説明

製品の包装方法及び関連する包装体

【課題】少なくともある一定のスプリングバック特性を示すシート材の利用を含む包装の実現に容易に適用できる解決策を提供する。
【解決手段】可塑性の変形性を有するシート材からなる第1のシート(1)(例えばアルミニウム)と、スプリングバック特性を有する包装材からなる第2のシート(2)(例えばプラスチックフィルム)とを使用したシート材の包装で製品(P)を包装する方法を提供する。一旦製品(P)が第1のシート(1)上に置かれると、製品(P)に第2のシート(2)か被さられ、その中で、製品(P)を包装する部分と、第1のシート(1)に面する部分(2a)とが提供される。第1のシート(1)と、第2のシート(2)のうち第1のシート(1)に面する部分(2a)気密シールで結合し、それによって可塑的に変形可能な複合材からなるシート材(1,2a)を形成し、又は一体的な収納カップを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は商品の包装に関し、食品の包装に適用できるよう開発された。
【0002】
ただし、そのような適用可能な分野への言及は本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【背景技術】
【0003】
ここに述べられている解決策はEP‐A‐0 591 742に記載された解決策の発展型と見ることができる。その文書において説明された解決策(いくぶん類似する解決策がEP‐A‐0 790 184及びEP‐A‐1 046 579に記載されている)は、例えば甘い食べ物などの製品の包装のための気密な包装(又は気密シール)を提供することになっている。
【0004】
そのような解決策は包装材からなる第一及び第二のシートを用いる。第1のシートは、製品の形状と実質的に相補的な殻もしくは鉢状の形状を与えるように仕向けられた成形操作("drawing”)を受ける。一旦成形されると、第1のシートは製品の大部分を内側に収容することができる。それから、第2のシートは成形された第1のシートの中に挿入された製品のカバーに用いられ、そして2つのシートは互いに結合され、製品の周りに実質的に密閉された製品の包装を提供する。それから2つのシートは、製品の表面にくっ付く、気密シールされた包装を提供するようにされた連続する成形操作を受ける。
【0005】
製品は受容カップ(例えば、一般に“プチフール”と呼ばれるタイプの、ひだが設けられた壁面を有するカップ)内に配置され得る。EP‐A‐1 046 579に記載された解決策によると、2つの包装紙を成形する操作は、代わりに、上記受容カップの形状を再現する一体化された形状の部分を提供するよう導く。
【0006】
引用文献において説明された解決策は、第1及び第2のシートの製造原材料として可塑的に変形可能な(又は永久に変形可能な)材料を使用することを考慮して考え出された。
【0007】
可塑性の又は永続的な変形性によって、変形させようとする力が取り除かれたときでさえ、本体のキャパシティーが変形して、変形後の形状を安定的に維持することを目的としている。例えばアメやチョコレートのような菓子を包装するために伝統的に用いられてきたタイプのアルミホイルは、可塑的に変形可能な材料の典型例である。この材料のシートを手に取り、くしゃくしゃに丸めると、その材料は実質的に安定した状態で、ボール状の形状を維持するであろう。
【0008】
弾性体の変形性はそのような態様に反し、一旦変形させようとする力が取り除かれると、変形した本体が程度の差はあれ直ぐに変形前の形状に戻る。塑性の変形性と同様に、絶対的には、弾性の変形性も理想的なモデルである。弾性的に変形可能なほとんどの材料は、現実には、多かれ少なかれ明らかにスプリングバックする。したがって、一旦変形させようとする力が取り除かれると、スプリングバックによって、折り曲げられもしくは成形された弾性材料が元の形状に戻るようになる。
【0009】
ポリプロピレン又はポリエチレン基材のシート包装材は、スプリングバックを示す材料の典型例である。もしこの材料からなるシートをくしゃくしゃに丸めても、程度の差はあれ直ぐにボール状の形状を失い、多かれ少なかれ再び広く広がる傾向がある。
【0010】
例えばEP‐A‐0 591 742に記載されたような解決策は、実質的にアルミホイルからなるシート材を利用する際は理想的であり、最終的にはコーティング材からなる1又はそれ以上の層が結合される。したがって、我々は可塑的又は永続的に変形可能な材料について述べる。
【0011】
包装産業の諸分野、特に食品包装の分野において、(例えばお菓子の包装に伝統的に用いられてきたタイプのような)アルミニウムまたは同種のものによるシート包装材から、ポリプロピレン,ポリエチレンなどに基づく異なる性質のラミネート材へとシフトする傾向が段々と明らかになってきた。
【0012】
アルミニウムのような従来の材料に対して、これらの新材料は、例えば、(1)包装内への外部物質の進入及び/又は(2)包装内の物質の外部への移動に対する防護機能を果たす(それ故保護する)高い能力を有するというメリットがある。このことは、とりわけ、いわゆる感能性の汚染、すなわち同一の包装の隣接する箇所に位置し、異なる味を有する製品が、互いに望まずして味や香りを移してしまう現象に対して有効な防護機能を実現する可能性に関して言える。
【0013】
さらに、これらの新材料は、とりわけ印刷、すなわち例えば金属化処理のような装飾的処理を受けるのに適しており、審美的な観点から特に包装の感じをよくする。
【0014】
(リストの最後であるが、必ずしも重要ではない)追加的な要因としては、これらの材料は伝統的な包装材と比べてより少ない環境影響で処分できる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0591742号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第0790184号公報
【特許文献3】欧州特許出願公開第1046579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、アルミニウムのような従来の材料について言えば、前述した代替包装材は多かれ少なかれ明らかなスプリングバック特性を示す。それ故、そのような材料にとっては、付属的要素(例えば、熱変形によって機能する成形要素)を使用することなく、本願の序文で引用された文献に記載されたような技術の適用をあらかじめ示すことは非常に困難である。
【0017】
それ故、本願発明の目的は、前述の解決策の効率と簡潔さを維持しながら、アルミニウムホイルのような材料とは異なり可塑性の変形性を有するのではなく、逆に少なくともある一定のスプリングバック特性を示すシート材の利用を含む包装の実現に容易に適用できる解決策を提供することにある。
【0018】
本発明によると、そのような目的は、以下に述べる請求項において想起される特徴を有する方法により成し遂げられる。本発明はまた、対応する包装にも関する。請求項は、本願発明に関して、本明細書で与えられる開示における必須の部分である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本願発明に係る、シート材からなる包装紙で製品を包装する方法では、可塑性の変形性を有する材料からなる第1のシートと、スプリングバックを示す包装材からなる第2のシートとを供給する工程と、前記第1のシートと前記第2のシートとを前記製品に被せ、前記第2のシートに、前記製品を包装する部分と、前記第1のシートに面する部分とを形成する工程と、前記第1のシートと、該第1のシートと面する前記第2のシートの部分とを結合し、それによって可塑的に変形可能な複合材からなるシート材を形成する工程と、前記可塑的に変形可能な複合材からなるシート材を成形し、前記製品の包装を形成する工程を備える。
さらに本願発明に係る包装体は、シート材の包装の中に包装される製品を備えた包装体であって、前記包装は、可塑的に変形可能な包装材からなる第1のシートと、スプリングバックを示す包装材からなる第2のシートを備え、前記第2のシートは、製品を包む部分と、前記第1のシートに面する部分を有し、前記第1のシートと、該第1のシートに面する前記第2のシートの部分とが一緒に結合され、これによって、前記製品の前記包装を提供するように形成された、可塑的に変形可能な複合材からなるシート材を形成する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、少なくともある一定のスプリングバック特性を示すシート材の利用を含む包装の実現に容易に適用することができる解決策が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本明細書に記載される方法を実行する際の連続する工程を表す。
【図2】図2は本明細書に記載される方法を実行する際の連続する工程を表す。
【図3】図3は本明細書に記載される方法を実行する際の連続する工程を表す。
【図4】図4は本明細書に記載される方法を実行する際の連続する工程を表す。
【図5】図5は本明細書に記載される方法を実行する際の連続する工程を表す。
【図6】図6は図1〜5で説明された方法の工程の完了に適用できる2つの可能な変形のうちの一方を表す。
【図7】図7は図1〜5で説明された方法の工程の完了に適用できる2つの可能な変形のうちの一方を表す。
【図8】図8は図1〜5で説明された方法の工程の完了に適用できる2つの可能な変形のうちの他方を表す。
【図9】図9は図1〜5で説明された方法の工程の完了に適用できる2つの可能な変形のうちの他方を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここに示された典型的な実施形態(一例であり、それ故発明の範囲を制限しないものと考えられなければならない)は、食品Pの包装に関する。
【0023】
製品Pは、一例として、したがって発明の範囲を何ら制限しないものとして、コーティングされ又はされず、例えば球状の形状、又は添付図面において概略的に示されるように製品Pに平らな着座面を与える平らな底面を有する、実質的に球状に対応するように見える形状を備える不定の性質・構成からなるプラリーヌによって表され得る。ともかく、製品Pの具体的な性質が、ここに述べられる解決策を理解し、実行するための決定的な要因とはならない。
【0024】
ここに記載された方法は、製品Pの周囲に、気密(密閉)シールの特徴を有するシート材の包装紙からなる包装を実現することを目的とする。それ故、起こり得る製品Pの汚染のリスクを伴う、包装内への外部物質の進入及び/又は包装内からの内部物質の漏れを回避しながら製品Pの包装ができるシート材の包装紙が議論されている。このタイプの気密シールされた包装を実現することが必要な様々な理由があり得る。これらの中には、製品の保存期間の延長に対するニーズが挙げられ得る。これに関しては、本明細書の中間部分において引用される文献で言及され得る。
【0025】
これら従前の文献に記載された解決策の場合のように、シート材の包装は第1のシート1と第2のシート2から形成されることになる。
【0026】
それらの相対的な寸法に関しては、考慮中の2つのシートは、概して小さいシート1と大きいシート2と理解され得る(簡単にするため、これ以降は四角形状のシートとして言及するが、これらのシートは、とりわけ製品Pの形状と寸法の関数において、どんな形状をも取り得る)。
【0027】
寸法におけるこの相違は、結局図6,7に説明された工程に従って方法を展開された場合に正当化され得るが、一方で図8,9に従って展開された場合にはそれ程重要ではない。例え完全に不可欠なものではなくても、シート2が少なくとも部分的にシート1を覆うようになるときには、より大きな寸法でシート2を作るという選択は概して正当化され得る。
【0028】
その代わりに、シート1とシート2は変形性特性が相違する。
【0029】
シート1は可塑的(又は永続的)に変形可能な材料の薄膜から形成される。
【0030】
その代わりに、シート2はスプリングバックを示す材料の薄膜から形成される。
【0031】
例えば、シート1は、本明細書の導入部において繰り返し引用されている先行技術文献で言及されているタイプの包装シートにすることができる。例として、これは、できれば、例えば熱溶接特性を有するポリエチレンのような材料の層で上側表面(製品Pに面することとなる表面)がコーティングされたアルミホイルのシート(例えば厚さ15〜50μm)にすることができる。言い換えると、それは、現在専門分野において結合材料と示されるタイプの材料である。
【0032】
代わりに、シート2は、15〜50μmの厚さを有し、ポリプロピレン(PP)又は類似するポリマー層を含む薄膜から成り、このポリマー層は、(外側から視認できる部分として意図される)包装の外側に面するようになっており、できれば包装の外表面に仕上げのニスを付す。薄膜に輝きや明るさの特性を与える、いわゆるメタライゼーション又はアルミニゼーションを実現するため、上記ポリプロピレンの層が、その内表面上において、(真空チャンバにおいて)気相成長によって形成された薄いメタライゼーションを備え得る。シート2はまた、例えばポリエチレンのような材料からなる追加の層を備えることができ、ポリプロピレンからなる(外)層とポリエチレンからなる(内)層の間に金属化層が挿入されたサンドイッチ状の構成を供給する。
【0033】
もちろんこれらの材料の選択は必須ではない。ポリエチレンの選択は、シート2の内側すなわち製品Pと面するようになる面上に、熱溶接によって第1のシート1の材料との密接な結合を形成し得る層を備えることを望むことが原因となり得る。
【0034】
構造及び構成が何であれ、シート2が全体に可塑性の変形性の特徴を有さないこととなる。もしシート2が変形させられた場合、(可塑性の変形性の特徴を有する膜やシートと違って、)与えられた形状を永久に維持することなく、代わりに変形されていない初めの形状に弾性的に戻ろうとする。
【0035】
一例として、ここに示された方法の第1の工程では、シート1が出発材料のロールもしくはウェブWをカットすることによって得られることが図1に示されている。シート1が、(特に図示しないが、)例えば製品の自動包装機に設けられたコンベア手段の表面のような作業表面に配置されることが想定され得る。例えば、図2に概略的に説明されるように、(例えば把持装置のような)道具100によってシート1上に配置される製品Pを収容及び保持する場所を供給することができるよう、場合によっては縮小された深さを有する中空のインプリント3が(公知の道具によって)形成される。
【0036】
インプリント3は、例えばレンズ状の凹形形状又は略殻状もしくボール状の形状、それ故キャビティ3の中に収容される製品Pの下部の縁部分とほぼ相補的な形状を有することができる。このすべてが、例えば(包装サイクルの間に通常生じるように、)製品Pを載せたシート1が例えばコンベヤーラインに沿って前進する時に、製品Pがシート1に対して望まれざる態様で移動するのを避けるために用いられる。
【0037】
シート1にインプリント3を実現するというオプションは必須ではないことも理解されるであろう。そのようなインプリントの存在は、底面に平坦な部分を既に有する製品の場合にはそれほど跡は生じないが、製品Pが完全に球状で、それ故に明らかにシート1上を転がり易い場合に好都合となり得る。いずれにせよ、シート1への製品Pの固定効果は、他の手段、例えば食品銘柄用の接着剤によっても得られ得る。
【0038】
もしあれば、中空のインプリント3は可塑的に変形できる材料に形成され、一旦シート1にインプリントが形成されると、そのようなインプリントは実質的に安定した状態に留まることも理解されるであろう。
【0039】
図3は追加の工程を示しており、この工程においては、上方から現れ、全体が環状の形状を有する工具120によって、製品P上に第2のシート2が被せられ、シート2が被せられる製品Pの上部を包み込むことが可能となる。公知の方法であるが、工具110の表面に対するシート2の僅かなスライドは許容する真空保持動作(破線により表され、符号112で示される真空ライン参照)により、シート2は工具120により保持される。
【0040】
この時、シート2は製品Pに掛けられる。一旦工具110の下方への移動が完了し、製品Pの上部及び周りにシート2が嵌った(被さった)状態となると、シート2は製品Pを包み込む、略ドーム状の中央部と、シート1とシート2とが面する部分においてシート1と同一の広がりを持つ平坦部2aとを有する。
【0041】
一旦そのような状態になると、製品Pを取り巻く領域であって、かつ、シート1とシート2の2つが互いに接する領域におおよそ対応する、少なくとも数箇所においてシート1とシート2とを結合する仮付け操作の実現が進行する。ここではドット4で表されたそのような仮付け(図4参照)は、例えば、シート1の下部表面に対して下から上昇し、局所的な溶融点の位置を決め、それに続いてシート1,2を溶接する指状の熱溶接要素120の頂部により、シート1とシート2とを溶接することによって実現される。そのような局所的な溶融には、一方又は両方のシートの表面に可塑性材料の層が少なくとも1層必要とされ得る。例えば、本実施形態において、局所的な溶融にはシート2の下部表面にポリエチレン層が必要とされると考えられ得る。
【0042】
もちろん、上記仮付けは、例えば超音波溶接などの異なる技術によっても実現され得る。
【0043】
(連続又は不連続となり得る)上記仮付けの存在によって、成形工具110が上昇することが可能となり、シート2がその中央部に与えられたドーム状の形状を失わずに済む。繰り返し述べられたように、シート2の材料は可塑性の変形性を有しておらず、その代わりにスプリングバックの特性を示すものである。
【0044】
ここで、図4に示された工程において、シート1とシート2は、相互に面する表面に対応して、追加の溶接工具130によって気密シールされた状態で一緒に溶接される(これは、例えば、図4に表された一組の部品に上方から下がってくる環状の工具とし得る)。
【0045】
図4に示された工程において、シート2の平坦部2aの表面に面するシート1の表面全体に沿って、2つのシート1,2は互いに結合される。2つのシートが互いに面する表面全体に沿って接しているという事実は、表面の結合(ここでは熱溶接によって、又は、場合によっては超音波溶接もしくは他の手段によって実現されている)が完全に連続している必要があるということを含意していない。
【0046】
ある実施形態において、検討中の表面間の結合は、実際に連続的になり得る。例えば、気密シールされたペアを達成しようとする必要なく、近接して配置された点による線や、ウェブ又は線の様式によって結合を実現することは本願発明の範囲内である。互いに面する領域全体ではなく、仮付け4によってもたらされる結合の有利な効果を利用して、例えば外側の縁を除き、又は製品Pのすぐ近くに隣接する部分に関するなど一部分のみにおいてシート1とシート2の間の結合を実現することは、同様に本願発明の範囲内である。
【0047】
そのような表面間の結合を実現するため、上述のように製品Pの周りに形成された包装の気密シール(ハーメチックシール)を確実にすることができることに加え、シート1とシート2が一緒に合体又は結合された薄膜構造を供給するどんなタイプの結合も用いられ得る。その結果、シート1の可塑性の変形性特性が、シート1とシート2の結合体に、ひいてはシート1とシート2を対にすることによって得られる複合薄層材料にもたらされる。シート1とシート2が結合されると、シート1の可塑性の変形特性によって、シート2のスプリングバック特性がいわば抑制される。
【0048】
言い換えると、シート1とペアにされると、一旦変形させようとする力が取り除かれるとそれ単独である程度元の形状に戻ろうとする傾向にあるシート2が、可塑的又は永続的な変形性特性を得る。これは、実際に可塑性の変形特性を有する薄層材料(シート1)と結合されたことが原因である。
【0049】
完全を期すために、シート2が工具110によって製品Pの包装位置に保持されている間に、図4に表されたように上からではなく、下から溶接工具130を上昇させ、溶接工具130によって作用するシート1とシート2の一部分2aを対とすることにより、(例えば、図3の指状の工具120によってあらかじめ形成される)仮付け操作を避け得る。少なくとも現在のところ、仮付け4を提供する解決策は、プロセス及び装置が全体として簡単になるという理由により好まれる。
【0050】
図4に表された段階からスタートすると、ここに述べられた方法は少なくとも2つの異なった方向に発展することができる。
【0051】
図6,7はEP‐A‐0 591 742に記載されたものと実質的に同様の解決策に言及する(特に図5〜7参照)。
【0052】
特に、上部をシート2,下部をシート1によって覆われる製品Pによって形成され、2つのシートが互いに面する表面に沿って結合されている複合製品は反転され(図5参照)、押出工具150で下方に押出して成形工具140(例えば、EP‐A‐0 082 952に記載された概略アーチチョーク状の形態をした変形可能な羽根タイプ)を通過させされる。これによりシート2の外縁(すなわち本質的には平坦部2a)が製品Pに向かって折り曲げられ、完全でなくても、少なくとも部分的に製品Pの下部を実際には囲んでいるシート1を覆う結果を得る。その可塑性の変形性特性によって、シート1は、製品Pの底面部に対応して、包装紙2によって形成されたお辞儀をしているような部分を閉じられた状態に保つ。
【0053】
これに関しては、シート1とシート2が互いに面した場所の縮小された外縁を省略して結合される場合に、同様の結果が成し遂げられ得ることが理解される。
【0054】
この段階で、包装紙(もしシート1とシート2が少なくとも製品Pの周囲で一緒に気密シールされる場合には、気密シール)に包まれた製品Pは、図7に示されるように受容カップ5(プチフルール)内に配置され得る。
【0055】
あるいは、図4に表される段階から生ずる一組のパーツは、図8及び9に概略的に説明される成形操作を受け得る。これらの操作は、EP‐A‐1 046 579(特に図5〜7を参照)に記載された操作と実質的に類似する。そして、これらの操作は、シート1とシート2に、上方に開口し、シート1とシート2が結合された領域においてひだのある壁の鉢(ボール)状の形状を付与し、カップ状の要素15の外観を作り出す。これは、図7に表されたカップ状の構造に類似するカップ状の構造であるが、包装の一体的な一部分として与えられた特徴である。
【0056】
好ましくは、図9において符号15で示されたカップ状の一体的部分の形成操作は、まず初めに、(先立って行われていなければ)全体的な溶接をし、シート1とシート2が一緒に結合された領域に関して放射状に方向付けられたひだ付け行うひだ付け操作をする。
【0057】
それから、この領域は熱間引き抜きによって成形されてカップ状となる。この操作の成果を改善するため、要求される可塑性の変形性特性を有する一方で、偶発的な変形への耐性をも有するシート1の素材を作ることが役に立ち得る。この特性は、一旦形成された一体のカップ15が連続する製品処理段階の間に容易に凹むことを回避するのに有効である。
【0058】
例えば、この成果はアルミニウムのような材料と繊維質の紙のような材料を結合させることにより達せられる。
【0059】
もちろん、本発明の原理を維持する限り、さらに明らかに言えば、以下のクレームにて定められる発明の範囲から離れることなく、限定されない例としてここで述べられかつ説明されていることに関し、構成の細部や実施形態の態様を変えることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 第1のシート
2 第2のシート
2a 平坦部
3 インプリント
4 ドット
5 受容カップ
15 カップ状の要素
100 工具
110 工具
112 真空ライン
120 工具
140 成形工具
150 押出工具
P 製品
W ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑性の変形性を有する材料からなる第1のシート(1)と、スプリングバックを示す包装材からなる第2のシート(2)とを供給する工程と、
前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)とを前記製品(P)に被せ、前記第2のシート(2)に、前記製品(P)を包装する部分と、前記第1のシートに面する部分(2a)とを形成する工程と、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)と面する前記第2のシート(2)の部分(2a)とを結合し、それによって可塑的に変形可能な複合材からなるシート材(1,2a)を形成する工程と、
前記可塑的に変形可能な複合材からなるシート材(1,2a)を成形し、前記製品(P)の包装を形成する工程(140,150,15)を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)に面する前記第2のシートの部分(2a)を気密シールで結合し(130)、前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)によって形成される気密性を有する包装を提供する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の方法において、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)と面する前記第2のシート(2)の部分(2a)とを結合するために、製品(P)の周囲に沿って、前記製品(P)に被せられる前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)間に、両シートが互いに面することを維持する仮付け結合を実現する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、
成形工具(110)で前記製品(P)に前記第2のシート(2)を被せる工程と、
前記仮付け結合(4)を実現する(120)工程と、
前記仮付け結合(4)を実現した後に前記成形工具(110)を取り除く工程と、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)に面する前記第2のシート(2)の部分(2a)とを結合する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項5】
請求項3又は4記載の方法において、
前記仮付け結合(4)を不連続な結合として実現する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載の方法において、
前記第1のシート(1)に、前記製品(P)を部分的に収容する凹形のインプリントを形成する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載の方法において、
前記第1のシート(1)よりも大きな寸法を有する前記第2のシート(2)を選び、前記第2のシート(2)が前記製品(P)の大部分を包装する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1に記載の方法において、
前記可塑的に変形可能な複合材からなるシート材(1,2a)を製品(P)に向かって折り曲げ、前記第2のシート(2)が前記第1のシート(1)を少なくとも部分的に覆う工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法において、
前記第1のシート(1)及び前記第2のシート(2)に包装された前記製品(P)を、好ましくはカップ状の形状を有する収納容器(5)に挿入する工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法において、
前記複合材からなるシート材(1,2a)に、概略カップ状の形態(15)となる成形工程を受けさせる工程を備える
ことを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法において、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)と面する前記第2のシート(2)の部分(2a)との結合する実現するために、前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)とのうちの少なくとも一方に、溶接可能な材料からなる層を付与する工程
を備えることを特徴とする、シート材からなる包装紙で製品(P)を包装する方法。
【請求項12】
シート材の包装の中に包装される製品(P)を備えた包装体であって、
前記包装は、可塑的に変形可能な包装材からなる第1のシート(1)と、スプリングバックを示す包装材からなる第2のシート(2)を備え、
前記第2のシート(2)は、製品(P)を包む部分と、前記第1のシート(1)に面する部分(2a)を有し、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)に面する前記第2のシート(2)の部分(2a)とが一緒に結合され、これによって、前記製品(P)の前記包装を提供するように形成された、可塑的に変形可能な複合材からなるシート材(1,2a)を形成する
ことを特徴とする包装体。
【請求項13】
請求項12記載の包装体において、
前記第1のシート(1)及び該第1のシート(1)に面する前記第2のシート(2)の部分(2a)が気密シールされた状態で一緒に結合され、気密性を有する包装紙を供給する
ことを特徴とする包装体。
【請求項14】
請求項12又は13記載の包装体において、
製品(P)の周囲に沿って、前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)の間に仮付け結合を有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)は前記製品(P)を部分的に収容する凹形のインプリントを有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれか1に記載の包装体において、
前記第2のシート(2)は前記第1のシート(1)よりも大きな寸法を有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか1に記載の包装体において、
前記複合からなるシート材(1,2a)は、前記第2のシート(2)が前記第1のシート(1)を少なくとも部分的に覆った状態に、製品(P)に向かって折り曲げられる
ことを特徴とする包装体。
【請求項18】
請求項12乃至17のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)に包装された前記製品(P)は、好ましくはカップ状の形状を有する収納容器(5)に挿入される
ことを特徴とする包装体。
【請求項19】
請求項12乃至16のいずれか1に記載の包装体において、
前記複合材からなるシート材(1,2a)は概略カップ状の形態(15)となるよう成形される
ことを特徴とする包装体。
【請求項20】
請求項12乃至19のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)と前記第2のシート(2)とのうちの少なくとも一方は、前記第1のシート(1)と該第1のシート(1)と面する前記第2のシート(2)の部分(2a)の間を結合させる溶接可能な材料からなる層を有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項21】
請求項12乃至20のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)は、例えばアルミニウムのような可塑的に変形可能な金属層を有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項22】
請求項12乃至21のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)は凹みへの耐性を有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項23】
請求項12乃至22のいずれか1に記載の包装体において、
前記第2のシート(2)は金属で被覆された表面を有する
ことを特徴とする包装体。
【請求項24】
請求項12乃至23のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)に面する前記第2のシート(2)の部分(2a)は熱溶接によって結合される
ことを特徴とする包装体。
【請求項25】
請求項12乃至23のいずれか1に記載の包装体において、
前記第1のシート(1)と、該第1のシート(1)に面する前記第2のシート(2)の部分(2a)は超音波溶接によって結合される
ことを特徴とする包装体。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2011−507775(P2011−507775A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540227(P2010−540227)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【国際出願番号】PCT/IT2007/000918
【国際公開番号】WO2009/084045
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(500088782)
【Fターム(参考)】