説明

被験者の測定に使用するための電磁センサ

被験者の測定に使用するためのセンサユニットが提示される。このセンサユニットは、近接電磁センサと、可撓性信号伝送構造とを含み、これらは、少なくとも1つの共通の連続する表面によって互いに一体になっている。可撓性信号伝送構造は、近接電磁センサのセンサセルに関連付けられた信号接続ラインを含む第1の層と、センサの導電性材料に電気的に結合された第2の導電層とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療デバイスの分野に関し、被験者の測定に使用するための組織性状診断センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁(EM)組織性状診断は、例えば一定(DC)、低周波、中間周波、高周波、無線周波(RF)、およびマイクロ波(MW)範囲など様々な周波数範囲のEM場を組織内部で誘発し、測定領域内に位置された組織部分の何らかの特性(例えば誘電特性)を示すEM応答を組織から受信するためにEMセンサを利用するよく知られている技法である。組織内部での誘発EM場は、近接場または放射場でよい。組織のEM応答は、センサと組織の結合に関連付けられるいくつかのEM共鳴周波数によって特徴付けられることがあり、あるいはセンサと組織の結合に関連付けられる広帯域EM応答(非共鳴)であることもある。一般に、EM場に対する組織(または場合により他の媒体/物質)の応答は、組織の誘電特性に関連付けられ、この応答は、例えば、異なる周波数のEM場の吸収、反射、および/または透過によって特徴付けられる。組織のEM応答の検出および分析は、異なる組織タイプの区別を可能にする。
【0003】
典型的には、EM組織性状診断センサは、信号伝送ラインと接続された導体の空間的構成として構成され、性状診断すべき組織に電磁信号発生器からEM信号を搬送するように、かつ性状診断すべき組織から信号分析器にEM信号を搬送して戻すように構成される。
【0004】
例えば、本出願の譲受人に譲渡された米国特許第6813515号明細書は、誘電特性に従って組織を他の組織から区別するために組織を検査するためのプローブ、方法、およびシステムを説明する。この方法は、検査される組織内でフリンジ電場を発生して、組織自体に侵入する無視できるほど小さい放射線を用いて組織からの反射パルスを生成するステップと、反射された電気パルスを検出するステップと、反射された電気パルスの電気的特性を印加された電気パルスと比較して、検査される組織の誘電特性の指標を提供するステップとを含む。測定デバイスは、操作者に対して遠位の先端にあるキャビティを有する同軸プローブとして構成され、キャビティ内に、検査すべき組織の試料が閉じ込められる。プローブ自体は、外側導体から絶縁されて外側導体によって取り囲まれた内側導体を有し、外側導体は、一端で開き、軸方向に内側導体を越えて延び、操作者に対して遠位のプローブ端部に開いたキャビティを画定する。内側導体の先端は、開いたキャビティ内部に含まれ、この先端は、フリンジ電場を高めるために少なくとも2つの異なる直径で形成される。
【0005】
組織性状診断センサのいくつかの他の例は、米国特許第6380747号明細書、米国特許第5227730号明細書、米国特許第5334941号明細書、米国特許第6411103号明細書に記載されている。また、いくつかのセンサが、本出願の譲受人に譲渡された国際公開第06/103665号にも例示されている。
【0006】
複数の組織性状診断センサの配列の使用が、例えば米国特許出願公開第2008/0200803号明細書に記載されている。この特許文献には癌検出および治療器具が記載されている。この器具は、第1の導電プレートと、第1の導電プレートに向かい合わされ、第1の開口を有する第2の導電プレートと、第1の導電プレートと第2の導電プレートの間に配設された第1の信号ラインと、一端が第1の開口を通して露出され、他端が第1の信号ラインに接続された第1の接触部材と、第1および第2の導電プレートと第1の信号ラインの間に充填された誘電体部分と、露出された誘電体部分の両側面および前端面を取り囲む導電層とを備える。したがって、超高周波数信号の使用によって癌を正確に検出し、疾患部分の周りの組織を損傷せずに疾患部分を治療することができる。
【0007】
組織性状診断のためにセンサのアレイを使用することができる形態のいくつかの例が、本出願の譲受人に譲渡された国際公開第2009/010960号に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6813515号明細書
【特許文献2】米国特許第6380747号明細書
【特許文献3】米国特許第5227730号明細書
【特許文献4】米国特許第5334941号明細書
【特許文献5】米国特許第6411103号明細書
【特許文献6】国際公開第06/103665号
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0200803号明細書
【特許文献8】国際公開第2009/010960号
【特許文献9】国際出願第PCT/IL2009/000611号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
複数の感知素子を有し、かつ測定される組織により良く結合することができる新規のEM組織性状診断プローブが当技術分野で必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
用語「測定」は、実際には、組織の任意のパラメータ/状態の考査、検査、監視も表すことに留意すべきである。また、用語「組織」は、任意の媒体または物質にも関係する全般的な用語と解釈すべきであり、例えば被験者の組織であり、被験者の身体の内外(生体内または生体外での測定)で測定可能である。
【0011】
より多数の感知素子を用いた操作により、測定の分解能が高まり、またプローブが検査下の媒体(または組織)の測定領域の十分に詳細な図的/空間分解表現を提供できるようにもなる。指定したタイプ、すなわち複数の感知素子を利用するタイプの既知のEM組織性状診断プローブは、典型的には、主に各感知素子との間の信号接続の技術的限界により、そのような感知素子の数を制限される。さらに、しばしば、プローブと組織とのより良い結合には、プローブの少なくとも一部分のいくらかの可撓性が必要となる場合がある。この要件がさらに、使用することができる感知素子の数、特に可撓性プローブ内に組み込むことができる信号接続の数に対する制限を課す。
【0012】
一般に、本発明は、例えば電気および磁気センサ(例えばRFセンサ)、温度センサ、光センサ、および化学センサなどを含めた様々なタイプのEM組織性状診断センサで実装することができる。特に、本発明は、高周波数EM信号を利用する、すなわちインピーダンス制御され、かつ任意選択で電磁的にシールドされた専用の信号伝送ラインを動作のために必要とする任意のタイプのセンサで使用するのに適している。用語「インピーダンス制御」は、実質的に構造の大きさ全体に沿ったよく定義された一定のインピーダンスを有するEM信号転送構造(例えば信号伝送ライン)を表す。
【0013】
より具体的には、本発明は、近接電磁(EM)センサセルのアレイに基づく画素化組織性状診断センサユニットを製造するために実装することができる。「センサセル」は、それが結合される組織の少なくとも1つの特性を測定するように適合された感知素子である。
【0014】
用語「近接場感知素子」または「近接EM場感知素子」(例えばセンサセル)は、検査される媒体/組織内で、感知素子によって画定される感知領域から発する近接EM場(すなわち実質的に非放射のEM場)を誘発するように構成された感知素子を全般的に表す。そのような非放射EM場は、典型的には、センサ導体素子(例えばその信号および接地導体)を、それらのフィーチャサイズおよび/またはそれらの間隔が誘発EM場の1波長よりもかなり小さくなるように配置することによって誘発される。一般に、そのようなセンサによって誘発される近接EM場の侵入深さも、誘発EM場の1波長よりもかなり小さく、典型的には、EMセンサの導体素子間のフィーチャサイズおよび/または距離のオーダーである。組織性状診断近接センサは、典型的には高周波数、すなわち100KHz〜5GHz(例えばRF、MW区間で)で動作される。
【0015】
上述したように、複数のセンサセルを含むセンサユニットを有することが一般に有利である。なぜなら、それにより、より大きな分解能で組織の特性をマッピングすること、および健康な組織と癌性組織など異なる組織間の移行領域をより簡単にかつ正確に識別することが可能になるからである。数個よりも多くのセンサセルを有するEM組織性状診断センサユニット(プローブ)は、センサセルの配置と、センサセルとの間でEM信号を伝送する信号フィード構造(「信号伝送構造」とも呼ぶ)との両方の構成にいくつかの要件を課す。これは、一方では、多くのタイプの組織性状診断センサセルの動作および測定精度が、センサセルと組織の結合(例えば取付け)に依存するからである。他方で、インピーダンス制御され、かつ電磁的にシールドされた信号フィードラインは、典型的には複雑な構造であり、したがって、多数のそのようなフィードラインをセンサセルに提供すると、センサユニットの可撓性を損ない、各センサセルと検査すべき組織との間の十分な結合を提供できなくなる。
【0016】
本発明のいくつかの態様によれば、センサユニットは、複数のセンサセルとの間でEM信号の形態で測定データを伝送するのに適した、インピーダンス制御され、任意選択で部分的に電気的に隔離された(互いに空間的に離隔および/または電気的にシールドされた)多数の信号接続ラインを含む可撓性信号伝送構造を含むことがある。
【0017】
このために、信号伝送構造の可撓性および構成がいくつかの利点を提供する。例えば、内腔など可撓性リード(ガイド)内部へのセンサユニットの収容を可能にし、信号伝送構造の可撓性により、所望の検査領域への狭いおよび/またはねじれた経路内で内腔を案内できるようにする。また、センサユニットがハウジングまたはガイド内部に収容されるとき、接続ラインの可撓性が、ハウジングに対するセンサの「ヘッド」の前後(例えば弾性)運動を可能にし、それにより、センサのヘッドがハウジング/ガイドから突出する長さも制御することができるようになる。この運動は、検査される媒体への取付け/取外しの程度を制御することを可能にし、センサが使用されていない状態でのセンサのヘッドの保護を可能にする。
【0018】
さらに、接続ラインの可撓性により、実質的にセンサユニットの感知表面のみを検査方向に向けられるようにすることによって、センサユニットの最小フットプリントを実現することができるようになる。すなわち動作時のセンサユニットが実質的にその感知表面でのみ媒体に面する。センサユニットの「感知表面」は、複数のセンサ素子またはセンサセルの複数の「感知領域」を含む表面であり、感知領域は離隔関係で配置される。これに関連して、一般に、感知領域は平面状の領域に限定されず、典型的には3次元領域であることを理解すべきである。したがって、「感知表面」は、すべての感知領域が交わるセンサユニットの物理的な表面である。フットプリントのそのような減少は、信号伝送構造とセンサ(例えばセンサの感知表面)の境界の近傍での可撓性信号伝送構造の湾曲(例えば90°)を可能にすることによって実現することができる。したがって、センサユニットが媒体の「対象領域」に結合されるセンサユニットの表面は、複数の感知領域によって占められる感知表面の作用領域のサイズに近いサイズである。「対象領域」は、実際には、センサユニットによってプローブされる、または調べられる媒体の体積である。この体積は、感知表面と、媒体への近位場の侵入深さ(これは感知セルの近位場の構造によって設定される)とによって画定される。被験者の「対象領域」は測定部位ごとに画定されることを理解すべきである。
【0019】
いくつかのタイプの組織性状診断センサ(例えば、センサの感知表面から、センサに結合された組織の近位領域内へ広がる近接EM場を誘発するように構成されたEMセンサなど)では、間にギャップ(例えば空気ギャップ)のないセンサ感知表面と組織との良好な結合が、より正確であり安定な組織性状診断測定を提供することに留意すべきである。したがって、本発明のいくつかの実施形態によれば、センサセル(すなわち例えば感知表面を含むセンサ)と検査される組織/媒体との十分な結合は、感知表面およびその上の(センサセルに関連付けられる)感知領域を組織にしっかりと取り付けることができるようにする可撓性構造としてセンサを構成することによって得られる。
【0020】
しかし、放射性場センサまたは遠方EM場(放射)センサなどいくつかのタイプのセンサは、組織と直接接触させて動作させることも、直接接触させずに動作させることもでき、あるいは組織との取付けの度合いの影響をあまり受けずに動作させることもできることを理解すべきである。本発明のいくつかの実施形態では、センサユニットは、センサユニットのすべての素子(例えばセンサのヘッドおよび信号伝送構造)が可撓性であるようにフレキシブル回路技法を利用する形態で作製され、他の実施形態では、センサのヘッドおよび/またはコネクタ素子などいくつかの部品が剛性であり、センサユニットがリジッドフレキシブル回路技法を利用することによって製造される。可撓性センサヘッドは、非平面状の物質表面のEM特性(誘電特性)を分析/考査/プローブ/照会/調査するのに有利であり、また検査される物質表面にセンサ表面を動的に適合させるのに有利である。
【0021】
フレキシブル回路またはリジッドフレキシブル回路(フレックスベース回路としても知られている)は、典型的には、可撓性カバー層を有して、または有さずに、ベース材料(すなわち可撓性ラミネート材料として知られている)上でプリント導体構成の配置をパターン化(電気的トレース)することによって製造される。一般に、フレキシブル回路は、プリント回路板構造のものと概して同様の方法で製造される。フレキシブル回路は、例えば、片面フレキシブル回路、両面フレキシブル回路、多層フレキシブル回路(3つ以上の導体層を有する)、フレキシブル回路とリジッド回路の組合せ、およびフレックスリジッド回路を含む。多層フレキシブル回路が製造されるとき、可撓性ラミネート材料は一般に片面または両面金属クラッドであるので、回路の層がボンドプライまたはシート接着剤によって結合され、層間の電気接続は、一般にめっきされた貫通穴による相互接続によって形成される。
【0022】
以下のものが、本発明のセンサユニットの製造で使用されることがある、可撓性金属クラッド誘電体または可撓性ラミネート材料としても知られているフレキシブル回路ベース材料のいくつかの例である。Pyralux AP 8535R無接着剤両面銅クラッドポリアミド(カプトン)(Dupont社);UPISEL-N BR 1120無接着剤両面銅クラッドポリアミド(UBE社);Pyralux AC 181200R無接着剤片面銅クラッドポリアミド(Dupont社);UPISEL-N SR 1220無接着剤片面銅クラッドポリアミド(UBE社);Pyralux LF 7011R接着剤結合両面銅クラッドポリアミド(Dupont社);Pyralux LF 7041R接着剤結合片面銅クラッドポリアミド(Dupont社);Pyralux LF 0230ポリアミドカバーレイ(Dupont社);Pyralux FR 0131ポリアミドボンドプライ(Dupont社);Pyralux LF 0300シート接着剤(Dupont社)。本発明において他の適切な材料を使用することもできることに留意すべきである。
【0023】
一般に、信号伝送構造の可撓性に関する要件により、またはその結果、この構造の構成は、組み込む導電層をできるだけ少なくされ、かつこれらの導電層の間隔をできるだけ小さくされる。このタイプの構成は、信号伝送構造と一体であるセンサ内での信号ラインの構成に対する制約を課す。
【0024】
高周波数信号はEM干渉を受けやすいので、異なるセル間のクロストークを防止するために、異なるセンサセルに関連付けられる信号ラインを互いに電気的に隔離することが好ましい。これは、一般には、他のセルの外側の経路に沿って特定のセンサセルに向けて及びこれから離れて信号ラインを通すことによって実現されることがあるが、そのような解決策は、信号ラインのための経路に対処するためにセンサセル間にいくらかの最小離隔距離を必要とし、したがってプローブの感知表面内での(複数のセンサセルによって形成される)感知領域の充填率を減少させる。また、一般に、(例えば、より高い空間分解能を提供するために、または感知領域を拡大するために、単位面積当たりでの)センサセルの数が増加すると、より多数の信号ラインを通すことが必要となる。これは一般に、感知表面内のセンサセル間の離隔距離/間隔をさらに増加させることによって実現されるが、それによりセンサユニットの充填率が減少し、あるいは、単位面積当たりの信号ラインの数(信号ライン密度)を増加させることによって実現されるが、それによりライン間の干渉およびクロストークに影響が及ぼされる。
【0025】
しかし、本発明のいくつかの実施形態によれば、センサの充填率またはその信号対雑音比(SNR)の一方を損なう、または制限する必要なく、多数のセンサセルを備える(例えば高い空間分解能を有するように構成された)センサユニットが実施される。これは、以下にさらに例示するように、センサセルに関連付けられる信号ラインが他のセンサセルの感知領域の「下」を横切って進むことができるようにするとともに、前記感知領域から電磁的にシールドされるようにすることによって実現される。すなわち、信号ラインは、感知表面上へのその投影が感知領域に交わるように配置することができる。これにより、(例えば良好な電磁的な隔離を提供する)信号ライン間の十分な間隔と、センサセルの感知領域間の最小間隔との両方を維持できるようになり、高い充填率を可能にする。したがって、好ましくは、センサセルに関連付けられる複数の信号ラインが、例えば信号ライン間のクロストークによって引き起こされる干渉を減少させる/最小限にすることによってセンサユニットのSNRを高めるように構成される。
【0026】
本発明の組織性状診断プローブはセンサユニットを含み、このセンサユニットは、感知表面内に位置され、複数のセンサセルからなるアレイにそれぞれ関連付けられる複数の離隔された感知領域を含む。感知表面は、比較的多数の感知領域、例えば5個を超える感知領域、好ましくは35個を超える感知領域を含むことがある。さらに、またはあるいは、感知表面は、望ましく高い分解能によって特徴付けられることがあり、例えば35mm2の面積当たり5個を超える感知領域、好ましくは35mm2の面積当たり35個を超える感知領域である。感知表面は、離隔関係で配置された感知領域の高い充填率によって特徴付けられることがあり、感知領域間のスペースの面積は、感知領域の面積の50%を超えず、好ましくは前記面積の10%を超えない。感知表面のサイズは、約1mm〜10cmの範囲内である。センサセルの感知領域(感知表面上への感知領域の投影)のサイズは、約0.5mm〜約5mmの範囲内である。このパラメータは、センサユニットによって検出可能な最小フィーチャサイズ範囲の上限を定義する。
【0027】
本発明の1つの広範な態様によれば、被験者の測定に使用するためのセンサユニットが提供される。センサユニットは、近接電磁センサと、可撓性信号伝送構造とを備える。センサは、デバイスが被験者の対象領域に面する感知表面と、導電性材料によって取り囲まれた感知領域を画定するようにそれぞれ構成されたセンサセルのアレイとを備え、感知領域のアレイが、前記感知表面内に離隔関係で配置される。可撓性信号伝送構造は、近接電磁センサと一体であり、それにより、信号伝送構造と近接電磁センサは、少なくとも1つの共通の連続する表面を有する。可撓性信号伝送構造は、センサセルに関連付けられた(例えばセンサセルのそれぞれの素子に直接または間接的に電気的に接続/結合された)信号接続ラインのアレイを含む第1の層と、センサの前記導電性材料に電気的に結合された第2の導電層とを備える。
【0028】
信号伝送構造と近接EMセンサとは、センサ領域に沿った、およびセンサ領域からのインピーダンス制御された信号伝送を可能にするように構成されることがある。
【0029】
好ましくは、センサセルの少なくともいくつかが、それぞれの感知領域の内部に結合され、信号接続ラインのそれぞれ1つに電気的に結合された内部導体素子をそれぞれ備える。したがって、信号接続ラインは、信号伝送ラインをセンサセルの内部導体素子に電気的に接続/結合することによってセンサセルに関連付けられる。センサセルの少なくともいくつかは、抵抗型センサ(感知領域を覆う電気絶縁体材料を有して、または有さずに、周囲の導電性材料から電気的に絶縁された内部導体素子を備える)として構成されることがあり、または誘導型センサ(感知セルが、それぞれの感知領域を取り囲む導電性材料に接続される)として構成されることもある。
【0030】
好ましくは、可撓性信号伝送構造が、前記センサの特徴的な寸法よりも小さい曲率半径でセンサに関して湾曲するように構成された少なくとも1つの可撓性バンドを有する。バンドのそのような湾曲および可撓性は、センサユニットのフットプリント(すなわちセンサユニットが組織に結合される表面のサイズ)の減少、およびまたハウジングに対するセンサユニットの繰り返しの移動を可能にする。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、センサは多層構造として構成され、例えば第1および第2のセンサ層を備える。第1のセンサ層は複数の信号ラインを備え、これらの信号ラインは、信号伝送構造の信号接続ラインに電気的に結合される(したがって、信号接続ラインが、対応するセンサセルに関連付けられる)。第2のセンサ層は、前記導電性材料を備え、センサユニットの感知表面を画定する。第2のセンサ層は、信号伝送構造の第2の導電層に電気的に結合される。内部導体素子を有するセンサセルの構成を考えると、信号伝送構造の信号接続ラインが、センサの信号接続ラインを介してセンサセルの内部導体素子に電気的に結合される。
【0032】
いくつかの実施形態では、信号ライン(それらの少なくともいくつか)は、それぞれの感知領域に関連付けられ、それぞれの経路に沿って第1のセンサ層内で延び、感知表面上へのこれらの経路それぞれの投影がすべての他の感知領域の外側に位置するようになっている。いくつかの他の実施形態では、信号ラインは、それぞれの経路に沿って第1のセンサ層内に延び、それにより、前記感知表面上へのこれらの各経路の投影が、他の感知領域の1つまたは複数と交わる。
【0033】
このセンサユニットは、追加の導電性センサ層をセンサ内部で第1のセンサ層と第2のセンサ層の間に位置させることによって構成することができる。この追加の導電性センサ層は、離隔された信号伝送領域を有し、これらの信号伝送領域は、感知領域の少なくともいくつかと位置合わせされた実質的に非導電性の領域として構成される。信号伝送領域は、対応する感知領域よりも実質的に小さく、それにより、前記追加の導電性センサ層によって、信号ラインの少なくとも一部分を感知領域から電気的に遮蔽する。
【0034】
追加の導電性センサ層は、経路に沿って延びる信号ラインの電気的遮蔽を提供するように構成されることがあり、前記感知表面上へのその経路の投影が感知領域の1つまたは複数に交わる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のセンサ層の信号ラインの少なくともいくつかが、それらに関連付けられる感知領域の少なくともいくつかの内部で終端する。信号ラインは、感知領域内の終端部で、第1のセンサ層から感知表面に向かって突出する内部導体素子と接続され、それにより、導電性素子が、前記感知領域を通って感知表面から外方向に延びる電磁場プロファイルを誘発する。
【0036】
上述したように、信号伝送構造は、好ましくは、センサに対して曲げることができる1つまたは複数の可撓性バンドを備える。そのような1つまたは複数のバンドは、1つまたは複数の方向に沿ってセンサから延びることがある。
【0037】
いくつかの実施形態では、センサセルの少なくとも1つが基準セルとして構成されて動作可能である。そのような基準セルは、動作中にセンサが結合される被験者の対象領域の影響を実質的に受けないように構成される。
【0038】
好ましくは、信号伝送構造が、可撓性の平面状の層である第1および第2の層を含む複数の層を有する可撓性の平面状のマイクロストリップとして構成される。あるいは、またはさらに、信号伝送構造が、第1および第2の層と追加の導電層とを含む複数の層を備える可撓性の平面状のストリップとして構成されることがあり、第1の層は、第2の層と追加の層の間に取り囲まれる。
【0039】
本発明の別の広範な態様によれば、被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、デバイスが被験者の対象領域に面する感知表面と、導電性材料によって取り囲まれた感知領域を画定するようにそれぞれ構成されたセンサセルのアレイとを備える近接電磁センサを備え、感知領域のアレイが、前記感知表面内に離隔関係で配置され、センサユニットがさらに、信号伝送構造と近接電磁センサとが少なくとも1つの共通の連続する表面を有するように、前記近接電磁センサと一体の可撓性信号伝送構造を備え、前記可撓性信号伝送構造が、前記センサの特徴的な寸法よりも小さい曲率半径でセンサに関して湾曲するように構成された少なくとも1つの可撓性バンドを有するセンサユニットが提供される。
【0040】
本発明のさらに別の広範な態様によれば、被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
センサセルのアレイを備える近接電磁センサを備え、各センサセルが、感知領域と、前記感知領域内に位置された内部導体素子とを備え、センサセルの感知領域が、感知表面内に離隔関係で配置され、
センサユニットがさらに、前記近接電磁センサと一体の可撓性信号伝送構造を備え、前記可撓性信号伝送構造が、それぞれ内部導体素子に電気的に結合された信号接続ラインを含む第1の層を備える
センサユニットが提供される。
【0041】
本発明のさらなる態様によれば、被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
デバイスが被験者の対象領域に面する感知表面と、それぞれ導電性材料によって取り囲まれた感知領域を画定し、感知領域内部に結合された内部導体素子を備えるセンサセルのアレイとを備える近接電磁センサを備え、感知領域のアレイが、前記感知表面内に離隔関係で配置され、
センサユニットがさらに、前記近接電磁センサと一体であり、センサに対して湾曲することができる可撓性マイクロストリップを備え、前記可撓性マイクロストリップが、前記導電性材料の延在部である第1の導電層と、前記内部導体素子に電気的に結合された信号接続ラインのアレイを支持する第2の導電層とを備える
センサユニットが提供される。
【0042】
本発明のさらに別の広範な態様では、被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
センサセルのアレイを備える近接電磁センサを備え、各センサセルが、感知領域と、前記感知領域内に位置された内部導体素子とを備え、センサセルの感知領域が、感知表面内に離隔関係で配置され、
センサユニットがさらに、前記近接電磁センサと一体の可撓性信号伝送構造を備え、前記可撓性信号伝送構造が、それぞれ内部導体素子に電気的に結合された信号接続ラインを含む第1の層を備える
センサユニットが提供される。
【0043】
また、本発明は、上述したセンサユニットを1つまたは複数備える感知デバイスを提供する。
【0044】
また、本発明は、被験者の測定に使用するための新規の測定デバイスであって、上述した感知デバイスと、較正およびプローブ制御ユニット(CPC)とを備え、較正およびプローブ制御ユニット(CPC)が、前記感知デバイスと一体であり、ネットワーク分析器に接続するように構成される測定デバイスを提供する。好ましくは、CPCが、既知のRF反射係数の複数の較正負荷にそれぞれ関連付けられた複数の端子を備え、かつRF反射係数を示す記録データと、CPCユニットのRF伝達係数を示す記録データとを保持するメモリユーティリティを備え、それにより、センサユニットをCPCユニットと一体にしたままで、センサユニットの感知表面内のセンサセルそれぞれのRF応答を計算できるようにする。
【0045】
本発明を理解できるように、また実際上の実施の仕方が分かるように、次に、本発明の実施形態を単に非限定的な例として、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】固定具へのユニットの組立て前の状態で示したセンサユニットの一例の概略図である。
【図1B】固定具へのユニットの組立て後の状態で示したセンサユニットの一例の概略図である。
【図2】図1A〜図1Bのセンサユニットと概して同様の2つのセンサユニットによって感知デバイスが形成された、本発明の別の例による感知デバイスの概略図である。
【図3A】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。六角形幾何形状の感知領域輪郭を有するセンサセルを例示する。遠位端で円形断面の内部導体素子を有するセンサセルを例示する。内部導体素子がそれぞれの感知領域の輪郭から電気的に絶縁されたセンサセルを示す。
【図3B】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。長方形幾何形状の感知領域を有するセンサセルを例示する。
【図3C】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。六角形幾何形状の感知領域輪郭を有するセンサセルを例示する。
【図3D】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。三角形幾何形状の感知領域を有するセンサセルを例示する。
【図3E】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。六角形幾何形状の感知領域輪郭を有するセンサセルを例示する。遠位端で円形断面の内部導体素子を有するセンサセルを例示する。内部導体素子がそれぞれの感知領域の輪郭から電気的に絶縁されたセンサセルを示す。
【図3F】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。六角形幾何形状の感知領域輪郭を有するセンサセルを例示する。遠位端で円形断面の内部導体素子を有するセンサセルを例示する。内部導体素子がそれぞれの感知領域の輪郭から電気的に絶縁されたセンサセルを示す。
【図3G】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。長方形幾何形状の感知領域を有するセンサセルを例示する。内部導体素子の遠位端で様々な他の幾何形状の断面を有するセンサセルを示す図である。内部導体素子がそれぞれの感知領域の輪郭から電気的に絶縁されたセンサセルを示す。
【図3H】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。六角形幾何形状の感知領域輪郭を有するセンサセルを例示する。内部導体素子の遠位端で様々な他の幾何形状の断面を有するセンサセルを示す図である。それぞれの感知領域の輪郭に電気的に接続されたそれらの内部導体素子を有するセンサセルを示す。
【図3I】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。長方形幾何形状の感知領域を有するセンサセルを例示する。内部導体素子の遠位端で様々な他の幾何形状の断面を有するセンサセルを示す図である。それぞれの感知領域の輪郭に電気的に接続されたそれらの内部導体素子を有するセンサセルを示す。
【図3J】本発明のセンサユニットで使用するのに適したセンサセルの構成およびセルの配置の例を示す図である。六角形幾何形状の感知領域輪郭を有するセンサセルを例示する。内部導体素子の遠位端で様々な他の幾何形状の断面を有するセンサセルを示す図である。それぞれの感知領域の輪郭に電気的に接続されたそれらの内部導体素子を有するセンサセルを示す。
【図4A】本発明の一例に従ったセンサユニットの一断面図である。
【図4B】本発明の一例に従ったセンサユニットの一断面図である。
【図4C】本発明の一例に従ったセンサユニットの一断面図である。
【図4D】図4A〜図4Cの実施形態による本発明のセンサユニットで使用するのに適した基準センサセルをより具体的に例示する図である。
【図4E】信号伝送構造の単一バンド構成を有するセンサユニットの概略図である。
【図4F】信号伝送構造の4バンド構成を有するセンサユニットの概略図である。
【図5A】本発明のセンサユニットで使用するのに適したインピーダンス制御された信号伝送構造の例を示す図である。ストリップ平面状構造を示す。
【図5B】本発明のセンサユニットで使用するのに適したインピーダンス制御された信号伝送構造の例を示す図である。マイクロストリップ平面状構造を示す。
【図6A】本発明によるセンサユニットの信号伝送構造で使用するのに適した信号伝送バンドの構成の一例を示す図である。
【図6B】本発明によるセンサユニットの信号伝送構造で使用するのに適した信号伝送バンドの構成の一例を示す図である。図6Aの例と比較すると、追加の導電層を有する。
【図7A】多層フレキシブル回路構造の典型的な応力歪線図を示すグラフである。
【図7B】異なる層配置を有するフレキシブル回路構造の一例の可撓性特性を示す図である。
【図7C】異なる層配置を有するフレキシブル回路構造の一例の可撓性特性を示す図である。
【図8A】本発明のさらに別の例によるセンサユニットの一断面図である。
【図8B】本発明のさらに別の例によるセンサユニットの一断面図である。
【図8C】本発明のさらに別の例によるセンサユニットの一断面図である。
【図8D】図8A〜図8Cの実施形態による本発明のセンサユニットで使用するのに適した基準センサセルをより具体的に例示する図である。
【図9A】本発明によるセンサユニット内での信号ラインと感知領域の関係を例示する図である。センサの信号層を示す。
【図9B】本発明によるセンサユニット内での信号ラインと感知領域の関係を例示する図である。感知領域の充填率が高い導電層の構成の一例を示す図である。
【図9C】本発明によるセンサユニット内での信号ラインと感知領域の関係を例示する図である。クロストークが低くSNRが高い導電層の構成の一例を示す図である。
【図9D】本発明によるセンサユニット内での信号ラインと感知領域の関係を例示する図である。図9Bの構成の一部の拡大図である。
【図10A】高い信号対雑音比および高い空間分解能および/または高い充填率を可能にするように構成された本発明の別の実施形態によるセンサユニットの側断面図である。
【図10B】センサユニットのセンサ部分での層の構造の一例をより具体的に示す図である。
【図10C】センサユニットのセンサ部分での層の構造の一例をより具体的に示す図である。
【図11】較正およびプローブ制御(CPC)ユニットと一体の本発明のセンサユニットを利用する測定デバイスを備える測定システムのブロック図である。
【図12A】図11の測定デバイスの構成をより具体的に例示する図である。
【図12B】図11の測定デバイスの構成をより具体的に例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1Aおよび図1Bを参照すると、図1Aおよび図1Bは、本発明の一実施形態によるセンサユニット100を概略的に示す。これらの図には、センサユニット100が、固定具150へのユニットの組立て前および後の状態でそれぞれ示されている。センサユニット100は、センサまたはセンサヘッド110と、可撓性信号伝送構造120とを含む一体構造を含む。この構成は、センサと信号伝送構造が少なくとも1つの共通の連続する表面を有するようなものである。また、センサと信号伝送構造はどちらも実質的に平坦である。これらの図にやはり例示されているように、信号伝送構造120を制御ユニット/信号発生器/信号分析器(ここでは図示せず)に電気的に接続するために適切な信号コネクタ構造160が提供される。
【0048】
この例では、センサユニット100は、検査される組織のタイプを示すデータ、および/または感知表面108に沿った異なる組織タイプ間の境界および移行を示すデータを提供することによって、組織性状診断用に構成される。センサ110は、感知表面108内に、離隔関係で配置された複数(111)のセンサセル112を含む。センサセルは、感知表面108内に適切に分散され/感知表面108全体にわたって広げられ、例えば感知表面108を分割する、または覆う。各センサセルは、(組織に直接接触させることによって、または組織の近位に位置させることによって)感知領域が結合された組織の少なくとも1つの特性/パラメータを検査/測定/性状診断/考査/プローブ/照会/調査するように動作可能である。
【0049】
センサユニットは、ネットワーク分析器に接続可能な較正ユニットを含めた適切な較正システムに関連付けることができることに留意すべきである。これは、図11に概略的に示される。図11は、全体を参照番号10で表される測定システムをブロック図で示す。システム10は、分析器16に接続可能な測定デバイス12を含む。本発明の測定デバイス12は、1つまたは複数のセンサユニット100と、較正およびプローブ制御(CPC)ユニット12Bとを含む。分析器16は、ネットワーク分析器14を含み、また、CPCユニット12Bとのデジタルおよび/またはアナログ通信を取り扱うための適切な通信ユニット(図示せず)も含む。
【0050】
ネットワーク分析器14は、任意の既知の適切なタイプのものでよく、したがって詳細に説明する必要はないが、RF信号を送受信するように構成されて動作可能であることにだけ言及しておく。ネットワーク分析器14は、RF信号の相対振幅と位相の両方を記録するためのベクトルネットワーク分析器(VNA)として構成されて動作可能であることがある。ネットワーク分析器14は、以下のことを行うように構成される。すなわち、その信号ポートを介してRF信号を送受信すること。受信した信号を分析して、較正負荷との信号相互作用を示す信号の振幅、および任意選択で位相を求めること。および較正補正パラメータを送信すること。また、ネットワーク分析器14は、較正補正パラメータを使用して測定デバイス12のRF応答を測定するように構成される。分析器16は追加の機能を有することもあり、例えば、セキュリティの問題を司って、測定デバイス12の再使用や、システムへの他の非認証の測定デバイスのインストールを防止することがある。また、分析器16は、電源、測定デバイス12とのデジタルおよび/またはアナログ通信を取り扱うための手段、真空/圧力連絡手段19、液体定量供給ライン、光信号通信手段、超音波信号通信手段といった機能の少なくとも1つを測定デバイス12に提供することもできる。さらに、測定デバイス12内のアブレーション/切断用の装置/工具に対する制御手段および電源、ユーザおよび/または機械入出力、ならびに測定デバイス12で使用することができる他のタイプのプローブの制御手段を提供することもできる。
【0051】
図12Aおよび図12Bは、測定システム10の構成の具体的であるが非限定的な例を示す。測定デバイス12は、センサユニット100、およびセンサユニット100と一体のCPC12Bを含み、これらは共通のハウジング12C内に収容されている。センサユニット100は、適切なコネクタによってケーブルを介してCPC12Bに接続される。図2Aの例では、分析器16と測定デバイス12の間にただ1つのRF信号接続(RFポート接続)が存在する。図2Bの例では、分析器16と測定デバイス12の間に2つのRF信号接続(RFポート接続)が存在する。図示されるように、センサユニット100への真空/圧力連絡手段19を提供するために真空/圧力連絡ラインを使用することができる。
【0052】
本発明の実施形態が、分析器16と測定デバイス12の間で3つ以上のRF信号接続を利用することもできることを理解すべきである。一般に、分析器ユニットと測定デバイスの間にn個(nは1以上の整数)のそのようなRF信号接続(RFポート接続)が存在することがある。
【0053】
CPCユニット12Bは、RFグレードコネクタC5(例えばSMA)を介してセンサユニット100に接続される。図1Aおよび図1Bに戻ると、信号コネクタ構造160がRFグレードコネクタとして構成されることがあり、較正面を定義して、再現性のある測定結果を与えることができるインターフェースを提供する。
【0054】
CPCユニット12Bは、既知のRF反射係数の複数の較正負荷にそれぞれ関連付けられた複数の端子を含み、またメモリユーティリティも含む。メモリユーティリティは、RF反射係数を示す記録データと、CPCユニットのRF伝達係数を示す記録データとを保持する。この構成は、センサユニットをCPCユニットと一体にしたままで、センサユニットの感知表面内の各センサセルのRF応答を計算できるようにする。また、CPCは、EM信号を1つまたは複数のセンサセルに選択的に向けるために使用することもできることを理解すべきである。
【0055】
好ましくは、CPCユニット12Bに機械的強度および電磁耐性を提供するために、CPCユニット12B(プリント回路板として実装される)は、RFカバーを有するハウジングで囲われる。ハウジングの機械的強度は、幾何学的な歪をなくすことによって、より良い較正を可能にする。この歪は、例えばCPCユニットの機械的応力または環境変化により生じることがある。この歪は、CPCユニット内部でのRF信号の伝播を変化させることになり、較正性能を低下させることがある。ハウジングの電磁耐性は、CPCユニット12Bとセンサユニット100のRF干渉を減少させることによって、また外部RF源とCPCユニット12BのRF干渉を減少させることによって、より良い較正を可能にする。CPCユニット12Bのコネクタは、ハウジングに一体化されることがある。ハウジングは、様々な環境条件で測定デバイス12の動作を可能にするように、また放射線および/またはガスの使用によって測定デバイスの滅菌を可能にするように構成されることもある。
【0056】
較正ユニット12Bは、一般に任意の適切な構成を有することができ、好ましくは本願と同時係属中の国際出願第PCT/IL2009/000611号で開示されている構成の1つを有することができる。この特許文献は、本出願の譲受人に譲渡されており、参照により本明細書に組み込む。
【0057】
複数のセンサセルが、センサセルの数およびサイズに従った空間的な有効範囲および分解能で、感知表面に面する媒体または組織の特性を空間的にマッピングすることを可能にすることを理解すべきである。また、各センサセルが、センサセルの感知領域の内部(例えば下)にある媒体の特性の値を統合するので、センサセルのサイズがセンサ110の特徴検出サイズを決定する。したがって、そのような空間的なマッピングは、セルの感知領域の面積に対応するある最小フィーチャサイズでセンサセルによって測定される様々な組織パラメータ値の空間的な分布の図的表示を提供することができる。また、感知表面に面する媒体または組織のそのような図的表示は、図的表現、空間的表現、空間分解詳細図/空間分解表現/空間分解記述/空間分解図とみなすこともできる。センサセルは同一のタイプ(例えば、組織の同じパラメータを測定/検査する)でも、異なるタイプでもよいことを理解すべきである。センサセルのタイプとしては、とりわけ、無線周波数(RF)および/またはマイクロ波(MW)センサや、1つまたは複数の他の電気および磁気センサがある。
【0058】
特に、この例において、センサ110は、近接EMセンサセル112のアレイ111を含む近接EMセンサとして構成されて動作可能であり、近接EMセンサセル112は、センサの感知表面の近位に位置された組織領域の内部で、信号発生器からこの組織領域に伝送される信号に対応する近接EM場を誘発するように構成される。具体的なセンサ構造(センサセルの具体的な配置/構成およびタイプ)に従った誘発場の形状および強度は、センサの感知表面に隣接する/感知表面のごく近位にある組織領域の誘電特性に応じて決まる。センサセルの構成および複数セル配置のいくつかの例を以下にさらに説明する。
【0059】
図1Aおよび図1Bの例において、一体センサユニット100は、いわゆるフレキシブル回路技法またはリジッドフレキシブル回路技法によって製造され、これらの技法は、実質的に平坦であり弾性的な構成で複数の信号ラインがセンサ110との間で伝送を行うことができるようにし、それによりセンサユニットの特定の部分/領域の可撓性を提供する。特に、センサ110(センサヘッド)との境界の近くにある信号伝送構造120の領域102の可撓性により、きつい(小さい)曲げ半径で信号伝送構造120を(例えば固定具150の周りに)巻くことができるようになる。これにより、センサユニットのフットプリントを減少させることができるようになる。また、信号伝送構造120の領域104など、センサユニット100のいくつかの他の領域の可撓性は、コネクタ160に対するセンサヘッド110の反復的な再現性のある弾性運動を可能にし、したがって、センサを収容することができるハウジングまたはガイド(図示せず)に対するセンサの相対運動を可能にする。本発明の技法は、センサの伝送構造の可撓性を利用しながらも、センサ110に向けて複数の高周波数信号伝送ラインが伝送構造を通り抜けることができるようにすることに留意すべきである。
【0060】
次に図2を参照して、本発明の原理を利用する感知デバイスを概略的に示す。ここでは、デバイスが2つのセンサユニット100および100'によって形成され、これらのセンサユニット100および100'は、図1Aおよび図1Bに示されるセンサと概して同様に構成されるが、幾何形状が異なる。本発明を理解しやすくするために、本発明のすべての例において、共通の素子を表すために同一の参照番号を使用する。2つのセンサユニット100と100'は同様であり、それぞれ、センサ(110、110')と、可撓性信号伝送構造(120、120')とを含み、幾何学的に相補形であり、感知セルのアレイを有する2部片感知ヘッド110〜110'を一体となって画定する。センサユニットは、(例えばフレキシブル回路技法を利用して)平面状の可撓性一体化構造として製造され、次いでこれらの構造が撓められて、そのセンサの半円筒形状をそれぞれ形成し、2つのセンサが円筒形の感知ヘッドを画定する。センサセルは、それぞれセンサ110および110'の表面108および108'によって形成される円筒形感知表面の周面内に配置される。この幾何形状は、(例えば内腔に挿入可能な)管状のセンサユニットを必要とする用途に特に適しており、側方感知を可能にする。ここでも、信号伝送構造120の領域104の可撓性が、内腔に対するセンサのヘッドの弾性運動を可能にする。
【0061】
センサユニット100の他の構成および幾何形状を採用することもできることを理解すべきである。これらは、限定はしないが、切除表面、切断表面、切除組織、枝分かれした内腔、身体器官輪郭、および皮膚上での測定用に構成されたセンサを含む。また、センサユニット100は、限定はしないが、固定プローブ、ハンドヘルドプローブ、内視鏡プローブ、腹腔鏡プローブ、およびロボットプローブを設けられることもある。
【0062】
図3Aを参照すると、図3Aは、具体的であるが非限定的な例による近接EMセンサセルの構成を示す。この図は、センサセル112の断面図を示す。セル112は、近接EMセンサセル112として構成され、EM場に対するアパーチャ/開口または窓として機能する感知領域114(センサセルによって誘発されるEM場が生じる/存在する領域)と、感知領域114内に遠位端が位置されるように収容された、(センサユニットの内部に対して)遠位および近位の両端部を有する内部導体素子118と、感知領域114を取り囲む、例えばセンサセルの周縁部に導電性の輪郭/境界を形成する導電性材料116とを画定する。一般に、感知領域114は平面状の領域に限定されず、典型的には3次元領域であることを理解すべきである。内部導体素子118の遠位端は、感知領域内に位置されるが、必ずしも感知表面内にはなく、例えば感知表面の下にある。内部導体素子の遠位部分は、導電性の輪郭によって取り囲まれる。内部導体118は、感知領域114内のセンサ110の誘電体材料によって、導電性の輪郭から分離されていることを理解すべきである。以下にさらに説明するように、内部導体素子118は、その反対側の(近位)端部によって、信号ライン(ここでは図示せず)と電気的に結合される(例えば物理的に接続される)。
【0063】
内部導体素子118は、例えば、多層「フレキシブル回路」センサのいくつかの層を横切る電気めっきされた貫通穴の形態でよい。センサセル112が動作されるとき(すなわちEM信号がセンサに伝送されるとき)、センサセル112は、その感知領域114内で、したがって感知領域114の近傍に位置された組織領域内で近接EM場を誘発する近接EMセンサとして機能する。前記組織領域内で誘発されるEM場のタイプ、広がり、および大きさは、組織の電気的特性および誘発信号の周波数によって決まる。したがって、前記組織領域内で誘発されるEM信号のタイプおよび大きさの分析が、感知領域の近傍にある組織の特性を示すデータを提供する。
【0064】
センサの輪郭は任意の適切な形状でよく、例えば、図3A、さらには図3C、図3E、図3F、図3H、および図3Jに示されるように六角形でも、図3B、図3G、および図3Iに示されるように長方形でも、図3Dに示されるように三角形でもよい。さらに図示されるように(例えば図3B〜図3D参照)、セルは、感知領域が様々な2次元アレイ(分割)を形成するように配列することができる。また、セルを1次元アレイとして配列することもできる(図示せず)。内部導体素子118も任意の適切な断面形状でよく、例えば円形(図3A、図3E、および図3F)または他の形状(図3G〜図3J)でよい。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態では、センサセル(またはそれらの少なくともいくつか)が、抵抗型の近接EMセンサとして構成される。そのような抵抗型センサはそれぞれ、周囲の導電性材料(輪郭)116から電気的に絶縁された内部導体素子118を含む。これは、図3A、図3E〜図3Gの例で示されている。また、以下にさらに説明するように、抵抗型センサセルは、それぞれのセンサセルを被験者から絶縁するように感知領域を覆う電気絶縁体材料を含むこともある。あるいは、図4A〜図4Cを参照して以下に説明するように、抵抗型センサセルは、内部導体素子118と周囲の導電性材料116とがどちらも被験者に直接接触した状態で測定を行うように構成されることもある。
【0066】
図3H〜図3Jに示されるいくつかの他の実施形態によれば、センサセルの少なくともいくつかは、それぞれの感知領域を取り囲む導電性材料116にそれらの内部導体素子118が接続された誘導型センサとして構成される。
【0067】
図4A〜図4Dを参照すると、図4A〜図4Dは、本発明の一実施形態によるセンサユニット100の様々な断面図をより具体的に示す。図4Cに示される断面は、図4Aでの線191に沿って取られた切断面に概して対応する。
【0068】
図示されるように、センサユニットは、感知表面108を画定するセンサ110と、信号伝送構造120とを含む。センサ110は、センサユニットが被験者の対象領域に面する感知表面108と、感知表面内に離隔関係で配置されたセンサユニット112のアレイとを有する近接EMセンサとして構成される。各センサセル112は、導電性材料116によって取り囲まれた感知領域114を画定するように構成される。信号伝送構造120は可撓性であり、センサ110と一体であり、それらが少なくとも1つの共通の連続的な表面(層)127を有するようになっている。信号伝送構造120は第1の層125を有し、第1の層125内に信号伝送ライン122のアレイが位置されて、センサセル112に関連付けられる(例えば、センサセルのそれぞれの素子、例えばこの例のセンサセル構成では内部導体素子に電気的に接続/結合される)。信号伝送構造120はさらに、センサの導電性材料116に電気的に結合された第2の導電層126を有する。図4A〜図4Dに示される例では、センサ110と信号伝送構造120は、2つの共通の連続する表面、すなわち層127と層126/117を有する。
【0069】
信号伝送構造120は、センサ110に電気的に接続され、かつセンサ110と一体の1つまたは複数のバンドを画定する。この例では、信号伝送構造は単一バンド構造120である。信号伝送構造は、複数の信号接続ライン122を提供するように構成され、信号接続ライン122はすべて共通の層125内に位置され、複数のセンサセルに関連付けられる。
【0070】
センサ110は、信号伝送構造120の信号接続ラインに電気的に結合された信号ラインの配置を含む。センサセル112のアレイ111にEM信号を供給するそのような信号ライン128の配置が図4Bに示されている。また、導電性材料116(例えばセルの周縁部)が、(図4Aで見られる)センサ110の導電層117を形成し、この導電層117は、センサユニットの動作中に接地されていても接地されていなくてもよい。センサ110は、(前記信号ライン128を含む)少なくとも第1のセンサ層119と、第2の導電層117とを含む多層構造である。層119と117は、(例えば電気絶縁ラミネート、接着剤、コーティング、または追加の絶縁層を使用することによって)互いに電気的に隔離されている。この例では、絶縁(誘電体)層127を設けることによって電気的絶縁が得られ、この層127は、センサ110の層117と層119の両方のための基板層として働き、信号伝送構造120にも共通である。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサセルが基準セルとして働き、電磁信号は、基準セルと結合された組織のタイプによっては実質的に影響を及ぼされず、すなわちセンサが被験者の対象領域と結合されるときに実質的に影響を及ぼされない。例えば、図4Dに示されるように、センサセルの1つが、媒体/組織から電磁的に隔離された基準(例えばダミー)セル112'である。そのような絶縁は、例えば、セル112'の内部導体素子をその導電性の周縁部と接続する連続的な導電性材料の被覆によって、あるいは図4Dに例示されるように、測定される組織/媒体から層119内の信号伝送ラインを切り離し(内部導体素子をなくし)、それによりそれらの間に所望の電気的絶縁を提供することによって実現することができる。組織部分の影響から遮蔽されたそのような基準セル(例えば112')は、例えば可撓性信号伝送構造120内でのEM信号の伝播の変化により必要とされる較正の目的で役立つことがあり、そのような伝播の変化は、信号伝送構造120が動いたときの信号伝送構造120の形状の変化により生じる。
【0072】
本発明が、信号伝送構造内の任意の特定のバンド数に限定されないことを理解すべきである。一般に、そのようなバンドが少なくとも1つ存在する。図4Eに示されるように、図4Aおよび図4Bの上述した例において、信号伝送構造120は単一のバンドを画定する。図4Fの例では、センサユニットで使用するのに適した信号伝送構造120が4バンド構成を有する。そのようなバンドの数は、センサユニットの具体的な用途、ならびにいくつかの因子、例えば必要な信号接続ラインの数、必要な最低限の信号対雑音比、およびセンサの寸法に応じて変えることができる。これは、ある所望の電気的絶縁を維持するためにライン間で所要の間隔を保ち、またセンサユニットと信号伝送構造の境界領域102で所望の可撓性(最小曲げ半径)を保ちながら、(例えばセンサセルの数に従って)十分な数の信号接続ラインを提供するために行う。これは、複数の信号伝送バンドを利用し、それによりセンサの周縁部130の長さ、したがってまたセンサへのフットプリントに対して最小の制約を課すことによって実現することができる。
【0073】
上述したように、プローブ(図示せず)の先端に複数のセンサセル112のアレイ111を取り付けることは、センサセルが同様のものであるときには、組織のいくつかの特性の空間的なマッピングを可能にし、他方、異なるタイプのセンサセルが使用されるときには、組織の近位領域で様々な特性を測定できるようにする。しかし、複数のセンサセルを備えるセンサのための前提条件の1つは、センサセルに電気的に結合され、そこからの(例えばEM信号の形態での)データの読み取りを可能にするように適合された複数の信号接続ライン122を(すなわち信号伝送構造120内に)提供することであることに留意すべきである。複数のそのような信号接続ラインを有する信号伝送構造120を提供することは、信号接続ラインが例えば1Mhzを超える高い周波数でEM信号を伝播する必要があるときには特に複雑であることがある。そのような高い周波数では、EM信号は、(第2の導電層126と共に導波路として機能する)信号接続ラインに沿って導波モード(または波)として伝播し、したがって、そのような信号は、それらの経路に沿って様々な妨害を受けることがあり、それらの精度を損なう。これらの妨害としては、例えば、(例えば信号の伝播路に沿った材料および/または幾何学的寸法の変化の結果生じる)インピーダンスの変化など信号ラインの様々な因子による吸収および反射や、例えば信号接続ライン122の電気的遮蔽の欠如または信号接続ライン122の互いの近接性による他の信号との干渉および/またはクロストーク(例えば異なる信号伝送ライン間のクロストーク)を挙げることができる。
【0074】
したがって、高信頼性で高精度の信号伝送を維持するために、センサセルのアレイ111にEM信号を搬送する信号伝送構造120は、インピーダンス制御され、任意選択でさらに電気シールドされる。一般に、そのような信号伝送構造は、少なくとも1つの信号ラインを含み、信号ラインは、それに関連付けられた少なくとも1つの導電性表面に対してよく定義された固定した空間関係で位置され、その導電性表面の近傍に配置される。信号ラインと導電性表面は、非導電性の誘電体材料スペーサによって間を空けられる。信号ラインと導電性表面の空間的関係、ならびに信号ラインの寸法および誘電体スペーサの材料が、ラインのインピーダンスを決定する。そのようなインピーダンス制御された構造のいくつかの例が図5Aおよび図5Bに示されており、それらの図には、信号伝送または信号通信用のストリップ平面状フィード構造300Aおよびマイクロストリップ平面状フィード構造300Bがそれぞれ示されている。これらの構造は、信号接続ライン310と、信号ラインに対して固定した空間的関係での1つまたは複数の導体表面320とを含む同様の機能素子を備える。信号ラインと導電性表面は、非導電性の誘電体材料スペーサ(図示せず)によって間を空けられる。また、導体表面320は、信号ライン310上を伝播するEM信号に対する電気的遮蔽(シールド)を提供することもできる。一般に、ストリップ構造300Aは、ライン310の両面に位置された2つの導体表面320を含むので、信号接続ライン310のより良い電気シールドを提供する。しかし、同じ理由から、このストリップ構造は一般にマイクロストリップ構造300Bよりも可撓性が低い(それ未満では構造が壊れる(または降伏する、または疲労に至る)最小曲げ半径、および構造を弾性変形または可逆変形させることができる最小曲げ半径が、ストリップ構造300Aではより高い)。
【0075】
本発明によれば、それぞれ1つのセンサセル112(またはそれらの各群)を専用の信号ライン(ライン128の1つ)に関連付けることができ、この専用の信号ラインは、信号伝送構造120のそれぞれの信号接続ライン(ライン122の1つ)と接続される。ライン128と122は、そこを通るEM信号を伝播し、したがって対応するセンサセル112へのEM信号およびセンサセル112からのEM信号を伝播するように構成される。これには、信号伝送構造120が、センサセル112に複数のEM信号を(例えば同時に)伝送することができ、かつこれらの信号間の空間的および/または時間的干渉を防止することができることが必要である。同時に、センサ110(またはセンサヘッド)の望ましくは小さいフットプリントを提供するために、構造120とセンサ110の境界102で信号伝送構造120のきつい湾曲が必要とされる。曲げ半径は、好ましくは感知表面108の寸法よりも小さく(好ましくははるかに小さく)、それによりセンサの小さなフットプリントを可能にすべきであり、すなわち、感知表面が、測定中のセンサユニットと組織の接触領域と実質的に等しくなるようにする。
【0076】
あるいは(例えば図2の実施形態におけるように)、またはさらに、センサユニットのハウジングに対する、または信号コネクタ構造(例えば図1Aおよび図1Bでの160)に対するセンサの相対運動を可能にするために信号伝送構造の可撓性が必要とされる。これは、例えばセンサのハウジングが(例えば内腔に挿入されるように)管形状であるとき、およびハウジングに対するセンサの前後運動が必要とされるとき、特に重要となることがある。
【0077】
インピーダンス制御された信号伝送および可撓性という上記2つの要件は、本発明では、平面状の(すなわち平坦な)信号伝送構造を利用することによって実現される。本出願で使用される用語「平面状」および「平坦」は、実際には、少なくとも一領域で比較的薄い構造を表し、それによりその領域で構造を曲げることができることを理解すべきである。また、本発明のセンサユニットは、センサ部品と信号伝送部品が互いに一体であり、共通の連続する表面を提供するという意味合いで、共面構成を有する。
【0078】
そのような平面状/平坦センサユニットは、図5Aおよび図5Bに示されるように、マイクロストリップ構造300Bまたはストリップ構造300Aとして構成される信号伝送構造を有することがあり、制御された固定のインピーダンス、例えば50オームまたは200オームを有する。
【0079】
また、いくつかの場合には、いくつかのタイプ/構成の組織性状診断センサセルに関しては、組織を正確に測定するために複数のセンサセル112と組織との十分な結合、好ましくは一様な結合が必要であることに留意すべきである。この場合、やはりセンサ110が可撓性であることが好ましく、したがってここでもフレキシブル回路マイクロストリップ構造またはストリップ可撓性構造として構成される。しかし、別の場合には、センサ110が剛性であることが好ましく、これらの場合には、前述したリジッドフレキシブル回路技術を利用することによって、剛性のセンサ110と可撓性信号伝送構造120の組合せを得ることができる。
【0080】
上述した例での信号伝送構造120は信号層125を含み、信号層125内に信号ライン122が形成されて、(クロストークを最小にする/防止するようにある最小ライン間隔を有して)離隔関係で配置される。信号伝送構造120はさらに、信号層125に関連付けられた少なくとも1つの導電層126を含む。上述したように、信号伝送構造120の高い機械的可撓性を提供するために、構造120内の層の数、特に導電層の数を最少にすることが好ましい。導電層は、典型的には絶縁体材料層よりも伸縮性の低い導電性材料、典型的には金属を含む。したがって、本発明の好ましい実施形態では、信号伝送構造120は、ただ1つの信号層125と、前記信号層125に関連付けられた1つまたは2つの導電層(図4A〜図4Dの実施形態では1つの導電層126のみが使用される)とを含み、インピーダンス制御された信号伝送を提供し、さらに任意選択で、信号ライン122への何らかの電気的遮蔽(シールド)を提供する。
【0081】
図6Aおよび図6Bは、本発明のいくつかの他の実施形態による信号伝送構造の信号伝送バンド400Aおよび400Bの2つの例を概略的に示す。図6Aに示される信号伝送バンド400Aは、2つの離隔された信号ライン411と412を含む第1の信号層405と、第1の信号層405から電気的に絶縁された第2の導電層406とを含む。信号層405と第2の導電層406は、非導電性の誘電体材料スペーサ(図示せず)によって間を空けられる。信号ライン411および412と導電層406は、実際には、2つのマイクロストリップフィード構造401Aと402Aの共面構成を形成し、信号ラインの間隔d1Aは、信号ライン411と412の間のクロストークを防止するものである。導電層と信号層の間隔d2Aと、誘電体スペーサ(図示せず)のタイプと、信号ラインの幅とが、信号伝送構造のインピーダンスを決定する。図6Aおよび図6Bの例では、2つの信号ライン411と412のみが示されているが、典型的には、3つ以上のそのような信号ラインが各信号伝送バンド内に配置されることを理解すべきである。
【0082】
図6Bに示される信号伝送バンド400Bは、上述したバンド400Aと概して同様であり、追加の導電層407を含む点で異なる。この例では、信号ライン411および412と導電層406および407が、2つのストリップフィード構造401Bと402Bの共面構成を形成するように配置される。ここでも、信号ラインの間隔d1Bは、信号ライン411と412の間のクロストークを防止するためのものであり、導電層と信号層の間隔d2Bと、誘電体スペーサ(図示せず)のタイプと、信号ラインの幅とが、信号伝送構造のインピーダンスを決定する。また、図6Bに示されるようなストリップ構成を利用すると、図6Aのマイクロストリップで必要とされる間隔d1Aに比べていくぶん狭い信号ラインの間隔d1Bで、信号ライン間の同程度のクロストークを維持することができるようになり、したがって、同じ幅の信号伝送バンド内により多数の信号ラインを取り付けることができるようになることに留意すべきである。他方で、上述したように、追加の導電層407と追加の誘電体スペーサ(図示せず)が、信号伝送バンド400Bの可撓性に影響を及ぼし、可撓性を減少させる。また、どちらも同様のインピーダンスおよびライン幅を有するマイクロストリップ構成とストリップライン構成を比較するとき、ストリップ構成は、より厚い誘電体基板を必要とし、したがってここでも信号伝送バンド400Bの可撓性を減少させる。
【0083】
したがって、信号伝送構造の信号伝送バンドのタイプは、とりわけ、以下のようなパラメータの所望の値に従って設計することができる。許容できるクロストークの度合い、所要のバンド幅、およびバンドを通って延びる信号ラインの数、ならびに所要のバンド可撓性(例えば、バンドを構造的に損壊させない伝送バンドの最小可能曲げ半径)。さらに、いくつかの実施形態では、プローブハウジングに対するセンサの連続的な繰り返し運動を可能にするために信号伝送構造120の可撓性が必要とされる(例えば、信号伝送構造の湾曲は、以下に示す応力歪曲線の弾性領域内で、または時として弾性-塑性領域内で操作される)。
【0084】
次に図7A〜図7Cを参照すると、図7A〜図7Cは、実現することができる所望の可撓性/最小曲げに従った、センサユニットのための適切な層構成の選択の原理を例示する。図7Aは、典型的なフレキシブル回路の応力歪線図を示す。この図は、例えば構造が湾曲されているときに構造に加えられている応力σ(すなわち力/面積)の関数として、フレキシブル回路構造の典型的な歪ε(すなわち長さlの変化;%)を示す。この図に示されるように、加えられる力(応力σ)に対する構造の応答(すなわち歪ε)は、概して3つの区間に分けることができる。すなわち、第1に、加えられる力に応答した構造の線形可逆変形によって特徴付けられる弾性区間。この区間では、力の印加が解放された後に構造材料が構造を元の長さに戻す。第2に、弾性-塑性区間。この区間は、構造の非線形変形によって特徴付けられる(力が解放された後に、構造材料が構造を元の形状に完全には戻さない)。第3に、線形不可逆変形によって特徴付けられる塑性領域。したがって、センサユニットを繰り返し湾曲させることが意図されるセンサユニットの領域(例えば図1A、図1B、および図2での領域104)では、最小曲げ半径を弾性および/または弾性-塑性区間(好ましくは弾性区間)に制限すべきであり、一方、永久的な湾曲を使用することができる領域(例えば図1Aおよび図1Bでの境界領域102)では、塑性区間内の一定/固定の最小曲げ半径を利用することができることが明らかである。
【0085】
しかし、これらの区間は、センサユニット構造のレイアウト(すなわち層の厚さおよび材料)に従って変わることがあることに留意すべきである。この依存性は図7Bおよび図7Cに例示されており、図7Bおよび図7Cは、それぞれ1つの銅導電層および2つの銅導電層を含む異なる層構造を有するフレキシブル回路の2つの例を示す。これらの例は、最小可能曲げ半径が、湾曲すべき領域内の構造での層の数、材料タイプ、および厚さに応じて決まることを示す。
【0086】
図7Bは、具体的であるが非限定的な例に従ってフレキシブル回路構造を示す。この構造は、厚さD=50μmを有する単一の基板層Sと、厚さt=35μmを有する単一の銅導電層Cと、厚さd=50μmのカバー層Vとを含む。そのような構造の最大伸び(線形変形)Eは、以下の公式によって与えられる。
【数1】

ここで、EBは、破断を回避するためには10%であり、動的曲げを考慮すると0.3%である。
【0087】
したがって、最小可能曲げ半径は、
【数2】

となる。
【0088】
したがって、上記のパラメータに関して、動的曲げ区間(弾性)での最大可能変形は最小曲げ半径R≧5.766mmで実現され、一方、破断が生じない曲げ半径は、R≧0.108mmである。
【0089】
図7Cは、具体的であるが非限定的な例によるフレキシブル回路構造を示す。この構造は、図を見ての通りに配置された、厚さD=50μmを有する単一の基板層Sと、厚さt=35μmを有する2つの銅導電層Cと、厚さd=50μmの2つのカバー層Vとを含む。一般に、追加の層(一般にはより厚い構造および/またはより可撓性の低い複数の導電層)は曲げ半径を制限し、したがってこの例では、(動的および静的曲げに関する)最小曲げ半径が図7Bに比べて大きい。
【0090】
ここで、破断前のそのような構造の最大伸び(線形変形)Eは、以下の公式によって与えられる。
【数3】

ここで、EBは、破断を回避するためには10%であり、動的曲げを考慮すると0.3%である。
【0091】
したがって、最小可能曲げ半径は、
【数4】

となる。
【0092】
したがって、上記のパラメータに関して、動的曲げ区間(弾性)での最大可能変形は最小曲げ半径R≧20.056mmで実現され、一方、破断が生じない曲げ半径は、R≧0.495mmである。
【0093】
厚さd、D、およびtの少なくとも1つを上記の例で与えた厚さよりも小さくなるように選択すれば、最小曲げ半径を上記の例で得られた値よりも小さくすることができることに留意すべきである。約1〜100mmの感知表面サイズに関して、実現可能な最小の曲げ半径EBは、感知表面サイズよりもかなり小さい。したがって、センサユニットの望ましく小さいフットプリントを実現することができる。
【0094】
図1Aおよび図1Bに戻り、破断/破壊条件に関して得られる半径が、境界領域102の湾曲に関する限界を設定し、弾性区間に関して得られる半径が、領域104に関する限界を設定することを理解すべきである。
【0095】
再び図4Cを参照すると、センサユニット100は、両側にそれぞれ第1のセンサ層119および導電層117が配置された基板絶縁層127を含む3層からなる積層を含む一体化構造として実装される。基板絶縁層127が、第1のセンサ層119と一体の信号伝送構造120の信号伝送層125に関する基板としても、導電性センサ層117と一体の信号伝送構造120の導電層126に関する基板としても働くことを理解すべきである。したがって、信号伝送層125の信号接続ラインは、センサの信号ライン128と一体である。より一般には、センサ110と信号伝送構造120のそれぞれの層が、1つまたは複数の共通の連続する表面を有するように配置される。
【0096】
この例では、基板層127がポリイミド材料を含み、導電層117、126用の導電材料、ならびにそれぞれ層119と125の信号ラインと信号接続ライン用の導電性材料としては銅が使用されることに留意すべきである。
【0097】
図8A〜図8Dを参照すると、図8A〜図8Dは、本発明の別の実施形態によるセンサユニット100の一例を示す。この例では、センサユニットは、図4A〜図4Dの例よりもさらに多数のセンサセルを含み、したがって測定分解能を向上させることができるようになり、より小さい最小検出可能フィーチャサイズを実現する。それに従って、より多数の信号ラインが信号伝送構造120を通って延びる。このために、信号伝送構造120は、2つの信号伝送バンド120Aおよび120Bを有し、複数の信号ラインが異なるセンサセルに向かって進む。信号ラインの間隔を狭めず(したがってラインのEM絶縁を損なわず)、センサ110のフットプリントも増加させずに、信号伝送構造120の内部により多くの信号ラインを収容するために、信号伝送構造120がいくつかの信号伝送バンド(この場合は2つのそのような伝送バンド)に分けられる。
【0098】
図8A〜図8Dに示される実施形態では、センサユニットは概して図4A〜図4Dのものと同様である。しかし、図4A〜図4Dの例ではセンサセルが組織/媒体と直接接触して動作するように構成されるが、この実施形態では、センサセル112は、検査される媒体から電気的に隔離された状態で動作するように設計される。したがって、追加の誘電体コーティング(または層)132が提供され、セル112の導電性素子116および118を検査される媒体から分離して電気的に絶縁する。また、この例では、信号伝送構造120の第1のセンサ層119と信号層125をどちらも覆う追加の誘電体層/コーティング134が存在する。
【0099】
図4A〜図4Dの実施形態と同様に、この例では、少なくとも1つのセンサセルが、図8Dに示されるように構成された基準セルとして働くことがある。上述したように、この実施形態では、活動センサセルは、測定される組織と電気的に直接接触せずに動作し、したがって層132がセンサセル(図示される活動セル112)を覆っているものとして図示されている(この例ではあまり重要ではないが、層132がダミーセル112'も覆っていることを理解すべきである)。また、この実施形態では、感知領域114'全体を覆うように118'の遠位端を延ばし、セル112'の内部導体素子118'をその導電性周縁部116'と電気的に結合させることによって、測定される媒体の特性に対する基準セル112'の不感受性が得られる。
【0100】
また、図8Cは、本発明によるセンサユニットの製造におけるリジッドフレキシブル回路技法の使用の一例を示す。信号コネクタ構造160の層構造は、可撓性信号伝送構造120の層と一体であって実質的に同じである複数の層を含む。信号コネクタ構造160の剛性は、(例えば適切な接着剤によって)層構造に接続された追加の剛性材層193によって提供される。センサのヘッドまたはその一部分などセンサユニットの他の部分、および/または信号伝送構造のいくつかの領域を剛化するための同様の技法を使用することもできることに留意すべきである。
【0101】
図4A〜図4Dおよび図8A〜図8Dの例で示されるセンサセルは、近接EMセンサとして構成される。そのようなセンサに優れた測定精度を与えるために、センサセルの感知領域114の内部に位置された内部導体素子118と、感知領域114を取り囲む導電性材料116とが共に、測定中に媒体/組織に面する同一の感知表面108上に位置されることが好ましい(感知表面を表す線108は、見て分かりやすいように描いたにすぎず、センサの構造上の要素ではない)。このために、内部導体素子118は、第1のセンサ層119内のそれぞれの信号ラインに接続され、感知表面108に向かってセンサの前側に突出する。センサセルが動作されるとき、内部導体素子118の遠位端と、(感知表面108内にある)センサセルの周縁部での導電性材料116とを備える導体素子の構成が協働して、感知領域114に近接する組織/媒体の近傍でEM場を誘発する。典型的には、それぞれの信号ライン128に電気的に接続された内部導体素子118がEM信号(例えば定電圧またはある周波数での交流電圧)を搬送し、導電性材料は接地電位で保たれる。これは、導電性材料116の周縁部によって取り囲まれた領域であるセンサセル112のそれぞれの感知領域のごく近位にある組織内部でのEM場の誘発に影響を及ぼす。組織内部へのEM場の侵入深さは、典型的には、感知領域114のサイズのオーダーであるか、または内部導体118の遠位端のフィーチャサイズのオーダーである。したがって、感知領域の寸法または内部導体118の遠位端のフィーチャサイズの寸法が、EM場が媒体に侵入する深さを定義/設定する。感知表面内でのセンサセルの適切な配置、例えばそれらの構造、数、サイズ、および充填率の選択により、組織内で、ある所与のサイズを有してある所与の深さに位置された対象領域の検査が可能になる。
【0102】
上の考察はすべて、センサ110と一体の可撓性信号伝送構造を提供することを狙いとするとき、第1のセンサ層119内部の信号ラインの空間的配置/引き回しに対する設計限界または制約を生み出すことを理解すべきである。
【0103】
一般に、内部導体素子118の遠位端(例えば先端。例えば第1のセンサ層119から遠位にある内部導体素子118の区域)が、感知領域114の前に位置された組織部分の内部でEM場を誘発するだけでなく、それぞれの感知領域114内を進む信号ラインの区域によっても、同じ組織部分の内部に追加のEM場が誘発されることを理解すべきである。本発明の開示において、「感知領域内を通る信号ライン」と言うとき、第1の(センサの信号)層119内を通り、感知表面108上に投影したときに感知領域内を通る信号ラインを表すことを理解すべきである。そのような区域の一例は図4Aおよび図4Bに示されている。この例では、信号ラインの区域195が、上述した意味合いでセンサセル197の感知領域/アパーチャ196の内部を通っている。この場合、区域195は、センサセル197に関連付けられる(例えばセルの内部導体素子に接続される)信号ラインの一部であるが、いくつかの場合には、アパーチャ内を通る(または横切って進む)信号ラインを他のセルに関連付けることもできることを理解すべきである。
【0104】
上述したように感知領域の内部を通る信号ラインによって誘発されるこれらの追加のEM場は、ある量の雑音を測定値にもたらす。この雑音は、感知領域(アパーチャ)114と、前記感知領域114内を通る他のセンサセルに関連付けられる信号ラインとの間のクロストークによって、または感知領域114に関連付けられる信号ライン119のいくつかの区域によりその感知領域114内で発生される追加の近接EM場によって引き起こされることがある。これは、(セルごとに)同一でないこれらの場が、内部コネクタ118の遠位部分によって誘発される(どのセルでも同一である)場に加わることにより、雑音の追加(SNRの低下)をもたらす。
【0105】
次に図9A〜図9Dを参照すると、信号ラインと感知領域の関係の例がより具体的に示されている。図9Aは、図8A〜図8Cに示されるような構成でセンサ110の第1の(センサの信号)層119を示し、図9Bおよび図9Cは、充填率が高いこのセンサ構成の導電層117の構成(図9B)と、雑音およびクロストークが低減されたこのセンサ構成の導電層117の構成(図9C)との2つの例を示す。
【0106】
図9Aは、層119が、異なるセンサセルに関連付けられた複数の信号ライン128(それぞれのセンサセルの位置の内部で終端するように配置された信号ライン128)を含むことを示す。また、信号ライン128は、信号伝送構造の信号接続ライン122と一体であり、センサ110と信号伝送構造120のどちらの領域内でもライン間に少なくともある最小距離を保つように構成されたものとして図示されている。
【0107】
図9Bは、図9Aの第1のセンサ層119の上に配置された導電層117を含むセンサ110の一例を示す。この例での層117は、比較的小さいサイズの(狭い)間隔dsを間に有する比較的大きい感知領域114(窓)を含む。したがって、感知領域114は、センサの感知表面108内のかなりの領域を占め、それにより、感知表面108の内部での感知領域の高い充填率を与える。図9Dは、センサセル112、112'、および112''と、それらの関連の信号伝送ラインとをより具体的に示す。
【0108】
一般に、監視下での媒体の小さなフィーチャサイズの特性の存在に対するセンサセルの感度を高めるために、感知表面内の感知領域の充填率が高いことが望ましい。しかし、感知表面内の感知領域の充填率が高い本明細書で例示するようなセンサの構成により、センサの精度が損なわれることがあり、または少数のセンサセルしか使用できなくなることがあり、それによりセンサの適用可能な分解能が低くなる。これは、狭い空間dsにより、限られた数の信号ラインしか、感知領域から電気的にシールドされた状態で感知領域の間を横切ることができないからである。これはまた、(例えばクロストークを防止するために)隣接する信号ライン間での所望の電気的絶縁の程度に従って信号ライン間でいくらかの最小間隔を保たなければならないからであり、領域dsだけですべての信号ラインに対処することはできない。したがって、より多数の信号ラインを必要とする高い空間分解能要件の場合には、異なるセンサセルの信号ラインが他のセンサセルの感知領域を通過することは避けられない。例えば、セル112'および112''に関連付けられる信号ライン141'および141''の一部分が、別のセンサセル112の感知アパーチャ114を通過する。上述したように、これらの信号ラインは、感知領域114が結合されている組織部分の内部で追加のEM場を誘発し、したがって測定の精度を損ない、異なるセンサセル間のクロストークに影響を及ぼす。また、この例での感知領域のサイズは比較的大きいので、それぞれのセンサセルに関連付けられ、セルの感知領域114を通過する信号ラインの部分もかなり長く、したがってこれもまたセンサセルの測定の精度を損なう。
【0109】
さらに、上述したように、動作中、センサセルは、実際には、それぞれの感知アパーチャの前に位置された組織領域のEM応答を取り込む。前記組織領域のEM応答は、センサセルの感知アパーチャ内部で発生されたEM場の空間的分布に対応する。例えば円形、長方形、六角形の対称性を有する様々な空間的形状のEM場を誘発するように、様々なタイプのセンサセル(例えば図3E〜図3Jに示されるものなど)が設計される。組織特性の分析は、誘発される場の空間的形状に大きく依存し、この場は、感知領域内を通る信号ラインの区域、例えば上述した区域141'、141''(図9D参照)によって誘発されるような電気的干渉を受けやすいことがある。したがって、アパーチャ内を通る信号ラインの区域、および遠位端以外の内部導体素子の区域を電気的に遮蔽することによって、センサセルの感知領域からの電気的干渉のそのような影響を回避/低減することで、組織性状診断測定の精度が改良される。
【0110】
図9Cは、図9Aの第1のセンサ層119の上に配置された導電層117を含むセンサ110の別の例を示す。ここで、層117は、比較的大きい(広い)間隔dsを空けて配置された比較的小さい感知領域114を含み、したがって、感知領域内を横切るまたは通過する信号ラインの部分は小さく、センサセル間のクロストークができるだけ小さくされる。この例では、感知領域114は、センサの感知表面108の比較的小さい領域を占め、したがって感知領域のより低い充填率を与える。
【0111】
本発明は、信号対雑音比が比較的高く(例えば、異なるセンサセル間のクロストークが抑制され)、かつ感知領域の充填率が比較的高い、高い空間分解能のセンサユニットを提供することができるようにする。これに関連して図10Aを参照すると、図10Aは、本発明の別の実施形態によるセンサユニットの側断面図を示す。センサユニットは、図4A〜図4Cおよび図8A〜図8Cと概して同様に構成される。より具体的には、センサユニットは、センサ110、およびセンサ110と一体の信号伝送構造120を含み、共に共通の連続する表面127を有する。センサ110は、導電性材料116によって取り囲まれる感知領域(例えば114)のそれぞれのアレイを画定するセンサセル(例えば112)のアレイ111を含む。センサ110は、信号ライン128を含む第1のセンサ層119と、第2の導電層117とを含み、第2の導電層117に(例えば電気絶縁窓または穿孔の形態で)感知領域が形成され、第2の導電層117はさらに、感知領域を取り囲む導電性材料116を含む。また、センサセルは、第1のセンサ層119から感知表面108に向かって突出する内部導体素子118も含む。高い信号対雑音比、ならびに高い空間分解能および/または高い充填率を得るために、感知領域内を通る信号ラインの部分は、感知領域114自体から電気的にシールド(遮蔽)すべきである。図10Aの本発明の例では、これは、信号ラインを支持する第1のセンサ層119と、感知領域が形成される第2の導電層117との間に位置された追加の導電層140を利用することによって実現される。追加の導電層140は、電気シールドとして働き、第1のセンサ層119内を横切って感知領域内を通る信号ラインを感知領域から、したがって感知表面108から遮蔽する。
【0112】
図10Bに、追加の層140の構成の一例がより具体的に示されている。層140は、(例えば層140にある穿孔の形態での)信号伝送領域145のアレイ144を含む導電層であり、これらの領域145は、実質的に非導電性の領域であり、層140内で離隔関係で配置されており、感知領域の少なくともいくつかと位置合わせされている。すなわち、信号伝送領域145のアレイ144は、センサセルアレイ111に関連付けられる感知領域のアレイに対応する。伝送領域145は、感知領域114と同心であることがあり、一般には感知領域114よりも小さいことがあり、それにより、前記追加の導電性センサ層によって、信号ラインの少なくとも一部分を感知領域から電気的に遮蔽することに留意すべきである。ここで、追加の層は、信号伝送構造120(小さい一部分のみが図示されている)の導電層126と一体である。
【0113】
図10Cは、感知領域114のアレイ130を含む導電層117を概略的に示す。組み立てられたセンサ構成では、導電層117は、追加の層140の上に位置され、性状診断すべき組織/媒体に面することを理解すべきである。伝送領域145は、センサセルの内部導体素子への接続を提供すると共に、感知領域114内を通る信号伝送層の他の部分を電磁的に遮蔽する。
【0114】
図10A〜図10Cに提示される構成は、各センサセル112の感知領域114内で誘発された近接EM場の構造が、感知領域114内を通る信号ラインの区域によって影響を及ぼされないようにする。これにより、測定値のSNRが高まり、したがってセンサ110の性状診断機能が高まる。
【0115】
この例でも、センサユニットが、積層を含む一体化構造として実装されることにも留意すべきである。しかし、提示した前述の例とは異なり、ここでは、信号伝送構造120の導電層126は追加のセンサ層140と一体である。これに関連して、この例では、センサ110と信号伝送構造の境界102の高い可撓性を提供するために、追加の層が、センサ110の領域の内部にのみ延びる(例えば境界102を通って信号伝送構造120には延びない)ことに留意すべきである。
【0116】
添付の特許請求の範囲において定義される範囲から逸脱することなく、本明細書に上述した本発明の実施形態に様々な修正および変更を施すことができることを当業者は容易に理解されよう。
【符号の説明】
【0117】
10 測定システム
12 測定デバイス
12B CPCユニット
14 ネットワーク分析器
16 分析器
100 センサユニット
108 感知表面
110 センサヘッド
111 アレイ
112 センサセル
114 感知領域
116 導電性材料
117 導電層
118 内部導体素子
119 センサ層
120 可撓性信号伝送構造
122 信号伝送ライン
125 信号層
126 導電層
127 絶縁(誘電体)層
128 信号ライン
150 固定具
160 信号コネクタ構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
デバイスが被験者の対象領域に面する感知表面と、導電性材料によって取り囲まれた感知領域を画定するようにそれぞれ構成されたセンサセルのアレイとを備える近接電磁センサであって、前記感知領域のアレイが、前記感知表面内に離隔関係で配置される、近接電磁センサと、
前記近接電磁センサと一体の可撓性信号伝送構造であって、前記信号伝送構造と前記近接電磁センサとが、少なくとも1つの共通の連続する表面を有し、前記センサセルに関連付けられた信号接続ラインのアレイを含む第1の層と、前記センサの前記導電性材料に電気的に結合された第2の導電層とを備える可撓性信号伝送構造と、
を備えるセンサユニット。
【請求項2】
前記信号伝送構造と前記近接EMセンサとが、前記感知領域に沿った、および前記感知領域からのインピーダンス制御された信号伝送を可能にするように構成される請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記センサセルの少なくともいくつかのそれぞれが、それぞれの前記感知領域の内部に結合され、前記信号接続ラインのそれぞれ1つに電気的に結合された内部導体素子を備える請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記センサセルの少なくともいくつかが、抵抗型センサとして構成され、前記抵抗型センサがそれぞれ、周囲の前記導電性材料から電気的に絶縁された内部導体素子を備える請求項3に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記抵抗型センサセルが、前記感知領域を覆い、前記被験者から前記センサセルを絶縁する電気絶縁体材料を備える請求項4に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記抵抗型センサセルが、前記内部導体素子および周囲の前記導電性材料を前記被験者と直接接触させた状態で測定を行うように構成される請求項4に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記センサセルの少なくともいくつかが、誘導型センサとして構成され、誘導型の前記センサセルのそれぞれの内部導体素子が、それぞれの前記感知領域を取り囲む前記導電性材料に接続される請求項3に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記可撓性信号伝送構造が、前記センサの特徴的な寸法よりも小さい曲率半径で前記センサに関して湾曲するように構成された少なくとも1つの可撓性バンドを有する請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記可撓性信号伝送構造が、前記センサの特徴的な寸法よりも小さい曲率半径で前記センサに関して湾曲するように構成された少なくとも1つの可撓性バンドを有する請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記近接電磁センサが、
複数の信号ラインを備える第1のセンサ層であって、前記信号ラインが、前記信号伝送構造の前記信号接続ラインに電気的に結合され、それにより、対応する前記センサセルに関連付けられる、第1のセンサ層と、
前記導電性材料を備えて前記感知表面を画定する第2のセンサ層であって、前記信号伝送構造の前記第2の導電層に電気的に結合される第2のセンサ層と、
を備える請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項11】
前記近接電磁センサが、
複数の信号ラインを備える第1のセンサ層であって、前記信号ラインが、前記信号伝送構造の前記信号接続ラインに電気的に結合され、それにより、対応する前記センサセルに関連付けられる、第1のセンサ層と、
前記導電性材料を備えて前記感知表面を画定する第2のセンサ層であって、前記信号伝送構造の前記第2の導電層に電気的に結合される第2のセンサ層と、
を備える請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項12】
前記近接電磁センサが、
複数の信号ラインを備える第1のセンサ層であって、前記信号ラインが、前記信号伝送構造の前記信号接続ラインおよび前記センサセルの前記内部導体素子に電気的に結合される、第1のセンサ層と、
前記導電性材料を備えて前記感知表面を画定する第2のセンサ層であって、前記信号伝送構造の前記第2の導電層に電気的に結合される第2のセンサ層と、
を備える請求項3に記載のセンサユニット。
【請求項13】
前記信号ラインの少なくともいくつかが、それぞれの前記感知領域に関連付けられ、それぞれの経路に沿って前記第1のセンサ層内で延び、前記感知表面上への前記経路それぞれの投影が、すべての他の感知領域の外側である請求項10に記載のセンサユニット。
【請求項14】
前記信号ラインの少なくともいくつかが、それぞれの前記感知領域に関連付けられ、それぞれの経路に沿って前記第1のセンサ層内で延び、前記感知表面上への前記経路それぞれの投影が、すべての他の感知領域の外側である請求項11に記載のセンサユニット。
【請求項15】
前記信号ラインの少なくともいくつかが、それぞれの前記感知領域に関連付けられ、それぞれの経路に沿って前記第1のセンサ層内で延び、前記感知表面上への前記経路それぞれの投影が、すべての他の感知領域の外側である請求項12に記載のセンサユニット。
【請求項16】
前記信号ラインの少なくともいくつかが、それぞれの前記感知領域に関連付けられ、それぞれの経路に沿って前記第1のセンサ層内で延び、前記感知表面上への前記経路それぞれの投影が、他の感知領域の1つまたは複数と交わる請求項11に記載のセンサユニット。
【請求項17】
前記近接電磁センサが、前記第1のセンサ層と前記第2のセンサ層の間に位置された追加の導電性センサ層を備え、前記追加の導電性センサ層が、離隔された信号伝送領域を有し、前記信号伝送領域が、前記感知領域の少なくともいくつかに位置合わせされた実質的に非導電性の領域として構成され、前記信号伝送領域が、対応する前記感知領域よりも実質的に小さく、それにより、前記追加の導電性センサ層によって、前記信号ラインの少なくとも一部分を前記感知領域から電気的に遮蔽する請求項13に記載のセンサユニット。
【請求項18】
前記近接電磁センサが、前記第1のセンサ層と前記第2のセンサ層の間に位置された追加の導電性センサ層を備え、前記追加の導電性センサ層が、離隔された信号伝送領域を有し、前記信号伝送領域が、前記感知領域の少なくともいくつかに位置合わせされた実質的に非導電性の領域として構成され、前記信号伝送領域が、対応する前記感知領域よりも実質的に小さく、それにより、前記追加の導電性センサ層によって、前記信号ラインの少なくとも一部分を前記感知領域から電気的に遮蔽する請求項16に記載のセンサユニット。
【請求項19】
前記追加の導電性センサ層が、経路に沿って延びる前記信号ラインの電気的遮蔽を提供するように構成され、前記感知表面上への前記経路の投影が、前記感知領域の1つまたは複数に交わる請求項17に記載のセンサユニット。
【請求項20】
前記追加の導電性センサ層が、経路に沿って延びる前記信号ラインの電気的遮蔽を提供するように構成され、前記感知表面上への前記経路の投影が、前記感知領域の1つまたは複数に交わる請求項18に記載のセンサユニット。
【請求項21】
前記第2のセンサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項10に記載のセンサユニット。
【請求項22】
前記第2のセンサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項11に記載のセンサユニット。
【請求項23】
前記第2のセンサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項12に記載のセンサユニット。
【請求項24】
前記追加の導電性センサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項17に記載のセンサユニット。
【請求項25】
前記追加の導電性センサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項18に記載のセンサユニット。
【請求項26】
前記追加の導電性センサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項19に記載のセンサユニット。
【請求項27】
前記追加の導電性センサ層が、前記信号伝送構造の前記第2の導電層と一体である請求項20に記載のセンサユニット。
【請求項28】
前記信号ラインを備える前記第1のセンサ層が、前記信号接続ラインを備える前記信号伝送構造の前記第1の層と一体である請求項10に記載のセンサユニット。
【請求項29】
前記信号ラインを備える前記第1のセンサ層が、前記信号接続ラインを備える前記信号伝送構造の前記第1の層と一体である請求項11に記載のセンサユニット。
【請求項30】
前記第1のセンサ層の前記信号ラインの少なくともいくつかが、前記信号ラインに関連付けられた前記感知領域の少なくともいくつかの内部で終端し、前記信号ラインが、前記感知領域内の終端部で、前記第1のセンサ層から前記感知表面に向かって突出する前記内部導体素子と接続され、それにより、前記導電性素子が、前記感知領域を通って前記感知表面から外方向に延びる電磁場プロファイルを誘発する請求項10に記載のセンサユニット。
【請求項31】
前記第1のセンサ層の前記信号ラインの少なくともいくつかが、前記信号ラインに関連付けられた前記感知領域の少なくともいくつかの内部で終端し、前記信号ラインが、前記感知領域内の終端部で、前記第1のセンサ層から前記感知表面に向かって突出する前記内部導体素子と接続され、それにより、前記導電性素子が、前記感知領域を通って前記感知表面から外方向に延びる電磁場プロファイルを誘発する請求項11に記載のセンサユニット。
【請求項32】
前記信号伝送構造が、前記センサに対して湾曲することができ、かつ前記信号接続ラインを含むことができる1つまたは複数の可撓性バンドを備え、前記1つまたは複数のバンドが、前記センサから1つまたは複数の方向に沿って延在する請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項33】
前記信号伝送構造が、前記センサに対して湾曲することができ、かつ前記信号接続ラインを含むことができる1つまたは複数の可撓性バンドを備え、前記1つまたは複数のバンドが、前記センサから1つまたは複数の方向に沿って延在する請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項34】
前記センサセルの少なくとも1つが、動作中に前記センサが結合される被験者の対象領域の影響を実質的に受けない基準セルとして構成されて動作可能である請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項35】
前記センサセルの少なくとも1つが、動作中に前記センサが結合される被験者の対象領域の影響を実質的に受けない基準セルとして構成されて動作可能である請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項36】
前記信号伝送構造が、可撓性の平面状の層である前記第1および第2の層を含む複数の層を有する可撓性の平面状のマイクロストリップとして構成される請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項37】
前記信号伝送構造が、可撓性の平面状の層である前記第1および第2の層を含む複数の層を有する可撓性の平面状のマイクロストリップとして構成される請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項38】
前記信号伝送構造が、前記第1および第2の層と追加の導電層とを含む複数の層を備える可撓性の平面状のストリップとして構成され、前記第2の層と追加の層が前記第1の層の両側に位置される請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項39】
前記信号伝送構造が、前記第1および第2の層と追加の導電層とを含む複数の層を備える可撓性の平面状のストリップとして構成され、前記第2の層と追加の層が前記第1の層の両側に位置される請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項40】
前記近接電磁センサの前記感知表面が、可撓性である請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項41】
前記近接電磁センサの前記感知表面が、可撓性である請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項42】
被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
デバイスが被験者の対象領域に面する感知表面と、導電性材料によって取り囲まれた感知領域を画定するようにそれぞれ構成されたセンサセルのアレイとを備える近接電磁センサであって、前記感知領域のアレイが、前記感知表面内に離隔関係で配置される、近接電磁センサと、
前記近接電磁センサと一体の可撓性信号伝送構造であって、前記信号伝送構造と前記近接電磁センサとが、少なくとも1つの共通の連続する表面を有し、前記センサの特徴的な寸法よりも小さい曲率半径で前記センサに関して湾曲するように構成された少なくとも1つの可撓性バンドを有する可撓性信号伝送構造と、
を備えるセンサユニット。
【請求項43】
被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
センサセルのアレイを備える近接電磁センサであって、各々の前記センサセルが、感知領域と、前記感知領域内に位置された内部導体素子とを備え、前記センサセルの前記感知領域が、感知表面内に離隔関係で配置される、近接電磁センサと、
前記近接電磁センサと一体の可撓性信号伝送構造であって、それぞれ前記内部導体素子に電気的に結合された信号接続ラインを含む第1の層を備える可撓性信号伝送構造と、
を備えるセンサユニット。
【請求項44】
被験者の測定に使用するためのセンサユニットであって、
デバイスが被験者の対象領域に面する感知表面と、それぞれ導電性材料によって取り囲まれた感知領域を画定し、前記感知領域の内側に結合された内部導体素子を備えるセンサセルのアレイとを備える近接電磁センサであって、前記感知領域のアレイが、前記感知表面内に離隔関係で配置される、近接電磁センサと、
前記近接電磁センサと一体であり、前記センサに対して湾曲することができる可撓性マイクロストリップであって、前記導電性材料の延在部である第1の導電層と、前記内部導体素子に電気的に結合された信号接続ラインのアレイを支持する第2の導電層とを備える可撓性マイクロストリップと、
を備えるセンサユニット。
【請求項45】
請求項1に記載のセンサユニットを1つまたは複数備える感知デバイス。
【請求項46】
被験者の測定に使用するための測定デバイスであって、請求項45に記載の感知デバイスと、較正およびプローブ制御ユニット(CPC)とを備え、前記較正およびプローブ制御ユニット(CPC)が、前記感知デバイスと一体であり、ネットワーク分析器に接続するように構成される測定デバイス。
【請求項47】
前記CPCが、既知のRF反射係数の複数の較正負荷にそれぞれ関連付けられた複数の端子を備え、かつ前記RF反射係数を示す記録データと、前記CPCユニットのRF伝達係数を示す記録データとを保持するメモリユーティリティを備え、それにより、前記センサユニットをCPCユニットと一体にしたままで、前記センサユニットの前記感知表面内の前記センサセルそれぞれのRF応答を計算できるようにする請求項46に記載の測定デバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図4A−4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A−8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2013−500821(P2013−500821A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523434(P2012−523434)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000630
【国際公開番号】WO2011/016035
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(511000832)デューン・メディカル・デバイシズ・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】