説明

複数のソースからのプログラム・ガイド情報を照合する方法

【課題】種々のローカル、リモート・ソースから取得したプログラム・ガイド(PG)情報を照合する(405,415,420)ビデオ・デコーダ・システムを開示する。
【解決手段】PG情報を第1ソースから受信し、選択可能なPGメニューアイコンを表示する。第1ソースからのPG情報アイテムのあるカテゴリはメニューアイコン選択に応答して表示属性別に照合され(425)、該当アイテムが表示される(430,435)。アイテムのカテゴリに割り当てた表示属性はアイテムのカテゴリとメニューアイコンに共通である。プログラムカテゴリを特定するコードはプログラムカテゴリのマスタ・セットに従ってプログラムを分類するための等価マッピング情報を使用し、他のコードに変換可能である(425)。複合プログラム・マップ情報が作成され、アイテムに割り当てた新規のデータIDが含まれ、これは第2ソースからのアイテム取り出しに使用する(420)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディジタル信号処理の分野に関し、さらに具体的には、例えば、インターネット、ケーブル、衛星および地上ソースなどの、複数のソースから引き出されたあるプログラム・ガイド(番組ガイド)情報およびプログラム・コンテンツ・データを取得し、フォーマットし、処理することに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータとテレビジョン機能を結合したホーム・エンターテインメント(家庭用娯楽)システム(PC/TVシステム)は、ますます、汎用的でユーザ対話型の、複数ソース・複数用途のコミュニケーション・デバイスとなりつつある。この種のシステムは、ユーザからの要求に応答して、さまざまなアプリケーションに対して、複数のロケーションの間を種々のデータ・フォーマットで通信することが要求されている。例えば、PC/TVシステムは、高精細テレビジョン(HDTV)放送、マルチポイント・マイクロウェーブ配信システム(Multi−point Microwave Distribution SystemMMDS)放送およびディジタル・ビデオ・放送(DVB)を含む、衛星または地上ソースからデータを受信することが可能になっている。また、PC/TVシステムは、電話(例えば、インターネット)や同軸回線(例えば、ケーブルTV)を経由して、およびディジタル・ビデオ・ディスク(Digital Video Disk DVD)、CDROM、VHSとDigital VHS(DVHS(商標))タイプのプレイヤ、PC、その他に多数のタイプのソースなどの、リモート・ソースとローカル・ソースの両方からデータを受信し、送信することも可能になっている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第97/13368号公報
【特許文献2】米国特許公報第5,589,892号公報
【特許文献3】国際公開第96/33572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような汎用的PC/TVエンターテインメント・システムを開発するにはいくつかの問題が起こっている。具体的には、複数のデータ・ソース間のコミュニケーションをサポートする点と、複数のソースからのデータを処理する点で問題が起こっている。また、複雑なユーザ対話型タスクをサポートする一方で、一般公衆用に適した単純なコマンド・インタフェースを提供するユーザ・インタフェースを、この種のシステム用に考案する必要があるとの問題もある。例えば、PC/TVシステムのユーザ・インタフェースは、ユーザが選択したプログラムを表示し、Eメール、電話、インターネット・アクセス、ファックスおよびビデオ電話機能などの機能をユーザが操作できるようになっていなければならない。このようなアプリケーションでは、PC/TVユニットと、例えば、衛星サービス・プロバイダなどの種々のリモート・ソースとの間のコミュニケーションだけでなく、例えば、DVD記憶装置などの種々のローカル・ソースとの間のコミュニケーションも要求されている。さらに、PC/TVは、種々のデバイスからの、種々のデータ・フォーマットのデータを処理し、デコード(復号化)し、受信したデータをユーザに表示する必要がある。本発明によるシステムはこれらの問題に取り組み、解決している。
【0005】
従来の参考文献として特許文献1があるが、そこに開示されているプログラム・ガイド処理システムでは、ユーザのコマンドに応答してデータ・ソースからプログラム・ガイド情報を取得するのにリモート・データ・ベースを使用している。さらに、従来の参考文献として特許文献2もあるが、そこには種々のプログラム・ガイド・メニューとフィーチャ(項目)が開示されている。また、従来の参考文献として特許文献3もあるが、そこにはチャネル・ガイド情報をソートし、組み合わせるテレビジョン・システムが開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上に鑑みて、ユーザ・インタフェースについてある種のプログラム・ガイド(Program Guide 番組ガイド)形式が、Eメール、電話、インターネット・アクセス、ファックス、ホーム・コントロール、およびビデオ電話機能などの機能についてのユーザ操作のためのインターフェースという点で、単純で使いやすいインターフェースを、都合良く、備えている、ということを本願発明者は認識した。この種の機能を得るためにある種のプログラム・ガイド(Program Guide 番組ガイド)を使用することは、シングル・ユーザ・インタフェースを通してユーザが複数のデバイスおよび関連機能を操作できるという利点も得られる。
【0007】
発明者がさらに認識したことは、ビデオ・デコーダ・システムにとって望ましいことは、種々のローカルおよびリモートのソースから取得されたプログラム・ガイド情報を照合(collating)できる能力を備えている、ということである。ここで、「照合する(collating)」とは、「複数のアイテムについて二つあるいはそれ以上の同様に順序付けされた組みを組み合わせて、別の順序付けされた組みを生成すること」を意味する。具体的には、発明者が認識したことは、その情報は、a)割り当てられた表示属性、例えば、カラー、陰影、または形状、b)割り当てられたデータID(識別子)、例えば、パケットID(識別子)(PID)、c)階層プログラム・コンテンツ構造、例えば、サブ・トピックを包含するテーマ〔コメディ、ホラーなど別に分類された映画など〕、d)受信したプログラム・カテゴリのセットを定義されたカテゴリのサブセットに対応付けている等価マッピング情報、およびe)あるプログラム・ガイド・アイテムのソース、機能およびコンテンツを含む特性などに従って、アイテムをカテゴリ別に分類して表示されるように都合良く照合(collate)されることが可能である、ということである。
【0008】
第1ソースから受信したプログラム・ガイド情報を照合する方法によれば、選択可能なプログラム・ガイド・メニュー・アイコンが表示される。第1ソースからのプログラム・ガイド情報アイテムのカテゴリは、メニュー・アイコンが選択されたことに応答して表示属性別に照合され、照合されたプログラム・ガイド情報アイテムが表示される。プログラム・ガイド情報アイテムのカテゴリに割り当てられた表示属性は、アイテムのカテゴリとメニュー・アイコンの両方に共通している。
【0009】
本発明の特徴によれば、複合プログラム・マップ情報が形成され、そこにはプログラム・ガイド情報アイテムに割り当てられた新規のデータID(識別子)が含まれており、この新規ID(識別子)は第2ソースからアイテムを取り出すために使用される。
【0010】
本発明の別の特徴によれば、プログラム・カテゴリを特定している第1コードは、プログラム・カテゴリのマスタ・セットに従ってプログラムを分類するための等価マッピング情報を使用して第2コードに変換される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、複数のソースと通信してプログラム・ガイド情報とプログラム・コンテンツ・データを取得するための、本発明によるホーム・エンターテイメント・デコーダ・システムを示す図である。このデコーダ・システムは、複数のソースから自動的に取得し、照合された情報から表示用プログラム・ガイドを作成する。ユーザは、表示されたプログラム・ガイドから選択肢を選択することによって、Eメール、電話、インターネット・アクセス、ファックスおよびビデオ電話の各機能を開始することができる。デコーダ・システムは、MPEG標準に準拠するようにエンコード(符号化)され、圧縮プログラム・コンテンツ・データと、例えば、ハイパー・テキスト・マーク・アップ言語(Hypertext Mark−up Language HTML) で表されたインターネット・データを組み込んでいるデータ・ストリームを適応的にデコード(復号化)する。デコードされたデータは複合ビデオ・イメージ(composite video image)または個別ビデオ・イメージとしてフォーマットされて表示される。
【0012】
MPEG2(Moving Picture Expert Group−動画専門家グループ)画像符号化標準(以下、「MPEG標準」と呼ぶ)は、システム符号化セクション(ISO/IEC 13818−1, 1994.6.10 −以下、「MPEGシステム標準」と呼ぶ)とビデオ符号化セクション(ISO/IEC 13818−2, 1995.1.20 −以下、「MPEGビデオ標準」と呼ぶ)から構成されている。
【0013】
この開示システムはMPEG準拠信号を受信するシステムという意味で説明されているが、これは単なる例示である。本発明の原理は、伝送チャネルおよび通信プロトコルのタイプが変化するようなシステムにも、コード化タイプが変化するようなシステムにも応用可能である。そのようなシステムとしては、例えば、他のタイプの符号化データ・ストリームや他のプログラム・ガイド(番組ガイド)情報伝達方法が関係する非MPEG準拠システムがある。さらに、この開示システムは放送プログラムを処理するものとして説明されているが、これは単なる例示である。ここで「プログラム(program)」という用語は、例えば、電話メッセージ、コンピュータ・プログラム、インターネット・データまたは他のコミュニケーションといった、任意のデータ形体を表すために用いられている。
【0014】
概要を説明すると、図1のビデオ受信システムでは、ビデオ・データで変調された搬送波は放送衛星からアンテナ10によって受信され、ユニット15によって処理される。処理結果のディジタル出力信号は復調器20によって復調され、デコーダ30によってデコード(復号化)され、誤り訂正される。この実施例では、ユニット30からの復調・復号化出力はMPEG準拠トランスポート・ストリームの形になっており、そこには、MPEG圧縮ビデオ・データとHTMLで符号化されたインターネット・データが収められている。MPEG標準にするように符号化されたビデオ・データはパケット化データ・ストリームの形になっており、そこには、多数のプログラム・チャネルのデータ・コンテンツ(例えば、ケーブル・チャネル1−125に対応するコンテンツ)が収められているのが代表的である。
【0015】
MPEG準拠トランスポート・ストリームは、リモート・コントロール・ユニット125からのコマンドを受けて動作するプロセッサ25に送られる。プロセッサ25は、記憶装置90およびインターネット・データ・サーバ83またはインターネット・接続サービス87(例えば、America On−line(商標))を含む、他のデータ・ソースと通信する。プログラム・ガイド情報は、入力トランスポート・ストリームと記憶装置90およびサーバ83または接続サービス87から自動的に取得され、照合される。取得された情報はプロセッサ25によって組み合され、ユーザが、例えば、中でも特にEメール、電話、インターネット・アクセス、ファックスおよびビデオ電話の各機能を開始できるようにする選択する選択肢を組み込んでいる表示用プログラム・ガイドが作られる。表示用プログラム・ガイドは、ユーザが見たり、聞いたりするために選択されたプログラムを構成する個別データ・パケットを識別し、組み合わせるための、複数のソースからの非表示情報も含むように形成される。この情報は、複数のソースからの選択プログラムのコンテンツを復元する際に使用される。
【0016】
プロセッサ25は、入力圧縮ビデオ・データを適応的に圧縮解除(decompress)し、HTMLインターネット・データをデコード(復号化)して、フォーマットされたビデオ・イメージが得られ、ユニット75から表示される。また、プロセッサ25は符号化データ出力を記憶装置90から記憶媒体105に格納しておくと共に、符号化データをモデム80および電話回線を介して他のデバイス(図面を簡略するため図示していない)に送付する。
【0017】
ビデオ受信機ユーザは、Eメール、電話、インターネット・アクセス、ファックスおよびビデオ電話の各機能を含む機能および選択したプログラムの表示と格納を、表示されたプログラム・ガイドから選択肢を選択することによって開始する。ユーザは、リモート・コントロール・ユニット125使用し、カーソルによって表示された選択肢を選択する。リモート・コントロール125からのコマンドは、インターフェース120を通してプロセッサ25内のコントローラ115に渡される。ユニット115はプロセッサ25の各エレメントのオペレーションを制御し、双方向データ・制御信号バスCを使用して、リモート・コントロール・ユニット125からのコマンドに応答する。また、コントローラ115はプロセッサ25内の個別エレメントの機能を、これらのエレメント内の制御レジスタ値を、制御バスCを使用してセットすることによって制御する。プロセッサ25は、記憶装置90を通して記憶媒体105にデータを格納し、そこからデータを取り出すこともサポートしている。記憶装置90は、この実施例では、DVD型デバイスであり、記憶媒体105は複数のディスクを収容しているマルチディスク・スタック・ユニットになっている。
【0018】
図1を参照して詳しく説明すると、アンテナ10から受信されたビデオ・データで変調された搬送波は入力プロセッサ15によってディジタル形式に変換され、処理される。プロセッサ15は、入力ビデオ信号をより低い周波数帯に下方変換(down−convert)するための無線周波数(RF)チューナと中間周波数(IF)ミキサおよび増幅ステージを含んでいる。プロセッサ15は、下方変換された信号をディジタル化して以後の処理に適した信号を得るためのアナログ−ディジタル・コンバータも含んでいる。その結果のディジタル出力信号は復調器20によって復調され、デコーダ30によって復号化され、誤り訂正される。デコーダ30からの出力はプロセッサ15のユニット45によってさらに処理される。
【0019】
ユニット45に渡されるデータは、MPEGシステム標準セクション2.4に定義されている、MPEG準拠のパケット化トランスポート・データ・ストリームの形になっており、プログラム・ガイド情報および1つまたは2つ以上のチャネルのデータ・コンテンツを含んでいる。プロセッサ25は入力トランスポート・ストリームと記憶装置90およびインターネット・データ・サーバ83またはインターネット・接続サービス87(例えば、America On−line(商標))からプログラム・ガイド(番組ガイド)情報を自動的に取得し、照合する。個別のプログラム・チャネル・コンテンツまたはプログラム・ガイド情報を収めている個々のパケットは、ヘッダ情報の中に収められているパケットID(識別子)(PID)によって識別される。
【0020】
制御信号Cに応答して、ユニット45はユニット30からのトランスポート・ストリームを選択し、プレイバックモードにあるときは、格納インターフェース95を通して記憶装置90から取り出したデータ・ストリームを選択する。通常の非プレイバック動作モードにあるときは、プログラム・ガイド情報を構成する個々のパケットは、コントローラ115の内部メモリにあらかじめ決められて格納されているPIDを使用して、ユニット30からのトランスポート・ストリームの中でユニット45によって識別され、組み立てられる。ユニット45はデコーダ30からのトランスポート・ストリーム内の着信パケットのPIDを、コントローラ115によってユニット45内の制御レジスタにプリロードされていたPID値と突き合わせる。従って、トランスポート・ストリーム内の衛星放送プログラム・ガイド(SPG)情報パケットは、追加のPID情報なしでユニット45によって識別される。コントローラ115はユニット45によって識別され、捕捉されたSPGパケットにアクセスし、組み合わせることによって完全なSPGを取得する。
【0021】
コントローラ115がユニット45と協力して、個々のプログラムを構成するデータ・パケットを識別できるようにするPID情報は、プログラム・マップまたはチャネル・マップと呼ばれる。プログラム・マップはPIDを、プログラムを構成する個別パケット化データ・ストリームと関連付けており、SPGの一部になっている。SPGには、例えば、パケット組み立て情報といったように、入力トランスポート・ストリームからのプログラム・ガイド・データの復元をサポートする追加情報を含めておくことも可能である。
【0022】
また、コントローラ115は、インターフェース95を通してDVD記憶装置90から取り出されたDVDプログラム・ガイド(DPG)情報を、制御信号Cを使用してユニット45に選択させる構成にもなっている。ユニット45はインターフェース95からのパケット・データ・ストリーム内の着信パケットのPIDを、コントローラ115によってユニット45内の制御レジスタにプリロードされていたPIDと突き合わせる。コントローラ115は、ユニット45によって識別され、捕捉されたDPGパケットにアクセスし、組み合わせることによって完全なDPGを取得する。
【0023】
同じようなプロセスが、インターネット・プログラム・ガイド(IPG)情報をインターネット・サーバ83から取得する場合にも、モデム80を経由する電話回線通信によってインターネット・接続サービス87から取得する場合にも、行われる。IPGを取得する場合は、SPGまたはDPGを取得するときに使用されるPIDに類似する、または同じのデータID(識別子)が、コントローラ115によってプリロードされたID(識別子)と突き合わされる。この突き合わせ機能はユニット80内で実行することも、コントローラ115に実行させることもできる。プログラム・ガイド情報を取得するときのプロセスは図4乃至図6の説明の中で詳しく説明されている。
【0024】
コントローラ115によって取得されたSPG、DPGおよびIPG情報はプロセッサ25によって組み合わされ、ユーザがEメール、電話、インターネット・アクセス、ファックスおよびビデオ電話の各機能を開始できるようにする選択する選択肢が組み込まれている表示用プログラム・ガイドが作られる。データを組み合わせするとき、取得されたSPG、DPGおよびIPG情報は照合されてテーマとトピックと名づけられた2つの階層に組み合され、重複するプログラム・ガイド情報は除かれている。例えば、テーマとしては、映画、スポーツ、気象、アート、ドキュメンタリ、ニュースといったカテゴリが含まれる。トピックはテーマ内のカテゴリであり、例えば、映画テーマのカテゴリには、コメディ、スリラー、ホラー、サイエンス・フィクション、ロマンス、成人向け娯楽などを含むトピックがある。異なるレベルまたは追加レベルの階層は、視聴者の年齢に見合ったものかどうか、期間の設定、例えば、現代物か歴史物か、批評家の評価付けなどの基準を含む取得されたSPG、DPGおよびIPG情報を照合することで、使用することができる。
【0025】
SPG、DPGおよびIPG情報を照合するには、いくつかの問題が起こっている。SPG、DPGおよびIPG情報は、そのソースが異なっており、プログラムを異なるテーマとトピック別に分類し、異なる分類階層を使用しているかもしれない。さらに、SPG、DPGおよびIPGデータは個別のプログラム・チャネルやガイド・コンテンツを構成する個々のデータ・エレメントを識別する際に、対立し、冗長で、あるいは互換性のないPID、または他のデータID(識別子)を使用することもある。コントローラ115は、マスタ・セット内のカテゴリに対応させて、SPG、DPGおよびIPG情報をマッピングした、テーマとトピックのマスタ・セットを作成している。例えば、マスタ・セットに、a)「映画−パロディ」のDPGトピック−テーマ」と、b)「映画−あらすじ索引」(Webページの索引)の両方をマッピングした「映画−コメディ」の包括的トピック−テーマを含めることができる。ガイド情報を照合する際、コントローラ115はSPG、DPGおよびIPG内のデータのトピックとテーマのカテゴリを、あらかじめ決められたテーマ−トピック・コードから決定する。SPG、DPGおよびIPGテーマとトピック・コードは、あるサービス・プロバイダのコードを別のサービス・プロバイダのコードに変換するための等価マッピング情報と一緒に、SPG、またはプロセッサ25に入力された、あるいはコントロール115内の内部メモリにあらかじめ格納されているユーザ定義データから取得される。コントローラ115は照合されたSPG、DPGおよびIPGパケットを、テーマとトピックのマスタ・セットで定義されたカテゴリに従って組み合わせる。組み合わせられたSPG、DPGおよびIPGデータはコントローラ115によって内部メモリに格納され、表示用複合プログラム・ガイドを作るときに使用される。
【0026】
コントローラ115はMPEG準拠の非表示情報も作成し、これは表示された複合プログラム・ガイドと関連付けられている。この非表示情報には、プログラム・マップ、条件付きアクセス(conditional access)およびネットワークに関する情報が含まれている。この非表示情報は、複合プログラム・ガイドおよび関連プログラム・コンテンツを構成するパケットの識別、組み合わせおよびデコード(復号化)をサポートするために必要となるものである。条件付きアクセス情報はプログラムへのアクセスを、ユーザの資格に基づいて制御するものである。ネットワーク情報は、例えば、衛星伝送チャネル周波数、トランスポンダ・チャネルなどの物理的ネットワークのパラメータを定義している。
【0027】
コントローラ115は複合プログラム・ガイドのための複合プログラム・マップ情報を形成し、このマップ情報はSPG、DPGおよびIPGテーマとトピックをテーマとトピックのマスタ・セットと対応付けている。この複合プログラム・マップは、データID(識別子)(例えば、PID値)と複合プログラム・ガイドにリストされているプログラムを構成する個々のパケット化データ・ストリームとも関連付けている。複合プログラム・マップ情報には、個別のプログラムに入手可能な関連インターネットWebページ情報が組み入れされていることを示す、専用インジケータを含めることも可能である。複合プログラム・マップ情報を作るとき、コントローラ115はSPG、DPGおよびIPG情報を検査し、データID(識別子)の脱落、重複および矛盾がないかを確かめる。コントローラ115は、照合されたプログラム・ガイド情報と関連プログラム・コンテンツの両方のためのMPEG準拠プログラム・マップ情報を作成するに必要な程度、既存のデータID(識別子)の番号を付け直し、新しいデータID(識別子)を作成する。
【0028】
また、コントローラ115はMPEG準拠の条件付きアクセス情報とネットワーク情報も、SPG、DPGおよびIPGデータに入って受信した対応する情報から作成する。条件付きアクセス情報としては、ユーザの資格に依存するプログラムへのアクセスを制御する暗号化コードなどのデータがある。ネットワーク情報は衛星伝送チャネル周波数、トランスポンダ・チャネル、およびインターネット・アクセス・パラメータなどの、物理的ネットワークのパラメータを定義しており、これらのパラメータは表示用複合プログラム・ガイドと関連付けられている。複合プログラム・マップ、条件付きアクセスおよびネットワーク情報は、複合プログラム・ガイドと同じように、衛星、ストレージおよびインターネット・サーバなどのソースからでも、入手可能であるプログラム・コンテンツについての組み合わせ、デコードおよび表示をサポートしている。
【0029】
コントローラ115は、非表示の複合プログラム・マップ、条件付きアクセスおよびネットワークに関する情報の中に、追加リンク・データも組み入れる。この追加リンク・データはEメール、電話、インターネット・アクセス、ファックス、ビデオ電話、チャネル・チューニング、プログラム記録およびホーム・コントロール機能などの、ユーザ選択可能機能をサポートしている。ホーム・コントロール機能は、例えば、照明、エアコン、暖房、家宅侵入警報機などの操作をユーザが制御することをサポートすることもできる。追加リンク・データはアクセス・データを、要求されたデータのデータID(識別子)(例えば、PID)とだけでなく、表示された複合プログラム・ガイド内のユーザ選択可能メニュー選択肢とも関連付けている。アクセス・データとしては、ID(識別)コード、通信プロトコル・コード、条件付きアクセス・コード、インターネット・アクセス・コード例えば電話番号とファックス番号だけでなくWebページとEメール・アクセスのためのURLコードがある。このアクセス・データにより、プロセッサ25は外部デバイスと通信することができる。
【0030】
表示用複合プログラム・ガイドを生成するために、コントローラ115は、以前に内部メモリに格納されていた、組み合わせ済みで照合済みのSPG、DPGおよびIPGパケットを取り出す。コントローラ115は取り出したデータをピクセル・データに変換すると共に、変換したデータをディスプレイ・プロセッサ70に入っているピクセル表現メモリ・マップに格納されるフォーマットにする。さらに、コントローラ115はユーザ選択可能メニュー選択肢(ユーザがEメール、ファックスなどを選択するためのもの)を、ユニット70のピクセル・メモリ・マップに組み入れるのに適したピクセル・データ形式で作成する。コントローラ115はフォーマットされたSPG、DPGおよびIPGピクセル・データを、生成された選択肢・ピクセル・データと一緒にユニット70のピクセル・マップに格納して、表示用複合プログラム・ガイドを形成する。
【0031】
SPG、DPGおよびIPGデータとユーザ選択可能選択肢を結合している複合プログラム・ガイドは、非表示プログラム・ガイド情報内のリンク情報と互換性を持つようにフォーマットされる。例えば、表示されたガイド内のユーザ選択可能選択肢(例えば、電話機能の場合)はその機能のためのアクセス・データとだけでなく、データID(識別子)(例えば、送受信される電話メッセージのデータ・パケットのPID)とも関連付けられている。
【0032】
ディスプレイ・プロセッサ70は格納され、フォーマットされたプログラム・ガイド・データを従来のルミナンス(輝度)成分とクロミナンス成分に変換する。このルミナンス成分とクロミナンス成分は、コントローラ115から与えられたタイミング・データと一緒に、従来と同じようにプロセッサ70によって処理され、例えば、テレビジョンまたはビデオ・モニタのような、NTSC準拠のイメージ再現デバイス75から表示されるNTSC信号が作られる。プロセッサ70は、別の実施形体では、RGB出力データを出力し、RGB互換再現デバイスまたは高精細テレビジョンから表示されるようにしている。
【0033】
コントローラ115はプロセッサ55と協力して、複合プログラム・ガイドとプログラム・コンテンツを収めている、圧縮ビデオとオーディオ・データのMPEG準拠データ・ストリームを形成する。プロセッサ55はタイミング、誤りおよび同期化の情報を含むシステム情報を、ユニット45からのデータ・ストリームから分離し、これをコントローラ115で使用されるように転送する。コントローラ115はプロセッサ55を制御する際にこのシステム情報を適用し、再同期化され、照合されたプログラムと複合プログラム・ガイド・データを同期化および誤り表示の情報と一緒に出力し、これは以後のデコーダ65によるプログラム・コンテンツ・データの圧縮解除時に使用される。プロセッサ55から得られた複合プログラム・ガイド・データはSPG、DPGおよびIPGデータとユーザ選択可能選択肢を、前述したようにプログラム・マップのリンク情報と互換性を持つように、結合する。プロセッサ55から得られたプログラム・コンテンツ・データはMPEGデコーダ65によって圧縮解除され、ビデオ・ピクセル・データおよびオーディオ出力データとしてプロセッサ70に渡される。ディスプレイ・プロセッサ70は前述したようにユニット75による再現に適したものになるように、ビデオ・ピクセル・データとオーディオ出力データを処理する。
【0034】
図2は表示される複合プログラム・ガイドの例を示す図である。メニュー項目(フィーチャ)833−850はプログラム提供(サービス)と機能を示している。メニュー項目(フィーチャ)833と835は、対応するメニュー項目(フィーチャ)を、カーソルを方向付けるリモート・コントロールなどのユーザ選択制御を使用して、対応するメニュー項目について起動され、ハイライト(高輝度または強調表示)表示されるプログラム・チャネルを示している。ユーザがカーソルを使用して項目(フィーチャ)833をハイライトにすると、つまり、例えば、メニュー選択肢833を選択すると、プロセッサ25は、稼動された機能と関連チューニング情報(チャネル周波数など)を決定するために、非表示の複合プログラム・ガイド情報を使用して、テレビジョン・チャネル107(A&E(商標))にチューニングし、それをユニット75から表示する。同様に、ユーザが項目(フィーチャ)837をハイライトにすると、プロセッサ25は無線チャネルFM13を受信するようにチューニングし、ユニット75からオーディオ出力する。Eメール、電話、ファックスおよびDVDレコーディング/プレイバックのそれぞれの機能に対応する項目(フィーチャ)をハイライトにすると、追加機能の特定メニューが、別のユーザ選択の選択肢提供するように表示される。この機能の特定メニューを使用すると、ユーザは、例えば、電話番号、Eメール・アドレス、インターネット・アドレス、クレジット・カード番号、追加の条件付きアクセス・データを含む、アクセス情報を編集し、格納し、削除することができる。
【0035】
ユーザがメニュー項目(フィーチャ)860−870をハイライトにすると、特定の機能タスクが開始される。ユーザが、例えば、項目(フィーチャ)860をハイライトにすると、別のメニューが表示され、非表示の複合プログラム・ガイド情報から取り出されたインターネットEメール・アドレスを通して、自宅にいるJohn Smith に送付すべきEメールを入力するようにユーザに指示する。同様に、例えば、ユーザが項目(フィーチャ)865をハイライトにすると、それを受けてコントローラ115(図1)は非表示の複合プログラム・ガイド情報を使用して、Jean の自宅電話番号を内部メモリから取り出す。さらに、コントローラ115はJean の自宅電話番号をダイヤルすることによって、自宅にいるJean との電話通信をモデム80経由で確立する。また、例えば、ユーザが項目(フィーチャ)870をハイライトにすると、映画「Star Wars(商標)」がDVDユニット90(図1)からリプレイされる。プロセッサ25とDVDユニット90との間のコミュニケーションは、非表示の複合プログラム・ガイド情報を使用してコントローラ115内のメモリから取り出されたアクセス・データを使用して確立される。
【0036】
さらに、プログラム・ガイドには、ホームを描写しているアイコン823(図2)のように、「ホームページ」などのインターネット情報が特定のプログラムとして入手可能であるかどうかを示す、1つまたは2つ以上のアイコンを含めることもできる。さらに、アイコン873は、図2に示すように、インターネット情報が特定のプログラムとして入手可能であることに対応して、ホワイトからグリーンにカラーを変えることもできる。別の方法として、アイコン873をポップアップ・アイコンにして、インターネット情報が特定プログラムとして入手可能であることに対応して、表示させることも可能である。表示されるプログラム・ガイドは、例えば、ユーザがプログラムをハイライトにした後、ポップアップ・アイコンをハイライトにすることによって、特定プログラムに関するインターネット情報を要求できるように形成することができる。インターネット情報が入手可能であるとき表示されるホーム・ページ・アイコンは、例えば、アイコン859のように、プログラム・アイコン内か、その近くに置いておくことも可能である。さらに、ホーム・ページ・アイコンは、ユーザがホーム・ページ・アイコンをハイライトにして情報を選択したとき、カラーが変わるようにすることもできる。
【0037】
インターネット情報は、図2に示すように、アイコン857のようなWebページ・アイコンをハイライトにすると取り出されるようになっているが、これは単なる例示である。インターネット情報の取り出しは他のいくつかの方法で開始することも可能である。ユーザは、「Seinfeld(商標)」のようなプログラム・アイコンを、アイコン859を使用してハイライトにした後で、例えば、インターネット・アイコン810をハイライトにすることによって、プログラムに関する入手可能なインターネット情報を取り出すことができる。
【0038】
ユーザが複合プログラム・ガイド機能を選択すると、コントローラ115(図1)は、選択された機能に含まれる要求と応答の両操作に関連するアクセス・データを決定し、適用する。コントローラ115は要求と応答操作に要求されるアクセス・データを、以前に作成された非表示複合プログラム・マップ、条件付きアクセスおよびネットワーク情報から、決定する。
【0039】
プロセッサ25は、ユーザの要求に応答して、Webページ・データなどの情報を取得するが、その取得方法には、例えば、次のようなものがある。
【0040】
a)第1の構成では、プロセッサ25は、デコーダ30から受信された、衛星放送で連続的に伝送されている、Webページ・データにアクセスする。
【0041】
b)第2の構成では、プロセッサ25は、デコーダ30から受信された、衛星放送で伝送されている、Webページ・データを、電話回線を通じてサービス・プロバイダに送られた情報要求に応答して、アクセスする。
【0042】
c)第3の構成では、プロセッサ25は、例えば、サーバ83への電話リンクのように、同じ通信リンク上で情報を要求し、かつ応答情報を受信する。
【0043】
第1構成のプロセッサ25
第1構成では、表示されたプログラム・ガイドからユーザによって選択されたWebページ・データは、デコーダ30からプロセッサ25へのトランスポート・データ・ストリーム入力の中に入って、連続的に伝送されている。この構成では、複合プログラム・マップ情報は要求されたWebページに対してあらかじめ決められたPID値を収めている。その結果、要求されたWebページ・データは、コントローラ115がモデム80を経由してサービス・プロバイダと通信しなくても、複合プログラム・マップ情報を使用して入力トランスポート・ストリームから取り出される。この構成では、ユーザが入手できるWeb情報は、サービス・プロバイダが専用伝送バンド幅を使用してプロセッサ25に連続的に伝送している特定情報に制限されている。しかし、この構成は単純であり、Webページへのアクセスを高速化している(これは、Webデータがサービス・プロバイダを経由してエンコーダ(符号器)にローカルに格納できるためである)。また、この構成によると、データ取得についてのサービス・プロバイダの負担を最小限にし、プロセッサ25がWebページ要求情報をサービス・プロバイダに伝える必要性をなくしている。
【0044】
HTML(商標)とJava(商標)でコード化されているWebページ情報は、サービス・プロバイダによってエンコーダでパケット化され、フォーマットされて、MPEGトランスポート・ストリームに組み入れられて伝送される。図3は、インターネット・データをパケット化し、MPEG準拠のデータ・ストリームに入れて伝送するときの、本発明によるデータ・フォーマットを示している。HTML(商標)/Java(商標)Webページ(図3の705−720)のシーケンスはエンコーダによって、付属情報およびHTML(商標)/Java(商標)データ(725)と一緒に非圧縮パケットに形成される。付属情報としては、PID値、パケットカウント値、および個々のWebページ・サイズ(例えば、バイト数またはイメージ・ピクセル・サイズ)などがある。付属情報には、特定のトランスポート・パケットがWebページ情報を収めていることを示すフラグ、スタート・コード、Webページ識別コード、エラー訂正コード、およびWebページ・インターネット情報を関連のビデオまたはオーディオ・プログラムと同期をとるのに適したタイミング・パラメータを含めることも可能である。Webページ・フラグを使用すると、Webページ情報を識別し、MPEG圧縮ビデオ・データから分離することが容易化される。さらに、Webページ付属データの1または2以上のエレメントはトランスポート・ヘッダ内といったように、MPEGトランスポート・シンタックスのユーザ定義可能エレメント内に入れておくことも、Webページ情報と一緒にMPEGトランスポート・データ・ペイロードの中に入れておくことも可能である。
【0045】
応答Webページ情報は、あらかじめ決められたPID値と共に、サービス・プロバイダによってプロセッサ25(図1)へ送られるMPEG準拠トランスポート・データ・ストリーム入力の中に組み入れられる。応答チャネルのあらかじめ決められたPID値も、コントローラ115の内部メモリにあらかじめ格納され、複合プログラム・マップ情報に組み入れられる。別の方法として、応答データPID値と関連プログラム・マップ・データは、例えば、米国アドバンスド・テレビジョン・システム委員会(Advanced Television Systems Committee−ATSC)によって準備された、1995年4月12日付けのDigital Television Standard for HDTV Transmission(HDTV伝送に関するディジタル・テレビジョン標準)に準拠して符号化された高精細テレビジョン(HDTV)信号でチャネル情報テーブル(Channel Information TableCIT)内に符号化することが可能である。このような場合には、1つまたは2つ以上の特定の、あらかじめ決められたプログラム・チャネルはWebページ応答情報を伝達するものとして指定することができる。さらに、プログラム・チャネルのPID値は、例えば、複合プログラム・マップ情報内のCITに入れて伝達することができる。
【0046】
コントローラ115は、要求されたWebページ応答情報に対応する、あらかじめ決められたPID値を、格納された複合プログラム・マップ情報から引き出し、それをユニット45内の制御レジスタにロードする。ユニット45は、デコーダ30からトランスポート・データ・ストリームに入って送られてきたWebページ応答データの着信パケットのPIDを、ユニット45の制御レジスタにプリロードされていたPID値と突き合わせる。あらかじめ決められたWeb応答PID値と一致するPID値を持つパケットはWebページ応答データとして識別され、ユニット45からデコーダ55内の専用バッファに渡される。トランスポート・デコーダ55内の専用バッファはプロセッサ60によってデコード(復号化)される応答データを保持している。
【0047】
プロセッサ55はタイミング、誤りおよび同期化の情報を含むシステム情報を、ユニット45からのデータ・ストリームから得て、それをコントローラ115に渡す。コントローラ115は、デコーダ55内の専用バッファからの再同期化Webページ応答データをHTML(商標)/Java(商標)プロセッサ60に渡すようにプロセッサ55に指示する際に、このシステム情報を適用する。プロセッサ60はHTML(商標)/Java(商標)符号化Web応答情報をデコード(復号化)し、Webページ・イメージを表すピクセル・データを得て、コントローラ115内のメモリに格納する。プロセッサ60は図1に独立プロセッサとして示されているが、これはコントローラ115のソフトウェアの中で実現することも可能である。プロセッサ60は特殊なWebブラウザの処理機能を備え、この中には、例えば、Netscape Navigator(商標)のオペレーションで行われるような、JPEG圧縮解除とJava復号化の機能が含まれている。
【0048】
デコーダ30からMPEG準拠トランスポート・データ・ストリームに入って送られてきたプログラム・コンテンツ・データ、例えば、ユーザ選択のテレビジョン・プログラム・チャネルも、Webページ応答データにさらに加えてプロセッサ25によって、ピクセル表現データにデコード(復号化)される。この目的のために、コントローラ115は、選択されたテレビジョン・チャネル・プログラムのPID値を複合プログラム・マップ情報から判断し、それをユニット45内の制御レジスタにロードする。ユニット45はデコーダ30からトランスポート・データ・ストリームに入って送られてきた選択テレビジョン・チャネル・プログラム・データの着信パケットのPIDを、ユニット45の制御レジスタにプリロードされていたPID値と突き合わせる。あらかじめ決められた選択テレビジョン・チャネル・プログラムのPID値と一致するPID値を持つパケットは識別され、ユニット45によってデコーダ55内の専用アプリケーション・バッファに渡される。
【0049】
Webページ応答データについて前述したように、プロセッサ55はタイミング、誤りおよび同期化の情報を含むシステム情報を、ユニット45からのデータ・ストリームから引き出し、それをコントローラ115に渡す。コントローラ115は、デコーダ55内のアプリケーション・バッファから再同期化プログラム・チャネル・コンテンツ・データを得て、それをMPEGデコーダ45に渡すようにプロセッサ55に指示する際に、このシステム情報を適用する。MPEG準拠プログラム・チャネル・コンテンツ・データはMPEGデコーダ65によって圧縮解除されてビデオ・ピクセル・データとオーディオ出力データが得られ、ディスプレイ・プロセッサ70に渡される。デコーダ65からのビデオ・ピクセル・データはディスプレイ・プロセッサ70に内蔵のピクセル表現メモリに格納される。
【0050】
コントローラ115はWebページのイメージ・ピクセル・データを内部メモリから取り出し、それをディスプレイ・プロセッサ70に内蔵のピクセル表現メモリにオーバレイとして格納されるフォーマットにする。Webページ応答データとプログラム・コンテンツ・データを結合している、組み合わせ表示は、プロセッサ70のピクセル・メモリ内に形成される。プロセッサ70のピクセル・メモリ内に形成された、その結果の複合イメージ中のWebページ・イメージとチャネル・コンテンツ・イメージとについての相対的比率とサイズは、内部にプログラムされた命令または外部の、例えばユーザの、指令に応答して、コントローラ115によって変更可能である。相対的比率は、Webページ・イメージまたはチャネル・コンテンツ・イメージのどちらかが、結果の複合イメージの0から100%までの範囲を占めるように変更することが可能である。
【0051】
複合イメージの中でWebページ・データが占める比率を調整するために、コントローラ115は従来の内挿プロセスによってWebページのイメージ・ピクセル・データをスケーリングする。別の方法として、このデータはコントローラ115と一緒に動作する別のビデオ処理集積回路によってスケーリングすることも可能である。その結果としてのスケーリングされたWebページ・イメージはコントローラ115によってプロセッサ70のピクセル・メモリ内に格納される。格納されたWebページ・イメージは、プログラム・チャネル・コンテンツ・イメージに対してオーバレイ・イメージ(上部に載った画像)を表している。複合イメージ内のWebページ・イメージ・データの配置を調整するために、コントローラ115は所望するメモリ・ロケーションに対応するアドレスを、内部メモリのマップ・データから決定し、スケーリングされたページ・イメージ・データを所望するメモリ・ロケーションに格納する。前述したように、ディスプレイ・プロセッサ70はフォーマットされた複合イメージ・データを、従来のルミナンス成分とクロミナンス成分に変換する。さらに、プロセッサ70は、従来と同じように、コントローラ115から与えられたタイミング・データと一緒に、ルミナンス成分とクロミナンス成分を処理し、NTSC互換のイメージ再現デバイス75から表示されるNTSC信号が形成される。
【0052】
第2構成のプロセッサ25
第2構成では、図1のプロセッサ25は、電話回線でサービス・プロバイダに送られた情報要求に応答して、デコーダ30から受信した、衛星放送で伝送されているWebページ・データを取得する。ユーザが、例えば、図2に示すWebページ・アイコン857をハイライトにすることによって、Webページ・データを要求すると、コントローラ115(図1)は要求アクセス・データ(電話番号、要求されたWebページID(識別)コード(例えば、URL)および条件付きアクセス・データ)を使用して、衛星放送サービス・プロバイダとのコミュニケーションを確立する。
【0053】
サービス・プロバイダとのコミュニケーションを確立する前に、コントローラ115は、要求されたWebページ情報へのアクセスが許可されているかどうかを条件付きアクセス情報から決定する。この許可は、プログラム・ガイドの条件付きアクセス情報から直接に決定することも、プロセッサ25内のスマート・カード(図面を簡略化するため図示せず)などの、ユーザ資格デバイスから間接的に決定することも可能である。アクセスが許可されていれば、コントローラ115は、モデム80経由で電話番号をダイヤルし、要求情報、例えば、要求されたWebページ識別コード(URLなど)とユーザ資格コードを送ることによって、衛星放送サービス・プロバイダとの電話通信を確立する。サービス・プロバイダは、アンテナ10、プロセッサ20およびデコーダ30を経由してプロセッサ25に送られているトランスポート・ストリームの中に、要求されたWebページ情報を組み入れる。コントローラ115は、第1構成のプロセッサ25で説明したように、応答アクセス・データ(Webページ・データのPID、応答プログラム・チャネル番号およびトランスポンダ番号)を使用して、トランスポート・ストリーム内のWebページ・パケットを識別し、組み合わせる。
【0054】
応答Webページ情報および対応するプログラム・マップ情報のPID値は、さまざまな方法とさまざまなデータ・フォーマットで、サービス・プロバイダとプロセッサ25の間で受け渡しされる。PID値とプログラム・マップ情報は、例えば、特定のシステムの企業所有またはカスタム要件に従って、MPEGユーザ定義可能データ・エレメントに入れるか、または非MPEGデータに入れて、放送テレビジョン信号の垂直消去インターバル(オーバ・スキャン領域)期間に伝達することが可能である。さらに、Web情報に割り当てられたPID値は、補足プログラム・ガイド情報に入れてプロセッサ25に送ることも可能である。上記に代わる別の方法として、応答データのために使用されるPID値は、プロセッサ25から送られてきた情報からサービス・プロバイダに判断させることも可能である。
【0055】
第3構成のプロセッサ25
第3構成では、プロセッサ25は、例えば、サーバ83または接続サービス87への電話リンクといったような、同じ通信リンク上でモデム80を経由して、情報を要求し、かつ応答情報を受信する。この構成では、コントローラ115は、例えば、アイコン857(図2)をハイライトにすることによって、インターネットWebページ情報を要求する。その後、コントローラ115(図1)は要求アクセス・データ(電話番号とURLコードおよび条件付きアクセス・データ)を使用して、インターネット・アクセスを確立し、モデム80とサーバ83を通して、そのURLアドレスのWebページ・データを要求する。コントローラ115は要求されたインターネット・アクセスが許可されているかどうかを、第2構成のプロセッサ25に関連して説明したように、条件付きアクセスまたはスマート・カードのユーザ資格情報から判断する。許可されていれば、コントローラ115は、前述したように、例えば、モデム80経由で電話番号をダイヤルし、インターネットURLアドレス・コードとユーザ資格コードを送信することによってサーバ83経由のサービス・プロバイダとの電話通信を確立する。コントローラ115は、複合プログラム・マップ情報から決定された応答アクセス・データ(伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)ID(識別)データを含む)を使用して、サーバ83からの応答データ・ストリーム内のWebページHTMLおよび関連JAVAデータ(および他のデータ、例えば、JPEG、GIF、TIFタイプのデータ)を収めているWebページTCP/IPパケットを識別し、組み合わせる。
【0056】
応答WebページTCP/IPパケットはモデム80内でバッファに置かれた後、コントローラ115のコマンドを受けてHTML(商標)プロセッサ60に渡される。プロセッサ60はHTML(商標)とJava(商標)符号化Web応答情報をデコード(復号化)し、Webページ・イメージ表現ピクセル・データを得て、コントロール115内のメモリに格納する。コントローラ115はWebページ・イメージ・ピクセル・データを内部メモリから取り出し、それをディスプレイ・プロセッサ70に内蔵のピクセル表現メモリにオーバレイとして格納するためにフォーマットする。これは、前述したように、組み合されたディスプレイとしてユニット75により再現される。この構成では、プロセッサ25は表示されたプログラム・ガイドを使用して、サーバ83を経由した最大限のインターネット・アクセスをサポートしている。例えば、ユーザがアイコン810を、次にアイコン830をハイライトにすると(図2)、コントローラ115(図1)はWebページ・ブラウザ機能を実行し、カスタムWebページ・ブラウザまたはNetscape Navigator(商標)などの標準ブラウザ・ディスプレイを表示し、これを通して最大限のインターネット・アクセスが利用できるようにする。
【0057】
別の方法として、この第3構成では、プロセッサ25は限定インターネット・アクセスをサポートすることも可能である。この場合には、サーバ83を経由するインターネット・ネット・ワークへのアクセスはサービス・プロバイダの制御下に置かれ、間接的インターネット・アクセスだけを許可している。サービス・プロバイダは表示されている複合プログラム・ガイドと表示互換性を持つ、照合されたWebページ情報を提供する。サービス・プロバイダは限定数のWebページをサーバ83内にローカルに格納しておき、利用可能なWebページの索引(インデックス)とそれぞれに対応するあらかじめ決められたPIDを提供する複合プログラム・マップ情報を使用してプロセッサ25がアクセスできるようにしている。別の方法として、サービス・プロバイダは、サーバ83から利用可能なWebページの選択を変更し、更新された、互換性のある補足プログラム・ガイド情報を、衛星放送データ・ストリームを通して定期的にプロセッサ25に提供することもできる。
【0058】
その補足プログラム・ガイド情報を使用すると、互換性のあるプログラム・マップおよび更新されたWeb情報にアクセスすることを可能にする他のアクセス情報と合わせて、更新された表示ガイドをプロセッサ25は形成することができる。そのWebページ・インターネット情報をサーバ83にローカルに格納しておくと、ユーザに入手可能なインターネット・コンテンツのコントロール(制御権)はサービス・プロバイダに保持されるので、提供素材の利用料金をユーザに請求することができる。また、Webページ情報をサーバ83にローカルに格納しておくと、ユーザは通常のインターネット・アクセスから連想される最大限の遅延がないので、高速に情報にアクセスすることが可能になる。さらに、情報要求を外部デバイスに伝達するプロセッサ25側の負担は、限られた量のインターネット情報のみを要求し、プロセッサ25はサーバ83などのローカル・サーバと通信するだけで済むので、最小限になっている。なお、モデム80は、ケーブル・モデムのようなワイドなバンド幅の通信モデムにすることも可能である。その場合には、プロセッサ25は、Webページ・データだけでなく、ケーブル・プログラム・ソースからの表示用放送ビデオ・プログラム・データも、モデム80経由でデコードすることが可能になる。
【0059】
コントローラ115は図4に示す方法を採用し、すでにユーザ選択メニュー選択肢を含んでいる、受信されたプログラム・ガイド情報を処理し、フォーマットすることによって表示されるプログラム・ガイドを作るようにしている。図4のプロセスでは、プロセッサ25はユーザ選択メニュー選択肢を作る必要がないので、このプロセスは、例えば、第1構成のプロセッサ25で採用可能である。ステップ200でのスタート(開始)に続いて、ステップ205で、プロセッサ25は、表示用のユーザ選択可能メニュー選択肢が、表示されるプログラム・ガイドの一部として組み込まれているトランスポート・データ・ストリームをデコーダ30から受信する。ユーザ選択可能選択肢は、Eメール、電話、インターネット・アクセス、ファックス、ビデオ電話、チャネル・チューニング、プログラム・レコーディングおよびホーム・コントロール機能などの、コミュニケーション機能をユーザが開始することをサポートしている。
【0060】
ステップ205で受信されたデータは、プログラム・ガイド情報の中に追加リンク・データも含んでいる。この追加リンク・データはプログラム・マップ、条件付きアクセスおよびネットワーク情報を含み、アクセス・データを表示されるプログラム・ガイドの中のユーザ選択可能メニュー選択肢と関連付けている。アクセス・データには、ID(識別)コード、通信プロトコル・コード、条件付きアクセス・コード、インターネット・アクセス・コード、例えば、電話番号とファックス番号だけでなくWebページとEメール・アクセスのためのURLコードが含まれている。追加リンク・データを使用すると、プロセッサ25はデコーダ30からトランスポート・ストリームに入って送られてきたプログラム・コンテンツとプログラム・ガイド情報を組み合わせ、デコードし、表示することができる。アクセス・データは、プロセッサ25が外部デバイスと通信することを可能にし、種々の情報ソースのアドレスに対応している種々のアドレス表現コードを含んでいる。ステップ210で、コントローラ115は、受信したプログラム・ガイド情報からのリンク・データとアクセス・データを識別し、捕捉するようにプロセッサ25に指示する際に、インターネット・メモリに格納された、あらかじめ決められたリンク・データPID値を使用する。捕捉されたリンク・データは、組み合わされ、フォーマットされて、ステップ215で、コントローラ115によって内部メモリに格納される。また、ステップ210で、インターネット・アドレスやEメール・アドレスまたは電話番号などの、追加リンク・データはリモート・コントロール・ユニットなどの入力デバイスからユーザによって入力されることがあり、この追加データはコントローラ115によって受信リンク・データに組み込まれる。
【0061】
ユーザ選択可能選択肢を含んでいるプログラム・ガイド情報は、図1を参照して前述したように、ステップ220で、プロセッサ25内のディスプレイ・プロセッサ70と協力してコントローラ115によって表示フォーマットにされる。ステップ225で、ディスプレイ・プロセッサ70は格納され、フォーマットされたプログラム・ガイド・データを従来のルミナンス成分とクロミナンス成分に変換する。ルミナンス成分とクロミナンス成分は、コントローラ115から与えられたタイミング・データと一緒に、プロセッサ70によって処理され、再現デバイス75から表示されるようになる。図4のプロセスはステップ230で終了する。
【0062】
コントローラ115(図1)は図5に示す方法を採用し、複数のソースから受信した情報からビデオ・デコーダ内部でプログラム・ガイドを作成する。作成されたガイドはユーザ選択可能コミュニケーション機能、例えば、インターネット・アクセス、Eメール、ファックスなどをサポートしている。ステップ300でのスタート(開始)に続いて、ステップ305で、コントローラ115は、デコーダ30からプロセッサ25によって受信された衛星放送トランスポート・ストリームから、衛星プログラム・ガイド(satellite program guide SPG)情報を取得する。ステップ310で、コントローラ115はインターフェース95を通して、記憶装置90からDVDプログラム・ガイド(DVD program guide DPG)情報を取得する。コントローラ115は、図1を参照して前述したように、それぞれのデータ・パケットにアクセスし、組み合わせることによってSPGとDPGを取得し、照合し、フォーマットして、SPGとDPG表現ピクセル・データを作り、これを複合プログラム・ガイドとしてユニット70のピクセル・マップに格納する。そのSPGとDPG情報には、プログラム・マップの形体になったリンク・データとアクセス・データ、条件付きアクセスとネットワーク情報が含まれている。他の構成では、プロセッサ25はここで詳しく説明している原理を適用して、地上放送ソース、ケーブル放送ソース、コンピュータ・ソース、無線伝送ソースおよび電話回線経由でアクセスされるソースなどの、ソースから得られたプログラム・ガイド情報を含んでいる複合プログラム・ガイドを作成する。
【0063】
ステップ315で、コントローラ115は、ユニット70のピクセル・メモリ・マップに組み込まれるときのピクセル・データ形式で、表示するユーザ選択可能メニュー選択肢(ユーザがインターネット・アクセス、Eメール、ファックスなどを選択するためのもの)を作成する。ステップ315で、コントローラ115は、ユーザが自分のプログラム・ガイドを、特定のユーザ要求機能を実行するアイコンを組み入れるようにカスタマイズできるようにする、ユーザが決定可能なメニュー選択肢、も作成する。例えば、ユーザは特定のインターネット・サイトにアクセスするアイコンや、すべての受信メッセージを表示させるアイコンを要求する場合がある。コントローラ115は、例えば、リモート・コントロール・ユニットやキーボードなどの、データ入力デバイスから入力されたコマンドに応答して、プログラムされた命令に従ってユーザ判断が決定した可能なメニュー選択肢、を作成する。
【0064】
ステップ320で、コントローラ115はSPG情報とDPG情報を検査して、データID(識別子)(例えば、PID)の脱落や対立がないかを調べる。ステップ325で、照合されたプログラム・ガイド情報と関連プログラム・コンテンツの両方に矛盾のないプログラム・マップ情報を作成するために、コントローラ115は必要に応じて、既存のデータID(識別子)に番号を付け直し、新しいデータID(識別子)を割り当てる。ステップ330で、コントローラ115は、図1を参照して説明したように、複合プログラム・ガイド用の複合プログラム・マップ、条件付きアクセスおよびネットワーク情報を作成する。
【0065】
複合プログラム・マップは、複合プログラム・ガイドから選択できるコミュニケーション機能をプロセッサ25が実行できるように作られている。この目的のために、複合プログラム・マップは、コミュニケーション機能PIDとメニュー選択肢(例えば、Webページ、Eメール、ファックス・アイコン)を、個別ソースのアドレスに対応する、個別のアドレス表現コードに関連付けている。ステップ330で、コントローラ115はユーザ入力データも、複合プログラム・マップ、条件付きアクセスおよびネットワーク情報の中に組み入れる。このデータには、Eメール・アドレス、電話/ファックス番号、インターネットWebページ・リンク・アドレス、クレジット・カード番号といった項目(アイテム)を含めることもできる。ユーザはリモート・コントロールやキーボードなどのデバイスから、このデータをプロセッサ25に対して入力する。ステップ335で、コントローラ115は、ステップ315で作られた、ユニット70のピクセル・マップに入っているメニュー選択肢・ピクセル・データに加えてSPGとDPGピクセル・データをフォーマットし、表示用複合プログラム・ガイドを作成する。
【0066】
ユーザ選択可能メニュー選択肢を収めている複合プログラム・ガイド情報は、図1を参照して前述したように、ステップ340で表示フォーマットにされ、ステップ345で出力される。図5のプロセスはステップ350で終了する。
【0067】
コントローラ115(図1)は図6のプロセスを採用し、複数のソースからプログラム・ガイド情報を取得し、照合して表示用複合プログラム・ガイドを自動的に形成する。ステップ400でのスタート(開始)に続いて、ステップ405で、コントローラ115はデコーダ30からプロセッサ25によって受信された、衛星放送トランスポート・ストリームから、衛星プログラム・ガイド(SPG)情報を取得し、格納する。ステップ415で、コントローラ115はDVD記憶装置90(図1)とのコミュニケーションを、インターフェース95を通して自動的に開始する。このコミュニケーションは、プロセッサ25に接続された周辺機器およびそれに関連した通信プロトコルを定義している、あらかじめ格納されているハードウェア構成情報に応答して、プロセッサ25の起動時に開始される。このハードウェア構成情報は、受信したプログラム・ガイド情報の中に入れておくことも、製品としてのプロセッサ内部に格納することも、プロセッサ25にローカルで決定させることも、上記方法を組み合わせて決定することも可能である。プロセッサ25によるハードウェア構成のローカル判断は、コントローラ115がペリフェラルへの問い合わせを行うことによっても、ユーザがハードウェア構成データをデータ入力することによっても行うことができる。
【0068】
代替実施形態では、コミュニケーションは次の条件のとき、つまり、a)ユーザが、プログラム・ガイド選択肢を選択してコマンドを出したとき、b)ペリフェラルへの問い合わせがコントローラ115によって定期的にまたは不定期に開始されたとき、またはc)DVDデバイス90などの周辺機器へのプロセッサ25の新規電気的接続が、またはその接続変更が検出されたとき、自動的に開始されるようになっている。
【0069】
コントローラ115は、インターフェースを通したDVDユニット90とのコミュニケーションを、受信したプログラム・ガイド情報に入っているアクセス・データから取り出された通信プロトコル・コード、ID(識別)コード、資格コードおよび条件付きアクセス・コードを使用して開始する。ステップ420で、コントローラ115は、図1を参照して前述したように、インターフェース95を通してDVD記憶装置90から得られたDVDプログラム・ガイド(DPG)情報を取得して組み合わせるように、プロセッサ25に指示する。ステップ425で、コントローラ115は、同じく図1を参照して前述したように、SPGとDPG情報をマスタ・セット内の対応するテーマとトピックのカテゴリに対応付けることによって、SPGとDPG情報をテーマとトピック別に照合する。さらに、ステップ425で、コントローラ115はSPGとDPG情報をソース別に照合し、異なるソースからのプログラムとプログラム・アイコンに異なるカラー属性を割り当てる。さらに、コントローラ115は、ユーザがソースとカラー別に分類(ソート)できるようにするメニュー選択肢を作成する。
【0070】
図7は本発明によるカラー・プログラム・ガイドの表示フォーマットを白黒で表して示し、そこには、コントローラ115によって作成され、ユーザがプログラムをソースとカラー属性別に照合できるようにするメニュー選択肢が示されている。ソース・アイコン905−925は、それぞれ、有線(off−air)放送、ケーブル、無線、衛星およびストレージ(例えば、図1中のDVDソース90)と関連付けられている。ソース・アイコン930−950は、それぞれ、Eメール、電話、ビデオ電話、ファックスおよびインターネットの機能ソースと関連付けられている。ユーザが、例えば、ソース・アイコン905をハイライトにすると、有線放送プログラムと関連アイコンが示されているプログラム・ガイドが表示される。同様に、ユーザが、例えば、ソース・アイコン930をハイライトにすると、プログラム・ガイドが表示され、そこには、Eメール・メッセージの作文と送信を開始し、受信したメッセージを読み取りそして削除するためのメニューをユーザがアクティブにできるようにする複数のEメール・アイコンが示される。
【0071】
アイコン900は「レインボー」ソート・アイコンであり、図7の白黒プログラム・ガイド描写にグレーの陰影で表されている、不連続のカラー・ブロックのスペクトラムを示している。アイコン900のカラー選択は、別の方法として、連続するカラー・スペクトラムを、または不連続カラー・ブロックの1つまたは複数の選択したカラー範囲を、配列することも可能である。ユーザがアイコン900内の特定のカラーをハイライトにすると、その特定カラーの属性を持つプログラムが表示される。例えば、ステップ425で、コントローラ115がDVDソース・デバイス90にカラー属性としてパープルを割り当てているとすると、ユーザがアイコン900内のカラー、パープルをハイライトにしたとき、DVDデバイス90から入手できる映画がプログラム・ガイドとして表示されることになる。別の方法として、カラー照合方式を使用すると、プログラムをソース以外の他の基準別に識別することができる。カラーを属性として使用すると、プログラムをテーマまたはトピック別に識別することができる。例えば、その場合には、すべてのソースから見るために入手できる映画についての表示は、例えば、アイコン900内のレッド・カラーをハイライトにすることによって識別することができる。さらに、プログラム・ガイド・データはカラー以外の他の属性別に照合することが可能である。例えば、異なるソースからのプログラムは、異種タイプの陰影または異なるアイコン形状と幾何形状の属性をもたせることができる。
【0072】
図6のプロセスを続けていき、ステップ430で、コントローラ115は、図1を参照して説明したものと似た態様で、表示用複合プログラム・ガイドを、照合されたSPGとDPG情報から形成する。また、コントローラ115は、ステップ425で、表示用の関連ユーザ選択可能メニュー選択肢を作成し、そこにはソースとカラー別にソートするためのユーザ選択可能プログラム・ガイド選択肢が含まれている。作成されたメニュー選択肢は、図7に例を示すように、ステップ430でコントローラ115によって、表示用複合プログラム・ガイドに組み込まれる。ステップ435で、コントローラ115は、図1を参照して前述したように、複合プログラム・ガイド情報を表示フォーマットにする。図6のプロセスはステップ440で終了する。
【0073】
コントローラ115(図1)は図8のプロセスを採用し、表示されたプログラム・ガイド上の選択肢から選択を行うことによってビデオ受信装置のユーザから要求されたWebページ情報を取得する。ステップ500でのスタート(開始)に続いて、ステップ505で、コントローラ115は、ユーザが表示されたプログラム・ガイドからWebページを選択したことに応答して、例えば、電話番号とインターネットURLコードの形体になったアクセス・データをメモリから取り出す。特定のユーザ選択に関連するアクセス・データは、特定のプログラムまたはプログラム・ガイド機能と関連があるすべてのデータをリンクしているプログラム・マップ情報を使用して、プログラム・ガイド・データ・ベースから、決定される。
【0074】
ステップ515で、コントローラ115は、取り出した電話番号を、モデム80を使用してダイヤルすることによってサーバ83との要求通信リンクを確立するように、プロセッサ25に指示する。また、ステップ515で、プロセッサ25は、インターネットURLコードなどの追加アクセス・コードを、要求通信リンク上でコミュニケーションするために必要なプロトコルを使用して符号化し、伝送する。必要なプロトコルはプログラム・マップ情報から決定される。ステップ520で、コントローラ115は、応答通信リンク上で受信された入力信号を受けて、デコード(復号化)するようにプロセッサ25に指示する。コントローラ115は、ステップ525と530で入力信号からの応答Webページ情報を識別して、取り出す様にプロセッサ25に指示する。応答データを入力信号から取り出す方法は、いくつかの異なる方法がステップ525と530でプロセッサ25によって採用されている。どの方法が選択されるかは、応答通信リンクがWebページ・データ要求のために使用されたものと同じリンクであるかどうかによって決まる。応答データを識別し、取り出す際に使用される方法は、第3構成のプロセッサ25に関して前述したものと似ている。コントローラ115は入力信号に含まれる応答Webページ・データをステップ525で識別する際に該当の構成方法を適用する。この目的のために、コントローラ115はそのデータID(識別子)をユーザがプログラム・ガイドからの選択したものと関連付けているプログラム・マップ情報から決定されたデータID(識別子)を使用する。コントローラ115は、ステップ535で、応答Webページ情報を表示フォーマットにし、図8のプロセスはステップ540で終了する。
【0075】
コントローラ115(図1)は図9のプロセスを採用し、入力インターネット情報と圧縮ビデオ・データの両方をデコードして表示用の複合ビデオ出力を形成する。ステップ600でのスタート(開始)に続いて、コントローラ115は、ステップ605で、ユーザ要求のインターネット・データのパケットID(識別子)をプログラム・マップ情報から決定する。ステップ607で、コントローラ115は、第3構成のプロセッサ25に関して前述したように、圧縮ビデオ・データと要求されたインターネット・データへのアクセスが許可されているかどうかを、条件付きアクセスまたはスマート・カードのユーザ資格情報から決定する。
【0076】
アクセスが許可されていれば、コントローラ115は、ステップ610で、サーバ83からの応答データ・ストリームの中の、Webページ・データを収めているWebページのTCP/IPパケットを識別する。同様に、アクセスが許可されていれば、コントローラ115は、ステップ615で、デコーダ30からプロセッサ25に送られた入力トランスポート・ストリームの中で、ユーザ選択ビデオ・プログラムを収めている圧縮ビデオ・データ・パケットを識別する。コントローラ115は図1を参照して説明したものと似た態様で、Webページと圧縮ビデオ・データ・パケットを識別する。
【0077】
ステップ617で、コントローラ115は、インターネットまたは圧縮ビデオ・データが暗号化されていれば、その暗号化を解除するようにプロセッサ25(図1)に指示する。コントローラ115は、ステップ620で、識別されたインターネットWebページ・データをHTML(商標)プロセッサ60を使用してデコードするようにプロセッサ25に指示する。コントローラ115は、ステップ625で、識別された圧縮ビデオ・データを、MPEGデコーダ65を使用して圧縮解除するようにプロセッサ25に指示する。その結果のデコードされたWebページ・データと圧縮解除されたビデオ・データは、ステップ630でコントローラ115の指示を受けて、組み合され、フォーマットされ、ディスプレイ・プロセッサ70を使用してディスプレイ・ユニット75から表示される。図9のプロセスはステップ640で終了する。
【0078】
本発明は図1のアーキテクチャに限定されるものではない。他のアーキテクチャが本発明の原理に従ったものであれば、同じ目標を達成することが可能である。さらに、図1に示すプロセッサ25のエレメントがもつ機能および図4〜図6、図8および図9に示すプロセス・ステップは、その全体または一部をマイクロ・プロセッサのプログラムされた命令の中で実現することが可能である。さらに、本発明の原理は、電子プログラム・ガイドがMPEGに準拠しているか、準拠していないかに関係なく、どの形体の電子プログラム・ガイドにも適用可能である。さらに、本発明の原理は、ケーブル経由、赤外線経由、無線経由、マイクロ・ウェーブ経由、およびコンピュータ・ネットワーク経由を含む、どの形体の通信リンクでのコミュニケーションにも適用される。さらに、注目すべきことは、これまでに説明してきた複合プログラム・ガイドの形成はビデオ・レシーバから離れたロケーションで行い、通信ネットワークを通してレシーバによってアクセスできることである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】複数のソースと通信し、プログラム・ガイド情報とプログラム・コンテンツ・データを処理するための、本発明によるホーム・エンターテイメント・デコーダ・システムを示す図である。
【図2】本発明によるプログラム・ガイドの表示フォーマットの例を示す図である。
【図3】MPEG準拠のデータ・ストリームの中に入れて送信するために、インターネット・データをパケット化する、本発明によるデータ・フォーマットを示す図である。
【図4】ユーザが選択する選択肢を含んでいるプログラム・ガイド情報を受信し、ユーザ選択可能コミュニケーション機能をサポートするプログラム・ガイドを作成するために受信した情報を処理する、本発明によるフロー・チャートを示す図である。
【図5】複数のソースから受信した情報からプログラム・ガイドをビデオ・デコーダで作成するプロセスのための、本発明によるフロー・チャートを示す図である。
【図6】プログラム・ガイド情報を複数のソースから自動的に取得し、照合し、表示用プログラム・ガイドを作成するプロセスの、本発明によるフロー・チャートを示す図である。
【図7】ユーザがプログラムを、ソースとカラー属性別に照合できるようにするメニュー・選択肢を表示する、本発明によるカラー・プログラム・ガイドの表示フォーマットの例を、白黒で表して示した図である。
【図8】表示されたプログラム・ガイド上の選択肢から選択を行うことによってビデオ受信機のユーザが要求した情報を取得するプロセスの、本発明によるフロー・チャートを示す図である。
【図9】入力されたインターネット情報と圧縮ビデオ・データをデコードし、複合ビデオ出力を形成して表示するプロセスの、本発明によるフロー・チャートを示す図である。
【符号の説明】
【0080】
10 アンテナ
15 入力プロセッサ
20 復調器
25 プロセッサ
30 デコーダ
45 デコータ・PID選別部
55 トランスポート・デコーダ
60 HTML/Javaプロセッサ
65 MPEGデコーダ
70 ディスプレイ・プロセッサ
75 ディスプレイ
80 モデム
83 インターネット・データ・サーバ
87 インターネット・接続サービス
90 記憶装置
105 記憶媒体
115 コントローラ
120 リモート・ユニット・インターフェース
125 リモート・コントロール・ユニット
900 「レインボー」ソート・アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソースと第2ソースからプログラム・ガイド情報を受信するビデオ・デコーダ・システムにおいて、複数のソースからのプログラム・ガイド情報を照合する方法であって、
a)前記第2ソースからのプログラム・ガイド情報に新規のデータ識別子を割り当てるステップと、
b)前記新規データ識別子を、該第2ソースからの前記プログラム・ガイド・アイテムにリストされているプログラムと、関連付けている複合プログラム・マップ情報を形成するステップと、
c)前記第2ソースのプログラム・ガイド・アイテムを、該新規データ識別子を使用してメモリから取り出すステップと、
d)該第2ソースのプログラム・ガイド・アイテムを表示するステップを
含んでいることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、さらに、
前記割り当てるステップに先立って、重複し、余分であるプログラム・ガイド情報アイテムを除去するステップを含んでいることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、さらに、
第1プログラム・カテゴリを識別している第1コードを、複数のプログラム・ガイド・アイテムのデータ識別子に、関連付けている複合プログラム・マップ情報を形成するステップを含んでいることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、さらに、
a)特定のソース、b)特定の機能、およびc)特定のプログラム・コンテンツの少なくとも1つと関連付けられたプログラム・ガイド情報アイテムを特定するために前記第1コードを使用するステップを含んでいることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、さらに、
第2プログラム・カテゴリを識別している第2コードを、第2の複数のプログラム・ガイド・アイテムのデータ識別子に、関連付けている複合プログラム・マップ情報を形成するステップを含んでいることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、さらに、
前記プログラム・ガイド情報アイテムを、前記第1コードと前記第2コードを使用してカテゴリ別に階層的に、ソートするステップを含んでいることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記第1および第2カテゴリは、それぞれプログラム・テーマおよびトピックに、対応していることを特徴とするプログラム・ガイド情報を照合する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−267427(P2007−267427A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180285(P2007−180285)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【分割の表示】特願平10−543852の分割
【原出願日】平成9年9月23日(1997.9.23)
【出願人】(391000818)トムソン コンシユーマ エレクトロニクス インコーポレイテツド (166)
【氏名又は名称原語表記】THOMSON CONSUMER ELECTRONICS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】