説明

被験体評価に用いられるスラリ噴射装置

【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的な被験体評価に用いられるスラリ噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】被験体20に砥粒1と液体2とが混合されたスラリ3を圧搾空気5と共に高速で噴射して、当該被験体20を評価する被験体評価に用いられるスラリ噴射装置であって、前記スラリ3を供給するスラリ供給部4と、前記圧搾空気5を供給する圧搾空気供給部6と、前記圧搾空気5で加速させた前記スラリ3を噴射するノズル部8とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体評価に用いられるスラリ噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特開2001−183279号,特開2006−184188号及び特開2010−237073号に開示されるような、砥粒と液体とが混合されたスラリを圧搾空気と共に高速で噴射して、例えばセラミックス材などの被験体に一定時間衝突させ、この被験体の摩耗体積を測定して該被験体の摩耗強度を評価する被験体評価方法が提案されている。
【0003】
ところで、この被験体評価方法おける被験体表面へのスラリの噴射は、スラリを供給するスラリ供給部と、圧搾空気を供給する圧搾空気供給部と、圧搾空気で加速させたスラリを噴射するノズル部とを有するスラリ噴射装置(以下、従来例)を用いて行なわれるが、この従来例は、スラリの噴射開始時には噴射が安定するまで時間がかかってしまい、また、スラリの噴射終了時には噴射が直ちに停止しないなどの問題があり、実際の評価に際して、このスラリの不安定な噴射等によっても評価が行われる為、評価精度が落ちてしまう。
【0004】
具体的には、従来例は、図5に図示したようにスラリの噴射開始時には削り量の多いオーバーシュート(図5中矢印a部分)が長時間生じ、スラリの噴射終了時には惰性で削る惰性削り(図5中矢印b部分)が生じ、こられのオーバーシュート及び惰性削りが評価精度を低下させる原因となるが、例えば図5のようにスラリを長時間連続的に噴射して評価する場合には、オーバーシュート及び惰性削りが占める割合が少ないため、評価精度にそれ程影響はない。
【0005】
しかし、図6のようにスラリを短時間断続的に噴射して評価する場合には、オーバーシュート及び惰性削りが占める割合が多くなるため、評価精度が著しく低下してしまう。尚、図5及び図6のグラフ中の横軸は時間、縦軸は摩耗量である。
【0006】
また、スラリ噴射量と摩耗深さとから得られる摩耗率をグラフ化(横軸がスラリ噴射量、縦軸が摩耗深さ)した際には、このオーバーシュート及び惰性削りが原因で長時間噴射と短時間噴射とでは一致せず、この点においても短時間噴射で行った場合の評価精度が低いことが明らかとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−183279号公報
【特許文献2】特開2006−184188号公報
【特許文献3】特開2010−237073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願人は、前述したスラリ噴射装置について更なる研究開発を進め、その結果、前述した従来例で生じていたオーバーシュート及び惰性削りを可及的に減らすことができ、例えばスラリを短時間噴射して評価した場合の評価精度を向上することができるなど、従来にない作用効果を発揮する画期的な被験体評価に用いられるスラリ噴射装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
被験体20に砥粒1と液体2とが混合されたスラリ3を圧搾空気5と共に高速で噴射して、当該被験体20を評価する被験体評価に用いられるスラリ噴射装置であって、前記スラリ3を供給するスラリ供給部4と、前記圧搾空気5を供給する圧搾空気供給部6と、前記圧搾空気5で加速させた前記スラリ3を噴射するノズル部8とを有し、前記ノズル部8は、ノズル体9と、このノズル体9を支持し前記スラリ供給部4及び前記圧搾空気供給部6と接続されるノズル支持体12とで構成され、このノズル支持体12には、前記スラリ供給部4から供給される前記スラリ3を前記ノズル体9へ導入するスラリ路13及び前記圧搾空気供給部6から前記圧搾空気5を前記ノズル体9へ導入する圧搾空気路14が設けられ、前記スラリ路13には、前記ノズル体9への前記スラリ3の通過を阻止するスラリバルブ15が設けられ、また、前記圧搾空気路14には、前記ノズル体9への前記圧搾空気5の通過を阻止する圧搾空気バルブ16が設けられ、前記スラリバルブ15は、前記ノズル支持体12内にして前記ノズル体9に可及的に近い位置に設けられ、また、前記圧搾空気バルブ16は、前記ノズル支持体12内にして前記ノズル体9に可及的に近い位置に設けられ、前記スラリ路13にして前記スラリバルブ15の配設位置には、このスラリバルブ15を閉じ状態とした際、前記スラリ3を前記スラリ供給部4に戻すスラリ戻し路17が設けられ、このスラリ戻し路17には径小部18が設けられていることを特徴とする被験体評価に用いられるスラリ噴射装置に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の被験体評価に用いられるスラリ噴射装置において、前記スラリバルブ15は、前記ノズル体9から約20〜100mmの距離の位置に設けられ、また、前記圧搾空気バルブ16は、前記ノズル体9から約20〜100mmの距離の位置に設けられていることを特徴とする被験体評価に用いられるスラリ噴射装置に係るものである。
【0012】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の被験体評価に用いられるスラリ噴射装置において、前記スラリ3を構成する前記砥粒1と前記液体2との体積比を1/1000〜1/200に設定したことを特徴とする被験体評価に用いられるスラリ噴射装置に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したため、前述した従来例で生じていたオーバーシュート及び惰性削りを可及的に減らすことができ、例えばスラリを短時間噴射して評価した場合の評価精度を向上することができるなど、従来にない作用効果を発揮する画期的な被験体評価に用いられるスラリ噴射装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例を示す使用状態説明図である。
【図2】本実施例に係る要部の概略動作説明図である。
【図3】本実施例に係る要部の概略動作説明図である。
【図4】本実施例を用いた被験体評価の結果を示すグラフである。
【図5】従来例を用いた被験体評価の結果を示すグラフである。
【図6】従来例を用いた被験体評価の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0016】
圧搾空気供給部6から供給される圧搾空気5によりスラリ供給部4から供給されるスラリ3は加速されてノズル部8から噴射される。
【0017】
具体的には、スラリ供給部4及び圧搾空気供給部6から供給されるスラリ3及び圧搾空気5は、ノズル支持体12に設けられたスラリ路13及び圧搾空気路14を通過してノズル体9に供給されるが、例えばノズル体9からスラリ3の噴射を開始する際には、スラリ路13及び圧搾空気路14夫々に設けられたスラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を開くことで、スラリ3及び圧搾空気5はこの開放位置からノズル体9まで進み、スラリ3は圧搾空気5に加速されてノズル体9から噴射される。
【0018】
本発明は、前述したようにスラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々をノズル体9に可及的に近い位置に設けており、この構成から、スラリ3を被験体20に噴射して行う被験体評価における評価精度を向上することができる。
【0019】
即ち、前述した従来例の場合、スラリを圧送するスラリポンプに設けられるスラリバルブ及び圧搾空気を圧送する圧搾空気ポンプに設けられる圧搾空気バルブ夫々が、ノズル体から離れた位置に設けられており、噴射開始時においては、このスラリバルブ及び圧搾空気バルブ夫々とノズル体との間(スラリ路及び圧搾空気路)にはスラリ及び圧搾空気が充填されていない部位(空洞部分)がある。よって、スラリバルブ及び圧搾空気バルブを開いた際には、従来例はこの距離の長い空洞部分にスラリ及び圧搾空気が充満するまでの時間が長く、スラリ及び圧搾空気が必要以上に流速が上がり、よって、前述したようにスラリの噴射開始時から噴射が安定するまで時間がかかりオーバーシュートが長時間生じてしまう。
【0020】
一方、噴射終了時においては、スラリバルブ及び圧搾空気バルブを閉じた後も、スラリ及び圧搾空気がノズル体に供給され、このノズル体からスラリが惰性にて噴射されることになり、よって、スラリの噴射終了時には惰性で削る惰性削りが長時間生じてしまう。
【0021】
この点、本発明は、前述した構成から、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を開いた際には、スラリ3と圧搾空気5は直ちにノズル体9に到達して、スラリ3は圧搾空気5に加速されて噴射されることになり、また、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を閉じた際には、スラリ3と圧搾空気5は直ちにノズル体9への供給が停止されることになり、よって、前述した従来例に比し、オーバーシュート及び惰性削りの時間を短縮して不適正な削りを可及的に減らすことができ、よって、例えばスラリ3を短時間噴射して評価した場合の評価精度を向上することができ、ひいては、スラリ3を被験体20に噴射して行う被験体評価における評価精度を向上することができる。
【0022】
また、本発明は、スラリ路13にしてスラリバルブ15の配設位置には、このスラリバルブ15を閉じ状態とした際、スラリ3をスラリ供給部4に戻すスラリ戻し路17が設けられ、従って、スラリ3は常に流れのある循環式となってスラリ濃度が保証され、よって、この点においても評価精度を向上することができる。
【0023】
また、本発明は、スラリ戻し路17には径小部18が設けられているから、スラリ3を循環式としてもスラリ3の圧力も保証され、よって、この点においても評価精度を向上することができる。
【実施例】
【0024】
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、砥粒1と液体2とが混合されたスラリ3を供給するスラリ供給部4と、圧搾空気5を噴射する圧搾空気供給部6と、圧搾空気5で加速させたスラリ3を高速で噴射するノズル部8とを有するものである。
【0026】
尚、本実施例は、ノズル部8から噴射するスラリ3を例えばセラミックス材などの被験体20に一定量衝突させて、この被験体20の摩耗体積を測定して該被験体20の摩耗強度を評価する摩耗評価装置に具備せしめられているが、これに限らず、本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0027】
スラリ供給部4は、図1に図示したようにスラリ貯留容体21と、このスラリ貯留容体21に一端部が接続され、他端部が後述するノズル支持体12に設けられるスラリ路13に接続する管状のスラリ供給路10とで構成されており、このスラリ供給路10にはスラリ3を圧送するスラリポンプ装置22が設けられている。
【0028】
従って、このスラリポンプ装置22の作動により、スラリ貯留容体21内のスラリ3はスラリ供給路10を通過してスラリ路13に供給されることになる。
【0029】
圧搾空気供給部6は、図1に図示したように圧搾空気5を作出する圧搾空気ポンプ装置23と、この圧搾空気ポンプ装置23から延設される管状の圧搾空気供給路11とで構成されており、この圧搾空気供給路11は、後述するノズル支持体12に設けられる圧搾空気路14に接続される。
【0030】
従って、この圧搾空気ポンプ装置23の作動により、圧搾空気5は圧搾空気供給路11を通過して圧搾空気路14に供給されることになる。
【0031】
ノズル部8は、ノズル体9と、該ノズル体9を支持しスラリ供給部4及び圧搾空気供給部6が接続されるノズル支持体12とで構成されている。
【0032】
ノズル体9は、図1〜3に図示したように下端に円形の噴射口部9aを備えた長尺の棒状体であり、上端部(基端部)は後述するノズル支持体12により支持され、下端部(先端部)はケース状の基体24の処理空間内に垂設状態に配設されている。
【0033】
また、ノズル体9には、基端部にスラリ路13に接続するスラリ導入口部9bと、圧搾空気路14に接続する圧搾空気導入口部9cが設けられ、更に、このスラリ導入口部9b及び圧搾空気導入口部9cから導入されたスラリ3及び圧搾空気5を混合する混合室9dと、この混合室9dで作出された加速スラリ3が噴射口部9aまで通過するスラリ路9eとが設けられている。
【0034】
尚、本実施例では、ノズル体9として噴射口部9aから噴射されるスラリ3が断面正方形状のガンであるが、噴射口部9aをスリット状に設けて噴射されるスラリ3が平板状となる所謂巾広ガンとしても良い。
【0035】
ノズル支持体12は、図1〜3に図示したように基体24の上部に設置されるもので、ノズル体9の基端部を支持するように構成されている。
【0036】
また、ノズル支持体12には、内部に管状のスラリ路13及び圧搾空気路14が設けられ、このスラリ路13及び圧搾空気路14の一端部は、スラリ供給部4及び圧搾空気供給部6が接続され、他端部は、ノズル体9のスラリ導入口部9b及び圧搾空気導入口部9cに接続される。
【0037】
また、スラリ路13及び圧搾空気路14夫々には、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16が設けられている。
【0038】
このスラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16は、図2に図示したようにシリンダー装置の先端部に閉塞作用部15a,16aを設けて構成されており、この閉塞作用部15a,16aは、ノズル支持体12内のスラリ路13及び圧搾空気路14夫々の所定位置にして可及的にノズル体9(スラリ導入口部9b及び圧搾空気導入口部9c)に可及的に近い位置を開閉するように構成されている。
【0039】
具体的には、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々はノズル体9から約20mmの距離L1,L2の位置に設けられている。尚、このスラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々からノズル体9までの距離L1,L2は、20mm〜100mmまでが有効である。
【0040】
従って、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を開いた際には、スラリ3と圧搾空気5は直ちにノズル体9に到達して、スラリ3は圧搾空気5に加速されて噴射されることになり、よって、前述した従来例に比し、スラリ3を良好に制御できることになる。
【0041】
また、スラリ路13にしてスラリバルブ15の配設位置(開閉作用位置)には、該スラリバルブ15を閉じ状態とした際、前記スラリ3を下流側に戻すスラリ戻し路17が設けられている。
【0042】
このスラリ戻し路17は、図2,3に図示したようにスラリ路13から折り返し状態となる管状部を設けて構成されており、このノズル支持体12の開口端にスラリ排出管26を介して後述するスラリ回収部25で回収される。
【0043】
従って、スラリ3はスラリバルブ15でスラリ路13を閉じた状態であっても停滞せず常に循環して流れていることになり、よって、スラリ3の配管内の濃度の安定化が達成される。
【0044】
また、スラリ戻し路17には径小部18(オリフィス)が設けられている。
【0045】
この径小部18は、スラリ路13内でスラリ3に圧力を付与するものであり、よって、前述したようにスラリ戻し路17を設けることでスラリ3を循環させても所定の圧力が保証されることになる。つまり、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16の前までは常に必要な圧力が保証される。
【0046】
ノズル部8から噴射されたスラリ3は、ノズル体9の下方で且つ被験体20の下方に設けられたスラリ回収部25に自由落下し、該スラリ回収部25に一時貯留される。
【0047】
このスラリ回収部25に貯留されたスラリ3は、図示省略の撹拌装置の撹拌により一定濃度(砥粒/液体)にされたり、削りくずなどの不要物を除去する不要物除去装置により不要物が除去されたりする。また、このスラリ回収部25で再利用可能となったスラリ3は、ポンプ装置27aと管体27bとから成る送り手段27を介してスラリ回収部25に隣接せしめられるスラリ貯留容体21へ送られる。
【0048】
本実施例で使用する砥粒1は、直径数μm〜数百μmの樹脂,金属,セラミックス,ガラスなどの微粒子で構成されており、この砥粒1を水2に混合させてスラリ3としている。また、水以外に目的に応じて、例えば、脱脂用としてアルカリなどの水溶液を使用したり、アルコール類などの溶剤を使用したりしても良い。
【0049】
また、本実施例では、スラリ3を構成する砥粒1と液体2との体積比を1/1000〜1/200に設定している。
【0050】
本実施例は上述のように構成したため、スラリ供給部4及び圧搾空気供給部6から供給されるスラリ3及び圧搾空気5は、ノズル支持体12に設けられたスラリ路13及び圧搾空気路14を通過してノズル体9に供給されるが、例えばノズル体9からスラリ3の噴射を開始する際には、スラリ路13及び圧搾空気路14夫々に設けられたスラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を開くことで、スラリ3及び圧搾空気5はこの開放位置からノズル体9まで行き、スラリ3は圧搾空気5に加速されてノズル体9から噴射される。
【0051】
本実施例は、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々をノズル体9に可及的に近い位置に設けており、この構成から、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を開いた際には、スラリ3と圧搾空気5は直ちにノズル体9に到達して、スラリ3は圧搾空気5に加速されて噴射されることになり、また、スラリバルブ15及び圧搾空気バルブ16夫々を閉じた際には、スラリ3と圧搾空気5は直ちにノズル体9への供給が停止されることになり、よって、前述した従来例に比し、オーバーシュート及び惰性削りの時間を短縮して異常な削り部分を可及的に減らすことができ、よって、例えばスラリ3を短時間噴射で噴射させて評価した場合の評価精度を向上することができる。
【0052】
具体的には、図4は、本実施例に係るスラリ噴射装置を用いてスラリ3を短時間断続的に噴射した場合であり、横軸を時間,縦軸を摩耗量としてグラフ化したものである。
【0053】
前述した従来例を用いた場合を図示した図6と比較すると、オーバーシュート(矢印a部分)と噴射終了時期における惰性削り(矢印b部分)における時間が短縮されている。
【0054】
つまり、従来例に比して、スラリ3を短時間断続的に噴射した場合であっても異常な削り部分が占める割合が少なくなるため、評価精度が低下するようなことがない。
【0055】
よって、本実施例によれば、スラリ3を被験体20に噴射して行う被験体評価における高精度な評価が行えることになる。
【0056】
また、本実施例は、スラリ路13にしてスラリバルブ15の配設位置には、このスラリバルブ15を閉じ状態とした際、スラリ3をスラリ供給部4に戻すスラリ戻し路17が設けられているから、常に安定した濃度のスラリ3が得られることになる。
【0057】
また、本実施例は、スラリ戻し路17には径小部18が設けられているから、スラリ戻し路17によりスラリ3を循環させても所定の圧力が保証されることになる。
【0058】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0059】
1 砥粒
2 液体
3 スラリ
4 スラリ供給部
5 圧搾空気
6 圧搾空気供給部
8 ノズル部
9 ノズル体
12 ノズル支持体
13 スラリ路
14 圧搾空気路
15 スラリバルブ
16 圧搾空気バルブ
17 スラリ戻し路
18 径小部
20 被験体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体に砥粒と液体とが混合されたスラリを圧搾空気と共に高速で噴射して、当該被験体を評価する被験体評価に用いられるスラリ噴射装置であって、前記スラリを供給するスラリ供給部と、前記圧搾空気を供給する圧搾空気供給部と、前記圧搾空気で加速させた前記スラリを噴射するノズル部とを有し、前記ノズル部は、ノズル体と、このノズル体を支持し前記スラリ供給部及び前記圧搾空気供給部と接続されるノズル支持体とで構成され、このノズル支持体には、前記スラリ供給部から供給される前記スラリを前記ノズル体へ導入するスラリ路及び前記圧搾空気供給部から前記圧搾空気を前記ノズル体へ導入する圧搾空気路が設けられ、前記スラリ路には、前記ノズル体への前記スラリの通過を阻止するスラリバルブが設けられ、また、前記圧搾空気路には、前記ノズル体への前記圧搾空気の通過を阻止する圧搾空気バルブが設けられ、前記スラリバルブは、前記ノズル支持体内にして前記ノズル体に可及的に近い位置に設けられ、また、前記圧搾空気バルブは、前記ノズル支持体内にして前記ノズル体に可及的に近い位置に設けられ、前記スラリ路にして前記スラリバルブの配設位置には、このスラリバルブを閉じ状態とした際、前記スラリを前記スラリ供給部に戻すスラリ戻し路が設けられ、このスラリ戻し路には径小部が設けられていることを特徴とする被験体評価に用いられるスラリ噴射装置。
【請求項2】
請求項1記載の被験体評価に用いられるスラリ噴射装置において、前記スラリバルブは、前記ノズル体から約20〜100mmの距離の位置に設けられ、また、前記圧搾空気バルブは、前記ノズル体から約20〜100mmの距離の位置に設けられていることを特徴とする被験体評価に用いられるスラリ噴射装置。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の被験体評価に用いられるスラリ噴射装置において、前記スラリを構成する前記砥粒と前記液体との体積比を1/1000〜1/200に設定したことを特徴とする被験体評価に用いられるスラリ噴射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−50378(P2013−50378A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188452(P2011−188452)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(511011791)株式会社パルメソ (3)