説明

記憶方法、記憶装置、およびプログラム

【課題】符号が記憶媒体を占めることによるのではない記憶方法および記憶装置を提供する。
【解決手段】中継ノード23で、伝達インパルスが印加された場合、同一ネットワークユニット20の中継ノード26へ、伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25で連結された他のネットワークユニット20の中継ノード26へ連絡インパルスを伝え、中継ノード26で、伝達インパルスと連絡インパルスとが特定の条件で印加された場合、特定の条件で印加された連絡インパルスを伝えた連絡リンク25の結合を強化し、結合が強化された連絡リンク25を伝わって連絡インパルスが印加されたとき、特定の遅延を設けて、自らの下流の隣接ノード、すなわち中継ノードまたは出力ノード28へ、伝達インパルスを伝える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶方法および記憶装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の記憶方法あるいは記憶装置は、半導体メモリなどの記憶媒体にデータを保持するものが一般的である(例えば、特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−003932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人工的な記憶方法や記憶装置では、もっぱら情報を符号やビット列に置き換えて、それらを媒体上に並べていくという方式である。したがって容量にも限りがある。
一方、人間の脳はどのように情報を保持しているかという問題は興味深いが、前述の例のように符号で表現しているとは断定できない。例えば頭の中で「1+2=3」という計算をしたとして、神経回路網のある場所に一方から「1」に相当する信号が、他方から「2」に相当する信号が伝わってきて、それらが回路によって演算処理された結果「3」になるというわけではおそらくない。
【0005】
これと似たような話で、脳に何かを記憶させるのにデータだけを注入するというようなことはたぶん不可能で、経験をする必要がある。つまり脳の記憶は過去の経験の積み重ねであって、思い出したことを言葉で説明したとしても、頭の中では紙に書かれた文章のようなものというより様々な概念の複合体といったほうが近い。それを大きく要約してパターン間の関連付けの保持と解釈すれば、従来とは異なる方式の記憶方法や記憶装置を構成できる可能性がある。
【0006】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、符号が記憶媒体を占めることによるのではない記憶方法および記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかる記憶方法は、入力変換部と、出力変換部と、前記入力変換部と前記出力変換部とを結ぶネットワークチャネル部からなる構成において、前記ネットワークチャネル部は、複数のネットワークユニットを備え、前記ネットワークユニットにおいては、1つの入力ノードと1つの出力ノードが、少なくとも1つの中継ノードを介して伝達リンクで連結され、前記中継ノードは、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと連絡リンクで連結され、前記入力変換部は、入力を与えられると、前記与えられた入力の内容に応じて、前記ネットワークチャネル部内の前記ネットワークユニット群を特定する、入力パターンを生成し、前記入力パターンに合致する前記ネットワークユニットの前記入力ノードに、前記入力インパルスを加え、前記入力ノードに、前記入力変換部から入力インパルスが加えられると、前記中継ノードを経由して、前記伝達リンクを伝達インパルスが伝わり、前記出力ノードに前記伝達インパルスが到達すると、前記出力ノードは、前記出力変換部に出力インパルスを伝えるとともに、前記伝達インパルスが印加された前記中継ノードは、前記連絡リンクで連結された、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードへ、連絡インパルスを伝え、前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが、特定の条件で印加されたとき、前記特定の条件で印加された前記連絡インパルスを伝えた前記連絡リンクの結合が強化され、前記中継ノードは、前記結合が強化された前記連絡リンクを伝わって、前記連絡インパルスが印加されたとき、特定の遅延を設けて、自らの下流の隣接ノードへ、前記伝達インパルスを伝えることを特徴とする。
これにより、入力内容を、複数のネットワークユニットの組み合わせからなるパターンに対応させることにより、多様な入力内容に対しても柔軟に対応することができる。
【0008】
また、本発明にかかる記憶方法は、上記に加えて、前記連絡リンクの前記結合の程度は定量化され、前記結合の量は、前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが特定の条件で印加される度に、特定の量だけ増加するとともに、特定の時定数をもって減衰し、前記結合の量が、特定のしきい値を上回っているとき、前記結合が強化されていることとしてもよい。
これにより、結合の程度を定量化し、しきい値を設けることで、結合が強化されているための要件を詳細に設定できる。また、時定数に従って減衰することで、長期にわたって特定の条件下でのインパルス印加がない場合に、結合の強化をリセットする効果もある。
【0009】
また、本発明にかかる記憶方法は、上記に加えて、前記特定の遅延は、前記連絡リンクの前記結合の量に応じて変化し、前記出力変換部は、前記出力ノードからの前記出力インパルスを受けると、前記ネットワークチャネル部内の、前記出力ノードが前記出力インパルスを伝えた前記ネットワークユニット群を特定する、出力パターンを抽出し、さらに前記出力パターンを、さまざまな時間間隔で積分したパターンに対してそれぞれ出力を生成するようにしてもよい。
これにより、結合の量に応じて遅延を変化させ、出力パターンをさまざまな異なる時間間隔で積分したパターンから出力を生成することで、元来の入力に対する出力、関連付けられた出力に加え、それら両者の要素を含む新たな出力を得ることができる。
【0010】
また、本発明にかかる記憶方法は、上記に加えて、前記ネットワークチャネル部において、複数の前記ネットワークユニットからなる複数のネットワークグループが形成され、前記ネットワークグループに属する前記ネットワークユニットの前記中継ノードは、自らと同じ前記ネットワークグループに属する他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと、連絡リンクで連結され、前記入力変換部は、生成する前記入力パターンにおいて、各々の前記ネットワークグループの、少なくとも1つの前記ネットワークユニットの前記入力ノードに前記入力インパルスを加えるようにしてもよい。
これにより、各ネットワークグループの少なくとも1つのネットワークユニットの入力ノードに入力インパルスを加えることで、特定の条件下で2つの入力が加えられたときに、入力インパルスを加えられたネットワークユニットは、必ず他のいずれかのネットワークユニットとの連絡リンクの結合が強化される。
【0011】
また、本発明にかかる記憶装置は、入力変換部と、出力変換部と、前記入力変換部と前記出力変換部とを結ぶネットワークチャネル部からなり、前記ネットワークチャネル部は、複数のネットワークユニットを備え、前記ネットワークユニットは、1つの入力ノードと1つの出力ノードが、少なくとも1つの中継ノードを介して伝達リンクで連結され、前記中継ノードは、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと連絡リンクで連結され、前記入力変換部は、入力を与えられると、前記与えられた入力の内容に応じて、前記ネットワークチャネル部内の前記ネットワークユニット群を特定する、入力パターンを生成し、前記入力パターンに合致する前記ネットワークユニットの前記入力ノードに、前記入力インパルスを加え、前記入力ノードに、前記入力変換部から入力インパルスが加えられると、前記中継ノードを経由して、前記伝達リンクを伝達インパルスが伝わり、前記出力ノードに前記伝達インパルスが到達すると、前記出力ノードは、前記出力変換部に出力インパルスを伝えるとともに、前記伝達インパルスが印加された前記中継ノードは、前記連絡リンクで連結された、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードへ、連絡インパルスを伝え、前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが、特定の条件で印加されたとき、前記特定の条件で印加された前記連絡インパルスを伝えた前記連絡リンクの結合が強化され、前記中継ノードは、前記結合が強化された前記連絡リンクを伝わって、前記連絡インパルスが印加されたとき、特定の遅延を設けて、自らの下流の隣接ノードへ、前記伝達インパルスを伝えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる記憶装置は、上記に加えて、前記連絡リンクの前記結合の程度は定量化され、前記結合の量は、前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが特定の条件で印加される度に、特定の量だけ増加するとともに、特定の時定数をもって減衰し、前記結合の量が、特定のしきい値を上回っているとき、前記結合が強化されていることとしてもよい。
これにより、結合の程度を定量化し、しきい値を設けることで、結合が強化されているための要件を詳細に設定できる。また、時定数に従って減衰することで、長期にわたって特定の条件下でのインパルス印加がない場合に、結合の強化をリセットする効果もある。
【0013】
また、本発明にかかる記憶装置は、上記に加えて、前記特定の遅延は、前記連絡リンクの前記結合の量に応じて変化し、前記出力変換部は、前記出力ノードからの前記出力インパルスを受けると、前記ネットワークチャネル部内の、前記出力ノードが前記出力インパルスを伝えた前記ネットワークユニット群を特定する、出力パターンを抽出し、さらに前記出力パターンを、さまざまな時間間隔で積分したパターンに対してそれぞれ出力を生成するようにしてもよい。
これにより、結合の量に応じて遅延を変化させ、出力パターンをさまざまな異なる時間間隔で積分したパターンから出力を生成することで、元来の入力に対する出力、関連付けられた出力に加え、それら両者の要素を含む新たな出力を得ることができる。
【0014】
また、本発明にかかる記憶装置は、上記に加えて、前記ネットワークチャネル部において、複数の前記ネットワークユニットからなる複数のネットワークグループが形成され、前記ネットワークグループに属する前記ネットワークユニットの前記中継ノードは、自らと同じ前記ネットワークグループに属する他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと、連絡リンクで連結され、前記入力変換部は、生成する前記入力パターンにおいて、各々の前記ネットワークグループの、少なくとも1つの前記ネットワークユニットの前記入力ノードに前記入力インパルスを加えるようにしてもよい。
これにより、各ネットワークグループの少なくとも1つのネットワークユニットの入力ノードに入力インパルスを加えることで、特定の条件下で2つの入力が加えられたときに、入力インパルスを加えられたネットワークユニットは、必ず他のいずれかのネットワークユニットとの連絡リンクの結合が強化される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力内容を、複数のネットワークユニットの組み合わせからなるパターンに対応させることにより、多様な入力内容に対しても柔軟に対応することができる。したがって、符号が記憶媒体を占めることによる容量制限を受けることがない記憶方法および記憶装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る記憶装置の動作(第1のステップ)を示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態に係る記憶装置の動作(第2のステップ)を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係る記憶装置の動作(第3のステップ)を示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態に係る記憶装置の時間積分動作を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係る記憶装置のネットワークチャネル部の構成例を示す説明図である。
【図8】第2の実施の形態に係る記憶装置の動作(第1のステップ)を示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態に係る記憶装置の動作(第2のステップ)を示す説明図である。
【図10】第2の実施の形態に係る記憶装置の動作(第3のステップ)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる記憶装置10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【0018】
この記憶装置10には、主な機能部として、入力変換部11、出力変換部13、ネットワークチャネル部12で構成されている。本実施の形態にかかる記憶装置10は、例えばCPU、メモリおよびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、メモリに格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【0019】
ネットワークチャネル部12は、ネットワークユニット20群で構成され、これらネットワークユニット20は複数のネットワークグループ30に分かれている。
ネットワークユニット20は、入力ノード21と出力ノード28が中継ノード23,26を介して伝達リンク22,24,27で連結されている。これら伝達リンク22,24,27を介して伝達インパルスがノード間で伝えられる。また中継ノード23,26は、同じネットワークグループ30に属する他のネットワークユニット20の中継ノード26と、連絡リンク25で連結されている。これら連絡リンクを介して連絡インパルスがノード間で伝えられる。なお、本発明の各実施の形態では、任意のノードから見て、伝達インパルスや連絡インパルスが伝達されてくる方向を上流と表現し、伝達されていく方向を下流と表現する。
【0020】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2〜図5を参照して、本実施の形態にかかる記憶装置10の動作について説明する。図2は、第1の実施の形態に係る記憶装置の動作(第1のステップ)を示す説明図である。図3は、第1の実施の形態に係る記憶装置の動作(第2のステップ)を示す説明図である。図4は、第1の実施の形態に係る記憶装置の動作(第3のステップ)を示す説明図である。図5は、第1の実施の形態に係る記憶装置の時間積分動作を示す説明図である。ここでは、入力ノード21と出力ノード28との間に、2つの中継ノード23,26が設けられている場合を例として説明する。
【0021】
[第1のステップ]
図2に示すように、まず、第1のステップにおいて、入力「A」が与えられると、入力変換部11はその内容に応じて、全てのネットワークグループ30に対して、各ネットワークグループ30の少なくとも1つのネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加える。例えば、m個のネットワークグループ30がそれぞれn個のネットワークユニット20で構成されている場合、入力変換部11は、入力の内容をn進数m桁のハッシュ値に変換することで、各ネットワークグループ30のうちのそれぞれ1つのネットワークユニット20を特定する入力パターンを生成することができる。
【0022】
入力インパルスが加えられた入力ノード21は、それぞれ自らの下流の中継ノード23へ伝達リンク22を介して伝達インパルスを伝える。伝達インパルスを伝えられた中継ノード23は、自らの下流の中継ノード26へ伝達リンク24を介して伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25を介して同一ネットワークグループ30内の他のネットワークユニット20に属する中継ノード26へ連絡インパルスを伝える。また、伝達インパルスや連絡インパルスを伝えられた中継ノード26は、自らの下流の出力ノード28へ伝達リンク27を介して伝達インパルスを伝える。
【0023】
このようにして、伝達インパルスが出力ノード28に到達すると、伝達インパルスを伝えられた出力ノード28は、出力変換部13に出力インパルスを伝える。
出力変換部13は、伝えられた出力インパルスから出力パターンを読み取り、それをもとに対応する出力「α」を生成する。
【0024】
[第2のステップ]
第1のステップ(図2参照)において、入力「A」が加えられた後、続く第2のステップにおいて、図3に示すように、特定の条件、例えば特定の時間内に入力「B」が加えられたとする。
入力変換部11は、入力「B」に応じた入力パターンを生成して、各ネットワークグループ30の少なくとも1つのネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加える。
【0025】
入力インパルスが加えられた入力ノード21は、第1のステップと同様にして、それぞれ自らの下流の中継ノード23へ伝達リンク22を介して伝達インパルスを伝える。伝達インパルスを伝えられた中継ノード23は、自らの下流の中継ノード26へ伝達リンク24を介して伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25を介して同一ネットワークグループ30内の他のネットワークユニット20に属する中継ノード26へ連絡インパルスを伝える。また、伝達インパルスや連絡インパルスを伝えられた中継ノード26は、自らの下流の出力ノード28へ伝達リンク27を介して伝達インパルスを伝える。
【0026】
このようにして、伝達インパルスが出力ノード28に到達すると、伝達インパルスを伝えられた出力ノード28は、出力変換部13に出力インパルスを伝える。
出力変換部13は、伝えられた出力インパルスから出力パターンを読み取り、それをもとに対応する出力「β」を生成する。
【0027】
このとき、第1のステップ(図2参照)で連絡インパルスを受けた中継ノード26に、特定の時間内に、同一ネットワークユニット20に属する中継ノード23から伝達インパルスが伝えられた場合、中継ノード26は、当該の連絡インパルスを伝えた連絡リンク25に関する結合の量が特定の量だけ増加させ、この増加により、連絡リンク25に関する結合の量が特定のしきい値を超えた状態になった時点で、この連絡リンク25は、結合が強化された状態と判定する。
【0028】
また、中継ノード26は、連絡インパルスと伝達インパルスを(特定の条件で)受信するたびに、結合の量を一定量ずつ増やし、そうでないときは時定数にしたがって漸減させる。これにより、連絡リンク25に関する結合の量が特定のしきい値以下となった時点で、この連絡リンク25は、結合が強化されていない状態と判定する。
【0029】
[第3のステップ]
第2のステップ(図3参照)において、連絡リンク25の結合が強化された後、続く第3のステップにおいて、図4に示すように、当該連絡リンク25の結合強化が維持されている時間内に、再び入力「A」が加えられたとする。
入力変換部11は、入力「A」に応じた入力パターンを生成して、各ネットワークグループ30の少なくとも1つのネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加える。
【0030】
入力インパルスが加えられた入力ノード21は、第1および第2のステップと同様にして、それぞれ自らの下流の中継ノード23へ伝達リンク22を介して伝達インパルスを伝える。伝達インパルスを伝えられた中継ノード23は、自らの下流の中継ノード26へ伝達リンク24を介して伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25を介して同一ネットワークグループ30内の他のネットワークユニット20に属する中継ノード26へ連絡インパルスを伝える。
【0031】
ここで、強化された連絡リンク25から連絡インパルスを伝えられた中継ノード26は、当該の連絡リンク25の結合の量に応じた遅延を設けて、自らの下流の出力ノード28へ伝達リンク27を介して伝達インパルスを伝える。結合の量に応じた遅延の具体的な変化については後述する。
このようにして、伝達インパルスが出力ノード28に到達すると、伝達インパルスを伝えられた出力ノード28は、出力変換部13に出力インパルスを伝える。
【0032】
出力変換部13は、伝えられた出力インパルスから出力パターンを読み取るが、ここでは異なるタイミングで2つの出力インパルス群が伝えられているため、これらを異なる時間間隔で積分して出力を生成する。この結果、入力「A」に対応する出力として、出力「α」に加え、出力「β」が得られる。また同時に、入力「A」に対する出力パターンと入力「B」に対する出力パターンとを重畳した出力パターンから生成される出力「γ」が得られる。
【0033】
この際、出力変換部13では、図5に示すように、これらの出力インパルスを様々な時間間隔で積分した出力パターンに基づいて出力を生成する。図5のグラフにおいて、横軸は出力ノード28の配列順、縦軸は時間をそれぞれ示しており、このグラフ上に第3ステップで出力変換部13が受け取る出力インパルスの時間的な分布がプロットされている。
【0034】
ここでは、時間間隔T1で積分した出力パターンQ1は、入力「A」に合致するものとなり、これをもとに出力「α」が生成される。また、時間間隔T1に遅延を設けた、時間間隔T2で積分した出力パターンQ2は、入力「B」に合致するものとなり、これをもとに出力「β」が生成される。さらに、時間間隔T1,T2を包含する時間間隔T3で積分した出力パターンQ3は、入力「A」と入力「B」を重畳したパターンとなり、これをもとに出力「γ」が生成される。
【0035】
また、連絡リンク25に関する結合の量に応じた、中継ノード26での遅延の変化について、例えば、結合の量が大きいほど、設ける遅延を小さくするものとした場合、2つの出力「α」と「β」の時間間隔が短くなり、より密に関連付けられていることになる。
【0036】
ここで、入力「A」と入力「B」に対する入出力にかかわる連絡リンク25の結合が強化されているとき、入力「A」に対して、その出力「α」に加え、元来は入力「B」に対する出力である「β」が出力されることで、入力「A」と入力「B」との関連付けがなされている。これに加えて第3の出力、すなわち「α」と「β」の両方の要素が含まれる「γ」が出力されることで、入力「A」と入力「B」との関連付けがより強調されることになる。
【0037】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、中継ノード23で、伝達インパルスが印加された場合、同一ネットワークユニット20の中継ノード26へ、伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25で連結された他のネットワークユニット20の中継ノード26へ連絡インパルスを伝え、中継ノード26で、伝達インパルスと連絡インパルスとが特定の条件で印加された場合、特定の条件で印加された連絡インパルスを伝えた連絡リンク25の結合を強化し、結合が強化された連絡リンク25を伝わって連絡インパルスが印加されたとき、特定の遅延を設けて、自らの下流の隣接ノード、すなわち中継ノード26または出力ノード28へ、伝達インパルスを伝えるようにしたものである。
【0038】
これにより、特定の時間間隔で異なる入力「A」,「B」が入力された場合、これら入力に対する入出力にかかわる連絡リンク25の結合が強化されるため、これら入力の関連付けがなされることになる。このため、このような状態において、再び入力「A」が入力された場合、これら入力「A」,「B」を重畳したパターンを持つ出力「γ」が生成される。したがって、入力内容を、複数のネットワークユニット20の組み合わせからなるパターンに対応させることにより、多様な入力内容に対しても柔軟に対応することができることになり、結果として、符号が記憶媒体を占めることによる容量制限を受けることがない記憶方法および記憶装置を実現することが可能となる。
【0039】
また、本実施の形態では、中継ノード26において、連絡リンク25の結合の程度を定量化し、伝達インパルスと連絡インパルスとが特定の条件で印加される度に、結合の量を特定の量だけ増やすとともに特定の時定数をもって減らし、結合の量が、特定のしきい値を上回っているとき、当該連絡リンク25の結合が強化されていると判定するようにしてもよい。
これにより、結合の程度を定量化し、しきい値を設けることで、結合が強化されているための要件を詳細に設定できる。また、時定数に従って減衰することで、長期にわたって特定の条件下でのインパルス印加がない場合に、結合の強化をリセットする効果もある。
【0040】
また、本実施の形態では、中継ノード26において、特定の遅延を連絡リンク25の結合の量に応じて変更し、出力変換部13により、出力ノード28からの出力インパルスを受けると、ネットワークチャネル部12内の、出力ノード28が出力インパルスを伝えたネットワークユニット20群を特定する、出力パターンを抽出し、さらに出力パターンを、さまざまな時間間隔で積分したパターンに対してそれぞれ出力を生成するようにしてもよい。
これにより、結合の量に応じて遅延を変化させ、出力パターンをさまざまな異なる時間間隔で積分したパターンから出力を生成することで、元来の入力に対する出力、関連付けられた出力に加え、それら両者の要素を含む新たな出力を得ることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、ネットワークチャネル部12において、複数のネットワークユニット20からなる複数のネットワークグループ30を形成し、ネットワークグループ30に属するネットワークユニット20の中継ノード23を、自らと同じネットワークグループ30に属する他のネットワークユニット20の中継ノード26と、連絡リンク25で連結し、入力変換部11において、生成する入力パターンにより、各々のネットワークグループ30の、少なくとも1つのネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加えるようにしてもよい。
これにより、各ネットワークグループ30の少なくとも1つのネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加えることで、特定の条件下で2つの入力が加えられたときに、入力インパルスを加えられたネットワークユニット20は、必ず他のいずれかのネットワークユニット20との連絡リンク25の結合が強化される。
【0042】
なお、本実施の形態では、入力ノード21と出力ノード28との間に、2つの中継ノード23,26が設けられている場合を例として説明したが、3つ以上の中継ノードが設けられている場合も、前述と同様に動作する。この際、中継ノード23,26の間に位置する中継ノードは、中継ノード23または中継ノード26のいずれか一方または両方の動作を行うことになる。また、中継ノードが1つの場合、当該中継ノードが、前述した中継ノード23または中継ノード26のいずれか一方の動作のみを行うものとなる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、図6および図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる記憶装置について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる記憶装置の構成例を示すブロック図である。図7は、第2の実施の形態に係る記憶装置のネットワークチャネル部の構成例を示す説明図である。
【0044】
この記憶装置10には、主な機能部として、入力変換部11、出力変換部13、ネットワークチャネル部12で構成されている。本実施の形態にかかる記憶装置10は、例えばCPU、メモリおよびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、メモリに格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【0045】
ネットワークチャネル部12は、ネットワークユニット20群で構成され、これらネットワークユニット20は、それぞれいずれかのネットワークグループ30に属している。この例では、ネットワークグループ30として、7つのネットワークグループ30A〜30Gが設けられている。
【0046】
ネットワークユニット20は、入力ノード21と出力ノード28が中継ノード23,26を介して伝達リンク22,24,27で連結されている。これら伝達リンク22,24,27を介して伝達インパルスがノード間で伝えられる。また中継ノード23,26は、同じネットワークグループ30に属する他のネットワークユニット20の中継ノードと、連絡リンク25で連結されている。これら連絡リンク25を介して連絡インパルスがノード間で伝えられる。
【0047】
図7には、ネットワークチャネル部12を断面的に見た例が示されており、ネットワークユニット20は、同じネットワークグループ30に属するネットワークユニット20が拡散する形で2次元的に分布している。ただし、紙面の都合上、本図では限られた数のネットワークユニット20しか図示されていない。個々のネットワークユニット20には、前述のとおり、入力ノード21、中継ノード23、出力ノード28、伝達リンク22,24,27が含まれている。なお、各ネットワークユニット20の中継ノード23,26間を結ぶ連絡リンク25は、煩雑になるため図示を省いている。ここでは、隣接する2つのネットワークユニット20は、必ず異なるネットワークグループ30に属するようになっている。
【0048】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図8〜図10を参照して、本実施の形態にかかる記憶装置10の動作について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る記憶装置の動作(第1のステップ)を示す説明図である。図9は、第2の実施の形態に係る記憶装置の動作(第2のステップ)を示す説明図である。図10は、第2の実施の形態に係る記憶装置の動作(第3のステップ)を示す説明図である。ここでは、各ネットワークユニット20において、前述した第1の実施の形態に係る記憶装置10の各ネットワークユニット20と同等の処理が行われるものとする。
【0049】
[第1のステップ]
入力変換部11(図示せず)は、第1の入力の内容にしたがって、第1の入力パターンP1を生成し、該当するネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加える。例えば、入力変換部11は、入力の内容をネットワークユニット20が分布する2次元空間の座標値に変換し、当該座標値に最も近いネットワークユニット20およびそれに隣接するネットワークユニット20群を選択することで、全てのネットワークグループ30A〜30Gに対して、それぞれ1つのネットワークユニット20を特定する第1の入力パターンP1を生成することができる。
【0050】
入力インパルスが加えられた入力ノード21は、それぞれ自らの下流の中継ノード23に伝達インパルスを伝える。伝達インパルスを伝えられた中継ノード23は、自らの下流の中継ノード26へ伝達リンク24を介して伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25(図示せず)上に連絡インパルスを伝える。伝達インパルスが出力ノード28に到達すると、伝達インパルスを伝えられた出力ノード28は、出力変換部13(図示せず)に出力インパルスを伝える。その結果、出力変換部13が読み取る第1の出力パターンQ1としては第1の入力パターンP1と同じものが得られる。
【0051】
[第2のステップ]
第1のステップ(図8参照)において、第1の入力が加えられた後、続く第2のステップにおいて、図9に示すように、特定の条件、例えば特定の時間内に第2の入力が加えられたとする。
入力変換部11(図示せず)は、第2の入力の内容にしたがって第2の入力パターンP2を生成し、該当するネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加える。
【0052】
入力インパルスが加えられた入力ノード21は、それぞれ自らの下流の中継ノード23に伝達インパルスを伝える。伝達インパルスを伝えられた中継ノード23は、自らの下流の中継ノード26に伝達リンク24を介して伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25(図示せず)を介して同一ネットワークグループ30内の他のネットワークユニット20に属する中継ノード26へ連絡インパルスを伝える。また、伝達インパルスが出力ノード28に到達すると、伝達インパルスを伝えられた出力ノード28は、出力変換部13(図示せず)に出力インパルスを伝える。その結果、出力変換部13が読み取る第2の出力パターンQ2としては第2の入力パターンP2と同じものが得られる。
【0053】
このとき、第2のステップで、連絡インパルスを受けた中継ノード26に、特定の時間内に伝達インパルスが伝えられることにより、第1の入力パターンP1に該当するネットワークユニット20群から、第2の入力パターンP2に該当するネットワークユニット20間へのそれぞれの連絡リンク25(図示せず)の結合の量が、特定の量だけ増加する。それにより特定のしきい値を超えた状態になった場合に、それらの連絡リンク25の結合が強化されたことになる。
【0054】
[第3のステップ]
第2のステップ(図9参照)において、連絡リンク25の結合が強化された後、続く第3のステップにおいて、図10に示すように、当該連絡リンク25の結合強化が維持されている時間内に、再び第1の入力と同じ入力が加えられたとする。
入力変換部11(図示せず)は、第1の入力の内容にしたがって、図10に示す第1の入力パターンP1を生成し、該当するネットワークユニット20の入力ノード21に入力インパルスを加える。
【0055】
入力インパルスが加えられた入力ノード21は、それぞれ自らの下流の中継ノード23に伝達インパルスを伝える。伝達インパルスを伝えられた中継ノード23は、自らの下流の中継ノード26に伝達リンク24を介して伝達インパルスを伝えるとともに、連絡リンク25(図示せず)上に連絡インパルスを伝える。
また、強化された連絡リンク25から連絡インパルスを伝えられた中継ノード26は、当該の連絡リンク25の結合の量に応じた遅延を設けて、自らの下流の出力ノード28に伝達インパルスを伝える。伝達インパルスが出力ノード28に到達すると、伝達インパルスを伝えられた出力ノード28は出力変換部13(図示せず)に出力インパルスを伝える。
【0056】
出力変換部13は、伝えられた出力インパルスから第1の出力パターンP1を読み取るが、ここでは異なるタイミングで2つの出力インパルス群が伝えられているため、それらを異なる時間間隔で積分して出力を生成する。その結果、第1の入力パターンP1に対応する第1の出力パターンQ1に加え、第2の入力パターンP2に対応する遅延した第2の出力パターンQ2を読み取ることができる。さらに、第1の出力パターンQ2が出力される時間間隔と第2の出力パターンQ2が出力される時間間隔を包含する時間間隔で積分した出力パターンから、第1の入力と第2の入力とが関連付けられた効果として、第1の出力パターンと第2の出力パターンを重畳した第3の出力パターンQ3を読み取ることができる。
【0057】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ネットワークチャネル部12において、同じネットワークグループ30に属するネットワークユニット20が拡散する形で2次元的に分布するよう配置した場合でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、入力ノード21と出力ノード22との間に、2つの中継ノード23,26が設けられている場合を例として説明したが、3つ以上の中継ノードが設けられている場合も、前述と同様に動作する。この際、中継ノード23,26の間に位置する中継ノードは、中継ノード23または中継ノード26のいずれか一方または両方の動作を行うことになる。また、中継ノードが1つの場合、当該中継ノードが、前述した中継ノード23または中継ノード26のいずれか一方の動作のみを行うものとなる。
【0059】
[実施の形態の拡張]
以上、本発明にかかる各実施の形態は、限られた例に基づいて説明されているが、各請求項に記載された内容を逸脱しない範囲内で種々の形態が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、情報の記憶装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10…記憶装置、11…入力変換部、12…ネットワークチャネル部、13…出力変換部、20…ネットワークユニット、21…入力ノード、22,24,27…伝達リンク、23,26…中継ノード、25…連絡リンク、28…出力ノード、30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G…ネットワークグループ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力変換部と、出力変換部と、前記入力変換部と前記出力変換部とを結ぶネットワークチャネル部からなる構成において、
前記ネットワークチャネル部は、複数のネットワークユニットを備え、
前記ネットワークユニットは、1つの入力ノードと1つの出力ノードが、少なくとも1つの中継ノードを介して伝達リンクで連結されてなり、
前記中継ノードは、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと連絡リンクで連結され、
前記入力変換部は、入力を与えられると、前記与えられた入力の内容に応じて、前記ネットワークチャネル部内の前記ネットワークユニット群を特定する、入力パターンを生成し、
前記入力パターンに合致する前記ネットワークユニットの前記入力ノードに、前記入力インパルスを加え、
前記入力ノードに、前記入力変換部から入力インパルスが加えられると、前記中継ノードを経由して、前記伝達リンクを伝達インパルスが伝わり、前記出力ノードに前記伝達インパルスが到達すると、前記出力ノードは、前記出力変換部に出力インパルスを伝えるとともに、
前記伝達インパルスが印加された前記中継ノードは、前記連絡リンクで連結された、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードへ、連絡インパルスを伝え、
前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが、特定の条件で印加されたとき、前記特定の条件で印加された前記連絡インパルスを伝えた前記連絡リンクの結合が強化され、
前記中継ノードは、前記結合が強化された前記連絡リンクを伝わって、前記連絡インパルスが印加されたとき、特定の遅延を設けて、自らの下流の隣接ノードへ、前記伝達インパルスを伝える
ことを特徴とする記憶方法。
【請求項2】
請求項1に記載の記憶方法において、
前記連絡リンクの前記結合の程度は定量化され、
前記結合の量は、前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが特定の条件で印加される度に、特定の量だけ増加するとともに、特定の時定数をもって減衰し、
前記結合の量が、特定のしきい値を上回っているとき、前記結合が強化されている
ことを特徴とする記憶方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の記憶方法において、
前記特定の遅延は、前記連絡リンクの前記結合の量に応じて変化し、
前記出力変換部は、前記出力ノードからの前記出力インパルスを受けると、前記ネットワークチャネル部内の、前記出力ノードが前記出力インパルスを伝えた前記ネットワークユニット群を特定する、出力パターンを抽出し、
さらに前記出力パターンを、さまざまな時間間隔で積分したパターンに対してそれぞれ出力を生成する
ことを特徴とする記憶方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の記憶方法において、
前記ネットワークチャネル部において、複数の前記ネットワークユニットからなる複数のネットワークグループが形成され、
前記ネットワークグループに属する前記ネットワークユニットの前記中継ノードは、自らと同じ前記ネットワークグループに属する他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと、連絡リンクで連結され、
前記入力変換部は、生成する前記入力パターンにおいて、各々の前記ネットワークグループの、少なくとも1つの前記ネットワークユニットの前記入力ノードに前記入力インパルスを加える
ことを特徴とする記憶方法。
【請求項5】
入力変換部および出力変換部と、これら入力変換部と出力変換部とを結ぶネットワークチャネル部とからなり、
前記ネットワークチャネル部は、複数のネットワークユニットを備え、
前記ネットワークユニットは、1つの入力ノードと1つの出力ノードが、少なくとも1つの中継ノードを介して伝達リンクで連結されてなり、
前記中継ノードは、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードと連絡リンクで連結され、
前記入力変換部は、入力を与えられると、前記与えられた入力の内容に応じて、前記ネットワークチャネル部内の前記ネットワークユニット群を特定する入力パターンを生成し、当該入力パターンに合致する前記ネットワークユニットの前記入力ノードに、前記入力インパルスを加え、
前記入力ノードに、前記入力変換部から入力インパルスが加えられると、前記中継ノードを経由して、前記伝達リンクを伝達インパルスが伝わり、前記出力ノードに前記伝達インパルスが到達すると、前記出力ノードは、前記出力変換部に出力インパルスを伝えるとともに、
前記伝達インパルスが印加された前記中継ノードは、前記連絡リンクで連結された、他の前記ネットワークユニットの前記中継ノードへ、連絡インパルスを伝え、
前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが、特定の条件で印加されたとき、前記特定の条件で印加された前記連絡インパルスを伝えた前記連絡リンクの結合が強化され、
前記中継ノードは、前記結合が強化された前記連絡リンクを伝わって、前記連絡インパルスが印加されたとき、特定の遅延を設けて、自らの下流の隣接ノードへ、前記伝達インパルスを伝える
ことを特徴とする記憶装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記憶装置において、
前記連絡リンクの前記結合の程度は定量化され、
前記結合の量は、前記中継ノードに、前記伝達インパルスと前記連絡インパルスとが特定の条件で印加される度に、特定の量だけ増加するとともに、特定の時定数をもって減衰し、
前記結合の量が、特定のしきい値を上回っているとき、前記結合が強化されている
ことを特徴とする記憶装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の記憶装置において、
前記特定の遅延は、前記連絡リンクの前記結合の量に応じて変化し、
前記出力変換部は、前記出力ノードからの前記出力インパルスを受けると、前記ネットワークチャネル部内の、前記出力ノードが前記出力インパルスを伝えた前記ネットワークユニット群を特定する、出力パターンを抽出し、
さらに前記出力パターンを、さまざまな時間間隔で積分したパターンに対してそれぞれ出力を生成する
ことを特徴とする記憶装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項5〜請求項7のいずれか1つに記載の記憶装置を構成する各部として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−80367(P2013−80367A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219860(P2011−219860)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)