説明

規定された症状を診断および治療する方法およびシステム、およびこのようなシステムを操作する方法

本書には、とりわけ、患者に規定された症状を改善する方法、システムおよびキットを開示しており、当該方法は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域である一組の1以上の補正領域を選択するステップであって、1以上の補正領域は症状ト関連しているステップと、1以上の補正領域に1以上の矯正要素して、その結果症状を改善させるステップとを含む。更に本書には、患者に規定された症状または規定された症状に関連している患者の規定の原因に関連するこのような補正領域を提供するための方法およびシステムも提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の規定された症状を診断および/または治療する方法およびシステムに関し、さらにこのようなシステムを操作する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬物を使用することなく、人間の健康状態を向上させる様々な方法およびデバイスがある。
【0003】
伝統的な方法について言及すると、一般的に利用される代替医療は伝統的な漢方薬(TCM)に関係している。TCMが強調する概念によると、病気や疾患は経路の閉鎖によるものである。鍼治療は、経路上に位置する経穴に鍼を挿入することにより、気の流れを回復するために用いられる手段の1つである。指圧は、圧力、伸縮、摩擦および矯正運動を利用して気の流れを回復させる。時として、指圧は身体のつぼに圧力を適用し、所望の経路に容易に長期間圧力がかかるようにする。
【0004】
西欧諸国での治療は、心理療法、理学療法、リフレクソロジーのバイオフィードバックおよび神経バイオフィードバック、認知行動療法、生活技能訓練、支援グループ等を組み込みながら発展した。
【0005】
複数のデバイスおよび技術が、患者の生理的状態、さらには心理状態や認識状態を矯正すべく発展してきた。
【0006】
米国特許第5,963,294号は、患者の心理状態を変化させる治療用眼鏡および眼鏡の使用方法を記載している。この治療用眼鏡は、患者の眼を覆うのに十分なサイズの少なくとも1つのレンズを具えている。このレンズは、視野を横方向の視界に限定する。
【0007】
米国特許第6,610,081号は、患者の眼に伝達される周囲部分のフィルタリングによって、片頭痛および関連する疾患を治療する方法および装置を記載している。
【0008】
米国特許第4,300,819号は、色覚異常の人々または閲覧者が使用する眼鏡を記載しており、これらは2つのレンズを有し、その一方は透明で他方は着色されて構成されている。各レンズは、眼鏡の前方から見たときに反射面または鏡面を有するように形成される。色覚異常の閲覧者が装着する場合、レンズの組み合わせは異なる色に着色された物体を区別する色覚異常の閲覧者の能力を向上させながら、反射面または鏡面によって、レンズが他の人または閲覧者と同じに見えるようにすると説明されている。
【0009】
米国特許第5,050,982号は、スポーツ活動中の視力を向上させる方法および装置を記載している。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、第1の態様に応じて、患者の規定された症状を向上させる方法を提供しており、当該方法は:
患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域である一組の1以上の補正領域を選択するステップであって、当該1以上の補正領域は前記症状と関連しているステップと;
1以上の矯正要素を前記1以上の補正領域内に設置し、その結果、前記症状を向上させるステップとを含む。
【0011】
本発明はさらに、第2の態様に応じて、患者の規定された症状を向上させるシステムを提供しており、当該システムは:
規定された症状および前記症状それぞれに関連する補正領域のデータベースを具える管理モジュールであって、補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域である管理モジュールと;
患者の症状の詳細を入力するための入力ユーティリティと;
前記症状に関連する一組の1以上の補正領域を出力するための出力ユーティリティとを具える。
【0012】
本発明の態様により、コンピュータプログラム製品が更に提供されており、当該製品は患者の規定された症状を向上させる方法を実行すべく内部に組み込まれたコンピュータ読取可能なプログラムコードを有するコンピュータ利用可能な媒体を具え、当該コンピュータプログラム製品は:
患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域である1組の1以上の補正領域をコンピュータに選択させるためのコンピュータ読取可能なプログラムコードであって、前記1以上の補正領域は前記症状と関連しているプログラムコードと;
選択された補正領域を示すデータをコンピュータに出力させ、ユーザが補正領域の表面領域上または角度領域内に1以上の矯正要素を設置するのを可能にし、前記症状を向上させるためのコンピュータ読取可能なプログラムコードとを具える。
【0013】
本発明の更なる態様は患者の規定された症状を向上させるためのキットを提供しており、当該キットは:
選択された一組の1以上の補正領域に適用する1以上の矯正要素と;
前記1以上の矯正要素を適用するための説明書とを具えており、当該説明書は前記規定された症状と関連している一組の1以上の補正領域の選択を含み、当該補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界(FOV)内の特定の角度領域である。
【0014】
本発明の更なる態様では、患者の規定された症状に関連する補正領域を提供する方法が開示されており、当該方法は:
患者の規定された症状を特定する入力を得るステップと;
特定の規定された症状を用いて第1のデータベースに照会し特定の規定された症状に関連する補正領域を得るステップであって、前記補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域に対応しているステップと;
補正領域を用いて構成された検査に対する患者の反応を示す結果を得るステップと;
所定の成績の閾値を満たす選択された補正領域に対する患者の反応を条件として、選択された補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含む。
【0015】
本発明の更に他の態様に応じて本書に提供されている更なる方法は、規定された症状に関連する患者の規定された原因に関係する補正領域を提供するための方法であり、当該方法は:
規定された症状を特定する入力を得るステップと;
第1のデータベースに照会し、特定の規定された症状に関連する規定された原因を判定するステップと;
特定の規定された症状および規定された原因を用いて第2のデータベースに照会し、特定の規定された症状および規定された原因に関連する補正領域を得るステップであって、前記補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の規定の角度領域に対応しているステップと;
補正領域を用いて構成された検査に対する患者の反応を示す結果を得るステップと;
所定の成績の閾値を満たす選択された補正領域に対する患者の反応を条件として、選択された補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含む。
【0016】
本発明はさらに、更なる態様に応じて、患者の規定された症状に関する補正領域を提供するためのシステムを提供しており、当該システムは:
患者の規定された症状を特定する入力データを受信する入力インタフェースと;
特定した規定された症状に関連する各補正領域を応答すべく規定された症状を特定する照会に反応する第1のデータベースであって、前記補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域に対応しているデータベースと;
補正領域を用いて構成された検査に対する患者の反応を示す結果を得るよう適合している検査構成および管理モジュールと;
選択された補正領域に対する患者の反応が所定の成績の閾値を満たすか否かを判断するよう適合している検査評価モジュールと;
選択された補正領域に関する出力データとして提供するよう適合している出力提供モジュールとを具える。
【0017】
患者の規定された症状に関連する、患者の規定された原因に関する補正領域を提供するためのシステムが更に本書に開示されており、当該システムは:
規定された症状を特定する入力を受信する入力インタフェースと;
特定した規定された症状に関連する規定された原因を応答すべく、規定された症状を特定する照会に反応する第1のデータベースと;
特定した規定された症状および規定された原因に関連する補正領域を応答すべく規定された原因を特定する照会に反応する第2のデータベースであって、前記補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域に対応している第2のデータベースと;
補正領域を用いて構成された検査に対する患者の反応に関する兆候を得るよう適合している検査構成および管理モジュールと;
選択された補正領域に対する患者の反応が所定の成績の閾値を満たすか否かを判断するよう適合している検査評価モジュールと;
選択された補正領域に関する出力データとして提供するよう適合している出力提供モジュールとを具える。
【0018】
本発明の更なる態様に応じて、マシンによって読取可能であり、患者の規定された症状に関する補正領域を提供する方法を実行すべく、マシンによって実行可能な指示のプログラムを具体的に組み込んだプログラム記憶デバイスが提供されており、当該プログラムは:
患者の規定された症状を特定する入力を得るステップと;
特定した規定された症状を利用して第1のデータベースに照会し、特定した規定された症状に関連する補正領域を得るステップであって、前記補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域に対応しているステップと;
補正領域を用いて構成された検査に対する患者の反応を示す結果を得るステップと;
所定の成績の閾値を満たす選択された補正領域に対する患者の反応を条件として、選択された補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含む。
【0019】
本発明の更なる態様では、マシンによって読取可能であり、患者の規定された症状に関連する患者の規定された原因に関する補正領域を提供する方法を実行すべく、マシンによって実行可能な指示のプログラムを具体的に組み込んだプログラム記憶デバイスが提供されており、当該プログラムは:
規定された症状を特定する入力を得るステップと;
第1のデータベースに照会し、特定した規定された症状に関連する規定された原因を判定するステップと;
特定した規定された症状および規定された原因を用いて第2のデータベースに照会し、特定した規定された症状および規定された原因に関連する補正領域を得るステップであって、前記補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界内の特定の角度領域に対応しているステップと;
補正領域を用いて構成された検査に対する患者の反応を示す結果を得るステップと;
選択された補正領域に対する患者の反応が所定の成績の閾値を満たすことを条件に、選択された補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明を理解し、実際に如何に実行できるかを理解するため、添付の図面を参照して、非限定的な例のみによって実施形態が記載されている。
【図1】図1Aおよび図1Bは、本発明の一実施形態による矯正要素を配置すべく極座標系が付けられた眼鏡(図1A)、および極座標系に基づいて眼鏡に配置された幾つかの例示的な矯正要素(図1B)の正面概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、直交座標系に従って配置された幾つかの矯正要素を有する患者の顔の皮膚の正面概略図である。
【図3】図3は、本発明の幾つかの実施形態による、患者の規定された症状に関する少なくとも1の補正領域を提供するシステムのブロック図である。
【図4】図4は、本発明の幾つかの実施形態による、患者の規定された症状に関する1以上の補正領域を提供する方法のフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の幾つかの実施形態による、規定された症状および規定された症状に関連する患者の予想される規定の原因に関連する補正領域を提供するシステムのブロック図である。
【図6】図6は、本発明の幾つかの実施形態による、規定された症状および規定された症状に関連する患者の予想される規定の原因に関連する補正領域を提供する方法のフローチャートである。
【図7】図7A乃至図7Cは、矯正眼鏡を使用する前(図7A)、本発明の方法による補正(図7B)、および矯正眼鏡を取り外した後(図7C)のADDを有すると診断された患者の総合視覚/聴覚(IVA)持続処理課題(CPT)の結果であり、RCQは応答制御指数(Response Control Quotient)を示し、AQは注意力指数(Attention Quotient)を示し、Pruは慎重さ(Prudence)を示し、CONは一貫性(Consistency)を示し、STAは体力(Stamina)を示し、VIGは覚醒状態(Vigilance)を示し、FOCは集中(Focus)を示し、SPDは速度(Speed)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は補正領域を規定する固有のマップの開発に基づくものであり、このマップは患者の皮膚の表面における表面領域または特定の角度領域であり、表面領域および角度領域は患者の視界(FOV)内にあり、1以上の補正領域が状態に関連している。このマップは、診断および/または治療する方法、患者の規定された症状を診断および/または向上させるシステムやデバイス、およびこのシステムやデバイスを操作する方法の発展に通じる。
【0022】
従って、第1の態様に応じて、患者の規定された症状を向上させる方法が提供されており、当該方法は:
患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界(FOV)内の特定の角度領域である一組の1以上の補正領域を選択するステップであって、1以上の補正領域は前記症状と関連しているステップと;
前記表面領域上または前記角度領域内に1以上の矯正要素を配置し、その結果、前記症状を向上させるステップとを含む。
【0023】
本発明は更に、患者の視界(FOV)内の特定の角度領域である一組の補正領域に1以上の矯正要素を適用する方法を提供しており、1以上の補正領域は前記症状と関連しており、前記角度領域に1以上の矯正要素を適用する。
【0024】
本発明は更に、患者の規定された症状を向上させるキットを提供しており、当該キットは:
選択された一組の1以上の補正領域に設置する1以上の矯正要素と;
選択された一組の1以上の補正領域に前記1以上の矯正要素を設置する説明書とを具えており、補正領域は患者の皮膚の表面における表面領域または患者の視界(FOV)内の特定の角度領域であって、1以上の補正領域は前記症状に関連している。
【0025】
選択された一組の1以上の補正領域は、医師、施術者または以下で更に説明するような本発明のシステムの他のユーザによって提供されうる。
【0026】
本書で使用されるような、「規定された症状」とは、患者を検査および診断する医師または精神科医により、(患者が何を感じているかを説明している)患者の訴えによって認識できる主観的または客観的な訴えであってもよい。主観的な訴えを指す場合、以下で更に説明するような客観的な診断ツールによって診断または認識できない場合でさえ、症状を有する患者によって少なくとも規定された症状を含むと理解される。この症状は患者の健康状態または健康に関する状態から選択することができ、これは心理学的な問診票のDSM基準(精神疾患の診断および統計的マニュアル)、またはIVA(総合視聴覚連続動作性検査)、TOVA(注意変動検査)、BRC(頭脳認識力)、CONNOR’S(コナーの評価スケール)、注意欠陥多動性障害(ADHD)/注意欠陥障害(ADD)といった他の評価/予後法である診断ツールなどの利用可能なツールを利用する施術者(心理学者、精神科医、サイコセラピスト、理学療法士または医師)によって経験的に診断されてきた。前庭系(バランス)機能の検査は、電気眼振検査(ENG)、回転検査、温度眼振検査、およびコンピュータ動的体平衡(CDP)を含む。聴覚系(ヒアリング)機能の検査は、純音聴力検査、語音聴力検査、音響反射、蝸電図法(ECoG)、耳音響放射(OAE)、および聴性脳幹反応検査(ABR;BER、BSER、またはBAERとしても知られている)を含む。他の診断検査は、磁気共鳴画像装置(MRI)およびコンピュータ体軸断層撮影(CATまたはCT)を含む。
【0027】
この症状は、悪心、眩暈、乗物酔い、視力や聴力障害、てんかん、心的外傷後ストレス障害などの不安、抑鬱、ストレスといった精神症状に関連する記憶障害、強迫行為、摂食障害、嗜癖、注意欠陥多動性障害、骨格位置調整(姿勢)、運動協調性、エネルギーレベル、創造性の欠如、さらには患者の健康における主観的または客観的な変化といった症状を含みうるが、これらに限定はされない。
【0028】
本発明の一実施形態に応じて、患者の症状が従来の診断ツールを利用して規定される。他の実施形態によると、症状は専用の問診票を用いて規定される。この問診票は通常、口頭、文書、図表または他の方法で表される一連の特殊な質問事項を含んでおり、患者の症状に関する客観的な情報を段階的に収集することが可能である。この問診票は、患者の症状に関する結論または患者の症状に関して実証された仮説に導きうる。
【0029】
一旦、患者の症状に関して問診票が記入され、判断(結論または仮説の何れか)がなされると、一組の1以上の補正領域が専用の座標系によって規定された特殊な補正マップから選択される。この座標系は、患者の視野に点または領域を規定する。以下に説明するように、これらの補正領域を用いて規定された症状を改善または矯正する。
【0030】
本開示の文中では、患者の「視野」または「視界」または「FOV」は、真っ直ぐを所定の時間凝視している目に見える領域の最大限の角度範囲を表すと理解されたい。従って、本発明の文中では、これらの補正領域が表面領域か角度領域かに関わらず、常に患者の理論上の可視領域内となる。
【0031】
本書で用いるように、「座標系」は、患者の鼻および眼について測定された距離を考慮している。眼の周囲は、軸と平面によって規定することができる。基準の垂直軸として、鼻の中心を通る垂直線は、患者の視界を2つの対称的な半領域(左および右)に分割する。この「視軸」は、角膜の頂部、瞳孔の中心、および水晶体の最も厚い前方−後方部を通る直線であり;「水平面」は、眼を逸らしたときに視軸が沿って動く平面と規定される。この「水平面」は左目と右目で共通であり、眼が真っ直ぐ(「水平線」(HL))を凝視している場合に患者の眼の中心の間を接続した線を含む。この座標系は、左(L)の座標系および右(R)の座標系に分割される。
【0032】
左または右の座標系は、極座標系または直交座標系、さらには任意の他の種類の座標系であってもよい。
【0033】
理解されるように、極座標系は、点(i)が角度座標(Θi、極角またはアジマス角としても知られている)および動径座標(ri)によって算出される2次元座標系である。本開示の文中では、動径座標は、光心(OC)、すなわち眼が真っ直ぐを凝視しているときの瞳孔の中心から点までの距離を表し、角度座標は(直交座標面における正のX軸に相当する)水平線または極軸によって規定された0°線から点に達するために要する正または反時計回りの角度を表している。
【0034】
座標系は、(x軸に相当する)水平線、および水平線に対して垂直であって(鼻骨の中心の長軸上に位置合わせされた)鼻骨の長軸方向の長さに沿って位置する垂直線によって規定された直交座標面を代替的に含みうる。このために、点(i)はxおよびy値(x,y)によって規定される。直交座標系の利用についてはさらに以下に説明する。
【0035】
補正マップは、多くの補正領域に対する座標を含んでいる。この補正領域は、表面領域または角度領域であってもよい。本書に用いるように、用語「表面領域」は、FOV内の患者の皮膚の表面上の位置を表す。この表面領域は、患者の顔における患者の鼻、頬、眉、瞼等の領域を含みうる。患者の顔の部分では、この領域はその座標を時間中に維持しながら、適所に固定されていると理解されたい。用語「角度領域」は、患者の左または右の座標系について固定された位置を表しており、患者のFOV内である。補正領域は患者のFOV内ではあるが、患者はFOV全体に視野を有することを意味する必要はないことに留意されたい。換言すると、本発明は、一時的または恒久的に視力が減退した患者の何れにも適用される。本書に開示された方法によって改善される各症状は1以上の補正領域に関係している場合があり、1の補正領域は1以上の規定された症状に関連している場合がある。換言すると、症状を改善するためには、1以上の補正領域が重要な場合があり、この補正領域は表面領域のみ、角度領域のみ、または1以上の表面領域と1以上の角度領域の組み合わせを含みうる。
【0036】
表1および図1A−図1Bは、以下に記載するような患者の眼鏡または他の物体に配置される極座標系を利用する、幾つかの例示的な補正領域を提供している。表1に含まれる領域のいくつかは、図1にも図示されている。
【0037】





【0038】
図1Aは、本発明の一実施形態による患者の眼鏡(100)における右(R)および左(L)の極座標系の構成を概略的に図示している。この眼鏡は、左の接眼部(L)と、右の接眼部(R)と、その間を接続する弓状部102とを具えている。各接眼部は、フレーム104とレンズ106で構成されている。さらに、各接眼部はそれぞれの光心、すなわち左の光心(LOC)と右の光心(ROC)を有している。各光心は、それぞれ左(L)および右(R)の座標系の原点、すなわち当該原点から角度座標Θiおよび動径座標riが測定される原点を構成している。LOCおよびROCは、水平線HLによって接続される。図1はさらに、2つの、座標(Θ34=150°、r34=21mm)によって規定された矯正要素34、および座標(Θ40=310°、r40=18mm)によって規定された矯正要素40を図示している。矯正要素34Lおよび40Rの双方は長方形の形状をしている。この長方形の形状は対角線Diによって規定することができ、この特定の実施形態では、矯正要素34の対角線D34は、矯正要素40に対する対角線D40よりも短い。対角線D40の中心Dcは、それぞれの補正領域の中心に位置している。
【0039】
図1Bは、この非限定的な実施形態では、極座標系(表1に列挙されている矯正要素)を利用して矯正要素を配置している。簡単にするため、図1Aに使用された参照番号と同様に、100桁を変化させた参照番号を用いて同様の機能を有する構成要素を同定している。例えば、図1Aにおける構成要素102は、図1Bにおける弓状部202と同一の機能を有する弓状部である。
【0040】
上述のように、極座標系以外の座標系は一様に適用でき、これは上記の直交座標系も含んでおり、点(i)は、水平線によって表されるx座標、および水平線に対して垂直な鼻骨の縦軸によって表されるy座標によって規定される。
【0041】
表2および図2は、患者の皮膚に配置される直交座標系を利用する幾つかの例示的な補正領域を提供しており、点(0,0)は水平線と垂直線(長手方向の鼻骨軸)の間の交点である。
【0042】


【0043】
ここでは図2に関して説明しており、鼻300の表面を含む人間の患者の皮膚、左の光心(LOC)と右の光心(ROC)を結ぶ水平線X、および水平線Xに対して垂直である垂直線Yを概略的に図示している。様々な矯正要素(表2に列挙)は、直交座標系を利用して、図示された鼻の皮膚の表面に配置される。このため、線Xは座標系におけるx軸を表し、線Yは座標系におけるy軸を表している。各矯正要素は、これらの矯正要素が補正領域を表すx、y座標と重複するように配置されている。
【0044】
表1および2に列挙された例示的な補正領域から明らかなように、所定の補正領域内に1以上の矯正要素を配置することで各症状を改善することができる。
【0045】
本開示の方法は患者の規定された症状の改善をもたらし、これらは質的改善(以下に説明するような、客観的または主観的な改善)さらには量的改善であってもよいことに留意されたい。
【0046】
質的改善は、集中力、休養、行動の制御(多動性の患者の場合)の改善、患者の眩暈、不安、悪心、喘息、更に精力的な感情等に関連する症状の回復といった、患者またはその周囲によって観察されるような患者の健康における変化を含みうる。量的改善は、心理学者、精神科医または他の内科医師といった医師、さらには患者自身が入手できる測定可能なパラメータを含む場合があり、例えば、不可能であった課題をしながら座って集中する能力の時間的な改善(時間は測定可能なパラメータである)を経験した患者を含みうる。測定可能なパラメータは、症状のパラメータまたは数値表示を出力する診断器具によって与えることができる。例えば、総合視覚/聴覚(IVA)持続処理課題は、臨床医が注意力神経生理学の測定法に基づいて注意欠陥/多動性障害(ADD/ADHD)の6の特殊型の差異を診断して区別できる質的ツールとして上手く確立されている。
【0047】
この改善は、規定された症状の部分的な回復、さらには完治を含みうる。部分的な回復は、症状が依然としてある場合でも症状に表れた変化を含むと理解されたい。量的な用語では、適用できる場合は、部分的な改善は5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95乃至98%の改善さえ含みうる、あるいは著しいと示される。この改善は、治療を受ける患者の主観的な感情といった主観的なパラメータ、医師などの第二者による評価、さらには上記のIVAのような従来の評価ツールを用いて得られる量的パラメータによって判定される。
【0048】
1以上の矯正要素が所定の位置に維持されている限り、この改善は通常維持される。この関係性では、治療はモジュール式であってもよい、すなわち治療は数分、数時間、数日、数週、数ヶ月およびそれ以上の間隔を有する1以上の期間を含んでもよく、それぞれの期間は、症状を再規定し、一組の補正領域に対して再規定された症状の割り当てを含んでおり、この組はこのような補正領域の1以上を含み、患者を対応する一組の矯正要素に適合させることに留意されたい。
【0049】
規定された症状を改善するため、1以上の矯正要素は表面領域上および/または角度領域内に固定される。これらの矯正要素は通常、その中心が基本的に補正領域の中心と一致するように配置されるが、この位置合わせから誤差が生じてもよい。この関係性では、2以上の矯正要素が互いに重複し、長い長方形の要素を形成するように、連続的に拡張した矯正要素を形成できることにも留意されたい。
【0050】
補正/矯正要素は、補正領域における任意の種類のマークであってもよい。このマークは、ステッカー、刺青、フィルタリング手段、光線または患者の皮膚上に配置されるようなもの、あるいは患者の眼鏡上に配置されるステッカー、エッチング、着色または不透明なマーク等の形態をなしてもよい。このマークは、様々な形状、サイズ、材料、構造、寸法、色および外形であってもよい。このマークは、ダイアモンドのような高価な石、または1以上の補正領域に配置される他の材料であってもよい。矯正要素は、対称的または非対称な多角形または円形などの規定の幾何学形状を有してもよく、あるいは矯正要素は不規則な形状をしていてもよい。矯正要素が正方形または円形の形状を有する場合、それぞれの対角線または直径の長さは数ミリメートルから最大で数センチメートルの範囲内にあり、他の多角形または楕円については、長い対角線または各長軸、さらには短い対角線または各短軸は、約数ミリメートルから約数センチメートルの範囲内となる。
【0051】
一実施形態では、矯正要素は、患者の眼鏡上(フレーム上、レンズ上、等)または患者の顔面上(表面領域)に配置されるステッカーのようなマークである。他の実施形態では、矯正要素は片方または両方のレンズのエッチングまたは着色を含む。この矯正要素は、色付き、不透明、さらには透明、半透明であってもよく、色調や色は異なっていてもよい。
【0052】
上記および下記の説明は眼鏡を指しているが、本書に開示された方法は、鼻眼鏡(つるがない眼鏡)、片眼鏡、サングラス、ゼログラス、眼鏡類ビューアー、またはLCD、OLED眼鏡およびその種のものといった、眼鏡上が他の透明または部分的に透明なディスプレイに、配置される、組み込まれる、あるいは表示される1以上の矯正要素に同等に実装できることに留意されたい。
【0053】
上述では、システム、コンピュータプログラム製品、および患者の規定された症状を改善する方法が説明された。本発明の更なる態様に応じて、患者の規定された症状に関連する1または1組の補正領域を提供するシステム、コンピュータプログラム製品、および方法の説明が提供されている。図3を参照すると、図3は、本発明の幾つかの実施形態に応じて、患者の規定された症状に関連する少なくとも1の補正領域を提供するシステムのブロック図である。
【0054】
従って、患者の規定された症状に関連する補正領域を提供するシステム300は、入力インタフェース310と、補正領域データベース320と、検査構成および管理モジュール330と、検査評価モジュール335と、出力提供モジュール340とを具えうる。
【0055】
入力インタフェース310は、患者の規定された1または複数の症状に関するデータを得る、あるいは受信するよう適合していてもよい。詳しく上述したように、本書で使用するような用語「規定された症状」は、患者の主観的または客観的な訴えに関係しうる。規定された症状に関するデータは、構造化ファイル(例えば、コンテンツやメタデータを含む形態)などの予め記録されたデジタルデータソースから自動的に抽出することができる、あるいは、システム300のオペレータ/ユーザによって手動で入力されてもよい。
【0056】
規定された症状に関するデータは、(「その場で」)システム300に直接接続されたキーボードなどを介して、システム300に局部的に送られてもよい、あるいは規定された症状に関するデータは、World Wide Web(WWW)などの通信ネットワークでシステム300に動作するよう接続されたリモートコンピュータなどといった遠隔位置から入手することもできる。幾つかの実施形態では、このシステム300は、以下に更に詳しく記載するように、患者または患者の規定された症状に関する更なる情報を得ることができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、患者の規定された症状は、入力としてシステム300に提供されるかシステム300によって入手され、システム300によって単独では生成されない。非限定的な一例では、症状は専用の問診票302を用いて規定されうる。この問診票302は通常、文書、口頭、図表または他の方法で示された、一連の特殊な質問事項を含む。問診票302は、患者の症状に関する客観的な情報を段階的に収集することを可能にする。この問診票302は、患者の規定された症状に関する結論、または患者の規定された症状に関して実証された仮説、さらに代替的には、症状または患者の訴えの1以上の規定された原因に関する情報に導きうる。本発明の文中では、用語「規定された原因」は、経験的に規定された症状に関連していることが既知か否かに関わらず、上述のように規定された症状の生理学的、心理的、環境等の原因を示すために本書では使用される。更に非限定的な例によると、従来の診断ツールを用いて患者の症状を規定してもよい。一例として、図3では、コンピュータベースの診断システム304が図示されている。このコンピュータベースの診断システム304はシステム300に動作するよう接続され、入力として患者の症状を提供することができる。
【0058】
本発明の更なる実施形態では、システム300は規定された症状の解消モジュール315を含みうる。この規定された症状の解消モジュール315は規定された症状に関連する入力を受信するよう適合しうるが、それ自体では特定の症状は示さず、この解消モジュール315は、患者の症状に関する入力として提供された情報に基づいて、一組の規定された症状全体(またはその一部)の中から最良の組み合わせを検索する、あるいは判定するよう構成されうる。
【0059】
例として、幾つかの実施形態によると、規定された症状の解消モジュール315は、キーワードのデータベース317を含みうる。このキーワードのデータベース317は、キーワードに関するリスト内に列挙された規定された症状それぞれを提供しうる。システム300への入力が患者の規定された症状に関して決定的ではない場合、規定された症状の解消モジュール315は、患者の症状に関する入力データからキーワードを取得し、キーワードのデータベース317における規定された症状それぞれ(または一部)の原因を判定するよう構成することができる。記載事項に列挙されたキーワードに応じて入力情報とデータベースの記載事項の間の相関性を記録する様々な記録機構が知られており、本発明の幾つかの実施形態の一部として利用してもよい。1以上の規定された症状が選択されうると理解されたい。患者の複数の(2以上の)規定された症状の対処は以下に記載する。
【0060】
図4をさらに参照すると、図4は、本発明の幾つかの実施形態に応じて、患者の規定された症状に関連する1以上の補正領域を提供する方法のフローチャートである。最初に、患者の規定された症状を特定する入力が提供される(ブロック405)。検査構成および管理モジュール330は患者の規定された症状を特定する入力に反応し、特定した症状を利用して補正領域のデータベース320に照会し、関連する初期の補正領域を判定する(ブロック410)。上述のように、本発明は、補正領域を規定する固有のマップの開発に基づいている。補正領域はそれぞれ少なくとも1の規定された症状と関連しており、上記にも規定されている。これらの補正領域は、患者の皮膚の表面における表面領域または特定の角度領域を表している。表面領域および角度領域は、患者の視界(FOV)内である。用語「表面領域」、「角度領域」、「視野」、「視界」、「FOV」は、さらに詳しく上述されている。「座標系」が提供され、補正領域はそれぞれ座標系の座標によって表示することができる。用語「座標系」は更に詳しく上述されている。表1および図1A−1Bは、極座標系を利用して幾つかの例示的な補正領域を提供している。表2および図2は、直交座標系を利用して幾つかの例示的な補正領域を提供している。
【0061】
幾つかの実施形態では、補正領域データベース320における初期の補正領域は、それぞれの症状に応じて、上記の表1および表2に提供されたようなマップから取り出される、あるいはマップに基づいている。更なる実施形態では、初期の補正領域は、1以上の補正領域と規定された症状の関係を規定する他のソースから取り出される。更なる実施形態では、上記の表1または表2に提供されたようなマップは補正領域データのソースとして利用され、システムによって支持された各規定された症状とそれぞれの初期の補正領域の関係性を特定するが、表および/またはシステム300に実装される対応する補正領域データベース320は、時々更新することができる。補正領域データベース320の更新は、規定された症状のリストの追加、削除または修正、および/または特定の規定された症状に対する補正領域の追加、削除または修正を含みうる。
【0062】
一旦、初期の補正領域が入手されると、検査構成および管理モジュール330は、特定した症状および補正領域を用いる検査を構成するよう適合しうる(ブロック415)。以下に説明するように、患者の規定された症状と併せてシステム300に利用される補正領域はシステム300に実行される処理の間に変更することができ、従って、検査の構成は図4に示すプロセスの異なる繰り返しで変更することができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、システム300は複数の検査プログラムを含む、あるいはそれらと関連しうる。幾つかの実施形態では、利用する1または一連の検査プログラムは、特定した規定された症状に基づいて、および/または補正領域に基づいて、および/またはシステム300によって実行されるプロセスの進行に基づいて選択されうる。更に他の実施形態では、システム300は、すべての症状に利用され、必要な場合にのみ構成される所定のテストプログラムで実行されてもよい。システム300によってまたはシステム300と併用して検査プログラムを用いる場合、1つの所定の検査プログラムが使用される場合を含み、何れの方法およびパラメータが選択されて用いられたとしても、ブロック415は選択された検査プログラム上で実行される。しかしながら、本発明の更なる実施形態は検査プログラムを有するシステム300に限定はされず、このような実施形態は検査を実行する方法に限定はされないと理解されたい。便宜上、本発明の実施形態は、検査プログラムを利用して以下に説明している。
【0064】
説明のため、規定された症状「眩暈」に関連する検査プログラムの非限定的な例をここで提供する。眩暈は、様々な方法で上述されたように、判定されうる患者の規定された症状である。例えば、この情報は、デジタル問診票302によってシステム300に提供することができる。従って、眩暈に対する初期の補正領域が得られ、眩暈の症状に対して構成された一連の作業検査が患者に呈示されうる。例として、初期の眩暈の作業検査は、最新の補正領域に対応する実際または疑似的な矯正要素を用いることなく、ユーザに呈示されうる。「眩暈」と呼ばれる規定された症状の重症度は、例えば、初期の検査結果に基づいて、場合によってはこれに関して患者から主観的な入力を取得することによって定義される。検査の次の段階では、「眩暈」に対する最新の補正領域に関連する矯正要素が、例えば患者の眼鏡上に配置される。この矯正要素は患者のFOVに表されてもよい。例えば、矯正要素は患者が見ているコンピュータ画面上にシミュレートすることもできる。他の例では、矯正要素は、デジタル眼鏡のレンズとして用いられるOLEDまたはLCDの透明または半透明ディスプレイを含む、デジタル眼鏡にシミュレートされる。以下に説明するように、所与の規定された症状に対してシステム300が示す補正領域は、システム300によって実行されるプロセスが進行するにつれて変化し、従って検査中に患者のFOVに表される矯正要素も変化しうる。
【0065】
規定された症状「眩暈」に関連する検査の説明を続けると、一旦矯正要素が所定の位置となると、患者は眩暈の状態に応じて一連の作業検査を呈示され、場合によっては必須ではないが、矯正要素を用いずになされた同等の検査が、今回は矯正要素が所定の位置にある状態で繰り返されてもよい。患者の成績は評価され、幾つかの評点または他の記述データを生成することができる。あるいは、主観的な評価が患者の主観的なフィードバックに基づいて提供されてもよい。幾つかの実施形態では、以下に説明するように、プロセスが進行して補正領域および対応する矯正要素が上手く調整されるにつれて、患者に適用または呈示される検査の困難が徐々に上昇する。
【0066】
システム300に用いられる検査はそれぞれ、検査プラットフォーム上で実行することができる。例として、図3に示すシステム300は、コンピュータ化された検査プラットフォーム352、モバイルコンピュータ化されたプラットフォーム353、および(眼鏡状の)透明なOLED(またはLCD)ディスプレイ354を含む装着可能な検査プラットフォームに機能するよう接続される。検査が選択された場合、(検査プラットフォームで未だに利用できない場合には)関連するテストプログラムを検査プラットフォームにダウンロードすることができ、検査の仕様および検査の構成に応じて検査プログラムが開始されてもよい。検査プラットフォームで検査を実行するために必要な幾つかの検査の構成は検査の仕様に含まれることがあり、検査プラットフォーム上での実行に適するように、検査構成および管理モジュール330によって利用されて検査プログラムを構成してもよい(ブロック420)。
【0067】
更なる実施形態によると、任意に、検査構成および管理モジュール330は、患者の個人情報に応じて検査を構成するよう適合させることができる。幾つかの実施形態によると、患者の個人情報は、(一般に、患者に眼鏡を処方するときに測定される)患者の眼の間の間隔といった患者の顔面骨格、患者の眼鏡または他の眼鏡類の形状や寸法、患者の年齢、性別等に関する情報に関するパラメータの1以上を含みうるが、これらに限定はされない。例えば、視力が減退している(が、当該システムに影響されていない状態の)人に対して、当該システムを視力が要因となる検査の基準に適宜適合させてもよい。
【0068】
任意に、幾つかの実施形態の一部として、一旦全ての構成が完了すると、検査が開始する(ブロック425)。想定される検査の大筋は、規定された症状「眩暈」に関して上記で提供されている。検査自体はシステム300以外、例えばコンピュータ化された検査プラットフォーム352上で実行されてもよいと理解されたい。他の実施形態では、検査プラットフォームはシステム300の一部分であり、検査手順は患者の規定された症状に関して補正領域を提供する方法の一部として実行される。
【0069】
検査結果および/または検査時の患者の成績に関するデータを入手できる(ブロック430)。例えば、ある規定された症状に対して、以下に記載する総合視覚/聴覚(IVA)持続処理課題(CPT)が患者に呈示され、その評点の結果はシステム300によって入手できる。検査結果のデータは、検査評点といった客観的なフィードバック、および患者からの主観的なフィードバックを含みうる。このフィードバックは、単独あるいは他の検査および/または以前の結果に関連していてもよい。例えば、検査結果は、(疑似の)矯正要素がある状態、およびない状態と同等の検査の成績における変化を比較することができる。様々な物理的センサを検査中に使用し、本質的に精通された方法で患者の検査に対する様々な物理的反応を測定してもよい。センサの例は、血圧センサ、握力センサ、呼吸監視ベルト、応力温度計、電気皮膚反応(GSR)センサを含むが、これらに限定はされない。
【0070】
検査評価エンジン335は必要に応じて検査結果を解析およびフォーマットし、次いでこの検査結果を処理して、検査に関係するベンチマークからの偏差を算出することができる(ブロック435)。幾つかの実施形態では、このベンチマークは、最新の補正領域および/または規定された症状および/またはシステム300によって実行されるプロセスの進行に関連していてもよい。説明のため、以下で説明するIVA検査の例では、ある規定された症状に対してベンチマークは100のIVA評点と同等であってもよい。
【0071】
一旦検査結果が処理され、ベンチマークからの偏差が算出されると、検査評価エンジン335は成績が所定の閾値を満たすか否かを判定するよう構成されている(ブロック440)。幾つかの実施形態では、所定の閾値は、規定された症状を改善すべくシステム300が各補正領域を提示するために、患者が達成する必要がある最小の有効結果と考えられる結果を示している。従って、閾値を満たす場合は、システム300は、選択された補正領域または一組の補正領域の仕様を出力として提供する。幾つかの実施形態では、図4に示すように、システム300は出力提供モジュール340を利用して、選択された補正領域に対応する矯正要素を出力として提供することができる(ブロック445)。
【0072】
用語、矯正要素については詳しく上述した。規定された症状に関する補正領域を提供するシステムの文中では、システム300によって判定される患者の規定された症状および/または補正領域に対する矯正要素の特徴をデータベースに記録することができる。例えば、規定された症状に対して初期の補正領域を提供すべく用いられる補正領域データベース320は、対応する矯正要素の特徴が列挙された各補正領域の更なる記録を含みうる。更なる例では、矯正要素の特徴は、患者の成績が所定の閾値を越え、患者がこのような成績に到達できるようにする各補正領域が考慮された後にのみ決定される。検査中に使用できる矯正要素(場合によっては疑似の矯正要素)は、システム300によって同様に決定することができ、検査中の矯正要素の特徴は、一連の進行に影響される、あるいは影響されないでもよい。
【0073】
幾つかの実施形態によると、患者の成績が所定の閾値を満たさない場合(ブロック440)、新たな補正領域が決定され(ブロック450)、このプロセスは、特定した症状および新たに更新された補正領域を用いて検査を構成するブロック415に戻る。任意に、検査自体が更新された補正領域を考慮して新たに選択されてもよいと理解されたい。
【0074】
この構成および検査手順をそれぞれ繰り返した新たな補正領域は、現在既知の、あるいは将来的に想到されうるサーチアルゴリズムを用いて決定することができる。例えば、プロセスの次の繰り返しについて、1または所定の画素数(または他の測定ユニット)だけ補正領域を初期の補正領域から移動させるサーチプロセスを利用して、異なる方向に調整された補正領域を入手することもできる。更なる実施形態では、調整された補正領域は、ベンチマークからの偏差に部分的に基づいて算出されてもよい。
【0075】
次の補正領域をサーチし、特定した規定された症状に関する補正領域または矯正要素の出力を提供すべく使用される補正領域を選択するプロセスの例が提供されている。初期の補正領域は、補正領域データベース320によって提供される。例えば、初期の補正領域は、補正領域に対応する位置で患者のコンピュータディスプレイ上に配置される幾つかのピクセル(または幾つかのピクセルのグループ)として患者に呈示される検査に利用され、補正領域が患者のディスプレイ上にある間、患者は幾つかの数学問題を解くよう要求される。例えば、初期の補正領域に対する図4におけるプロセスの結果は成績の閾値を満たしていない(例えば、成績の閾値は、初期の補正領域での患者の成績と比較して、ある程度の成績のデグラデーションに反応する)。このプロセスは再開されて検査が繰り返され、毎回画素が移動されて、例えば最初に初期の画素位置の左に、次いで右、上および下に移動される。例えば、結果が殆ど満足しない方向が選択されると、プロセスがさらに再開され、この時には初期の画素位置から選択された方向に更に離れるよう画素が移動する。ある時点で、患者の成績が初期の結果に対して十分に低下し、成績の閾値を満たす。
【0076】
この例では、成績の閾値を満たす補正領域は、補正領域というより実際は「デグラデーション領域」であり、システム300に出力として提供される、あるいはシステム300の出力として提供される矯正要素を決定する、対応する補正領域を決定するために更なるステップが必要とされる。この例では、一旦このデグラデーション領域が決定されると、出力提供モジュール340は、デグラデーション領域の修正対応部であって規定された症状を改善する補正領域を決定することができる。選択された補正領域を利用して、それぞれの矯正要素を出力として提供してもよい。例として、補正領域は、初期の補正領域に対してデグラデーション領域と反対の方向となる。すなわち、規定された症状に関連する初期の補正領域に対してデグラデーション点が左および上側の場合、出力提供モジュール340によって選択された補正領域は、初期の補正領域に対して右および下側となりうる。初期の補正領域のデグラデーションと選択された補正領域の間の距離の割合は予め規定してもよい(例えば、1:1、2:1、1:1.5、等)。
【0077】
図4の説明を続ける。幾つかの実施形態では、検査評価エンジン335は収束基準を実装し、構成および検査手順を繰り返す前に患者の結果を検査することができる(ブロック455)。この収束基準は、患者の成績の変化に関係している場合がある。幾つかの実施形態では、場合によって幾つかの平均、幾つかのベンチマークの参照等を利用して、収束基準は患者の成績における変化率を算出することができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、補正領域が閾値を満たす前に収束基準が満たされた場合、検査評価モジュール335は、この規定された症状について補正領域が検出されないと示す場合がある(ブロック460)。
【0079】
幾つかの実施形態によると、ある規定された症状に対する補正領域を決定するプロセスは、1以上の検証過程を含みうる。この検証過程は、定期的にある一定期間毎に繰り返されてもよく、あるいは、例えば患者が矯正要素の有効性が低下していること認識したときなどの患者の要求によって開始されてもよい。例として、患者は選択された矯正要素で治療され、2、3週間といった期間の後に、このような検証過程に戻ってもよい。
【0080】
幾つかの実施形態によると、この検証過程は検証検査を伴うことがある。幾つかの実施形態では、この検証検査は、例えばそれぞれの規定された症状および/またはそれぞれの補正領域または矯正要素に基づいて、システム300に決定され、場合によっては提供されてもよい。これらのパラメータに基づく検査の判定および選択は上記した。更なる実施形態では、検証検査はシステム300の外側でなされ、その結果のみが入力としてシステム300に提供される。
【0081】
検証検査の結果は、ブロック435に用いられるベンチマークのような、ベンチマークからの偏差を示してもよい。所定の位置にある本来の矯正要素で検査されたベンチマークからの偏差が著しい場合、ある規定された症状に対する補正領域を決定するプロセスは、ブロック450で開始して繰り返してもよく、調整された補正領域は、ベンチマークからの偏差、(プロセスの一部の場合は)検査の選択、特定した規定された症状と新たな補正領域を用いる検査の構成に基づいて決定される(ブロック415)。繰り返されたプロセスは、調整された補正領域および場合によっては調整された矯正要素に関する出力で終了することができ(ブロック450)、あるいは、症状の改善が十分ではない場合には、このプロセスは収束閾値を適用することで終了し(ブロック455)、本来の補正領域または、適用できる場合は本来の矯正要素が、システム460によって提供される出力に規定される。
【0082】
更なる実施形態によると、検証検査の結果は、患者に存在する更に規定された症状を示す場合がある。幾つかの実施形態では、患者の更に規定された症状を確認するには、場合によってある程度の指導または補助具によって、患者から新たな訴えなどの明確な入力を伴うことがある。この指導では、前に患者に特定した規定された症状に関連しうる、あるいは関連しない規定された症状のリストを患者に提供してもよい。このように更に規定された症状に対する患者の検査は、システム300以外で実行することができる。
【0083】
例えば、本来(以前)の症状や本来(以前)の矯正要素が眩暈と関連しており、検証検査の間、患者は集中することの困難または他の症状といった、さらに規定された症状について呈示または訴える場合、図4に記載された方法のステップを、今回は更に規定された症状に関して、所定の位置に本来の矯正要素(疑似または実際の本来の矯正要素)がある状態で更に実行する。さらに実行した結果は、本来の補正領域と共に(さらに規定された症状に対する)新たな補正領域を提供する。時々、本来の補正領域を微調整してもよい。
【0084】
特に、幾つかの実施形態によると、幾つかの検査(例えば、検証検査)の結果または患者の更なる訴えに反応して、特定の患者における更に第2、第3、第4等の規定された症状に対する補正領域(または矯正要素)を提供するためにシステム300を利用する場合、上述の規定された症状に対する補正領域(または矯正要素)を決定するプロセスは新たに規定された症状に対して繰り返されるが、システム300によって処理された以前に規定された症状に対する矯正要素または対応する疑似矯正要素を有している。第2および上記の規定された症状に関連するシステム300によって提供された補正領域または矯正要素は付加的であり、以前に規定された症状に関連する矯正要素に加えて患者の視界内に配置されるよう意図される。
【0085】
第2および上記の(第3、第4等)の症状に関する指示は、システム300への初期入力の一部として予めシステム300に提供することができる、あるいは、例えば、第1の規定された症状に関連する補正領域または矯正要素が以前に提供された患者が、第2の規定された症状に関連する補正領域または矯正要素を受けるべく再来したとき、後に別途提供されてもよい。
【0086】
本発明のさらなる実施形態の説明を続けると、図5について説明しており、図5は、本発明の幾つかの実施形態に応じて、症状に関連する患者の規定された症状および推定される規定された原因に関する補正領域を提供するシステムのブロック図である。さらに図6についても説明がされており、図6は、本発明の幾つかの実施形態に応じて、症状に関連する患者の規定された症状および推定される規定された原因に関する補正領域を提供する方法のフローチャートである。図4を参照して説明したプロセスと同様、図6に図示するプロセスは、患者の規定された症状を特定する入力の受信から開始する(ブロック600)。検査構成および管理モジュール530は、規定された症状を特定する入力に反応して、特定した症状を利用して原因規定データベース522に照会し、特定した症状に関連する1以上の規定の原因を判定する(ブロック605)。例えば、規定された症状「頭痛」に対して、関連する規定の原因として、ストレス、姿勢バランスおよび不安定性、眼精疲労および集中力の問題を挙げることができる。「頭痛」に関連する規定の原因の1以上は、他の規定された症状にも関連しうると理解されたい。用語「規定の原因」については上記した。
【0087】
検査構成および管理モジュール530は、特定した症状と関連する1以上の規定の原因の中から原因の1つを選択するよう進行し(ブロック610)、例えば、システム500が補正領域を提供しようとする初期の原因としてストレスが選択されうる。特定した規定された症状に対して、1より多くの規定の原因が原因規定データベース522に登録されている場合、検査構成および管理モジュール530は反復論理を利用して様々な想定される規定の原因を繰り返す。反復アルゴリズム自体は既知である。
【0088】
次に、検査構成および管理モジュール530は、最新の規定の原因を利用して補正領域データベース520に照会し、関連する初期の補正領域を決定する(ブロック615)。幾つかの実施形態では、規定の原因それぞれに対する初期の補正領域は補正領域のマップから抽出することができ、各規定された症状および規定の原因の組み合わせは特定の補正領域と関連している。このような表は、上記の表1または表2と同様であってもよい。更なる実施形態では、初期の補正領域は、規定された症状および規定の原因の組み合わせに対する補正領域を規定する他のソースから取り出される。
【0089】
最新の規定の原因および補正領域を利用して、検査構成および管理モジュール530は検査を構成することができ(ブロック620)、任意に検査構成および管理モジュール530は検査を開始することもできる(ブロック625)。以下に説明するように、規定の原因と併せてシステム500に利用される補正領域は、システム500によって実行されるプロセスの間に変更することができ、従って、この検査の構成は、プロセスの異なる段階で変化しうる。幾つかの実施形態では、検査を構成する場合、検査構成および管理モジュール530はシステム500が利用可能な患者の個人情報を考慮することもできる。
【0090】
上述したように、検査の構成に加えて、この検査は複数の検査プログラムの中から選択することができる。1または一連の検査プログラムを利用して規定の原因それぞれに対して構成することができる、あるいは、すべての症状、原因および/または補正領域に対して利用されるプリセット検査または一連の検査があってもよい。他の実施形態では、検査プログラムはシステムの一部ではなく、検査プログラムに対する構成パラメータとその結果の処理のみがシステム500によってもたらされる。これらの検査は、システム500の一部として実装される、または実装されていない検査プラットフォーム上で実行できる。説明のため、規定された症状「頭痛」および「頭痛」に関連する規定の原因「集中力の問題」に対し、それ自体が既知の1以上の集中力の問題の検査を提供されることもある。
【0091】
検査結果および/または検査時の患者の成績に関するデータを入手できる(ブロック630)。検査評価エンジン535は、必要に応じて検査結果を解析およびフォーマット化し、次いでこの検査結果を処理して、検査に関連するベンチマークからの偏差を算出することができる(ブロック635)。幾つかの実施形態では、このベンチマークは、最新の補正領域、および/または規定の原因、および/または規定された症状、および/またはシステム500によって実行されるプロセスの進行に関連している場合がある。通常、このベンチマークは、図4を参照して上記したベンチマークと同様であってもよい。
【0092】
一旦、検査結果が処理され、ベンチマークからの偏差が算出されると、検査評価エンジン535は成績が所定の閾値を満たすかを判定するよう構成されてもよい(ブロック640)。幾つかの実施形態では、所定の閾値は、規定された症状を改善すべくシステム500が各補正領域を提示するために、患者が達成する必要がある最小の有効結果と考えられる結果を示している。患者の成績という点で優れた結果を提供する補正領域が記録され(ブロック645)、特定した規定された症状に関連する更に規定の原因がある場合には、このプロセスはブロック610から先が次の規定の原因に対して繰り返される。
【0093】
幾つかの実施形態によると、患者の成績が所定の閾値を満たさない場合(ブロック640)、新たな補正領域がベンチマークからの偏差に基づいて決定され(ブロック655)、このプロセスは最新の選択された原因および新たな補正領域を用いて検査が構成されるブロック620に戻る。任意に、検査自体が更新された補正領域を考慮して新たに選択されてもよいことを理解されたい。それぞれ構成することの繰り返しおよび検査手順において新たな補正領域を選択することは、図4の説明の一部に上述した選択されたプロセスと同様である。
【0094】
幾つかの実施形態では、検査評価エンジン535は、構成および検査手順をそれぞれ繰り返す前に、収束基準を満たすか患者の結果を検査することができる(ブロック650)。収束基準は、患者の成績の変化に関係することがある。幾つかの実施形態では、場合によって幾つかの平均、幾つかのベンチマークの参照等を利用して、収束基準は患者の成績における変化率を算出できる。
【0095】
幾つかの実施形態では、補正領域が閾値を超える前に収束基準を満たした場合、検査評価モジュール535は最新の原因について補正領域が検出されないと示す場合がある。
【0096】
幾つかの実施形態によると、ある規定の原因に対して、成績の閾値が満たされた(および補正領域が記録された)結果として、あるいは収束基準が満たされた結果として何れも、検査構成および管理モジュール530は、特定した規定された症状に対して更に規定の原因が残っているか否かを判定することができる(ブロック660)。特定した規定された症状に関連している、原因規定データベース522の記録に基づいてこれを判定してもよい。特定の症状に対して少なくとも1より多くの規定の原因が残っている場合は、次の原因が選択されるブロック610にこのプロセスは戻り、補正領域データベース520から初期の補正領域がブロック615で取得され、ブロック620および625で検査が構成されて場合によっては開始され、ブロック630で結果が入手され、ブロック635、640、650および655で処理される。この結果が補正領域の場合、ブロック645で記録される。このプロセスは、特定した規定された症状に関連するそれぞれの原因に対して繰り返すことができる。最終的に、ブロック640において、成績の閾値を超える(1以上の)補正領域または対応する矯正要素それぞれに関するデータを含む基準が、出力として提供される(ブロック665)。補正領域と矯正要素の間の関係が記載されている。ある規定された症状の場合、上記手順の結果は、規定された症状の2以上の異なる原因に対応する2以上の補正領域または矯正要素についても特定することを理解されたい。
【0097】
幾つかの実施形態によると、上述したのと同様の検証手順が同様の方法で実行され、図4に図示して上述されたプロセスの結果を検証する。第2および上記の規定された症状に対応するには、図4を参照して説明されたものと同様の方法でも実行できる。
【0098】
患者の規定された症状に関連する補正領域を提供するシステムの一部、あるいは規定された症状および場合によって患者における原因に関連する補正領域を提供するシステムの一部である上述のデータベースは、規定された症状、新たに規定された症状、規定された症状に対して新たに規定した原因、規定された症状および/または規定した原因に対する新たな補正領域、矯正要素の新たな特徴などに関連する新たなキーワードについて時折更新することができると理解されたい。
【0099】
本発明の幾つかの実施形態はこの態様に限定はされないが、更なる実施形態では、患者の規定された症状に関連する補正領域を提供するシステムは、矯正要素を患者に呈示して場合によって検査プラットフォームとして使用されるデジタル出力ユニットを含みうる。一実施形態では、デジタル出力ユニットは患者のコンピュータディスプレイまたは患者のスマートフォンディスプレイであり、矯正要素はコンピュータディスプレイ上のある位置に設置された1または複数の画素である。画素は、特定の色を有してもよい。画素は、特定の形状を形成してもよい。従って、例えば、患者がコンピュータで仕事をしている、またはスマートフォンを操作している間に、患者を矯正要素の作用を受けさせることもできる。
【0100】
更なる例では、デジタル出力ユニットは、眼鏡の形態をした、あるいは患者のヘルメットかヘッドセットまたは他の方法を用いて定位置に固定された、装着可能な透明、半透明または不透明のOLEDまたはLCDディスプレイ、またはエレクトロルミネセンスの透明ディスプレイである。代替的な例では、透明、半透明または不透明のOLEDまたはLCDディスプレイであるデジタル出力ユニットは患者の眼鏡上に固定することができる。この実施形態では、眼鏡は1または複数のデジタル出力ユニット(例えば、複数のLCDセル)を保持することができ、後者の場合では、各LCDセルは管理ユーティリティによって単独またはまとめて操作される。
【0101】
ディスプレイは幾つかのドライバーとインタフェースとを具え、システムの他の構成要素と併用して操作し、OLEDまたはLCDディスプレイ上に矯正要素を容易に表示できるようにしている。任意に、ゼロ出力の(双安定)ディスプレイ型を使用してもよい。このような技術は、動力がなくとも画像を保持することができる。結晶体は、2つの安定配向(黒及び「白」)の一方に存在し、動力は画像を変化させるためにのみ必要とされる。
【0102】
しかしながら本発明の更なる実施形態では、出力は、実行されたプロセスおよびその結果の印刷されたレポートである。このレポートは患者または介護人によって利用され、システムのレポートに提供された情報に応じて、患者の眼鏡上に矯正要素を配置するなどして、電子形態または物理的形態の何れかで矯正要素を生成することができる。
【0103】
本発明の特定の実施形態は、重症なクライアントのネットワーク環境に実装することもできる。例として、電子眼鏡を装着している患者は、Webを介して図3または図5に図示されたシステムに応じて構成されたサーバに接続することができる。表示された情報は、中央サーバから受信されたデータに基づいて、患者に電子眼鏡上で示される。検査および評価処理は、サーバと検査プラットフォームとして使用される電子眼鏡の間のデータ交換によって実行される。一旦結果が利用可能になると、補正領域は、例えば、電子眼鏡の形状に応じて、場合によって患者の顔面骨格に応じて調整された座標の形態で電子眼鏡に通信される。電子眼鏡は、それぞれの位置において、対応する矯正要素を表示する座標に反応することができる。
【0104】
本発明は更に、患者の規定された症状を改善するためのシステムを提供しており、当該システムは:
規定された症状およびそれぞれの症状に関連する補正領域のデータベースを具える管理モジュールであって、補正領域は患者の皮膚の表面上の表面領域または患者の視界内の特定の角度領域である管理モジュールと;
患者の規定された症状の詳細を入力する入力ユーティリティと;
規定された症状に関連する一組の1以上の補正領域を出力する出力ユーティリティとを具える。
【0105】
システムは通常、本書に規定されるようなデータベースを使用するコンピュータベースのシステムであり、構成された記録の集積は、とりわけ、メモリユニットに記録された一連の補正領域に関連する一連の規定された症状、および規定された症状と補正領域の一連の関連性を含むことを理解されたい。このデータベースはさらに、規定された症状に対して用いられる矯正要素の種類に関する情報(サイズ、形状、透明性、色など)や、特定の治療、代替的な治療などに対する1組の補正領域の成功率に関する統計的情報を含みうる。管理モジュールはさらに、規定された症状に関するデータを受信且つ処理し、入力データの分析および記録を行う専用のソフトウェアアプリケーションを実行することでデータを分析するための処理ユーティリティを具える。ソフトウェアアプリケーションは、CDまたはメモリディスクといった、マシンによって読取可能なプログラム記憶デバイスに組み込んでもよい。
【0106】
処理ユーティリティはさらに、規定された症状を治療するための1以上の組の補正領域、さらには提示された組の補正領域が成功する可能性といった重要な他の情報、好適な矯正要素なども出力する。
【0107】
処理ユーティリティは、入力ユーティリティおよび出力ユーティリティに接続される。入力ユーティリティは通常、規定された症状、さらには治療される患者に関する情報を入力するために使用されるキーボードまたはタッチスクリーンのようなユーザインタフェースユニットである。例えば、上述したように、患者の症状に関する入力データは、患者が実施するよう要求される問診票、ゲームおよび検査を介して収集される。このような検査は、文書、口頭または図表などの形態をしていてもよい。例えば、図表ツールはスクリーンを含んでもよく、患者は特定の点の位置を指す、刺激に対応するタッチスクリーンまたはマウスをクリックする、さらには聞かれた質問に回答することを要求される。患者の症状に関する情報に加えて、個人情報を記載してもよい。これは、患者の顔面骨格、例えば、(患者に眼鏡を処方するときに通常は測定されるような)患者の眼の間の距離、患者の年齢、性別などに関する情報に関連するパラメータを含みうる。
【0108】
出力ユーティリティは、以下の1以上を含む多くの(組み合わせるか代替的な)デジタル出力ユニットで構成されうる。
1)上述のような、処理ユーティリティから処理されたデータを受け取り、リスト、表、図等を用いて規定された症状に対して選択された補正領域に関連する情報を表示する、患者のコンピュータディスプレイまたは患者のスマートフォンディスプレイ。モニタをプリンタに接続して、出力を印刷してもよい。
2)透明な(または不透明な)誘起発光ダイオード(OLED)、柔軟なデジタルディスプレイペーパー、またはLCDディスプレイである、装着可能なデジタルディスプレイユニット。例えば、装着可能なデジタルディスプレイユニットは、処理されたデータから処理ユーティリティによって生成された座標を用いて、マトリックス上に補正領域を電子的に表す眼鏡のような、視覚補助具であってもよい。一実施形態では、装着可能なデジタルディスプレイユニットは電子眼鏡の形態をしており、使用されるレンズは、集積回路(IC)、プリント回路基板(PCB)およびドライバに接続できる透明の液晶表示装置(LCD)またはエレクトロルミネセントディスプレイで構成される。他の実施形態では、装着可能なデジタルディスプレイユニットは、患者の鼻に位置するよう装着可能なデジタルディスプレイの鼻当ての形状をしていてもよい。このような鼻当ては、柔軟なOLED、柔軟なデジタルディスプレイプレーヤ(例えば、E Ink Vizplex(登録商標)画像フィルム)といった、患者の鼻に固定できる柔軟なデジタルディスプレイユニットの形状をしてもよい。鼻当ては、患者の鼻により正確に固定されるよう、患者の鼻の外形を有する型の形状をなしてもよい。
【0109】
システムは、当該システムについて訓練された専門家によって操作することができる。これに関して、当該システムは携帯端末機、さらには固定コンピュータに組み込まれうることに留意されたい。
【0110】
本開示は更に、患者の規定された症状を改善する方法を実行すべく、中に組み込まれたコンピュータ読取可能なプログラムコードを有するコンピュータ利用可能な媒体を具えるコンピュータプログラム製品を提供しており、当該コンピュータプログラム製品は:
患者の皮膚の表面上の表面領域または患者の視界内の特定の角度領域である一組の1以上の補正領域をコンピュータに選択させるコンピュータ読取可能なプログラムコードであって、1以上の補正領域は症状に関連しているプログラムコードと;
選択された補正領域を示すデータをコンピュータに出力させ、ユーザが補正領域の表面領域上または角度領域内に1以上の矯正要素を配置するのを可能にし、前記症状を改善させるコンピュータ読取可能なプログラムコードとを具えている。
【0111】
他の実施形態では、システムは、ウェブアプリケーションを提供するサーバとして実装することもできる。この実施形態では、装着可能なデジタルディスプレイユニットを装着している患者は、ウェブを介してサーバに接続され、ユーザのデータ入力に反応して、このサーバは装着可能なデジタルディスプレイユニットに配置すべき補正領域の座標を提供する。この実施形態に応じて、装着可能なデジタルディスプレイユニットは、検査プラットフォームとして、または改善または治療すべき規定された症状の矯正要素を表すキャリアとして患者に装着されるデバイスとして利用することができる。
【0112】
非限定的な例の説明
以下の非限定的な例は、(それぞれ異なる問題点を有する)困難を訴えた様々な人物が、この困難が規定された症状に関連づけられた後に改善した例を示しており、これらの人物は、本発明の方法に応じて治療された。
【0113】
例1 集中力および読解の改善
78歳の男性患者が医師に軽度の白内障であると診断され、軽い白内障であるため彼は手術されず、コンピュータでの読解または仕事が困難であると訴えていた。特に、この患者は、ページまたは画面を見ている間、5分以上コンテンツに集中することができないと説明した。コンテンツはぼやけて、彼は疲弊してしまっていた。
【0114】
この患者の症状が判定され、この症状の定義に基づき、患者の症状を改善するために選択された補正領域31R(Θ=180°、R=18mm)が決定された。このために、患者の眼鏡は、3mm×3mmの大きさの半透明な長方形のステッカーの形状をした矯正要素を配置することで調整された。
【0115】
調整した眼鏡を装着した後すぐ(約3分後)、調整した眼鏡を利用している限り、読書中に問題なく紙またはコンピュータのモニタの読解に集中することができた。1年後もこの患者は補正眼鏡を利用し続けていることに留意されたい。
【0116】
例2 重症な眩暈の改善
ウイルス性の耳感染と診断された35歳の女性患者が、(立っている間、座っている間、さらに横たわっている間の)重度の眩暈感を訴えた。(病院の)検査では、これらの症状の治療法はなく、徐々に改善するであろうと判断された。眩暈感は非常に重症であるため、この患者は転倒を防ぐために介助を必要としていた。
【0117】
この女性患者は、処方された眼鏡を装着していなかった。従って、彼女には、補正領域32(L)に四角形の透明な4×4mm矯正要素を接着した眼鏡を有する接眼部が提供された。その結果、患者の症状は直ぐに改善され、一人で歩行できるようになった。特に、矯正眼鏡を設置してそれを装着している限り、ほぼすべての眩暈感が直ぐになくなった。一旦、彼女は矯正眼鏡なしで歩こうとしたが、眩暈感が再起した。
【0118】
例3 集中力の改善
35歳の女性患者の慢性的な不安を報告した。彼女は大学で就学中、集中力障害すなわちADD(注意欠陥障害)と診断され、試験の際に追加の時間さえ与えられていた。
【0119】
患者は総合視覚/聴覚(IVA)持続処理課題(CPT)によって診断された。このIVA/CPTは、ADD/ADHDなどの応答阻害および注意力不足を評価するために開発された、コンピュータ化された標準化検査である。
【0120】
この検査は3回繰り返され、同日で順々に続けて実施される。第1の検査(検査#1)は、本開示に応じて、患者を矯正することなく実施した。第2の検査(検査#2)は、本開示に応じて矯正が実施され、第3の検査(検査#3)は矯正後ではあるが矯正要素なしに実施された。
【0121】
検査の範囲は1乃至100であり、100という数値は何の問題のない人を示していると留意されたい。85%未満であるが15%の母分散が問題を示している。補正領域および矯正要素は、2×2mmの半透明の補正領域のステッカーの形状をした正方形の矯正要素を有する補正領域31R、2×3mmの半透明のステッカーの形状をした正方形の矯正要素を有する33L、および2×6mmの半透明のステッカーの形状をした長方形の矯正要素を有する補正領域38Rである。
【0122】
これらの結果は、表3および図3A乃至図3Dに図示されている。
【0123】

【0124】
表3は、非常に重症のADDを示す、矯正要素を適用する前(検査#1)の非常に低い評点40の患者を示している。40から117への評点の変化は、矯正要素を適用することで、すなわち、矯正眼鏡で検査を実施したとき(検査#2)に表れた。最終的に、試験や間違いの学習曲線の結果といった検査結果を学習した結果として患者が改善された(すなわち、検査#2)のではないことを確実にするため、検査#3(再び、矯正眼鏡なし)が実施された。このような場合、検査#3の結果は、検査#2で得られるよりも高くなるべきである。検査#3の結果はこのような可能性を除外した。これらの検査は、リラックスしている患者の感情や再び検査を実施する能力に応じて、検査の間に約30分乃至1時間の間隔を置いて1日内に実施される。
【0125】
検査#1から検査#3の結果が図7A乃至図7Cに示されており、この結果は検査に用いられる6の主な複合的指数スケールで情報を提供する。これらの指数スケールは、(1)患者が行動前に考えたり、課題の衝動的な間違いを防ぐ慎重さ(Pru)、(2)患者の反応時間のほとんどが狭い範囲内に集中する一貫性(Con)、(3)検査時間中に持続するような患者の反応時間である体力(Sta)、(4)患者が課題の不注意による間違いを防ぐことで全ての目標を認識する覚醒状態(Vig)、(5)患者が瞬間的な失敗の形跡を見せない集中(Foc)、および(6)患者の反応時間が早く、脳が間近な課題に専念している証拠を示す速度(Spd)である。
【0126】
図7A乃至図7Cはそれぞれ、患者の応答制御指数RCQ(聴覚および視覚)、および注意力指数AQ(聴覚および視覚)を提供しており、図3Aでは、合計RCQは86で合計AQは40であり、図3Bでは、合計RCQは125で合計AQは117であり(100が注意力の問題がない人を指すため、これは非常に高い)、図3Cでは、合計RCQは99で合計AQは62である。
【0127】
従って、この結果は、本発明の方法に応じて矯正要素を患者に適用した場合に、RCQさらにはAQが改善されたことを明らかに示している。
【0128】
例4 更に治療される患者
様々な患者が本発明の方法を用いて評価および診断され、矯正要素を支持する眼鏡(表4)、または患者の皮膚に配置された矯正要素(表5)の何れかを用いて治療された。これらの患者は、異なる症状を経験していた。治療の有効性は、患者に報告されるような、患者の健康状態の改善に基づいて判定された。時折、患者は、皮膚、および以下に特に記載する眼鏡などの視力補助具の双方に設置される矯正要素を用いて治療された。
【0129】







【0130】



【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の規定された症状を改善する方法において、当該方法が:
前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界内の特定の角度領域である一組の1以上の補正領域を選択するステップであって、前記1以上の補正領域が前記症状と関係しているステップと;
1以上の矯正要素を前記1以上の補正領域に配置し、その結果、前記症状を改善させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記患者の皮膚の表面が、前記患者の顔にあることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記患者が、左の光心(LOC)と、右の光心(ROC)と、それらの間を接続する水平線(HL)とを有することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、前記補正領域が、2次元座標系によって規定された補正点(i)を具えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の方法において、前記補正点(i)が角度座標(Θi)と動径座標(ri)を有する極座標系における点であり、前記角度座標は前記HLから反時計回りの角度を有し、前記動径座標は前記LOCからまたは前記ROCからの前記補正点まで距離を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3または4に記載の方法において、前記患者の皮膚の表面は前記患者の鼻の表面を含み、当該鼻は前記HLに対して垂直の縦軸を規定していることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記補正点(i)は、前記HLによって規定されたx軸と前記縦軸によって規定されたy軸とを有する直交座標系における点であり、当該補正点(i)は前記直交座標系におけるx座標とy座標を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法において、前記補正領域が前記角度領域によって規定され、前記矯正要素は前記患者の角度領域に対して定位置に固定されたデバイスに配置されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記デバイスが、眼鏡であることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法において、前記矯正要素が、前記補正領域におけるマークであることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記マークが、ステッカー、印刷されたマーク、皮膚の刺青、眼鏡類のエッチング、および光線から選択されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法において、1よりも多くの矯正要素を具え、当該矯正要素は同一または異なっていることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記矯正要素は、形状、サイズ、構造、色、材料、寸法および外形から選択された少なくとも1のパラメータについて異なることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法において、1よりも多くの矯正要素が前記視界に配置された場合に、当該矯正要素が別個の矯正要素である、あるいは部分的にのみ重複部を有しうることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の方法において、前記補正領域が所定の補正領域のデータベースから選択され、当該データベースは、一連の補正領域に関連する一連の規定された症状と前記1以上の補正領域に配置される前記矯正要素のパラメータとを含む、体系化された記録の収集を具えていることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記矯正要素のパラメータが、形状、サイズ、色、構造、材料、寸法および外形からなるグループから選択されることを特徴とする方法。
【請求項17】
患者の規定された症状を改善させるシステムにおいて、当該システムが:
規定された症状および前記症状それぞれに関連する補正領域のデータベースを具える管理モジュールであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界の特定の角度領域である管理モジュールと;
前記患者の症状の詳細を入力する入力ユーティリティと;
前記症状に関連する一組の1以上の補正領域を出力する出力ユーティリティとを具えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記データベースが、一連の補正領域に関連する一連の規定された症状を含む、体系化された記録の収集を具えていることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、前記体系化された記録の収集が、メモリユニットに記録されることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項17乃至19の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記記録が、各補正領域に関連する矯正要素のパラメータを含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項17乃至20の何れか一項に記載のシステムにおいて、前記管理モジュールが処理ユーティリティを具え、規定された症状に関するデータを受信および処理し、メモリユニット内の入力データの分析および記録を実施する専用のソフトウェアアプリケーションを実行することによって前記データを分析することを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、前記ソフトウェアアプリケーションが、マシンによって読み取りできるプログラム記憶デバイスに組み込めることを特徴とするシステム。
【請求項23】
患者に規定された症状を改善する方法を実行するため、内部に組み込まれたコンピュータ読取可能なプログラムコードを有するコンピュータ利用可能な媒体を具えるコンピュータプログラム製品において、当該コンピュータプログラム製品が:
前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界内の特定の角度領域である一組の1以上の補正領域を前記コンピュータに選択させるコンピュータ読取可能なプログラムコードであって、前記1以上の補正領域は前記症状に関連しているプログラムコードと;
選択された前記補正領域を示すデータをコンピュータに出力させ、ユーザが前記補正領域の前記表面領域上または前記角度領域内に1以上の矯正要素を配置できるようにして、前記症状を改善させるコンピュータ読取可能なプログラムコードとを具えることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
患者の規定された症状を改善するためのキットにおいて:
1以上の矯正要素を選択された一組の1以上の補正領域に設置するための1以上の矯正要素または手段と;
前記1以上の矯正要素を選択された一組の1以上の補正領域に適用する説明書とを具えており、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界(FOV)の特定の角度領域であり、前記1以上の補正領域は前記症状に関連していることを特徴とするキット。
【請求項25】
患者の規定された症状に関連する補正領域を提供する方法において、当該方法が:
前記患者の規定された症状を特定する入力を入手するステップと;
特定した前記規定された症状を利用して第1のデータベースに照会し、特定した前記規定された症状に関連する補正領域を入手するステップであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界の特定の角度領域に対応しているステップと;
前記補正領域を用いて構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するステップと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たすことを条件に、選択された前記補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法がさらに、特定した前記症状および選択された前記補正領域を用いて、前記患者の症状に関連する検査を構成するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、前記検査が選択された前記補正領域に対する前記患者の反応を判定するよう構成されており、前記反応は直接的または間接的に特定した前記症状に関連していることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法がさらに、選択された前記補正領域に対応する疑似矯正要素を前記患者に呈示し、前記疑似矯正要素に対する前記患者の反応を検査するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法がさらに、前記検査のベンチマークからの偏差を算出すべく、前記結果を処理するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法がさらに、前記結果が所定の閾値を満たすか否かを判定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記所定の閾値がデグラデーション閾値であり、前記結果が所定の閾値を満たすか否かを判定するステップが、前記患者の成績が前記デグラデーション閾値を満たす程度に十分低下したか否かを判定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法において、前記結果が前記所定の閾値を満たさない場合、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が収束基準を満たすか否かを判定することを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法がさらに、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が前記成績の閾値を満たさず、前記収束基準を満たさない場合に、調整した補正領域を特定し、前記調整した補正領域を用いて前記検査を再構成するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法において、前記調整した補正領域が、前記ベンチマークからの偏差に基づいて特定されることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法において、前記補正領域に対する前記患者の反応が前記所定の閾値を満たすことを条件に、前記補正領域に対応する矯正要素に関するデータを出力として提供することを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、調整された矯正要素のサーチが、前記成績の基準または前記収束基準を満たすまで続けられることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項35に記載の方法がさらに、更に規定された症状に対して、少なくとも、前記入力を入手するステップと、前記第1のデータベースに照会するステップと、前記更に規定された症状に関連する更なる補正領域および以前に規定された症状に関連する以前の補正領域をさらに利用して構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するステップと、前記更なる補正領域および前記以前の補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たしていることを条件に、前記更なる補正領域および前記以前の補正領域に関するデータを出力として提供するステップを繰り返すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項38】
患者の規定された症状に関連する患者の規定の原因に関する補正領域を提供する方法において、当該方法が:
規定された症状を特定する入力を入手するステップと;
第1のデータベースに照会して、特定した前記規定された症状に関連する規定の原因を判定するステップと;
特定した前記規定された症状および前記規定の原因を利用して第2のデータベースに照会し、特定した前記規定された症状および前記規定の原因に関連する補正領域を入手するステップであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界の特定の角度領域に対応しているステップと;
前記補正領域を用いて構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するステップと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たしていることを条件に、選択された前記補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法において、前記第1のデータベースに照会するステップが、特定した前記規定された症状に関連する複数の原因を返答し、前記複数の原因それぞれに対して:
特定した前記規定された症状およびそれぞれの前記規定の原因を利用して第2のデータベースに照会し、それぞれの補正領域を入手するステップと;
最新の前記規定の原因に関連するそれぞれの前記補正領域を利用して構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するステップと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たしていることを条件に、前記補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、前記出力が前記規定された症状に関連する複数の補正領域の仕様を提供し、前記複数の補正領域はそれぞれ、前記規定された症状のそれぞれの規定の原因に関連していることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項38に記載の方法がさらに、前記規定の原因および/または特定した前記規定された症状およびそれぞれの前記補正領域を利用して前記患者の症状に関連する検査を構成するステップを含んでおり、当該検査は、前記補正領域に対応する疑似矯正要素を前記患者に呈示し、前記疑似矯正要素に対する前記患者の反応を検査するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法がさらに、前記検査のベンチマークからの偏差を算出し、前記結果が所定の閾値を満たすか否かを判定するため、前記結果を処理するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、前記結果が前記所定の閾値を満たさない場合に、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が収束基準を満たすか否かを判定し、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が前記成績の閾値を満たさず、前記収束基準を満たさない場合には、調整した補正領域を算出し、前記調整した補正領域を利用して前記検査を再構成することを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、前記補正領域に対する前記患者の反応が前記所定の閾値を満たすことを条件に、前記補正領域に対応する矯正要素に関するデータを出力として提供することを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項43に記載の方法において、前記調整した矯正要素のサーチが、前記成績の基準または前記収束基準が満たされるまで続くことを特徴とする方法。
【請求項46】
患者の規定された症状に関連する補正領域を提供するシステムにおいて、当該システムが:
前記患者の規定された症状を特定する入力データを受信する入力インタフェースと;
前記規定された症状を特定する照会に反応し、特定した前記規定された症状に関連する各補正領域を返答する第1のデータベースであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界の特定の角度領域に対応している第1のデータベースと;
前記補正領域を用いて構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するよう適合している検査構成および管理モジュールと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たすか否かを判定するよう適合している検査評価モジュールと;
選択された前記補正領域に関する出力データとして提供するよう適合している出力提供モジュールとを具えることを特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項46に記載のシステムにおいて、前記検査評価モジュールが、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たすことを条件に、前記出力提供モジュールが選択された前記補正領域に関するデータを提供できるよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項48】
請求項46に記載のシステムにおいて、前記検査構成および管理モジュールがさらに、特定した前記症状および選択された前記補正領域を利用して、前記患者の症状に関係する検査を構成するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項49】
請求項46に記載のシステムにおいて、前記検査構成および管理モジュールが、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応を判定する検査を構成するよう適合しており、前記反応は特定した前記症状に直接的または間接的に関係していることを特徴とするシステム。
【請求項50】
請求項49に記載のシステムにおいて、前記検査構成および管理モジュールがさらに、選択された前記補正領域に対応する疑似矯正要素を前記患者に呈示し、前記疑似矯正要素に対する前記患者の反応を検査するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項51】
請求項50に記載のシステムにおいて、前記検査評価モジュールが、前記検査のベンチマークからの偏差を算出すべく前記結果を処理するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項52】
請求項51に記載のシステムにおいて、前記検査評価モジュールが、前記結果が所定の閾値を満たすか否かを判定するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項53】
請求項52に記載のシステムにおいて、前記所定の閾値がデグラデーション閾値であり、前記検査評価モジュールは、前記患者の成績が前記デグラデーション閾値を満たすよう十分に低下しているか否かを判定するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項54】
請求項52に記載のシステムにおいて、前記結果が前記所定の閾値を満たさない場合、前記検査評価モジュールは、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が収束基準を満たすか否かを判定するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項55】
請求項54に記載のシステムがさらに、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が前記成績の閾値を満たさず、前記収束基準を満たさない場合に、調整した補正領域を算出するよう適合し、前記調整した補正領域を用いて前記検査を再構成するよう適合している前記検査構成および管理モジュールを具えることを特徴とするシステム。
【請求項56】
請求項55に記載のシステムにおいて、前記調整した補正領域が、前記ベンチマークからの偏差に基づいて算出されることを特徴とするシステム。
【請求項57】
請求項55に記載のシステムにおいて、前記補正領域に対する前記患者の反応が前記所定の閾値を満たすことを条件に、前記出力提供モジュールが前記補正領域に対応する矯正要素に関するデータを出力として提供するよう適合することを特徴とするシステム。
【請求項58】
請求項57に記載のシステムにおいて、前記検査構成および管理モジュールが、前記成績の基準または前記収束基準が満たされるまで、調整した矯正要素のサーチを続けるよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項59】
請求項46に記載のシステムにおいて、前記入力インタフェースは前記患者の第2の規定された症状を特定する入力データを受信するよう適合しており、前記第1のデータベースは第2の前記規定された症状を特定する照会に反応して特定した第2の前記規定された症状に関連するそれぞれの補正領域を返答し、前記検査構成および管理モジュールは前記第2の規定された症状に関連する前記補正領域を用いて構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するよう適合しており、前記検査はさらに以前の補正領域を用いて構成され、前記検査評価モジュールは第2および前記以前の補正領域に対する前記患者の反応が規定の成績の閾値を満たすか否かを判定するよう適合しており、前記出力提供モジュールは前記第2および以前の補正領域に関するデータを提供するよう適合していることを特徴するシステム。
【請求項60】
患者に規定された症状に関連する患者の規定の原因に関係する補正領域を提供するシステムにおいて、当該システムが:
規定された症状を特定する入力を受信する入力インタフェースと;
前記規定された症状を特定する照会に反応し、特定した前記規定された症状に関連する規定の原因を返答する第1のデータベースと;
前記規定の原因を特定する照会に反応し、特定した前記規定された症状および前記規定の原因に関連する補正領域を返答する第2のデータベースであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界内の特定の角度領域に対応している第2のデータベースと;
前記補正領域を用いて構成された検査に対する前記患者の反応に関する表示を入手するよう適合している検査構成および管理モジュールと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が規定の成績の閾値を満たすか否かを判断するよう適合している検査評価モジュールと;
選択された前記補正領域に関する出力データとして提供するよう適合している出力提供モジュールとを具えることを特徴とするシステム。
【請求項61】
請求項60に記載のシステムにおいて、前記検査評価モジュールが、選択された前記補正領域に対するが規定の成績の閾値を満たすことを条件に前記出力提供モジュールが選択された前記補正領域に関するデータを出力として提供できるよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項62】
請求項61に記載のシステムにおいて、前記第1のデータベースは前記規定された症状を特定する入力に反応して特定した前記規定された症状に関連する複数の規定の原因を返答し、前記複数の原因それぞれについて前記第2のデータベースが特定した前記規定された症状およびそれぞれの前記規定の原因に関連する補正領域を繰り返し返答し、前記検査構成および管理モジュールはそれぞれの前記補正領域を利用して構成された検査に対する前記患者の反応に関する表示を入手するよう適合しており、前記検査評価モジュールはそれぞれの前記補正領域に対する前記患者の反応が規定の成績の閾値を満たすか否かを判定するよう適合しており、前記出力提供モジュールはそれぞれの前記補正領域に関するデータを提供するよう適合していることを特徴とするシステム。
【請求項63】
請求項62に記載のシステムにおいて、前記出力が前記規定された症状に関連する複数の補正領域の仕様を提供し、前記複数の補正領域それぞれは前記規定された症状のそれぞれの規定の原因に関連していることを特徴とするシステム。
【請求項64】
請求項60に記載のシステムにおいて、前記検査構成および管理モジュールがさらに、前記規定の原因および/または特定した前記規定された症状およびそれぞれの前記補正領域を利用して検査を構成するよう適合しており、前記検査は前記患者に前記補正領域に対応する疑似矯正要素を呈示して、前記疑似矯正要素に対する前記患者の反応を検査するステップを含むことを特徴とするシステム。
【請求項65】
請求項64に記載のシステムがさらに、前記検査のベンチマークからの偏差を算出して前記結果が所定の閾値を満たすか否かを判定するため、前記結果を処理するよう適合している前記検査評価モジュールを具えることを特徴とするシステム。
【請求項66】
請求項65に記載のシステムにおいて、前記結果が前記所定の閾値を満たさない場合に、前記検査評価モジュールは選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が集束基準を満たすか否かを判定するよう適合しており、選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が前記成績の閾値を満たさず、前記集束基準を満たさない場合に、調整した補正領域を算出し、前記調整した補正領域を利用して前記検査を再構成することを特徴とするシステム。
【請求項67】
請求項66に記載のシステムにおいて、前記補正領域に対する前記患者の反応が前記所定の閾値を満たすことを条件に、前記出力提供モジュールが前記補正領域に対応する矯正要素に関するデータを出力として提供できるようにすることを特徴とするシステム。
【請求項68】
請求項67に記載のシステムにおいて、前記検査構成および管理モジュールが、前記成績の基準または前記収束基準が満たされるまで、調整した矯正要素のサーチを続けるよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項69】
マシンによって読み取り可能であり、患者に規定された症状に関連する補正領域を提供する方法を実行するマシンによって実行可能な指示のプログラムを明確に組み込んだプログラム記憶デバイスにおいて、当該プログラムが:
前記患者の規定された症状を特定する入力を入手するステップと;
特定した前記規定された症状を利用して第1のデータベースに照会し、特定した前記規定された症状に関連する補正領域を入手するステップであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界内の特定の角度領域に対応していることを特徴とするステップと;
前記補正領域を用いて構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するステップと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が所定の成績の閾値を満たすことを条件に、選択された前記補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項70】
マシンによって読み取り可能であり、患者に規定された症状に関連する患者の規定の原因に関連する補正領域を提供する方法を実行するマシンによって実行可能な指示のプログラムを明確に組み込んだプログラム記憶デバイスにおいて、当該プログラムが:
規定された症状を特定する入力を入手するステップと;
第1のデータベースに照会し、特定した前記規定された症状に関連する規定の原因を判定するステップと;
特定した前記規定された症状および前記規定の原因を利用して第2のデータベースに照会し、特定した前記規定された症状および前記規定の原因に関連する補正領域を入手するステップであって、前記補正領域は前記患者の皮膚の表面における表面領域または前記患者の視界内の特定の角度領域に対応しているステップと;
前記補正領域を用いてい構成された検査に対する前記患者の反応を示す結果を入手するステップと;
選択された前記補正領域に対する前記患者の反応が規定の成績の閾値を満たすことを条件に、選択された前記補正領域に関するデータを出力として提供するステップとを含むことを特徴とするデバイス。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2012−518203(P2012−518203A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550701(P2011−550701)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000143
【国際公開番号】WO2010/095134
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511198771)エス.エム バランス ホールディングス (1)
【氏名又は名称原語表記】S.M BALANCE HOLDINGS