視覚表示装置
【目的】 40°以上の画角で観察でき、かつ、周辺までフラットで鮮明な画像を観察できる視覚表示装置。
【構成】 2次元画像表示素子1と、2次元画像表示素子1によって表示された2次元画像を投影するリレー光学系2、3と、観察者の眼球5の前側方向に設けられ、上記2次元画像を空中に拡大投影すると共に、投影された観察像を観察者の眼球5に導く凹面鏡4とからなる視覚表示装置であって、リレー光学系が、少なくとも1枚の正レンズを含む正又は負の屈折力を有する第1レンズ群2と、少なくとも1枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第2レンズ群3とから構成され、凹面鏡4の前側焦点面8をリレー光学系の結像面7を合致させるために、リレー光学系が偏心している。
【構成】 2次元画像表示素子1と、2次元画像表示素子1によって表示された2次元画像を投影するリレー光学系2、3と、観察者の眼球5の前側方向に設けられ、上記2次元画像を空中に拡大投影すると共に、投影された観察像を観察者の眼球5に導く凹面鏡4とからなる視覚表示装置であって、リレー光学系が、少なくとも1枚の正レンズを含む正又は負の屈折力を有する第1レンズ群2と、少なくとも1枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第2レンズ群3とから構成され、凹面鏡4の前側焦点面8をリレー光学系の結像面7を合致させるために、リレー光学系が偏心している。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポータブル型視覚表示装置に関し、特に、観察者の頭部又は顔面に保持することを可能とする頭部又は顔面装着式視覚表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、顔面装着式視覚表示装置として、図22に平面図を示したようなものが知られている(米国特許第4026641号)。これは、CRTのような画像表示素子46の像を画像伝達素子25で物体面12に伝達し、この物体面12の像をトーリック反射面10によって空中に投影するようにしたものである。
【0003】もう1つの従来技術として、図23に平面図を示したように、2次元画像表示素子21を空中に拡大投影する正レンズ系からなる接眼光学系22を用い、観察者眼球位置23へこの正レンズ系22のみで2次元画像表示素子21を拡大投影するものが、本出願人によって特願平3−295874号で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図23の従来のものは、光学系が簡単ですむ利点があるが、観察者の頭部から2次元画像素子21の突出量が多くなり、外界像と観察像の切り換えが容易にできず、観察画角を広くとろうとすると、正レンズ系22が大きくなり、装置全体が大型になってしまい、装着感が悪化する、等の問題がある。
【0005】以下、本発明が解決しようとする問題点について詳しく説明する。顔面装着式視覚表示装置にとって、装置全体の大きさを小さくすることが装着性を損なわなくするために重要な点となる。装着感を決める重要な要因には、装置の重量と重心があり、これらを決定する要因は光学系のレイアウトである。全体を小型にするためには、図23に示すような直視型のレイアウトでは、観察者顔面から装置突出量が大きくなり、装置が重くなると同時に、重量バランス的に観察者の頭部先端部が重くなるために、観察者が首を起こすような力を常に出さないと、前を見ていられなくなる。そのために、観察者に首の疲労を感じさせてしまう。
【0006】このような疲労を感じさせずに、長時間の観察を可能とするためには、観察者の眼球直前に反射面からなる接眼光学系を配置した構成が望ましい。これにより、2次元画像表示素子、照明光学系等を観察者の頭部中心に近い所に配置でき、装置の重心を頭部重心に比較的近く配置することが可能となる。
【0007】次に、大きな画角を確保することは、画像観察時の臨場感を上げるために必要である。特に、提示される画像の立体感は、提示画角によって決まってしまう(テレビジョン学会誌 Vol.45,No.12,pp.1589〜1596(1991))。立体感、迫力感等を観察者に与えるためには、水平方向で40°(±20°)以上の提示画角を確保することが必要であると同時に、120°(±60°)付近でその効果が飽和してしまうことが知られている。つまり、40°以上でなるべく120°に近い観察画角にすることが望ましい。しかし、前記接眼光学系が平面の反射鏡の場合は、観察者の眼球に前記40°以上の画角の光線を入射させようとした場合には、非常に大きな2次元画像表示素子を必要とし、結局、装置全体が大きく、重い物となってしまう。さらに、図22の従来技術のように凹面鏡を使用して、凹面鏡の前側焦点位置に2次元画像表示素子を配置し、凹面鏡のみで2次元画像表示素子を空中に拡大投影する配置をとっても、40°以上の観察画角を提供する場合には、2次元画像表示素子を射出した光線が観察者自身の頭部に当たってしまい、実現不可能となる。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、40°以上の画角で観察でき、かつ、周辺までフラットで鮮明な画像を観察できる視覚表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の視覚表示装置は、2次元画像表示素子と、前記2次元画像表示素子によって表示された2次元画像を投影するリレー光学系と、観察者の眼球の前側方向に設けられ、前記2次元画像を空中に拡大投影すると共に、投影された観察像を観察者の眼球に導く接眼光学系とからなる視覚表示装置において、前記リレー光学系が、前記2次元画像表示素子側から、少なくとも1枚の正レンズを含む正又は負の屈折力を有する第1レンズ群と、少なくとも1枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】以下、上記配置をとる理由と作用について説明する。図1は、本発明の視覚表示装置の観察者の右目に当たる部分の光学系のみを示した図であり、左目用の光学系はこれと対称に配置される。この図において、2次元画像表示素子を1、リレー光学系の第1群を2、リレー光学系の第2群を3、2次元画像表示素子1のリレー光学系2、3による投影像を空中に拡大投影する接眼光学系を4、観察者眼球位置を5、観察者にとって正面を観察している時の視軸を6、リレー光学系2、3の偏心していない物点に対する像面を7、接眼光学系4の前側焦点面を8、リレー光学系2、3の中心軸を9、観察者頭部を11とする。
【0011】上記のように、観察画角が40°を越える広画角の接眼光学系は、接眼光学系を非球面で構成しても、本出願人が先に出願した特願平4−106911号のような構成では不可能である。フラットな観察像で、かつ、装置全体の突出量が小さい小型の視覚表示装置を得るためには、観察者視軸に対して傾いた凹面鏡からなる接眼光学系を観察者顔面前方に配置することが必要である。凹面反射鏡で構成された接眼光学系の前側焦点面近傍に、リレー光学系による2次元画像表示素子の投影像を配することが重要である。
【0012】しかし、単にリレー光学系の前側焦点位置にリレー光学系による2次元画像表示素子の投影像を配置すると、図2に示すように、リレー光学系2、3の側頭部側への突出量が多くなってしまう。そこで、接眼光学系4に入射する前の視軸を屈曲させる手段として、以下に示す方法がある。
【0013】(1)プリズムを配置して視軸を屈曲する先行例(特願平3−295874号の第2実施例の方法)。
(2)図3(a)に示すように、偏心して配置した正レンズを含むレンズ系による方法(特願平3−295874号の第3実施例の方法)。
(3)図3(b)に示すように、偏心して配置した負レンズを含むレンズ系による方法。
【0014】しかし、本発明の場合のように、焦点距離の短い正のリレーレンズ系で像を投影しようとすると、強い正の屈折力のために、リレーレンズ系のペッツバール和が正に大きく出てしまい、強い像面湾曲が発生してしまう。プリズム、又は、偏心して配置した正レンズでは、リレー光学系のペッツバール和の補正に効果を持たないばかりか、偏心して配置した正のレンズ系では、大きい正のペッツバール和を益々大きくしてしまう。このような構成のまま、2次元画像表示素子1の投影像を接眼光学系4の前側焦点面近傍に投影したのでは、フラットで広い観察画角を観察することは不可能になってしまう。この大きい正のペッツバール和を補正するためには、リレーレンズ系の像面近傍に負のレンズを配することが重要である。この負レンズが負のペッツバール和を持つために、レンズ系全体のペッツバール和を補正するのに良い結果をもたらす。
【0015】本発明は、図3(b)に示すように、負の偏心したレンズによって観察者の視軸6を観察者頭部に沿って屈曲させて、突出量が小さく、小型で、しかも、広い観察画角を確保した視覚表示装置を提供することに成功したものである。
【0016】さらに好ましくは、視軸6に対して傾いた接眼光学系4の前側焦点面にリレー光学系2、3の投影像を一致させるために、リレー光学系の光軸9に垂直な像面7の軸外に当たる部分を視軸に相当するように、リレー光学系2、3を傾けて配置することが重要である。
【0017】つまり、図1において、時計回りの方向にθだけリレー光学系2、3を傾けて配置し、視軸6をリレー光学系2、3の軸外の物点となるように配置すると、接眼光学系4の前側焦点面8とリレー光学系の像面7が一致してくる。この配置が広画角化に良い結果をもたらす。
【0018】さらに好ましくは、接眼光学系4の前側焦点面8の視軸6に対する傾きと、リレー光学系2、3の2次元画像表示素子1の投影像7の傾きをより合わせるために、2次元画像表示素子1をリレー光学系2、3の光軸9に対して傾けて配置すると、広い画角に対してさらに良好な収差補正が可能となる。
【0019】さらに好ましくは、リレー光学系の第2群3の焦点距離F2 とするとき、 |F2 |<100 〔mm〕 ・・・・・・(1)
なる条件式を満足することが好ましい。
【0020】上記条件式(1)の上限を越えると、リレーレンズ系2、3のペッツバール和の補正が不足してしまい、リレー光学系2、3の光軸9に対してフラットな像面が得られなくなる。そのため、いくらリレー光学系2、3を傾けて配置しても、観察画角全体に収差のよく補正された観察像を提供することが不可能となってしまう。
【0021】また、近年の画像の高解像化に伴って、2次元画像表示素子1の解像度も高くなってきており、さらに望ましくは、以下の条件式(2)を満足することである。
【0022】
|F2 |<70 〔mm〕 ・・・・・・(2)
上記条件式(2)の上限を越えると、上記条件式(1)の範囲内であれば、通常、2次元画像表示素子1によって形式された像の観察には支障はないが、解像度の高い画像においては、やはり収差による劣化が影響してしまい、好ましくない。
【0023】また、リレー光学系の第1群2の焦点距離をF1 とするとき、 |F1 |<50 〔mm〕 ・・・・・・(3)
なる条件式を満足することが好ましい。
【0024】上記条件式(3)の上限を越えると、リレーレンズ系2、3の全長が長くなり、装置が大きくなってしまう。
【0025】さらに、接眼光学系4の後側焦点位置より離れた位置に観察者瞳位置5を配置すると、2次元画像表示素子1の投影像を射出する光線が拡がって凹面鏡4に入射するために、リレー光学系2、3を小型にできる。
【0026】また、さらにコンパクト化を望むなら、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
【0027】
|F1 |<40 〔mm〕 ・・・・・・(4)
さらに好ましくは、接眼光学系4の焦点距離をFR、接眼光学系4と観察者虹彩位置又は眼球回旋点5までの距離をDとするとき、 D>1.2×FR ・・・・・・(5)
D>30 〔mm〕 ・・・・・・(6)
なる条件式(5)、(6)を満足することが好ましい。
【0028】上記条件式(5)の下限を越えると、リレー光学系2、3の射出瞳を2次元画像表示素子1の投影像の接眼光学系4側に配置しないと、観察者虹彩位置5に瞳の投影ができなくなるために、リレー光学系2、3の大きさが大きくなり、装置全体が大型のものになってしまう。
【0029】また、接眼光学系4と観察者眼球の虹彩位置又は眼球回旋点5との距離Dは、接眼光学系4を観察者眼球直前に配置するために、あまりに短いと、観察者の睫毛に当たったり、恐怖感を与えてしまう。このために、接眼光学系4と観察者虹彩位置又は眼球回旋点5までの距離Dは、30mm以上離して配置することが望ましく、条件式(6)を満足することが好ましい。
【0030】なお、上記条件式(1)〜(6)は、本発明の効果をより高いものとするために必要な構成である。その効果は、以上の通りであるが、以下のように、 |F2 |<100 〔mm〕 ・・・・・・(1)
|F1 |<50 〔mm〕 ・・・・・・(3)
又は、 |F2 |<100 〔mm〕 ・・・・・・(1)
D>1.2×FR ・・・・・・(5)
D>30 〔mm〕 ・・・・・・(6)
又は、 |F1 |<50 〔mm〕 ・・・・・・(3)
D>1.2×FR ・・・・・・(5)
D>30 〔mm〕 ・・・・・・(6)
と、各条件式の組み合わせも、必要な効果に応じて構成要件として必須事項となってくる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の視覚表示装置の実施例1〜9について説明する。
実施例1図4を参照にしてこの実施例を説明する。座標系を図示のように、観察者の左右方向の右から左を正方向とするY軸、観察者の視軸方向の眼球側から凹面鏡側を正方向とするZ軸、上下方向の上から下を正方向とするX軸と定義する。図中、1はLCDタイプ等の2次元画像表示素子、2はリレー光学系の第1群レンズ、3はリレー光学系の第2群レンズ、4は非球面凹面鏡で構成された接眼光学系、5は観察者の眼球虹彩位置又は眼球回旋点、6は観察者が正面を観察している時の視軸である。
【0032】以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0033】偏心量と傾き角は、凹面鏡4については偏心量のみが与えられ、その頂点が射出瞳5中心を通る視軸(Z軸)からのY軸方向へ偏心している距離であり、リレー光学系に関しては、偏心量と傾き角が与えられ、まず、射出瞳5中心からY軸方向への偏心点を与え、その点を通るように光軸を定め、光軸の傾き角をZ軸の正方向軸からY軸の正方向軸へ向かう回転角を正方向の角度としてZ軸正方向からの傾き角で与えてある。そして、リレー光学系の第1面(面番号:3)の頂点位置(d0 )をこの光軸上での上記の偏心点からの距離として与えてある。また、像面(2次元画像表示素子1)については、その中心のリレー光学系光軸から直交方向の偏心量と、その表示面の光軸に垂直な面からの傾き角(図で、反時計回りを正とする。)とを与えてある。
【0034】また、凹面鏡4の曲率半径は、上下方向(X−Z面)をRx 、左右方向(Y−Z面)をRy とする。
【0035】また、面間隔は、射出瞳5と凹面鏡4の間については、射出瞳5中心と凹面鏡4中心間のZ軸方向の間隔、リレー光学系の第1面からその像面(2次元画像表示素子1)に到る間隔は、その光軸に沿う間隔で示してある。リレー光学系については、面の曲率半径をr1 〜ri で、面間隔をd1 〜di で、d線の屈折率をn1 〜ni で、アッベ数をν1 〜νi で示す。
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 26.040241 ° (d0 ) 19.015438 3(r1 ) -58.04366 (d1 ) -1.000000 n1=1.75520 ν1= 27.5 4(r2 ) -19.02574 (d2 ) -38.720647 5(r3 ) 12080.52179 (d3 ) -1.000000 n2=1.48749 ν2= 70.2 6(r4 ) -11.19630 (d4 ) -1.522859 7(r5 ) -21.28936 (d5 ) -1.000000 n3=1.67270 ν3= 32.1 8(r6 ) -10.10267 (d6 ) -2.372624 n4=1.74400 ν4= 44.8 9(r7 ) 23.76406 (d7 ) -11.463429 10(r8 ) 256.74720 (d8 ) -1.000000 n5=1.75520 ν5= 27.5 11(r9 ) -18.89849 (d9 ) -4.518314 n6=1.48749 ν6= 70.2 12(r10) 14.81502 (d10) -16.623492 13(r11) -22.49878 (d11) -9.004510 n7=1.55232 ν7= 63.7 14(r12) 15.87987 (d12) -1.000000 n8=1.75520 ν8= 27.5 15(r13) ∞ (d13) -5.000000 -6.120974 1.969615 °16(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =23.261、F2 =-37.895 。
【0036】次に、上記実施例のd線における横収差を図13に示す。■は視軸方向、■はX方向0°、Y方向−60°、■はX方向40°、Y方向−60°、■はX方向40°、Y方向0°、■はX方向40°、Y方向40°、■はX方向0°、Y方向40°におけるY軸方向及びX軸方向の値を示すものである。他の波長においても同様の収差特性を示し、色収差は格別問題にはならない。以下の他の実施例についても同様である。
【0037】実施例2図5を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0038】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 26.040241 ° (d0 ) 16.665453 3(r1 ) -37.55237 (d1 ) -1.000000 n1=1.61700 ν1= 62.8 4(r2 ) -12.85542 (d2 ) -36.493414 5(r3 ) -32.59437 (d3 ) -10.162469 n2=1.72000 ν2= 42.0 6(r4 ) 7.56580 (d4 ) -1.000000 n3=1.80518 ν3= 25.4 7(r5 ) 21.00741 (d5 ) -23.043310 8(r6 ) -38.95425 (d6 ) -7.146229 n4=1.70000 ν4= 48.1 9(r7 ) 16.25715 (d7 ) -1.000000 n5=1.80518 ν5= 25.4 10(r8 )42069.03894 (d8 ) -5.000000 -6.534836 4.811224 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =22.522、F2 =-32.178 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図14に示す。
【0039】実施例3図6を参照にしてこの実施例を説明する。この場合、リレー系の第1群2を2枚貼り合わせレンズのみで構成している。座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0040】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 26.040241 ° (d0 ) 18.191883 3(r1 ) -31.96335 (d1 ) -1.000000 n1=1.61800 ν1= 63.4 4(r2 ) -12.76592 (d2 ) -39.130088 5(r3 ) -17.94522 (d3 ) -1.000000 n2=1.80518 ν2= 25.4 6(r4 ) -8.39187 (d4 ) -12.000000 n3=1.618366 ν3= 60.4 7(r5 ) 20.20347 (d5 ) -28.911113 -6.597812 7.853774 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =20.942、F2 =-35.091 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1515に示す。
【0041】実施例4図7を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0042】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 -0.178099 ° (d0 ) 9.100000 3(r1 ) -45.52800 (d1 ) -1.000000 n1=1.56873 ν1= 63.1 4(r2 ) -11.30946 (d2 ) -11.925756 5(r3 ) -42.63346 (d3 ) -12.888300 n2=1.67270 ν2= 32.1 6(r4 ) 36.42143 (d4 ) -0.100000 7(r5 ) -242.44093 (d5 ) -1.000000 n3=1.75520 ν3= 27.5 8(r6 ) -16.63655 (d6 ) -8.515946 n4=1.50378 ν4= 66.8 9(r7 ) 13.87577 (d7 ) -16.623492 10(r8 ) -38.60163 (d8 ) -18.327962 n5=1.64100 ν5= 56.9 11(r9 ) 26.22947 (d9 ) -1.000000 n6=1.80518 ν6= 25.4 12(r10)-204.53911 (d10) -6.254814 -17.080254 19.576288 °13(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =18.727、F2 =-26.741 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1616に示す。
【0043】実施例5図8を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0044】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 4.057623 ° (d0 ) 19.015438 3(r1 ) -80.99141 (d1 ) -1.000000 n1=1.75520 ν1= 27.5 4(r2 ) -24.92726 (d2 ) -36.586270 5(r3 ) -70.69727 (d3 ) -1.000000 n2=1.48749 ν2= 70.2 6(r4 ) -13.98134 (d4 ) -1.715769 7(r5 ) -25.50551 (d5 ) -1.000000 n3=1.67270 ν3= 32.1 8(r6 ) -16.52040 (d6 ) -10.406194 n4=1.74400 ν4= 44.8 9(r7 ) 33.01851 (d7 ) -7.389077 10(r8 )-403.63217 (d8 ) -1.000000 n5=1.75520 ν5= 27.5 11(r9 ) -20.12047 (d9 ) -9.088408 n6=1.48749 ν6= 70.2 12(r10) 17.91058 (d10) -16.623492 13(r11) -33.65736 (d11) -16.000000 n7=1.55232 ν7= 63.7 14(r12) 26.63178 (d12) -1.000000 n8=1.75520 ν8= 27.5 15(r13) ∞ (d13) -5.000000 -13.623207 4.719896 °16(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =24.682、F2 =-48.052 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1717に示す。
【0045】実施例6図9を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0046】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 32.978130 ° (d0 ) 15.127157 3(r1 ) -37.55237 (d1 ) -1.000000 n1=1.61700 ν1= 62.8 4(r2 ) -12.85542 (d2 ) -23.627240 5(r3 ) -32.59437 (d3 ) -16.000000 n2=1.72000 ν2= 42.0 6(r4 ) 7.56580 (d4 ) -1.000000 n3=1.80518 ν3= 25.4 7(r5 ) 21.00741 (d5 ) -28.495921 8(r6 ) -38.95425 (d6 ) -11.862373 n4=1.70000 ν4= 48.1 9(r7 ) 16.25715 (d7 ) -1.000000 n5=1.80518 ν5= 25.4 10(r8 )42069.03894 (d8 ) -5.000000 -7.333641 10.995778 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =25.154、F2 =-32.178 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1818に示す。
【0047】実施例7図10を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例3とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0048】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 40.420411 ° (d0 ) 15.657649 3(r1 ) -13.57224 (d1 ) -1.000000 n1=1.61800 ν1= 63.4 4(r2 ) -8.43996 (d2 ) -23.230568 5(r3 ) -24.49654 (d3 ) -1.000000 n2=1.80518 ν2= 25.4 6(r4 ) -8.57513 (d4 ) -5.797191 n3=1.66989 ν3= 51.1 7(r5 ) 17.69302 (d5 ) -34.959813 -4.965890 7.213139 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =19.133、F2 =-39.019 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1919に示す。
【0049】実施例8図11を参照にしてこの実施例を説明する。座標系のとり方は実施例1と同様である。この場合、第1群のリレー光学系2は、第1部分2−1と第2部分2−2から構成されている。
【0050】以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0051】偏心量と傾き角の与え方については、凹面鏡4に関しては実施例1と同様であり、また、第2群のリレー光学系3についても実施例1と同様である。リレー光学系2の第1部分2−1については、その光軸の偏心量はその前のリレー光学系3の光軸に直角な方向への偏心距離で与えられ、その光軸の傾き角はリレー光学系3の光軸に対する傾き角で与えられる。同様に、リレー光学系2の第2部分2−2の光軸の偏心量はその前の部分2−1の光軸に直角な方向への偏心距離で与えられ、その光軸の傾き角は部分2−1の光軸に対する傾き角で与えられる。また、像面(2次元画像表示素子1)については、その中心の部分系2−2の光軸から直角方向の偏心量と、その表示面の光軸に垂直な面からの傾き角とが与えられる。
【0052】また、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。
【0053】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -59.732980 -8.791123 ° (d0 ) 9.100000 3(r1 ) -191.82408 (d1 ) -1.000000 n1=1.48749 ν1= 70.2 4(r2 ) -25.96046 (d2 ) -32.498922 4.072822 28.747190 °5(r3 ) -209.06385 (d3 ) -16.000000 n2=1.64100 ν2= 56.9 6(r4 ) 59.77712 (d4 ) -0.100000 7(r5 ) -39.79811 (d5 ) -2.000000 n3=1.80518 ν3= 25.4 8(r6 ) -21.02007 (d6 ) -9.742240 n4=1.58913 ν4= 61.2 9(r7 ) 64.11810 (d7 ) -16.623492 7.453844 -16.220540 °10(r8 ) -44.68943 (d8 ) -15.515796 n5=1.62041 ν5= 60.3 11(r9 ) 26.49680 (d9 ) -1.000000 n6=1.80518 ν6= 25.4 12(r10) 178.46191 (d10) -19.107691 -17.958057 23.157995 °13(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =28.882、F2 =-61.710 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図2121に示す。
【0054】実施例9図12を参照にしてこの実施例を説明する。座標系のとり方は実施例1と同様である。この場合、リレー光学系の第1群2と第2群3が相互に偏心して配置されている。
【0055】以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0056】偏心量と傾き角の与え方については、凹面鏡4に関しては実施例1と同様に偏心量が与えられ、また、その中心軸のZ軸に対する傾き角が与えられ、さらに、第2群のリレー光学系3については実施例1と同様に与えられる。リレー光学系の第1群2については、その光軸の偏心量はその前の第2群3の光軸に直角な方向への偏心距離で与えられ、その光軸の傾き角は第2群3の光軸に対する傾き角で与えられる。また、像面(2次元画像表示素子1)については、その中心の第1群2の光軸から直角方向の偏心量と、その表示面の光軸に垂直な面からの傾き角とが与えられる。
【0057】また、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。
【0058】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -22.714867 0.960545 °2(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 22.104374 ° (d0 ) 19.900000 3(r1 ) -73.00626 (d1 ) -1.000000 n1=1.61800 ν1= 63.4 4(r2 ) -21.33949 (d2 ) -41.890561 -1.016011 21.764664 °5(r3 ) -25.53817 (d3 ) -1.000000 n2=1.80518 ν2= 25.4 6(r4 ) -10.48972 (d4 ) -16.000000 n3=1.65560 ν3= 46.1 7(r5 ) 25.36542 (d5 ) -40.478597 3.210122 8.273448 °8(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =25.949、F2 =-49.155 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図2222に示す。
【0059】以上、本発明の視覚表示装置をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず、種々の変形が可能である。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によると、突出量が小さく、小型で、広い提示画角で、しかも、周辺の画角まで鮮明に観察することができる顔面装着型の視覚表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の視覚表示装置の光学系を示す図である。
【図2】本発明の視覚表示装置を説明するための図である。
【図3】視軸を屈曲させる手段を説明するための図である。
【図4】実施例1の光学的構成を示すための図である。
【図5】実施例2の光学的構成を示すための図である。
【図6】実施例3の光学的構成を示すための図である。
【図7】実施例4の光学的構成を示すための図である。
【図8】実施例5の光学的構成を示すための図である。
【図9】実施例6の光学的構成を示すための図である。
【図10】実施例7の光学的構成を示すための図である。
【図11】実施例8の光学的構成を示すための図である。
【図12】実施例9の光学的構成を示すための図である。
【図13】実施例1のd線における横収差を示す図である。
【図14】実施例2の図13と同様の横収差を示す図である。
【図15】実施例3の図13と同様の横収差を示す図である。
【図16】実施例4の図13と同様の横収差を示す図である。
【図17】実施例5の図13と同様の横収差を示す図である。
【図18】実施例6の図13と同様の横収差を示す図である。
【図19】実施例7の図13と同様の横収差を示す図である。
【図20】実施例8の図13と同様の横収差を示す図である。
【図21】実施例9の図13と同様の横収差を示す図である。
【図22】従来の顔面装着式視覚表示装置の構成を示す平面図である。
【図23】本出願人の提案に係る顔面装着式視覚表示装置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1…2次元画像表示素子
2…リレー光学系の第1群
3…リレー光学系の第2群
4…接眼光学系
5…観察者眼球位置
6…観察者が正面を観察している時の視軸
7…リレー光学系の偏心していない物点に対する像面
8…接眼光学系の前側焦点面
9…リレー光学系の中心軸
11…観察者頭部
2−1…リレー光学系の第1群の第1部分
2−2…リレー光学系の第1群の第2部分
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポータブル型視覚表示装置に関し、特に、観察者の頭部又は顔面に保持することを可能とする頭部又は顔面装着式視覚表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、顔面装着式視覚表示装置として、図22に平面図を示したようなものが知られている(米国特許第4026641号)。これは、CRTのような画像表示素子46の像を画像伝達素子25で物体面12に伝達し、この物体面12の像をトーリック反射面10によって空中に投影するようにしたものである。
【0003】もう1つの従来技術として、図23に平面図を示したように、2次元画像表示素子21を空中に拡大投影する正レンズ系からなる接眼光学系22を用い、観察者眼球位置23へこの正レンズ系22のみで2次元画像表示素子21を拡大投影するものが、本出願人によって特願平3−295874号で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図23の従来のものは、光学系が簡単ですむ利点があるが、観察者の頭部から2次元画像素子21の突出量が多くなり、外界像と観察像の切り換えが容易にできず、観察画角を広くとろうとすると、正レンズ系22が大きくなり、装置全体が大型になってしまい、装着感が悪化する、等の問題がある。
【0005】以下、本発明が解決しようとする問題点について詳しく説明する。顔面装着式視覚表示装置にとって、装置全体の大きさを小さくすることが装着性を損なわなくするために重要な点となる。装着感を決める重要な要因には、装置の重量と重心があり、これらを決定する要因は光学系のレイアウトである。全体を小型にするためには、図23に示すような直視型のレイアウトでは、観察者顔面から装置突出量が大きくなり、装置が重くなると同時に、重量バランス的に観察者の頭部先端部が重くなるために、観察者が首を起こすような力を常に出さないと、前を見ていられなくなる。そのために、観察者に首の疲労を感じさせてしまう。
【0006】このような疲労を感じさせずに、長時間の観察を可能とするためには、観察者の眼球直前に反射面からなる接眼光学系を配置した構成が望ましい。これにより、2次元画像表示素子、照明光学系等を観察者の頭部中心に近い所に配置でき、装置の重心を頭部重心に比較的近く配置することが可能となる。
【0007】次に、大きな画角を確保することは、画像観察時の臨場感を上げるために必要である。特に、提示される画像の立体感は、提示画角によって決まってしまう(テレビジョン学会誌 Vol.45,No.12,pp.1589〜1596(1991))。立体感、迫力感等を観察者に与えるためには、水平方向で40°(±20°)以上の提示画角を確保することが必要であると同時に、120°(±60°)付近でその効果が飽和してしまうことが知られている。つまり、40°以上でなるべく120°に近い観察画角にすることが望ましい。しかし、前記接眼光学系が平面の反射鏡の場合は、観察者の眼球に前記40°以上の画角の光線を入射させようとした場合には、非常に大きな2次元画像表示素子を必要とし、結局、装置全体が大きく、重い物となってしまう。さらに、図22の従来技術のように凹面鏡を使用して、凹面鏡の前側焦点位置に2次元画像表示素子を配置し、凹面鏡のみで2次元画像表示素子を空中に拡大投影する配置をとっても、40°以上の観察画角を提供する場合には、2次元画像表示素子を射出した光線が観察者自身の頭部に当たってしまい、実現不可能となる。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、40°以上の画角で観察でき、かつ、周辺までフラットで鮮明な画像を観察できる視覚表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の視覚表示装置は、2次元画像表示素子と、前記2次元画像表示素子によって表示された2次元画像を投影するリレー光学系と、観察者の眼球の前側方向に設けられ、前記2次元画像を空中に拡大投影すると共に、投影された観察像を観察者の眼球に導く接眼光学系とからなる視覚表示装置において、前記リレー光学系が、前記2次元画像表示素子側から、少なくとも1枚の正レンズを含む正又は負の屈折力を有する第1レンズ群と、少なくとも1枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】以下、上記配置をとる理由と作用について説明する。図1は、本発明の視覚表示装置の観察者の右目に当たる部分の光学系のみを示した図であり、左目用の光学系はこれと対称に配置される。この図において、2次元画像表示素子を1、リレー光学系の第1群を2、リレー光学系の第2群を3、2次元画像表示素子1のリレー光学系2、3による投影像を空中に拡大投影する接眼光学系を4、観察者眼球位置を5、観察者にとって正面を観察している時の視軸を6、リレー光学系2、3の偏心していない物点に対する像面を7、接眼光学系4の前側焦点面を8、リレー光学系2、3の中心軸を9、観察者頭部を11とする。
【0011】上記のように、観察画角が40°を越える広画角の接眼光学系は、接眼光学系を非球面で構成しても、本出願人が先に出願した特願平4−106911号のような構成では不可能である。フラットな観察像で、かつ、装置全体の突出量が小さい小型の視覚表示装置を得るためには、観察者視軸に対して傾いた凹面鏡からなる接眼光学系を観察者顔面前方に配置することが必要である。凹面反射鏡で構成された接眼光学系の前側焦点面近傍に、リレー光学系による2次元画像表示素子の投影像を配することが重要である。
【0012】しかし、単にリレー光学系の前側焦点位置にリレー光学系による2次元画像表示素子の投影像を配置すると、図2に示すように、リレー光学系2、3の側頭部側への突出量が多くなってしまう。そこで、接眼光学系4に入射する前の視軸を屈曲させる手段として、以下に示す方法がある。
【0013】(1)プリズムを配置して視軸を屈曲する先行例(特願平3−295874号の第2実施例の方法)。
(2)図3(a)に示すように、偏心して配置した正レンズを含むレンズ系による方法(特願平3−295874号の第3実施例の方法)。
(3)図3(b)に示すように、偏心して配置した負レンズを含むレンズ系による方法。
【0014】しかし、本発明の場合のように、焦点距離の短い正のリレーレンズ系で像を投影しようとすると、強い正の屈折力のために、リレーレンズ系のペッツバール和が正に大きく出てしまい、強い像面湾曲が発生してしまう。プリズム、又は、偏心して配置した正レンズでは、リレー光学系のペッツバール和の補正に効果を持たないばかりか、偏心して配置した正のレンズ系では、大きい正のペッツバール和を益々大きくしてしまう。このような構成のまま、2次元画像表示素子1の投影像を接眼光学系4の前側焦点面近傍に投影したのでは、フラットで広い観察画角を観察することは不可能になってしまう。この大きい正のペッツバール和を補正するためには、リレーレンズ系の像面近傍に負のレンズを配することが重要である。この負レンズが負のペッツバール和を持つために、レンズ系全体のペッツバール和を補正するのに良い結果をもたらす。
【0015】本発明は、図3(b)に示すように、負の偏心したレンズによって観察者の視軸6を観察者頭部に沿って屈曲させて、突出量が小さく、小型で、しかも、広い観察画角を確保した視覚表示装置を提供することに成功したものである。
【0016】さらに好ましくは、視軸6に対して傾いた接眼光学系4の前側焦点面にリレー光学系2、3の投影像を一致させるために、リレー光学系の光軸9に垂直な像面7の軸外に当たる部分を視軸に相当するように、リレー光学系2、3を傾けて配置することが重要である。
【0017】つまり、図1において、時計回りの方向にθだけリレー光学系2、3を傾けて配置し、視軸6をリレー光学系2、3の軸外の物点となるように配置すると、接眼光学系4の前側焦点面8とリレー光学系の像面7が一致してくる。この配置が広画角化に良い結果をもたらす。
【0018】さらに好ましくは、接眼光学系4の前側焦点面8の視軸6に対する傾きと、リレー光学系2、3の2次元画像表示素子1の投影像7の傾きをより合わせるために、2次元画像表示素子1をリレー光学系2、3の光軸9に対して傾けて配置すると、広い画角に対してさらに良好な収差補正が可能となる。
【0019】さらに好ましくは、リレー光学系の第2群3の焦点距離F2 とするとき、 |F2 |<100 〔mm〕 ・・・・・・(1)
なる条件式を満足することが好ましい。
【0020】上記条件式(1)の上限を越えると、リレーレンズ系2、3のペッツバール和の補正が不足してしまい、リレー光学系2、3の光軸9に対してフラットな像面が得られなくなる。そのため、いくらリレー光学系2、3を傾けて配置しても、観察画角全体に収差のよく補正された観察像を提供することが不可能となってしまう。
【0021】また、近年の画像の高解像化に伴って、2次元画像表示素子1の解像度も高くなってきており、さらに望ましくは、以下の条件式(2)を満足することである。
【0022】
|F2 |<70 〔mm〕 ・・・・・・(2)
上記条件式(2)の上限を越えると、上記条件式(1)の範囲内であれば、通常、2次元画像表示素子1によって形式された像の観察には支障はないが、解像度の高い画像においては、やはり収差による劣化が影響してしまい、好ましくない。
【0023】また、リレー光学系の第1群2の焦点距離をF1 とするとき、 |F1 |<50 〔mm〕 ・・・・・・(3)
なる条件式を満足することが好ましい。
【0024】上記条件式(3)の上限を越えると、リレーレンズ系2、3の全長が長くなり、装置が大きくなってしまう。
【0025】さらに、接眼光学系4の後側焦点位置より離れた位置に観察者瞳位置5を配置すると、2次元画像表示素子1の投影像を射出する光線が拡がって凹面鏡4に入射するために、リレー光学系2、3を小型にできる。
【0026】また、さらにコンパクト化を望むなら、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
【0027】
|F1 |<40 〔mm〕 ・・・・・・(4)
さらに好ましくは、接眼光学系4の焦点距離をFR、接眼光学系4と観察者虹彩位置又は眼球回旋点5までの距離をDとするとき、 D>1.2×FR ・・・・・・(5)
D>30 〔mm〕 ・・・・・・(6)
なる条件式(5)、(6)を満足することが好ましい。
【0028】上記条件式(5)の下限を越えると、リレー光学系2、3の射出瞳を2次元画像表示素子1の投影像の接眼光学系4側に配置しないと、観察者虹彩位置5に瞳の投影ができなくなるために、リレー光学系2、3の大きさが大きくなり、装置全体が大型のものになってしまう。
【0029】また、接眼光学系4と観察者眼球の虹彩位置又は眼球回旋点5との距離Dは、接眼光学系4を観察者眼球直前に配置するために、あまりに短いと、観察者の睫毛に当たったり、恐怖感を与えてしまう。このために、接眼光学系4と観察者虹彩位置又は眼球回旋点5までの距離Dは、30mm以上離して配置することが望ましく、条件式(6)を満足することが好ましい。
【0030】なお、上記条件式(1)〜(6)は、本発明の効果をより高いものとするために必要な構成である。その効果は、以上の通りであるが、以下のように、 |F2 |<100 〔mm〕 ・・・・・・(1)
|F1 |<50 〔mm〕 ・・・・・・(3)
又は、 |F2 |<100 〔mm〕 ・・・・・・(1)
D>1.2×FR ・・・・・・(5)
D>30 〔mm〕 ・・・・・・(6)
又は、 |F1 |<50 〔mm〕 ・・・・・・(3)
D>1.2×FR ・・・・・・(5)
D>30 〔mm〕 ・・・・・・(6)
と、各条件式の組み合わせも、必要な効果に応じて構成要件として必須事項となってくる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の視覚表示装置の実施例1〜9について説明する。
実施例1図4を参照にしてこの実施例を説明する。座標系を図示のように、観察者の左右方向の右から左を正方向とするY軸、観察者の視軸方向の眼球側から凹面鏡側を正方向とするZ軸、上下方向の上から下を正方向とするX軸と定義する。図中、1はLCDタイプ等の2次元画像表示素子、2はリレー光学系の第1群レンズ、3はリレー光学系の第2群レンズ、4は非球面凹面鏡で構成された接眼光学系、5は観察者の眼球虹彩位置又は眼球回旋点、6は観察者が正面を観察している時の視軸である。
【0032】以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0033】偏心量と傾き角は、凹面鏡4については偏心量のみが与えられ、その頂点が射出瞳5中心を通る視軸(Z軸)からのY軸方向へ偏心している距離であり、リレー光学系に関しては、偏心量と傾き角が与えられ、まず、射出瞳5中心からY軸方向への偏心点を与え、その点を通るように光軸を定め、光軸の傾き角をZ軸の正方向軸からY軸の正方向軸へ向かう回転角を正方向の角度としてZ軸正方向からの傾き角で与えてある。そして、リレー光学系の第1面(面番号:3)の頂点位置(d0 )をこの光軸上での上記の偏心点からの距離として与えてある。また、像面(2次元画像表示素子1)については、その中心のリレー光学系光軸から直交方向の偏心量と、その表示面の光軸に垂直な面からの傾き角(図で、反時計回りを正とする。)とを与えてある。
【0034】また、凹面鏡4の曲率半径は、上下方向(X−Z面)をRx 、左右方向(Y−Z面)をRy とする。
【0035】また、面間隔は、射出瞳5と凹面鏡4の間については、射出瞳5中心と凹面鏡4中心間のZ軸方向の間隔、リレー光学系の第1面からその像面(2次元画像表示素子1)に到る間隔は、その光軸に沿う間隔で示してある。リレー光学系については、面の曲率半径をr1 〜ri で、面間隔をd1 〜di で、d線の屈折率をn1 〜ni で、アッベ数をν1 〜νi で示す。
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 26.040241 ° (d0 ) 19.015438 3(r1 ) -58.04366 (d1 ) -1.000000 n1=1.75520 ν1= 27.5 4(r2 ) -19.02574 (d2 ) -38.720647 5(r3 ) 12080.52179 (d3 ) -1.000000 n2=1.48749 ν2= 70.2 6(r4 ) -11.19630 (d4 ) -1.522859 7(r5 ) -21.28936 (d5 ) -1.000000 n3=1.67270 ν3= 32.1 8(r6 ) -10.10267 (d6 ) -2.372624 n4=1.74400 ν4= 44.8 9(r7 ) 23.76406 (d7 ) -11.463429 10(r8 ) 256.74720 (d8 ) -1.000000 n5=1.75520 ν5= 27.5 11(r9 ) -18.89849 (d9 ) -4.518314 n6=1.48749 ν6= 70.2 12(r10) 14.81502 (d10) -16.623492 13(r11) -22.49878 (d11) -9.004510 n7=1.55232 ν7= 63.7 14(r12) 15.87987 (d12) -1.000000 n8=1.75520 ν8= 27.5 15(r13) ∞ (d13) -5.000000 -6.120974 1.969615 °16(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =23.261、F2 =-37.895 。
【0036】次に、上記実施例のd線における横収差を図13に示す。
【0037】実施例2図5を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0038】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 26.040241 ° (d0 ) 16.665453 3(r1 ) -37.55237 (d1 ) -1.000000 n1=1.61700 ν1= 62.8 4(r2 ) -12.85542 (d2 ) -36.493414 5(r3 ) -32.59437 (d3 ) -10.162469 n2=1.72000 ν2= 42.0 6(r4 ) 7.56580 (d4 ) -1.000000 n3=1.80518 ν3= 25.4 7(r5 ) 21.00741 (d5 ) -23.043310 8(r6 ) -38.95425 (d6 ) -7.146229 n4=1.70000 ν4= 48.1 9(r7 ) 16.25715 (d7 ) -1.000000 n5=1.80518 ν5= 25.4 10(r8 )42069.03894 (d8 ) -5.000000 -6.534836 4.811224 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =22.522、F2 =-32.178 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図14に示す。
【0039】実施例3図6を参照にしてこの実施例を説明する。この場合、リレー系の第1群2を2枚貼り合わせレンズのみで構成している。座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0040】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 26.040241 ° (d0 ) 18.191883 3(r1 ) -31.96335 (d1 ) -1.000000 n1=1.61800 ν1= 63.4 4(r2 ) -12.76592 (d2 ) -39.130088 5(r3 ) -17.94522 (d3 ) -1.000000 n2=1.80518 ν2= 25.4 6(r4 ) -8.39187 (d4 ) -12.000000 n3=1.618366 ν3= 60.4 7(r5 ) 20.20347 (d5 ) -28.911113 -6.597812 7.853774 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =20.942、F2 =-35.091 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1515に示す。
【0041】実施例4図7を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0042】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 -0.178099 ° (d0 ) 9.100000 3(r1 ) -45.52800 (d1 ) -1.000000 n1=1.56873 ν1= 63.1 4(r2 ) -11.30946 (d2 ) -11.925756 5(r3 ) -42.63346 (d3 ) -12.888300 n2=1.67270 ν2= 32.1 6(r4 ) 36.42143 (d4 ) -0.100000 7(r5 ) -242.44093 (d5 ) -1.000000 n3=1.75520 ν3= 27.5 8(r6 ) -16.63655 (d6 ) -8.515946 n4=1.50378 ν4= 66.8 9(r7 ) 13.87577 (d7 ) -16.623492 10(r8 ) -38.60163 (d8 ) -18.327962 n5=1.64100 ν5= 56.9 11(r9 ) 26.22947 (d9 ) -1.000000 n6=1.80518 ν6= 25.4 12(r10)-204.53911 (d10) -6.254814 -17.080254 19.576288 °13(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =18.727、F2 =-26.741 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1616に示す。
【0043】実施例5図8を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0044】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 4.057623 ° (d0 ) 19.015438 3(r1 ) -80.99141 (d1 ) -1.000000 n1=1.75520 ν1= 27.5 4(r2 ) -24.92726 (d2 ) -36.586270 5(r3 ) -70.69727 (d3 ) -1.000000 n2=1.48749 ν2= 70.2 6(r4 ) -13.98134 (d4 ) -1.715769 7(r5 ) -25.50551 (d5 ) -1.000000 n3=1.67270 ν3= 32.1 8(r6 ) -16.52040 (d6 ) -10.406194 n4=1.74400 ν4= 44.8 9(r7 ) 33.01851 (d7 ) -7.389077 10(r8 )-403.63217 (d8 ) -1.000000 n5=1.75520 ν5= 27.5 11(r9 ) -20.12047 (d9 ) -9.088408 n6=1.48749 ν6= 70.2 12(r10) 17.91058 (d10) -16.623492 13(r11) -33.65736 (d11) -16.000000 n7=1.55232 ν7= 63.7 14(r12) 26.63178 (d12) -1.000000 n8=1.75520 ν8= 27.5 15(r13) ∞ (d13) -5.000000 -13.623207 4.719896 °16(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =24.682、F2 =-48.052 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1717に示す。
【0045】実施例6図9を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例1とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数も実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0046】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 32.978130 ° (d0 ) 15.127157 3(r1 ) -37.55237 (d1 ) -1.000000 n1=1.61700 ν1= 62.8 4(r2 ) -12.85542 (d2 ) -23.627240 5(r3 ) -32.59437 (d3 ) -16.000000 n2=1.72000 ν2= 42.0 6(r4 ) 7.56580 (d4 ) -1.000000 n3=1.80518 ν3= 25.4 7(r5 ) 21.00741 (d5 ) -28.495921 8(r6 ) -38.95425 (d6 ) -11.862373 n4=1.70000 ν4= 48.1 9(r7 ) 16.25715 (d7 ) -1.000000 n5=1.80518 ν5= 25.4 10(r8 )42069.03894 (d8 ) -5.000000 -7.333641 10.995778 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =25.154、F2 =-32.178 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1818に示す。
【0047】実施例7図10を参照にしてこの実施例を説明する。光学系の構成は実施例3とほぼ同様であり、座標系のとり方、偏心量と傾き角の与え方、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0048】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 40.420411 ° (d0 ) 15.657649 3(r1 ) -13.57224 (d1 ) -1.000000 n1=1.61800 ν1= 63.4 4(r2 ) -8.43996 (d2 ) -23.230568 5(r3 ) -24.49654 (d3 ) -1.000000 n2=1.80518 ν2= 25.4 6(r4 ) -8.57513 (d4 ) -5.797191 n3=1.66989 ν3= 51.1 7(r5 ) 17.69302 (d5 ) -34.959813 -4.965890 7.213139 °11(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =19.133、F2 =-39.019 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図1919に示す。
【0049】実施例8図11を参照にしてこの実施例を説明する。座標系のとり方は実施例1と同様である。この場合、第1群のリレー光学系2は、第1部分2−1と第2部分2−2から構成されている。
【0050】以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0051】偏心量と傾き角の与え方については、凹面鏡4に関しては実施例1と同様であり、また、第2群のリレー光学系3についても実施例1と同様である。リレー光学系2の第1部分2−1については、その光軸の偏心量はその前のリレー光学系3の光軸に直角な方向への偏心距離で与えられ、その光軸の傾き角はリレー光学系3の光軸に対する傾き角で与えられる。同様に、リレー光学系2の第2部分2−2の光軸の偏心量はその前の部分2−1の光軸に直角な方向への偏心距離で与えられ、その光軸の傾き角は部分2−1の光軸に対する傾き角で与えられる。また、像面(2次元画像表示素子1)については、その中心の部分系2−2の光軸から直角方向の偏心量と、その表示面の光軸に垂直な面からの傾き角とが与えられる。
【0052】また、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。
【0053】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -24.1347072(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -59.732980 -8.791123 ° (d0 ) 9.100000 3(r1 ) -191.82408 (d1 ) -1.000000 n1=1.48749 ν1= 70.2 4(r2 ) -25.96046 (d2 ) -32.498922 4.072822 28.747190 °5(r3 ) -209.06385 (d3 ) -16.000000 n2=1.64100 ν2= 56.9 6(r4 ) 59.77712 (d4 ) -0.100000 7(r5 ) -39.79811 (d5 ) -2.000000 n3=1.80518 ν3= 25.4 8(r6 ) -21.02007 (d6 ) -9.742240 n4=1.58913 ν4= 61.2 9(r7 ) 64.11810 (d7 ) -16.623492 7.453844 -16.220540 °10(r8 ) -44.68943 (d8 ) -15.515796 n5=1.62041 ν5= 60.3 11(r9 ) 26.49680 (d9 ) -1.000000 n6=1.80518 ν6= 25.4 12(r10) 178.46191 (d10) -19.107691 -17.958057 23.157995 °13(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =28.882、F2 =-61.710 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図2121に示す。
【0054】実施例9図12を参照にしてこの実施例を説明する。座標系のとり方は実施例1と同様である。この場合、リレー光学系の第1群2と第2群3が相互に偏心して配置されている。
【0055】以下、この光学系の構成パラメータを示すが、面番号は、射出瞳5位置から2次元画像表示素子1へ向かう逆追跡の面番号として示してある。
【0056】偏心量と傾き角の与え方については、凹面鏡4に関しては実施例1と同様に偏心量が与えられ、また、その中心軸のZ軸に対する傾き角が与えられ、さらに、第2群のリレー光学系3については実施例1と同様に与えられる。リレー光学系の第1群2については、その光軸の偏心量はその前の第2群3の光軸に直角な方向への偏心距離で与えられ、その光軸の傾き角は第2群3の光軸に対する傾き角で与えられる。また、像面(2次元画像表示素子1)については、その中心の第1群2の光軸から直角方向の偏心量と、その表示面の光軸に垂直な面からの傾き角とが与えられる。
【0057】また、各面の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数は実施例1と同様に与えられる。
【0058】
面番号 曲率半径 間隔 偏心量 傾き角 (屈折率) (アベ数)
1(5) ∞(瞳) (D) 41.161349 -22.714867 0.960545 °2(4)Ry -55.37625 Rx -41.161351(5) ∞(瞳) -48.278991 22.104374 ° (d0 ) 19.900000 3(r1 ) -73.00626 (d1 ) -1.000000 n1=1.61800 ν1= 63.4 4(r2 ) -21.33949 (d2 ) -41.890561 -1.016011 21.764664 °5(r3 ) -25.53817 (d3 ) -1.000000 n2=1.80518 ν2= 25.4 6(r4 ) -10.48972 (d4 ) -16.000000 n3=1.65560 ν3= 46.1 7(r5 ) 25.36542 (d5 ) -40.478597 3.210122 8.273448 °8(1) ∞(像面)
上記実施例のリレー光学系の焦点距離F1 、F2 は次の通りである。
F1 =25.949、F2 =-49.155 。
上記実施例のd線における実施例1と同様な横収差を図2222に示す。
【0059】以上、本発明の視覚表示装置をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず、種々の変形が可能である。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によると、突出量が小さく、小型で、広い提示画角で、しかも、周辺の画角まで鮮明に観察することができる顔面装着型の視覚表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の視覚表示装置の光学系を示す図である。
【図2】本発明の視覚表示装置を説明するための図である。
【図3】視軸を屈曲させる手段を説明するための図である。
【図4】実施例1の光学的構成を示すための図である。
【図5】実施例2の光学的構成を示すための図である。
【図6】実施例3の光学的構成を示すための図である。
【図7】実施例4の光学的構成を示すための図である。
【図8】実施例5の光学的構成を示すための図である。
【図9】実施例6の光学的構成を示すための図である。
【図10】実施例7の光学的構成を示すための図である。
【図11】実施例8の光学的構成を示すための図である。
【図12】実施例9の光学的構成を示すための図である。
【図13】実施例1のd線における横収差を示す図である。
【図14】実施例2の図13と同様の横収差を示す図である。
【図15】実施例3の図13と同様の横収差を示す図である。
【図16】実施例4の図13と同様の横収差を示す図である。
【図17】実施例5の図13と同様の横収差を示す図である。
【図18】実施例6の図13と同様の横収差を示す図である。
【図19】実施例7の図13と同様の横収差を示す図である。
【図20】実施例8の図13と同様の横収差を示す図である。
【図21】実施例9の図13と同様の横収差を示す図である。
【図22】従来の顔面装着式視覚表示装置の構成を示す平面図である。
【図23】本出願人の提案に係る顔面装着式視覚表示装置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1…2次元画像表示素子
2…リレー光学系の第1群
3…リレー光学系の第2群
4…接眼光学系
5…観察者眼球位置
6…観察者が正面を観察している時の視軸
7…リレー光学系の偏心していない物点に対する像面
8…接眼光学系の前側焦点面
9…リレー光学系の中心軸
11…観察者頭部
2−1…リレー光学系の第1群の第1部分
2−2…リレー光学系の第1群の第2部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2次元画像表示素子と、前記2次元画像表示素子によって表示された2次元画像を投影するリレー光学系と、観察者の眼球の前側方向に設けられ、前記2次元画像を空中に拡大投影すると共に、投影された観察像を観察者の眼球に導く接眼光学系とからなる視覚表示装置において、前記リレー光学系が、前記2次元画像表示素子側から、少なくとも1枚の正レンズを含む正又は負の屈折力を有する第1レンズ群と、少なくとも1枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成されていることを特徴とする視覚表示装置。
【請求項1】 2次元画像表示素子と、前記2次元画像表示素子によって表示された2次元画像を投影するリレー光学系と、観察者の眼球の前側方向に設けられ、前記2次元画像を空中に拡大投影すると共に、投影された観察像を観察者の眼球に導く接眼光学系とからなる視覚表示装置において、前記リレー光学系が、前記2次元画像表示素子側から、少なくとも1枚の正レンズを含む正又は負の屈折力を有する第1レンズ群と、少なくとも1枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成されていることを特徴とする視覚表示装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図23】
【図9】
【図11】
【図12】
【図22】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図4】
【図6】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図23】
【図9】
【図11】
【図12】
【図22】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開平6−43389
【公開日】平成6年(1994)2月18日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−199487
【出願日】平成4年(1992)7月27日
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【公開日】平成6年(1994)2月18日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)7月27日
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
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