説明

被加工材の排出装置

【課題】動作がスムーズで耐久性に優れ、昇降する上金型から水平往復運動を行うシュートへ高い動力伝達効率で動力を伝達可能な被加工材の排出装置を提供する。
【解決手段】プレス加工時の上金型の垂直往復運動を、シュートの水平往復運動に変換する機構として、垂直ラックと水平ラックとピニオンと開閉アタッカと開閉ガイド部材と弾性部材とを備えたラック・ピニオン機構を採用したので、被加工材の排出装置の動作がスムーズとなり、耐久性に優れ、かつ上金型からシュートへ高い動力伝達効率で動力を伝達することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は被加工材の排出装置、詳しくは金属板などの素材をプレス加工して生じた被加工材(例えばワーク(製品)、スクラップ)を排出する被加工材の排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動手段により上下動自在に設けられた上金型と、上金型の下方に配設された下金型とを備えたプレス機には、金属製の板材(素材)から得られたワークやスクラップを排出するため、下金型の直下に、受け板付きのシュート(排出装置)が設けられている。プレス加工時には、下金型の上面に板材を載置し、その後、駆動手段により上金型を上下動させる。これにより、板材から打ち抜かれたワークとスクラップとが、シュートの受け板上に落下する。
【0003】
従来、受け板上のワークやスクラップを外部へ排出するため、プレス機の上金型の上下動の力を駆動源とした被加工材の排出装置が開発されている(例えば、本願出願人が先に出願した特許文献1)。これは、上金型に取り付けられたカム本体と、カム本体の下降によってカム本体の先端と係合して垂直面内で振り子のように回動することにより、シュートを略水平面内の一方向に所定速度で往動させ、このカム本体のさらなる下降によってカム本体の先端から脱合することで、シュートの往復を停止し、被加工材を排出する操作部材と、シュートを往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを備えた被加工材の排出装置である。
【0004】
プレス加工時には、上金型の昇降により、被加工材が上金型と下金型との間でプレス加工され、ワークおよびスクラップが、下金型の下方に配置されたシュート上に落下する。上金型が所定位置まで下降した時、上金型に取り付けられたカム本体の先端が操作部材に係合し、この操作部材が垂直面内で振り子のように回動する。その結果、弾性部材により弾性支持されたシュートが、略水平面内の一方向に所定速度で往動する。そして、カム本体のさらなる下降により、操作部材がカム本体の先端から脱合してシュートの往復を停止し、ワークやスクラップをプレス機の外へ排出する。これにより、簡単な設備で、既存のプレス機のスペースを制御することなく、ワークやスクラップの飛散も防止して被加工材を排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2004−045788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の被加工材の排出装置では、プレス加工時、上金型と一体化して上下動するカム本体との係合および脱合により、操作部材が回動ピンを中心として振り子のように往復回動(揺動)し、弾性部材により弾性支持されたシュートが、垂直面内の所定方向へ所定速度で往復動していた。すなわち、プレス加工時の上金型(カム本体)の垂直往復運動が、シュートの水平往復運動に変換される際、カム本体から操作部材への動力伝達効率の低下と、操作部材からシュートへの動力伝達効率の低下とを伴う、回動ピンを中心とする往復回動運動が介されていた。
【0007】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、プレス加工時の上金型の垂直往復運動を、シュートの水平往復運動に変換する機構として、ラック・ピニオン機構を採用すれば、動作がスムーズで耐久性に優れ、かつ上金型からシュートへ高い動力伝達効率で動力の伝達が可能なことを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、動作がスムーズで耐久性に優れ、垂直往復運動を行う上金型から水平往復運動を行うシュートへ高い動力伝達効率で動力を伝達することができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、下金型に対して上金型が昇降することにより素材をプレス加工するプレス加工装置に配備され、このプレス加工により生じた被加工材を排出する被加工材の排出装置において、このプレス加工により生じた被加工材を受け、往復動することにより、この被加工材を前記プレス加工装置の外部に排出するシュートと、前記上金型に上端部が取り付けられ、下端面に内部空間と連通した開口を有する筒形状のストライカと、前記上金型の昇降に応じて、前記ストライカを介して、前記シュートを往復駆動させるラック・ピニオン式駆動手段とを備え、このラック・ピニオン式駆動手段は、前記ストライカの押し下げ力が上端面に入力され、垂直に往復動する垂直ラックと、前記シュートに連結され、水平に往復動する水平ラックと、前記垂直ラックおよび前記水平ラックに噛合し、前記垂直ラックの垂直往復運動を前記水平ラックの水平往復運動に変換するピニオンと、前記シュートを往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを有した被加工材の排出装置である。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、上金型の昇降により、素材を上金型と下金型との間でプレス加工することで、被加工材(プレス製品、スクラップ)が生じる。この被加工材を下金型の下方に配置されたシュートが受ける。
上金型が所定位置まで下降した時、ラック・ピニオン式駆動手段がシュートを駆動し、シュートを往復動させる。すなわち、シュートは、所定の速度で一方向に往動し、いったん停止後、逆方向に復動する。シュートの停止時、被加工材にはシュートの動きにより所定の力が作用する。この力は、被加工材とシュートとの間に作用する摩擦により被加工材に作用する上記力とは反対方向の力より大きい。その結果、被加工材はシュートからプレス加工装置の外部に排出される。
【0010】
また、プレス加工時の上金型の垂直往復運動をシュートの水平往復運動に変換する機構として、ラック・ピニオン機構を採用したので、シュート上からの被加工材の排出動作がスムーズとなり、装置の耐久性が高まり、しかも上金型からシュートへ高い動力伝達効率で動力を伝達することができる。具体的には、素材のプレス加工時、上金型と一体的にストライカが下降(往動)し、垂直ラックの上端にストライカが当接してこれを弾性部材の弾性力(付勢力)に抗して押し下げる。このとき、ピニオンが回転して水平ラックを往動させることで、シュートが往動する。そして、いったん水平ラックおよびシュートが停止し、その後、上金型の上昇に伴い、弾性部材の付勢力も作用して水平ラックおよびシュートが復動し、元の位置に戻る。
【0011】
素材の種類は限定されない。例えば、各種の金属板、各種の合成樹脂板などを採用することができる。
被加工材とは、プレス加工されて得られた製品(例えば一定形状に打ち抜かれた板片)の他、プレス加工時に排出されるスクラップを含む。
下金型および上金型は、ヒータを内蔵した加熱式の金型でもよい。また、ヒータを有しない金型でもよい。
シュートの素材、形状、大きさは任意である。例えば、平面視して矩形状を有する受け板を有するシュートでもよい。
【0012】
シュートは、水平面内での往復動だけでなく、水平面から±30°傾斜した面内での往復動を行うものとしてもよい。
ストライカとしては、長さ方向に直交する断面が円形、楕円形、三角形、四角形以上の多角形などのものを採用することができる。ストライカの下端面に形成された開口の形状は、ストライカの前記断面形状に応じた形状となる。ストライカの内部空間には、垂直ラックが収納されるので、その開口サイズも垂直ラックが収納可能なサイズとなる。
ラック・ピニオン式駆動手段の構造は任意である。例えば、ピニオンは1枚物でも、1本の軸に複数枚(通常2枚)のピニオンが連結された変速ピニオンでもよい。垂直ラックと水平ラックとは直交配置される。変速ピニオンを採用し、ラックとピニオンの歯数を変更することで、垂直ラックの昇降(往復)ストロークが一定でも、シュートの移動速度を変更することができる。
【0013】
ラック・ピニオン式駆動手段が、シュートが停止した時の被加工材とシュートとの間に作用する摩擦に基づく力より大きくなるようにシュートの駆動が行われる。これは、シュートの一方向への所定速度での動きが停止したとき、被加工材に作用する慣性力が、そのとき被加工材とシュートとの摩擦により、一方向とは逆方向から被加工材に作用する力に比べて大きくなるように駆動されることをいう。したがって、シュートが停止すれば、シュート上の被加工材はシュートの駆動方向(被加工材の排出方向)に移動する。
弾性部材の素材、種類は限定されない。例えば、各種の金属ばね、各種の樹脂ばねを採用することができる。また、ゴム製弾性体、発泡合成樹脂製のスポンジなどを採用することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記ストライカの下端部には、回動軸を中心にして回動することで前記ストライカの開口を開閉し、かつ前記垂直ラックの上端に当接されて該垂直ラックを押し下げる一対の開閉アタッカが離間して配設され、該一対の開閉アタッカの下端部には、前記回動軸よりも他の前記開閉アタッカ側の偏心位置に、前記回動軸と平行なローラ軸を介して、前記垂直ラックの上端に当接する一対の押圧ローラが配設され、前記ストライカの直下には、山頂を通る垂線を中心とした線対称でかつ前記一対の押圧ローラの転動面となる2つの傾斜面を有し、前記ストライカが下方へ往動することで、前記押圧ローラ間に前記山頂が差し込まれ、その後も前記ストライカの往動を継続することで、前記各押圧ローラが前記傾斜面上を転動しながら前記一対の開閉アタッカを押し開く山形の開閉ガイド部材が配置され、前記開閉アタッカが開いた時、前記弾性部材の付勢力により、前記垂直ラックが前記ストライカの開口から前記内部空間へ挿入される請求項1に記載の被加工材の排出装置である。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、プレス加工時、上金型と一体的にストライカが下降し、開閉アタッカが垂直ラックの上端に当接してこれを弾性部材の弾性力に抗して押し下げる。その途中、押圧ローラ間に山形の開閉ガイド部材の山頂が差し込まれ、さらなるストライカの下降により、両押圧ローラが両傾斜面上を転動しながら回動軸を中心にして両開閉アタッカが開方向へ回動し、開閉アタッカが押し開かれる。このとき、押圧ローラ間に開閉ガイド部材の頂上が若干位置ずれ状態で差し込まれても、両押圧ローラが両傾斜面上を転動して両開閉アタッカが開方向へ回動する際、その開閉アタッカの両傾斜面が位置補正のガイド面となり、上金型のガタ付きの範囲内でストライカが水平面内で移動しながら、自動的に位置ズレが補正される。これにより、垂直ラックの押し上げ時において、確実に垂直ラックをストライカの内部空間に挿入させることができる。その結果、簡単な構造でありながら、被加工材の安定した排出を実現することができる。
【0016】
そして、両開閉アタッカの開きが垂直ラックの幅を超えた時、弾性部材の付勢力によりシュートが引き戻され、垂直ラックが押し上げられると同時に、垂直ラックが開口を経てストライカの内部空間に収納される。その後、上金型の上昇に伴い、両開閉アタッカの押圧ローラが垂直ラックの両側面を転動しながら、ストライカが上昇する。そして、両押圧ローラが垂直ラックの上方に達した時、自重によって両開閉アタッカが回動軸を中心にして下方へ回動し、再び開閉アタッカが閉じる。
【0017】
このように、ラック・ピニオン式駆動手段として、ストライカの下端部に一対の開閉アタッカを配設するとともに、両開閉アタッカの直下に山形の開閉ガイド部材を配置したので、仮に開閉ガイド部材の頂上が押圧ローラ間に位置ズレして差し込まれても、開閉ガイド部材の両傾斜面が位置補正用のガイド面となり、上金型のガタ付きの範囲内で自動的に位置ズレが補正される。これにより、垂直ラックの押し上げ時、確実に垂直ラックをストライカの内部空間に挿入させることができる。その結果、簡単な構造でありながら、ラック・ピニオン式駆動手段の安定した動作を実現することができる。しかも、両開閉アタッカは、開閉アタッカの下端部のうち、回動軸よりも他の開閉アタッカ側の偏心位置に、回動軸と平行なローラ軸を介して押圧ローラを設けている。
【0018】
両開閉アタッカの形状は、その閉状態において、垂直ラックがストライカの下端面の開口から容易に挿入されなければ任意である。例えば、板形状、棒形状、ブロック形状などである。
両開閉アタッカの間隔は、その閉状態において、一方の開閉アタッカの押圧ローラの外周面と、他方の開閉アタッカの押圧ローラの外周面との間に隙間が形成される間隔でもよい。また、両押圧ローラの外周面同士が当接する間隔でもよい。この場合、両開閉アタッカの閉時には、押圧ローラの分だけ両開閉アタッカを閉じようとする力が増大する。これにより、垂直ラックの押し下げ時、両押圧ローラが互いの外周面を接触させた一体的な状態で、両開閉アタッカを垂直ラックの上端面に押し当てることができる。その結果、開閉アタッカにより、上金型の押し下げ力を確実に垂直ラックへ伝達することができる。
開閉ガイド部材は、山頂が上向きの山形の部材(板材、棒材、ブロック材など)で、両傾斜面(法面)は傾斜角度が等しくなっている。これらの傾斜面が押圧ローラの転動面(走行面)となっている。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記ピニオンは、前記垂直ラックに噛合される第1のピニオンと、該第1のピニオンと直径が異なって前記水平ラックに噛合される第2のピニオンとが、1本の連結軸により連結された変速ピニオンである請求項1または請求項2に記載の被加工材の排出装置である。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、ピニオンとして変速ピニオンを採用したので、垂直ラックの往動(復動)に伴う水平ラックのストロークを変更することができる。これにより、シュート上に落下した被加工材のサイズや重量に応じて、シュートの水平方向への移動速度を変更することができる。
【0021】
第1のピニオンと第2のピニオンとのギヤ比は任意である。また、第1,2のピニオンのうち、大径な方のピニオンと噛合するラックは、垂直ラック、水平ラックの何れでもよい。小径な方のピニオンと噛合するラックも同様である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、プレス加工時の上金型の垂直往復運動を、シュートの水平往復運動に変換する機構として、ラック・ピニオン機構を採用したので、被加工材の排出装置の動作がスムーズとなり、耐久性に優れ、かつ上金型からシュートへ高い動力伝達効率で動力を伝達することができる。
【0023】
特に、請求項2に記載の発明によれば、ラック・ピニオン式駆動手段として、ストライカの下端部に一対の開閉アタッカを配設するとともに、両開閉アタッカの直下に山形の開閉ガイド部材を配置したので、仮に開閉ガイド部材の頂上が押圧ローラ間に位置ズレ状態で差し込まれても、開閉ガイド部材の両傾斜面が位置補正用のガイド面となり、上金型のガタ付きの範囲内で自動的に位置ズレが補正される。これにより、垂直ラックの押し上げ時、確実に垂直ラックをストライカの内部空間に挿入させることができる。その結果、簡単な構造でありながら、ラック・ピニオン式駆動手段の安定した動作を実現することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、ピニオンを変速ピニオンとしたので、垂直ラックの往動に伴う水平ラックのストロークが変化する。これにより、シュート上に落下した被加工材のサイズや重量に応じて、シュートの水平方向への移動速度を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置の使用状態の側面図である。
【図2】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置の背面図である。
【図3】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置の平面図である。
【図4】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置の分解斜視図である。
【図5】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置の一部を構成するストライカの要部斜視図である。
【図6】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置を用いた被加工材の排出作業の開始状態を示す断面図である。
【図7】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置を用いた被加工材の排出作業の垂直ラックの押し込み途中を示す断面図である。
【図8】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置を用いた被加工材の排出作業の開閉アタッカの開き始めの状態を示す断面図である。
【図9】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置を用いた被加工材の排出排出直前の状態を示す断面図である。
【図10】この発明の実施例1に係る被加工材の排出装置を用いた被加工材の排出終了直後の状態を示す断面図である。
【図11】この発明の実施例2に係る被加工材の排出装置の要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。説明の都合上、金型(シュート)の前方向をX1方向、その後ろ方向をX2方向、金型(シュート)の右方向をY1方向、左方向をY2方向、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。
【実施例】
【0027】
図1において、Aはこの発明の実施例1に係る被加工材の排出装置(以下、排出装置)で、この排出装置Aは、素材(例えば所定形状の鋼板材)からワーク(被加工材)3aをプレス成形するプレス機Bの下方に配置され、プレス加工により生じたワーク3aやスクラップ(被加工材)3bを排出する装置である。
【0028】
まず、プレス機Bの構成を詳細に説明する。プレス機Bは、矩形枠状の支持台に固定された下金型2と、下金型2の上方に上下動自在に配設された上金型1とを備えている。下金型2は平面視して矩形状を有している。
上金型1は、図示しない駆動源により、所定の速度、所定のストロークで上下に駆動される。したがって、下金型2に載置された素材は、上金型1の往復動によりワーク3aにプレス加工され、その一部がスクラップ3bとなる。
【0029】
次に、前記排出装置Aを詳細に説明する。
図1〜図5に示すように、排出装置Aは、下金型2の直下に配設され、プレス加工により生じたワーク3aやスクラップ3bを受け、水平面内で往復動することにより、ワーク3aやスクラップ3bをプレス機Bの外部に排出するシュート7と、上金型1の下面に上端部が取り付けられ、下端面に内部空間15bと連通した開口15aを有する角筒形状のストライカ15と、上金型1の昇降に応じて、シュート7を駆動するラック・ピニオン式駆動手段16とを備えている。
【0030】
シュート7は、図示しないが水平な基台上に配置された2本の平行なレールを介して、X1−X2方向へ往復動自在に支持されている。シュート7はX1−X2方向へ長い矩形状の皿である。
ストライカ15は、長さ方向に直交する断面がX1−X2方向へ長い矩形状の筒体である。ストライカ15は、ブラケット17を介して、上金型1の底板に固定されている。これにより、ストライカ15は上金型1と一体的に上下動する。ストライカ15の下端面には、X1−X2方向に長い矩形状の開口15aが形成されている(図5)。
【0031】
ストライカ15の下端部には、後述する垂直ラック18の上端に当接されて垂直ラック18を押し下げる一対の開閉アタッカ21,22が配設されている。両開閉アタッカ21,22は、ストライカ15の下端部のうち、X1方向の端部およびX2方向の端部に、Y1−Y2方向へ長くかつ互いに平行な回動軸20によって上端部が連結されている。X1側の開閉アタッカ21は、Y1方向とY2方向との両側に配置された2枚の側板23と、両側板23のX1側の端部のうち、軸支部を除いた部分間に横架された1枚のストッパ板24とからなる。X1側の開閉アタッカ21において、両側板23の上端部のX1側の端部間には、前記回動軸20が横架されている。かつ、両側板23の下端部のうち、回動軸20よりも他の開閉アタッカ22側の偏心位置(回動軸20よりストライカ15の幅方向の中央側の偏心位置(Y2側の端部))には、回動軸20と平行なローラ軸26を介して、垂直ラック18の上端に当接する押圧ローラ25が設けられている。
両押圧ローラ25は、垂直ラック18の上端に当接され、協働して垂直ラック18を押し下げる部材である。
【0032】
一方、X2側の開閉アタッカ22は、Y1方向とY2方向との両側に配置された2枚の側板23と、両側板23のX2側の端部のうち、軸支部を除いた部分間に横架された1枚のストッパ板24とからなる。X2側の開閉アタッカ22において、両側板23の上端部のX2側の端部間には、前記回動軸20が横架されている。かつ、両側板23の下端部のうち、回動軸20よりも他の開閉アタッカ22側の偏心位置(Y1側の端部)には、回動軸20と平行なローラ軸26を介して、別の押圧ローラ25が設けられている。
両開閉アタッカ21,22が回動軸20を中心にして開方向へ回動したとき、両ストッパ板24の上辺部がストライカ15の下端部に当接する。これにより、両開閉アタッカ21,22の上方への回動が、70°〜150°に規制される。開閉アタッカ21,22におけるプレス加工前の通常姿勢は、両開閉アタッカ21,22が、押圧ローラ25の外周面同士を当接させた状態である。
【0033】
次に、図1〜図5を参照して、前記ラック・ピニオン式駆動手段16を詳細に説明する。
ラック・ピニオン式駆動手段16は、本体となるケーシング27と、ストライカ15の押し下げ力が上端面に入力され、垂直に往復動する垂直ラック18と、シュート7に連結され、水平に往復動する水平ラック28と、垂直ラック18および水平ラック28に噛合され、垂直ラック18の垂直往復運動を水平ラック28の水平往復運動に変換する2枚のピニオン29,30と、前記開閉アタッカ21,22と、ストライカ15の直下に配置され、山頂を通る垂線を中心とした線対称でかつ一対の押圧ローラ25の転動面となる2つの傾斜面31aを有し、ストライカ15が下方へ往動することで、押圧ローラ25間に山頂が差し込まれ、その後もストライカ15の往動を継続することで、各押圧ローラ25が傾斜面31a上を転動しながら一対の開閉アタッカ21,22を押し開く山形の開閉ガイド部材31と、開閉ガイド部材31が開状態の時、垂直ラック18をストライカ15の開口15aから内部空間15bへ挿入させ、かつシュート7を往動とは反対方向へ復動するように付勢するコイルばね(弾性部材)32とを備えている。
【0034】
以下、これらの構成部品を具体的に説明する。
ケーシング27は、Z1−Z2方向に長くかつY1−Y2方向の幅が短い矩形状の箱体である。ケーシング27の上板の中央部付近には、X1−X2方向に長いラック孔33が形成されており、これにX1方向の辺部に歯38が付いた垂直ラック18が挿通されている。垂直ラック18の長さは、ケーシング27のZ1−Z2方向の長さと略同じで、垂直ラック18の幅方向はX1−X2方向に向けられている。ケーシング27のX1方向の側板の中央部とX2方向の側板の中央部とには、Z1−Z2方向に長い一対の別のラック孔34が形成されている。両ラック孔34には、Z1方向の辺部に歯38が付いた水平ラック28が一連に挿通されている。水平ラック28の長さは、ケーシング27のX1−X2方向の長さの約1.5倍である。水平ラック28の幅方向はZ1−Z2方向に向けられている。両ラック18,28の幅方向の中間部には、ラック長さ方向の略全長にわたって、長尺なスライド孔35が形成されている。
【0035】
各スライド孔35には、離間した一対のガイドピン36が挿通されている。垂直ラック18用の両ガイドピン36は、ケーシング27のY1−Y2側の板のうち、上端部間に軸支されている。また、水平ラック28用の両ガイドピン36は、ケーシング27のY1−Y2方向の両側板70,71の上端部間に軸支されている。このとき、両ガイドピン36の両端部には、対応するラック18,28に対して、ケーシング27内でのY1−Y2方向における位置決めを行う円筒カラー37が挿通されている。両ラック18,28は、ケーシング27の内部空間の中央部で交差し、それぞれの歯38に対応するピニオン29,30の歯38が噛合されている。両ピニオ29,30は、直径および歯数が同じで共通の軸ピン39を有した歯車である。その軸ピン39は、ケーシング27のY1−Y2方向の両側板70,71のうち、X1側の上端部間に横架されている。
【0036】
ケーシング27の上板の上面には、この上板と同一サイズの固定板40が固定されている。固定板40の中央部付近には、前記ラック孔33と連通する別のラック孔41が形成されている。また、固定板40の上面には、ラック孔41の形成部のY2側に前記開閉ガイド部材31が突設されている。開閉ガイド部材31は、X1−X2方向の幅が垂直ラック18の幅と略同じでかつ上部が山形カットされた板片である。山形の山頂は、開閉ガイド部材31の幅方向の中間に配置され、両傾斜面31aの傾斜角度が45°となっている。これにより、両押圧ローラ25の下方への回動および上方への回動がスムーズになる。固定板40の上面とケーシング27の下板の下面との間には、上下の端板と矩形状の中間板とから構成されるコの字形状のサイドカバー42が縦に架け渡されている。サイドカバー42の上端板には、前記両ラック孔33,41に連通する別のラック孔となる切欠部43が形成されている。切欠部43は、開閉ガイド部材31の挿通孔も兼ねている。これにより、垂直ラック18が3つのラック孔33,41,43を通過してケーシング27の上方へ昇降自在に突出するとともに、開閉ガイド部材31が切欠部43を経てケーシング27の上方へ突出する。
【0037】
水平ラック28の先端部(X1方向の端部)には、シュート7のX2側の板のY1−Y2方向の中間部に連結され、かつ平面視してコの字形状の連結ブラケット46が固定されている。連結ブラケット46は、シュート7との固定部である矩形板47と、矩形板47のY1−Y2側の両端に一体形成された横向き凸形状の側板48とからなる。矩形板47のZ1−Z2方向の長さは水平ラック28の幅の約2倍である。矩形板47のZ1−Z2方向の長さの中間部に形成された孔部を通して、水平ラック28の細い先端部が外方へ突出して固定される。両側板48のZ1−Z2方向の中間部には、一対の前記コイルばね32の一端部が連結されている。また、両コイルばね32の他端部は、ケーシング27のY1方向の側板70のX2側の端部と、ケーシング27のY2方向の側板71のX2側の端部とに横架された連結ピン49のうち、両側板70,71から外方へ突出した両端部分にそれぞれ掛止されている。両コイルばね32は、常時、水平ラック28をX2方向へ移動させるように作用する。
【0038】
水平ラック28の先端部の表裏面(Y1−Y2方向の両面)には、ウレタンからなる短尺な緩衝筒50が一対突設されている。両緩衝筒50は、シュート7がコイルばね32のばね力でX2方向へ急速に引き戻された時、シュート7に固定された連結ブラケット46が、直接、ケーシング27に衝突し、その衝撃によりシュート7やラック・ピニオン式駆動手段16が破損しないように衝撃力を緩和する部材である。
また、ケーシング27のX1側の板には、そのZ1−Z2方向の両端部に、短尺な一対の緩衝コイルばね51が突設されている。水平ラック28がコイルばね32のばね力でX2方向へ急速に引き戻された時、矩形板47の高さ方向の両端部に両緩衝コイルばね51の先端が衝突し、その力を緩和(吸収)して、両緩衝筒50のケーシング27への衝突力を低減させる。
【0039】
図4において、符号72はカラーである。符号73はワッシャである。符号74はスペーサである。符号75は垂直ラック18のガタつきを抑えるラックスペーサである。符号76は水平ラック28のガタつきを抑える別のラックスペーサである。
【0040】
次に、図1および図6〜図10を参照して、この発明の実施例1に係る排出装置Aの作用を説明する。
まず、図1を参照して、プレス機Bによる素材のプレス加工を説明する。
図示しない駆動源により、上金型1が上死点と下死点との間を所定速度で昇降する。このとき、素材が位置決めされた下金型2上に上金型1が下降し、両金型1,2が協働して、素材が所定形状にプレス加工される。これにより、ワーク3aが成形されるとともに、不要なスクラップ3b(切り屑、切粉など)が発生する。ワーク3aおよびスクラップ3bは、下金型2の開口部を通って、シュート7の受け面に落下する。このとき、シュート7は下金型2の開口部の直下に配置される(図1)。次の素材を下金型2に供給する際には、自動または手動で素材が供給される。なお、プレス加工時、ワーク3aのみを下金型2に残すようにしてもよい。この場合、ワーク3aが自動または手動で下金型2から取り出される。
【0041】
次に、図6〜図10を参照して、排出装置Aの作動について説明する。
素材のプレス加工時、図6の実線矢印のように上金型1と一体的にストライカ15が徐々に下降(往動)し、開閉アタッカ21,22が垂直ラック18の上端に当接し、両コイルばね32のばね力に抗してこれを押し下げる(図6)。これにより、一対のピニオン29,30を介して水平ラック28がシュート7とともにX1方向へ徐々に往動する。その途中、外周面同士が線接触した押圧ローラ25間に、山形の開閉ガイド部材31の山頂部が差し込まれる(図7)。両開閉アタッカ21,22の離間距離を、両押圧ローラ25の外周面同士が当接する程度とし、かつ両開閉アタッカ21,22は、開閉アタッカ21,22の下端部のうち、回動軸20よりも他の開閉アタッカ側の偏心位置に、回動軸20と平行なローラ軸26を介して押圧ローラ25を設けている。そのため、両開閉アタッカ21,22の閉時には、押圧ローラ25の分だけ両開閉アタッカ21,22を閉じようとする力が増大する。これにより、垂直ラック18の押し下げ時、両押圧ローラ25が互いの外周面を接触させた一体的な状態で、両開閉アタッカ21,22を垂直ラック18の上端面に押し当てることができる。その結果、開閉アタッカ21,22により、上金型1の押し下げ力を確実に垂直ラック18へ伝達することができる。
【0042】
また、仮に開閉ガイド部材31の頂上が押圧ローラ25間に位置ズレして差し込まれても、開閉ガイド部材31の両傾斜面31aが位置補正用のガイド面となり、上金型1のガタ付きの範囲内で自動的に位置ズレが補正される。これにより、垂直ラック18の押し上げ時、確実に垂直ラック18をストライカ15の内部空間15bに挿入させることができる。その結果、簡単な構造でありながら、ラック・ピニオン式駆動手段16の安定した動作を実現することができる。
【0043】
その後、図8の実線矢印のように、ストライカ15がさらに下降することで、傾斜角度の等しい両傾斜面31a上を両押圧ローラ25が転動しながら、両回動軸20を中心にして両押圧ローラ25が開方向へ回動する(図8)。これにより、開閉アタッカ21,22が徐々に押し開かれる。両押圧ローラ25の上方への回動時には、ストッパ板24の上端部がストライカ15の下端部に当接するため、その最大回動角度が規制される。
そして、開閉アタッカ21,22の開き(角度)が垂直ラック18の幅を超えた時(図9)、両コイルばね32のばね力により、垂直ラック18が押し上げられるとともに、水平ラック28およびシュート7が急速に引き戻される(図10)。その結果、垂直ラック18が開口15aを経てストライカ15の内部空間15bに収納される。このとき、矩形板47の高さ方向の両端部に両緩衝コイルばね51の先端が衝突し、その衝撃力は緩和される。これにより、両緩衝筒50がケーシング27に衝突した時の衝撃力が小さくなる。なお、このように垂直ラック18が押し上げられた時、垂直ラック18の上端は、開閉ガイド部材31の山頂より上方に配置される。
【0044】
このように、ここでは素材のプレス加工に伴い、上金型1が所定位置まで下降した時、ラック・ピニオン式駆動手段16がシュート7を駆動し、シュート7を略水平面内で往復動させている。すなわち、シュート7は、所定の速度で一方向に往動し、いったん停止後、逆方向に復動する。シュート7の停止時、ワーク3aやスクラップ3bにはシュート7の動きにより所定の力が作用する。この力は、ワーク3aやスクラップ3bとシュート7との間に作用する摩擦によりワーク3aなどに作用する上記力とは反対方向の力より大きい。その結果、ワーク3aやスクラップ3bはシュート7からプレス機Bの外部に排出される。
また、プレス加工時の上金型1の垂直往復運動をシュート7の水平往復運動に変換する機構として、ラック・ピニオン機構を採用したので、シュート7上からのワーク3aやスクラップ3bの排出動作がスムーズとなり、装置の耐久性が高まり、しかも上金型1からシュート7へ高い動力伝達効率で動力を伝達することができる。
【0045】
その後、図8および図9の破線矢印のように、上金型1の上昇に伴い、開閉アタッカ21,22の両押圧ローラ25が垂直ラック18の両側面を転動しながら、ストライカ15が徐々に上昇(復動)する(図8および図9)。そして、両押圧ローラ25が垂直ラック18の上方に達した時、自重によって両開閉アタッカ21,22がローラ軸26を中心にして下方へ回動し、再び開閉アタッカ21,22が閉じる(図6および図7)。このとき、両開閉アタッカ21,22は、対応する押圧ローラ25がストライカ15の幅方向の中間側に配置されているので、それぞれ重心がストライカ15の幅方向の中間側に偏在する。そのため、開閉アタッカ21,22が閉状態のときには、両押圧ローラ25の外周面が線接触状態となる。
【0046】
次に、図11を参照し、この発明の実施例2に係る被加工材の排出装置A1を説明する。
図11に示すように、実施例2の被加工材の排出装置A1は、実施例1のピニオン29,30を、垂直ラック18に噛合される第1のピニオン61と、第1のピニオン61より大径で、かつ水平ラック28に噛合される第2のピニオン62とが、1本の連結軸63により連結された変速ピニオン60に変更した点を特徴としている。
これにより、垂直ラック18の往動(復動)に伴う水平ラック28のストロークが変化し、シュート7上に落下したワーク3aやスクラップ3bが大型で大重量のものとなっても、シュート7の水平方向への移動速度を高めて、これらをスムースに排出することができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明は、自動車部品、家電部品などの板金プレス加工時において、下金型からシュート上に落下した製品やスクラップの排出に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 上金型、
2 下金型、
3a ワーク(被加工材)、
3b スクラップ(被加工材)、
7 シュート、
15 ストライカ、
15a 開口、
15b 内部空間、
16 ラック・ピニオン式駆動手段、
18 垂直ラック、
20 回動軸、
21,22 開閉アタッカ、
25 押圧ローラ、
26 ローラ軸、
28 水平ラック、
29,30 ピニオン、
31 開閉ガイド部材、
31a 傾斜面、
32 コイルばね(弾性部材)、
60 変速ピニオン、
61 第1のピニオン、
62 第2のピニオン、
A,A1 被加工材の排出装置、
B プレス機(プレス加工装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下金型に対して上金型が昇降することにより素材をプレス加工するプレス加工装置に配備され、このプレス加工により生じた被加工材を排出する被加工材の排出装置において、
このプレス加工により生じた被加工材を受け、往復動することにより、この被加工材を前記プレス加工装置の外部に排出するシュートと、
前記上金型に上端部が取り付けられ、下端面に内部空間と連通した開口を有する筒形状のストライカと、
前記上金型の昇降に応じて、前記ストライカを介して、前記シュートを往復駆動させるラック・ピニオン式駆動手段とを備え、
このラック・ピニオン式駆動手段は、
前記ストライカの押し下げ力が上端面に入力され、垂直に往復動する垂直ラックと、
前記シュートに連結され、水平に往復動する水平ラックと、
前記垂直ラックおよび前記水平ラックに噛合し、前記垂直ラックの垂直往復運動を前記水平ラックの水平往復運動に変換するピニオンと、
前記シュートを往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを有した被加工材の排出装置。
【請求項2】
前記ストライカの下端部には、回動軸を中心にして回動することで前記ストライカの開口を開閉し、かつ前記垂直ラックの上端に当接されて該垂直ラックを押し下げる一対の開閉アタッカが離間して配設され、
該一対の開閉アタッカの下端部には、前記回動軸よりも他の前記開閉アタッカ側の偏心位置に、前記回動軸と平行なローラ軸を介して、前記垂直ラックの上端に当接する一対の押圧ローラが配設され、
前記ストライカの直下には、山頂を通る垂線を中心とした線対称でかつ前記一対の押圧ローラの転動面となる2つの傾斜面を有し、前記ストライカが下方へ往動することで、前記押圧ローラ間に前記山頂が差し込まれ、その後も前記ストライカの往動を継続することで、前記各押圧ローラが前記傾斜面上を転動しながら前記一対の開閉アタッカを押し開く山形の開閉ガイド部材が配置され、
前記開閉アタッカが開いた時、前記弾性部材の付勢力により、前記垂直ラックが前記ストライカの開口から前記内部空間へ挿入される請求項1に記載の被加工材の排出装置。
【請求項3】
前記ピニオンは、前記垂直ラックに噛合される第1のピニオンと、該第1のピニオンと直径が異なって前記水平ラックに噛合される第2のピニオンとが、1本の連結軸により連結された変速ピニオンである請求項1または請求項2に記載の被加工材の排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−240679(P2010−240679A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90671(P2009−90671)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(396008934)松本工業株式会社 (7)