要望に応じて書換え可能なカードの製造システムおよび製造方法
【課題】リライタブル・パッチを非リライタブル・カードに貼り付けるシステムおよび方法。
【解決手段】リライタブル・パッチを、パッチの第１面の第１接着剤で剥離フィルムに付着する。第２接着剤はパッチの第２面に配置する。貼り付けたパッチとともにフィルムは供給スプールに巻かれる。供給スプールのフィルムは加熱ローラに供給され、そこでカードがパッチの間近に運ばれる。加熱ローラが加熱され、パッチ上の第２接着剤が活性化し、パッチをカードに貼り付ける。次いで、巻取りスプールが剥離フィルムを巻取り、パッチを剥離フィルムから引き離す。
【解決手段】リライタブル・パッチを、パッチの第１面の第１接着剤で剥離フィルムに付着する。第２接着剤はパッチの第２面に配置する。貼り付けたパッチとともにフィルムは供給スプールに巻かれる。供給スプールのフィルムは加熱ローラに供給され、そこでカードがパッチの間近に運ばれる。加熱ローラが加熱され、パッチ上の第２接着剤が活性化し、パッチをカードに貼り付ける。次いで、巻取りスプールが剥離フィルムを巻取り、パッチを剥離フィルムから引き離す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はリライタブル・カードの製造システムに関し、特に、必要に応じて書換えが可能な特性（リライタブル性）を有する個別カードを選択的に製造可能なシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、リライタブル・カードの利用および製造が知られている。このようなカードは、多くの場合、身分証明目的、および／または、マーチャダイジングとマーケティング目的で利用される。例えば、医療用身分証明カードには、個人名およびＩＤ番号を示す恒久的な刷り込みが施されるが、このようなカードには、医師との次回の予約を書換え可能に追加印字することができるようになっている。リライタブル・カードのその他の例としては、ポイント・カードがあり、カードのリライタブル性を利用し、カードの持ち主が貯めたポイントを、カード上で選択的に追加したり、消したりできるようにしている。
【０００３】
一般に、このようなリライタブル・カードを作成するには、積層材料である大きめの剥離シートを用意し、このシートにリライタブル材の層を貼り、さらに、このリライタブル層の全面に保護層を貼る。その後、大きい剥離シートと、リライタブル層と保護層とを合わせたものが、複数のリライタブル・カードに打ち抜かれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
このような製造に伴う問題は、複数のカードを全て同時に作成しなければならず、一枚のカードを作成することが出来ないことである。こうしたカードの製造業者は、特定のときに大量のカードを製造することを常に望んでいるわけではない。
【０００５】
さらに、大きい剥離シートとリライタブル層と保護層とを合わせたかなり大きめのものを取り扱うためには、大きな製造施設が必要である。また、高価な打ち抜き装置も必要である。こうした制限により、小規模企業では、リライタブル・カードの製造が困難である。
さらに、これら従来のシステムでは、カード自体にリライタブル性をつけて作成する。従来の非リライタブル・カードにリライタブル性を加えることが可能な装置が従来技術には存在しない。
したがって、従来技術の上述した欠点のないリライタブル・カードを製造する装置および方法を当該技術において必要とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の一態様は、フレキシブル剥離フィルムと、リライタブル性を有する少なくとも１枚のパッチであって、このパッチには第１面と第２面とがあり、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含むパッチとの、組み合わせである。
上記パッチの第１面は第１接着剤によりフレキシブル剥離フィルムに付着される。第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有するので、第２接着剤が活性化して、パッチがカードに接触すると、パッチは剥離フィルムからの離脱と第２接着剤によるカードへの付着を実行する。
【０００７】
本発明の別の態様は、非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させる方法である。この方法は、パッチを第１位置に搬送するステップを備え、パッチは剥離フィルムで運ばれ、リライタブル性を有し、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有する。
さらに、この方法は、第１位置でパッチの至近距離内に非リライタブル・カードを搬送するステップと、パッチがカードに付着するように第２接着剤を活性化するステップと、を備える。
【０００８】
本発明の別の態様は、非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させるシステムである。このシステムは、リライタブル性を有する少なくとも一枚のパッチを保持する剥離フィルムであって、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有する。システムは、さらに、剥離フィルムの第１位置への搬送を実行する第１移送機構と、第１位置でパッチの至近距離内への非リライタブル・カードの搬送を実行する第２移送機構とを備える。システムは、さらに、第１移送機構および第２移送機構に接続されたコントローラであって、第２接着剤の活性化とパッチのカードへの付着に効力のあるコントローラを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
図１には、本発明の一実施形態において使用できる剥離フィルム５０が示される。剥離フィルム５０は、ＰＥＴ材製でよい。剥離フィルム５０には、２枚のリライタブル・パッチ５２が第１の接着剤で仮留めされる。第１接着剤は、反対方向にリライタブル・パッチ５２に対してより大きな力を加えてパッチ５２を剥離フィルム５０から引き剥がすまで、パッチ５２を剥離フィルム５０に保持するために用いる。大きな力の印加はパッチ５２の反対側に塗布される第２の接着剤により生じるが、グルー、テイクス、ロープ、留め具、ヒモ、その他構造物を互いに取り付ける手段である可能性もある。また、第２の接着剤５６は加熱されて活性化するので、熱をこの第２の接着剤５６に加えなければ、第２の接着剤５６には、通常、接着性がない。しかし、加熱後の第２接着剤５６の接着性は、剥離フィルム５０にパッチ５２を付けている接着剤よりも強い。より詳細に後述するシステム内での剥離フィルム５０の位置合わせは、位置合わせマーク５４を用いて行えばよい。
【００１０】
パッチ５２は、その断面が概ね矩形であり、パッチ５２を貼り付けるカードに略一致するサイズおよび形状になるように設計される。パッチ５２は、三菱製紙株式会社（ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ ＰＡＰＥＲ ＭＩＬＬＳ ＬＩＭＩＴＥＤ）から市販されているようなリライタブル・フィルムからなる。三菱製紙株式会社のものからなるパッチを製造するために用いる技術は、打抜き型を必要なパッチのサイズに圧延する抜き打ち処理である。この打抜き型で完成品のパッチを打ち抜き、次いで、剥離フィルムに貼る。
【００１１】
図２には、パッチ５２をカードに応用するために用いることができるシステムまたは装置７０を示す。カード７４は離間する３箇所に示され、７４ａで示す位置１、７４ｂの位置２および７４ｃの位置３である。ユーザは装置７０を操作して、カード７４を第１の位置７４ａに置くとする。そして、カード７４を、例えば、コンベヤーベルトやローラ８６のような移送機構を使って移動し、最終的に位置７４ｂに運ぶ。位置７４ｂでは、カード７４に１枚のパッチ５２が貼られる。その後、カード７４は位置７４ｃに移動されて、装置からはずされ、リライタブル・パッチ５２付きとして使用可能となる。コントローラ８２は、移送機構８６の動作を制御する。
【００１２】
コントローラ８２は、また、供給スプール７６と、加熱ローラ７８と、巻取りスプール８０との動作も制御する（図２）。供給スプール７６には、剥離フィルム５０の細長いシートが巻かれている。コントローラ８２は、例えば、移送機構８６を用いて、カード７４を位置７４ａ、７４ｂ、７４ｃに運ぶことにより、これらの位置間のカード７４の移動と位置調整を制御する。さらに、コントローラ８２は供給スプール７６と巻取りスプール８０との動作を制御し、カード７４が加熱ローラ７８に最も近い位置７４ｂに配置されたときに、剥離フィルム５０の所望部分が加熱ローラ７８上にくるようにする。コントローラ８２は、さらに、位置７４ｂでパッチ５２とカード７４とが重なって位置が一致すると、フィルム５０の所望部分を加熱するように加熱ローラ７８の加熱部９０を制御する。
【００１３】
位置７４ｂでの剥離フィルム５０およびパッチ５２とカード７４との位置を容易に一致させるためには、位置合わせマーク５４（図１）を用いて、例えば光学読み取り装置を用いて、コントローラ８２が監視することができる。最終的に、コントローラ８２は移送機構８６を制御しカード７４を位置７４ｃまで移動させる。この位置７４ｃでは、カード７４はその上に粘着したパッチ５２を備えている。さらに、コントローラ８２は巻取りスプール８０を制御し、パッチ５２が取り除かれた剥離フィルム５０の部分を巻取り保持する。位置７４ｂから離れて配置された巻取りスプール８０および移送機構８６の動作の連携は、第１の接着剤よりも強い粘着性を有する第２接着剤５６により剥離フィルム５０からカード７４を引き離すことになる。供給スプールと巻取りスプールとが図示されているが、剥離フィルム５０の移送機構としては、いずれのタイプの移送機構を用いてよいことは明らかである。
【００１４】
カード７４は、加熱ローラ７８の外側または加熱ローラ７８から離間した位置７４ａでカード７４がスタートした場合、カード７４は方向７２に移動する。そして、カード７４は、加熱ローラ７８の最も近い位置７４ｂまで移動し、最後に加熱ローラ７８から離間した位置７４ｃまで移動する。図３に明確に示すように、カード７４が位置７４ｂの加熱ローラ７８近傍に移動すると、加熱ローラ７８の加熱部９０が作動し、パッチ５２の上端の（図１に示す）第２接着剤を加熱部９０が加熱する。この加熱により、第２接着剤５６の粘着性を活性化し、パッチ５２をカード７４に貼り付ける。上述したように、第２接着剤５６は剥離フィルム５０上にパッチ５２を保持する第１接着剤よりも強力である。したがって、移送機構８６および巻取りスプール８０が動くと、パッチ５２は剥離フィルム５０から離れ、カード７４に張り付く。パッチ５２が剥離フィルム５０から離れるところを強調的に示す図２および３に、パッチ・フィルム分離点８４を示す。
【００１５】
従来技術のシステムでは、身分証明カード自体にリライタブル性を持たせて作成した。このようなシステムは、カード作成前でも、カードがリライタブル性を有することになるということを知る必要がある。さらに、背景技術でも述べたように、特別な製造設備がカード製造には必要であり、一回で多数のカードを作成しなければならない。これに対して、本発明によるシステムでは、ユーザが使用するリライタブル性を有しない運転免許書等のような既存のカードに、後から、リライタブル材、および／または、リライタブル性を付け加えてもよい。さらに、従来技術のシステムでは多数のカードを作成する必要がある代わりに、一回でリライタブル・パッチ付の一枚のカードが作成できるので、従来技術で使用できる装置よりも小さい装置を使うことができ、卓上装置に組み込むことさえできる。カードをまさに要望に応じて本発明によって作成できる。
【００１６】
したがって、剥離フィルムにリライタブル・パッチを付着させ、これらのパッチをカードに選択的に貼り付けることにより、リライタブル・カードを製造するための改善型システムおよびその方法が実現する。
【００１７】
本発明を好適実施形態において説明したが、本発明は、添付の特許請求の範囲の記載を除き、これに限定されないことは明確である。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】図１は、本発明の一実施形態による剥離シートの上面である。
【図２】図２は、本発明の一実施形態において使用可能なシステムの側面切り取り図である。
【図３】図３は、図２のシステムの一部の拡大図である。
【技術分野】
【０００１】
本発明はリライタブル・カードの製造システムに関し、特に、必要に応じて書換えが可能な特性（リライタブル性）を有する個別カードを選択的に製造可能なシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、リライタブル・カードの利用および製造が知られている。このようなカードは、多くの場合、身分証明目的、および／または、マーチャダイジングとマーケティング目的で利用される。例えば、医療用身分証明カードには、個人名およびＩＤ番号を示す恒久的な刷り込みが施されるが、このようなカードには、医師との次回の予約を書換え可能に追加印字することができるようになっている。リライタブル・カードのその他の例としては、ポイント・カードがあり、カードのリライタブル性を利用し、カードの持ち主が貯めたポイントを、カード上で選択的に追加したり、消したりできるようにしている。
【０００３】
一般に、このようなリライタブル・カードを作成するには、積層材料である大きめの剥離シートを用意し、このシートにリライタブル材の層を貼り、さらに、このリライタブル層の全面に保護層を貼る。その後、大きい剥離シートと、リライタブル層と保護層とを合わせたものが、複数のリライタブル・カードに打ち抜かれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
このような製造に伴う問題は、複数のカードを全て同時に作成しなければならず、一枚のカードを作成することが出来ないことである。こうしたカードの製造業者は、特定のときに大量のカードを製造することを常に望んでいるわけではない。
【０００５】
さらに、大きい剥離シートとリライタブル層と保護層とを合わせたかなり大きめのものを取り扱うためには、大きな製造施設が必要である。また、高価な打ち抜き装置も必要である。こうした制限により、小規模企業では、リライタブル・カードの製造が困難である。
さらに、これら従来のシステムでは、カード自体にリライタブル性をつけて作成する。従来の非リライタブル・カードにリライタブル性を加えることが可能な装置が従来技術には存在しない。
したがって、従来技術の上述した欠点のないリライタブル・カードを製造する装置および方法を当該技術において必要とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の一態様は、フレキシブル剥離フィルムと、リライタブル性を有する少なくとも１枚のパッチであって、このパッチには第１面と第２面とがあり、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含むパッチとの、組み合わせである。
上記パッチの第１面は第１接着剤によりフレキシブル剥離フィルムに付着される。第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有するので、第２接着剤が活性化して、パッチがカードに接触すると、パッチは剥離フィルムからの離脱と第２接着剤によるカードへの付着を実行する。
【０００７】
本発明の別の態様は、非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させる方法である。この方法は、パッチを第１位置に搬送するステップを備え、パッチは剥離フィルムで運ばれ、リライタブル性を有し、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有する。
さらに、この方法は、第１位置でパッチの至近距離内に非リライタブル・カードを搬送するステップと、パッチがカードに付着するように第２接着剤を活性化するステップと、を備える。
【０００８】
本発明の別の態様は、非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させるシステムである。このシステムは、リライタブル性を有する少なくとも一枚のパッチを保持する剥離フィルムであって、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有する。システムは、さらに、剥離フィルムの第１位置への搬送を実行する第１移送機構と、第１位置でパッチの至近距離内への非リライタブル・カードの搬送を実行する第２移送機構とを備える。システムは、さらに、第１移送機構および第２移送機構に接続されたコントローラであって、第２接着剤の活性化とパッチのカードへの付着に効力のあるコントローラを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
図１には、本発明の一実施形態において使用できる剥離フィルム５０が示される。剥離フィルム５０は、ＰＥＴ材製でよい。剥離フィルム５０には、２枚のリライタブル・パッチ５２が第１の接着剤で仮留めされる。第１接着剤は、反対方向にリライタブル・パッチ５２に対してより大きな力を加えてパッチ５２を剥離フィルム５０から引き剥がすまで、パッチ５２を剥離フィルム５０に保持するために用いる。大きな力の印加はパッチ５２の反対側に塗布される第２の接着剤により生じるが、グルー、テイクス、ロープ、留め具、ヒモ、その他構造物を互いに取り付ける手段である可能性もある。また、第２の接着剤５６は加熱されて活性化するので、熱をこの第２の接着剤５６に加えなければ、第２の接着剤５６には、通常、接着性がない。しかし、加熱後の第２接着剤５６の接着性は、剥離フィルム５０にパッチ５２を付けている接着剤よりも強い。より詳細に後述するシステム内での剥離フィルム５０の位置合わせは、位置合わせマーク５４を用いて行えばよい。
【００１０】
パッチ５２は、その断面が概ね矩形であり、パッチ５２を貼り付けるカードに略一致するサイズおよび形状になるように設計される。パッチ５２は、三菱製紙株式会社（ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ ＰＡＰＥＲ ＭＩＬＬＳ ＬＩＭＩＴＥＤ）から市販されているようなリライタブル・フィルムからなる。三菱製紙株式会社のものからなるパッチを製造するために用いる技術は、打抜き型を必要なパッチのサイズに圧延する抜き打ち処理である。この打抜き型で完成品のパッチを打ち抜き、次いで、剥離フィルムに貼る。
【００１１】
図２には、パッチ５２をカードに応用するために用いることができるシステムまたは装置７０を示す。カード７４は離間する３箇所に示され、７４ａで示す位置１、７４ｂの位置２および７４ｃの位置３である。ユーザは装置７０を操作して、カード７４を第１の位置７４ａに置くとする。そして、カード７４を、例えば、コンベヤーベルトやローラ８６のような移送機構を使って移動し、最終的に位置７４ｂに運ぶ。位置７４ｂでは、カード７４に１枚のパッチ５２が貼られる。その後、カード７４は位置７４ｃに移動されて、装置からはずされ、リライタブル・パッチ５２付きとして使用可能となる。コントローラ８２は、移送機構８６の動作を制御する。
【００１２】
コントローラ８２は、また、供給スプール７６と、加熱ローラ７８と、巻取りスプール８０との動作も制御する（図２）。供給スプール７６には、剥離フィルム５０の細長いシートが巻かれている。コントローラ８２は、例えば、移送機構８６を用いて、カード７４を位置７４ａ、７４ｂ、７４ｃに運ぶことにより、これらの位置間のカード７４の移動と位置調整を制御する。さらに、コントローラ８２は供給スプール７６と巻取りスプール８０との動作を制御し、カード７４が加熱ローラ７８に最も近い位置７４ｂに配置されたときに、剥離フィルム５０の所望部分が加熱ローラ７８上にくるようにする。コントローラ８２は、さらに、位置７４ｂでパッチ５２とカード７４とが重なって位置が一致すると、フィルム５０の所望部分を加熱するように加熱ローラ７８の加熱部９０を制御する。
【００１３】
位置７４ｂでの剥離フィルム５０およびパッチ５２とカード７４との位置を容易に一致させるためには、位置合わせマーク５４（図１）を用いて、例えば光学読み取り装置を用いて、コントローラ８２が監視することができる。最終的に、コントローラ８２は移送機構８６を制御しカード７４を位置７４ｃまで移動させる。この位置７４ｃでは、カード７４はその上に粘着したパッチ５２を備えている。さらに、コントローラ８２は巻取りスプール８０を制御し、パッチ５２が取り除かれた剥離フィルム５０の部分を巻取り保持する。位置７４ｂから離れて配置された巻取りスプール８０および移送機構８６の動作の連携は、第１の接着剤よりも強い粘着性を有する第２接着剤５６により剥離フィルム５０からカード７４を引き離すことになる。供給スプールと巻取りスプールとが図示されているが、剥離フィルム５０の移送機構としては、いずれのタイプの移送機構を用いてよいことは明らかである。
【００１４】
カード７４は、加熱ローラ７８の外側または加熱ローラ７８から離間した位置７４ａでカード７４がスタートした場合、カード７４は方向７２に移動する。そして、カード７４は、加熱ローラ７８の最も近い位置７４ｂまで移動し、最後に加熱ローラ７８から離間した位置７４ｃまで移動する。図３に明確に示すように、カード７４が位置７４ｂの加熱ローラ７８近傍に移動すると、加熱ローラ７８の加熱部９０が作動し、パッチ５２の上端の（図１に示す）第２接着剤を加熱部９０が加熱する。この加熱により、第２接着剤５６の粘着性を活性化し、パッチ５２をカード７４に貼り付ける。上述したように、第２接着剤５６は剥離フィルム５０上にパッチ５２を保持する第１接着剤よりも強力である。したがって、移送機構８６および巻取りスプール８０が動くと、パッチ５２は剥離フィルム５０から離れ、カード７４に張り付く。パッチ５２が剥離フィルム５０から離れるところを強調的に示す図２および３に、パッチ・フィルム分離点８４を示す。
【００１５】
従来技術のシステムでは、身分証明カード自体にリライタブル性を持たせて作成した。このようなシステムは、カード作成前でも、カードがリライタブル性を有することになるということを知る必要がある。さらに、背景技術でも述べたように、特別な製造設備がカード製造には必要であり、一回で多数のカードを作成しなければならない。これに対して、本発明によるシステムでは、ユーザが使用するリライタブル性を有しない運転免許書等のような既存のカードに、後から、リライタブル材、および／または、リライタブル性を付け加えてもよい。さらに、従来技術のシステムでは多数のカードを作成する必要がある代わりに、一回でリライタブル・パッチ付の一枚のカードが作成できるので、従来技術で使用できる装置よりも小さい装置を使うことができ、卓上装置に組み込むことさえできる。カードをまさに要望に応じて本発明によって作成できる。
【００１６】
したがって、剥離フィルムにリライタブル・パッチを付着させ、これらのパッチをカードに選択的に貼り付けることにより、リライタブル・カードを製造するための改善型システムおよびその方法が実現する。
【００１７】
本発明を好適実施形態において説明したが、本発明は、添付の特許請求の範囲の記載を除き、これに限定されないことは明確である。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】図１は、本発明の一実施形態による剥離シートの上面である。
【図２】図２は、本発明の一実施形態において使用可能なシステムの側面切り取り図である。
【図３】図３は、図２のシステムの一部の拡大図である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
フレキシブル剥離フィルムと、
リライタブル性を有する少なくとも１枚のパッチであって、パッチには第１面と第２面とがあり、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含むパッチとの、組み合わせにおいて、
パッチの第１面は第１接着剤によりフレキシブル剥離フィルムに付着され、
第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有し、第２接着剤が活性化した状態で、パッチがカードに接触すると、パッチは剥離フィルムからの離脱と第２接着剤によるカードへの付着を実行する組み合わせ。
【請求項２】
パッチの断面は長方形である、請求項１に記載の組み合わせ。
【請求項３】
剥離フィルムは少なくとも一つの位置合わせマークを含む、請求項１に記載の組み合わせ。
【請求項４】
第２接着剤は熱により活性化される、請求項１に記載の組み合わせ。
【請求項５】
非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させる方法であって、パッチを第１位置に搬送するステップであり、パッチは剥離フィルムで運ばれ、リライタブル性を有し、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有しているステップと、
第１位置でパッチの至近距離内に非リライタブル・カードを搬送するステップと、
パッチがカードに付着するように第２接着剤を活性化するステップと、を備える方法。
【請求項６】
第１位置は加熱ローラに近い、請求項５に記載の方法。
【請求項７】
剥離フィルムを加熱ローラから離れる方向に搬送するステップと、
カードを加熱ローラから離れる方向に搬送するステップと、をさらに備え、第２接着剤の粘着性に加えて、剥離フィルムの搬送およびカードの搬送により、パッチは剥離フィルムから引き離される、請求項５に記載の方法。
【請求項８】
非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させるシステムであって、
リライタブル性を有する少なくとも一枚のパッチを保持する剥離フィルムであって、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有している剥離フィルムと、
剥離フィルムの第１位置への搬送を実行する第１移送機構と、
第１位置でパッチの至近距離内への非リライタブル・カードの搬送を実行する第２移送機構と、
第１移送機構および第２移送機構に接続されたコントローラであって、第２接着剤の活性化とパッチのカードへの付着を制御するコントローラと、を備えるシステム。
【請求項９】
加熱部を含む加熱ローラをさらに備え、
第１位置は加熱ローラの間近にあり、
コントローラは加熱部の制御を実行する、請求項８に記載のシステム。
【請求項１０】
パッチの断面は長方形である、請求項８に記載のシステム。
【請求項１１】
剥離フィルムは少なくとも一つの位置合わせマークを含み、コントローラは位置合わせマークを使って剥離フィルムを第１位置に搬送することを実行する、請求項８に記載のシステム。
【請求項１２】
コントローラは、さらに、
剥離フィルムを加熱ローラから離れる方向に搬送する第１移送機構の制御と、
パッチ付カードを加熱ローラから離れる方向に搬送する第２移送機構の制御と、を実行する、請求項９に記載のシステム。
【請求項１３】
コントローラが第１移送機構を制御し加熱ローラから離れる方向に剥離フィルムを搬送し、また第２移送機構を制御し加熱ローラから離れる方向にパッチ付カードを搬送すると、パッチは剥離フィルムから離れる、請求項１２に記載のシステム。
【請求項１】
フレキシブル剥離フィルムと、
リライタブル性を有する少なくとも１枚のパッチであって、パッチには第１面と第２面とがあり、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含むパッチとの、組み合わせにおいて、
パッチの第１面は第１接着剤によりフレキシブル剥離フィルムに付着され、
第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有し、第２接着剤が活性化した状態で、パッチがカードに接触すると、パッチは剥離フィルムからの離脱と第２接着剤によるカードへの付着を実行する組み合わせ。
【請求項２】
パッチの断面は長方形である、請求項１に記載の組み合わせ。
【請求項３】
剥離フィルムは少なくとも一つの位置合わせマークを含む、請求項１に記載の組み合わせ。
【請求項４】
第２接着剤は熱により活性化される、請求項１に記載の組み合わせ。
【請求項５】
非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させる方法であって、パッチを第１位置に搬送するステップであり、パッチは剥離フィルムで運ばれ、リライタブル性を有し、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有しているステップと、
第１位置でパッチの至近距離内に非リライタブル・カードを搬送するステップと、
パッチがカードに付着するように第２接着剤を活性化するステップと、を備える方法。
【請求項６】
第１位置は加熱ローラに近い、請求項５に記載の方法。
【請求項７】
剥離フィルムを加熱ローラから離れる方向に搬送するステップと、
カードを加熱ローラから離れる方向に搬送するステップと、をさらに備え、第２接着剤の粘着性に加えて、剥離フィルムの搬送およびカードの搬送により、パッチは剥離フィルムから引き離される、請求項５に記載の方法。
【請求項８】
非リライタブル・カードにリライタブル・パッチを付着させるシステムであって、
リライタブル性を有する少なくとも一枚のパッチを保持する剥離フィルムであって、パッチは第１および第２面を有し、第１面は第１接着剤を含み、第２面は第２接着剤を含み、第２接着剤は第１接着剤よりも強力な粘着性を有している剥離フィルムと、
剥離フィルムの第１位置への搬送を実行する第１移送機構と、
第１位置でパッチの至近距離内への非リライタブル・カードの搬送を実行する第２移送機構と、
第１移送機構および第２移送機構に接続されたコントローラであって、第２接着剤の活性化とパッチのカードへの付着を制御するコントローラと、を備えるシステム。
【請求項９】
加熱部を含む加熱ローラをさらに備え、
第１位置は加熱ローラの間近にあり、
コントローラは加熱部の制御を実行する、請求項８に記載のシステム。
【請求項１０】
パッチの断面は長方形である、請求項８に記載のシステム。
【請求項１１】
剥離フィルムは少なくとも一つの位置合わせマークを含み、コントローラは位置合わせマークを使って剥離フィルムを第１位置に搬送することを実行する、請求項８に記載のシステム。
【請求項１２】
コントローラは、さらに、
剥離フィルムを加熱ローラから離れる方向に搬送する第１移送機構の制御と、
パッチ付カードを加熱ローラから離れる方向に搬送する第２移送機構の制御と、を実行する、請求項９に記載のシステム。
【請求項１３】
コントローラが第１移送機構を制御し加熱ローラから離れる方向に剥離フィルムを搬送し、また第２移送機構を制御し加熱ローラから離れる方向にパッチ付カードを搬送すると、パッチは剥離フィルムから離れる、請求項１２に記載のシステム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００８−１３７３７９（Ｐ２００８−１３７３７９Ａ）
【公開日】平成２０年６月１９日（２００８．６．１９）
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願２００７−２７３１５６（Ｐ２００７−２７３１５６）
【出願日】平成１９年９月２０日（２００７．９．２０）
【出願人】（５０７３４７４３９）カネマツ ユーエスエー インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Ｋａｎｅｍａｔｓｕ ＵＳＡ，Ｉｎｃ．
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月１９日（２００８．６．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２７３１５６（Ｐ２００７−２７３１５６）
【出願日】平成１９年９月２０日（２００７．９．２０）
【出願人】（５０７３４７４３９）カネマツ ユーエスエー インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Ｋａｎｅｍａｔｓｕ ＵＳＡ，Ｉｎｃ．
【Ｆターム（参考）】
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