説明

被検者の気道をサポートするためのシステム及び呼吸器具

被検者が呼吸するときその被検者の気道をサポートするための呼吸器具(10)、システム(40)及び方法(62、72、86)。その被検者(12)の呼気の間の肺からの気体流は、気道にサポートを供給するようにバランスが取られている。特に、被検者(12)の1つ又はそれ以上の外口を包み込む本体(14)は、その被検者の気道をサポートする吸入された気体流と吐き出された気体流との間の抵抗差を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2008年12月30日に出願された米国特許仮出願第61/141,270号の米国特許法第119条(e)の優先権の利益を主張し、該文献は本文献において参考として取り入れられる。
【0002】
本出願は、2008年12月30日に出願された米国特許出願第61/141,250号、2008年12月30日に出願された米国特許出願第61/141,251号及び2008年12月30日に出願された米国特許出願第61/141,252号に関し、それらは、本文献において、本出願に全体として取り入れられる。
【0003】
本発明は、被検者が呼吸するときにその被検者の気道をサポートすることに関する。
【背景技術】
【0004】
睡眠呼吸障害から苦しむ患者は、通常、特に持続的陽性気道圧、比例陽性気道圧及び比例補助換気などの所定モードの換気に従って、呼吸気体の加圧された流れを供給する陽性気道圧(PAP)装置で取り扱われる。その加圧された気体は、患者が睡眠呼吸障害に伴う呼吸停止の症状の発現が低減されるか、もしくは回避されるように、その患者の気道をサポートする。PAP装置は、患者に不快であるかもしれない。これは、治療中の患者の順守を減らし、患者の何人かは、治療を完全に止めてしまうかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第61/141,250号明細書
【特許文献2】米国特許出願第61/141,251号明細書
【特許文献3】米国特許出願第61/141,252号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
睡眠呼吸障害のもう1つの治療は、患者からの呼気の流れに抵抗する気道抵抗器を使用し、それによって、呼気の間に気道をサポートする。しかし、従来型の気道抵抗器は、治療の間にその気道内に配置され、それは、患者の何人かにとっては心地が悪く、いくらか非衛生的であるかもしれない。例えば、患者の鼻孔内に従来型気道抵抗器を配置することもまた、その鼻孔の内部断面積を減らし、その抵抗器によって供給される療法に不利に影響するかもしれない。さらに、気道抵抗器は患者の気道から除去されるか、又はその抵抗器を固定するために、粘着材(例えば、その鼻孔の周りに)を実装してもよい。いくつかの場合において、従来型気道抵抗器は、何人かの患者にとって心地が悪いと考えられており、何人かの患者に対して適切なサポートを供給しない。例えば、吸入中に、従来型気道抵抗器は、完全にサポートされていないか、又は吸入される気体の流れに対するいくらかの抵抗によって圧力を低減さえする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、被検者が呼吸すると、その被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具に関する。1つの実施形態において、その呼吸器具は、本体及び1つ又はそれ以上の吸入弁の一式を含む。その本体は、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を囲むように構成されている。その本体は、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間において複数の流路を形成し、その複数の流路は、その複数の流路のうちの全てではなくても1つ又はそれ以上で構成される第1サブセットの流路を含む。その1つ又はそれ以上の吸入弁のセットは、第1サブセットの流路において配置され、気体が、その第1サブセットの流路において、周囲の大気からその被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口に比較的自由に流れることを可能にする。その1つ又はそれ以上の吸入弁は、被検者の気道の第1サブセットの流路内の周囲の大気への1つ又はそれ以上の外口からの気流にかなり抵抗するか又はそれを密封する。周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと通過する気体に対して、本体によって形成される複数の流路内の気流への累積抵抗は、その被検者が本体を通して自由に吸入できるのに十分に低く、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気体に対して本体によって形成される複数の流路内での気流に対する累積抵抗は、その被検者による本体を通した呼気が、呼気の間にその気道をサポートするその被検者の気道における圧力を生成するように十分に高い。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するときにその被検者の気道をサポートする方法に関する。1つの実施形態において、その方法は、その気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間に複数の流路を形成する本体で、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込むステップであり、その複数の流路は、その複数の流路のうち全てではなくてもその1つ又はそれ以上を形成する第1サブセットの流路を含む、ステップ;吸入の間に、周辺の大気からその気道の1つ又はそれ以上の外口へと本体を通る気流に対する複数の流路内での気流に対する第1累積抵抗、を供給し、その第1累積抵抗は、気体が、周囲の大気から気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに吸入されるのに十分に低い、ステップ;及び、呼気の間に、気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へとその本体を通る気流のための複数の流路における気流に対する第2累積抵抗を、第1サブセットの流路を通る気流を、その本体によって形成される複数の流路における他の流路を通る気流は制限せずに制限することによって、供給するステップを含み、その第2累積抵抗は、気体が、上昇した圧力が、被検者の気道をサポートするようにその本体を通して吐き出されるのに十分高い。
【0009】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するときにその被検者の気道をサポートするように構成されたシステムに関する。1つの実施形態において、そのシステムは、その気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間に複数の流路を形成する、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込むための手段であり、その複数の流路は、そのうちの全てではなくても1つ又はそれ以上を構成する第1サブセットの流路を含む、手段;吸入の間に、周囲の大気からその気道の1つ又はそれ以上の外口へ流れる気流のための複数の流路内での気流に対する第1累積抵抗を供給する手段であり、その第1累積抵抗は、気体が、周囲の大気からその気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに吸入されるのに十分低い、手段;及び、呼気の間に、その気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へ流れる気流のための複数の流路を、第1サブセットの流路を通る気流を、その包み込む手段によって形成される複数の流路における他の流路を通る気流を実質的に制限せずに制限することによって第2累積抵抗を供給するステップ、を含み、その第2累積抵抗は、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から吐き出される気体が、被検者の気道内の圧力を上昇させ、その上昇した圧力が被検者の気道をサポートするようにするのに、十分に高い、手段;を含む。
【0010】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具に関する。1つの実施形態において、その呼吸器具は、本体、1つ又はそれ以上の弁及びプロセッサを有する。その本体は、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込むように構成されている。その1つ又はそれ以上の弁は、その本体に配置され、その本体の内部からその本体の外部への気流に対する制御可能な抵抗を供給するように構成されている。そのプロセッサは、その本体の内部から本体の外部への気流に対する1つ又はそれ以上の弁の抵抗を制御するように構成され得る。
【0011】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートする方法に関する。1つの実施形態において、その方法は、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込むための手段;及び気体がその包み込まれた被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと接続される1つ又はそれ以上の流路の気流に対する抵抗を制御するための手段を有する。
【0012】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートするように構成されたシステムに関する。1つの実施形態において、そのシステムは、呼吸器具、圧力生成器及び回路を含む。その呼吸器具は、周囲の大気と被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口との間の気流を制御するように構成されている。その呼吸器具は、周囲の大気から呼吸器具を通り過ぎて被検者の気道の中へと流れる気流に対する第1抵抗及び被検者の気道から周囲の大気へとその呼吸器具を通過して流れる気流に対する第2抵抗を有する。その第1抵抗は、吸入の間に、気体が、周囲の大気から被検者の気道の中へと実質的に妨害されずに呼吸器具を通過して流れるように、第2抵抗よりもかなり低く、呼気の間に、その呼吸器具の披検者の気道からその周囲の大気へと通る気体に対する第2抵抗は、被検者の気道内の圧力を上昇させ、それによってその上昇した圧力が被検者の気道をサポートする。圧力生成器は、呼吸可能な気体の加圧された流れを生成するように構成されている。その回路は、呼吸器具とその圧力生成器から被検者の気道へと呼吸器具を通して呼吸可能な気体の加圧された流れを運ぶ圧力生成器との間で気体流路を形成する。
【0013】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するときに、その被検者の気道をサポートするための方法に関する。1つの実施形態において、その方法は、被検者の吸入の間に、周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと通る気流への第1抵抗を供給するステップ;被検者の呼気の間に、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気流への第2抵抗を供給するステップであり、第1抵抗は、吸入の間に、気体が、周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに通るように第2抵抗よりもかなり低く、呼気の間に、第2抵抗は、上昇した圧力が被検者の気道をサポートするように、その被検者の気道内の圧力を上昇させる、ステップ;呼吸可能な気体の加圧された流れを生成するステップ;及び、呼吸可能な気体の加圧された流れを、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと運ぶステップ、を含む。
【0014】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートするように構成されたシステムに関する。1つの実施形態において、そのシステムは、被検者の吸入の間に、周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと通る気流に対する第1抵抗を供給する手段;その被検者の呼気の間に、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気流に対する第2抵抗を供給する手段、を含み、第1抵抗は、気体が、吸入の間に、周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに通るように第2抵抗よりもかなり低く、呼気の間には、第2抵抗は、被検者の気道内の圧力を上昇させ、その上昇した圧力が被検者の気道をサポートする;さらに、呼吸可能な気体の加圧された流れを生成する手段;及び呼吸可能な気体の加圧された流れを、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと運ぶ手段、を含む。
【0015】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具に関する。1つの実施形態において、その呼吸器具は、本体、1つ又はそれ以上の吸入弁のセット、及び回路ポートを含む。その本体は、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込むように構成され、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間で複数の流路を形成する。その複数の流路は、そのうちの全てではなくても1つ又はそれ以上を形成する第1サブセットの流路を含む。1つ又はそれ以上の吸入弁のセットは、その第1サブセットの流路に配置され、気体が、周囲の大気からその被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へとその第1サブセットの流路内で比較的自由に流れることを可能にする。その1つ又はそれ以上の吸入弁は、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気への第1サブセットの流路内の気流に抵抗、又はそれを密封する。周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと通る気体に関して、その本体によって形成される複数の流路内の気流に対する累積抵抗は、その被検者が本体を通して自由に吸入できるのに十分低く、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気体に関して、その本体によって形成される複数の流路内の気流に対する累積抵抗は、その被検者による本体を通して吐き出される気体が、その被検者の気道に圧力を生成し、その圧力は、呼気の間にその気道をサポートするように十分に高い。回路ポートは、本体によって形成され、その本体の内部を、呼吸可能な気体の加圧された流れをその回路ポートを通して本体へと運ぶ回路に接続するように構成されている。
【0016】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するときに、その被検者の気道をサポートする方法に関する。1つの実施形態において、その方法は、被検者の吸入の間に、周囲の大気からその被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へ通る気流に対する第1抵抗を供給するステップ;その被検者の呼気の間に、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気流に対する第2抵抗を供給するステップ;を含み、第1抵抗は、吸入の間に、気体が周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに通るように第2抵抗よりもかなり低く、呼気の間に、第2抵抗は、被検者の気道内で圧力を上昇させ、そうすることによって、上昇した圧力がその被検者の気道をサポートするようにし;さらに、呼吸可能な気体の加圧された流れを受け取るステップ;及びその呼吸可能な気体の加圧された流れを、被検者が呼吸をすると、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へ方向付けるステップ;を含む。
【0017】
本発明のもう1つの態様は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具に関する。1つの実施形態において、その呼吸器具は、被検者の吸入の間に、周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと通る気流に対する第1抵抗を供給する手段;被検者の呼気の間に、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気流に対する第2抵抗を供給する手段;を含み、第1抵抗は、吸入の間に、気体が周囲の大気から被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに通るように第2抵抗よりもかなり低く、呼気の間に、第2抵抗は、被検者の気道内で圧力を上昇させ、そうすることによって、上昇した圧力がその被検者の気道をサポートするようにし;さらに、呼吸可能な気体の加圧された流れを受け取る手段;及び呼吸可能な気体の加圧された流れを、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと方向付ける手段;を含む。
【0018】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、及び操作方法及び関連する構造の要素及び部品及び製造の経済の組み合わせの機能は、以下の記載及び添付の請求項を付属の図表を参照して考慮することにおいてさらに明らかになり、それらの全ては、この明細書の一部分を形成し、類似の参照番号は、様々穴図における対応する部分を指定する。本発明の1つの実施形態において、ここで示される構造要素は、寸法に縮小率で描かれている。しかし、当然のことながら、それらの図表は、説明及び記載のみをも苦役としており、本発明を限定しない。さらに、示されている又は記載されている如何なる実施形態における構造上特徴も、他の実施形態においても使用することができる。明細書及び請求項において使用されるように、単一を表す用語は、その状況が明確にそうでない場合を指示しない場合は、複数のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の移動をサポートするように構成された呼吸器具を示す図である。
【図2】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具を示す図である。
【図3】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具を示す図である。
【図4】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成されたシステムを示す図である。
【図5】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成されたシステムを示す図である。
【図6】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成されたシステムを示す図である。
【図7】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成されたシステムを示す図である。
【図8】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成された方法を示す図である。
【図9】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成された方法を示す図である。
【図10】本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、被検者の気道をサポートするように構成された方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0020】
図1は、被検者12が呼吸をするとき、その被検者12の気道をサポートするように構成された呼吸器具10を、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従って示す。呼吸器具10は、サポートの目的で、被検者12の気道を加圧するために、被検者12の呼気によって生成される加圧された流れを利用する。1つの実施形態において、呼吸器具10は、被検者12の気道の1つ又はそれ以上の外口(例えば、鼻孔)を包み込む本体14及びファスナー16を含む。
【0021】
ファスナー16は、被検者12の気道の1つ又はそれ以上の外口の上に本体14を適所にて保持する。図1に示される実施形態において、ファスナー16は、被検者12の頭部の周りを囲む単一のストラップである。1つの実施形態において、ファスナー16は、ファスナー16の頭部を、本体14を適所に保つようにかみ合わせるための異なる構成を有するヘッドギアを含む。1つの実施形態において、ファスナー16は、被検者12の気道の1つ又はそれ以上の外口の内部をかみ合わせる構造及び/又は本体14を適所に保つように被検者12の皮膚に付着する粘着材を含む。いくつかの場合において(非表示)、呼吸器具10は、口腔装置及び/又は被検者12の下顎を被検者12の気道を開ける位置(例えば、下顎が前方に伸びている)に保持するヘッドギア及び/又は鼻孔を通した呼吸を働きかけるように被検者12の口を閉めたままに保持するヘッドギアと一体化して実装及び/又は形成されてもよい。
【0022】
図2は、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従って、本体14の拡大図を示す。図2において見られるように、本体14は、流路の間に複数の開口部を形成する。1つの実施形態において、本体14の内部は、中空であり、様々な開口部のいずれかからその他の様々な開口部のいずれかに流れる気体を実質的に妨害しない。その複数の開口部は、1つ又はそれ以上の被検者接触面開口部18、吸入ポート20のセット及び呼気ポート22のセットを含む。その被検者接触面開口部18は、本体14の内部に形成された流路内で気体を被検者12の気道へとつなぐ。以下にさらに記載されるように、本体14は、吸入ポート20と被検者12の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気に吸入の間に気体を運ぶ被検者接触面開口部18との間に第1サブセットの流路を形成する。本体14は、呼気ポート22と被検者12の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へ呼気の間に気体を運ぶ被検者接触面開口部18との間に第2サブセットの流路を形成する。
【0023】
1つの実施形態において、被検者接触面18は、気道包囲部材24によって形成される。図2は、気道包囲部材24を被検者12の鼻孔を包み込む鼻ピロー(nasal pillow)として描く。気道包囲部材24は、本体14の残りから選択可能なように取り外し可能である。これは、衛生上の目的での気道包囲部材24の洗浄及び/又は置換え、及び/又は個人的な好みに基づいた被検者12による気道包囲部材24の選択(例えば、異なるサイズを有する部材、異なるサイズの開口部、など)を促す。
【0024】
吸入ポート20のセットで、呼吸器具10は、吸入弁26のセットを含む。吸入弁26は、気体が周囲の大気から本体14内に形成される流路の中へと吸入ポート20を通して比較的自由に流れることを可能にするが、本体14内から周囲の大気へと吸入ポート20を通る気流にかなり抵抗するか、又はそれを密封する。例えば、吸入弁26は、気体が大気から本体14の中へ自由に流れることを可能にする「一方向」の弁であってもよいが、本体14内の気体が大気へと流れることを防ぐ。そのようにして、吸入の間に、本体内に吸入ポート20と被検者接触面開口部18との間に形成された流路は、気体が吸入ポート20から被検者接触面開口部18へ、そして被検者12の鼻孔の中へと自由に排出されることを可能にする。しかし、呼気の間に、吸入弁26は、本体14内において被検者接触面開口部18から吸入ポート20へと形成された第1サブセットの流路を通して、被検者12の鼻孔から周囲の大気へと吐き出される気流にかなり抵抗するか、又はそれを密封する。1つの実施形態において、吸入弁26は、本体14の残りの部分から選択可能なように取り外し可能である。これは、弁26及び/又は本体14の洗浄を促し、弁26が衛生上の目的で、又は吸入弁26の1つが正確に機能することを停止した場合に置き換えることを可能にしてもよい。
【0025】
本文献で使用されるように、周囲の大気から吸入ポート20を通って「自由に」流れる気体は、この気体の吸入が、呼吸器具10無しの吸入とおよそ等しい量の試みを被検者の側に必要とするように、比較的小量の抵抗を受ける気流のことを呼ぶ。例えば、1つの実施形態において、吸入弁26の周囲の大気から本体14の中へと流れる気体に対する抵抗は、十分に小さく、呼吸器具10の被検者12によって本体14を通して吸入される気体に対する累積抵抗が、約0.025cmH2O/LPM(30LPMの流れで)未満であるか又はそれに等しい。累積抵抗は、呼吸器具10の、呼吸器具10における第1セットの開口部の中へ呼吸器具10を通って流れ、その呼吸器具から、呼吸器具10の第2セットの開口部を通って出る気体の体積に関する全体の抵抗である。
【0026】
呼気ポート22のセットにおいて、呼吸器具10は、呼気弁28のセットを含む。呼気弁28は、被検者12の鼻孔と周囲の大気との間の気流を、本体14内において被検者接触面開口部18と呼気ポート22との間に形成された第2サブセットの流路内で調節する。特に、呼気弁28は被検者12の鼻孔から周囲の大気への気流に対する抵抗を、呼気の間に第2サブセットの流路において供給する。その呼気弁28によって供給されるこれらの吐き出される気体に対する抵抗は、呼吸器具10の被検者12の鼻孔から吐き出される気体に対する累積抵抗の主な源である。実際に、吸入弁26が、吸入ポート20を本体14内から周囲の大気へと流れる気流に対して密封し、その結果、その呼気弁28の被検者12の鼻孔を通して大気に吐き出される気体の気流は、累積抵抗は、被検者12の鼻孔から吐き出された気体に対する呼吸器具の累積抵抗である。呼気弁28は、本体14を通して周囲の大気に吐き出された気体の流れに対する累積抵抗が十分に高く、被検者12による本体14を通した呼気が、呼気の間に気道をサポートする圧力を被検者12の気道に生成するように構成されている。非限定的な例によって、被検者12の気道における圧力は、ピーク呼気圧力(例えば、30LPMの流れで)10cm H2O又はそれを超えてもよい。1つの実施形態において、その呼吸器具10によって被検者12の気道に生成される圧力は、少なくとも1.0cm H2O(例えば、20LPMの流れで)を供給しても良い。
【0027】
1つの実施形態において、呼気弁28は、周囲の大気から被検者12の鼻孔へと本体14を通って吸入の間に流れる気体に対して、被検者12の鼻孔から周囲の大気へと呼気の間に流れる気体よりも異なる抵抗を有する(例えば、呼気弁28は、吸入の間に「閉鎖」される)。1つの実施形態において、呼気弁28は、固定された抵抗器であり、気体が流れている方向に関わらず気流に対して同じ抵抗を有する。これらのいずれか一方の実施形態において、吸入の間において周囲の大気からの気体に関する本体14の主な吸気口は、吸入ポート20における吸入弁26を通って流れる気体である。従って、周囲の大気から被検者12の鼻孔へと本体14を通って吸入される気体の流れに対する累積抵抗は、被検者12が本体14を通して自由に吸入できる吸入ポート20のおかげで十分に低い。
【0028】
上記で考察されたように、被検者12の本体14を通した呼気の間に、吸入弁26は、本体14から周囲の大気への気流を妨害する。この妨害は、吸入ポート20を実質的に密封することによって及び/又は吸入ポート20を通る気流をかなり制限することによって成し遂げられてよい。例によって、1つの実施形態では、吸入弁26が、吸入ポート20を実質的に密封する(例えば、吸入ポート20から約2.5LPMに等しい又はそれ未満の気体が流出することを可能にするように(5cm H2Oの圧力で)抵抗を供給する)。もう1つの例として、1つの実施形態では、吸入弁26が、呼気の間に本体12から流出する気体に対して抵抗を供給し、その抵抗は、本体14内から周囲の大気への気流に対する呼気弁28の抵抗比べて十分に低く、呼気弁28の抵抗が、被検者12の気道から周囲の大気へ流れる吐き出された気体に対する本体14の累積抵抗を制御する。例えば、本体14から大気へと流れる吐き出された気体に対する吸入弁26の抵抗は、本体14から大気に流れる吐き出された気体に対する呼気弁28の抵抗よりもおよそ5倍大きくてもよい。1つの実施形態において、本体14から大気へ流れる吐き出された気体に対する吸入弁26の抵抗は、本体14から大気へ流れる吐き出された気体に対する呼気弁28の抵抗よりもおよそ2.5倍大きくてもよい。
【0029】
1つの実施形態において、被検者12の鼻孔から周囲の大気への気流に対する呼気弁28の抵抗は、呼気の間に本体14を通って被検者接触面開口部18から大気へと流れる気体に対する呼吸器具10の累積抵抗を調整するように設定可能である。呼気弁28の抵抗を設定するために、弁28は、被検者12又は自動制御機構が操作できる1つ又はそれ以上の制御部に付属してもよい。あるいは、1又はそれ以上の呼気弁28は、望ましい抵抗を有する弁によって置き換えるための呼気ポート22から選択可能なように取り外し可能である固定された抵抗値を含んでもよい。1つの実施形態において、呼気弁28の選択可能な取り外しは、器具10の洗浄及び/又は摩滅している弁の置換えを促してよい。呼気弁28の抵抗の調整は、呼気弁28に付属している本体14における直径、断面積及び/又は1つ又はそれ以上の開口部の面積の調整を含んでよい。
【0030】
1つの実施形態において、呼気ポート22は、別々の呼気弁28を含まずに吐き出された気体に対する適切な累積抵抗を備えてもよい。例えば、呼気ポート22での本体14における開口部は、吐き出された気体の流れに、本体14内の流路に、吐き出された気体に対して適切な累積抵抗を備える程度に抵抗する形状及び/又はサイズを有して形成されてもよい。1つの実施形態において、ポート22は、図2に示されるように本体14から突起していなくてよいが、その代わりに、本体14の外面と同一平面状に又はそれよりも広い面積にわたって分布して形成されてもよい。
【0031】
本体を通した自由な吸入を可能にする吸入ポート20及び呼気の間に療法抵抗を供給するための呼気ポート22の提供は、単一のポート又はポートのセットの両方が、自由な吸入及び呼気の間の療法抵抗を同じ流路を通して可能にするシステムにおいて、数個の改善を供給する。例えば、個別の吸入ポート20及び呼気ポート22を実装することによって、呼吸器具10は、呼気弁28の固定された抵抗器を使用して形成することができ、それは、各開口部が自由な吸入および療法呼気抵抗を供給しなければいけない器具に実装されなければいけない種類の弁よりも簡単であり、信頼性が高く、且つ費用がより低い(それらの器具の部品に関し及び/又はそのアセンブリの間に)。同様に、個別に形成された吸入弁26及び呼気弁28が比較的な簡潔であることによって、呼吸器具10の形状因子が拡大されてもよい。例えば、弁26及び28、及び/又は器具10は、一般的に、被検者12の鼻孔の外側に(図1及び2の鼻ピローの構成において示されるように)配置されてもよい。弁26及び28が、被検者12の鼻孔の外側に形成されている実施形態において、それらの弁のいくつか又は全ては、鼻孔の開口部よりも大きい断面積を有してもよく、それによって弁26の吸入抵抗が低減されることが可能になる。吸入弁26から離れた部分に呼気弁28を実装することによって供給されるもう1つの改善は、吸入弁26の機能又は完全性を妨害せずに呼気弁28の抵抗を設定可能(例えば、置換えによって)にすることができることである。
【0032】
鼻サイクリング(nasal cycling)は、鼻の生理学の分野において研究する調査員に知られている現象である。HamiltonによるThe Physiologist(1979年6月;22(3):43-39)によって記述されているように、「鼻サイクリングは、Rn(鼻抵抗)における右側と左側との間の相互的変化で構成され、それは、合計のRnにおいてほとんど又は全く変化が無い。それは、同一の個人又は人口において測定されたか否かに関わらず、約80%の時間において観測されていることから、断続的な性質である。それが起こるとき、それは、1/2から4時間まで変化する、さらに一般的には、2から3 1/2時間まで変化するサイクル期間を有する。被検者12の左及び右の鼻孔を通って大気に出る空気経路は、並列回路構成を形成する。全体の鼻抵抗は、従って、個別の抵抗の逆数の合計の逆数である。従来型の気道抵抗器は、左及び右の鼻抵抗が組み合わせられるとき、左及び右の直列回路をそれぞれ形成する。これらの個別の回路に従来型の抵抗器によって追加された抵抗は、アンバランスな鼻サイクリングであってもよい。これは、鼻サイクルにおけるある一定の期間の間に、合計の鼻抵抗を増加又は減少させ、それは、患者にとって心地が悪く、治療効果に影響を与え、睡眠中に覚醒さえ起こし得る。
【0033】
対照的に、図1及び2に示される器具10の実施形態は(被検者12の鼻孔を離す本体14内の内部壁を有していない)、左及び右の鼻孔抵抗に個別に影響を与えない。そのように、左及び右の鼻抵抗の自然なバランスは、その回路の並列要素(逆数の合計の逆数)が、器具10の追加された抵抗に先立ち、それから数学的に独立していることから、影響を受けない。
【0034】
図3は、本体14が、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口(例えば、鼻孔、鼻孔及び口など)を覆うマスクとして形成される呼吸器具10の実施形態を示す。図3に示される実施形態において、本体14は、包み込まれている被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口の外部を取り囲む膜である。さらに、本体14の膜は、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間に複数の流路を形成する。これらの流路は、吸入ポート20によって形成される本体14を通る流路及び呼気ポートt22によって形成される本体14を通る流路を含む。
【0035】
吸入弁26は、吸入ポート20内に配置され、大気からの気体が被検者によって本体14を通して比較的自由に吸入されることを可能にする。呼気弁28は、呼気ポート22内に配置され、本体14によって包まれている被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口からの気体の呼気が、その被検者の気道内の圧力を、呼気の間にその被検者の気道をサポートする程度まで上昇させるように本体14内から大気への気流を制限する。図1及び2に示される実施形態に関して上記で記載されたように、図3において示される呼吸器具10の実施形態は、吸入ポート20又は呼気ポート22から、吸入弁26及び/又は呼気弁28のうち1つ又は両方がそれぞれ除去されることを可能にしてもよい。さらに、1つの実施形態において、呼気ポート22での気流に対する抵抗は、操作可能な制御及び/又は呼気弁26を異なる抵抗を有するもう1つの弁で置き換えることによって、設定可能である。本体14が全ての気道開口(例えば、図3に示される実施形態)を覆う実施形態において、吸入ポート20の1つ又は両方は、バックアップの目的で複製されてもよい。
【0036】
本体14のマスクとしての形成(例えば、図3に描かれるように)は、図1及び2に示される鼻ピロー構成よりもむしろ、感知される心地良さ、追加の外口によって供給されるサポート(例えば、マスクが口及び鼻孔を覆う場所)及び/又は他の理由によって、何人かの被検者にとって好まれている。図3に示される呼吸器具10の実施形態の操作の機構は、図1及び2に示される実施形態と、呼気の間の被検者の気道内の圧力を上昇させる点で同じである。呼吸器具10のさらなる態様が以下において、呼吸器具10が図1及び2の鼻ピロー構成を実装する実施形態に関して記載されているが、これは、限定することを目的としておらず、これらの記載は、当業者によって図3のマスクに拡張されてもよい。
【0037】
1つの実施形態において、そのマスクは、顔面に対して包み込まれた内部体積のデッドスペース(dead space)を最小限にするように設計されてもよい。その鼻開口に対する接触面チャンバーは、圧力壁又は一方向弁によって、口接触面か分離されてよい。そのチャンバーから分離することは、圧力密封構造を改善し、及び/又は被検者が鼻で呼吸をしているとき、余分な口のデッドスペースで吐き出された気体を再呼吸することの不快感を避けてよい。
【0038】
1つの実施形態において、本体14の被検者の鼻の鼻梁に位置する部分は、その被検者の皮膚にしっかりと固定された密封を形成するように構成されてもよい。例えば、この本体14の区分は、被検者に粘着するように粘着材(例えば、ヒドロゲルなど)を含んでもよい。いくつかの場合では、この本体の区分は、比較的バネ状の材料から形成されてもよく、それは、本体14と鼻の鼻梁との間の粘着のおかげで、被検者の鼻腔を開放して保つ。
【0039】
図4は、本開示の1つの実施形態による呼吸器具10のブロック図である。図4において示される概略図において、本体14、吸入ポート20、呼気ポート22、吸入弁26及び呼気弁28に加えて呼吸器具は、1つ又はそれ以上のセンサー30、ユーザー・インターフェース31及びプロセッサ32を含む。
【0040】
センサー30は、呼吸器具10がインストールされる被検者の気道の安定性に関する情報を伝達する1つ又はそれ以上の出力信号を生成するように(例えば、図1に示され、上記に述べられるように)構成されている。1つの実施形態において、センサー30は、本体10において実行される。非限定的な例によって、センサー30は、被検者(例えば本体14内)の気道において又はその近くで1つ又はそれ以上のパラメータを監視してもよい。その1つ又はそれ以上のパラメータは、1つ又はそれ以上の流れ、圧力、及び/又は他のパラメータを含んでもよい。1つの実施形態において、センサー30は、振動を電気出力信号に変換するトランスデューサを含む。そのトランスデューサによって生成される出力信号は、被験者の気道における不安定性(例えば、「いびき」)によって生成される音波における振動、気道の不安定性によって生じる被検者の気道の周りの組織の振動、及び/又は気道の不安定性を示す他の振動を変換してもよい。1つの実施形態において、センサー30は、本体10において実行されない。例えば、センサー30は、被検者の呼吸の需要、被検者の神経作用及び/又は被検者の気道の状態を示す他のパラメータを監視する1つ又はそれ以上のセンサーを含んでもよい。
【0041】
ユーザー・インターフェース31は、器具10とユーザー(例えば、被検者、介護者、睡眠仲間など)との間でインターフェースを供給するように構成され、ユーザーは、そのインターフェースを通して器具へ情報を供給し、その器具から情報を受けてもよい。これは、データ、結果及び/又はインストラクション、及び他の如何なる通信可能なアイテムなど、まとめて「情報」として呼ばれるものが、ユーザーとプロセッサ32との間で伝達されることを可能にする。ユーザー・インターフェース31において含まれるのに適切なインターフェース装置は、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示スクリーン、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォン、インジケーター・ライト、可聴アラーム、及びプリンターを含む。
【0042】
当然のことながら、有線又は無線のいずれかの他の通信技術も、ユーザー・インターフェース31として本発明によって検討される。例えば、本発明は、ユーザー・インターフェース31が取り外し可能な電子保存インターフェースに一体化されてもよいことを検討する。この例では、情報は、取り外し可能なストレージ(例えば、スマート・カード、フラッシュドライブ、リムーバブル・ディスクなど)から器具10の中へロードされてもよく、それは、ユーザーが、器具10の実装をカスタマイズすることを可能にする。他の模範的な、器具10と使用するのに適合されたユーザー・インターフェース31としての入力装置及び技術は、RS‐323ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又はその他)などを含むが、それらに限定されない。手短に言えば、情報を器具10に伝達する如何なる技術も、本発明によってユーザー・インターフェース31として検討される。
【0043】
プロセッサ32は、情報処理機能を呼吸器具10に提供するように構成されている。そのように、プロセッサ32は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は電子的に情報を処理する他の機構を含んでよい。プロセッサ32は、図4において単一の構成要素として示されているが、これは、説明のみが目的である。いくつかの十疎巣において、プロセッサ32は、複数の処理ユニットを含んでもよい。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に位置するか、プロセッサ32は、協働して作動する複数の装置の処理機能を果たしてもよい。1つの実施形態において、プロセッサ32は、本体14によって実行される。
【0044】
図4に示されるように、1つの実施形態において、プロセッサ32は、安定モジュール34、制御モジュール36、設定モジュール38、被検者監視モジュール39、及び/又は他のモジュールを含む。モジュール34、36、38、及び/又は39は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアのいくつかの組み合わせ;及び/又は他の場合に実装されてもよい。モジュール34、36、38及び39は、プロセッサ32が複数の処理ユニットを含む実装において、単一の処理ユニット内に共同で位置しているとして図4に示されているが、以下に記載されるモジュール34、36、38及び/又は39は、説明の目的のためであり、モジュール34、36及び/又は38のいずれも記載されている機能とほぼ同じ機能を提供してよいことから、限定的であることを目的としていない。例えば、モジュール34、36、37及び/又は39の1つ又はそれ以上は廃止してもよく、その機能のいくつか又は全ては、モジュール34、36及び/又は38の他の1つによって提供されてもよい。もう1つの例として、プロセッサ32は、以下のモジュール34、36、38及び/又は39の1つによる機能のいくつか又は全てを実施してよい1つ又はそれ以上の追加のモジュールを含んでもよい。
【0045】
安定モジュール34は、被検者の気道の安定性を決定するように構成されている。その被検者の気道の安定性は、センサー30によって生成される出力信号に基づいて決定される。1つの実施形態において、その被検者の気道の安定性を安定モジュール34によって決定することは、その被検者の気道における所定のしきい値を超えた不安定性の場合を識別することを含む。1つの実施形態において、安定モジュール34によってされる被検者の気道の安定性の決定は、その被検者の気道の安定性の測定を含む。
【0046】
図4において示される呼吸器具10の実施形態において、呼気弁28は、本体14の内部から周囲の大気への気流(例えば、吐き出された気体)に対して制御可能な抵抗を供給するように構成されている。制御モジュール36は、この気流に対する呼気弁28の抵抗を制御するように構成されている。さらに詳しくは、制御モジュール36は、本体14の内部から周囲の大気への気流に対する呼気弁28の抵抗を、安定モジュール34によってされる気道安定性の決定に基づいて制御する。例えば、安定モジュール34が、被検者の気道が開放され安定していると決定する場合、本体14の内部から周囲の大気への気流に対する呼気弁28の抵抗は、制御モジュール36によって比較的小さいように制御され、それによってその被検者が本体14を通して自由に吐き出すことを可能にする。一方、安定モジュールが、被検者の気道が不安定になっていると決定する場合、本体14の内部から周囲の大気への気流に対する呼気弁28の抵抗は、被検者の気道内の圧力を、呼気の間に上昇させるように増加させられ、それによってその被検者の気道を安定化する。この呼気弁28の制御は、その被検者に対する呼吸器具10の心地良さを、特に、その被検者の気道が安定しているときに改善する。
【0047】
1つの実施形態において、制御モジュール36は、被検者12の心地良さを改善するように設計されたアルゴリズムに従って、本体14の内部から周囲の大気への気流に対して呼気弁20の抵抗を制御する。例えば、制御モジュール36は、呼気弁20の抵抗を比較的低い初期値に設定してもよく、次に、その抵抗を時間とともに治療の値に上げる。これは、被検者が時間と共に徐々に気道の加圧に慣れることを可能にしてよい。いくつかの場合において、これは、その被検者が比較的低い抵抗で眠りに落ち、そして眠りに落ちた後に抵抗に関する治療の値で治療のサポートを受けることを可能にする。1つの実施形態において、制御モジュール36は、被検者が、抵抗値を初期の抵抗(例えば、ユーザー・インターフェースを通して)に戻し設定することを可能にする。これは、その被検者が呼気弁20の抵抗を、目が覚めたときに低減することを可能にし、それによって、その被検者が再び眠りに落ちることができるように被検者の心地良さを改善する。
【0048】
設定モジュール38は、被検者が、制御モジュール36が気道の安定性における減少に応答する方法を少なくともいくらか設定することを可能にする。例えば、設定モジュール38は、その被検者が、制御モジュール36の気道の不安定性に対する感度、気道の不安定性を検出したときに、吐き出される気体に対する呼気弁28の抵抗に加えられるべき量の増加を設定し、及び/又は制御モジュール36によって制御される呼吸器具10の他のパラメータを設定することを可能にする。1つの実施形態において、設定モジュール38は、ユーザー・インターフェースを通して被検者にとってアクセス可能である。そのユーザー・インターフェースは、本体14において実行されてもよく、又はその被検者が、設定モジュール38の構成用に、呼吸器具をもう1つの処理構成要素(例えば、コンピュータ、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタントなど)に接続する通信ポートを含んでもよい。いくつかの事例において、弁28は、プロセッサ32からの切断において、弁28は開放した又は最大抵抗の設定に戻るように構成されてもよい。
【0049】
被検者監視モジュール39は、器具10から治療を受ける被検者を監視するように構成されている。特に、被検者監視モジュール39は、睡眠中に気道妨害を起こす被検者の様子又は症候群の状態を監視する。例えば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(「OSA」)は、変性状態である傾向がある。被検者監視モジュール39は、被検者又は他のユーザーに、その被検者が苦しむOSAの発達の状態に関する情報を供給するために、その被検者を監視してよい。いくつかの事例において、被検者監視モジュールは、多数の閉塞性事象の1つ又はそれ以上(たとえば、安定モジュール34によって識別されるような)、1つ又それ以上の器具10を通る気流のパラメータ(例えば、センサー30によって生成される出力信号に基づいて)、及び/又は被検社が苦しむOSAの発達に関する他の情報又は他の状態を監視してよい。被検者監視モジュール39は、被検者に対してOSAの状態及びその被検者が苦しむ他の状態のインジケータを、ユーザー・インターフェース31を通して供給する。
【0050】
1つの実施形態において、被検者監視モジュール39は、そのユーザーに、被検者が苦しむ閉塞性事象の数の夜毎、週毎、月毎、又は他の定期的な表示を供給する。例えば、その閉塞性事象の数が、所定のしきい値を破る場合、被検者が現在器具10によって供給されているよりもさらに気道サポートを必要とするというインジケータがそのユーザーに供給されてもよい。
【0051】
1つの実施形態において、被検者監視モジュール39は、センサー30及び/又は安定モジュール34から調達されたデータを、ユーザー・インターフェース31を通してそのユーザーに供給する。そのユーザーは、次に、OSA又は被検者が苦しむ他の状態の発達に関する判定をするためにそのデータを導入してよい。いくつかの事例において、被検者監視モジュール39から受け取られたデータは、例えば、OSA又は被検者が苦しむ他の状態、及び/又は被検者が苦しむ閉塞型呼吸の生理学的原因を分類する表現型検査を実施するために使用されてもよい。
【0052】
図4における呼吸器具10による特徴及び機能の少なくともいくつかは、プロセッサ32などの電子プロセッサを含まない実施形態において実装されてもよいことが明らかになるはずである。非限定的な例によって、上記に記載された抵抗を28に関して徐々にくり上げることは、弁28を通る気流を徐々に制限する(例えば、直径及び/又は弁28に形成される開口の1つ又はそれ以上の断面積を徐々に制限する)ための機械的機構によって成し遂げてもよい。例えば、メモリ・ポリマーが弁28に形成された1つ又はそれ以上の開口部に挿入されてもよい。そのメモリ・ポリマーは、拡大された後に縮小してもよい(例えば、挿入されたプラグによって)。弁28は、膜(又は複数の膜)を引くか、又は押すメモリ金属/ポリマー/ナノ構造を含み、その膜/メモリ構造がリセット機構によって初期の開放位置に配置された後に、弁28に関連する開口部を閉鎖してもよい。弁28は、その弁28における開口部をゆっくりと閉鎖するように、膜(又は複数の膜)に対して押圧する呼吸の圧力によって解放されるバネに基づくクロック状の機構を含んでもよい。弁28は、弁の開口部をゆっくりと閉鎖するために、ロケット歯止め(rocket-ratchet)機構(固定された又は事前にプログラムされた時間起動)を含んでもよい。弁28に関連する弁開口部をゆっくりと閉にするための他の機構もまた、抵抗をつり上げるために検討される。
【0053】
1つの実施形態において、電気プロセッサからの制御無しで時間と共に抵抗をゆっくりとつり上げるために弁28に含まれる機械的機構は、起動制御を含んでもよい。その起動制御は、被検者12又はその被検者の近辺における他の個人(例えば、配偶者、親、介護者など)によって睡眠中に必要に応じて起動されてもよい。
【0054】
図4に示される器具10の実施形態において電子プロセッサによる制御無しで成し遂げられる機能のタイプのもう1つの例として、呼吸器具10は、弁28の抵抗における変化をトリガーするための機械的機構を含んでもよい。例えば、弁28は、共鳴音チャンバー及び/又は被検者のいびきによって振動させられる音叉(tuning fork)を含んでもよい。その共鳴音チャンバー又は音叉は、クロック機構又は弁28に付属する1つ又はそれ以上の開口部が制限されるようにする解放機構に結合されていてよい
図5は、呼吸器具10によって供給される被検者の気道のサポートを改善するさらなる特徴を含む呼吸器具10の実施形態を示す。図5に示される実施形態において、呼吸器具10は、被検者の気道をサポートするように構成されたシステム40における構成要素として実装される。1つの実施形態において、呼吸器具10に加えて、システム40は、圧力生成器42及び回路44を含む。
【0055】
圧力生成器42は、呼吸器具10を通して被検者の気道に運ぶための呼吸可能な気体の加圧された流れを生成するように構成されている。圧力生成器42によって生成された呼吸可能な気体の加圧された流れの1つ又はそれ以上のパラメータは、治療の目的で圧力生成器42によって制御されてよい。例えば、圧力生成器42は、呼吸可能な気体の加圧された流れの圧力、流速、構成、及び/又は他のパラメータ1つ又はそれ以上を制御してよい。1つの実施形態において、圧力生成器42は、気体源及びその気体源内の気体から生成される加圧された流れの流れ及び/又は圧力を制御する1つ又はそれ以上の構成要素を含む。その気体源は、例えば、周囲の大気、加圧気体のタンク、壁気体源、及び/又は他の呼吸可能な気体の集まりなどの、呼吸気体の如何なる供給(又は複数の供給源)を含んでもよい。その気体源からの呼吸気体は、空気、酸素、酸素混合物、呼吸気体と薬剤との混合物などの如何なる呼吸可能な気体であってよく、それは、気体の形(例えば、酸化窒素、噴霧化されたなど)及び/又は他の呼吸可能な気体であってよい。その呼吸可能な気体の加圧された流れの1つ又はそれ以上のパラメータは、弁、送風機、ピストン、ベローズ(bellows)、及び/又は呼吸可能な気体の加圧された流れの1つ又はそれ以上の制御する他の機構のうち1つ又はそれ以上を含んでもよい。回路44は、呼吸器具10と圧力生成器42との間に着たい流路を形成する。その回路44によって形成される気体流路は、圧力生成器42によって生成された呼吸可能な気体の加圧された流れをその圧力生成器42から呼吸器具10に運ぶ。図5に示される実施形態において、回路44は、圧力生成器42と呼吸器具10との間に通る導管を含む。その導管は可塑性を持ち、圧力生成器42と呼吸器具10との間の流路を大気から実質的に密封する。以下に考察されるように、呼吸可能な気体の加圧された流れは、比較的低い流速で呼吸器具10に供給される。そのように、回路44の断面積は、比較的小さい。例えば、1つの実施形態において、回路44の断面積は、約1cm2未満である。1つの実施形態において、回路44の断面積は、約1.5cm2未満である。1つの実施形態において、呼吸可能な気体の加圧された流れの低い流速によって、回路44は比較的柔軟である。回路44の比較的小さい断面のサイズ及び/又は回路44の比較的柔軟性があることの一方又は両方は、より大きい流速に頼り、より大きい及び/又はより硬い回路を配送に必要とする圧力サポート・システム(例えば、従来のPAPシステム)に関して、システムの利用性を改善する。例えば、より小さい及び/又はより柔軟な回路44は、被検者にとってより心地が良いかもしれない。もう1つの例として、そのより小さいより柔軟な回路44は、けん引力及び/又は使用中に呼吸器具10に転換されるトルクを低減してもよい。このけん引力及び/又はトルクにおける低減は、呼吸器具10及び/又は呼吸器具10を適所に保つ器具(例えば、ヘッドギア)に関するサイズ及び/又は質量を低減することを可能にし、従って、呼吸器具10に対してより小さい、より侵襲的でない設計を可能にする。
【0056】
図5に示される実施形態において回路44から呼吸可能な気体の加圧された流れを受け取るために、呼吸器具10の本体14は、回路44によって形成される流路が本体14の内部に接続される回路ポート46を形成する。1つの実施形態において、回路弁(非表示)は、回路ポート46において配置される。その回路弁は、本体14の中へ入る呼吸可能な気体の加圧された流れを制御する。いくつかの事例において、その回路弁の抵抗は、本体14の中へ入る呼吸可能な気体の加圧された流れの流速の調整を可能にするように、制御可能なように調整可能である。1つの実施形態において、呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、圧力生成器42の作動を調整することによって制御される。1つの実施形態において、その回路弁は、呼気の間に回路44を流れる気流を制御又は停止するように設計されていてよい。
【0057】
1つの実施形態において、回路44は、回路ポート46から取り外し可能であり、呼吸器具10は、回路ポート46を回路44が外される間に密封するように回路ポート46に取り外し可能なように挿入できるプラグ(非表示)を含む。1つの実施形態において、プラグを受け取るよりもむしろ、回路ポート46内に配置された回路弁は、周囲の大気からの気体が回路ポート46を通して本体14に入るのを防ぐように閉鎖することができる。回路ポート46の周囲の大気からの密封は、呼吸器具10が、回路ポート46にインストールされている回路44の不在において、上記に記載されているように(例えば、図1‐4に関して)機能することを可能にする。例えば、その被検者は、回路44を通して運ばれる呼吸可能な気体の加圧された流れによって供給されるさらなるサポート無しで、呼吸器具10によって供給される気道サポートを受けてもよい。もう1つの例として、被検者が家から離れており、圧力生成器42及び/又は回路44を移動させたくない場合、その被検者は、回路44及び圧力生成器42無しで使用してもよい。
【0058】
1つの実施形態において、呼吸可能な気体の加圧された流れは、圧力生成器42によって比較的一定の流速で生成され、被検者の気道に追加のサポートを供給する。上記に記載されているように、呼吸の間に、その被検者は、本体を通って大気から自由に、吸入ポート20と被検者接触面開口部18との間に形成される流路によって吸入する。呼気の間に、吸入ポート20は、吸入弁26によって閉鎖され、被検者監視開口部18を通って吐き出される気体は、被検者接触面開口部18と呼気ポート22との間の流路によって大気に排出される。呼気ポート22にインストールされた呼気弁28の抵抗によって、その吐き出された気体は、気道サポートを供給する被検者の気道内で圧力を生成する。
【0059】
前述から分かるように、回路44及び圧力生成気42を持たない呼吸器具が、呼気の間に被検者の気道にサポートを供給する間、その気道は、吸入の間は、いまだに比較的サポートされていないままである。さらに、その気道の呼気の間の加圧は、被検者によって吐き出される空気の体積及び/又は被検者の気道のサイズ及び形状によって制限される。そのようにして、圧力生成器42及び回路44無しで呼吸器具10を使用することは、従来のPAPサポート・システムよりも被検者に改善した心地良さを提供する一方、呼吸の間に呼吸器具10のみによって供給されるサポートは、被検者を適切にサポートするには十分ではないかもしれない。
【0060】
呼吸器具10のみの使用は、被検者に気道の適切なサポートを供給しない場合において、呼吸器具10の圧力生成器42及び回路44との使用は、呼吸器具10単体の使用と従来型PAPサポート・システムとの間において、中間の治療オプションを提供する。圧力生成器42及び回路44の組み合わせにおいて、呼吸器具10は、被検者の気道にある程度のサポートを供給する一方、その被検者が大気から吸入し、大気へと吐き出すことを可能にするように、上記に記載されたように機能する。その呼吸器具10へ回路44を通して運ばれる呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、吸入の間に許容可能な最小程度で気道圧力を維持するのに十分に大きいだけである。加圧された流れは、呼吸器具10によって被検者の気道へ運ばれる呼吸可能な気体の主な源でも、気道サポートの主な源(従来のPAPシステムの場合のように)でもなく、その呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、比較的低い。例えば、1つの実施形態において、その呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、約100LPM未満に残る。1つの実施形態において、その呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、約75LPMの下に留まる。1つの実施形態において、その呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、約50LPMの下に留まる。1つの実施形態において、その呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、約40LPMの下に留まる。その比較的低い加圧された流れの流速は、より高い流速を必要とするシステム(例えば、従来のPAPシステム)に関して、被検者に対して改善された有用性(例えば、心地良さ)を提供してよい。
【0061】
1つの実施形態において、呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、使用中に一貫して提供される、比較的静的なパラメータである。その被検者に対する流速は、その被検者に対して特別に決定してよい。例えば、1つの実施形態において、睡眠の調査の間に、1つ又はそれ以上の介護者が、その被検者に対して適切な流速を決定してよい。1つの実施形態において、その被検者に対する適切な流速は、その被検者の気道内における圧力を監視することによって決定される。その被検者に対する適切な流速は、その被検者の気道内の呼気と吸入との間の推移の圧力が通常、最小推移気道圧力を下回らないことを保証する流速である。その最小推移気道圧力は、例えば、約4cmH2Oである。
【0062】
1つの実施形態において、回路44からの呼吸可能な気体の加圧された流れの流速及び/又は圧力は、時間と共にゆっくりと増加(incremented)される。回路44からの呼吸可能な気体の流速及び/又は圧力の増加圧力は、睡眠中の効果的な療法に必要とされるレベルよりも被検者に対して心地の良い初期のレベルから増加させてもよい。時間とともに、その流速及び/又は圧力のレベルは、効果的な療法を提供するレベルに増加させられる。このアプローチは、呼吸可能な気体の圧力及び/又は流速が増加させられると、被検者が療法を受けることに対して呼吸器具10によってゆっくりと順応することを可能にする。いくつかの場合において、その被検者は、圧力及び/又は流速の増加したレベルが達成される前に、眠りに落ちさえするかもしれない。この実施形態において、その被検者に、流速及び/又は圧力を初期の減少したレベルに「リセット」するために、制御部が供給されてもよい。例えば、その被検者が夜に目覚めた場合、このリセットは、その被検者が、眠りに戻ろうとする間に、呼吸可能な気体の圧力及び/又は流速のレベルを減少させることを可能にする。
【0063】
他の実施形態において、回路44からの呼吸可能な気体の圧力及び/又は流速は、その他の場合、供給された気道サポートの心地良さ及び/又は有効性を改善するように変えられる。例えば、その圧力及び/又は流速は、吸入の間の第1レベルと呼気の間の第2レベルとの間の2層レベルに従って変えてもよい。もう1つの例として、その圧力及び/又は流速は、上記で説明された単純な実装よりも洗練されたつり上げモードに従って増加させてもよい。
【0064】
1つの実施形態において、呼吸可能な気体の流れの様々なパラメータは、単純な気道サポートよりも治療の利益を提供するために制御されてもよい。例えば、呼吸可能な気体の流れの構成は、制御(例えば、被検者に補充酸素を供給するために)してもよく、その呼吸可能な気体の圧力及び/又は流速は、被検者の呼吸パターンに同調するように制御(例えば、呼吸率を低減し、呼吸体積を増加させるなど)してもよく、及び/又はパラメータは他の治療の目的で制御してもよい。
【0065】
図6は、本開示の1つの実施形態によるシステムのブロック図である。図6に示される概略図において、呼吸器具10、圧力生成器42、及び回路44に加えて、上記で考察されたように、システム40は、センサー48、ユーザー・インターフェース49及びプロセッサ50のうち1つ又はそれ以上を含む。図6に示される実施形態において、回路弁52は、回路44から本体14へ入る呼吸可能な気体の加圧された流れの流速を制御するように、回路ポート46内に配置されている。当然のことながら、1つの実施形態(非表示)において、呼吸可能な気体の加圧された流れの流速は、以下考察される回路弁52によって供給される流速制御よりもむしろ又はそれに加えて、圧力生成器42を通して調節してもよい。
【0066】
センサー48は、呼吸器具10がインストールされる(例えば、図1に示され、上記に記載されているような)被検者の気道の安定性に関する情報を伝達する1つ又はそれ以上の出力信号を生成するように構成されている。1つの実施形態において、センサー48は、本体10において実行される。1つの実施形態において、センサー48は、回路44によって実行される。非限定的な例では、センサー48は、被検者の気道において又はその近くの(例えば、本体14内の)気体の1つ又はそれ以上のパラメータを監視してよい。その1つ又はそれ以上のパラメータは、流れ、圧力及び/又は他のパラメータのうち1つ又はそれ以上を含んでよい。1つの実施形態において、センサー48は、振動を電気出力信号に変換するトランスデューサを含む。そのトランスデューサによって生成される出力信号は、被検者の気道の不安定(例えば、「いびき」)によって生成される音波における振動、気道不安定性によって生じる被検者の気道の周りに組織の振動、及び/又は気道不安定性を示す他の振動を変換してよい。
【0067】
ユーザー・インターフェース49は、システム40とユーザー(例えば、被検者、介護者、睡眠仲間など)との間において、そのユーザーがシステム40に情報を供給し、システム40から情報を受け取るインターフェースを提供するように構成されている。ユーザー・インターフェース49は、ユーザー・インターフェース31(図4に示され、上記に記載された)と実質的に同じ方法で機能してよい。1つの実施形態において、ユーザー・インターフェース49は、2つ以上の実際のインターフェースを含む。1つの実施形態において、ユーザー・インターフェース49は、圧力生成器42及び/又は器具10に付属しているインターフェースを含む。
【0068】
プロセッサ50は、システム40において情報処理機能を提供するように構成されている。そのようにして、プロセッサ50は、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は電子的に情報を処理する他の機構のうち1つ又はそれ以上を含んでもよい。プロセッサ50は、図6において単一の構成要素として示されているが、これは、説明のみが目的である。いくつかの実装において、プロセッサ50は、複数の処理ユニットを含んでもよい。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に位置してよく、あるいは、プロセッサ50は、協働して作動する複数の装置の処理機能を表わしても良い。1つの実施形態において、プロセッサ50は、本体14によって実行される。1つの実施形態において、プロセッサ50は、回路44及び/又は圧力生成器42によって一向される。
【0069】
図6に示されるように、1つの実施形態において、プロセッサ50は、安定モジュール54、制御モジュール56、設定モジュール58、被検者監視モジュール59、及び/又は他のモジュールを含む。モジュール54、56、58、及び/又は59は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせ;及び/又は他の実装などにおいて導入されてよい。当然のことながら、モジュール54、56、58、及び59は、図6において単一の処理ユニット内に共同で位置していると描かれているが、プロセッサ50が複数の処理ユニットを含む実装において、モジュール54、56、58、及び/又は59は、他のモジュールから離れて位置してもよい。さらに、以下に説明の目的で記載されている異なるモジュール54、56、58、及び/又は59によって供給される機能の記載は説明が目的であり、モジュール54、56、58、及び/又は59のいずれかが記載されているのとほぼ同じ機能を供給してもよいことから、限定的であることを目的としていない。例えば、モジュール54、56、58、及び/又は59の1つ又はそれ以上は、廃止されてもよく、その機能のいくつか又は全ては、モジュール54、56、58、及び/又は59の他のモジュールによって供給されてもよい。もう1つの例として、プロセッサ50は、以下のモジュール54、56、58、及び/又は59の機能のいくつか又は全てによる機能を実施してよい1つ又はそれ以上の追加のモジュールを含んでよい。
【0070】
安定モジュール54は、被検者の気道の安定性を決定するように構成されている。その被検者の気道の安定性は、センサー48によって生成される出力信号に基づいて決定される。1つの実施形態において、安定モジュール54による被検者の気道の安定性の決定は、その被検者の気道における所定のしきい値よりも上の不安定事象の識別を含む。1つの実施形態において、安定モジュール54によるその被検者の気道の安定性の決定は、その被検者の気道の安定性の測定を含む。
【0071】
図6に示されるシステム40の実施形態において、制御モジュール56は、回路弁52の回路44から本体14の中へ入る加圧された気体の流れに対する抵抗を制御するように構成されている。回路弁52のこの抵抗を制御することによって、制御モジュール56は、回路44から本体14の中へと入る呼吸可能な気体の加圧された流れの流速を制御する。1つの実施形態において、制御モジュール56は、安定モジュール54による気道安定性の決定に基づいて回路弁52の抵抗を制御する。例えば、安定モジュール54が、被検者の気道が開いており安定していると決定した場合、回路弁52の回路44から本体14へと流れる加圧された流れに対する抵抗は、制御モジュール56によって比較的大きいように制御され、それによって回路44から本体までの加圧された流れを低減又は停止する。一方、安定モジュール54が被検者の気道が不安定になっていると決定した場合、回路弁52の抵抗は、加圧された流れが回路44から本体14を通って被検者の気道へと流れることを可能にし、それによって、その被検者の気道内の圧力を、その被検者の気道が吸入の間に安定化するように増加させる。回路弁52のこの制御は、被検者に対してシステム40の心地良さを、特に、その被検者の気道が安定している時に改善する。弁52は、加圧された気体回路内の如何なる場所にも配置することができ、それは圧力源内を含む。他の構成は、弁52が大気に対するシャント(shunt)である構成を含む。似た効果が弁52無しで、例えば、送風機の速度を制御して得られる。当業者に明らかであるべきである、多数の可能な圧力制御構成が存在する。
【0072】
1つの実施形態において、制御モジュール56は、回路弁52の抵抗を徐々に増加及び/又は減少させる。これらの徐々に起こる増加及び/又は減少は、安定モジュール54によって決定されるような、被検者の気道の安定性における徐々に起こる増加及び/又は減少に応答してもよい。1つの実施形態において、制御モジュール56は、気体が回路14から本体14の中へと所定の流速で流れることが可能である解放位置及び回路44からの気流が停止されるか著しく減速される閉鎖位置に対応する2つの抵抗の間で、回路弁52の抵抗を調整する。1つの実施形態において、被検者の気道の不安定化に応答して、安定モジュール54によって識別されるように、制御モジュール56は、回路弁52の抵抗を徐々に減らし始め、それによって、回路44から被検者の気道への気流を、その気道が安定化するまで徐々に増加させる。1つの実施形態において、その回路弁52の抵抗が減らされ、被検者の気道が安定化している場合、制御モジュールは、回路弁52の抵抗を徐々に増加させ、それによって、回路44から被検者の気道への気流を、その気流が停止又はかなり減速されるまで、又は他の不安定化が安定モジュール54によって識別されるまで、徐々に減らす。
【0073】
1つの実施形態において、回路弁52の抵抗を制御することに加えた、制御モジュール56は、安定モジュール54による被検者の気道の安定性の決定に基づいて、呼気弁28の調整可能な抵抗を制御する。例えば、制御モジュール56は、図4に関して上記に記載された方法で、呼気弁28の抵抗を制御してもよい。図6に示される実施形態において、制御モジュール56は、呼気弁28及び回路弁52の制御を統合し、システム40によって被検者に供給される療法の1つ又はそれ以上の態様を改善してもよい。非限定的な例によって、制御モジュール56は、安定モジュール54が気道の不安定性を識別する場合に被検者の気道をサポートするために、呼気弁28の抵抗を増やし、回路弁52の抵抗を付随して減らしてもよい。もう1つの例として、制御モジュール56は、被検者の気道における圧力が、弁の1つの抵抗を調整し(例えば、呼気弁28の抵抗を増やし)、次に他の弁の抵抗を調整することによって(例えば、回路弁52の抵抗を減らし)最初に増やされる段階的制御スキームを、被検者の気道が安定化するまで実施してもよい。
【0074】
設定モジュール58は、被検者が、制御モジュール56が気道の安定性における減少に応答する方法を、少なくともいくらか構成することを可能にする。例えば、設定モジュール58は、その被検者が、気道不安定性、検出される気道の不安定性に反応して、吐き出される気体への呼気弁28の抵抗加えられる増加の量、検出される気道の不安定性に反応し、回路弁42の抵抗に適用される減少の量に対する制御モジュール56の感度を設定することを可能にし、及び/又は制御モジュール56によって制御されるシステム40の他のパラメータ(例えば、圧力生成器42のパラメータなど)を構成することを可能にする。1つの実施形態において、設定モジュール58は、ユーザー・インターフェースを通して、被検者にアクセス可能である。そのユーザー・インターフェースは、本体14において実行されるか、あるいは、被検者が、設定モジュール58の構成に対して、システム40を他の処理構成要素(例えば、コンピュータ、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタントなど)に接続する通信ポートを含んでもよい。
【0075】
被検者監視モジュール59は、OSAの状態又は被検者が苦しむ他の状況を監視し、ユーザーにユーザー・インターフェース49を通してこの監視の結果を供給するように構成されている。1つの実施形態において、得られた及び/又は被検者監視モジュール39によって生成された情報は、制御モジュール56が圧力生成器42及び/又は回路弁52を、気体を呼吸器具10に配送することにおいて制御する方法を決定するために、制御モジュール56によって実行される。
【0076】
1つの実施形態において、プロセッサ50は、システム40の外部の1つ又はそれ以上の療法システムとつながる1つ又はそれ以上のモジュールを含む。これらのモジュールは、プロセッサ50によって制御される療法の態様が、1つ又はそれ以上の外部のシステムによって被検者に供給される療法に統合されることを保証するように機能してよい。例えば、システム40によって供給される療法は、不眠症療法、疼痛管理療法、診断装置及び/又はシステム、光療法、薬物の投与、及び/又は他の療法、及び/又はシステム40によって供給される気道サポート及び/又は圧力によって拡大又は妨げられる治療法のうち1つ又はそれ以上に統合されてもよい。
【0077】
図7は、本体14が被検者12の鼻孔を包み込み、回路44から本体14に運ばれる呼吸可能な気体の加圧された流れが鼻孔の1つのみ(又は実質的にそれのみ)によって供給されるシステム40の実施形態の概略図である。いくつかの事象において、呼吸可能な気体の加圧された流れを鼻孔の1つに供給することのみに加えて、呼吸器具10は、鼻孔の1つと周囲の大気との間の気流が、他の鼻孔と周囲の大気との間の気流とは異なる抵抗を持つように、構成されてもよい。
【0078】
さらに詳しくは、本体14は、回路ポート52から被検者接触面開口部18の1つまでの単一の流路を形成するように構成されている。この単一の流路を形成するために、本体14は、回路ポート52から被検者接触面開口部18の1つまでの加圧された流れを、その加圧された流れの他の被検者接触面開口部へのアクセスをブロックする間に、ガイドする気流に対する1つ又はそれ以上の内部壁60を含んでもよい。内部壁60は、図7において単一の通り抜け出来ない壁として描かれているが、これは、限定することを目的としていない。1つの実施形態において、複数の壁部材は、本文献における内部壁60による機能を実施する。1つの実施形態において、内部壁60は、流路間での気流を密封せず、代わりに、それあの流路間でのアクセスを制限する。1つの実施形態において、内部壁60は、気体が本体14内で形成される流路間において一方向において流れることを可能にする一方向弁を含む。
【0079】
一般的に、被検者12は、回路44から被検者12の気道の中へと入る呼吸可能な気体の加圧された流れの供給はひどく目立つことを見つけるかもしれない。その呼吸可能な気体の回路44から被検者12の鼻孔の1つの中への加圧された流れを方向付けることによって、その流れの目立ちは、被検者12の気道を加圧する利益をいまだに与える一方、減らされてよい。例えば、回路44から被検者12の鼻孔の1つへと入る気流を供給することのみによって、被検者12が感じる鼻の経路における回路44からの気流による冷たさ及び/又は乾燥は、他方の鼻孔を通して吸入及び/又は呼気が温かさ及び/又は湿気を両方の鼻の経路に供給することから、減少する。もう1つの例として、その回路44から被検者12の鼻孔の1つだけ入る気流の方向は、気流に向かって呼吸することに付随する可聴雑音を低減してもよい。
【0080】
図7に見られるように、1つの実施形態において、内部壁60は、被検者接触面開口部18と周囲の大気との間で、気体をつなぐ流路を、本体14内に形成される第1サブセットの流路が、周囲の大気と被検者接触面開口部18の1つとの間で気体をつなぎ、本体14内に形成される第2サブセットの流路が、周囲の大気と被検者接触面開口部18の他方との間で気体をつなぐように、分離する。内部壁60によって生成される分離は、第1サブセットの流路を第2サブセットの流路から効果的に密封する。
【0081】
上記に記載されたように、回路44は、回路ポート46から取り外し可能であり、回路ポート46は、閉鎖することができる(例えば、回路弁52、ストッパーなどによって)。回路44がはずされ、回路ポート46が閉じられると、呼吸器具10は、第1サブセットの流路及び第2サブセットの流路の本体14内における被検者12の鼻孔から周囲の大気への気流に対する抵抗のおかげで、被検者12の気道に呼気の間にサポートを供給する。
【0082】
1つの実施形態において、第1サブセットの流路は、被検者接触面開口部18から大気まで及び大気から被検者接触面開口部18までの気流に対して、第2サブセットの流路と同じ累積抵抗を有する。1つの実施形態において、その第1サブセットの流路は、被検者接触面開口部18から大気及び/又は大気から被検者接触面開口部18までの気流のための第2サブセットの流路とは異なる累積抵抗を有する。
【0083】
例えば、1つの構成において、第2サブセットの流路(すなわち、回路44からの気流を受け取らない流路)に対応する吸入ポート20は、完全にブロックされる。この構成において、第2サブセットの流路とつながっている鼻孔は、本体14から対応する呼気ポート22を通して気体を吐き出すが、吸入の間には気体を受け取らない。結果として、被検者12は、第1サブセットの流路から気体を受け取る鼻孔のみを通して吸入するように強いられ、それはその第1サブセットの流路に供給される呼吸可能な気体の加圧された流れによって供給される気道のサポートを改善する。
【0084】
1つの構成において、第2サブセットの流路に対応する呼気ポート22は、完全にブロックされる。この構成において、第2サブセットの流路につながっている鼻孔は、対応する吸入ポート20を通して大気から気体を吸入する。しかし、呼気の間に、回路44から気流を受け取る鼻孔のみが、気体を、本体14を通して対応する呼気弁によって大気に吐き出す。
【0085】
鼻の左及び右側に個別に適用される抵抗のアクティブな個々の制御は、鼻サイクルを考慮するときに有利である。例えば、非常に低い呼気の抵抗が、高い内因性の鼻の抵抗によって流れを既に制限している側に設定することができる。反対側は、呼気の間により高い弁抵抗を有し得る。鼻の抵抗を推定し追跡するアルゴリズムが、この方法で患者に対する心地良さを最大にするように使用することができる。
【0086】
図8は、被検者が呼吸をするとき、その被検者の気道をサポートする方法62を示す。以下に表わされる方法62の操作は、例示的であることを目的としている。いくつかの実施形態において、方法62は、記載されていない1つ又はそれ以上の追加の操作、及び/又は考察された1つ又はそれ以上の操作無しで成し遂げてもよい。さらに、その方法62の操作が図8において示され、以下に記載される順序は、限定することを目的としていない。方法62の操作は、呼吸器具10(図1‐7に示され、上記に記載されている)と同一又はそれと類似の呼吸器具の構成要素を参照して以下に記載されているが、これは、限定することを目的としていない。方法62は、本開示の範囲から離れずに、様々な他の状況において実施されてもよい。
【0087】
操作64において、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口が包み込まれている。その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、その気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間の複数の流路を形成する本体で包み込まれてよい。その複数の流路は、全部ではなくても、1つ又はそれ以上の複数の流路で生成された第1サブセットの流路を含む。1つの実施形態において、その本体は、本体14(図1‐7に示され、上記に記載されている)と同一であるか又はそれに似ている。
【0088】
操作66において、被検者の吸入の間に、周囲の大気から本体を通って気道の1つ又はそれ以上の外口へと流れる気流のための複数の流路内の気流に対する第1累積抵抗が供給される。その第1累積抵抗は、周囲の大気から、気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに吸入されるのに十分に低い。1つの実施形態において、操作66が、少なくとも部分的に、吸入弁26(図1‐7に示され、上記に記載されている)と同一又はそれに類似の1つ又はそれ以上の吸入弁によって実施される。
【0089】
操作68において、被検者の呼気の間に、気道の1つ又はそれ以上の外口から本体を通って周囲の大気へと流れる気流のための複数の流路内の気流に対する第2累積抵抗が、供給される。その気流に対する第2累積抵抗は、第1サブセットの流路を通る気流を制限し、本体によって形成される複数の流路における他の流路を通る気流を制限せずに供給される。その第2累積抵抗は、本体を通して吐き出される気体が、被検者の気道内の圧力を上昇させ、それによってその上昇した圧力が被検者の気道をサポートするように、十分に高い。1つの実施形態において、操作68が、少なくとも部分的に吸入弁によって実施される。複数の流路における他の流路は、呼気弁28(図1‐7に示され、上記に記載されている)と同一又は類似の1つ又はそれ以上の呼気弁を含んでもよい。
【0090】
操作70では、第2累積抵抗が調整される。1つの実施形態において、その第2累積抵抗は、1つ又はそれ以上の呼気弁の制御を操作することによって及び/又はその1つ又はそれ以上の呼気弁を異なる抵抗の弁と置き換えることによって調整される。
【0091】
図9は、被検者が呼吸をするとき、その被検者の気道をサポートする方法72を示す。以下に表わされる方法72の操作は、説明を目的としている。いくつかの実施形態において、方法72は、記載されていない1つ又はそれ以上の追加の操作で成し遂げられ、及び/又は考察された1つ又はそれ以上の操作無しで成し遂げられる。さらに、方法72の操作が図9に示され、以下に記載される順番は、限定することを目的としていない。方法72の操作は、以下において、システム40(図5‐7及び上記に記載された)と同一又は類似のシステムの構成要素を参照して記載されているが、これは、限定することを目的としていない。方法72は、本開示の範囲から離れずに、様々な他の状況において実施されてもよい。
【0092】
操作74では、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口が包み込まれている。その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、その気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間において複数の流路を形成する本体で包み込まれてよい。その複数の流路は、その複数の流路の全てではなくても1つ又はそれ以上で構成される第1サブセットの流路を含む。1つの実施形態において、その本体は、本体14(図5‐7に示され、上記に記載される)と同一であるか又は似ている。
【0093】
操作76において、呼吸可能な気体の加圧された流れの源は、被検者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口とつながっている。1つの実施形態において、その呼吸可能な気体の加圧された流れの源は、圧力生成器42(図5‐7に示され、上記に記載された)と同一又は類似の圧力生成器である。1つの実施形態において、操作76は、回路44及び回路ポート46(図5‐7に示され、上記に記載された)と同一又は類似の回路及び回路ポートによって実施される。
【0094】
操作78において、被検者の吸入の間に、周囲の大気から本体を通って気道の1つ又はそれ以上の外口に流れる気流のための複数の流路内の気流に対する第1累積抵抗が供給される。その第1累積抵抗は、周囲の大気から気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに吸入されるのに十分に小さい。1つの実施形態において、操作78は、少なくとも部分的に、吸入弁28(図1‐7に示され、上記に記載された)と同一又は類似の1つ又はそれ以上の吸入弁によって実施される。
【0095】
操作80において、被検者の呼気の間に、気道の1つ又はそれ以上の外口から本体を通って周囲の大気へと流れる気流のための複数の流路内の気流に対する第2累積抵抗が供給される。その気流に対する第2累積抵抗は、第1サブセットの流路を通る気流を制限し、その本体によって形成される複数の流路における他の流路を通る気流を制限せずに供給される。その第2累積抵抗は、本体を通って吐き出される気体が、被検者の気道内の圧力を上昇させ、そうすることによって、その上昇した圧力がその被検者の気道をサポートするように、十分に高い。1つの実施形態において、操作80は、少なくとも部分的に吸入弁によって実施される。その複数の流路における他の流路は、呼気弁28(図1‐7に示され、上記に記載された)と同一又は類似の1つ又はそれ以上の呼気弁を含んでもよい。
【0096】
操作82において、呼吸可能な気体の加圧された流れが生成される。1つの実施形態において、操作82は、圧力生成器によって実施される。
【0097】
操作84において、呼吸可能な気体の加圧された流れは、被検者の気道の1つ又はそれ以上の包み込まれた外口に運ばれる。その呼吸可能な気体の加圧された流れの被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口への配送は、圧力生成器からの呼吸可能な気体の流れを搬送するステップ、搬送された呼吸可能な気体の流れを受け取るステップ、及びその呼吸可能な気体の流れを被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口に方向付けるステップを含む。1つの実施形態において、操作84は、回路44及び呼吸器具10(図5‐7に示され、上記に記載された)と同一又は類似の回路及び呼吸器具によって実施される。
【0098】
1つの実施形態において、被検者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口は、その被検者の鼻孔を含む。この実施形態において、操作84は、呼吸可能な気体の加圧された流れをその回路からその被験者の鼻孔のうち1つに方向付け、その間に、その呼吸可能な気体の加圧された流れを被検者の他方の鼻孔に達することから密封するステップを含んでよい。操作84のこの部分は、内部壁60(図7に示され、上記に記載された)と同一又は類似の呼吸器具内の内部壁によって実施されてよい。
【0099】
図10は、被検者が呼吸するとき、その被検者の気道をサポートする方法86を示す。以下に表わされる方法86の操作は、説明を目的としている。いくつかの実施形態において、方法86は、記載されていない1つ又はそれ以上の追加の操作で成し遂げられてもよく、及び/又は考察された1つ又はそれ以上の操作無しで成し遂げられてもよい。さらに、方法86が図10に示され、以下に委細される順番は、限定することを目的としていない。方法86の操作は、以下において、システム40(図5及び6に示され、上記に記載された)と同一又は類似のシステムの構成要素を参照して記載されるが、これは、限定することを目的としていない。方法86は、本開示の範囲から離脱せずに様々な他の状況において実施されてもよい。
【0100】
操作88において、被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口が包み込まれている。その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間において複数の流路を形成する本体で包み込まれてもよい。その複数の流路は、その複数の流路の全てではなくても1つ又はそれ以上で構成された第1サブセットの流路を含む。1つの実施形態において、その本体は、本体14(図4及び6に示され、上記に記載された)と同一又は類似の本体である。
【0101】
操作90において、周囲の大気における気体は、被検者が、包み込まれた1つ又はそれ以上の外口を通して自由に吸入できるように、比較的小さな抵抗でその包み込まれた1つ又はそれ以上の外口に達することが可能になる。1つの実施形態において、操作90は、吸入弁26(図4及び6に示され、上記に記載された)と同一又は類似の1つ又はそれ以上に吸入弁によって実施される。
【0102】
操作92において、1つ又はそれ以上の出力信号が制し得され、被検者の気道の安定性に関する情報を搬送する。1つの実施形態において、操作92は、センサー30(図4及び6に示され、上記に記載された)と同一又は類似の1つ又はそれ以上のセンサーによって実施される。
【0103】
操作94において、被検者の気道をサポートする療法の1つ又はそれ以上のパラメータは、操作92で生成された出力信号に基づいて調整される。その1つ又はそれ以上のパラメータは、例えば、気体が被験者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口から主意の大気へとつながる1つ又はそれ以上の流路の気流に対する抵抗を含んでもよい。その1つ又はそれ以上のパラメータは、非限定的な例によって、その被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口に供給される加圧された流れのパラメータ(例えば、流速、圧力など)を含んでもよい。1つの実施形態において、操作94は、呼気弁28(図4及び6に示され、上記に記載された)と同一又は類似の1つ又はそれ以上の呼気弁を制御するプロセッサ32又はプロセッサ50(図4及び6に示され、上記に記載された)と同一又は類似のプロセッサ、回路弁52(図6に示され、上記に記載された)と同一又は類似の1つ又はそれ以上の回路弁、及び/又は圧力生成器42(図6に示され、上記に記載された)と同一又は類似の圧力生成器によって実施される。
【0104】
上記に記載されたシステム及び方法は、気道サポートが目的で、被検者の気道内の上昇した圧力を供給するとして説明されてきている。これは、限定しているとして見なすべきではない。当業者は、本文献において記載されるシステム及び方法は、また、他の治療の目的で気道内の圧力を上昇させるために実施されてもよい。例えば、被検者の気道内の圧力を、吸入と呼気との間の抵抗差によって制御するステップが、呼吸機能を最大にし、呼吸において増加した肺胞の量を頼りにし、肺の内部における流体の蓄積を低減又は遅延させ、及び/又は他の治療の利益を提供することによって、急性肺水腫を検出及び/又は治療するために実施されてもよい。
【0105】
本発明は、この時点で最も実用的であり望まれる実施形態と現在見なされているものに基づいて、説明の目的で詳しく記載されているが、当然のことながら、そのような詳細は、それだけが目的であり、本発明は、開示された実施形態に限定されないが、対照的に、添付の請求項の要旨及び範囲内の改良形及び均等の配置を含むことを目的とする。例えば、当然のことながら、いずれかの実施形態の1つ又はそれ以上の特徴が、他のいずれかの実施形態の1つ又はそれ以上の特徴と組み合わせることが出来ることが、本発明は可能な程度まで検討する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者が呼吸をするときに該被検者の気道をサポートするように構成された呼吸器具であり:
被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込むように構成された本体であり、該本体は、該被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間において複数の流路を形成し、該複数の流路は、該複数の流路の全てではなくても1つ又はそれ以上で構成された第1サブセットの流路を含む、本体;
該第1サブセットの流路において配置された1つ又はそれ以上の吸入弁のセットであり、該1つ又はそれ以上の吸入弁は、気体が周囲の大気から前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと前記第1サブセットの流路内を比較的自由に流れることを可能にし、前記1つ又はそれ以上の吸入弁は、前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと前記第1サブセットの流路内を流れる気体流にかなり抵抗する又は該気体流を密封する、1つ又はそれ以上の吸入弁のセット;
を含み、前記本体によって周囲の大気から前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口へと通る気体のために形成される前記複数の流路内の気体流に対する累積抵抗は、前記被検者が前記本体を通して自由に吸入できるように十分に低く、前記本体によって、前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気体のために形成される前記複数の流路内を気流に対する累積抵抗は、前記被検者による前記本体を通した呼気が、呼気の間に前記気道をサポートする圧力を生成するように十分に高い、呼吸器具。
【請求項2】
請求項1に記載の呼吸器具であり、前記本体によて形成された第2サブセットの流路において配置された1つ又はそれ以上の呼気弁のセットをさらに含み、該1つ又はそれ以上の呼気弁は、気体流が前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から該第2サブセットの流路を通って周囲の大気へと流れることを可能にするように構成され、該第2サブセットの流路は、前記本体によって形成される複数の流路のうち前記第1サブセットの流路において含まれていない1つ又はそれ以上で構成されている、呼吸器具。
【請求項3】
請求項2に記載の呼吸器具であり、前記本体によって包み込まれる前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、第1外口及び第2外口を含み、前記第2サブセットの流路のうち少なくとも1つは、前記第2外口とつながるが、前記第1外口とはつながらず、第1サブセットの前記1つ又はそれ以上の呼気弁がそこに配置され、前記第1サブセットの前記1つ又はそれ以上の呼気弁の累積抵抗は、前記第2サブセットの前記1つ又はそれ以上の呼気弁の累積抵抗とは異なる、呼吸器具。
【請求項4】
前記本体によって形成された複数の流路の各々は、前記第1サブセットの流路又は前kに第2サブセットの流路において含まれている、請求項2に記載の呼吸器具。
【請求項5】
請求項2に記載の呼吸器具であり、前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から前記第2サブセットの流路を通って周囲の大気へと流れる気体流に対する前記1つ又はそれ以上の呼気弁の抵抗は、前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと通る気体のために前記本体によって形成された複数の流路内の気体流に対する累積抵抗を調整するように設定可能である、呼吸器具。
【請求項6】
請求項5に記載の呼吸器具であり、前記1つ又はそれ以上の呼気弁は、前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと流れる気体流に対する前記1つ又はそれ以上の呼気弁の抵抗は、選択可能なように異なる呼気弁を前記第2サブセットの流路に挿入することによって成し遂げられるように構成されている、呼吸器具。
【請求項7】
前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、該被検者の鼻孔を含む、請求項1に記載の呼吸器具。
【請求項8】
前記本体は、前記被検者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口の外側を取り囲む膜を含む、請求項1に記載の呼吸器具。
【請求項9】
請求項1に記載の呼吸器具であり、前記本体によって形成される複数の流路のうち少なくとも1つは、周囲の大気から前記1つ又はそれ以上の外口へと流れる気体及び前記1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと流れる気体に対して実質的に等しい気体流に対する抵抗を有する、呼吸器具。
【請求項10】
被検者が呼吸をするとき、該被検者の気道をサポートする方法であり:
被験者の気道の1つ又はそれ以上の外口を、該被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間において複数の流路を形成する本体で包み込むステップであり、該複数の流路は、該複数の流路の全てではなくても1つ又はそれ以上で構成された第1サブセットの流路を含む、ステップ;
吸入の間に、前記本体を通って周囲の大気から前記気道の1つ又はそれ以上の外口へと流れる気体流のための前記複数の流路内の気体流に対する第1累積抵抗を供給するステプであり、該第1累積抵抗は、気体が周囲の大気から前記気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに吸入されるのに十分に低い、ステップ;及び
呼気の間に、第1サブセットの流路を通る気体流を、前記本体によって形成される複数の流路における他の流路を通る気体流を実質的に制限せずに制限することによって前記本体を通って前記1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと前記複数の流路内を流れる気体流に対する第2累積抵抗を、供給するステップであり、該第2累積抵抗は、前記本体を通して吐き出される気体が、前記被検者の気道内の圧力を上昇させ、そうすることによって、上昇した圧力が、該被検者の気道をサポートする、ステップ;
を含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であり、前記本体を通って前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと流れる気体流のための複数の流路内の気体流に対する前記第2累積抵抗は、少なくとも部分的に、該本体を通って前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと第2サブセットの流路内を流れる気体流に対する抵抗の関数であり、該第2サブセットの流路は、前記本体によって形成される複数の流路のうち前記第1サブセットの流路において含まれない1つ又はそれ以上で構成される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であり、前記被検者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口は、第1外口及び第2外口を含み、該第1外口から前記第2サブセットの流路を通って周囲の大気へと流れる気体流に対する抵抗は、前記第2外口から該第2サブセットの流路を通って周囲の大気へと流れる気体流に対する抵抗とは異なる、方法。
【請求項13】
前記本体によって形成される複数の流路の各々は、前記第1サブセットの流路又は前記第2サブセットの流路のうちいずれか一方に含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2累積抵抗を調整するために、前記本体を通って前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと前記第2サブセットの流路内を流れる気体流に対する抵抗を設定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であり、前記本体を通って前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと前記第2サブセットの流路内を流れる気体流に対する抵抗を設定するステップは、異なる呼気弁を前記第2サブセットの流路の中へと選択可能なように挿入するステップを含む、方法。
【請求項16】
前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、該被検者の鼻孔を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記本体は、前記被検者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口の外側を取り囲む膜を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
被検者が呼吸するとき、該被検者の気道をサポートするように構成されたシステムであり:
前記気道の1つ又はそれ以上の外口と周囲の大気との間において複数の流路を形成する被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込む手段であり、前記複数の流路は、該複数の流路の全てではなくても1つ又はそれ以上で構成された第1サブセットの流路を含む、手段;
吸入の間に、周囲の大気から前記気道の1つ又はそれ以上の外口へと流れる気体流のための複数の流路内の気体流に対する第1累積抵抗を供給する手段であり、該第1累積抵抗は、気体が、周囲の大気から前記気道の1つ又はそれ以上の外口の中へと実質的に妨害されずに吸入されるように、十分に低い、手段;及び
呼気の間に、第1サブセットの流路を通る気体流を、前記包み込む手段によって形成される複数の流路における他の流路を通る気体流を実質的に制限せずに制限することによって、前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へ流れる気体流のための複数の流路内の気体流に対する第2累積抵抗を供給する手段であり、該第2累積抵抗は、前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口から吐き出される気体が、該被検者の気道内の圧力を上昇させ、それによって上昇した圧力が該被検者の気道をサポートする、手段;
を含む、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであり、前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと流れる気流のための複数の流路内の気流に対する前記第2累積抵抗は、少なくとも部分的に、前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと第2サブセットの流路内を流れる気体流の抵抗の関数であり、該第2サブセットの流路は、前記複数の流路のうち前記第1サブセットの流路に含まれない1つ又はそれ以上で構成されている、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであり、前記被検者の気道の包み込まれた1つ又はそれ以上の外口は、第1外口及び第2外口を含み、該第1外口から周囲の大気へと該第2サブセットの流路を通って流れる気体流に対する抵抗は、前記第2外口から周囲の大気へと前記第2サブセットの流路を通って流れる気体流に対する抵抗とは異なる、システム。
【請求項21】
前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口を包み込む手段によって形成された複数の流路の各々は、前記第1サブセットの流路又は前記第2サブセットの流路のいずれか一方に含まれる、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へ前記第2サブセットの流路内を流れる気体流に対する抵抗を、前記第2累積抵抗を調整するために設定する手段をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムであり、前記気道の1つ又はそれ以上の外口から周囲の大気へと前記第2サブセットの流路内を流れる気体流に対する抵抗を設定する手段は、前記第2サブセットの流路において個別の流路の抵抗を選択可能なように調整する手段を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記被検者の気道の1つ又はそれ以上の外口は、該被検者の鼻孔を含む、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−513856(P2012−513856A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544099(P2011−544099)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055610
【国際公開番号】WO2010/076704
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)