複合カメラ用光学系
【目的】 スチル写真カメラと電子カメラを組み合わせた複合カメラにおいて、撮像レンズ系とリレーレンズ系が組み合わされる電子カメラ用の撮像素子が小型化されても高解像度を得ることができる光学系、特にリレーレンズ系を得ること。
【構成】 撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けた複合カメラにおいて、リレーレンズ系が条件式(1)及び(2)を満足する複合カメラ用光学系。
(1)−0.1<P<0.09(2)S3<0但し、P:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系のペッツバール和、S3:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系の非点収差係数。
【構成】 撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けた複合カメラにおいて、リレーレンズ系が条件式(1)及び(2)を満足する複合カメラ用光学系。
(1)−0.1<P<0.09(2)S3<0但し、P:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系のペッツバール和、S3:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系の非点収差係数。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、例えば銀塩フィルムに記録するスチル写真用カメラと、CCDのような撮像素子に記録する電子カメラの両方を融合した複合カメラの光学系、特にリレーレンズ系に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】この種の複合カメラは、撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と光学的に等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けている。つまり、電子カメラ用の光学系は、撮影レンズ系とリレーレンズ系の合成光学系によって構成されるが、従来は、撮影レンズ系とリレーレンズ系について別々に収差補正を行っており、コンデンサレンズの収差への影響は殆ど考慮されていなかった。
【0003】一方、近年、複合カメラの小型化の要望があり、撮影レンズ系(スチル写真カメラ)の画面サイズだけでなく、撮影レンズ系とリレーレンズ系を組み合わせた電子カメラのときの画面サイズも小さくする傾向があるが、画面サイズを小さくすると撮像素子を高解像化しなければならず、また、撮影レンズ系の射出瞳からリレーレンズ系の入射瞳までの距離を小さくして小型化を達成しようとすると、コンデンサレンズの収差への影響を無視できなくなった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、撮像レンズ系とリレーレンズ系が組み合わされる電子カメラにおいて、その撮像素子が小型化されても高解像度を得ることができる光学系、特にリレーレンズ系を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明は、撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と光学的に略等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けた複合カメラにおいて、リレーレンズ系が次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴としている。
(1)−0.1<P<0.09(2)S3<0但し、P:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系のペッツバール和、S3:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系の非点収差係数、である。
【0006】非点収差係数S3については、さらに次の条件式(3)を満足することが好ましい。
(3)−0.2<S3<0
【0007】本発明のリレーレンズ系は、より具体的には、複数の正レンズと少なくとも1枚の負レンズから構成し、さらに次の条件式(4)及び(5)を満足させることが好ましい。
(4)1.76<NMEAN(5)1.85<NMAX但し、NMEAN:リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の平均値、NMAX :リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の最大値、である。リレーレンズ系は、さらに具体的には、コンデンサレンズ側から、2枚の正レンズと、1枚の負レンズと、負レンズと正レンズの貼り合わせレンズとの5枚のレンズから構成することができる。
【0008】本発明のリレーレンズ系は、さらに次の条件式(6)を満足することが好ましい。
(6)1/10<|m|<1/3但し、m:リレーレンズ系の横倍率、である。
【0009】
【発明の実施例】図17は、本発明の対象とする複合一眼レフカメラの構成図である。撮影レンズ系11の後方には、光軸Oに対して45゜傾斜したミラー12が配設され、このミラー12によって、撮影レンズ系11の像面13と光学的に等価な位置にある等価像面14が形成されている。この等価像面14の近傍には、コンデンサレンズ15が配置され、このコンデンサレンズ15の後方には、ミラー16とリレーレンズ系17が配設されている。リレーレンズ系17は、撮影レンズ系11によって等価像面14に結像した被写体像を、CCDカメラの撮像素子18に再結像させる。ミラー12を光路から退避させると、撮影レンズ系11による像が、像面13上に位置させるフィルムに記録される(スチル写真)。本発明は、例えば以上のような構成を有する複合カメラのリレーレンズ系17を対象とするものである。ミラー12はハーフミラーから構成することもある。
【0010】従来、このリレーレンズ系17には、ファクシミリやスキャナ用の読取りレンズ系が使用されていたが、これらは単独で収差補正されており、特にメリディオナルの非点収差の補正を重視して設計されている。このため、ペッツバール和(P)は、0.1以上の値を有し、非点収差係数(S3)をマイナスとして、メリディオナルの非点収差がほぼフラットになるように、設計されているものが殆どである。しかし、このようなリレーレンズ系とコンデンサレンズとを組み合わせると、ペッツバール和がプラスに変化して大きくなり、像面湾曲と特にサジタルの非点収差がさらにマイナスとなり、画面周辺まで(画面全体の)高性能化が達成できない。ここで言う、メリディオナルの非点収差とは、ガウス像面とメリディオナル像面の距離を表し、同様に、サジタルの非点収差とは、ガウス像面とサジタル像面の距離を表す。
【0011】本発明では、リレーレンズ系とコンデンサレンズと組み合わせると像面湾曲がマイナスに変化するのを考慮して、リレーレンズ系単独では、若干像面湾曲をプラスに補正過剰としたものである。
【0012】条件式(1)の上限を越えると、前述のように、リレーレンズ系とコンデンサレンズを組み合わせたとき、特に、サジタルの非点収差がマイナスの大きな値となり、高性能化が達成できない。下限を越えると、補正過剰となり、また、レンズ構成枚数が増加し、高屈折率ガラスを多用しなければならなくなり、コストが高くなる。
【0013】条件式(2)は非点収差係数の条件式である。リレーレンズ系とコンデンサレンズを組み合わせると、ペッツバール和はプラス(像面湾曲はマイナス)になるので、条件式(2)に示すように、非点収差係数はマイナスにするのが非点収差を補正するために良い。
【0014】条件式(3)は、非点収差係数の下限の制約である。この条件式の下限を越えると、補正過剰で、メリディオナルの非点収差がプラスの大きな値となり、高性能の目的に反する。
【0015】条件式(4)及び(5)は、条件式(1)に関係する条件で、リレーレンズ系のペッツバール和を条件式(1)の上限以下の小さな値にするための条件である。条件式(4)の下限を越えると、正レンズの屈折率が小さくなり、ペッツバール和が大きくなってしまう。また、正レンズの中でも、パワーの大きいレンズに、条件式(5)の下限に示すような、条件式(4)の下限よりさらに大きい屈折率を有する硝材を使用するのが良い。
【0016】さらに、リレーレンズ系の倍率は、条件式(6)に示すような低倍領域にするのが、小型化のために良い。条件式(6)の上限を越えると、撮像素子の画面サイズが大きくなり、電子カメラ側の構造が大型化して、小型化の目的に反する。一方、下限を越えるとスチル写真用カメラが大型化し、あるいはコストが高くなる。つまり、下限を越えるには、撮像レンズ系の画面サイズを大きくする方法と、リレーレンズ系の画面サイズを小さくする方法が考えられるが、前者の方法は、スチル写真用カメラが大型化するので小型化の目的に反し、後者の方法では、高性能化するためには、撮像素子の解像度をより高くしなければならず、コストが高くなる。
【0017】ペッツバール和及び非点収差係数は、以下の式により規定されるものである。n面でのペッツバール和は、次の通りである。
Pn =−(1/N’n −1/Nn )・1/rnここで、Nn :n面の像側媒質屈折率、N’n :n面の物体側媒質屈折率、rn :n面の曲率半径、である。リレーレンズ全系のレンズ構成枚数をk枚とすると、全系のペッツバール和Pは、以下の式で示される。
【数式1】
また、n面での非点収差係数は、球面系の場合は次の通りである。
Sn 3=hn2kn2 Q'n2 △n(1/Ns)ここで、Q'n=Nn(1/rn-1/tn) 、△n(1/Ns)=1/(N'n・s'n)-1/(Nn・sn) 、という関係から、Sn 3は以下のように書き代えられる。
Sn 3=hn2・kn2・Nn2・(1/rn-1/tn)2・{1/(N'n・s'n)-1/(Nn・sn)}それぞれ、n面でのhn:軸外光線の高さ、Kn:軸上光線の高さ、tn:軸外の入射光線と光軸の交点と、レンズの頂点までの距離、sn:軸上の入射光線と光軸の交点とレンズの頂点までの距離、s'n :軸上の屈折光線と光軸の交点とレンズの頂点までの距離、である。リレーレンズ全系のレンズ構成枚数がkである時、全系の非点収差係数S3は、以下の式で示される。
【数式2】
【0018】以下、具体的な数値実施例について、本発明を説明する。
[実施例1]図1ないし図8は、本発明の複合カメラ用光学系の第1の実施例を示す。物体側より順に、撮影レンズ系11、コンデンサレンズ15、リレーレンズ系17、フィルター19、及び撮像素子18からなっている。撮影レンズ系11はズームレンズである。図1及び図3はこの実施例の全系を示し、図1はワイド端、図3はテレ端である。図5はコンデンサレンズ15とリレーレンズ系17の合成系だけの構成を示し、図7はリレーレンズ系17だけの構成を示している。この実施例では、リレーレンズ系17は、2枚の正レンズ17a、17b、1枚の負レンズ17c、負レンズ17dと正レンズ17eの貼り合わせレンズ、及び1枚の正レンズ17fからなっている。負レンズ17cの後方に絞Sが配置されている。図2、図4、図6、図8はそれぞれ、図1R>1、図3、図5、図7のレンズ構成の諸収差図である。
【0019】このレンズ系の具体的数値データを表1に示す。諸収差図中、SAは球面収差、SCは正弦条件、d線、g線、c線、F線、e線は、それぞれの波長における、球面収差によって示される色収差、Sはサジタル、Mはメリディオナルを示している。
【0020】表および図面中、FNO はFナンバー、f は焦点距離、m は横倍率、Y は像高を表す。Rは曲率半径、Dはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。
【0021】
【表1】撮影レンズ系11(面 NO.1 〜 NO.16)FNO=3.5f=23〜29Y=15.0D8=23.89〜12.50D16=32.09 〜36.27コンデンサレンズ15(面 NO.17〜 NO.18)f=40.25リレーレンズ系17(面 NO.19〜 NO.29)FNO=2f=13.29m=1/5Y=3.0フィルター19(面 NO.30〜 NO.31) 面 NO R d Nd νd 1 206.849 3.07 1.51633 64.1 2 -206.849 0.10 - - 3 112.397 1.50 1.80610 40.9 4 17.827 6.44 - - 5 435.054 1.40 1.69680 55.5 6 36.456 0.70 - - 7 25.758 4.50 1.80518 25.4 8 116.421 D8 - - 9 58.125 2.57 1.70154 41.2 10 -58.125 1.46 - - 11 15.350 2.79 1.69680 55.5 12 58.481 0.55 - - 13 -123.305 5.50 1.80518 25.4 14 14.523 5.54 - - 15 256.227 2.80 1.71299 53.9 16 -23.537 D16 - - 17 39.500 11.50 1.51633 64.1 18 -39.500 66.00 - - 19 11.306 1.65 1.69680 55.5 20 1800.000 0.20 - - 21 5.637 2.03 1.69680 55.5 22 31.120 0.80 - - 23 134.792 1.05 1.80518 25.4 24 3.600 2.13 - - 25 -5.000 1.00 1.59270 35.3 26 36.169 2.09 1.88300 40.8 27 -8.327 0.20 - - 28 12.107 1.53 1.80400 46.6 29 -102.957 3.20 - - 30 ∞ 4.91 1.51633 64.1 31 ∞ - - -
【0022】[実施例2]図9ないし図16は、本発明の複合カメラ用光学系の第2の実施例である。図9及び図11はこの実施例の全系を示し、図9はワイド端、図1111はテレ端である。図13はコンデンサレンズ15とリレーレンズ系17の合成系だけを示し、図15はリレーレンズ系17だけの構成を示している。この実施例では、リレーレンズ系17は、2枚の正レンズ17a、17b、1枚の負レンズ17c、及び負レンズ17dと正レンズ17eの貼り合わせレンズからなっている。すなわち、第1の実施例の最終正レンズ17fが除去された形となっている。負レンズ17cの後方に絞Sが配置されている。図10、図12、図14、図16はそれぞれ、図9、図11、図13、図15のレンズ構成の諸収差図である。
【0023】
【表2】撮影レンズ系11(面 NO. 1〜 NO.16)FNO=3.5f=23〜29Y=15.0D8=23.89〜12.50D16=32.09 〜36.27コンデンサレンズ15(面 NO.17〜 NO.18)f=40.25リレーレンズ系17(面 NO.19〜 NO.27)FNO=2f=12.62m=1/5Y=3.0フィルター19(面 NO.28〜 NO.29) 面 NO R d Nd νd 1 206.849 3.07 1.51633 64.1 2 -206.849 0.10 - - 3 112.397 1.50 1.80610 40.9 4 17.827 6.44 - - 5 435.054 1.40 1.69680 55.5 6 36.456 0.70 - - 7 25.758 4.50 1.80518 25.4 8 116.421 D8 - - 9 58.125 2.57 1.70154 41.2 10 -58.125 1.46 - - 11 15.350 2.79 1.69680 55.5 12 58.481 0.55 - - 13 -123.305 5.50 1.80518 25.4 14 14.523 5.54 - - 15 256.227 2.80 1.71299 53.9 16 -23.537 D16 - - 17 39.500 11.50 1.51633 64.1 18 -39.500 68.00 - - 19 12.947 1.35 1.69680 55.5 20 34.520 0.20 - - 21 5.806 2.63 1.80400 46.6 22 86.026 0.80 - - 23 -22.270 0.70 1.80518 25.4 24 3.537 1.01 - - 25 -36.775 1.00 1.59270 35.3 26 5.044 3.38 1.88300 40.8 27 -9.531 4.38 - - 28 ∞ 4.91 1.51633 64.1 29 ∞ - - -
【0024】次に、実施例1及び2の各条件式に対する値を表3に示す。
【表3】
*は、リレーレンズ系17の第3レンズ17cの第2面を絞り位置として計算した値である。
【0025】表3から明かなように、実施例1及び実施例2の数値は、条件式(1)ないし(6)を満足している。本発明の複合カメラ用光学系は、リレーレンズ系の非点収差をプラスに補正過剰にしたことで、コンデンサレンズと組み合わせたときの非点収差をよく補正している。
【0026】
【発明の効果】本発明の複合カメラ用光学系は、そのリレーレンズ系のペッツバール和を条件式(1)のように小さくし、非点収差を条件式(2)のようにプラスに補正過剰にしたことで、コンデンサレンズと組み合わせたときの非点収差をよく補正することができる。よって撮像レンズ系とリレーレンズ系が組み合わされる電子カメラ用の撮像素子が小型化されても高解像度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例を示すワイド端全系のレンズ構成図である。
【図2】図1のレンズ系の諸収差図である。
【図3】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例を示すテレ端全系のレンズ構成図である。
【図4】図3のレンズ系の諸収差図である。
【図5】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例において、コンデンサレンズとリレーレンズ系だけの合成系を示すレンズ構成図である。
【図6】図5のレンズ系の諸収差図である。
【図7】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例のリレーレンズ系だけのレンズ構成図である。
【図8】図7のレンズ系の諸収差図である。
【図9】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例を示すワイド端全系のレンズ構成図である。
【図10】図9のレンズ系の諸収差図である。
【図11】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例を示すテレ端全系のレンズ構成図である。
【図12】図11のレンズ系の諸収差図である。
【図13】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例において、コンデンサレンズとリレーレンズ系だけの合成系を示すレンズ構成図である。
【図14】図13のレンズ系の諸収差図である。
【図15】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例のリレーレンズ系だけのレンズ構成図である。
【図16】図15のレンズ系の諸収差図である。
【図17】本発明の対象とする複合カメラの例を示す光学構成図である。
【符号の説明】
11:撮影レンズ系
14:等価像面
15:コンデンサレンズ
17:リレーレンズ系
18:撮像素子
【0001】
【技術分野】本発明は、例えば銀塩フィルムに記録するスチル写真用カメラと、CCDのような撮像素子に記録する電子カメラの両方を融合した複合カメラの光学系、特にリレーレンズ系に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】この種の複合カメラは、撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と光学的に等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けている。つまり、電子カメラ用の光学系は、撮影レンズ系とリレーレンズ系の合成光学系によって構成されるが、従来は、撮影レンズ系とリレーレンズ系について別々に収差補正を行っており、コンデンサレンズの収差への影響は殆ど考慮されていなかった。
【0003】一方、近年、複合カメラの小型化の要望があり、撮影レンズ系(スチル写真カメラ)の画面サイズだけでなく、撮影レンズ系とリレーレンズ系を組み合わせた電子カメラのときの画面サイズも小さくする傾向があるが、画面サイズを小さくすると撮像素子を高解像化しなければならず、また、撮影レンズ系の射出瞳からリレーレンズ系の入射瞳までの距離を小さくして小型化を達成しようとすると、コンデンサレンズの収差への影響を無視できなくなった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、撮像レンズ系とリレーレンズ系が組み合わされる電子カメラにおいて、その撮像素子が小型化されても高解像度を得ることができる光学系、特にリレーレンズ系を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明は、撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と光学的に略等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けた複合カメラにおいて、リレーレンズ系が次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴としている。
(1)−0.1<P<0.09(2)S3<0但し、P:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系のペッツバール和、S3:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系の非点収差係数、である。
【0006】非点収差係数S3については、さらに次の条件式(3)を満足することが好ましい。
(3)−0.2<S3<0
【0007】本発明のリレーレンズ系は、より具体的には、複数の正レンズと少なくとも1枚の負レンズから構成し、さらに次の条件式(4)及び(5)を満足させることが好ましい。
(4)1.76<NMEAN(5)1.85<NMAX但し、NMEAN:リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の平均値、NMAX :リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の最大値、である。リレーレンズ系は、さらに具体的には、コンデンサレンズ側から、2枚の正レンズと、1枚の負レンズと、負レンズと正レンズの貼り合わせレンズとの5枚のレンズから構成することができる。
【0008】本発明のリレーレンズ系は、さらに次の条件式(6)を満足することが好ましい。
(6)1/10<|m|<1/3但し、m:リレーレンズ系の横倍率、である。
【0009】
【発明の実施例】図17は、本発明の対象とする複合一眼レフカメラの構成図である。撮影レンズ系11の後方には、光軸Oに対して45゜傾斜したミラー12が配設され、このミラー12によって、撮影レンズ系11の像面13と光学的に等価な位置にある等価像面14が形成されている。この等価像面14の近傍には、コンデンサレンズ15が配置され、このコンデンサレンズ15の後方には、ミラー16とリレーレンズ系17が配設されている。リレーレンズ系17は、撮影レンズ系11によって等価像面14に結像した被写体像を、CCDカメラの撮像素子18に再結像させる。ミラー12を光路から退避させると、撮影レンズ系11による像が、像面13上に位置させるフィルムに記録される(スチル写真)。本発明は、例えば以上のような構成を有する複合カメラのリレーレンズ系17を対象とするものである。ミラー12はハーフミラーから構成することもある。
【0010】従来、このリレーレンズ系17には、ファクシミリやスキャナ用の読取りレンズ系が使用されていたが、これらは単独で収差補正されており、特にメリディオナルの非点収差の補正を重視して設計されている。このため、ペッツバール和(P)は、0.1以上の値を有し、非点収差係数(S3)をマイナスとして、メリディオナルの非点収差がほぼフラットになるように、設計されているものが殆どである。しかし、このようなリレーレンズ系とコンデンサレンズとを組み合わせると、ペッツバール和がプラスに変化して大きくなり、像面湾曲と特にサジタルの非点収差がさらにマイナスとなり、画面周辺まで(画面全体の)高性能化が達成できない。ここで言う、メリディオナルの非点収差とは、ガウス像面とメリディオナル像面の距離を表し、同様に、サジタルの非点収差とは、ガウス像面とサジタル像面の距離を表す。
【0011】本発明では、リレーレンズ系とコンデンサレンズと組み合わせると像面湾曲がマイナスに変化するのを考慮して、リレーレンズ系単独では、若干像面湾曲をプラスに補正過剰としたものである。
【0012】条件式(1)の上限を越えると、前述のように、リレーレンズ系とコンデンサレンズを組み合わせたとき、特に、サジタルの非点収差がマイナスの大きな値となり、高性能化が達成できない。下限を越えると、補正過剰となり、また、レンズ構成枚数が増加し、高屈折率ガラスを多用しなければならなくなり、コストが高くなる。
【0013】条件式(2)は非点収差係数の条件式である。リレーレンズ系とコンデンサレンズを組み合わせると、ペッツバール和はプラス(像面湾曲はマイナス)になるので、条件式(2)に示すように、非点収差係数はマイナスにするのが非点収差を補正するために良い。
【0014】条件式(3)は、非点収差係数の下限の制約である。この条件式の下限を越えると、補正過剰で、メリディオナルの非点収差がプラスの大きな値となり、高性能の目的に反する。
【0015】条件式(4)及び(5)は、条件式(1)に関係する条件で、リレーレンズ系のペッツバール和を条件式(1)の上限以下の小さな値にするための条件である。条件式(4)の下限を越えると、正レンズの屈折率が小さくなり、ペッツバール和が大きくなってしまう。また、正レンズの中でも、パワーの大きいレンズに、条件式(5)の下限に示すような、条件式(4)の下限よりさらに大きい屈折率を有する硝材を使用するのが良い。
【0016】さらに、リレーレンズ系の倍率は、条件式(6)に示すような低倍領域にするのが、小型化のために良い。条件式(6)の上限を越えると、撮像素子の画面サイズが大きくなり、電子カメラ側の構造が大型化して、小型化の目的に反する。一方、下限を越えるとスチル写真用カメラが大型化し、あるいはコストが高くなる。つまり、下限を越えるには、撮像レンズ系の画面サイズを大きくする方法と、リレーレンズ系の画面サイズを小さくする方法が考えられるが、前者の方法は、スチル写真用カメラが大型化するので小型化の目的に反し、後者の方法では、高性能化するためには、撮像素子の解像度をより高くしなければならず、コストが高くなる。
【0017】ペッツバール和及び非点収差係数は、以下の式により規定されるものである。n面でのペッツバール和は、次の通りである。
Pn =−(1/N’n −1/Nn )・1/rnここで、Nn :n面の像側媒質屈折率、N’n :n面の物体側媒質屈折率、rn :n面の曲率半径、である。リレーレンズ全系のレンズ構成枚数をk枚とすると、全系のペッツバール和Pは、以下の式で示される。
【数式1】
また、n面での非点収差係数は、球面系の場合は次の通りである。
Sn 3=hn2kn2 Q'n2 △n(1/Ns)ここで、Q'n=Nn(1/rn-1/tn) 、△n(1/Ns)=1/(N'n・s'n)-1/(Nn・sn) 、という関係から、Sn 3は以下のように書き代えられる。
Sn 3=hn2・kn2・Nn2・(1/rn-1/tn)2・{1/(N'n・s'n)-1/(Nn・sn)}それぞれ、n面でのhn:軸外光線の高さ、Kn:軸上光線の高さ、tn:軸外の入射光線と光軸の交点と、レンズの頂点までの距離、sn:軸上の入射光線と光軸の交点とレンズの頂点までの距離、s'n :軸上の屈折光線と光軸の交点とレンズの頂点までの距離、である。リレーレンズ全系のレンズ構成枚数がkである時、全系の非点収差係数S3は、以下の式で示される。
【数式2】
【0018】以下、具体的な数値実施例について、本発明を説明する。
[実施例1]図1ないし図8は、本発明の複合カメラ用光学系の第1の実施例を示す。物体側より順に、撮影レンズ系11、コンデンサレンズ15、リレーレンズ系17、フィルター19、及び撮像素子18からなっている。撮影レンズ系11はズームレンズである。図1及び図3はこの実施例の全系を示し、図1はワイド端、図3はテレ端である。図5はコンデンサレンズ15とリレーレンズ系17の合成系だけの構成を示し、図7はリレーレンズ系17だけの構成を示している。この実施例では、リレーレンズ系17は、2枚の正レンズ17a、17b、1枚の負レンズ17c、負レンズ17dと正レンズ17eの貼り合わせレンズ、及び1枚の正レンズ17fからなっている。負レンズ17cの後方に絞Sが配置されている。図2、図4、図6、図8はそれぞれ、図1R>1、図3、図5、図7のレンズ構成の諸収差図である。
【0019】このレンズ系の具体的数値データを表1に示す。諸収差図中、SAは球面収差、SCは正弦条件、d線、g線、c線、F線、e線は、それぞれの波長における、球面収差によって示される色収差、Sはサジタル、Mはメリディオナルを示している。
【0020】表および図面中、FNO はFナンバー、f は焦点距離、m は横倍率、Y は像高を表す。Rは曲率半径、Dはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。
【0021】
【表1】撮影レンズ系11(面 NO.1 〜 NO.16)FNO=3.5f=23〜29Y=15.0D8=23.89〜12.50D16=32.09 〜36.27コンデンサレンズ15(面 NO.17〜 NO.18)f=40.25リレーレンズ系17(面 NO.19〜 NO.29)FNO=2f=13.29m=1/5Y=3.0フィルター19(面 NO.30〜 NO.31) 面 NO R d Nd νd 1 206.849 3.07 1.51633 64.1 2 -206.849 0.10 - - 3 112.397 1.50 1.80610 40.9 4 17.827 6.44 - - 5 435.054 1.40 1.69680 55.5 6 36.456 0.70 - - 7 25.758 4.50 1.80518 25.4 8 116.421 D8 - - 9 58.125 2.57 1.70154 41.2 10 -58.125 1.46 - - 11 15.350 2.79 1.69680 55.5 12 58.481 0.55 - - 13 -123.305 5.50 1.80518 25.4 14 14.523 5.54 - - 15 256.227 2.80 1.71299 53.9 16 -23.537 D16 - - 17 39.500 11.50 1.51633 64.1 18 -39.500 66.00 - - 19 11.306 1.65 1.69680 55.5 20 1800.000 0.20 - - 21 5.637 2.03 1.69680 55.5 22 31.120 0.80 - - 23 134.792 1.05 1.80518 25.4 24 3.600 2.13 - - 25 -5.000 1.00 1.59270 35.3 26 36.169 2.09 1.88300 40.8 27 -8.327 0.20 - - 28 12.107 1.53 1.80400 46.6 29 -102.957 3.20 - - 30 ∞ 4.91 1.51633 64.1 31 ∞ - - -
【0022】[実施例2]図9ないし図16は、本発明の複合カメラ用光学系の第2の実施例である。図9及び図11はこの実施例の全系を示し、図9はワイド端、図1111はテレ端である。図13はコンデンサレンズ15とリレーレンズ系17の合成系だけを示し、図15はリレーレンズ系17だけの構成を示している。この実施例では、リレーレンズ系17は、2枚の正レンズ17a、17b、1枚の負レンズ17c、及び負レンズ17dと正レンズ17eの貼り合わせレンズからなっている。すなわち、第1の実施例の最終正レンズ17fが除去された形となっている。負レンズ17cの後方に絞Sが配置されている。図10、図12、図14、図16はそれぞれ、図9、図11、図13、図15のレンズ構成の諸収差図である。
【0023】
【表2】撮影レンズ系11(面 NO. 1〜 NO.16)FNO=3.5f=23〜29Y=15.0D8=23.89〜12.50D16=32.09 〜36.27コンデンサレンズ15(面 NO.17〜 NO.18)f=40.25リレーレンズ系17(面 NO.19〜 NO.27)FNO=2f=12.62m=1/5Y=3.0フィルター19(面 NO.28〜 NO.29) 面 NO R d Nd νd 1 206.849 3.07 1.51633 64.1 2 -206.849 0.10 - - 3 112.397 1.50 1.80610 40.9 4 17.827 6.44 - - 5 435.054 1.40 1.69680 55.5 6 36.456 0.70 - - 7 25.758 4.50 1.80518 25.4 8 116.421 D8 - - 9 58.125 2.57 1.70154 41.2 10 -58.125 1.46 - - 11 15.350 2.79 1.69680 55.5 12 58.481 0.55 - - 13 -123.305 5.50 1.80518 25.4 14 14.523 5.54 - - 15 256.227 2.80 1.71299 53.9 16 -23.537 D16 - - 17 39.500 11.50 1.51633 64.1 18 -39.500 68.00 - - 19 12.947 1.35 1.69680 55.5 20 34.520 0.20 - - 21 5.806 2.63 1.80400 46.6 22 86.026 0.80 - - 23 -22.270 0.70 1.80518 25.4 24 3.537 1.01 - - 25 -36.775 1.00 1.59270 35.3 26 5.044 3.38 1.88300 40.8 27 -9.531 4.38 - - 28 ∞ 4.91 1.51633 64.1 29 ∞ - - -
【0024】次に、実施例1及び2の各条件式に対する値を表3に示す。
【表3】
*は、リレーレンズ系17の第3レンズ17cの第2面を絞り位置として計算した値である。
【0025】表3から明かなように、実施例1及び実施例2の数値は、条件式(1)ないし(6)を満足している。本発明の複合カメラ用光学系は、リレーレンズ系の非点収差をプラスに補正過剰にしたことで、コンデンサレンズと組み合わせたときの非点収差をよく補正している。
【0026】
【発明の効果】本発明の複合カメラ用光学系は、そのリレーレンズ系のペッツバール和を条件式(1)のように小さくし、非点収差を条件式(2)のようにプラスに補正過剰にしたことで、コンデンサレンズと組み合わせたときの非点収差をよく補正することができる。よって撮像レンズ系とリレーレンズ系が組み合わされる電子カメラ用の撮像素子が小型化されても高解像度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例を示すワイド端全系のレンズ構成図である。
【図2】図1のレンズ系の諸収差図である。
【図3】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例を示すテレ端全系のレンズ構成図である。
【図4】図3のレンズ系の諸収差図である。
【図5】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例において、コンデンサレンズとリレーレンズ系だけの合成系を示すレンズ構成図である。
【図6】図5のレンズ系の諸収差図である。
【図7】本発明による複合カメラ用光学系の第1の実施例のリレーレンズ系だけのレンズ構成図である。
【図8】図7のレンズ系の諸収差図である。
【図9】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例を示すワイド端全系のレンズ構成図である。
【図10】図9のレンズ系の諸収差図である。
【図11】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例を示すテレ端全系のレンズ構成図である。
【図12】図11のレンズ系の諸収差図である。
【図13】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例において、コンデンサレンズとリレーレンズ系だけの合成系を示すレンズ構成図である。
【図14】図13のレンズ系の諸収差図である。
【図15】本発明による複合カメラ用光学系の第2の実施例のリレーレンズ系だけのレンズ構成図である。
【図16】図15のレンズ系の諸収差図である。
【図17】本発明の対象とする複合カメラの例を示す光学構成図である。
【符号の説明】
11:撮影レンズ系
14:等価像面
15:コンデンサレンズ
17:リレーレンズ系
18:撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と光学的に略等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けた複合カメラにおいて、前記リレーレンズ系が下記の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする複合カメラ用光学系。
(1)−0.1<P<0.09(2)S3<0但し、P:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系のペッツバール和、S3:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系の非点収差係数。
【請求項2】 請求項1において、さらに下記の条件式(3)を満足する複合カメラ用光学系。
(3)−0.2<S3<0
【請求項3】 請求項1において、リレーレンズ系は、複数の正レンズと少なくとも1枚の負レンズからなり、下記の条件式(4)及び(5)を満足する複合カメラ用光学系。
(4)1.76<NMEAN(5)1.85<NMAX但し、NMEAN:リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の平均値、NMAX :リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の最大値。
【請求項4】 請求項3において、リレーレンズ系は、コンデンサレンズ側から、2枚の正レンズと、1枚の負レンズと、負レンズと正レンズの貼り合わせレンズとの5枚のレンズからなっている複合カメラ用光学系。
【請求項5】 請求項1において、さらに下記の条件式(6)を満足する複合カメラ用光学系。
(6)1/10<|m|<1/3但し、m:リレーレンズ系の横倍率。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項において、撮影レンズ系の後方には、該撮影レンズ系を透過した光束を等価像面に導くための光路分割手段が配設されている複合カメラ用光学系。
【請求項1】 撮影レンズ系の後方に、該撮影レンズ系の像面と光学的に略等価な位置にある等価像面を設け、この等価像面の近傍にコンデンサレンズを配し、このコンデンサレンズの後方に、前記撮像レンズ系の像を撮像素子に再結像させるリレーレンズ系を設けた複合カメラにおいて、前記リレーレンズ系が下記の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする複合カメラ用光学系。
(1)−0.1<P<0.09(2)S3<0但し、P:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系のペッツバール和、S3:リレーレンズ系の焦点距離を1.0に換算したときのリレーレンズ全系の非点収差係数。
【請求項2】 請求項1において、さらに下記の条件式(3)を満足する複合カメラ用光学系。
(3)−0.2<S3<0
【請求項3】 請求項1において、リレーレンズ系は、複数の正レンズと少なくとも1枚の負レンズからなり、下記の条件式(4)及び(5)を満足する複合カメラ用光学系。
(4)1.76<NMEAN(5)1.85<NMAX但し、NMEAN:リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の平均値、NMAX :リレーレンズ系の正レンズのd線の屈折率の最大値。
【請求項4】 請求項3において、リレーレンズ系は、コンデンサレンズ側から、2枚の正レンズと、1枚の負レンズと、負レンズと正レンズの貼り合わせレンズとの5枚のレンズからなっている複合カメラ用光学系。
【請求項5】 請求項1において、さらに下記の条件式(6)を満足する複合カメラ用光学系。
(6)1/10<|m|<1/3但し、m:リレーレンズ系の横倍率。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項において、撮影レンズ系の後方には、該撮影レンズ系を透過した光束を等価像面に導くための光路分割手段が配設されている複合カメラ用光学系。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開平8−114742
【公開日】平成8年(1996)5月7日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−166492
【出願日】平成7年(1995)6月30日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)
【公開日】平成8年(1996)5月7日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)6月30日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)
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