説明

記憶装置、データバックアップ方法およびデータバックアッププログラム

【課題】メモリカードのデータをバックアップした際のデータの消失を防ぐことができる記憶装置を提供する。
【解決手段】記憶装置10は、バックアップデータを記憶するハードディスク記憶部16と、外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとしてハードディスク記憶部16に記憶させるバックアップ制御手段104と、バックアップ制御手段104により記憶されたハードディスク記憶部16のバックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較するデータ比較手段105と、データ比較手段105が比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去するデータ消去手段106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記憶媒体に格納されたデータのバックアップを行う記憶装置、データバックアップ方法およびデータバックアッププログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオが広く普及している。これらは、撮影によって得られた画像データ及び映像データをメモリカードに格納することが多い。近年、メモリカードは、大容量化し、価格も安くなってきた。しかし、画像や映像は、高画質化の傾向にあるためサイズも増加しており、メモリカードに格納可能な画像枚数や映像時間には制限がある。そこで、最近ではメモリカードの内容をバックアップするための記憶装置として、ディスク記憶装置を内蔵し、かつメモリカードを装着可能な記憶装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。これらの記憶装置は、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンともいう)を介さずに単独でメモリカードの内容をディスク記憶装置にバックアップができる機能を有する。
【0003】
また、メモリカードをバックアップした後、メモリカードの空き容量を増やすために、データを自動的に削除する機能を有している記憶装置がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0004】
また、最近ではメモリカードを接続することで、その内容を再生できる映像機器が多くなってきており、バックアップされた画像や映像をメモリカードに書き戻せば、その画像や映像を楽しむことができる。その書き戻しの機能を有する記憶装置も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−269905号公報
【特許文献2】特開2011−043881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、メモリカードから記憶装置にバックアップを行った際、バックアップが正常に行われていなかったり、バックアップしたデータが機器の故障により消失したりする可能性がある。そのため、正常にバックアップがされていることをパソコン等でデータを比較したり、複数の媒体にデータを二重に保存したりする処置を行うことでデータの消失のリスクを減らすことが行われているが、パソコンの操作等に手間がかかるという課題がある。また、データを失うリスクを知らずに上記のような処置を行わず、データを失う可能性もある。
【0007】
特許文献1および特許文献2に記載されている記憶装置は、バックアップ後にメモリカード内のデータを消去する機能を有しているが、特許文献1および特許文献2に記載された記憶装置を使用した場合に、バックアップに失敗するとメモリカード内にもデータが残らず、データが消失してしまう。
【0008】
本発明は、メモリカードのデータをバックアップした際のデータの消失を防ぐことができる記憶装置、データバックアップ方法およびデータバックアッププログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による記憶装置は、バックアップデータを記憶する記憶部と、外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして前記記憶部に記憶させるバックアップ制御手段と、前記バックアップ制御手段により記憶された前記記憶部のバックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較するデータ比較手段と、前記データ比較手段が比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去するデータ消去手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明による記憶方法は、外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして記憶し、記憶された前記バックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較し、比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去することを特徴とする。
【0011】
本発明による記憶プログラムは、コンピュータに、外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして記憶させるバックアップ処理と、記憶された前記バックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較するデータ照合処理と、比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去するデータ消去処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メモリカードのデータをバックアップした際のデータの消失を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による記憶装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による記憶装置の第1の実施形態におけるスイッチ部の具体例を示す説明図である。
【図3】本発明による記憶装置の第1の実施形態の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】記憶装置におけるメモリカードのデータをバックアップする動作を示すフローチャートである。
【図5】記憶装置におけるハードディスク記憶部(二重化)に保存されるデータのフォルダ構成例を示す説明図である。
【図6】記憶装置におけるメモリカードにデータを書き戻す動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明による記憶装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明による記憶装置の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態1.
図1は、本発明による記憶装置の第1の実施形態(実施形態1)の構成を示すブロック図である。図1に示すように、記憶装置10は、表示部11、スイッチ部12、メモリカードコントロール部13、制御部14、RTC(Real Time Clock)部15およびハードディスク記憶部(二重化)16を備える。
【0015】
表示部11は、利用者に操作メニューや現在の状況等の表示画面を表示する機能を有する。表示部11は、例えば、液晶表示部等の表示デバイスによって実現される。スイッチ部12は、利用者の指示を制御部14に伝える。スイッチ部12は、例えば、各種操作ボタン(ジョクダイヤル等であってもよい)を含む入力デバイスによって実現される。
【0016】
図2は、記憶装置におけるスイッチ部12の具体例を示す説明図である。図2に示すスイッチ部12は、表示部11に表示される操作メニューで示される項目を選択操作するための「上下の矢印キー」、選択した項目の実行の決定を指示操作するための「実行キー」、および階層構造を持つ操作メニューにおいて選択を戻す操作を行うための「戻るキー」を有する。
【0017】
メモリカードコントロール部13は、メモリカード20を挿入可能な機構を備え(例えば、カードスロット等のカード装着部を備え)、メモリカード20を接続することができる。メモリカードコントロール部13は、メモリカード20が接続されたか否かを検知(検出)する機能を備える。また、メモリカードコントロール部13は、メモリカード20が接続されたことを検出すると、制御部14の制御に従って、メモリカード20に格納されているデータを読み出したり、データをメモリカードに書き戻したり、データを消去したりする機能を備える。なお、本実施形態において、「データを書き戻す」とは、既に記憶装置10にデータがバックアップされている場合に、そのバックアップされたデータ(以下、バックアップデータと記載する)をメモリカードに再度書き込むことをいう。
【0018】
制御部14は、記憶装置10の全体を制御し、データ管理、転送の制御及びデータ比較機能を有する。制御部14は、例えば、プログラムに従って制御されるCPUである。RTC(Real Time Clock)部15は、内部時計であって、現在の日時を制御部14に通知する機能を有する。具体的には、RTC部15は、現在の日時(年、月、日、時、分、秒)を含む日時情報を制御部14に対して出力する。
【0019】
ハードディスク記憶部(二重化)16は、デジタルデータを記憶する装置であり、データを二重化して保存しデータを保証するために、少なくとも2つの記憶領域を有する。ハードディスク記憶部(二重化)16は、具体的には、磁気ディスク装置によって実現され、例えば、HDD(Hard Disk Drive)である。本実施形態では、ハードディスク記憶部(二重化)16は、少なくとも、メモリカード20のメモリ容量よりも大きいメモリ容量を有するものとする。また、ハードディスク記憶部(二重化)16は、複数の磁気ディスクを有することでデータの二重化を行ってもよいし、一つの磁気ディスク内で二重化を行ってもよい。
【0020】
次に、記憶装置10の機能構成を説明する。図3は、記憶装置10の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、記憶装置10は、機能構成要素として、作成日時算出手段101、データ種別判定手段102、作成日時フォルダ作成手段103、バックアップ制御手段104、データ比較手段105、データ消去手段106、入力手段107、及びデータ書き戻し制御手段108を含む。
【0021】
作成日時算出手段101は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14によって実現される。作成日時算出手段101は、利用者の操作によるバックアップ要求に応じて、RTC部15からの日時に情報に基づいて、現在の日時を、バックアップデータを作成した作成日時として定める機能を備える。
【0022】
データ種別判定手段102は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14によって実現される。データ種別判定手段102は、メモリカード20から読み出したデータのデータ種別(画像データ、映像データ、またはその他のデータ)を判定する機能を備える。
【0023】
作成日時フォルダ作成手段103は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14によって実現される。作成日時フォルダ作成手段103は、データ種別判定手段102によって判定されたデータ種別に対するフォルダ内に、作成日時算出手段101が定めた作成日時に対応するフォルダを作成する機能を備える。
【0024】
バックアップ制御手段104は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14及びメモリカードコントロール部13によって実現される。バックアップ制御手段104は、作成日時フォルダ作成手段103が作成したフォルダにメモリカード20から読み出したデータを記憶させることによって、メモリカード20から読み出したデータを、データ種別及び作成日時に対応付けてハードディスク記憶部(二重化)16に記憶させる制御を行う機能を備える。
【0025】
データ比較手段105は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14によって実現される。データ比較手段105は、メモリカード20のデータとハードディスク記憶部(二重化)16の該当データとの比較をし、一致するかどうかを照合する。データ比較手段105は、この比較を行うために、例えばDOS(Disk Operating System)で用いられるfc /bコマンドやcompコマンドなどと同様のバイナリデータ比較機能を有する。
【0026】
データ消去手段106は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14及びメモリカードコントロール部13によって実現される。データ消去手段106は、データ比較手段105で行われた比較によりメモリカード20のデータとハードディスク記憶部(二重化)16の該当データが一致していた場合、メモリカード20のデータを消去する。
【0027】
入力手段107は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14及びスイッチ部12によって実現される。入力手段107は、利用者の操作に従って、書き戻し対象のバックアップデータのデータ種別及び作成日時を入力する機能を備える。
【0028】
データ書き戻し制御手段108は、具体的には、プログラムに従って動作する制御部14及びメモリカードコントロール部13によって実現される。データ書き戻し制御手段108は、入力手段107が入力したデータ種別及び作成日時に対応するバックアップデータをハードディスク記憶部(二重化)16から抽出して、メモリカード20に再度書き込む制御を行う機能を備える。
【0029】
次に本実施形態の記憶装置10の動作を説明する。図4は、記憶装置におけるメモリカード20のデータをバックアップする動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、利用者がメモリカード20を、記憶装置10のカード装着部(例えば、カードスロット)に挿入すると、メモリカードコントロール部13は、メモリカード20が接続されたことを検出する(ステップS201)。メモリカードコントロール部13は、メモリカード20が接続されたことを示す通知信号を制御部14に通知(出力)する。制御部14は、その通知を受けると、バックアップの処理を開始するか否かを確認するための確認メッセージを表示部11に表示させる(ステップS202)。
【0031】
次に、利用者は、バックアップを行う場合、スイッチ部12を用いてバックアップの処理の開始を指示する操作(例えば、実行キーを押下する操作)を行う。すると、スイッチ部12は、利用者の操作に従って、バックアップの実行が指示されたことを示す入力信号を制御部14に出力する。そして、制御部14は、メモリカードコントロール部13を介して、記憶装置10に接続されたメモリカード20に格納されているデータの内容を確認する(ステップS203)。この場合、制御部14は、例えば、メモリカード20に格納されているデータが持つ拡張子にもとづいてデータの種類を判断する。
【0032】
まず、制御部14は、画像データがメモリカード20に格納されているか否かを判断する(ステップS204)。具体的には、制御部14は、画像データ用の拡張子(例えば、jpgやbmp等)を持つ画像データがメモリカード20に格納されているか否かを判断する。画像データが格納されていると判断した場合には(ステップS204のY)、制御部14は、RTC部15から現在の日時を示す日時情報を入力する。次いで、制御部14は、ハードディスク記憶部(二重化)16の画像フォルダ内に、RTC部15から取得(入力)した日時情報に示される現在の日時を作成日時として特定し、作成日時に対応するフォルダを新規に作成する(ステップS205)。
【0033】
そして、制御部14は、メモリカードコントロール部13を介して、メモリカード20に格納されている画像データを読み出し、読みだした画像データを、ステップS205においてハードディスク記憶部(二重化)16に新規作成したフォルダ内にコピー(格納)する(ステップS206)。そして、ステップS207に移行する。
【0034】
ステップS206における処理の終了後、または、メモリカード20に画像データが格納されていなかった場合(ステップS204のN)には、制御部14は、映像データがメモリカード20に格納されているか否かを判断する(ステップS207)。具体的には、制御部14は、映像データ用の拡張子(例えば、mpgやmp4等)を持つ映像データがメモリカード20に格納されているか否かを判断する。
【0035】
映像データが格納されていると判断した場合には(ステップS207のY)、制御部14は、RTC部15から現在の日時を示す日時情報を入力する。次いで、制御部14は、ハードディスク記憶部(二重化)16の映像フォルダに、RTC部15から取得(入力)した日時情報に示される現在の日時を作成日時として特定し、作成日時に対応するフォルダを新規に作成する(ステップS208)。
【0036】
そして、制御部14は、メモリカードコントロール部13を介して、メモリカード20に格納されている映像データを読み出し、読みだした映像データを、ステップS208においてハードディスク記憶部(二重化)16に新規作成したフォルダ内にコピー(格納)する(ステップS209)。そして、ステップS210に移行する。
【0037】
ステップS209における処理の終了後、または、メモリカード20に映像データが格納されていなかった場合(ステップS207のN)には、制御部14は、動画データ及び映像データ以外のデータ(例えば、テキストデータ。以下、その他データと記載する)がメモリカード20に格納されているか否かを判断する(ステップS210)。具体的には、制御部14は、動画データでも映像データでもないその他データ用の拡張子(例えば、datやtxt等)を持つデータがメモリカード20に格納されているか否かを判断する。
【0038】
その他データが格納されていると判断した場合には(ステップS210のY)、制御部14は、RTC部15から現在の日時を示す日時情報を入力する。次いで、制御部14は、ハードディスク記憶部(二重化)16のその他データ用フォルダ内に、RTC部15から取得(入力)した日時情報に示される現在の日時を作成日時として特定し、作成日時に対応するフォルダを新規に作成する(ステップS211)。
【0039】
そして、制御部14は、メモリカードコントロール部13を介して、メモリカード20に格納されているその他データを読み出し、読みだしたデータを、ステップS211においてハードディスク記憶部(二重化)16に新規作成したフォルダ内にコピー(格納)する(ステップS212)。そして、ステップS213に移行する。
【0040】
ステップS212の処理の終了後、または、メモリカード20にその他データが格納されていなかった場合(ステップS210のN)には、制御部14は、ハードディスク記憶部(二重化)16とメモリカード20とのデータの比較を行う(ステップS213)。具体的には、制御部14は、ステップS206、ステップS209及びステップ212で作成した最も新しい日時のフォルダ内のデータと、メモリカード20内のデータを比較し、一致するかどうかを照合する。
【0041】
ステップS213の比較において、ハードディスク記憶部(二重化)16とメモリカード20とのデータが不一致であった場合(NG)は、メモリカード内容確認(ステップS203)に戻り、バックアップを再実行する。ステップS213の比較において、ハードディスク記憶部(二重化)16とメモリカード20とのデータが一致した場合(OK)は、メモリカード20内のデータを消去する(ステップS214)。そして、処理を終了する。
【0042】
このように、本実施形態の記憶装置10は、バックアップ後にメモリカード20内のデータを消去するので、メモリカード20の再利用時の利便性が高い。また、メモリカード20内のデータを消去する前に、ハードディスク記憶部(二重化)16とメモリカード20とのデータを照合することにより、仮にデータのバックアップが不十分であった場合は、メモリカード20内のデータの消去を行わない。そのため、バックアップの失敗によるデータの消失を避けることができる。
【0043】
図5は、記憶装置におけるハードディスク記憶部(二重化)16に保存されるデータのフォルダ構成例を示す説明図である。図4に示す処理によってデータのバックアップが行われると、図5に示すように、ハードディスク記憶部(二重化)16には、動画データ用フォルダ、映像データ用フォルダまたはその他データ用フォルダの各フォルダの下位にそれぞれ作成日時フォルダが新規作成される。また、図6に示すように、新規作成された各作成日時フォルダ内に、メモリカード20に格納されているデータが分類されて保存される。
【0044】
従って、本実施形態の記憶装置10は、メモリカード20に格納されているデータを、データの種類(例えば、画像データ、映像データ、その他データ)に応じて自動的に記憶場所を設定してコピーし、ハードディスク記憶部(二重化)16にバックアップを行うことができる。また、本実施形態の記憶装置10は、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末に接続しなくても、メモリカード20に格納されたデータのバックアップを行うことができる。
【0045】
次に、記憶装置10が、ハードディスク記憶部(二重化)16に格納しているデータをメモリカード20に書き戻す動作を、説明する。図6は、記憶装置におけるメモリカード20にデータを書き戻す動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、利用者は、書き戻し操作を行うために、メモリカード20を記憶装置10のカード装着部(例えば、カードスロット)に挿入する。次に、利用者は、表示部11によって表示されている操作メニューにおいて、スイッチ部12を用いて入力操作を行い、ハードディスク記憶部(二重化)16に格納しているデータをメモリカード20に書き戻すための「書き戻しの実行」の項目を選択して実行キーを押下する操作を行う(ステップS301)。すると、スイッチ部12は、書き戻しの実行が選択されたことを示す入力信号を制御部14に出力する。
【0047】
書き戻しの実行が選択されたことを示す入力信号を入力すると、制御部14は、データの種類(例えば、画像データ、映像データ、またはその他データ)の選択肢の表示画面を表示部11に表示させる。利用者は、表示部11に表示されたデータの種類の選択肢の表示画面に対して、スイッチ部12を用いて入力操作を行い、書き戻しを希望するデータの種類を選択操作して(例えば、矢印キーを操作して)実行キーを押下する操作を行う(ステップS302)。すると、スイッチ部12は、選択指示された書き戻し対象のデータの種類を示す入力信号を制御部14に出力する。
【0048】
制御部14は、ハードディスク記憶部(二重化)16に記憶しているデータのうち、スイッチ部12から送られた入力信号で示される(選択指示された)種類のデータに応じたフォルダを検索して特定する。そして、制御部14は、その特定したフォルダ(画像データ用フォルダ、映像データ用フォルダ、またはその他データ用フォルダ)内の作成日時フォルダを時系列に含む表示画面を表示部11に表示させる(ステップS303)。
【0049】
次に、利用者は、表示部11に表示された作成日時フォルダを含む表示画面において、スイッチ部12を用いて入力操作を行い、書き戻しを希望する日時フォルダを選択操作(例えば、矢印キーを操作して)して実行キーを押下する操作を行う(ステップS304)。実行キーが押下されると、スイッチ部12は、選択指示された書き戻し対象の作成日時フォルダを示す入力信号を制御部14に出力する。
【0050】
制御部14は、ハードディスク記憶部(二重化)16が記憶するデータのうち、スイッチ部12から送られた入力信号に示される書き戻し対象の作成日時フォルダに含まれるデータを抽出する。そして、制御部14は、抽出したデータを、メモリカードコントロール部13を介してメモリカード20にコピーして書き込む(ステップS305)。
【0051】
また、制御部14は、メモリカード20にデータを書き込む処理を実行している間に、メモリカード20の書き込み容量の残量を随時確認する(ステップS306)。例えば、制御部14は、メモリカード20の記憶容量の残量を示す制御信号をメモリカードコントロール部13から随時入力し、入力した制御信号に示される記憶容量の残量を判定する。
【0052】
メモリカード20の書き込み容量の残量が、書き込もうとするデータのサイズより少ない(すなわち、メモリカード20のメモリ容量が足りない)と判断した場合には(ステップS306のY)、制御部14は、データのコピーを中止する。また、制御部14は、利用者に対して別のメモリカードの挿入を促すメッセージ(例えば、「次のメモリカードを挿入」)を表示部11に表示させる。利用者は、表示部11に表示されたメッセージを見て、別のメモリカード20を挿入するともに、スイッチ部12を用いて、書き込みの続行を指示するために実行キーを押下する操作を行う(ステップS307)。実行キーが押下されると、スイッチ部12は、データの書き込みの続行が指示されたことを示す入力信号を制御部14に出力する。
【0053】
データの書き込みの続行が指示されたことを示す入力信号を入力すると、制御部14は、メモリカードコントロール部13を介して、中止していたデータのコピーを再開し、メモリカードコントロール部13を介してメモリカード20にデータを書き込む処理を開始する(ステップS308)。
【0054】
本実施形態の記憶装置は、パソコン等を介在することなく、メモリカード20に格納されたデータを、データの種類及び作成日時に応じて整理してバックアップを行うことができる。また、バックアップ後にメモリカードのデータを消去するのでメモリカードの再利用時の利便性が高い。また、メモリカードのデータを消去する際に、ハードディスク記憶部(二重化)16とメモリカード20とのデータを比較し、一致しない場合は消去を行わないので、データの消失を避けることができる。また、ハードディスク記憶部(二重化)16は、二重化されていることにより、データの保管における安全性が向上する。
【0055】
また、本実施形態の記憶装置は、パソコン等を介在することなく、バックアップしたデータをデータの種類及びバックアップ日時を利用者が選択することができるので、利用者が書き戻しを希望するデータを容易にメモリカードに書き戻すことができる。
【0056】
また、一般的にデジタルカメラやデジタルビデオカメラで録画した場合、バックアップを行った日時がわかれば、そこに入っている内容の予想はつきやすいので、バックアップの日時で管理すれば、欲しいデータの検索は容易である。
【0057】
また、メモリカードは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラに内蔵して使用され、一般的に1つのメモリカードは使いまわしされることが多い。そのため、バックアップした時と同じメモリカードに書き戻すケースが多いと考えられ、書き戻す場合にメモリの容量が足りなくなるケースは少ないと考えられる。ただし、もしバックアップの際に用いたものよりも記憶容量の小さいメモリカード20を用いて書き戻しの操作を行ってしまったとしても、ステップS306〜S308の処理が実行されることによって、メモリカードの20のメモリ容量が足りない場合にバックアップデータの書き戻しに失敗してしまうことを防止できる。
【0058】
実施形態2.
次に、本発明による記憶装置の第2の実施形態(実施形態2)を説明する。図7は、記憶装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態の記憶装置40の構成は、外部装置に接続するための外部インターフェース部17を新たに備えた以外は、実施形態1で示した記憶装置10の構成と同じである。また、ハードディスク記憶部18は、実施形態1のハードディスク記憶部(二重化)16と同じであってもよいし、後述するように外部装置にもバックアップを行うことができるので、二重化しなくてもよい。記憶装置40は、例えば、外部インターフェース部17を介して、パーソナルコンピュータ(PC)30等の情報処理端末(外部装置)に接続することができる。
【0059】
パソコン30に接続された記憶装置40の制御部14は、外部インターフェース部17を介してパソコン30との間でデータ通信を行う。制御部14は、ハードディスク記憶部18に格納されたデータを、外部インターフェース部17を介してパソコン30の記憶部(図示せず)に格納することができる。また、利用者によるパソコン30の操作に応じて、制御部14は、ハードディスク記憶部18に格納されたデータを編集する。具体的には、例えば、データのファイル名の変更やフォルダ名の変更、データのフォルダ間の移動およびデータの削除等を実施する。
【0060】
本実施形態の記憶装置40は、ハードディスク記憶部18にバックアップしたデータをさらにパソコン30にもバックアップすることができるので、ディスクの破損等によりデータを消失する可能性を低減することができる。また、本実施形態によれば、記憶装置40は、ハードディスク記憶部18に格納しているデータをパソコン30からの操作に応じて編集することができる。そのため、例えば、ハードディスク記憶部18内のデータを管理しやすく整理したり、不要なデータを削除したりすることによりハードディスク記憶部18の空き容量を確保することができる。
【0061】
図8は、本発明による記憶装置の主要部を示すブロック図である。図8に示すように、記憶装置10は、主要な構成要素として、バックアップデータを記憶する記憶部19と、外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして記憶部19に記憶させるバックアップ制御手段104と、バックアップ制御手段104により記憶された記憶部19のバックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較するデータ比較手段105と、データ比較手段105が比較した結果が一致であった場合、外部記憶媒体に記憶されているデータを消去するデータ消去手段106とを備える。
【0062】
また、上記の各実施形態では、以下の(1)〜(4)に示すような記憶装置も開示されている。
【0063】
(1)バックアップ制御手段(例えば、バックアップ制御手段104)は、外部記憶媒体(例えば、メモリカード20)のデータを二重化して記憶部に記憶させる記憶装置(例えば、記憶装置10)。
【0064】
(2)記憶装置は、所定のバックアップ要求に応じて、現在の日時を、バックアップデータを作成した作成日時として定める作成日時算出手段(例えば、作成日時算出手段101)と、外部記憶媒体から読み出したデータのデータ種別を判定するデータ種別判定手段(例えば、データ種別判定手段102)とを備え、バックアップ制御手段は、外部記憶媒体から読み出したデータを、作成日時算出手段が定めた作成日時、及びデータ種別判定手段が定めたデータ種別に対応付けて記憶部に記憶させるように構成されていてもよい。
【0065】
(3)記憶装置は、所定の書き戻し要求に応じて、記憶部が記憶するバックアップデータを抽出して、外部記憶媒体に再度書き込む制御を行うデータ書き戻し制御手段(例えば、データ書き戻し制御手段108)と、利用者の操作に従って、書き戻し対象のバックアップデータの作成日時及びデータ種別を入力する入力手段(例えば、入力手段107)とを備え、データ書き戻し制御手段は、入力手段が入力した作成日時及びデータ種別に対応するバックアップデータを記憶部から抽出して、外部記憶媒体に再度書き込むように構成されていてもよい。
【0066】
(4)記憶装置は、外部装置(例えば、パソコン30)に接続するための外部インターフェース部(例えば、外部インターフェース部17)を備えるように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、デジタルカメラやデジタルビデオに用いられる外部記憶媒体に格納されたデータのバックアップを行う記憶装置に適用される。
【符号の説明】
【0068】
10,40 記憶装置
11 表示部
12 スイッチ部
13 メモリカードコントロール部
14 制御部
15 RTC部
16 ハードディスク記憶部(二重化)
17 外部インターフェース部
18 ハードディスク記憶部
20 メモリカード
30 パソコン
101 作成日時算出手段
102 データ種別判定手段
103 作成日時フォルダ作成手段
104 バックアップ制御手段
105 データ比較手段
106 データ消去手段
107 入力手段
108 データ書き戻し制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックアップデータを記憶する記憶部と、
外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして前記記憶部に記憶させるバックアップ制御手段と、
前記バックアップ制御手段により記憶された前記記憶部のバックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較するデータ比較手段と、
前記データ比較手段が比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去するデータ消去手段とを備えた
ことを特徴とする記憶装置。
【請求項2】
バックアップ制御手段は、外部記憶媒体のデータを二重化して記憶部に記憶させる
請求項1記載の記憶装置。
【請求項3】
所定のバックアップ要求に応じて、現在の日時を、バックアップデータを作成した作成日時として定める作成日時算出手段と、
外部記憶媒体から読み出したデータのデータ種別を判定するデータ種別判定手段とを備え、
バックアップ制御手段は、
前記外部記憶媒体から読み出したデータを、前記作成日時算出手段が定めた作成日時、及び前記データ種別判定手段が定めたデータ種別に対応付けて記憶部に記憶させる
請求項1又は請求項2記載の記憶装置。
【請求項4】
所定の書き戻し要求に応じて、記憶部が記憶するバックアップデータを抽出して、外部記憶媒体に再度書き込む制御を行うデータ書き戻し制御手段と、
利用者の操作に従って、書き戻し対象のバックアップデータの作成日時及びデータ種別を入力する入力手段とを備え、
前記データ書き戻し制御手段は、
前記入力手段が入力した作成日時及びデータ種別に対応するバックアップデータを記憶部から抽出して、前記外部記憶媒体に再度書き込む
請求項3に記載の記憶装置。
【請求項5】
外部装置に接続するための外部インターフェース部を備えた
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の記憶装置。
【請求項6】
外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして記憶し、
記憶された前記バックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較し、
比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去する
ことを特徴とするデータバックアップ方法。
【請求項7】
コンピュータに、
外部記憶媒体から読み出したデータをバックアップデータとして記憶させるバックアップ処理と、
記憶された前記バックアップデータと前記外部記憶媒体のデータとを比較するデータ照合処理と、
比較した結果が一致であった場合、前記外部記憶媒体に記憶されているデータを消去するデータ消去処理とを
実行させるためのデータバックアッププログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−109655(P2013−109655A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255391(P2011−255391)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)