説明

複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法

【課題】可視光領域で十分透明であり、近赤外線を効率よく遮蔽する粒径100nm以下の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】原料として、M元素とW元素の比が、MxWyOz(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)のM元素とW元素の比となるように、M元素化合物とタングステン化合物とを混合した粉体、または、一般式MxWyOz(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物を、前記原料のキャリアガスと共に、不活性ガス単独もしくは不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気中で発生させた熱プラズマ中に供給することにより、蒸発、凝縮過程を経て複合タングステン酸化物超微粒子を生成させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光領域において透明で近赤外線領域において吸収を持つ、複合タングステン酸化物超微粒子の熱プラズマ法による製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合タングステン酸化物の製造方法として、湿式法が知られている。例えば、特許文献1には、メタ型タングステン酸アンモニウムと金属塩との混合水溶液の乾固物を水素還元して、一般式MWO(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、0<x<1)で表される種々のタングステンブロンズを製造する方法が提案されている。
また、本出願人は、特許文献2で、六塩化タングステンをアルコールに溶解し、そのまま溶媒を蒸発させるか、または、加熱還流した後溶媒を蒸発させ、その後100℃〜500℃で加熱することにより、三酸化タングステンもしくはその水和物または両者の混合物からなる粉末を製造することを提案した。そして、当該製造されたタングステン酸化物粉末を用いてエレクトロクロミック素子が得られることを提案した。さらに、当該エレクトロクロミック素子にて多層の積層体を構成し、膜中にプロトンを導入したときに当該膜の光学特性を変化させることができることを提案した。
さらに、本出願人は、特許文献3に、一般式M(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される組成比のマグネリ相を含む赤外線遮蔽材料微粒子の出発原料を、還元性ガス雰囲気中、または/及び、不活性ガス雰囲気中で熱処理する方法を提案している。
尚、本発明において、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素を、「M元素」と記載する場合がある。
【0003】
一方、赤外線遮蔽材料微粒子である金属ホウ化物の微粉末を得るために、熱プラズマ法が検討されている。当該プラズマ反応を用いる製造方法では、例えば、不活性ガスの熱プラズマを用いて、金属ホウ化物の微粉末または金属ホウ化物を含む微粉末を製造する熱プラズマ法が知られている。この熱プラズマ法によれば、原料粉末は熱プラズマ中で原子レベルまで一旦分解され、次に、金属ホウ化物の核が形成され、この核が成長して微粉末が合成されるものと考えられる。
【0004】
熱プラズマ法により、例えば、金属ホウ化物など微粉末を合成するには、原料として市販されている通常の金属ホウ化物粉末が用いられていた。
例えば、本出願人は、特許文献4において、金属ホウ化物の微粉末の製造方法として、金属粉末及び/またはその金属のホウ化物粉末と、ホウ素粉末とを、アルゴンガスなどの不活性ガスの熱プラズマ中に供給し、ナノオーダーの金属ホウ化物の微粉末を合成する方法を提案している。
また、特許文献5には、水素または水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で発生した熱プラズマにより、金属のホウ化物あるいは金属とホウ素との混合物を加熱溶融することにより、金属ホウ化物を蒸発凝縮させる改良方法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、湿式法等の従来の技術に係る方法で得られる複合タングステン酸化物の粒子径は、1〜5μmと大きい為、可視光領域での透明性を発現させるためには、媒体攪拌ミルなどを用いて長時間粉砕する必要がある。この長時間の粉砕工程は、複合タングステン酸化物の生産性を低下させたり、赤外線遮蔽に寄与しない数nmの粒子まで過粉砕された粒子が生成することによってその使用量(g/m2)が多くなったりするため、製造コスト上昇の主要因となっている。
【0006】
一方、上述した熱プラズマ法で金属ホウ化物の微粉末を得る場合、所望の化合物組成を有する金属ホウ化物を原料として用いても、同等の化合物組成を保つ微粉末を得ることは容易ではなく、原料とは異なる化合物組成の金属ホウ化物微粉末が形成されてしまうという問題があった。特に、各種化学量論組成を有する金属ホウ化物の微粉末を合成する場合、その化合物組成及び粉末特性を制御することは極めて困難である。
【0007】
また、通常の金属ホウ化物粉末を原料として用いる従来の熱プラズマ法では、金属のホウ化物微粉末と、他の化合物、例えば窒化物、酸化物、炭化物などの微粉末との混合微粉末を合成する場合においても、上記の組成制御の問題に加えて、各化合物の微粉末の混合比を制御することが極めて困難である。
さらに、熱プラズマを用いて金属ホウ化物微粉末を製造する改良方法は、可燃性の極めて強い気体で爆発の危険がある水素を用いる必要があるため、その取り扱いに注意を要するという問題がある。
【0008】
上述したように、熱プラズマ法を用いて所望の金属化合物微粉末を得ることは容易ではなく、当該方法を所望の金属酸化物微粉末の製造に適用するのは困難があった。
【0009】
本発明は、上述の状況の下で成されたものであり、その解決しようとする課題は、可視光領域で十分透明であり、近赤外線を効率よく遮蔽する粒径100nm以下の複合タングステン酸化物超微粒子を、長時間の粉砕処理を施すことなく製造可能とする製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を行い、可視光領域で十分透明であり、近赤外線を効率よく遮蔽する粒径100nm以下の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法として、プラズマ反応を用いる製造方法に想到した。
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するため、熱プラズマ法による複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法について鋭意研究を継続した。
その結果、M元素化合物とタングステン化合物とを、M元素とW元素の比が、前記M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)のM元素とW元素の比となるように混合した粉体、または、一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される、例えば、湿式法で作製された複合タングステン酸化物を、キャリアガスと共に、不活性ガス単独もしくは不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気中で発生させた熱プラズマ中に供給する製造方法に想到した。当該製造方法によれば、熱プラズマ中に供給された原料が、蒸発、凝縮過程を経て、単相の結晶相を有し、且つ、ねらいの組成を有する超微粒子の複合タングステン酸化物が生成することを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、課題を解決するための第1の発明は、
一般式M(但し、Mは、I族元素、II族元素、III族元素、IV族元素、Yb、から選ばれる1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法であって、
M元素化合物とタングステン化合物とを、M元素とタングステン元素との比が、前記一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)のM元素とタングステン元素の比となるように混合した粉体、または、一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物を、前記原料のキャリアガスと共に、不活性ガス単独もしくは不活性ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気中で発生させた熱プラズマ中に供給することにより、X線回折で前記一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)の複合タングステン酸化物の単相からなる超微粒子を得ることを特徴とする複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0013】
第2の発明は、M元素が、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Pb、Ca、Sr、Ba、In、Tl、Sn、Si、Yb、から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする第1の発明に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0014】
第3の発明は、得られる複合タングステン酸化物超微粒子が、六方晶、正方晶、立方晶、単斜晶、のいずれかの結晶構造を有することを特徴とする第1または第2の発明に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0015】
第4の発明は、M元素化合物が、M元素の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、から選ばれる1種以上であることを特徴とする第1〜第3の発明のいずれか1つに記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0016】
第5の発明は、タングステン化合物が、タングステン酸(HWO)、タングステン酸アンモニウム、六塩化タングステン、アルコールに溶解した六塩化タングステンに水を添加して加水分解した後、溶媒を蒸発させたタングステンの水和物、から選ばれる1種以上であることを特徴とする第1〜第4の発明のいずれか1つに記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0017】
第6の発明は、前記不活性ガスとして、アルゴンガス、アルゴンとヘリウムの混合ガス、または、アルゴンと窒素の混合ガス、を用いることを特徴とする、第1〜第5の発明のいずれか1つに記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0018】
第7の発明は、前記熱プラズマが、高周波放電により形成されたものであることを特徴とする、第1〜第6の発明のいずれか1つに記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0019】
第8の発明は、得られる複合タングステン酸化物超微粒子の1次粒子の平均粒径が800nm以下であることを特徴とする、第1〜第7の発明のいずれか1つに記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【0020】
第9の発明は、得られる複合タングステン酸化物超微粒子の1次粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする、第1〜第7の発明のいずれか1つに記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の、熱プラズマ法による複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法によれば、混合物原料や従来法で製造された比較的大粒径の複合タングステン酸化物である原料を、前記原料のキャリアガスと共に、不活性ガス単独もしくは不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気中で発生させた熱プラズマ中に供給することにより、蒸発、凝縮過程を経て、ねらいの組成を有し、粒径100nm以下の複合タングステン酸化物超微粒子を、高い生産性をもって生成させることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平8−73223号公報
【特許文献2】特開2003−121884号公報
【特許文献3】特許第4096205号公報
【特許文献4】特開2003−261323号公報
【特許文献5】特公平6−39326号公報
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の方法を実施するためのプラズマ反応装置例である。
【図2】本発明の方法を実施するための他のプラズマ反応装置例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について、具体的に説明する。
本発明に係る複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法では、原料として、M元素とW元素の比が、ねらいの組成を有する一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)のM元素とタングステン元素の比となる、M元素化合物とタングステン化合物とを混合した粉体、または、従来法で製造された一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物を原料とする。
【0025】
そして当該原料と、キャリアガスとを、不活性ガス単独もしくは不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気中で発生させた熱プラズマ中に供給することで、当該原料が蒸発、凝縮過程を経て、単相の結晶相を有し、ねらいの組成を有し、粒径が100nm以下の複合タングステン酸化物超微粒子を生成する。
【0026】
本発明において、熱プラズマは10000〜15000Kの高温部を有している必要がある。当該熱プラズマ中に供給された原料は、瞬時に蒸発する。そして、当該蒸発した原料は、プラズマ尾炎部に至る過程で凝縮し、プラズマフレーム外で急冷凝固されて、複合タングステン酸化物超微粒子を生成する。当該複合タングステン酸化物超微粒子生成過程にて求められる、高い気相過飽和状態や精密な化学組成制御は、低温プラズマでは達成困難な為である。
【0027】
1.複合タングステン酸化物超微粒子の原料
本発明に係る原料の製造方法について説明する。
(1)タングステン化合物およびM元素化合物
本発明に係る原料の製造に用いるタングステン化合物は、タングステン酸(HWO)、タングステン酸アンモニウム、六塩化タングステン、アルコールに溶解した六塩化タングステンに水を添加して加水分解した後溶媒を蒸発させたタングステンの水和物、から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、本発明に係る原料の製造に用いるM元素化合物には、M元素の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、から選ばれる1種以上であることが好ましい。 上
記タングステン化合物やM元素化合物の粒径には、特に制限は無いが、通常入手できる0.1〜50μm程度であればよい。
(2)M元素化合物とタングステン化合物との混合粉体の製造方法
(i)湿式混合
本発明に係るM元素化合物とタングステン化合物との混合粉体の製造方法として、上記タングステン化合物と、上記M元素の塩を含む水溶液とを、M元素とW元素の比が、M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)のM元素とW元素の比となるように湿式混合する。そして、得られた混合液を乾燥することによって、M元素化合物とタングステン化合物との混合粉体が得られる。
【0028】
当該湿式混合で製造したM元素化合物とタングステン化合物との混合粉体を、熱プラズマ中に供給する原料とすることが出来る。
さらに、当該M元素化合物とタングステン化合物との混合粉体を、不活性ガス単独または不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下、1段階で焼成するか、または、1段階目では不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下で焼成し、2段階目では不活性ガス雰囲気下で焼成するという2段階の焼成によって、一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物を得ることができる。当該複合タングステン酸化物を、熱プラズマ中に供給する原料とすることが出来る。得られる複合タングステン酸化物原料の粒径は1〜5μm程度である。
尤も、当該合タングステン酸化物の製造において、前記タングステン化合物に替えて、三酸化タングステンを用いても良い。
【0029】
(ii)乾式混合
本発明に用いる原料の製造において、タングステン酸(HWO)、タングステン酸アンモニウム、六塩化タングステン、アルコールに溶解した六塩化タングステンに水を添加して加水分解した後溶媒を蒸発させたタングステンの水和物、タングステン酸化物、から選ばれる1種以上へ、乾式混合法を用いてM元素を添加することも出来る。
当該乾式混合法におけるM元素の化合物は、酸化物、水酸化物が好ましい。
【0030】
上記M元素の化合物とタングステンの化合物とを、乾式混合する。当該乾式混合は、市販の擂潰機、ニーダー、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー等で行えばよい。
当該乾式混合で製造したM元素化合物とタングステン化合物との混合粉体を、熱プラズマ中に供給する原料として用いることができる。
(3)複合タングステン酸化物の製造方法
さらに、当該M元素化合物とタングステン化合物との混合粉体を、不活性ガス単独または不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下、1段階で焼成するか、または、1段階目では不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下で焼成し、2段階目では不活性ガス雰囲気下で焼成するという2段階の焼成によって、一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物を得ることができる。
また、上記した特許文献1、特許文献2に記載の方法で得られる複合タングステン酸化物を用いる事もできる。
当該複合タングステン酸化物を、熱プラズマ中に供給する原料とすることが出来る。
【0031】
2.複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法
本発明で用いられるプラズマとして、例えば、直流アークプラズマ、高周波プラズマ、マイクロ波プラズマ、低周波交流プラズマ、のいずれか、または、これらのプラズマの重畳したもの、または、直流プラズマに磁場を印加した電気的な方法により生成するプラズ
マ、大出力レーザーの照射により生成するプラズマ、大出力電子ビームやイオンビームにより生成するプラズマ、が適用出来る。但し、いずれのプラズマを用いるにしても、特に、10000〜15000Kの高温部を有する熱プラズマであることが肝要である。
【0032】
当該高温部を有する熱プラズマ中に供給された原料は、当該高温部において瞬時に蒸発する。そして、当該蒸発した原料は、プラズマ尾炎部に至る過程で凝縮し、プラズマ火炎外で急冷凝固されて、複合タングステン酸化物超微粒子を生成する。
【0033】
一例として、直流プラズマと高周波プラズマを重畳させたハイブリッドプラズマ反応装置を用いる場合について、図1を参照しながら製造方法について説明する。
【0034】
先ず、真空排気装置10により、水冷石英二重管2内と反応容器5内とで構成される反応系内を、約0.1Pa(約0.001Torr)まで真空引きする。反応系内を真空引きした後、今度は、当該反応系内をアルゴンガスで満たし、1気圧のアルゴンガス流通系とする。
その後、プラズマ発生用ガス供給口6より、不活性ガスを3〜15L/min流し、直流プラズマトーチ1に5〜25KW程度の直流電力を投入し、直流プラズマを発生させる。
さらに、水冷石英二重管2の内壁に沿って、高周波プラズマ発生用および石英保護用のガスとして、ガス供給装置11よりシースガス導入口7を介して、螺旋状にアルゴンガス20〜50L/minと水素ガス1〜5L/minとを流す。一方、高周波プラズマ発生用の水冷銅コイル3に高周波を印加し、高周波プラズマを発生させる。このとき印加する高周波電力は、15〜50KW程度とすることが好ましい。このようにして、直流アークプラズマと高周波プラズマとのハイブリッド熱プラズマを発生させる。
ここで、原料粉末供給装置4より原料粉末キャリアガス供給口8を介して、上記製造方法で得たM元素化合物とタングステン化合物との混合粉体、または、複合タングステン酸化物粒子を、ガス供給装置11から供給する1〜8L/minのアルゴンガスをキャリアガスとして、1〜50g/minの割合でハイブリッド熱プラズマ中に導入して所定時間反応を行う。反応後、生成した複合タングステン酸化物超微粒子は反応容器5の底に堆積するので、これを回収する。
【0035】
本装置でプラズマ発生に使用する不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン、を用いることができ、単独または2種以上の混合ガスとして用いられる。
供給する原料粉末を移送するためのキャリアガスは、アルゴンやヘリウムの不活性ガスを使用すればよい。ガス流量は、プラズマが安定して維持されるよう放電プラズマ種に応じて適宜決定すればよい。
原料粉末の熱プラズマ中への供給は、原料がプラズマ火炎の中心部を通るように直流プラズマトーチの間からキャリアガスと共に供給することが好ましい。
プラズマ火炎中に供給する原料粉末の量は特に限定されないが、プラズマ火炎領域内における原料蒸発量を、適宜量に保つ観点から20g/L以下の濃度が好ましい。供給する原料粉末の量を20g/Lに保てば、原料粉末がプラズマ火炎の中心部を通過する割合を保つことが出来、十分に反応した生成物が得られる。この結果、所望の複合タングステン酸化物超微粒子の生成を確保出来る。
【0036】
上記の構成を採ることで、熱プラズマ中に供給された原料は、高温のプラズマ火炎中で瞬時に蒸発し、凝縮過程を経て、平均1次粒子径100nm以下の複合タングステン酸化物超微粒子が生成する。
なお、本発明の製造方法によって得られる複合タングステン酸化物超微粒子の粒径は、プラズマ出力、プラズマ流量、供給する原料粉末の量などによって容易に制御することができる。
【0037】
以上、説明した直流プラズマと高周波プラズマを重畳させたハイブリッドプラズマ反応装置以外の、プラズマ反応装置も使用可能である。ここで、図2を参照しながら高周波プラズマ応装置を用いる場合について説明する。
【0038】
先ず、真空排気装置19により、水冷石英二重管21内と反応容器14内とで構成される反応系内を、約0.1Pa(約0.001Torr)まで真空引きする。反応系内を真空引きした後、今度は、当該反応系内をアルゴンガスで満たし、1気圧のアルゴンガス流通系とする。
その後、プラズマ発生用ガス供給口15より、アルゴンガスを30L/min流す。
さらに、水冷石英二重管21の内壁に沿って、高周波プラズマ発生用および石英保護用のガスとして、ガス供給装置20よりシースガス導入口16を介して、螺旋状にアルゴンガス40L/minと水素ガス3L/minとを流す。一方、高周波プラズマ発生用の水冷銅コイル12に高周波を印加し、高周波プラズマを発生させる。このとき印加する高周波電力は、45KWとすることが好ましい。このようにして、高周波熱プラズマを発生させる。
ここで、原料粉末供給装置13より原料粉末キャリアガス供給口17を介して、上記製造方法で得たM元素化合物とタングステン化合物との混合粉体、または、複合タングステン酸化物粒子を、ガス供給装置20から供給する3L/minのアルゴンガスをキャリアガスとして、2g/minの割合で高周波熱プラズマ中に導入して所定時間反応を行う。反応後、生成した複合タングステン酸化物超微粒子は反応容器14の底に堆積するので、これを回収する。
【実施例】
【0039】
以下、本発明について、実施例を参照しながらさらに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、得られた粉末の結晶構造は、粉末X線回折(CuKα、理学電機(株)製Rotaflex RAD−γVB)によって測定した。
【0040】
[実施例1]
水33gにCsCO21.6gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をCs0.33WOとする混合粉体を得た。
【0041】
次に、上記図1にて説明した直流プラズマと高周波プラズマを重畳させたハイブリッドプラズマ反応装置を用い、真空排気装置により反応系内を約0.1Pa(約0.001Torr)まで真空引きした後、アルゴンガスで完全に置換して1気圧の流通系とした。その後、プラズマ発生用ガス供給口よりアルゴンガス8L/minを流し、直流プラズマトーチに直流電力を印加して直流プラズマを発生させた。このときの直流電力は6KWである。さらに、水冷石英管の内壁に沿って、高周波プラズマ発生用および石英管保護用のガスとして、シースガス供給口より螺旋状にアルゴンガス40L/minと水素ガス3L/min流した。そして、高周波プラズマ発生用の水冷銅コイルに高周波電力を印加し、高周波プラズマを発生させた。このときの高周波電力は45KWとした。
【0042】
こうして、直流プラズマと高周波プラズマとのハイブリッドプラズマを発生させた後、3L/minのアルゴンガスをキャリアーガスとして、原料粉末供給装置より上記混合粉体を原料粉体として、2g/minの割合でプラズマ火炎中に供給した。
その結果、混合粉体はプラズマ火炎中にて瞬時に蒸発し、プラズマ尾炎部で凝縮し、プラズマ火炎外で急冷凝固して超微粉化した。当該生成した超微粉末は、反応容器の底に堆積した。
【0043】
当該堆積した超微粉末を回収し、X線回折により分析したところ六方晶Cs0.33WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであることが確認できた。
【0044】
[実施例2]
実施例1で説明した混合粉体を、1.6%H/Nガス雰囲気下、800℃、20分間焼成してCs0.33WO粒子を得た。
当該得られたCs0.33WO粒子を原料粉体とし、石英管保護用のガスとして水素を流さなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応容器の底に堆積した超微粉末を回収し、X線回折により分析したところ六方晶Cs0.33WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであることが確認できた。
【0045】
[実施例3]
図2に示す高周波プラズマ反応装置を用い、プラズマ発生用ガス供給口より、アルゴンガス30L/minを流し、シースガス供給口より螺旋状にアルゴンガス40L/minと水素ガス3L/minとを混合して供給した。そして、水冷銅コイルへ高周波電力を45KW印加して、高周波プラズマを発生させた。
次に、3L/minのアルゴンガスをキャリアーガスとして、原料粉末供給装置より、実施例1に記載した混合粉体を2g/minの割合で高周波プラズマ中に供給した。
その結果、混合粉体はプラズマ火炎中にて瞬時に蒸発し、プラズマ尾炎部で凝縮し、プラズマ火炎外で急冷凝固して超微粉化した。当該生成した超微粉末は、反応容器の底に堆積した。
反応容器の底で回収された粉末はX線回折により六方晶Cs0.33WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0046】
[実施例4]
水33gにLiCO4.43gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をLi0.3WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例4に係る立方晶Li0.3WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により立方晶Li0.33WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0047】
[実施例5]
水33gにNaCO2.11gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をNa0.1WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例5に係る正方晶Na0.1WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により正方晶Na0.1WO単相と同定され、その粒子径
はTEM観察より10〜50nmであった。
【0048】
[実施例6]
水33gにKCO7.46gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をK0.27WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例6に係る六方晶K0.27WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により立方晶K0.27WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0049】
[実施例7]
水33gにRbCO14.78gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をRb0.32WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例7に係る六方晶Rb0.32WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により六方晶Rb0.32WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0050】
[実施例8]
水33gにCu(NO3HO25.13gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をCu0.26WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例8に係る斜方晶Cu0.26WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により斜方晶Cu0.26WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0051】
[実施例9]
水33gにAgCO0.55gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をAg0.01WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例9に係る斜方晶Ag0.01WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により斜方晶Ag0.01WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0052】
[実施例10]
水33gにCaCO4.01gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をCa0.1WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例10に係る六方晶Ca0.1WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により六方晶Ca0.1WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0053】
[実施例11]
水33gにSrCO4.72gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をSr0.08WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例11に係る六方晶Sr0.08WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により六方晶Sr0.08WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0054】
[実施例12]
水33gにBaCO11.05gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をBa0.14WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例12に係る六方晶Ba0.14WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により六方晶Ba0.14WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0055】
[実施例13]
In1.11gとHWO100gを擂潰機で十分混合し、ねらいの組成をIn0.02WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例13に係る正方晶In0.02WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により正方晶In0.02WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0056】
[実施例14]
水300gにTlNO20.25gを溶解し、これをHWO100gに添加して十分攪拌した後、乾燥し、ねらいの組成をTl0.19WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例14に係る六方晶Tl0.19WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により六方晶Tl0.19WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0057】
[実施例15]
SnO11.45gとHWO100gを擂潰機で十分混合し、ねらいの組成をSn0.19WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例15に係る正方晶Sn0.19WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により正方晶Sn0.19WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0058】
[実施例16]
Yb14.98gとHWO100gを擂潰機で十分混合し、ねらいの組成をYb0.19WOとする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例16に係る立方晶Yb0.19WO粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により立方晶Yb0.19WO単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【0059】
[実施例17]
日産化学社製スノーテックスS、11.50gとHWO100gを擂潰機で十分混合した後、乾燥し、ねらいの組成をSi0.043WO2.839とする混合粉体を得た。
当該混合粉体を、プラズマ中に供給する原料混合粉体として用いた以外は、実施例3と同様の操作で、実施例17に係る立方晶Si0.043WO2.839粉末を得た。
回収された粉末はX線回折により立方晶Si0.043WO2.839単相と同定され、その粒子径はTEM観察より10〜50nmであった。
【符号の説明】
【0060】
1.直流プラズマトーチ
2.水冷石英二重管
3.高周波プラズマ発生用の水冷銅コイル
4.原料粉末供給装置
5.反応容器
6.プラズマ発生用ガス供給口
7.シースガス導入口
8.原料粉末キャリアガス供給口
9.冷却用ガス供給口
10.真空排気装置
11.ガス供給装置
12.高周波プラズマ発生用の水冷銅コイル
13.原料粉末供給装置
14.反応容器
15.プラズマ発生用ガス供給口
16.シースガス導入口
17.原料粉末キャリアガス供給口
18.冷却用ガス供給口
19.真空排気装置
20.ガス供給装置
21.水冷石英二重管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式M(但し、Mは、I族元素、II族元素、III族元素、IV族元素、Yb、から選ばれる1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法であって、
M元素化合物とタングステン化合物とを、M元素とタングステン元素との比が、前記一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)のM元素とタングステン元素の比となるように混合した粉体、または、一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物を、前記原料のキャリアガスと共に、不活性ガス単独もしくは不活性ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気中で発生させた熱プラズマ中に供給することにより、X線回折で前記一般式M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)の複合タングステン酸化物の単相からなる超微粒子を得ることを特徴とする複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項2】
M元素が、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Pb、Ca、Sr、Ba、In、Tl、Sn、Si、Yb、から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項3】
得られる複合タングステン酸化物超微粒子が、六方晶、正方晶、立方晶、単斜晶、のいずれかの結晶構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項4】
M元素化合物が、M元素の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項5】
タングステン化合物が、タングステン酸(HWO)、タングステン酸アンモニウム、六塩化タングステン、アルコールに溶解した六塩化タングステンに水を添加して加水分解した後、溶媒を蒸発させたタングステンの水和物、から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項6】
前記不活性ガスとして、アルゴンガス、アルゴンとヘリウムの混合ガス、または、アルゴンと窒素の混合ガス、を用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項7】
前記熱プラズマが、高周波放電により形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項8】
得られる複合タングステン酸化物超微粒子の1次粒子の平均粒径が800nm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。
【請求項9】
得られる複合タングステン酸化物超微粒子の1次粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合タングステン酸化物超微粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−265144(P2010−265144A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118528(P2009−118528)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【Fターム(参考)】