説明

記録再生装置、記録再生方法及びプログラム

【課題】ラジオ放送の記録の予約とテレビ放送の記録の予約との競合を調整することができる記録再生装置、記録再生方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ラジオ放送受信部102は、ラジオ放送を受信する。また、テレビ放送受信部104は、テレビ放送を受信する。番組記録予約登録管理部118は、ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する。予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、圧縮/変換部105は、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成する。信号記録部106は、第2の音声信号を記憶部107に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生装置、記録再生方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ放送等を受信して、その音声データをHDD(Hard Disk Drive)に記録するオーディオ機器や、テレビ放送を受信して、そのビデオデータをHDDに記録するHDDレコーダが実用化されている。
これに関連して、新聞などの番組欄から予約用コードをリモコンで読み取って、簡単にテレビ放送の記録の予約をすることができる技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−180293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ラジオ放送の番組にはこのような予約用コードは割り当てられておらず、ラジオ放送の記録の予約とテレビ放送の記録の予約との競合を調整することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ラジオ放送の記録の予約とテレビ放送の記録の予約との競合を調整することができる記録再生装置、記録再生方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る記録再生装置は、
データを記憶する記憶部と、
ラジオ放送を受信するラジオ放送受信部と、
テレビ放送を受信するテレビ放送受信部と、
ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する予約部と、
前記予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成して前記記憶部に記録する記録部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記予約部は、
テレビ放送を受信して記録することを予約する回路が、ラジオ放送を受信して記録することを予約してもよい。
【0008】
前記記録再生装置は、
前記第2の映像信号を前記予約で指定された記録方式の音声信号に変換する変換部、
をさらに備えてもよい。
【0009】
前記変換部は、
前記変換と他の処理とが競合しないときに、前記変換を実行してもよい。
【0010】
前記変換部は、
前記記録部が動作していないときに、前記変換を実行してもよい。
【0011】
前記記録再生装置は、
前記予約に従って記録された期間に基づいて、前記変換に要する期間を示す変換期間を算出する変換期間算出部、をさらに備え、
前記変換部は、
現時点から前記変換期間を経過するまでの期間に前記変換と他の処理とが競合しないときに、前記変換を実行してもよい。
【0012】
前記変換部は、
前記変換を実行しているときに、競合する処理が発生した場合、前記変換を中止してもよい。
【0013】
前記第1の映像信号は黒レベル信号であってもよい。
【0014】
前記記録再生装置は、
前記変換が完了した後に、前記第2の映像信号を前記記憶部から削除する削除部、
をさらに備えてもよい。
【0015】
また、本発明の第2の観点に係る記録再生方法は、
ラジオ放送を受信するラジオ放送受信工程と、
テレビ放送を受信するテレビ放送受信工程と、
ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する予約工程と、
前記予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成して記憶部に記録する記録工程と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
ラジオ放送を受信するラジオ放送受信手順と、
テレビ放送を受信するテレビ放送受信手順と、
ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する予約手順と、
前記予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成して記憶部に記録する記録手順と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ラジオ放送の記録の予約とテレビ放送の記録の予約との競合を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係るHDDレコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、番組予約DBを説明するための図であり、(b)は、記録データDBを説明するための図である。
【図3】図1に示す制御部が実行する番組予約処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】番組予約画面の一例を説明するための図である。
【図5】(a)乃至(c)は、予約一覧画面の例を説明するための図である。
【図6】図1に示す制御部が実行する番組記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】(a)は、番組予約DBのレコードを説明するための図であり、(b)は、記録データDBのレコードを説明するための図である。
【図8】図1に示す制御部が実行するデータ変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態2に係るHDDレコーダの構成を示すブロック図である。
【図10】変換時間DBを説明するための図である。
【図11】図9に示す制御部が実行する変換時間算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図9に示す制御部が実行するデータ変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施形態3に係るHDDレコーダの構成を示すブロック図である。
【図14】記憶部の構成を説明するための図である。
【図15】図9に示す制御部が実行する記録可能時間表示処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るHDD(Hard Disk Drive)レコーダ100を、図面を参照して説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態に係るHDDレコーダ100は、ラジオ放送、テレビ放送等を受信して音声信号及びビデオ信号を記録・再生する装置であって、図1に示すように、音声入力部101と、ラジオ放送受信部102と、黒レベル信号生成部103と、テレビ放送受信部104と、映像/音声の圧縮/変換部105(以下、圧縮/変換部105という。)と、信号記録部106と、記憶部107と、信号読み出し部107aと、LPCM(Linear Pulse Code Modulation)検出部108と、信号分離部109と、信号分離部109aと、音声ES(Elementary Stream)抽出部110と、映像ES(Elementary Stream)抽出部110aと、サンプリング周波数変換部111と、フォーマット変換部112と、音声信号圧縮部113と、音声信号再生処理部114と、映像信号再生処理部114aと、音声信号出力部115と、映像信号出力部116と、操作部117と、番組記録予約登録管理部118と、記録番組管理部119と、操作画面表示制御部120と、GUI画面生成部121と、リソース管理部122と、ADC(Analog to Digital Converter)123と、制御部124と、スイッチSW1〜SW4と、を備えている。
HDDレコーダ100は、ユーザの指示に応答して、ラジオ放送、テレビ放送等を受信して音声信号及びビデオ信号を記録する。ここで、HDDレコーダ100は、ラジオ放送などの音声信号を記録する場合、この音声信号を含むビデオデータを生成して一旦保存した後、適宜所望の形式の音声データに再変換して保存する。
【0021】
音声入力部101は、音声信号の入力I/F(Interface)などから構成され、CD(Compact Disc)再生装置等の外部装置から供給された音声信号をスイッチSW1に供給する。
【0022】
ラジオ放送受信部102は、ラジオチューナーなどから構成され、制御部124から供給される制御信号に応答して、ラジオ放送を受信し、受信したラジオ放送の音声信号をスイッチSW1に供給する。
【0023】
黒レベル信号生成部103は、ビデオ信号発生器などから構成され、制御部124から供給される制御信号に応答して、黒レベルのビデオ信号を示す黒レベル信号を生成し、生成した黒レベル信号をスイッチSW3に供給する。
【0024】
テレビ放送受信部104は、テレビチューナーなどから構成され、制御部124から供給される制御信号に応答して、テレビ放送を受信し、受信したテレビ放送の信号を信号分離部109aに供給する。
【0025】
信号分離部109aは、DEMUX(demultiplexer)などから構成され、テレビ放送受信部104から供給された信号を音声信号とビデオ信号とに分離し、音声信号をスイッチSW2に供給し、ビデオ信号をスイッチSW3に供給する。
【0026】
スイッチSW1は、制御部124から供給される制御信号に応答して、音声入力部101から供給された音声信号又はラジオ放送受信部102から供給された音声信号のうち、いずれか一方の音声信号をADC(Analog to Digital Converter)123に供給する。
【0027】
スイッチSW2は、制御部124から供給される制御信号に応答して、ADC123から供給された音声信号又は信号分離部109aから供給された音声信号のうち、いずれか一方の音声信号を圧縮/変換部105に供給する。
【0028】
スイッチSW3は、制御部124から供給される制御信号に応答して、黒レベル信号生成部103から供給された黒レベル信号又は信号分離部109aから供給されたビデオ信号のうち、いずれか一方のビデオ信号を圧縮/変換部105に供給する。
【0029】
圧縮/変換部105は、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)エンコーダなどから構成され、スイッチSW2から供給された音声信号とスイッチSW3から供給されたビデオ信号に応答して、この音声信号とこのビデオ信号とをそれぞれ変換/圧縮(エンコード)し多重化することにより、圧縮ビデオデータ(MPEG2 PS信号など)を生成し、生成した圧縮ビデオデータを信号記録部106に供給する。
本実施形態では、圧縮/変換部105は、スイッチSW2から供給された音声信号をLPCM(Linear Pulse Code Modulation)の音声データを備える圧縮ビデオデータに記録するようにエンコードする。
【0030】
信号記録部106は、圧縮/変換部105から供給された圧縮ビデオデータや後述するSW4から供給される圧縮音声データに応答して、これらのデータを記憶部107に記録する。データの記録が終了すると、信号記録部106はその旨を記録番組管理部119に通知する。
【0031】
記憶部107は、HDD(Hard Disk Drive)などから構成され、ビデオデータや音声データ等を記憶する。また、記憶部107は、番組予約DB1071と、記録データDB1072とを備える。
番組予約DB1071は、図2(a)に示すように、記録するソースの種別と、受信するチャンネルと、記録を開始する日時を示す記録開始日時と、記録を終了する日時を示す記録終了日時と、記録する番組の番組名と、記録モードと、を対応付けて記憶する。
記録データDB1072は、図2(b)に示すように、データを識別するデータID(Identifier)と、ビデオデータから音声データに変換する必要があるか否かを示す変換要フラグと、前述した、種別と、記録開始日時と、記録終了日時と、番組名と、記録モードと、を対応付けて記憶する。
本実施形態では、変換要フラグ=0はビデオデータから音声データに変換することを要しないことを意味し、変換要フラグ=1はビデオデータから音声データに変換することを要することを意味する。
【0032】
図1に示す信号読み出し部107aは、所定のタイミングで、変換要フラグ=1に対応するデータIDを記録データDB1072から取得し、取得したデータIDが付されたビデオデータを記憶部107から読み出してメモリ(バッファメモリ)に逐次記憶し、その旨を信号分離部109に通知する。
【0033】
信号分離部109は、DEMUX(demultiplexer)などから構成され、信号読み出し部107aからの通知に応答して、通知のあったビデオデータを音声信号と映像信号とに分離し、分離した旨を音声ES抽出部110と映像ES抽出部110aに通知する。
【0034】
音声ES抽出部110は、信号分離部109からの通知に応答して、分離された音声信号を音声ES(Elementary Stream)信号としてバッファメモリから抽出し、抽出した音声信号を音声信号再生処理部114とLPCM検出部108に供給する。
【0035】
LPCM検出部108は、音声ES抽出部110から供給された音声信号がLPCMで記録された音声信号を含む場合、この音声信号をサンプリング周波数変換部111に供給する。
【0036】
映像ES抽出部110aは、信号分離部109からの通知に応答して、分離されたビデオ信号を映像ES(Elementary Stream)信号としてバッファメモリから抽出し、抽出したビデオ信号を映像信号再生処理部114aに供給する。
【0037】
サンプリング周波数変換部111は、SFC(Sampling Frequency Converter)などから構成され、LPCM検出部108から供給される音声信号に応答して、この音声信号のサンプリング周波数を例えば48kHzから44.1kHzに変換するなどの処理を行い、変換後の音声信号をフォーマット変換部112及び音声信号圧縮部113に供給する。
【0038】
フォーマット変換部112は、サンプリング周波数変換部111から供給される音声信号に応答して、この音声信号のフォーマットをLPCMからWAV(RIFF waveform Audio Format)に変換し、変換後の音声信号をスイッチSW4に供給する。
【0039】
音声信号圧縮部113は、MP3(MPEG Audio Layer-3)エンコーダなどから構成され、制御部124から供給される制御信号に応答して、サンプリング周波数変換部111から供給された音声信号を設定された録音モードに従い所望の圧縮形式に圧縮(エンコード)し、圧縮した音声信号(圧縮音声データ)をスイッチSW4に供給する。
【0040】
スイッチSW4は、制御部124から供給される制御信号に応答して、フォーマット変換部112から供給された音声信号又は音声信号圧縮部113から供給された音声信号のうち、いずれか一方の音声信号を信号記録部106に供給する。
【0041】
音声信号再生処理部114は、各種圧縮方式のデコーダやDAC(Digital to Analog Converter)などから構成され、音声ES抽出部110から供給された音声信号に応答して、供給された音声信号を再生し、再生した音声信号を音声信号出力部115に供給する。
【0042】
映像信号再生処理部114aは、各種圧縮方式のデコーダやDAC(Digital to Analog Converter)などから構成され、映像ES抽出部110aから供給されたビデオ信号に応答して、供給されたビデオ信号を再生し、再生したビデオ信号を映像信号出力部116に供給する。
【0043】
音声信号出力部115は、アンプなどから構成され、音声信号再生処理部114から供給される音声信号に応答して、この音声信号を増幅し、増幅した音声信号を外部のスピーカなどに出力する。
【0044】
映像信号出力部116は、ビデオ信号の出力I/F(Interface)などから構成され、映像信号再生処理部114a及びGUI画面生成部121から供給されるビデオ信号を外部の表示装置などに供給する。
【0045】
操作部117は、操作ボタン等を備え、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部124に供給する。
【0046】
番組記録予約登録管理部118は、後述するラジオ放送やテレビ放送の番組の記録を予約するために必要な事項を入力する番組予約画面200から入力された各種の情報を番組予約DB1071に記録する。
【0047】
記録番組管理部119は、信号記録部106からの通知に応答して、記憶部107に記録された圧縮ビデオデータの情報を記録データDB1072に記録する。
【0048】
操作画面表示制御部120は、CPU(Central Processing Unit)、メモリなどから構成され、制御部124から供給される指示信号に応答して、操作画面の画像データを生成する旨の制御信号をGUI画面生成部121に供給する。
【0049】
GUI画面生成部121は、ビデオ信号発生器などから構成され、操作画面表示制御部120から供給された制御信号に応答して、操作画面の画像データを生成し、生成した操作画面の画像データを映像信号出力部116に供給する。
【0050】
リソース管理部122は、ハードウェアの動作状態を検出するセンサなどから構成され、制御部124から提供される制御信号に応答して、ハードウェアの動作状態を制御部124に提供する。
【0051】
ADC123は、スイッチSW1から供給されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、変換後の音声信号をスイッチSW2に供給する。なお、このときのサンプリング周波数は、一例として48kHzである。
【0052】
制御部124は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、RTC(Real Time Clock)などから構成され、メモリに記憶された所定のプログラムをCPUが実行することにより、信号記録部106、信号読み出し部107a、LPCM検出部108、音声ES抽出部110、映像ES抽出部110a、フォーマット変換部112、音声信号再生処理部114、映像信号再生処理部114a、番組記録予約登録管理部118、記録番組管理部119として機能する。
また、ラジオ放送などの音声信号を記録する際に、制御部124は、圧縮/変換部105等を制御して、この音声信号を含むビデオデータを生成して一旦保存した後、適宜所望の形式の音声データに再変換して保存する。制御部124の機能と実行する制御の詳細については後述する。
【0053】
次に、上記構成を有するHDDレコーダ100の動作を説明する。
【0054】
HDDレコーダ100は、テレビ放送を受信してそのビデオ信号を記録するほか、ラジオ放送を受信してその音声信号を記録する際に、この音声信号を含むビデオデータを生成して一旦保存した後、適宜所望の形式の音声データに再変換して保存するという特徴的な動作を行う。以下、この特徴的な動作を中心に説明する。
【0055】
以下、理解を容易にするため、ユーザがラジオ番組の記録を予約する場合を例にして説明する。番組の記録を予約したい場合、ユーザは、まず、操作部117を操作してその旨を指示する。
制御部124は、ユーザの指示に応答して、図3に示す番組予約処理を開始し、まず、図4に示す番組予約画面200をテレビモニタなどの外部の表示装置に表示する(ステップS1)。
【0056】
具体的には、制御部124は、ユーザの指示に応答して、番組予約画面200を生成する旨の指示信号を操作画面表示制御部120に供給する。
操作画面表示制御部120は、制御部124から供給された指示信号に応答して、番組予約画面200を生成する旨の制御信号をGUI画面生成部121に供給する。
GUI画面生成部121は、操作画面表示制御部120から供給された制御信号に応答して、番組予約画面200の画像データを生成し、生成した画像データを映像信号出力部116に供給する。
映像信号出力部116は、GUI画面生成部121から供給された番組予約画面200の画像データを外部の表示装置に供給する。
このようにして、図4に示す番組予約画面200が外部の表示装置に表示される。
【0057】
番組予約画面200は、ラジオ放送やテレビ放送の番組の記録を予約するために必要な事項を入力する画面であって、図4に示すように、記録(録音・録画)するソースの種別を入力する種別入力欄201、受信するチャンネルを入力するチャンネル入力欄202、記録を開始する日時を示す記録開始日時を入力する記録開始日時入力欄203、記録を終了する日時を示す記録終了日時を入力する記録終了日時入力欄204、記録する番組の番組名を入力する番組名入力欄205、記録モード(録画/録音モード)を入力する記録モード入力欄206、予約を確定する予約ボタン207などを備えている。
なお、ソースの種別には、FMラジオ放送、AMラジオ放送、地上デジタルテレビ放送、BS(Broadcasting Satellite)放送などがある。また、記録モードは、音声信号を記録する場合とビデオ信号を記録する場合とで異なっており、音声信号の記録モードには、非圧縮のLPCM方式で記録するLPCMモード、ビットレート=320kbpsのMP3方式で記録するMP3 XPモード、ビットレート=192kbpsのMP3方式で記録するMP3 SPモードなどがあり、ビデオ信号の記録モードには、ハイビジョンの元データをそのまま変換せずにMPEG2 TS方式で記録するDRモード、ハイビジョンの元データを再圧縮変換してH.264/MPEG4 AVC方式で記録するAF〜AEモード、ハイビジョンの元データを標準画質にダウンコンバートしてMPEG2 PS方式で記録するXP〜EPモードなどがある。
【0058】
制御部124は、番組予約画面200のいずれかのボタンが押下されたことを検出することにより、ユーザから指示があったか否かを判別する(ステップS2)。制御部124は、ユーザから指示がないと判別した場合(ステップS2;No)、ステップS2を繰り返す。
一方、制御部124は、ユーザから指示があったと判別した場合(ステップS2;Yes)、その指示が番組の記録を予約する旨の指示(予約指示)であったか否かを判別する(ステップS3)。具体的には、制御部124は、予約ボタン207が押下されたことを検出することにより、その指示が予約指示であると判別する。
【0059】
制御部124は、ユーザからの指示が予約指示でないと判別した場合(ステップS3;No)、番組予約処理を終了し、その指示に応じた所定の処理を実行する。
例えば、ユーザからの指示がキャンセルする旨の指示の場合には、番組予約処理を終了し、初期画面などに復帰する。
一方、制御部124は、ユーザからの指示が予約指示であると判別した場合(ステップS3;Yes)、種別入力欄201に入力された種別と、チャンネル入力欄202に入力されたチャンネルと、記録開始日時入力欄203に入力された記録開始日時と、記録終了日時入力欄204に入力された記録終了日時と、番組名入力欄205に入力された番組名と、記録モード入力欄206に入力された記録モードと、を対応付けて番組予約DB1071に追加的に記録し(ステップS4)、番組予約処理を終了する。
このようにしてラジオ放送の番組の記録の予約が完了する。なお、ユーザは、テレビ放送の番組の予約も前述した番組予約画面200を利用してすることができる。この場合、ユーザは、種別入力欄において、例えば、「地上デジタルテレビ放送」を選択すればよい。
【0060】
このように予約された番組の情報を、ユーザは、後述する予約一覧画面300で確認することができる。ユーザは、予約したラジオ放送の番組の情報を確認したい場合、操作部117を操作してその旨を指示する。
制御部124は、ユーザの指示に応答して、番組予約DB1071から種別がFMラジオ放送及びAMラジオ放送のレコードを抽出して、図5(a)に示すように、ラジオ放送の予約一覧画面300を外部の表示装置に表示する。
なお、制御部124は、ユーザの指示に応答して、番組予約DB1071から、種別が地上デジタルテレビ放送及びBS放送のレコードを抽出して、図5(b)に示すように、テレビ放送の予約一覧画面300を外部の表示装置に表示することもできる。また、制御部124は、ユーザの指示に応答して、番組予約DB1071から全レコードを読み出して、図5(c)に示すように、ラジオ放送及びテレビ放送の予約一覧画面300を外部の表示装置に表示することもできる。
このようにしてユーザは、予約した番組の情報を確認することができる。特に、本実施形態のHDDレコーダ100は、後述するように、ラジオ放送の音声信号を記録する場合、ビデオデータとして記憶部107に一旦記録(初期記録)するので、複雑な処理を実行することなく、簡単な構成でラジオ放送の記録の予約及びテレビ放送の記録の予約とを一元化することができる。
【0061】
次に、制御部124がこのように予約された番組を記憶部107に記録する動作を詳細に説明する。
【0062】
制御部124は、番組予約処理が終了したことを契機として、図6に示す番組記録処理を開始し、まず、番組予約DB1071を参照し、RTCから取得した現在日時が記録開始日時になったか否かを判別する(ステップS11)。制御部124は、現在日時が記録開始日時になっていないと判別した場合(ステップS11;No)、ステップS11を繰り返す。
【0063】
一方、制御部124は、現在日時が記録開始日時になったと判別した場合(ステップS11;Yes)、番組予約DB1071を参照し、この記録開始日時に対応するソースの種別から今回の記録がラジオ放送の記録であるか否かを判別する(ステップS12)。
【0064】
制御部124は、今回の記録がラジオ放送の記録であると判別した場合(ステップS12;Yes)、黒レベル信号発生部103から供給された黒レベル信号とラジオ放送受信部104から供給された音声信号とから、MPEG2 PS信号を生成する(ステップS13)。
【0065】
具体的には、制御部124は、黒レベル信号を生成する旨の制御信号を黒レベル信号生成部103に供給し、黒レベル信号が圧縮/変換部105に供給されるようにスイッチSW3を切り替える。黒レベル信号生成部103は、制御部124から供給された制御信号に応答して、黒レベル信号を生成し、生成した黒レベル信号を、スイッチSW3を介して圧縮/変換部105に供給する。
【0066】
また、制御部124は、記録開始日時に対応するソースの種別に適合する変調方式、記録開始日時に対応するチャンネルで、ラジオ放送を受信する旨の制御信号をラジオ放送受信部102に供給し、ラジオ放送の音声信号が圧縮/変換部105に供給されるようにスイッチSW1及びSW2を切り替える。
【0067】
ラジオ放送受信部102は、制御部124から供給された制御信号に応答して、指定された変調方式及びチャンネルでラジオ放送を受信し、受信したラジオ放送の音声信号をスイッチSW1、ADC123、スイッチSW2を介して圧縮/変換部105に供給する。このとき、ラジオ放送の音声信号は、ADC123によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0068】
圧縮/変換部105は、スイッチSW2から供給された音声信号とスイッチSW3から供給された黒レベル信号に応答して、この音声信号とこの黒レベル信号とをそれぞれ変換/圧縮(エンコード)し、多重化することにより、圧縮ビデオデータ(MPEG2 PS信号)を生成し、生成した圧縮ビデオデータを信号記録部106に供給する。
このようにして、制御部124は、黒レベル信号とラジオ放送の音声信号とからMPEG2 PS信号を生成する。
【0069】
制御部124(信号記録部106)は、生成されたMPEG2 PS信号を記憶部107に記録する(ステップS14)。MPEG2 PS信号の記録が終了すると、制御部124(信号記録部106)は、その旨を記録番組管理部119に通知する。
制御部124(記録番組管理部119)は、信号記録部106からの通知に応答して、変換要フラグを1に設定する(ステップS15)。なお、前述したように、変換要フラグ=1はビデオデータから音声データに変換することを要することを意味する。
制御部124(記録番組管理部119)は、MPEG2 PS信号を記憶部107に記録するときにMPEG2 PS信号に付したデータIDと、ステップS15で設定された変換要フラグと、今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードとを対応付けて追加的に記録データDB1072に記録する(ステップS16)。制御部124(記録番組管理部119)は、今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードを番組予約DB1071から削除する(ステップS17)。但し、毎週月曜日など定期的に繰り返し記録する予約の場合、制御部124は、今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードを番組予約DB1071から削除しない。これにより、毎週予約などの場合は、番組予約情報が次週に引き継がれて残る。
【0070】
一方、制御部124は、前述したステップS12で、今回の記録がラジオ放送の記録でない、即ち、テレビ放送の記録であると判別した場合(ステップS12;No)、ユーザによって指示された録画モード(記録モード)に従って、信号分離部109aから供給された映像/音声信号をMPEG2 PS信号などの記録信号に変換する(ステップS21)。
制御部124(信号記録部106)は、生成された記録信号を記憶部107に記録する(ステップS22)。制御部124(記録番組管理部119)は、変換要フラグを0に設定する(ステップS23)。なお、前述したように、変換要フラグ=0はビデオデータから音声データに変換することを要しないことを意味する。
制御部124は、記録信号を記憶部107に記録するときに記録信号に付したデータIDと、ステップS23で設定された変換要フラグと、今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードとを対応付けて追加的に記録データDB1072に記録する(ステップS16)。制御部124は、今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードを番組予約DB1071から削除する(ステップS17)。
【0071】
このようにして、ラジオ放送を記録する場合も、テレビ放送を記録する場合も、ビデオデータとして記憶部107に一旦記録される。
【0072】
以上の番組記録処理を図6及び7を参照して具体的に説明する。
以下、理解を容易にするため、図7(a)に示すように、番組予約DB1071に予約のレコードR1が記録されており、現在日時が「2010/12/24 11:00」になったとする。
【0073】
現在日時が記録開始時刻になったため、図6のステップS11でYesとなり、記録するソースの種別がFM(FMラジオ放送)であるため、ステップS12でYesとなる。
制御部124は、黒レベル信号と音声信号とから生成したMPEG2 PS信号を記憶部107に記憶する(ステップS14)。このとき、制御部124が、MPEG2 PS信号にデータID「601」を付して記憶部107に記憶したとする。
制御部124は、図7(b)に示すように、データID「601」と変換要フラグ=1と今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードR1とを対応付けたレコードR2を追加的に記録データDB1072に記録し(ステップS16)、今回の記録に対応する番組予約DB1071のレコードR1を番組予約DB1071から削除する(ステップS17)。
【0074】
このように記録されたビデオデータのうち、ラジオ放送を記録したビデオデータは、所定のタイミングで、ユーザが指定した記録モードの音声データに変換される。
以下、制御部124が、ラジオ放送を記録したビデオデータを音声データに変換する処理を詳細に説明する。
【0075】
制御部124は、番組記録処理が終了したことを契機として、図8に示すデータ変換処理を開始し、まず、リソース管理部122からハードウェアの動作状態を取得することにより、データ変換処理が他の処理と競合しないか否かを判別する(ステップS31)。
例えば、ユーザの指示に応答して、制御部124が音声データの再生処理を実行したり、記録処理を実行したりしている場合、記憶部107のハードウェアリソースを占有するため、これらの処理とデータ変換処理とは競合すると判別される。
【0076】
制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合する場合(ステップS31;Yes)、ステップS31を繰り返す。
一方、データ変換処理が他の処理と競合しない場合(ステップS31;No)、制御部124は、信号読み出し部107aとして、記録データDB1072から変換要フラグ=1のレコードを検索し、検索条件を満たすレコードの「データID」フィールドの値を記録データDB1072から取得する(ステップS32)。制御部124は、取得したデータIDが付されたMPEG2 PS信号をバッファメモリに逐次記憶する(ステップS33)。また、制御部124(信号読み出し部107a)は、MPEG2 PS信号をバッファメモリに記憶した旨を信号分離部109に通知する。
【0077】
制御部124は、バッファメモリに記憶したMPEG2 PS信号がLPCMで記録された音声信号を含むか否かを判別する(ステップS34)。
制御部124は、MPEG2 PS信号がLPCMで記録された音声信号を含まないと判別した場合(ステップS34;No)、ステップS31に処理を戻す。
【0078】
一方、制御部124は、MPEG2 PS信号がLPCMで記録された音声信号を含むと判別した場合(ステップS34;Yes)、バッファメモリに記憶したMPEG2 PS信号から音声信号を抽出する(ステップS35)。
具体的には、信号分離部109(制御部124)は、信号読み出し部107aからの通知に応答して、バッファメモリに記憶されたビデオデータを音声信号と映像信号とに分離し、分離した旨を音声ES抽出部110と映像ES抽出部110aとに通知する。
音声ES抽出部110(制御部124)は、信号分離部109からの通知に応答して、分離された音声信号を音声ES(Elementary Stream)信号としてバッファメモリから抽出し、抽出した音声信号をLPCM検出部108に供給する。
このようにして、制御部124は、バッファメモリに記憶したMPEG2 PS信号から音声信号を抽出する。
【0079】
次に、制御部124は、ステップS32で取得したデータIDに対応する記録モードがLPCMであるか否か、即ち、ユーザによって指定された音声の記録モード(録音モード)がLPCMであるか否かを判別する(ステップS36)。制御部124は、指定された記録モードがLPCMでないと判別した場合(ステップS36;No)、抽出した音声信号を指定された記録モードでエンコードする(ステップS37)。
具体的には、LPCM検出部108(制御部124)は、音声ES抽出部110から供給された音声信号に応答して、供給された音声信号がLPCMで記録された音声信号を含む場合、この音声信号をサンプリング周波数変換部111に供給する。サンプリング周波数変換部111は、制御部124から供給される音声信号に応答して、この音声信号のサンプリング周波数を48kHzから例えば44.1kHzに変換し、変換後の音声信号をフォーマット変換部112及び音声信号圧縮部113に供給する。制御部124は、指定された記録モードでエンコードする旨の制御信号を音声信号圧縮部113に供給する。
音声信号圧縮部113は、制御部124から供給される制御信号に応答して、サンプリング周波数変換部111から供給された音声信号を指定された記録モードで圧縮(エンコード)し、圧縮した音声信号(圧縮音声データ)を、スイッチSW4を介して信号記録部106に供給する。
このようにして、制御部124は、抽出した音声信号を指定された記録モードでエンコードする。
【0080】
一方、制御部124は、ユーザによって指定された記録モードがLPCMであると判別した場合(ステップS36;Yes)、抽出した音声信号のフォーマットを変換し、ステップS38に処理を進める。
具体的には、制御部124(フォーマット変換部112)は、サンプリング周波数変換部111から供給される音声信号に応答して、この音声信号のフォーマットをLPCMからWAV(RIFF waveform Audio Format)に変換し、変換後の音声信号を、スイッチSW4を介して信号記録部106に供給する。
このようにして、制御部124は、抽出した音声信号の記録モードを変換する。
【0081】
次に、制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合しないか否かを判別する(ステップS37−1)。例えば、ユーザが手動で録音・録画を指示した場合やユーザが記録されたデータを編集している場合のように、他の処理が割り込みで実行されていないか否かを、制御部124は判別する。
制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合すると判別した場合(ステップS37−1;Yes)、実行している処理を中止し(ステップS38−2)、ステップS31に処理を戻す。
【0082】
一方、データ変換処理が他の処理と競合しないと判別した場合(ステップS37−1;No)、制御部124(信号記録部106)は、ユーザによって指定された記録モードで記録された音声信号を記憶部107に記録する(ステップS38)。
具体的には、制御部124は、スイッチSW4を介して供給された音声信号を記憶部107に記録する。このとき、制御部124は、記録データDB1072において、ステップS32で取得したデータIDに対応する変換要フラグを0に更新し、元のビデオデータを記憶部107から削除する。
【0083】
次に、制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合しないか否かを判別する(ステップS38−1)。制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合すると判別した場合(ステップS38−1;Yes)、実行している処理を中止し(ステップS38−2)、ステップS31に処理を戻す。
【0084】
一方、データ変換処理が他の処理と競合しないと判別した場合(ステップS38−1;No)、制御部124は、記録データDB1072に検索条件(変換要フラグ=1)を満たす次のレコードがあるか否かを判別することにより、今回のレコードが最後のものであるか否かを判別する(ステップS39)。制御部124は、今回のレコードが最後のものでないと判別した場合(ステップS39;No)、ステップS31に処理を戻す。
一方、制御部124は、今回のレコードが最後のものであると判別した場合(ステップS39;Yes)、データ変換処理を終了する。
このようにして、制御部124は、ラジオ放送を記録したビデオデータをユーザが指定した記録モードの音声データに変換する。
【0085】
以上、説明したように、HDDレコーダ100は、ラジオ放送の音声信号を記録する場合、ビデオデータとして記憶部107に一旦記憶し、所定のタイミングで、ユーザが指定した記録モードの音声データに変換する。
このため、ラジオ放送を記録する場合とテレビ放送を記録する場合とで共通の予約の仕組み(予約システム)を利用することができ、ラジオ放送の記録の予約とテレビ放送の記録の予約との競合を調整することができる。また、予約システムを共用することで設計コストを削減することもできる。
【0086】
(実施形態2)
実施形態1では、制御部124は、リソース管理部122からハードウェアの動作状態を取得することにより、データ変換処理が他の処理と競合しないか否かを判別し、競合しないと判別した場合、データ変換処理を実行するが、さらに、データの変換に要する時間中にラジオ放送又はテレビ放送の記録が開始されるか否かを判別し、この時間中にラジオ放送又はテレビ放送の記録が開始されないと判別した場合、データ変換処理を実行してもよい。
この場合の装置構成の一例を図9に示す。なお、図1と同一部分には同一符号を付す。
【0087】
本実施形態に係るHDDレコーダ100Aは、実施形態1のHDDレコーダ100を構成する装置の他、記録モード管理部125を備えている。また、記憶部107は、さらに変換時間DB1073を備えている。
変換時間DB1073は、図10に示すように、ラジオ放送の音声信号を含むビデオデータに付されたデータIDと、このビデオデータをユーザによって指定された記録モードの音声データに変換するのに必要な時間を示す変換時間とを対応付けて記憶する。
【0088】
本実施形態の記録番組管理部119は、信号記録部106からの通知に応答して、記憶部107に記録された圧縮ビデオデータの情報を記録データDB1072に記録し、さらに、記録データDB1072への記録が終了すると、記録番組管理部119はその旨を記録モード管理部125に通知する。
【0089】
記録モード管理部125は、記録番組管理部119の通知に応答して、記録データDB1072に新たに記録されたレコードの記録開始日時と記録終了日時とから算出した記録時間と、記録データDB1072に新たに記録されたレコードの記録モードとに基づいてラジオ放送の音声信号を含むビデオデータを音声データに変換するのに必要な時間を示す変換時間とを対応付けて追加的に変換時間DB1073に記録する。
【0090】
本実施形態の制御部124は、実施形態1で示した機能の他、前述した記録モード管理部125としての機能を有する。
【0091】
以下、上記構成を有するHDDレコーダ100Aが、ラジオ放送を記録したビデオデータの変換時間の情報を変換時間DB1073に記録し、この変換時間DB1073を参照して、好適なタイミングでラジオ放送を記録したビデオデータを音声データに変換するという特徴的な動作を中心に説明する。
【0092】
制御部124は、記録モード管理部125として、記録番組管理部119の通知に応答して、図11に示す変換時間算出処理を開始し、まず、記録データDB1072に新たに記録されたレコードの記録終了日時から記録開始日時を減じることにより、記録に要する時間を示す記録時間を算出する(ステップS51)。
【0093】
制御部124は、算出した記録時間と記録データDB1072に新たに記録されたレコードの記録モードとに基づいて、ラジオ放送の音声信号を含むビデオデータを音声データに変換するのに必要な時間を示す変換時間を算出する(ステップS52)。
具体的には、制御部124は、記録モードごとに設定された所定の式に記録時間を代入することにより、変換時間を算出する。
【0094】
制御部124は、記録データDB1072に新たに記録されたレコードのデータIDとステップS52で算出された変換時間とを対応付けて変換時間DB1073に追加的に記録する(ステップS53)。
このようにして、制御部124は、記録データDB1072にレコードが追加される度に、変換時間DB1073にレコードを追加していく。
【0095】
以下、このように記録された変換時間DB1073を参照して、制御部124が、好適なタイミングでラジオ放送を記録したビデオデータを音声データに変換する動作を説明する。なお、図8と同一の処理には同一符号を付す。
【0096】
制御部124は、番組記録処理が終了したことを契機として、図12に示すデータ変換処理を開始し、まず、リソース管理部122からハードウェアの動作状態を取得することにより、データ変換処理が他の処理と競合しないか否かを判別する(ステップS31)。
【0097】
制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合する場合(ステップS31;Yes)、ステップS31を繰り返す。
一方、制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合しない場合(ステップS31;No)、信号読み出し部107aとして、記録データDB1072から変換要フラグ=1のレコードを検索し、検索条件を満たすレコードの「データID」フィールドの値を記録データDB1072から取得する(ステップS32)。
【0098】
制御部124は、取得したデータIDに対応する変換時間を変換時間DB1073から取得する(ステップS71)。また、制御部124は、RTCから現在日時を取得する(ステップS72)。
【0099】
制御部124は、番組予約DB1071を参照し、ステップS72で取得した現在日時からステップS71で取得した変換時間が経過するまでの時間に記録開始日時が含まれるレコードがないか判別することにより、データを変換する時間にラジオ放送又はテレビ放送の記録が開始されるか否かを判別する(ステップS73)。
【0100】
制御部124は、データを変換する時間にラジオ放送又はテレビ放送の記録が開始されると判別した場合(ステップS73;Yes)、ステップ31に処理を戻す。
一方、制御部124は、データを変換する時間にラジオ放送又はテレビ放送の記録が開始されないと判別した場合(ステップS73;No)、図8のステップS33からステップS39と同じ処理を実行する(ステップS74)。
【0101】
このようにして、制御部124は、データ変換処理が他の処理と競合しない場合に、データ変換処理を実行することができる。
【0102】
(実施形態3)
実施形態1では、HDDレコーダ100は、ラジオ放送を受信してその音声信号を記録する際に、この音声信号を含むビデオデータを生成して一旦保存した後、適宜所望の形式の音声データに再変換して保存する。
この場合、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間をビットレートの低い音声データとして記録できる時間で表示した場合、表示上は記録できる時間が十分あるにもかかわらず、実際には一旦ビットレートの高いビデオデータとして保存するため、ラジオ放送の記録が途切れてしまう可能性がある。
一方、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間をビットレートの高いビデオデータとして保存できる時間で表示した場合、表示上は記録できる時間が少ししかないのにもかかわらず、実際には所定のタイミングでラジオ放送を記録したビデオデータを音声データに変換するため、大量の時間、ラジオ放送を記録できる可能性がある。
そこで、以下、記録できるラジオ放送の時間を適切に表示することができるHDDレコーダ100を説明する。
【0103】
この場合の装置構成の一例を図13に示す。なお、図1及び図9と同一部分には同一符号を付す。本実施形態に係るHDDレコーダ100Bは、実施形態2のHDDレコーダ100Aを構成する装置の他、記録可能時間管理部126を備えている。
【0104】
記録可能時間管理部126は、記憶部107に記録可能なラジオ放送の時間(期間)を算出する。
【0105】
本実施形態の制御部124は、実施形態1及び2で示した機能の他、前述した記録可能時間管理部126としての機能を有する。
【0106】
以下、上記構成を有するHDDレコーダ100Bが、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間を適切に表示するという特徴的な動作を中心に説明する。
【0107】
以下、理解を容易にするため、ラジオ放送の音声信号を記録する場合、ビデオデータとしてビットレートBRVideoで一旦記憶し、所定のタイミングで、ユーザによって指定された記録モードの音声データ(ビットレートBRSound)に変換するものとする。
また、以下の例では、図14に示すように、記憶部107の全容量=CAllのうち、記録済の容量=CUsedであり、空き容量=CRemainであるとする。
さらに、記録済の容量=CUsedのうち、ビデオデータから音声データへの変換が不要な容量=CRecであり、ビデオデータから音声データへの変換が必要な容量=CRec-pre-convであるとする。
【0108】
ユーザは、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間を外部の表示装置に表示したい場合、操作部117を操作してその旨を指示する。
制御部124は、記録可能時間管理部126として、ユーザの指示に応答して、図15に示す記録可能時間表示処理を開始し、リソース管理部122から記憶部107の空き容量CRemainを取得する(ステップS61)。制御部124は、ビデオデータとして記録できる最大の時間TReserveにビデオデータとして記録する際のビットレートBRVideoを乗じることにより、ラジオ放送を1つのビデオデータ(ビデオファイル)として記録できる最大の容量CReserveを算出する(ステップS62)。
本実施形態では、音声データをMP3形式で記録する際のファイルサイズの制限により、ビデオデータとして記録できる最大の時間TReserveを6時間としている。
【0109】
制御部124は、ステップS61で取得した空き容量CRemainがステップS62で算出した容量CReserve以上であるか否かを判別する(ステップS63)。制御部124は、空き容量CRemainが容量CReserve未満であると判別した場合(ステップS63;No)、ステップS61で取得した空き容量CRemainをビデオデータとして記録する際のビットレートBRVideoで除することにより、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間TRemainを算出する(ステップS64)。
制御部124は、算出した記憶部107に記録できるラジオ放送の時間TRemainを外部の表示装置に表示する(ステップS65)。
【0110】
一方、前述したステップ63で、空き容量CRemainが容量CReserve以上であると判別した場合(ステップS63;Yes)、制御部124は、ステップS61で取得した空き容量CRemainからステップS62で算出した容量CReserveを減じることにより、自由に記録できる容量CFreeを算出する(ステップS66)。制御部124は、ステップS66で算出した容量CFreeをユーザによって指定された記録モードの音声データに変換する際のビットレートBRSoundで除することにより、指定された記録モードの音声データとして自由に記録できる時間TFreeを算出する(ステップS67)。
【0111】
制御部124は、ビデオデータとして記録できる最大の時間TReserveに、ステップS67で算出した時間TFreeを加算することにより、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間TRemainを算出する(ステップS68)。
制御部124は、算出した記憶部107に記録できるラジオ放送の時間TRemainを外部の表示装置に表示する(ステップS65)。
【0112】
以上の動作を、図14及び15を参照して具体的に説明する。
例えば、ラジオ放送の音声信号を記録する場合、ビデオデータとしてビットレートBRVideo=10Mbpsで一旦記憶し、所定のタイミングで、ユーザによって指定された記録モードMP3 SP(ビットレートBRSound=192kbps)の音声データに変換するものとする。
また、以下の例では、記憶部107の全容量CAll=500GBのうち、記録済の容量CUsed=373GBであり、空き容量CRemain=127GBであるとする。
【0113】
この場合、ステップS62で、CReserve=TReserve×BRVideo=6時間×10Mbps=27GBとなり、CRemain=127GB≧CReserve=27GBであるため、ステップS63でYesとなる。
また、ステップS66で、CFree=CRemain−CReserve=127GB−27GB=100GBとなり、ステップS67で、TFree=CFree/BRSound=100GB/192kbps=1157時間となる。
【0114】
続いて、ステップS68で、TRemain=TReserve+TFree=6時間+1157時間=1163時間となり、制御部124は、算出したTRemain==1163時間を記憶部107に記録できるラジオ放送の時間として外部の表示装置に表示する(ステップS65)。
【0115】
次に、記憶部107の全容量CAll=500GBのうち、記録済の容量CUsed=493GBであり、空き容量CRemain=7GBであるとする。
【0116】
この場合、ステップS62で、CReserve=TReserve×BRVideo=6時間×10Mbps=27GBとなり、CRemain=7GB<CReserve=27GBであるため、ステップS63でNoとなる。
また、ステップS64で、TRemain=CRemain/BRVideo=7GB/10Mbps=1時間34分となる。
【0117】
続いて、ステップS65で、算出したTRemain=1時間34分を記憶部107に記録できるラジオ放送の時間として外部の表示装置に表示する(ステップS65)。
【0118】
以上、説明したように、制御部124は、ラジオ放送を1つのビデオデータとして記録できる最大の容量CReserveを記憶部107の空き容量CRemainに確保できる場合、ラジオ放送を1つのビデオデータとして記録できる最大の時間と、音声データとして記録できる時間の和を、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間TRemainとして外部の表示装置に表示する。このため、表示上は記録できる時間が十分あるにもかかわらず、ラジオ放送の記録が途切れてしまうということが抑制される。また、表示上は記録できる時間が少ししかないのにもかかわらず、大量の時間、ラジオ放送を記録できるということも抑制される。
従って、ラジオ放送をビデオデータとして一旦記録し、適宜所望の記録モードの音声データに変換する場合に、記録可能時間を適切に表示することができる。
【0119】
この発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記説明において示したハードウェアの構成及び動作は一例でありこれらに限定されるものではなく、適宜変更及び応用が可能である。
【0120】
上記実施形態では、圧縮/変換部105は、ラジオ放送の音声信号とデータ量の少ない黒レベル信号とを多重化しているが、多重化するビデオ信号は黒レベル信号に限定されず、任意のビデオ信号であってもよい。
【0121】
上記実施形態では、ADC123は、アナログの音声信号をサンプリング周波数48kHzでサンプリングしているが、サンプリング周波数はこれに限定されず、任意である。
また、上記実施形態では、サンプリング周波数変換部111は、音声信号のサンプリング周波数を48kHzから44.1kHzに変換しているが、変換後のサンプリング周波数も任意である。
【0122】
上記実施形態3では、ラジオ放送をビデオデータとして記録できる最大の時間TReserve=6時間としたが、これに限定されない。
【0123】
上記実施形態3では、理解を容易にするため、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間を外部の表示装置に表示しているが、HDDレコーダ100に設けたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部に表示してもよい。また、番組予約画面200に記憶部107に記録できるラジオ放送の時間を表示する欄を設けてもよい。
【0124】
このとき、ラジオ放送の音声信号を含むビデオデータ(容量CRec-pre-conv)を音声データに変換した場合、記憶部107に記録できるラジオ放送の時間を併せて表示してもよい。
この場合、制御部124は、ラジオ放送の音声信号を含むビデオデータを記憶部107に記憶する際に、ビデオデータのファイルサイズFSvideoと、このファイルサイズFSvideoにユーザによって指定された記録モードに応じた所定の係数を乗じて求めた変換後のファイルサイズFSsoundと、を記録データDB1072に記録し、FSvideoの累積値とFSsoundの累積値との差をCremainに加え、この差をCusedから減じて、記録可能時間表示処理を実行すればよい。
【0125】
上記実施形態3では、理解を容易にするため、ラジオ放送の音声信号を記録する場合を例にして説明したが、記録する音声信号はこれに限定されず、任意である。
また、音声信号をビデオ信号として一旦記録しているが、信号の種類は音声信号やビデオ信号に限定されず、任意である。
【0126】
なお、本発明の記録再生装置等は、専用の装置を用いる必要はなく、通常のコンピュータにより実現することができる。例えばコンピュータに上記した各処理を実行させるためのプログラム及びデータを記録媒体(CD−ROM等)に記録して配布し、これをインストールしてOS(Operating System)上で実行することにより、本発明の記録再生装置等を実現できる。また、プログラム及びデータの配布は、CD−ROM等に限らず、通信回線等を介して行われてもよい。
【符号の説明】
【0127】
100、100A、100B HDDレコーダ
101 音声入力部
102 ラジオ放送受信部
103 黒レベル信号生成部
104 テレビ放送受信部
105 圧縮/変換部
106 信号記録部
107 記憶部
107a 信号読み出し部
108 LPCM検出部
109、109a 信号分離部
110 音声ES抽出部
110a 映像ES抽出部
111 サンプリング周波数変換部
112 フォーマット変換部
113 音声信号圧縮部
114 音声信号再生処理部
114a 映像信号再生処理部
115 音声信号出力部
116 映像信号出力部
117 操作部
118 番組記録予約登録管理部
119 記録番組管理部
120 操作画面表示制御部
121 GUI画面生成部
122 リソース管理部
123 ADC
124 制御部
125 記録モード管理部
126 記録可能時間管理部
200 番組予約画面
201 種別入力欄
202 チャンネル入力欄
203 記録開始日時入力欄
204 記録終了日時入力欄
205 番組名入力欄
206 記録モード入力欄
207 予約ボタン
300 予約一覧画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶部と、
ラジオ放送を受信するラジオ放送受信部と、
テレビ放送を受信するテレビ放送受信部と、
ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する予約部と、
前記予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成して前記記憶部に記録する記録部と、
を備えることを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記予約部は、
テレビ放送を受信して記録することを予約する回路が、ラジオ放送を受信して記録することを予約する、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記第2の映像信号を前記予約で指定された記録方式の音声信号に変換する変換部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記変換部は、
前記変換と他の処理とが競合しないときに、前記変換を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記変換部は、
前記記録部が動作していないときに、前記変換を実行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記予約に従って記録された期間に基づいて、前記変換に要する期間を示す変換期間を算出する変換期間算出部、をさらに備え、
前記変換部は、
現時点から前記変換期間を経過するまでの期間に前記変換と他の処理とが競合しないときに、前記変換を実行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記変換部は、
前記変換を実行しているときに、競合する処理が発生した場合、前記変換を中止する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記第1の映像信号は黒レベル信号である、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記変換が完了した後に、前記第2の映像信号を前記記憶部から削除する削除部、
をさらに備えることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の記録再生装置。
【請求項10】
ラジオ放送を受信するラジオ放送受信工程と、
テレビ放送を受信するテレビ放送受信工程と、
ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する予約工程と、
前記予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成して記憶部に記録する記録工程と、
を備えることを特徴とする記録再生方法。
【請求項11】
コンピュータに、
ラジオ放送を受信するラジオ放送受信手順と、
テレビ放送を受信するテレビ放送受信手順と、
ラジオ放送及びテレビ放送を受信して記録することを予約する予約手順と、
前記予約に従ってラジオ放送を受信して記録するときに、ラジオ放送の音声信号と第1の映像信号とを含む第2の映像信号を生成して記憶部に記録する記録手順と、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−151533(P2012−151533A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6500(P2011−6500)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】