複合超音波処置の方法とシステム
【課題】改良された複合超音波処置システムを提供する。
【解決手段】複合超音波処置のための非侵襲的方法およびシステムが提供される。例示的な複合超音波処置システムは、目的の領域に2つ以上のエネルギー効果を提供するための超音波エネルギーを伝達するように構成されたトランスデューサー302を備える。該エネルギー効果は、該目的の領域の1つ以上の反応を起こすことを促進する。本発明の例示的な実施形態に従って、トランスデューサー302は、エネルギー効果を提供し、かつ、目的の領域に反応を起こすために様々な時間的な、および/あるいは空間的な分布にエネルギーを伝達するように構成される。
【解決手段】複合超音波処置のための非侵襲的方法およびシステムが提供される。例示的な複合超音波処置システムは、目的の領域に2つ以上のエネルギー効果を提供するための超音波エネルギーを伝達するように構成されたトランスデューサー302を備える。該エネルギー効果は、該目的の領域の1つ以上の反応を起こすことを促進する。本発明の例示的な実施形態に従って、トランスデューサー302は、エネルギー効果を提供し、かつ、目的の領域に反応を起こすために様々な時間的な、および/あるいは空間的な分布にエネルギーを伝達するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的に処置の超音波方法とシステムに関し、特に、複合超音波処置の方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
表面のヒト組織に対する、エネルギーの多くの従来の適用は、アブレーティブな、あるいは非アブレーティブなレーザー、無線周波数、あるいは超音波を使用する。そのような適用のいくつかの最近の例は、Knowltonの特許文献1(しわとりのために無線周波数(RF)、マイクロウェーブ、超音波を使用すること)、Friedmanの特許文献2(脂肪分解のために超音波を使用すること)、Klopotekの特許文献3および特許文献4(コラーゲンの再編成のために超音波を使用すること)に開示されたものを含む。表面のアブレーティブなレーザーは、真皮および角質層などの皮膚の上層に深刻な外傷を作り、長期にわたる回復期間およびその結果として起こる皮膚の復活を実現するが、医療的な有効性および結果は意義深い。非アブレーティブなレーザーおよびRFエネルギーソースは、皮膚の上層に深刻な外傷は作らないが、そのようなソースの有効性は低く、最終的な結果は満足なものではない。
【0003】
過去10年間、深い脂肪層の容積的なアブレーションに対する脂肪分解処置に超音波を使用する試みがなされてきた。そのような研究の試みの実験結果は、容積の点で脂肪破壊の潜在的有望性を示すが、そのような超音波処置の目的は、初期の表面層のあらゆる復活よりもむしろ、脂肪層の厚みを減らすことのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,381,498号明細書
【特許文献2】米国特許第6,626,854号明細書
【特許文献3】米国特許第6,113,559号明細書
【特許文献4】米国特許第6,325,769号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、いくつか提案されているセラピー方法は、皮膚のしわを減らすための主な目標としてのコラーゲン再編成を目指し、その中には結合性の組織再生の使用を主な目標および生物学的反応として含む。しかし、コラーゲン再編成の特定の目標設定は、組織復活の唯一の、あるいは重要な要素でさえもないかもしれない。例えば、ダイオードレーザーおよび強度のパルスライト(IPL)は、とても高い特異性でコラーゲンに目標を定めているが、一般的に混成の、あるいは低い有効性の結果を生む。さらに、RFエネルギーデポジションは、一般的に、アプリケータープローブに向う高い勾配を伴う容積的なものであり、基本的に、処置された組織の電気的インピーダンスに依存するエネルギーの選択および配置に難点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明の様々な側面に従って、複合超音波処置の非侵襲的方法およびシステムが提供される。例示的な複合超音波処置の方法とシステムは、目的の領域に2つ以上のエネルギー効果を提供するための超音波エネルギーを伝達するように構成されたトランスデューサーを含む。エネルギー効果は、目的の領域の1つ以上の反応を起こすことを助長する。
【0007】
本発明の例示的な実施形態に従って、トランスデューサーは、目的の領域にエネルギー効果を提供し、反応を起こすために様々な時間的な、および/あるいは空間的な分布でエネルギーを伝達するように構成される。例えば、例示的なトランスデューサーは、1つ以上の周波数範囲で作動されることにより、2つ以上のエネルギー効果を提供し、目的の領域で1つ以上の反応を起こす。加えて、トランスデューサーは、また、目的の領域に平面的な、デフォーカスされた、および/あるいはフォーカスされたエネルギーを伝達することにより、2つ以上のエネルギー効果を提供し、1つ以上の生物学的反応を起こすように構成され得る。
例えば、本願発明は以下を提供する:
(項目1)
処置を提供するように構成された超音波システムであって、
目的の領域に少なくとも2つのエネルギー効果を提供するように構成されたトランスデューサーを備え、上記少なくとも2つのエネルギー効果は上記目的の領域の少なくとも1つの反応を促進するように構成されている、超音波システム。
(項目2)
上記エネルギー効果は、少なくとも2つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目3)
上記少なくとも1つの反応は、少なくとも1つの止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目4)
上記目的の領域は、患者の少なくとも1つの表面の、皮下の、および内部の領域を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目5)
上記トランスデューサーは、様々な厚みのトランスダクション要素を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目6)
上記トランスデューサーは、所望される反応のための適切な出力を提供するための2つ以上の周波数と励起した、単一ブロードバンドトランスデューサーを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目7)
上記トランスデューサーは、少なくとも2つのトランスデューサーを含み、
第1のトランスデューサーは低周波処置のために構成され、第2のトランスデューサーは、高周波処置のために構成されている、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目8)
上記トランスデューサーは、フォーカスされた処置を提供するために構成されたアレイを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目9)
上記トランスデューサーは、電気的なフォーカシングアレイを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目10)
上記トランスデューサーは、環状のアレイを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目11)
上記少なくとも2つのエネルギー効果は、上記目的の領域の少なくとも2つの反応を助長するように構成されている、項目1に記載の超音波システム。
(項目12)
上記超音波処置システムは、さらに、上記トランスデューサーと上記目的の領域との間の音響カップリングのために構成されたカップリングシステムを含む、項目1に記載の超音波システム。
(項目13)
上記カップリングシステムは、上記超音波処置システムの熱エネルギー効果の制御を助長するように目的の領域に最も近いインターフェース表面の制御冷却のために構成されている、項目12に記載の超音波システム。
(項目14)
上記超音波処置システムは、少なくとも1つのセラピー、イメージング、および組織パラメータモニタリングを提供するために構成されている、項目1に記載の超音波システム。
(項目15)
上記超音波処置システムは、複合セラピーおよびイメージング処置を提供するために構成されている、項目14に記載の超音波システム。
(項目16)
目的の領域の複合超音波処置のために構成されたトランスデューサーであって、
第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数での作動のために構成され、かつ、第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数での作動のために構成された少なくとも1つのトランスダクション要素
を備え、
上記第1のエネルギー効果および第2のエネルギー効果は上記目的の領域で少なくとも1つの生物学的反応を刺激するように構成されている、トランスデューサー。
(項目17)
上記第1のエネルギー効果は、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含み、上記第2のエネルギー効果は、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含み、上記第2のエネルギー効果は、上記第1エネルギー効果と異なる、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目18)
上記少なくとも1つの生物学的反応は、少なくとも1つの止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性を含む、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目19)
上記目的の領域は、患者の少なくとも1つの表面の、皮下の、および内部の領域を含む、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目20)
上記トランスダクション要素は、様々な厚みのトランスダクション要素である、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目21)
上記第1のエネルギー効果および第2のエネルギー効果は、上記目的の領域に少なくとも2つの生物学的反応を刺激するように構成された、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目22)
上記少なくとも2つの生物学的反応は、上記目的の領域に全体的な処置を処方するように構成された、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目23)
患者に非侵襲的超音波処置を提供する方法であって、上記方法は、
第1のエネルギー効果を生成するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより目的の領域に第1の反応を提供することと、
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲で上記トランスデューサーを作動させることと
を含む、方法。
(項目24)
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲で上記トランスデューサーのを作動させることは、上記目的の領域に第2の反応を生成する、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記方法は、さらに、上記目的の領域に全体的な反応を生成するように上記第1の反応と上記第2の反応とを結合することを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより上記目的の領域に第1の反応を生成するステップは、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含む第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることを含む、項目23に記載の方法。
(項目27)
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲でトランスデューサーを作動させる上記ステップは、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含む第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることを含む、項目23に記載の方法。
(項目28)
第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより目的の領域に第1の反応を生成する、上記ステップは、トランスデューサーを作動させることにより、第1の、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性の反応のうちの少なくとも1つを生成することを含む、項目23に記載の方法。
(項目29)
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより目的の領域に第2の反応を生成する、上記ステップは、トランスデューサーを作動させることにより、第2の、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性の反応のうちの少なくとも1つを生成することを含み、
上記第2の反応は上記第1の反応と同じあるいは異なる、項目23に記載の方法。
(項目30)
患者に非侵襲的超音波処置を提供する方法であって、上記方法は、
目的の領域に第1の、平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、第1のエネルギー効果および対応する第1の反応を生成することと、
上記目的の領域に、平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、第2のエネルギー効果および対応する第2の反応を生成することと
を含む、方法。
(項目31)
上記平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供するステップは、同じ空間的分布および振幅のエネルギービームを提供することを含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、上記第1のエネルギー効果を生成するステップは、目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果のうちの1つを生成することを含む、項目30に記載の方法。
(項目33)
上記第2のエネルギー効果を生成する目的の領域に第2の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供するステップは、目的の領域に第2の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果のうちの1つを生成することを含み、
上記第2のエネルギー効果は上記第1のエネルギー効果と同じあるいは異なる、項目30に記載の方法。
(項目34)
目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、上記第1の反応を生成するステップは、目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性反応のうちの1つを生成することを含む、項目30に記載の方法。
(項目35)
目的の領域に第2の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、上記第2の反応を生成するステップは、目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされた、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性反応のうちの1つを生成することを含み、上記第2の反応は第1の反応と同じあるいは異なる、項目30に記載の方法。
(項目36)
処置を提供するために構成された超音波システムであって、
上記超音波システムの制御のために構成された制御システムと、
目的の領域に少なくとも2つのエネルギー効果を提供することによって目的の領域内で少なくとも1つの反応を促進するように構成されたトランスデューサーと
を備える、超音波システム。
(項目37)
上記エネルギー効果は、熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果のうちの少なくとも2つを含む、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目38)
上記少なくとも1つの反応は、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性のうちの少なくとも1つを含む、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目39)
上記目的の領域は、患者の表面の、皮下の、および内部の領域を含む、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目40)
上記トランスデューサーは、様々な厚みのトランスダクション要素を備える、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目41)
上記トランスデューサーは、所望される反応を生み出すための適切な出力を提供するための少なくとも2つ以上の周波数と励起した、ブロードバンドトランスデューサーを備える、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目42)
上記トランスデューサーは、少なくとも2つのトランスデューサーを備え、第1のトランスデューサーは、低周波処置のために構成され、第2のトランスデューサーは、高周波処置のために構成されている、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目43)
上記トランスデューサーは、目的の領域内の少なくとも2つの反応を促進するために、目的の領域に少なくとも2つのエネルギー効果を提供するように構成されている、項目36に記載の超音波処置システム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の主題は、本明細書の結論部分に特に指摘され、かつ、明瞭に主張される。本発明は、しかし、作動の構成と方法に関して、クレームおよび、同類部分は同類番号によって参照され得る付随する図と共にある以下の記述を参照することによって最も理解され得る。
【0009】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的な複合超音波処置システムのブロック図を図示する。
【図2】図2は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的な複合超音波処置システムのブロック図を図示する。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4A】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4B】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4C】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4D】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図5】図5は、超音波処置のための2次元アレイとして構成されたトランスデューサーの例示的な実施形態である。
【図6A】図6A、図6B、および図6Cは、本発明の例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法のフローチャートである。
【図6B】図6A、図6B、および図6Cは、本発明の例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法のフローチャートである。
【図6C】図6A、図6B、および図6Cは、本発明の例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法のフローチャートである。
【図7A】図7A〜図7Cは、本発明に従ったイメージング、セラピー、および組織パラメータモニタリングサブシステムの例示的な実施形態を図示する。
【図7B】図7A〜図7Cは、本発明に従ったイメージング、セラピー、および組織パラメータモニタリングサブシステムの例示的な実施形態を図示する。
【図7C】図7A〜図7Cは、本発明に従ったイメージング、セラピー、および組織パラメータモニタリングサブシステムの例示的な実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本発明は、様々な構成要素およびプロセッシングステップという見地から、この明細書に記述され得る。そのような構成要素およびプロセッシングステップは、特定された機能を行うように構成されたどのような数のハードウエア構成要素によっても現実化され得るということが望まれる。例えば、本発明は、様々な医療装置、視覚イメージングおよび表示デバイス、入力ターミナルなどで構成され得、それらは、1つ以上の制御システム、あるいは他の制御デバイスの制御下で様々な機能を実行し得る。加えて、本発明は、あらゆる医療あるいは処置の状況で実践され得、本明細書に記述されているような、複合超音波処置の方法とシステムに関する例示的な実施形態は、ただ、本発明に対する幾つかの例示的な適用に過ぎ得ないということである。例えば、議論される原理、特徴、および方法は、どのような医療、あるいは他の組織、あるいは処置の応用にも適用され得る。
【0011】
本発明の様々な側面に従って、複合超音波処置のための非侵襲性の方法およびシステムが提供される。例示的な処置の方法およびシステムは、患者内の1つ以上の目的の領域に1つ以上のエネルギーフィールドを導出するように構成されたトランスデューサーシステムを含む。該1つあるいは複数のエネルギーフィールドは、1つあるいは複数の目的の領域に1つ以上のレスポンスを起こすために2つ以上の効果を供給し得る。
【0012】
例えば、図1に表示されている例示的な実施形態に関して、複合超音波処置のための例示的システム100は、トランスデューサー102を含み、該トランスデューサー102は、目的の領域(ROI)110の復活および/あるいは処置のための2つ以上の生物学的効果を達成するために1つ以上のエネルギーフィールド104を供給するように制御システム112を介して構成され得る。効果104は、ROI110内の2つ以上の生物学的反応を起こし、および/あるいは刺激する。
【0013】
例えば、複合超音波処置システムは、1つあるいは複数の目的の領域に1つ以上の反応を供給するための複数の生物学的効果を起こして結合するために、様々な時間的および/あるいは空間的レジームの下、超音波処置を供給することによって達成され得る。超音波処置を様々な時間的および/あるいは空間的レジームの下で提供することによって、エネルギーフィールド104は、任意の音響周波数レベルの超音波エネルギーを含み得る。例えば、エネルギーフィールド104は、低周波音響エネルギー、エネルギー強度の増強された均質あるいは均一の超音波フィールド、高周波音響エネルギー、超高周波エネルギー、および/あるいは任意の他のレベルの音響エネルギーを含み得る。手術のために周波数を選択することは、適用に対する望ましい処置の種類に基づき得る。エネルギーフィールド104は、また、トランスデューサー102によって、フォーカスされ、デフォーカスされ、および/あるいは実質的に平面状にされることにより、複数の効果106を提供し得る。例えば、実質的に平面状のエネルギーフィールド104は、熱効果および/あるいは前処理効果を提供し得、フォーカスされたエネルギーフィールド104はアブレーティブ効果、あるいは高温効果を提供し得、デフォーカスされたエネルギーフィールド104は、拡散した熱効果を提供し得る。
【0014】
効果106は、ROI110内の2つ以上の生物学的反応108を起こし、および/あるいは刺激するために構成された任意の組織効果を含み得、熱および非熱ストリーミング、(メガヘルツ周波数範囲の0.1から1W/cm2の低レベル超音波による安定キャビテーションを含む)キャビテーショナルな、流体力学的な、アブレーティブな、止血性の、ジアテルミーの、および/あるいは共振誘導の、組織効果を含むが、それらに限定されるものではない。1つ以上の反応を生成するための2つ以上の効果の併用は、ヒト組織への慢性的傷害を起こすことなく、より高い有効性および皮膚のより早い復活を生成し得る。例えば、超音波エネルギーの様々な時間的および/あるいは空間的デポジションの併用は、表皮および角質層への慢性的傷害なしに、角質層の下の組織に提供され得る。
【0015】
効果106によって起こされ、および/あるいは刺激された反応108は、エネルギー効果によって起こされ、および/あるいは刺激された任意の生物学的反応を含み得る。例えば、1)高濃度超音波ビームから刺激されたものを含む止血作用、2)約2MHzから7MHzあるいはそれ以上の高周波適用から生み出されるような二次の血管再生/血管新生、3)相互接続組織の増殖、4)脂肪、コラーゲン、およびその他のような既存組織の再編成および/あるいはアブレーション、5)刺激された遺伝子あるいは組織への薬物処置の可能性を助長し得る、増大した細胞浸透性、および/あるいは10kHzから10MHzの超音波周波数によって起こされた、様々な薬物に対する特定の組織の増加した浸透性、6)メディカント(medicants;メディカル物質)の高められた送達および/あるいは活性化、7)タンパク質合成の刺激作用、および/あるいは8)その他のあり得る組織反応(例えば、凝固壊死)、のようなものを含み得る。フォーカスされた超音波の例示的なアブレーティブ反応は、米国特許第6,050,943号および第6,500,121号で論証されており、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有する。従って、例えば、低強度分散超音波フィールドは、血管生成を提供するために生み出され得、増強された強度の均質あるいは均一の超音波フィールドは、治癒および復活の割合を増やすジアテルミーを提供するために生み出され得、および/あるいは、高強度にフォーカスされたおよび/あるいはアンフォーカスされたビームは、ヒト組織の様々な深さや位置の一時的なアブレーティブおよび止血作用効果を提供するために生み出され得、これにより、復活の加重あるいは結合効果は、超音波エネルギーフィールドを組み合わせることによって作り出される。
【0016】
処置の提供において、トランスデューサー102は、目的の領域110に対するセラピー、イメージング、および/あるいは、温度あるいは他の組織パラメータのモニタリングを提供し得る。例えば、図7A〜図7Cに示される例示的実施形態に従って後に詳細に論議されるように、トランスデューサー700は、該同じトランスデューサー内でのセラピー、イメージング、および温度のモニターのために構成され得る。目的の領域110は、患者の内部処置領域、表面層、および/あるいは皮下領域の間の、内部処置の目的の領域、表面の目的の領域、皮下の目的の領域、および/あるいは他の任意の目的の領域を含み得る。1つの目的の領域110のみが描かれているのに対して、トランスデューサー102は、複数の目的の領域を処置するように構成され得る。
【0017】
例えば、例示的な複合トランスデューサーシステムは、止血作用反応を起こす、および/あるいは刺激する効果を提供するための高密度超音波エネルギーを提供するように構成されたトランスデューサーを含み得る。例示的な複合トランスデューサーシステムは、また、約2MHzから7MHzの中周波数範囲の超音波エネルギーを提供するように構成されたトランスデューサーを含むことにより、とりわけ付加的な血管再生/血管生成の処置のような反応を起こし、および/あるいは刺激する効果を提供する。該例示的な処置のトランスデューサーシステムは、また、組織再生反応を起こし、および/あるいは刺激する非熱ストリーミング効果を提供するエネルギーを送達するように構成されたトランスデューサーを含み得る。加えて、トランスデューサーは、低レベル超音波エネルギーの送達から提供される効果を介することによる安定したキャビテーション反応を起こし、および/あるいは刺激するように構成され得る。
【0018】
トランスデューサー102は、処置を助長するために構成された1つ以上のトランスデューサーを含み得る。トランスデューサー102は、また、1つ以上のトランスダクション要素を含み得る。該トランスダクション要素が含み得るものは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などの圧電性の活性物質、または、圧電セラミック、クリスタル、プラスチック、および/あるいは複合材料のような他の任意の圧電性の活性物質と、ニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、および/あるいはメタニオブ酸鉛とである。圧電性の活性物質に加えて、あるいはその代わりに、トランスデューサー102は、容量的に結合したトランスデューサーあるいは他の音響ソースのような、放散および/あるいは音響エネルギーを生み出すために構成された他の任意の物質を含み得る。トランスデューサー102は、また、圧電性の活性物質に結合されたようなトランスダクション要素と共に構成された1つ以上のマッチングおよび/あるいはバッキング層を含み得る。トランスデューサー102は、また、トランスダクション要素に沿って、単一あるいは複数のダンピング要素と共に構成され得る。
【0019】
例示的な実施形態に従って、トランスデューサー102のトランスダクション要素の厚みは均一になるよう構成され得る。つまり、トランスダクション要素は、一貫して、実質的に同じ厚みを有するよう構成され得る。他の例示的な実施形態に従って、トランスダクション要素は、様々な厚み、および/あるいは複数のダンプされたデバイスと共に構成され得る。例えば、トランスデューサー102のトランスダクション要素は、より低い範囲、例えば約1kHzから3MHzの、センターオペレーティング周波数を提供するために選択された第1の厚みを有するように構成され得る。トランスダクション要素は、また、より高い範囲、例えば約3MHzから100MHzあるいはそれ以上の、センターオペレーティング周波数を提供するために選択された第2の厚みを有するように構成され得る。
【0020】
トランスデューサー102は、所望される反応108を生み出すための適切な出力を提供するための少なくとも2つ以上の周波数と励起した、単一ブロードバンドトランスデューサーとして構成され得る。トランスデューサー102は、また、2つ以上の個別のトランスデューサーとして構成され得、それぞれのトランスデューサーは、トランスダクション要素を含む。トランスダクション要素の厚みは、所望される処置範囲のセンターオペレーティング周波数を提供するように構成され得る。例えば、トランスデューサー102は、約1MHzから3MHzのセンター周波数範囲に一致する厚みを有する第1のトランスダクション要素と共に構成された第1のトランスデューサーを含み得、また、約3MHzから100MHzあるいはそれ以上のセンター周波数範囲に一致する厚みを有する第2のトランスダクション要素と共に構成された第2のトランスデューサーを含み得る。第1、および/あるいは第2のトランスダクション要素に対する厚みの様々な他の範囲もまた、実現され得る。
【0021】
例示的なトランスデューサー102は、様々な方法で適切に制御され、および操作され得る。例えば、図2に描かれている例示的な実施形態に関して、例示的な複合超音波処置システム200は、トランスデューサー202と結合された制御システム208を含み得る。制御システム208は、目的の領域210に複合超音波処置を提供するためのトランスデューサー202の制御と操作とを助長するように構成され得る。制御された動きを助長するために、例示的な実施形態に従って、制御システム208は、動作制御および位置エンコーディングシステム212と共に構成され得、該運動制御および位置エンコーディングシステム212は、目的の領域210のより柔軟な超音波処置を提供するためのトランスデューサー202によって機械的スキャンニングを助長するように構成されている。運動制御および位置エンコーディングシステム212は、位置エンコーディングに加えて、あるいはその代わりに、様々な種類のフィードバック配置と共に、任意の従来の運動制御システムを含み得る。例えば、運動制御および位置エンコーディングシステム212は、また、2004年9月15日付出願の米国特許出願、「System and Method for Variable Depth Ultrasound Treatment」に開示されているような、1つ以上のフィードバック構成あるいは情報のソースを含み得、これは、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される。位置エンコーディング構成は、既知のあるいは以下に考案された任意の位置エンコーダーシステムを含み得る。
【0022】
制御システム208は、プロセッサ、ディスプレイ、および/あるいは1つ以上の入力デバイスを含み得る。プロセッサは、パーソナルコンピュータ、ユニックスシステム、あるいはあらゆる従来のプロセッシングユニットを含み得る。例示的なディスプレイは、モニター、LCDスクリーン、あるいはイメージを表示するように構成されたあらゆるデバイスを含み得る。例示的なディスプレイは、既知のあるいは以下に考案された任意の方法でイメージングを提供するように構成され得る。例えば、トランスデューサー202は、ROI210のイメージを得るためにパルスエコーイメージングを使用し得る。そのイメージは、それから、1つ以上のカップリング機構を介してディスプレイに送信され得る。入力/出力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、あるいは情報の入力および/あるいは出力のためのあらゆるデバイスを含み得る。入力デバイスからの情報および表示されたイメージは、手動によって、アナログデバイスによって、デジタルデバイスによって、および/あるいはあらゆる他の機構などによって、任意のフォーマットで受信され、あるいは送信され得る。任意のプロセッサ、ディスプレイ、および/あるいは入力デバイスを含む、制御システム208の様々なデバイスは、任意の方法で結合され得る。結合することによって、様々なデバイスは、お互いと直接接続され得、あるいは、信号が1つの要素から他の要素へ、あるいは逆に移動することを許可する1つ以上の他のデバイスあるいは要素を介して接続され得る。制御システム208を含むデバイスのための様々なカップリング機構は、インターネット、ワイヤレスネットワーク、従来のワイヤーケーブル、光ケーブル、あるいは空、海、あるいは信号を伝える任意の他の媒体、および任意の他のカップリングデバイスあるいは媒体を介しての接続を含み得るが、それらに限定されるものではない。
【0023】
制御システム208は、また、様々な方法でトランスデューサー202と結合され得る。例示的な実施形態に従って、導線は、制御システム208とトランスデューサー202とを結合させ得る。導線は、パワーをトランスデューサー202へ送信することを可能にし、且つ、信号をトランスデューサー202より受信することを可能にするように構成され得、超音波トランスデューサーと併せての使用のための任意のワイヤリングの種類、構成、および/あるいは配置を含み得る。トランスデューサー202は、また、様々な方法で導線と結合し得る。例えば、図2は、トランスデューサー202の一端のみに結合された導線を描いているが、導線は、また、反対側の一端、あるいはトランスデューサー202に沿ったあらゆる他の場所に結合され得る。制御システム208は、トランスデューサー202に必要不可欠に構成され得、例えば、両者の間で適切な電気的および/あるいは送信の接続を伴う単一の構造として共に接続される。
【0024】
目的の領域210に対するトランスデューサー202の結合を助長するために、トランスデューサー202は、さらに、超音波エネルギーおよび信号の音響カップリングのために構成されたカップリングシステム204を含み得る。カップリングシステム204は、そのような結合を様々なカップリング媒体の使用を通して助長し得、それらのカップリング媒体には、空気および他の気体、水および他の流体、ゲル、固体、および/あるいはそれらのあらゆる組み合わせ、あるいはトランスデューサー202と目的の領域210との間で信号を送信させるあらゆる他の媒体を含む。カップリング機能を提供することに付け加え、例示的な実施形態に従って、カップリングシステム204は、また、処置適用中の温度制御を提供するために構成され得る。例えば、カップリングシステム204は、カップリング媒体の温度を適切に制御することによる、トランスデューサー202と目的の領域210との間のインターフェース表面、あるいは領域の制御冷却のために構成され得る。そのようなカップリング媒体に対する適切な温度は、様々な方法で達成され得、熱伝対、サーミスター、あるいは、カップリング媒体の温度計測のために構成されたあらゆる他のデバイスあるいはシステムのような、様々なフィードバックシステムを利用し得る。そのような制御冷却は、複合超音波処置システム200の空間的および/あるいは熱的なエネルギー制御をさらに助長するように構成され得る。
【0025】
上記に論じられたように、例示的なトランスデューサー202は、目的の領域210に複合超音波処置を提供するために様々な方法で構成され得る。例えば、図3に描かれている例示的な実施形態に関して、トランスデューサー302は、フェーズフォーカシングを助長するように音響アレイとして構成され得る。つまり、トランスデューサー302は、様々な電気的遅延時間を経た様々なフェーズによって作動させ得る電気的アパーチャーのアレイとして構成され得る。術語の「作動させる(operated)」によって、トランスデューサー302の電気的アパーチャーは、操作され、駆動され、使用され、および/あるいは電気的遅延時間によって引き起こされたフェーズ変化に一致するエネルギービームを提供し、および/あるいは届けるように構成され得る。例えば、これらのフェーズ変化は、デフォーカスされたビーム、平面的なビーム、および/あるいはフォーカスされたビームを伝達するために使用され得、それぞれは目的の領域(ROI)310の異なった生理学上の効果を達成するために組み合わせて使用され得る。トランスデューサー302は、1つ以上の電気的遅延時間を伴ったフェーズドアパーチャーアレイを発生させ、提供し、および/あるいは駆動するためのあらゆるソフトウエア、および/あるいは他のハードウエアと共に付加的に構成され得る。
【0026】
トランスデューサー302は、ROI310を処置するために低および/あるいは高周波数を生成しおよび/あるいは伝達するように構成され得る。ROI310は、1つ以上の追加の目的の領域を含み得る。例えば、ROI310は、患者の表面層312、皮下層314、および/あるいは内部領域322を含み得る。ROI310は、また、表面層312と内部領域322との間、あるいは皮下層314と内部領域322との間のどのエリアも含み得る。内部領域322は、患者の組織層内の深さ324に位置する。例えば、深さ324は、患者体内で約0mmから40mmの範囲内で、該約0mmの範囲は、患者の表面層312の外面を含む。言い換えると、患者の表面層312は、患者の表面上、あるいは表面の近くのあらゆるエリアを含み得る。トランスデューサー302による処置は、患者のあらゆる表面領域、皮下領域、あるいは/および内部領域の処置と、患者のそれらの領域のあらゆる組み合わせの処置とを含み得る。1つの例示的な実施形態に従って、第1のROI310の処置は、例えば約1MHzから3MHzの低周波数で駆動されるトランスデューサー302の使用により助長され得る。
【0027】
再び図3に描かれている例示的な実施形態を参照して、トランスデューサー302は、また、1つ以上の追加の目的の領域(ROI)320を処置するように構成され得る。例示的な実施形態に従って、追加のROI320は、ROI310内に位置し得る。追加のROI320の処置は、例えば約3MHzから100MHz、あるいはそれ以上までの低周波数から超高周波数で作動するトランスデューサー302の使用によって助長され得る。図3は内部領域322内に位置する追加のROI320を描いているが、他の例示的な実施形態に従って、追加のROI320は、第1のROI310内の、内部領域322、表面領域312、および/あるいは皮下領域314を含む任意の場所に位置し得る。
【0028】
再び図1を一時的に参照して、ROI310の処置によって、トランスデューサー302は、1つ以上の生物学的反応108を起こし、および/あるいは刺激する複数の効果106を提供するための1つ以上のエネルギーフィールド104を送信するように構成され得、生物学的反応108は、例えば、ジアテルミー、止血作用、血管再生、血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、タンパク質合成、および/あるいは増大した細胞浸透性のようなものである。2つ以上のこれらの生物学的反応は、表面組織の復活および/あるいは処置を助長するように組み合わされ得る。トランスデューサー302は、また、最善の処置結果を助長するために、ROI310に対するイメージング、および/あるいは、温度あるいは他の組織パラメータのモニタリングのために構成され得る。
【0029】
トランスデューサー302は、また、約750kHzから10MHzの範囲の中位の周波数を使って、1つ以上の目的の領域にフォーカスした処置を提供するように構成され得る。フォーカスした処置を提供するために、トランスデューサー302は、処置を助長するために1つ以上の様々な深度デバイスと共に構成され得る。例えば、トランスデューサー302は、2004年9月16日付出願の「System and Method for Variable Depth Ultrasound」という名称の、米国特許出願第10/944,500号に開示されているような、様々な深度デバイスと共に構成され得、これは、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される。加えて、トランスデューサー302は、また、2004年9月16日付出願の「Method and System for Ultrasound Treatment with a Multi−directional Transducer」という名称の、米国特許出願第10/944,499号に開示されているような、副高調波あるいはパルスエコーイメージングを可能にすることによって1つ以上の追加のROI320を処置するために構成され得、これは、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される。
【0030】
さらに、例えば液体充てんレンズのような、あらゆる種類の機械的レンズあるいは様々なフォーカスレンズは、また、音場をフォーカスし、および/あるいはデフォーカスするために使用され得る。例えば、図4Aおよび図4Bに描かれている例示的な実施形態を参照して、トランスデューサー402は、また、ROI410の処置の増加した順応性を助長するために1つ以上のトランスダクション要素406と組み合わせてで、電気的フォーカシングアレイ404と共に構成され得る。アレイ404は、トランスデューサー302と類似した方法で構成され得る。つまり、アレイ404は、例えばτ1、τ2、τ3...τjのような様々な電気的遅延時間を介して、様々なフェーズによって作動され得る電気的アパーチャーのアレイとして構成され得る。術語の「作動させる(operated)」によって、アレイ404の電気的アパーチャーは、操作され、駆動され、使用され、および/あるいは電気的遅延時間によって引き起こされたフェーズ変化に対応した方法でエネルギーを生成し、および/あるいは送信するように構成され得る。例えば、これらのフェーズ変化は、デフォーカスされたビーム、平面的なビーム、および/あるいはフォーカスされたビームを送信するために使用され得、これらはそれぞれ、ROI410の異なった生理学上の効果を達成するために組み合わせて使用され得る。
【0031】
トランスダクション要素406は、凹面に、凸面に、および/あるいは平面になるように構成され得る。例えば、図4Aに描かれている例示的な実施形態において、トランスダクション要素406Aは、ROI410Aの処置のためのフォーカスされたエネルギーを提供するために凹面になるように構成されている。追加の実施形態は、「System and Method for Variable Dept Ultrasound」という名称の、米国特許出願第10/944,500号に開示されており、再び、その内容は本明細書中に参考として援用される。
【0032】
図4Bに描かれている他の例示的な実施形態において、トランスダクション要素406Bは、ROI410Bに実質的に均一なエネルギーを提供するために、実質的に平らになるように構成され得る。図4Aおよび図4Bは、それぞれ、凹面および実質的に平らに構成されたトランスダクション要素404を伴った例示的な実施形態を描いているが、トランスダクション要素404は、凹面に、凸面に、および/あるいは実質的に平面になるように構成され得る。加えて、トランスダクション要素404は、凹面の、凸面の、および実質的に平らな構造のあらゆる組み合わせになるように構成され得る。例えば、第1のトランスダクション要素は、凹面になるように構成され得、一方で、第2のトランスダクション要素は実質的に平らになるように構成され得る。
【0033】
図4Cおよび図4Dに関して、トランスデューサー402は、また、平面的なの、フォーカスされた、および/あるいはデフォーカスされた音響エネルギーを提供するために環状のアレイとして構成され得る。例えば、例示的な実施形態に関して、環状アレイ400は、複数のリング412、414、416〜Nを含み得る。リング412、414、416〜Nは、機械的に、かつ電気的に一組の個々要素に分離され得、平面的なの、フォーカスされた、あるいはデフォーカスされた波動を作り出し得る。例えば、そのような波動は、対応する送信および/あるいは受信遅延τ1、τ2、τ3...τNを調整する方法によって、軸上に集中し得る。電気的フォーカスは、様々な深さ位置に沿って適切に動き得、様々な強さあるいはビーム密度を可能にし得、その一方で、電気的フォーカスは、様々な量のデフォーカシングを有し得る。例示的な実施形態に従って、レンズ、および/あるいは凹面、あるいは凸面形状の環状アレイ400は、また、あらゆる時間差遅延も低減され得るよう、フォーカシングおよびデフォーカシングを助成するように構成され得る。プローブおよび/あるいはあらゆる従来のロボットアーム機構の使用を介してのような、1次元、2次元、あるいは3次元の、あるいはあらゆる経路に沿った環状アレイ400の動きは、目的の領域の容量あるいは対応したあらゆる空間をスキャンし、および/あるいは処置するために実行され得る。
【0034】
他の例示的な実施形態に関して、トランスデューサー202は、2次元アレイを形成するように、適切に2次元的にサイの目に刻まれ得る。例えば、図5に関して、例示的な2次元アレイ500は、適切にサイの目に刻まれて複数の2次元部分502になり得る。2次元部分502は、特定の深さで処置領域にフォーカスするように適切に構成され得、このようにして処置領域のそれぞれのスライス504を提供する。結果として、該2次元アレイ500は、処置領域のイメージ場所の2次元的スライシングを提供し得、このようにして2次元の処置を提供する。
【0035】
他の例示的な実施形態に従って、トランスデューサー202は、3次元の処置を提供するように適切に構成され得る。例えば、再び図2を参照し、目的の領域に3次元の処置を提供するために、3次元システムは、制御システム208のような制御システムに含まれた、例えば、3次元グラフィックソフトウエアを利用しているようなアダプティブアルゴリズムと共に構成されたトランスデューサー202を含み得る。アダプティブアルゴリズムは、目的の領域に関する2次元のイメージングおよび温度情報を受信するように適切に構成され、受信した情報を処理し、それから対応する3次元のイメージングおよび温度情報を提供する。例えば、トランスデューサー202は、2002年7月10日付出願の「Imaging, Therapy & Temperature Monitoring Ultrasonic System」という名称の、米国特許出願第10/193,491号、および「Imaging, Therapy & Temperature Monitoring Ultrasonic System」という名称の、米国特許第6,036,646号に開示されているような、3Dイメージングおよびモニタリングシステムと共に構成され得、これらはまた、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は両者とも本明細書中に参考として援用される。
【0036】
例示的な実施形態に従って、再び図5を参照して、例示的な3次元システムは、処置領域の異なったイメージ平面から、適切に504のスライスを受信するようにアダプティブアルゴリズムと共に構成された2次元アレイ500を含み得、受信した情報を処理し得、それから、例えば3次元のイメージングおよび温度の情報などの、容積情報506を提供し得る。さらに、受信した情報をアダプティブアルゴリズムで処理した後、2次元アレイ500は、所望されるように容積領域506に適切に処置のヒーティングを提供し得る。
【0037】
あるいは、3次元ソフトウエアのようなアダプティブアルゴリズムを利用するよりむしろ、3次元のイメージングおよび/あるいは温度の情報を提供するために、例示的な3次元システムは、目標領域に対する様々な回転位置および/あるいは直進位置から作動するプローブ配列内に構成されたトランスデューサー202を含み得る。例えば、トランスデューサー202は、本出願と幾人かの共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される、「Imaging, Therapy & Temperature Monitoring Ultrasonic System」という発明の名称の、米国特許第6,036,646号に開示されているような、例えば手動で作動される、あるいは電動化されたプローブ構成のような、プローブ構成で構成され得る。加えて、および/あるいは代わりとして、トランスデューサー202は、2004年5月12日付出願の、「3D Data Acquisition Device for Ultrasound」という名称の、米国特許仮出願第60/570,145号に開示されている、3Dプローブデバイスと共に構成され得、その内容は本明細書中に参考として援用される。
【0038】
利用されたトランスデューサーシステムの種類に関係なく、あらゆる音響の単一および/あるいは2次元のアレイのサイズ、個別のトランスデューサー要素、および単一あるいは複数の要素は、所望される音響フィールド分布を達成するために様々なサイズを含み得、それらのサイズは、音響波長のほんの少しの大きさのサイズ、例えば、広範囲の角度に音および/あるいは超音波を放射するものから、多くの波長の幅広い音響ソース、例えば、より前方に向いた方法によって音および/あるいは超音波を投射するものまで、などである。
【0039】
さらに、例示的な複合超音波システムによって組織内に作り出された生理学的効果は、エネルギーの空間的な分布によって影響されるだけでなく、例えば時間で変動するような時間的な特性によって影響される。従って、それぞれのアレイ、2次元のアレイ、あるいは単一の要素のあるいは他のトランスデューサーは、また、1)20kHzから100MHzのような様々な送信周波数で、あるいはエネルギーの単一ブロードバンドパルスでさえ使用され得、2)ミリセカンドから連続的な波長までの、例えば秒、分、あるいはそれ以上の様々な送信パルス幅で使用され得、3)ほとんど0パーセントのON時間から100パーセントのON時間まで、様々なパルスデューティーサイクルで使用され得、および/あるいは、4)全体の所望されるエネルギーおよび音響強度レベルによって、マイクロワットからキロワットまで様々な送信パワーレベルで使用され得る。
【0040】
超音波システム200の作動を介して、複合超音波処置の方法は実現され得、その方法はヒト組織への慢性的傷害を起こすことなく、効果的で能率的な処置を助長し得る。例えば、図6A、図6B、および図6Cに関して、例示的なフローチャートは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法を図示する。とりわけ図6Aに図示される例示的な実施形態に関して、ユーザーは、エネルギーを目的の領域に伝達する(ステップ601)ためにトランスデューサーを使用し得る。本明細書に使用されるように、術語の「ユーザー」は、他の制御システムのあらゆるハードウエア、および/あるいはソフトウエアを利用している、人、従業員、医師、看護士、および/あるいは専門家を含み得る。エネルギーを伝達することによって、トランスデューサーは、選択された周波数で駆動され得、フェーズアレイは、特定の時間的および/あるいは空間的分布で駆動され得、トランスデューサーは、フォーカスされた、デフォーカスされた、および/あるいは平面的なエネルギーを提供するための1つ以上のトランスダクション要素と共に構成され得、および/あるいは、トランスデューサーは、以下に考案された他のあらゆる方法で構成され、および/あるいは駆動され得る。作動のためのエネルギーフィールドの選択は、用途で所望される効果および/あるいは反応の種類に基づき得る。
【0041】
ステップ601で伝達されたエネルギーは、目的の領域に2つ以上のエネルギー効果を提供し(ステップ603)得る。エネルギー効果は、本明細書に記述されたあらゆる効果であり得る。エネルギー効果は、次には、目的の領域の1つ以上の反応を刺激し、および/あるいは起こし(ステップ605)得る。反応は、本明細書に記述されたあらゆる反応であり得る。従って、2つ以上のエネルギー効果は、単一の反応を提供し得、2つ以上のエネルギー効果は、目的の領域の処置を提供するように2つ以上の反応を提供し得、および/あるいは、2つ以上のエネルギー効果は、目的の領域の全体的な復活および処置を助長するように、単一の反応に結合され得る2つ以上の反応を提供し(ステップ650)得る。
【0042】
複合超音波処置の例示的な方法は、前述の一連のステップ601、603、605、および650で実現され得るが、複合超音波処置の例示的な方法は、任意の順番で実施されるあらゆるステップを介して達成され得る。例えば、図6Bに図示された例示的なフローチャートに関して、ユーザーは、目的の領域にエネルギーを伝送するためにトランスデューサーを使用し(ステップ611)得る。エネルギーは、特定の時間的および/あるいは空間的分布でフェーズアレイを介して伝送され得、フォーカスされた、デフォーカスされたおよび/あるいは平面的なエネルギーを提供するための1つ以上のトランスダクション要素と共に構成されたトランスデューサーを介して伝送され得、および/あるいは、本明細書に記述のおよび/あるいは以下に考案された他のあらゆる方法で構成された、および/あるいは駆動されるトランスデューサーを介して伝送され得る。エネルギーは、目的の領域の第1のエネルギー効果を提供する(ステップ613)ために使用され得る。第1の効果は、本明細書に記述のあらゆる効果であり得る。第1の効果は、次には、目的の領域の第1の反応を起こしおよび/あるいは刺激し(ステップ615)得る。第1の反応は、本明細書に記述のあらゆる反応であり得る。
【0043】
トランスデューサーは、また、同一のおよび/あるいは異なった目的の領域に第2のエネルギー効果を提供する(ステップ619)ためのエネルギーを再び伝達する(ステップ617)ように構成され得、第2の反応を起こし、および/あるいは刺激し、あるいは、同一のおよび/あるいは異なった目的の領域の第1の反応を提供する(ステップ621)ための第1のエネルギー効果と結合する。2度目のエネルギーの伝達によって、トランスデューサーは、ステップ611と同じ周波数で、および/あるいはステップ611の周波数とは異なった周波数で駆動され得る。第2の効果および第2の反応は、本明細書に記述のあらゆる効果および反応であり得る。第1および第2の効果および/あるいは反応は、瞬時に起こり得、および/あるいは、より長い継続期間、例えば1週間のような期間に渡って、その間に1つ以上の遅延期間を伴って発達し得る。第1および第2の効果が2つ以上の反応を提供する場合、該2つ以上の反応は、また、目的の領域の全体的な復活および処置を助長するように組み合わされ(ステップ650)得る。
【0044】
複合超音波処置の例示的な方法の他の例は、図6Cに図示されている。ユーザーは、目的の領域に1つ以上のエネルギーフィールドを伝達するためにトランスデューサーを使用し(ステップ631)得る。エネルギーの伝達によって、トランスデューサーは、特定の周波数で駆動され得、フェーズアレイは、特定の時間的および/あるいは空間的分布で駆動され得、トランスデューサーは、フォーカスされた、デフォーカスされた、および/あるいは平面的なエネルギーを提供するための1つ以上のトランスダクション要素と共に構成され得、および/あるいは、トランスデューサーは以下に考案された他のあらゆる方法で構成され、および/あるいは駆動され得る。エネルギーフィールドは、同時に伝達され得、エネルギーは、遅延したおよび/あるいは重複している時間に伝達され得、および/あるいは、エネルギーは、全体として異なった時間に遅延され得る。
【0045】
伝達されたそれぞれのエネルギーフィールドは、目的の領域に1つ以上のエネルギー効果を提供(ステップ633)し得る。エネルギー効果は、本明細書に記述されたあらゆる効果であり得る。それぞれのエネルギー効果は、同じおよび/あるいは異なる目的の領域に対して1つ以上の反応を起こし、および/あるいは刺激し、かつ、提供し、および/あるいは結合し(ステップ635)得る。反応は、本明細書に記述されたあらゆる反応であり得る。エネルギー効果および/あるいは反応は、瞬時に、同時に起こり得、および/あるいはより長い継続期間、例えば1週間のような期間に渡って発達し得る。2つあるいはそれ以上の反応は、目的の領域の全体的な復活および処置を助長するために組み合わされ(ステップ650)得る。本発明は、前述の一連のステップにおける複合超音波処置の方法を記述しているが、本発明の方法は、任意の順番で実施されるあらゆるステップを介して達成され得る。
【0046】
上記に論じられたように、複合超音波処置を提供するための例示的なトランスデューサーの実施形態は、単一のトランスデューサー内でイメージング/セラピー、および/あるいは組織のパラメータのモニタリングを提供するように構成され得る。例えば、図7Aに関して、イメージングサブシステム710は、例示的なイメージング/セラピー、および/あるいは組織のパラメータモニタリング音響トランスデューサーアッセンブリ700にインターフェースされ得る。ケーブル760を介して音響トランスデューサーアッセンブリ700と接続されたイメージングサブシステム710は、ビーム形成制御ユニットを含む。このユニットは、目標組織780内の、処置領域を含む目的の領域を、音響トランスデューサーアッセンブリ700が音響波動を使用して、スキャンするように作動される。戻ってくる音響信号は、音響トランスデューサーアッセンブリ700によって受信され、それからイメージングサブシステム710に送られて、処置領域の超音波イメージを生み出す。このようにして生み出されたイメージは、実際に処置の処置工程を開始する前に、目標組織780内の処置領域に関して音響トランスデューサーアッセンブリ700を適切に配置する際にユーザーを援助するために、ビデオディスプレイターミナル750に表示される。
【0047】
図14Bに関して、セラピーサブシステム(処置のヒーティングシステム)720は、例示的な複合イメージング/セラピー、音響トランスデューサーアッセンブリ700にインターフェースされ、ケーブル760を介して複合イメージング/セラピー音響トランスデューサーアッセンブリ700と接続されており、該セラピーサブシステム720は、パワーRF、あるいは音響トランスデューサーアッセンブリ700のリニアアレイとインターフェースされた他の種類の駆動装置を含む。音響トランスデューサーアッセンブリ700が、目標組織780内の処置領域を含む目的の領域に音響波動を送信し、方向を定め、および/あるいはフォーカスするように、パワーRF駆動装置は適時に制御される。ヒーティングパワーおよびヒーティング時間、およびトランスデューサー陽極酸化も、全て適切なヒーティングパターンおよび処置の適用量を達成するための処置の処置工程の間には制御される。
【0048】
温度のような、組織パラメータモニタリングは、組織運動アーチファクトを避けるように計算された方法でモニターされ得る。例えば、局在的な領域が熱せられた場合、熱せられた領域は、実質的に瞬時にそれから先はパルスエコー信号で調べられる。そのような場合、熱せられた領域からのエコーは、時間と振幅の点で変化し得る。例えば、組織内の音響減衰量は50℃から70℃でおよそ2倍となる。該領域は、ヒーティングの前後に直ちに計測され、これによって組織運動アーチファクトは、あらゆる音響伝播効果と共に避けられる。
【0049】
1度に小さな領域のみが処置される場合、ホットスポット周辺の等温の領域が発生される。従って、熱せられた領域上に入射する波動の飛行時間、および振幅は、処置のエネルギーが伝達される前と後では同じである。このように、セラピーの後に計測された振幅変化および時間変化は、実質的に処置された組織に起因し得る。
【0050】
図7Cに関して、複合イメージング/セラピートランスデューサーアッセンブリ1300は、小さな領域780を熱するために使用される場合、温度モニタリングサブシステム730はディスプレイ750と接続される。温度モニタリングサブシステム730は、また、適切なケーブル760によってのようにトランスデューサーアッセンブリ700と接続されている。この例に従って、全容量はスキャンされ、かつ、パルスエコーを掃引することによって、効果的な温度の適用量(時間/温度ヒストリー)(例えば、リクロス(recrossed)容量)が決定され得る。術語の、熱適用量は、例えばネクロシティ(necrosity)の決定が下される、温度および継続の時間の必要不可欠な機能に関する。
【0051】
本発明は、様々な例示的な実施形態に関して上記に記述された。しかし、当該技術者は、例示的な実施形態に本発明の範囲からから逸れること無く変更および修正が行われ得ることを認識する。例えば、様々なステップが削除され得、修正され得、あるいは他のステップと組み合わされ得るように、様々な操作上のステップおよび該操作上のステップを実行するための要素は、特定の適用によって、あるいは、システムの作動に関したあらゆる数のコスト機能を考慮して、代替方法で実施され得る。さらに、上記に記述のトランスデューサーを使用しての複合超音波処置の方法とシステムは、患者に近い医療実務者によっての使用に対して適切であるが、該システムは、遠方からもアクセスされ得、例えば、医療実務者は、サテライト/ワイヤレスによる、あるいは、IP、あるいはデジタルケーブルネットワークおよびその他のような有線接続による、コミュニケーションの様々な方法で送信されるイメージング情報を有する遠隔ディスプレイを介して見ることができ、トランスデューサーの適切な配置に関して現地の従事者を監督できる、ということに留意されたい。これらの、および他の変更あるいは修正は、本明細書の請求項に述べられるように、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的に処置の超音波方法とシステムに関し、特に、複合超音波処置の方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
表面のヒト組織に対する、エネルギーの多くの従来の適用は、アブレーティブな、あるいは非アブレーティブなレーザー、無線周波数、あるいは超音波を使用する。そのような適用のいくつかの最近の例は、Knowltonの特許文献1(しわとりのために無線周波数(RF)、マイクロウェーブ、超音波を使用すること)、Friedmanの特許文献2(脂肪分解のために超音波を使用すること)、Klopotekの特許文献3および特許文献4(コラーゲンの再編成のために超音波を使用すること)に開示されたものを含む。表面のアブレーティブなレーザーは、真皮および角質層などの皮膚の上層に深刻な外傷を作り、長期にわたる回復期間およびその結果として起こる皮膚の復活を実現するが、医療的な有効性および結果は意義深い。非アブレーティブなレーザーおよびRFエネルギーソースは、皮膚の上層に深刻な外傷は作らないが、そのようなソースの有効性は低く、最終的な結果は満足なものではない。
【0003】
過去10年間、深い脂肪層の容積的なアブレーションに対する脂肪分解処置に超音波を使用する試みがなされてきた。そのような研究の試みの実験結果は、容積の点で脂肪破壊の潜在的有望性を示すが、そのような超音波処置の目的は、初期の表面層のあらゆる復活よりもむしろ、脂肪層の厚みを減らすことのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,381,498号明細書
【特許文献2】米国特許第6,626,854号明細書
【特許文献3】米国特許第6,113,559号明細書
【特許文献4】米国特許第6,325,769号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、いくつか提案されているセラピー方法は、皮膚のしわを減らすための主な目標としてのコラーゲン再編成を目指し、その中には結合性の組織再生の使用を主な目標および生物学的反応として含む。しかし、コラーゲン再編成の特定の目標設定は、組織復活の唯一の、あるいは重要な要素でさえもないかもしれない。例えば、ダイオードレーザーおよび強度のパルスライト(IPL)は、とても高い特異性でコラーゲンに目標を定めているが、一般的に混成の、あるいは低い有効性の結果を生む。さらに、RFエネルギーデポジションは、一般的に、アプリケータープローブに向う高い勾配を伴う容積的なものであり、基本的に、処置された組織の電気的インピーダンスに依存するエネルギーの選択および配置に難点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明の様々な側面に従って、複合超音波処置の非侵襲的方法およびシステムが提供される。例示的な複合超音波処置の方法とシステムは、目的の領域に2つ以上のエネルギー効果を提供するための超音波エネルギーを伝達するように構成されたトランスデューサーを含む。エネルギー効果は、目的の領域の1つ以上の反応を起こすことを助長する。
【0007】
本発明の例示的な実施形態に従って、トランスデューサーは、目的の領域にエネルギー効果を提供し、反応を起こすために様々な時間的な、および/あるいは空間的な分布でエネルギーを伝達するように構成される。例えば、例示的なトランスデューサーは、1つ以上の周波数範囲で作動されることにより、2つ以上のエネルギー効果を提供し、目的の領域で1つ以上の反応を起こす。加えて、トランスデューサーは、また、目的の領域に平面的な、デフォーカスされた、および/あるいはフォーカスされたエネルギーを伝達することにより、2つ以上のエネルギー効果を提供し、1つ以上の生物学的反応を起こすように構成され得る。
例えば、本願発明は以下を提供する:
(項目1)
処置を提供するように構成された超音波システムであって、
目的の領域に少なくとも2つのエネルギー効果を提供するように構成されたトランスデューサーを備え、上記少なくとも2つのエネルギー効果は上記目的の領域の少なくとも1つの反応を促進するように構成されている、超音波システム。
(項目2)
上記エネルギー効果は、少なくとも2つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目3)
上記少なくとも1つの反応は、少なくとも1つの止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目4)
上記目的の領域は、患者の少なくとも1つの表面の、皮下の、および内部の領域を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目5)
上記トランスデューサーは、様々な厚みのトランスダクション要素を含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目6)
上記トランスデューサーは、所望される反応のための適切な出力を提供するための2つ以上の周波数と励起した、単一ブロードバンドトランスデューサーを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目7)
上記トランスデューサーは、少なくとも2つのトランスデューサーを含み、
第1のトランスデューサーは低周波処置のために構成され、第2のトランスデューサーは、高周波処置のために構成されている、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目8)
上記トランスデューサーは、フォーカスされた処置を提供するために構成されたアレイを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目9)
上記トランスデューサーは、電気的なフォーカシングアレイを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目10)
上記トランスデューサーは、環状のアレイを含む、項目1に記載の超音波処置システム。
(項目11)
上記少なくとも2つのエネルギー効果は、上記目的の領域の少なくとも2つの反応を助長するように構成されている、項目1に記載の超音波システム。
(項目12)
上記超音波処置システムは、さらに、上記トランスデューサーと上記目的の領域との間の音響カップリングのために構成されたカップリングシステムを含む、項目1に記載の超音波システム。
(項目13)
上記カップリングシステムは、上記超音波処置システムの熱エネルギー効果の制御を助長するように目的の領域に最も近いインターフェース表面の制御冷却のために構成されている、項目12に記載の超音波システム。
(項目14)
上記超音波処置システムは、少なくとも1つのセラピー、イメージング、および組織パラメータモニタリングを提供するために構成されている、項目1に記載の超音波システム。
(項目15)
上記超音波処置システムは、複合セラピーおよびイメージング処置を提供するために構成されている、項目14に記載の超音波システム。
(項目16)
目的の領域の複合超音波処置のために構成されたトランスデューサーであって、
第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数での作動のために構成され、かつ、第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数での作動のために構成された少なくとも1つのトランスダクション要素
を備え、
上記第1のエネルギー効果および第2のエネルギー効果は上記目的の領域で少なくとも1つの生物学的反応を刺激するように構成されている、トランスデューサー。
(項目17)
上記第1のエネルギー効果は、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含み、上記第2のエネルギー効果は、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含み、上記第2のエネルギー効果は、上記第1エネルギー効果と異なる、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目18)
上記少なくとも1つの生物学的反応は、少なくとも1つの止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性を含む、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目19)
上記目的の領域は、患者の少なくとも1つの表面の、皮下の、および内部の領域を含む、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目20)
上記トランスダクション要素は、様々な厚みのトランスダクション要素である、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目21)
上記第1のエネルギー効果および第2のエネルギー効果は、上記目的の領域に少なくとも2つの生物学的反応を刺激するように構成された、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目22)
上記少なくとも2つの生物学的反応は、上記目的の領域に全体的な処置を処方するように構成された、項目16に記載のトランスデューサー。
(項目23)
患者に非侵襲的超音波処置を提供する方法であって、上記方法は、
第1のエネルギー効果を生成するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより目的の領域に第1の反応を提供することと、
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲で上記トランスデューサーを作動させることと
を含む、方法。
(項目24)
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲で上記トランスデューサーのを作動させることは、上記目的の領域に第2の反応を生成する、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記方法は、さらに、上記目的の領域に全体的な反応を生成するように上記第1の反応と上記第2の反応とを結合することを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより上記目的の領域に第1の反応を生成するステップは、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含む第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることを含む、項目23に記載の方法。
(項目27)
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲でトランスデューサーを作動させる上記ステップは、少なくとも1つの熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果を含む第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることを含む、項目23に記載の方法。
(項目28)
第1のエネルギー効果を提供するように第1の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより目的の領域に第1の反応を生成する、上記ステップは、トランスデューサーを作動させることにより、第1の、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性の反応のうちの少なくとも1つを生成することを含む、項目23に記載の方法。
(項目29)
第2のエネルギー効果を提供するように第2の周波数範囲でトランスデューサーを作動させることにより目的の領域に第2の反応を生成する、上記ステップは、トランスデューサーを作動させることにより、第2の、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性の反応のうちの少なくとも1つを生成することを含み、
上記第2の反応は上記第1の反応と同じあるいは異なる、項目23に記載の方法。
(項目30)
患者に非侵襲的超音波処置を提供する方法であって、上記方法は、
目的の領域に第1の、平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、第1のエネルギー効果および対応する第1の反応を生成することと、
上記目的の領域に、平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、第2のエネルギー効果および対応する第2の反応を生成することと
を含む、方法。
(項目31)
上記平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供するステップは、同じ空間的分布および振幅のエネルギービームを提供することを含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、上記第1のエネルギー効果を生成するステップは、目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果のうちの1つを生成することを含む、項目30に記載の方法。
(項目33)
上記第2のエネルギー効果を生成する目的の領域に第2の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供するステップは、目的の領域に第2の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果のうちの1つを生成することを含み、
上記第2のエネルギー効果は上記第1のエネルギー効果と同じあるいは異なる、項目30に記載の方法。
(項目34)
目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、上記第1の反応を生成するステップは、目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性反応のうちの1つを生成することを含む、項目30に記載の方法。
(項目35)
目的の領域に第2の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされたエネルギービーム、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、上記第2の反応を生成するステップは、目的の領域に第1の平面的なエネルギービーム、デフォーカスされた、およびフォーカスされたエネルギービームのうちの1つを提供することにより、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性反応のうちの1つを生成することを含み、上記第2の反応は第1の反応と同じあるいは異なる、項目30に記載の方法。
(項目36)
処置を提供するために構成された超音波システムであって、
上記超音波システムの制御のために構成された制御システムと、
目的の領域に少なくとも2つのエネルギー効果を提供することによって目的の領域内で少なくとも1つの反応を促進するように構成されたトランスデューサーと
を備える、超音波システム。
(項目37)
上記エネルギー効果は、熱的な、キャビテーショナルな、流体力学的な、および共振誘導の、組織効果のうちの少なくとも2つを含む、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目38)
上記少なくとも1つの反応は、止血作用、結果として起こる血管再生/血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、コラーゲンの再編成、メディカントの高められた送達および活性化、タンパク質合成の刺激、および増大した細胞浸透性のうちの少なくとも1つを含む、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目39)
上記目的の領域は、患者の表面の、皮下の、および内部の領域を含む、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目40)
上記トランスデューサーは、様々な厚みのトランスダクション要素を備える、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目41)
上記トランスデューサーは、所望される反応を生み出すための適切な出力を提供するための少なくとも2つ以上の周波数と励起した、ブロードバンドトランスデューサーを備える、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目42)
上記トランスデューサーは、少なくとも2つのトランスデューサーを備え、第1のトランスデューサーは、低周波処置のために構成され、第2のトランスデューサーは、高周波処置のために構成されている、項目36に記載の超音波処置システム。
(項目43)
上記トランスデューサーは、目的の領域内の少なくとも2つの反応を促進するために、目的の領域に少なくとも2つのエネルギー効果を提供するように構成されている、項目36に記載の超音波処置システム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の主題は、本明細書の結論部分に特に指摘され、かつ、明瞭に主張される。本発明は、しかし、作動の構成と方法に関して、クレームおよび、同類部分は同類番号によって参照され得る付随する図と共にある以下の記述を参照することによって最も理解され得る。
【0009】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的な複合超音波処置システムのブロック図を図示する。
【図2】図2は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的な複合超音波処置システムのブロック図を図示する。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4A】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4B】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4C】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図4D】図4A、図4B、図4C、および図4Dは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った、イメージングのための例示的なトランスデューサーの断面図である。
【図5】図5は、超音波処置のための2次元アレイとして構成されたトランスデューサーの例示的な実施形態である。
【図6A】図6A、図6B、および図6Cは、本発明の例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法のフローチャートである。
【図6B】図6A、図6B、および図6Cは、本発明の例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法のフローチャートである。
【図6C】図6A、図6B、および図6Cは、本発明の例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法のフローチャートである。
【図7A】図7A〜図7Cは、本発明に従ったイメージング、セラピー、および組織パラメータモニタリングサブシステムの例示的な実施形態を図示する。
【図7B】図7A〜図7Cは、本発明に従ったイメージング、セラピー、および組織パラメータモニタリングサブシステムの例示的な実施形態を図示する。
【図7C】図7A〜図7Cは、本発明に従ったイメージング、セラピー、および組織パラメータモニタリングサブシステムの例示的な実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本発明は、様々な構成要素およびプロセッシングステップという見地から、この明細書に記述され得る。そのような構成要素およびプロセッシングステップは、特定された機能を行うように構成されたどのような数のハードウエア構成要素によっても現実化され得るということが望まれる。例えば、本発明は、様々な医療装置、視覚イメージングおよび表示デバイス、入力ターミナルなどで構成され得、それらは、1つ以上の制御システム、あるいは他の制御デバイスの制御下で様々な機能を実行し得る。加えて、本発明は、あらゆる医療あるいは処置の状況で実践され得、本明細書に記述されているような、複合超音波処置の方法とシステムに関する例示的な実施形態は、ただ、本発明に対する幾つかの例示的な適用に過ぎ得ないということである。例えば、議論される原理、特徴、および方法は、どのような医療、あるいは他の組織、あるいは処置の応用にも適用され得る。
【0011】
本発明の様々な側面に従って、複合超音波処置のための非侵襲性の方法およびシステムが提供される。例示的な処置の方法およびシステムは、患者内の1つ以上の目的の領域に1つ以上のエネルギーフィールドを導出するように構成されたトランスデューサーシステムを含む。該1つあるいは複数のエネルギーフィールドは、1つあるいは複数の目的の領域に1つ以上のレスポンスを起こすために2つ以上の効果を供給し得る。
【0012】
例えば、図1に表示されている例示的な実施形態に関して、複合超音波処置のための例示的システム100は、トランスデューサー102を含み、該トランスデューサー102は、目的の領域(ROI)110の復活および/あるいは処置のための2つ以上の生物学的効果を達成するために1つ以上のエネルギーフィールド104を供給するように制御システム112を介して構成され得る。効果104は、ROI110内の2つ以上の生物学的反応を起こし、および/あるいは刺激する。
【0013】
例えば、複合超音波処置システムは、1つあるいは複数の目的の領域に1つ以上の反応を供給するための複数の生物学的効果を起こして結合するために、様々な時間的および/あるいは空間的レジームの下、超音波処置を供給することによって達成され得る。超音波処置を様々な時間的および/あるいは空間的レジームの下で提供することによって、エネルギーフィールド104は、任意の音響周波数レベルの超音波エネルギーを含み得る。例えば、エネルギーフィールド104は、低周波音響エネルギー、エネルギー強度の増強された均質あるいは均一の超音波フィールド、高周波音響エネルギー、超高周波エネルギー、および/あるいは任意の他のレベルの音響エネルギーを含み得る。手術のために周波数を選択することは、適用に対する望ましい処置の種類に基づき得る。エネルギーフィールド104は、また、トランスデューサー102によって、フォーカスされ、デフォーカスされ、および/あるいは実質的に平面状にされることにより、複数の効果106を提供し得る。例えば、実質的に平面状のエネルギーフィールド104は、熱効果および/あるいは前処理効果を提供し得、フォーカスされたエネルギーフィールド104はアブレーティブ効果、あるいは高温効果を提供し得、デフォーカスされたエネルギーフィールド104は、拡散した熱効果を提供し得る。
【0014】
効果106は、ROI110内の2つ以上の生物学的反応108を起こし、および/あるいは刺激するために構成された任意の組織効果を含み得、熱および非熱ストリーミング、(メガヘルツ周波数範囲の0.1から1W/cm2の低レベル超音波による安定キャビテーションを含む)キャビテーショナルな、流体力学的な、アブレーティブな、止血性の、ジアテルミーの、および/あるいは共振誘導の、組織効果を含むが、それらに限定されるものではない。1つ以上の反応を生成するための2つ以上の効果の併用は、ヒト組織への慢性的傷害を起こすことなく、より高い有効性および皮膚のより早い復活を生成し得る。例えば、超音波エネルギーの様々な時間的および/あるいは空間的デポジションの併用は、表皮および角質層への慢性的傷害なしに、角質層の下の組織に提供され得る。
【0015】
効果106によって起こされ、および/あるいは刺激された反応108は、エネルギー効果によって起こされ、および/あるいは刺激された任意の生物学的反応を含み得る。例えば、1)高濃度超音波ビームから刺激されたものを含む止血作用、2)約2MHzから7MHzあるいはそれ以上の高周波適用から生み出されるような二次の血管再生/血管新生、3)相互接続組織の増殖、4)脂肪、コラーゲン、およびその他のような既存組織の再編成および/あるいはアブレーション、5)刺激された遺伝子あるいは組織への薬物処置の可能性を助長し得る、増大した細胞浸透性、および/あるいは10kHzから10MHzの超音波周波数によって起こされた、様々な薬物に対する特定の組織の増加した浸透性、6)メディカント(medicants;メディカル物質)の高められた送達および/あるいは活性化、7)タンパク質合成の刺激作用、および/あるいは8)その他のあり得る組織反応(例えば、凝固壊死)、のようなものを含み得る。フォーカスされた超音波の例示的なアブレーティブ反応は、米国特許第6,050,943号および第6,500,121号で論証されており、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有する。従って、例えば、低強度分散超音波フィールドは、血管生成を提供するために生み出され得、増強された強度の均質あるいは均一の超音波フィールドは、治癒および復活の割合を増やすジアテルミーを提供するために生み出され得、および/あるいは、高強度にフォーカスされたおよび/あるいはアンフォーカスされたビームは、ヒト組織の様々な深さや位置の一時的なアブレーティブおよび止血作用効果を提供するために生み出され得、これにより、復活の加重あるいは結合効果は、超音波エネルギーフィールドを組み合わせることによって作り出される。
【0016】
処置の提供において、トランスデューサー102は、目的の領域110に対するセラピー、イメージング、および/あるいは、温度あるいは他の組織パラメータのモニタリングを提供し得る。例えば、図7A〜図7Cに示される例示的実施形態に従って後に詳細に論議されるように、トランスデューサー700は、該同じトランスデューサー内でのセラピー、イメージング、および温度のモニターのために構成され得る。目的の領域110は、患者の内部処置領域、表面層、および/あるいは皮下領域の間の、内部処置の目的の領域、表面の目的の領域、皮下の目的の領域、および/あるいは他の任意の目的の領域を含み得る。1つの目的の領域110のみが描かれているのに対して、トランスデューサー102は、複数の目的の領域を処置するように構成され得る。
【0017】
例えば、例示的な複合トランスデューサーシステムは、止血作用反応を起こす、および/あるいは刺激する効果を提供するための高密度超音波エネルギーを提供するように構成されたトランスデューサーを含み得る。例示的な複合トランスデューサーシステムは、また、約2MHzから7MHzの中周波数範囲の超音波エネルギーを提供するように構成されたトランスデューサーを含むことにより、とりわけ付加的な血管再生/血管生成の処置のような反応を起こし、および/あるいは刺激する効果を提供する。該例示的な処置のトランスデューサーシステムは、また、組織再生反応を起こし、および/あるいは刺激する非熱ストリーミング効果を提供するエネルギーを送達するように構成されたトランスデューサーを含み得る。加えて、トランスデューサーは、低レベル超音波エネルギーの送達から提供される効果を介することによる安定したキャビテーション反応を起こし、および/あるいは刺激するように構成され得る。
【0018】
トランスデューサー102は、処置を助長するために構成された1つ以上のトランスデューサーを含み得る。トランスデューサー102は、また、1つ以上のトランスダクション要素を含み得る。該トランスダクション要素が含み得るものは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などの圧電性の活性物質、または、圧電セラミック、クリスタル、プラスチック、および/あるいは複合材料のような他の任意の圧電性の活性物質と、ニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、および/あるいはメタニオブ酸鉛とである。圧電性の活性物質に加えて、あるいはその代わりに、トランスデューサー102は、容量的に結合したトランスデューサーあるいは他の音響ソースのような、放散および/あるいは音響エネルギーを生み出すために構成された他の任意の物質を含み得る。トランスデューサー102は、また、圧電性の活性物質に結合されたようなトランスダクション要素と共に構成された1つ以上のマッチングおよび/あるいはバッキング層を含み得る。トランスデューサー102は、また、トランスダクション要素に沿って、単一あるいは複数のダンピング要素と共に構成され得る。
【0019】
例示的な実施形態に従って、トランスデューサー102のトランスダクション要素の厚みは均一になるよう構成され得る。つまり、トランスダクション要素は、一貫して、実質的に同じ厚みを有するよう構成され得る。他の例示的な実施形態に従って、トランスダクション要素は、様々な厚み、および/あるいは複数のダンプされたデバイスと共に構成され得る。例えば、トランスデューサー102のトランスダクション要素は、より低い範囲、例えば約1kHzから3MHzの、センターオペレーティング周波数を提供するために選択された第1の厚みを有するように構成され得る。トランスダクション要素は、また、より高い範囲、例えば約3MHzから100MHzあるいはそれ以上の、センターオペレーティング周波数を提供するために選択された第2の厚みを有するように構成され得る。
【0020】
トランスデューサー102は、所望される反応108を生み出すための適切な出力を提供するための少なくとも2つ以上の周波数と励起した、単一ブロードバンドトランスデューサーとして構成され得る。トランスデューサー102は、また、2つ以上の個別のトランスデューサーとして構成され得、それぞれのトランスデューサーは、トランスダクション要素を含む。トランスダクション要素の厚みは、所望される処置範囲のセンターオペレーティング周波数を提供するように構成され得る。例えば、トランスデューサー102は、約1MHzから3MHzのセンター周波数範囲に一致する厚みを有する第1のトランスダクション要素と共に構成された第1のトランスデューサーを含み得、また、約3MHzから100MHzあるいはそれ以上のセンター周波数範囲に一致する厚みを有する第2のトランスダクション要素と共に構成された第2のトランスデューサーを含み得る。第1、および/あるいは第2のトランスダクション要素に対する厚みの様々な他の範囲もまた、実現され得る。
【0021】
例示的なトランスデューサー102は、様々な方法で適切に制御され、および操作され得る。例えば、図2に描かれている例示的な実施形態に関して、例示的な複合超音波処置システム200は、トランスデューサー202と結合された制御システム208を含み得る。制御システム208は、目的の領域210に複合超音波処置を提供するためのトランスデューサー202の制御と操作とを助長するように構成され得る。制御された動きを助長するために、例示的な実施形態に従って、制御システム208は、動作制御および位置エンコーディングシステム212と共に構成され得、該運動制御および位置エンコーディングシステム212は、目的の領域210のより柔軟な超音波処置を提供するためのトランスデューサー202によって機械的スキャンニングを助長するように構成されている。運動制御および位置エンコーディングシステム212は、位置エンコーディングに加えて、あるいはその代わりに、様々な種類のフィードバック配置と共に、任意の従来の運動制御システムを含み得る。例えば、運動制御および位置エンコーディングシステム212は、また、2004年9月15日付出願の米国特許出願、「System and Method for Variable Depth Ultrasound Treatment」に開示されているような、1つ以上のフィードバック構成あるいは情報のソースを含み得、これは、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される。位置エンコーディング構成は、既知のあるいは以下に考案された任意の位置エンコーダーシステムを含み得る。
【0022】
制御システム208は、プロセッサ、ディスプレイ、および/あるいは1つ以上の入力デバイスを含み得る。プロセッサは、パーソナルコンピュータ、ユニックスシステム、あるいはあらゆる従来のプロセッシングユニットを含み得る。例示的なディスプレイは、モニター、LCDスクリーン、あるいはイメージを表示するように構成されたあらゆるデバイスを含み得る。例示的なディスプレイは、既知のあるいは以下に考案された任意の方法でイメージングを提供するように構成され得る。例えば、トランスデューサー202は、ROI210のイメージを得るためにパルスエコーイメージングを使用し得る。そのイメージは、それから、1つ以上のカップリング機構を介してディスプレイに送信され得る。入力/出力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、あるいは情報の入力および/あるいは出力のためのあらゆるデバイスを含み得る。入力デバイスからの情報および表示されたイメージは、手動によって、アナログデバイスによって、デジタルデバイスによって、および/あるいはあらゆる他の機構などによって、任意のフォーマットで受信され、あるいは送信され得る。任意のプロセッサ、ディスプレイ、および/あるいは入力デバイスを含む、制御システム208の様々なデバイスは、任意の方法で結合され得る。結合することによって、様々なデバイスは、お互いと直接接続され得、あるいは、信号が1つの要素から他の要素へ、あるいは逆に移動することを許可する1つ以上の他のデバイスあるいは要素を介して接続され得る。制御システム208を含むデバイスのための様々なカップリング機構は、インターネット、ワイヤレスネットワーク、従来のワイヤーケーブル、光ケーブル、あるいは空、海、あるいは信号を伝える任意の他の媒体、および任意の他のカップリングデバイスあるいは媒体を介しての接続を含み得るが、それらに限定されるものではない。
【0023】
制御システム208は、また、様々な方法でトランスデューサー202と結合され得る。例示的な実施形態に従って、導線は、制御システム208とトランスデューサー202とを結合させ得る。導線は、パワーをトランスデューサー202へ送信することを可能にし、且つ、信号をトランスデューサー202より受信することを可能にするように構成され得、超音波トランスデューサーと併せての使用のための任意のワイヤリングの種類、構成、および/あるいは配置を含み得る。トランスデューサー202は、また、様々な方法で導線と結合し得る。例えば、図2は、トランスデューサー202の一端のみに結合された導線を描いているが、導線は、また、反対側の一端、あるいはトランスデューサー202に沿ったあらゆる他の場所に結合され得る。制御システム208は、トランスデューサー202に必要不可欠に構成され得、例えば、両者の間で適切な電気的および/あるいは送信の接続を伴う単一の構造として共に接続される。
【0024】
目的の領域210に対するトランスデューサー202の結合を助長するために、トランスデューサー202は、さらに、超音波エネルギーおよび信号の音響カップリングのために構成されたカップリングシステム204を含み得る。カップリングシステム204は、そのような結合を様々なカップリング媒体の使用を通して助長し得、それらのカップリング媒体には、空気および他の気体、水および他の流体、ゲル、固体、および/あるいはそれらのあらゆる組み合わせ、あるいはトランスデューサー202と目的の領域210との間で信号を送信させるあらゆる他の媒体を含む。カップリング機能を提供することに付け加え、例示的な実施形態に従って、カップリングシステム204は、また、処置適用中の温度制御を提供するために構成され得る。例えば、カップリングシステム204は、カップリング媒体の温度を適切に制御することによる、トランスデューサー202と目的の領域210との間のインターフェース表面、あるいは領域の制御冷却のために構成され得る。そのようなカップリング媒体に対する適切な温度は、様々な方法で達成され得、熱伝対、サーミスター、あるいは、カップリング媒体の温度計測のために構成されたあらゆる他のデバイスあるいはシステムのような、様々なフィードバックシステムを利用し得る。そのような制御冷却は、複合超音波処置システム200の空間的および/あるいは熱的なエネルギー制御をさらに助長するように構成され得る。
【0025】
上記に論じられたように、例示的なトランスデューサー202は、目的の領域210に複合超音波処置を提供するために様々な方法で構成され得る。例えば、図3に描かれている例示的な実施形態に関して、トランスデューサー302は、フェーズフォーカシングを助長するように音響アレイとして構成され得る。つまり、トランスデューサー302は、様々な電気的遅延時間を経た様々なフェーズによって作動させ得る電気的アパーチャーのアレイとして構成され得る。術語の「作動させる(operated)」によって、トランスデューサー302の電気的アパーチャーは、操作され、駆動され、使用され、および/あるいは電気的遅延時間によって引き起こされたフェーズ変化に一致するエネルギービームを提供し、および/あるいは届けるように構成され得る。例えば、これらのフェーズ変化は、デフォーカスされたビーム、平面的なビーム、および/あるいはフォーカスされたビームを伝達するために使用され得、それぞれは目的の領域(ROI)310の異なった生理学上の効果を達成するために組み合わせて使用され得る。トランスデューサー302は、1つ以上の電気的遅延時間を伴ったフェーズドアパーチャーアレイを発生させ、提供し、および/あるいは駆動するためのあらゆるソフトウエア、および/あるいは他のハードウエアと共に付加的に構成され得る。
【0026】
トランスデューサー302は、ROI310を処置するために低および/あるいは高周波数を生成しおよび/あるいは伝達するように構成され得る。ROI310は、1つ以上の追加の目的の領域を含み得る。例えば、ROI310は、患者の表面層312、皮下層314、および/あるいは内部領域322を含み得る。ROI310は、また、表面層312と内部領域322との間、あるいは皮下層314と内部領域322との間のどのエリアも含み得る。内部領域322は、患者の組織層内の深さ324に位置する。例えば、深さ324は、患者体内で約0mmから40mmの範囲内で、該約0mmの範囲は、患者の表面層312の外面を含む。言い換えると、患者の表面層312は、患者の表面上、あるいは表面の近くのあらゆるエリアを含み得る。トランスデューサー302による処置は、患者のあらゆる表面領域、皮下領域、あるいは/および内部領域の処置と、患者のそれらの領域のあらゆる組み合わせの処置とを含み得る。1つの例示的な実施形態に従って、第1のROI310の処置は、例えば約1MHzから3MHzの低周波数で駆動されるトランスデューサー302の使用により助長され得る。
【0027】
再び図3に描かれている例示的な実施形態を参照して、トランスデューサー302は、また、1つ以上の追加の目的の領域(ROI)320を処置するように構成され得る。例示的な実施形態に従って、追加のROI320は、ROI310内に位置し得る。追加のROI320の処置は、例えば約3MHzから100MHz、あるいはそれ以上までの低周波数から超高周波数で作動するトランスデューサー302の使用によって助長され得る。図3は内部領域322内に位置する追加のROI320を描いているが、他の例示的な実施形態に従って、追加のROI320は、第1のROI310内の、内部領域322、表面領域312、および/あるいは皮下領域314を含む任意の場所に位置し得る。
【0028】
再び図1を一時的に参照して、ROI310の処置によって、トランスデューサー302は、1つ以上の生物学的反応108を起こし、および/あるいは刺激する複数の効果106を提供するための1つ以上のエネルギーフィールド104を送信するように構成され得、生物学的反応108は、例えば、ジアテルミー、止血作用、血管再生、血管新生、相互接続組織の増殖、組織の再編成、既存組織のアブレーション、タンパク質合成、および/あるいは増大した細胞浸透性のようなものである。2つ以上のこれらの生物学的反応は、表面組織の復活および/あるいは処置を助長するように組み合わされ得る。トランスデューサー302は、また、最善の処置結果を助長するために、ROI310に対するイメージング、および/あるいは、温度あるいは他の組織パラメータのモニタリングのために構成され得る。
【0029】
トランスデューサー302は、また、約750kHzから10MHzの範囲の中位の周波数を使って、1つ以上の目的の領域にフォーカスした処置を提供するように構成され得る。フォーカスした処置を提供するために、トランスデューサー302は、処置を助長するために1つ以上の様々な深度デバイスと共に構成され得る。例えば、トランスデューサー302は、2004年9月16日付出願の「System and Method for Variable Depth Ultrasound」という名称の、米国特許出願第10/944,500号に開示されているような、様々な深度デバイスと共に構成され得、これは、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される。加えて、トランスデューサー302は、また、2004年9月16日付出願の「Method and System for Ultrasound Treatment with a Multi−directional Transducer」という名称の、米国特許出願第10/944,499号に開示されているような、副高調波あるいはパルスエコーイメージングを可能にすることによって1つ以上の追加のROI320を処置するために構成され得、これは、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される。
【0030】
さらに、例えば液体充てんレンズのような、あらゆる種類の機械的レンズあるいは様々なフォーカスレンズは、また、音場をフォーカスし、および/あるいはデフォーカスするために使用され得る。例えば、図4Aおよび図4Bに描かれている例示的な実施形態を参照して、トランスデューサー402は、また、ROI410の処置の増加した順応性を助長するために1つ以上のトランスダクション要素406と組み合わせてで、電気的フォーカシングアレイ404と共に構成され得る。アレイ404は、トランスデューサー302と類似した方法で構成され得る。つまり、アレイ404は、例えばτ1、τ2、τ3...τjのような様々な電気的遅延時間を介して、様々なフェーズによって作動され得る電気的アパーチャーのアレイとして構成され得る。術語の「作動させる(operated)」によって、アレイ404の電気的アパーチャーは、操作され、駆動され、使用され、および/あるいは電気的遅延時間によって引き起こされたフェーズ変化に対応した方法でエネルギーを生成し、および/あるいは送信するように構成され得る。例えば、これらのフェーズ変化は、デフォーカスされたビーム、平面的なビーム、および/あるいはフォーカスされたビームを送信するために使用され得、これらはそれぞれ、ROI410の異なった生理学上の効果を達成するために組み合わせて使用され得る。
【0031】
トランスダクション要素406は、凹面に、凸面に、および/あるいは平面になるように構成され得る。例えば、図4Aに描かれている例示的な実施形態において、トランスダクション要素406Aは、ROI410Aの処置のためのフォーカスされたエネルギーを提供するために凹面になるように構成されている。追加の実施形態は、「System and Method for Variable Dept Ultrasound」という名称の、米国特許出願第10/944,500号に開示されており、再び、その内容は本明細書中に参考として援用される。
【0032】
図4Bに描かれている他の例示的な実施形態において、トランスダクション要素406Bは、ROI410Bに実質的に均一なエネルギーを提供するために、実質的に平らになるように構成され得る。図4Aおよび図4Bは、それぞれ、凹面および実質的に平らに構成されたトランスダクション要素404を伴った例示的な実施形態を描いているが、トランスダクション要素404は、凹面に、凸面に、および/あるいは実質的に平面になるように構成され得る。加えて、トランスダクション要素404は、凹面の、凸面の、および実質的に平らな構造のあらゆる組み合わせになるように構成され得る。例えば、第1のトランスダクション要素は、凹面になるように構成され得、一方で、第2のトランスダクション要素は実質的に平らになるように構成され得る。
【0033】
図4Cおよび図4Dに関して、トランスデューサー402は、また、平面的なの、フォーカスされた、および/あるいはデフォーカスされた音響エネルギーを提供するために環状のアレイとして構成され得る。例えば、例示的な実施形態に関して、環状アレイ400は、複数のリング412、414、416〜Nを含み得る。リング412、414、416〜Nは、機械的に、かつ電気的に一組の個々要素に分離され得、平面的なの、フォーカスされた、あるいはデフォーカスされた波動を作り出し得る。例えば、そのような波動は、対応する送信および/あるいは受信遅延τ1、τ2、τ3...τNを調整する方法によって、軸上に集中し得る。電気的フォーカスは、様々な深さ位置に沿って適切に動き得、様々な強さあるいはビーム密度を可能にし得、その一方で、電気的フォーカスは、様々な量のデフォーカシングを有し得る。例示的な実施形態に従って、レンズ、および/あるいは凹面、あるいは凸面形状の環状アレイ400は、また、あらゆる時間差遅延も低減され得るよう、フォーカシングおよびデフォーカシングを助成するように構成され得る。プローブおよび/あるいはあらゆる従来のロボットアーム機構の使用を介してのような、1次元、2次元、あるいは3次元の、あるいはあらゆる経路に沿った環状アレイ400の動きは、目的の領域の容量あるいは対応したあらゆる空間をスキャンし、および/あるいは処置するために実行され得る。
【0034】
他の例示的な実施形態に関して、トランスデューサー202は、2次元アレイを形成するように、適切に2次元的にサイの目に刻まれ得る。例えば、図5に関して、例示的な2次元アレイ500は、適切にサイの目に刻まれて複数の2次元部分502になり得る。2次元部分502は、特定の深さで処置領域にフォーカスするように適切に構成され得、このようにして処置領域のそれぞれのスライス504を提供する。結果として、該2次元アレイ500は、処置領域のイメージ場所の2次元的スライシングを提供し得、このようにして2次元の処置を提供する。
【0035】
他の例示的な実施形態に従って、トランスデューサー202は、3次元の処置を提供するように適切に構成され得る。例えば、再び図2を参照し、目的の領域に3次元の処置を提供するために、3次元システムは、制御システム208のような制御システムに含まれた、例えば、3次元グラフィックソフトウエアを利用しているようなアダプティブアルゴリズムと共に構成されたトランスデューサー202を含み得る。アダプティブアルゴリズムは、目的の領域に関する2次元のイメージングおよび温度情報を受信するように適切に構成され、受信した情報を処理し、それから対応する3次元のイメージングおよび温度情報を提供する。例えば、トランスデューサー202は、2002年7月10日付出願の「Imaging, Therapy & Temperature Monitoring Ultrasonic System」という名称の、米国特許出願第10/193,491号、および「Imaging, Therapy & Temperature Monitoring Ultrasonic System」という名称の、米国特許第6,036,646号に開示されているような、3Dイメージングおよびモニタリングシステムと共に構成され得、これらはまた、本出願と少なくとも1人の共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は両者とも本明細書中に参考として援用される。
【0036】
例示的な実施形態に従って、再び図5を参照して、例示的な3次元システムは、処置領域の異なったイメージ平面から、適切に504のスライスを受信するようにアダプティブアルゴリズムと共に構成された2次元アレイ500を含み得、受信した情報を処理し得、それから、例えば3次元のイメージングおよび温度の情報などの、容積情報506を提供し得る。さらに、受信した情報をアダプティブアルゴリズムで処理した後、2次元アレイ500は、所望されるように容積領域506に適切に処置のヒーティングを提供し得る。
【0037】
あるいは、3次元ソフトウエアのようなアダプティブアルゴリズムを利用するよりむしろ、3次元のイメージングおよび/あるいは温度の情報を提供するために、例示的な3次元システムは、目標領域に対する様々な回転位置および/あるいは直進位置から作動するプローブ配列内に構成されたトランスデューサー202を含み得る。例えば、トランスデューサー202は、本出願と幾人かの共通の発明者および共通の譲受人を有し、その内容は本明細書中に参考として援用される、「Imaging, Therapy & Temperature Monitoring Ultrasonic System」という発明の名称の、米国特許第6,036,646号に開示されているような、例えば手動で作動される、あるいは電動化されたプローブ構成のような、プローブ構成で構成され得る。加えて、および/あるいは代わりとして、トランスデューサー202は、2004年5月12日付出願の、「3D Data Acquisition Device for Ultrasound」という名称の、米国特許仮出願第60/570,145号に開示されている、3Dプローブデバイスと共に構成され得、その内容は本明細書中に参考として援用される。
【0038】
利用されたトランスデューサーシステムの種類に関係なく、あらゆる音響の単一および/あるいは2次元のアレイのサイズ、個別のトランスデューサー要素、および単一あるいは複数の要素は、所望される音響フィールド分布を達成するために様々なサイズを含み得、それらのサイズは、音響波長のほんの少しの大きさのサイズ、例えば、広範囲の角度に音および/あるいは超音波を放射するものから、多くの波長の幅広い音響ソース、例えば、より前方に向いた方法によって音および/あるいは超音波を投射するものまで、などである。
【0039】
さらに、例示的な複合超音波システムによって組織内に作り出された生理学的効果は、エネルギーの空間的な分布によって影響されるだけでなく、例えば時間で変動するような時間的な特性によって影響される。従って、それぞれのアレイ、2次元のアレイ、あるいは単一の要素のあるいは他のトランスデューサーは、また、1)20kHzから100MHzのような様々な送信周波数で、あるいはエネルギーの単一ブロードバンドパルスでさえ使用され得、2)ミリセカンドから連続的な波長までの、例えば秒、分、あるいはそれ以上の様々な送信パルス幅で使用され得、3)ほとんど0パーセントのON時間から100パーセントのON時間まで、様々なパルスデューティーサイクルで使用され得、および/あるいは、4)全体の所望されるエネルギーおよび音響強度レベルによって、マイクロワットからキロワットまで様々な送信パワーレベルで使用され得る。
【0040】
超音波システム200の作動を介して、複合超音波処置の方法は実現され得、その方法はヒト組織への慢性的傷害を起こすことなく、効果的で能率的な処置を助長し得る。例えば、図6A、図6B、および図6Cに関して、例示的なフローチャートは、本発明の様々な例示的な実施形態に従った複合超音波処置の方法を図示する。とりわけ図6Aに図示される例示的な実施形態に関して、ユーザーは、エネルギーを目的の領域に伝達する(ステップ601)ためにトランスデューサーを使用し得る。本明細書に使用されるように、術語の「ユーザー」は、他の制御システムのあらゆるハードウエア、および/あるいはソフトウエアを利用している、人、従業員、医師、看護士、および/あるいは専門家を含み得る。エネルギーを伝達することによって、トランスデューサーは、選択された周波数で駆動され得、フェーズアレイは、特定の時間的および/あるいは空間的分布で駆動され得、トランスデューサーは、フォーカスされた、デフォーカスされた、および/あるいは平面的なエネルギーを提供するための1つ以上のトランスダクション要素と共に構成され得、および/あるいは、トランスデューサーは、以下に考案された他のあらゆる方法で構成され、および/あるいは駆動され得る。作動のためのエネルギーフィールドの選択は、用途で所望される効果および/あるいは反応の種類に基づき得る。
【0041】
ステップ601で伝達されたエネルギーは、目的の領域に2つ以上のエネルギー効果を提供し(ステップ603)得る。エネルギー効果は、本明細書に記述されたあらゆる効果であり得る。エネルギー効果は、次には、目的の領域の1つ以上の反応を刺激し、および/あるいは起こし(ステップ605)得る。反応は、本明細書に記述されたあらゆる反応であり得る。従って、2つ以上のエネルギー効果は、単一の反応を提供し得、2つ以上のエネルギー効果は、目的の領域の処置を提供するように2つ以上の反応を提供し得、および/あるいは、2つ以上のエネルギー効果は、目的の領域の全体的な復活および処置を助長するように、単一の反応に結合され得る2つ以上の反応を提供し(ステップ650)得る。
【0042】
複合超音波処置の例示的な方法は、前述の一連のステップ601、603、605、および650で実現され得るが、複合超音波処置の例示的な方法は、任意の順番で実施されるあらゆるステップを介して達成され得る。例えば、図6Bに図示された例示的なフローチャートに関して、ユーザーは、目的の領域にエネルギーを伝送するためにトランスデューサーを使用し(ステップ611)得る。エネルギーは、特定の時間的および/あるいは空間的分布でフェーズアレイを介して伝送され得、フォーカスされた、デフォーカスされたおよび/あるいは平面的なエネルギーを提供するための1つ以上のトランスダクション要素と共に構成されたトランスデューサーを介して伝送され得、および/あるいは、本明細書に記述のおよび/あるいは以下に考案された他のあらゆる方法で構成された、および/あるいは駆動されるトランスデューサーを介して伝送され得る。エネルギーは、目的の領域の第1のエネルギー効果を提供する(ステップ613)ために使用され得る。第1の効果は、本明細書に記述のあらゆる効果であり得る。第1の効果は、次には、目的の領域の第1の反応を起こしおよび/あるいは刺激し(ステップ615)得る。第1の反応は、本明細書に記述のあらゆる反応であり得る。
【0043】
トランスデューサーは、また、同一のおよび/あるいは異なった目的の領域に第2のエネルギー効果を提供する(ステップ619)ためのエネルギーを再び伝達する(ステップ617)ように構成され得、第2の反応を起こし、および/あるいは刺激し、あるいは、同一のおよび/あるいは異なった目的の領域の第1の反応を提供する(ステップ621)ための第1のエネルギー効果と結合する。2度目のエネルギーの伝達によって、トランスデューサーは、ステップ611と同じ周波数で、および/あるいはステップ611の周波数とは異なった周波数で駆動され得る。第2の効果および第2の反応は、本明細書に記述のあらゆる効果および反応であり得る。第1および第2の効果および/あるいは反応は、瞬時に起こり得、および/あるいは、より長い継続期間、例えば1週間のような期間に渡って、その間に1つ以上の遅延期間を伴って発達し得る。第1および第2の効果が2つ以上の反応を提供する場合、該2つ以上の反応は、また、目的の領域の全体的な復活および処置を助長するように組み合わされ(ステップ650)得る。
【0044】
複合超音波処置の例示的な方法の他の例は、図6Cに図示されている。ユーザーは、目的の領域に1つ以上のエネルギーフィールドを伝達するためにトランスデューサーを使用し(ステップ631)得る。エネルギーの伝達によって、トランスデューサーは、特定の周波数で駆動され得、フェーズアレイは、特定の時間的および/あるいは空間的分布で駆動され得、トランスデューサーは、フォーカスされた、デフォーカスされた、および/あるいは平面的なエネルギーを提供するための1つ以上のトランスダクション要素と共に構成され得、および/あるいは、トランスデューサーは以下に考案された他のあらゆる方法で構成され、および/あるいは駆動され得る。エネルギーフィールドは、同時に伝達され得、エネルギーは、遅延したおよび/あるいは重複している時間に伝達され得、および/あるいは、エネルギーは、全体として異なった時間に遅延され得る。
【0045】
伝達されたそれぞれのエネルギーフィールドは、目的の領域に1つ以上のエネルギー効果を提供(ステップ633)し得る。エネルギー効果は、本明細書に記述されたあらゆる効果であり得る。それぞれのエネルギー効果は、同じおよび/あるいは異なる目的の領域に対して1つ以上の反応を起こし、および/あるいは刺激し、かつ、提供し、および/あるいは結合し(ステップ635)得る。反応は、本明細書に記述されたあらゆる反応であり得る。エネルギー効果および/あるいは反応は、瞬時に、同時に起こり得、および/あるいはより長い継続期間、例えば1週間のような期間に渡って発達し得る。2つあるいはそれ以上の反応は、目的の領域の全体的な復活および処置を助長するために組み合わされ(ステップ650)得る。本発明は、前述の一連のステップにおける複合超音波処置の方法を記述しているが、本発明の方法は、任意の順番で実施されるあらゆるステップを介して達成され得る。
【0046】
上記に論じられたように、複合超音波処置を提供するための例示的なトランスデューサーの実施形態は、単一のトランスデューサー内でイメージング/セラピー、および/あるいは組織のパラメータのモニタリングを提供するように構成され得る。例えば、図7Aに関して、イメージングサブシステム710は、例示的なイメージング/セラピー、および/あるいは組織のパラメータモニタリング音響トランスデューサーアッセンブリ700にインターフェースされ得る。ケーブル760を介して音響トランスデューサーアッセンブリ700と接続されたイメージングサブシステム710は、ビーム形成制御ユニットを含む。このユニットは、目標組織780内の、処置領域を含む目的の領域を、音響トランスデューサーアッセンブリ700が音響波動を使用して、スキャンするように作動される。戻ってくる音響信号は、音響トランスデューサーアッセンブリ700によって受信され、それからイメージングサブシステム710に送られて、処置領域の超音波イメージを生み出す。このようにして生み出されたイメージは、実際に処置の処置工程を開始する前に、目標組織780内の処置領域に関して音響トランスデューサーアッセンブリ700を適切に配置する際にユーザーを援助するために、ビデオディスプレイターミナル750に表示される。
【0047】
図14Bに関して、セラピーサブシステム(処置のヒーティングシステム)720は、例示的な複合イメージング/セラピー、音響トランスデューサーアッセンブリ700にインターフェースされ、ケーブル760を介して複合イメージング/セラピー音響トランスデューサーアッセンブリ700と接続されており、該セラピーサブシステム720は、パワーRF、あるいは音響トランスデューサーアッセンブリ700のリニアアレイとインターフェースされた他の種類の駆動装置を含む。音響トランスデューサーアッセンブリ700が、目標組織780内の処置領域を含む目的の領域に音響波動を送信し、方向を定め、および/あるいはフォーカスするように、パワーRF駆動装置は適時に制御される。ヒーティングパワーおよびヒーティング時間、およびトランスデューサー陽極酸化も、全て適切なヒーティングパターンおよび処置の適用量を達成するための処置の処置工程の間には制御される。
【0048】
温度のような、組織パラメータモニタリングは、組織運動アーチファクトを避けるように計算された方法でモニターされ得る。例えば、局在的な領域が熱せられた場合、熱せられた領域は、実質的に瞬時にそれから先はパルスエコー信号で調べられる。そのような場合、熱せられた領域からのエコーは、時間と振幅の点で変化し得る。例えば、組織内の音響減衰量は50℃から70℃でおよそ2倍となる。該領域は、ヒーティングの前後に直ちに計測され、これによって組織運動アーチファクトは、あらゆる音響伝播効果と共に避けられる。
【0049】
1度に小さな領域のみが処置される場合、ホットスポット周辺の等温の領域が発生される。従って、熱せられた領域上に入射する波動の飛行時間、および振幅は、処置のエネルギーが伝達される前と後では同じである。このように、セラピーの後に計測された振幅変化および時間変化は、実質的に処置された組織に起因し得る。
【0050】
図7Cに関して、複合イメージング/セラピートランスデューサーアッセンブリ1300は、小さな領域780を熱するために使用される場合、温度モニタリングサブシステム730はディスプレイ750と接続される。温度モニタリングサブシステム730は、また、適切なケーブル760によってのようにトランスデューサーアッセンブリ700と接続されている。この例に従って、全容量はスキャンされ、かつ、パルスエコーを掃引することによって、効果的な温度の適用量(時間/温度ヒストリー)(例えば、リクロス(recrossed)容量)が決定され得る。術語の、熱適用量は、例えばネクロシティ(necrosity)の決定が下される、温度および継続の時間の必要不可欠な機能に関する。
【0051】
本発明は、様々な例示的な実施形態に関して上記に記述された。しかし、当該技術者は、例示的な実施形態に本発明の範囲からから逸れること無く変更および修正が行われ得ることを認識する。例えば、様々なステップが削除され得、修正され得、あるいは他のステップと組み合わされ得るように、様々な操作上のステップおよび該操作上のステップを実行するための要素は、特定の適用によって、あるいは、システムの作動に関したあらゆる数のコスト機能を考慮して、代替方法で実施され得る。さらに、上記に記述のトランスデューサーを使用しての複合超音波処置の方法とシステムは、患者に近い医療実務者によっての使用に対して適切であるが、該システムは、遠方からもアクセスされ得、例えば、医療実務者は、サテライト/ワイヤレスによる、あるいは、IP、あるいはデジタルケーブルネットワークおよびその他のような有線接続による、コミュニケーションの様々な方法で送信されるイメージング情報を有する遠隔ディスプレイを介して見ることができ、トランスデューサーの適切な配置に関して現地の従事者を監督できる、ということに留意されたい。これらの、および他の変更あるいは修正は、本明細書の請求項に述べられるように、本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【公開番号】特開2012−50845(P2012−50845A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−234216(P2011−234216)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【分割の表示】特願2007−533694(P2007−533694)の分割
【原出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(507084604)ガイデッド セラピー システムズ, エル.エル.シー. (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234216(P2011−234216)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【分割の表示】特願2007−533694(P2007−533694)の分割
【原出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(507084604)ガイデッド セラピー システムズ, エル.エル.シー. (15)
【Fターム(参考)】
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