説明

要件確認支援プログラム、要件確認支援方法、及び要件確認支援装置

【課題】適切な代表者による必要十分な合意形成を得ることを支援する。
【解決手段】ステークホルダ判定手段11aは、各ステークホルダをクラスタに分類し、クラスタ分布生成手段11bは、ステークホルダのクラスタ分布情報を生成する。要件定義モデル生成手段11cは、要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデルを生成する。納得度測定手段11dは、要件定義の各項目に関し、ステークホルダごとの納得情報を測定し、クラスタ別納得度生成手段11eは、納得情報をクラスタ別に集計し、クラスタ別の納得度を算出する。そして、これらの情報に基づいて、クラスタ分布表示画面13a、要件定義モデル表示画面13b、及びクラスタ別納得度表示画面13cを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は要件確認支援プログラム、要件確認支援方法、及び要件確認支援装置に関し、特に情報システムの開発における要件定義の工程を支援する要件確認支援プログラム、要件確認支援方法、及び要件確認支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報システムの開発において発生する問題、たとえば、工期の遅延や費用の増大、要求品質の確保が難しくなるなどの不具合は、システムを作る前の企画や要件定義の段階における、曖昧さの先送りに原因がある場合が多い。曖昧さの先送りを是正するためには、要件定義の工程においてすべての要件が提示され、その要件について、顧客、設計者、運用者など、様々なステークホルダ間の合意が得られることが必要になる。
【0003】
従来、要件定義の工程におけるステークホルダ間の合意は、発注側企業の契約管理や情報システム管理を担う部門の代表者と、受注側企業の代表者との間で、要件定義書を確認するという方法で行われていた。したがって、要件定義の完成度は、要件の件数、資料枚数、レビュー回数などによって評価・管理がされ、予定期間が過ぎると、工程完了とみなされていた。
【0004】
しかしながら、このような方法では、各代表者が把握している範囲内でしか要件定義の確認を行うことができない。代表者は、役職や経験、専門分野、情報システムへの寄与度などによって選択されていたが、人選が適当であったか、また、人数は十分であったかなどを客観的に判断することは難しい。
【0005】
他の分野においては、個人のスキル等の属性値に基づき、人選を支援する方法が提案されている。一例を挙げると、企業戦略に基づき企業研修を行う必要があるときの研修対象者の人選を行う方法として、選択された分野において所定レベル以上のスキルを有する社員の数に関する企業評価値を算出し、評価値が基準値を上回るために不足する社員の数を算出し、研修対象候補を抽出する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−157380号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の要件定義の工程において、要件定義の完成度を客観的に評価することが非常に難しかった。言い換えれば、人選が適切であったか、すべての要件が出揃ったのか、出揃った全要件のうちどれぐらいが合意できたのか、を判断することは難しい。
【0007】
人選については、従来の方法のように、指名された部門代表者が、要件定義を確認・合意するのでは、実際のステークホルダ全体の分布と比べ、知識・利害・思考が偏ってしまうという傾向があった。代表者が持つ本来の特徴(たとえば、新しいものを取り入れようとするか、避けようとするかなど)に加え、その代表者の立場によって要件の出し方や、提示された要件に合意できるかどうかの傾向が異なる。たとえば、代表者が予算確保の責任を持つものであれば、保守的な要件を出す傾向にある。また、新技術に詳しい代表者は、革新的な要件を出しやすい傾向にある。
【0008】
要件の合意についても、どれぐらいのステークホルダが合意したのかを判断することは難しかった。要件定義の工程では、時間の経過とともに変更が発生し、合意形成に手戻りが生じる。このような場合、現時の要件にどれぐらいのステークホルダが合意しているのかがわかりにくくなる。また、時間の経過とともに、代表者の考えが変わることもある。特に、初期の段階では十分な知識と経験を備えていない代表者が要件確認を行うと、確認中に徐々に理解が深まり、以前確定した要件を変更する傾向がある。
【0009】
このように、従来の方法では、要件定義の完成度の評価を客観的に行うことができなかったので、曖昧さが先送りされてしまっていた。意見が分かれたまま曖昧に合意されて作られたシステムが、実運用に適せず作り直しとなった事例は多い。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、適切な代表者による必要十分な合意形成を得ることを支援する要件確認支援プログラム、要件確認支援方法、及び要件支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような処理をコンピュータに実行させるための要件確認支援プログラムが提供される。本発明にかかる要件確認支援プログラムは、要件確認支援装置10に適用され、コンピュータに以下の処理を実行させることができる。要件確認支援装置10は、ステークホルダ判定手段11a、クラスタ分布生成手段11b、要件定義モデル生成手段11c、納得度測定手段11d、及びクラスタ別納得度生成手段11eと、を具備し、情報システムの開発工程における要件定義の工程を支援する。情報システムに関わるステークホルダは、情報システムの開発工程において、ステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類することができる。ステークホルダ判定手段11aは、対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、ステークホルダの経歴や発表文書を含むステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて分類し、分類されたステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けたステークホルダ情報を生成してステークホルダ情報記憶手段12aに記憶する。クラスタ分布生成手段11bは、ステークホルダ情報に基づいて、クラスタごとにステークホルダの人数と人数比率とを算出し、ステークホルダのクラスタ分布情報としてクラスタ分布情報記憶手段12bに記憶するとともに、必要に応じてクラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面13aを表示させる。要件定義モデル生成手段11cは、要件定義モデルによって規定されるクラスタごとのステークホルダの分布比率に基づいて情報システムに関するクラスタ分布モデルを算出し、要件定義モデル情報記憶手段12cに記憶するとともに、必要に応じてクラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面13bを表示させる。納得度測定手段11dは、ステークホルダが要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた要件定義の項目を特定する項目情報と、操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、をステークホルダ識別情報に関連付けた納得情報を生成し、納得情報記憶手段12dに記憶する。クラスタ別納得度生成手段11eは、納得情報記憶手段12dに記憶される納得情報と、ステークホルダ情報記憶手段12aに記憶されるステークホルダ情報とに基づいてクラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面13cを表示させる。
【0012】
このような要件確認支援プログラムにより動作する要件確認支援装置10によれば、ステークホルダ判定手段11aは、各ステークホルダをステークホルダ・タイプに応じたクラスタに分類し、ステークホルダ情報としてステークホルダ情報記憶手段12aに記憶しておく。クラスタ分布生成手段11bは、ステークホルダ情報を読み出し、クラスタごとのステークホルダの人数や、人数比率を算出し、ステークホルダのクラスタ分布情報を生成し、クラスタ分布情報記憶手段12bに記憶する。また、必要であれば、クラスタ分布表示画面13aを表示させる。要件定義モデル生成手段11cは、要件定義モデルに基づき、クラスタ分モデルを生成し、要件定義モデル情報記憶手段12cに記憶する。必要であれば、要件定義モデル表示画面13bに表示する。納得度測定手段11dは、要件定義の各項目に関し、ステークホルダが納得した場合には、ステークホルダごとの納得情報を生成し、納得情報記憶手段12dに記憶する。クラスタ別納得度生成手段11eは、納得情報をクラスタ別に集計し、クラスタ別の納得度を算出する。そして、必要に応じて、クラスタ別納得度表示画面13cに表示する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、情報システム開発の要件定義工程における要件確認を支援する要件確認支援方法において、ステークホルダ判定手段が、対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けたステークホルダ情報を生成してステークホルダ情報記憶手段に記憶し、クラスタ分布生成手段が、前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記ステークホルダのクラスタ分布情報としてクラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示し、要件定義モデル生成手段が、前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関するクラスタ分布モデルを算出し、要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示し、納得度測定手段が、前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた納得情報を生成し、納得情報記憶手段に記憶し、クラスタ別納得度生成手段が、前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示する、手順を有することを特徴とする要件確認支援方法が提供される。
【0014】
このような要件確認支援方法によれば、まず、ステークホルダ判定手段が、対象のプロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、ステークホルダ・タイプに応じたクラスタに分類し、クラスタ分布生成手段が、分類結果に応じて、ステークホルダのクラスタ分布状況を算出する。さらに、要件定義モデル生成手段によって、要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデルを生成する。また、納得度測定手段が、各ステークホルダの要件定義に対する納得度を測定し、続いてクラスタ別納得度生成手段が、ステークホルダの納得度をクラスタ別に集計し、クラスタ別納得度を算出する。これらの情報が表示画面に表示され、情報システムの要件定義工程が客観的に把握可能となる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、情報システム開発の要件定義工程における要件確認を支援する要件確認支援装置において、ステークホルダに関するステークホルダ情報を記憶するステークホルダ情報記憶手段と、クラスタに属する前記ステークホルダの分布情報を記憶するクラスタ分布情報記憶手段と、前記情報システムに対応する要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデルを記憶する要件モデル記憶手段と、前記ステークホルダごとの納得情報を記憶する納得情報記憶手段と、対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けて前記ステークホルダ情報を生成して前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶するステークホルダ判定手段と、前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記クラスタ分布情報として前記クラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示させるクラスタ分布生成手段と、前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関する前記クラスタ分布モデルを算出し、前記要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示させる要件定義モデル生成手段と、前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた前記納得情報を生成し、前記納得情報記憶手段に記憶する納得度測定手段と、前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示させるクラスタ別納得度生成手段と、を有することを特徴とする要件確認支援装置、が提供される。
【0016】
このような確認支援装置では、ステークホルダ判定手段が対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダをステークホルダ・タイプに応じたクラスタに分類し、クラスタ分布生成手段がクラスタに分類されたステークホルダのクラスタ分布状況を算出し、クラスタ分布表示画面に表示する。また、要件定義モデル生成手段は、要件定義モデルに基づいてクラスタ分布モデルを生成する。納得度測定手段は、各ステークホルダの要件定義に対する納得度を測定し、クラスタ別納得度生成手段は、これをクラスタ別に集計し、クラスタごとの納得度の傾向を把握できるクラスタ別納得度表示画面を表示する。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、ステークホルダを要件定義の工程のモデルによって定義されるステークホルダ・タイプに応じたクラスタに分類し、クラスタ分布とクラスタ別の納得度とを算出するとともに、必要であれば表示画面に表示させる。また、要件定義モデルに基づいてクラスタ分布モデルも生成・表示するので、クラスタ分布モデルと、実際のクラスタ分布とを照らし合わせることにより、適切な代表者によって、必要十分な合意形成が得られたかを客観的に把握することができる。この結果、要件定義の工程における曖昧さの先送りを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、実施の形態に適用される発明の概念について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
図1は、実施の形態に適用される発明の概念図である。
【0019】
本発明の実施の形態の要件確認支援装置10は、ステークホルダ判定手段11a、クラスタ分布生成手段11b、要件定義モデル生成手段11c、納得度測定手段11d、クラスタ別納得度生成手段11e、及び通信手段11fの各処理手段と、ステークホルダ情報記憶手段12a、クラスタ分布情報記憶手段12b、要件定義モデル情報記憶手段12c、及び納得情報記憶手段12dの記憶手段と、を有し、情報システムの開発における要件定義の工程を支援する。要件確認支援装置10の各処理手段は、コンピュータが要件確認支援プログラムを実行することにより、その処理機能を実現する。また、ネットワーク30を介してステークホルダA端末20a、及びステークホルダB端末20bと接続する。
【0020】
ステークホルダ判定手段11aは、対象プロジェクトの情報システムに関わるすべてのステークホルダ(発注者、開発者、運用者、利用者など関連する人すべて)を抽出し、抽出されたステークホルダをクラスタに分類する。詳細は後述するが、情報システムの開発の要件定義の工程は、ステークホルダを、情報システムに対する考え方の特徴に応じて分類したステークホルダ・タイプを用いてモデル化することができる。ステークホルダ・タイプが同じステークホルダの集合をクラスタと呼ぶ。ステークホルダ判定手段11aでは、抽出されたステークホルダについて、このステークホルダの経歴、スキル、研究実績、これまでに発表した論文などの文書を含む関連情報を解析し、ステークホルダ・タイプを決定する。たとえば、予めステークホルダ・タイプごとに、そのタイプの特徴を表わすキーワードを設定しておき、関連情報と設定されたキーワードとを照合する。そして、最も一致するキーワードの多いステークホルダ・タイプに決定する。決定されたステークホルダ・タイプに応じたクラスタの種別と、個々のステークホルダを特定するステークホルダ識別情報とを関連付けてステークホルダ情報を生成し、ステークホルダ情報記憶手段12aに格納する。
【0021】
クラスタ分布生成手段11bは、ステークホルダ情報記憶手段12aに記憶されるステークホルダ情報に基づき、クラスタごとの人数と人数比率を算出し、ステークホルダのクラスタ分布情報を生成する。クラスタ分布情報には、クラスタに対応付けて、各クラスタに分類されたステークホルダの人数と、人数比率(そのクラスタに属するステークホルダの人数と、全ステークホルダ数との比率)とが、設定される。また、端末20a、20bなどを介したステークホルダ、あるいは、図示しない管理者などからの要求に応じて、クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示装置に表示させる。
【0022】
要件定義モデル生成手段11cは、情報システムに応じてモデル化された要件定義モデルに基づいて、クラスタ分布モデルを生成する。要件定義モデルには、クラスタごとのステークホルダの分布比率が定義されている。この定義に基づいて、当該情報システムに適したクラスタごとのステークホルダの人数を算出し、クラスタ分布モデルとする。クラスタ分布モデルは、要件定義モデル情報記憶手段12cに格納する。また、クラスタ分布表示画面13aと同様に、必要に応じて、要件定義モデル表示画面13bとして算出されたクラスタ分布モデルに基づく表示画面を表示する。
【0023】
納得度測定手段11dは、通信手段11fを介してステークホルダA端末20a、あるいは、ステークホルダB端末20bより送られてくる納得ボタンの操作がされたことを通知する情報に基づき、納得情報を生成する。全ステークホルダに対し、要件定義は公開されており、各ステークホルダは端末で公開された要件定義を確認し、納得できるときには、納得ボタンを操作する。このとき、ネットワーク30を介して端末から要件確認支援装置10に対し、納得ボタンの操作日時などの捜査状況とともに、少なくとも、ステークホルダ識別情報と、操作を行った要件定義の項目と、が通知される。納得度測定手段11dは、通知を取得すると、ステークホルダ識別情報に対応付けて、納得情報を生成し、納得情報記憶手段12dに格納する。
【0024】
クラスタ別納得度生成手段11eは、納得情報記憶手段12dに格納されるステークホルダごとの納得情報を、ステークホルダ情報記憶手段12aに格納されるステークホルダ情報に基づいてクラスタ別に集計し、クラスタごとの納得度情報を生成する。そして、クラスタごとの納得度情報に基づき、クラスタ別納得度表示画面13cを表示する。
【0025】
通信手段11fは、ネットワーク30を介して要件確認支援装置10の各処理手段と、ステークホルダ端末との間のデータ交換を制御する。
ステークホルダ情報記憶手段12aは、ステークホルダ識別情報と、ステークホルダが分類されたクラスタに関する情報とを対応付けたステークホルダ情報を記憶する。クラスタ分布情報記憶手段12bは、クラスタと、クラスタに属するステークホルダの人数及び人数比率と、を対応付けたクラスタ分布情報を記憶する。要件定義モデル情報記憶手段12cは、要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデルを記憶する。納得情報記憶手段12dは、ステークホルダが納得した要件定義の項目と、納得ボタンの操作状況とをステークホルダ識別情報に対応付けた納得情報を記憶する。
【0026】
ステークホルダA端末20a、及びステークホルダB端末20bは、ネットワーク30を介して要件確認支援装置10と接続し、各ステークホルダが、公開された要件定義を確認し納得ボタンを操作して納得したことを通知する。また、ステークホルダの要求に応じて、各種情報を要件確認支援装置10から取得し、表示画面に表示させる。
【0027】
上記の構成の要件確認支援装置10の動作について説明する。ステークホルダ判定手段11aは、対象の情報システムに関わるステークホルダを抽出し、ステークホルダ・タイプを解析して、ステークホルダ・タイプに応じたクラスタに分類する。設定されたクラスタに関する情報は、ステークホルダ識別情報に対応付けてステークホルダ情報記憶手段12aに記憶する。クラスタ分布生成手段11bは、ステークホルダ情報記憶手段12aに記憶される各ステークホルダに設定されたクラスタに基づいて、クラスタごとに、当該クラスタに属するステークホルダの人数と人数比率とを算出し、クラスタ分布情報を生成する。また、必要に応じて、クラスタ分布表示画面13aを表示させる。要件定義モデル生成手段11cは、要件定義モデルに基づき、クラスタ分布モデルを生成し、必要に応じて、要件定義モデル表示画面13bを表示させる。実際のクラスタ分布に基づくクラスタ分布表示画面13aと、モデルに基づく要件定義モデル表示画面13bのクラスタ分布を比べることにより、ステークホルダの構成が適当であるかどうかを判断することができる。
【0028】
納得度測定手段11dは、各ステークホルダの要件定義項目に関する納得度を測定し、納得度情報を納得情報記憶手段12dに記憶する。クラスタ別納得度生成手段11eは、ステークホルダごとの納得情報をクラスタ別に集計し、クラスタ別納得度表示画面13cとして表示する。これにより、どのタイプで納得度が低いのかなどを客観的に把握することが可能となり、対策をたてることが可能となる。
【0029】
このように、本発明によれば、実際の要件定義工程の状況を、要件定義モデルと比較することによって客観的に評価することが可能となる。たとえば、実際のクラスタ分布を表わすクラスタ分布表示画面13aと、クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面13bとを照らし合わせることにより、適切な代表者が選択されたのかを確認することができる。また、クラスタ別納得度表示画面13cを参照し、必要十分な合意形成が得られたかを客観的に把握することができる。また、合意が不十分な場合には、どのタイプで納得度が低いかなどの傾向を知ることができる。このように、要件定義の完成度を客観的に評価できることにより、曖昧さの先送りを防ぐことが可能となる。
【0030】
以下、実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態で用いられる要件定義の工程のモデルについて説明する。
従来から、デジタルカメラなどのIT(Information Technology)技術によるエレクトロニクス製品がユーザに浸透する場合、イノベータ(革新的)、アーリー・アドプター(ビジョン派)、アーリー・マジョリティ(合理主義)、レイト・マジョリティ(堅実派)、ラガード(ハイテク嫌い)という異なるタイプの人間が要件を出し、製品を受け入れるというライフサイクルをモデル化できることが知られている。情報システムは、エレクトロニクス製品のような個人別の頻繁な買い替えはなく、開発以前に全ユーザが満足する要件を定義する必要があるという点で難しさがある。しかしながら、要件を出す人の特徴や分布は、エレクトロクス製品と同様にモデル化できることが、本願の発明者らにより見出された(平田貞代・長田洋「情報システム開発におけるナレッジの展開方法」、平成18年10月28日発行、日本品質管理学会、第36回年次大会 研究発表会、研究発表要旨集、pp.67−70)。
【0031】
上記参考文献では、情報システム開発の要件定義の工程において、要件定義が提示されてから、要件定義がステークホルダに受け入れられるまでの過程を、要求浸透ライフサイクルと定義している。そして要求浸透ライフサイクルの中で、情報システムに対し要求を抱くステークホルダを、最初に革新的な要件を提示する「予見者(イノベータ)」、ビジョン重視の要件を提示する「具現者(アドプター)」、資源や技術に対し現実的な要件を提示する「合理主義者(マジョリティ)」、保守的あるいは懐疑的な要件を提示する「断絶者(ラガード)」という4つの区分として定義する。この4つの区分は、要求を提示するステークホルダの特性であり、要件が徐々に受け入れられていく過程でもある。要件定義工程において要件定義の曖昧さを先送りせずに克服する手法として、上記モデルに基づき、以下のプロセスを実行することを提案している。
(1)情報システムの利用シーン全体の要件を引き出すために、ステークホルダのタイプごとに要件を抽出し、全ステークホルダに公開する。
(2)各ステークホルダが要件の本質を相互理解する。
(3)ステークホルダが(1)を活用して、他のステークホルダの要件を把握することで、要件間の因果関係を知る。
(4)他の要件の理解により、各要件の必要性を再考し、要件の追加・変更を行う。
(5)ステークホルダのタイプ別の代表者の納得と合意に基づき、追加変更後の要件を取捨選択する。
【0032】
本願実施の形態は、上記プロセスに基づいて、要件定義工程における確認作業を支援するものである。図2は、本発明の実施の形態の要件定義工程モデルにおけるステークホルダの分布を示した図である。
【0033】
本願実施の形態では、全ステークホルダを予見者クラスタ1、具現者クラスタ2、合理主義者クラスタ3、断絶者クラスタ4に分類し、その分布状況を可視化する。さらに、提示された要件定義を全ステークホルダに公開するともに、ステークホルダから得られた納得度を集計し、納得度の状況も可視化する。各ステークホルダ、あるいは、工程を管理する管理者は、これらの可視化された情報に基づき、客観的に要件定義工程の進捗状況や、要件定義の完成度を把握することができる。
【0034】
次に、実施の形態の要件確認システムの構成を説明する。図3は、本発明の実施の形態の情報システムの要件定義工程の要件定義の確認作業を支援する要件確認支援システムの構成図である。
【0035】
実施の形態の要件確認支援システムは、要件確認を支援する要件確認支援装置100と、要件の提示と確認を行う各ステークホルダの端末装置、ステークホルダA端末210、ステークホルダB端末220、及びステークホルダC端末230と、ステークホルダの経歴やスキル、これまでの研究実績などの情報を保有するサーバ400と、がネットワーク300を介して接続する。
【0036】
要件確認支援装置100は、要件確認支援情報データベース(以下、DBとする)120に接続し、必要に応じてサーバ400から情報を収集するとともに、ステークホルダA端末210、ステークホルダB端末220、及びステークホルダC端末230に接続し、情報の提供や、要件確認の依頼を行ったりする。
【0037】
ステークホルダA端末210、ステークホルダB端末220、及びステークホルダC端末230は、ユーザの操作に応じて、要件確認支援装置100から要件定義工程の進行状況を収集して表示したり、ユーザの要件定義承認の操作画面を表示し、承認操作が行われたときは、これを要件確認支援装置100に通知する。サーバ400は、ステークホルダに関する関連情報や、過去の論文などの文書などの既成情報を格納する既成情報DB410を接続し、要件確認支援装置100からの要求に応じて、各種情報を提供する。
【0038】
ここで、要件確認支援装置100のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施の形態の要件確認支援装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
要件確認支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、通信インタフェース106が接続されている。
【0039】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションのプログラムが格納される。グラフィック処理装置104には、モニタ108が接続されており、CPU101からの命令に従って画像をモニタ108の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード109aやマウス109bが接続されており、キーボード109aやマウス109bから送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。通信インタフェース106は、ネットワーク300に接続されており、ネットワーク300を介して端末装置210,220,230や、他のサーバ400との間でデータの送受信を行う。
【0040】
このようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、図4には、要件確認支援装置のハードウェア構成を示したが、端末装置や他のサーバのハードウェア構成も同様である。
【0041】
続いて、本発明の実施の形態の要件確認支援装置のソフトウェア構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態の要件確認支援装置のソフトウェアの構成を示した図である。
【0042】
要件確認支援装置100は、要件確認支援処理を制御する要件確認制御部1100と、各種情報データベースで構成される記憶部1200と、通信制御を行う通信制御部1300と、表示制御を行う表示制御部1400と、を有する。
【0043】
要件確認制御部1100は、ステークホルダ判定部1110、クラスタ分布生成・表示部1120、要件定義モデル選択部1130、要件定義モデル生成・表示部1140、納得度測定部1150、クラスタ別納得度生成・表示部1160、要件定義遅延対策部1170、及び要件定義ベストプラクティス管理部1180を有する。
【0044】
ステークホルダ判定部1110は、ステークホルダ判定手段11aとして機能し、ステークホルダをステークホルダ・タイプに応じたクラスタに分類する。クラスタ分布生成・表示部1120は、クラスタ分布生成手段11bとして機能し、ステークホルダのクラスタ分布を算出し、表示する。要件定義モデル選択部1130は、対象の情報システムに適した要件定義モデルを選択する。要件定義モデルは、対象の情報システムの業種や目的、規模などに応じて各クラスタの最適な構成比率などが異なる。そこで、予め、クラスタの構成比率などが異なる複数の要件定義モデルを用意しておき、対象の情報システムに応じて最適な要件定義モデルを選択する。要件定義モデル生成・表示部1140は、要件定義モデル生成手段11cとして機能し、要件定義モデル選択部1130で選択された要件定義モデルに基づき、クラスタ分布モデルを生成し、表示する。納得度測定部1150は、納得度測定手段11dとして機能し、各ステークホルダによる要件定義の項目の納得度を測定する。クラスタ別納得度生成・表示部1160は、クラスタ別納得度生成手段11eとして機能し、納得度測定部1150が測定した各ステークホルダの納得度をクラスタ別に集計し、結果を表示する。要件定義遅延対策部1170は、クラスタ別納得度生成・表示部1160の集計結果に基づき、算出された納得度と基準値とを比較し、要件定義の合意の進度を把握する。また、合意までの予測時間と比較し、遅延していないかどうかの状況も把握する。さらに、予め対策を用意しておき、把握された状況に基づいてどのような対策が効果的かを選択し、利用者に提示する。要件定義ベストプラクティス管理部1180は、プロジェクト終了時、成功、あるいは失敗などのキーワードとともに、上記の処理手順で生成された情報を残しておく。新たなプロジェクト開始時に、業種、目的、ユーザ規模、運用条件などの情報システムの特徴が類似していれば、ベストプラクティス、あるいは、アンチ・ベストプラクティスとして利用者に通知する。
【0045】
記憶部1200は、ステークホルダ情報を記憶するステークホルダDB1210、クラスタ分布情報を記憶するクラスタ分布DB1220、クラスタ分布モデルを記憶する要件定義モデルDB1230、納得度情報を記憶する納得度DB1240、遅延対策に関する情報を記憶する遅延対策DB1250、及びキーワードとともに終了したプロジェクトに関する情報を記憶するプロジェクト結果DB1260を有する。各DBの詳細は後述する。
【0046】
要件確認支援装置100では、ステークホルダ判定部1110が、情報システムに関わるステークホルダをクラスタに分類し、クラスタ分布生成・表示部1120が、分類ごとに集計をとり、クラスタごとのステークホルダの分布状態を算出し、表示させる。また、要件定義モデル選択部1130が対象の情報システムに応じて選択した要件定義モデルに基づいて、要件定義モデル生成・表示部1140がクラスタ分布モデルを生成し、表示させる。納得度測定部1150は、ステークホルダごとに、要件定義の納得度を測定し、クラスタ別納得度生成・表示部1160は、これを集計し、クラスタ別の納得度を算出し、表示させる。
【0047】
要件定義遅延対策部1170は、上記の処理部により生成された情報に基づいて、現在の要件定義の工程の遅延状況や、どこが遅れているのかを解析し、効果的な対策を提示する。そして、プロジェクトが終了すると、要件定義ベストプラクティス管理部1180は、生成された情報を成功/失敗などのキーワードとともに管理し、以降のプロジェクトで利用する。
【0048】
要件確認支援装置100は、このような手順で要件確認作業の支援を行う。
以下、処理の流れに沿って、各処理部を詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態のステークホルダ判定部の処理の流れを示した図である。
【0049】
ステークホルダ判定部1110は、ステークホルダを抽出して登録するステークホルダ登録処理1111と、ステークホルダをクラスタに分類するクラスタ分類処理1112とを順次実行する。
【0050】
既成情報DB410に格納される従業員リスト411は、対象のプロジェクトに関わる発注企業、情報システムの開発企業、運用管理を担当する運用企業などの従業員リストである。体制図412は、上記の各企業の体制を示した情報であり、所属などがわかる。加入者リスト413は、各学会などの任意の団体に加入する加入者のリストである。これらの情報から、ステークホルダを抽出することができる。研究実績414、職務経験415、スキル・リスト416、資格リスト417、ネット掲示板418、及び論文発表リスト419などは、ステークホルダの情報システムに対する考え方の特徴を検出するための情報であり、ネットワーク300を介して収集可能な情報である。なお、これらの情報は、ネットワーク300経由で収集するのではなく、利用者が手動で設定してもよい。
【0051】
ステークホルダ登録処理1111では、従業員リスト411、体制図412、及び加入者リスト413などを参照し、対象プロジェクトに関わる情報システムの発注者、設計者、運用者、及び利用者を含む関連する人物を、ステークホルダとして抽出する。そして、抽出されたステークホルダに、一意にステークホルダ番号を割り当て、ステークホルダ番号と対象の情報システムのシステム番号とをキーとして、ステークホルダに関する情報をステークホルダ・テーブル1211に設定する。また、このとき、プロジェクトごとにステークホルダの総数も算出しておく。
【0052】
図7は、ステークホルダ・テーブルの一例を示した図である。
ステークホルダ・テーブル1211には、個々のステークホルダを特定するステークホルダ識別情報であるステークホルダ番号1211aと、個々のプロジェクトを特定するプロジェクト識別情報であるプロジェクト番号1211bとに対応付けて、ステークホルダに関する情報が登録される。図の例では、ステークホルダの名前1211c、ID1211d、企業名1211e、所属1211fなどが既存情報DB410から抽出されて設定されている。
【0053】
図8は、判定キーワード・テーブルの一例を示した図である。
判定キーワード・テーブル1212には、ステークホルダ・タイプの特徴を表すキーワード121aと、ステークホルダ・タイプ(予見者1212b、具現者1212c、合理主義者1212d、断絶者1212e)ごとに、そのキーワードを用いるか否かが設定される。キーワードがよく用いられるステークホルダ・タイプに「1」が設定される。たとえば、「発明」というキーワードは、「予見者」が多く用いる。
【0054】
図9は、クラスタ・テーブルの一例を示した図である。
クラスタ・テーブル1213には、ステークホルダ番号1213aと、プロジェクト番号1213bとに対応付けて、該当するステークホルダのステークホルダ・タイプとして、予見者1213c、具現者1213d、合理主義者1213e、または断絶者1213fのいずれかが登録される。該当するステークホルダ・タイプに「1」が設定される。たとえば、ステークホルダ番号「1」、プロジェクト番号「1」によって特定されるステークホルダは、「予見者」に分類されている。
【0055】
続いて、クラスタ分類処理1112では、ステークホルダ登録処理1111によってステークホルダ・テーブル1211に設定されたステークホルダに関する既存情報を取得し、取得した既存情報と、予め判定キーワード・テーブル1212に登録されるキワードとを照合し、一致したときにはステークホルダ・タイプごとに用意されたカウンタを1加算する。たとえば、キーワード「発明」が検出されたときには、「予見者」のカウンタをカウントアップする。こうして関連情報とキーワードとを照合し、最もカウント値の多かったステークホルダ・タイプを、このステークホルダのステークホルダ・タイプ候補とする。最終的な決定は、得られた解析結果と、他の既存情報とに基づいて行う。
【0056】
図10は、本発明の実施の形態のクラスタ分類処理の手順を示したフローチャートである。
各ステークホルダに関連する既存情報が検索され、処理が開始される。
【0057】
[ステップS11] ステークホルダ・タイプが予見者であるかどうかを調べる。予見者は、たとえば、「論文発表回数が1回以上」、「ネット掲示板で革新的な発言や回答が3回以上」、「革新的な企画の提出が2回以上」、または、「キーワード判定により予見者と判定された」などの条件を満たしているかどうかにより判定する。予見者に該当すると判断されれば、処理をステップS12へ進め、判断されなければ処理をステップS13に進める。
【0058】
[ステップS12] 予見者と分類されたので、該当するステークホルダのステークホルダ番号とプロジェクト番号に対応付けて、クラスタ・テーブル1213の予見者1213cに1を登録し、処理を終了する。
【0059】
[ステップS13] 予見者ではないので、次に、断絶者であるかどうかを調べる。断絶者は、たとえば、「要件定義の対象となるシステムとは無関係」、「ネット掲示板で攻撃的な発言が2回以上」、または、「キーワード判定により断絶者と判定された」などの条件を満たしているかどうかにより判定する。断絶者に該当すると判断されれば、処理をステップS14へ進め、判断されなければ処理をステップS15に進める。
【0060】
[ステップS14] 断絶者と分類されたので、該当するステークホルダのステークホルダ番号とプロジェクト番号に対応付けて、クラスタ・テーブル1213の断絶者1213fに1を登録し、処理を終了する。
【0061】
[ステップS15] 断絶者ではないので、次に、具現者であるかどうかを調べる。具現者は、たとえば、「要件定義の対象となるシステムの構築に関するスキルや資格が2つ以上」、または、「キーワード判定により具現者と判定された」などの条件を満たしているかどうかにより判定する。具現者に該当すると判断されれば、処理をステップS16へ進め、判断されなければ処理をステップS17に進める。
【0062】
[ステップS16] 具現者と分類されたので、該当するステークホルダのステークホルダ番号とプロジェクト番号に対応付けて、クラスタ・テーブル1213の具現者1213dに1を登録し、処理を終了する。
【0063】
[ステップS17] 具現者にも分類されなかったので、合理主義者と分類し、該当するステークホルダのステークホルダ番号とプロジェクト番号に対応付けて、クラスタ・テーブル1213の合理主義者1213eに1を登録し、処理を終了する。
【0064】
上記の処理手順により決定されたステークホルダ・タイプは、ステークホルダ番号とプロジェクト番号に対応付けて、クラスタ・テーブル1213に登録する。なお、上記の処理手順は一例であり、分類条件は適宜設定される。
【0065】
こうして、ステークホルダ判定部1110によってステークホルダの抽出とクラスタ分類が実行され、ステークホルダに関するステークホルダ・テーブル1211と、ステークホルダのクラスタ分類を示すクラスタ・テーブル1213とが設定され、処理がクラスタ分布生成・表示部1120に引き継がれる。
【0066】
図11は、本発明の実施の形態のクラスタ分布生成・表示部の処理の流れを示した図である。
クラスタ分布生成・表示部1120は、ステークホルダ判定部1110の生成したクラスタ・テーブル1213に基づき、ステークホルダのクラスタ分布を算出するクラスタ分布算出処理1121と、必要に応じて、算出されたクラスタ分布に基づく表示画面を表示させるクラスタ分布表示処理1122とを行う。
【0067】
クラスタ分布算出処理1121では、クラスタ・テーブル1213を読み出し、プロジェクトごとにクラスタ別のステークホルダの人数を集計する。たとえば、図9に示したクラスタ・テーブル1213に基づくと、プロジェクト番号「1」について、予見者と、断絶者とがそれぞれ1カウントされる。クラスタごとの集計結果は、プロジェクト番号に関連付けて、プロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221に登録される。
【0068】
また、ステークホルダ判定部1110で算出されたプロジェクトごとのステークホルダの総数を母数とし、算出されたクラスタごとの人数を用いて、クラスタごとの人数比率を算出する。算出された人数比率も、プロジェクト番号に関連付けて、プロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222に登録される。
【0069】
図12は、プロジェクト別クラスタ分布人数テーブルの一例を示した図である。
プロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221には、プロジェクト番号1221aに対応付けて、各クラスタの人数、予見者数1221b、具現者数1221c、合理主義者数1221d、及び断絶者数1221eが登録される。
【0070】
図13は、プロジェクト別クラスタ分布比率テーブルの一例を示した図である。
プロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222には、プロジェクト番号1222aに対応付けて、各クラスタの人数、予見者比率1222b、具現者比率1222c、合理主義者比率1222d、及び断絶者比率1222eが登録される。
【0071】
クラスタ分布表示処理1122では、クラスタ分布算出処理1121が登録した、プロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221、及びプロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222に基づいて、クラスタ分布表示画面を表示装置に表示させる。表示画面は、要件確認支援装置100のモニタ108に表示させるか、あるいは、ネットワーク300を介して要求を行ったコンピュータに表示データを送信する。このコンピュータが、表示データに基づき、コンピュータに接続するモニタに表示画面を表示させる。
【0072】
図14は、クラスタ分布表示画面の一例を示した図である。
クラスタ分布表示画面1301には、プロジェクト名1301aとともに、このプロジェクトに関わる予見者クラスタの人数1301b、具現者クラスタの人数1301c、合理主義者クラスタの人数1301d、及び断絶者クラスタ1301eの人数がグラフで表示される。
【0073】
こうして、クラスタ分布生成・表示部1120によって、クラスタ分布が算出され、プロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221と、プロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222とがクラスタ分布DB1220に設定され、クラスタ分布表示画面1301が表示される。利用者は、表示画面に基づいて、この時点におけるクラスタの分布状況を把握することができる。
【0074】
次に、要件定義モデル選択部1130の処理について説明する。
図15は、本発明の実施の形態の要件定義モデル選択部の処理の流れを示した図である。
【0075】
要件定義モデル選択部1130は、プロジェクト解析処理1131、要素別対応モデル解析処理1132、プロジェクト別対応モデル決定処理1133、及びプロジェクト別モデル人数分布算出処理1134を順次実行し、対象のプロジェクトに適した要件定義モデルを選択する。
【0076】
プロジェクト解析処理1131は、既存情報DB410から、該当プロジェクトに関するプロジェクト計画書421、オーダ422、契約書423などを収集し、これらに記載されている業種情報と、予め設定された業種キーワードとを比較し、業種・要件定義モデル対応テーブル1231を設定する。同様に、プロジェクト計画書421、オーダ422、契約書423などに記載されている目的情報と、予め設定された目的キーワードとを比較し、目的・要件定義モデル対応テーブル1232を設定する。そして、プロジェクト計画書421、オーダ422、契約書423などに記載されているユーザ規模と、予め設定された規模のキーワードとを比較し、規模−要件定義モデル対応テーブル1233を設定する。
【0077】
図16は、業種・要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
業種・要件定義モデル対応テーブル1231には、業種No.1231aに対応付けて業種キーワード1231bと、この業種キーワードと各モデルとの対応関係とが設定される。さらに、重み付けの計数(図では、重み)1231fと、結果1231gとが設定される。
【0078】
プロジェクト解析処理1131の実行前には、業種No.1231a、業種キーワード1231b、各モデルの対応情報(モデルA1231c、モデルB1231d、モデルn1231e)と、重み1231fとが設定されている。モデルの対応情報には、そのモデルが、対応する業種キーワードに適しているとき、1が設定されている。プロジェクト解析処理1131では、プロジェクト計画書421、オーダ422、契約書423などに記載されている業種情報と、業種キーワード1231bとを照合し、適合する場合はモデルの対応情報をそのまま保持し、適合しない場合は、すべての0にする。たとえば、業種キーワード1231bの「金融」が検出されたときには、モデルA1231cに設定されている「1」を保持する。検出されなかったときは、これを「0」にする。こうしてすべての業種キーワード1231bの照合が終了し、得られたモデルの対応情報と重み1231fとを乗算し、演算結果を結果1231gに登録する。たとえば、上記の例で、業種キーワード1231b「金融」が検出され、モデルA1231cが「1」であれば、重み1231fの「1.0」を乗算し、結果1231g「1.0」を得る。モデルA1231cが「0」になれば、結果1231gは、「0.0」になる。
【0079】
図17は、目的・要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
目的・要件定義モデル対応テーブル1232には、目的No.1232aに対応付けて目的キーワード1232bと、この業種キーワードと各モデルとの対応関係とが設定される。さらに、重み1232fと、結果1232gとが設定される。各項目欄の情報設定は、業種キーワード1231bが目的キーワード1232bに置き換わることを除いて、業種・要件定義モデル対応テーブル1231と同様である。
【0080】
図18は、規模・要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
規模・要件定義モデル対応テーブル1233には、規模No.1233aに対応付けて規模1233bと、規模と各モデルとの対応関係とが設定される。さらに、重み1233fと、結果1233gとが設定される。各項目欄の情報設定は、業種キーワード1231bが規模1233bに置き換わることを除いて、業種・要件定義モデル対応テーブル1231と同様である。
【0081】
こうして、プロジェクト計画書421、オーダ422、契約書423などの記載情報から、業種・要件定義モデル対応テーブル1231、目的・要件定義モデル対応テーブル1232、及び規模・要件定義モデル対応テーブル1233が設定される。
【0082】
要素別対応モデル解析処理1132では、業種・要件定義モデル対応テーブル1231、目的・要件定義モデル対応テーブル1232、及び規模・要件定義モデル対応テーブル1233に基づき、それぞれ対応テーブルに設定される各モデルの数値を加算し、モデルの適合度を評価する。たとえば、上記の業種・要件定義モデル対応テーブル1231の例で、モデルA1231cの列で、数値が「1」となっている行の結果1231gを加算し、業務に関するモデルAの評価を算出する。算出結果は、要素別要件定義モデル対応テーブル1234に格納する。そして、最も数値の高いモデルが選択され、重み付けされる。
【0083】
図19は、要素別要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
要素別要件定義モデル対応テーブル1234には、要素No.1234aと、要素1234bとに対応付けられて、上記の手順で要素(ここでは、業種、目的、及び規模)ごとに算出されたモデルの適合度(モデルA1234c、モデルB1234d、モデルn1234e)と、重み、及び結果1234gとが設定される。たとえば、要素1234bが「業種」では、モデルA1234cの評価値「101」が最も高く、これに重み1234fの「1.0」を乗算した結果が、結果1234gに設定される。ここでは、結果1234gに、「モデルAで評価値が101」であることを示す情報が設定されている。同様にして、要素1234bが「目的」の場合には、モデルB1234dの評価値が最も高く、結果には、「モデルBで評価値が346」という情報が設定される。
【0084】
プロジェクト別対応モデル決定処理1133では、要素別対応モデル解析処理1132に結果である要素別要件定義モデル対応テーブル1234に基づき、プロジェクトに適合する要件定義モデルを選択する。ここでは、結果1234gの最も大きい値のモデルをこのプロジェクトの要件定義モデルとする。図の例では、「モデルAで評価値が101」と、「モデルBで評価値が346」が比較され、モデルBが選択される。選択結果は、プロジェクト別要件定義モデルテーブル1235に登録される。
【0085】
図20は、プロジェクト別要件定義モデルテーブルの一例を示した図である。
プロジェクト別要件定義モデルテーブル1235には、プロジェクト番号1235aに対応付けて、プロジェクト名1235bと、選択されたモデル記号1235cとが登録される。図の例の1行目は、プロジェクト番号「1」の「Xx銀行基幹業務」に対し、モデル「A」が選択されたことを表している。
【0086】
次に、プロジェクト別モデル人数分布算出処理1134では、プロジェクト別対応モデル決定処理1133によって登録されたプロジェクト別要件定義モデルテーブル1235を参照し、プロジェクトに選択されたモデルを判別する。そして、判別されたモデルに対し予め設定されたモデル別クラスタ分布比率テーブル1236を参照し、このプロジェクトの要件定義モデルに基づくクラスタ分布人数を算出し、プロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブル1237へ登録する。
【0087】
図21は、モデル別クラスタ分布比率テーブルの一例を示した図である。
モデル別クラスタ分布比率テーブル1236には、モデル記号1236aに対応付けて、クラスタごとに、予見者比率1236b、具現者比率1236c、合理主義者比率1236d、及び断絶者比率1236eが登録されている。
【0088】
図22は、プロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブルの一例を示した図である。
プロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブル1237には、プロジェクト番号1237aに対応付けて、選択されたモデルに設定されるクラスタ分布比率に基づく各クラスタの人数、予見者数1237b、具現者数1237c、合理主義者数1237d、及び断絶者数1237eが設定される。
【0089】
こうして、要件定義モデル選択部1130によって、プロジェクトの解析と、プロジェクトに最も適合するモデルの選択処理が実行され、選択されたモデルが登録されるプロジェクト別要件定義モデルテーブル1235と、モデルのクラスタ分布を示すプロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブル1237とが設定され、処理が要件定義モデル生成・表示部1140に引き継がれる。なお、要件定義モデル選択部1130では、モデルの選択までの処理を実行し、プロジェクト別モデル人数分布算出処理1134は、次の処理が要件定義モデル生成・表示部1140で行うとしてもよい。
【0090】
図23は、本発明の実施の形態の要件定義モデル生成・表示部の処理の流れを示した図である。
要件定義モデル生成・表示部1140では、クラスタ分布生成・表示部1120が生成した実際のステークホルダのクラスタ分布と、要件定義モデル選択部1130によって選択された要件定義モデルに基づくステークホルダのクラスタ分布モデルとを表示する要件定義モデル表示処理1141を行う。
【0091】
要件定義モデル表示処理1141は、要件定義モデル選択部1130が生成し、要件定義モデルDB1230に格納したプロジェクト別要件定義モデルテーブル1235、モデル別クラスタ分布比率テーブル1236、及びプロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブル1237に基づき、要件定義モデルに基づくクラスタの人数分布を示す要件定義モデル分布表示画面1311を表示する。
【0092】
さらに、クラスタ分布生成・表示部1120が生成し、クラスタ分布DB1220に格納したプロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221と、プロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222とを加え、クラスタ分布と要件定義モデル分布の比較表示画面1312を表示する。
【0093】
図24は、要件定義モデル分布表示画面の一例を示した図である。
要件定義モデル分布表示画面1311には、プロジェクト名と選択されたモデル名1311aとともに、要件定義モデル(ここでは、モデルA)に基づいて算出された予見者クラスタの人数1311b、具現者クラスタの人数1311c、合理主義者クラスタの人数1311d、及び断絶者クラスタの人数1311eとがグラフ表示される。
【0094】
図25は、クラスタ分布と要件定義モデル分布の比較表示画面を示した図である。
クラスタ分布と要件定義モデル分布の比較表示画面1312には、プロジェクト名と選択されたモデル名1312aとともに、実際のクラスタ分布に基づく予見者クラスタの実人数1312b、具現者クラスタの実人数1312c、合理主義者クラスタの実人数1312d、及び断絶者クラスタの実人数1312eと、要件定義モデル(ここでは、モデルA)に基づいて算出された予見者クラスタの人数1312f、具現者クラスタの人数1312g、合理主義者クラスタの人数1312h、及び断絶者クラスタの人数1312iと、が重ねてグラフ表示される。すなわち、図25は、図14に示したクラスタ分布表示画面1301と、図24に示した要件定義モデル分布表示画面1311とを重ね合わせた表示画面になる。
【0095】
このように、実際のクラスタ分布と、要件定義に基づくクラスタ分布とを比較することにより、どのクラスタのステークホルダが少ないかなどを容易に把握することができる。また、クラスタ分布をモデルの分布比率に近づけることにより、最適な代表者構成をとることが可能となる。なお、図24または図25のいずれの画面を表示させるかは、メニューにより任意に選択できる。
【0096】
上記の手順により、要件定義に関わる代表者を適切なステークホルダ構成で選択することが可能になる。さらに、要件定義の工程では、選択されたステークホルダ間で、提示された要件定義の合意を図るという工程が行われる。次からの処理は、合意の形成を支援する処理である。まず、納得度測定処理について説明する。
【0097】
図26は、本発明の実施の形態の納得度測定部の処理の流れを示した図である。
納得度測定部1150では、ネットワーク300を介して各ステークホルダの端末装置、たとえば、ステークホルダA端末210、ステークホルダB端末220、及びステークホルダC端末230と接続し、各端末の表示装置にレビューメニュー画面2001と、納得操作画面2002とを表示し、ステークホルダの納得度を測定する。このため、要件定義書公開処理1151、納得度カウント処理1152、及び納得度テーブル設定処理1153を順次実行する。
【0098】
要件定義書公開処理1151では、要件が定義された要件定義書をネット上の「オンライン・レビュー・メニュー」で公開する。「オンライン・レビュー・メニュー」を表示するレビューメニュー画面2001は、納得度測定部1150から端末に送信する表示データに基づいて、端末の表示画面に表示される。そして、ステークホルダが認証されると、要件定義を表示した納得操作画面2002を表示させる。
【0099】
図27は、レビュー・メニュー画面及び納得操作画面の一例を示した図である。
レビューメニュー画面2001には、「オンライン・レビュー・メニュー」のタイトルと、IDの入力欄とが表示される。ステークホルダがIDを入力すると、IDはネットワーク経由で要件確認支援装置100に送られてくる。
【0100】
IDが認証されれば、要件定義書公開処理1151は、表示画面を納得操作画面2002に更新させる。納得操作画面2002には、要件定義が表示され、その要件定義項目ごとに納得ボタン2002aが表示される。ステークホルダが納得ボタン2002aを操作すると、対応する要件定義項目と、ボタンの操作回数などの操作状況が、ネットワーク経由で要件確認支援装置100に送られてくる。
【0101】
要件定義書公開処理1151に戻って説明する。要件定義書公開処理1151では、レビュー・メニュー画面2001で設定されたステークホルダのIDを取得すると、このIDとステークホルダ・テーブル1211とを照合し、どのステークホルダであるかを特定する。そして、ステークホルダ別レビュー情報テーブル1214に、レビュー情報を登録する。
【0102】
図28は、ステークホルダ別レビュー情報テーブルの一例を示した図である。
ステークホルダ別レビュー情報テーブル1241には、ステークホルダ番号1241aに対応付けて、レビューの回数1241b、レビューの年月日1241c、開始時刻1241d、及び終了時刻1241eが登録される。図の例では、ステークホルダ番号1241aが「1」で特定されるステークホルダに関し、1回目と2回目のレビューが登録されている。
【0103】
納得度カウント処理1152では、ステークホルダが納得操作画面2002を操作すると、どの要件に対応する納得ボタンが何回クリックされたかの操作情報を取得する。そして、取得した操作情報をステークホルダ番号に対応付け、ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242に登録する。
【0104】
図29は、ステークホルダ別納得カウンタテーブルの一例を示した図である。
ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242には、ステークホルダ番号1242aに対応付けて、レビューの回数1242b、要件項目ごとのクリック数が登録される。要件項目1(1242c)には、要件項目1に対応する要件定義がクリックされるとその回数が登録される。要件項目2(1242d)、要件項目n(1242e)にも同様にクリック数が登録される。たとえば、ステークホルダ番号「1」のステークホルダは、1回目のレビューで、要件項目1を1回クリックし、要件項目nを3回クリックしたことが登録されている。クリック数が多いほど、深く納得していると考えられる。この情報は、後の解析処理で必要に応じて参照される。
【0105】
納得度テーブル設定処理1153は、ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242に基づき、ステークホルダ別の納得度を算出し、ステークホルダ別納得度テーブル1243に登録する。ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242では、クリック数がカウントされていたので、何人の合意を得たかを算出するためには、これを納得したか否かの情報に変換する必要がある。そこで、ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242のカウント値が0であれば、対応するステークホルダ別納得度テーブル1243の納得度を「0(納得していない)」にする。また、カウント値が0以外なら納得度を「1(納得している)」に設定する。
【0106】
図30は、ステークホルダ別納得度テーブルの一例を示した図である。
ステークホルダ別納得度テーブル1243には、ステークホルダ番号1243aに対応付けて、レビューの回数1243b、要件項目ごとの納得度が登録される。要件項目1(1243c)には、要件項目1を納得しているか否かが登録される。要件項目2(1243d)、要件項目n(1243e)にも同様に納得度が登録される。
【0107】
こうして、納得度測定部1150によって、各ステークホルダの納得度が測定され、ステークホルダ別レビュー情報テーブル1241、ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242、及びステークホルダ別納得度テーブル1243が納得度DB1240に格納される。続いて、クラスタ別納得度生成・表示部1160が起動される。
【0108】
図31は、本発明の実施の形態のクラスタ別納得度生成・表示部の処理の流れを示した図である。
クラスタ別納得度生成・表示部1160では、これまでに生成されたプロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221、プロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222、プロジェクト別要件定義モデルテーブル1235、モデル別クラスタ分布比率テーブル1236、プロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブル1237、ステークホルダ別レビュー情報テーブル1241、ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242、及びステークホルダ別納得度テーブル1243に基づき、確認作業を支援する表示を行う。具体的には、指定時刻納得状況表示画面1321を表示する指定時刻納得状況表示処理1161、してクラスタ納得度推移表示画面1322を表示する指定クラスタ納得度推移表示処理1162、及び要件定義書項目別全クラスタ納得状況表示画面1323と、要件定義書項目別指定クラスタ納得状況表示画面1324を表示する要件定義書項目別納得状況表示処理1163とを行う。各処理は、利用者が行ったメニュー指定に応じて、指定された画面を表示する処理が起動される。
【0109】
指定時刻納得状況表示処理1161は、ある時刻(年月日時刻指定)が指定されると、指定時刻時点より過去で、かつ、最も指定時刻に近い時刻の情報を検索し、指定時刻納得状況として表示させる。指定時刻とステークホルダ別レビュー情報テーブル1241の年月日1241cと開始時刻1241dとを照合し、指定時刻より前のレビューに関する納得度をクラスタごとに集計して表示する。
【0110】
図32は、指定時刻納得状況表示画面の一例を示した図である。
指定時刻納得状況表示画面1321では、プロジェクト名と指示時刻1321aとともに、納得度の分布1321bが表示される。図の例では、比較の対象として、実際のクラスタ分布や、モデル上のクラスタ分布とを重ねて表示する。
【0111】
重ねて表示することで、要件確認作業の進捗状況を容易に確認することが可能となる。たとえば、図の例では、具現者からは高い納得度を得ているのに、人数の多い合理主義者クラスタに属するステークホルダの納得度が低いことがわかる。
【0112】
指定クラスタ納得度推移表示処理1162は、クラスタと、期間(開始年月日と終了年月日)と、単位(日ごと、または月ごと)とが指定されて、表示要求が入力されると、ステークホルダ別レビュー情報テーブル1241を検索し、指定された期間における指定クラスタに属するステークホルダについてステークホルダ別納得度テーブル1243の該当箇所を集計し、納得度の推移を表示する。
【0113】
図33は、指定クラスタ納得度推移表示画面の一例を示した図である。
指定クラスタ納得度推移表示画面1322では、プロジェクト名とクラスタ名1322aとともに、指定の期間(図の例では、2/14から2/19)の日ごとの納得度1321cが描画される。基準1322bは、当該クラスタについて、合意がとれたと見なす基準値を示している。なお、基準値は、要件定義モデルに基づいて算出される。たとえば、要件定義モデルのクラスタ分布比率によって算出されるクラスタのステークホルダの人数のうち、どの程度の割合のステークホルダが納得すればよいかを設定しておく。この割合に基づいて、基準値を算出する。
【0114】
このような表示画面から、納得状況の変化や速度を確認することができる。
要件定義書項目別納得状況表示処理1143は、年月日が指定され、要件定義書項目全クラスタ納得状況表示画面の表示が要求されると、指定年月日より前のレビューに関する納得度を要件ごと、クラスタごとに分けて算出し、要件定義書項目別全クラスタ納得状況表示画面1323を表示させる。
【0115】
図34は、要件定義書項目別クラスタ納得状況表示画面の一例を示した図である。
要件定義書項目別全クラスタ納得状況表示画面1323では、プロジェクト名1323aとともに、要件定義項目ごとのすべてのクラスタに属するステークホルダの納得度が表示される。図の例では、予見者クラスタ、具現者クラスタ、合理主義者クラスタ及び断絶者ごとの納得度がグラフ化されている。
【0116】
また、要件定義書項目別納得状況表示処理1143は、年月日とともにクラスタが指定され、要件定義書項目別指定クラスタ納得状況表示画面の表示が要求されると、指定年月日より前のレビューに関する納得度を、要件定義の項目に指定クラスタについて算出し、要件定義書項目別指定クラスタ納得状況表示画面1324を表示させる。
【0117】
図35は、要件定義書項目別クラスタ指定納得状況表示画面の一例を示した図である。
要件定義書項目別指定クラスタ納得状況表示画面1324では、プロジェクト名1324a、指定されたクラスタ名1324bとともに、要件定義項目ごとの指定クラスタに属するステークホルダの納得度1324cが表示される。図の例では、予見者クラスタの納得度がグラフ化されている。
【0118】
図36は、本発明の実施の形態の要件定義遅延対策部の処理の流れを示した図である。
要件定義遅延対策部1170は、これまでに生成されたプロジェクト別クラスタ分布人数テーブル1221、プロジェクト別クラスタ分布比率テーブル1222、プロジェクト別要件定義モデルテーブル1235、モデル別クラスタ分布比率テーブル1236、プロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブル1237、ステークホルダ別レビュー情報テーブル1241、ステークホルダ別納得カウンタテーブル1242、ステークホルダ別納得度テーブル1243、ステークホルダ・テーブル1211、及びクラスタ・テーブル1213に基づいて、要件定義工程の遅延状況を把握し、必要であれば、その対策を提示する。このため、強化クラスタ検出処理1171、強化クラスタアドバイス作成処理1172、納得ベースライン作成処理1173、及び遅延量アドバイス作成処理1174を実行する。各処理は、利用者が行ったメニュー指定に応じて、指定された画面を表示する処理が起動される。
【0119】
強化クラスタ検出処理1171は、クラスタごとに、モデルと実際の納得度とを比較し、納得度が下回っているクラスタをマークで強調表示した強化クラスタ表示画面1331を表示させる。
【0120】
図37は、強化クラスタ表示画面の一例を示した図である。
強化クラスタ表示画面1331は、プロジェクト名と指定時刻1331aとともに、クラスタ分布と、要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデル上にクラスタごとの納得度1331bが表示されている。その納得度1331bの上に、モデルに対し納得度が下回っているクラスタをマーク1331c、1331dで示す。図の例では、合理主義者クラスタと、断絶者マスタの納得度が低いことがわかる。これにより、納得度を上げるために、説得が必要なクラスタを通知することができる。
【0121】
強化クラスタアドバイス作成処理1172は、さらに、ステークホルダ・テーブル1211と、クラスタ・テーブル1213との情報に基づき、説得が必要なくラスタに属するステークホルダの名簿や所属などを強化クラスタアドバイス表示画面1332として表示し、対策の一助とする。
【0122】
図38は、強化クラスタアドバイス表示画面の一例を示した図である。
強化クラスタアドバイス表示画面1332では、プロジェクト名1332aとともに、説得が必要なクラスタ名1332b、1332dと、このクラスタに属するステークホルダの一覧1332c、1332eとが表示される。利用者は、強化クラスタアドバイス表示画面1332を参照し、説得が必要なステークホルダを容易に探すことができる。
【0123】
納得ベースライン作成処理1173では、1つのクラスタが指定されると、モデルに対し、平均的な納得度の向上の進度を算出し、納得ベースライン表示画面1333として表示させる。
【0124】
図39は、納得ベースライン表示画面の一例を示した図である。
納得ベースライン表示画面1333では、プロジェクト名とクラスタ名1322aとともに、実際のクラスタの納得度の推移1322bが表示されている。これに重ねて、モデルに基づく納得ベースライン1322dを表示する。納得ベースライン1322dは、モデルに基づく平均的な納得度の推移を示している。この図から、現在の納得度に対する不足日数1322eと、不足人数1322fとが算出できる。不足日数1322eは、モデル化された進行状況と比較し、遅れている人数が設定される。また、不足人数1322fは、モデル化された進行状況では、集まっているはずの人数と、実際の人数との差が設定される。
【0125】
このように、現在の納得度の推移状況1322bと、モデル化された納得度の進行状況を同一表示画面で確認することができるため、いつごろ完了するのか、どれぐらい遅延しているかなどを目安を容易に知ることができる。
【0126】
遅延量アドバイス作成処理1174は、遅延の量を、遅延日数、不足人数、完了予定日で示し、コンテンジェンシー・プラン・テーブル1251に格納される対策のうち、適したものを選択して強化クラスタアドバイス表示画面1332に表示させる。対策案は、全体人数に対する不足人数比率や、完了予定日に対する遅延日数比率に基づき、適したものが選択される。
【0127】
図40は、コンテンジェンシー・プラン・テーブルの一例を示した図である。
コンテンジェンシー・プラン・テーブル1251には、プランを識別するNo.1251aに対応付けて、コンテンジェンシー・プラン1251bと、コンテンジェンシー・プランを適用する条件として、不足人数比率1251cと、遅延日数比率1251dとが登録されている。
【0128】
コンテンジェンシー・プラン1251bは、メッセージであり、選択されると表示画面にこのメッセージを表示する。どのコンテンジェンシー・プランを選択するのかは、遅延量アドバイス作成処理1174が、現在の遅延量と、適用する条件、図の例では、不足人数比率1251cと、遅延日数比率1251dとに基づいて選択する。たとえば、「要件定義書の改版」は、不足人数比率が0.5以上であれば、選択される。また、「増員」は、遅延日数比率が0.5以上であれば、選択される。
【0129】
図41は、遅延量アドバイス表示画面の一例を示した図である。
遅延量アドバイス表示画面1334では、プロジェクト名1334aとともに、現在の状況と、遅延量を取り戻すための対策と、を記載したテーブル1334bが表示される。
図の例では、対策案として、コンテンジェンシー・プラン・テーブル1251のNo.2の
対策「増員」が提案されている。
【0130】
上記処理手順が実行されることにより、要件定義に対するステークホルダの合意状況を把握することが容易になる。また、モデルと比較することにより、確認工程の進捗状況を、客観的に把握することが可能となり、遅延日数や不足人数も予測できる。さらに、対策案も提示されるため、工程の遅延も防止することができる。
【0131】
このように本願発明の要件確認支援装置100によって、要件確認の工程が終了した後、生成された情報データは、プロジェクト結果テーブルに残しておき、今後の作業に応用することができる。要件定義ベストプラクティス管理部1180について説明する。
【0132】
図42は、本発明の実施の形態の要件定義ベストプラクティス管理部の処理の流れを示した図である。
要件定義ベストプラクティス管理部1180は、プロジェクト終了時に結果を保存するプロジェクト結果保存処理1181と、要求に応じて登録されたプロジェクト結果をサンプル表示するベストプラクティス・サンプル表示処理1182とを実行する。
【0133】
プロジェクト結果保存処理1181では、対象プロジェクトの確認支援処理で生成された全テーブルの情報のうち必要な情報を、プロジェクト終了時に、プロジェクト結果DB1260に登録しておく。登録指示は、プロジェクトが終了したときに、利用者が行う。このとき、結果が成功であったか、失敗であったかを登録しておく。
【0134】
図43は、プロジェクト結果テーブルの一例を示した図である。
プロジェクト結果テーブル1261は、プロジェクト番号1261aに対応付けて、利用者が設定した成功/失敗の結果1261b、このプロジェクトに適用された要件定義モデルの予見者比率1261c、具現者比率1261d、合理主義者比率1261e、及び断絶者比率1261fを登録する。
【0135】
新たに、要件定義を行うプロジェクトがあった場合には、プロジェクト結果テーブル1261を参照し、その要件定義前に成功プロジェクトの結果情報(プロジェクトのプロフィール、クラスタ比率、要件定義時間、レビュー回数など)を抽出し、ベストプラクティス・サンプル表示画面1341に表示させる。
【0136】
図44は、ベストプラクティス・サンプル表示画面の一例を示した図である。
ベストプラクティス・サンプル表示画面1341では、ベストプラクティスとして指定された過去のプロジェクトのクラスタ分布と、参考情報1341bとして、プロジェクトに関する情報が表示される。
【0137】
なお、上記の説明では、ベストプラクティスとしたが、失敗のプロジェクトを参照し、アンチ・ベストプラクティスとして表示させてもよい。
さらに、ベストプラクティスは、次回以降の処理で使用できるように、要件定義モデルとして登録しておくこともできる。
【0138】
このように、データを蓄積することにより、より情報システムに適合した確認支援を提供することが可能となる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、要件確認支援装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0139】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0140】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0141】
(付記1) 情報システム開発における要件定義の工程を支援する要件確認支援プログラムにおいて、
コンピュータを、
対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けたステークホルダ情報を生成してステークホルダ情報記憶手段に記憶するステークホルダ判定手段、
前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記ステークホルダのクラスタ分布情報としてクラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示させるクラスタ分布生成手段、
前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関するクラスタ分布モデルを算出し、要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示させる要件定義モデル生成手段、
前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた納得情報を生成し、納得情報記憶手段に記憶する納得度測定手段、
前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示させるクラスタ別納得度生成手段、
として機能させることを特徴とする要件確認支援プログラム。
【0142】
(付記2) 前記ステークホルダ判定手段として、前記要件定義モデルに基づき、前記情報システムに対し要件定義を行う前記ステークホルダを、最初に革新的な要件を提示する予見者、ビジョン重視の要件を提示する具現者、資源や技術に対し現実的な要件を提示する合理主義者、保守的あるいは懐疑的な要件を提示する断絶者の前記ステークホルダ・タイプに分類し、それぞれに対応して予見者クラスタ、具現者クラスタ、合理主義者クラスタ、及び断絶者クラスタを設け、前記対象プロジェクトの情報システムに関わる前記ステークホルダを、前記予見者クラスタ、前記具現者クラスタ、前記合理主義者クラスタ、及び前記断絶者クラスタのいずれか1のクラスタに分類する、
ことを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0143】
(付記3) 前記ステークホルダ判定手段として、
前記対象プロジェクトの前記情報システムの発注者、設計者、運用者、及び利用者を含む関連する人物を抽出し、前記ステークホルダとして前記ステークホルダ識別情報を割り当てて登録するステークホルダ登録処理と、
予め設定される前記クラスタごとに設定される判定キーワードに基づいて、前記ステークホルダに関し抽出された前記関連情報を検索し、前記関連情報中の前記判定キーワードの出現頻度に応じて前記ステークホルダを前記クラスタに分類するクラスタ分類処理と、
を実行させることを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0144】
(付記4) 前記コンピュータを、さらに、
前記対象プロジェクトに関連する関連情報に基づいて前記対象プロジェクトの特徴を解析し、前記対象プロジェクトの特徴に応じて予め用意される複数の要件定義モデルのうち、解析された前記対象プロジェクトの特徴に適合する前記要件定義モデルを選択する要件定義モデル選択手段として機能させ、
前記要件定義モデル生成手段は、前記要件定義モデル選択手段が選択した前記要件定義モデルを用いる、
ことを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0145】
(付記5) 前記要件定義モデル選択手段として、予め所定のキーワードと前記キーワードに適合する前記要件定義モデルとを対応付けた対応テーブルを前記要件定義モデル情報記憶手段に記憶しておき、前記関連情報と、前記対応テーブルの前記キーワードとを照合し、一致するキーワードが最も多い前記要件定義モデルを選択する、
ことを特徴とする付記4記載の要件確認支援プログラム。
【0146】
(付記6) 前記要件定義モデル選択手段として、前記キーワードを前記プロジェクトの業種、目的、規模を含む要素ごとに設定し、要素ごとに最適な前記要件定義モデル候補を選択した後、前記要件定義モデル候補から前記対象プロジェクトに適合する前記要件定義モデルを選択する、
ことを特徴とする付記5記載の要件確認支援プログラム。
【0147】
(付記7) 前記コンピュータを、さらに、
前記クラスタ別納得度生成手段によって算出された前記クラスタ別の納得度と、前記要件定義モデルに基づいて算出される前記クラスタで必要な基準納得度とを比較し、前記クラスタ別の納得度の遅延状況を算出する要件定義遅延対策手段、
として機能させることを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0148】
(付記8) 前記要件定義遅延対策手段として、前記クラスタごとに、前記クラスタの納得度と、前記基準納得度とを比較し、前記基準納得度を下回る前記クラスタを明示する表示画面を表示させる、
ことを特徴とする付記7記載の要件確認支援プログラム。
【0149】
(付記9) 前記要件定義遅延対策手段として、予め、前記遅延状況に対応付けて前記遅延状況に対する対応策のメッセージを遅延対策記憶手段に記憶しておき、前記遅延状況が検出されたときは、前記遅延状況に基づいて前記対応策のメッセージを抽出し、抽出された前記対応策のメッセージを表示画面に表示させる、
ことを特徴とする付記7記載の要件確認支援プログラム。
【0150】
(付記10) 前記コンピュータを、さらに、
前記対象プロジェクトの終了時に、利用者によって成功または失敗を表すプロジェクト結果情報が入力されると、前記対象プロジェクトに関する前記ステークホルダ情報、前記クラスタ分布情報、前記要件定義モデル、及び前記納得情報を含む必要な設定情報と、前記プロジェクト結果情報とを、前記プロジェクトを特定するプロジェクト識別情報に関連付けてプロジェクト結果情報記憶手段に記憶しておき、前記利用者からの参照要求に応じて前記プロジェクト結果情報記憶手段から前記設定情報と前記プロジェクト結果情報とを抽出し、抽出した情報に基づいてサンプル表示する要件定義ベストプラクティス管理手段、
として機能させることを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0151】
(付記11) 前記クラスタ別納得度生成手段として、利用者によって任意の指定時刻が設定されると、前記納得情報に設定される前記操作が行われた日時に基づいて前記指定時刻と照合し、前記指定時刻に最も近接する過去の前記納得情報を用いて、前記クラスタごとの納得度を集計する、ことを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0152】
(付記12) 前記クラスタ別納得度生成手段として、利用者によって任意の指定期間と、指定間隔とが設定されると、前記納得情報に設定される前記操作が行われた日時に基づいて前記指定期間と照合し、前記指定期間に含まれる前記納得情報を前記指定間隔でサンプリングして前記クラスタごとの納得度を集計し、前記クラスタごとの納得度の推移を算出する、ことを特徴とする付記1記載の要件確認支援プログラム。
【0153】
(付記13) 情報システム開発の要件定義工程における要件確認を支援する要件確認支援方法において、
ステークホルダ判定手段が、対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けたステークホルダ情報を生成してステークホルダ情報記憶手段に記憶し、
クラスタ分布生成手段が、前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記ステークホルダのクラスタ分布情報としてクラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示し、
要件定義モデル生成手段が、前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関するクラスタ分布モデルを算出し、要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示し、
納得度測定手段が、前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた納得情報を生成し、納得情報記憶手段に記憶し、
クラスタ別納得度生成手段が、前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示する、
手順を有することを特徴とする要件確認支援方法。
【0154】
(付記14) 情報システム開発の要件定義工程における要件確認を支援する要件確認支援装置において、
ステークホルダに関するステークホルダ情報を記憶するステークホルダ情報記憶手段と、
クラスタに属する前記ステークホルダの分布情報を記憶するクラスタ分布情報記憶手段と、
前記情報システムに対応する要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデルを記憶する要件モデル記憶手段と、
前記ステークホルダごとの納得情報を記憶する納得情報記憶手段と、
対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けて前記ステークホルダ情報を生成して前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶するステークホルダ判定手段と、
前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記クラスタ分布情報として前記クラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示させるクラスタ分布生成手段と、
前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関する前記クラスタ分布モデルを算出し、前記要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示させる要件定義モデル生成手段と、
前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた前記納得情報を生成し、前記納得情報記憶手段に記憶する納得度測定手段と、
前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示させるクラスタ別納得度生成手段と、
を有することを特徴とする要件確認支援装置。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】実施の形態に適用される発明の概念図である。
【図2】本発明の実施の形態の要件定義工程モデルにおけるステークホルダの分布を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態の情報システムの要件定義工程の要件定義の確認作業を支援する要件確認支援システムの構成図である。
【図4】本実施の形態の要件確認支援装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態の要件確認支援装置のソフトウェアの構成を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態のステークホルダ判定部の処理の流れを示した図である。
【図7】ステークホルダ・テーブルの一例を示した図である。
【図8】判定キーワード・テーブルの一例を示した図である。
【図9】クラスタ・テーブルの一例を示した図である。
【図10】本発明の実施の形態のクラスタ分類処理の手順を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態のクラスタ分布生成・表示部の処理の流れを示した図である。
【図12】プロジェクト別クラスタ分布人数テーブルの一例を示した図である。
【図13】プロジェクト別クラスタ分布比率テーブルの一例を示した図である。
【図14】クラスタ分布表示画面の一例を示した図である。
【図15】本発明の実施の形態の要件定義モデル選択部の処理の流れを示した図である。
【図16】業種・要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
【図17】目的・要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
【図18】規模・要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
【図19】要素別要件定義モデル対応テーブルの一例を示した図である。
【図20】プロジェクト別要件定義モデルテーブルの一例を示した図である。
【図21】モデル別クラスタ分布比率テーブルの一例を示した図である。
【図22】プロジェクト別要件定義モデル分布人数テーブルの一例を示した図である。
【図23】本発明の実施の形態の要件定義モデル生成・表示部の処理の流れを示した図である。
【図24】要件定義モデル分布表示画面の一例を示した図である。
【図25】クラスタ分布と要件定義モデル分布の比較表示画面を示した図である。
【図26】本発明の実施の形態の納得度測定部の処理の流れを示した図である。
【図27】レビュー・メニュー画面及び納得操作画面の一例を示した図である。
【図28】ステークホルダ別レビュー情報テーブルの一例を示した図である。
【図29】ステークホルダ別納得カウンタテーブルの一例を示した図である。
【図30】ステークホルダ別納得度テーブルの一例を示した図である。
【図31】本発明の実施の形態のクラスタ別納得度生成・表示部の処理の流れを示した図である。
【図32】指定時刻納得状況表示画面の一例を示した図である。
【図33】指定クラスタ納得度推移表示画面の一例を示した図である。
【図34】要件定義書項目別クラスタ納得状況表示画面の一例を示した図である。
【図35】要件定義書項目別クラスタ指定納得状況表示画面の一例を示した図である。
【図36】本発明の実施の形態の要件定義遅延対策部の処理の流れを示した図である。
【図37】強化クラスタ表示画面の一例を示した図である。
【図38】強化クラスタアドバイス表示画面の一例を示した図である。
【図39】納得ベースライン表示画面の一例を示した図である。
【図40】コンテンジェンシー・プラン・テーブルの一例を示した図である。
【図41】遅延量アドバイス表示画面の一例を示した図である。
【図42】本発明の実施の形態の要件定義ベストプラクティス管理部の処理の流れを示した図である。
【図43】プロジェクト結果テーブルの一例を示した図である。
【図44】ベストプラクティス・サンプル表示画面の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0156】
10 要件確認支援装置
11a ステークホルダ判定手段
11b クラスタ分布生成手段
11c 要件定義モデル生成手段
11d 納得度測定手段
11e クラスタ別納得度生成手段
11f 通信手段
12a ステークホルダ情報記憶手段
12b クラスタ分布情報記憶手段
12c 要件定義モデル情報記憶手段
12d 納得情報記憶手段
13a クラスタ分布表示画面
13b 要件定義モデル表示画面
13c クラスタ別納得度表示画面
20a ステークホルダA端末
20b ステークホルダB端末
30 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報システム開発における要件定義の工程を支援する要件確認支援プログラムにおいて、
コンピュータを、
対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けたステークホルダ情報を生成してステークホルダ情報記憶手段に記憶するステークホルダ判定手段、
前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記ステークホルダのクラスタ分布情報としてクラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示させるクラスタ分布生成手段、
前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関するクラスタ分布モデルを算出し、要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示させる要件定義モデル生成手段、
前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた納得情報を生成し、納得情報記憶手段に記憶する納得度測定手段、
前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示させるクラスタ別納得度生成手段、
として機能させることを特徴とする要件確認支援プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、さらに、
前記対象プロジェクトに関連する関連情報に基づいて前記対象プロジェクトの特徴を解析し、前記対象プロジェクトの特徴に応じて予め用意される複数の要件定義モデルのうち、解析された前記対象プロジェクトの特徴に適合する前記要件定義モデルを選択する要件定義モデル選択手段として機能させ、
前記要件定義モデル生成手段は、前記要件定義モデル選択手段が選択した前記要件定義モデルを用いる、
ことを特徴とする請求項1記載の要件確認支援プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、さらに、
前記クラスタ別納得度生成手段によって算出された前記クラスタ別の納得度と、前記要件定義モデルに基づいて算出される前記クラスタで必要な基準納得度とを比較し、前記クラスタ別の納得度の遅延状況を算出する要件定義遅延対策手段、
として機能させることを特徴とする請求項1記載の要件確認支援プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、さらに、
前記対象プロジェクトの終了時に、利用者によって成功または失敗を表すプロジェクト結果情報が入力されると、前記対象プロジェクトに関する前記ステークホルダ情報、前記クラスタ分布情報、前記要件定義モデル、及び前記納得情報を含む必要な設定情報と、前記プロジェクト結果情報とを、前記プロジェクトを特定するプロジェクト識別情報に関連付けてプロジェクト結果情報記憶手段に記憶しておき、前記利用者からの参照要求に応じて前記プロジェクト結果情報記憶手段から前記設定情報と前記プロジェクト結果情報とを抽出し、抽出した情報に基づいてサンプル表示する要件定義ベストプラクティス管理手段、
として機能させることを特徴とする請求項1記載の要件確認支援プログラム。
【請求項5】
前記クラスタ別納得度生成手段として、利用者によって任意の指定期間と、指定間隔とが設定されると、前記納得情報に設定される前記操作が行われた日時に基づいて前記指定期間と照合し、前記指定期間に含まれる前記納得情報を前記指定間隔でサンプリングして前記クラスタごとの納得度を集計し、前記クラスタごとの納得度の推移を算出する、ことを特徴とする請求項1記載の要件確認支援プログラム。
【請求項6】
情報システム開発の要件定義工程における要件確認を支援する要件確認支援方法において、
ステークホルダ判定手段が、対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けたステークホルダ情報を生成してステークホルダ情報記憶手段に記憶し、
クラスタ分布生成手段が、前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記ステークホルダのクラスタ分布情報としてクラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示し、
要件定義モデル生成手段が、前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関するクラスタ分布モデルを算出し、要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示し、
納得度測定手段が、前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた納得情報を生成し、納得情報記憶手段に記憶し、
クラスタ別納得度生成手段が、前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示する、
手順を有することを特徴とする要件確認支援方法。
【請求項7】
情報システム開発の要件定義工程における要件確認を支援する要件確認支援装置において、
ステークホルダに関するステークホルダ情報を記憶するステークホルダ情報記憶手段と、
クラスタに属する前記ステークホルダの分布情報を記憶するクラスタ分布情報記憶手段と、
前記情報システムに対応する要件定義モデルに基づくクラスタ分布モデルを記憶する要件モデル記憶手段と、
前記ステークホルダごとの納得情報を記憶する納得情報記憶手段と、
対象プロジェクトの情報システムに関わるステークホルダを、前記ステークホルダの経歴や発表文書を含む前記ステークホルダを特徴付ける関連情報に基づいて、情報システムの開発工程において前記情報システムに関わるステークホルダによって要件が定義されてから受け入れられるまでの工程を模した要件定義モデルによって定義されるステークホルダ・タイプに分類し、分類された前記ステークホルダ・タイプに応じたクラスタと、前記ステークホルダを個々に特定するステークホルダ識別情報と、を関連付けて前記ステークホルダ情報を生成して前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶するステークホルダ判定手段と、
前記ステークホルダ情報に基づいて、前記クラスタごとに前記クラスタに属する前記ステークホルダの人数と人数比率とを算出し、前記クラスタ分布情報として前記クラスタ分布情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布情報に基づくクラスタ分布表示画面を表示させるクラスタ分布生成手段と、
前記要件定義モデルによって規定される前記クラスタごとの前記ステークホルダの分布比率に基づいて前記情報システムに関する前記クラスタ分布モデルを算出し、前記要件定義モデル情報記憶手段に記憶するとともに、必要に応じて前記クラスタ分布モデルに基づく要件定義モデル表示画面を表示させる要件定義モデル生成手段と、
前記ステークホルダが前記要件定義の各項目を納得したときに操作する納得ボタンが操作されたことが入力されると、操作が行われた前記要件定義の項目を特定する項目情報と、前記操作が行われた日時や回数を含む操作状況と、を前記ステークホルダ識別情報に関連付けた前記納得情報を生成し、前記納得情報記憶手段に記憶する納得度測定手段と、
前記納得情報記憶手段に記憶される前記納得情報と、前記ステークホルダ情報記憶手段に記憶される前記ステークホルダ情報とに基づいて前記クラスタごとの納得度を集計し、集計された情報に基づくクラスタ別納得度表示画面を表示させるクラスタ別納得度生成手段と、
を有することを特徴とする要件確認支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2008−217480(P2008−217480A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54712(P2007−54712)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)