説明

記憶手段保護装置

【課題】 電源装置から電源瞬断の検出を行った際に、電源瞬断によるハードディスクの破壊を防止するための装置を、安価に提供すること。
【解決手段】 AC電源とは別に記憶装置であるハードディスクのみをバックアップする電源を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用AC電源に接続されてDC電圧出力を行う電源装置と、前記電源装置からDC電圧出力を受けるデータ処理装置と、前記電源装置からDC電圧出力を受けるハードディスクとを備えるシステムにおいて、ハードディスクを保護する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、データ処理システムは、商用AC電源からDC電源に変換する電源装置と、CPU,メモリ等を含むデータ処理装置と、ハードディスク等の補助記憶装置を有する構成となっている。
【0003】
データ処理システムへの電源供給に関わる注意として、特に、補助記憶装置がハードディスクの場合、ハードディスクメーカが規定する電源オフ時の終了シーケンスが規定されているため、その規定を守る必要がある。
【0004】
ただ、装置の電源を生成している商用AC電源は、停電や瞬断が発生する可能性がある。また、データ処理装置自体に装着されるACケーブルの抜けや、想定しないデータ処理装置に搭載されるAC電源スイッチのOFFなどによるDC電源の遮断が発生する可能性もある。
【0005】
ハードディスクが、データ処理装置のデータを書き込み中の場合に、そのような電源の問題が発生した場合、書き込み中のHDDのセクタが不良となり、次回立ち上げ時からは不良セクタとしてそのセクタは使用不可となる可能性がある。セクタが使用できなくなると、データ処理装置はHDDが不良と判断し、データ処理が出来なくなるという問題が発生する事もある。
【0006】
そのような問題を解決するため、電源瞬断が発生した場合に、ハードディスクの電源オフ時の終了シーケンスを守るため、データ処理システムの外部に無停電電源装置を設け、そのような問題を回避する方法がある。また、AC電源部のコンデンサの容量を大きくとり、AC電源が切られた際にもハードディスクのアクセスを停止するのに十分な電源供給を可能とする技術(特許文献1参照)もある。
【特許文献1】特開平7−153172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、無停電電源装置を用いた保護方法は、多くの時間、無停電電源は動作せず、またコストもかかるという理由で、ほとんどのデータ処理システムが無停電電源装置を取り付けることなしに稼動している。その場合、ハードディスクのアクセス中の電源瞬断によるハードディスク破壊事故の危険性が常にあり得るという問題を有している。
【0008】
また、AC電源部のコンデンサの容量を、ハードディスクのアクセスを停止する時間にしておく方法は、データ処理装置全体の電源を保持するような方法となる。データ処理装置の規模が大きい場合、AC電源部のコンデンサの容量を、データ処理装置の規模に比例して大きくする必要があり、コストがかかる事や、コンデンサの容量を大きくする事による、スペースが必要となるなどの問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、電源装置から電源瞬断の検出を行った際に、ハードディスクの電源のみをバックアップし、電源瞬断によるハードディスクの破壊を防止するための装置を、安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る記憶手段保護は、商用AC電源に接続されてDC電圧出力を行う電源装置と、前記電源装置からDC電圧出力を受けるデータ処理システムと、前記電源装置からDC電圧出力を受ける記憶手段であるハードディスクと、AC電源が瞬断された際に、ハードディスクの電源をバックアップする、電源バックアップ手段とを備える。
【0011】
前記電源バックアップ手段はハードディスクのアクセス停止に要する期間以上の電源瞬断に耐える容量をもつように構成し、商用AC電源の瞬断を検出して瞬断検出信号を出力する電源瞬断検出装置を設け、前記データ処理装置は前記瞬断検出信号を入力したとき前記ハードディスクのアクセスを停止するように構成する。
【0012】
このような構成をとる事により、ハードディスクのみを保護出来る為、小規模な回路でハードディスクの保護が実現可能となるのである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、AC電源とは別に記憶装置であるハードディスクのみをバックアップする電源を設ける事により、AC瞬断やそれ以外の予期せぬAC断が発生した際にも、ハードディスクを保護する事が可能なシステムを実現する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。本説明においては前記データ処理装置が、画像形成装置を制御する構成とする。
【0016】
図1は、本発明第1の形態にかかわるデータ処理装置が画像形成装置を制御する内部構造を示す構成図である。
【0017】
図1において、画像形成装置100は、原稿から画像を読み取ることで画像データを入力する画像読取処理(画像入力処理)を行うリーダ部10と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成処理を行うプリンタ部11と、画像形成装置全体の制御を司るデータ処理装置部12とから構成されている。
【0018】
まず、リーダ部10の構成を説明する。原稿台ガラス101には、原稿自動送り装置142から給送された原稿が順次、所定位置に載置されるようになっている。この原稿台ガラス101に載置された原稿は、例えばハロゲンランプから構成される原稿照明ランプ102により露光される。走査ミラー103、104、105は、光学走査ユニットに収容されており、往復動しながら原稿からの反射光をCCDユニット106に導く。CCDユニット106は、原稿からの反射光をCCDに結像させる結像レンズ107と、CCDから構成される撮像素子108と、撮像素子108を駆動するCCDドライバ109等から構成されている。また、CCDユニット106は、リーダ制御部147により制御される。撮像素子108から出力される画像信号は、リーダ制御部147により例えば8ビットのデジタルデータに変換され、シェーディング補正された後、データ処理装置部12に入力され、各種の画像処理が行われる。
【0019】
次に、データ処理装置部12の構成を説明する。画像形成装置の制御の中心となるデータ処理装置部12の詳細構成は後述するが、データ処理装置部12には、操作部140、リーダ制御部147、プリンタ制御部146が接続されている。データ処理装置部12は、操作部140から入力された指示に応じて、リーダ部10及びプリンタ部11を制御し、画像読取動作及び画像形成動作を実行させる。また、データ処理装置部12は、ネットワークを介してPC等の外部装置からプリンタ部11にて画像形成すべき画像データに関する情報であるプリントジョブの受信をしたり、プリンタ部11の状態を送信したりという通信を行う。
【0020】
次に、プリンタ部11の構成を説明する。感光ドラム110は、画像形成に備えて前露光ランプ112により除電される。クリーナ111は、感光ドラム110の表面をクリーニングする。1次帯電器113は、感光ドラム110を一様に帯電させる。レーザユニット117は、例えば半導体レーザ等で構成された露光手段であり、データ処理装置部12で処理された画像データに基づいて感光ドラム110を露光し、静電潜像を形成する。現像器118は、黒色の現像剤(トナー)を収容しており、感光ドラム110上の静電潜像を現像する。転写前帯電器119は、感光ドラム110上に現像されたトナー像を用紙に転写する前に高圧を印加する。
【0021】
給紙ユニット120、122、124は、複数枚の用紙を収納可能であり、それぞれ、給紙ローラ121、123、125の駆動により該当する給紙ユニットから用紙が給紙される。該当する給紙ユニットから給紙された用紙は、レジストローラ126の配設位置で一旦停止させられた後、感光ドラム110上に現像されたトナー像を用紙に転写する際の書き出しタイミングと用紙の給紙タイミングとが調整され、停止位置から再び給送される。転写帯電器127は、感光ドラム110に現像されたトナー像を、給送される用紙に転写する。分離帯電器128は、転写プロセスが終了した用紙を感光ドラム110から分離する。用紙に転写されずに感光ドラム110上に残ったトナーはクリーナ111によって回収される。搬送ベルト129は、転写プロセスが終了した用紙を定着器130に搬送する。定着器130は、例えば熱によって用紙上のトナー像を定着するものであり、ローラやヒータ等から構成される。フラッパ131は、定着プロセスが終了した用紙の搬送パスを、ステイプルソータ132の配設方向または中間トレイ137の配設方向の何れかに切り替える。
【0022】
ステイプルソータ132に排紙された用紙は、各ビンに仕分けされる。データ処理装置部12からの指示によりステイプル部141が用紙を綴じるステイプル処理を行う。給送ローラ133〜136は、一度定着プロセスが終了した用紙を反転(用紙の同じ面に複数の画像を印刷する多重印刷の場合)または非反転(用紙の両面に画像を印刷する両面印刷の場合)して、中間トレイ137に給送する。再給送ローラ138は、中間トレイ137に載置された用紙を再度、レジストローラ126の配設位置まで搬送する。
【0023】
図4は、画像形成装置のデータ処理装置部12の構成を示すブロック図である。
【0024】
図4において、データ処理装置部12は、ROM−DIMM(Dual Inline Memory Module)51、SDRAM−DIMM52、CPU53、IEEE1284インタフェース54、画像処理部55、マスクROM56、SRAM57、LCDデータ処理装置58、RTC(Real Time Clock)59、I/Oデータ処理装置60、ネットワークI/F61、10/100BASE−Tコネクタ62、リーダI/F63、プリンタI/F64、EEPROM65、HD307を備えている。
【0025】
CPU53は、コアICに内蔵されており、コントローラ部12の各部及び画像形成装置全体を統括的に制御するものであり、各種外部I/Fを備えると共に、圧縮伸張部(図7参照)等も備えている。CPU53は、制御手順(制御プログラム)を記憶した読み出し専用メモリであるROM−DIMM51からプログラムを順次読み出し、実行する。CPU53には、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してI/Oコントローラ60が接続されている。
【0026】
I/Oコントローラ60には、HD307、EEPROM65、操作部140、RTC59が直接接続されている。また、I/Oコントローラ60には、データバス/アドレスバスを介して画像処理部55、マスクROM56、SRAM57、LCDコントローラ58が接続されている。I/Oコントローラ60に接続された各負荷は、CPU53が実行するプログラムにより、制御コマンドがPCIバス経由で各負荷に対応したI/Fのフォーマットに変更されることで制御される。
【0027】
HD307は、記憶容量が例えば10GB程度であり、制御プログラムが格納された記憶領域と、画像データの蓄積用として利用される記憶領域とに分けられている。制御プログラムはROM−DIMM51にも格納されているが、ROM−DIMM51側の制御プログラムは容量が少なく、画像形成装置の起動時にのみ使用する。ROM−DIMM51に格納された制御プログラムにより画像形成装置を起動した後は、HD307に格納された制御プログラムをPCIバスを介してSDRAM−DIMM52に転送し、その制御プログラムにより画像形成装置を制御する。
【0028】
画像形成装置の制御プログラムを更新する場合には、IEEE1284インタフェース54を介して画像形成装置に接続されたPC、或いは10/100BASE−Tコネクタ62を介して画像形成装置に接続されたPCから、制御プログラムをHD307にダウンロードすることで更新する。
【0029】
EEPROM65は、I/Oコントローラ60に接続されたメモリであり、画像形成装置の仕様に関する情報(例えば読み取り速度、プリント速度、使用言語等)が予め書き込まれている。RTC59は、時間を示すものであり、不図示の電池により常にバックアップされている。操作部140は、図8に示す基本画面を表示可能であり、I/Oコントローラ60とシリアル通信を行う。I/Oコントローラ60により操作部140のキーが押されたことなどを検知する。操作部140に表示する情報はLCDコントローラ58に外部バスを介して書き込まれ、その情報がLCDコントローラ58から操作部140に転送されることで表示されるようになっている。
【0030】
マスクROM56は、フォントデータが格納されたメモリであり、操作部140に情報を表示する時や用紙に文字を印刷する時などに使用される。SRAM57は、不図示の電池によりバックアップされており、各種データが蓄積される。画像処理部55は、画像信号に対する画像処理を行う。画像処理は、リーダI/F63から入力された画像に対するリーダ部系の画像処理と、プリンタI/F64へ画像転送する前のプリンタ部系の画像処理から構成されており、変倍縮小処理、濃度変換処理、2値化処理等がある。
【0031】
更に、上記CPU53は、ネットワークI/F(Ethernet(登録商標) I/F)61及び10/100BASE−Tコネクタ62を介してLANに接続されており、画像形成装置外部のPC等との間でデータの送受信が可能であり、リーダ部10で原稿から読み取った画像をLANを介して送信したり、プリンタ部11でプリントを行ったりすることができる。IEEE1284インタフェース54は、いわゆるセントロニクスI/Fであり、PCとパラレル接続され、PCとの間でデータの送受信が可能である。
【0032】
データ処理装置12における画像の流れを簡単に説明すると、リーダ部10からリーダI/F63を介してデータ処理装置12に入力された画像は、画像処理部55で各種画像処理が行われ、CPU53を介してSDRAM−DIMM52に入力される。SDRAM−DIMM52に一旦蓄積された画像は、CPU53により再度読み出され、CPU53を介して画像処理部55において画像処理が行われて画像データが生成され、プリンタI/F64を介してプリンタ部11へ画像データが出力され、用紙に画像が形成される。
【0033】
一方、用紙に形成される画像とは別に、リーダ部10からリーダI/F63を介してデータ処理装置12に入力された画像は、各種画像処理が行われた後、規定されたVGA(Video Graphics Array)等のスケーリングサイズに基づき間引き縮小処理が施され、サネイル画像データとして生成され、SDRAM−DIMM52に入力される。
【0034】
また、原稿画像のコピーを複数部作成する場合には、リーダ部10からリーダI/F63を介してデータ処理装置部12に入力された画像を、SDRAM−DIMM52経由でHD307に蓄積し、コピーを1部作成する度にHD307から画像を読み出してプリンタ部11で画像形成を行う。詳しく説明すると、SDRAM−DIMM52に一旦蓄積された画像は、CPU53により読み出され、CPU53内部の圧縮伸張部で圧縮され、SDRAM−DIMM52の別領域に書き込まれる。次に、SDRAM−DIMM52内の圧縮画像は、CPU53、PCIバス、I/Oコントローラ60を介してHD307に蓄積される。
【0035】
画像形成時には、HD307から読み出された圧縮画像は、逆にI/Oコントローラ60、PCIバス、CPU53を介してSDRAM−DIMM52に書き込まれる。SDRAM−DIMM52から読み出された画像は、CPU53内部の圧縮伸張部で伸張され、再度SDRAM−DIMM52の別領域に書き込まれる。伸張された画像は、先ほど説明したように、CPU53を介して画像処理部55に転送された後、プリンタ部11へ転送される。
【0036】
図5は、HD307の構成を示すブロック図である。
【0037】
図5において、HDコントローラ3071は、データ処理装置12にあるCPU53と接続され、CPUI/F3080を介して、CPU53とのデータのやりとり、及びスピンドルモータ3074、ヘッド3079、ステッピングモータ3077のコントロールを行う。バッファメモリ3072は、バッファメモリであり、データ処理装置に送るデータ、DISCに書き込むデータを一時的にバッファしておくものである。スピンドルモータ307はHDコントローラ3071にコントロールされ、DISC30745を回転させるものである。DISC3075は、ヘッド3079がもつ電磁石から発する磁束で磁化して情報を記憶、読み取り可能なDISCである。ステッピンモータ3077は、HDコントローラ3071からの命令を受けて、ヘッド3079の動作を制御するものである。
【0038】
HD307の電源が切られる際の動作として、各社電源断時に必要な規定がされている。その規定が必要な主な要因としては、HD307はデータ処理システムから書き込まれたデータに対して、データ保証を行う為である。そのため、HD307内に持つバッファメモリ3072に保存されているDISCへの書き込みデータをDISCへ書き込みが終了するまでは、HD307が電源オフが可能な状態へはならないのである。DISC3075へデータを書き込み中、電源が切られた際には、ライト動作が途中で中止し、DISC3075の磁化状態が不定状態となるという不具合が発生してしまう。
【0039】
図3は、画像形成装置のシステムの構成を示すブロック図である。
【0040】
図3において、画像形成装置100は、上記図1、図4、図5に示した構成要素の他に、交流(以下AC)電源ユニット301、直流(以下DC)電源302、バックアップ電源303、切り替えスイッチ(以下SW)304、電源遮断監視回路305を備えている。尚、図3に示す構成要素で上記図1、図4等に示した構成要素と同じものには同じ符号を付し説明を省略する。
【0041】
AC電源ユニット301は、一般商用電源からのAC電圧を入力とし、ノイズフィルタを経由してAC系の負荷(定着器130を構成するローラ及びヒータ、温度ヒューズ等)を動作させるための電源である。DC電源302は、AC電源ユニット301から入力されたAC電圧を整流し、更にコンバータ、チョッパ、レギュレータ等を経由して、DC系の負荷を動作させるための各種DC電圧を生成する電源である。
【0042】
バックアップ電源303は、AC電源ユニット301からDC電源302への電力の供給が不可能な状態となった時に、DC電源302から出力されるDC電圧(直流電圧)のうち、HD307への供給電圧をDC電源302に替わって供給する補助電源である。つまり、バックアップ電源303は、商用電源からのAC電圧の供給が遮断された場合に、HDD307等を休止状態へ移行させるための終了処理を実行するのに必要な動作を保証するための電源である。尚、バックアップ電源303は、異常電源遮断検出時のシステム終了プロセスの実行に必要な最低限の動作を保証すればよいので、DC電源302により通常時充電可能な大容量コンデンサ等で構成してもよいし、単独動作可能なリチウム電池等で構成してもよい。
【0043】
切り替えSW304は、電源遮断監視回路305での異常電源遮断検出制御により、HD部用電源として供給する電圧源をDC電源302からバックアップ電源303へ切り替えるためのスイッチである。
【0044】
電源遮断監視回路305は、AC電源ユニット301からの入力を監視して、異常電源遮断が発生するとCPU53にその旨を通知し、それに応答する制御信号をCPU53から受け取った時点で、切り替えSW304の切り替え信号をバックアップ電源303側に設定する。
【0045】
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施例1の記憶手段保護装置を示す。
【0046】
図6において、まず、電源遮断監視回路205から電源遮断があるか否かを監視している。電源遮断があれば、AC電源が遮断されたものとしステップS602に進み、電源遮断がなければ、再び監視を行う(ステップS601)。電源遮断監視の例としては、AC電源ユニット301から入力されるAC電圧における“0”レベル電圧のクロスサイクルをウォッチドックタイマ等で監視したり、HDに流れ込むDC電源からの電流を監視しておき、DC電源からの電流が減少するのを監視してもよい。もちろん、電源遮断監視方法としては上記2つの方法以外にも様々な方法が知られており、電源遮断監視方法が上記に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0047】
次に、電源遮断が検地された場合、ステップS602において電源瞬断監視回路からバックアップ電源303に電源切り替えを指示し、バックアップ電源303からの電力供給を開始する。
【0048】
次に、バックアップ電源303からの供給が開始された後には、ステップS603でHD307に対して、停止信号を出力する。この停止信号は、HD307に対して外部からHD307を停止させられるハードリセット信号をアサートしたり、その他HD307を停止させられる信号であれば何でもよい。
【0049】
HD307は、外部からHD307を停止信号が入った場合の動作として、バッファメモリ3072に貯えられた、DISC3075への書き込みデータを、DISC3075へ書き込んでから、停止状態へと移行する。これは、CPU53からの書き込み命令にたいして、データを保証するために行われる動作である。
【0050】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、停電や比較的長い電源の瞬断など想定しない電源遮断が発生した場合に、HD307がバッファメモリに貯えた書き込みデータを、DISC3075へ書き込む時間動作が可能となり、不具合を少なくすることが可能となる。また、画像装置全体の電源を保持するのに比べ、データ処理装置内のハードディスクのみをバックアップする構成のため、回路規模、コストを低くする事が可能となる。
【実施例2】
【0051】
図15のフローチャートを用いて、本実施例2のシステム制御方法を示す。
【0052】
図15において、まず電源監視回路205から電源遮断があるか否かを監視している。電源遮断があれば、AC電源が遮断されたものとしステップS1502へ進み、電源遮断がなければ再び監視を行う(ステップS1501)。
【0053】
次に、電源遮断が検知された場合、ステップS1502においてHD307が電源オフ可能な状態となっているか判断を行う。HD307が電源オフ可能な状態とは各ハードディスクメーカが記載する電源終了が可能な状態とする。電源オフが可能な場合にはそのまま、何も行わず終了する(ステップS1505)。電源オフが出来ない状態の場合には、ステップS1503、ステップ1504を実行する。ステップの説明は、請求項1のステップS602、S603と同じのため省略する。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、通常のデータ処理装置が、電源の瞬断ではなく、通常の終了を行う際に、記憶装置保護手段が接続されていても、電源保護手段を動作させずに装置の終了を行う事が可能となる。
【実施例3】
【0055】
図16のフローチャートを用いて、本実施例3のシステム制御方法を示す。図16においてのステップS1601、S1602、S1604、S1605は、それぞれ前記した実施例1のS601、S602、S603、S604に相当するため説明を省く。
【0056】
ステップS1603では、電源瞬断監視回路305において電源瞬断が確認されたことを、電源瞬断後、再度システムに電源が入れられた際に、データ処理装置が認識可能とするために、電源瞬断監視回路305がその情報を保有しておく。保有方法は、ラッチ回路を電池等の別電源で構成しておき、電源瞬断された際の電源切り替え信号をラッチしておいてもよいし、不揮発性のROMを用いておいてもよい。
【0057】
データ処理装置は、再度電源が入れられた際に、想定しないAC断が発生した事を認識できるため、データ処理装置に不具合が生じた場合、AC断で生じた不具合なのか、それ以外で発生した不具合なのか切り分けが用意に可能となる。
【実施例4】
【0058】
図7は画像形成装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【0059】
図7において、BUS SW304は、CPU53、HD307の間にあり、CPU53とHD307をつなぐ信号線を切断、接続する物である。それ以外の記号に関しては図3と共通のため説明を省く。
【0060】
次に、図17のフローチャートを用いて、本実施例4のシステム制御方法を示す。図16においてのステップS1701、S1702、S1704、S1705は、それぞれ前記した実施例1のS601、S602、S603、S604に相当するため説明を省く。
【0061】
ステップS1703では、電源瞬断監視回路305からの信号をうけて、BUS SW304が信号線を切断する。
【0062】
これにより、CPU53と、HD307が別電源となっても、CPU53とHD307間の信号線が切断する事が可能となり、HD307のみ別電源で供給してもCPU53に電源の回りこみの発生しない回路が実現できる。
【実施例5】
【0063】
図8は画像形成装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【0064】
図8において終了制御IC306は、電源瞬断監視回路305からの電源瞬断信号を受けて、HD307にたいして終了処理を制御するものである。
【0065】
次に、図13のフローチャートを用いて、本実施例5のシステム制御方法を示す。ステップS1303以外は、実施例1と同様のため説明を省く。
【0066】
ステップS1303では、電源瞬断監視回路305から終了処理制御ICへ終了通知信号を送り、終了処理を開始させる。終了処理の例としては、HD307は主にIDEコマンドといわれるコマンドにより制御を決められている。そこで、終了制御IC306が、電源瞬断を認識した際には自動的にHDの停止コマンドを発行する事で実現しても良いし、それ以外の方法で行っても問題ない。
【0067】
また、図8のブロック図では終了制御IC306は、CPU53と別個に設けてあるが、CPU53の内部回路のとして実現しても問題ない。
【0068】
本実施例により、HD307を終了処理が可能な機能を基板に持たせる事により、単にリセットをかけHD307を初期状態にするよりも、HDの終了処理が詳細に可能となり、より安全なHD307の保護が実現可能となる。
【実施例6】
【0069】
図9は画像形成装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【0070】
図9において、電源瞬断監視回路305は、CPUに対して電源瞬断検知信号をおくる構成となっている。それ以外は図3と共通のため説明を省く。
【0071】
次に、図14のフローチャートを用いて、本実施例6のシステム制御方法を示す。
【0072】
図14において、まず電源遮断監視回路205から電源遮断があるか否かを監視している。電源遮断があれば、AC電源が遮断されたものとしステップS602に進み、電源遮断がなければ、再び監視を行う(ステップS1401)。次に、電源遮断が検地された場合、ステップS1402において電源瞬断監視回路からバックアップ電源303に電源切り替えを指示し、バックアップ電源303からの電力供給を開始する。
【0073】
次に、ステップS1403において電源瞬断監視回路305は、CPU53に対して電源遮断が発生した事を通知する。CPU53はステップ1404においてHD307にたいして終了命令を出力する構成とする。
【0074】
次に、図18に本実施例6に対応した電源立下りのタイミングチャートを示す。
【0075】
AC瞬断があった後(タイミング(1))、しばらくしてデータ処理装置電源が低下する(タイミング(2))、その後バックアップ電源は、容量が無くなるまで(タイミング(3))電圧を保持を行う。図14のステップにおいて、ステップS1403、ステップS1404は期間Aの間、データ処理装置電源が保持されている間に行う事とする。
【0076】
AC電源と、データ処理装置電源が低下する時間に差が発生しているのは、一般的なAC回路では、ACを平滑しDCへ変更する際に平滑コンデンサを用いて構成するため、ACが切れてしばらくし、データ処理装置電源の低下が始まるからである。
【0077】
本実施例により、CPU53からHD307に対して停止命令を出す構成において、電源瞬断時のHDの保護が可能となる。
【実施例7】
【0078】
図19のフローチャートを用いて、本実施例2のシステム制御方法を示す。
【0079】
図19において、まず電源監視回路205から電源遮断があるか否かを監視している。電源遮断があれば、AC電源が遮断されたものとしステップS1902へ進み、電源遮断がなければ再び監視を行う(ステップS1901)。
【0080】
次に、電源遮断が検知された場合、ステップS1902においてHD307が正常終了されているか判断を行う。HD307の正常終了状態とは各ハードディスクメーカが記載する電源終了が可能な状態とする。正常終了されている場合はそのまま、何も行わず終了する(ステップS1905)。正常終了されていない場合は、ステップS1903、ステップ1904、ステップ1905を実行する。ステップの説明は、請求項6のステップS1402、S1403、S1404と同じのため省略する。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態によれば、通常のデータ処理装置が、電源の瞬断ではなく、通常の終了を行う際に、記憶装置保護手段が接続されていても、電源保護手段を動作させずに装置の終了を行う事が可能となる。
【実施例8】
【0082】
図20のフローチャートを用いて、本実施例3のシステム制御方法を示す。図20においてステップS2001、S2002、S2004、S2005は、それぞれ前記した実施例6、図14のS1401、S1402、S1403、S1404に相当するため説明を省く。
【0083】
ステップS2003では、電源瞬断監視回路305において電源瞬断が確認されたことを、電源瞬断後、再度システムに電源が入れられた際に、システムが認識可能するために、電源瞬断監視回路305がその情報を保有しておく。保有方法は、ラッチ回路を電池等の別電源で構成しておき、電源瞬断された際の電源切り替え信号をラッチしておいてもよいし、不揮発性のROMを用いておいてもよい。
【実施例9】
【0084】
図10は画像形成装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【0085】
図7において、BUS SW304は、CPU53、HD307の間にあり、CPU53とHD307をつなぐ信号線を切断、接続する物である。それ以外の記号に関しては図9と共通のため説明を省く。
【0086】
次に、図2のフローチャートを用いて、本実施例9のシステム制御方法を示す。図2においてのステップS2101、S2102、S2104、S1705は、それぞれ前記した実施例6のS1401、S1402、S1403、S1404に相当するため説明を省く。
【0087】
ステップS2103では、電源瞬断監視回路305からの信号をうけて、BUS SW304が信号線を切断する。
【0088】
これにより、CPU53と、HD307が別電源となっても、CPU53とHD307間の信号線が切断する事が可能となり、HD307のみ別電源で供給してもCPU53に電源の回りこみの発生しない回路が実現できる。
【実施例10】
【0089】
図11は画像形成装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【0090】
図11において終了制御IC306は、電源瞬断監視回路305からの電源瞬断信号を受けて、HD307にたいして終了を行う制御を実行するものである。
【0091】
次に、図12のフローチャートを用いて、本実施例10のシステム制御方法を示す。ステップS2303以外は、実施例1と同様のため説明を省く。
【0092】
ステップS2303では、CPU53から終了制御ICへ終了通知信号を送り、終了制御を開始させる。終了制御の例としては、HD307は主にIDEコマンドといわれるコマンドにより制御を決められている。そこで、終了制御IC306が、電源瞬断を認識した際には自動的にHDの停止コマンドを発行する事で実現しても良いし、それ以外の方法で行っても問題ない。
【0093】
また、図11のブロック図では終了制御IC306は、CPU53と別個に設けてあるが、CPU53の回路として実現しても問題ない。
【0094】
本実施例により、HD307を終了処理が可能な機能を基板に持たせる事により、単にリセットをかけHD307を初期状態にするよりも、HDの終了処理が詳細に可能となり、より安全なHD307の保護が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態の画像処理装置を示す図である。
【図2】本実施形態9を表すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の画像処理装置を示す図である。
【図4】本発明のデータ処理部のブロック図である。
【図5】本発明のハードディスク(HDD)のブロック図である。
【図6】本実施形態1を表すフローチャートである。
【図7】本実施形態4を表すブロック図である。
【図8】本実施形態5を表すブロック図である。
【図9】本実施形態6を表すブロック図である。
【図10】本実施形態9を表すブロック図である。
【図11】本実施形態10を表すブロック図である。
【図12】本実施形態10を表すフローチャートである。
【図13】本実施形態5を表すフローチャートである。
【図14】本実施形態6を表すフローチャートである。
【図15】本実施形態2を表すフローチャートである。
【図16】本実施形態3を表すフローチャートである。
【図17】本実施形態4を表すフローチャートである。
【図18】本実施形態6の電圧降下時のタイミングチャートである。
【図19】本実施形態7を表すフローチャートである。
【図20】本実施形態8を表すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理を行なう、データ処理装置と、
前記データ処理装置が処理を行なうデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に電源を供給する第1の電源供給手段と、
前記記憶手段に電源を供給する第2の電源供給手段と、
前記第1の電源供給手段が、電源供給状態から供給を停止する場合に、前記記憶手段への電源供給元を前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替える、切り替え手段と、
前記切り替え手段が、前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えたことに応じて、前記記憶手段に対して、処理の終了を通知する終了通知手段と、
前記第2の電源供給手段は、前記記憶手段が処理の終了通知を受けてから、データの処理が終了するまでの時間、電源を供給可能とする事を特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記憶手段保護装置において、前記記憶手段がデータの処理が終了している場合、前記第1の電源供給手段が、電源供給状態から供給を停止する場合に、前記記憶手段への電源供給元を前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えを行わない事を特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項3】
請求項1に記載の記憶手段保護装置において、前記第1の切り替え手段が、電源の切り替えを行った場合、電源切り替えを行った事を、保持する保持手段を有する事を特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項4】
請求項1に記載の記憶手段保護装置において、前記データ処理装置と、前記記憶装置との信号線を遮断する信号線遮断手段と、前記切り替え手段が、前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えたことに応じて、前記信号線遮断手段に対して、信号線の遮断を行うことを特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項5】
請求項1に記載の記憶手段保護装置において、
前記データ処理装置と、前記記憶装置との間に、記憶手段を正常終了させる、記憶手段終了手段と、
前記、第1、第2の電源供給手段は、前記記憶手段、前記記憶手段終了手段へ電源供給を行い、
前記第1の電源供給手段が、電源供給状態から供給を停止する場合に、前記記憶手段、前記記憶手段終了手段への電源供給元を前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替える、電源切り替え手段と、
前記切り替え手段が、前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えたことに応じて、前記記憶手段終了手段に対して、記憶手段終了を開始させる、終了通知手段と、
前記記憶手段終了手段は、記憶手段が終了したのち、前記第2の電源を遮断することと特徴とする、
記憶手段保護装置。
【請求項6】
データ処理を行なう、データ処理装置と、
前記処理装置が処理を行なうデータを記憶する記憶手段と、
前記データ処理手段と、前記記憶手段に電源を供給する第1の電源供給手段と、
前記記憶手段に電源を供給する第2の電源供給手段と、
前記第1の電源供給手段が、電源供給状態から供給を停止する場合に、前記記憶手段への電源供給元を前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替える、切り替え手段と、
前記第1の電源供給手段が、電源供給状態から供給を停止したことを検知する検知手段と、
前記検知手段で、電源断を検知した際に、前記データ処理装置から記憶手段に対して処理の終了を通知する通知手段と、
前記第2の電源供給手段は、前記記憶手段が処理の終了通知を受けてから、処理が終了するまでの時間、電源を供給可能とする事を特徴とする特徴とする、
記憶手段保護装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記憶手段保護装置において、前記記憶手段がデータの処理が終了している場合、
前記第1の電源供給手段が、電源供給状態から供給を停止する場合に、前記記憶手段への電源供給元を前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えを行わない事を特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項8】
請求項6に記載の記憶手段保護装置において、
前記第1の切り替え手段が、電源の切り替えを行った場合、電源切り替えを行った事を、保持する保持手段を有する事を特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項9】
請求項6に記載の記憶手段保護装置において、
前記データ処理装置と、前記記憶装置との信号線を遮断する信号線遮断手段と、
前記切り替え手段が、前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えたことに応じて、前記信号線遮断手段に対して、信号線の遮断を通知する、信号線遮断手段と、を有することを特徴とする、記憶手段保護装置。
【請求項10】
請求項6に記載の記憶手段保護装置において、
前記データ処理装置と、前記記憶装置との間に、記憶手段を正常終了させる、記憶手段終了手段と、
前記、第1、第2の電源供給手段は、前記記憶手段、前記記憶手段終了手段へ電源供給を行い、
前記第1の電源供給手段が、前記記憶手段へ電源を供給しない場合に、前記記憶手段への電源供給元を前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替える、切り替え手段と、
前記切り替え手段が、前記第1の電源供給手段から前記第2の電源供給手段へ切り替えたことに応じて、前記記憶手段終了手段に対して、記憶手段終了を開始させる、記憶手段終了通知手段と、
前記記憶手段終了手段は、記憶手段が終了したのち、前記第2の電源を遮断することと特徴とする、
記憶手段保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−76155(P2009−76155A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245564(P2007−245564)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)