説明

補助パッド

【課題】補助パッドを吸収性物品に装着するにあたり、一度適正な位置に装着すれば、新たな補助パッドに交換する際には簡単な位置決めによって適正な位置に確実に装着することができる補助パッドを提供する。
【解決手段】本発明の補助パッドは、トップシート1とバックシート2とこれらの間に配された吸収性コア3とを有し、吸収性物品に配置して使用される補助パッドであって、バックシート2の外面の少なくとも一部の領域Aに第一の離型層6が形成されており、該第一の離型層6には粘着剤層7が積層され、さらに該粘着剤層7には第二の離型層8が積層されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に配置して使用される補助パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつなどの吸収性物品には尿を吸収する補助的なパッド(以下「補助パッド」と称する)が併用されることがある。具体的には、使い捨ておむつの内側に補助パッドを装着して使用し、該補助パッドが尿を吸収した際にはこれを新たな補助パッドに交換することにより一定期間(半日〜3日程度)に一つの使い捨ておむつが継続して使用される。この場合、使い捨ておむつへの補助パッドの装着を適正な位置で行なわなければ、補助パッドにて確実に尿を吸収できず、使い捨ておむつにまで尿が漏れてしまうことになる。したがって、補助パッドを使用するに際しては装着時に如何に適正に位置決めするかが重要であり、初めに補助パッドを装着するときは勿論、補助パッドを交換する度に慎重に位置決めを行なわなければならなかった。
【0003】
ところで、特許文献1には補助パッドを交換する際の位置決めを適正に且つ確実に行なうための手法が記載されている。すなわち、生理用ナプキン等の吸収性物品本体の表面シート上に取り付けられて使用される所謂陰唇間パッドのような小型パッドに対し、本体の表面シートに取り付けられた状態の小型パッドを該本体から取り外したときに表面シートに小型パッドの取り付け跡が残される手段を設けることが記載されている。その具体的手段の一つとして、小型パッドの裏面シートと該裏面シートの外面に施された有色の粘着剤とからなる手段が挙げられている。これにより、小型パッドを本体から取り外したときに粘着剤の一部が表面シート上に残ることになり、小型パッドを交換する際には、この表面シート上に残った粘着剤と一致させるように新たな小型パッドを配置すれば位置決めを容易に行うことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−20629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された手法を使い捨ておむつに装着する補助パッドに適用した場合、使い捨ておむつの表面シートに粘着剤層が期待したように上手く残らず、新たな補助パッドの位置決めを行う際の十分な目安にならないことがあった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、補助パッドを吸収性物品に装着するにあたり、一度適正な位置に装着すれば、新たな補助パッドに交換する際には簡単な位置決めによって適正な位置に確実に装着することができる補助パッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し得た本発明の補助パッドは、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有し、吸収性物品に配置して使用される補助パッドであって、前記バックシートの外面の少なくとも一部の領域に第一の離型層が形成されており、該第一の離型層には粘着剤層が積層され、さらに該粘着剤層には第二の離型層が積層されていることを特徴とするものである。このような本発明の補助パッドは、まず第二の離型層を除去し、現れた粘着剤層を適正な位置で吸収性物品に当接させることにより、吸収性物品に固定される。このようにして装着された補助パッドは、使用後すなわち尿等を吸収したときには、新たな補助パッドと交換される。そのとき、補助パッドを交換するべく、トップシート、吸収性コアおよびバックシートからなる補助パッド本体を吸収性物品から剥がし取ると、第一の離型層と粘着剤層が離間し、粘着剤層は確実に吸収性物品に残ることになる。こうして吸収性物品上に残った粘着剤層の上に新たな補助パッドの粘着剤層が重なるように配置すれば、新たな補助パッドを元の適正な位置に確実に装着できる。
【0008】
本発明の補助パッドにおいては、前記バックシートの外面の少なくとも一部に第一の離型層が形成されていない領域が存在することが好ましい。この態様によれば、補助パッドが面積の大きいものであっても、第一の離型層と、該第一の離型層に積層される粘着剤層と、該粘着剤層に積層される第二の離型層とをその面積の全てに設ける必要がなく、材料コストの点で有利である。
【0009】
本発明の補助パッドにおいては、前記第一の離型層が形成された領域は補助パッドの外縁の一部又は全部に配置されていることが好ましい。この態様によれば、粘着剤層を補助パッドの外縁に設けることができるので、使用時に補助パッドが端部から捲れにくくなる。しかも、使用後に補助パッドを交換する際には、残存した粘着剤層が元の補助パッドの装着位置の外縁の一部又は全部を示すことになるので、新たな補助パッドの位置決めをより確実に行なえる。
【0010】
本発明の補助パッドにおいて、前記第一の離型層は離型紙の表層に形成されたものであることが好ましい。この態様によれば、あらかじめ第一の離型層が形成された離型紙をバックシート外面に接着剤等で固定すればよく、例えばバックシート外面に離型剤を直接塗布するなどして第一の離型層を形成する場合に比べ、第一の離型層をより正確に所望の範囲に形成可能であるため、補助パッドの製造が容易になる。
【0011】
本発明の補助パッドにおいては、前記粘着剤層が顔料または染料を含有していることが好ましい。これにより、残存した粘着剤層を見極めやすく、新たな補助パッドを装着する際の位置決めをより簡単に行える。
【0012】
本発明の補助パッドにおいて、前記第二の離型層と前記粘着剤層との剥離強度は、前記第一の離型層と前記粘着剤層との剥離強度よりも低いことが好ましい。これにより、補助パッドを吸収性物品に装着する際に、第一の離型層と粘着剤層を誤って先に離間させてしまう確率を低減できる。
【0013】
本発明の補助パッドは、長手方向の長さが150mm以上であることが好ましい。これにより、補助パッドとして十分な吸収能力を確保し得るとともに、交換時にも使用後の補助パッドを剥がし取りやすいといった効果が得られる。
【0014】
本発明の補助パッドにおいては、前記粘着剤層の面積が補助パッドの全面積の0.5%以上であることが好ましい。これにより、補助パッドを吸収性物品に装着するにあたり確実に固定でき、吸収性物品の着用中にも補助パッドがズレにくくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の補助パッドによれば、補助パッドを吸収性物品に装着するにあたり、一度適正な位置に装着すれば、新たな補助パッドに交換する際には簡単な位置決めによって適正な位置に確実に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の補助パッドにおいて第一の離型層が形成される領域の配置例を示す平面図である。
【図2】本発明の補助パッドの一実施形態の要部拡大断面図である。
【図3】吸収性物品に装着した本発明の補助パッドを交換する際の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の補助パッドは、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有し、吸収性物品に配置して使用される補助パッドである。そして、バックシートの外面の少なくとも一部の領域に第一の離型層が形成されており、該第一の離型層には粘着剤層が積層され、さらに該粘着剤層には第二の離型層が積層されていることを特徴とする。このようにバックシートと粘着剤層の間に第一の離型層が介在していることにより、使用後新たな補助パッドと交換する時に、第一の離型層と粘着剤層が離間し、粘着剤層を確実に吸収性物品に残すことができる。こうして吸収性物品上に残った粘着剤層の上に新たな補助パッドの粘着剤層が重なるように配置することにより、新たな補助パッドを元の適正な位置に確実に装着できる。
【0018】
本発明においては、尿を吸収させる部分、すなわちトップシート、バックシートおよび吸収性コアを備えた部分を補助パッド本体と称する。また、該補助パッドを吸収性物品に固定するための部分、すなわち第一の離型層、第二の離型層および粘着剤層を備えた部分を固定手段と称する。本発明の補助パッドを吸収性物品に装着して使用する際には、固定手段が吸収性物品に対向するように配置する。
【0019】
補助パッド本体は、トップシート、吸収性コアおよびバックシートがこの順で積層されたものである。吸収性コアは内部に包み込まれていることが好ましく、通常、吸収性コアを内部に包み込んだ状態でトップシートとバックシートが接合されている。トップシートと吸収性コアとの間およびバックシートと吸収性コアとの間は、全面的に接合されていてもよいし部分的に(例えばストライプ状、ドット状、スパイラル状等に)に接合されていてもよい。トップシートとバックシートとの接合や吸収性コアと各シート間の接合は、例えば接着剤(特にホットメルト接着剤)や熱融着により行うことができる。
【0020】
補助パッド本体を構成するトップシートは、装着時に着用者の肌側に位置するシートであり、液透過性のシート材料で形成されている。例えば、セルロース、レーヨン等の親水性繊維から形成された不織布;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布であって、当該疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの;等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルムを用いてもよい。
【0021】
補助パッド本体を構成するバックシートは、装着時に着用者の肌側とは反対の側(すなわち吸収性物品に対向する側)に位置するシートであり、液不透過性または撥水性であってもよいし、液透過性であってもよい。液透過性のシート材料としては、トップシートと同様の材料が挙げられる。液不透過性のシート材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布;プラスチックフィルム;等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
【0022】
補助パッド本体を構成する吸収性コアは、尿等の液体を吸収できるものであれば特に限定されない。吸収性コアとしては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは吸収性材料を紙シート(例えば、ティッシュペーパー)や液透過性不織布シート等で覆ったものを用いたりすればよい。吸収性コアに含まれる吸収性材料としては、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。吸収性材料としては、少なくとも吸水性樹脂を含んでいることが好ましい。また、吸収性材料として、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いてもよい。吸収性コアの形状は、特に限定されず、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等の形状が挙げられる。
【0023】
補助パッド本体には、例えば尿漏れ等を確実に防止するために通常尿パッドなどに設けられる各種弾性部材を配設することができる。弾性部材としては、ウレタンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴムなど、当該分野で汎用される伸縮弾性体を使用することができる。これらの伸縮弾性体は伸張状態で配置され、ホットメルト接着剤、澱粉系またはカルボキシメチルセルロースなどの水溶性の糊または流動性の高い接着剤、もしくは熱や超音波によって接着固定されてもよいし、縫製により固定されてもよい。
【0024】
補助パッド本体には、例えば尿漏れ等を確実に防止するために通常尿パッドなどに設けられる各種フラップを配設することができる。例えば、トップシート等に固定される固定部と該固定部から上方に延在する起立部とを有するフラップを、吸収性コアの幅方向両側縁部において長手方向に連続して形成すればよい。なお、かかるフラップの起立部において長手方向に向けて弾性部材を配設するようにしてもよい。補助パッド本体の形状としては、特に制限はなく、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等の形状が挙げられる。
【0025】
固定手段は、粘着剤層が第一の離型層と第二の離型層とに当接して挟まれた構造を有している。
【0026】
第一の離型層は、バックシートの外面すなわち吸収性コアの反対側の面に形成される。本発明においては第一の離型層を粘着剤層に当接して存在させることにより、使用後に補助パッド本体を吸収性物品から剥がし取った際、確実に第一の離型層と粘着剤層を離間させて粘着剤層を吸収性物品に残存させることができる。そして、この残存した粘着剤層の上に新たな補助パッドの粘着剤層が重なるように配置すれば、新たな補助パッドを元の適正な位置に確実に装着できる。
【0027】
第一の離型層は、例えば1)離型紙の表層に形成されたものであってもよいし、2)バックシート外面に離型剤を塗布するなどして直接形成されたものであってもよいが、好ましくは上記1)の態様がよい。上記1)の態様であれば、あらかじめ第一の離型層が形成された離型紙をバックシート外面に接着剤等で固定すればよく、上記2)の態様に比べ、第一の離型層をより正確に所望の範囲に形成可能であるため、補助パッドの製造が容易になる。
【0028】
上記1)の態様の場合、離型紙としては、基材の片面に離型剤を塗布することにより離型層を形成したものを用いることができる。ここで基材としては特に制限されるものではなく、グラシン紙など各種紙類のほか不織布等であってもよい。離型剤としては、公知のシリコン系離型剤やフッ素系離型剤を用いればよい。
【0029】
第一の離型層を形成した離型紙の厚みは、特に制限されないが、吸収性物品に装着して着用した時のごわつき感を低減することを考慮すると、通常100μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましい。
【0030】
第一の離型層は、バックシートの外面の少なくとも一部の領域に形成されていればよい。この第一の離型層が形成される領域は、固定手段が形成される領域に相当する。第一の離型層が形成される領域(以下「固定手段形成領域」と称することもある)は、一の領域であってもよいし、二以上の領域に分割されていてもよく、その形状については特に限定されない。
【0031】
固定手段形成領域はバックシートの外面の全域に配置されていてもよいが、本発明の補助パッドにおいてはバックシートの外面の少なくとも一部に第一の離型層が形成されていない領域(以下「固定手段非形成領域」と称することもある)が存在することが好ましい。固定手段非形成領域が存在する態様においては、補助パッドが面積の大きいものであっても、第一の離型層と、該第一の離型層に積層される粘着剤層と、該粘着剤層に積層される第二の離型層とをその面積の全てに設ける必要がなく、材料コストの点で有利になるからである。固定手段非形成領域が存在する場合の固定手段形成領域の配置例としては、例えば図1(a)〜(h)に示す配置が挙げられる。図1は補助パッド21における第一の離型層7が形成される領域(固定手段形成領域)Aをハッチングで示し、固定手段非形成領域Bをハッチングのない状態で示した平面図である。
【0032】
本発明の補助パッドにおいては、第一の離型層が形成された領域(固定手段形成領域)Aが図1(a)〜(d)に示すように補助パッドの外縁の一部又は全部に配置されていることが好ましい。このような態様であると、粘着剤層を補助パッドの外縁に設けることができるので、使用時に補助パッドが端部から捲れにくくなる。しかも、使用後に補助パッドを交換する際には、残存した粘着剤層が元の補助パッドの装着位置の外縁の一部又は全部を示すことになるので、新たな補助パッドの位置決めをより確実に行なえる。このような態様は少ない面積の粘着剤層で十分な効果を発揮させ得るので、上述した固定手段非形成領域が存在する場合において特に有効である。
【0033】
粘着剤層は、本来、補助パッドを吸収性物品に装着して使用するときに補助パッドがズレないよう固定するために設けられるものである。本発明において粘着剤層は、この本来の目的に加え、使用後に吸収性物品上に残存させて位置決めの目安にするという役割も果たす。
【0034】
本発明においてはバックシートと粘着剤層の間に第一の離型層を介在させた構成としているので、粘着剤層を形成する粘着剤の種類にかかわらず、良好に粘着剤層を吸収性物品に残存させることができる。したがって、粘着剤層を形成する粘着剤としては特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の公知の粘着剤を用いることができる。
【0035】
粘着剤層は、顔料または染料を含有していることが好ましい。これにより、残存した粘着剤層を見極めやすく、新たな補助パッドを装着する際の位置決めをより簡単に行える。顔料または染料としては、特に制限はなく、粘着剤用途において通常用いられている顔料または染料を用いることができる。なお、顔料または染料の色には制限はないが、補助パッドを装着しようとする吸収性物品の補助パッド装着面の色と異なる色相の色であるのが、位置決めの際に残存粘着剤層が際立つので好ましい。
【0036】
粘着剤層を形成するにあたり粘着剤の塗布量は、吸収性物品に対して充分な固定力を発現させるうえで、下限を好ましくは10g/m以上、より好ましくは20g/m以上とするのがよい。また上限は材料コストの観点から好ましくは100g/m以下、より好ましくは80g/m以下とするのがよい。
【0037】
粘着剤層の面積は、補助パッドの全面積(吸収性物品に対向する面の全面積)の0.5%以上であるのがよく、より好ましくは2%以上であるのがよい。粘着剤層の面積が前記範囲であると、補助パッドを吸収性物品に装着するにあたり確実に固定でき、吸収性物品の着用中にも補助パッドがズレにくくなる。
【0038】
第二の離型層は、粘着剤層に積層されており、粘着剤層を保護する役割を果たすものである。したがって、この第二の離型層は補助パッドを初めに装着する際に取り除いて使用される。
【0039】
第二の離型層は、通常、離型紙に形成される。ここで用いられる離型紙も、基材の片面に離型剤を塗布することにより離型層を形成したものを用いることができる。この場合の基材および離型剤としては、第一の離型層における1)の態様で用いられる離型紙と同様のものを用いることができる。ただし、両離型層の離型剤は、第一の離型層と粘着剤層との剥離強度および第二の離型層と粘着剤層との剥離強度が後述する関係となるように、粘着剤層を形成する粘着剤に応じて選択することが好ましい。
【0040】
第二の離型層を形成した離型紙の厚みは、特に制限されないが、装着時の剥がしやすさを考慮すると、通常30μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。
【0041】
本発明において、第二の離型層と粘着剤層との剥離強度は、第一の離型層と粘着剤層との剥離強度よりも低いことが好ましい。これにより、補助パッドを吸収性物品に装着する際に、第一の離型層と粘着剤層を誤って先に離間させてしまう確率を低減できる。具体的には、第一の離型層と粘着剤層との剥離強度が、第二の離型層と粘着剤層との剥離強度の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましい。なお、剥離強度は、例えばJIS−K−6854−3に準じて測定することができる。
【0042】
本発明の補助パッドは、長手方向の長さが150mm以上であることが好ましい。より好ましくは200mm以上、さらに好ましくは250mm以上であるのがよい。長手方向の長さが前記範囲であると、補助パッドとして十分な吸収能力を確保しうるとともに、交換時にも使用後の補助パッドを剥がし取りやすいといった効果が得られる。
【0043】
以下、図面を用いて本発明の補助パッドについて説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0044】
図2は、本発明の補助パッドの一実施形態の要部拡大断面図である。詳しくは、図2は、図1(c)に示す配置で固定手段形成領域Aを設けた本発明にかかる尿パッド21の幅方向における断面のうち、固定手段形成領域Aを含む要部を拡大して示したものである。
【0045】
また、図3は、吸収性物品に装着した本発明の補助パッドを交換する際の状態を示す斜視図である。詳しくは、図3は、本発明の補助パッドの一実施形態である尿パッドを使い捨ておむつに装着した後、剥がし取ったときの使い捨ておむつ20の状態と、該状態の使い捨ておむつ20に装着する新たな尿パッド21を示したものである。
【0046】
図2に示す尿パッド(補助パッド)21は、トップシート1とバックシート2とこれらの間に配された吸収性コア3とを有する。これらトップシート1、バックシート2および吸収性コア3は、吸収性物品である使い捨ておむつに装着されて尿を吸収する尿パッド本体(補助パッド本体)4を構成する。そして尿パッド本体4は、粘着剤層7、第一の離型層6および第二の離型層8を有する固定手段5によって使い捨ておむつにズレないよう固定される。
【0047】
固定手段5を構成する第一の離型層6は、バックシート2の外面の少なくとも一部の領域(固定手段形成領域)Aに形成されており、該第一の離型層6には粘着剤層7が積層され、さらに該粘着剤層7には第二の離型層8が積層されている。つまり、粘着剤層7は第一の離型層6と第二の離型層8とに当接して挟持されている。この構成により、尿パッド21は、使い捨ておむつに装着する際、まず第二の離型層8を剥がして粘着剤層7で使い捨ておむつに接合される。次に、尿パッド21の交換時に、尿パッド本体4を使い捨ておむつから剥がし取ると、第一の離型層6と粘着剤層7が離間し、粘着剤層7は確実に使い捨ておむつ20に残ることになる。こうして使い捨ておむつ上に残った粘着剤層7’の上に新たな尿パッド21の粘着剤層7が重なるように配置することにより、新たな尿パッド21を元の適正な位置に確実に装着できるのである。なお、図2においてバックシート2の一部には固定手段非形成領域Bが存在しているので、粘着剤層7を構成する粘着剤や後述する離型紙9、13など材料コストを削減できるという利点がある。
【0048】
図2において、第一の離型層6は、離型紙9の表層に形成されている。つまり、離型紙9は基材10の片面に第一の離型層6を形成してなるものであり、この離型層6が表層となり基材10がバックシート2に対向するように配されている。そして離型紙9はホットメルト接着剤を塗布した接着剤層11を介してバックシート2に固定されている。
【0049】
図2において、第二の離型層8は、基材12の片面に離型層(第二の離型層8)を備えた離型紙13を用いて形成されている。詳しくは、この離型紙13は、離型層8が裏層となるように(換言すれば第二の離型層8が粘着剤層7に対向するように)配されており、該離型層8で粘着剤層7を保護している。つまり、固定手段5の最表層は離型紙13で覆われることになる。
【0050】
このような尿パッドは、まず第二の離型層8を含む離型紙13を除去し、現れた粘着剤層7を適正な位置で使い捨ておむつに当接させることにより、使い捨ておむつに固定される。このようにして装着された尿パッドは、使用後すなわち尿を吸収したときには、新たな尿パッドと交換される。そのとき、尿パッドを交換するべく、トップシート1、吸収性コア3およびバックシート2からなる尿パッド本体4を使い捨ておむつから剥がし取ると、第一の離型層6と粘着剤層7が離間し、図3に示すように粘着剤層7は確実に使い捨ておむつ20に残ることになる。こうして使い捨ておむつ20上に残った粘着剤層7’の上に新たな尿パッド21の粘着剤層7が重なるように配置すれば、新たな尿パッド21を元の適正な位置に確実に装着できる。
【符号の説明】
【0051】
1 :トップシート
2 :バックシート
3 :吸収性コア
4 :尿パッド本体(補助パッド本体)
5 :固定手段
6 :第一の離型層
7 :粘着剤層
8 :第二の離型層
9 :離型紙
10: 基材
11:接着剤層
12:基材
13:離型紙
20:使い捨ておむつ(吸収性物品)
21:尿パッド(補助パッド)
A :固定手段形成領域
B :固定手段非形成領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有し、吸収性物品に配置して使用される補助パッドであって、
前記バックシートの外面の少なくとも一部の領域に第一の離型層が形成されており、該第一の離型層には粘着剤層が積層され、さらに該粘着剤層には第二の離型層が積層されていることを特徴とする補助パッド。
【請求項2】
前記バックシートの外面の少なくとも一部に第一の離型層が形成されていない領域が存在する請求項1に記載の補助パッド。
【請求項3】
前記第一の離型層が形成された領域は補助パッドの外縁の一部又は全部に配置されている請求項1または2に記載の補助パッド。
【請求項4】
前記第一の離型層は離型紙の表層に形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の補助パッド。
【請求項5】
前記粘着剤層が顔料または染料を含有している請求項1〜4のいずれかに記載の補助パッド。
【請求項6】
前記第二の離型層と前記粘着剤層との剥離強度は、前記第一の離型層と前記粘着剤層との剥離強度よりも低い請求項1〜5のいずれかに記載の補助パッド。
【請求項7】
長手方向の長さが150mm以上である請求項1〜6のいずれかに記載の補助パッド。
【請求項8】
前記粘着剤層の面積が補助パッドの全面積の0.5%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の補助パッド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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