説明

製品の握り部用改良グリップ

【課題】ユーザの手に高い感度で振動を伝達することによって最高の気分をもたらすとともに衝撃吸収性を提供し、軽量で低密度のグリップを提供する。
【解決手段】製品の握り部、特に、自転車ハンドルに使用するためのグリップ及び当該グリップの製造方法を提供する。グリップは多層グリップ部材を備える。グリップ部材の外側層は、ポリウレタンを染み込ませた薄層を含むことが好ましい。グリップ部材の外側層は内側ベース層に取り付けられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年4月28日出願の米国特許仮出願第61/173,561号(発明の名称:製品の握り部用グリップ)、及び、2009年6月2日出願の米国特許仮出願第61/183,478号(発明の名称:製品の握り部用グリップ)の優先権を主張するものであり、当該各米国特許仮出願の全体がここに引用することにより組み入れられる。
【0002】
発明の実施形態は、製品の握り部、特に、自転車のハンドル部に使用するための改良されたグリップに関する。
【背景技術】
【0003】
グリップは進化してきたものの、グリップの改良に対する要求は依然として残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一部の実施形態は、軽量で水の吸収を抑制する又は排除するグリップを提供する。実施形態は、自転車を含む様々な製品の握り部の少なくとも一部に使用するために形成され得る。一部の実施形態は、EVA内側層すなわち裏打ち層と、ポリウレタン及び不織布の結合体とを含むグリップ部を含む。一部の実施形態では布層にポリウレタンが含浸され得る。一部の実施形態では、布層は、布層の弾性を向上させるために重合複合体で前処理される。一部の実施形態では、ポリウレタンは、布層の外側に配置される織布メッシュ層をさらに含む。
【0005】
一部の実施形態は、自転車を含む様々な製品の握り部の少なくとも一部に使用するためのグリップの製造方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、ポリウレタン槽に薄い布基体を浸してポリウレタンで布基体の両面を覆う工程と、布基体の一方の面からポリウレタンの実質的な部分を除去する工程と、布基体の他方の面上のポリウレタンの外側面を平滑化する工程とを含む。一部の実施形態では、ポリウレタンは、布基体に染み込んで布基体中に浸透する。一部の実施形態では、布基体は、布の弾性を向上させるため、ポリウレタン槽に浸される前に重合処理を受ける。一部の実施形態では、布基体は、ポリウレタン槽に浸される前に圧縮される。一部の実施形態では、布基体には、ポリウレタン槽に浸される前に窪み表面パターンが付与される。方法は、布基体内及び布基体の周囲でポリウレタンの凝固を促進するためにポリウレタン及び布基体を水槽に浸す工程を含み得る。ポリウレタン及び布の凝固結合基体は、凝固したポリウレタン気孔から流体を搾り出すために例えば1対のローラで圧搾されてもよい。
【0006】
一部の実施形態は、製品の握り部に使用するために形成されるグリップを提供し、当該グリップは、エチレン・ビニル・アセテートを備える内側層と、ポリウレタンを備える外側層と、内側面及び外側面を有する弾性布とを備えるグリップ部材を備え、弾性布の内側面及び外側面は峰部及び谷部のパターンを備える。一部の実施形態では、峰部の大部分には実質的にポリウレタンがなく、ポリウレタンは、弾性布の内側面及び外側面の両方の谷部の大部分を満たすとともに弾性布の外側面の峰部の大部分を覆う。一部の実施形態では、弾性布の内側面の谷部内のポリウレタンと、弾性布の内側面の峰部とが、内側層に結合される。
【0007】
一部の実施形態は、製品の握り部に使用するためのグリップ部材の製造方法を提供し、該方法は、(1)内側面及び外側面を有する布シートを液状ポリウレタンに浸し、ポリウレタンで内側面及び外側面の両方を覆う被覆材を形成する工程と、(2)第1布シート上及び第1布シート内でポリウレタンを凝固させて外側シートを形成する工程と、(3)エチレン・ビニル・アセテートを備えるシートに外側シートを結合する工程と、及び、(4)エチレン・ビニル・アセテートシートに結合された外側シートからグリップ部材を形成する工程と、を含み、グリップ部材は内側面及び外側面を形成する。
【0008】
一部の実施形態は、製品の握り部に使用するために形成されるグリップを提供し、当該グリップは、外側層に結合されるエチレン・ビニル・アセテートを含む内側層を有するグリップ部材を含む。外側層は、ポリウレタン及び布を含んでもよく、ポリウレタンは布の両面を実質的に覆う。一部の実施形態では、グリップは自転車ハンドルに使用するために形成される。
【0009】
一部の実施形態は、製品の握り部に使用するために形成されるグリップを提供し、当該グリップは、エチレン・ビニル・アセテートを備える内側層と、ポリウレタン及び弾性布を備える外側層と、を有するグリップ部材を含み、外側層は内側面及び外側面を有する。一部の実施形態では、弾性布の内側面及び外側面は、峰部及び谷部のパターンを備え、内側面及び外側面の峰部はそれぞれ内側布平面及び外側布平面を形成する。一部の実施形態では、外側層の外側面及び外側布平面は第1厚さを規定し、外側層の内側面及び内側布面平面は第2厚さを規定し、第1厚さは第2厚さより大きい。
【0010】
一部の実施形態は、使用説明書と、ストリップとして形成されるグリップ部材と、を含む自転車グリップキットを含み、グリップ部材は、エチレン・ビニル・アセテートを備える内側層と、ポリウレタンと内側面及び外側面を有する弾性布とを備える外側層と、を含む。一部の実施形態では、弾性布の内側面及び外側面は、峰部及び谷部のパターンを備え、内側層の一部の峰部には実質的にポリウレタンがなく、ポリウレタンは、弾性布の内側面及び外側面の両方の谷部の大部分を満たすとともに弾性布の外側面の峰部の大部分を覆う。一部の実施形態では、弾性布の内側面の谷部のポリウレタンと、弾性布の内側面の峰部とが、内側層に結合される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態は、ユーザの手に高い感度で振動を伝達することによって最高の気分をもたらす点、衝撃吸収性を提供する点、及び、軽量で低密度である点を含む1以上の利点を含む。自転車グリップに関連して、低密度及び極端な軽量化によれば、できる限り軽量のままのグリップが保証される。すべてのレベルの自転車の乗り手、特に、より精鋭レベルの乗り手にとって、自転車に付属品を取り付ける際には1オンスが肝心である。グリップは、衝撃吸収性を提供し、軽量で、及び/又は、ハンドルに容易に取り付けられることが要求される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一部の実施形態に係るグリップを組み込んだ自転車ハンドルの具体例の斜視図である。
【図2】一部の実施形態に係るグリップ部材の斜視図である。
【図3】図2に示されるグリップ部材の、図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】図3の円4で囲んだグリップ部材の一部の拡大図である。
【図5】一部の実施形態に係る図2に示されるグリップ部材の製造に使用する装置の概略図である。
【図6】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図5の6−6線に沿った断面図である。
【図6A】一部の実施形態に係る図6に示される構成要素の一部の平面図である。
【図6B】一部の実施形態に係る図6の円6Bで囲まれる図6に示される構成要素の一部の拡大図である。
【図7】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図5の7−7線に沿った断面図である。
【図8】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図5の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図5の9−9線に沿った断面図である。
【図10】一部の実施形態に係る図8の円10で囲まれる図8に示される構成要素の一部の拡大図である。
【図11】一部の実施形態に係る図9の円11で囲まれる図9に示される構成要素の一部の拡大図である。
【図11A】一部の実施形態に係る図11の一部の代替例の図である。
【図12A】図9に示される構成要素の平面図である。
【図12B】図9に示される構成要素の下面図である。
【図13】一部の実施形態に係る図2に示されるグリップ部材の製造に使用する装置の概略図である。
【図14】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図13の14−14線に沿った断面図である。
【図15】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図13の15−15線に沿った断面図である。
【図16】図2に示されるグリップ部材の構成要素の、図13の16−16線に沿った断面図である。
【図17】一部の実施形態に係る図16の円17で囲まれる図16に示される構成要素の一部の拡大図である。
【図18】一部の実施形態に係るグリップ部材材料のシートからストリップとして切り出されたグリップ部材の断面図である。
【図19】一部の実施形態に係るグリップ部材の製造に使用する装置における図18のグリップ部材の概略図である。
【図20】一部の実施形態に係る図18のグリップ部材が削られる様子の概略図である。
【図21】一部の実施形態に係る製品の握り部に取り付ける前のグリップ部材の断面図である。
【図22】一部の実施形態に係るグリップ部材を取り付ける前の自転車ハンドルの具体例の斜視図である。
【図23】一部の実施形態に係るハンドル周りに螺旋状に巻き付けられるグリップ部材の側面図である。
【図24】一部の実施形態に係る、端部が仕上げられた後の図23に示されるグリップ部材及びハンドルの結合の側面図である。
【図25】例えば図6〜図6Bに概略的に示す構成要素の断面のSEM画像である。
【図26】図25に示される断面の一部の拡大SEM画像である。
【図27】図25に示される断面の他の一部の拡大SEM画像である。
【図28】例えば図6〜図6Bに概略的に示す構成要素の表面のSEM画像である。
【図29】例えば図9及び図11に概略的に示す構成要素の断面のSEM画像である。
【図30】図29に示される断面の一部の拡大SEM画像である。
【図31】図30に示される拡大断面の一部の拡大SEM画像である。
【図32】例えば図9、図11及び図12A〜図12Bに概略的に示す構成要素の下面のSEM画像である。
【図33】例えば図19、図20及び図21に概略的に示すグリップ部材の断面の一部のSEM画像である。
【図34】図33に示される断面の一部の拡大SEM画像である。
【図35】図34に示される断面の一部の拡大SEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は図面を参照してここに詳細に説明される一方で、本発明は例示の実施形態に関連して詳細に説明される。本発明の本質的な範囲及び要旨を逸脱することなく、例示の実施形態は変更され及び変形され得ることが意図される。
【0014】
図1は、一部の実施形態に係るグリップGを組み込んだ自転車ハンドルBHすなわちハンドルバーの斜視図である。
【0015】
図2〜図4は一部の実施形態に係るグリップ部材50を示す。グリップ部材50は、製品のハンドル、例えば自転車ハンドルに取り付けられるようにされる。ストリップSで示されるように、図示の実施形態は、ハンドル周りに螺旋状に巻き付けられて、以下にさらに詳細に説明されるように、ストリップの側縁54、56の接合箇所に一致するほぼ螺旋形の継ぎ目52をグリップ部材50の表面に形成する。代わりに、グリップ部材50は、パネル(図示せず)で形成されてもよく、図2〜図4の実施形態における多くの利点を提供する。グリップ部材50は、グリップ部材50の周囲を包みすなわちグリップ部材50の周囲に巻き付く取り付けスリーブすなわちチューブ(図示せず)を含み得る。こうした一部の実施形態では、パネルは、スリーブの軸に沿って延びる実質的に縦方向の継ぎ目を形成する。こうした実施形態は、短くてほぼ真っ直ぐのハンドルを有する例えばBMXバイクやマウンテンバイクといった自転車への取り付けに有利であり得る。重量の節減にあたって、以下にさらに詳細に説明されるように、チューブはエチレン・ビニル・アセテートフォームから形成されてもよい。一部の実施形態では、複数のストリップ及び/又は複数のパネルが組み込まれてもよい。
【0016】
図3は、図2の3−3線に沿ったグリップ部材50の断面図である。一部の実施形態ではグリップ部材50は外側層58を含むことが好ましい。外側層58は、ベースすなわち内側層60に、固着され、接合され、接着され、又は、そうでなければ貼り付けられる。外側層58は内側面62及び外側面64を形成する。同様に、内側層60は内側面66及び外側面68を形成する(図4参照)。一部の実施形態では、スプレー式の接着剤70が、外側層58の内側面62及び/又は内側層60の外側面68のいずれか又は両方に塗布される。一部の実施形態では、内側層60は、完成品のグリップGの重量を減少させて密度を低下させるため、及び、水や他の流体を吸収し保持する傾向を抑制する抑制材料を提供するためにEVAを備える。こうしたことは、グリップGが、水の吸収を阻止してその軽量を維持する一方で重要な緩衝特性及び静止摩擦特性をなお提供することから、例えばライダーが汗をかいたり険悪な天候中に乗ったりする場合に自転車グリップへの適用において特に有用である。一部の実施形態では、EVA内側層60は約1ミリメートル〜約3ミリメートルの厚さを有する。一部の実施形態では、EVA内側層60は約1.5ミリメートル〜約2.5ミリメートルの厚さを有する。好適な実施形態では、EVA内側層60は約2ミリメートルの厚さを有する。
【0017】
図4は、図3で円4で囲まれるグリップ部材50の一部の拡大図である。以下にさらに詳細に説明されるように、外側層58は、薄い不織布層72すなわち基体を含むことが好ましく、不織布層72には、例えばポリウレタン槽102に薄い不織布層72を浸すことによってポリウレタン74が十分に染み込ませられる。ポリウレタン74は、その後、凝固して1以上の独立気泡すなわち密閉気孔76を形成することが好ましい。
【0018】
不織布層72は、ナイロン、コットン、ポリエステルなどの適切な材料から形成されればよく、またフェルトであり得る。一部の実施形態では、不織布基体72は、布72の弾性を向上させるためにポリウレタン槽102に浸される前に重合処理(例えば図27に示す重合処理に由来するポリマー75)を受ける。一部の実施形態では、布基体72は、ポリウレタン槽102に浸される前に圧縮される。一部の実施形態では、布基体72には、ポリウレタン槽102に浸される前に窪み表面パターンが付与される。窪みパターンは、布層72内へのポリウレタン74の流れを促進して、水及び他の流体がグリップ部材50内に染み込んでグリップ部材50内に溜まるような空間の量を減らすことができる。ポリウレタン外側層74で、フェルト層72中の一部及び/又は全体に広がる窪み84を有する薄い弾性フェルト層72を閉じこめると、握られるべき粘着面を提供する一方でグリップの可撓性を向上させる。こうしたことは、自転車のグリップへの取り付けにあたって特に有利である。一部の実施形態では、薄い不織布層72は約0.1ミリメートル〜約0.5ミリメートルの厚さである。一部の実施形態では、薄い不織布層72は約0.25ミリメートル〜約0.4ミリメートルの厚さである。一部の実施形態では、薄い不織布層72は約0.28ミリメートル〜約0.32ミリメートルの厚さである。好適な実施形態では、薄布層72は約0.3ミリメートルの厚さである。
【0019】
内側層60に低密度のEVAを使用すると、軽いグリップの総重量をなお維持する一方で衝撃を吸収し緩衝性を提供することを概ね厚い内側層60に許容する。一部の実施形態では、薄い不織布層72に対する内側層60の厚さの比率は約3〜約15である。一部の実施形態では、厚さの比率は約5〜約10である。好適な実施形態では、厚さの比率は約6である。一部の実施形態では、ポリウレタン74及び布72の外側層58に対する内側層60の厚さの比率は約2.5〜約5.5である。一部の実施形態では厚さの比率は約3〜約4である。好適な実施形態では厚さの比率は約3.5である。
【0020】
図5〜図17は、一部の実施形態に係るグリップ部材50の製造方法を示す。図5は、製造方法の一部の実施形態で有用な装置100の概略図である。通常は、一部の実施形態では、薄い不織布シート72がポリウレタン槽102に浸される。この適用に用いられるように、浸すは、例えば対象物を含浸させること又は沈めることを意味する広義の用語であることが意図される。一部の実施形態では、槽102は、ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解するポリウレタン74の溶剤(例えばポリエステル、ポリエーテル)である。ポリウレタン74の固形成分含有量は、そうしたポリウレタンの所望の硬さに従って変更され得る。好適な固形成分含有量は約28.5%〜約30.5%であり、摂氏25度±0.5度で測定された約60000〜約90000cpsの粘性領域を有する。ポリウレタン槽102の粘性は、布シート72に最終的にまとまるポリウレタン74の厚さを制御するために調整され得る。ポリウレタン74は、布シート72の両面を覆って布シート72中に染み込むことが好ましい。前述のように、布シート72は、その弾性の向上のために、重合処理に基づき予め浸され、染み込ませられ又は被覆される。1つの適切なポリマーは、エクソンモービルケミカルカンパニー(ExxonMobil Chemical Company)から入手可能なヴィスタマックススペシャリティエラストマー(Vistamaxx Specialty Elastomer)である。ヴィスタマックスはオレフィンポリマーの一種である。さらに、布シート72は、圧縮されてもよく、及び/又は、窪み表面処理を受けてもよい。窪み84は、布シート72の外側面80及び内側面78に峰部90及び谷部92を形成し得る。一部の実施形態では、窪み84は布シート72を部分的に通って延びる。一部の実施形態では、窪み84はシート72を貫通する。
【0021】
一部の実施形態では、薄布層72はポリウレタン74で被覆され及び/又は薄布層72にはポリウレタン74が十分に染み込ませられる。一部の実施形態では、薄布層72を被覆するポリウレタン74における布層72の外側面80から計測された厚さは約0.1ミリメートル〜約0.4ミリメートルである。一部の実施形態では、薄布層72を被覆するポリウレタン74は約0.22ミリメートル〜約0.28ミリメートルの厚さである。好適な実施形態では、薄布層72を被覆するポリウレタン74は約0.25ミリメートルの厚さである。
【0022】
一部の実施形態では、図示しないものの、シート72がポリウレタン槽102から外側に送られた後に薄布シート72を被覆する未凝固ポリウレタン74の上面に追加で液状ポリウレタンが足されてもよい。第2ポリウレタンは、グリップ部材50にコントラストを付与するために槽102内のポリウレタン74と異なる1以上の特性を含むことが可能である。例えば、第2ポリウレタンは、異なる色、異なるデュロメータ又は異なる粘着レベルを含み得る。
【0023】
一部の実施形態では、布/ポリウレタンシートは、ポリウレタン槽102から外側の第1処理ステージ104に送られて、そこで、布シート72の下面80からポリウレタン74の一部が除去される。一部の実施形態ではポリウレタン74の大部分が除去される。さらに、ポリウレタン74の上面86は平滑化されることが好ましい。一部の実施形態では、処理ステージ104は、1対のローラ106、108を備える圧縮システムで確立される。ローラ106、108の間隔は、布シート72を被覆するポリウレタン74の厚さを決定するのを助けるために用いられ得る。一部の実施形態では、下側ローラ108は、ゴム表面110、又は、他の似たような弾性材料を備える表面を含む。下側ローラ108は、ポリウレタン74の一部を好適に除去し、一部の実施形態ではポリウレタン74の大部分を布シート72の下面80から除去することが好ましい。一部の実施形態では、下側ローラ108は、布シート72の下面80からポリウレタン74の大部分を剥ぎ取る他の似たような装置で代用され得る。例えば非回転刃が用いられてよい。一部の実施形態では、上側ローラ106は、ステンレス鋼面112又は他の似たような平滑な硬い表面を備える表面を含む。上側ローラ106は、布シート72を被覆するポリウレタン74の上面を平滑化することが好ましい。
【0024】
湿式凝固処理が用いられる場合、染み込んで被覆された布シート72は、ポリウレタン74からDMFを排除してポリウレタン74内の気孔76の形成を促すために、1以上の水槽120に送られることが好ましい。凝固したポリウレタンシート74は、凝固したポリウレタンシート58から水及びDMFを搾り出すために、水槽120からもう一つの処理ステージ114に送られることが好ましい。一部の実施形態では、処理ステージ114は1対以上のローラ116、118を含む。
【0025】
図6は、一部の実施形態に係る、ポリウレタン槽102内に浸される前の薄布シート72の線6−6に沿った断面図である。図6Aは不織布シート72の表面の拡大図である。前述のように、好適には不織布シート72は浸漬前に圧縮される。一部の実施形態の圧縮工程は、図6Aに示されるように、窪み84すなわち峰部90及び谷部92のパターンを作り出す。これらの孔84は、浸漬及び凝固工程中に布シート72内に及び布シート72中にポリウレタン74を染み込ませることに役立つ。図6Bは薄布シート72の表面の拡大図である。一部の実施形態では、窪み84は、図6Bに示されるように、不織布シート72を貫通して延びる。代わりに、一部の実施形態では、シート72の一部は窪み84の谷部92に交差して留まる。例えば、前述のようにシート72が浸漬前の重合処理を受ける場合、ポリマー75は、例えば図27に示されるように、窪み84に交差して延びてもよい。一部の実施形態では、布シート72の上側面すなわち外側面78は、外側面78の峰部90によって概ね形成される外側表平面94を形成する。一部の実施形態では、布シート72の下側面すなわち底面すなわち内側面80は、内側面80の谷部90で概ね形成される内側表平面96を形成する。
【0026】
図7は、一部の実施形態に係る、ポリウレタン槽102内に浸された後の薄布シート72の線7−7に沿った断面図である。ポリウレタン74は、布シート72の両面78、80を覆ってシート72内を貫通する。一部の実施形態では、ポリウレタン74は、シートの両面78、80の峰部及び谷部を満たす。
【0027】
図8は、一部の実施形態に係る、ポリウレタン槽102に浸されて下面80からポリウレタン74の一部が剥ぎ取られた後の薄布シート72の線8−8に沿った断面図である。図10は、下面80で実質的にポリウレタン74が剥ぎ取られた後であって、上面及び内部のポリウレタンが凝固する前のシート72の拡大断面図である。不織布72は通常、布を被覆するポリウレタン74の上面86から、染み込んだ布シート72の下面80までポリウレタン74の一部が広がることを可能にする孔84を含む。一部の実施形態では、ポリウレタン74は、布シート72の外側面78を被覆し、布シート72の内側平面96及び外側平面94の間で広がる。
【0028】
図9は、一部の実施形態に係る、水槽120に浸された後の被覆された染み込んだシート58の線9−9に沿った断面図である。図11は、ポリウレタン74の凝固後の被覆された染み込んだシート58の拡大断面図である。凝固工程は通常、ポリウレタン74の膨張及び厚さの増加を可能にする。さらに、気孔76は、ポリウレタン74内で形をなすことが好ましく、グリップ部材50の粘着性を含むグリップGの特徴を向上させる。
【0029】
一部の実施形態では、布シート72の上面すなわち外側面78を被覆するポリウレタン74は外側面86を形成する。同様に、布シート72の下面すなわち内側面80を被覆するポリウレタン74は内側面88を形成する。ポリウレタン74は、ポリウレタン74の外側面86および布シート72の外側面78すなわち平面94の間で第1厚さを規定する。ポリウレタン74は、ポリウレタン74の内側面88及びシート72の内側面80の間で第2厚さを規定する。一部の実施形態では、第1厚さは第2厚さよりも実質的に大きい。一部の実施形態では、第1厚さは第2厚さの約2倍〜約50倍の厚さである。一部の実施形態では、第1厚さは第2厚さの約10倍〜約15倍の厚さである。一部の実施形態では第2厚さはおよそゼロである。
【0030】
図11Aは、一部の実施形態に係る図11の一部の代替例を示す。この実施形態では、製造工程中にポリウレタン層74内に追加の織布メッシュ82が含まれる。一部の実施形態では、布メッシュ82は、ポリウレタン槽102に浸される前に薄い不織布層72に取り付けられる。例えば、布メッシュ82は、薄布層72の一端に縫い付けられてもよく、布メッシュ82を縫い付けた薄布層72の結合体がポリウレタン槽102内に浸される。浸漬工程の例は上でさらに詳細に説明される。織布メッシュ82は通常は前処理中にポリウレタン74を吸収しない。一部の実施形態では、グリップ部材50の外側層58は、十分に染み込んだ薄布層72及び染み込んでいない布メッシュ層82を含む。一部の実施形態では、布メッシュ82は、縦方向に延びる繊維(パネルで形成されるグリップの場合にグリップの長軸の長さに概ね沿って延びる繊維、又は、螺旋状に巻き付けられたストリップで形成される完成品のグリップの場合(図24)にストリップの長軸方向に概ね沿って延びる繊維)、及び、横方向に延びる繊維を含む。一部の実施形態では、縦方向に延びる繊維は、横方向に延びる繊維よりも大きな直径を有することが好ましい。例えば、縦方向繊維は約0.4ミリメートル〜約0.75ミリメートルの直径を有し、横方向繊維は約0.25ミリメートル〜約0.5ミリメートルの直径を有してもよい。一部の実施形態では、縦方向繊維及び横方向繊維は実質的に同一の直径を有してもよい。織布メッシュ82は、ナイロン、コットン、ポリエステルなどの適切な材料から製造されてもよい。
【0031】
図12A及び図12Bは、凝固したポリウレタン/布シート58の上面及び下面をそれぞれ示す。図12Aは、凝固したポリウレタン74の概ね平滑化された表面86を示す。この表面86は、例えば加熱された型又は圧盤を用いてその表面86に摩擦増大パターンを形成したり、又は、ロゴや他のしるしを刻印したりしてさらにうまく利用され得る。さらに、表面86は、当業者に知られた印刷物を含むことが可能である。図12Bは、凝固したポリウレタン/布シート58の下面62を示す。一部の実施形態では、下面62は、ポリウレタン74に加えて薄い不織布シート72の布繊維を含む。下面62は、一部の実施形態によって以下にさらに詳細に説明されるように、EVA内側層60にポリウレタン/フェルトシート58を固着し、接着し又はそうでなければ結合することを促進し得るように、平滑な上面64よりも粗いことが好ましい。一部の実施形態では、ポリウレタン74の一部は、上述した処理後に布シート72の下面すなわち内側面80上に残存する。一部の実施形態では、布シート72は、内側面62上に残存するポリウレタン74の少なくとも一部を通して視認可能である。
【0032】
図13は、製造方法の一部の実施形態に有用な装置130の概略図である。前述のポリウレタン/フェルトシート58はEVA内側層すなわちベース層60に固着されることが好ましい。図14〜図17は、一部の実施形態に係る製造工程の様々な時点でのグリップ部材50の断面図を示す。図15は、一部の実施形態に係る上側接着層70及び保護テープ132で覆われるEVA内側層60の断面図である。適切なEVAシートは、ホヤエレクトリックボンドファクトリー(Ho Ya Electric Bond Factory(Xin Xing Ind. Area. Xin Feng W. Rd., Shi Jie Town Dong Guan City, Guan Dong, Province, China))から入手可能である。一部の実施形態では、EVAシート60は、図15に示すように保護シート132で覆われる接着剤70を含む。シート132は、ポリウレタン/フェルトシート58の下側62にEVAシート60を接触させる前に取り外される(図13参照)。代わりに、接着剤70は、ポリウレタン/フェルトシート58の下側及び/又はEVAシート60のいずれか又は両方にスプレーされるか又はそうでなければ塗布されてもよい。図16は、相互に結合された後のポリウレタン/フェルトシート58及びEVA内側層60の断面図である。完成品のシート50は、その後、リール134に巻き上げられてその先の処理を待ち受ける。代わりに、完成品のシート50は、連続したその先の処理のために他の場所に送られてもよい。
【0033】
図14は、EVA内側層60に固着される前のポリウレタン/フェルトシート58を示す。図15は、ポリウレタン/フェルトシート58に固着される前のEVA内側層60を示す。図16は、相互に固着されたポリウレタン/フェルト/EVAシート50を示す。一部の実施形態では、ポリウレタン/フェルトシート58はEVA内側層60に接着される。
【0034】
形成された時点で、ポリウレタン/フェルト/EVAシート50は、図2に示すストリップSといった適切な形状に切り出され得る。ストリップSは、第1側縁54及び第2側縁56を含む。図18は、以下にさらに詳細に説明されるように、一部の実施形態に係る、シート50から切り出されてさらに処理される前のストリップSの断面図である。図19は、ポリウレタン/フェルト/EVAストリップ50の上面64に摩擦増大パターン152を形成するために用いられ得る型150を示す。熱圧縮側縁54a、54bは、図示されるように、第1及び第2側縁54、56に沿ってポリウレタン74に作られる。別個の工程として示されるものの、摩擦増大パターン152及び/又は圧縮側縁は、シートからストリップが形成された後、ストリップが形成されると同時に、又は、ストリップが形成される前に作られ得る。図20及び図21は、ストリップSの削られた縁を形成するために利用され得る削り器具を示す。一部の実施形態では、第1及び第2側縁54、56はストリップSの1以上の層にわたって削られ得る。図示の実施形態では、ストリップSのすべての層の少なくとも一部が削られる。一部の実施形態では、握り部が螺旋状に巻き付けられる際に、ストリップSの削られた一方の縁が他方の縁のポリウレタン部64に重なって接触するように、側縁54、56は非平行な形で削られる(図23参照)。一部の実施形態では、取り付け面周りに巻き付けられる際に、同一の層同士が接触して同一の層同士が接着される状態で側縁54、56が重なるように、側縁54、56は平行な形で削られる(図示せず)。
【0035】
図21は一部の実施形態に係るストリップの断面図である。ストリップは、ストリップSの内側面66を実質的に覆う接着裏打ちテープ154を含む。一部の実施形態では、テープ154はEVAベース層60の底面66の一部のみを覆う。
【0036】
図22は、自転車用ハンドルBHの具体例を示す。ハンドルBHの湾曲した半径を描く範囲は、一部の実施形態に係る可撓性を有するストリップSで効率的に覆われる。
【0037】
図23及び図24は、一部の実施形態に係る自転車ハンドルBH上のグリップ部材すなわちストリップSの取り付けを示す。保護テープ154はストリップSの内側面66から剥がされ、ストリップSは、ハンドルBHの中央部分158に向かってハンドルBHの端部156から螺旋状に巻き付けられることが可能である。一部の実施形態では、一方の側縁の削られたEVAベース層60の一部が、巻き付け処理中に他方の側縁のポリウレタン64に重なるように、ストリップSは非平行側54、56で削られる。巻き付けが完了すると、ストリップSはテープ又は他のゴム又は接着手段で中央部分付近に留め付けられ得る。図23の第1端部分156で示されるストリップの余り158は、ナイフ又は他の鋭利な工具で切り取られればよい。代わりに、余り158は、自転車ハンドルBHの空洞の端部164内に折り畳まれてもよい。図24に示すように、グリップGの端部156はキャップ166で仕上げられてもよい。図示の実施形態では、キャップ166は、ハンドルBHの空洞端部164内に延びて、ストリップSの少なくとも一部をその中に閉じこめるように形成される。
【0038】
図25〜図35は、グリップ及び製造工程の様々な段階でのグリップの様々な構成要素のSEM(走査型電子顕微鏡)画像である。
【0039】
図25は、例えば図6〜図6Bに概略的に示す薄布シート72の断面のSEM画像である。画像化の容易化のために、シート72が、(図25のスタブと構成要素との間に示す)両面炭素テープ204を有する(図25の前景部/下側に示す)SEMスタブ202に取り付けられた。スタブ202及びテープ204は、概略図で示されず、撮像されたシート72の一部ではない。
【0040】
図26は、図25に示す断面の一部の拡大SEM画像である。画像は、図25に関して前述したSEMスタブ202及び炭素テープ204も示す。
【0041】
図27は、図25に示す断面の他の一部の拡大SEM画像である。画像は、図25に関して前述したSEMスタブ202及び炭素テープ204も示す。画像は、前述のように、窪み84に交差して延びるポリマー75を含むシート72を示す。
【0042】
図28は、例えば図6〜図6Bに概略的に示すシート72の表面のSEM画像である。
【0043】
図29は、例えば図9及び図11に概略的に示す外側層58の断面のSEM画像である。画像は、図25に関して前述したSEMスタブ202及び炭素テープ204も示す。さらに、外側層58は概略図に比べて上下逆さまに示される(図示の実施形態における外側層58のポリウレタン74が、画像の下側で炭素テープ204によってスタブ202に取り付けられる)。
【0044】
図30は、図29に示す断面の一部の拡大SEM画像である。画像は、図25に関して前述したSEMスタブ202及び炭素テープ204も示す。さらに、外側層58は概略図に比べて上下逆さまに示される(図示の実施形態における外側層58のポリウレタン74が、画像の下側で炭素テープ204によってスタブ202に取り付けられる)。ポリウレタン74も、前述したように、シート72内に染み込んだ状態で示される。
【0045】
図31は、図30に示す拡大断面の一部の拡大SEM画像である。外側層58は概略図に比べて上下逆さまに示される(図示の実施形態における外側層58のポリウレタン74が下側である)。ポリウレタン74も、前述したように、シート72内に染み込んだ状態で示される。
【0046】
図32は、例えば図9、図11及び図12A〜図12Bに概略的に示す外側層58の下面62のSEM画像である。
【0047】
図33は、例えば図19、図20及び図21に概略的に示すグリップ部材50の断面の一部のSEM画像である。画像は、図25に関して前述したSEMスタブ202及び炭素テープ204も示す。さらに、グリップ部材50は、図19に示す概略図に比べて上下逆さまに示される(図示の実施形態における外側層58のポリウレタン74が、画像の下側で炭素テープ204によってスタブ202に取り付けられる)。
【0048】
図34は、図33に示す断面の一部の拡大SEM画像である。画像は、図25に関して前述したSEMスタブ202及び炭素テープ204も示す。さらに、グリップ部材50は図19に示す概略図に比べて上下逆さまに示される(図示の実施形態における外側層58のポリウレタン74が、画像の下側で炭素テープ204によってスタブ202に取り付けられる)。ポリウレタン74も、前述したように、シート72内に染み込んだ状態で示される。
【0049】
図35は、図34に示す断面の一部の拡大SEM画像である。グリップ部材50は図19に示す概略図に比べて上下逆さまに示される(図示の実施形態における外側層58のポリウレタン74が、画像の下側で炭素テープ204によってスタブ202に取り付けられる)。ポリウレタン74も、前述したように、シート72内に染み込んだ状態で示される。
【0050】
前述のように、製品の握り部への取り付け前にスリーブにグリップ部材50を取り付けることには利点があり得る。一部の実施形態ではスリーブはEVAから形成される。一部の実施形態によれば、EVAの初期ブロックは、最終形状に研削されて、そこにグリップ部材が取り付けられる。一部の実施形態では、EVAスリーブは、EVAフォームのブロックから研削されるのではなく射出成形される。エチレン・ビニル・アセテートコポリマーは、軽量、低密度、柔軟性、透明性、非毒性、及び、環境ストレスによるひび割れに対する十分な耐性などの多くの優れた特性を有する。本発明の一部の実施形態は、射出成形されたEVAを扱う際の困難を克服する。例えば、EVAの凝固は比較的に時間のかかる処理である。未仕上げのEVAスリーブの射出成形後、芯棒がスリーブ内に挿入され、スリーブは、完成品の形状を制御する適切な型に移送され得る。温度及び時間の制御に基づきEVA凝固の制御を効果的に促進することができる。一部の実施形態では、スリーブ2を形成すべく射出されるEVAの密度は約1g/cm3より小さい。一部の実施形態では、密度は約0.9g/cm3〜約1g/cm3である。好適な実施形態では、密度は約0.930g/cm3〜約0.943g/cm3である。EVAの凝固の度合いを制御することは、本発明の実施形態が、例えば原形の体積から約2倍又は約3倍の体積を有するEVAスリーブを含むことを可能にする。従って、一部の実施形態では、完成品のスリーブの密度は元の密度の約2分の1又は約3分の1になり得る。
【0051】
本発明はある好適な実施形態に関して説明された。各実施形態の1以上の様相が、他の実施形態の1以上の様相と組み合わせられることができ、そうした組み合わせがここで特別に意図される。さらに、開示の通常の変形もまた同様に意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の握り部に使用するためのグリップ部材の製造方法であって、該方法は、
(1)内側面及び外側面を備える布シートを液状ポリウレタンに浸して、当該ポリウレタンで前記内側面及び前記外側面の両方を被覆する被覆材を形成する工程と、
(2)第1布シート上及び第1布シート内で前記ポリウレタンを凝固させて外側シートを形成する工程と、
(3)エチレン・ビニル・アセテートを備えるシートに前記外側シートを結合する工程と、
(4)エチレン・ビニル・アセテートシートに結合される前記外側シートから、内側面及び外側面を形成するグリップ部材を形成する工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記布シートの前記内側面から前記ポリウレタンの一部を除去する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凝固工程が、少なくとも1つの水槽に、前記内側面から前記ポリウレタンの一部を除去された後の前記布シートを浸して凝固を促進させる工程をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記凝固したポリウレタンから流体を搾り出す工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記布シートは、弾性シート及び布シートの両方の特質を有する複合シートである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記布シートは、ポリウレタン槽への浸漬工程に先立ってオレフィンポリマーで前処理される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記布シートの前記外側面を被覆する前記ポリウレタンを平滑化する工程をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリウレタンは前記内側面及び前記外側面の間で前記布シート中に染み込む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記外側シートの内側面はポリウレタンを備え、前記外側シートの外側面はポリウレタンを備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記布シートの前記内側面から前記ポリウレタンを除去する工程、及び、前記布シートの前記外側面を覆う前記ポリウレタンを平滑化する工程は、浸された前記布シートを1対のローラの間に通す工程を備え、一方の前記ローラは、前記布シートの前記外側面上の前記ポリウレタンを平滑化する平滑な放射状表面を含み、及び、他方の前記ローラは、前記布シートの前記内側面から前記ポリウレタンの大部分を除去する弾力性を有する放射状表面を含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記グリップ部材を形成する工程は、製品の握り部周りに螺旋状に巻き付けられるように形成されるストリップを形成する工程を備える請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記外側シートの前記外側面が第1幅を形成し、前記エチレン・ビニル・アセテートシートの内側面が前記第1幅より小さい第2幅を形成するように、前記ストリップの側縁を削る工程をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記布シートを浸す工程は、前記布シートの繊維同士の間へのポリウレタンの浸透を促進する請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記布シートを提供する工程は、峰部及び谷部のパターンを形成する窪みパターンが押し付けられた前記布シートを提供する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記布シートを浸す工程は前記谷部の大部分にポリウレタンを充填する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記内側面から前記ポリウレタンを除去する工程は、前記内側面上の前記峰部の一部を露出させる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記布シートを提供する工程は、前記布シートの前記外側面に取り付けられる布メッシュを含む前記布シートを提供する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記布シートを浸す工程は、前記布メッシュを同時に浸して前記ポリウレタンで前記布メッシュを覆う工程をさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリウレタンの凝固は前記布シートに前記布メッシュを固着する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法によって製造される自転車グリップ。
【請求項21】
製品の握り部に使用するために形成されるグリップであって、該グリップは、
エチレン・ビニル・アセテートを備える内側層と、ポリウレタン及び弾性布を備えるとともに内側面及び外側面を有する外側層と、を備えるグリップ部材を備え、
前記弾性布の内側面及び外側面は峰部及び谷部のパターンを備え、前記内側面の前記谷部及び前記外側面の前記谷部はそれぞれ、内側布平面及び外側布平面を形成し、
前記外側層の前記外側面及び前記外側布平面は第1厚さを規定し、前記外側層の前記内側面及び前記内側布平面は前記第1厚さより小さい第2厚さを規定するグリップ。
【請求項22】
前記グリップ部材は、製品の握り部の少なくとも一部周りに螺旋状に巻き付けられるようにされたストリップとして形成される請求項21に記載のグリップ。
【請求項23】
前記外側層の前記外側面が第1幅を形成し、前記内側層の内側面が前記第1幅より小さい第2幅を形成するように、前記ストリップの側縁が削られる請求項21に記載のグリップ。
【請求項24】
前記グリップ部材は、前記弾性布よりも外側に配置され、前記ポリウレタンで実質的に覆われる布メッシュを備える請求項21に記載のグリップ。
【請求項25】
前記第1厚さは前記第2厚さより実質的に大きい請求項21に記載のグリップ。
【請求項26】
前記第2厚さはおよそゼロである請求項21に記載のグリップ。
【請求項27】
請求項21のグリップを含む自転車。
【請求項28】
製品の握り部に使用するために形成されるグリップであって、該グリップは、
外側層に結合されるエチレン・ビニル・アセテートを備える内側層を備えるグリップ部材を備え、
前記外側層は、ポリウレタン及び布を備え、前記ポリウレタンは前記布の両面を実質的に覆うグリップ。
【請求項29】
前記グリップ部材は、製品の握り部の少なくとも一部周りに螺旋状に巻き付けられるようにされたストリップとして形成される請求項28に記載のグリップ。
【請求項30】
前記外側層の外側面が第1幅を形成し、前記内側層の内側面が前記第1幅より小さい第2幅を形成するように、前記ストリップの側縁が削られる請求項28に記載のグリップ。
【請求項31】
前記グリップ部材は、前記布より外側に配置されて、前記ポリウレタンで実質的に覆われる布メッシュをさらに備える請求項28に記載のグリップ。
【請求項32】
前記第1厚さは前記第2厚さより実質的に大きい請求項28に記載のグリップ。
【請求項33】
前記第2厚さはおよそゼロである請求項28に記載のグリップ。
【請求項34】
請求項28に記載のグリップを含む自転車。
【請求項35】
使用説明書と、
ストリップとして形成されるグリップ部材と、を備え、前記グリップ部材は、
エチレン・ビニル・アセテートを備える内側層と、ポリウレタンを備える外側層と、峰部及び谷部のパターンを備える内側面及び外側面を有する弾性布と、を備え、
前記内側面の前記峰部の大部分には実質的にポリウレタンがなく、ポリウレタンは、前記弾性布の前記内側面及び前記外側面の両方の前記谷部の大部分を満たし、前記弾性布の前記外側面の前記峰部の大部分を覆い、
前記弾性布の前記内側面の前記谷部内のポリウレタンと、前記弾性布の前記内側面の前記峰部とが、前記内側層に結合される自転車グリップキット。
【請求項36】
ストリップとして形成される第2グリップ部材を備え、前記グリップ部材は、
エチレン・ビニル・アセテートを備える内側層と、ポリウレタンを備える外側層と、内側面及び外側面を有する弾性布と、を備え、
前記弾性布の前記内側面及び前記外側面は峰部及び谷部のパターンを備え、前記内側面の前記峰部の一部には実質的にポリウレタンがなく、ポリウレタンは、前記弾性布の前記内側面及び前記外側面の両方の前記谷部の大部分を満たし、前記弾性布の前記外側面の前記峰部の大部分を覆い、
前記弾性布の前記内側面の前記谷部内のポリウレタンと、前記弾性布の前記内側面の前記峰部とが、前記内側層に結合される請求項35に記載のキット。
【請求項37】
自転車のハンドルバーに使用するために形成される第1及び第2バー栓を備える請求項36に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2010−247824(P2010−247824A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−89793(P2010−89793)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(594167185)
【Fターム(参考)】