被験者の眼球に電磁放射を送達するシステム
光線療法が、システム及び/又は方法を使用して被験者に提供される。光線療法は、(例えば、被験者が眠っている時等)被験者の眼瞼が閉じている間の、被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球への電磁放射の投与を含む。治療上有益な様式で被験者の体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう、光線療法アルゴリズムを設計することができる。例えば、光線療法アルゴリズムは、睡眠障害及び/若しくは気分障害(例えば、季節性感情障害、季節に関係しないうつ状態、概日リズムの混乱等)、又は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに対する制御で治療可能な他の障害のうち1又は複数の障害を治療するために、メラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計された光線療法アルゴリズムに従って、眠っている被験者の眼球に対する電磁放射の送達を実行するための医療システム及び/又は方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眠っている被験者の眼に電磁放射を送達して、被験者に光線療法を提供するよう設計されたシステムは既知である。これらのシステムは、一般に、被験者の眼瞼上に向けられるのに治療上効果的である所定の波長範囲内の電磁放射を必要とする。被験者の眼瞼は、所定の波長内の電磁放射の大部分を遮断及び/又は吸収する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来のシステムは、一般に、比較的高い強度で被験者の眼の上に所定の波長内の電磁放射を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムに関する。一実施形態において、当該システムは、放射導入モジュール及びプロセッサを含む。放射導入モジュールは、使用中、被験者の眼球と眼瞼との間に少なくとも部分的に配置されたままであるよう、及び、被験者が眠っている間に被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に電磁放射を送達して、被験者に光線療法を提供するよう構成される。プロセッサは、治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう、被験者の眼球に対する電磁放射の導入を制御するよう構成される。
【0005】
本発明の別の態様は、被験者に光線療法を提供する方法に関する。一実施形態において当該方法は、被験者が眠っている間に被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に電磁放射を送達して、治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるステップを含む。
【0006】
本発明のさらに別の態様は、被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムに関する。一実施形態において当該システムは、被験者が眠っている間に被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に電磁放射を送達して、治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与える手段を含む。
【0007】
本発明の前記及び他の目的、特徴、並びに特性だけでなく、操作方法及び関連する構造要素及び部品の組み合わせの機能も製造経済も、付随の図面を参考にして以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮することによってより明らかになり、付随の図面の全てが本願明細書の一部を形成し、類似の参照番号は種々の図において対応する部分を示している。本発明の一実施形態において、本明細書において例示された構造部材は、縮小して描かれている。しかし、図面は例証及び説明目的のためだけにあり、本発明の範囲を限定しないことを明確に理解されたい。さらに、本明細書においていかなる実施形態に示されたか又は記述された構造特徴も、他の実施形態においても使用することができるということを正しく理解されたい。しかし、図面は例証及び説明目的のためだけにあり、本発明の範囲を規定するとして意図されないことを明確に理解されたい。本願明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数名詞を言及する際に不定冠詞又は定冠詞が使用されている場合は、何か他に明確に述べられていない限りその名詞の複数形を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の1又は複数の実施形態に従い被験者に光線療法を提供するよう構成されたシステムを例示している。
【図2】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図3】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図4】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図5】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図6】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図7】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図8】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図9】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図10】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図11】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図12】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図13】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図14】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図15】本発明の1又は複数の実施形態に従い被験者に光線療法を提供するよう構成されたシステムを例示している。
【図16】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図17】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図18】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、被験者に光線療法を提供するよう構成されたシステム10を例示している。光線療法は、(例えば、被験者が眠っている時等)被験者の眼瞼が閉じている間の被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に対する電磁放射の投与を含む。療法は、被験者の眼球の上に直接置かれている部材から、被験者の眼が開いている間に、被験者に電磁放射を送達することを含み得る。電磁放射は、光線療法アルゴリズムによって決定される1又は複数のパラメータ(例えば、波長、タイミング、持続期間、1又は複数のパルスパラメータ等)を用いて被験者の眼球に送達される。光線療法アルゴリズムは、治療上有益な様式で被験者の体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計することができる。例えば、光線療法アルゴリズムは、睡眠障害及び/若しくは気分障害(例えば、季節性感情障害、季節に関係しないうつ状態、概日リズムの混乱等)、又は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに対する制御で治療可能な他の障害のうち1又は複数の障害を治療するために、メラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計することができる。一実施形態において、システム10は、放射導入モジュール12、照射モジュール14、電力モジュール16、プロセッサ18、ユーザーインターフェースモジュール19、及び/又は、他の構成要素のうち1又は複数の要素を含む。
【0010】
一実施形態において、放射導入モジュール12は、使用中、被験者の眼球と眼瞼との間に少なくとも部分的に置かれるよう、及び、被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に放射を送達するよう構成される。例えば、以下でさらに検討されるように、放射導入モジュール12は、眼球の外表面上に置かれる、電磁放射送達表面を形成する本体部分を含み得る。例えば、眼球の外表面に適合してそこに置かれる従来のコンタクトレンズと類似した前記本体部分を形成することができる。これは、限定的であるよう意図されない。例えば、放射導入モジュール12は、被験者の眼瞼の下に配置され且つ被験者の眼球の表面に電磁放射を送達するよう構成される入れ墨又は他の永久的若しくは半永久的な物質若しくは装置を含み得る。
【0011】
被験者の眼球に電磁放射を導入するために、放射導入モジュール12は、被験者の眼球の上に照明を向けるよう構成された1又は複数の透明及び/又は半透明な材料から、少なくとも部分的に形成することができる。放射導入モジュール12を形成するために使用される材料は、電磁放射を被験者の眼球に導くよう設計される(例えば、屈折特性、拡散特性、反射特性等の)特性を有し得る。
【0012】
以下でさらに検討されるように、一実施形態において放射導入モジュール12は、本体部分だけでなくガイド部分も含む。ガイド部分は、本体部分のうち、電磁放射送達表面とは反対の側に形成することができる。ガイド部分は、被験者の上眼瞼と下眼瞼との間に位置するよう、及び、被験者の眼球に送達するために、眼瞼の外側からの電磁放射を放射導入モジュール12の本体部分に導くよう構成される。
【0013】
前述のように、被験者への電磁放射の投与を制御するために使用される光線療法アルゴリズムは、電磁放射の波長を決定することができる。例えば、光線療法アルゴリズムは、被験者の眼球に向けられた電磁放射が所定の波長範囲内の波長を有しているか決定することができる。波長範囲は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンのレベルを制御することにおいて電磁放射が治療上有益である波長の範囲を含み得る。例えば、所定の波長範囲は、約410nmから約580nmの波長を含み得る。
【0014】
放射導入モジュール12は、電磁放射の波長を所定の範囲内のものに変えるために被験者の眼球と眼瞼との間で電磁放射を処理するよう構成することができる。これは、所定の波長範囲内の波長を有する電磁放射よりも大きな透過率で、所定の波長範囲よりも長い波長を有する電磁放射が眼瞼を貫通することができるため、眼瞼を通って被験者の眼球に提供される治療上有益な電磁放射の量を増やすことができる。
【0015】
非限定的な例として、(例えば、黄、オレンジ、赤、赤外線等)可視スペクトル又はほぼ可視スペクトルにおける比較的大きな波長での電磁放射は、所定の波長範囲内の電磁放射よりも大きな透過率にて眼瞼を通過する。放射導入モジュール12は、周波数倍増技術を介してそのような放射の波長を所定の波長範囲内のものに変えることができる。この様式で電磁放射を伝達及び処理することは、単に所定の波長内の電磁放射を被験者の眼瞼を通して伝達するよりも効率的であり得る。
【0016】
照射モジュール14は、放射導入モジュール12によって所定の波長内の電磁放射に変えられる電磁放射を被験者の眼に提供するよう構成することができる。そのような照射モジュール14による電磁放射の支給は、放射導入モジュール12により変えられた電磁放射が光線療法アルゴリズムに従い被験者の眼球に提供されるように、プロセッサ18によって制御することができる。
【0017】
一実施形態において放射導入モジュール12は、眼瞼が開いている場合に、一部の電磁放射が被験者の眼球に到達するのを選択的に阻止するよう構成することができる。例えば、放射導入モジュール12は、所定の波長範囲内の電磁放射を選択的に選別するレンズを含み得る。所定の波長範囲内の波長は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与える波長を含み得る。例えば、所定の波長範囲は、約410nmから約580nmまでの波長を含み得る。例えば、色つきゲルフィルター材料を使用して、放射導入モジュールの外表面(例えば、眼球とは反対を向く表面)を被覆することができる。別の例として、放射導入モジュール12は、ショットグラス色つき光学フィルターであるよう設計することができる。
【0018】
照射モジュール14は、放射導入モジュール12によって被験者の眼球に送達される電磁放射を提供するよう構成することができる。それ自体、照射モジュール14は、電磁放射を放つよう構成された1又は複数の放射源を含み得る。1又は複数の放射源は、発光ダイオード(「LED」)、有機発光ダイオード(「OLED」)、電気蛍光発光放射源(「EL源」)、光ルミネセンス放射源(「PL源」)、白熱光源、レーザー光源、及び/又は、他の放射源を含み得る。
【0019】
以下でさらに検討されるように、1又は複数の放射源は、被験者の眼瞼と眼球との間で放射導入モジュール12によって保持される1又は複数の放射源、被験者の眼瞼の外側に配置される1又は複数の放射源、眼瞼の下及び眼瞼の外側の組合せ放射源を含み得る。1又は複数の放射源は、(例えば所定の波長範囲内の)治療上有益な波長にて電磁放射を放つよう構成される放射源を含み得る。1又は複数の放射源は、放射導入モジュール12によって治療上有益な波長に変えることができる波長にて電磁放射を放つよう構成される放射源を含み得る。
【0020】
一実施形態において照射モジュール14は、周囲の電磁放射を放射導入モジュール12に送達するよう構成される。この実施形態において照射モジュール14は、電磁放射を生じる他の放射源を含むことができるか又は含むことができない。
【0021】
一実施形態において放射導入モジュール12は、電磁放射の形状で時間の経過に伴い次第にエネルギーを蓄えるよう及びエネルギーを放出するよう構成することができる。電磁放射は、治療上効果的な波長を有し得る。非限定的な例として、放射導入モジュール12は、充電することができる長時間崩壊(long−decay)の充電可能な蛍燐光体材料を含むことができ、次に、時間の経過に伴い次第に電磁放射を放つ。そのような実施形態において照射モジュール14は、被験者の眼球の上にシステムが取り付けられていない期間の間、放射導入モジュール12に電磁放射を送達するよう構成することができる。照射モジュール14によって送達される電磁放射は、長時間崩壊の充電可能な蛍燐光体材料を充電するのに効果的な波長を有する電磁放射を含み得る。
【0022】
電力モジュール16は、照射モジュール14内の放射源の一部又は全てに電力を送達して、1又は複数の放射源が電磁放射を生じるのを可能にするよう構成される。電力モジュール16は、有線接続を介して及び/又は無線接続を介して放射源に電力を送達することができる。電力モジュール16が無線で照射モジュール14の1又は複数の放射源に電力を送達する実施形態において、電力モジュール16は、送電モジュール及び受電モジュールを含む。送電モジュールは、無線の送電を生じる。受電モジュールは、無線の送電を受け、受け取った電力を1又は複数の放射源に送達する。電力モジュール16は、1又は複数のエネルギー供給資源から1又は複数の放射源に電力を送達することができる。1又は複数のエネルギー供給資源は、例えば、電池、コンセント、及び/又は、他のエネルギー供給資源を含み得る。
【0023】
プロセッサ18は、システム10内に制御能力を提供するよう構成される。それ自体で、プロセッサ18は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するよう設計されたデジタル回路、情報を処理するよう設計されたアナログ回路、ステートマシン、及び/又は、電子部品の制御を提供する他の機構のうち1又は複数の機構を含み得る。プロセッサ18は図1において単一の物として示されているけれども、これは、単に例示目的のためである。一部の実行において、プロセッサ18は、複数の処理ユニットを含み得る。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に置くことができるか、又は、プロセッサ18は、協調して作動する複数の装置の処理機能性を表し得る。例えば、一実施形態において、プロセッサ18に帰する機能性は、(例えば、スリープマスク又はベッドサイドユニット内等)被験者の眼球の外側に置かれた装置内に配置された第1のプロセッサと、少なくとも部分的に(例えば、放射導入モジュール12内等)被験者の眼瞼と眼球との間にある装置内に配置された第2のプロセッサとの間で分けられる。
【0024】
プロセッサ18は、光線療法アルゴリズムに従い被験者の眼球に送達するために放射導入モジュール12に電磁放射を提供するよう、照射モジュール14及び/又は電力モジュール16を制御する。光線療法アルゴリズムは、被験者内のメラトニン及び/又はセロトニンのレベルを制御するよう、被験者の眼球に送達される電磁放射の1又は複数のパラメータを決定することができる。電磁放射の1又は複数のパラメータは、強度、波長、流量、タイミング、持続期間、パルス周波数、パルス幅、照射方向、照射パターン、照射の対する角度、及び/又は、他のパラメータのうち1又は複数のパラメータを含み得る。
【0025】
非限定的な例として、光線療法アルゴリズムは、被験者の概日リズムに影響を与えるよう設計することができる。例えば、一実施形態において光線療法は、被験者内の位相後退症候群(Phase Delay Syndrome)を治療するよう設計される。「夜ふかしをする」ティーンエイジャーは、一般的に、位相後退症候群と付随した深夜にシフトされた睡眠スケジュールを被っている。位相後退症候群を治療するために、プロセッサ18によって実行される光線療法アルゴリズムは、朝に向けられた被験者の概日相ゼロの後で効きめのあるレベルの電磁放射が被験者に送達されるべきであるか決定する。システム10を介したこの電磁放射の投与は、制限された露光及び就寝時間より前の外因性のメラトニン投与と連関させることができる。そのような治療は、位相前進治療として既知である。
【0026】
位相後退症候群を治療するよう設計された光線療法アルゴリズムに従い被験者の眼瞼の下にある対象に電磁放射を送達するようシステム10を制御することにおいて、プロセッサ18は、被験者が床に入っている及び/又は眠っている間に被験者の眼球に電磁放射を送達するよう、放射導入モジュール12及び/又は照射モジュールを制御することができる。これは、夜のうち所定の時間での、就寝時間後のある所定の時間での(例えば、被験者の眼に対する放射導入モジュール12の取り付けの時間から就寝時間は推測することができる)、睡眠が始まった後のある所定の時間での、及び/又は、他の所定の時間での眼球への治療上効果的な電磁放射の導きを始めることを含み得る。
【0027】
一実施形態においてプロセッサ18は、放射の照度が、(例えば、ゼロルクスでの又はゼロルクス付近の)初期レベルから(例えば、約0.000001ルクスから約50ルクスの間、約0.0001ルクスから約30ルクス間のルクス等)効きめのあるレベルまで増加するように、電磁放射の強度を制御する。増加は、(例えば、夜明けをまねるために)S字状の強度変化(intensity progression)に従い、又は、他のパターンに従い生じることができる。電磁放射は、所定の周波数、パルス幅、及び/又は、他のパルスパラメータに従いパルスで修正することができる。プロセッサ18は、治療上の波長及び/又は照度にて、所定の時間、又は、被験者から手動でリセットを受けるまで被験者の眼球に電磁放射を提供するよう、システム10を制御し続けることができる。
【0028】
一実施形態においてプロセッサ18は、被験者が眠る前に、治療上効果的ではない(例えば、可視スペクトルの赤/オレンジの範囲で)電磁放射を被験者の眼球に送達するようシステム10を制御する。これは、依然として起きている間に眼球に対する放射の導入に被験者が慣れ、その結果、治療上の放射が被験者を起こす機会を減らすのを可能にし得る。この実施形態では、治療上有益な放射の照度/強度は増やされるため、被験者の眼球に提供される全体の放射照度が実質的に変わらないままであるように初期の放射の照度/強度を減らすことができる。
【0029】
一実施形態において、治療上有益な電磁放射を提供するためのプロセッサ18によるシステム10に対する制御は、システム10内に含まれた(図1では図示されていない)センサによって監視される1又は複数のパラメータに動的に基づいている。これらのセンサは、例えば、被験者の睡眠状態、被験者の眼瞼が開いているか閉じているか、被験者の目覚めている状態、治療上有益な電磁放射の強度若しくは照度、眼球に向けられた電磁放射の波長、及び/又は、他のパラメータを監視することができる。この様式で監視するセンサに基づいたプロセッサ18によるシステム10の制御は、被験者の睡眠の妨害を減らす、被験者の眼球に送達される電磁放射の均一性を増す、及び/又は、他の向上を提供することができる。
【0030】
眼瞼を通過する電磁放射を必要とすることなく治療上効果的な電磁放射がシステム10によって眼球に提供されるため、光線療法アルゴリズムに従いシステム10によって生じなければならない放射の量は、治療上効果的な電磁放射が眼瞼を通して送られる従来のシステムよりも有意に小さいということを正しく理解するべきである。
【0031】
ユーザーインターフェース19は、システム10と被験者とのインターフェースを提供するよう構成され、該インターフェースを介して被験者又は他のユーザー(例えば介護者)は、システム10に情報を提供する、及び、システム10から情報を受けることができる。これは、ひとまとめにして「情報」と呼ばれるデータ、結果、及び/又は、指示、並びに、いかなる他の伝えられる項目も、被験者とシステム10との間で伝達されるのを可能にする。例えば、光線療法アルゴリズムのパラメータのうち1又は複数のパラメータを、ユーザーインターフェース19を介してユーザーによって設定する及び/又は無効にすることができる。同様に、ユーザーは、ユーザーインターフェース19を介して光線療法アルゴリズムを始める及び/又はリセットすることができる。ユーザーインターフェース19に包含するのに適したインターフェース装置の例として、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示画面、タッチスクリーン、スピーカー、マイクロフォン、表示灯、音響警報機構、及び、プリンターが挙げられる。
【0032】
コンピュータに直接接続されたか又は無線の他の通信技術も、ユーザーインターフェース19として本発明によって熟慮されるということを理解されたい。例えば、本発明は、ユーザーインターフェース19が、システム10とインターフェースで接続することができる取り外し可能な記憶装置を含む、システム10に情報を提供する、及び/又は、システム10から情報を受けることができるということを熟慮する。ユーザーインターフェース19としてシステム10と共に使用するために適応された他の例証的な入力装置及び技術は、それだけに限られないが、RS−232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル、又は、他のモデム)を含む。要するに、システム10に情報を伝達するためのいかなる技術も、ユーザーインターフェース19として本発明によって熟慮される。
【0033】
図2乃至4は、放射導入モジュール12の一実施形態を例示している。図2乃至4において見ることができるように、放射導入モジュール12は、本体部分20及びガイド部分22を含む。本体部分20は、電磁放射送達表面24を形成する。電磁放射送達表面24は、本体部分20のうち図2及び3のページに面している側の本体部分20上に形成される。電磁放射送達表面24は、被験者の眼球26の表面とかみ合うよう構成される。
【0034】
本体部分20のうち電磁放射送達表面24とは反対の側に、ガイド部分22は形成される。ガイド部分22は、本体部分20から外側に突き出ている。一実施形態において、ガイド部分22は、本体部分20に沿って延びている隆起部として形成される。図4において見ることができるように、被験者が上眼瞼28及び下眼瞼30を閉じると、ガイド部分22は、上眼瞼28と下眼瞼30との間に位置する。ガイド部分22が上眼瞼28及び下眼瞼30を通って突き出ている間、ガイド部分22は、(例えば、乾燥及び炎症を防ぐために)上眼瞼28及び下眼瞼30と協同して眼をふさいでもいる。
【0035】
ガイド部分22及び本体部分20は、電磁放射がガイド部分22及び本体部分20を通過することができるように、1又は複数の透明及び/若しくは半透明の材料から形成される。ガイド部分22及び本体部分20は、眼瞼28及び30の外部からの電磁放射を、ガイド部分22を通して本体部分20の中に、及び、電磁放射送達表面24を通して眼球26の上に向けるよう構成される。
【0036】
一実施形態において、図2乃至4に例示された放射導入モジュール12は、光線療法アルゴリズムに従い被験者が眠っている時に、ガイド部分22に電磁放射を提供する装置を用いて実行される。例えば、前記装置は、図1に関して記述された照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18に帰する機能性を提供することができる。非限定的な例として、前記装置は、ガイド部分22に向けられた電磁放射を放つ1又は複数の放射源をその中に統合させたスリープマスクを含み得る。そのようなスリープマスクの非限定的な例は、“SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING LIGHT THERAPY TO A SUBJECT”と題する2008年12月30日に出願された米国仮特許出願第61/141,289号に提供されている。これらの出願は、全内容を本出願において援用される。
【0037】
図5乃至7は、放射導入モジュール12の一実施形態を例示している。図5乃至7に例示された放射導入モジュール12の実施形態において、放射導入モジュール12の本体部分及びガイド部分は、比較的薄い電磁放射送達表面24を提供する単一のライトガイド部材として形成されている。例えば、放射導入モジュール12は、眼が閉じられた時に眼球26の上に置かれ且つ上眼瞼28と下眼瞼30との間に位置しているファイバーライトガイドから形成することができる。放射導入モジュール12の実施形態は、図2乃至4に関して検討した放射導入モジュール12の実施形態と実質的に同じ様式で作動して、上眼瞼28及び下眼瞼30の外側からの光を、電磁放射送達表面24を通して眼球26の上に向けている。図5乃至7において例示された放射導入モジュール12の実施形態は、上記のように、被験者が眠っている時に放射導入モジュール12に電磁放射を提供するよう構成された装置を用いて実行することができる。
【0038】
図8乃至11は、放射導入モジュール12の実施形態を例示している。図8乃至11に例示された放射導入モジュール12の実施形態において、放射導入モジュール12は、接着面32を含んでいる。部材ページモジュール32は、上眼瞼28又は下眼瞼30のうちの1つに対して解放可能にくっつくよう構成される。この接着によって、被験者が眼を開けた時、放射導入モジュール12は、上眼瞼28及び下眼瞼30を開くことによって被験者の視野から(又は、少なくとも被験者の視野の端に向かって)出される。図5乃至7に例示された放射導入モジュール12の実施形態は、図2乃至4に例示された放射導入モジュール12の実施形態に関して検討したように、被験者が眠っている時、放射導入モジュール12に電磁放射を提供するよう構成された装置を用いて実行することができる。
【0039】
図12乃至14は、放射導入モジュール12の実施形態を例示している。特に、図12乃至14において例示された放射導入モジュール12の実施形態は、眼球26と眼瞼28及び30との間にはまるレンズ又は物体として形成されている。電磁放射は、放射導入モジュール12によって形成された電磁放射送達表面24を通して眼球26に送達される。
【0040】
図12乃至14に示された放射導入モジュール12の実施形態は、照射モジュール14及び電力モジュール16の少なくとも一部をさらに含んでいる。特に、放射導入モジュール12は、本体部分20によって保持されているアンテナ34、電子回路部品36、及び、放射源38を含んでいる。
【0041】
アンテナ34及び電子回路部品36は、電力モジュール16に帰する機能性の少なくとも一部を提供するよう構成される。特に、アンテナ34は、エネルギー供給資源に結合されたトランスミッタから送られた電磁放射を受けるコイルとして形成され、電磁放射は、アンテナ34とトランスミッタとの間に誘導結合を形成し、その結果、エネルギー供給資源からアンテナ34までの送電を可能にする。電子回路部品36は、放射導入モジュール12によって保持されている他の構成要素による使用に適するようにアンテナ34により受けた電力の調子を整えるよう構成された1又は複数の電子回路を含む。
【0042】
放射源38は、電磁放射の放射源を1又は複数含み得る。放射源38は、電子回路部品36に電子的に結合され、電磁放射を放つためにアンテナ34及び電子回路部品36を電力で動かしている。放射源38によって放たれた電磁放射は、治療上の波長を有しており、放射導入モジュール12を通して眼球26に送達される。
【0043】
一実施形態において電子回路部品36は、電力調整回路部品だけでなく、プロセッサ18に帰する機能性の一部又は全てを提供する回路部品も含む。例えば、電子回路部品36は、光線療法アルゴリズムに従い放射源38によって放たれた電磁放射の1又は複数のパラメータを制御する回路部品を含み得る。
【0044】
図15は、(例えば、図12乃至14に例示された上記の)照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18の少なくとも一部を保持する放射導入モジュール12の実施形態を含んだシステム10の概略図を提供している。示された実施形態において、システム10は、外部装置40及び装着型装置42を含んでいる。外部装置40は装着可能であり得るが、例示されたシステム10の実施形態においては、外部装置40が被験者の外側に置かれながら、装着型装置42のみが実際に被験者の眼内に装着されるということが正しく理解されるはずである。
【0045】
外部装置40は、図1の説明における電力モジュール16、プロセッサ18、及び/又は、ユーザーインターフェース19のうち1又は複数に帰するシステム10の機能性の少なくとも一部を提供するよう構成される器具である。図15において例示された外部装置40の実施形態において、外部装置40は、電磁放射トランスミッタ44、アンテナ46、プロセッサ48、及び/又は、ユーザーインターフェース19のうち1又は複数を含む。
【0046】
電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、装着型装置42に無線で電力及び/又は情報を送るよう構成される。電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、アンテナ46と装着型装置42上の対応するアンテナ(例えば、以下で記述されるアンテナ52)との間に誘導結合を生じる電磁放射の信号を生成することによって、装着型装置42に無線で電力を送る。誘導結合を生じる電磁放射を送るためだけでなく、外部装置40に帰する他の機能を行うための電力は、1又は複数のエネルギー供給資源(例えば、電池、コンセント等)から得られる。装着型装置42に電力を送ることにおいて、電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、(図1に示された上記の)電力モジュール16に帰する機能性の少なくとも一部を提供する。
【0047】
装着型装置42に電力を送ることに加えて、電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、装着型装置42に通信信号を送ることができる。通信信号は、外部装置40の構成要素(例えばプロセッサ48)と装着型装置42の間の通信のための機構を提供することができる。
【0048】
プロセッサ48は、(図1に示された上記の)プロセッサ18に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。例えば、プロセッサ48は、外部装置40から装着型装置42に送られた電力が、光線療法アルゴリズムに従い変わる1又は複数のパラメータを有した放射を装着型装置42に放たせるように、電磁放射トランスミッタ44及び/又はアンテナ46を制御することができる。
【0049】
一実施形態において外部装置40は、装着型装置42から送られた通信を受けるよう構成される。この実施形態において外部装置40は、アンテナ46に作動的に結合されたレシーバ50を含む。レシーバ50は、アンテナ46によって無線で受けた通信信号を受ける及び/又は復調するよう、並びに、受けた及び復調した信号を処理のためにプロセッサ48に提供するよう構成される。装着型装置42から受けた通信信号は、例えば、装着型装置42の作動に関連した情報(例えばフィードバック情報)を含み得る。
【0050】
装着型装置42は、被験者の眼に装着されるよう構成された装置である。装着型装置42は、(図1に示された上記の)放射導入モジュール12、照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。図15に示された装着型装置42の構成要素は、図1乃至14に例示された上記の放射導入モジュール12の実施形態と類似の又は同じモジュールによって保持することができる。一実施形態において装着型装置42は、アンテナ52、レシーバ54、電力調整装置56、放射源58、及び/又は、他の構成要素のうち1又は複数の構成要素を含む。
【0051】
アンテナ52、レシーバ54、及び、電力調整装置56は、装着型装置42の構成要素のための電力を受けるよう構成される。特に、アンテナ52は、外部装置40から送電を受けるために外部装置40のアンテナ46に誘導的に結合するコイルとして形成される。レシーバ54及び電力調整装置56は、装着型装置42の構成要素による消費のために、アンテナ46を介して受けた電力を調整するよう機能する。例えば、アンテナ52、レシーバ54、及び、電力調整装置56によって受けた電力を使用して、放射源58を駆動することができる。それ自体で、アンテナ52、レシーバ54、及び、電力調整装置56は、(図1に示された上記の)電力モジュール16に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。
【0052】
放射源58は、電力調整装置56からの電力によって電力が供給されて電磁放射を放つ1又は複数の放射源を含む。放射源58によって放たれた電磁放射のパラメータのうち1又は複数のパラメータは、光線療法アルゴリズムに従い制御される。この制御は、(例えば、アンテナ46とアンテナ52との間で等)装着型装置42と通信し合う外部装置40上の構成要素によって、及び/又は、装着型装置42内の構成要素によって提供することができる。放射源58は、(図1に示された上記の)照射モジュール14、及び/又は、(図12及び13に示された上記の)放射源38に帰する機能性を提供することができる。
【0053】
一実施形態において装着型装置42は、プロセッサ60及び/又はトランスミッタ62のうち1つ又はその両方を含む。この実施形態においてプロセッサ60は、装着型装置42のその他の構成要素のうち1又は複数の構成要素を制御するよう構成される。例えば、プロセッサ60は、放射源38によって生じた電磁放射のパラメータのうち1又は複数のパラメータが光線療法アルゴリズムによって決定されるように、レシーバ54、電力調整装置56、及び/又は、放射源58のうち1又は複数を制御するよう構成することができる。そのような例において、プロセッサ60は、外部装置40内のプロセッサ48と協同して制御を提供することができるか、又は、プロセッサ60は、プロセッサ48からの入力無しで装着型装置42の構成要素を制御することができる。
【0054】
トランスミッタ62は、アンテナ52を介して装着型装置42から外部装置40まで通信情報を送るよう構成することができる。これは、プロセッサ60が外部装置40の1又は複数の構成要素と通信し合うのを可能にし得る。例えば、プロセッサ60は、プロセッサ48及び/又はユーザーインターフェース19の1つ又はその両方と通信し合うことができる。
【0055】
図16乃至18は、放射導入モジュール12の実施形態を例示している。図16乃至18に例示された実施形態において、放射導入モジュール12は、被験者の眼球26と眼瞼28及び30との間に置かれているレンズタイプの物体として形成されている。放射導入モジュール12内又はその上に、放射源64が配置されている。放射源64は、(図1に示された上記の)照射モジュール14に帰する機能性の少なくとも一部を提供する。特に、放射源64は、1又は複数の光ルミネセンス材料から形成される。1又は複数の光ルミネセンス材料は、光の光子を吸収し、次に、光子を再放射する材料である。放射源64の光ルミネセンス材料によって再放射された光子の一部又は全てが、放射導入モジュール12の電磁放射送達表面24を通して被験者の眼球26に向けられる。
【0056】
治療上有益であるために、放射導入モジュール12によって放射源64から眼球26に向けられた電磁エネルギーの光子は、(例えば、410nm−580nm、青−緑、約480nm等の)所定の波長範囲内にある必要があり得る。放射源64内の光ルミネセンス材料は、所定の波長範囲内の波長を有していない光の光子を吸収するよう、及び、所定の波長範囲内の少なくとも一部の光子を放つよう構成される。
【0057】
一実施形態において、放射源64内の光ルミネセンス材料は、所定の波長範囲内の電磁放射よりも大きい透過率で眼瞼28及び30を通過する波長にて電磁放射を吸収するよう構成される。例えば、(例えば、黄、オレンジ、赤、赤外線等の)所定の波長範囲よりも大きい波長での電磁放射は、所定の波長範囲内の電磁放射よりも大きい透過率で眼瞼28及び30を通過することができる。
【0058】
比較的大きい透過率で眼瞼28及び30を通過する電磁放射を吸収し、次に、所定の波長範囲内の電磁放射を放つことによって、放射源64は、被験者の眼球26への電磁放射の送達を増すことができる。例えば、適切な量の所定の波長範囲内の電磁放射を提供するために、放射導入モジュール12内の放射源64の実行によって、被験者が眠っている時に被験者の眼に向けられた電磁放射の強度を減らすことができる。
【0059】
一実施形態において、64によって放たれた電磁放射は、所定の波長範囲内の波長を有さない一部の電磁放射を含む。この実施形態において放射導入モジュール12は、所定の波長範囲外の波長を有する放射源64によって放たれた電磁放射を選択的に遮断する1又は複数のフィルターを含み得る。
【0060】
放射源64は、光ルミネセンス材料から形成された単一の物体として図16乃至18に例示されているけれども、これは限定的であると意図しないことが正しく理解されるはずである。一実施形態において放射源64は、放射導入モジュール12内及び/又はその上に形成された光ルミネセンス材料の別々のポケット又は物体を複数含む。一実施形態において放射源64は、放射導入モジュール12にわたり分布された光ルミネセンス材料を含む。
【0061】
一実施形態において、図16乃至18に例示された放射導入モジュール12は、被験者が眠っている時に眼瞼28及び30に電磁放射を提供する装置を用いて実行される。眼瞼28及び30に提供された電磁放射は、放射源64を形成する光ルミネセンス材料によって吸収される波長であり得る。眼瞼28及び30に対する電磁放射の支給量は、上眼瞼28及び下眼瞼30を通過した電磁放射を受けた後に放射源64によって生じた電磁放射が光線療法アルゴリズムに従い眼球26に送達されるように、制御することができる。例えば、装置は、図1に関して上記の照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。非限定的な例として、装置は、全内容が本出願において援用される米国仮特許出願第61/141,289号に記載された、1又は複数の放射源がその中に統合されたスリープマスクを含み得る。
【0062】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考慮されるものに基づき例示を目的として詳細に記述されてきたけれども、そのような詳細は単にその目的のためだけであり、本発明は開示された実施形態に限定されないが、それどころか、付随の特許請求の範囲の真意及び範囲内にある修正及び同等の構成をカバーするよう意図されることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、いかなる実施形態の1又は複数の特徴もいかなる他の実施形態の1又は複数の特徴とも組み合わせることができると意図していることを理解されたい。
【0063】
本出願は、2009年4月24日に出願した米国仮特許出願第61/172,391号に基づく優先権を主張するものであり、全内容を本出願において援用する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計された光線療法アルゴリズムに従って、眠っている被験者の眼球に対する電磁放射の送達を実行するための医療システム及び/又は方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眠っている被験者の眼に電磁放射を送達して、被験者に光線療法を提供するよう設計されたシステムは既知である。これらのシステムは、一般に、被験者の眼瞼上に向けられるのに治療上効果的である所定の波長範囲内の電磁放射を必要とする。被験者の眼瞼は、所定の波長内の電磁放射の大部分を遮断及び/又は吸収する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来のシステムは、一般に、比較的高い強度で被験者の眼の上に所定の波長内の電磁放射を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムに関する。一実施形態において、当該システムは、放射導入モジュール及びプロセッサを含む。放射導入モジュールは、使用中、被験者の眼球と眼瞼との間に少なくとも部分的に配置されたままであるよう、及び、被験者が眠っている間に被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に電磁放射を送達して、被験者に光線療法を提供するよう構成される。プロセッサは、治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう、被験者の眼球に対する電磁放射の導入を制御するよう構成される。
【0005】
本発明の別の態様は、被験者に光線療法を提供する方法に関する。一実施形態において当該方法は、被験者が眠っている間に被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に電磁放射を送達して、治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるステップを含む。
【0006】
本発明のさらに別の態様は、被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムに関する。一実施形態において当該システムは、被験者が眠っている間に被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に電磁放射を送達して、治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与える手段を含む。
【0007】
本発明の前記及び他の目的、特徴、並びに特性だけでなく、操作方法及び関連する構造要素及び部品の組み合わせの機能も製造経済も、付随の図面を参考にして以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮することによってより明らかになり、付随の図面の全てが本願明細書の一部を形成し、類似の参照番号は種々の図において対応する部分を示している。本発明の一実施形態において、本明細書において例示された構造部材は、縮小して描かれている。しかし、図面は例証及び説明目的のためだけにあり、本発明の範囲を限定しないことを明確に理解されたい。さらに、本明細書においていかなる実施形態に示されたか又は記述された構造特徴も、他の実施形態においても使用することができるということを正しく理解されたい。しかし、図面は例証及び説明目的のためだけにあり、本発明の範囲を規定するとして意図されないことを明確に理解されたい。本願明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数名詞を言及する際に不定冠詞又は定冠詞が使用されている場合は、何か他に明確に述べられていない限りその名詞の複数形を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の1又は複数の実施形態に従い被験者に光線療法を提供するよう構成されたシステムを例示している。
【図2】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図3】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図4】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図5】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図6】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図7】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図8】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図9】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図10】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図11】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図12】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図13】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図14】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図15】本発明の1又は複数の実施形態に従い被験者に光線療法を提供するよう構成されたシステムを例示している。
【図16】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図17】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【図18】本発明の1又は複数の実施形態による放射導入モジュールを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、被験者に光線療法を提供するよう構成されたシステム10を例示している。光線療法は、(例えば、被験者が眠っている時等)被験者の眼瞼が閉じている間の被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に対する電磁放射の投与を含む。療法は、被験者の眼球の上に直接置かれている部材から、被験者の眼が開いている間に、被験者に電磁放射を送達することを含み得る。電磁放射は、光線療法アルゴリズムによって決定される1又は複数のパラメータ(例えば、波長、タイミング、持続期間、1又は複数のパルスパラメータ等)を用いて被験者の眼球に送達される。光線療法アルゴリズムは、治療上有益な様式で被験者の体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計することができる。例えば、光線療法アルゴリズムは、睡眠障害及び/若しくは気分障害(例えば、季節性感情障害、季節に関係しないうつ状態、概日リズムの混乱等)、又は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに対する制御で治療可能な他の障害のうち1又は複数の障害を治療するために、メラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう設計することができる。一実施形態において、システム10は、放射導入モジュール12、照射モジュール14、電力モジュール16、プロセッサ18、ユーザーインターフェースモジュール19、及び/又は、他の構成要素のうち1又は複数の要素を含む。
【0010】
一実施形態において、放射導入モジュール12は、使用中、被験者の眼球と眼瞼との間に少なくとも部分的に置かれるよう、及び、被験者の眼瞼の下にある被験者の眼球に放射を送達するよう構成される。例えば、以下でさらに検討されるように、放射導入モジュール12は、眼球の外表面上に置かれる、電磁放射送達表面を形成する本体部分を含み得る。例えば、眼球の外表面に適合してそこに置かれる従来のコンタクトレンズと類似した前記本体部分を形成することができる。これは、限定的であるよう意図されない。例えば、放射導入モジュール12は、被験者の眼瞼の下に配置され且つ被験者の眼球の表面に電磁放射を送達するよう構成される入れ墨又は他の永久的若しくは半永久的な物質若しくは装置を含み得る。
【0011】
被験者の眼球に電磁放射を導入するために、放射導入モジュール12は、被験者の眼球の上に照明を向けるよう構成された1又は複数の透明及び/又は半透明な材料から、少なくとも部分的に形成することができる。放射導入モジュール12を形成するために使用される材料は、電磁放射を被験者の眼球に導くよう設計される(例えば、屈折特性、拡散特性、反射特性等の)特性を有し得る。
【0012】
以下でさらに検討されるように、一実施形態において放射導入モジュール12は、本体部分だけでなくガイド部分も含む。ガイド部分は、本体部分のうち、電磁放射送達表面とは反対の側に形成することができる。ガイド部分は、被験者の上眼瞼と下眼瞼との間に位置するよう、及び、被験者の眼球に送達するために、眼瞼の外側からの電磁放射を放射導入モジュール12の本体部分に導くよう構成される。
【0013】
前述のように、被験者への電磁放射の投与を制御するために使用される光線療法アルゴリズムは、電磁放射の波長を決定することができる。例えば、光線療法アルゴリズムは、被験者の眼球に向けられた電磁放射が所定の波長範囲内の波長を有しているか決定することができる。波長範囲は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンのレベルを制御することにおいて電磁放射が治療上有益である波長の範囲を含み得る。例えば、所定の波長範囲は、約410nmから約580nmの波長を含み得る。
【0014】
放射導入モジュール12は、電磁放射の波長を所定の範囲内のものに変えるために被験者の眼球と眼瞼との間で電磁放射を処理するよう構成することができる。これは、所定の波長範囲内の波長を有する電磁放射よりも大きな透過率で、所定の波長範囲よりも長い波長を有する電磁放射が眼瞼を貫通することができるため、眼瞼を通って被験者の眼球に提供される治療上有益な電磁放射の量を増やすことができる。
【0015】
非限定的な例として、(例えば、黄、オレンジ、赤、赤外線等)可視スペクトル又はほぼ可視スペクトルにおける比較的大きな波長での電磁放射は、所定の波長範囲内の電磁放射よりも大きな透過率にて眼瞼を通過する。放射導入モジュール12は、周波数倍増技術を介してそのような放射の波長を所定の波長範囲内のものに変えることができる。この様式で電磁放射を伝達及び処理することは、単に所定の波長内の電磁放射を被験者の眼瞼を通して伝達するよりも効率的であり得る。
【0016】
照射モジュール14は、放射導入モジュール12によって所定の波長内の電磁放射に変えられる電磁放射を被験者の眼に提供するよう構成することができる。そのような照射モジュール14による電磁放射の支給は、放射導入モジュール12により変えられた電磁放射が光線療法アルゴリズムに従い被験者の眼球に提供されるように、プロセッサ18によって制御することができる。
【0017】
一実施形態において放射導入モジュール12は、眼瞼が開いている場合に、一部の電磁放射が被験者の眼球に到達するのを選択的に阻止するよう構成することができる。例えば、放射導入モジュール12は、所定の波長範囲内の電磁放射を選択的に選別するレンズを含み得る。所定の波長範囲内の波長は、体内のメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与える波長を含み得る。例えば、所定の波長範囲は、約410nmから約580nmまでの波長を含み得る。例えば、色つきゲルフィルター材料を使用して、放射導入モジュールの外表面(例えば、眼球とは反対を向く表面)を被覆することができる。別の例として、放射導入モジュール12は、ショットグラス色つき光学フィルターであるよう設計することができる。
【0018】
照射モジュール14は、放射導入モジュール12によって被験者の眼球に送達される電磁放射を提供するよう構成することができる。それ自体、照射モジュール14は、電磁放射を放つよう構成された1又は複数の放射源を含み得る。1又は複数の放射源は、発光ダイオード(「LED」)、有機発光ダイオード(「OLED」)、電気蛍光発光放射源(「EL源」)、光ルミネセンス放射源(「PL源」)、白熱光源、レーザー光源、及び/又は、他の放射源を含み得る。
【0019】
以下でさらに検討されるように、1又は複数の放射源は、被験者の眼瞼と眼球との間で放射導入モジュール12によって保持される1又は複数の放射源、被験者の眼瞼の外側に配置される1又は複数の放射源、眼瞼の下及び眼瞼の外側の組合せ放射源を含み得る。1又は複数の放射源は、(例えば所定の波長範囲内の)治療上有益な波長にて電磁放射を放つよう構成される放射源を含み得る。1又は複数の放射源は、放射導入モジュール12によって治療上有益な波長に変えることができる波長にて電磁放射を放つよう構成される放射源を含み得る。
【0020】
一実施形態において照射モジュール14は、周囲の電磁放射を放射導入モジュール12に送達するよう構成される。この実施形態において照射モジュール14は、電磁放射を生じる他の放射源を含むことができるか又は含むことができない。
【0021】
一実施形態において放射導入モジュール12は、電磁放射の形状で時間の経過に伴い次第にエネルギーを蓄えるよう及びエネルギーを放出するよう構成することができる。電磁放射は、治療上効果的な波長を有し得る。非限定的な例として、放射導入モジュール12は、充電することができる長時間崩壊(long−decay)の充電可能な蛍燐光体材料を含むことができ、次に、時間の経過に伴い次第に電磁放射を放つ。そのような実施形態において照射モジュール14は、被験者の眼球の上にシステムが取り付けられていない期間の間、放射導入モジュール12に電磁放射を送達するよう構成することができる。照射モジュール14によって送達される電磁放射は、長時間崩壊の充電可能な蛍燐光体材料を充電するのに効果的な波長を有する電磁放射を含み得る。
【0022】
電力モジュール16は、照射モジュール14内の放射源の一部又は全てに電力を送達して、1又は複数の放射源が電磁放射を生じるのを可能にするよう構成される。電力モジュール16は、有線接続を介して及び/又は無線接続を介して放射源に電力を送達することができる。電力モジュール16が無線で照射モジュール14の1又は複数の放射源に電力を送達する実施形態において、電力モジュール16は、送電モジュール及び受電モジュールを含む。送電モジュールは、無線の送電を生じる。受電モジュールは、無線の送電を受け、受け取った電力を1又は複数の放射源に送達する。電力モジュール16は、1又は複数のエネルギー供給資源から1又は複数の放射源に電力を送達することができる。1又は複数のエネルギー供給資源は、例えば、電池、コンセント、及び/又は、他のエネルギー供給資源を含み得る。
【0023】
プロセッサ18は、システム10内に制御能力を提供するよう構成される。それ自体で、プロセッサ18は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するよう設計されたデジタル回路、情報を処理するよう設計されたアナログ回路、ステートマシン、及び/又は、電子部品の制御を提供する他の機構のうち1又は複数の機構を含み得る。プロセッサ18は図1において単一の物として示されているけれども、これは、単に例示目的のためである。一部の実行において、プロセッサ18は、複数の処理ユニットを含み得る。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に置くことができるか、又は、プロセッサ18は、協調して作動する複数の装置の処理機能性を表し得る。例えば、一実施形態において、プロセッサ18に帰する機能性は、(例えば、スリープマスク又はベッドサイドユニット内等)被験者の眼球の外側に置かれた装置内に配置された第1のプロセッサと、少なくとも部分的に(例えば、放射導入モジュール12内等)被験者の眼瞼と眼球との間にある装置内に配置された第2のプロセッサとの間で分けられる。
【0024】
プロセッサ18は、光線療法アルゴリズムに従い被験者の眼球に送達するために放射導入モジュール12に電磁放射を提供するよう、照射モジュール14及び/又は電力モジュール16を制御する。光線療法アルゴリズムは、被験者内のメラトニン及び/又はセロトニンのレベルを制御するよう、被験者の眼球に送達される電磁放射の1又は複数のパラメータを決定することができる。電磁放射の1又は複数のパラメータは、強度、波長、流量、タイミング、持続期間、パルス周波数、パルス幅、照射方向、照射パターン、照射の対する角度、及び/又は、他のパラメータのうち1又は複数のパラメータを含み得る。
【0025】
非限定的な例として、光線療法アルゴリズムは、被験者の概日リズムに影響を与えるよう設計することができる。例えば、一実施形態において光線療法は、被験者内の位相後退症候群(Phase Delay Syndrome)を治療するよう設計される。「夜ふかしをする」ティーンエイジャーは、一般的に、位相後退症候群と付随した深夜にシフトされた睡眠スケジュールを被っている。位相後退症候群を治療するために、プロセッサ18によって実行される光線療法アルゴリズムは、朝に向けられた被験者の概日相ゼロの後で効きめのあるレベルの電磁放射が被験者に送達されるべきであるか決定する。システム10を介したこの電磁放射の投与は、制限された露光及び就寝時間より前の外因性のメラトニン投与と連関させることができる。そのような治療は、位相前進治療として既知である。
【0026】
位相後退症候群を治療するよう設計された光線療法アルゴリズムに従い被験者の眼瞼の下にある対象に電磁放射を送達するようシステム10を制御することにおいて、プロセッサ18は、被験者が床に入っている及び/又は眠っている間に被験者の眼球に電磁放射を送達するよう、放射導入モジュール12及び/又は照射モジュールを制御することができる。これは、夜のうち所定の時間での、就寝時間後のある所定の時間での(例えば、被験者の眼に対する放射導入モジュール12の取り付けの時間から就寝時間は推測することができる)、睡眠が始まった後のある所定の時間での、及び/又は、他の所定の時間での眼球への治療上効果的な電磁放射の導きを始めることを含み得る。
【0027】
一実施形態においてプロセッサ18は、放射の照度が、(例えば、ゼロルクスでの又はゼロルクス付近の)初期レベルから(例えば、約0.000001ルクスから約50ルクスの間、約0.0001ルクスから約30ルクス間のルクス等)効きめのあるレベルまで増加するように、電磁放射の強度を制御する。増加は、(例えば、夜明けをまねるために)S字状の強度変化(intensity progression)に従い、又は、他のパターンに従い生じることができる。電磁放射は、所定の周波数、パルス幅、及び/又は、他のパルスパラメータに従いパルスで修正することができる。プロセッサ18は、治療上の波長及び/又は照度にて、所定の時間、又は、被験者から手動でリセットを受けるまで被験者の眼球に電磁放射を提供するよう、システム10を制御し続けることができる。
【0028】
一実施形態においてプロセッサ18は、被験者が眠る前に、治療上効果的ではない(例えば、可視スペクトルの赤/オレンジの範囲で)電磁放射を被験者の眼球に送達するようシステム10を制御する。これは、依然として起きている間に眼球に対する放射の導入に被験者が慣れ、その結果、治療上の放射が被験者を起こす機会を減らすのを可能にし得る。この実施形態では、治療上有益な放射の照度/強度は増やされるため、被験者の眼球に提供される全体の放射照度が実質的に変わらないままであるように初期の放射の照度/強度を減らすことができる。
【0029】
一実施形態において、治療上有益な電磁放射を提供するためのプロセッサ18によるシステム10に対する制御は、システム10内に含まれた(図1では図示されていない)センサによって監視される1又は複数のパラメータに動的に基づいている。これらのセンサは、例えば、被験者の睡眠状態、被験者の眼瞼が開いているか閉じているか、被験者の目覚めている状態、治療上有益な電磁放射の強度若しくは照度、眼球に向けられた電磁放射の波長、及び/又は、他のパラメータを監視することができる。この様式で監視するセンサに基づいたプロセッサ18によるシステム10の制御は、被験者の睡眠の妨害を減らす、被験者の眼球に送達される電磁放射の均一性を増す、及び/又は、他の向上を提供することができる。
【0030】
眼瞼を通過する電磁放射を必要とすることなく治療上効果的な電磁放射がシステム10によって眼球に提供されるため、光線療法アルゴリズムに従いシステム10によって生じなければならない放射の量は、治療上効果的な電磁放射が眼瞼を通して送られる従来のシステムよりも有意に小さいということを正しく理解するべきである。
【0031】
ユーザーインターフェース19は、システム10と被験者とのインターフェースを提供するよう構成され、該インターフェースを介して被験者又は他のユーザー(例えば介護者)は、システム10に情報を提供する、及び、システム10から情報を受けることができる。これは、ひとまとめにして「情報」と呼ばれるデータ、結果、及び/又は、指示、並びに、いかなる他の伝えられる項目も、被験者とシステム10との間で伝達されるのを可能にする。例えば、光線療法アルゴリズムのパラメータのうち1又は複数のパラメータを、ユーザーインターフェース19を介してユーザーによって設定する及び/又は無効にすることができる。同様に、ユーザーは、ユーザーインターフェース19を介して光線療法アルゴリズムを始める及び/又はリセットすることができる。ユーザーインターフェース19に包含するのに適したインターフェース装置の例として、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示画面、タッチスクリーン、スピーカー、マイクロフォン、表示灯、音響警報機構、及び、プリンターが挙げられる。
【0032】
コンピュータに直接接続されたか又は無線の他の通信技術も、ユーザーインターフェース19として本発明によって熟慮されるということを理解されたい。例えば、本発明は、ユーザーインターフェース19が、システム10とインターフェースで接続することができる取り外し可能な記憶装置を含む、システム10に情報を提供する、及び/又は、システム10から情報を受けることができるということを熟慮する。ユーザーインターフェース19としてシステム10と共に使用するために適応された他の例証的な入力装置及び技術は、それだけに限られないが、RS−232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル、又は、他のモデム)を含む。要するに、システム10に情報を伝達するためのいかなる技術も、ユーザーインターフェース19として本発明によって熟慮される。
【0033】
図2乃至4は、放射導入モジュール12の一実施形態を例示している。図2乃至4において見ることができるように、放射導入モジュール12は、本体部分20及びガイド部分22を含む。本体部分20は、電磁放射送達表面24を形成する。電磁放射送達表面24は、本体部分20のうち図2及び3のページに面している側の本体部分20上に形成される。電磁放射送達表面24は、被験者の眼球26の表面とかみ合うよう構成される。
【0034】
本体部分20のうち電磁放射送達表面24とは反対の側に、ガイド部分22は形成される。ガイド部分22は、本体部分20から外側に突き出ている。一実施形態において、ガイド部分22は、本体部分20に沿って延びている隆起部として形成される。図4において見ることができるように、被験者が上眼瞼28及び下眼瞼30を閉じると、ガイド部分22は、上眼瞼28と下眼瞼30との間に位置する。ガイド部分22が上眼瞼28及び下眼瞼30を通って突き出ている間、ガイド部分22は、(例えば、乾燥及び炎症を防ぐために)上眼瞼28及び下眼瞼30と協同して眼をふさいでもいる。
【0035】
ガイド部分22及び本体部分20は、電磁放射がガイド部分22及び本体部分20を通過することができるように、1又は複数の透明及び/若しくは半透明の材料から形成される。ガイド部分22及び本体部分20は、眼瞼28及び30の外部からの電磁放射を、ガイド部分22を通して本体部分20の中に、及び、電磁放射送達表面24を通して眼球26の上に向けるよう構成される。
【0036】
一実施形態において、図2乃至4に例示された放射導入モジュール12は、光線療法アルゴリズムに従い被験者が眠っている時に、ガイド部分22に電磁放射を提供する装置を用いて実行される。例えば、前記装置は、図1に関して記述された照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18に帰する機能性を提供することができる。非限定的な例として、前記装置は、ガイド部分22に向けられた電磁放射を放つ1又は複数の放射源をその中に統合させたスリープマスクを含み得る。そのようなスリープマスクの非限定的な例は、“SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING LIGHT THERAPY TO A SUBJECT”と題する2008年12月30日に出願された米国仮特許出願第61/141,289号に提供されている。これらの出願は、全内容を本出願において援用される。
【0037】
図5乃至7は、放射導入モジュール12の一実施形態を例示している。図5乃至7に例示された放射導入モジュール12の実施形態において、放射導入モジュール12の本体部分及びガイド部分は、比較的薄い電磁放射送達表面24を提供する単一のライトガイド部材として形成されている。例えば、放射導入モジュール12は、眼が閉じられた時に眼球26の上に置かれ且つ上眼瞼28と下眼瞼30との間に位置しているファイバーライトガイドから形成することができる。放射導入モジュール12の実施形態は、図2乃至4に関して検討した放射導入モジュール12の実施形態と実質的に同じ様式で作動して、上眼瞼28及び下眼瞼30の外側からの光を、電磁放射送達表面24を通して眼球26の上に向けている。図5乃至7において例示された放射導入モジュール12の実施形態は、上記のように、被験者が眠っている時に放射導入モジュール12に電磁放射を提供するよう構成された装置を用いて実行することができる。
【0038】
図8乃至11は、放射導入モジュール12の実施形態を例示している。図8乃至11に例示された放射導入モジュール12の実施形態において、放射導入モジュール12は、接着面32を含んでいる。部材ページモジュール32は、上眼瞼28又は下眼瞼30のうちの1つに対して解放可能にくっつくよう構成される。この接着によって、被験者が眼を開けた時、放射導入モジュール12は、上眼瞼28及び下眼瞼30を開くことによって被験者の視野から(又は、少なくとも被験者の視野の端に向かって)出される。図5乃至7に例示された放射導入モジュール12の実施形態は、図2乃至4に例示された放射導入モジュール12の実施形態に関して検討したように、被験者が眠っている時、放射導入モジュール12に電磁放射を提供するよう構成された装置を用いて実行することができる。
【0039】
図12乃至14は、放射導入モジュール12の実施形態を例示している。特に、図12乃至14において例示された放射導入モジュール12の実施形態は、眼球26と眼瞼28及び30との間にはまるレンズ又は物体として形成されている。電磁放射は、放射導入モジュール12によって形成された電磁放射送達表面24を通して眼球26に送達される。
【0040】
図12乃至14に示された放射導入モジュール12の実施形態は、照射モジュール14及び電力モジュール16の少なくとも一部をさらに含んでいる。特に、放射導入モジュール12は、本体部分20によって保持されているアンテナ34、電子回路部品36、及び、放射源38を含んでいる。
【0041】
アンテナ34及び電子回路部品36は、電力モジュール16に帰する機能性の少なくとも一部を提供するよう構成される。特に、アンテナ34は、エネルギー供給資源に結合されたトランスミッタから送られた電磁放射を受けるコイルとして形成され、電磁放射は、アンテナ34とトランスミッタとの間に誘導結合を形成し、その結果、エネルギー供給資源からアンテナ34までの送電を可能にする。電子回路部品36は、放射導入モジュール12によって保持されている他の構成要素による使用に適するようにアンテナ34により受けた電力の調子を整えるよう構成された1又は複数の電子回路を含む。
【0042】
放射源38は、電磁放射の放射源を1又は複数含み得る。放射源38は、電子回路部品36に電子的に結合され、電磁放射を放つためにアンテナ34及び電子回路部品36を電力で動かしている。放射源38によって放たれた電磁放射は、治療上の波長を有しており、放射導入モジュール12を通して眼球26に送達される。
【0043】
一実施形態において電子回路部品36は、電力調整回路部品だけでなく、プロセッサ18に帰する機能性の一部又は全てを提供する回路部品も含む。例えば、電子回路部品36は、光線療法アルゴリズムに従い放射源38によって放たれた電磁放射の1又は複数のパラメータを制御する回路部品を含み得る。
【0044】
図15は、(例えば、図12乃至14に例示された上記の)照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18の少なくとも一部を保持する放射導入モジュール12の実施形態を含んだシステム10の概略図を提供している。示された実施形態において、システム10は、外部装置40及び装着型装置42を含んでいる。外部装置40は装着可能であり得るが、例示されたシステム10の実施形態においては、外部装置40が被験者の外側に置かれながら、装着型装置42のみが実際に被験者の眼内に装着されるということが正しく理解されるはずである。
【0045】
外部装置40は、図1の説明における電力モジュール16、プロセッサ18、及び/又は、ユーザーインターフェース19のうち1又は複数に帰するシステム10の機能性の少なくとも一部を提供するよう構成される器具である。図15において例示された外部装置40の実施形態において、外部装置40は、電磁放射トランスミッタ44、アンテナ46、プロセッサ48、及び/又は、ユーザーインターフェース19のうち1又は複数を含む。
【0046】
電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、装着型装置42に無線で電力及び/又は情報を送るよう構成される。電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、アンテナ46と装着型装置42上の対応するアンテナ(例えば、以下で記述されるアンテナ52)との間に誘導結合を生じる電磁放射の信号を生成することによって、装着型装置42に無線で電力を送る。誘導結合を生じる電磁放射を送るためだけでなく、外部装置40に帰する他の機能を行うための電力は、1又は複数のエネルギー供給資源(例えば、電池、コンセント等)から得られる。装着型装置42に電力を送ることにおいて、電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、(図1に示された上記の)電力モジュール16に帰する機能性の少なくとも一部を提供する。
【0047】
装着型装置42に電力を送ることに加えて、電磁放射トランスミッタ44及びアンテナ46は、装着型装置42に通信信号を送ることができる。通信信号は、外部装置40の構成要素(例えばプロセッサ48)と装着型装置42の間の通信のための機構を提供することができる。
【0048】
プロセッサ48は、(図1に示された上記の)プロセッサ18に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。例えば、プロセッサ48は、外部装置40から装着型装置42に送られた電力が、光線療法アルゴリズムに従い変わる1又は複数のパラメータを有した放射を装着型装置42に放たせるように、電磁放射トランスミッタ44及び/又はアンテナ46を制御することができる。
【0049】
一実施形態において外部装置40は、装着型装置42から送られた通信を受けるよう構成される。この実施形態において外部装置40は、アンテナ46に作動的に結合されたレシーバ50を含む。レシーバ50は、アンテナ46によって無線で受けた通信信号を受ける及び/又は復調するよう、並びに、受けた及び復調した信号を処理のためにプロセッサ48に提供するよう構成される。装着型装置42から受けた通信信号は、例えば、装着型装置42の作動に関連した情報(例えばフィードバック情報)を含み得る。
【0050】
装着型装置42は、被験者の眼に装着されるよう構成された装置である。装着型装置42は、(図1に示された上記の)放射導入モジュール12、照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。図15に示された装着型装置42の構成要素は、図1乃至14に例示された上記の放射導入モジュール12の実施形態と類似の又は同じモジュールによって保持することができる。一実施形態において装着型装置42は、アンテナ52、レシーバ54、電力調整装置56、放射源58、及び/又は、他の構成要素のうち1又は複数の構成要素を含む。
【0051】
アンテナ52、レシーバ54、及び、電力調整装置56は、装着型装置42の構成要素のための電力を受けるよう構成される。特に、アンテナ52は、外部装置40から送電を受けるために外部装置40のアンテナ46に誘導的に結合するコイルとして形成される。レシーバ54及び電力調整装置56は、装着型装置42の構成要素による消費のために、アンテナ46を介して受けた電力を調整するよう機能する。例えば、アンテナ52、レシーバ54、及び、電力調整装置56によって受けた電力を使用して、放射源58を駆動することができる。それ自体で、アンテナ52、レシーバ54、及び、電力調整装置56は、(図1に示された上記の)電力モジュール16に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。
【0052】
放射源58は、電力調整装置56からの電力によって電力が供給されて電磁放射を放つ1又は複数の放射源を含む。放射源58によって放たれた電磁放射のパラメータのうち1又は複数のパラメータは、光線療法アルゴリズムに従い制御される。この制御は、(例えば、アンテナ46とアンテナ52との間で等)装着型装置42と通信し合う外部装置40上の構成要素によって、及び/又は、装着型装置42内の構成要素によって提供することができる。放射源58は、(図1に示された上記の)照射モジュール14、及び/又は、(図12及び13に示された上記の)放射源38に帰する機能性を提供することができる。
【0053】
一実施形態において装着型装置42は、プロセッサ60及び/又はトランスミッタ62のうち1つ又はその両方を含む。この実施形態においてプロセッサ60は、装着型装置42のその他の構成要素のうち1又は複数の構成要素を制御するよう構成される。例えば、プロセッサ60は、放射源38によって生じた電磁放射のパラメータのうち1又は複数のパラメータが光線療法アルゴリズムによって決定されるように、レシーバ54、電力調整装置56、及び/又は、放射源58のうち1又は複数を制御するよう構成することができる。そのような例において、プロセッサ60は、外部装置40内のプロセッサ48と協同して制御を提供することができるか、又は、プロセッサ60は、プロセッサ48からの入力無しで装着型装置42の構成要素を制御することができる。
【0054】
トランスミッタ62は、アンテナ52を介して装着型装置42から外部装置40まで通信情報を送るよう構成することができる。これは、プロセッサ60が外部装置40の1又は複数の構成要素と通信し合うのを可能にし得る。例えば、プロセッサ60は、プロセッサ48及び/又はユーザーインターフェース19の1つ又はその両方と通信し合うことができる。
【0055】
図16乃至18は、放射導入モジュール12の実施形態を例示している。図16乃至18に例示された実施形態において、放射導入モジュール12は、被験者の眼球26と眼瞼28及び30との間に置かれているレンズタイプの物体として形成されている。放射導入モジュール12内又はその上に、放射源64が配置されている。放射源64は、(図1に示された上記の)照射モジュール14に帰する機能性の少なくとも一部を提供する。特に、放射源64は、1又は複数の光ルミネセンス材料から形成される。1又は複数の光ルミネセンス材料は、光の光子を吸収し、次に、光子を再放射する材料である。放射源64の光ルミネセンス材料によって再放射された光子の一部又は全てが、放射導入モジュール12の電磁放射送達表面24を通して被験者の眼球26に向けられる。
【0056】
治療上有益であるために、放射導入モジュール12によって放射源64から眼球26に向けられた電磁エネルギーの光子は、(例えば、410nm−580nm、青−緑、約480nm等の)所定の波長範囲内にある必要があり得る。放射源64内の光ルミネセンス材料は、所定の波長範囲内の波長を有していない光の光子を吸収するよう、及び、所定の波長範囲内の少なくとも一部の光子を放つよう構成される。
【0057】
一実施形態において、放射源64内の光ルミネセンス材料は、所定の波長範囲内の電磁放射よりも大きい透過率で眼瞼28及び30を通過する波長にて電磁放射を吸収するよう構成される。例えば、(例えば、黄、オレンジ、赤、赤外線等の)所定の波長範囲よりも大きい波長での電磁放射は、所定の波長範囲内の電磁放射よりも大きい透過率で眼瞼28及び30を通過することができる。
【0058】
比較的大きい透過率で眼瞼28及び30を通過する電磁放射を吸収し、次に、所定の波長範囲内の電磁放射を放つことによって、放射源64は、被験者の眼球26への電磁放射の送達を増すことができる。例えば、適切な量の所定の波長範囲内の電磁放射を提供するために、放射導入モジュール12内の放射源64の実行によって、被験者が眠っている時に被験者の眼に向けられた電磁放射の強度を減らすことができる。
【0059】
一実施形態において、64によって放たれた電磁放射は、所定の波長範囲内の波長を有さない一部の電磁放射を含む。この実施形態において放射導入モジュール12は、所定の波長範囲外の波長を有する放射源64によって放たれた電磁放射を選択的に遮断する1又は複数のフィルターを含み得る。
【0060】
放射源64は、光ルミネセンス材料から形成された単一の物体として図16乃至18に例示されているけれども、これは限定的であると意図しないことが正しく理解されるはずである。一実施形態において放射源64は、放射導入モジュール12内及び/又はその上に形成された光ルミネセンス材料の別々のポケット又は物体を複数含む。一実施形態において放射源64は、放射導入モジュール12にわたり分布された光ルミネセンス材料を含む。
【0061】
一実施形態において、図16乃至18に例示された放射導入モジュール12は、被験者が眠っている時に眼瞼28及び30に電磁放射を提供する装置を用いて実行される。眼瞼28及び30に提供された電磁放射は、放射源64を形成する光ルミネセンス材料によって吸収される波長であり得る。眼瞼28及び30に対する電磁放射の支給量は、上眼瞼28及び下眼瞼30を通過した電磁放射を受けた後に放射源64によって生じた電磁放射が光線療法アルゴリズムに従い眼球26に送達されるように、制御することができる。例えば、装置は、図1に関して上記の照射モジュール14、電力モジュール16、及び/又は、プロセッサ18に帰する機能性の少なくとも一部を提供することができる。非限定的な例として、装置は、全内容が本出願において援用される米国仮特許出願第61/141,289号に記載された、1又は複数の放射源がその中に統合されたスリープマスクを含み得る。
【0062】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考慮されるものに基づき例示を目的として詳細に記述されてきたけれども、そのような詳細は単にその目的のためだけであり、本発明は開示された実施形態に限定されないが、それどころか、付随の特許請求の範囲の真意及び範囲内にある修正及び同等の構成をカバーするよう意図されることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、いかなる実施形態の1又は複数の特徴もいかなる他の実施形態の1又は複数の特徴とも組み合わせることができると意図していることを理解されたい。
【0063】
本出願は、2009年4月24日に出願した米国仮特許出願第61/172,391号に基づく優先権を主張するものであり、全内容を本出願において援用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムであって:
使用中、被験者の眼球と眼瞼との間に少なくとも部分的に配置されたままであるよう構成される放射導入モジュールであり、前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達して、前記被験者に光線療法を提供するよう構成される放射導入モジュール;及び
治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう、前記被験者の眼球に対する前記電磁放射の導入を制御するよう構成されるプロセッサ;
を含むシステム。
【請求項2】
前記放射導入モジュールが前記被験者の眼内に取り付けられ、さらに、前記被験者が眠っている場合に前記被験者の眼球と眼瞼との間で前記放射導入モジュールによって保持される1又は複数の放射源をさらに含み、前記1又は複数の放射源に電力が供給されて、前記放射導入モジュールによって前記被験者の眼球に送達された前記電磁放射を放つ、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記放射導入モジュールが:
使用中、前記被験者の眼瞼と眼球との間に置かれるよう構成される本体部分;並びに
使用中、前記本体部分のうち、前記被験者の眼球とは反対の側に形成されるガイド部分であり、前記被験者が眠っている時に前記被験者の上の眼瞼と下の眼瞼との間に位置するよう、及び、光線療法の間に前記被験者の眼球に送達するよう、前記眼瞼の外部からの電磁放射を前記本体部分まで導くよう構成されるガイド部分;
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記放射導入モジュールは、前記被験者の眼瞼を通過した電磁放射を受けるよう、前記受けた電磁放射の波長を治療上有益な波長に変えるよう、及び、前記治療上有益な波長を有する前記電磁放射を前記被験者の眼球に向けるよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記放射導入モジュールは、前記被験者の眼球の上に位置するレンズを含み、前記レンズは、前記被験者の眼瞼が開いている場合に、所定の波長の範囲内の電磁放射が前記被験者の眼球に到達するのを選択的に防ぐよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
被験者に光線療法を提供する方法であって:
治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるために、前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップ;
を含む方法。
【請求項7】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、前記眼瞼と前記眼球との間に電磁放射を生じるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、上の眼瞼と下の眼瞼との間に位置づけられたライトガイドを介して前記眼瞼の外部からの電磁放射を前記眼球に導くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、前記被験者の眼瞼を通過した電磁放射の波長を治療上有益な波長に変えるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、前記被験者の眼球の上に位置するレンズによって少なくとも部分的に行われ、前記レンズは、前記被験者の眼瞼が開いている場合に、所定の波長の範囲内の電磁放射が前記被験者の眼球に到達するのを選択的に防ぐよう構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムであって:
治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるために、前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段;
を含むシステム。
【請求項12】
前記眼瞼と前記眼球との間に電磁放射を生じる手段をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段が、上の眼瞼と下の眼瞼との間に位置づけられ、前記眼瞼の外部からの電磁放射を前記眼球に導くよう構成されるライトガイドを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段が、前記被験者の眼瞼を通過した電磁放射の波長を治療上有益な波長に変える手段を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段が、前記被験者の眼球の上に位置するレンズを含み、前記レンズは、前記被験者の眼瞼が開いている場合に、所定の波長の範囲内の電磁放射が前記被験者の眼球に到達するのを選択的に防ぐよう構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項1】
被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムであって:
使用中、被験者の眼球と眼瞼との間に少なくとも部分的に配置されたままであるよう構成される放射導入モジュールであり、前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達して、前記被験者に光線療法を提供するよう構成される放射導入モジュール;及び
治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるよう、前記被験者の眼球に対する前記電磁放射の導入を制御するよう構成されるプロセッサ;
を含むシステム。
【請求項2】
前記放射導入モジュールが前記被験者の眼内に取り付けられ、さらに、前記被験者が眠っている場合に前記被験者の眼球と眼瞼との間で前記放射導入モジュールによって保持される1又は複数の放射源をさらに含み、前記1又は複数の放射源に電力が供給されて、前記放射導入モジュールによって前記被験者の眼球に送達された前記電磁放射を放つ、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記放射導入モジュールが:
使用中、前記被験者の眼瞼と眼球との間に置かれるよう構成される本体部分;並びに
使用中、前記本体部分のうち、前記被験者の眼球とは反対の側に形成されるガイド部分であり、前記被験者が眠っている時に前記被験者の上の眼瞼と下の眼瞼との間に位置するよう、及び、光線療法の間に前記被験者の眼球に送達するよう、前記眼瞼の外部からの電磁放射を前記本体部分まで導くよう構成されるガイド部分;
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記放射導入モジュールは、前記被験者の眼瞼を通過した電磁放射を受けるよう、前記受けた電磁放射の波長を治療上有益な波長に変えるよう、及び、前記治療上有益な波長を有する前記電磁放射を前記被験者の眼球に向けるよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記放射導入モジュールは、前記被験者の眼球の上に位置するレンズを含み、前記レンズは、前記被験者の眼瞼が開いている場合に、所定の波長の範囲内の電磁放射が前記被験者の眼球に到達するのを選択的に防ぐよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
被験者に光線療法を提供する方法であって:
治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるために、前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップ;
を含む方法。
【請求項7】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、前記眼瞼と前記眼球との間に電磁放射を生じるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、上の眼瞼と下の眼瞼との間に位置づけられたライトガイドを介して前記眼瞼の外部からの電磁放射を前記眼球に導くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、前記被験者の眼瞼を通過した電磁放射の波長を治療上有益な波長に変えるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達するステップは、前記被験者の眼球の上に位置するレンズによって少なくとも部分的に行われ、前記レンズは、前記被験者の眼瞼が開いている場合に、所定の波長の範囲内の電磁放射が前記被験者の眼球に到達するのを選択的に防ぐよう構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
被験者に光線療法を提供するよう構成されるシステムであって:
治療上有益な様式でメラトニン及び/又はセロトニンレベルに影響を与えるために、前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段;
を含むシステム。
【請求項12】
前記眼瞼と前記眼球との間に電磁放射を生じる手段をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段が、上の眼瞼と下の眼瞼との間に位置づけられ、前記眼瞼の外部からの電磁放射を前記眼球に導くよう構成されるライトガイドを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記被験者が眠っている間に前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段が、前記被験者の眼瞼を通過した電磁放射の波長を治療上有益な波長に変える手段を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記被験者の眼瞼の下にある前記被験者の眼球に電磁放射を送達する手段が、前記被験者の眼球の上に位置するレンズを含み、前記レンズは、前記被験者の眼瞼が開いている場合に、所定の波長の範囲内の電磁放射が前記被験者の眼球に到達するのを選択的に防ぐよう構成される、請求項11に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−524592(P2012−524592A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506603(P2012−506603)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051117
【国際公開番号】WO2010/122434
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051117
【国際公開番号】WO2010/122434
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]