説明

製品自動販売機

係止装置(17)を有する製品自動販売機(1)であって、ガイド(18)に沿って転動するよう十分な遊びを伴ってガイド(18)に沿って適合されるローラ列(19)が、多数の楔部材(28,30)の1つによって選択的に係合され、遊びを排除し且つローラ(19)を移動してコンパクト構造にすることで、他の楔部材(28,30)の挿入を阻止する。各楔部材(28,30)は、関連する可動部材、例えば、機械(1)のトレイ(8)又はドア(5)で移動可能である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品自動販売機(product vending
machine)に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、空間を定めるキャビネットと、多数の可動部分とを含み、多数の可動部分は、空間を閉塞する正面ドアと、それぞれの数の製品を支持するために空間の内側に配置される多数のトレイとを含み、各可動部分は、それぞれの第一動作位置と第二動作位置との間で移動可能である種類の製品自動販売機に関する。
【背景技術】
【0003】
上記種類の自動販売機内のトレイは、操作者による容易な製品装填のために、最初にドアを開放した後、空間内の通常積込み位置から抜出し装填位置に移動可能であるのが普通である。
【0004】
装填時のトレイの比較的重い重量は、機械が倒れるのを防止するために、製品装填時に1度に1つずつのトレイの移動を可能にするという課題を提示する。
【0005】
通常の、即ち、閉塞ドアの動作条件では、上記種類の自動販売機は、例えば、破壊者による機械の激しい震動の事態において、トレイが緩み、ドアに突っ込み、よって、ドア及びトレイの両方を損壊することが防止され、場合によっては、機械を倒すことも防止されるよう、トレイを積込み位置に固定するという課題も提示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の両方の課題に対する直接的で低コストの解決策をもたらすよう設計される製品自動販売機を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、請求項1において請求されるような、好ましくは、請求項1に直接的又は間接的に従属する後続の請求項のいずれかにおいて請求されるような製品自動販売機が提供される。
【0008】
付属の図面を参照して本発明の非限定的な実施態様を一例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従った自動販売機の好適実施態様を示す斜視図である。
【図2】図1の詳細を示す拡大図である。
【図3】動作構造を詳細に示す図1の側面図である。
【図4】動作構造を詳細に示す図1の側面図である。
【図5】明瞭性のために一部が取り外された状態で図4における詳細を示す拡大図である。
【図6】図5のVI−VIに沿う断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1中の番号1は、キャビネット2を含む製品自動販売機を全体的に示しており、キャビネット2は、内部空間3を定め、2つの横壁4と、透明材料のパネルによって部分的に定められる正面ドア5とを有する。ドア5の底部にあるハッチ6がドア5の内側に接続される取出しビン(図示せず)を閉塞し、使用者が透明材料パネルと並んでドア5上にあるプッシュボタンパネル7で選択される製品を取り出すのを可能にするよう、ハッチ6を外側から開き得る。
【0011】
空間3の内側に、機械1は多数の製品支持トレイ8を収容し、製品支持トレイ8は、ドア5に面して位置付けられ、垂直方向に離間して積み重なり、横壁4及びドア5に対して横方向のそれぞれの実質的に水平な平面において横壁4の間に延在する。図1に示され、図3により明らかに示されるように、通常販売位置において、ドア5とドア5に面するトレイのそれぞれの正面端部との間に、下方の取出しビン(図示せず)と連絡する落下シャフト(drop shaft)9を定めるよう、トレイ8は空間3の後部を占める。
【0012】
図1及び2を参照すると、各トレイ8は、各々がキャビネット2のそれぞれの横壁4に面する2つの側部11によって、並びに、ベース10及びドア5に対して垂直な多数の隔壁(partition)12によって、実質的に水平な平面内に位置するベース10によって定められるフレームを含み、隔壁12は、トレイ8を多数の通路(channel)に分割し、通路は異なる幅を有し、ドア5に対して垂直に延び、通路の幅に依存して、1つ又はそれよりも多くのコラム(column)内に配置される多数の製品をそれぞれ収容し得る。
【0013】
各通路は、動力運搬手段を有し、動力運搬手段は、使用中、ドア5に対して垂直な進行方向Dにおいて通路に沿って関連する製品列(column of products)を供給し且つ製品を1度に1つずつ落下シャフト9内に供給するよう選択的に作動される。
【0014】
例えば、図2中の頂部トレイ8の各通路は、各製品列のために、関連する製品を進行方向Dにおいて落下シャフト9に供給するための螺旋コンベヤ13を有し、図2中の底部トレイ8の各通路は、各製品列のために、関連する製品をそれぞれの選択的な製品解放装置15を介して進行方向Dにおいて落下シャフト9に供給するためのベルトコンベヤ14を有する。螺旋コンベヤ及びベルトコンベヤの双方並びに関連する解放装置15は、製品自動販売機業界において既知であり且つ一般的に使用されており、従って、詳細には記載されない。
【0015】
操作者が製品をトレイ8上に容易に装填するのを可能にするために、ドア5が開放されるとき、トレイ8を進行方向Dにおいて通常販売位置(図4中の頂部トレイ)から装填位置(図4中の底部トレイ)に移動し得るよう、各トレイ8は横壁4の間に取り付けられる。トレイ8は、装填位置において、落下シャフト9を横断して空間3から部分的に突出する。
【0016】
この動作を許容するために、各トレイ8のフレームは、各々が対応する横壁4に面するフレームの縁部と一体的である2つの横方向ガイド(図示せず)を含み、ベース10によって摺動的に係合され、少なくとも2つの締付けキャビティ16と取り外し可能に係合し、少なくとも2つの締付けキャビティ16は、互いに同一平面にあり、他の横方向ガイドによって係合され、ドア5に対して垂直な水平な平面内に位置する。より具体的には、各横壁4内のキャビティ16は、少なくとも2つの平行な垂直コラム(1つだけが図2に示されている)内に配置され、それらの各々において、キャビティ16は、所与の中心距離Pで均等に離間するので、使用中、必要に応じて、操作者がトレイ8を異なるレベルに単に移動することによって、各トレイ8の高さを調節し得る。
【0017】
図1、2、及び、5に示されるように、機械1は、係止装置17も含み、係止装置17は、ドア5が閉塞されているとき、全てのトレイ8をそれらのそれぞれの販売位置において係止し、ドア5が開放され且つ1つのトレイ8が装填位置にあるとき、全ての他のトレイをそれらのそれぞれの販売位置において係止する、即ち、1度に1つのトレイ8だけが抜き出されることを許容する。
【0018】
係止装置17は、横壁4に剛的に接続され且つトレイ8と落下シャフト9との間に垂直に延びる管状ガイド18によって定められる転動部材保持体と、横方向に転動する方法で管状ガイド18内に適合されるローラ列(column of rollers)19とを含む。
【0019】
より具体的には、図5に示され、図6により詳細に示されるように、管状ガイド18は、内部キャビティ20を定める管状のC断面プロファイルによって定められ、内部キャビティ20は、垂直軸21と同軸であり、反対の横壁4に面する側の長手スリット22を通じて1つの支持ガイド18に外向きに開放され、管状ガイド18のそれぞれのストップを定める2つのストップ23(それらのうちの頂部ストップのみが図面に示されている)によってその軸方向両端部で閉塞される。
【0020】
各ローラ19は、軸11に対して垂直な軸24を有し、同じ直径の2つの端部分25,26と、より小さい直径の中心部分27とを含み、2つの端部分のうちの端部分25は、横方向に転動する方法でキャビティ20の内側に収容され、中心部分は、端部分25及び26を接続し、横方向に転動する方法でスリット22と係合して、管状ガイド18に沿ってローラ19を案内する。
【0021】
係止装置17が休止しているとき(図示せず)、ローラ列19は、ローラ19の直径とほぼ等しいある量Aの遊びを伴って、軸21に沿って管状ガイド18内に緩く位置付けられる。従って、スリット22に沿って転動自在であることで、ローラ19は、重力によって、底部ストップ23(図示せず)の頂部上に順に重なって位置し、遊びの量と等しい間隙の大きさAが、コラム内で頂部ストップ23と頂部ローラ19との間に形成される。
【0022】
係止装置17は、ローラ19間の遊びを排除するようローラ19間に選択的に適合し、よって、ローラ列19を移動してコンパクトな動作構造にするよう設計される楔手段も含み、そのコンパクトな動作構造において、ローラ列19は、販売位置にあるトレイ8が移動して装填位置になるのを防止するよう、トレイ8の障壁を形成する。
【0023】
記述のように、ドア5が開放されているとき、楔手段は、販売位置にある全ての他のトレイ8を係止するよう、トレイ8を装填位置に移動することによって作動され、或いは、販売位置にある全てのトレイ8を係止するよう、ドア5を閉塞することによって作動される。
【0024】
上記係止モードの第一係止モードを達成するために、楔手段は、各トレイ8のために、ロッド28を含み、ロッド28は、管状ガイド18を支持する横壁4に面するトレイ8の側部に剛的に接続され、前記横壁4と平行な水平方向に延び、鋭い端部29を有し、鋭い端部29は、その先端が管状ガイド18に面して位置付けられ、2つのローラ19の接触平面内に位置し、2つのローラ19の接触線と整列される。結果的に、トレイ8の1つが、それぞれのロッド28と共に、販売位置から装填位置(図4)に移動されるとき、ローラ列19をトレイ8より上に上昇するために、ロッド28は、ロッド28と水平に整列される2つのローラ19の間に挿入される。各ロッド28は、遊びの量Aと実質的に等しい厚さを有するので、ロッド28が、ロッドと整列される2つのローラ19の間に挿入されるとき、ローラ列内の頂部ローラ19は、頂部ストップ23に対して押し付けられ、ローラ19はコンパクトな構造を取り、他のロッド28の挿入を阻止する。
【0025】
図2に示されるように、トレイ8の種類及びトレイ上で利用可能な空間に依存して、ロッド28を(ベルトコンベヤ14を備えるトレイ8の場合におけるように)管状ガイド18に面する側部11の頂縁部に、或いは、側部11の外側に、(螺旋コンベヤ13を備えるトレイ8の場合におけるように)ベース10の横縁部に配置し得る。
【0026】
ロッド28がトレイ8上のどこに配置されるかに拘わらず、トレイ8が装填位置に移動されるとき、ロッド28が2つのローラ19の間に滑らかに適合するよう、端部29が2つのローラ19の接触線と実質的に水平に整列されることが重要である。
【0027】
従って、記述のように、キャビティ16を用いてトレイ8を空間3の内側で異なる高さに位置付け得るので、ローラ19の中心距離は、キャビティ16の中心距離と等しい。従って、トレイ8上のロッド28の正しい位置が構築されるや否や、空間3の内側のトレイ8の各高さについて上記整列が達成される。
【0028】
ドア5が閉じられるときに全てのトレイ8を係止するために、楔手段は、頂部ストップ23に近接してドア5と管状ガイド5との間に配置され且つ実質的に矩形の板によって定められる楔部材30を含む。これは管状ガイド18に面する側に突起31を有し、休止位置(図4、5)と作動位置(図3)との間で軸24と平行なピン32について往復動するよう壁4に蝶番付けられる。休止位置は、ドア5が開放であるときに取られ、休止位置において、楔部材30は管状ガイド18又はローラ列19と干渉しない。作動位置は、ドア5が閉塞され且つトレイ8が全て販売位置にあるときに取られ、作動位置において、楔部材30は、ドア5と一体的な固定押圧部材33によって、管状ガイド18に押し付けられるので、突起31はコラム内の頂部ローラ23と頂部ローラ19との間の間隙を完全に充足し、よって、管状ガイド18とローラ19との間の遊びを排除し、従って、コンパクトな構造を取るので、ドア5が閉塞されるとき、トレイ8は販売位置から外に移動し得ない。
【0029】
機械1の動作は上述の記載から明らかであり、更なる説明を要しない。
【0030】
結論を言えば、図示されない変形において、落下シャフト9に沿って配置されるのに反して、管状ガイド18をトレイ8と並んで空間3の後方に配置し得る。そのような場合には、上述されたように、トレイ8の移動がロッド28を移動し、押圧部材33の移動が楔部材30を移動するよう、伝達部材が各トレイ8とそれぞれのロッド28との間に、並びに、押圧部材33と楔部材30との間に介装される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を定めるキャビネットと、
多数の可動部分とを含み、
該多数の可動部分は、前記空間を閉塞するための正面ドアと、それぞれの数の製品を支持するよう前記空間の内側に配置される多数のトレイとを含み、各可動部分は、それぞれの第一動作位置とそれぞれの第二動作位置との間で移動するよう取り付けられる、
製品自動販売機であって、
係止装置と、多数の鍵手段とを含み、
該多数の鍵手段の各々は、前記他の可動部分の各々がそれぞれの第二位置に移動されるのを防止するために、前記関連する可動部分が第二動作位置に移動されるときに前記係止装置を作動するよう、それぞれの前記可動部分によって動作されることを特徴とする、
製品自動販売機。
【請求項2】
前記ドアは、前記空間を開閉する開放位置と閉塞位置との間で移動可能であり、前記閉塞位置は、前記ドアの前記第二動作位置である、請求項1に記載の製品自動販売機。
【請求項3】
各トレイは、前記空間の完全に内側の製品販売位置と部分的に抜き出された製品装填位置との間で、前記ドアに対して横方向に移動するよう取り付けられる、前記部分的に抜き出された製品装填位置は、各トレイの前記第二動作位置である、請求項1又は2に記載の製品自動販売機。
【請求項4】
前記係止装置は、前記空間の内側の固定位置に配置され且つ前記ドアと平行な方向に延びるガイドと、該ガイドに沿って移動する十分な遊びを備えて前記ガイドに適合される多数の係止部材とを含み、前記鍵手段は、多数の楔部材を含み、該多数の楔部材の各々は、係止位置に移動するよう、前記それぞれの第二動作位置に移動するそれぞれの前記可動部分によって選択的に動作され、前記係止位置において、前記楔部材は、前記遊びを排除し且つ前記係止部材を移動してコンパクト構造にして他の楔部材の挿入を阻止するよう、前記係止部材の間に挿入される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の製品自動販売機。
【請求項5】
前記ガイドは、前記キャビネットに固定され、前記係止部材は、ローラによって定められ、該ローラは、互いに並びに前記ドアと平行なそれぞれの軸を有し、前記ガイドに沿って横方向に転動するよう取り付けられる、請求項4に記載の製品自動販売機。
【請求項6】
前記キャビネットは、2つの横壁を含み、前記ガイドは、前記横壁のうちの1つに剛的に接続される、請求項5に記載の製品自動販売機。
【請求項7】
前記トレイは、前記横壁と前記ドアに対して横方向に延びるそれぞれの実質的に水平な平面内で前記横壁の間に延び、前記横壁は、調節手段を有し、該調節手段によって、前記トレイを、各2つの隣接するローラの前記中心距離と実質的に等しい前記調節手段の所与の中心距離に従って、前記空間の内側の異なるレベルに位置付ける、請求項6に記載の製品自動販売機。
【請求項8】
各トレイは、前記トレイに剛的に接続されるそれぞれの楔部材を備える、請求項4に記載の製品自動販売機。
【請求項9】
各トレイは、前記ガイドを備える前記横壁に面する前記トレイの横縁部に沿って配置されるロッドを含み、各ロッドは、2つの隣接するローラの間の接触線に面し且つ整列される鋭い端部を含み、且つ、関連する楔部材を定める、請求項7及び8に記載の製品自動販売機。
【請求項10】
前記ドアによって動作される前記楔部材は、前記横壁の1つに適合される、請求項4及び6に記載の製品自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−522299(P2012−522299A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502613(P2012−502613)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054071
【国際公開番号】WO2010/112448
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(509099992)エヌ アンド ダブリュ グローバル ヴェンディング ソシエタ ペル アチオニ (18)
【Fターム(参考)】