説明

計算機システム及び料金管理サーバ

【課題】市民の個人レベルの寄付を促進する。
【解決手段】所定期間単位で変動するサービスの料金を計算する料金管理サーバと、前記料金管理サーバと接続された事業管理サーバと、を備える計算機システムであって、前記事業管理サーバは、市民が寄付金額を入力する第1の端末に接続された計算機であり、市民から入力された寄付金額の情報を前記第1の端末から収集し、前記収集した寄付金額の情報を前記料金管理サーバに送信し、前記料金管理サーバは、前記事業管理サーバから受信した寄付金額の情報を累積し、前記累積された寄付金額の情報を用いて、次の期間の前記サービスの料金を計算し、前記計算されたサービスの料金を前記事業管理サーバに送信し、前記事業管理サーバは、前記料金管理サーバから受信したサービスの料金の計算結果を前記第1の端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金を変動させて設定するシステムに関し、特に、市民の寄付によってサービスの料金を変動させるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば地域交通に代表されるように公共サービスは、財政的に逼迫しており、自治体からの公的資金の援助がなければ運営することができない。また、公的な援助にも限界があり、公的な援助だけで公共サービスを維持することが困難になっている。
【0003】
このような公共サービスの財政的な逼迫は、地域交通だけでなく、他の公共サービス(公民館や市民ホールの運営)などでも生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況下で、公共サービスを維持していくために、民間企業の援助や一般市民の寄付を促進することが望まれている。
【0005】
一般市民による自治体への寄付を促進するために、地方自治体への寄付制度(例えば、ふるさと納税制度)が設けられているが、広く少額の寄付を広く浅く募るのに適する制度ではなかった。また、市民から寄せられた寄付は、自治体の一般財源に組み込まれるので、寄付が使用される用途が特定されず、寄付者が望まない事業や用途に寄付金が使用されることがあった。このため、寄付者が望む用途に使用され、少額の寄付を簡単に受け付けられるシステムが求められている。
【0006】
さらに、自治体の財政は逼迫する傾向にあるため、限られた公的資金を無駄なく、効率的に運用することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、所定期間単位で変動するサービスの料金を計算する料金管理サーバと、前記料金管理サーバと接続された事業管理サーバと、を備える計算機システムであって、前記事業管理サーバは、プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有し、市民が寄付金額を入力する第1の端末に接続された計算機であり、市民から入力された寄付金額の情報を前記第1の端末から収集し、前記収集した寄付金額の情報を前記料金管理サーバに送信し、前記料金管理サーバは、プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有する計算機であり、前記事業管理サーバから受信した寄付金額の情報を累積し、前記累積された寄付金額の情報を用いて、次の期間の前記サービスの料金を計算し、前記計算されたサービスの料金を前記事業管理サーバに送信し、前記事業管理サーバは、前記料金管理サーバから受信したサービスの料金の計算結果を前記第1の端末に送信する。
【0008】
また、他の一例を示せば、所定期間単位で変動するサービスの料金を計算する料金管理サーバであって、プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有し、市民が寄付金額を入力する第1の端末に接続された事業管理サーバと接続された計算機であり、前記事業管理サーバが前記第1の端末から収集した市民から入力された寄付金額の情報を累積し、前記累積された寄付金額の情報を用いて、次の期間の前記サービスの料金を計算し、前記計算されたサービスの料金を前記事業管理サーバを経由して前記第1の端末に送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の代表的な実施形態によれば、寄付者が直接的に寄付の効果を実感することができ、市民の個人レベルの寄付を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態の料金変動システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の運賃管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第1の実施形態のバス端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第1の実施形態の運賃データベースの構成の一例を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の料金変動システムによる寄付金受付処理を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の料金変動システムによる運賃決定処理を説明するシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の運賃管理システムによる運賃決定処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態のタクシー端末において運賃支払い時に表示される運賃支払画面を説明する図である。
【図9】本発明の第1の実施形態のタクシー端末において運賃支払い時に表示される運賃支払画面を説明する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態のタクシー端末において運賃支払い時に表示される運賃支払画面を説明する図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の運賃管理システムの画面に表示される運賃設定画面を説明する図である。
【図12】本発明の第1の実施形態のバス停端末の画面に表示される内容を説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の料金変動システムによる寄付金受付処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の料金変動システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
第1の実施形態では、寄付金の額に応じて路線バスの高齢者料金を1日毎に変動させる例について説明するが、他の公共サービスの料金(例えば、公民館や運動場などの公共施設の利用料金)にも適用することができ、また、1日毎ではなく、1時間毎や1週間毎に変動させてもよい。
【0013】
本実施形態の料金変動システムは、交通事業者が運用する運行管理システム100、寄付金管理事業者が運用する運賃管理システム200及び自治体が運用する拠出金管理システム300を備える。なお、本料金変動システムは、SNS事業者が運用するSNSシステム400が接続されるとよい。
【0014】
運行管理システム100は、バス端末110、バス停端末120及びタクシー端末130と有線又は無線のネットワークを介して接続される。
【0015】
運行管理システム100は、交通事業者の本社などに設置される計算機(サーバ)であり、プログラムを実行するプロセッサ、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶するメモリ、他の装置との通信を制御する通信インターフェース、及びデータを格納する不揮発性記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ)を有する。
【0016】
バス端末110は、バスの車内に設置される料金収受装置であり、その詳細な構成は、図3を用いて説明する。バス端末110は、運行管理システム100から運賃情報を受信し、利用者から寄せられた寄付金の情報を運行管理システム100に送信する。
【0017】
バス停端末120は、バス停に設置されるサイネージ装置で、運行管理システム100から運賃情報を受信し、バスの利用者に様々な情報を提供する(図12参照)。バス停端末120は、プログラムを実行するプロセッサ、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶するメモリ、他の装置との通信を制御する通信インターフェース、データを格納する不揮発性記憶装置(例えば、不揮発性半導体記憶装置)及び表示装置を有する計算機である。
【0018】
タクシー端末130は、タクシーの車内に設置される料金収受装置であり、その構成は、バス端末110と同じである。タクシー端末130は、運行管理システム100から運賃情報を受信し、利用者から寄せられた寄付金の情報を運行管理システム100に送信する。
【0019】
運行管理システム100は、需要予測システム150と接続されており、需要予測システム150から明日の利用者の予測値(乗客数予測データ)を取得する。需要予測システム150は、プログラムを実行するプロセッサ、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶するメモリ、他の装置との通信を制御する通信インターフェース、及びデータを格納する不揮発性記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ)を有する計算機(サーバ)である。
【0020】
需要予測システム150は、気象予測システム、交通量予測システム、地域イベントデータベース、鉄道運行情報提供システム等の他のシステムと接続されており、これらのシステムから情報を取得し、当該交通事業者が運営する路線バスサービスの利用者数を取得した情報を用いて予測する。
【0021】
運賃管理システム200は、寄付金を運営する団体(例えば、ドネーション運営事業者であるNPO)が設置している計算機(サーバ)であり、その詳細な構成は、図2を用いて説明する。
【0022】
運賃管理システム200は、運賃管理サブシステム210、拠出金管理サブシステム220、寄付金管理サブシステム230及び運賃DB240によって構成される。なお、運賃管理システム200を構成する各サブシステムは、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で稼働するシステムである。なお、各システムが、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよい。
【0023】
運賃管理サブシステム210は、寄付金額及び運営コストに基づいて、公共サービスが提供される料金を設定する。拠出金管理サブシステム220は、公共サービス(路線バス事業)を運営するために、自治体から提供された拠出金を管理する。寄付金管理サブシステム230は、公共サービス(路線バス事業)の運営を援助するために、市民から提供された寄付金を管理する。
【0024】
運賃データベース240は、運賃管理システム200が運賃を変動させるために必要とされるデータ、運賃管理システム200によって変動した運賃などの情報を格納するデータベースであり、その詳細な構成は、図4を用いて説明する。
【0025】
運賃管理システム200は、運行管理システム100と接続されており、乗客数予測データ及び寄付金額を運行管理システム100から受信し、運賃情報を運行管理システム100に送信する。
【0026】
拠出金管理システム300は、公的拠出金を提供する自治体に設置される計算機(サーバ)であり、プログラムを実行するプロセッサ、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶するメモリ、他の装置との通信を制御する通信インターフェース、及びデータを格納する不揮発性記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ)を有する。拠出金管理システム300は、運賃管理システム200と接続されており、拠出金の使用状況のデータを運賃管理システム200から受信する。
【0027】
SNSシステム400は、SNS事業者に設置される計算機(サーバ)であり、プログラムを実行するプロセッサ、プロセッサによって実行されるプログラムを記憶するメモリ、他の装置との通信を制御する通信インターフェース、及びデータを格納する不揮発性記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ)を有する。SNSシステム400は、運賃管理システム200と接続されており、寄付金の効果の情報(例えば、高齢者運賃の情報)を運賃管理システム200から受信し、運賃管理システム200から受信した情報を、ショートメッセージサービスやwebサイトを用いて市民に発信する。
【0028】
図2は、第1の実施形態の運賃管理システム200の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
運賃管理システム200は、プロセッサ(CPU)201、メモリ202、不揮発記憶装置(HDD)203、入力インターフェース204、出力インターフェース205、及び通信インターフェース206を有する計算機である。
【0030】
プロセッサ201は、メモリ202に格納されたプログラムを実行する。
【0031】
メモリ202は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)及びアプリケーションプログラムを格納する。プロセッサ201が、オペレーティングシステムを実行することによって、運賃管理システム200の基本機能が実現され、アプリケーションプログラムを実行することによって、運賃管理システム200が提供する機能が実装される。
【0032】
記憶装置203は、例えば、磁気記憶装置、フラッシュメモリ等の大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、プロセッサ201によって実行されるプログラム及びプログラム実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プロセッサ201によって実行されるプログラムは、記憶装置203から読み出されて、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。
【0033】
入力インターフェース204は、入力機器であるキーボード207及びマウス208からの入力を受ける。及び出力インターフェース205は、出力装置であるディスプレイ装置209に接続されており、ディスプレイ装置209に画像を表示するための信号を出力する。
【0034】
通信インターフェース206は、運賃管理システム200をネットワークに接続し、他の装置との通信を制御する。
【0035】
図3は、第1の実施形態のバス端末110の構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
バス端末110は、プロセッサ(CPU)111、メモリ112、表示装置113、操作部114、通信インターフェース115、ICカードリーダ・ライタ116、現金受入部117及び現金払出部118を有し、バスの車内に設置されている料金収受装置である。
【0037】
プロセッサ111は、メモリ112に格納されたプログラムを実行する。
【0038】
メモリ112は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の高速かつ揮発性の記憶装置と、フラッシュメモリ等の大容量かつ不揮発性の記憶装置とを含む。揮発性記憶装置は、オペレーティングシステム(OS)及びアプリケーションプログラムを格納する。プロセッサ111が、アプリケーションプログラムを実行することによって、バス端末110が提供する機能が実装される。不揮発性記憶装置は、プロセッサ111によって実行されるプログラム及びプログラム実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プロセッサ111によって実行されるプログラムは、不揮発性記憶装置から読み出されて、揮発性記憶装置(DRAM)にロードされて、プロセッサ111によって実行される。
【0039】
表示装置113は、例えば、液晶ディスプレイ装置によって構成され、利用者から収受する料金、寄付金の額、当該寄付金による高齢者運賃の変化などを表示する。
【0040】
操作部114は、利用者が操作する利用者操作部と、乗務員が操作する乗務員操作部とを含む。利用者操作部は、例えば、利用者が寄付の用途を選択した、寄付金額を設定したりするために操作するもので、独立したキーボードでも、表示装置113と一体に構成されたタッチパネルでもよい。乗務員操作部は、乗務員がバス端末110の状態を設定するために操作をするキーボードである。
【0041】
通信インターフェース115は、バス端末110を無線ネットワークに接続し、運行管理システム100との通信を制御する。
【0042】
ICカードリーダ・ライタ116は、利用者が提示したICカードから情報を読み取り、必要な料金を収受するための通信をする。現金受入部117は、利用者が投入した現金を計数して受け入れる。現金払出部118は、現金貯蔵部に格納された現金を計数して、利用者に(例えば、おつりとして)払い出す。
【0043】
なお、タクシー端末130は、タクシーの車内に設置されている料金収受装置であり、その構成は、バス端末110と同じであるが、現金受入部117及び現金払出部118を有さず、乗務員が利用者から現金を直接収受してもよい。
【0044】
図4は、第1の実施形態の運賃データベース240の構成の一例を説明する図である。
【0045】
運賃データベース240は、運賃を切り替える期間毎に一つのエントリ(一組のデータ)を有する。各エントリは、年月日2401、拠出金額2402、拠出金乗数2403、寄付金額2404、一般運賃2405、一般利用者数2406、高齢者運賃2407、高齢者利用者数2408、エネルギー費2409及びその他経費2410のデータを含む。
【0046】
年月日2401は、この運賃が適用される期間を表す。なお、図示した例では、1日毎に変動させるが、1時間毎に変動させてもよい。
【0047】
拠出金額2402は、この期間の公共サービスに投入された(又は、投入される)公的拠出金の金額である。公的拠出金の額は、この期間の公共サービスに1日あたりに投入される基準額が予め定まっており(例えば、本年度は1日あたり10万円)、この基準額に拠出金乗数2403を乗じた額である。なお、後述するように、拠出金乗数2403は、1日(料金を変動させる時間単位毎)に変化する。拠出金乗数2403は、この期間の公共サービスに投入された公的拠出金の基準額に対する割合である。なお、図示した例では、公的拠出金の基準額は10万円である。
【0048】
寄付金額2404は、この期間の公共サービスに対して寄せられた寄付金の額であり、この額の寄付金が、次の期間(例えば、明日)の高齢者運賃に反映される。すなわち、現時点が含まれる期間の寄付金額は、寄付が寄せられる度にリアルタイムに積算され、過去においては、当該期間に寄せられた寄付金の額の積算値である。
【0049】
一般運賃2405は、一般の乗客が支払う運賃の額であり、通常は固定値である。一般利用者数2406は、一般運賃で利用した乗客の数であり、過去のデータは実績値、将来のデータは運行管理システム100(需要予測システム150)から取得した予測値である。
【0050】
高齢者運賃2407は、所定の年齢以上の乗客が支払う運賃の額である。高齢者利用者数2408は、高齢者運賃で利用した乗客の数であり、過去のデータは実績値、将来のデータは運行管理システム100(需要予測システム150)から取得した予測値である。
【0051】
エネルギー費2409は、この期間の公共サービスを提供するために必要なエネルギーのコストであり、例えば、バスが電気自動車である場合、電力コストである。この電力コストは、自家発電による供給量や、発電事業者からの購入量が、その日の天候(日照時間、風速)によって変化するので、運賃管理システム200は、日照量、風速、気温のデータを気象予測システムから取得して、エネルギー費2409を予測して、設定する。
【0052】
その他経費2410は、運行する路線の運転手などの人件費、車両などの減価償却費の合計である。
【0053】
図5は、第1の実施形態の料金変動システムによる寄付金受付処理を説明するシーケンス図である。
【0054】
本実施形態のタクシー端末130は、利用者が料金を支払う際に、寄付金の額及び用途を選択する画面(図8)を表示画面に表示する。タクシーの利用者は、タクシー端末130を操作して、寄付金の額及び用途を決定する(S101)。
【0055】
タクシー端末130は、タクシー利用者からの寄付を受け付けると、寄せられた寄付金額の情報を運行管理システム100に送信する(S102)。
【0056】
運行管理システム100は、タクシー端末130から収集された、高齢者運賃に寄与する寄付金額の情報を、運賃管理システム200に送信する(S103)。
【0057】
運賃管理システム200は、運行管理システム100から寄付金額の情報を取得すると、明日の高齢者運賃の予測値を計算し(S104)、計算された高齢者運賃の予測値(予想運賃情報)を運行管理システム100に送信する(S105)。
【0058】
運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した高齢者運賃の予測値を、タクシー端末130に転送する(S106)。タクシー端末130は、受信した高齢者運賃の予測値を表示装置に表示する(S107)。
【0059】
また、運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した高齢者運賃の予測値を、バス停端末120に転送する(S108)。バス停端末120は、受信した高齢者運賃の予測値を表示装置に表示する(S109)。
【0060】
このように、寄付金の額に応じた高齢者運賃をリアルタイムで計算することによって、寄付金の効果をリアルタイムで寄付者に提供することができる。
【0061】
図6は、本発明の第1の実施形態の料金変動システムによる運賃決定処理を説明するシーケンス図である。この運賃決定処理は、1日に寄せられた寄付金の額が集計された時点で実行される。
【0062】
需要予測システム150は、気象予測システム、交通量予測システム、地域イベントデータベース、鉄道運行情報提供システム等の他のシステムから、当該交通事業者が運営する交通事業の利用者数を予測するための情報を取得する。具体的には、気象予測システムから明日の天気、気温、降水量、風向、風速、日照量の情報を取得し、交通量予測システムから運行する道路の交通量の情報を取得し、地域イベントデータベースから運行する路線の周辺で行われるイベントの情報を取得し、鉄道運行情報提供システムから鉄道路線の運休の情報を取得する。需要予測システム150は、取得した情報を用いて、明日の乗客数を予測し、運行管理システム100に送る(S151)。
【0063】
運行管理システム100は、明日の乗客の予測数(需要予測)を運賃管理システム200に送り、運賃の設定を要求する(S152)。
【0064】
運賃管理システム200は、運賃の設定要求を受けると、当該期間(例えば、今日)に寄せられた寄付金の額を集計し(S153)、運賃を決定する期間(例えば、明日)の支出を予測する(S154)。また、運賃管理システム200は、その日の運行に投入される公的拠出金の額を計算し、高齢者運賃を計算する(S155)。
【0065】
その後、運賃管理システム200は、計算された公的拠出金の額を拠出金管理システム300に送る(S156)。拠出金管理システム300を運営する自治体は、運賃管理システム200から送られた公的拠出金の額によって、公的拠出金の使用状況を確認することができる。
【0066】
また、運賃管理システム200は、計算された高齢者運賃(運賃情報)を運行管理システム100に送信する(S157)。
【0067】
運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した高齢者運賃を、バス端末110に転送する(S158)。この運賃情報の送信は、バス端末110からの要求に従って(例えば、翌朝に)送信してもよい。バス端末110は、受信した高齢者運賃を表示装置に表示する(S159)。
【0068】
また、運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した高齢者運賃を、バス停端末120に転送する(S160)。バス停端末120は、受信した高齢者運賃を表示装置に表示する(S161)。
【0069】
さらに、運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した高齢者運賃を、SNSシステム400に転送する(S162)。SNSシステム400は、受信した高齢者運賃を、ショートメッセージサービスやwebサイトを用いて市民に発信する(S163)。
【0070】
なお、本実施形態では、1日を単位として運賃を変動させる例について説明したが、1時間毎に運賃を変動させる場合、図6に示す運賃決定処理は、運賃を切り替えるタイミングで実行される。
【0071】
このように、寄付金の額に応じた高齢者運賃を計算し、明日の運賃に反映することによって、寄付金及び公的拠出金を効率よく使用することができる。また、寄付金の効果をリアルタイムで寄付者に提供することができる。
【0072】
図7は、本発明の第1の実施形態の運賃管理システム200による運賃決定処理を説明するフローチャートである。
【0073】
まず、運賃管理システム200は、運賃の設定要求を受けると、明日の乗客の予測数(需要予測)を運行管理システム100から取得し、運賃データベース240の明日の一般乗客数2406及び高齢者利用者数2408に格納する(S201)。さらに、当該期間に寄せられた寄付金の額を集計し、運賃データベース240の明日の寄付金額2404に格納する(S202)。
【0074】
その後、運賃管理システム200は、明日の支出を予測し、運賃データベース240の明日のエネルギー費2409及びその他経費2410に格納する(S203)。この予測は、運行する路線の運転手などの人件費、車両などの減価償却費、運行にかかるエネルギー費などの経費を合計する。人件費、減価償却費などは運行本数によって変動するが、基本的には固定費である。また、エネルギー費は、例えばバスが電気自動車である場合、電力コストである。この電力コストは、自家発電による供給量や、発電事業者からの購入量が、その日の天候によって変化するので、運賃管理システム200は、日照量、風速、気温のデータを気象予測システムから取得して、エネルギー費を予測して、設定する。なお、支出は運賃管理システム200が予測してもよく、他のシステムから支出の予測値を取得してもよい。
【0075】
その後、運賃管理システム200は、その日の運行に投入される公的拠出金の額を設定し、高齢者運賃を計算する(S204)。具体的には、明日の公的拠出金の乗数2403を今日と同じに設定し、公的拠出金の額を概算する。また、一般運賃の収入(一般運賃×一般利用者数)、拠出金額及び寄付金額を加算し、加算された額を予想された支出額から減じて、高齢者運賃で賄うべき金額(高齢者運賃の合計額)を計算する。その後、計算された高齢者運賃の合計額を明日の高齢者利用者数2408で除して、明日の高齢者運賃を概算する。
【0076】
その後、ステップS204において概算された公的拠出金の額(乗率)及び高齢者運賃を調整する。すなわち、運賃収入が支出額を下回らず、公的拠出金の額(乗率)が所定の範囲内で、高齢者運賃が所定の範囲内となるようにを調整する。この操作のための画面の例を、図11に示す。
【0077】
運賃管理システム200の運賃設定画面2000は、公的拠出金の表示欄2001、寄付金の表示欄2002、一般運賃の表示欄2003、高齢者運賃の表示欄2004、人件費の表示欄2005及びエネルギー費の表示欄2006を含む。
【0078】
公的拠出金の表示欄2001には、公的拠出金の基準額、乗率、公的拠出金の額が表示される。寄付金の表示欄2002には、昨日に寄せられた寄付金の額が表示される(なお、図11では、欄の下部に表示)。一般運賃の表示欄2003には、一般運賃の額、一般運賃による利用者の予測数、一般運賃収入の額が表示される。高齢者運賃の表示欄2004には、高齢者運賃の額、高齢者運賃による利用者の予測数、高齢者運賃収入の額が表示される。人件費の表示欄2005には、人件費の単価、投入労働力(例えば、時間)、人件費の合計額が表示される。エネルギー費の表示欄2006には、電力単価、電力使用量、エネルギー費の合計額が表示される。
【0079】
調整可能な数値の右側には、該数値を変更するための操作ボタン2008を含む。また、各表示欄は、昨日と比較して各コストが高くなったか、低くなったかを示す表示2007を含む。
【0080】
寄付金運営事業者のオペレータは、運賃管理システム200の表示画面2000を見て、公的拠出金の額(乗率)及び高齢者運賃を調整する(S205)。図11に示す運賃設定画面2000では、収入の合計が438180円で、支出の合計が442140円であるため、収入が不足する。このため、公的拠出金の乗率及び高齢者運賃を増加させて、収入が支出と等しくなるように調整し、明日の高齢者運賃及び公的拠出金の額が決定する。
【0081】
また、寄付金運営事業者のオペレータは、運賃管理システム200の表示画面2000を見て、高齢者運賃及び一般運賃を変更することによって、利用者の増減を操作できる。すなわち、運賃を上げることによって利用者数が減ることが予想され、運賃を下げることによって利用者数が増えることが予想される。
【0082】
また、エネルギー費と天気予報とを組み合わせることによって、天候によって再生可能エネルギーの使用割合の変動(すなわち、エネルギーコストの変動)を、料金の割引として計算してもよい。例えば、冬季に風速が大きい場合、風力発電の発電量が増加し、エネルギー費における風力発電の割合が増加することによって、エネルギー費の低下が期待できる。このエネルギー費の低下分を、例えば「北風割引」として、運賃を減額する。また、晴天で日照時間が長い場合、太陽光発電の発電量が増加し、エネルギー費における太陽光発電の割合が増加することによって、エネルギー費の低下が期待できる。このエネルギー費の低下分を、例えば「太陽割引」として、運賃を減額する。
【0083】
なお、運賃設定画面2000は、運賃管理システム200のディスプレイではなく、運賃管理システム200に接続された端末上で動作するアプリケーション(例えば、webブラウザ)に表示されるものでもよい。
【0084】
ステップS205では、オペレータが手動で公的拠出金の額(乗率)及び高齢者運賃を調整したが、以下の処理によって、自動的に(例えば、以下のルールによって)、公的拠出金の額(乗率)及び高齢者運賃を調整することができる。(1)公的拠出金の乗率を1.00に設定し、高齢者運賃を計算する。この場合、高齢者運賃は最低値となる。(2)高齢者運賃が下限額(例えば、80円)より低くなった場合、高齢者運賃を下限額に設定し、公的拠出金の額(乗率)を減少する。(3)高齢者運賃が上限額(例えば、160円)より高くなった場合、高齢者運賃を上限額に設定し、公的拠出金の額(乗率)を1.0より増加する。
【0085】
なお、公的拠出金の額(乗率)及び高齢者運賃だけでなく、一般運賃の額を変更してもよい。
【0086】
その後、運賃管理システム200は、計算された高齢者運賃(運賃情報)をSNSシステム400を経由して市民に発信し、運行管理システム100を経由して、バス端末110、バス停端末120及びタクシー端末130に送信する(S206)。
【0087】
図8、図9、図10は、本発明の第1の実施形態のタクシー端末130において運賃支払い時に表示される運賃支払画面1300を説明する図である。
【0088】
なお、タクシー端末130は、表示部と一体のタッチパネルによって利用者用操作部が構成されている。
【0089】
タクシーの運転手がメータを運賃支払いモードに設定すると、タクシー端末130の表示装置に、図8に示す運賃支払画面1300が表示される。運賃支払画面1300は、運賃表示領域1301、経路表示領域1302、寄付用途選択領域1303〜1305を含む。
【0090】
運賃表示領域1301には、当該乗車の運賃の額が表示される。経路表示領域1302には、当該乗車の経路、距離などが表示される。寄付用途選択領域1303〜1305は、利用者が寄付を選択するための操作をする領域である。例えば、領域1303は、路線バスの高齢者運賃に寄付をする場合、領域1304は、太陽光パネルを設置するための補助金に寄付をする場合、領域1305は、芝生を植えるための補助金に寄付をする場合に、利用者がタッチパネルに触れることによって、当該用途が選択される。
【0091】
タクシーの利用者が、領域1303を操作し、バスの高齢者運賃に寄付をすることを選択すると、図9に示すように、運賃支払画面1300に寄付金額設定ウインドウ1311がポップアップ表示される。
【0092】
寄付金額設定ウインドウ1311は、明日の高齢者運賃の表示1312、運賃額表示1313、寄付金額表示1314、合計支払金額表示1315を含む。
【0093】
タクシー端末130は、利用者が支払うべき運賃額を所定の桁数に切り上げた差額を計算し、該差額を寄付金額として表示する。この切り上げは、例えば1円、10円の桁を0円とするように、加算する寄付金額を計算する。図示した例では、運賃額が1911円、切り上げた金額が2000円なので,差額の89円が寄付金額となる。利用者は、寄付金額表示1314の横に設けられたボタン1316を操作することによって、寄付金の額を下げることができる。また、ボタン1317を操作することによって、寄付金の額を上げることができる。
【0094】
タクシーの利用者は、合計支払金額を確認した後、総合運賃領域1318に触れて、確認操作をすることによって、支払額が決定する。この決定された額の支払いは、現金で運転手に支払っても、ICカード又はクレジットカードによって支払ってもよい。
【0095】
タクシーの利用者は、取消ボタン1319を操作することによって、寄付金の用途の選択を取り消すことができる。
【0096】
合計支払額を確認する操作が行われると、寄付金額設定ウインドウ1311が閉じ、寄付金効果表示画面1320(図10)が表示される。寄付金効果表示画面1320では、寄付金の効果が視覚的に表示される。図5を用いて前述したように、タクシーの利用者が決定した寄付金の額は運賃管理システム200に送信され、運賃管理システム200が計算した明日の高齢者運賃を受信して、計算された明日の高齢者運賃の額を表示する。
【0097】
具体的には、例えば、明日の高齢者運賃の表示額が少し減少したり(1321)、高齢者運賃額の変化を示すインジケータ1322が回転してもよい。例えば、インジケータ1322の1回転が0.001円に対応するように設定しておくとよい。
【0098】
なお、この寄付金による効果は、タクシー端末130以外に、SNSシステム400からも発信され、利用者が寄付をした後で確認することができる。例えば、タクシー料金の領収書に記載されたシリアル番号(又は、URL、2次元バーコード)を用いて、SNSシステム400にアクセスすることによって、この寄付の効果を表示する画面を呼び出せるとよい。
【0099】
図12は、本発明の第1の実施形態のバス停端末120の画面に表示される内容を説明する図である。
【0100】
バス停端末120の画面には、今日の高齢者運賃の表示領域1201、割引表示領域1202、寄付者の情報表示領域1203、表示切替ボタン領域1204、バスの運行に関する情報を表示する領域1205が含まれる。
【0101】
今日の高齢者運賃の表示領域1201には、今日の高齢者運賃額、昨日の高齢者運賃との比較が表示される。割引表示領域1202には、例えば、天候等の要因によるエネルギーコストの変化が料金に反映される額が表示される。寄付者の情報表示領域1203には、寄付者の人数、本人の希望によって写真(又は、イラスト、ハンドルネーム)が表示される。表示切替ボタン領域1204には、バス停端末の表示内容を切り替えるためのボタンが表示される。例えば、バスルート、時刻表、周辺施設の検索、バス停の検索などの表示内容、及び、表示言語を切り替えるためのボタンが設けられる。バスの運行に関する情報を表示する領域1205は、次に到着するバスの行き先等が表示される。なお、表示領域に入りきらない情報は画面をスクロールすることによって見ることができる。
【0102】
以上に説明したように、第1の実施形態では、市民から寄せられた寄付に基づいて、公共サービスの料金をリアルタイムで計算することによって、寄付者が寄付の効果を実感することができる。よって、市民の個人レベルの寄付を促進することができる。
【0103】
また、市民から寄せられた寄付に基づいて、公共サービスへの公的資金の投入額(投資変数)を変更するので、公的資金を効率よく運用することができる。
【0104】
さらに、気象予想や交通情報に基づいて利用者行動を予測し、気象予測に基づいて自然エネルギーのコストを予測して、公共サービスの運営に必要な公的資金の投入額を変更するので、公的資金を効率よく運用することができる。
【0105】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0106】
図13は、本発明の第2の実施形態の料金変動システムによる寄付金受付処理を説明するシーケンス図である。
【0107】
前述した第1の実施形態では、タクシーの利用者による寄付金の額を用いて運賃管理システム200が計算して、明日の運賃を予測し、予想運賃情報をタクシー端末130に送信した。しかし、タクシー端末130と運行管理システム100との間の通信は無線通信回線によるので、回線の状態によっては、寄付を受け付けた後、短時間で寄付の効果を表示することが困難となる。そこで、第2の実施形態では、タクシー端末130に寄付金と明日の高齢者運賃との関係式を格納し、この関係式に従って、タクシー端末130が寄付金による高齢者運賃の変化を計算し、表示する。
【0108】
本実施形態のタクシー端末130は、利用者が料金を支払う際に、寄付金の額及び用途を選択する画面(図8)を表示画面に表示する。タクシーの利用者は、タクシー端末130を操作して、寄付金の額及び用途を決定する(S101)。
【0109】
タクシー端末130は、タクシー利用者からの寄付を受け付けると、寄せられた寄付金額の情報を運行管理システム100に送信する(S102)。
【0110】
また、タクシー端末130は、タクシー利用者から寄せられた寄付金額の情報に基づいて、高齢者運賃の予想額を計算する(S121)。具体的には、タクシー端末130に予め設定されている計算式を用いて、今回寄せられた寄付金額によって変動する高齢者運賃の額を計算する。この計算式は、寄付金額を変数として高齢者運賃を計算する式を作成し、運賃管理システム200が、過去の実績値を用いてパラメータを算出することによって、求めることができる。
【0111】
その後、タクシー端末103は、計算された高齢者運賃の予想額を表示する(S122)。
【0112】
一方、運行管理システム100は、タクシー端末130から収集された、高齢者運賃に寄与する寄付金額の情報を、運賃管理システム200に送信する(S103)。
【0113】
運賃管理システム200は、運行管理システム100から寄付金額の情報を取得すると、明日の高齢者運賃の予測値を計算し(S104)、計算された高齢者運賃の予測値(予想運賃情報)を運行管理システム100に送信する(S105)。
【0114】
運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した高齢者運賃の予測値を、バス停端末120に転送する(S108)。バス停端末120は、受信した高齢者運賃の予測値を表示装置に表示する(S109)。
【0115】
また、運賃管理システム200は、運行管理システム100から寄付金額の情報を取得すると、所定のタイミングで(例えば、所定時間毎に)、明日の高齢者運賃の予測計算に用いるパラメータを計算し(S131)、計算された予想運賃計算用のパラメータを運行管理システム100に送信する(S132)。
【0116】
運行管理システム100は、運賃管理システム200から受信した予想運賃計算用のパラメータを、タクシー端末130に転送する(S133)。タクシー端末130は、受信した予想運賃計算用のパラメータをメモリに格納して、更新する(S134)。メモリに格納されたパラメータは、次に高齢者運賃の予想値を計算する際に用いられる。
【0117】
前述したように第2の実施形態によると、寄付金の額に応じた高齢者運賃をタクシー端末130に保持された式を用いて計算するので、タクシー端末130と運行管理システム100との間の通信状況が劣悪な場合でも、オフラインで、寄付金による高齢者運賃の変化を計算して、寄付金の効果をリアルタイムで寄付者に提供することができる。
【0118】
また、所定時間間隔で、高齢者運賃の計算に用いるパラメータを更新することによって、他のタクシー端末130に寄せられた寄付金の額を反映した高齢者運賃を計算することができる。
【0119】
以上、本発明の実施形態を、路線バスの高齢者を寄付により変動させる例について説明したが、その他の天気(日照時間、風速など)によるエネルギーコストによって運賃を変化させることもできる。さらに、本発明は、様々な要因を組み合わせて、公共サービスの料金を決定するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0120】
100 運行管理システム
110 バス端末
120 バス停端末
130 タクシー端末
150 需要予測システム
200 運賃管理システム
210 運賃管理サブシステム
220 拠出金管理サブシステム
230 寄付金管理サブシステム
240 運賃データベース
300 拠出金管理システム
400 SNSシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間単位で変動するサービスの料金を計算する料金管理サーバと、前記料金管理サーバと接続された事業管理サーバと、を備える計算機システムであって、
前記事業管理サーバは、
プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有し、市民が寄付金額を入力する第1の端末に接続された計算機であり、
市民から入力された寄付金額の情報を前記第1の端末から収集し、
前記収集した寄付金額の情報を前記料金管理サーバに送信し、
前記料金管理サーバは、
プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有する計算機であり、
前記事業管理サーバから受信した寄付金額の情報を累積し、
前記累積された寄付金額の情報を用いて、次の期間の前記サービスの料金を計算し、
前記計算されたサービスの料金を前記事業管理サーバに送信し、
前記事業管理サーバは、前記料金管理サーバから受信したサービスの料金の計算結果を前記第1の端末に送信することを特徴とする計算機システム。
【請求項2】
前記料金管理サーバは、
公的拠出金を管理する拠出金管理サーバに接続されており、
前記累積された寄付金額の情報及び次の期間に投入される公的拠出金の額を用いて、当該次の期間の前記サービスの料金を計算し、
前記計算されたサービスの料金が適正額となるように、前記公的拠出金が投入される額を調整し、
前記調整された公的拠出金の投入額を前記拠出金管理サーバに出力することを特徴とする請求項1に記載の計算機システム。
【請求項3】
前記料金管理サーバは、料金を変動させる期間、当該期間に投入される公的拠出金の額、当該期間に寄せられた寄付金の額、当該期間のサービスの料金、当該期間のサービスに必要な費用の額を含むデータベースを保持することを特徴とする請求項2に記載の計算機システム。
【請求項4】
前記料金管理サーバは、
前記事業管理サーバから受信した寄付金額の情報を前記データベースに累積し、
当該期間に寄せられた寄付金の額、次の期間に投入される公的拠出金の額及び次の期間のサービスに必要な費用の額を前記データベースから読み出して、次の期間の前記サービスの料金を計算することを特徴とする請求項3に記載の計算機システム。
【請求項5】
前記計算機システムは、市民が寄付金の額を入力する第2の端末を備え、
前記料金管理サーバは、前記サービスの料金を計算するために必要な情報を前記第2の端末に送信し、
前記第2の端末は、前記料金管理サーバから送信された情報を用いて、次の期間の前記サービスの料金を計算することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の計算機システム。
【請求項6】
所定期間単位で変動するサービスの料金を計算する料金管理サーバであって、
プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有し、市民が寄付金額を入力する第1の端末に接続された事業管理サーバと接続された計算機であり、
前記事業管理サーバが前記第1の端末から収集した市民から入力された寄付金額の情報を累積し、
前記累積された寄付金額の情報を用いて、次の期間の前記サービスの料金を計算し、
前記計算されたサービスの料金を前記事業管理サーバを経由して前記第1の端末に送信することを特徴とする料金管理サーバ。
【請求項7】
前記料金管理サーバは、
公的拠出金を管理する拠出金管理サーバに接続されており、
前記累積された寄付金額の情報及び次の期間に投入される公的拠出金の額を用いて、当該次の期間の前記サービスの料金を計算し、
前記計算されたサービスの料金が適正額となるように、前記公的拠出金が投入される額を調整し、
前記調整された公的拠出金の投入額を前記拠出金管理サーバに出力することを特徴とする請求項6に記載の料金管理サーバ。
【請求項8】
前記料金管理サーバは、料金を変動させる期間、当該期間に投入される公的拠出金の額、当該期間に寄せられた寄付金の額、当該期間のサービスの料金、当該期間のサービスに必要な費用の額を含むデータベースを保持することを特徴とする請求項7に記載の料金管理サーバ。
【請求項9】
前記料金管理サーバは、
前記事業管理サーバから受信した寄付金額の情報を前記データベースに累積し、
当該期間に寄せられた寄付金の額、次の期間に投入される公的拠出金の額及び次の期間のサービスに必要な費用の額を前記データベースから読み出して、次の期間の前記サービスの料金を計算することを特徴とする請求項8に記載の料金管理サーバ。
【請求項10】
前記事業管理サーバは、市民が寄付金の額を入力する第2の端末に接続されており、
前記料金管理サーバは、前記サービスの料金を計算するために必要な情報を前記第2の端末に送信することを特徴とする請求項6から9のいずれか一つに記載の料金管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図13】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−73482(P2013−73482A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213054(P2011−213054)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】