説明

視覚的フィルム識別

フィルムを識別する本発明の方法は、視覚的識別表示をフィルム長上における打抜き穴に対して近接して位置決めする段階を有する。望ましくは、視覚的識別表示は、フィルム上の録音帯から遠位のエッジに対して近接するフィルム上の打抜き穴間において位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にフィルムの視覚的識別に係り、より特には、リール上の識別始端部が除去される場合にフィルムのコマ(セグメント)の識別を容易にするよう、映画フィルムプリント上へとリール番号を刻印(インプリント)するナンバリング方法に係る。
【背景技術】
【0002】
現在、大半の長編映画(full length movie)は、未使用の映画フィルムにプリント又は焼付けされる。典型的な長編映画フィルムは、7,500乃至10,000フィートの長さである未使用のフィルムである。現在の映画フィルムのリールの平均的な寸法は、全体の映画フィルムより大幅に短い、1500乃至3000フィート等であるフィルム量のみを収容し得る。したがって、配給に対して公開される平均的な映画フィルムプリントは、3,4つ又はそれより多いフィルムリールを有する。各リールは典型的に、例えば5リール中のリール3又は6リール中のリール4のように、各リールと他のリールとの関係を特定するよう、なんらかの種類の視覚的マーキングを有する。結果として、リール上のマーキングが判読できなくなった場合に、製造者又は劇場の操作者等であるフィルムを扱う人は、同一の映画のフィルムリールと他のフィルムリールとの関係を視覚的に判断することに困難を感じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、複数のフィルムリールを互いに対して視覚的に識別することが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
フィルムを識別する本発明の方法は、フィルム長上の打抜き穴(perforations on a film length)の近くに視覚的識別表示(visual identifier)を位置決めする段階を有する。望ましくは、視覚的識別表示は、フィルムの録音帯(サウンドトラック)から遠位のエッジに対して近接するフィルム上の打抜き穴間において位置決めされる。
【0005】
本発明の他の一実施例では、フィルムを識別する方法は、映画のフィルム長を前進させる段階(advancing a film length)、及び、前進するフィルム長上の打抜き穴に対して視覚的識別表示を位置決めする段階を有する。望ましくは、視覚的識別表示は、フィルム長上の打抜き穴間において刻印される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の利点、性質、及び多種の追加的な特性は、これより添付の図面を参照してより詳細に記載される例証的実施例の考慮に基づき、更に明らかにされる。
【0007】
図面が本発明の概念を図示することを目的とすること、及び、図面が本発明を図示する唯一の可能な構造では必ずしもないことは、理解されるべきである。
【0008】
本発明は、製造、配給、輸送、及び受取り設備におけるリール又はフィルムコマの混合の発生の低減を支援するよう、映画のコマに対して視覚的識別表示を与える。典型的な一実施例では、リールナンバリングは、フィルムのエッジに沿ったフィルム打抜き穴間においてフィルムコマ識別番号を付けることによって用い得られる。レーザアレイ装置は、プリントフィルムの非録音帯側部上における打抜き穴間においてリール番号を刻印するよう使用され得る。番号の刻印は、望ましくは、エッジに沿った打抜き穴間においてフィルム上の番号を焼き付けることである。故に、フィルムはプリントされ、フィルムの異なる部分は、特定のフィルム長を有する特定のリールに対応する異なるリール番号マーキングを有する。更には、レーザアレイは、場合によってはこの範囲に作品タイトル及びリール番号を刻印することができる。
【0009】
図1中、典型的な映画フィルム10の一部が図示されており、該フィルム10は、長さの側部に沿った打抜き穴11及び11’、録音帯領域12、及びフィルムのビデオフレーム範囲16を有する。リールの識別表示14は、フィルムの録音帯側部に対向する打抜き穴間において番号5の形状で刻印される。典型的なプリント装置(図示せず)は、レーザ13を有し、フィルムが製造工程中に移動する際に、リール番号又はそれと同様のマーキングを有してフィルムにマーキングする。フレームカウンタ又は同様の機構は、レーザ13を通って移動するフィルムの長さを測定し、フィルムのコマからコマへのリール番号の変更を可能にする。コンピュータ又はロジック回路等である制御装置は、フレームカウンタを監視し得、フィルムリール上に保持されるフィルムの量に応じて、特定の長さのフィルムが通過するとレーザによって刻まれるレーザ番号を増加させるようレーザを制御し得る。フィルムカウントが第1のフィルム長の最後及び第2のフィルム長に達した際、リールナンバリングは、例えば、番号1から番号2に、あるいはフィルムコマ間の順序関係に関する他のなんらかの視覚表示に、変更され得る。
【0010】
図2を参照すると、フィルムのエッジに沿った打抜き穴21間における視覚的識別表示の他の実施例20が図示されている。フィルム長は、番号記号23又はドットのパターン22を有して刻印され得る。ドットのマトリックスパターン22は、多種の視覚的識別表示がフィルム長上に刻印され得ることを示す例に過ぎない。
【0011】
本発明のフィルムナンバリング方法に対する望ましい実施例が説明されてきたが、修正及び変形が上述された教示を参照して当業者によってなされ得る、ことは留意される。従って、本発明の特定の実施例における変更は、添付の請求項によって概要される本発明の範囲及び趣旨内においてなされ得る、ことが理解されるべきである。特許法によって求められる特殊性及び詳細を有する本発明が記載されてきたが、特許状によって請求及び保護されるものは、添付の請求項において記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】フィルム長を示し、本発明に従ったフィルムナンバリングシステムを図示する。
【図2】本発明に従ったフィルムの他の視覚的マーキングを図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを識別する方法であって:
視覚的識別表示をフィルム長上における打抜き穴に対して近接して位置決めする段階、
を有する方法。
【請求項2】
前記視覚的識別表示は、前記フィルム上の録音帯から遠位にあるエッジに対して近接する前記フィルム上の打抜き穴間において位置決めされる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記位置決めする段階は、番号を刻印する段階を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記位置決めする段階は、パターンを刻印する段階を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記位置決めする段階は、前記フィルム上に前記視覚的識別表示を焼き付ける段階を有する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記打抜き穴は、前記フィルム上の録音帯から遠位にある、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記位置決めする段階は、前記視覚的識別表示を刻印するレーザを有する、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記位置決めする段階は、前記フィルム上の打抜き穴間において番号を刻印するレーザを有する、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
フィルムを識別する方法であって:
映画のフィルム長を前進させる段階と;
視覚的識別表示を前記前進するフィルム長上における打抜き穴に対して位置決めする段階と、
を有する方法。
【請求項10】
前記位置決めする段階は、前記フィルム長上の打抜き穴間において視覚的識別表示を刻印する段階を有する、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記位置決めする段階は、レーザ装置を有して前記前進するフィルム長上において視覚的識別表示を焼き付ける段階を有する、
請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記視覚的識別表示は、映画の前記フィルム長のリールを示す番号である、
請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記視覚的識別表示は、映画の前記フィルム長のリールを示すパターンである、
請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記視覚的識別表示は、前記前進するフィルム長の異なる部分に対して変わる、
請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−515216(P2009−515216A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538864(P2008−538864)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/023491
【国際公開番号】WO2007/055747
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】