説明

見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法

【課題】アウトバウンド・マーケティングにおいて、効率の良い販売促進あるいは参加募集を行うことができる見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法を提供する。
【解決手段】複数の顧客に対して、顧客固有の顧客IDをURIに含むWebページへのリンクを含むアウトバウンドメールを送信し、このアウトバウンドメールに含まれるリンクを顧客が辿った場合に、オンライン販売店内において顧客がどのようなページにアクセスしたか、どのような行動をしたか、を行動ログとして記録する。行動ログを基に、顧客の行動1つ1つに対して所定のポイントを与え、集計することにより、見込みポイントを顧客毎に算出する。所定の値以上の見込みポイントを有する顧客を抽出し、抽出した顧客に対して、より積極的な販売促進行動を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の商品、サービス、イベントに関するWebページを訪れた顧客の中から、商品、サービス、イベントに興味を抱く顧客を抽出する見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、特定の商品やサービスの販売や、イベントの参加者募集等を、インターネットのWebサイト上にて行うことが一般的となっている。このようなWebサイトを開設するだけではなく、Webサイトを閲覧するインターネットユーザに対して、積極的に働きかけ、販売促進あるいは参加促進を行いたい、と言う要望がある。
このように、商品やサービスを提供する側、あるいはイベントを開催する側が積極的に顧客に対して働きかける手法の一形態として、アウトバウンド・マーケティングと呼ばれる手法がある。アウトバウンド・マーケティングとは、商品販売やサービス提供、イベント開催を行う企業等が、電話やEメール等により顧客に直接コンタクトをとり、商品やサービスの売り込み、あるいはイベントへの参加募集を行う、という手法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アウトバウンド・マーケティングを実行するために、企業は、まずコンタクトをとる顧客の連絡先を入手する必要がある。
顧客連絡先の入手方法としては、例えば、インターネットや雑誌等でアンケートやキャンペーンを行い入手する方法や、過去に自社等の商品に対して問い合わせや購入を行った顧客をリスト化する方法等が挙げられる。
【0004】
アウトバウンド・マーケティングでは、企業等はこのようにして入手した顧客リストに記載された顧客に対してそれぞれ個別にコンタクト(電話やEメール等)をとり、販売促進あるいは参加募集行動を行うことになる。しかし、顧客リストの入手法によっては、リスト内の全てが企業の商品、サービス、イベント等に対して興味を抱いているわけではないため、顧客によっては電話やEメールによる顧客への直接的なコンタクトが功を奏しないこともありうる。このような場合には、アウトバウンド・マーケティングに要する労力と、実際に得られる販売促進あるいは参加募集効果とが釣り合わず、効率が悪い、という事態が生じうる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、アウトバウンド・マーケティングにおいて、効率の良い販売促進あるいは参加募集を行うことができる見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した不利益を解決するために、第1の発明の見込み顧客抽出システムは、所定Webサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した、顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベースと、ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するサーバと、を有し、前記サーバは、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎の行動ログとして前記第3のデータベースに記憶し、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎の行動ログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した、見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する。
【0007】
第2の発明の見込み顧客抽出方法は、所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した、顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベースと、ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するサーバと、を有する見込み顧客抽出システムの見込み顧客抽出方法であって、前記サーバが、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信するステップと、前記サーバが、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎の行動ログとして前記第3のデータベースに記憶するステップと、前記サーバが、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎の行動ログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した、見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
アウトバウンド・マーケティングにおいて、効率の良い販売促進あるいは参加募集を行うことができる見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】インターネット上にオンライン販売店を設立し、効率よくオンライン販売店の販売促進行動を行うための販売促進システム100の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、オンライン販売店に関する操作を行う端末の構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、アウトバウンド・マーケティングにより販売促進行動を行う際の販売促進システム100の動作例について説明するための図である。
【図4】図4は、端末の表示部に表示される、アウトバウンドメール作成画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、顧客がオンライン販売店に訪れた場合の販売促進システム100の動作例について説明するための図である。
【図6】図6は、見込みポイントが高い顧客を抽出する処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下では、本発明の1つの実施形態として、企業がある商品に関するWebサイトを開設し、当該サイト内で商品のオンライン販売を行う場合について説明する。
【0011】
図1は、インターネット上にオンライン販売店を設立し、効率よくオンライン販売店の販売促進行動を行うための販売促進システム100の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、販売促進システム100は、端末1、サーバ2、データベース(DB)3、ネットワーク4を有する。
【0012】
端末1は、例えばPC(Personal Computer)等の端末装置であり、オンライン販売店を開設した企業によって使用され、オンライン販売店に関するデータの入出力やインターネット上での各種販売促進行動を行うためのものである。
図2は、端末1の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、端末1は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)等の表示部11、マウスやキーボード等の操作部12、スキャナ等の入力部13、プリンタ等の出力部14、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部15等により構成される。
【0013】
サーバ2は、端末1およびネットワーク4と接続されたサーバ装置であり、端末1により作成されたオンライン販売店のWebデータ等、オンライン販売店をネットワーク4上に構築するためのデータ類を記憶する。また、サーバ2は、ネットワーク4を介して、ネットワーク4に接続された様々な端末からのリクエストを受け、オンライン販売店のWebデータを送り返す。このようにして、ネットワーク4上にオンライン販売店が設けられ、ネットワーク4に接続された任意の端末から、オンライン販売店にアクセスすることが可能となる。
また、サーバ2は、DB3に接続されており、DB3内のデータに対する読み出しおよびDB3に対する書き込みが可能である。
【0014】
DB3は、オンライン販売店に関するデータを管理するデータベースである。
DB3は、オンライン販売店のWebサイトに関するデータ(Webデータと称する)を記憶するWebデータDB31と、オンライン販売店にて商品やサービスの閲覧・購入等を行う顧客の連絡先等を記憶する顧客DB32と、顧客のオンライン販売店における行動を記憶する行動ログDB33と、を有する。
【0015】
ネットワーク4は、インターネット・プロトコル技術等を利用して相互接続されたコンピュータネットワークであり、例えばインターネットである。ネットワーク4は、サーバ2および図示しない多数のコンピュータに接続されている。ネットワーク4に接続されたあるコンピュータは、他のコンピュータからのリクエストに応じて、所定のデータを返す。このような仕組みにより、コンピュータによるネットワーク接続および閲覧が可能となっている。
【0016】
このような販売促進システム100において、企業は、端末1を使用して、オンライン販売店のWebデータの生成および編集を行う。これにより、オンライン販売店のWebサイトがネットワーク4上に開設され、そのデザインやページ構成等の編集を行うことができる。
オンライン販売店のWebサイトは、一般的には、例えばトップページと呼ばれる出入り口の役割を果たすページ、取り扱う商品やサービスの紹介ページ、商品やサービスの検索ページ、特価商品やサービスのページ、会員登録のページ、会員限定のページ、特定の商品やサービスのアピールを行うためのイベントページ等、複数のWebページにて構成される。これらのページには互いにリンクが貼られており、無条件に、あるいは特定の条件(IDおよびパスワード等)を満たした場合のみページ間を移動することができるような設定が可能である。これらの設定は、企業が端末1を介して行うことができ、設定データはDB3のWebデータDB31に記憶される。
【0017】
ところで、上述したようなオンライン販売店をネットワーク4上に開設しても、開設当初は、多くのネットワークユーザはそのオンライン販売店の存在を知らず、オンライン販売店を訪れる顧客は存在しない。このため、検索サイトに登録したり、Web広告を依頼したりする等、販売促進行動を行うことになる。
以下では、このようなオンライン販売店において、企業が販売促進行動を行う場合の販売促進システム100の動作例について説明する。
【0018】
以下では、販売促進行動として、オンライン販売店の顧客となりそうなネットワークユーザのリストを何らかの手段で入手し、直接リストのユーザに対して電話をかけたりEメールを送付したりするアウトバウンド・マーケティングの手法を使用する。
なお、上述した何らかの手段については、本実施形態では特に限定しない。例えば、オンライン販売店に訪れた顧客から直接Eメールアドレス等の情報を集め、リストを作成しても良いし、他のサイトに広告やアンケート等を配置し、それを見てアクセスしてきたネットワークユーザの連絡先を集めるようにしても良い。
このように入手された顧客候補の連絡先のリストは、DB3の顧客DB32に記憶される。
すなわち、顧客DB32は、各顧客の連絡先(Eメールアドレス等)等の情報を記憶する。
【0019】
また、以下行う説明では、アウトバウンド・マーケティングにおける連絡手段として、Eメールを使用する場合について説明するが、本発明はこれには限定されず、例えば電話を使用して連絡を行っても良い。
図3は、アウトバウンド・マーケティングにより販売促進行動を行う際の販売促進システム100の動作例について説明するための図である。
【0020】
ステップST1:
端末1は、企業の操作に応じて、アウトバウンド・マーケティングのためのEメール(以下、アウトバウンドメールと称する)を作成する。
図4は、アウトバウンドメールの作成時に端末1の表示部11に表示される画面表示の一例を示す。
図4に示すように、アウトバウンドメールの作成時には、表示部11にアウトバウンドメール作成画面200が表示される。
本文編集欄201は、アウトバウンドメールの本文を編集するための欄である。
企業は、本文編集欄201にてアウトバウンドメールの編集を行う。
アウトバウンドメールの内容は、例えば、特定の商品の紹介文や、紹介する商品の詳細について説明したWebページのURI(Uniform Resource Identifier)等である。
【0021】
ステップST2:
端末1は、ステップST1にて作成したアウトバウンドメールを、顧客DB32に記憶された顧客の連絡先に対して送信する。
【0022】
次に、アウトバウンドメールを受信した顧客や、その他の顧客(例えば検索サイトにてオンライン販売店にて扱う商品を検索した顧客や、Web広告を見た顧客等)がオンライン販売店に実際に訪れた場合の販売促進システム100の動作例について説明する。
図5は、顧客がオンライン販売店に訪れた場合の販売促進システム100の動作例について説明するための図である。
【0023】
ステップST3:
サーバ2は、WebデータDB31から顧客がネットワーク4を介して要求してきたWebデータを読み出し、送信する。
ステップST4:
サーバ2は、顧客毎の行動ログを作成し、行動ログDB33に顧客毎に記憶する。
行動ログとは、例えば、顧客がどのページを閲覧し、どのような操作(例えば、商品ページの参照、商品の注文、注文の取り消し、等)を行ったか、等、オンライン販売店のWebサイト内における顧客の行動を示すログデータである。
【0024】
行動ログの作成方法は、例えば以下のように行う。
例えば、ステップST1において作成するEメールに、URIに顧客毎に固有の顧客ID等を含むWebページへのリンクを記載する。
ここで、顧客IDとは、顧客毎に予め与えた番号や文字列等である。
また、顧客ID以外にも、リンク先のWebページにおいて特定商品の紹介や割引セール等のイベントを行う場合には、そのイベントに対応したイベントIDを含むようにしても良い。
【0025】
顧客毎に固有の顧客IDを含むURIは、例えば、顧客毎に異なる内容のWebページへのリンクである。
このアウトバウンドメールに含まれるリンクを、アウトバウンドメールを受信した顧客が辿ると、顧客の使用するコンピュータが、ネットワーク4を介してサーバ2に対してリンク先URIのWebページのWebデータを要求する。
サーバ2は、顧客のコンピュータからこのような要求を受けると、URIに含まれる顧客IDと、URIの示すWebページとを記録して、顧客毎の行動ログを作成する。また、行動ログには、各Webページにおける、顧客の行動(例えば、商品購入ボタンを押した、商品についての質問フォームに質問を記入した、等)についても含めて記録する。作成した行動ログは、DB3の行動ログDB33に記憶する。
URIにイベントIDが含まれる場合は、そのURIは特定の商品の紹介を行うページや、特売のページ、限定品のページ等、何らかのイベントを行うページであるため、サーバ2はイベントIDも含めて行動ログを作成する。
すなわち、行動ログは、どの顧客がオンライン販売店のWebサイト内のどのページを閲覧したか、および、各ページにおいてどのような行動をしたか、を逐一記録するログである。したがって、行動ログを参照すれば、その顧客がどのような商品についてのページを閲覧し、どのような商品を購入したか、あるいはどのような商品を購入しそうになった(例えば、商品購入ページにおいて商品購入ボタンを押したが、購入意思の最終確認ページにおいて最終確認時に購入決定ボタンを押さなかった、等)か、が分かるようになる。
【0026】
なお、アウトバウンドメールに含まれる、顧客毎に固有の顧客IDを含むURIのリンクを辿ると辿り着くWebページは、上述したように顧客毎に異なるWebページである。顧客毎に異なるWebページは、例えば各当該顧客の行動ログを基に、その顧客がどのような商品に興味を抱いているか、を分析し、分析結果を基に顧客が興味を抱きそうな商品についてのページであり、例えば企業により予め作成されWebページDB31に記憶される。
このように、アウトバウンドメールに記載されたリンクを顧客が辿ると、そのWebページへのアクセスログがサーバ2において得られ、そこからオンライン販売店のサイト内の各ページにおいて、ユーザがどのような行動をしたかについての情報を含む顧客毎の行動ログを作成することができる。
【0027】
なお、ここでは顧客毎に異なるWebページを作成し、アウトバウンドメールに作成したWebページへのリンクを記載する例について説明したが、本発明はこれには限定されない。すなわち、全ての顧客に対して同じWebページ(例えばおすすめ商品の詳細ページ等)へのリンクの記載されたアウトバウンドメールを送信しても良い。ただし、この場合でも、リンクのURIに顧客IDを文字列として含ませておき、顧客が当該ページにアクセスしてきた時に、そのログを収集できるようにすれば良い。
【0028】
ステップST5:
サーバ2は、ステップST4において作成した顧客毎の行動ログを基に、顧客の各行動に対してポイントを付与する。本実施形態では、顧客の行動に対して付与するポイントのことを、例えば見込みポイントと称する。
見込みポイントは、各顧客がどの程度オンライン販売店に対して利益をもたらす見込みが高いか、を判定するためのものである。見込みポイントは、顧客のオンライン販売店のサイト内における行動のそれぞれに対応した所定のポイントを予め設定しておき、行動ログを参照して顧客の行動の全てにポイントを付与し、合算したものである。
【0029】
顧客の各行動に応じて付与するポイントは、例えば以下のように設定する。
まず、アウトバウンドメールに記載された、顧客毎に異なるWebページのリンクを顧客が辿ると、当該顧客に所定のポイントを付与する。当該Webページは、例えば当該顧客の過去の行動ログを基に作成されたものであるため、当該顧客の興味を引きそうな商品の紹介や、類似商品へのリンク等を含んでいる。このようなWebページ内のリンクを辿ると、その度にその顧客には所定の見込みポイントが加算される。そして、最終的に顧客が商品の購入ページにおいて購入ボタンを押したり、購入完了の確認ページ等に進み最終確認時に購入決定のボタンを押したりすると、より多くのポイントが付与されるようになっている。
【0030】
見込みポイントは顧客が商品の購入を行う見込みが高いか否かを示すためのものであるため、商品の購入ページまで進んだ顧客には、(購入の最終確認が行われていなくても)多くのポイントを付与し、さらに商品購入の確認ページにおいて最終確認時に購入決定のボタンを押した顧客には、さらに多くのポイントを付与する。
すなわち、各ページにおいて付与するポイントを一定ではなく、例えば購入ページを閲覧した場合よりも購入完了の確認ページを閲覧した場合の方により多くのポイントを付与するなど、各顧客のオンライン販売店における購入見込みのあるなしがよりはっきりするようなポイントの与え方をすれば良い。
そして、このように付与したポイントを集計することにより、顧客毎の見込みポイントを確定する。
【0031】
このように、本実施形態の販売促進システム100では、顧客の各行動に対して所定のポイントを付与し、それを累計することにより、その顧客の過去の行動から、当該顧客がオンライン販売店において商品の購入を行う見込みが高い顧客であるか否かを判定することができるようになる。
【0032】
以上説明したように、顧客に送付したアウトバウンドメールに顧客IDをURIに含むリンクを付加して送付することにより、顧客毎の行動ログを容易に収集することができる。また、行動ログを基に、その顧客がオンライン販売店において商品を購入する見込みが高いか否かを示す指標である見込みポイントを算出することができる。
以下では、このように算出した見込みポイントを基に、見込みポイントが高い顧客を抽出する処理について説明する。
図6は、見込みポイントが高い顧客を抽出する処理について説明するための図である。
【0033】
ステップST6:
サーバ2は、端末1における企業の操作などに応じて、ステップST5において付与した見込みポイントを参照し、所定のしきい値より高い見込みポイントを有する顧客を抽出する。
本ステップにおける見込みポイントのしきい値の設定方法については、本実施形態では特に限定しない。例えば、抽出される顧客の数が所定数以下になるようにしきい値を設定するようにすればよい。
ステップST7:
サーバ2は、端末1における企業の操作などに応じて、ステップST6において抽出した見込みポイントが高い顧客のリストを作成し、顧客DB32にこれを記憶する。
ステップST8:
ステップST7において作成した、見込みポイントが高い顧客リスト内の顧客に対して、アウトバウンドメールの更なる送信を行う等の積極的な販売促進行動を行う。
ステップST7において作成した、見込みポイントが高い顧客リスト内の顧客は、リスト外の顧客と比較して、オンライン販売店における商品の購入見込みが高いと思われる顧客である。このため、見込みポイントが高い顧客リスト内の顧客に対して、より頻繁なアウトバウンドメールの送信等を行うことにより、効率の良い販売促進活動を行うことができるようになる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の販売促進システム100では、複数の顧客に対して、顧客固有の顧客IDをURIに含むWebページへのリンクを含むアウトバウンドメールを送信し、このアウトバウンドメールに含まれるリンクを顧客が辿った場合に、オンライン販売店内において顧客がどのようなページにアクセスしたか、どのような行動をしたか、を行動ログとして記録する。そして、行動ログを基に、顧客の行動1つ1つに対して所定のポイントを与え、集計することにより、顧客がオンライン販売店において商品の購入を行う見込みが高いか否かを示す見込みポイントを顧客毎に算出する。さらに、所定の値以上の見込みポイントを有する顧客を抽出し、抽出した顧客に対して、より頻繁にアウトバウンドメールを送信する等、より積極的な販売促進行動を行う。
【0035】
また、このような処理を繰り返すことにより、オンライン販売店における購入の見込みが高い顧客を絞り込むことができる。このため、絞り込んだ見込みポイントの高い顧客には、顧客毎の行動ログを基に、顧客に合わせた内容のアウトバウンドメールを送信し、そうでない顧客には、特に対象を限定しない商品紹介ページへのリンク等を含むアウトバウンドメールを送信する等、効率の良い販売促進行動を行うことができるようになる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、顧客の行動ログを基に、顧客毎に異なるリンク先のURIを含むアウトバウンドメールを企業が端末1において作成していたが、これには多くの労力が必要となる。この労力を軽減するために、例えば、顧客を見込みポイントに応じて所定数のレベルに分類し、レベル毎に異なるリンク先のURIを含むアウトバウンドメールを作成して送信するようにしても良い。
すなわち、例えば、全顧客を見込みポイントの値に応じてレベルA〜Cの3つのレベルに分け、最も見込みポイントが高いレベルであるレベルAの顧客には、より詳細な商品の情報が記載されたWebページのURIを含むアウトバウンドメールを送信し、見込みポイントが低いレベルであるレベルCの顧客には、最低限の内容のみが記載されたWebページのURIを含むメールを送信する等しても良い。
【0037】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0038】
上述した実施形態では、インターネット等のネットワークを利用したオンライン販売店における販売促進システム100について説明した。
しかし、本発明は、ネットワーク上にオンライン販売店を設立しない場合でも適用が可能である。
例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0039】
<変形例1>イベント参加者募集:
例えば、何らかのイベント(コンサート、セミナー、即売会、商品の試用モニター募集等)の参加者をインターネットを介して募る場合にも適用が可能である。
すなわち、イベント開催の告知Webページ、イベント詳細ページ、イベント申し込みページ、イベント申し込み完了ページ、イベントに関するアンケートのページ等を作成し、何らかの手段にて入手したイベント参加候補者リスト内の各候補者に対してこれらのWebページのURIおよびイベント候補者毎のIDを含むアウトバウンドメールを送信する。
そして、アウトバウンドメール内に記載されたURIを辿り,各候補者がどのページを閲覧したか、どのような行動(イベント申し込みを行う、イベントに関する質問をする、等)をしたか、を行動ログとして記録する。
さらに、上述した実施形態と同様に、行動ログに記録された各候補者の各行動に対して所定のポイントを付与し、累積して候補者毎の見込みポイントを算出する。そして、所定値以上の見込みポイントを有する候補者を抽出すると、抽出された候補者はイベントに対して参加する見込みが高い候補者であるため、この候補者達に対してより積極的なイベントへの参加促進行動(更なるアウトバウンドメール送信等)を行うことにより、効率よくイベントへの参加促進行動を行うことができる。
【0040】
<変形例2>新製品の紹介
企業等が新製品の紹介を行う場合、すなわち、販売よりも新製品のアピールを主目的とする場合にも、本発明を適用することができる。
例えば、新製品の発売告知ページ、新製品の詳細ページ、新製品に関するQ&Aのページ、等の複数のWebページを用意し、何らかの手段にて入手した顧客リスト内の顧客に対してこれらのWebページのURIおよび顧客毎のIDを含むアウトバウンドメールを送信する。
そして、アウトバウンドメール内に記載されたURIを辿り,各顧客がどのページを閲覧したか、等の行動を行動ログとして記録する。
さらに、上述した実施形態と同様に、行動ログに記録された各顧客の各行動に対して所定のポイントを付与し、累積して顧客毎の見込みポイントを算出する。そして、所定値以上の見込みポイントを有する顧客を抽出すると、抽出された顧客は新製品に対して強い興味を抱いていると思われる顧客であるため、この顧客達に対してより積極的な新製品のアピール(更なるアウトバウンドメール送信等)を行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
100・・・販売促進システム、1・・・端末、11・・・表示部、12・・・操作部、13・・・入力部、14・・・出力部、15・・・記憶部、2・・・サーバ、3・・・DB、31・・・WebデータDB、32・・・顧客DB、33・・・行動ログDB、4・・・ネットワーク、200・・・アウトバウンドメール作成画面、201・・・本文編集欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、
前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、
前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した、顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベースと、
ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するサーバと、
を有し、
前記サーバは、
前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し、
前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎の行動ログとして前記第3のデータベースに記憶し、
前記第3のデータベースに記憶された顧客毎の行動ログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した、見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する
見込み顧客抽出システム。
【請求項2】
前記所定のWebサイトは、所定の商品、サービス、イベントの少なくともいずれかに関するWebサイトであり、
前記見込みポイントは、顧客毎の行動ログを基に、前記商品に対する購入見込み、前記サービスに対する申し込み見込み、前記イベントに対する参加見込みの少なくともいずれかを示すように当該顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出する
請求項1に記載の見込み顧客抽出システム。
【請求項3】
前記商品、サービス、イベントを提供する提供主の操作を受け付ける端末をさらに有する
請求項1または2に記載の見込み顧客抽出システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記端末を介した前記提供主の操作に応じて、前記顧客毎に前記Eメールの内容を編集する
請求項3に記載の見込み顧客抽出システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記抽出した顧客に応じて前記第2のデータベースを更新する
請求項4に記載の見込み顧客抽出システム。
【請求項6】
所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した、顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベースと、ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するサーバと、を有する見込み顧客抽出システムの見込み顧客抽出方法であって、
前記サーバが、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信するステップと、
前記サーバが、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎の行動ログとして前記第3のデータベースに記憶するステップと、
前記サーバが、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎の行動ログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した、見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出するステップと、
を有する見込み顧客抽出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−92934(P2013−92934A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235179(P2011−235179)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)