説明

装飾照明装置及び装飾照明製作用キット

【課題】発光ダイオード等の発光に際し、発熱を伴わない光源を用いて、従来、発熱を伴う光源では使用することができなかった易燃性の部材を用いて装飾を施し、新たな嗜好性を有する装飾照明装置を提供するとともに、一般の人が独自性を持たせつつ、装飾照明装置を製作することができる装飾照明製作用キットを提供する。
【解決手段】透明なプラスチック材によって構成された筒状体1と、筒状体の内側又は外側に、筒状体に沿って設けられたシート状の装飾紙4と、筒状体の内部に、筒状体内部を全体的に照らす熱を発生しない光源21とを設けた装飾照明装置とした。また、筒状に巻かれることによって立設可能となるシート状の透明なプラスチック材11と、プラスチック材の巻き方向よりも長く又は巻き方向と略同一長さに形成されたシート状の装飾紙4と、筒状内に収容可能である熱を発生しない光源とを有する装飾照明製作用キットとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾照明装置と、この装飾照明装置を一般の人が製作するために必要な部品等の全てを取り揃えた装飾照明製作用キットとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブルや家具の上に置かれている装飾照明装置は、一般に電源コードが接続されているため、固定した場所において観賞に資されるものであり、持ち歩く利便性を兼ね備えていないものであった(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、光源として白熱灯や蛍光灯が用いられ、発光ととともに発熱を伴うために、光源を覆う部材としては、難燃性であることが当然に要求され、ガラス素材等の熱によって変形する等の悪影響を受けない素材しか用いることができなかった。
【特許文献1】特開平11−185507
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、新たな光源として、発光ダイオード(LED)が開発され、携帯電話のバックライト等として広く利用されている。この発光ダイオードは、消費電力が少ない上、発光に際し、発熱を伴わないものである。
【0005】
そこで、本発明は、発光ダイオード等の発光に際し、発熱を伴わない光源を用いて、例えば、従来、発熱を伴う光源では使用することができなかった易燃性の部材等を用いて、新たな嗜好性を有する装飾照明装置を提供するとともに、一般の人が独自性を持たせつつ、この装飾照明装置を製作することができる装飾照明製作用キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明に係る装飾照明装置は、透明なプラスチック材によって構成された筒状体と、この筒状体の内側又は外側に、上記筒状体に沿って設けられたシート状の装飾紙と、この筒状体の内部に、当該筒状体内部を全体的に照らす熱を発生しない光源とが設けられていることを特徴としている。
ここで、筒状体の内側又は外側に、上記筒状体に沿って設けられたシート状の装飾紙としては、筒状体の全面を覆うように設けられている一枚の装飾紙であっても、それぞれ筒状体の一部を覆うように小さく形成されている複数枚の装飾紙であってもよいものである。また、熱を発生しない光源としては、従来の蛍光灯等の光源と比較し、発熱量が無視できる程少ない光源を意味するものであって、例えば、白色の他、赤色、青色又は緑色等の各色の発光ダイオード、有機エレクトロルミネッセンスや無機エレクトロルミネッセンス等が挙げられる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の装飾照明装置において、上記装飾が一枚の和紙であり、上記筒状体の内面を覆うように設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の装飾照明装置において、上記筒状体は、その天井又は底のいずれか一方の開口部を覆うように蓋体が設けられ、かつ上記光源は、他方の開口部に設けられ、上記一方の開口部に向けて光を発するように設置されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の装飾照明装置において、上記装飾紙には、透かし模様又は切り抜きが形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の装飾照明装置において、上記筒状体は、その底部に設けられるとともに、上記光源が収容された台座によって周方向に回転可能に支持されていることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明に係る装飾照明製作用キットは、筒状に巻かれることによって立設可能となるシート状の透明なプラスチック材と、このプラスチック材の上記巻き方向よりも長く又は上記巻き方向と略同一長さに形成されたシート状の装飾紙と、上記筒状内に収容可能である熱を発生しない光源とを有することを特徴としている。
【0012】
ここで、筒状に巻かれることによって立設可能となるシート状の透明なプラスチック材としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、(メタ)アクリル樹脂(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)等を用いることができる。
また、このプラスチック材の上記巻き方向と略同一長さに形成されたシート状の装飾紙とは、プラスチック材の巻き方向の両端部に、プラスチック材を筒状に巻いた際に係合させる係合部や重畳させる糊しろ部が形成されている場合に、係合部や糊しろ部に相当する分だけ短く形成されたシート状の装飾装飾紙を含む意味である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の装飾照明製作用キットにおいて、上記光源が収容された容器が上記筒状に巻かれたプラスチック材の内部に配設することによって、上記プラスチック材の上記筒形状を保持可能な外法寸法を有していることを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の装飾照明製作用キットにおいて、上記装飾紙が和紙であって、その中央部に開口が形成されており、この開口と略同一の外法寸法を有する写真印刷用紙が備えられていることを特徴としている。
ここで、開口と略同一の外法寸法を有する写真印刷用紙とは、写真の縁あり印刷の縁に相当する分だけ装飾紙の中央部に形成された開口よりも一回り大きく形成されている写真印刷用紙を含む意味である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、発光ダイオード等の熱を発生しない光源を用いたため、筒状体を易燃性の透明なプラスチック材によって構成することができるとともに、この筒状体の内側又は外側に、上記筒状体に沿って易燃性のシート状の装飾紙を設けることができ、新たな嗜好性を有する装飾照明装置を提供することができる。また、光源を筒状体内部に、当該内部を全体的に照らすように配設したため、装飾紙に施されている装飾を浮き上がらせるようにライティングすることができる。このため、常夜灯や燈明としても好適に使用することができる。
【0016】
特に、光源として発光ダイオードを用いた場合には、消費電力が小さく、乾電池や充電池を利用してコードレスにすることができ、装飾照明装置を家の中で持ち歩くことができる。このため、睡眠時等にも常に枕元に置いておくことにより、災害時には照明として活用することができ、利便性にも優れている。
特に、この発光ダイオードとして高輝度の照明用のパワーLEDを用いることもでき、この場合には周囲を著しく明るくすることができるため、装飾照明装置を手元灯としても好適に用いることができる。また、このパワーLEDに併せて、暖色系の装飾紙を用いる等、LEDの発光色と装飾紙の色味を組み合わせることによって、各個人の好みに合わせた手元灯を提供することができる。さらには、このパワーLEDを用いた場合にも、装飾紙によって光の透過量を減少させることにより、上述の常夜灯や燈明としても利用することができる。
【0017】
さらに、請求項2に記載の発明によれば、筒状体の内面を覆うように一枚の和紙を設けたため、シート状の和紙を筒状に巻き、筒状体内部に挿入することによって、和紙が筒状体に沿うように広がり、筒状体と和紙との間に接着剤等の接着層を設けなくてもプラスチック材と和紙とを一体化させることができ、余分な接着層によって光の透過量が減少することを防止できる。さらには、和紙が意匠及び光透過性に優れているため、新たな嗜好性を有する装飾照明装置を提供することができる。
また、外側にプラスチック材によって構成された筒状体が配設されるため、汚れが付着した場合にも容易に拭き取ることができ、優れた利便性を有することができる。
【0018】
さらにまた、請求項3に記載の発明によれば、上記筒状体の天井又は底のいずれか一方の開口部を覆うように蓋体を設け、かつ光源を他方の開口部に設けるとともに、上記一方の開口部に向けて光を発するように設置したため、光が開口部から漏れることを防止し、光源の光を効率的に装飾紙の模様を浮き上がらせるために利用することができるとともに、光源の光を用いて周囲を全体的に明るくすることができる。
【0019】
さらには、請求項4に記載の発明によれば、透かし模様又は切り抜きが形成された装飾紙を筒状体の内側又は外側に沿って設けることによって、光源から周囲に溢れる光の明るさを調整することができるとともに、意匠性に優れた装飾照明装置を提供することができる。
換言すると、筒状体に沿って設けられたシート状の紙の裏面に花柄等の模様形状の紙を貼り付けることにより透かし模様を施した装飾紙を用いることによって、又は上記シート状の紙の裏面に模様形状に切り抜いた紙を貼り付けることにより透かし模様を施した装飾紙を用いることによって、周囲を全体的に暗くすることができる。
他方、上記シート状の紙に模様形状の薄肉部を形成することにより透かし模様を施した装飾紙を用いることによって、又は切り抜きを形成した装飾紙を用いることによって周囲を全体的に明るくすることができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、光源が収容された台座によって筒状体を周方向に回転させることにより、一方向からの観賞によって筒状体に沿って設けられた装飾紙の回転による装飾の変化を楽しむことができる。
【0021】
一方、請求項6に記載の発明によれば、装飾照明製作用キットが筒状に巻かれることによって立設可能となる透明なプラスチック材と、このプラスチック材の巻き方向よりも長く又は上記巻き方向と略同一長さに形成されたシート状の装飾紙と、熱を発生しない光源とを有するため、一般の人が透明なプラスチック材の表面に好みの装飾紙を貼り付け、装飾紙の貼り付け面を外方に向けて、筒状に巻いて立設させるとともに、筒状体の内部に光源を設置することによって独自の装飾照明を得ることができる。または、透明なプラスチック材を筒状に巻いて立設させるとともに、好みの装飾紙を筒状に巻き、上記プラスチック材の内側に挿入することによって、装飾紙が筒状体に沿うように広がり、筒状体と装飾紙との間を接着剤によって接着等しなくても簡易にプラスチック材と装飾紙とを一体化させることができ、接着によって凹凸等ができることを防止し、独自の装飾照明を容易かつ綺麗に製作することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、光源を収容した容器がプラスチック材の筒形状を保持可能な外法寸法を有しているため、この容器をプラスチック材及び装飾紙によって構成された筒状体の内部に挿入させることによって、プラスチック材を安定的に筒形状に保持することができる。
また、光源が収容された容器の底部が平らに形成されている場合には、容器を筒状体の底部に配設させることによって、装飾照明をテーブル等の上に安定して載置させることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、備え付けの写真印刷用紙に家庭用のインクジェットプリンタ等にて、例えば、家族の写真等の好みの写真を印刷し、この写真を和紙の開口に貼り合わせ、次いで、上述のように、筒状に形成された透明なプラスチック材内に写真が貼り合わされた和紙を筒状にして挿入し、光源を設置等することによって、独自性を最大限に引き出すことができる装飾照明装置を製作することができ、嗜好性の幅を格段に拡げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明に係る装飾照明装置の一実施形態を、図1及び図2を用いて説明する。
【0025】
本実施形態における装飾照明装置は、透明なプラスチック材によって構成された円筒状体(筒状体)1と、この円筒状体1の底部に設けられた光源21と、円筒状体1の天井部に設けられた蓋体3とによって概略構成されている。
【0026】
この円筒状体1は、ポリ塩化ビニル素材からなるシート状のプラスチック材11が円筒状に巻かれるとともに、この巻き方向の両端部が上記巻き方向に直交する幅方向の全体に亘って形成されている凹凸状の係合部10によって互いに係合されており、上記幅方向が上下方向に向けて立設されている。
また、円筒状体1の内側に、装飾が施された和紙(装飾紙)4が円筒状体1に沿って配設されており、さらに、この和紙4の内側に、ポリ塩化ビニル素材からなるシート材5が和紙4に沿って配設されている。
【0027】
この和紙4は、上記立設方向の長さが円筒状体1と同一であって、上記巻き方向の長さが円筒状体1よりも大きく、巻き方向の両端部が重ねて配設されている。また、中央部に開口40が形成されており、この開口40に光透過可能な写真44が配設されている。
他方、和紙4の内側に配設されたシート材5は、上記立設方向の長さが円筒状体1よりも一回り小さく形成されるとともに、蓋体3を上端部に係止するように円筒状体1よりも肉厚に形成されている。そして、上記巻き方向の長さが円筒状体1よりも大きく、巻き方向の両端部が重ねて配設されている。
【0028】
この蓋体3は、ポリ塩化ビニル素材からなるプラスチック材32と、このプラスチック材32の内側に配設された和紙36とによって構成されている。そして、プラスチック材32によって、頂部が上方に向けて配設された扁平な中空円錐体30と、この中空円錐体30の外周に垂下する縁部31とが形成されており、このプラスチック材32による中空円錐体30内には、和紙36によって形成された扁平な中空円錐体37が表面の装飾を外方に向けた状態において嵌め込まれている。
また、プラスチック材32は、その中空円錐体30の外法が円筒状体1の内法よりも一回り小さく形成され、縁部31がシート材5の上端部に係止されている。また、縁部31の垂下方向長さが中空円錐体30との境界線を円筒状体1の上部外周と同一線に配設するように小さく形成されており、蓋体3は、外観視において中空円錐体30のみが視認されるようになっている。
【0029】
他方、光源21は、白色の発光ダイオードからなり、外観略ドーム状に形成されている台座2に収容されている。
この台座2が、その下部が扁平な円柱状に形成され、下部の外法寸法が円筒状体1よりも和紙4及びシート材5の分だけ小さく形成されている。また、充電池が内蔵され、側面には充電用の端子20が配設されている。このため、円筒状体1、和紙4及びシート材5の端子20に対応する位置に開口がそれぞれ形成されている。
【0030】
次いで、上述の装飾照明装置を製作するための装飾照明製作用キットについて、図3を用いて説明する。なお、上述の装飾照明装置と同一の部材については、同一の符号を付して一部説明を省略する。
【0031】
本実施形態の装飾照明製作用キットは、円筒状体1用のシート状のプラスチック材11、シート状の和紙4、及びシート材5用のプラスチック材55がいずれも長方形状に切り取られている。さらに、写真44用の印刷用紙45及び光源21を有し、蓋体3用のシート状のプラスチック材32及び和紙36が略円形状に切り取られている。
【0032】
このプラスチック材11は、一角隅部に端子20用の開口12が形成されており、長手方向の両端部に、互いに係合する凹凸部13a、13bがそれぞれ短手方向全体に亘って形成されている。そして、凹凸部13a、13bを除く、長手方向の長さが台座2の下部の外法寸法より和紙4及びプラスチック材55の厚さ分だけ大きく形成されている。
【0033】
この和紙4は、短手方向の長さがプラスチック材11と同一であって、長手方向の長さがプラスチック材11よりも大きく形成されている。また、中央部に開口40が形成されているとともに、一角隅部に、端子20に対応する開口用の切取線41が記されている。
【0034】
上記プラスチック材55は、短手方向の長さがプラスチック材11よりも一回り小さく形成されており、長手方向の長さがプラスチック材11よりも大きく形成されている。そして、一角隅部に、端子20用の開口51が形成されている。
【0035】
一方、印刷用紙45は、高精細な画像を印刷可能な写真印刷用紙であって、光透過する薄紙に形成されており、和紙4の開口40と同一の外法寸法を有する。
また、プラスチック材32は、プラスチック材11と同一のポリ塩化ビニル素材によって構成されており、その外周部には縁に沿って円状に浅い切り込みライン33が入れられている。さらに、縁から円中心の方向に向けてライン33まで多数の切り込み34が縁に沿って等間隔に形成されている。そして、ライン33の長さがプラスチック材11の凹凸部13a、13bを除く、長手方向の長さより和紙4及びプラスチック材55の厚さ分だけ一回り小さく形成されるように円中心を頂部とする扇形が切り取られており、略円形状に形成されている。
他方、和紙36は、外周が切り込みライン33に対応するようにプラスチック材32よりも一回り小さく形成されており、円中心を頂部とする扇形が切り取られ、略円形状に形成されている。
【0036】
上述の本発明に係る装飾照明製作用キットを用いて、上述の本発明に係る装飾照明装置を組み立てる方法について、以下に説明する。
【0037】
まず、印刷用紙45に家庭用のインクジェット用プリンタ等にて家族の写真44を印刷し、この写真44の印刷面を和紙4の装飾表面側に向けて、開口40の周囲において和紙4の裏面と写真44の裏面とをセロハンテープを利用して貼り付ける。また、切取線41に沿って和紙4の一部を切り取り、開口を形成する。
【0038】
次いで、プラスチック材11を、長手方向の両端部に形成された凹凸部13a、13bを互いに係合させることにより円筒状体1を構成し、この円筒状体1を、開口12が下部に位置するようにテーブル上に立設させる。次いで、この円筒状体1の内側に、上記写真44が貼り付けられた和紙4を、装飾表面を外方に向けて、長手方向に向けて巻きながら配設する。その際、切取線41によって切り取られた開口が下部に位置するように配設する。
そして、和紙4が円筒状体1に沿うように広がった後に、切取線41による開口を開口12に臨む位置に配設させ、和紙4の重なり部分において内方側に位置する長手方向一端部を他端部側とセロハンテープを用いて貼り付ける。
【0039】
次に、この和紙4の内側に、プラスチック材55を長手方向に向けて巻きながら開口51が下部に位置し、かつ下端部がテーブル上に載置されるように配設する。すると、プラスチック材55の上端部が円筒状体1の上端部より一段下に配設される。
そして、プラスチック材55が和紙4に沿うように広がった後に、開口51を開口12に臨む位置に配設させ、プラスチック材55の重なり部分において内方側に位置する長手方向の一端部を他端部側とセロハンテープを用いて貼り付ける。それとともに、少なくとも円筒状体1の係合部10の上端部と和紙4の上部とプラスチック材55の上端部とを、セロハンテープによって貼り合わせることにより、プラスチック材55、和紙4を円筒状体1に一体化させる。
【0040】
次いで、上述のプラスチック材55、和紙4が一体化されている円筒状体1の底部に、台座2を端子20が開口40等に対応するように挿入させる。その際、プラスチック材11は、凹凸部13a、13bを除く、長手方向の長さが台座2の下部の外法寸法より和紙4及びプラスチック剤55の厚さ分だけ大きく形成されているため、台座2の円柱状の外形に沿って和紙4及びプラスチック剤55とともに円筒状に立設し、台座2の円柱状の外形に沿って形状が安定的に保持される。
【0041】
一方、プラスチック材32を、扇形に切り取られている縁同士を合わせるようにして、セロハンテープで貼り付けることにより、中空円錐体30を構成する。同様に、和紙36を、装飾表面を外方に向けて縁同士を合わせ、裏面においてセロハンテープで貼り付けることにより、中空円錐体37を構成する。
次いで、切り込みライン33に沿って外周部を、切り込みライン33から円錐体30の頂部の反対側に向けて垂下するように折り込み、縁部31を構成した後、中空円錐体30内に中空円錐体37を配設する。
そして、この縁部31を円筒状体1の内側のプラスチック材55の上端部に配設することにより、装飾照明装置が得られた。
【0042】
上述の実施の形態の装飾照明装置によれば、光源21として発光ダイオードを用いたため、円筒状体1の内側に易燃性の和紙4を設けることができ、円筒状体1の内側に和紙4を設けることによって、接着層を設けなくてもプラスチック材と装飾紙とを一体化させることができる。このため、余分な接着層によって光の透過量が減少することを防止できるとともに、外側にプラスチック材によって構成された筒状体が配設され、汚れが付着した場合にも容易に拭き取ることができ、優れた利便性を有する。さらに、この和紙4の内側にさらにシート材5を設けたため、円筒形状を安定して保持することができるとともに、シート材5が立設方向の長さが円筒状体1より一回り小さく形成されるとともに、肉厚に形成されているために、蓋体3の縁部31を係止することができる。
【0043】
さらに、この蓋体3は、プラスチック材32及び和紙36が中空円錐体30、37に形成され、かつ和紙36の裏面が内方に向けて配設されているため、円筒状体1の底部に設けられた光源21からの光が和紙36の裏面によって効率的に反射し、光源21の光を効率的に和紙4の装飾や写真44を浮き上がらせるために利用することができるとともに、光源21の光を利用して周囲を全体的に明るくすることができる。また、発光ダイオードは、消費電力が小さく、充電池式を採用してコードレスとしたため、装飾照明装置を家の中で持ち歩くことができ、かつ睡眠時にも常に枕元に置いておくことにより、災害時には照明として活用することもでき、利便性にも優れている。
【0044】
また、上述の実施の形態の装飾照明製作用キットによれば、透明なプラスチック材11を筒状に巻いて立設させるとともに、好みの和紙4を筒状に巻き、プラスチック材11の内側に挿入することによって、接着剤によって接着等しなくても簡易にプラスチック材11と和紙4とを一体化させることができるため、接着によって凹凸等ができることを防止し、独自の装飾照明を容易かつ綺麗に製作することができる。さらに、この和紙4の内側に配設するプラスチック材55を設けたため、和紙4との摩擦等の問題なく、台座2を円筒状体1の底部から容易に挿入させることができる。また、プラスチック材11の長手方向の長さが台座2の外法寸法より和紙4及びプラスチック材55の厚さ分だけ大きく形成されているため、プラスチック材55、和紙4が一体化されている円筒状体1の底部に台座2を挿入させることによって、円筒状体1の形状を保持させることができ、かつ台座2の下部が円柱状に形成されているため、装飾照明をテーブル等の上に安定して載置させることができる。
【0045】
また、プラスチック材55は、短手方向の長さがプラスチック材11よりも一回り小さく形成されているため、その上端部に蓋体3を係止させることができ、蓋体3の切り込みライン33に沿ってプラスチック材32の外周部を折り込む際に、外周部を綺麗に垂下させることができなくても、蓋体3を円筒状体1の外方に配設した場合と異なり、蓋体3の縁部31が目立たないために、蓋体3の縁部31の加工処理を簡易にすることができ、綺麗に装飾照明装置を製作することができる。
【0046】
なお、上述の実施形態は、本発明を何ら限定するものではなく、例えば、筒状体は、円筒状体1に限定されるものでなく、角筒状であってもよく、また、装飾紙は、和紙4に限定されるものでなく、筒状体の外側に設けられていてもよいものである。さらに、蓋体3は、必ずしも設けられていなくてもよいし、光源21は、発光ダイオードに限定されるものでなく、発光とともに熱を発生しないものであればよいし、充電式に限定されるものでなく、乾電池を利用するものであってもよい。
【0047】
さらには、装飾照明装置の他の実施の形態として、図4及び図5に示すように、円筒状体1を構成する和紙4に波状の切り抜き47や透かし模様を形成してもよい。この切り抜き47は、格子状に形成しても又は模様の縁を象るように形成してもよい。また、透かし模様は、和紙4の裏面に模様形状の紙を貼り付けることによって、又は和紙4の裏面に模様形状に切り抜いた紙を貼り付けることによって形成してもよい。これらの切り抜き47や透かし模様は、光源21の輝度と和紙4の厚さ等によって周囲に漏れる光の明るさが適切なものになるように形成される。
【0048】
また、台座2の上部に、円筒状体1の底部を支持する回転台22を設け、台座2の非回転部である下部に、上記光源21として赤、青、緑又は黄色のうちの少なくとも1色以上の発光ダイオードを内設させてもよい。光源21として複数色の発光ダイオードを設けた場合には、時間の経過とともに、各発光色の輝度のバランスを変化させてもよい。
【0049】
また、蓋体3は、円板の縁部が円筒状体1のプラスチック材11の外周面に沿って嵌合するように下方に向けて突出しているプラスチック材38と、このプラスチック材38の内面に配設される透かし模様板39とによって構成してもよい。この透かし模様板39は、円板状のプラスチック390の表面に、花柄等の模様の縁39aが切り抜かれた紙391が貼り付けられた模様板392と、この模様板392と上記プラスチック材38との間に配設される円板状の透かし紙393とによって構成してもよい。さらに、蓋体3は、この透かし模様板39に代えて、円筒状体1を構成する和紙4と同様に、模様形状の紙を貼り付ける等により透かし模様を形成した装飾紙や切り抜きを形成した装飾紙をプラスチック材38内に配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態として示した装飾照明装置の側面斜視図である。
【図2】図1の断面模式図である。
【図3】本発明の一実施形態として示した装飾照明製作用キットの正面図である。
【図4】本発明の他の実施形態として示した装飾照明装置の側面斜視図である。
【図5】図4の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 筒状体
2 台座
4 和紙(装飾紙)
11 プラスチック材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明なプラスチック材によって構成された筒状体と、この筒状体の内側又は外側に、上記筒状体に沿って設けられたシート状の装飾紙と、この筒状体の内部に、当該筒状体内部を全体的に照らす熱を発生しない光源とが設けられていることを特徴とする装飾照明装置

【請求項2】
上記装飾紙は、一枚の和紙であり、上記筒状体の内面を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装飾照明装置。
【請求項3】
上記筒状体は、その天井又は底のいずれか一方の開口部を覆うように蓋体が設けられ、かつ
上記光源は、他方の開口部に設けられ、上記一方の開口部に向けて光を発するように設置されていることを特徴とする請求項1又2に記載の装飾照明装置。
【請求項4】
上記装飾紙には、透かし模様又は切り抜きが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の装飾照明装置。
【請求項5】
上記筒状体は、その底部に設けられるとともに、上記光源が収容された台座によって周方向に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の装飾照明装置。
【請求項6】
筒状に巻かれることによって立設可能となるシート状の透明なプラスチック材と、このプラスチック材の上記巻き方向よりも長く又は上記巻き方向と略同一長さに形成されたシート状の装飾紙と、上記筒状内に収容可能である熱を発生しない光源とを有することを特徴とする装飾照明製作用キット。
【請求項7】
上記光源が収容された容器は、上記筒状に巻かれたプラスチック材の内部に配設することによって、上記プラスチック材の上記筒形状を保持可能な外法寸法を有していることを特徴とする請求項6に記載の装飾照明製作用キット。
【請求項8】
上記装飾紙は、和紙であって、その中央部に開口が形成されており、この開口と略同一の外法寸法を有する写真印刷用紙が備えられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の装飾照明製作用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−34338(P2008−34338A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301530(P2006−301530)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(391058668)有限会社さくらホビークラフト (7)
【Fターム(参考)】