説明

複合取引情報管理システム及び方法

【課題】既存の金融商品に対応した情報システムの個別の機能を有効活用して、一つの複雑な金融商品の取り扱いを実現することにより、ユーザの入力負担を軽減すること。
【解決手段】第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能な複合金融商品に対して予め定められた分解ロジックに基づいて、第1の取引情報と、第2の取引情報に分解して出力する取引受付システムと、第1の取引情報を入力し、これを管理する第1の取引管理システムと、第2の取引情報を入力し、これを管理する第2の取引管理システムと、を備える。取引受付システムは、第1の金融商品の項目のうち受け付けた複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完して第1の取引情報を生成し、第2の金融商品の項目のうち受け付けた複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完し、第1の取引情報に対応するデータを含めて第2の取引情報を生成する取引情報生成手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合取引情報管理システム及び方法に関し、特に、複雑なデリバティブの性質を内在する債券である仕組債等の複合取引情報を管理する複合取引情報管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複雑なデリバティブの性質を内在する債券であるデリバティブ内在型の仕組債や非標準型のデリバティブ商品等に代表される複雑な金融商品が開発されている。そして、このような複雑な金融商品の種類や取引件数は、年々、増加する傾向がある。また、金融機関は、従来から単一のデリバティブ商品等の金融商品それぞれに特化した専用の情報システムを有している。例えば、特許文献1には、デリバティブ商品を扱う情報システムに関する技術が開示されている。
【0003】
一方、複雑な金融商品は、複数の単一のデリバティブ商品等の金融商品を複数組み合わせて表現することが可能である。例えば、「金利交換」に関する金融商品である場合には、金利を支払う商品と、金利を受け取る商品という2つの単一の金融商品の組合せで表現することができる。そこで、オペレータは、まず、複雑な金融商品における一つの契約を既存のデリバティブ商品等に分割して複数の取引の組合せで管理する。そして、分割した複数の取引のそれぞれについて、対応する専用の情報システムに対して個別に入力作業を行う。これにより、複数の取引により、複雑な金融商品における一つの契約と同一の経済効果を奏するものとみなすことができる。そのため、複雑な金融商品の専用の新規システム開発をせずとも新規の複雑な金融商品の取り扱いを始めることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−56185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した手法では、各情報システムへの入力を行うオペレータの作業負担が大きいという問題がある。その理由は、本来、一つの契約であるにもかかわらず、実質的に複数の取引に相当する入力作業が発生するためである。また、複雑な金融商品から単一のデリバティブ商品に分割するには、各商品が単独の取引として成立し得るように、各取引に対するデータの修正や補完等を適宜行う必要がある。これらのデータの修正や補完等は、分割された各商品に対応する情報システムごとに、また、分割元の金融商品に応じて複雑なパターンがあり、作業が煩雑である。
【0006】
一方、新規の複雑な金融商品の取り扱いを始めるに当たり、当該新規な金融商品に対応したシステムを個別に開発するか、既存の情報システムへ当該金融商品に対応した機能を追加するなども考えられる。しかしながら、その場合は、相応の開発コストとスケジュールを要することから、取引の機会喪失リスクが顕在化する可能性が高く、取り扱い件数が少ないケースでは当該リスクは顕著である。その理由は、複雑な金融商品は、取引元と取引先の双方の要望に応えるべく、詳細な取引条件が取引ごとに様々に変動するという特徴があるからである。また、近年の複雑な金融商品の一種類当たりの取り扱い件数は、単一のデリバティブ商品に比べて少ないという特徴がある。そのため、新規の複雑な金融商品のために新規に情報システムを開発した場合の費用対効果が低く、有効な対策とはいえない。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、既存の金融商品に対応した情報システムの個別の機能を有効活用して、一つの複雑な金融商品の取り扱いを実現することにより、ユーザの入力負担を軽減した複合取引情報管理システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様にかかる複合取引情報管理システムは、第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能な複合金融商品の取引情報である複合取引情報を管理する複合取引情報管理システムであって、前記複合取引情報を外部から受け付けて、当該複合取引情報の複合金融商品に対して予め定められた分解ロジックに基づいて、前記第1の金融商品の取引情報である第1の取引情報と、前記第2の金融商品の取引情報である第2の取引情報に分解して出力する取引受付システムと、前記取引受付システムより出力された第1の取引情報を入力し、これを管理する第1の取引管理システムと、前記取引受付システムより出力された第2の取引情報を入力し、これを管理する第2の取引管理システムと、を備え、前記取引受付システムは、前記第1の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完して前記第1の取引情報を生成し、前記第2の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完し、前記第1の取引情報に対応するデータを含めて前記第2の取引情報を生成する取引情報生成手段を備える。
【0009】
また、前記第1の取引管理システムは、第1のデータ形式に基づく第1の処理要求を外部から受信し、当該第1の処理要求に基づいて、前記第1の取引情報を管理するための第1のデータベースに対して処理を行う第1のIF手段を備え、前記第2の取引管理システムは、第2のデータ形式に基づく第2の処理要求を外部から受信し、当該第2の処理要求に基づいて、前記第2の取引情報を管理するための第2のデータベースに対して処理を行う第2のIF手段を備え、前記取引受付システムは、前記第1のIF手段に対して、前記第1の処理要求に前記生成された第1の取引情報を含めて送信する第1の処理要求手段と、前記第2のIF手段に対して、前記第2の処理要求に前記生成された第2の取引情報を含めて送信する第2の処理要求手段と、を備えることが望ましい。
【0010】
さらに、前記第1の処理要求手段は、前記第1のIF手段に対して、前記生成した第1の取引情報を含めて前記第1のデータ形式に基づく第1の登録要求を送信し、前記第1のIF手段は、前記第1の登録要求を受信した場合に、当該第1の登録要求に含まれる第1の取引情報を前記第1のデータベースへ登録し、登録された第1の取引情報に対して発行された取引識別情報を前記第1の処理要求手段へ返信し、前記第2の処理要求手段は、前記第1の処理要求手段が前記第1のIF手段から前記取引識別情報を受信した場合に、前記第2のIF手段に対して、当該取引識別情報と前記生成した第2の取引情報とを含めて前記第2のデータ形式に基づく第2の登録要求を送信し、前記第2のIF手段は、前記第2の登録要求を受信した場合に、当該第2の登録要求に含まれる第2の取引情報を当該第2の登録要求に含まれる取引識別情報に関連付けて前記第2のデータベースへ登録することが望ましい。
【0011】
また、前記取引受付システムは、ユーザの識別情報を含む前記複合取引情報を外部から受け付けた場合に、当該ユーザの識別情報に基づき、当該取引受付システムにおける認証を行う認証手段をさらに備え、前記第1の処理要求手段は、前記認証手段により認証された場合に、前記第1のIF手段に対して、前記第1の処理要求に前記取引受付システムの識別情報をさらに含めて送信し、前記複合取引情報管理システムは、前記第1のIF手段を介した処理を許可する外部システムの識別情報を格納する記憶部をさらに備え、前記第1のIF手段は、前記第1の処理要求手段から受信した第1の処理要求に含まれる前記取引受付システムの識別情報に基づき、前記記憶部を参照し、当該取引受付システムが当該第1のIF手段を介した処理を許可されているか否かを判定し、許可されていると判定した場合に、前記第1の処理要求に含まれる前記第1の取引情報を用いて前記第1のデータベースに対して処理を行うことが望ましい。
【0012】
さらに、前記記憶部は、前記外部システムの識別情報を前記第1のIF手段が受信する処理要求の種別ごとに関連付けて記憶し、前記第1のIF手段は、前記第1の処理要求手段から受信した第1の処理要求の種別に基づき、前記記憶部を参照し、当該取引受付システムが前記第1のIF手段を介した処理を許可されているか否かを判定し、許可されていると判定した場合に、前記第1の処理要求に含まれる前記第1の取引情報を用いて前記第1のデータベースに対して処理を行うとよい。
【0013】
また、前記取引情報生成手段は、前記第1の金融商品の項目のうち前記複合金融商品に含まれる項目におけるデータを、前記第1の金融商品の項目に対応するように補正して前記第1の取引情報を生成し、前記第1の取引情報の逆取引となるデータを含めて前記第2の取引情報を生成するとよい。
【0014】
また、前記複合金融商品は、所定の金利条件と、取引期間の決定条件とを含む金融商品であり、前記第1の金融商品は、前記所定の金利条件についての取引期間が固定された金融商品であり、前記第2の金融商品は、前記取引期間の決定条件に関する金融商品であり、前記取引情報生成手段は、前記複合取引情報に含まれる日付のデータを固定期間となるように補正して前記第1の取引情報を生成し、前記複合取引情報に含まれる取引期間の決定条件を用いて前記第2の取引情報を生成するとよい。
【0015】
また、前記取引情報生成手段は、前記複合取引情報を登録する場合には、当該複合取引情報が前記取引期間の決定条件に基づき最も短い期間に決定された場合の取引期間となるように前記第1の取引情報を生成し、前記複合取引情報が前記取引期間の決定条件に基づき最も短い期間に決定されなかった場合には、当該取引期間を延長するように前記第1の取引情報を生成するとよい。
【0016】
また、前記取引情報生成手段は、前記複合取引情報における一部の契約が確定した場合に、未確定の契約に基づき、前記第1の取引情報及び前記第2の取引情報の更新情報を生成し、前記第1の処理要求手段は、前記第1のIF手段に対して、前記生成した第1の取引情報の更新情報を含めて前記第1のデータ形式に基づく第1の更新要求を送信し、前記第1のIF手段は、前記第1の更新要求を受信した場合に、当該第1の更新要求に含まれる第1の取引情報の更新情報に基づき前記第1のデータベースに登録された第1の取引情報を更新し、前記第2の処理要求手段は、前記取引識別情報と前記生成した第2の取引情報の更新情報とを含めて前記第2のデータ形式に基づく第2の更新要求を送信し、前記第2のIF手段は、前記第2の更新要求を受信した場合に、当該第2の更新要求に含まれる第2の取引情報の更新情報及び当該第2の更新要求に含まれる取引識別情報に基づき、前記第2のデータベースに登録された第2の取引情報を更新するとよい。
【0017】
本発明の第2の態様にかかる複合取引情報管理方法は、第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能な複合金融商品の取引情報である複合取引情報を外部から受け付ける取引受付システムと、前記第1の金融商品の取引情報である第1の取引情報を管理する第1の取引管理システムと、前記第2の金融商品の取引情報である第2の取引情報を管理する第2の取引管理システムと、を用いて、前記複合取引情報を管理する複合取引情報管理方法であって、前記取引受付システムにおいて、前記外部から受け付けた前記複合取引情報から、当該複合取引情報の複合金融商品に対して予め定められた分解ロジックに基づいて、前記第1の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完して前記第1の取引情報を生成し、前記取引受付システムにおいて、前記複合取引情報から、前記分解ロジックに基づいて、前記第2の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完し、前記第1の取引情報に対応するデータを含めて前記第2の取引情報を生成し、前記取引受付システムにおいて、前記生成した第1の取引情報を前記第1の取引管理システムに対して出力し、前記第1の取引管理システムにおいて、前記取引受付システムより出力された第1の取引情報を入力し、当該入力された第1の取引情報について、当該第1の取引情報を管理するための第1のデータベースに対して処理を行い、前記取引受付システムにおいて、前記生成した第2の取引情報を前記第2の取引管理システムに対して出力し、前記第2の取引管理システムにおいて、前記取引受付システムより出力された第2の取引情報を入力し、当該入力された第2の取引情報について、当該第2の取引情報を管理するための第2のデータベースに対して処理を行う。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、既存の金融商品に対応した情報システムの個別の機能を有効活用して、一つの複雑な金融商品の取り扱いを実現することにより、ユーザの入力負担を軽減した複合取引情報管理システム及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる複合取引情報管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる仕組債の項目及び入力データの例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるWebサービスのアクセス制限情報の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる親取引(スワップ)の項目の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる取引情報の項目毎の生成方法の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかる子取引(スワップション)の項目の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかる生成される親取引情報の一部(クーポン及びコスト)の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかる生成される子取引情報の一部(クーポン及びコスト)の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1にかかる取引受付システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態1にかかる取引管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態1にかかる仕組債登録処理の流れを示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施の形態1にかかる取引受付システムの処理要求の受付処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態1にかかる取引管理システムの処理要求に応じた処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態1にかかる複合取引情報管理システムの応用例の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0021】
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかる複合取引情報管理システム100の全体構成を示すブロック図である。複合取引情報管理システム100は、第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能な複合金融商品の取引情報である複合取引情報を管理する情報システムである。複合金融商品とは、例えば、上述したデリバティブ内在型の仕組債や非標準型のデリバティブ商品等の複雑な金融商品を指す。そして、複合取引情報管理システム100は、当該複合金融商品のみを管理するための専用のデータベースシステムを用いずに、既存の複数の金融商品のそれぞれを管理するためのデータベースシステムを当該複合金融商品と同等の経済効果を奏するように組み合わせることで、当該複合金融商品の管理を実現するものである。
【0022】
ここで、複合金融商品としては、例えば、マルチコーラブル型の仕組債が挙げられる。図2は、本発明の実施の形態1にかかる複合金融商品の一例である仕組債の項目及び入力データの例を示す図である。すなわち、マルチコーラブル型の仕組債における項目の一部と、これらの項目に対応するデータ、つまり、複合取引情報の一例である。尚、当該仕組債における項目及びデータは、これに限定されない。
【0023】
また、複合金融商品が第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能であるとは、例えば、複合金融商品がマルチコーラブル型の仕組債である場合に、デリバティブ部分については、第1の金融商品としてスワップ取引の商品及び第2の金融商品としてスワップション取引の商品として分解できることが挙げられる。尚、複合金融商品の分解の仕方はこれに限定されない。
【0024】
この場合、複合金融商品は、所定の金利条件と、取引期間の決定条件とを含む金融商品であるといえる。そして、第1の金融商品は、所定の金利条件についての取引期間が固定された金融商品であるといえる。また、第2の金融商品は、取引期間の決定条件に関する金融商品であるといえる。尚、複合金融商品が当該仕組債以外の金融商品である場合には、これらとは異なる特性を含むものとなる。
【0025】
但し、複合金融商品は、第1の金融商品及び第2の金融商品それぞれの項目自体を単純に足し合わせたものではなく、第1の金融商品及び第2の金融商品それぞれの特性の一部分を含むものである。そのため、第1の金融商品及び第2の金融商品に共通する項目もあれば、いずれかにしか存在しない項目もある。さらに、複合金融商品における一の項目が第1の金融商品又は第2の金融商品における複数の項目に対応する場合もある。そのため、複合金融商品の項目数は、第1の金融商品及び第2の金融商品それぞれの項目数に比べて十分に少ないものとなる。また、第1の金融商品及び第2の金融商品の項目が共通する場合であっても、異なるデータとする必要もある。すなわち、これらを合わせて複合金融商品と同一の経済効果を奏するためには、第1の金融商品と第2の金融商品との間で、整合性を保つためのデータの加工が必要な場合もある。
【0026】
図1に戻り、説明する。複合取引情報管理システム100は、端末1と、取引受付システム2と、取引管理システム群3とを備える。端末1は、取引受付システム2に対して複合取引情報の入力を行う。端末1は、キーボードやマウス等の入力装置(不図示)と、画面等の表示装置(不図示)とを備える端末装置である。端末1は、例えば、通信機能を備え、WEBブラウザ等の表示アプリケーションを備えたパーソナルコンピュータであるとよい。
【0027】
取引受付システム2は、端末1等の外部から複合取引情報を受け付けて、当該複合取引情報の複合金融商品に対して予め定められた分解ロジックに基づいて、第1の金融商品の取引情報である第1の取引情報と、第2の金融商品の取引情報である第2の取引情報に分解して出力する情報システムである。取引受付システム2は、例えば、WEBアプリケーションにより実現される。ここで、分解ロジックとしては、複合金融商品と第1の金融商品及び第2の金融商品との項目の対応付けの定義や、データの補完処理、補正処理、第1の金融商品と第2の金融商品との間で入れ替えるデータの定義等を含む。尚、取引受付システム2の具体的なハードウェア構成については、図9にて後述する。尚、取引受付システム2は、1台又は複数台のコンピュータ装置により実現されるものである。また、取引受付システム2は、受付手段21と、取引情報生成手段22と、WSC(Web Service Client)231と、WSC232とを備える。
【0028】
受付手段21は、端末1から入力される複合取引情報を含む処理要求を受け付ける。そして、受付手段21は、受け付けた複合取引情報を取引情報生成手段22へ出力する。その際、受付手段21は、端末1に対してアクセス認証を行うことが望ましい。例えば、受付手段21は、端末1からユーザの識別情報を含む複合取引情報を受け付けた場合に、当該ユーザの識別情報に基づき、取引受付システム2における認証を行う。そして、受付手段21は、認証できた場合に、受け付けた複合取引情報を取引情報生成手段22へ出力する。尚、端末1からの処理要求として、例えば、複合取引情報の登録要求、更新要求、削除要求、契約中の途中解約要求及び承認要求等が含まれる。
【0029】
また、受付手段21は、端末1からのアクセス要求に対する応答として、複合取引情報の入力画面を返信するとよい。その場合、端末1の表示装置上に、当該入力画面が表示される。例えば、入力画面の項目としては、図2の各項目についてのデータ入力欄が含まれる。これにより、端末1を操作するユーザにおける複合取引情報の入力作業を支援することができる。但し、受付手段21は、少なくとも端末1から送信される複合取引情報を受け付けることができれば、実現手段は問わないものとする。つまり、受付手段21は、端末1から図2のデータを受け付けることができればよい。
【0030】
取引情報生成手段22は、受付手段21から出力された複合取引情報から第1の取引情報及び第2取引情報に分解する処理を行う。すなわち、取引情報生成手段22は、複合取引情報から、第1の金融商品の項目のうち受け付けた複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完して第1の取引情報を生成する。また、取引情報生成手段22は、複合取引情報から、第2の金融商品の項目のうち受け付けた複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完し、第1の取引情報に対応するデータを含めて第2の取引情報を生成する。また、取引情報生成手段22は、1の複合取引情報から2以上の取引情報に分解するものである。そのため、ここでは、第1の取引情報を親取引とし、第2の取引情報を親取引との整合性を保つためのデータを含む子取引とする。尚、子取引は、複数存在しても構わない。
【0031】
WSC231は、後述するWebサービスサーバであるWSS(Web Service Server)311との通信が可能なWebサービスクライアントである。すなわち、WSC231は、WSS311に対して、WSS311が処理可能な第1のデータ形式に基づく第1の処理要求に、取引情報生成手段22により生成された第1の取引情報を含めて送信する第1の処理要求手段といえる。さらに、WSC231は、受付手段21において複合取引情報に含まれるユーザの識別情報が認証された場合に、WSS311に対して、第1の処理要求に取引受付システム2の識別情報をさらに含めて送信する。
【0032】
また、WSC232は、後述するWebサービスサーバであるWSS321との通信が可能なWebサービスクライアントである。すなわち、WSC232は、WSS321に対して、WSS321が処理可能な第2のデータ形式に基づく第2の処理要求に、取引情報生成手段22により生成された第2の取引情報を含めて送信する第2の処理要求手段といえる。さらに、WSC232は、受付手段21において複合取引情報に含まれるユーザの識別情報が認証された場合に、WSS321に対して、第2の処理要求に取引受付システム2の識別情報をさらに含めて送信する。
【0033】
取引管理システム群3は、取引管理システム31及び32と、WEBサービスアクセス制限DB30とを備える。尚、取引管理システム群3は、一つの情報システム又は複数の情報システムの集合のいずれであっても構わない。但し、以降の説明では、便宜上、取引管理システム31と、取引管理システム32とは異なる情報システムであるものとして説明する。
【0034】
取引管理システム31及び32は、それぞれ単一の金融商品における取引情報を管理するための情報システムである。尚、取引管理システム31及び32の具体的なハードウェア構成については、図10にて後述する。取引管理システム31は、取引受付システム2より出力された第1の取引情報を入力し、これを管理する情報システムである。取引管理システム31は、WSS311と、取引処理手段312と、金融商品DB313とを備える。
【0035】
金融商品DB313は、第1の取引情報を管理するためのDBMS(DataBase Management System)及びデータを格納する記憶領域である。取引処理手段312は、外部からの処理要求に応じて、金融商品DB313に対するアクセスを行う。そして、WSS311は、取引処理手段312に対して外部からの処理要求と同等の処理要求を出力する。つまり、WSS311は、第1のデータ形式に基づく第1の処理要求を外部から受信し、当該第1の処理要求に基づいて、取引処理手段312を介して金融商品DB313に対して処理を行うWebサービスサーバである。ここで、第1のデータ形式とは、例えば、WSDL(Web Services Description Language)ファイルに定義された情報である。すなわち、上述したWSC231は、当該WSDLに基づく通信を行うものである。そのため、WSS311は、当該WSDLに基づく通信であれば、取引受付システム2に限らず、任意の外部のシステムから第1の処理要求を受信し、所定の処理を行うことができる。
【0036】
ここで、取引処理手段312及び金融商品DB313には、既存の単一の金融商品を管理するためのデータベースシステムを用いることが可能である。その場合、例えば、取引処理手段312へのアクセス要求を行うための専用のクライアントアプリケーションが存在するものとする。このとき、ユーザは、端末1内に搭載された当該クライアントアプリケーションを用いて、取引処理手段312を介して金融商品DB313にアクセスし、所定の処理を行うことができる。つまり、取引処理手段312及び金融商品DB313は、取引受付システム2以外の外部のシステム等からも利用されている可能性が高い。そのため、新規な金融商品を採用するに当たり、既存のデータベースシステムを用いるとしても、そのために、取引処理手段312及び金融商品DB313に改修を加えることは、困難である。その理由は、既存の外部のシステム等への影響が大きいためである。
【0037】
そこで、本発明の実施の形態1では、取引処理手段312及び金融商品DB313が既存の機能だとしても、これらに手を加えず、任意の外部のシステムからの処理要求を受け付け可能なWSS311を追加することで、既存のサービスを維持しつつ、新規な金融商品のためにも当該取引処理手段312及び金融商品DB313の機能を利用することを可能とした。そのため、取引受付システム2は、WSS311との通信が可能なWSC231を介して処理要求を行うようにするだけで、他の実装については、採用する金融商品に特化した処理を含めることが可能となり、実現可能な機能の自由度が高まる。加えて、既存の機能の再利用性が高まるため、新規な金融商品の採用に応じた開発コストを抑えることができる。特に、仕組債のような複雑な金融商品は、総取引数が既存の金融商品に比べて少なく、商品サイクルが短く、新たな金融商品が次々と開発される。そのため、既存の機能の再利用性を高めることの効果が大きい。
【0038】
また、取引管理システム32は、取引受付システム2より出力された第2の取引情報を入力し、これを管理する情報システムである。取引管理システム32は、WSS321と、取引処理手段322と、金融商品DB323とを備える。
【0039】
金融商品DB323は、第2の取引情報を管理するためのDBMS及びデータを格納する記憶領域である。取引処理手段322は、外部からの処理要求に応じて、金融商品DB323に対するアクセスを行う。そして、WSS321は、取引処理手段322に対して外部からの処理要求と同等の処理要求を出力する。つまり、WSS321は、第2のデータ形式に基づく第2の処理要求を外部から受信し、当該第2の処理要求に基づいて、取引処理手段322を介して金融商品DB323に対して処理を行うWebサービスサーバである。ここで、第2のデータ形式とは、例えば、WSDLファイルに定義された情報である。すなわち、上述したWSC232は、当該WSDLに基づく通信を行うものである。そのため、WSS321は、当該WSDLに基づく通信であれば、取引受付システム2に限らず、任意の外部のシステムから第2の処理要求を受信し、所定の処理を行うことができる。
【0040】
尚、取引処理手段322及び金融商品DB323に、既存の単一の金融商品を管理するためのデータベースシステムを用いることが可能である。すなわち、取引管理システム32における本発明の実施の形態1に関係する構成の詳細や特徴は、取引管理システム31と同等であるため、詳細な説明を省略する。
【0041】
このように、WSS311及び321を一度、開発するだけで、以降の複合金融商品においては、WSS311及び321を改修することなく、これらの処理要求元であるWSC231及び232を流用することにより、既存システムの再利用性を高め、新たな複合金融商品に対応したシステムの開発を容易にすることができる。
【0042】
WEBサービスアクセス制限DB30は、WSS311又はWSS321を介した処理を許可する外部システムの識別情報を格納する記憶装置である。そして、WSS311は、WSC231から受信した第1の処理要求に含まれる取引受付システム2の識別情報に基づき、WEBサービスアクセス制限DB30を参照し、取引受付システム2がWSS311を介した処理を許可されているか否かを判定し、許可されていると判定した場合に、第1の処理要求に含まれる第1の取引情報を用いて金融商品DB313に対して処理を行う。これにより、ユーザ単位の既存システムへのアクセス権限の管理が不要となり、管理負担を軽減することができる。
【0043】
例えば、取引処理手段312及び金融商品DB313は、既存システムであるため、取引受付システム2とは異なるアクセス権限の管理が必要である場合が多い。しかし、複合取引情報管理システム100を含む金融機関における情報システムのユーザは、人数が多いため、店舗や部署異動に伴う各情報システムのアクセス権限の更新頻度も多い。また、各ユーザについての複数のシステムにおけるアクセス権限の管理は、通常、シングルサインオン等の技術を用いることが多い。しかし、シングルサインオンでは、取引管理システム31に対する処理要求の度に、アクセス権限を管理するサーバへのアクセスが発生し、本来の処理に対する応答時間に影響が出る場合もある。そのため、アクセス権限管理のための通信負荷を抑える必要性が高い。
【0044】
ここで、取引受付システム2は、端末1を操作するユーザからのアクセス認証を行った上で、取引管理システム群3への処理要求を行う。そのため、取引受付システム2からのアクセスについては、信頼性が高いと言える。そこで、本発明の実施の形態1にかかるWEBサービスアクセス制限DB30は、ユーザごとの権限管理ではなく、処理要求元のシステムを識別することにより、アクセス権限を管理するためのものである。これにより、ユーザの異動に伴うアクセス権限の更新は、取引受付システム2に対して行うことで、取引管理システム群3に対する権限管理を併せて行うことができる。そして、取引受付システム2においては、シングルサインオンなどの仕組を適用することでより効率的に、かつ、実質的に権限を一元管理することができる。尚、システムの識別情報としては、例えば、IPアドレスやホスト名(コンピュータ名)、システム名等が挙げられる。
【0045】
さらに、WEBサービスアクセス制限DB30は、外部システムの識別情報をWSS311が受信する処理要求の種別ごとに関連付けて記憶することが望ましい。処理要求の種別ごととは、例えば、WEBサービスにおける各イベントが挙げられる。そして、WSS311は、WSC231から受信した第1の処理要求の種別に基づき、WEBサービスアクセス制限DB30を参照し、取引受付システム2がWSS311を介した処理を許可されているか否かを判定し、許可されていると判定した場合に、第1の処理要求に含まれる第1の取引情報を用いて金融商品DB313に対して処理を行う。また、上述したことは、WSS321についても同様である。但し、WEBサービスアクセス制限DB30は、少なくともWSS311を介した処理を許可する外部システムの識別情報を格納していればよい。
【0046】
図3は、本発明の実施の形態1にかかるWebサービスのアクセス制限情報の例を示す図である。図3では、サービス名が2種類、個々のサービスに対応したイベント名が5種類存在する場合に、これらのサービス名とイベント名の組合せについて処理の許可有無が定義されていることを示す。例えば、SYSTEM_Xには、フロント業務を行うユーザのみがアクセス可能で、SYSTEM_Yには、バック業務を行うユーザのみがアクセス可能であるものとする。そして、削除要求(delete_A)や途中解約要求(terminate_A)といったイベントは、バック業務のみで行われるため、SYSTEM_Yからの処理要求である場合のみ、許可することを示す。このように、業務に応じてアクセス可能な取引受付システム2を分けることで、容易に、処理可能なイベントの制御をすることができる。
【0047】
ここで、図4は、本発明の実施の形態1にかかる親取引(スワップ)の項目の例を示す図である。つまり、複合金融商品が図2に示した仕組債である場合に、親取引をスワップ取引とし、図示した大項目により表現することを示す。尚、上述したように親取引の項目数は、分割前の複合金融商品の項目数より多くなるため、親取引における小項目の詳細は、省略し、各大項目内の小項目数のみを示す。つまり、取引情報生成手段22は、第1の取引情報を生成する場合に、図4の親取引の項目のうち図2の複合取引情報の各項目と特性が一致する項目に対してそのデータを含める。また、取引情報生成手段22は、親取引の項目のうち複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完する。
【0048】
図5は、本発明の実施の形態1にかかる取引情報の項目毎の生成方法の例を示す図である。ここでは、図4の大項目である基本情報における小項目の一部を示し、かつ、小項目ごとのデータの生成方法を例示する。例えば、「担当者」については、取引情報生成手段22は、図2の「担当者」に入力されたデータをそのまま第1の取引情報に含めて設定する。また、「所属部署」及び「営業所」については、取引情報生成手段22は、担当者における所属部署及び営業所等の情報を格納するデータベース(不図示)から所属部署及び営業所等を取得し、第1の取引情報に含めることにより補完を行う。また、「グループ名」については、取引情報生成手段22は、前記データベースに予めデフォルト値として登録されたグループ名を取得し、第1の取引情報に含めることにより補完を行う。このように、取引情報生成手段22は、図2の「担当者」に入力されたデータに基づき、その他の項目におけるデータを補完して第1の取引情報を生成する。これにより、端末1を操作するユーザが入力するデータ量が減少するため、入力負担を軽減することができる。なお、基本情報以外の大項目についても、複合金融商品に含まれない項目におけるデータについては、適宜、補完されるものとする。
【0049】
また、図6は、本発明の実施の形態1にかかる子取引(スワップション)の項目の例を示す図である。つまり、図4と同様に、複合金融商品が図2に示した仕組債である場合に、子取引をスワップション取引とし、図示した大項目により表現することを示す。尚、図6の基本情報、休日参照都市情報及び手数料情報については、取引情報生成手段22は、概ね親取引と同等の補完処理等を行うため、説明を省略する。
【0050】
また、図6のオプション情報、プレミアム情報及びオプション休日参照都市情報については、子取引であるスワップション取引のみの項目である。これらの項目については、取引情報生成手段22は、主に、図2の「コール条件」に入力されたデータに基づき、その他の項目におけるデータを補完して第2の取引情報を生成する。逆に、親取引であるスワップ取引には、「コール条件」に対応する項目が存在しない。ここで、「コール条件」とは、取引期間の決定条件と呼ぶことができる。そのため、第1の取引情報は、複合取引情報から取引期間の決定条件の特性を除き、取引期間を固定して生成された情報といえる。言い換えると、取引情報生成手段22は、複合取引情報に含まれる日付のデータを固定期間となるように補正して第1の取引情報を生成する。一方、取引情報生成手段22は、複合取引情報に含まれる取引期間の決定条件を用いて第2の取引情報を生成する。
【0051】
ここで、図4の親取引と図6の子取引では大項目であるクーポン及びコストが共通する。また、図2の複合金融商品にもクーポン及びコストが存在する。しかし、親取引と子取引について、取引情報生成手段22は、クーポン及びコストのデータを異なるものとする。その点を図7及び図8を用いて説明する。
【0052】
図7は、本発明の実施の形態1にかかる生成される親取引情報の一部(クーポン及びコスト)の例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態1にかかる生成される子取引情報の一部(クーポン及びコスト)の例を示す図である。例えば、図2のクーポンのレートについて、取引情報生成手段22は、図7の親取引においてはクーポンの金利として設定し、また、図8の子取引においてはコストの金利として設定することを示す。逆に、図2のコストのレートについて、取引情報生成手段22は、図7の親取引においてはコストの金利として設定し、また、図8の子取引においてはクーポンの金利として設定することを示す。つまり、取引情報生成手段22は、親取引と子取引との間の整合性を保つように、両取引に分解する。さらに、取引情報生成手段22は、図2の開始日、終了日、クーポンのロール月及びロール日を用いて、図7及び図8のクーポン及びコストの金利期間情報を算出する。このとき、取引情報生成手段22は、図2の初回利払日と同日又は直近の日付を親取引の金利期間情報の値とする。また、取引情報生成手段22は、利払サイクル月数の日付を考慮して子取引の金利期間情報の値とする。
【0053】
まとめると、次のようになる。まず、取引情報生成手段22は、第1の金融商品の項目のうち複合金融商品に含まれる項目におけるデータを、第1の金融商品の項目に対応するように補正して第1の取引情報を生成する。一方、取引情報生成手段22は、第1の取引情報の逆取引となるデータを含めて第2の取引情報を生成する。これにより、このような第1の取引情報と第2の取引情報の関係となるような入力をユーザが逐次判断して入力することなく、本発明の実施の形態1により、複数の取引情報について整合性を保つように生成することができる。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態1にかかる取引受付システム2のハードウェア構成を示すブロック図である。取引受付システム2は、CPU(Central Processing Unit)201と、RAM(Random Access Memory)202と、ROM(Read Only Memory)203と、通信部204と、ハードディスク205とを備える。また、ハードディスク205は、不揮発性記憶装置であり、OS(Operating System)251、WEBサーバプログラム252、WEBアプリケーションプログラム253、WEBサービスクライアントプログラム254及び255が格納されている。
【0055】
OS251及びWEBサーバプログラム252は、周知のコンピュータプログラムであるため、説明を省略する。WEBアプリケーションプログラム253は、図1の受付手段21及び取引情報生成手段22を実現するためのコンピュータプログラムである。特に、WEBアプリケーションプログラム253には、上述した分解ロジックが実装されている。但し、当該分解ロジックは、別のプログラムモジュール(不図示)であってもよい。また、WEBサービスクライアントプログラム254及び255は、それぞれWSC231及び232を実現するためのコンピュータプログラムである。
【0056】
CPU201は、取引受付システム2における各種処理、RAM202、ROM203、通信部204及びハードディスク205へのアクセス等を制御する。通信部204は、端末1及び取引管理システム群3との通信を行う。取引受付システム2は、CPU201が、RAM202、ROM203又はハードディスク205に格納されたOS251、WEBサーバプログラム252、WEBアプリケーションプログラム253、WEBサービスクライアントプログラム254及び255を読み込み、実行する。これにより、取引受付システム2は、取引管理システム群3に複合取引情報の処理を行わせることができる。尚、取引受付システム2は、複数台に分散して実現されても構わない。
【0057】
図10は、本発明の実施の形態1にかかる取引管理システム31のハードウェア構成を示すブロック図である。尚、取引管理システム32についても同等であるため、図示及び説明を省略する。取引管理システム31は、CPU(Central Processing Unit)301と、RAM(Random Access Memory)302と、ROM(Read Only Memory)303と、通信部304と、ハードディスク305とを備える。また、ハードディスク305は、不揮発性記憶装置であり、OS(Operating System)351、金融商品DB352、取引処理プログラム353及びWEBサービスサーバプログラム354が格納されている。
【0058】
OS351は、周知のコンピュータプログラムであるため、説明を省略する。金融商品DB352は、図1の金融商品DB313に対応するデータ及びDBMSである。また、取引処理プログラム353は、取引処理手段312を実現するためのコンピュータプログラムである。また、WEBサービスサーバプログラム354は、WSS311を実現するためのコンピュータプログラムである。
【0059】
CPU301は、取引管理システム31における各種処理、RAM302、ROM303、通信部304及びハードディスク305へのアクセス等を制御する。通信部304は、端末1、取引受付システム2、取引管理システム32及びWEBサービスアクセス制限DB30との通信を行う。取引管理システム31は、CPU301が、RAM302、ROM303又はハードディスク305に格納されたOS351、取引処理プログラム353及びWEBサービスサーバプログラム354を読み込み、実行する。これにより、取引管理システム31は、金融商品DB313に対する処理要求を行うことができる。尚、取引管理システム31は、複数台に分散して実現されても構わない。
【0060】
図11は、本発明の実施の形態1にかかる仕組債登録処理の流れを示すシーケンス図である。まず、受付手段21は、端末1から複合取引情報の入力を受け付ける(S101)。次に、取引情報生成手段22は、複合取引情報から複数の取引情報に分解する(S102)。そして、WSC231は、親取引における取引情報の登録要求を送信する(S103)。すなわち、WSC231は、WSS311に対して、生成した第1の取引情報を含めて第1のデータ形式に基づく第1の登録要求を送信する。
【0061】
続いて、取引管理システム31は、親取引の登録処理を行う(S104)。すなわち、まず、WSS311は、WSC231から第1の登録要求を受信する。次に、WSS311は、当該第1の登録要求に含まれる第1の取引情報を、取引処理手段312を用いて金融商品DB313へ登録する。このとき、取引処理手段312は、登録された第1の取引情報に対して取引識別情報を発行する。そして、WSS311は、発行された取引識別情報をWSC231へ返信する(S105)。
【0062】
そして、WSC231は、WSS311から取引識別情報を受信する。ここで、WSC232は、取引識別情報を含む子取引における取引情報の登録要求を送信する(S106)。すなわち、WSC232は、WSC231がWSS311から取引識別情報を受信した場合に、WSS321に対して、当該取引識別情報と生成した第2の取引情報とを含めて第2のデータ形式に基づく第2の登録要求を送信する。
【0063】
その後、取引管理システム32は、子取引の登録処理を行う(S107)。すなわち、まず、WSS321は、WSC232から第2の登録要求を受信する。次に、WSS321は、当該第2の登録要求に含まれる第2の取引情報を当該第2の登録要求に含まれる取引識別情報に関連付けて、取引処理手段322を用いて金融商品DB323へ登録する。
【0064】
そして、WSS321は、WSC232へ処理結果を返信する(S108)。その後、WSC232は、WSS321から処理結果を受信する。そして、受付手段21は、端末1に対して処理結果を出力する(S109)。
【0065】
このように、金融商品DB313及び金融商品DB323を用いて、分解した第1及び第2の取引情報を登録することにより、実質的に複合取引情報の登録が可能となる。
【0066】
図12は、本発明の実施の形態1にかかる取引受付システムの処理要求の受付処理の流れを示すフローチャートである。まず、受付手段21は、端末1から複合取引情報を含む処理要求を受け付ける。このとき、処理要求は、複合取引情報の登録要求又は更新要求等である。
【0067】
次に、受付手段21は、複合取引情報からユーザの識別情報を抽出する。そして、受付手段21は、ユーザ認証処理を行う(S201)。すなわち、受付手段21は、取引受付システム2において当該ユーザ識別情報がアクセスを許可されているか否かを判定する。例えば、シングルサインオン機能を利用しても構わない。
【0068】
次に、受付手段21は、認証が成功したか否かを判定する(S202)。認証が失敗したと判定した場合、受付手段21は、端末1に対して認証失敗の旨を返信する(S208)。そして、当該受付処理を終了する。
【0069】
ステップS202において、認証が成功したと判定した場合、取引情報生成手段22は、複合取引情報から複数の取引情報に分解する。すなわち、取引情報生成手段22は、受付手段21から出力された複合取引情報から第1の取引情報である親取引情報を生成する(S203)。このとき、取引情報生成手段22は、生成した親取引情報を含めて、第1のデータ形式に基づく処理要求を生成する。そして、WSC231は、生成した親取引情報の処理要求をWSS311へ送信する(S204)。また、取引情報生成手段22は、受付手段21から出力された複合取引情報から第2の取引情報である子取引情報を生成する(S205)。このとき、取引情報生成手段22は、生成した子取引情報を含めて、第2のデータ形式に基づく処理要求を生成する。尚、処理要求が更新要求である場合、ステップS203及びS205では、それぞれ親取引情報及び子取引情報の更新情報を生成する。
【0070】
そして、WSC232は、ステップS204及びS205の後、子取引情報の処理要求をWSS321に対して送信する(S206)。ここで、処理要求が登録要求である場合、WSC232は、子取引情報が生成され、かつ、WSC231がWSS311から取引識別情報を受信後に、送信する。その後、WSC232がWSS321から処理結果を受信した後に、受付手段21は、処理結果を端末1に対して返信する(S207)。そして、当該受付処理を終了する。
【0071】
図13は、本発明の実施の形態1にかかる取引管理システム31の処理要求に応じた処理の流れを示すフローチャートである。尚、取引管理システム32についても同等の処理であるため、図示及び説明を省略する。
【0072】
まず、WSS311は、WSC231から処理要求を受信する(S301)。つまり、WSS311は、第1のデータ形式に基づく処理要求を受信する。次に、WSS311は、処理要求元の取引受付システム2にWEBサービスの利用が許可されているか否かを判定する(S302)。具体的には、WSS311は、受信した処理要求を解析し、サービス名及びイベント名並びに取引受付システム2のIPアドレス又はシステム名を抽出する。そして、WSS311は、WEBサービスアクセス制限DB30を参照し、抽出したサービス名及びイベント名並びにIPアドレス又はシステム名の組合せが登録されているか否かを判定する。
【0073】
ステップS302において、取引受付システム2にWEBサービスの利用が許可されていると判定した場合、WSS311は、受信した取引情報を処理する(S303)。すなわち、WSS311は、取引処理手段312を用いて金融商品DB313へ受信した取引情報に関する処理を行う。
【0074】
その後、WSS311は、処理結果をWSC231へ返信する(S304)。このとき、処理要求が登録要求である場合、取引処理手段312は、登録した取引情報における取引識別情報を発行する。そして、WSS311は、処理結果に取引識別情報を含めて返信する。
【0075】
ステップS302において、取引受付システム2にWEBサービスの利用が許可されていないと判定した場合、WSS311は、処理不可の旨をWSC231へ返信する(S305)。その後、当該処理要求に応じた処理を終了する。
【0076】
図14は、本発明の実施の形態1にかかる複合取引情報管理システムの応用例の全体構成を示すブロック図である。複合取引情報管理システム101は、複合取引情報管理システム100に構成要素を追加したものである。すなわち、図1に比べて、取引受付システム2aが追加され、取引管理システム群3が取引管理システム群3aに変更したものである。以下、図1との違いを中心に説明し、同一の構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0077】
取引管理システム群3aは、取引管理システム群3に取引管理システム33が追加されたものである。取引管理システム33は、第3の金融商品における第3の取引情報を管理するための情報システムである。尚、取引管理システム33は、WSS331、取引処理手段332及び金融商品DB333を備えるが、それぞれ、取引管理システム31又は32が備える構成要素に対応する。但し、WSS331は、第3のデータ形式に基づく処理要求についてのみ処理を行う。
【0078】
取引受付システム2aは、取引受付システム2とは異なり、第2の金融商品及び第3の金融商品に分解可能な複合金融商品の取引情報を受け付けるための情報システムである。尚、取引受付システム2aは、受付手段21a、取引情報生成手段22a、WSC231a及び232aを備えるが、それぞれ、取引受付システム2が備える構成要素に対応する。但し、取引情報生成手段22aは、受け付けた複合取引情報から第2の取引情報及び第3の取引情報に分解する。そして、WSC231aは、WSC232と同じくWSS321に対する処理要求を行うWebサービスクライアントである。つまり、WSC231aには、WSC232が流用可能である。また、WSC232aは、第3のデータ形式に基づく処理要求をWSS331に対して送信するWebサービスクライアントである。
【0079】
このように、本発明の実施の形態1を応用すると、複合取引情報管理システム101のように、既存の複合金融商品と一部の条件が異なるような新規の複合金融商品を採用する場合であっても、情報システムの開発コストを抑えることができる。例えば、取引処理手段332及び金融商品DB333に、既存の単一の金融商品を管理するためのデータベースシステムを用いることができる。その場合、新規開発する構成要素は、WSS331、WSC232a、取引情報生成手段22a及び受付手段21aとなる。そのため、複合取引情報管理システム100を開発した時に比べて、さらに開発コストを抑えることができる。
【0080】
<その他の発明の実施の形態>
尚、本発明の実施の形態は、さらに以下の構成を備えても構わない。まず、取引情報生成手段22は、複合取引情報を登録する場合には、当該複合取引情報が取引期間の決定条件に基づき最も短い期間に決定された場合の取引期間となるように第1の取引情報を生成する。また、取引情報生成手段22は、複合取引情報が前記取引期間の決定条件に基づき最も短い期間に決定されなかった場合には、当該取引期間を延長するように第1の取引情報を生成するとよい。これにより、第2の取引情報における権利行使等により第1の取引情報の内容を自動的に対応させることができる。つまり、ユーザの入力負担をさらに軽減することができる。
【0081】
さらには、次のようにしてもよい。まず、取引情報生成手段22は、複合取引情報における一部の契約が確定した場合に、未確定の契約に基づき、第1の取引情報及び第2の取引情報の更新情報を生成する。次に、WSC231は、WSS311に対して、生成した第1の取引情報の更新情報を含めて第1のデータ形式に基づく第1の更新要求を送信する。このとき、WSS311は、第1の更新要求を受信した場合に、当該第1の更新要求に含まれる第1の取引情報の更新情報に基づき金融商品DB313に登録された第1の取引情報を更新する。そして、WSC232は、取引識別情報と生成した第2の取引情報の更新情報とを含めて第2のデータ形式に基づく第2の更新要求を送信する。このとき、WSS321は、第2の更新要求を受信した場合に、当該第2の更新要求に含まれる第2の取引情報の更新情報及び当該第2の更新要求に含まれる取引識別情報に基づき、金融商品DB323に登録された第2の取引情報を更新するとよい。これにより、分解された複数の取引情報間のスケジュールの整合性を保つことができ、実質的に複合取引情報の管理を容易にすることができる。
【0082】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
100 複合取引情報管理システム
101 複合取引情報管理システム
1 端末
2 取引受付システム
2a 取引受付システム
21 受付手段
21a 受付手段
22 取引情報生成手段
22a 取引情報生成手段
231 WSC(Web Service Client)
231a WSC
232 WSC
232a WSC
3 取引管理システム群
3a 取引管理システム群
30 WEBサービスアクセス制限DB
31 取引管理システム
311 WSS(Web Service Server)
312 取引処理手段
313 金融商品DB
32 取引管理システム
321 WSS
322 取引処理手段
323 金融商品DB
33 取引管理システム
331 WSS
332 取引処理手段
333 金融商品DB
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 通信部
205 ハードディスク
251 OS
252 WEBサーバプログラム
253 WEBアプリケーションプログラム
254 WEBサービスクライアントプログラム
255 WEBサービスクライアントプログラム
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 通信部
305 ハードディスク
351 OS
352 金融商品DB
353 取引処理プログラム
354 WEBサービスサーバプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能な複合金融商品の取引情報である複合取引情報を管理する複合取引情報管理システムであって、
前記複合取引情報を外部から受け付けて、当該複合取引情報の複合金融商品に対して予め定められた分解ロジックに基づいて、前記第1の金融商品の取引情報である第1の取引情報と、前記第2の金融商品の取引情報である第2の取引情報に分解して出力する取引受付システムと、
前記取引受付システムより出力された第1の取引情報を入力し、これを管理する第1の取引管理システムと、
前記取引受付システムより出力された第2の取引情報を入力し、これを管理する第2の取引管理システムと、を備え、
前記取引受付システムは、前記第1の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完して前記第1の取引情報を生成し、前記第2の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完し、前記第1の取引情報に対応するデータを含めて前記第2の取引情報を生成する取引情報生成手段を備えることを特徴とする複合取引情報管理システム。
【請求項2】
前記第1の取引管理システムは、
第1のデータ形式に基づく第1の処理要求を外部から受信し、当該第1の処理要求に基づいて、前記第1の取引情報を管理するための第1のデータベースに対して処理を行う第1のIF手段を備え、
前記第2の取引管理システムは、
第2のデータ形式に基づく第2の処理要求を外部から受信し、当該第2の処理要求に基づいて、前記第2の取引情報を管理するための第2のデータベースに対して処理を行う第2のIF手段を備え、
前記取引受付システムは、
前記第1のIF手段に対して、前記第1の処理要求に前記生成された第1の取引情報を含めて送信する第1の処理要求手段と、
前記第2のIF手段に対して、前記第2の処理要求に前記生成された第2の取引情報を含めて送信する第2の処理要求手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項3】
前記第1の処理要求手段は、前記第1のIF手段に対して、前記生成した第1の取引情報を含めて前記第1のデータ形式に基づく第1の登録要求を送信し、
前記第1のIF手段は、前記第1の登録要求を受信した場合に、当該第1の登録要求に含まれる第1の取引情報を前記第1のデータベースへ登録し、登録された第1の取引情報に対して発行された取引識別情報を前記第1の処理要求手段へ返信し、
前記第2の処理要求手段は、前記第1の処理要求手段が前記第1のIF手段から前記取引識別情報を受信した場合に、前記第2のIF手段に対して、当該取引識別情報と前記生成した第2の取引情報とを含めて前記第2のデータ形式に基づく第2の登録要求を送信し、
前記第2のIF手段は、前記第2の登録要求を受信した場合に、当該第2の登録要求に含まれる第2の取引情報を当該第2の登録要求に含まれる取引識別情報に関連付けて前記第2のデータベースへ登録することを特徴とする請求項2に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項4】
前記取引受付システムは、ユーザの識別情報を含む前記複合取引情報を外部から受け付けた場合に、当該ユーザの識別情報に基づき、当該取引受付システムにおける認証を行う認証手段をさらに備え、
前記第1の処理要求手段は、前記認証手段により認証された場合に、前記第1のIF手段に対して、前記第1の処理要求に前記取引受付システムの識別情報をさらに含めて送信し、
前記複合取引情報管理システムは、前記第1のIF手段を介した処理を許可する外部システムの識別情報を格納する記憶部をさらに備え、
前記第1のIF手段は、前記第1の処理要求手段から受信した第1の処理要求に含まれる前記取引受付システムの識別情報に基づき、前記記憶部を参照し、当該取引受付システムが当該第1のIF手段を介した処理を許可されているか否かを判定し、許可されていると判定した場合に、前記第1の処理要求に含まれる前記第1の取引情報を用いて前記第1のデータベースに対して処理を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記外部システムの識別情報を前記第1のIF手段が受信する処理要求の種別ごとに関連付けて記憶し、
前記第1のIF手段は、前記第1の処理要求手段から受信した第1の処理要求の種別に基づき、前記記憶部を参照し、当該取引受付システムが前記第1のIF手段を介した処理を許可されているか否かを判定し、許可されていると判定した場合に、前記第1の処理要求に含まれる前記第1の取引情報を用いて前記第1のデータベースに対して処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項6】
前記取引情報生成手段は、前記第1の金融商品の項目のうち前記複合金融商品に含まれる項目におけるデータを、前記第1の金融商品の項目に対応するように補正して前記第1の取引情報を生成し、前記第1の取引情報の逆取引となるデータを含めて前記第2の取引情報を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項7】
前記複合金融商品は、所定の金利条件と、取引期間の決定条件とを含む金融商品であり、
前記第1の金融商品は、前記所定の金利条件についての取引期間が固定された金融商品であり、
前記第2の金融商品は、前記取引期間の決定条件に関する金融商品であり、
前記取引情報生成手段は、前記複合取引情報に含まれる日付のデータを固定期間となるように補正して前記第1の取引情報を生成し、前記複合取引情報に含まれる取引期間の決定条件を用いて前記第2の取引情報を生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項8】
前記取引情報生成手段は、
前記複合取引情報を登録する場合には、当該複合取引情報が前記取引期間の決定条件に基づき最も短い期間に決定された場合の取引期間となるように前記第1の取引情報を生成し、
前記複合取引情報が前記取引期間の決定条件に基づき最も短い期間に決定されなかった場合には、当該取引期間を延長するように前記第1の取引情報を生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項9】
前記取引情報生成手段は、前記複合取引情報における一部の契約が確定した場合に、未確定の契約に基づき、前記第1の取引情報及び前記第2の取引情報の更新情報を生成し、
前記第1の処理要求手段は、前記第1のIF手段に対して、前記生成した第1の取引情報の更新情報を含めて前記第1のデータ形式に基づく第1の更新要求を送信し、
前記第1のIF手段は、前記第1の更新要求を受信した場合に、当該第1の更新要求に含まれる第1の取引情報の更新情報に基づき前記第1のデータベースに登録された第1の取引情報を更新し、
前記第2の処理要求手段は、前記取引識別情報と前記生成した第2の取引情報の更新情報とを含めて前記第2のデータ形式に基づく第2の更新要求を送信し、
前記第2のIF手段は、前記第2の更新要求を受信した場合に、当該第2の更新要求に含まれる第2の取引情報の更新情報及び当該第2の更新要求に含まれる取引識別情報に基づき、前記第2のデータベースに登録された第2の取引情報を更新することを特徴とする請求項8に記載の複合取引情報管理システム。
【請求項10】
第1の金融商品と第2の金融商品の特性に分解可能な複合金融商品の取引情報である複合取引情報を外部から受け付ける取引受付システムと、
前記第1の金融商品の取引情報である第1の取引情報を管理する第1の取引管理システムと、
前記第2の金融商品の取引情報である第2の取引情報を管理する第2の取引管理システムと、を用いて、
前記複合取引情報を管理する複合取引情報管理方法であって、
前記取引受付システムにおいて、前記外部から受け付けた前記複合取引情報から、当該複合取引情報の複合金融商品に対して予め定められた分解ロジックに基づいて、前記第1の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完して前記第1の取引情報を生成し、
前記取引受付システムにおいて、前記複合取引情報から、前記分解ロジックに基づいて、前記第2の金融商品の項目のうち受け付けた前記複合金融商品に含まれない項目におけるデータを補完し、前記第1の取引情報に対応するデータを含めて前記第2の取引情報を生成し、
前記取引受付システムにおいて、前記生成した第1の取引情報を前記第1の取引管理システムに対して出力し、
前記第1の取引管理システムにおいて、前記取引受付システムより出力された第1の取引情報を入力し、当該入力された第1の取引情報について、当該第1の取引情報を管理するための第1のデータベースに対して処理を行い、
前記取引受付システムにおいて、前記生成した第2の取引情報を前記第2の取引管理システムに対して出力し、
前記第2の取引管理システムにおいて、前記取引受付システムより出力された第2の取引情報を入力し、当該入力された第2の取引情報について、当該第2の取引情報を管理するための第2のデータベースに対して処理を行う複合取引情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−38123(P2012−38123A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178333(P2010−178333)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)