複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラム
【課題】一度に複数枚の帳票をスキャンして各帳票の画像データを取得する際に、各帳票に順序の情報を付与して記録することができる複数帳票スキャン方法を提供する。
【解決手段】台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、台座上に配置された各帳票を一度にスキャンして台座上の画像データを取得するステップと、台座上の画像データにおいて各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、各バウンディングボックスの中心点の座標を算出するステップと、座標原点と各バウンディングボックスの中心点との距離が小さい順にバウンディングボックスの順序を算出するステップと、台座上の画像データから各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、順序の情報を付与して各帳票の画像データとして記録するステップとを有する。
【解決手段】台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、台座上に配置された各帳票を一度にスキャンして台座上の画像データを取得するステップと、台座上の画像データにおいて各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、各バウンディングボックスの中心点の座標を算出するステップと、座標原点と各バウンディングボックスの中心点との距離が小さい順にバウンディングボックスの順序を算出するステップと、台座上の画像データから各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、順序の情報を付与して各帳票の画像データとして記録するステップとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票等の書類を画像データとして取り扱う技術に関し、特に、スタンド型スキャナやデジタルカメラ等によって一度に複数枚の帳票の画像データを取得する複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より業務上の様々な場面で定型のフォームからなる帳票等の書類が利用されている。これらの帳票に記入された文字データ等をコンピュータシステム等に転入力する代わりにOCR(Optical Character Reader:光学文字読取装置)による文字認識も行われている。特に近年では、帳票等の書類の管理におけるペーパーレス化や業務システムでのワークフローによる利用の容易さなども考慮して、帳票等の書類をスキャナ等で読み取って画像データとして管理するとともに、OCRソフトウェア等により画像データからソフトウェア的に文字を識別するということも行われる。
【0003】
上記のような帳票については、業務上多数を効率的に処理する必要が生ずる場合が多いが、このような場合、蓋部を有する一般的なスキャナでは多数の帳票の効率的な読み込み処理が難しく、また、例えば帳票の紙質や厚み、枚数等の制約からオートシートフィーダ等による自動連続読み込みが困難であるものも多い。
【0004】
このような場合、台座部分などに帳票を配置し、これを上部からスキャンするスタンド型スキャナなどの非接触型スキャナや、デジタルカメラ等による撮影によって帳票の画像データを取得することが行われる(以下では、スタンド型スキャナやデジタルカメラ等による撮影等によって台座などの上に配置された帳票の画像データを取得することを総称して「スキャン」と記載する場合がある。また、スキャンを実行するためのスタンド型スキャナ等の非接触型スキャナやデジタルカメラ等を利用したスキャナシステムを総称して「スタンド型スキャナ」と記載する場合がある)。
【0005】
スタンド型スキャナでは、一般的に利用者が台座などの上の所定の位置に帳票を配置してスキャンする。しかしながら、利用者の手動による配置であるため帳票が台座上の正しい位置に配置されないままスキャンされてしまうことも多い。
【0006】
これに対する技術として、例えば特開2004−15232号公報(特許文献1)には、スキャナが一定時間間隔で出力する低解像度、低品質及び低階調のフレーム画像データから、はみ出し検出部が、マット上の書面が所定の読み取り視野内に配置されたか否かを判定し、この判定で読み取り視野内に正しく配置された場合に、画像取得判定部がスキャナを制御して、書面の記載情報を高解像度、高品質及び高階調で読み取ることにより、特にスタンド型スキャナにおける書面記載情報の取得処理を容易にして、その作業性の向上を図る技術が記載されている。
【0007】
また、上記のように帳票が台座上の所定の位置に配置されていない場合も含め、画像処理の技術を利用することで、台座上をスキャンした結果の画像データから帳票部分の画像データを得ることが可能である。例えば、OpenCV(非特許文献1)等の既存のオープンソースの画像処理ライブラリを利用することで、スキャンした結果の画像データにおいて帳票部分を取り囲むバウンディングボックス(外接矩形)を算出し、得られたバウンディングボックスの内部を帳票の画像データとして切り出すという処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−15232号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“OpenCV.jp opencv samples and documents”、[online]、[平成22年10月25日検索]、インターネット<URL:http://opencv.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の特許文献1や非特許文献1に記載したような技術を利用することにより、スタンド型スキャナによって帳票が配置された台座等をスキャンし、得られた画像データから帳票部分の画像データを切り出して取得することが可能である。
【0011】
ここで、業務上更なる効率化を図る観点からは、台座上に複数枚の帳票を並べて配置し、これらを一度にスキャンして、その結果の画像データから各帳票の画像データを切り出して取得することが望まれる。このとき、取得した各帳票の画像データを後続の業務処理で利用する際に、例えば対象の帳票が元々複数枚綴りで1つになっていた場合など、各帳票を順序に従って処理する必要が生ずる場合も多い。しかしながら、例えば帳票上に画像処理によって順序を識別することができる情報が表示されている場合などはともかく、そうでない場合は、スキャンして取得した各帳票の画像データについて、何らかの手段により順序を判定した上でその情報を付与しなければ、順序に従った処理を行うことはできない。
【0012】
そこで本発明の目的は、スタンド型スキャナ等によって一度に複数枚の帳票をスキャンして各帳票の画像データを取得する際に、各帳票に順序の情報を付与して記録することができる複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラムを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
本発明の代表的な実施の形態による複数帳票スキャン方法は、スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、以下の特徴を有するものである。
【0015】
すなわち、複数帳票スキャン方法は、前記スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、前記コンピュータシステムが、前記台座の面上における左上部を座標原点とする前記各バウンディングボックスの中心点の座標を算出するステップと、前記コンピュータシステムが、前記座標原点と前記各バウンディングボックスの中心点との距離を算出して、前記距離が小さい順に前記バウンディングボックスの順序を算出するステップと、前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから、前記各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムにも適用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
本発明の代表的な実施の形態によれば、スタンド型スキャナ等によって一度に複数枚の帳票をスキャンして各帳票の画像データを取得する際に、各帳票に順序の情報を付与して記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1におけるスタンド型スキャナによって複数枚の帳票をスキャンしてバウンディングボックスを算出する処理の例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態1における各バウンディングボックスの中心点と原点との距離から順序を算出する処理の例を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態1における各バウンディングボックス部分の画像データを切り出して帳票の画像データとして記録する処理の例を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態2における複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2における台座上に1枚ずつ配置した帳票のバウンディングボックスを算出して順序を設定する処理の例を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態2における台座上に配置された複数枚の帳票のバウンディングボックスを算出して順序を設定した状態の例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態2における台座上に配置された複数枚の帳票をスキャンし、各バウンディングボックス部分の画像データを切り出して帳票の画像データとして記録する処理の例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態3における複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3におけるユーザが複数枚の帳票を台座上に配置する際の手の位置をマーカーによりトラッキングする処理の例を示した図である。
【図11】本発明の実施の形態3における台座上に配置された複数枚の帳票をスキャンしてバウンディングボックスを算出する処理の例を示した図である。
【図12】本発明の実施の形態3におけるマーカーの移動軌跡に基づいて各バウンディングボックスの順序を算出し、画像データを切り出して帳票の画像データとして記録する処理の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1である複数帳票スキャン方法は、例えば、帳票等の書類からスタンド型スキャナ等により画像データを取得し、当該画像データを利用したOCR等の処理を行う業務システムなどで利用されるものであり、スタンド型スキャナの台座等の上に縦または横に一列に複数枚配置した帳票について一度にスキャンし、得られた各帳票の画像データにそれぞれ順序の情報を付与して記録することを可能とするものである。
【0022】
本実施の形態では、対象の帳票として、例えば、金融機関における各種の払込用帳票や宅配サービスの伝票など、罫線等によってレイアウトされた定型フォーマットを有する書類を対象としているが、定型フォーマットを有さなくても、同一種類もしくは異なる種類の複数の書類間で順序に従って処理を行う必要がある書類であれば特に限定されない(以下ではこれらを総称して単に「帳票」と記載する場合がある)。
【0023】
また、上記のような帳票は、例えば、紙質や厚み、綴り等の制約からオートシートフィーダ等によるスキャナでの自動連続読み込みが困難であったり、蓋部を有する一般的なスキャナでは業務上の処理効率に影響が生じたりするものが多く、本実施の形態ではこのような帳票を主に対象とするが、特にこれらの帳票に限るものではない。
【0024】
本実施の形態の複数帳票スキャン方法では、スタンド型スキャナの台座上に配置された複数の帳票を一度にスキャンして、スキャンした結果の画像データからOpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用して各帳票部分の画像データを切り出すが、その際に、台座上に配置された各帳票の位置関係に基づいて各帳票の画像データの順序を算出し、この情報を付与する。
【0025】
なお、以下に説明する本実施の形態における一連の処理は、コンピュータシステム上で稼働するプログラムにより実行することができる。従って、例えばスタンド型スキャナや、これと連携してスキャナシステムを構成するコンピュータシステム上で稼働するスキャナ用ソフトウェアに組み込んで実装することで、帳票のスキャン処理から順序が付された画像データの出力までの処理を自動で行うことが可能である。
【0026】
図1は、複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。帳票のスキャン処理を開始すると、まずスタンド型スキャナが台座上に配置された複数枚の帳票を一度にスキャン(もしくは撮影)して台座上の画像データを取得する(S01)。次に、スキャナ用ソフトウェアが、スキャンされた台座上の画像データにおいて、OpenCV等の画像処理ライブラリを利用して各帳票部分のバウンディングボックスを算出する(S02)。
【0027】
図2は、スタンド型スキャナによって複数枚の帳票をスキャンしてバウンディングボックスを算出する処理の例を示した図である。図2の上段および下段には、本実施の形態である複数帳票スキャン方法を適用したスキャナシステム1が示されている。スキャナシステム1は、例えば、スタンド型スキャナ10とこれに接続されたPC(Personal Computer)等の端末20から構成される。なお、図2および以降の各図では、スタンド型スキャナ10を垂直上部から見た状態を模式的に示している。
【0028】
図2の上段では、スタンド型スキャナ10は台座11を有し、台座11の上部から撮影部12(デジタルカメラを利用したスキャナシステムの場合はデジタルカメラが相当する)によって台座11上に一列に並べて配置された複数の帳票31等の書類を一度にスキャン(撮影)した状態を示している。なお、スキャンの実行の指示は、ユーザによりスタンド型スキャナ10に設けられたボタン等もしくは端末20上で稼働するスキャナ用ソフトウェアを介して行うことができる。このとき、スタンド型スキャナ10の撮影部12が台座11上を動画像(フレーム画像)により撮影しており、この動画像を例えば端末20上でスキャナ用ソフトウェアを介してモニタリングしながらスキャンの実行指示を行うことも可能である。
【0029】
図2の下段では、スタンド型スキャナ10によってスキャンして得られた台座11上の画像データにおいて、OpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用して各帳票31についてのバウンディングボックス33を算出した状態を示している。なお、図2では、説明の便宜上、台座11上の帳票31に対して、算出されたバウンディングボックス33のイメージを太枠で示しているが、実際はスキャンして得られた画像データに対する演算結果の座標データとして得られるものである(以降の各図でも同様)。
【0030】
図2に示すように、実際には台座11上に塵などの帳票31とは無関係なノイズ32が存在する場合があり、これに対しても画像処理ライブラリによってバウンディングボックス33が算出されてしまう場合がある。そこで本実施の形態では、図1のステップS02において、所定の面積以下のバウンディングボックス33をノイズ32に対するものであると判断して消去するものとする。なお、各バウンディングボックス33の面積は、例えば、バウンディングボックス33の4つの頂点の座標データに基づいて容易に算出することが可能である。
【0031】
図1に戻り、次に、台座11の左上部を座標原点とする各バウンディングボックス33の中心点の座標を算出し(S03)、座標原点と各中心点との距離を算出して、距離が小さい順にバウンディングボックス33の順序を算出する(S04)。
【0032】
図3は、各バウンディングボックス33の中心点と原点との距離から順序を算出する処理の例を示した図である。図3では、台座11の左上部(台座11を垂直上方から見た場合の台座面上での方向であり以降においても同様)を原点Oとし、台座11の上辺、左辺をそれぞれx軸、y軸としたxy座標系において、図2の下段に示すノイズ32のバウンディングボックス33を除いた、3枚の帳票31のバウンディングボックス33の中心点(C1〜C3)、および各中心点と原点Oとの距離(l1〜l3)をそれぞれ算出したイメージを示している。このとき、原点Oとの距離はl1<l2<l3であるため、バウンディングボックス33の順序は図示するように上部に配置した帳票31に対するものから順に1〜3として算出される。
【0033】
なお、各バウンディングボックス33の中心点の座標は、例えば、バウンディングボックス33の4つの頂点の座標データに基づいて容易に算出することが可能である。また、本実施の形態では、座標原点と各バウンディングボックス33の中心点との距離から順序を算出しているが、中心点ではなく例えば座標原点との距離が最も小さい頂点などの所定の基準位置を用いることができる。
【0034】
図3の例では、ユーザによって台座11上の上→下に向かって順に縦に一列に帳票31が配置された場合を示している。通常の人間の動作として、帳票31を並べて配置する際、このように上→下(もしくは左→右)に向かって順に配置するものと考えられる。従って、台座11の左上部を座標原点として当該原点との距離を利用することで、ユーザによる帳票31の配置順序(上→下に向かって縦に一列に配置もしくは左→右に向かって横に一列に配置)を推測することができる。また、通常の人間の動作として、帳票31の順序(例えば綴り順や日付、番号順など)に従って順に配置するものと考えられるため、帳票31の配置順序を帳票31の処理のための順序として取り扱うことが可能である。
【0035】
図1に戻り、次に、台座11上の画像データから、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出し、ステップS04で算出された順序の情報をそれぞれ付与して帳票31の画像データとして記録する(S05)。画像データは例えば端末20に転送されファイルとして記録される。以上の一連の処理により帳票のスキャン処理を終了する。
【0036】
図4は、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出して帳票31の画像データとして記録する処理の例を示した図である。バウンディングボックス33部分の画像データを切り出す処理についても既存の画像処理ライブラリを利用することができる。図4の例では、画像データをファイル21として端末20上の記憶装置等に記録している。このとき、画像データに付与する帳票31の順序の情報は、例えば、画像データのファイル名に含めたりメタ情報に設定したり等により設定することができる。
【0037】
以上に説明したように、本発明の実施の形態1である複数帳票スキャン方法によれば、複数の帳票31が縦または横に一列に並べて配置された台座11上をスキャンした画像データから各帳票31の画像データを切り出し、これらに対して(推測される)配置された順序の情報を付与して記録することが可能となる。なお、本実施の形態の複数帳票スキャン方法は、複数枚の帳票を並べて配置して一度にスキャンする場合に適用することができるため、スタンド型スキャナだけに限らず、例えば、蓋部を有する一般的なスキャナにおいても適用することができる。
【0038】
<実施の形態2>
上述した実施の形態1の複数帳票スキャン方法によれば、台座11上に縦または横に一列に並べて配置された複数枚の帳票31に対して、各帳票31の画像データに順序の情報を付与して取得することが可能である。しかしながら、ユーザは台座11上に一列に帳票31を配置しなければならず、複数列にわたって配置した場合は、座標原点と各帳票31のバウンディングボックス33の中心点との距離によっては帳票31を配置した順序を正しく推測することができない。また、ユーザが各帳票31を一列に配置した場合であっても、上→下、もしくは左→右に向かって順に帳票31を配置しなかった場合(例えば、図3の例で上→下→中の順に配置した場合)には、やはり帳票31を配置した順序を正しく推測することができない。
【0039】
そこで、本発明の実施の形態2である複数帳票スキャン方法は、スタンド型スキャナ10がスキャンの際にモニタ画像等として利用するために撮影部12により取得している台座11上を撮影した動画像(フレーム画像)を利用して、ユーザが帳票31を台座11上に配置した際の順序の情報を取得し、各帳票31の画像データに当該順序の情報を付与して記録することを可能とするものである。従って、本実施の形態の複数帳票スキャン方法では、図2等に示したような、台座11上の動画像を撮影するための撮影部12を有するスタンド型スキャナ11を利用することが必要となる。端末20等も含めた他の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため再度の説明は省略する。
【0040】
図5は、複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。帳票のスキャン処理を開始すると、まずスタンド型スキャナ11が撮影部12により台座11上の動画像の撮影を開始する(S11)。上述したように、この動画像は、例えば端末20上でスキャナ用ソフトウェアを介してモニタリングすることも可能である。
【0041】
次に、ユーザによって台座11上に1枚ずつ全ての帳票31が配置されるまで繰り返すループ処理を開始する。ループ処理を開始すると、スキャナ用ソフトウェアにより、撮影部12が台座11上を撮影した動画像のフレームを解析して、ユーザが帳票31を台座11上に配置する際の手の部分が台座11上の領域から離れたか否かをチェックする(S12)。すなわち、台座11上に帳票31を1枚配置したユーザの手がその後いったん台座11上の領域から離れたか否かをチェックする。従って、最初から台座11上の領域に手が存在していない場合(初期状態)については除外される。
【0042】
動画像中において、台座11上の領域から手の部分が離れたか否かについては、例えば、動画像中の物体の動きをベクトルで表現したオプティカルフローから判定することができる。なお、オプティカルフローの算出についても、上述したOpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用することができる。
【0043】
ステップS12において、手が台座11上から離れていない場合(すなわちまだ台座11上に手が存在するか最初から手が存在していない場合)は、ステップS12に戻って台座11上から手が離れたかの判定処理を繰り返す。台座11上に存在していた手が台座11上から離れた場合は、新たに配置された帳票31の部分についてバウンディングボックス33を算出する(S13)。新たに配置された帳票31の部分を特定するには、例えば、既に算出された他の帳票31の部分に係るバウンディングボックス33の座標データを参照するなど種々の手法をとることができる。なお、バウンディングボックス33を算出する際に台座11上のノイズについてのバウンディングボックスを消去する点については上述した実施の形態1の場合と同様である。
【0044】
ステップS13で算出されたバウンディングボックス33には、台座11上に対応する帳票31が配置された際の順序の情報を設定しておく(S14)。図6は、台座11上に1枚ずつ配置された帳票31のバウンディングボックス33を算出して順序を設定する処理の例を示した図である。図6の上段では、ユーザが台座11上の領域外から帳票31を1枚持ってきて台座11上に配置した際の状態を示している。また、図6の中段では、台座11上に帳票31を配置したユーザの手が台座11上の領域を離れた際の状態を示している。
【0045】
図6の下段では、ユーザの手が台座11上の領域を離れたことを検知して、撮影部12が撮影した動画像から配置された帳票31のバウンディングボックス33を算出し、配置された順序の情報を設定した状態を示している。バウンディングボックス33や設定された順序の情報は、例えば、スタンド型スキャナ10もしくは端末20上のメモリ等に保持しておく。このように、ユーザによって台座11上に帳票31が配置される毎にバウンディングボックス33を算出して、配置された順序の情報を設定する。図7は、台座11上に配置した複数枚の帳票31のバウンディングボックス33を算出して順序を設定した状態の例を示した図である。
【0046】
図5に戻り、図7に示すように全ての帳票31が配置されるとループ処理を終了し、スタンド型スキャナ10が台座11上に配置された複数枚の帳票31を一度にスキャン(もしくは撮影)して台座11上の画像データを取得する(S15)。次に、台座11上の画像データから、ステップS13で算出した各バウンディングボックス33に対応する部分の画像データを切り出し、ステップS14で設定された順序の情報をそれぞれ付与して帳票31の画像データとして記録する(S16)。画像データは例えばファイルとしてスタンド型スキャナ10や端末20に転送され記録される。以上の一連の処理により帳票のスキャン処理を終了する。
【0047】
図8は、台座11上に配置された複数枚の帳票31をスキャンし、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出して帳票31の画像データとして記録する処理の例を示した図である。台座11上をスキャンした画像データから、既に算出されている各バウンディングボックス33に対応する部分の画像データを切り出す。実施の形態1と同様に、画像データは例えばファイル21として端末20上の記憶装置等に記録する。このとき、画像データに付与する帳票31の順序の情報は、画像データのファイル名に含めたりメタ情報に設定したり等により設定する。
【0048】
以上に説明したように、本発明の実施の形態2である複数帳票スキャン方法によれば、複数列に配置した場合も含めて、ユーザが台座11上に帳票31を配置する位置を意識することなく、実際に配置された順序を把握して、各帳票31の画像データについて配置された順序の情報を付与して記録することが可能となる。
【0049】
<実施の形態3>
上述した実施の形態2の複数帳票スキャン方法によれば、ユーザが台座11上に帳票31を配置する位置に関わらず、配置された順序の情報を付与して各帳票31の画像データを取得することが可能である。しかしながら、ユーザは帳票31を1枚ずつ台座11上に配置する毎に手を台座11上の領域外(もしくは撮影部12の撮影範囲外)に移動させて静止状態を作る必要がある。従って、1回の動作で台座11上に連続して帳票31を配置することができず、処理効率が低下する場合も生じ得る。
【0050】
そこで、本発明の実施の形態3である複数帳票スキャン方法は、ユーザが帳票31を配置する手にマーカーを付し、スタンド型スキャナ10が撮影部12により台座11上を撮影した動画像に撮影されたマーカーの座標情報を利用する。これにより、ユーザが帳票31を台座11上に配置した際の順序の情報を取得し、各帳票31の画像データに当該順序の情報を付与して記録することを可能とするものである。従って、本実施の形態の複数帳票スキャン方法では、実施の形態2と同様に、台座11上の動画像を撮影するための撮影部12を有するスタンド型スキャナ11を利用することが必要となる。端末20等も含めた他の基本的な構成は実施の形態1および2と同様であるため再度の説明は省略する。
【0051】
図9は、複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。帳票のスキャン処理を開始すると、まずスタンド型スキャナ11が撮影部12により台座11上の動画像の撮影を開始する(S21)。上述したように、この動画像は、例えば端末20上でスキャナ用ソフトウェアを介してモニタリングすることも可能である。
【0052】
次に、ユーザによって台座11上に全ての帳票31が配置されるまで繰り返すループ処理を開始する。このとき、ユーザが帳票31を配置する手には、撮影部12が撮影する動画像に映るような位置(例えば手の甲など)に識別性の高い色や形状のマーク等からなるマーカーを付しておく。マーカーは、例えばシール等により手に貼付したり、マーカーが付された専用の手袋等を装着したりすることで付することができる。
【0053】
ループ処理を開始すると、スキャナ用ソフトウェアにより、撮影部12が台座11上を撮影した動画像のフレームを解析して、マーカーの位置(座標)を常時トラッキングし(S22)、座標情報をスタンド型スキャナ10や端末20のメモリ等に保存する(S23)。この座標情報により、ユーザが帳票31を配置する手の台座11上での移動の軌跡を把握することができる。なお、マーカーの位置の特定についても、上述したOpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用することができる。ユーザが全ての帳票31を台座11上に配置するとループ処理を終了する。
【0054】
図10は、ユーザが複数枚の帳票31を台座11上に配置する際の手の位置をマーカーによりトラッキングする処理の例を示した図である。ユーザの手にはマーカー34が付されている。撮影部12が撮影した動画像においてマーカー34の位置を常時トラッキングして座標情報を取得することで、図示するような移動軌跡35を得ることができる。ここでは、台座11上で左上→右上→左下→右下の順に帳票31を配置した場合の例を示している。なお、図10に示す移動軌跡35についても、バウンディングボックス33と同様に、説明の便宜上イメージとして図示しているものであり、実際は座標データとして得られるものである(以降の各図でも同様)。
【0055】
図9に戻り、図10に示すように全ての帳票31が配置されるとループ処理を終了し、スタンド型スキャナ10が台座11上に配置された複数枚の帳票31を一度にスキャン(もしくは撮影)して台座11上の画像データを取得する(S24)。次に、スキャナ用ソフトウェアが、スキャンされた台座11上の画像データにおいて、既存の画像処理ライブラリを利用して各帳票31部分のバウンディングボックス33を算出する(S25)。
【0056】
図11は、台座11上に配置された複数枚の帳票31をスキャンしてバウンディングボックス33を算出する処理の例を示した図である。なお、バウンディングボックス33を算出する際に台座11上のノイズについてのバウンディングボックスを消去する点については上述した実施の形態1の場合と同様である。
【0057】
図9に戻り、図11に示すように各帳票31のバウンディングボックス33が算出されると、ステップS22、23のループ処理によって取得したマーカー34の座標情報の履歴(移動軌跡35)に基づいて、各バウンディングボックス33の順序を算出する(S26)。次に、台座11上の画像データから、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出し、ステップS26で設定された順序の情報をそれぞれ付与して帳票31の画像データとして記録する(S27)。画像データは例えばファイルとしてスタンド型スキャナ10や端末20に転送され記録される。以上の一連の処理により帳票のスキャン処理を終了する。
【0058】
図12は、マーカー34の移動軌跡35に基づいて各バウンディングボックス33の順序を算出し、画像データを切り出して帳票31の画像データとして記録する処理の例を示した図である。ここでは例えば、単純に移動軌跡35が各バウンディングボックス33の領域を通過する順序をそれぞれの座標情報に基づいて算出し、これをバウンディングボックス33の順序(すなわち帳票31が配置された順序)として設定している。その後は実施の形態2の場合と同様に、台座11上をスキャンした画像データから各バウンディングボックス33の部分の画像データを切り出し、例えばファイル21として端末20上の記憶装置等に記録する。このとき、画像データに付与する帳票31の順序の情報は、画像データのファイル名に含めたりメタ情報に設定したり等により設定する。
【0059】
以上に説明したように、本発明の実施の形態3である複数帳票スキャン方法によれば、実施の形態2と同様に、複数列に配置した場合も含めて、ユーザが台座11上に帳票31を配置する位置を意識することなく、実際に配置された順序を把握して、各帳票31の画像データについて配置された順序の情報を付与して記録することが可能となる。また、実施の形態2のようにユーザが台座11上に帳票31を1枚配置する毎に手を台座11上の領域から離して静止状態を作る必要がなく、帳票31を台座11上に連続して配置することが可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、スタンド型スキャナやデジタルカメラ等によって一度に複数枚の帳票の画像データを取得する複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…スキャナシステム、
10…スタンド型スキャナ、11…台座、12…撮影部、
20…端末、21…ファイル、
31…帳票、32…ノイズ、33…バウンディングボックス、34…マーカー、35…移動軌跡。
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票等の書類を画像データとして取り扱う技術に関し、特に、スタンド型スキャナやデジタルカメラ等によって一度に複数枚の帳票の画像データを取得する複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より業務上の様々な場面で定型のフォームからなる帳票等の書類が利用されている。これらの帳票に記入された文字データ等をコンピュータシステム等に転入力する代わりにOCR(Optical Character Reader:光学文字読取装置)による文字認識も行われている。特に近年では、帳票等の書類の管理におけるペーパーレス化や業務システムでのワークフローによる利用の容易さなども考慮して、帳票等の書類をスキャナ等で読み取って画像データとして管理するとともに、OCRソフトウェア等により画像データからソフトウェア的に文字を識別するということも行われる。
【0003】
上記のような帳票については、業務上多数を効率的に処理する必要が生ずる場合が多いが、このような場合、蓋部を有する一般的なスキャナでは多数の帳票の効率的な読み込み処理が難しく、また、例えば帳票の紙質や厚み、枚数等の制約からオートシートフィーダ等による自動連続読み込みが困難であるものも多い。
【0004】
このような場合、台座部分などに帳票を配置し、これを上部からスキャンするスタンド型スキャナなどの非接触型スキャナや、デジタルカメラ等による撮影によって帳票の画像データを取得することが行われる(以下では、スタンド型スキャナやデジタルカメラ等による撮影等によって台座などの上に配置された帳票の画像データを取得することを総称して「スキャン」と記載する場合がある。また、スキャンを実行するためのスタンド型スキャナ等の非接触型スキャナやデジタルカメラ等を利用したスキャナシステムを総称して「スタンド型スキャナ」と記載する場合がある)。
【0005】
スタンド型スキャナでは、一般的に利用者が台座などの上の所定の位置に帳票を配置してスキャンする。しかしながら、利用者の手動による配置であるため帳票が台座上の正しい位置に配置されないままスキャンされてしまうことも多い。
【0006】
これに対する技術として、例えば特開2004−15232号公報(特許文献1)には、スキャナが一定時間間隔で出力する低解像度、低品質及び低階調のフレーム画像データから、はみ出し検出部が、マット上の書面が所定の読み取り視野内に配置されたか否かを判定し、この判定で読み取り視野内に正しく配置された場合に、画像取得判定部がスキャナを制御して、書面の記載情報を高解像度、高品質及び高階調で読み取ることにより、特にスタンド型スキャナにおける書面記載情報の取得処理を容易にして、その作業性の向上を図る技術が記載されている。
【0007】
また、上記のように帳票が台座上の所定の位置に配置されていない場合も含め、画像処理の技術を利用することで、台座上をスキャンした結果の画像データから帳票部分の画像データを得ることが可能である。例えば、OpenCV(非特許文献1)等の既存のオープンソースの画像処理ライブラリを利用することで、スキャンした結果の画像データにおいて帳票部分を取り囲むバウンディングボックス(外接矩形)を算出し、得られたバウンディングボックスの内部を帳票の画像データとして切り出すという処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−15232号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“OpenCV.jp opencv samples and documents”、[online]、[平成22年10月25日検索]、インターネット<URL:http://opencv.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の特許文献1や非特許文献1に記載したような技術を利用することにより、スタンド型スキャナによって帳票が配置された台座等をスキャンし、得られた画像データから帳票部分の画像データを切り出して取得することが可能である。
【0011】
ここで、業務上更なる効率化を図る観点からは、台座上に複数枚の帳票を並べて配置し、これらを一度にスキャンして、その結果の画像データから各帳票の画像データを切り出して取得することが望まれる。このとき、取得した各帳票の画像データを後続の業務処理で利用する際に、例えば対象の帳票が元々複数枚綴りで1つになっていた場合など、各帳票を順序に従って処理する必要が生ずる場合も多い。しかしながら、例えば帳票上に画像処理によって順序を識別することができる情報が表示されている場合などはともかく、そうでない場合は、スキャンして取得した各帳票の画像データについて、何らかの手段により順序を判定した上でその情報を付与しなければ、順序に従った処理を行うことはできない。
【0012】
そこで本発明の目的は、スタンド型スキャナ等によって一度に複数枚の帳票をスキャンして各帳票の画像データを取得する際に、各帳票に順序の情報を付与して記録することができる複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラムを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
本発明の代表的な実施の形態による複数帳票スキャン方法は、スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、以下の特徴を有するものである。
【0015】
すなわち、複数帳票スキャン方法は、前記スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、前記コンピュータシステムが、前記台座の面上における左上部を座標原点とする前記各バウンディングボックスの中心点の座標を算出するステップと、前記コンピュータシステムが、前記座標原点と前記各バウンディングボックスの中心点との距離を算出して、前記距離が小さい順に前記バウンディングボックスの順序を算出するステップと、前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから、前記各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムにも適用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
本発明の代表的な実施の形態によれば、スタンド型スキャナ等によって一度に複数枚の帳票をスキャンして各帳票の画像データを取得する際に、各帳票に順序の情報を付与して記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1におけるスタンド型スキャナによって複数枚の帳票をスキャンしてバウンディングボックスを算出する処理の例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態1における各バウンディングボックスの中心点と原点との距離から順序を算出する処理の例を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態1における各バウンディングボックス部分の画像データを切り出して帳票の画像データとして記録する処理の例を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態2における複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2における台座上に1枚ずつ配置した帳票のバウンディングボックスを算出して順序を設定する処理の例を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態2における台座上に配置された複数枚の帳票のバウンディングボックスを算出して順序を設定した状態の例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態2における台座上に配置された複数枚の帳票をスキャンし、各バウンディングボックス部分の画像データを切り出して帳票の画像データとして記録する処理の例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態3における複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3におけるユーザが複数枚の帳票を台座上に配置する際の手の位置をマーカーによりトラッキングする処理の例を示した図である。
【図11】本発明の実施の形態3における台座上に配置された複数枚の帳票をスキャンしてバウンディングボックスを算出する処理の例を示した図である。
【図12】本発明の実施の形態3におけるマーカーの移動軌跡に基づいて各バウンディングボックスの順序を算出し、画像データを切り出して帳票の画像データとして記録する処理の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1である複数帳票スキャン方法は、例えば、帳票等の書類からスタンド型スキャナ等により画像データを取得し、当該画像データを利用したOCR等の処理を行う業務システムなどで利用されるものであり、スタンド型スキャナの台座等の上に縦または横に一列に複数枚配置した帳票について一度にスキャンし、得られた各帳票の画像データにそれぞれ順序の情報を付与して記録することを可能とするものである。
【0022】
本実施の形態では、対象の帳票として、例えば、金融機関における各種の払込用帳票や宅配サービスの伝票など、罫線等によってレイアウトされた定型フォーマットを有する書類を対象としているが、定型フォーマットを有さなくても、同一種類もしくは異なる種類の複数の書類間で順序に従って処理を行う必要がある書類であれば特に限定されない(以下ではこれらを総称して単に「帳票」と記載する場合がある)。
【0023】
また、上記のような帳票は、例えば、紙質や厚み、綴り等の制約からオートシートフィーダ等によるスキャナでの自動連続読み込みが困難であったり、蓋部を有する一般的なスキャナでは業務上の処理効率に影響が生じたりするものが多く、本実施の形態ではこのような帳票を主に対象とするが、特にこれらの帳票に限るものではない。
【0024】
本実施の形態の複数帳票スキャン方法では、スタンド型スキャナの台座上に配置された複数の帳票を一度にスキャンして、スキャンした結果の画像データからOpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用して各帳票部分の画像データを切り出すが、その際に、台座上に配置された各帳票の位置関係に基づいて各帳票の画像データの順序を算出し、この情報を付与する。
【0025】
なお、以下に説明する本実施の形態における一連の処理は、コンピュータシステム上で稼働するプログラムにより実行することができる。従って、例えばスタンド型スキャナや、これと連携してスキャナシステムを構成するコンピュータシステム上で稼働するスキャナ用ソフトウェアに組み込んで実装することで、帳票のスキャン処理から順序が付された画像データの出力までの処理を自動で行うことが可能である。
【0026】
図1は、複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。帳票のスキャン処理を開始すると、まずスタンド型スキャナが台座上に配置された複数枚の帳票を一度にスキャン(もしくは撮影)して台座上の画像データを取得する(S01)。次に、スキャナ用ソフトウェアが、スキャンされた台座上の画像データにおいて、OpenCV等の画像処理ライブラリを利用して各帳票部分のバウンディングボックスを算出する(S02)。
【0027】
図2は、スタンド型スキャナによって複数枚の帳票をスキャンしてバウンディングボックスを算出する処理の例を示した図である。図2の上段および下段には、本実施の形態である複数帳票スキャン方法を適用したスキャナシステム1が示されている。スキャナシステム1は、例えば、スタンド型スキャナ10とこれに接続されたPC(Personal Computer)等の端末20から構成される。なお、図2および以降の各図では、スタンド型スキャナ10を垂直上部から見た状態を模式的に示している。
【0028】
図2の上段では、スタンド型スキャナ10は台座11を有し、台座11の上部から撮影部12(デジタルカメラを利用したスキャナシステムの場合はデジタルカメラが相当する)によって台座11上に一列に並べて配置された複数の帳票31等の書類を一度にスキャン(撮影)した状態を示している。なお、スキャンの実行の指示は、ユーザによりスタンド型スキャナ10に設けられたボタン等もしくは端末20上で稼働するスキャナ用ソフトウェアを介して行うことができる。このとき、スタンド型スキャナ10の撮影部12が台座11上を動画像(フレーム画像)により撮影しており、この動画像を例えば端末20上でスキャナ用ソフトウェアを介してモニタリングしながらスキャンの実行指示を行うことも可能である。
【0029】
図2の下段では、スタンド型スキャナ10によってスキャンして得られた台座11上の画像データにおいて、OpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用して各帳票31についてのバウンディングボックス33を算出した状態を示している。なお、図2では、説明の便宜上、台座11上の帳票31に対して、算出されたバウンディングボックス33のイメージを太枠で示しているが、実際はスキャンして得られた画像データに対する演算結果の座標データとして得られるものである(以降の各図でも同様)。
【0030】
図2に示すように、実際には台座11上に塵などの帳票31とは無関係なノイズ32が存在する場合があり、これに対しても画像処理ライブラリによってバウンディングボックス33が算出されてしまう場合がある。そこで本実施の形態では、図1のステップS02において、所定の面積以下のバウンディングボックス33をノイズ32に対するものであると判断して消去するものとする。なお、各バウンディングボックス33の面積は、例えば、バウンディングボックス33の4つの頂点の座標データに基づいて容易に算出することが可能である。
【0031】
図1に戻り、次に、台座11の左上部を座標原点とする各バウンディングボックス33の中心点の座標を算出し(S03)、座標原点と各中心点との距離を算出して、距離が小さい順にバウンディングボックス33の順序を算出する(S04)。
【0032】
図3は、各バウンディングボックス33の中心点と原点との距離から順序を算出する処理の例を示した図である。図3では、台座11の左上部(台座11を垂直上方から見た場合の台座面上での方向であり以降においても同様)を原点Oとし、台座11の上辺、左辺をそれぞれx軸、y軸としたxy座標系において、図2の下段に示すノイズ32のバウンディングボックス33を除いた、3枚の帳票31のバウンディングボックス33の中心点(C1〜C3)、および各中心点と原点Oとの距離(l1〜l3)をそれぞれ算出したイメージを示している。このとき、原点Oとの距離はl1<l2<l3であるため、バウンディングボックス33の順序は図示するように上部に配置した帳票31に対するものから順に1〜3として算出される。
【0033】
なお、各バウンディングボックス33の中心点の座標は、例えば、バウンディングボックス33の4つの頂点の座標データに基づいて容易に算出することが可能である。また、本実施の形態では、座標原点と各バウンディングボックス33の中心点との距離から順序を算出しているが、中心点ではなく例えば座標原点との距離が最も小さい頂点などの所定の基準位置を用いることができる。
【0034】
図3の例では、ユーザによって台座11上の上→下に向かって順に縦に一列に帳票31が配置された場合を示している。通常の人間の動作として、帳票31を並べて配置する際、このように上→下(もしくは左→右)に向かって順に配置するものと考えられる。従って、台座11の左上部を座標原点として当該原点との距離を利用することで、ユーザによる帳票31の配置順序(上→下に向かって縦に一列に配置もしくは左→右に向かって横に一列に配置)を推測することができる。また、通常の人間の動作として、帳票31の順序(例えば綴り順や日付、番号順など)に従って順に配置するものと考えられるため、帳票31の配置順序を帳票31の処理のための順序として取り扱うことが可能である。
【0035】
図1に戻り、次に、台座11上の画像データから、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出し、ステップS04で算出された順序の情報をそれぞれ付与して帳票31の画像データとして記録する(S05)。画像データは例えば端末20に転送されファイルとして記録される。以上の一連の処理により帳票のスキャン処理を終了する。
【0036】
図4は、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出して帳票31の画像データとして記録する処理の例を示した図である。バウンディングボックス33部分の画像データを切り出す処理についても既存の画像処理ライブラリを利用することができる。図4の例では、画像データをファイル21として端末20上の記憶装置等に記録している。このとき、画像データに付与する帳票31の順序の情報は、例えば、画像データのファイル名に含めたりメタ情報に設定したり等により設定することができる。
【0037】
以上に説明したように、本発明の実施の形態1である複数帳票スキャン方法によれば、複数の帳票31が縦または横に一列に並べて配置された台座11上をスキャンした画像データから各帳票31の画像データを切り出し、これらに対して(推測される)配置された順序の情報を付与して記録することが可能となる。なお、本実施の形態の複数帳票スキャン方法は、複数枚の帳票を並べて配置して一度にスキャンする場合に適用することができるため、スタンド型スキャナだけに限らず、例えば、蓋部を有する一般的なスキャナにおいても適用することができる。
【0038】
<実施の形態2>
上述した実施の形態1の複数帳票スキャン方法によれば、台座11上に縦または横に一列に並べて配置された複数枚の帳票31に対して、各帳票31の画像データに順序の情報を付与して取得することが可能である。しかしながら、ユーザは台座11上に一列に帳票31を配置しなければならず、複数列にわたって配置した場合は、座標原点と各帳票31のバウンディングボックス33の中心点との距離によっては帳票31を配置した順序を正しく推測することができない。また、ユーザが各帳票31を一列に配置した場合であっても、上→下、もしくは左→右に向かって順に帳票31を配置しなかった場合(例えば、図3の例で上→下→中の順に配置した場合)には、やはり帳票31を配置した順序を正しく推測することができない。
【0039】
そこで、本発明の実施の形態2である複数帳票スキャン方法は、スタンド型スキャナ10がスキャンの際にモニタ画像等として利用するために撮影部12により取得している台座11上を撮影した動画像(フレーム画像)を利用して、ユーザが帳票31を台座11上に配置した際の順序の情報を取得し、各帳票31の画像データに当該順序の情報を付与して記録することを可能とするものである。従って、本実施の形態の複数帳票スキャン方法では、図2等に示したような、台座11上の動画像を撮影するための撮影部12を有するスタンド型スキャナ11を利用することが必要となる。端末20等も含めた他の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため再度の説明は省略する。
【0040】
図5は、複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。帳票のスキャン処理を開始すると、まずスタンド型スキャナ11が撮影部12により台座11上の動画像の撮影を開始する(S11)。上述したように、この動画像は、例えば端末20上でスキャナ用ソフトウェアを介してモニタリングすることも可能である。
【0041】
次に、ユーザによって台座11上に1枚ずつ全ての帳票31が配置されるまで繰り返すループ処理を開始する。ループ処理を開始すると、スキャナ用ソフトウェアにより、撮影部12が台座11上を撮影した動画像のフレームを解析して、ユーザが帳票31を台座11上に配置する際の手の部分が台座11上の領域から離れたか否かをチェックする(S12)。すなわち、台座11上に帳票31を1枚配置したユーザの手がその後いったん台座11上の領域から離れたか否かをチェックする。従って、最初から台座11上の領域に手が存在していない場合(初期状態)については除外される。
【0042】
動画像中において、台座11上の領域から手の部分が離れたか否かについては、例えば、動画像中の物体の動きをベクトルで表現したオプティカルフローから判定することができる。なお、オプティカルフローの算出についても、上述したOpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用することができる。
【0043】
ステップS12において、手が台座11上から離れていない場合(すなわちまだ台座11上に手が存在するか最初から手が存在していない場合)は、ステップS12に戻って台座11上から手が離れたかの判定処理を繰り返す。台座11上に存在していた手が台座11上から離れた場合は、新たに配置された帳票31の部分についてバウンディングボックス33を算出する(S13)。新たに配置された帳票31の部分を特定するには、例えば、既に算出された他の帳票31の部分に係るバウンディングボックス33の座標データを参照するなど種々の手法をとることができる。なお、バウンディングボックス33を算出する際に台座11上のノイズについてのバウンディングボックスを消去する点については上述した実施の形態1の場合と同様である。
【0044】
ステップS13で算出されたバウンディングボックス33には、台座11上に対応する帳票31が配置された際の順序の情報を設定しておく(S14)。図6は、台座11上に1枚ずつ配置された帳票31のバウンディングボックス33を算出して順序を設定する処理の例を示した図である。図6の上段では、ユーザが台座11上の領域外から帳票31を1枚持ってきて台座11上に配置した際の状態を示している。また、図6の中段では、台座11上に帳票31を配置したユーザの手が台座11上の領域を離れた際の状態を示している。
【0045】
図6の下段では、ユーザの手が台座11上の領域を離れたことを検知して、撮影部12が撮影した動画像から配置された帳票31のバウンディングボックス33を算出し、配置された順序の情報を設定した状態を示している。バウンディングボックス33や設定された順序の情報は、例えば、スタンド型スキャナ10もしくは端末20上のメモリ等に保持しておく。このように、ユーザによって台座11上に帳票31が配置される毎にバウンディングボックス33を算出して、配置された順序の情報を設定する。図7は、台座11上に配置した複数枚の帳票31のバウンディングボックス33を算出して順序を設定した状態の例を示した図である。
【0046】
図5に戻り、図7に示すように全ての帳票31が配置されるとループ処理を終了し、スタンド型スキャナ10が台座11上に配置された複数枚の帳票31を一度にスキャン(もしくは撮影)して台座11上の画像データを取得する(S15)。次に、台座11上の画像データから、ステップS13で算出した各バウンディングボックス33に対応する部分の画像データを切り出し、ステップS14で設定された順序の情報をそれぞれ付与して帳票31の画像データとして記録する(S16)。画像データは例えばファイルとしてスタンド型スキャナ10や端末20に転送され記録される。以上の一連の処理により帳票のスキャン処理を終了する。
【0047】
図8は、台座11上に配置された複数枚の帳票31をスキャンし、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出して帳票31の画像データとして記録する処理の例を示した図である。台座11上をスキャンした画像データから、既に算出されている各バウンディングボックス33に対応する部分の画像データを切り出す。実施の形態1と同様に、画像データは例えばファイル21として端末20上の記憶装置等に記録する。このとき、画像データに付与する帳票31の順序の情報は、画像データのファイル名に含めたりメタ情報に設定したり等により設定する。
【0048】
以上に説明したように、本発明の実施の形態2である複数帳票スキャン方法によれば、複数列に配置した場合も含めて、ユーザが台座11上に帳票31を配置する位置を意識することなく、実際に配置された順序を把握して、各帳票31の画像データについて配置された順序の情報を付与して記録することが可能となる。
【0049】
<実施の形態3>
上述した実施の形態2の複数帳票スキャン方法によれば、ユーザが台座11上に帳票31を配置する位置に関わらず、配置された順序の情報を付与して各帳票31の画像データを取得することが可能である。しかしながら、ユーザは帳票31を1枚ずつ台座11上に配置する毎に手を台座11上の領域外(もしくは撮影部12の撮影範囲外)に移動させて静止状態を作る必要がある。従って、1回の動作で台座11上に連続して帳票31を配置することができず、処理効率が低下する場合も生じ得る。
【0050】
そこで、本発明の実施の形態3である複数帳票スキャン方法は、ユーザが帳票31を配置する手にマーカーを付し、スタンド型スキャナ10が撮影部12により台座11上を撮影した動画像に撮影されたマーカーの座標情報を利用する。これにより、ユーザが帳票31を台座11上に配置した際の順序の情報を取得し、各帳票31の画像データに当該順序の情報を付与して記録することを可能とするものである。従って、本実施の形態の複数帳票スキャン方法では、実施の形態2と同様に、台座11上の動画像を撮影するための撮影部12を有するスタンド型スキャナ11を利用することが必要となる。端末20等も含めた他の基本的な構成は実施の形態1および2と同様であるため再度の説明は省略する。
【0051】
図9は、複数枚の帳票をスキャンして順序を付与して画像データを出力する処理の流れの例について示したフローチャートである。帳票のスキャン処理を開始すると、まずスタンド型スキャナ11が撮影部12により台座11上の動画像の撮影を開始する(S21)。上述したように、この動画像は、例えば端末20上でスキャナ用ソフトウェアを介してモニタリングすることも可能である。
【0052】
次に、ユーザによって台座11上に全ての帳票31が配置されるまで繰り返すループ処理を開始する。このとき、ユーザが帳票31を配置する手には、撮影部12が撮影する動画像に映るような位置(例えば手の甲など)に識別性の高い色や形状のマーク等からなるマーカーを付しておく。マーカーは、例えばシール等により手に貼付したり、マーカーが付された専用の手袋等を装着したりすることで付することができる。
【0053】
ループ処理を開始すると、スキャナ用ソフトウェアにより、撮影部12が台座11上を撮影した動画像のフレームを解析して、マーカーの位置(座標)を常時トラッキングし(S22)、座標情報をスタンド型スキャナ10や端末20のメモリ等に保存する(S23)。この座標情報により、ユーザが帳票31を配置する手の台座11上での移動の軌跡を把握することができる。なお、マーカーの位置の特定についても、上述したOpenCV等の既存の画像処理ライブラリを利用することができる。ユーザが全ての帳票31を台座11上に配置するとループ処理を終了する。
【0054】
図10は、ユーザが複数枚の帳票31を台座11上に配置する際の手の位置をマーカーによりトラッキングする処理の例を示した図である。ユーザの手にはマーカー34が付されている。撮影部12が撮影した動画像においてマーカー34の位置を常時トラッキングして座標情報を取得することで、図示するような移動軌跡35を得ることができる。ここでは、台座11上で左上→右上→左下→右下の順に帳票31を配置した場合の例を示している。なお、図10に示す移動軌跡35についても、バウンディングボックス33と同様に、説明の便宜上イメージとして図示しているものであり、実際は座標データとして得られるものである(以降の各図でも同様)。
【0055】
図9に戻り、図10に示すように全ての帳票31が配置されるとループ処理を終了し、スタンド型スキャナ10が台座11上に配置された複数枚の帳票31を一度にスキャン(もしくは撮影)して台座11上の画像データを取得する(S24)。次に、スキャナ用ソフトウェアが、スキャンされた台座11上の画像データにおいて、既存の画像処理ライブラリを利用して各帳票31部分のバウンディングボックス33を算出する(S25)。
【0056】
図11は、台座11上に配置された複数枚の帳票31をスキャンしてバウンディングボックス33を算出する処理の例を示した図である。なお、バウンディングボックス33を算出する際に台座11上のノイズについてのバウンディングボックスを消去する点については上述した実施の形態1の場合と同様である。
【0057】
図9に戻り、図11に示すように各帳票31のバウンディングボックス33が算出されると、ステップS22、23のループ処理によって取得したマーカー34の座標情報の履歴(移動軌跡35)に基づいて、各バウンディングボックス33の順序を算出する(S26)。次に、台座11上の画像データから、各バウンディングボックス33部分の画像データを切り出し、ステップS26で設定された順序の情報をそれぞれ付与して帳票31の画像データとして記録する(S27)。画像データは例えばファイルとしてスタンド型スキャナ10や端末20に転送され記録される。以上の一連の処理により帳票のスキャン処理を終了する。
【0058】
図12は、マーカー34の移動軌跡35に基づいて各バウンディングボックス33の順序を算出し、画像データを切り出して帳票31の画像データとして記録する処理の例を示した図である。ここでは例えば、単純に移動軌跡35が各バウンディングボックス33の領域を通過する順序をそれぞれの座標情報に基づいて算出し、これをバウンディングボックス33の順序(すなわち帳票31が配置された順序)として設定している。その後は実施の形態2の場合と同様に、台座11上をスキャンした画像データから各バウンディングボックス33の部分の画像データを切り出し、例えばファイル21として端末20上の記憶装置等に記録する。このとき、画像データに付与する帳票31の順序の情報は、画像データのファイル名に含めたりメタ情報に設定したり等により設定する。
【0059】
以上に説明したように、本発明の実施の形態3である複数帳票スキャン方法によれば、実施の形態2と同様に、複数列に配置した場合も含めて、ユーザが台座11上に帳票31を配置する位置を意識することなく、実際に配置された順序を把握して、各帳票31の画像データについて配置された順序の情報を付与して記録することが可能となる。また、実施の形態2のようにユーザが台座11上に帳票31を1枚配置する毎に手を台座11上の領域から離して静止状態を作る必要がなく、帳票31を台座11上に連続して配置することが可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、スタンド型スキャナやデジタルカメラ等によって一度に複数枚の帳票の画像データを取得する複数帳票スキャン方法および複数帳票スキャンプログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…スキャナシステム、
10…スタンド型スキャナ、11…台座、12…撮影部、
20…端末、21…ファイル、
31…帳票、32…ノイズ、33…バウンディングボックス、34…マーカー、35…移動軌跡。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、
前記スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座の面上における左上部を座標原点とする前記各バウンディングボックスの中心点の座標を算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記座標原点と前記各バウンディングボックスの中心点との距離を算出して、前記距離が小さい順に前記バウンディングボックスの順序を算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから、前記各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする複数帳票スキャン方法。
【請求項2】
スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムであって、
前記スキャナにより前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得する処理と、
前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出する処理と、
前記台座の面上における左上部を座標原点とする前記各バウンディングボックスの中心点の座標を算出する処理と、
前記座標原点と前記各バウンディングボックスの中心点との距離を算出して、前記距離が小さい順に前記バウンディングボックスの順序を算出する処理と、
前記台座上の画像データから、前記各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録する処理とを実行することを特徴とする複数帳票スキャンプログラム。
【請求項3】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、
前記スタンド型スキャナが、前記台座上の動画像の撮影を開始するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する際の手の部分が前記台座上の領域から離れたか否かをチェックするステップと、
前記コンピュータシステムが、ユーザの手が前記台座上の領域から離れた場合に、新たに前記台座上に配置された前記帳票の部分についてバウンディングボックスを算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記バウンディングボックスに対応する前記帳票が前記台座上に配置された際の順序の情報を設定するステップと、
前記台座上に1枚ずつ全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする複数帳票スキャン方法。
【請求項4】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムであって、
前記スタンド型スキャナにより前記台座上の動画像の撮影を開始する処理と、
前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する際の手の部分が前記台座上の領域から離れたか否かをチェックする処理と、
ユーザの手が前記台座上の領域から離れた場合に、新たに前記台座上に配置された前記帳票の部分についてバウンディングボックスを算出する処理と、
前記バウンディングボックスに対応する前記帳票が前記台座上に配置された際の順序の情報を設定する処理と、
前記台座上に1枚ずつ全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナにより前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得する処理と、
前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録する処理とを実行することを特徴とする複数帳票スキャンプログラム。
【請求項5】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、
前記スタンド型スキャナが、前記台座上の動画像の撮影を開始するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する手に付されたマーカーの位置をトラッキングするステップと、
前記コンピュータシステムが、トラッキングした前記マーカーの座標情報を保存するステップと、
前記台座上に全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記マーカーの前記座標情報の履歴に基づいて前記各バウンディングボックスの順序を算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする複数帳票スキャン方法。
【請求項6】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムであって、
前記スタンド型スキャナにより前記台座上の動画像の撮影を開始する処理と、
前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する手に付されたマーカーの位置をトラッキングする処理と、
トラッキングした前記マーカーの座標情報を保存する処理と、
前記台座上に全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナにより前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得する処理と、
前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出する処理と、
前記マーカーの前記座標情報の履歴に基づいて前記各バウンディングボックスの順序を算出する処理と、
前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録する処理とを実行することを特徴とする複数帳票スキャンプログラム。
【請求項1】
スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、
前記スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座の面上における左上部を座標原点とする前記各バウンディングボックスの中心点の座標を算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記座標原点と前記各バウンディングボックスの中心点との距離を算出して、前記距離が小さい順に前記バウンディングボックスの順序を算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから、前記各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする複数帳票スキャン方法。
【請求項2】
スキャナにより台座上に縦または横に一列に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムであって、
前記スキャナにより前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得する処理と、
前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出する処理と、
前記台座の面上における左上部を座標原点とする前記各バウンディングボックスの中心点の座標を算出する処理と、
前記座標原点と前記各バウンディングボックスの中心点との距離を算出して、前記距離が小さい順に前記バウンディングボックスの順序を算出する処理と、
前記台座上の画像データから、前記各バウンディングボックス部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録する処理とを実行することを特徴とする複数帳票スキャンプログラム。
【請求項3】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、
前記スタンド型スキャナが、前記台座上の動画像の撮影を開始するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する際の手の部分が前記台座上の領域から離れたか否かをチェックするステップと、
前記コンピュータシステムが、ユーザの手が前記台座上の領域から離れた場合に、新たに前記台座上に配置された前記帳票の部分についてバウンディングボックスを算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記バウンディングボックスに対応する前記帳票が前記台座上に配置された際の順序の情報を設定するステップと、
前記台座上に1枚ずつ全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする複数帳票スキャン方法。
【請求項4】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムであって、
前記スタンド型スキャナにより前記台座上の動画像の撮影を開始する処理と、
前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する際の手の部分が前記台座上の領域から離れたか否かをチェックする処理と、
ユーザの手が前記台座上の領域から離れた場合に、新たに前記台座上に配置された前記帳票の部分についてバウンディングボックスを算出する処理と、
前記バウンディングボックスに対応する前記帳票が前記台座上に配置された際の順序の情報を設定する処理と、
前記台座上に1枚ずつ全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナにより前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得する処理と、
前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録する処理とを実行することを特徴とする複数帳票スキャンプログラム。
【請求項5】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、コンピュータシステムにより前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する複数帳票スキャン方法であって、
前記スタンド型スキャナが、前記台座上の動画像の撮影を開始するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する手に付されたマーカーの位置をトラッキングするステップと、
前記コンピュータシステムが、トラッキングした前記マーカーの座標情報を保存するステップと、
前記台座上に全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナが、前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記マーカーの前記座標情報の履歴に基づいて前記各バウンディングボックスの順序を算出するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録するステップとを有することを特徴とする複数帳票スキャン方法。
【請求項6】
スタンド型スキャナにより台座上に複数枚配置された帳票を一度にスキャンし、前記各帳票部分の画像データにそれぞれ順序を付与して記録する処理をコンピュータシステム上で実行する複数帳票スキャンプログラムであって、
前記スタンド型スキャナにより前記台座上の動画像の撮影を開始する処理と、
前記動画像のフレームを解析して、ユーザが前記帳票を前記台座上に配置する手に付されたマーカーの位置をトラッキングする処理と、
トラッキングした前記マーカーの座標情報を保存する処理と、
前記台座上に全ての前記帳票が配置された後に、前記スタンド型スキャナにより前記台座上に配置された前記各帳票を一度にスキャンして前記台座上の画像データを取得する処理と、
前記台座上の画像データにおいて前記各帳票部分のバウンディングボックスを算出する処理と、
前記マーカーの前記座標情報の履歴に基づいて前記各バウンディングボックスの順序を算出する処理と、
前記台座上の画像データから前記各バウンディングボックスに対応する部分の画像データを切り出し、対応する前記順序の情報をそれぞれ付与して前記各帳票の画像データとして記録する処理とを実行することを特徴とする複数帳票スキャンプログラム。
【図1】
【図5】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図5】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−104986(P2012−104986A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250608(P2010−250608)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]