000−5000リットル、又は5000−10000リットルの容量がある。10000リットル以上の容量であっても同様に可能である。
【0051】
いくつかの実施形態において、コンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)は、適切な可撓性材質から形成される。可撓性材質はUSPのVI級と認定されたなかのひとつで、例えば、シリコン、ポリカーボネート、ポリエチレン、及びポリプロピレン等がある。可撓性の制約のない例は、ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ二塩化ビニル、ポリ塩化ビニデリン、エチレン酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ナイロン、シリコンゴム、他の合成ゴム、及び/又はプラスチック等のポリマを備える。上記のごとく、可撓性を有するコンテナの一部は剛性ポリマ(例えば、高密度ポリエチレン)、金属、及び/又はガラス(例えば、器具を支持する領域で)等の剛性材料を備える。他の実施例では、コンテナはほぼ剛性の材料である。任意により、コンテナの全て又は一部は光学的に透明で、コンテナ内部の内容物を見渡せることができる。コンテナを形成するために用いられる材料又はその組み合わせは、可撓性、穿刺力、抗張力、液体及びガスの浸透性、不透明性、及びブロー成形、射出成形、又は回転成形(例えば、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体を形成するため)等の特定の工程に対する適応性などの1もしくはそれより多くの特性に基づいて選択される。コンテナは、いくつかの例において使い捨て可能である。
【0052】
コンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)は液体を収容する適切な厚みを有するとともに、操作中又は取り扱い中の穿刺に対する耐性を有するように設計される。例えば、コンテナの壁部は250ミル以下(1ミルは25.4マイクロメートル)、200ミル以下、100ミル以下、70ミル以下(1ミルは25.4マイクロメートル)、50ミル以下、25ミル以下、15ミル以下、又は10ミル以下の全体的な厚みを有する。実施例のなかには、コンテナが1層よりも多い材質層を有することもあり、該1よりも多い材質層はともに薄層にされるか又は互いに付着して一定の特性をコンテナに与えることになる。例えば、ある層は酸素がほぼ浸透しない材質で形成される。別の層はコンテナに強度をもたらすある材質で形成される。さらに別の層が含まれることもあり、コンテナ内に収容される流体へ化学的な耐性を与える。コンテナの1もしくはそれより多くの層は、熱伝導性材質を有し、コンテナ内部からコンテナ外部の環境へと熱伝導が促進される。
【0053】
コンテナ、ライナーもしくは本明細書記載の他の物品(例えば、ブラダー)は、幾層かの適切な組み合わせから形成されること、及び本発明はこの点に限定されない。この物品(例えば、折り畳み可能な袋体)は例えば1層、2層以上、3層以上、又は5層以上の材料の層を有することもある。各層は200ミル以下、100ミル以下、50ミル以下、25ミル以下、15ミル以下、又は10ミル以下、5ミル以下、又は3ミル以下、又はその組み合わせの厚みを有することもある。
【0054】
ある実施例において、コンテナもしくはライナーには継ぎ目がない。コンテナは例えば継ぎ目のない折り畳み可能な袋体又は継ぎ目のない剛性(又は半剛性)コンテナである。多くの現存する折り畳み可能な袋体は、熱接合又は化学結合によって接合されたプラスチック材料の2つのシートから構築され、2つの長手方向の継ぎ目を有するコンテナを形成する。シートの開口端部は公知の技術を用いて密閉され、開口部はコンテナの壁部を貫通して形成される。継ぎ目を有する折り畳み可能な袋体は、使用中に継ぎ目付近で裂け目が形成されることがある。継ぎ目付近では内部に収容されている流体又は試薬は完全に混ざることはない。例えば、化学的、生化学的、及び/又は生物学的反応を行う折り畳み可能な袋体を用いる実施形態においては、混合していない試薬は所望の生成物の生産を減少させかねない。折り畳み可能な袋体に継ぎ目があると、折り畳み可能な袋体は袋体を支持する再利用可能な支持構造体の形状に適合することができない。しかしながら、袋体の2以上の可撓性のある壁部を接合する継ぎ目のない折り畳み可能な袋体を用いることにより、混合及び適合の問題は回避されるか又は軽減される。継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は、ブラダーもしくは他の本発明の皺除去システムとともに用いられることが可能である。
【0055】
ある実施形態では、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は、独特の形状及び構造を有する再利用可能な特定の支持構造体に特に適合するよう製造される。ほぼ完全に適合する折り畳み可能な袋体は、例えばバイオリアクタシステム、又は生化学的又は化学反応システムの一部として用いられることが可能である。継ぎ目のない剛性又は半剛性コンテナも同様に有効な実施形態もある。さらなる継ぎ目のないコンテナの記載は、2007年6月15日に出願され、「Gas Delivery Configurations, Foam Control Systems, and Bag Molding Methods and Articles for Collapsible Bag Vessels and Bioreactors」というタイトルが付された、米国特許出願第11/818,901号にあり、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0056】
特定の実施形態において、折り畳み可能な袋体の2もしくはそれより多い可撓性のある壁部を接合する継ぎ目を備えていない折り畳み可能な袋体(すなわち、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体)は、液体を収容する特定の容量を有する。継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は例えば、少なくとも0.1リットル、少なくとも1リットル、少なくとも10リットル、少なくとも20リットル、少なくとも40リットル、少なくとも50リットル、少なくとも70リットル、少なくとも100リットル、少なくとも150リットル、少なくとも200リットル、少なくとも300リットル、少なくとも500リットル、少なくとも700リットル、又は少なくとも1000リットルの容量を有する。継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は必要に応じてさらに1000リットル以上(例えば、1000−5000リットル、又は5000−10000リットル)の容量を備える。実施例によっては、折り畳み可能な袋体は可撓性を有するコンテナの周囲を囲むとともに収容する再利用可能な支持構造体内に配されることもある。
【0057】
ある実施形態においては、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は1つの工程で形成される。該工程では、袋体のライナー(例えば、袋体の可撓性のある壁部)は、攪拌器/ミキサシステムの一構成要素(例えば、シャフト及び/又は支持基盤)やポート、ブラダー等の1以上の構成要素と同様に、ポリマ前駆物質材質の継続的な供給から鋳造される。鋳造は密閉(例えば溶接)することなく行われることもある。上記のような継ぎ目のない袋体では、内部の液体又は他の生成物が一般的には平らな表面と接触することが可能になり、例えば、その表面にはしわや折り目、裂け目などがない。加えて、場合によっては、折り畳み可能な袋体が取り付けられ、液体や生成物で満たされると、折り畳み可能な袋体は補完的に支持構造体の中にはめ込まれることもある。継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は、基本的に均一なポリマ表面に例えば、副反応を最小化させる化学的性質を有する。1よりも多くのポリマ前駆物質材質を有する継ぎ目のない折り畳み可能な袋体を形成する方法も同様に実行可能である。
【0058】
継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は様々な方法により開発可能である。ある実施形態では、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体は液体プラスチックを金型に導入することによって形成される。該金型はポート、接続部、支持部、及び混合システムを支持するよう構成された剛性部分(例えば、シャフト及び/又は基盤)等の構成要素に事前にはめ込まれている。該剛性部分はその後液体プラスチックによって周囲を囲まれ、覆い隠され、及び/又は埋め込まれる。構成要素は一つの剛性要素で、例えば、使用中に形状及び/又は構造的な統合性をほぼ維持できる剛性要素である。任意の適切な数の構成要素(例えば、少なくとも1、2、5、10、15など)が本明細書記載の方法を用いてコンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)と一体化可能である。金型は金型の形状及び容量を有する折り畳み可能な袋体を形成するように設計され、該金型は再利用可能な支持構造体とほぼ同じ形状、容量、及び/又は構成を有する。
【0059】
ある実施形態では、コンテナは埋め込まれた構成要素/線状成形(ECM)技術を用いて形成される。上記のような技術の一つでは、チューブポート、攪拌基盤などの剛性要素又は事前に形成された構成要素は金型内に最初に配される。コンテナ(例えば、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体)を形成するために用いられるポリマ又はポリマ前駆物質は、以下に記載のポリマ作成技術を介して(例えば、溶解状態に)導入される。構成要素又は構成要素の一部がポリマ前駆物質によって部分的に溶解することによって、構成要素はコンテナに付着する要素を継続的に形成することが可能となる。すなわち、構成要素はコンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体の可撓性のある壁部)の1もしくはそれより多い壁部を接合(溶解)することにより、継ぎ目のない単一の完全な材料片が形成される。他の例において、構成要素はより薄い部分で構成され、該部分はコンテナ形成中にポリマ前駆物質によって(例えば、溶解状態に)溶解可能である。
【0060】
したがって、金型内でコンテナを形成中にコンテナの壁部と機能的な構成要素の少なくとも一部を共に接合する方法は、接合段階中に機能的な構成要素の一部を融解する段階を備える。コンテナの壁部は第1の厚みを有し、機能的な構成要素の一部は第2の厚みを有し、その厚みは例えば、第1及び第2の厚みの大きい方と比較して、互いの100%、80%、60%、40%、20%、10%、又は5%未満である。
【0061】
別の実施形態において、コンテナは連続的な構成要素/線状成形(CCM)技術を用いて形成される。上記のような技術の一つでは、折り畳み可能な袋体又は他のコンテナはポリマ又はポリマ前駆物質の流れから新たに鋳造される。折り畳み可能な袋体を形成するために用いられるポリマ又はポリマ前駆物質は、以下に記載されるようなポリマ作成技術によって導入される。構成要素はマンドレル、バリア、バッフル等を用いて可撓性を有するコンテナに導入可能であって、これにより例えば1つの連続ポリマとしてチューブポート及び攪拌基盤等の液体収容システムの機能的な構成要素を形成するようポリマ前駆物質を誘導する。ポリマ又はポリマ前駆物質を固定又は除去した後、マンドレル、バリアなどは回収される。
【0062】
これら技術及び他の技術の組み合わせは同様に他の実施形態でも用いることもある。例えば、異なるポリマ製剤(低分子量ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、それらの組み合わせ又はそれらの前駆物質)は、チューブ又はセンサ穴、攪拌システム等のより剛性を有する構造を形成するために設計された金型の領域に同時に注入可能である。
【0063】
ある実施形態では、ある方法は第1ポリマ又はポリマ前駆物質を金型に導入する段階を備え、該金型は少なくとも10ミリリットル、1リットル、40リットル、100リットルもしくは1000リットルなどの容量を有する折り畳み可能な袋体を成形するよう構成された形状を備える。金型はある形状をさらに備え、該形状は混合システム及び/又は消泡システムの1つの構成要素を成形するよう構成される。該構成要素は羽根車を支持するよう構成されたシャフト及び/又は基盤などである。この方法はさらに、混合システムの構成要素を成形するために第2ポリマ又はポリマ前駆物質を金型に導入する段階を備える。したがって、混合システムの構成要素及び折り畳み可能な袋体は、本明細書記載の方法を用いて溶接することなく接合される。第1及び第2ポリマ又はポリマ前駆物質が同時に導入される実施形態もある。第1及び第2ポリマ又はポリマ前駆物質は、実施形態によっては同一であれば異なることもある。上記のような方法を用いて、例えば混合システム/攪拌システム、消泡システム、又は他の構成要素のための基板を形成することが可能である。別の実施形態では、多くのポリマが金型に(例えば、同時に)導入されることで、複数の構成要素を有するコンテナが成形可能である。
【0064】
上記のごとく、ポリマ又はポリマ前駆物質を金型に導入することにより、任意の適切な技術を用いて折り畳み可能な袋体(例えば、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体)などのコンテナが形成される。例えば、ある実施形態において、折り畳み可能な袋体は回転成形工程を介して製作される。例えば、回転成形の間、金型がポリマ又はポリマ前駆物質が導入される際に回転することにより、金型表面上は全体的にプラスチックで被覆される。他の実施形態において、折り畳み可能な袋体は射出成形工程を介して製作される。例えば、ポリマ前駆物質は外側金型と内側金型との間のスペースに送り出される。さらに別の実施形態では、折り畳み可能な袋体はブロー成形工程を介して製作可能である。ポリマは例えばガス圧入を介して沈着することにより、金型表面へ拡散する。さらに別の実施形態においては、上記技術及び他の技術の組み合わせが用いられることもある。当業者は回転成形、射出成形、及び/又はブロー成形などのポリマ加工技術には精通しており、上記技術を用いて適切な折り畳み可能な袋体又は他のコンテナを用意することができる。このような技術は本発明のブラダーもしくは他の構成要素を形成するのに用いられる。
【0065】
多くの実施形態は継ぎ目のない折り畳み可能な袋体について記載しているが、コンテナの可撓性のある壁部間に継ぎ目を有する折り畳み可能な袋体又は他のコンテナが製作される実施例もある。他の実施形態では、コンテナの構成要素と1もしくはそれより多い可撓性のある壁部との間に継ぎ目を有する折り畳み可能な袋体又は他のコンテナが製作可能である。2もしくはそれより多い壁部の接合、又は壁部とコンテナの一部との接合は、溶接(例えば、熱溶接及び長音波溶接)、ボルト締め、接着剤、締め具の使用、又は他の取り付け技術によってなされる。継ぎ目のある接続部と継ぎ目のない接続部を組み合わせて製作することも可能である。
【0066】
記載されている方法の多くが折り畳み可能な袋体の製作に言及しているが、この方法が剛性コンテナもしくは容器の構成要素にも適用される。折り畳み可能な袋体(継ぎ目のある袋体又は継ぎ目のない袋体)などのコンテナを形成するために用いられる本明細書記載の方法は、様々なサイズの構成要素を備えるように応用される。例えば、折り畳み可能な袋体の可撓性のある壁部は、例えば、100ミル以下、70ミル以下、50ミル以下、25ミル以下、15ミル以下、又は10ミル以下の厚みを有するが、コンテナに組み込まれる構成要素は例えば0.5ミリより大きい、1センチメートルより大きい、1.5センチメートルより大きい、2センチメートルより大きい、5センチメートルより大きい、又は10センチメートルより大きい厚み又は高さを有する。構成要素の少なくとも1つの切断面の大きさ(例えば、高さ、長さ、幅、又は直径)が例えば、少なくとも0.5ミリより大きい、1センチメートルメートルより大きい、1.5センチメートルより大きい、2センチメートルより大きい、5センチメートルより大きい、10センチメートルより大きい、15センチメートルより大きい、20センチメートルより大きい、25センチメートルより大きい、又は30センチメートルより大きい場合もある。特定の実施例においては、折り畳み可能な袋体(又は他のコンテナ)の厚み、及び折り畳み可能な袋体と接合(溶解)した構成要素の一部の厚みが、互いの(厚い方と比較して)30%、20%、15%、10%、又は5%以内である。以下に詳細が記されているように、上記のように厚みが適合すると材質の接合(融解、溶接など)が促進される。
【0067】
折り畳み可能な袋体又は他のコンテナと一体化する構成要素は任意の適切な材質で形成され、該任意の適切な材質は袋体又はコンテナの材質と同一であったり、異なったりする。例えば、ある実施形態では、コンテナは第1ポリマで形成され、構成要素は第1ポリマとは異なる(異なる組成、分子量、及び/又は化学構造など)第2ポリマで形成される。当業者は材質加工技術に精通しており、本明細書記載の方法の上記技術を用いて適切な材質及びその組み合わせを選択することができる。
【0068】
実施形態によっては、本明細書記載の方法を用いて折り畳み可能な袋体又は他のコンテナと一体化される構成要素は1より多くの材質で形成され、該材質はUSPのVI級と認定されており、例えば、シリコン、ポリカーボネート、ポリエチレン及びポリプロピレンなどがあり、もしくは、代替的に、1もしくはそれより多くの非認定の材質から形成されている。構成要素を形成するために使用可能な材質の制約のない実施例はポリマを備え、該ポリマはポリエチレン(低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ二塩化ビニル、ポリ塩化ビニデリン、塩化物、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ナイロン、シリコンゴム、他の合成ゴム、及び/又はプラスチック、及びこれらの組み合わせである。セラミック、金属、及び磁性材質を用いて構成要素の全て又は一部を形成することも可能である。構成要素の全て又は一部が剛性の実施形態もあれば、構成要素の全て又は一部が可撓性を有する実施形態もある。構成要素を形成するために用いられる材質は、例えば、コンテナとの親和性、可撓性、抗張力、硬度、液体及びガスの浸透性、穿刺力、及びブロー成形、射出成形、又は回転成形などの特定の工程に対する順応性等の1もしくはそれより多い特性及び/又は構成要素の機能に基づいて選択される。
【0069】
特定の実施形態、とりわけ、流体の操作を備えるか又はコンテナ(折り畳み可能な袋体)内で化学的、生化学的、及び/又は生物学的反応を行う実施形態では、コンテナはほぼ閉じられている。例えば、ある実施形態では、コンテナへの内容物の追加及び/又はコンテナからの内容物の除去を行う1もしくはそれより多い流入ポート及び/又は排出ポートを除けば、コンテナは外部環境からほぼ遮断されている。折り畳み可能な袋体が用いられると、折り畳み可能な袋体は液体で満たされるよりも先にほぼ収縮するとともに、液体で満たされるにつれて膨張し始める。別の実施形態では、本発明の形態は開口式のコンテナシステムにも応用可能である。
【0070】
流体が容器から流入ポート及び/又は排出ポートを介して導入される及び/又は除去される場合もある。容器は生物学的、生化学的、又は化学的反応を行うリアクタシステムの一部であることもある。上記のような容器の一部であるコンテナ(折り畳み可能な袋体)は、任意の適切な数の流入ポート及び排出ポートを有する。場合によっては、使い捨て可能なポンプなどのポンプを用いて、例えば流入ポートを介してコンテナ内にガス又は他の流体を導入するか、及び/又は例えば排出ポートを介してコンテナからガス又は他の流体を除去する。例えば、磁気的に結合されたポンプは、使い捨て可能な磁性羽根車の上部を筐体に入れることにより得られ、該筐体は流体のポンピングを行う流入ポート及び排出ポートを有する。可撓性を有する翼板が用いられると、ポンピングが促進されるか又は圧力が除去される。別の実施形態では、流体、ガス及び/又は粉末のポンピングは、ポンプの上部及び/又はポンプ室がなくとも、例えば「蠕動」を効率的に行う電気機械のポリマチューブを連続して圧送することにより達成される。チューブ内の一方向バルブを任意で用いると、逆流を防ぐために役立つ。
【0071】
いくつかの実施形態において、支持構造体をさらに備え、例えば、図1に示される支持構造体(14)はコンテナ(18)の周囲を囲むとともに収容することが可能である。支持構造体は適切な形状を有し、コンテナの周囲を囲う及び/又は収容することが可能である。場合によっては、支持構造体は再利用可能である。支持構造体はほぼ剛性の材質で形成される。再利用可能な支持構造体を形成するために使用可能な材質の制約のない実施形態は、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、樹脂含浸処理されたファイバグラス又はカーボンファイバ、ポリマ(例えば、高密度ポリエチレン、ポリアクリル酸塩、ポリカーボネート、ポリスチレン、ナイロン、又は他のポリアミド、ポリエステル、フェノール性ポリマ)、及びこれらの組み合わせを有する。材質は用いられる環境においてその使用を補償される。例えば、脱粒することのない材質が用いられるのは最小の微粒子の発生が必要となる環境である。
【0072】
実施形態によっては、再利用可能な支持構造体は標準的なステンレス鋼のバイオリアクタ(又は他の標準的なリアクタ又は容器)と同様の高さ及び直径を有するように設計される。その構造は容量の小さな卓上リアクタシステムに縮小可能である。したがって、再利用可能な支持構造体は、所望の化学的、生化学的、及び/又は生物学的反応を行う適切な容量を有する。多くの実施形態において、再利用可能な支持構造体はコンテナとほぼ同様の容量を有する。例えば、単一の再利用可能な支持構造体は、ほぼ同様の容量を有する単一のコンテナを支持するとともに収容するために用いられる。しかしながら、他の場合では、再利用可能な支持構造体は1より多いコンテナを収容するために用いられる。再利用可能な支持構造体は、例えば0.1−5リットル、1−100リットル、100−200リットル、200−300リットル、300−500リットル、500−750リットル、750−1000リットル、1000−2000リットル、2000−5000リットル、又は5000−10000リットルの容量を有する。10000リットルより多い容量も可能である。
【0073】
しかしながら、他の実施形態では容器は個別のコンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)及び支持構造体を備えてはいないが、代わりに自立型の使い捨て可能なコンテナを備える。コンテナは例えば、プラスチックの容器でも良く、場合によってはコンテナに一体的に取り付けられた攪拌システム又は取り外し可能な攪拌システムを備える。攪拌システムはコンテナとともに使い捨て可能である。ある特定の実施形態において、上記のようなシステムはポリマ製のコンテナに溶接又は固定された羽根車を備える。したがって、コンテナ及び支持構造体(例えば、継ぎ目のないコンテナ、散布システム、消泡装置、ブラダー、皴除去システム、漏れ検知システム、熱伝導システム、電磁攪拌システムなど)に関する本明細書記載の容器の形態および特性は、自立型の使い捨て可能なコンテナにも応用可能であることを留意されたい。
【0074】
いくつかの実施形態において、図5に示されたコンテナ(18)などのコンテナは、使い捨て可能なコンテナの内部の1以上の処理パラメータを制御する及び/又は監視するための様々なセンサ及び/又はプローブを備える。該処理パラメータは例えば、温度、圧力、pH、溶存酸素(DO)、溶存二酸化炭素(DCO)、混合率、及びガス流量のことをいう。センサは他の場合では光学センサであってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、工程制御はコンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)によって固定された滅菌バリアを傷つけない方法で実施される。例えば、ガス流は流入用エアフィルタ上流でロータメーター又はマスフローメータによって監視及び/又は制御される。他の実施形態では、使い捨て可能な光学プローブは指示染料を有する材質の「一部(パッチ)」を用いるよう設計される。該指示染料はコンテナの内部表面上に取り付け可能であるとともに、再利用可能な支持構造物内のウィンドウを介してコンテナの壁部に沿って示される。例えば、溶存酸素、pH、及び/又はCOの各々は、光学パッチ及び光学センサによって監視されるとともに制御される。該光学パッチ及び光学センサは例えば、ガンマ線を照射可能な生体適合性のあるポリマ上に取り付けられ、該ポリマはコンテナの表面に固定されたり、埋め込まれたり、あるいは取り付けられたりすることが可能である。
【0076】
センサの特定の実施形態として図5で例証された実施形態において示されたごとく、コンテナ(18)は温度制御装置(106)と動作可能に接続している。該温度制御装置とは、例えば、熱交換器、閉ループ式のウォータージャケット、電気毛布、又はペルチェ加熱器もしくは冷却器である。コンテナ内部の液体を加熱する他の加熱器は当業者には公知であるとともに、コンテナ(18)と組み合わせて用いることも可能である。加熱器はコンテナ内の内容物の温度を感知する熱電対及び/又は測温抵抗体(RTD)をさらに備える。熱電対は温度制御装置と動作的に接続し、コンテナ内の内容物の温度を制御する。任意で、下記に詳細を示すが、熱伝導性材質がコンテナの表面に使われることにより、例えば、表面に熱が伝達され、コンテナの部分を形成するために用いられた材質の絶縁効果を克服する。
【0077】
冷却は閉ループ式のウォータージャケット冷却システム、リアクタに取り付けられた冷却システム、又は再利用可能な支持構造体上のカバー/ジャケット(例えば、電気毛布又は加熱と冷却を行うパッケージ化された複式ユニットは加熱と冷却双方のために構成された装置の一構成要素であるが、冷却ジャケットとは分離することもある)を介した標準的な熱交換によって行われる。例えば、冷却はペルチェ冷却器によってもたらされる。例えば、ペルチェ冷却器は排気管に適用され、排出ガス中のガスを液化して排気フィルタが濡れるのを防ぐ。
【0078】
ある特定の実施形態において、リアクタシステムは上部空間及び/又は流出口の排気管を冷却するガス冷却を備える。例えば、ジャケット冷却、電気熱及び/又は化学冷却、又は熱変換は、流出口の送気管及び/又はコンテナの上部空間内で行われる。上記冷却されることによってより多くの凝縮物がコンテナへと戻され、これにより流出口の排気フィルタの詰まりや付着物が減少する。実施形態によっては、事前に冷却したガスを上部空間へと追いやることにより、露点が低下し、及び/又は流出口の空気ガスの水蒸気の負担が減少する。
【0079】
上述の方法は、コンテナ内部の内容物を加熱もしくは冷却するのに用いられるが、このような方法を用いた熱交換率は、特定の例ほど望ましいものではない。いくつかの例において、熱交換率は、コンテナを形成するのに用いられる材質により、望ましい水準を下回るもしくは最適水準を下回るよう限定される。例えば、攪拌用コンテナ及び/もしくは生物学的、化学的及び/又は薬学的反応に用いられるコンテナ、特に折り畳み可能な袋体の形態で使い捨て可能なライナーの使用に関するシステムは、一般的にポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはエチレンビニルアセテートなどの熱伝導性の低い材質からつくられる。コンテナで行われる化学的/生化学的/物理的工程は、熱を発し、該熱が、例えば、適切な成長環境を維持する、もしくは反応を制御する目的で除去される場合、熱伝導の低い材質を使用することで、コンテナから望ましくない程度にまで熱除去を抑制もしくは遅くさせる。例えば、制御しない場合、高発熱の化学反応は、制御が利かない熱生成を生み出し、安全状態を超えた過度の圧力及び/又は過度の温度を生み出し、危険である。さらに、生物反応が高速で活動的な場合、細胞成長及び/又は生成物生成の最適条件の動作温度の範囲内で培養物を維持するために、熱は除去することが望ましい。組み替え生物に関する特定の実施例において、生成物の生成は、急激な温度変化により起動される熱感受性プロモータで制御される。これら及び他の例において、コンテナからの熱除去率は、生成物の生成量を制御するのに重要である。生成物の生産工程後に採取された培養を冷却させるには、急激な熱除去が必要とされる。
【0080】
コンテナの大きさが大きくなると、コンテナの液体容量に対するコンテナの表面領域の割合は、減少する。これにより、コンテナの効果的な冷却能力の量を減少させ、大きいコンテナで温度制御するのはより難しくなる。この問題を対処するために、折り畳み可能な袋体、もしくは剛性コンテナなどの本明細書記載のコンテナは、これらに用いられた1もしくはそれより多い熱伝導性材質を有する。ある実施形態において、コンテナの壁部の少なくとも一部に組み込まれた熱伝導性材質を備える。さらにもしくは代替的に、熱伝導性材質は、コンテナの壁部の内側を裏打ちする。例えば、熱伝導性材質及びコンテナ壁部は、積層構造を形成する。1もしくはそれより多いブラダーを含む容器において、熱伝導性材質は、ブラダーの全てもしくは一部を形成するのに用いられ、熱輸送を促進する。下記に詳細を示すように、他の構成もまた可能である。
【0081】
好適には、コンテナ(及び/又はブラダー)は、熱伝導性材質がコンテナの内側からコンテナの外側環境へと熱を伝導する、あるいは、コンテナの外側環境からコンテナへと熱を伝導するのに用いられる。コンテナが再利用可能な支持構造体(例えば、ステンレス製のタンク)の実施形態において、コンテナからあるいはコンテナへの熱伝導が支持構造体により促進される。例えば、コンテナ内部の内容物からの熱は、コンテナの熱伝導性材質を介して、熱伝導性の支持構造体へと消散される。支持構造体は、任意で、適切な冷却システムを用いて、冷却させ、熱消散率を増加させる。
【0082】
いくつかの実施形態において、熱伝導性材質は、複数の粒子の形状である。粒子は、ナノ粒子、マイクロ粒子、粉末等の形態である。熱伝導性材質は、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノロッド、ファイバ、メッシュもしくは他の要素の形態である。熱伝導性材質は、コンテナを形成するために用いられる材質に組み込まれ、例えば、これにより、各要素の全てもしくは一部がコンテナを形成するために用いられる材質で、包まれるもしくは囲まれている。
【0083】
いくつかの実施形態において、組み込まれた熱伝導性材質は、コンテナを形成するのに用いられる主要部の材質にほぼ均一に分散される。本文脈において、「ほぼ均一に分散される」というのは、上述のあらゆる材質の断面部分を確認する際に、材質において、任意の数の断面部分の平均的構成を有する場合、例えば、おおよそグレインもしくは原子の材質の大きさの選択についての調査により、主要部において、熱伝導性材質の分散を基本的に均一にさせることが明らかになっている。平均を決定するのに用いられる任意の断面部分の数は、例えば、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20である。いくつかの例において、1より多い断面部分を追加しても、5%しか平均が変化しないように、任意の断面部分の数が選択される。他の実施形態においては1%しか平均が変化しない。顕微鏡写真、走査型電子顕微鏡写真、もしくは他の同様のマイクロスケールもしくはナノスケールの調査工程により、基本的に分散を均一にさせることが明らかになっている。材質の「主要部」は、材質の断面寸法の少なくとも50%を含む。特定の実施形態において、主要部は材質の断面寸法の少なくとも60%、70%、80%、90%もしくは95%である。当業者であれば、本記載から、これらの用語の意味を明確に理解する。
【0084】
他の実施形態において、熱伝導性材質は均一にコンテナ(及び/またはブラダー)を形成する材質の主要部全体に分散されない。例えば、粒子勾配は、コンテナ断面の全域で形成される。もう1つ別の例において、熱伝導性材質は、コンテナを形成するのに用いられる材質の層に隣接したところに、フィルムもしくは層を形成する。このような実施形態において、熱伝導性材質のフィルムもしくは層は、コンテナの幅もしくは高さにわたって均一に位置される。例えば、熱伝導性材質は、コンテナの一部が熱伝導性材質を含み、さらにコンテナの隣接部は、熱伝導性材質を備えるように構成される。代替的に、熱伝導性材質は、ストリップ、ワイヤとして提示される、あるいは、コンテナの一部が熱伝導性材質を備えるように他の構成を有し、さらに、コンテナの隣接部は、熱伝導性材質を備えない。
【0085】
熱伝導性材質は、特定の実施形態において、2つのポリマシートの間に封入される。代替的な熱伝導性材質の層及びポリマ層もまた可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、コンテナの外側表面は、熱伝導性材質の層を有するが、その一方、コンテナの内側表面は熱伝導性材質を有さない。コンテナの内容物と熱伝導性材質との間のあらゆる反応性を回避もしくは限定しない場合、この構成により、コンテナの内容物から熱を伝導することが可能である(あるいは、コンテナの内容物へと熱を伝導することが可能である)。例えば、銀は高い熱伝導性を有し、熱伝導性材質として用いられ、しかしながら、抗菌効果を有することが知られている。コンテナの外側表面(もしくは2つのポリマ層の間に組み込まれる)に銀を配置するが、コンテナ内部のあらゆる内容物と接触しないようにすることで。コンテナの熱伝導は、コンテナの内側の内容物に悪影響を及ぼすことなく、増大させる。
【0086】
熱伝導性材質は、あらゆる適切な大きさもしくは寸法を有する。熱伝導性要素の大きさが選択されることで、例えば、特定の分散(例えば、勾配もしくはほぼ均一な分散)がコンテナを形成するのに用いられる主要部材の中で達成され、コンテナ部分の至るところで要素の突起を防止する、もしくは特定の表面領域あるいは熱伝導性材質のコンテナ容量に対する比率を有する。いくつかの例において、熱伝導性材質は500ミクロン未満、250ミクロン未満、100ミクロン未満、50ミクロン未満、10ミクロン未満、1ミクロン未満、100ナノメートル未満、50ナノメートル未満、25ナノメートル未満、10ナノメートル未満、5ナノメートル未満、もしくは1ナノメートル未満である。
【0087】
適切な熱伝導性材質はいずれも、熱伝導性材質として使用される。熱伝導性材質は、熱伝導性、粒子の大きさ、磁気特性、特定の処理技術(例えば、特定の蒸着(deposition)技術により蒸着される能力)との互換性、コンテナを形成するために用いられる主要部材との互換性、コンテナに含まれるあらゆる材質(例えば、細胞、栄養物、ガスなど)との互換性、コンテナ内部の反応の実行と関連性を有するあらゆる処理もしくは事前処理(例えば、消毒)との互換性だけでなく、他の要素などの要因に基づいて選択される。
【0088】
特定の1組の実施形態において、熱伝導性材質は金属を備える。1つの実施形態において、熱伝導性材質は金属である。他の例において、熱伝導性材質は半導体を備える。熱伝導性材質として適切な使用は、例えば、1族から17族の元素を含む。例えば、特に、2族から14族の元素もしくは2族、10族、11族、12族、13族、14族、15族の元素である。潜在的に周期表の2族からの適切な元素は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムを含む。10族からの潜在的に適切な元素は、例えば、ニッケル、パラジウムもしくはプラチナを含む。11族からの潜在的に適切な元素は、例えば、銅、銀もしくは金を含む。12族からの潜在的に適切な元素は、例えば、亜鉛、カドミウムもしくは水銀を含む。13族からの適切な元素は、例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムもしくはタリウムを含む。14族からの適切な元素は、例えば、炭素、シリコン、ゲルマニウム、錫もしくは鉛を含む。15族からの適切な元素は、例えば、窒素、リンもしくはビスマスを含む。いくつかの例において、熱伝導性材質は、Al、Cu、FeもしくはSnである。
【0089】
熱伝導性材質は金属を含む場合、1もしくはそれより多い金属が用いられることを理解されたい。同様に、熱伝導性材質は半導体を備える場合、1もしくはそれより多い半導体物質が用いられる。従って、金属と半導体が混ぜられる。即ち、熱伝導性材質は、単一の金属、単一の半導体もしくは混合された1あるいはそれより多い金属もしくは1あるいはそれより多い半導体(例えば、合金)である。限定することではないが、適切な金属は上述に示し、及び半導体の適切な構成要素は上述に示す。当業者にとって、上述の1もしくはそれより多い元素、あるいは他の元素から半導体が形成されることは十分周知である。
【0090】
特定の実施形態において、熱伝導性材質は、非金属である。例えば、熱伝導性材質は、炭素を備える。熱伝導性材質は、例えば、伝導性ポリマの形態である。限定することではないが、伝導性ポリマは、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレン、ポリチオフェン及びポリアセチレンを含む。
【0091】
当業者は、上述の材質もしくは本分野で知られる他の材質から、適切な金属、半導体及び/又は非金属を容易に選択可能である。さらに、本明細書の記載から、当業者は本明細書で示す実施形態に関する適切な使用のために、過度な負担もしくは実験を行うことなく、材質を選択することが可能である。
【0092】
任意で、熱伝導性材質が、例えば化学的に及び/又は物理的に、覆われるもしくは処理されることで、材質の特定の化学的及び/又は物理的特性を増大させる。例えば、熱伝導性材質の表面が、界面活性剤、酸化物もしくは他のあらゆる適切な材質で処理されることで、より親水性/疎水性の高く、反応性の低く、特定のpHなどを有する。これら及び他の処理により、熱伝導性材質はコンテナを形成するのに用いられる材質及び/又は特定の処理技術と互換性を有するようになる。例えば、熱伝導性材質の処理により、所望の程度でコンテナを形成するために用いられる材質を接着させることが可能である、特定の溶媒により溶解されることが可能である、あるいは特定の分散性の水準を達成することが可能である。
【0093】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態において、コンテナ(例えば、剛性コンテナあるいは折り畳み可能な袋体)及び/又はブラダーは、ポリマ材質(例えば、主要部材)を備える。本明細書に記載されるようなポリマ材質は、例えば、ポリマーブレンドの構成要素の量を調整したり、架橋度を調整したりすることなどで、適切な物理的/機械的特性を有するように選択もしくは調合される。例えば、当業者は、ポリマの熱伝導性、特定の処理技術(例えば、特定の蒸着技術により蒸着される能力)との互換性、熱伝導性材質との互換性、コンテナに収容されるあらゆる材質(例えば、細胞、栄養物、ガスなど)との互換性及び、コンテナ内部の反応の実行と関連性を有するあらゆる処理もしくは事前処理(例えば、消毒)との互換性などの要因に基づいて、コンテナ内で使用される適切なポリマを選択することが可能である。
【0094】
熱伝導性材質を備えるコンテナ及び/又はブラダーはあらゆる適切な方法により形成される。ある実施形態において、熱伝導性材質がコンテナ(例えば、主要材質)を形成するために用いられる材質と、任意により、反応物、溶媒、ガス及び界面活性剤と物理的に混合される。熱伝導性材質は、例えば、主要部材に注入されることも可能である。結果として出来上がる混合物は、溶液、エマルションもしくは懸濁液の形態である。
【0095】
混合物は、ブロー成型、射出成型、回転成型及び押出成型などの方法、例えば、上述の方法及び/又は当業者に知られる方法により、コンテナ(もしくはブラダー)、あるいはコンテナ(もしくはブラダー)の前駆物質に成形される。例えば、ある実施例において、熱伝導性材質及びコンテナを形成するために用いられる材質は、材質の成型しやすい十分な高温で同時に押出成型可能である。材質は、コンテナあるいはシートなどのコンテナの前駆物質に成形される。熱伝導性材質を含むコンテナは、継ぎ目を有さない、あるいは継ぎ目を有するが、該継ぎ目は、コンテナを成形するために、溶接されている。いくつかの例において、マイクロ波源あるいはレーザなどのエネルギー源により、熱伝導性材質を熱することで、より制御された溶接が達成される。
【0096】
いくつかの実施形態において、熱伝導性材質は、コンテナもしくはブラダーを形成するのに用いられる材質の全てもしくは一部に対して適用されるが、該適用は、物理蒸着法(physical deposition method)、化学蒸着法(chemical vapor deposition methods)、プラズマ化学蒸着技術(plasma enhanced chemical vapor deposition techniques)、熱蒸発(例えば、抵抗加熱、誘導加熱、輻射加熱及び電子線加熱)スパッタリング(例えば、ダイオードスパッタ、DCマグネトロンスパッタ、RFスパッタ、RFマグネトロンスパッタ、パルススパッタ、デュアルマグネトロンスパッタ、ACスパッタ、FMスパッタ及び反応性スパッタ)ジェット蒸着(jet vapor deposition)、電気泳動蒸着(electrophoretic deposition)、磁気蒸着(magnetophorectic deposition)、回転塗布、浸漬塗布、スプレー、ブラッシング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、トナー印刷、焼結、レーザーアブレーション、電気めっき、イオンめっき、陰極アーク及びこれらの組み合わせの方法により行われる。このような方法は、真空もしくは不活性雰囲気において、行われる。
【0097】
特に材質が主要材質に組み込まれた実施形態において、熱伝導性材質は、磁気相互作用、静電相互作用などを用いて、整列される。
【0098】
コンテナ(もしくはブラダーあるいは他の物品)は、適切な量の熱伝導性材質を備える。例えばコンテナの総重量に基づいて、コンテナは、熱伝導性材質の例えば少なくとも0.1wt%、少なくとも1wt%、少なくとも2wt%、少なくとも5wt%、少なくとも10wt%、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、少なくとも50wt%を備える。いくつかの例において、これらのパーセンテージは、可撓性を有する部分(例えば、壁部)の総重量に基づいている。
【0099】
熱伝導性材質の量及び種類、コンテナを形成するのに用いられる材質、コンテナを形成するのに用いられる材質に対する熱伝導性材質の配列、コンテナの厚みは、コンテナが熱伝導性の特定の全体水準を達成するように、選択される。コンテナの全体の熱伝導性は、例えば、少なくとも0.1Watts-m-1-K-1、少なくとも0.2Watts-m-1-K-1、少なくとも0.5Watts-m-1-K-1、少なくとも1Watts-m-1-K-1、少なくとも2Watts-m-1-K-1、少なくとも3Watts-m-1-K-1、少なくとも5Watts-m-1-K-1、少なくとも10Watts-m-1-K-1、少なくとも15Watts-m-1-K-1である。いくつかの例において、熱伝導性材質を含むコンテナの熱伝導性は、熱伝導性を有さないコンテナ(他の全ての要因は同じ)よりも、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも50倍大きい。一定期間に伝送された熱量を、コンテナ表面の垂直方向のコンテナの厚みを介して決定することで、熱伝導性が当業者により測定される。伝送される熱量は、定常状態下の温度の違いによるものであり、熱伝送が温度勾配のみに依存している場合に、熱伝導性が当業者に測定される。
【0100】
熱伝導性材質を備えるコンテナ及び/又はブラダーを用いて熱伝導性を増大させる利点に加えて、このような物品は、また増大された検知能力を有する。例えば、コンテナは、静電荷の消散及び制御と同様に、温度、伝導性、インピーダンスを決定するために用いられる。いくつかの実施形態において、コンテナの内側から外側へと材質のあらゆる漏れを検知するのに用いられる。このような測定は、例えば、1もしくはそれより多いコンテナの部分の熱及び/又は電気伝導性の変化を決定することで行われる。
【0101】
図5を参照すると、場合によっては、センサ及び/又はプローブ(例えばプローブ106)はセンサの電子モジュール(132)に接続され、該モジュールの出力は端子盤(130)及び/又は継電器箱(128)に送られる。センサ操作の結果はコンピュータによって実行される制御システム(115、例えば、コンピュータ)に入力される。該制御システムは様々なパラメータ(温度及び重量/容量の測定)の計算及び制御を行うとともにその表示やユーザ干渉を行う。上記のような制御システムが電気的、機械的、及び/又は空気圧システムを備えることにより、工程操作の環境パラメータの安定化又は制御の必要性に応じて、使い捨て可能なコンテナに届けられる熱、空気、及び/又は液体が制御されるか、又は使い捨て可能なコンテナから熱、空気、及び/又は液体が回収される。制御システムは他の機能を実行すること、及び該制御システムは任意の特定の機能又は一連の機能を有することに限定されないことを認識されたい。
【0102】
1より多い制御システムは多くの手法で実行可能である。該手法には専用のハードウェア及び/又はファームウェアを用いたり、マイクロコードやソフトウェアを使用して上記に列挙された機能や又は前述の任意の適切な組み合わせを実行するようプログラム処理されたプロセッサを用いたりするものがある。制御システムは生物学的、生化学的、又は化学的な反応の単一リアクタの1以上の操作、又は複数の(別々の又は相互接続された)リアクタの1より多い操作を制御する。
【0103】
記載されたシステムの各々(例えば、図5に関連した)、及びそれらの構成要素は、ソフトウェア(例えば、C、C#、C++、Java(登録商標)、又はそれらの組み合わせ)ハードウェア(例えば1もしくはそれより多いアプリケーション特有の集積回路)、ファームウェア(例えば、電気的にプログラムされたメモリ)、又はそれらの任意の組み合わせを備える様々な技術を駆使して実行される。
【0104】
本明細書記載の様々な実施形態が1もしくはそれより多いコンピュータシステムで実行される。これらコンピュータシステムは例えば、Intel のPENTIUM(登録商標)-type 及びXScale-type のプロセッサ、Motorola のPower PC、MotorolaのDragonBall、IBMのHPC、SunのUltraSPARC、Hewlett-Packard のPA-RISCプロセッサ、Advanced Micro Devices(AMD)で利用できる様々なプロセッサ、又は任意の他の種類のプロセッサに基づいた汎用コンピュータである。1もしくはそれより多い任意の種類のコンピュータシステムが本発明の様々な実施例を実行するために用いられることを認識されたい。コンピュータシステムは特別にプログラムされた、特定の目的を有するハードウェア、例えば、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)を備える。様々な構成要素はソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実行される。さらに、上記の方法、行為、システム、システムの要素及びこれらの構成要素は、記載されたコンピュータシステムの一部として又は独立した構成要素として実行される。
【0105】
ある実施形態では、本明細書記載の容器と動作可能に接続する制御システムは携帯可能である。制御システムは、例えば、制御システム内で流体操作(例えば、混合及び反応)を行うために必要な制御と機能のすべて又は多くを備える。制御システムは1つの支持部と容器の輸送を容易にするキャスターを備える。上記のような携帯制御システムは設定された命令がプログラム化され、必要に応じて(任意で容器とともに)輸送されるとともに容器に取り付けられ、従来の流体操作制御システムよりも短い時間で流体操作を行う準備を整えることが可能である(例えば、1週間未満、3日未満、1日未満、12時間未満、6時間未満、3時間未満、又は1時間未満で)。
【0106】
容器は、いくつかの実施形態において、空気、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア、又は混合体などの1もしくはそれより多いガスの供給源に接続されることもある。ガスは圧縮されたり、送り込まれたりする。上記ガスが用いられることにより、コンテナ内部での生成物の生成に適切な成長条件及び/又は反応条件が与えられる。ガスが用いられることにより、例えば混合又は他の目的のためにコンテナ内部の内容物にガスが散布される。例えば、スパージャを用いる特定の実施形態において、泡の大きさ及び分布が制御可能となるのは、流入ポートのガス流がコンテナに加えられるよりも先に浸透性の高い表面を通過するときである。さらに、散布された表面は、多孔性表面の外部表面上で加圧と減圧を交互に行うことによって、又は任意の他の適切な方法によって、ひとつの細胞分離装置として用いられることもある。
【0107】
特定の実施形態として、図5がガス(118)及び(124)の供給源を示している。流入ポートのガスは任意にフィルタ(120)及び/又はフローメーター及び/又はバルブ(122)を通過する。該ガスはコンテナに入る前に制御システム(115)によって制御される。バルブ(122)は空気圧式アクチュエータ(圧縮空気及び/又は二酸化炭素又は他のガス(124))であり、電磁バルブ(126)によって制御される。これら電磁バルブは端子盤(130)に接続された継電器(128)によって制御され、該端子盤は制御システム(115)に接続される。端子盤は例えばPCI端子盤、又はUSB/パラレル、又は接続部のファイアポート用端子盤を備える。他の実施形態において、フラッシュ式閉鎖バルブは追加ポート、取り込みバルブ及びサンプリングバルブのために用いられる。流れを正確に測定する進歩的なチューブ状のピンチバルブを用いても良い。場合によっては、バルブはフラッシュ式閉鎖バルブ(例えば、流入ポート用、排出ポート用、サンプリングポート用など)である。流入ガスは容器の任意の適切な流入口に接続される。ある実施形態では、流入ガスは1もしくはそれより多いスパージャと接続し、該スパージャは以下に詳細に記載されるように独立して制御可能である。
【0108】
図5の具体的な実施形態で示されたごとく、図1で示されたコンテナ及び支持構造体はバイオリアクタシステム(100)全体の一部として様々な構成要素と動作可能に接続する。したがって、コンテナ及び/又は支持構造体は、液状媒質、ガスなどの試薬を供給する配管との接続だけでなく、フィルタ、センサ、ミキサなどの機能的な構成要素との接続を容易に行う複数の接続金具を備える。コンテナ及び接続金具は使用前に滅菌されることによって、「滅菌膜」を提供し、気中浮遊汚染物質からコンテナ内部の内容物を保護する。実施形態によっては、コンテナ内部の内容物は再利用可能な支持構造体と接触しない。したがって、コンテナ及び/又はコンテナに接続される接続金具は廃棄可能な一方で、再利用可能な支持構造体は、滅菌を行わない特定の化学的、生化学的、及び/又は生物学的な反応を行った後に再利用可能である。他の実施形態では、コンテナ、接続金具、及び/又は再利用可能な支持構造体は再利用可能である(例えば、洗浄及び滅菌後に)。
【0109】
他の態様では、容器はコンテナの内容物を混ぜ合わせる混合システムも備える。場合によっては、1より多い攪拌器又はミキサが用いられ、攪拌器及び/又はミキサは同一のものでも異なるものでもかまわない。1より多い攪拌システムは例えば混合能力を高めるために用いられる。場合によっては、攪拌器の高さが調節可能なものであれば、ドラフトシャフトによって羽根車又は攪拌器をタンク底面より高く上げ、及び/又は複数の羽根車又は攪拌器の使用が可能となる。容器の混合システムは使い捨て可能であってもよく、又は1度の使用(例えば容器とともに)を目的としたものでもよい。
【0110】
流体を混ぜ合わせる様々な方法がコンテナ内で行われる。例えば、磁性駆動、散布、及び/又は気泡ポンプに基づいたミキサも使用可能である。密閉された磁性結合していない直接的なシャフト駆動のミキサを使用することもできる。ある特定の実施形態において、G. Hodge等による、「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルが付された、2005年6月6日出願の米国特許出願第11/147,124号、2005年12月8日公開の米国公開公報第2005/0272146号は、参照することより本発明に組み込まれ、該出願で開示されたような混合システムは記載された実施形態とともに用いられる。例えば、混合システムはモータ(112)を備え、該モータは例えばコンテナ内部に配された羽根車(又は混合に用いられる他の構成要素)、電力調整器(114)、及び/又はモータ制御装置(116)を駆動させる。
【0111】
場合によって、複数の(例えば、1、2又は3より多い)のミキサまたは羽根車がコンテナ内の内容物を混ぜ合わせるために用いられる。さらに、及び/又は変更形態として、混合システムは高さを調節可能な羽根車及び/又は様々な羽根車の翼板形状をした羽根車を備える。例えば、ミキサは延出した駆動シャフトを有し、該駆動シャフトによって、羽根車をコンテナの底部に対して異なる高さに上げることが可能となる。延出されたシャフトによって、複数の羽根車を一体化することも可能である。他の実施形態では、バイオリアクタシステムはコンテナにつき1より多い攪拌ドライブを備え、該攪拌ドライブは混合能力を高めることが可能である。
【0112】
混合効率を上げるためにコンテナは内部膜や突起部などのバッフルを備える。該内部膜や突起部は、例えばコンテナの内部を横切って配されるか又はコンテナの内部表面から様々な高さ及び様々な角度で延出する。バッフルはコンテナと一体化が可能である限りは、ポリマ、金属、又はセラミックなどの任意の適切な物質で形成されてもかまわない。
【0113】
ある実施形態では直接駆動の攪拌器も用いられる。一般的には攪拌器はコンテナに挿入可能な直接的な駆動シャフトを備える。特定の実施形態では、シャフトがコンテナから抜け出る場所は殺菌状態で維持される。例えば、内部及び/又は外部の回転シールは殺菌封鎖を維持するために用いられ、及び/又は新鮮な熱蒸気は殺菌シールを維持しやすくするために用いられる。上記のような殺菌シールを維持することにより、例えば、外部環境、排出されるガスなどからシャフトによってもたらされる汚染物質が減少したり、回避されたりする。
【0114】
特定の実施形態においては磁性攪拌器が用いられる。磁性攪拌器は固定磁石、永久磁石、もしくは電磁石の磁石を用いて、羽根車、翼板、羽根、厚板、円錐などの攪拌器を回転させるか又は移動させる。場合によっては、磁性攪拌器内部の磁石が固定されるとともに、稼動又は順々に活性化が可能となることによって、内部の磁性羽根車のハブを介して攪拌器を加速させるか又は減速させる。シャフトはコンテナを貫通していないため、内部及び/又は外部の回転シール、新鮮な熱蒸気などを用いて攪拌器を殺菌状態で維持する必要はない。
【0115】
さらに他の実施形態においては電気機械ポリマ攪拌器が用いられる。該電気機械ポリマ攪拌器とは、例えば、電気機械ポリマ基板の羽根車を備え、「パドリング」によって自ら回転する攪拌器で、すなわち、攪拌器が機械的に上下に動いて攪拌器又は羽根車を回転させながら進ませる。
【0116】
混合システム及び/又は消泡システムとして特定の実施形態において用いることができる装置の特定の非制限的な例を、図6乃至図9に示す。図示される装置は磁気駆動の羽根車を備えているが、他の配置も可能である。これら磁性を有する構造の一部においては、モータは羽根車に直接接続されていないこともある。駆動ヘッドに接続する磁石は、羽根車のハブに接続する磁石と整列してもよい。そのため、駆動ヘッドは磁気相互作用により羽根車を回転させることができる。ある場合においては、モータ部分(及び要素に接続するその他モータ)は支持構造体上に据え付けられてもよい。
【0117】
図6に示す如く、このシステムの例は羽根車支持体(300)を備える。この羽根車支持体はコンテナ壁(302)の一部に取り付けられるが、コンテナ壁の下部に取り付けられるのが好ましい。またこのシステムは、羽根車のハブ(304)、モータ(306)、モータシャフト(308)及び駆動ヘッド(310)を備える。羽根車支持体は、任意の好適な技術を用いてコンテナの壁に取り付けられてもよい。例えば、2片の羽根車支持体を二箇所熱溶接する、コンテナ壁を羽根車支持体間に挟む或いは壁の上に重ねる、或いは本明細書中に記載されるその他の方法を用いることができる。一例として、コンテナの壁の開口部を用い、羽根車の板の中心部をコンテナの外部から内部へ(或いはその逆も同様に)延出させてもよい。そして、シールリング(図示せず)は接着されてもよい、或いはコンテナは羽根車支持体の外周部に直接溶接されることにより、それらの間にコンテナ壁を接着してもよい。他の例として、コンテナの壁にある小型の開口部を用い、シールを形成してもよい。このシールは羽根車支持体の外周端で形成され、開口部よりも僅かに大きい。他の実施形態において、羽根車支持体の少なくとも一部はコンテナの壁部に埋め込まれる、及び/又は羽根車支持体及びコンテナは同時に製作される(例:回転成形、射出成形、或いはブロー成形)。
【0118】
本明細書記載のいくつかの実施形態による一つの特徴は、羽根車支持体に接続する1もしくはそれより多いスパージャを含むことである。このスパージャは空気或いは他のガスをコンテナ内へ導くものである。ある場合において、スパージャは多孔質、超多孔質、或いは限外ろ過要素(301)(例:散布要素)を備えてもよい。スパージャは気体を散布させる、或いは流体をコンテナ内及び/又は外へ移動させる。これは、スパージャがガス供給源と接続するため必要な大きさにされていることにより可能になる。この接続はチューブ(306)を介し行われる。ある場合において、このような散布及び/又は液体の添加或いは除去は、混合システム(例:羽根車のハブの回転)とともに用いられてもよい。散布システムの詳細は下記に述べる。
【0119】
図6に示される実施形態において、羽根車支持体の内側はシャフト或いは柱部(312)を備える。このシャフト或いは柱部(312)は、羽根車のハブ(304)の中央開口部に収容されている。羽根車のハブは、羽根車支持体表面上に僅かな間隔(305)を空けてもよく(例えば物理的な間隔を空けるスペーサを用いて)、これによりその間に生じる摩擦を防ぐことができる。羽根車のハブの製造においては低摩擦材料が用いられてもよく、これにより羽根車のハブ及び柱部間の摩擦が最小化される。他の実施形態において、1もしくはそれより多い軸受部が摩擦低減のため備えられる。つまり、羽根車のハブは、場合によっては、軸受(323)(例:ころ軸受、玉軸受(例:放射軸玉軸受)、スラスト軸受、レース軸受、二重軌道軸受、回転式軸受或いはその他の任意の好適な軸受)を備えてもよく、羽根車支持体及び柱部間の摩擦を減少或いは防止する。さらに、駆動ヘッドは物理的な間隔を空ける駆動ヘッド及び羽根車支持体間の摩擦を減少或いは防止するスペーサ(324)を備える。
【0120】
羽根車のハブは、また、1もしくはそれより多い翼板(318)を有する。いくつかの例において、羽根車に組み込まれた磁石は、鉄もしくは磁石の粒子を溶液、スラリー、もしくは粉末から除去するのに用いられる。
【0121】
羽根車のハブは、1もしくはそれより多い磁石(314)を有し、該磁石はハブの周囲、あるいは他のあらゆる適切な位置に配され、該磁石は、駆動ヘッド(310)上に提供される磁石(316)の位置と対応する。磁石の極は、羽根車のハブの磁石と駆動ヘッドの磁石との間の磁力の大きさを増大させるように整列される。磁石(314)及び/又は(316)は永久磁石、電磁石、超伝導磁石もしくはこれらの組み合わせである。例えば、ある実施例において、磁石(314)は、永久磁石であり、磁石(316)は電磁石である。もう1つ別の実施例においては、磁石(314)は、電磁石であり、磁石(316)は永久磁石である。いくつかの例において、システムは手動もしくは電気的に(例えば、ソリッドステートリレー(solid state relays))を備える。他の組み合わせも可能である。
【0122】
駆動ヘッド(310)は、モータ(306)のシャフト(308)の中央に取り付けられる。電磁石を含む混合システムにおいて、駆動ヘッド(310)は、信号発生器により電力が供給される。信号発生器は、特定の周波数及び/又は電流で電磁石を操作するようにプログラムされ、これにより、磁界の強度、羽根車との結合相互作用、及びコンテナにおける混合の程度を制御する。
【0123】
図6で示された全ての特性が本発明の全ての実施形態で必要とされるわけではないこと、及び図示された構成要素は異なるように曝されたり、構成されたりしてもかまわないことを留意されたい。回転磁力を与えるために、例えば、信号発生器を用いて、電磁石が連続して操作されるので、例えば、電磁石に関するいくつかの実施形態においては、シャフト(308)及び/またはモータ(306)は必要とされない。また、本明細書に記載される要素などといった他の実施形態において、さらなる要素が提示される。
【0124】
有利な点としては、電磁石を含む混合システムにより、羽根車と駆動ヘッドとの間の磁力が制御可能であることである。例えば、電磁石を遠ざけることにより、羽根車支持体(300)から駆動ヘッドを取り外すなどといった、混合システムの構成要素を容易に挿入及び/又は取り外すことが可能である。
【0125】
電磁的に駆動される羽根車のもうひとつ別の例は、図7に示される実施形態で提示される。混合システム(350)は、柱部もしくはシャフト(312)を中心にして回転可能な羽根車(318)を含む。柱部もしくはシャフトは、羽根車支持体(300)に接続され、該支持体は、コンテナ壁部(302)の部分に付されている。羽根車支持体及び/又はコンテナ壁部(356)に収容及び/又は支持される。図示するように、支持構造体の壁部(356)は、羽根車支持体(300)をさらしている開口部を有さない。この配置により、コンテナから漏れるあらゆる流体が支持構造体から漏れることを妨げる。この構成はまた、回転ハブに関連した摩擦の問題を減少もしくは削減することが可能である。しかしながら、支持構造体の壁部に開口部は存在し、これにより羽根車支持体(300)へと直接的にアクセス可能となる。
【0126】
電磁石(352)は、支持構造体の壁部の外側に位置する。ある実施形態において、電磁石は、円環の形態で配されていて、連続して操作されることで、羽根車に対して回転磁力を与える。電磁石は、信号発生器及び/又は電磁石を操作するための他の制御部を含むコントロールシステム(34)と電気的に接続される。
【0127】
いくつかの実施形態において、電磁力は、羽根車を停止させることには用いられない。すなわち、羽根車は、固定軸受に取り付けられ、停止させる必要がないため、生成された電磁力のほぼ全ては、回転運動を与えるのに用いられる。この特徴により、羽根車が偶然にコンテナ(例えば折り畳み可能な袋体)に接触すること、及び損傷を与えることを防止する。
【0128】
このようなシステムに用いられる混合システム及び構成要素のさらなる事例は、G. Hodge等によって、「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルで、2005年6月6日出願の米国特許出願第11/147,124号、2005年12月8日公開の米国出願公開第2005/0272146号公報、及び「Apparatus and method for mixing small volumes of liquid」というタイトルで、2002年2月27日出願の米国出願公開第20020118594号公報に記載されていて、これらは参照することで本明細書に組み込まれるものとする。
【0129】
図8は機械的駆動の羽根車を有する他の実施形態を示す。図示される如く、本実施形態は羽根車支持体(400)、シャフト(405)を有する羽根車のハブ(404)、及びシャフト(408)を有する外部モータ(406)を備える。羽根車のハブのシャフト及びモータシャフト間のシャフトの接続は、当業者に周知の方法(例:ギアボックス、六角ドライブ等)により達成されてもよい。
【0130】
例えば、羽根車支持体はバイオリアクタの壁(402)の側部の底部に取り付けられる。この羽根車支持体は、本明細書で述べられる任意の方法を用いてバイオリアクタの壁に取り付けられてもよい。多孔質、超多孔質、或いは限外ろ過要素(401)もまた本発明に含まれてもよく、これによりスパージャは気体を散布させる、或いは流体をバイオリアクタ内及び外へ移動させる。これについては下記に詳細に述べる通りである。図8に示される実施例において、羽根車のハブのシャフトはシール部(412)に収容される(シール部は、場合によっては軸受も備える)。このシール部は羽根車支持体(400)の中心に配される。シール部を用いることにより、コンテナの内容物は汚染されないことを確約される。羽根車のハブはまた、羽根車支持体の表面の上部に僅かな間隔を空けることにより、その間の摩擦を防ぐことができる。羽根車のハブは1もしくはそれより多い羽根車の翼板(418)、或いは、他の好適な混合構造体(例えば羽根、板、錐体等)を備えてもよい。
【0131】
図9には、羽根車に磁気的に結合された駆動ヘッドのある実施形態が、概略的に示される。図9において、断面的に示される羽根車支持体(501)は、水平の部分(504)を備え、この水平部分(504)からほぼ垂直の羽根車シャフト(508)が上方に延伸し、羽根車(509)を支持する(羽根車(509)は中心部(510)及び翼板(511)を備える)。羽根車(509)はシャフト(508)の周りを回転してもよい。さらに、この回転は軸受(507)により促されてもよい。軸受(507)は、任意の好適な軸受であってよく、例えばころ軸受、玉軸受け(例:放射軸玉軸受)、スラスト軸受、レース軸受、二重レース軸受、回転式軸受等である。
【0132】
羽根車支持体(501)は駆動ヘッド配置要素(512)を備える。図示した実施携帯中で、この駆動ヘッド配置要素は、略垂直の下方に付随する隆起であり、円形の凹部を形成する。この凹部には、駆動ヘッド(516)の少なくとも一部が挿入される。案内要素(512)が配置されることにより、駆動ヘッドは羽根車支持体と噛み合う場合、羽根車(509)に対して所定の所望の位置に配されることができる。ある配置において、案内要素(512)は羽根車支持体と噛み合う場合、駆動ヘッドを羽根車(509)に対して中心位置に配する。
【0133】
さらなる実施形態として、物理的な間隔を空けるスペーサ(520)は、駆動ヘッド(516)及び羽根車支持体の底面(524)間で配される。この羽根車支持体の底面(524)は、駆動ヘッドの上面(526)の一部とある位置において一列になる。その位置で、羽根車支持体に対し駆動ヘッドは理想的に配される。物理的な間隔を空けるスペーサ(520)は、羽根車支持体の底面(524)と駆動ヘッドの上面(526)を所望の距離で物理的に分離する。しかし、駆動ヘッドの上面及び羽根車支持体の底面間の少なくとも一部は、連続した、物理的な接続部(空隙などがない)を駆動ヘッド及び羽根車支持体間に形成してもよい。これにより、羽根車支持体を用いて多数の従来の配置において理解されていたものより精密な駆動ヘッドの許容差が認められ、また、駆動ヘッドと羽根車支持体の噛み合いを再現可能で確実なものにする。ある場合において、駆動ヘッドは凹部(528)を備える。この凹部(528)には、物理的な間隔を空けるスペーサ(520)の少なくとも一部が挿入される。この配置により、駆動ヘッドと物理的な間隔を空けるスペーサの噛み合いは再現可能で確実なものとなる。
【0134】
羽根車支持体の底部及び駆動ヘッドの上面は間隔(521)により(例えば物理的な間隔を空けるスペーサを用い)分離される。ある実施形態において、間隔(521)は、羽根車支持体の略水平部分(504)の平均的な厚み(530)の約50%にすぎない。他の実施例において、この間隔は羽根車支持体の厚みの40%、30%、20%、10%、或いは5%にすぎない。
【0135】
ある実施形態においては、物理的な間隔を空けるスペーサ(520)は、羽根車支持体の略水平部分(504)の平均的な厚み(530)の約50%にすぎない。他の実施形態において、この厚みは羽根車支持体の厚みの40%、30%、20%、10%、或いは5%にすぎない。
【0136】
ある実施形態において、物理的な間隔を空けるスペーサ(520)は軸受であって、羽根車支持体に対する駆動ヘッドの回転を促進させる。物理的な間隔を空けるスペーサ(520)が軸受である場合、任意の好適な軸受が選択されてもよく、例えばころ軸受、玉軸受(例:放射軸玉軸受)、スラスト軸受、レース軸受、二重レース軸受、回転式軸受等が挙げられる。
【0137】
図9に示される実施形態において、駆動ヘッドはシャフト(508)に対する位置の変更が可能である。この変更は通常の操作においては5ミリメートルにすぎない。或いは他の実施形態において、その変更は4,3,2,1ミリメートル(通常の操作においては0.5或いは0.25ミリメートル)にすぎない。駆動ヘッドはまた羽根車支持体の底面(524)に対する距離の変更も可能である。この変更は、図9に示される配置を用いて、特定の実施形態内では10ミリメートル、1ミリメートル、0.5ミリメートル、0.25ミリメートル、0.1ミリメートル、或いは0.005ミリメートルにすぎない。
【0138】
特に物理的な間隔を空けるスペーサ(520)が用いられる実施形態において、図9の配置は羽根車支持体(501)が受ける任意の他の物理的な支持に加えて、羽根車支持体(501)に物理的な支持を加えるものである。このように支持を与えることは、羽根車(例:混合装置及び/又は消泡装置)を含む折り畳み可能な袋体の配置に極めて有用である。
【0139】
羽根車のハブ及び駆動ヘッドは、上述のように、1もしくはそれより多い磁石(314)(316)を備え、該磁石は固定磁石、永久磁石、電磁石、超伝導磁石もしくはこれらの組み合わせを備える。磁石はハブの周囲に位置することが示されるが、磁石(314)及び(316)任意の適切な大きさと構成を有し、羽根車及び駆動ヘッドに対して任意の適切な位置に配される。上述のように、電磁石の使用により、羽根車と駆動ヘッドとの間の磁力は制御可能であり、これにより、駆動ヘッド(516)は駆動ヘッド配置要素(512)により形成される凹部(512)から挿入及び/又は除去を促進する。
【0140】
任意で、羽根車支持体(501)はスパージャ(540)を備える。このスパージャ(540)は羽根車の翼板の下に配される。スパージャは1もしくはそれより多いガス供給源と接続されるような大きさである。例えば、スパージャはチューブ(542)に接続され、1もしくはそれより多いガス供給源と流体流通可能なポートを備える。
【0141】
本明細書中で説明される多数の図において、コンテナ底部或いはコンテナ底部付近に羽根車が配されているが、他の実施形態において羽根車は、コンテナ内の任意の好適な位置、例えばコンテナの中心付近或いはコンテナの上部に配されることも可能である。これは、羽根車を支持するシャフトの長さを延長することにより、又は他のいかなる好適な配置により可能となる。コンテナ内の羽根車の位置は、コンテナ内で行われる作業に依存する。つまり、散布が要求される実施形態の中には、羽根車はスパージャ付近に配されてもよい。これにより、羽根車はコンテナ内に導入された泡を除去及び/又は制限することができる。さらに、本明細書中に説明される図は、シャフトと接続される1つの羽根車を示しているが、場合によっては1よりも多いの羽根車が用いられてもよい。例えば、シャフトに接続された第1の羽根車はコンテナの底部に配されてもよい。またシャフトに接続された第2の羽根車はコンテナの中心付近に配されてもよい。第1の羽根車は散布されたガスを適切に除去することが可能であり、また第2の羽根車はコンテナ内の内容物を適切に混合させることが可能である。
【0142】
ある実施形態において、羽根車支持体は独特な設計がなされており、折り畳み可能な袋体を容易に固定することが可能である。折り畳み可能な袋体に取り付けられた羽根車の特定の周知の配置は、以下の欠点を有する。この欠点は、羽根車支持体に袋が非理想的に取り付けられたり、或いは非理想的な方法でこのような取り付けが行われたり、或いはその両方である。図9の実施形態に示される如く、この実施形態は基部を有する羽根車支持体を備える。この基部はシャフトに対し略垂直であり、羽根車はシャフト上で回転する。また、羽根車支持体は、羽根車のシャフトを適切に支持するのに十分な平均厚さを有する第1部分(534)、及び袋体への取り付けを促進する第1部分よりも薄い第2部分の周辺部(536)を有している。第1部分の厚みは、任意の場所の第1部分により定められた全体の厚みの断面として形成される。また、第1部分が様々な厚さを有する隆起した構造或いはその他の構造を有するとき、この場合の厚みは最も厚い部分として定義される。ある実施形態において、第2部分の周辺部は、折り畳み可能な袋体の構造と同様の、或いは実質的に同一の構造を形成する。また第2部分の周辺部は、折り畳み可能な袋体の厚さと同様の厚さである。他の実施形態において、第2部分の周辺部は折り畳み可能な袋体の組成物とは異なる組成物で形成されている。つまり、ある実施形態において、第1部分は低密度ポリエチレンで形成され、第2部分は高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン、ポリカーボネート及び/又はポリメタクリル酸で形成される。
【0143】
支持体の周辺部の厚みと折り畳み可能な袋体(540)の壁部の厚みは、取り付け前は、100%を超えない。或いはその他実施形態において80%、60%、40%、20%、或いは10%を超えない(例:この割合は、この袋体の壁部及び周辺部間のより大きな厚みの割合として表される)。羽根車支持体の周辺部の厚み及び折り畳み可能な袋体(羽根車支持体に取り付け可能な少なくとも一部)の厚みは、同じ(或いは適合性のある)材料及び同じ厚みでできているということ、そして一方の他方への接合は容易に再現可能であると共に、ある製品を用いて実行可能である。この製品とは、繋ぎ目において著しい不規則性及び厚みを有さない。したがって、ある実施形態は、各々の上述に定義される折り畳み可能な袋体と羽根車支持体の取り付ける製品を含み、もう1つ別の実施形態において、ある実施形態は、取り付け前の羽根車支持体及び折り畳み可能な袋体を含むキットを備える。本明細書で説明されるように、袋体及び支持体の接合は任意の好適な方法により行われる。好適な方法とは例えば、成形及び溶接(例:超音波或いは熱溶接)等である。ある態様において、羽根車は(ある実施形態中では駆動ヘッドの羽根車への磁気結合を介し)、回転方向を逆転させたり回転速度を微調整することが可能なモータにより駆動される。スピンの方向を反転させることは、多様な通気/散布特性を達成する点において、重大な利点がもたらされた。羽根車の速度の微調整は行われ、これにより通気/散布、シア等の程度及び/又はバランスは正確で制御可能なものになる。この程度及び/又はバランスは、多数の媒質、特に細胞を含む媒質の混合に関連して非常に有益なように決定される。この実施形態により、羽根車の回転速度を再現可能及び制御可能に調節することができる。羽根車の回転速度は、最大限度の羽根車回転速度の10%から90%間の回転速度の範囲において、プラスマイナス5%またはそれ未満になる。他の実施形態において、この速度の4%、3%、2%或いは1%の回転調整が促進される。ある装置において、これらの態様はサーボモータを用いることにより実現される。
【0144】
本明細書に説明される羽根車のシステムは、いかなる種類の流体、固体、或いは泡を混合してもよい。例えば、コンテナ内部の液体を混合することにより、栄養素が分配されたり、細胞増殖用途のための溶存ガスがもたらされる。同様の使い捨て可能なコンテナは緩衝剤及び媒質、或いはその他の溶液を混合するのに用いられる。その他の溶液には使い捨て可能な製品の接触面が望ましい。このことは、容器が無菌状態或いは無菌状態である必要がないことを含む。さらに、本明細書中に記載の実施形態において、液体/混合物/ガスを有するコンテナは、再利用可能な支持構造体から除去及び処分されることが可能になる。これにより、再利用可能な支持構造体は、コンテナ内で混合された流体により汚染されない。したがって、再利用可能な支持構造体は、使用後毎回洗浄或いは滅菌する必要がない。
【0145】
いくつかの実施形態において、複数のスパージャ(散布要素を含む)は、異なるガス供給源と接続する寸法であって、及び/又は独立して制御されるものである。バイオリアクタシステム或いは生化学的/化学的反応システムに用いられるガスの種類、スパージャの数、及びスパージャの種類及び構造は、実施される特定の工程(例:好気性反応対嫌気性反応)、液体から出るあらゆる有毒な副産物の除去、反応のpHの制御等に部分的に依存する。より詳細については、2007年6月15日出願の「Gas Delivery Configurations, Foam Control Systems, and Bag Molding Methods and Articles for Collapsible Bag Vessels and Bioreactors」というタイトルが付された、米国特許出願第11/818,901号に記載されているが、参照することにより、本明細書に組み込まれるものとし、システムは、例えば化学、生化学、生物学的反応を実行する際に異なる機能を有する異なるガスに用いられる別々のスパージャを備える。例えば、細胞培養用バイオリアクタシステムは、培養液中の溶存酸素量を制御する「溶存酸素制御ガス」、培養液中の有毒な副産物量を制御する「ストリップガス」、及び培養液中のpHを制御する「pH制御ガス」等の様々な種類のガスを有してよい。各種類のガスは培養物中に様々なスパージャを用い導入される。このスパージャは独立して操作及び制御が可能である。有利なことに、このようなシステムは高速プロセス制御及び低速プロセス制御の可変性をもたらす(高速及び低速とは、例えば溶存酸素制御ガス、ストリップガス、及びpH制御ガスをリアクタに導入される1つのガス流に結合させる特定のシステムと比較した場合をいう)。本明細書中に記載のバイオリアクタシステム内で行われた化学的、生化学的及び/又は生物学的反応はまたガスの消費が少ないので高額なガスにかかる費用が削減でき、及び/又は(例えばストリップガスの)ガス流量の総量が少ないので、これにより泡の生成を抑える及び/又は必要な入口ガスの滅菌フィルタのサイズを縮小することができる。
【0146】
ある特定の実施例において、容器(例えば、生物学的、生化学的もしくは化学反応を実行するリアクタシステムの一部として)は、液体の容量を収容するために、構成され、そして、少なくとも0.01リットルの容量、少なくとも2リットル(もしくは他の任意の容量)を有するコンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)を含む。容器は任意で、コンテナを包囲及び収容するための支持構造体を備える。さらに、容器は第1スパージャを有し、該スパージャは、第1ガス組成源に流体流通可能なように接続される、もしくは該流体流通可能な大きさにされる。また、容器は、第2スパージャを有し、該スパージャは、第1ガス組成とは異なる第2ガス組成の供給源に流体流通可能なように接続される、もしくは該流体流通可能な大きさにされる。容器はさらに、制御システムを備え、該システムは、操作可能なように、第1及び第2スパージャに接続され、互いに独立してスパージャを操作可能に構成される。当然のこととして、例えば、コンテナの大きさに応じて、第3、第4、第5もしくはそれより多い数のスパージャが含まれることが可能である(10のスパージャより多い、もしくは20のスパージャより多い)。いくつかの実施形態において、容器はさらに羽根車及び基盤を備える混合システムを備え、第1及び/又は第2スパージャは、基盤に接続されている。ある特定の実施形態において、第1ガス組成は、空気を備え、第2ガス組成はO2及びN2の補充された空気を備える。さらなるスパージャが含まれる場合、スパージャは、N2、CO2、NH3及び/又は他の任意の適切なガスの供給源に接続されている。
【0147】
スパージャに接続される開口部は任意の好適な材料で形成されていてもよい。つまり、ある実施形態において、多孔質ポリマ材料が散布要素として用いられ、材料の一方からもう一方へとガスを移動させることができる。開口部はまた、金属、セラミック、ポリマ、及び/又はその組み合わせ等の他の材料で形成されてもよい。孔及び開口部を有する材料は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、材料は編む、織る、或いはメッシュ或いはその他の多孔質要素を形成するのに用いられる。要素は例えば、シート状、フィルム状及びブロック状であってよく、また任意の好適な大きさであってよい。いくつかの場合において、このような要素は、図9に示すように、羽根車或いは羽根車支持体に組み込まれている。要素は、好適に利用するために羽根車或いは羽根車支持体の領域に十分しっかりと配されて固定されている。この固定は、任意の数の様々な技術によりなされる。この技術の例として、摩擦嵌め、プレス嵌め、戻り止め機構、クリッピング及びクリップ解除機構、螺子、杭、クランプ等による固定、溶接(例:熱溶接及び超音波溶接)、及び接着剤を用いたものがある。その他の実施形態において、羽根車及び/又は羽根車支持体の一部は、流体を流入させることができる孔或いは開口部に直接製作される。
【0148】
容器は制御システムと電気通信可能な1もしくはそれより多いセンサを備えてもよい。この制御システムは、コンテナ内のガス(例:O、N、CO、NH、反応の副産物)量或いは濃度を決定する。さらに及び/又は別の方法として、容器は制御システムと電気通信可能なセンサを備え、コンテナ内の液体のpH、或いは袋体内の泡の量或いは水位が決定される。
【0149】
もう1つ別の態様において、気泡塔或いは気泡ポンプシステム(空気の気泡或いは他のガスの気泡を利用する)は、使い捨て可能なバイオリアクタ袋体と共に用いられる。このようなシステムは、リアクタの底部付近にガス(例:空気)を添加することにより混合エネルギをもたらす。ここで、上昇ガス気泡及び低密度のガス飽和液体は上昇し、下降するガス欠乏液体に取って代わり、上下の循環をもたらす。上昇する液体の経路は、例えば袋体のチャンバ内の仕切りを用い導かれる。例えば、バイオリアクタの袋体の内部を、例えば垂直に、上部及び底部の隙間を用いて両断するプラスチックのシートを用いる。ガスは仕切りの片側に添加されることによって、ガス及びガスが豊富な液体を片側に上昇させ、バリアシートの上面を横切るように、もう片側の方へ降下し、仕切りの下を通過しガス添加ポイントへ戻る。さらに、このような気泡塔/気泡ポンプ混合システム及び方法は、本明細書中記載のいかなる他の混合システムと組み合わされてもよい。
【0150】
ある態様において、本明細書中に記載のバイオリアクタシステムは、密閉樹脂装填/充填システムである。樹脂スラリがカラム上に押し出される一方で、通常、充填は無菌室で行われ、樹脂を収容する蓋の開いたカーボイを用いる。この樹脂は手動で混合される。しかしながらある実施形態において、可撓性を有するコンテナ等のコンテナは、クロマトグラフィ樹脂が充填されている。このクロマトグラフィ樹脂は、スラリがカラム内へ押し出される一方で、撹拌器でスラリ状にされる。
【0151】
光を必要とするある化学的、生化学的、及び/又は生物学的工程において、本明細書中に記載のバイオリアクタシステムは、直接、間接、及び/又は管内埋め込み式照明(例えば任意の適切な光ファイバを用いる)を備えてもよい。任意の好適な光源が用いられることができる。このようなバイオリアクタシステムは、例えば植物細胞の光合成等の活性化において有益である。ある特定の実施形態において、可撓性を有する蛍光コンテナは光をもたらすのに用いられ、例えば植物細胞の成長に用いられる。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態が説明及び描写される一方で、通常の技術を有する当業者は、機能を実行すること、及び/又は結果及び/又は本明細書に記載の1もしくはそれより多い効果を得るための他の手段及び/又は構造を容易に想到することができる。またこのような変形及び/又は修正は、本発明の範囲内であるとみなされる。さらに通常は、当業者は本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料及び形態が模範とされること、及び実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は形態は、特定の適用或いは本発明の教示が用いられる応用に基づいていることを認識している。当業者は、通常の実験、本明細書に説明される特定の実施例の多くの同等物だけを用いずとも理解し、或いは解明することが可能である。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示される。また添付の請求の範囲及びその同等物の範囲内において、本発明は、特に説明及び請求の範囲に記載された以外の別の方法で実施されてもよい。本発明は、本明細書に記載の各個別の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象とするものである。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を2つもしくはそれより多く組み合わせることも本発明の範囲内に含まれる。それは、特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾したものでない場合に限る。
本明細書中で定義され用いられる全ての定義は当然、辞書の定義、参照することにより本明細書に組み込まれる文献中の定義、及び/又は用語の普通の意味を使い分ける。本発明の明細書及び請求の範囲において用いられる不定冠詞「a」や「an」は、はっきりと提示されない限り、当然「少なくとも1つ」という意味である。
また、はっきりと提示されない限り、本明細書中に主張される本方法の1より多い段階或いは作用、又は本方法の段階或いは作用の順番は、必ずしも限定される必要はない。
上記の明細書と同様に請求の範囲において、全ての移行句は非限定的に用いられるものである。移行句とは例えば、「構成する(comprising)」「備える(including)」「運ぶ(carrying)」「有する(having)」「含む(containing)」「包含する(involving)」「保持する(holding)」「〜なる(composed of)」などである。非限定的とはすなわち、それを含むがそれに限定されることはないということを意味する。「〜からなる(consisting of)」及び「不可欠に〜からなる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ限定的或いは半限定的な移行句である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な袋体と、
前記折り畳み可能な袋体を支持するとともに収容する再利用可能な支持構造体と、
前記折り畳み可能な袋体の外壁と前記支持構造体の内壁との間に配置されるブラダーもしくは圧縮性材質を備え、前記折り畳み可能な袋体は、ブラダーもしくは圧縮性材質の膨張もしくは収縮前に第1構成を有し、ブラダーもしくは圧縮性材質の膨張もしくは収縮後に第2構成を有するように、前記ブラダーもしくは圧縮製材質が膨張及び/又は収縮に適用されることを特徴とする容器。
【請求項2】
ブラダーを備えることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
圧縮性材質を備えることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項4】
前記第1構成は、第1容量を有する前記折り畳み可能な袋体を備え、前記第2構成は、第2容量を有する前記折り畳み可能な袋体を備え、前記第1容量は、前記第2容量未満であることを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項5】
前記第1構成は、前記折り畳み可能な袋体の壁部において、より多くの皴を有する前記折り畳み可能な袋体を備え、前記第2構成は、前記折り畳み可能な袋体の壁部において、より少ない皴を有する前記折り畳み可能な袋体を備えることを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項6】
前記ブラダーもしくは前記圧縮性材質はガスを収容することを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項7】
前記ブラダーは液体を収容することを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項8】
前記ブラダーもしくは前記圧縮性材質は、前記折り畳み可能な袋体におけるあらゆる内容物と流体流通しないことを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項9】
前記ブラダーもしくは前記圧縮性材質が前記折り畳み可能な袋体の側壁周囲に配されることを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項10】
前記ブラダーもしくは前記圧縮性材質は、前記折り畳み可能な袋体の底部に配置されることを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項11】
化学的、生物学的、もしくは薬学的反応が前記容器内で行われることを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項12】
ミキサをさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の容器。
【請求項13】
折り畳み可能な袋体と再利用可能な支持構造体を備える容器であって、
前記再利用可能な支持構造体は、膨張もしくは圧縮可能な少なくとも1つの壁部を備えることにより、前記折り畳み可能な袋体は、前記壁部の膨張もしくは圧縮前に第1構成を有し、前記壁部の膨張もしくは圧縮後に第2構成を有することを特徴とする、容器。
【請求項14】
前記第1構成は、第1容量を有する前記折り畳み可能な袋体を備え、前記第2構成は、第2容量を有する前記折り畳み可能な袋体を備え、前記第1容量は前記第2容量未満であることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項15】
前記第1構成は、前記折り畳み可能な袋体の壁部において、より多くの皴を有する前記折り畳み可能な袋体を備え、前記第2構成は、前記折り畳み可能な袋体の壁部において、より少ない皴を有する前記折り畳み可能な袋体を備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項16】
前記再利用可能な支持構造体の前記少なくとも1つの壁部は、前記壁部を裏打ちする圧縮性材質を備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項17】
前記圧縮性材質は泡を備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項18】
前記圧縮性材質はエラストマを備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項19】
前記再利用可能な支持構造体の前記少なくとも1つの壁部は、ヒンジを備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項20】
前記再利用可能な支持構造体の前記少なくとも1つの壁部は、膨張可能な継ぎ目を備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項21】
化学的、生物学的、もしくは薬学的反応が前記容器内で行われることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項22】
さらにミキサを備えることを特徴とする、請求項13記載の容器。
【請求項23】
再利用可能な支持構造体が折り畳み可能な袋体を収容するとともに支持するように、再利用可能な支持構造体において折り畳み可能な袋体を配置する段階と、
前記折り畳み可能な袋体に液体を導入する段階と、
前記折り畳み可能な袋体の外壁と前記支持構造体の内壁との間の領域における流体の圧力を変更する段階を備えることを特徴とする方法。
【請求項24】
前記変更の段階は、前記折り畳み可能な袋体の前記外壁と前記支持構造体の前記内壁との間に真空を生成する段階を備えることを特徴とする、請求項23記載の方法。
【請求項25】
真空の前記生成は、前記折り畳み可能な袋体の少なくとも1つの皺が、皺がない状態になることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
真空の前記生成は、前記導入の段階の前に生じることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項27】
真空の前記方法は、前記導入の段階の後に生じることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記変更の段階は、前記折り畳み可能な袋体の前記外壁と前記支持構造体の前記内壁との間の陽圧を増加もしくは減少する段階を備えることを特徴とする、請求項23記載の方法。
【請求項29】
前記陽圧を増加もしくは減少する段階は、前記折り畳み可能な袋体の前記外壁と前記支持構造体の前記内壁との間に位置されるブラダーを膨張もしくは収縮させる段階を備えることを特徴とする、請求項28記載の方法。
【請求項30】
折り畳み可能な袋体と、
前記折り畳み可能な袋体を支持するとともに収容する再利用可能な支持構造体と、
前記折り畳み可能な袋体からの流体の漏れの存在を決定するのに用いられる検知器を備えることを特徴とする容器。
【請求項31】
前記検知器は、前記折り畳み可能な袋体の外壁と前記再利用可能な支持構造体との間の領域に含まれる流体の存在を決定するのに用いられることを特徴とする、請求項30記載の容器。
【請求項32】
前記検知器は、前記再利用可能な支持構造体の開口部に位置する流体の存在を決定するのに用いられることを特徴とする、請求項30記載の容器。
【請求項33】
前記検知器は、インピーダンスもしくは伝導性の変化を感知することを特徴とする、請求項30記載の容器。
【請求項34】
支持構造体と、
前記支持構造体内に位置される剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体を備えるバイオリアクタシステムであって、
前記剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体は、前記剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体の下方部に装着された羽根車の板と、
前記羽根車の板に取り付けられた羽根車のハブを備え、該羽根車のハブは、少なくとも1つの羽根車の翼板と少なくとも1つの磁石を有し、
前記剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体はさらに、
シャフトを有するモータを備え、該シャフトを有するモータは、前記支持構造体に隣接もしくは内部に配され、
前記剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体はさらに、
モータシャフトに取り付けられたモータハブを備え、該モータハブは少なくとも1つの電磁石を備え、前記支持構造体内部に前記剛性コンテナもしくは前記折り畳み可能な袋体を取り付けるとすぐに、前記モータハブは、前記羽根車の板と整列することで、前記モータシャフトが回転する際に、前記モータハブの前記電磁石は前記羽根車のハブを駆動させ、
前記バイオリアクタシステムは、さらに、
1もしくはそれより多いセンサを備え、該センサは、剛性コンテナもしくは折り畳み可能な袋体におけるあらゆる材質の1もしくはそれより多いパラメータを検知することを特徴とする、バイオリアクタシステム。
【請求項35】
前記羽根車の板は柱部を備え、前記羽根車のハブは、前記羽根車の板の前記柱部に取り付けられることを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項36】
前記1もしくはそれより多い検知器は、溶存酸素及び溶存二酸化炭素の少なくとも1を検知することを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項37】
前記1もしくはそれより多い検知器は、混合率を検知することを特徴とする請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項38】
前記1もしくはそれより多い検知器は、ガス流量、温度、pH及び圧力の少なくとも1を検知することを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項39】
前記剛性コンテナもしくは前記折り畳み可能な袋体の内容物を加熱するための加熱器を備えることを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項40】
前記バイオリアクタシステムを制御するコンピュータをさらに備えることを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項41】
前記羽根車の板は、前記剛性コンテナもしくは前記折り畳み可能な袋体の内部と前記剛性コンテナもしくは可撓性を有する袋体の外部との間の一方向もしくは双方向の流体もしくはガスの流通を可能とするように配された少なくとも1の多孔質要素を備えることを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項42】
前記羽根車の翼板は、前記少なくとも1の多孔質要素の上に配されるとともに、前記少なくとも1の多孔質要素の幅にわたって延伸することを特徴とする請求項34記載のバイオリアクタシステム。
【請求項43】
前記剛性コンテナもしくは前記折り畳み可能な袋体の壁部の少なくとも一部に組み込まれた熱伝導性材質を備えることを特徴とする、請求項34記載のバイオリアクタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−509684(P2011−509684A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544277(P2010−544277)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/001005
【国際公開番号】WO2009/093995
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(508230743)エクセレレックス インク. (11)
【Fターム(参考)】