説明

視野角制御体

【課題】 輝度の低下を抑えつつ、表示画面における視野角を制御できる視野角制御体を提供する。
【解決手段】光透過帯11と遮光帯12とが交互に配されているルーバー層1と、所定の偏光成分を選択的に透過し、かつ他の偏光成分を吸収する偏光板5とが一体化されている視野角制御体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置の構成部材として好適な視野角制御体に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の液晶表示装置の一例を示した概略構成図である。この例の液晶表示装置は、液晶パネル20と、該液晶パネルの背面側(視認側と反対側)に設けられたバックライトユニット30を備えている。
液晶パネル20は、液晶セル21の一面上に第1の偏光板22が積層一体化されており、液晶セル21の他面上に第2の偏光板24が積層一体化されている。図中符号23は位相板であり、必要に応じて設けられる。
また、液晶パネル20とバックライトユニット30との間に、光透過帯と遮光帯とが交互に配されたルーバー層31を設けることにより、バックライトユニット30から液晶セル21に入射される光の入射角度を制御する構成が知られている(例えば、下記特許文献1)。
【特許文献1】特開平5−61034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように液晶表示装置の内部にルーバー層31を組み込むことにより、表示画面における視野角を制御でき、またコントラストを向上できる反面、ルーバー層31を組み込まない場合に比べて、輝度がかえって低下してしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、輝度の低下を抑えつつ、表示画面における視野角を制御できる視野角制御体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明者等が検討を行った結果、従来の構成では、液晶表示装置の内部にルーバー層を組み込む際に、組み立て工程の簡便性の点から、バックライトユニットと、液晶セルと、ルーバーをそれぞれ別体として配置していたために、これらの各部材の間に空気層が介在しており、互いに屈折率が異なる2層の界面で光の反射が生じることが、輝度低下の原因のひとつであることを見出した。そして、かかる界面反射を低減させる構成について研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の視野角制御体は、光透過帯と遮光帯とが交互に配されているルーバー層と、所定の偏光成分を選択的に透過し、かつ他の偏光成分を吸収する偏光板とが一体化されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の視野角制御体は、これを液晶表示装置の、バックライトユニットから出射した光が液晶セルを透過して表示画面に至るまでの光路上に配することにより、輝度の低下を抑えつつ、表示画面における視野角を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<第一の実施形態>
図1、2は本発明の視野角制御体の第一の実施形態を示したもので、図1は斜視図、図2は図1中のII−II線に沿う断面図である。なお、図面は視野角制御体の一部を拡大して模式的に示している。
本実施形態の視野角制御体は、光透過帯11と遮光帯12とを交互に配してなるルーバー層1の一方の面上に、第1の接着層2、第1の透明保護層3、貼着層4、および偏光板5が、ルーバー層1側から順に積層されている。またルーバー層1の、他方の面上に第2の接着層6を介して第2の透明保護層7が設けられている。
【0009】
[ルーバー層]
ルーバー層1の厚さ方向をZ方向、Z方向に垂直な面内における互いに垂直なニ方向をそれぞれX方向、Y方向とすると、ルーバー層1を構成している光透過帯11および遮光帯12はいずれもX方向に延びる帯状であり、Y方向において複数の光透過帯11と複数の遮光帯12とが交互に配されている。複数の光透過帯11のY方向の幅は均一であり、かつX方向において一定である。また複数の遮光帯12のY方向の幅も均一であり、かつX方向において一定である。
【0010】
光透過帯11の材料としては、透明性が高い樹脂が用いられる。具体的には、光透過帯11のみに対して、図中Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上、好ましくは85%以上であるような、高い透明性を有する樹脂材料が好ましい。例えば、透明性が高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられ、具体例としては、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。中でもシリコーン樹脂が好ましく、特に耐熱性の点でシリコーンゴムが特に好ましい。
【0011】
なお、本明細書における「光線透過率」の値は、光源としてJIS Z 8720に規定されるD65を用い、光源から出射された検査光の強度を受光センサーで測定する装置において、前記検査光の光路上に被測定物が無い状態での受光センサーの出力値をA、検査光の光路上に被測定物をセットし、被測定物を透過した透過光が受光センサーで受光される状態での出力値をBとするとき、光線透過率=(B/A)×100(単位;%)で求められる値とする。
【0012】
遮光帯12の材料としては、光透過帯11の材料として上記に挙げた樹脂を基材とし、これに顔料や染料等の着色剤を添加してなる着色樹脂が好適に用いられる。遮光帯12の色調は、通常は黒であるが、場合によってはグレー、赤、黄、緑、青、水色等とすることも可能である。遮光帯12の色調は、着色剤の種類および添加量によって調整できる。具体的には、遮光帯12のみに対して、図中Y方向に光を透過させたときの光線透過率が40%以下、好ましくは10%以下となるような遮光性を有することが好ましい。
着色剤の具体例としては、カーボンブラック、ベンカラ、酸化鉄、酸化チタン、黄色酸化鉄、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルー等の一般的な有機顔料あるいは無機顔料が挙げられる。着色剤は1種でもよく、2種以上を用いてもよい。また黒色顔料を用いない場合は、良好な遮光性を得るために白色顔料を併用することが好ましい。
ルーバー層1において、光透過帯11をなしている樹脂材料と、遮光帯12の基材としての樹脂材料とは同じであってもよく、異なっていてもよいが、光透過帯11と遮光帯12との接着性の点からは両者が同じであることが好ましい。
【0013】
ルーバー層1において、X方向に垂直な面(図2における紙面)内における、視野角θは、光透過帯11のZ方向における厚さおよびY方向における幅によって決まる。また、Y方向における光透過帯11の幅と遮光帯12の幅の比は、Z方向に平行な光線の透過率に影響する。
具体的に、ルーバー層1における前記視野角θは30〜150°の範囲が好ましく、より好ましくは60〜120°である。
光透過帯11のZ方向における厚さTは、0.1〜2.5mm程度が好ましく、0.14〜0.4mm程度がより好ましい。
光透過帯11のY方向における幅W1は、50μm〜0.3mmの範囲内が好ましく、75μm〜0.2mmの範囲内がより好ましい。
遮光帯12のY方向における幅W2は、5μm〜50μmの範囲内が好ましく、15μm〜30μmの範囲内がより好ましい。
遮光帯12のZ方向における厚さTは、光透過帯11の厚さTと同じである。
【0014】
かかる構成のルーバー層1は、以下のようにして製造することができる。まず、光透過帯11の構成材料からなり厚さが上記W1である第1のシートの複数枚と、遮光帯12の構成材料からなり厚さが上記W2である第2のシートの複数枚とを交互に積層し、加熱および加圧してこれら複数のシートが一体化してなるブロック体を形成する。次いで、該ブロック体をシート表面に垂直な切断面でスライスすることによりルーバー層1が得られる。スライスする際の厚さ(スライス幅)は上記Tである。
【0015】
[第1,2の接着層]
ルーバー層1と第1の透明保護層3との間の第1の接着層2、およびルーバー層1と第2の透明保護層7との間の第2の接着層6の材料としては、硬化後に透明性を有する接着剤が好ましい。具体的には、接着剤を硬化させた後の接着層2の単体における光線透過率が65%以上であるものが好ましく、80%以上がより好ましい。
例えば熱硬化型接着剤、多液反応型接着剤、紫外線硬化型接着剤等が挙げられる。具体的にはエポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、メラミン系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤等を好適に用いることができる。
これらの中でも、ルーバー層1との良好な接着性を得るうえで、ルーバー層1と同種の接着剤を用いることがより好ましい。例えばルーバー層1がシリコーンゴムからなる場合は、シリコーン系接着剤を用いることが好ましい。
第1の接着層2と第2の接着層6とは同じ材料からなっていてもよく、互いに異なる材料からなっていてもよい。
【0016】
[透明保護層]
第1の透明保護層3および第2の透明保護層7の材料としては、光透過帯11の材料として上記に挙げた樹脂を用いることができる。第1の透明保護層3および第2の透明保護層7それぞれの単体に対して、図中、Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
第1の透明保護層3および第2の透明保護層7の材料は、特に、透明性と耐熱性の点からポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、シクロオレフィンポリマー)、セルロース系樹脂が好ましく、中でもポリカーボネート、およびポリエステル樹脂がより好ましい。
第1の透明保護層3および第2の透明保護層7のZ方向における厚さは、薄すぎると十分な保護機能が得られず、厚いほど光線透過率が低下するので、0.01〜0.5mm程度が好ましく、0.1〜0.2mm程度がより好ましい。
第1の透明保護層3と第2の透明保護層7とは同じ材料からなっていてもよく、互いに異なる材料からなっていてもよい。また両者の厚さは同じであっても異なっていてもよい。
【0017】
[偏光板]
偏光板5は、所定の偏光成分を選択的に透過し、かつ他の偏光成分を吸収および/または散乱するものである。例えば自然光が入射されると、該入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうちの、一方のみを選択的に透過させ、他方を、反射によらず、吸収および/または散乱により遮蔽して、入射された自然光を直線偏光に変えて出射する機能を有するものが用いられる。偏光板5における、透過率は一般に30〜50%であり、40〜50%が好ましい。
偏光板5は、このような機能を有するものであれば特に限定されず、市販されている各種の液晶表示装置用偏光板を適宜用いることができる。好ましくはフィルム状の偏光板を用いる。
例えば、ポリビニルアルコール薄膜からなる基材に、ヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色、吸着させ、高度に延伸、配向させることで吸収二色性を発現させてなる偏光膜を、酢酸セルロース(TAC:セルローストリアセテート)からなる2枚の保護フィルムの間に挟んで一体化した積層フィルムが好適に用いられる。
【0018】
[貼着層]
貼着層4は、接着剤または粘着剤などの貼着剤を用いて形成される。ここで、接着剤とは、貼着後に硬化させることにより粘着性を失うものであり、粘着剤とは、貼着後もある程度の粘着性を維持するものをいう。いずれを用いる場合も、貼着層4は透明性を有することが好ましく、貼着層4(接着剤は硬化後)の単体に対して、図中、Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
貼着層4を構成する接着剤の例としては、第1の接着層2および第2の接着層6の材料として上記に挙げた接着剤が挙げられる。
貼着層4を構成する粘着剤としては、偏光板5を再剥離可能に接着できる程度の粘着力を有するものであればよく、透明性が高いものが好ましい。また偏光板5を剥離したときに糊残りが少ないものが好ましい。例えば、再剥離可能な粘着剤として市販されている材料を用いることができる。該再剥離可能な粘着剤の具体例としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
または、エラストマー(低架橋密度品のゲル状物質を含む)からなる層の表面(偏光板5との接着面)を鏡面加工することによっても、再剥離可能な貼着層4が得られる。前記エラストマーの具体例としては、シリコーンゴム、シリコーンゲル、ウレタンゴム、ウレタンゲル等が挙げられる。
これらの中でも、リペア性と粘着力の点でアクリル系粘着剤が特に好ましい。
貼着層4のZ方向における厚さは、薄すぎると粘着力が低下し、厚いほど光線透過率が低下するので、0.01〜0.5mm程度が好ましく、0.02〜0.1mm程度がより好ましい。
貼着層4として、例えば、市販の透明粘着テープを用いることができる。
【0019】
[製造方法]
本実施形態の視野角制御体は、例えば以下の方法で製造できる。まずルーバー層1を作製する。
これとは別に第1の透明保護層3を用意し、その一方の面に第1の接着層2を構成する接着剤を塗布し、第1の透明保護層3と前記ルーバー層1の一方の面とを該接着剤を介して貼り合わせた後、接着剤を硬化させる。
また、別途第2の透明保護層7を用意し、その一方の面に第2の接着層6を構成する接着剤を塗布し、第2の透明保護層7と前記ルーバー層1の他方の面とを該接着剤を介して貼り合わせた後、接着剤を硬化させる。
次いで、第1の透明保護層3の他方の面上に貼着層4を設け、該貼着層4を介して偏光板5を貼り合わせることにより、本実施形態の視野角制御体が得られる。偏光板5は、既に液晶セル等と一体化されているものを用いても構わない。
【0020】
本発明の視野角制御体において、偏光板5が直線偏光を得る機能を有する場合、偏光板5の透過軸(偏光板を透過する直線偏光の偏光面と該偏光板との交わり)と、偏光板5以外の積層物(本実施形態では貼着層4、第1の透明保護層3、第1の接着層2、ルーバー層1、第2の接着層6、および第2の透明保護層7の積層物)における遅相軸または進相軸のいずれか一方とが平行であることが好ましい。
上記「偏光板5以外の積層物」の遅相軸または進相軸は、該積層物全体を一体の複屈折率媒質とみなしたときの遅相軸または進相軸であり、該積層物を構成している各層の光学的特性の合算により決まるものである。
このように、偏光板5の透過軸と、偏光板5以外の積層物における遅相軸または進相軸とを平行とすることにより、直線偏光が前記積層物を透過してから偏光板5に入射される場合、および偏光板5を透過した直線偏光が前記積層物を透過する場合のいずれにおいても、偏光板5によって得られる偏光状態に対して、前記積層物が及ぼす影響を小さくすることできる。
【0021】
本実施形態の視野角制御体は、液晶表示装置の構成部品として用いられる。
例えば、本実施形態の視野角制御体を構成している偏光板5を、液晶セルの両側に配される偏光板の一方として用いることができる。すなわち、本実施形態の視野角制御体の偏光板5に、さらに液晶セル、もう一方の偏光板等を一体化したものを、光源の視認側に配して液晶表示装置を構成することができる。
具体的には、光源側から、ルーバー層1、偏光板5、液晶セル、もう一方の偏光板の順に配置する構成、または光源側から、もう一方の偏光板、液晶セル、偏光板5、ルーバー層1の順に配置する構成とすることができる。
【0022】
または、本実施形態の視野角制御体を構成している偏光板5として、液晶セルの視認側のに設けられる反射防止偏光板を用いることができる。
例えば、液晶パネル等の表示素子の視認側にタッチパネルが設けられる場合には、液晶パネル側から、タッチパネル、偏光板(反射防止偏光板)5、ルーバー層1(最表層)の順に配置する構成とすることができる。この構成において、タッチパネルと偏光板(反射防止偏光板)5とは接着一体化されていてもよく、別体となっていてもよい。
【0023】
さらに、本発明の視野角制御体は、偏光板5よりもルーバー層1が液晶セル側となるように配置することも可能である。
例えば、光源側から、偏光板5、ルーバー層1、液晶セル、もう一方の偏光板の順に配する構成、または光源側から、もう一方の偏光板、液晶セル、ルーバー層1、偏光板5の順に配する構成、または、液晶パネル側から、タッチパネル、ルーバー層1、偏光板(反射防止偏光板)5(最表層)の順に配する構成も可能である。
【0024】
このようにして構成された液晶表示装置にあっては、光源から出射され、液晶セルを透過して表示画面に至る光の進行方向が、視野角制御体のルーバー層1によって制限されるので、これによって表示画面における視野角が制限され、またコントラストが向上する。
また、ルーバー層1と偏光板5との間に空気層が介在しないので、空気層と他の層との界面における光の反射を低減させることができる。これにより、光源から出射される光のうち、表示画面に達する光の透過ロスを減らして表示画面における輝度を向上させることができる。
また、特に本実施形態の構成によれば、ルーバー層1が第1の透明保護層3と第2の透明保護層7の間に挟まれたサンドイッチ構造となるため、構造の対称性が増し、反りが生じ難くなるなど構造安定性が向上する。
【0025】
<第二の実施形態>
図3は本発明の視野角制御体の第二の実施形態を示した断面図である。本実施形態の視野角制御体が上記第一の実施形態と異なる点は、ルーバー層1と偏光板5とが貼着層4を介して積層一体化されており、これらの間に第1の接着層2および第1の透明保護層3が介在していない点である。図3において図2と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0026】
本実施形態の構成によっても、前記第一の実施形態と同様に、表示画面における視野角の制御およびコントラスト向上を達成できると同時に、透過ロスを減らして輝度を向上させることができる。
また、特に本実施形態の構成によれば、ルーバー層1と偏光板5との間に、第1の接着層2および第1の透明保護層3が介在していないため、これらの積層物を薄型化するうえで有利であり、また光の透過損失もより低減される。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1,2に示す構成の視野角制御体を製造した。
まず、光透過帯11として透明シリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名;KE153U)からなる厚さが200μmの第1のシートを用意した。
これとは別に、遮光帯12として透明シリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名;KE153U)100質量部に対してカーボンブラックを15質量部添加した材料からなる厚さが20μmの第2のシートを用意した。
第1のシート複数枚と第2のシート複数枚とを交互に積層し、加熱加硫および加圧してこれら複数のシートが一体化してなるブロック体を形成した。
次いで、該ブロック体をシート表面に垂直な切断面で、厚さ360μmにスライスすることによりルーバー層1を作製した。
【0028】
続いて、第1の接着層2として熱硬化型接着剤(信越化学工業社製、商品名;KE1825)を塗布したポリカーボネートシート(第1の透明保護層3)を、上記で得られたルーバー層1の一方の面上に貼り合わせ、接着剤を熱硬化させた。
また、ルーバー層1の他方の面上にも、第2の接着層6として熱硬化型接着剤(信越化学工業社製、商品名;KE1825)を塗布したポリカーボネートシート(第2の透明保護層7)を貼り合わせ、接着剤を熱硬化させた。
こうして得られた積層物における視野角θは120°であった。
さらに、該積層物の第1の透明保護層(ポリカーボネートシート)3上に、透明粘着テープ(積水化学社製、製品名:ダブルタックテープ#5511)を貼り付けて貼着層4を形成した。
SONY社製、Play Station Portable−1000用の液晶表示装置を用意し、この装置を構成している液晶パネルの、バックライトユニット側の偏光板上に、前記で得た積層物を前記貼着層4を介して貼り付けて、液晶表示装置内に組み込んだ。
【0029】
(比較例1)
前記実施例1と同様にしてルーバー層1、第1の接着層2、第1の透明保護層3、第2の接着層6、および第2の透明保護層7からなる積層物を作製した。貼着層4は設けなかった。
実施例1と同じ液晶表示装置を用意し、この装置を構成している液晶パネルと、バックライトユニットとの間に、前記で得た積層物を、液晶パネルの偏光板と一体化せずに組み込んだ。
【0030】
実施例1および比較例1それぞれで得られた液晶表示装置について、互いに同じ条件で画像表示を行ったときの表示画面における輝度を測定したところ、実施例1の方が、比較例1に比べて約10%輝度が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】従来の液晶表示装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ルーバー層
2 第1の接着層
3 第1の透明保護層
4 貼着層
5 偏光板
6 第2の接着層
7 第2の透明保護層
11 光透過帯
12 遮光帯


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過帯と遮光帯とが交互に配されているルーバー層と、
所定の偏光成分を選択的に透過し、かつ他の偏光成分を吸収および/または散乱する偏光板とが一体化されていることを特徴とする視野角制御体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−72239(P2007−72239A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260255(P2005−260255)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】